JP2004298684A - 液滴吐出装置及びマイクロカプセルの製造方法 - Google Patents

液滴吐出装置及びマイクロカプセルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マイクロカプセルの製造とこの吐出とを行うことを可能とした液滴吐出装置を提供する。
【解決手段】液滴吐出装置(1)の振動体(12)が配置された吐出用タンク(11)内にマイクロカプセルの核物質と膜物質とを含む溶液(16)を一時貯留し、該振動体を高周波f1で振動させて核材料を微粒子化して溶液内にマイクロカプセルを形成する。その後、振動体を溶液が応動可能な相対的に低い周波数f2で動作させて、溶液を該タンクから外部に押し出し、吐出ノズル13からマイクロカプセルを含む微量の溶液16aを吐出して対象体にマイクロカプセルを塗布する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微量の液滴を吐出する液滴吐出技術に関し、特に、吐出対象をマイクロカプセル化して吐出することを可能とした液滴吐出装置及びマイクロカプセルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マイクロカプセルは、概略、核物質(core material)と呼ばれる中身と、この中身を包む微小容器である膜物質(wall material)とからなる。マイクロカプセルは、核物質を外部環境から保護する機能や外部に放出する時期を調整する機能を有するので、医薬品、感圧紙、芳香剤、電気泳動粒子等の種々の分野で広く利用されている。
【0003】
このマイクロカプセルは、一般的に、核物質を粒子状に適当な媒質中に分散させる工程とこの粒子に膜物質を被膜する工程等を経て製造される。核物質の微粒子化及びマイクロカプセル化には、超音波法、ホモジナイザー法、噴霧乾燥法などが用いられる。
【0004】
例えば、特開平05−285375号公報には超音波法の例が開示されている。この例では、チタン等の金属プロ−ブ先端より超音波を発生させるプローブ型装置を用いている。ケラチンS−スルフォ塩水溶液、有機溶媒、核物質等を含む液体にプローブを浸漬し、振動エネルギーによりマイクロカプセルを得ている。
【0005】
また、例えば、特開平07−96167号公報にはホモジナイザー法の例が開示されている。この例では、水性物質と疎水性物質とを供給しつつロータの高速回転により乳化分散させ、疎水性物質をマイクロカプセル化している。
【0006】
【特許文献1】
特開平05−285375号公報
【特許文献2】
特開平07−96167号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、マイクロカプセルの製造とその使用とでは時間的あるいは空間的に離間している。マイクロカプセルの製造の場所と使用場所とが異なる場合が典型的例であるが、この時間的・空間的離間はマイクロカプセルの品質劣化をもたらす。マイクロカプセルの適切な保管、移送等も必要となる。
【0007】
また、従来のマイクロカプセルの製造装置では攪拌してマイクロカプセルの粒径を調整するため、攪拌機構の攪拌子が埋まる程度の量のマイクロカプセル材料を攪拌容器に充填することが必要である。このため、マイクロカプセルの微量あるいは少量の生産には向いていない。例えば、いわゆるDNAセンサ(あるいはDNAチップ)を形成するためのDNA断片試料や試験医薬等が非常に高価であるためにこれらのマイクロカプセル化の際に問題となる。
【0008】
また、従来のマイクロカプセルの製造装置は一種類のものを多量に生産するものであり、粒径や核物質を任意に選定した多種類のマイクロカプセルを少量生産しょうとすると生産効率が低い。
【0009】
また、従来のマイクロカプセルの製造装置では、材料を均一に攪拌することが難しく、製造されるマイクロカプセルの粒径の分布が広い。このため、液滴吐出法によってマイクロカプセルを塗布する場合に液滴吐出装置のノズル孔が詰まる原因となる。
【0010】
よって、本発明は少量のマイクロカプセルを製造するのに好適なマイクロカプセルの製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明はマイクロカプセルの製造とその使用とを連続させてマイクロカプセルの溜置きを必要としないマイクロカプセルの製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明はマイクロカプセルを製造しこれを所望の位置に吐出する液滴吐出装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の液滴吐出装置は、微小核とこの核を覆う膜とからなるマイクロカプセルを含む微量の液滴を吐出する液滴吐出装置において、上記マイクロカプセルの核物質及び膜物質を含む溶液を貯留するためのタンクと、上記タンク内の核物質に振動エネルギを付与して微粒子化させ、上記膜物質とのマイクロカプセル化を促す1又は複数の振動体と、を備える。
【0014】
かかる構成によれば、液滴吐出装置内でマイクロカプセルを製造することができ、製造されたマイクロカプセルを不純物混入及び品質劣化のないまま液滴吐出装置内に保存可能となる。
【0015】
