JP2004298331A - 蒸気発生器 - Google Patents

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Eiichi Sotodani
栄一 外谷
Tomio Kin
富雄 金
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Abstract

【課題】蒸気を安定して高効率に供給でき、しかも短時間で蒸気を発生させることができ、また構成が簡素化され、メンテナンスが容易な蒸気発生器を提供する。
【解決手段】液体を貯留する液体タンク部1と、前記液体タンク部に直接接続され、前記液体タンク部から供給された液体を加熱し、蒸気を生成する蒸発部2と、前記蒸発部に直接接続され、前記蒸発部によって生成された蒸気を貯留する蒸気貯留部3と、前記蒸気貯留部3と直接接続され、前記蒸発部によって生成された蒸気を外部に導出する導出路4と、前記液体タンクに接続された液体を供給する液路10bと、前記蒸発部2の一側面に設けられた、少なくとも蒸発部2を加熱するヒータ部20とを備え、前記液体タンク1、蒸発部2、蒸気貯留部3、導出路4、液路10bが透光性材料からなる一体物中に形成されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は蒸気発生器に関し、より詳細には、短時間で蒸気を発生させることができる蒸気発生器に関する。
【0002】
【従来の技術】
蒸気発生装置は、例えば、水蒸気の吐出を利用して、液体を吸い上げて噴霧するスチーム式吸入器等に用いられている。
この種のスチーム式吸入器は、スチームを吐出するノズルを設けると共に、液体タンク内の液内に一端を入れた吸い上げ管の上端を、前記ノズル付近に配置している。そして、水を加熱してスチームを発生させ、このスチームをノズルから吐出させると、液体はスチームの吐出に伴って、吸い上げ管から吸い上げられてスチームの流れにのって噴霧される。
この場合、加熱開始からスチームが発生して噴霧が開始されるまでの時間を短くするために、給水タンク内の水を直接加熱するのではなく、小容量の加熱室を別途設けて、給水タンク内の水の一部を加熱室に導き、ここでスチームを発生させている。
【0003】
より具体的に説明するために一例を挙げて説明する。例えば、特開2000−126296号公報において提案されているスチーム吸引器を、図21に基づいて説明する。
図中符号101は給水タンク部、符号103はヒータ102が壁面に配された加熱室であり、給水タンク部101の底部と加熱室103の底部とが導水管路104で連通している。また、加熱室103の上部空間と給水タンク部101の上部空間とはスチーム通過孔(図示せず)で連通しており、加熱室103で発生して給水タンク部101の上部空間に流れ込んだスチームは、ノズル105へと向かうように構成されている。
なお、図中、符号106は一端が液体タンク内に位置する吸い上げ管、符号107は給水タンク部1内のスチーム圧が上昇した時に開いて圧力を逃がすリリーフバルブ、符号108は給水タンク部101の上端開口を閉じている中蓋である。
【0004】
このスチーム吸引器にあっては、給水タンク部101から加熱部103に水が供給され、この加熱部103で発生した水蒸気は、給水タンク部101の上部空間に流れ込む。その後、前記水蒸気は給水タンク部101の上部空間からノズル105に供給され、ノズル105から吐出される。これによって、吸い上げ管106の上端部は負圧となり、吸い上げ管106から液体が吸い上げられてスチームの流れにのって噴霧される。
【0005】
【特許文献1】