好ましくは、上記タンクは液滴吐出孔の近傍に配置され、上記振動体は上記核物質をマイクロカプセル化する役割と、このマイクロカプセルを含む液滴の上記吐出孔からの吐出の役割とを担う。
【0016】
かかる構成によれば、上記振動体による上記核物質のマイクロカプセル化に後続して該マイクロカプセルの吐出が可能となる。マイクロカプセルの製造とその使用との時間的隔離を可及的に回避してマイクロカプセルの品質を維持した吐出が可能となる。
【0017】
好ましくは、上記振動体は、形成すべき上記マイクロカプセルの粒径に対応した第1の周波数の第1の振動エネルギと、上記マイクロカプセルを含む液滴を上記吐出孔から吐出するための上記第1の周波数よりも低い第2の周波数の第2の振動エネルギとを発生する。かかる構成の振動体の周波数切り替えにより、同一タンク内にてマイクロカプセルの製造と吐出とを選択的に実施できる。
【0018】
好ましくは、上記タンクは液滴吐出孔の近傍に配置され、上記振動体の1は、形成すべき上記マイクロカプセルの粒径に対応した第1の周波数で第1の振動エネルギを発生し、上記振動体の他の1は、上記マイクロカプセルを含む液滴を上記吐出孔から吐出するために上記第1の周波数よりも低い第2の周波数で第2の振動エネルギを発生する。
【0019】
このように、周波数の異なる2つの振動体が設けられたことにより、各振動体の電源オンオフのみで、同一タンク内におけるマイクロカプセルの製造と吐出とを選択的に実施できる。
【0020】
好ましくは、上記振動体は、少なくとも圧電体、静電力駆動振動体及びマイクロモータのいずれかを含む。かかる構成により、まず圧電体、または静電力駆動振動体に電気的な所定の周波数信号を印加することにより、上記タンク内でのマイクロカプセルの製造とその吐出のうちの所望の処理を行うことが可能となる。また、マイクロモータは、上記タンク内に設けられたスクリュー等の攪拌子を動作させる。これによりマイクロカプセルの製造を効率よく行うことができる。
【0021】
好ましくは、上記第1の周波数は非可聴領域の超音波周波数である。これにより、超音波という高い周波数域で振動体を使用すると、この大きな振動エネルギによって2相以上の液相間の細かな分散化、乳化を行うことが可能となる。すなわち微小のマイクロカプセルの形成に適する。また、非可聴域であるため騒音となる振動音が聞こえないため静かであることなどの長所がある。また、別の種類の液構成にタンク内溶液を入れ替える場合等の、入替前のタンク内の超音波洗浄にも使用できる。さらには、吐出孔のノズル内、溶液注入チューブ内などの狭い孔などの詰まり改善にも、この超音波洗浄は利用できる。
【0022】
尚、上記第1の周波数の第1の振動エネルギでは上記マイクロカプセルを含む液滴は上記タンクから上記液滴吐出孔に至る液路を移動できず、上記第2の周波数の第2の振動エネルギでは該液滴は移動できるようになされる。これにより、第1の周波数による液の振動振幅では、タンク内液は液漏れがなく安定保存が可能であり、第2の周波数による液の振動振幅では、タンク内液が安定して吐出されることとなる。このことから、マイクロカプセル製造時と吐出時との選択実行の精度信頼性がよくなる。
【0023】
好ましくは、上記振動体又は上記タンクには冷却手段が設けられる。上記振動体が振動する場合、特に超音波領域の場合、振動体及びタンク内の温度が上昇することが考えられる。これを上記冷却手段により冷却することによって高温に晒されることが好ましくない材料にも使用することが可能となる。また、マイクロカプセル製造時の温度調整もこの冷却手段にて行えるため、製造温度で決まるマイクロカプセルの出来上がり種類、及び品質の調整も可能となる。
【0024】
好ましくは、上記タンクは加圧室である。これにより、液滴吐出装置の吐出対象となる液体に圧力を印加する加圧室をマイクロカプセルの製造容器として活用することが出来、装置構成を簡単化することが可能となる。
【0025】
好ましくは、上記タンクにはタンク内を負圧に設定する負圧調整手段が設けられ、上記マイクロカプセル化する過程と上記吐出する過程とでは該負圧を高低に変化させる。マイクロカプセル化過程においてタンク内の負圧を高くすることにより、高振動エネルギ付与によるタンク内の溶液のノズルからの液漏れを防止することが可能となる。また、吐出過程におけるタンク内の負圧を相対的に低くすることにより、吐出を促す。
【0026】
また、本発明の液滴吐出装置は、微小核とこの核を覆う膜とからなるマイクロカプセルを含む微量の液滴を吐出する液滴吐出装置において、上記マイクロカプセルの核物質及び膜物質を含む溶液を貯留するための第1のタンクと、上記第1のタンク内の核物質に微粒子化エネルギを付与して微粒子化させ、上記膜物質とのマイクロカプセル化を促す微粒子化エネルギ付与手段と、生成された上記マイクロカプセルを含む溶液を貯留するための第2のタンクと、上記第2のタンクに貯留される溶液を液滴吐出孔から外部に吐出させる振動体と、を備える。
【0027】
かかる構成によれば、第1のタンクはマイクロカプセルの製造の役割を担い、第2のタンクは吐出の役割を別々に担うことになるから、マイクロカプセルの製造と吐出とを同時進行的に行うことも可能となる。無駄時間(マイクロカプセル化待ち時間、吐出待ち時間)を減らして連続吐出が可能となる。第1及び第2のタンクを別個に備えることによって、マイクカプセル化と液滴吐出に最適なタンク条件を個別的に設定することも可能となる。また、第2のタンクは吐出専用であり、吐出タイミング以外には振動を与える必要が無いため、液漏れに対するマージンが向上する。
【0028】
また、本発明のマイクロカプセルの製造方法は、溶液を一時貯留可能な加圧室とこの溶液に加圧して該加圧室から外部に移動させる振動体とを備える液滴吐出装置を用いたマイクロカプセルの製造方法において、上記マイクロカプセルの核となるべき核物質と膜となるべき膜物質と溶媒とを含む溶液を上記加圧室に貯留する溶液貯留過程と、上記振動体に上記溶液を外部に移動させる振動周波数よりも高い周波数の振動エネルギを発生させて上記加圧室内の核物質の微小化を促し、該核物質を上記膜物質で覆ったマイクロカプセルを生成するマイクロカプセル化過程と、上記振動体に上記溶液を外部に吐出する振動周波数の振動エネルギを発生させて、上記マイクロカプセルを含む溶液を上記加圧室から外部に吐出させる吐出過程と、を含む。
【0029】
かかる製造方法によれば、液滴吐出装置のタンク内で、核物質と膜物質とこれらの溶媒とを含む微小溶液に上記マイクロカプセル化過程の振動エネルギを印加することにより核物質に振動エネルギを付与して微小化、分散化させ、溶媒(少なくとも水性及び油性のいずれかを含む)の分散化、乳化も進行し、上記核物質を上記水性溶媒の微小滴に取り込み、さらに核物質が取り込まれた水性溶媒の微小滴の周囲に膜物質を覆うことによりマイクロカプセルが形成される。また、このマイクロカプセルを吐出することもできる。
【0030】
好ましくは、上記振動体の周波数及び振動エネルギを調節して上記マイクロカプセルの粒径を設定する。
【0031】
上記水性溶媒と上記油性溶媒間の分散化、乳化の程度、すなわち分散化、乳化される微小滴の大きさが、上記振動体の周波数及び振動エネルギの状態に対応する。よって、微小滴の周囲をカバーリングする膜物質が固定化されて最終的に出来上がるマイクロカプセルの粒径を設定できる。
【0032】
また、本発明のマイクロカプセルの製造方法は、微小核とこの核を覆う膜とからなるマイクロカプセルを含む微量の液滴を吐出する液滴吐出装置を用いたマイクロカプセルの製造方法において、上記マイクロカプセルの核物質及び膜物質を含む溶液を第1のタンクに貯留する過程と、上記第1のタンク内の核物質に微粒子化エネルギ付与手段によって微粒子化エネルギを付与して微粒子化させ、上記膜物質とのマイクロカプセル化を促すマイクロカプセル化過程と、生成された上記マイクロカプセルを含む溶液を第2のタンクに貯留する過程と、上記第2のタンクに貯留される溶液を振動体によって加圧して液滴吐出孔から外部に吐出させる過程と、を備える。
【0033】
この製造方法によれば、第1のタンク内で、上記核物質と上記膜物質と溶媒(水性、油性を含む)とを少なくとも含む溶液に上記マイクロカプセル化過程の振動エネルギを印加することにより核物質に振動エネルギを付与して微小化、分散化させ、該水性溶媒と該油性溶媒間の分散化、乳化も進行させ、上記核物質を上記水性溶媒の微小滴に取り込み、さらに核物質が取り込まれた水性溶媒の微小滴の周囲に膜物質を覆うことによりマイクロカプセルを形成できる。そして、第2のタンク内からマイクロカプセルを吐出することができる。
【0034】
以上から、マイクロカプセルの製造過程とマイクロカプセルの吐出過程とを同時並行的に行うことが可能となり、対象体へのマイクロカプセル塗布処理を短時間化することが可能となる。
【0035】
また、第1のタンクはマイクロカプセルの製造専用の役割を担い、第2のタンクは吐出専用の役割を担うことになるから、タンク毎に最適条件を設定することが可能となる。また、第2のタンクは吐出専用であり、吐出タイミング以外には振動を与える必要が無いため、ノズルからの液漏れに対するマージンが向上する。
【0036】
好ましくは、上記微粒子化エネルギ付与手段は振動体を用いるものであり、この振動体の周波数及び振動エネルギを調節して上記マイクロカプセルの粒径を設定する。それにより、マイクロカプセルの粒径をコントロールすることが可能となる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の液滴吐出装置及びマイクロカプセルの製造方法について詳述する。
【0038】
本発明の実施の形態は、微小核とこの核を覆う膜とからなるマイクロカプセルの製造を、微量の液滴を吐出する液滴吐出装置にて行うことを特徴とする。好適な1の実施の形態においては、液滴吐出装置の液滴吐出用タンクに振動体を取り付け、振動体の周波数を変化させることにより、マイクロカプセルの製造と吐出を選択的に実施できるようにしている。この場合、1つのタンク内に1つの振動体を設ける場合と、2つ(複数)の振動体を設ける場合とがある。各振動体をマイクロカプセルの製造と吐出とに適切なモードで動作させる。
【0039】
好適な他の実施の形態においては、液滴吐出装置内に2つ(複数)のタンクが使用される。1のタンク(マイクカプセル製造用タンク)にマイクロカプセル製造用の振動体が設けられ、他のタンク(液滴吐出用タンク)に吐出用の振動体が設けられる。このような構成を用いることにより、マイクロカプセルの製造と吐出とを同時並行して行うことを可能としている。
【0040】
液滴吐出装置内部で製造直後のマイクロカプセルを所望の位置に吐出し、塗布膜等を形成するので、マイクロカプセルを貯蔵する必要がなく貯蔵期間や空気等との接触による品質の劣化がない。また、少量のマイクロカプセルの製造に向く。