特開平2000−126296号公報(第2頁第1欄第27行乃至第2頁第1欄第48行)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記蒸気発生装置は、一般的に鉄、アルミニウム等の金属で構成されるため、ヒータ102からの熱が筐体(ケーシング)に逃げてしまい、加熱部103内の水を有効に加熱することができず、熱効率が悪く、しかも急激な加熱を行うことができなかった。そのため、依然として、加熱開始からスチームが発生して噴霧が開始されるまでの時間が長いという課題を払拭し得ていない。
また、前記蒸気発生装置では、加熱室103の壁面にヒータ102を配し、水を直接加熱するように構成されている。そのため、水漏れを防止するため、ヒータ102と壁面との間にOリング109等の部材を設ける必要があり、使用時間に応じたメンテナンスしなければならなかった。
更に、前記蒸気発生装置では、給水タンク部101と加熱室103とをパイプで接続し、加熱室103の上部空間と給水タンクの上部空間とはスチーム通過孔で連通させ、給水タンク部101とノズルとをパイプで接続している。そのため、装置全体が複雑化し、製造コストが嵩むという課題があった。
【0007】
本発明は、上記した技術的課題を解決するためになされたものであり、蒸気を安定して高効率に供給でき、しかも短時間で蒸気を発生させることができ、また構成が簡素化され、メンテナンスが容易な蒸気発生器を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記技術的課題を解決するためになされたものであり、本発明にかかる蒸気発生装置は、液体を貯留する液体タンク部と、前記液体タンク部に直接接続され、前記液体タンク部から供給された液体を加熱し、蒸気を生成する蒸発部と、前記蒸発部に直接接続され、前記蒸発部によって生成された蒸気を貯留する蒸気貯留部と、前記蒸気貯留部と直接接続され、前記蒸発部によって生成された蒸気を外部に導出する導出路と、前記液体タンク部に接続され、前記液体タンク部に液体を供給する液路と、前記蒸発部の一側面に設けられ、少なくとも蒸発部を加熱するヒータ部とを備え、前記液体タンク部、蒸発部、蒸気貯留部、導出路、液路が、透光性材料からなる一体物中に形成されていることを特徴としている。
【0009】
本発明かかる蒸気発生器にあっては、前記液体タンク、蒸発部、蒸気貯留部、導出路、液路が、透光性材料からなる一体物中に形成され、しかもパイプ(配管)等を用いることなく液体タンクと蒸発部とが直接接続され、また蒸発部と蒸気貯留部とが直接接続されている。このようにパイプ(配管)が用いられていないため、装置全体を簡略化できると共に、熱容量を小さくできる。
その結果、小型のヒータであっても、急激な加熱を行うことができ、加熱開始からスチームが発生して噴霧が開始されるまでの時間をより短くすることができる。
【0010】
ここで、前記透光性材料からなる一体物がガラス体であることが望ましく、前記一体物が、透明な、ガラス体、硼珪酸ガラス体、ソーダガラス体であることが望ましい。より好ましくは、透明なシリカガラス体であることが好ましい。
このように、前記透光性材料からなる一体物がガラス体からなる場合には、ヒータ部による伝熱及び輻射熱による加熱が可能となり、熱効率をより向上させることができる。また、ガラス体は低熱容量であるため、高速昇降温を行うことができると共に、急激な温度変化に対して破損等を防止することが出来る。更に耐食性に優れ、安価に製造することができる。
【0011】
また、前記蒸発部の横断面積は、熱効率の観点から、液体タンク部の横断面積より小さく、液体タンク部側から水蒸気貯留部側に向かって徐々に横断面積が拡がるように形成されていることが望ましい。
更に、前記蒸発部と液体タンク部を跨いで、多孔質体が設けられていることが、蒸発部への円滑な水の供給及び突沸防止の観点から、好ましい。なお、酸化防止の観点から、前記多孔質体は、水中に設けられていることが望ましい。
【0012】
また、前記導出路の縦断面形状が、外部に向けて徐々に拡がる台形状に形成されると共に、前記導出路中に拡散板が設けられていることが望ましい。