【0041】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第一の実施形態に係る液滴吐出装置を説明する説明図である。
【0042】
同図に示されるように、液滴吐出装置1は、液滴吐出部10、駆動電力発生部20、カートリッジタンク61〜63等によって構成される。液滴吐出部10は図示しないキャリッジに載置されて吐出対象体(図示せず)に対して相対的に移動可能になされている。インクジェットプリンタヘッドがスキャンするごとく所望の吐出場所に精度良く移動できる。
【0043】
液滴吐出部10は、小容量のタンク11、タンク側壁に配置されて振動エネルギを発生する振動体12、タンク11から外部に液滴を吐出する吐出孔13、振動体を冷却してタンク内の溶液の温度上昇を防止する冷却手段14、タンク11内の負圧を適切に調整して液漏れを防止する負圧調整手段15等を含んでいる。
【0044】
タンク11には、着脱自在なカートリッジタンク61〜63からマイクロカプセルの材料が液路51〜53を介してそれぞれ供給される。振動体12は、例えば、PZT等のピエゾ(圧電)素子、磁歪振動子、静電駆動されるダイヤフラムからなる振動子、マイクロモータによる振動子などが該当し、供給される駆動信号を振動エネルギに変換する。振動体12は比較的に高い周波数f1(例えば、超音波)のマイクロカプセル化周波数と、比較的に低い周波数の吐出周波数f2とで振動可能である。振動体12は、タンク11の外壁に固定されて壁を振動するもの、タンク11の壁自体を振動膜としているもの、タンク11の壁部の一部が振動体そのものであるもの、タンク11内に振動子を露出しているもの等、種々の構造のものが適用可能である。
【0045】
吐出孔13は、振動体12が吐出周波数でタンク11の壁面を揺動したときに、マイクロカプセルを含む溶液16が外部に液滴16aとして吐出可能であり、振動体12がマイクロカプセル化周波数で壁面を揺動して溶液16に衝撃エネルギーを与えて乳化等するときには外部に吐出されないような通路長を有する。
【0046】
冷却部14は、空冷構造、水(液)冷構造、ペルチェ素子等によって構成されるもので、振動体12を冷却する。振動体の熱破壊防止と、振動体12によってタンク内の溶液の温度が上昇することを防止する。それにより、溶液の劣化、マイクロカプセルの劣化、カプセルの破壊などを防止する。特に、タンパク質、生体試料、DNA断片などの熱に弱い剤利用のマイクロカプセル化を可能とする。負圧調整手段15は、ゴム等の弾性体のダイヤフラムなどを備え、その戻り力によってタンク11内を吸引して負圧を発生する。この負圧は調整可能である。例えば、図示しない制御装置によって動作モードに対応してあるいは残留溶液量に対応して適切に調整される。例えば、動作モードに対応した調整はマイクロカプセル化段階と液滴吐出段階で別途に設定され、ノズルからの液漏れが防止される。
【0047】
駆動電力発生部20は、周波数f1の第1の信号を発生する発振器23、周波数f2の第2の信号を発生する発振器24、これら信号を選択指令信号に応じて選択する選択スイッチ22、選択された周波数信号をパワー(電力)増幅して振動体12に供給するパワー増幅器21等、を備えている。選択指令に応じて第1の周波数又は第2の周波数の駆動信号を振動体に供給することによって振動体12をマイクロカプセル化モードと吐出のモードで動作させる。
【0048】
かかる構成において、カートリッジタンク61等からタンク11内にマイクロカプセル材料16を導入する。振動体12を所定パワー、周波数f1、所定時間によって動作させ、タンク11内にマイクロカプセルを形成する。次に、液滴吐出部10を図示しないキャリッジなどによって搬送して吐出位置に設定し、振動体12を周波数f1よりも相対的に低い周波数の周波数f2でパルス駆動し、マイクロカプセルを含む微小液滴16aをノズル13から対象体に向けて吐出する。吐出位置の制御及び塗布のパターニングは、例えば、公知のインクジェット式プリンタの技術を使用することが出来る。
【0049】
次に、図4を参照して上記実施の形態におけるマイクロカプセル化について説明する。
【0050】
タンク11は、マイクロカプセルの核物質31及び膜物質32、水性溶媒33、油性溶媒34を貯留している。振動体12によってこれら材料に対して分散化・乳化、カバーリング、マイクロカプセル化が行われる。
【0051】
まず、分散化、乳化の段階を図4(a)に従い説明する。核物質31が混入した水性溶媒33と膜物質32が混入した油性溶媒34とを混合したタンク11内の混合溶液に振動数f1の振動を印加する。この振動数は、非可聴領域であるところの超音波であることから、強力なエネルギが混合溶液に印加される。高振動数であることから油性溶媒内の水性溶媒の分子のクラスタの細かな分離すなわち分散化が進行する(乳化)。ここで、核物質は親和性であり、水性溶媒33の微小クラスタ内(微小滴)に取り込まれる。
【0052】
次に、図4(b)に示すように、膜物質によるカバーリングが進行する。油性溶媒34に混入されている膜物質32は、油性溶媒と水性溶媒の界面に偏析した状態で安定となる。この安定となる原理は、この偏析した状態が2相間の界面における表面張力の最小ポテンシャル状態であることにある。これにより、膜物質32は、振動数f1の振動エネルギーにより水性溶媒33の微小滴の周囲界面に貼りつき、カバーリングが進行する。
【0053】
次に、図4(c)に示すように、マイクロカプセル化が進行する。上述した偏析した膜物質32の集合が重合反応し、化学的に少し安定した膜となることによりマイクロカプセルが形成される。また、さらに重合反応が進行しやすいように重合反応促進剤を混入させる場合も考えられる。
【0054】
上述したマイクロカプセル化の例では、膜物質が油性溶媒にのみ混入されている例を紹介したが、小容量のタンクと振動体を使用したマイクロカプセル化はこれに限られるものではない。
【0055】
例えば、油性溶媒中の膜物質と水性溶媒中の別種類の膜物質が、微小水滴の周囲界面に同時に偏析し、この2種類の膜物質間で重縮合反応が進み安定なマイクロカプセルが形成される。この具体的には、水性溶媒中のヘキサメチレンジアミンと、油性溶媒中のセバコイルジクロライドとの間で重縮合反応が起こり、ナイロンが生成される例がある。
【0056】
また、他のマイクロカプセル製造の別の具体例として、コアセルベーション法による製造条件を記載する。
【0057】
10mlのピレンのトルエン溶液(0.0081mol/dm)を20mlのアラビアゴム(1g)水溶液に加えた後、120mlのメラミン(0.0095mol)、ホルムアルデヒド(0.026mol)の水溶液を加えリン酸を用いてpH4〜5程度にした後、インクジェットノズル部の小容量タンク内で振動体によって強く攪拌する。この溶液に硫酸アンモニウム(0.0011mol)を加えながら、振動子で強く攪拌しながら温度を65℃に保ち、反応を2時間程行うとマイクロカプセルが得られた。
【0058】
次に、乳化現象と粒径コントロールの原理について説明する。所定の周波数に増幅された電気的エネルギーが電気機械変換器によって機械的振動に変換され、これが発振子に伝達される。発振子の先端部が溶液に浸されると機械的な振動は圧力となり、キャビテーションを引き起こす。キャビテーションは、溶液中の局所的な圧力低下により形成される無数の極めて小さな気泡が連続して潰れる現象であり、圧力波のサイクルが負のときに形成された気泡が、正の時に潰れて、溶液中の物質に激しい衝撃を繰り返す。従って、振動体に与える電気的なエネルギーにより粒子を引きちぎるエネルギーが制御されることになる。振動数が高くなると時間あたりに与えられるエネルギーが高くなり衝撃のエネルギーが高いため粒径が小さくなる。この振動数、振幅、振動時間を適宜に制御することにより所望の粒径の乳化がなされる。液滴吐出ヘッド内の小容量タンクを用いた超音波による乳化能力を以下のように確認した。
【0059】
[実験条件]
混合条件:水/ドデカン=10/1混合液へ非極性洗剤を0.5ml混合した。
超音波洗浄器:発振体はPZT(ピエゾ素子)であり、自励発振方式を採用した。温度は室温であり、振動周波数は38kHz、そして振動印加時間は4minであつた。
【0060】
[実験結果]
水、ドデカン混合液を通常超音波振動して振動しても乳化が起こらないが、非極性の界面活性剤を加えると乳化することができるようになる。乳化のために38MHzの振動子を用いて超音波を発生させ、振動を印加すると均一な乳化状態が得られた。乳化された油滴であるドデカンの粒径(液滴直径)は、最大3μmであり、1μm以下の粒子が運動するブラウン運動も観察された。長時間の攪拌を行うとさらに粒径をそろえることが可能である。
【0061】
上述した振動体として圧電体、静電力駆動等の振動体が適当であることは既に述べたことである。マイクロカプセルの製造用には、上記圧電体、静電力駆動等の振動体をマイクロモータ駆動源に置き換えたものでも良い。該マイクロモータは、上記タンク内に設けられたスクリュ、回転ファン等の溶液攪拌機をモータ軸に連結されること等により、駆動時には上記タンク内溶液を攪拌することが可能であり、これにより細かく高周波数で攪拌することにより上記同様の原理にてマイクロカプセルの製造を効率よく行うことができる。また、圧電体、静電力駆動振動体による振動と該マイクロモータ駆動源による攪拌を併用することにより、さらに製造効率をあげることも可能である。さらに、マイクロモータ駆動源の回転動作をピストン動作に変換することにより、上記圧電体、静電駆動等の振動体と同様の振動動作を行うこともできる。
【0062】
次に、図5を参照してマイクロカプセルを含む液滴の液滴吐出について説明する。
【0063】
まず、図1に示すように、定常状態では吐出孔13部分の液先端は安定に静止している。振動体12が溶液16が追従可能な比較的に低い周波数で振動すると、溶液16には圧力が正逆に印加されて、振動振幅分に対応した移動距離だけ吐出孔13の液通路内を往復移動(振動)し、その一部が外部に吐出される。振動体12の振動数が超音波領域の高い振動数である場合(振動数f1に相当)は、溶液16そのものの粘性及び溶液と吐出孔13内壁面間の摩擦または粘性などからの応答遅延により溶液16の移動が振動体12に追随できず、液先端の移動距離が短くなる。ノズル13の液通路を通過出来ず、外部に吐出されない。これが低振動数f2により吐出される定性的な原理である。振動数f2をさらに低くすると、移動距離がさらに長くなり、液の吐出量は増加していくことになる。
【0064】
次に、図5のグラフを参照して本発明の振動体の振動数と、反応率及び吐出孔からの液放出速度について更に説明する。
【0065】