また、前記ヒータ部は、カーボンワイヤー発熱体がガラス板中に封入されたヒータであることが望ましい。尚、カーボンワイヤー発熱体がガラス板中に封入されているため、カーボンの酸化を防止できる。
【0013】
更に、前記ヒータ部は、カーボンワイヤー発熱体が収納される溝が形成された第一のガラス板と、前記溝を覆う第二のガラス板とを融着させることにより、カーボンワイヤー発熱体をガラス板中に封入することが望ましい。
このように構成することにより、カーボンワイヤー発熱体をガラス板中に容易に封入することができる。
【0014】
本発明の蒸気発生器において、前記ガラス体に対し、前記したヒータ部を設けることによって、前記カーボンワイヤー発熱体もしくは/または前記多孔質体以外の発生器構成体をガラス単一材料とすることができ、極めて高い急速昇降温を実現できる。また部品数を少なくすることができ、かつ高強度の混合器とすることができる。
また前記ヒータ部は、前記カーボンワイヤー発熱体の配線パターンを高い自由度で変更できるため、配線密度やあるいはカーボンワイヤー発熱体の本数、太さを部分的に変化させることで、所望部のみの局部的加熱が可能となる。
前記ヒータ部は、前記ガラス体と別体として設けることによって、前記ガラス体を高濃薬液、あるいは空焼等、過剰条件下での洗浄が容易となり、常に高純度、同一条件下での原料と水蒸気の混合が可能となる。
【0015】
更に、前記ガラス体に対して、液体タンク部、蒸発部、蒸気貯留部、導出路を凹部として形成し、前記凹部の開口面をヒータ部で覆うことにより、液体タンク部、蒸発部、蒸気貯留部、導出路が形成されることが望ましい。
このように、液体タンク部等の各部を凹部で形成するため、各部をガラス体に対して容易に形成できる。また各部を別体で形成した場合に、必要な別体各部を繋げる接続管あるいは接続のための各種備品が不要である。
【0016】
尚、前記ヒータ部は、カーボンワイヤー発熱体がガラス板中に封入されたヒータであって、前記ガラス体の側面にヒータ部のガラス板を融着することが望ましく、融着することによって、ガラス体とヒータ部とを一体化することができる。前記ガラス体とヒータ部のガラス板を融着によって一体化することによって、より高純度、シンプル、小型化された蒸気発生器とすることができる。
【0017】
また前記ヒータ部は、前記カーボンワイヤー発熱体がガラス板中に封入されたヒータであって、前記ガラス体との当接または融着側と反対側のガラス板側面に、反射膜あるいは反射部材が設けられていることが望ましい。
このように反射膜あるいは反射部材を設けることにより、ヒータ部における熱をより効率的にガラス体に伝達することができる。更に、反射部材または反射膜の形成曲率等を変更することで、反射される加熱領域を適宜、変更、調整することができる。
なお、前記ガラス体との当接側または融着側と反対側のガラス板中に、反射膜あるいは反射部材が埋設されている場合にも、同様な効果を得ることができる。
【0018】
また、前記ヒータ部と前記ガラス体の間に、前記ガラス体の加熱する各部への前記ヒータ部からの熱伝導を均等化せしめる均熱膜または均熱板が形成されていることが望ましい。
このように均熱板または均熱膜を形成することにより、カーボンワイヤー発熱体による線状の加熱を前記均熱板または均熱膜で緩衝させ、面状の加熱に変換させることで、各部内での均等な加熱を可能とし、かつ熱効率を向上させることができる。
【0019】
また、前記蒸発部の近傍に、熱電対が装着されていることが望ましく、熱電対で測定した温度に基づいてカーボンワイヤー発熱体の温度制御を行うことができる。