同図の横軸は振動数(Hz)であり、図示の左側縦軸は乳化の能力を、右側縦軸は吐出速度(ml/min)を示す。
【0066】
マイクロカプセル化のための乳化の能力は、超音波領域である高振動数において高くなっている。この乳化の能力の高い振動数領域内で振動数f1を設定する。この乳化に最適な振動数f1は、マイクロカプセルの大きさ、容器の容積、振動エネルギ、各溶媒の種類、温度等のパラメータにより異なる。
【0067】
ここで、マイクロカプセル化(あるいは乳化)に好適な振動数f1と吐出に必要な振動数f2の最大値f2maxとの間に振動数ばらつきに対するマージンがない場合は、振動数f1にてマイクロカプセル化している間に液漏れすることがある。よって、吐出孔13の形状の最適化等によりこのマージンを広げておく必要がある。
【0068】
このマージンを広げる1方法として、図1のタンク11内の負圧である内圧をコントロールする方法がある。タンク11は、液滴吐出をするための加圧室である。タンク内溶液を吐出すために、タンク11に負圧調整手段15によってタンク11内圧力は大気圧より若干低く、設定されて液だれが防止される。マイクロカプセル化させるときの負圧を吐出させるときの負圧より負方向に更に高くなるように制御し、マイクロカプセル化させる時の液漏れに対するマージンをさらに広げる。この負圧調整手段15は、例えば、ダイヤフラム機構を使用することが出来る。すなわち、タンク内壁の一部を弾性体膜とし、この弾性体膜を押圧しているゲージの押し圧力をゲージ位置調整によりコントロールする。この位置調整を電気―機械変換にて行う構成にして、マイクロカプセル化時、吐出時各々に対して図示しない制御装置によって最適圧力となるように制御するのである。
【0069】
以上の第1の実施形態によれば、必要に応じて所望の粒径の所望の種類のマイクロカプセルを、製造直後に即座に目標個所に吐出することができる。マイクロカプセルを劣化のない新規状態で、つまり分散性、均一性が良く品質良好な状態で吐出することができる。ここで、粒径のコントロールは、例えば、振動振幅、容器容積などの他のパラメータを特定の値に設定し、振動数f1を粒径に対応する振動数に変更することにより達成できる。これは、予め実験などによって求めたものをデータベース化して利用することが出来る。
【0070】
次に、第1の実施例のインクジェット(液滴吐出)方式への応用について述べる。
【0071】
以上の構成のタンク11、振動体12、吐出孔13を基本構成とした液滴吐出装置の具体的な装置構成例として、例えばペーパープリント方式の代表的な技術であるインクジェット方式のインクジェットヘッドへの適用が可能である。
【0072】
このようなインクジェットヘッドへの応用により、以下の2つの有用な効果が得られる。
【0073】
効果その1:インクジェットヘッドによってマイクロカプセルを目標とする位置に正確に、必要量のみ精度良く吐出し、提供することができる。しかも、複数の位置に連射的に提供可能である。例えば、対象体へのマイクカプセルへの吐出を、ペーパーに高精細のカラー画像をインクジェット方式で塗布するのと同様の位置精度で行える。よって、半導体、液晶パネル、その他半導体プロセスを応用した微細加工プロセスなどの製造工程への応用において、マスクレスで精度良いパターニング塗布がスピーディーに実施可能となる。
【0074】
特に、マイクロマシン分野に利用した場合のこの効果は大きい。1例として、ターゲットへの全自動薬液狙い撃ち連射システムなどとして、マイクロマシンの局部的な選択エッチング等に利用できる。塗布した後一定時間をおいてエッチングするというようなエッチングタイミングを少し後に延期したい場合などは、マイクロカプセルのインクジェット方式による塗布は有効である。
【0075】
効果その2:インクジェットヘッドを用いる場合にはマイクロカプセルの種類交換が容易であるため、スピーディーに複数箇所に複数種類のマイクロカプセルを選択的に塗布することが可能である。インクジェットヘッド自体の交換、貯蔵タンクカートリッジの交換(これは、インク色を自動交換するカラープリンタの従来の方法と同様の方法)をすることにより、マイクロカプセル種類交換が容易にできる。これにより複数の種類のマイクロカプセルを各々必要なターゲットにスピーディーに送り込むことが可能である。
【0076】
マイクロカプセルは、治療時の複数の所定の患部へ複数の薬を送り込む特殊な技能を要する難しい手術などへの集中管理自動治療への応用、または薬剤師の薬剤調合の自動化及びスピードアップ、さらには製薬会社のオート薬剤調合製造工程への本発明の液滴吐出装置の利用、バイオ技術分野への応用(複数水準を同時に実施するバイオ実験のスピードアップなど)、さらに個人ごとの顔に適したプログラムがされた全自動化粧実施システムなどにも利用可能である。
【0077】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る液滴吐出装置について、図2に示す説明図を参照して説明する。同図において図1と対応する部分には同一符号を付し、かかる部分の説明は省略する。
【0078】
この例では振動体が2つ設けられている。第1の振動体12aは、電気信号周波数f1が印加される構成である。これにより、第1の振動体12aは固有振動数f1で振動すれば良く、マイクロカプセル製造専用に特化した振動体とすることが出来る。また、第2の振動体12bは、電気信号周波数f2が印加される構成である。それにより、第2の振動体12bは固有振動数f2で振動すれば良く、吐出専用に特化した振動体とすることが出来る。タンク11への振動数の切り替え方法は、第1の振動体12a、第2の振動体12b各々の周波数信号供給源23及び24のオンオフ切り替えによる。
【0079】
この構成により、第1の実施形態と同様にマイクロカプセルが得られ、さらに各振動体毎に使用周波数の役割分担をしているため、各々の固有振動数に最適な振動体のパラメータ設計が可能となり、よって高エネルギ高効率の振動体を設けることができる。
【0080】
なお、上述した2つの振動体のうち振動体12b(又は振動体12a及び12b)を周波数f1及びf2によって動作可能なものを使用し、マイクロカプセル化の際には振動体12a及び12bが共に動作して共同して内部に貯留した材料のマイクロカプセル化を行うこととしても良い。かかる場合にはマイクロカプセル化時間の短縮が期待できる。
【0081】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る液滴吐出装置について、図3に示す説明図に従い説明する。同図において、図2と対応する部分には同一符号を付し、かかる部分の説明は省略する。
【0082】
第3の実施の形態は、第1及び第2の実施形態が1つのタンクでマイクロカプセルの製造と吐出とを行っているのに対し、2つ(複数)のタンクとそれぞれに設けられた振動体でマイクロカプセルの製造と吐出とを別々に行っている点に特徴がある。マイクロカプセル製造用の第1の振動体12aは、タンク11aの側壁に配置される。タンク11aは、マイクロカプセルとなる前駆体である核物質及び膜物質を含む溶液を貯留し、マイクロカプセルを製造するための製造用のタンクとなる。吐出用の第2の振動体12bは、第2のタンク11bの側壁に配置される。第2のタンク11bは吐出専用のタンクとなる。タンク11aとタンク11bは、溶液の逆流防止あるいは移動をコントロールする小形の逆流防止又は開閉バルブ17を介して連結されている。バルブ17は外部制御としてもよい。
【0083】
以上の構成によれば、マイクロカプセル化の工程とマイクロカプセル吐出の工程とを別々に行うことが出来るため、第1及び第2の実施の形態のように振動体12、12a及び12bの時分割的な動作が必要ない。マイクロカプセルの製造、と吐出が並行して行われ、連続的なマイクロカプセルの製造、連続吐出が行える。また、第3の実施形態では、各タンクの役割分担が明確であるため、例えば、吐出用の第2のタンク11bにおいて、マイクロカプセル製造時のf1振動数による液振動を行う必要がないことから、吐出時以外の振動による液漏れの心配がすくない。
【0084】
以上説明したように本発明の実施の形態によれば、必要に応じて所望の粒径(あるいは液滴直径)の所望の種類のマイクロカプセルを選択的に精度良く製造できる。また、製造直後のマイクロカプセルを対象体の目標個所に吐出することができる。マイクロカプセルの分散性、均一性が良く品質良好な状態で、目標個所に位置精度良く狙い撃ちして送り届けることができる。マイクロカプセルの粒径が揃っているため、吐出孔の目詰まりも起こりにくい。
【0085】
更に、密閉した環境の中だけで連続的にカプセル化できるため、貯蔵タンク内にてマイクロカプセルの製造後、大気に触れることなく吐出工程を実行できるので、大気に触れると酸化その他品質劣化するようなマイクロカプセルであっても、品質劣化のない状態で所定のターゲットへ送り届けることができる。
【0086】
以上説明した本発明の液滴吐出装置及びマイクロカプセルの製造方法は、DDS(ドラッグデリバリーシステム)、香料等の薬品分野、バイオの試験用または生産用のマイクロカプセルを含む微量液滴の所定場所への安定した吐出、人口細胞などの生体材料分野、液晶、デジタルペーパ、電気泳動等の表示デバイス分野等、いろいろな分野へ利用可能である。また、以上の用途への使用時、その都度マイクロカプセルを必要量のみタンク内で製造し吐出することが可能であるため、薬液の無駄がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る液滴吐出装置を示す説明図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る液滴吐出装置を示す説明図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る液滴吐出装置を示す説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る液滴吐出装置内におけるマイクロカプセルの製造方法を示す図である。
【図5】本発明に係る振動体の振動数と、乳化の能力及び吐出孔からの液放出量を示すグラフである。
【符号の説明】
10…液滴吐出部、11、11a、11b…タンク、12、12a、12b…振動体、13…吐出孔、14、14a、14b…冷却手段、15…負圧調整手段、16…溶液、16a…液滴、17…逆流防止バルブ、20…駆動電力発生部、21、21a、21b…パワー増幅器、22…選択スイッチ、23、24…発信器、31…核物質、32…膜物質、33…水性溶媒、34…油性溶媒、35…核物質混入水性溶媒、36…膜物質混入油性溶媒、51〜53…液路、61〜63…カートリッジタンク

Claims (15)

  1. 微小核とこの核を覆う膜とからなるマイクロカプセルを含む微量の液滴を吐出する液滴吐出装置であって、
    前記マイクロカプセルの核物質及び膜物質を含む溶液を貯留するためのタンクと、
    前記タンク内の核物質に振動エネルギを付与して微粒子化させ、前記膜物質とのマイクロカプセル化を促す1又は複数の振動体と、
    を備える液滴吐出装置。
  2. 前記タンクは液滴吐出孔の近傍に配置され、
    前記振動体は前記核物質をマイクロカプセル化する役割と、このマイクロカプセルを含む液滴の前記吐出孔からの吐出の役割とを担う、請求項1記載の液滴吐出装置。
  3. 前記振動体は、形成すべき前記マイクロカプセルの粒径に対応した第1の周波数の第1の振動エネルギと、前記マイクロカプセルを含む液滴を前記吐出孔から吐出するための前記第1の周波数よりも低い第2の周波数の第2の振動エネルギとを発生する、請求項2に記載の液滴吐出装置。
  4. 前記タンクは液滴吐出孔の近傍に配置され、
    前記振動体の1は、形成すべき前記マイクロカプセルの粒径に対応した第1の周波数で第1の振動エネルギを発生し、
    前記振動体の他の1は、前記マイクロカプセルを含む液滴を前記吐出孔から吐出するために前記第1の周波数よりも低い第2の周波数で第2の振動エネルギを発生する、請求項1記載の液滴吐出装置。
  5. 前記振動体は、少なくとも圧電体、静電力駆動振動体及びマイクロモータのいずれかを含む、請求項1乃至4のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  6. 前記第1の周波数は非可聴領域の超音波周波数である、請求項3又は4に記載の液滴吐出装置。
  7. 前記第1の周波数の第1の振動エネルギでは前記マイクロカプセルを含む液滴は前記タンクから前記液滴吐出孔に至る液路を移動できず、前記第2の周波数の第2の振動エネルギでは該液滴は移動できるようになされる、請求項3又は4に記載の液滴吐出装置。
  8. 前記振動体又は前記タンクには冷却手段が設けられる、請求項1乃至7のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  9. 前記タンクは加圧室である請求項1乃至8のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  10. 前記タンクにはタンク内を負圧に設定する負圧調整手段が設けられ、前記マイクロカプセル化する過程と前記吐出する過程とでは該負圧を高低に変化させる、請求項2乃至9のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  11. 微小核とこの核を覆う膜とからなるマイクロカプセルを含む微量の液滴を吐出する液滴吐出装置であって、
    前記マイクロカプセルの核物質及び膜物質を含む溶液を貯留するための第1のタンクと、
    前記第1のタンク内の核物質に微粒子化エネルギを付与して微粒子化させ、前記膜物質とのマイクロカプセル化を促す微粒子化エネルギ付与手段と、
    生成された前記マイクロカプセルを含む溶液を貯留するための第2のタンクと、
    前記第2のタンクに貯留される溶液を液滴吐出孔から外部に吐出させる振動体と、
    を備える液滴吐出装置。
  12. 溶液を一時貯留可能な加圧室とこの溶液に加圧して該加圧室から外部に移動させる振動体とを備える液滴吐出装置を用いたマイクロカプセルの製造方法であって、
    前記マイクロカプセルの核となるべき核物質と膜となるべき膜物質と溶媒とを含む溶液を前記加圧室に貯留する溶液貯留過程と、
    前記振動体に前記溶液を外部に移動させる振動周波数よりも高い周波数の振動エネルギを発生させて前記加圧室内の核物質の微小化を促し、該核物質を前記膜物質で覆ったマイクロカプセルを生成するマイクロカプセル化過程と、
    前記振動体に前記溶液を外部に吐出する振動周波数の振動エネルギを発生させて、前記マイクロカプセルを含む溶液を前記加圧室から外部に吐出させる吐出過程と、
    を含むマイクロカプセルの製造方法。
  13. 前記振動体の周波数及び振動エネルギを調節して前記マイクロカプセルの粒径を設定する請求項12又は13記載のマイクロカプセルの製造方法。
  14. 微小核とこの核を覆う膜とからなるマイクロカプセルを含む微量の液滴を吐出する液滴吐出装置を用いたマイクロカプセルの製造方法であって、
    前記マイクロカプセルの核物質及び膜物質を含む溶液を第1のタンクに貯留する過程と、
    前記第1のタンク内の核物質に微粒子化エネルギ付与手段によって微粒子化エネルギを付与して微粒子化させ、前記膜物質とのマイクロカプセル化を促すマイクロカプセル化過程と、
    生成された前記マイクロカプセルを含む溶液を第2のタンクに貯留する過程と、
    前記第2のタンクに貯留される溶液を振動体によって加圧して液滴吐出孔から外部に吐出させる過程と、
    を備えるマイクロカプセルの製造方法。
  15. 前記微粒子化エネルギ付与手段は振動体を用いるものであり、この振動体の周波数及び振動エネルギを調節して前記マイクロカプセルの粒径を設定する請求項14記載のマイクロカプセルの製造方法。
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