更に、前記液体タンク部、蒸発部、蒸気貯留部、導出路が少なくとも形成されたガラス体と、前記ガラス体の側面に設けられたヒータ部とが断熱材で包囲され、金属ケース内に収納されていることが望ましい。このように構成されているため、熱効率がより向上すると共に、破損等を防止できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施形態を図1乃至図11に基づいて説明する。なお、図1は本発明にかかる第一の実施形態を表した斜視図、図2は図1に示されたガラス体の斜視図、図3は図1に示されたヒータ部を示す図であって、(a)はヒータ形成面側から見た図、(b)はI−I断面図である。図4はヒータ部の要部断面図、図5はカーボンワイヤー発熱体を示した図、図6はヒータ部の封止端子部の要部断面図、図7はヒータ部の封止端子部のピンチングシールの状態を示す斜視図である。更に、図8は、図1に示した実施形態の概略縦断面図、図9は拡散板を示す正面図および側面図、図10は図1に示した実施形態の概略縦断面図、図11は、第一の実施形態の製造方法を示す概略斜視図である。
また、この実施形態およびこの実施形態以降の実施形態にあっては、液体として水を用い、水蒸気を発生させる場合について説明する。
【0021】
図1の符号Aは、ガラス体10およびヒータ部20からなる蒸気発生器である。このガラス体10中には、水を貯留する液体タンク部1と、前記液体タンク部1と直接接続され、前記液体タンク部1から供給された水を加熱し、水蒸気を生成する蒸発部2が形成されている。また、前記ガラス体10中には前記蒸発部2と直接接続され、前記蒸発部2によって生成された水蒸気を貯留する蒸気貯留部3が形成されている。
【0022】
前記蒸発部2の横断面積は、液体タンク部1の横断面積より小さく形成されている。このように前記蒸発部2が小さな横断面積で形成されているため、加熱効率が向上し、加熱後早期に水蒸気を発生させることができる。
また、図10に示すように、蒸発部2の側壁2aを傾斜面とし、液体タンク部1側から蒸気貯留部3側に向かって徐々に横断面積が拡がる、即ち縦断面形状が台形状になるように、形成するのが好ましい。このように液体タンク部1と接する蒸発部2の横断面積をより小さく形成することで、液体タンク部1内の水と蒸発部2の水との対流が抑制され、より容易に、またより効率的に水蒸気を発生させることができる。
【0023】
また、前記蒸気貯留部3の一側端部3aは円弧状に形成され、蒸気貯留部3に貯留された水蒸気が澱むことなく、蒸気貯留部3の他端部上面に形成された導出口3bに水蒸気を導くことができる。
この蒸気貯留部3は、水蒸気圧の変動を抑制するために設けられたものであり、液体タンク部1内の水量の変動及び発生する水蒸気量の変動による、水蒸気圧変動抑制するものである。
【0024】
また、前記ガラス体10中には、前記蒸気貯留部3の導出口3bから導出された水蒸気を外部に導く導出路4が形成されている。この導出路4は、円弧状に曲がった部分4aと、外部に向かって徐々に拡がる拡散部4bとに分かれる。
前記した従来の吸い上げ管に相当する吸い上げ管Bを、図1、図2、図8に仮想線で示すように、前記円弧状部4aから拡散部4bに移行する位置に配設するのが好ましい。この位置に前記吸い上げ管Bを配設することにより、吸い上げた液体と水蒸気とをより混合、拡散させることができる。尚、前記拡散部4bを設けることなく、導出路4を同一断面積で形成し、その導出路の終端にノズルを設け、その近傍に吸い上げ管を設けても良い。
【0025】
前記ガラス体10は、透明な、ガラス体、硼珪酸ガラス体、ソーダガラス体であることが望ましい。より好ましくは、透明なシリカガラス体であることが好ましい。
このようにガラス体10で構成されているため、ヒータ部20による伝熱及び輻射熱による加熱が可能となり、熱効率をより向上させることができる。また、ガラスは低熱容量であるため、高速昇降温を行うことができると共に、急激な温度変化に対して破損等を防止することできる。更に耐食性に優れ、安価に製造することができる。特に、シリカガラスは、他のガラスに比べカーボンワイヤー発熱体との高温時接触における優れて耐食性、耐高温変形性、耐薬品性等に優れているため好ましい。
【0026】
また、前記液体タンク部1、蒸発部2、蒸気貯留部3、導出路4が一体物中に形成され、しかもパイプ(配管)等を用いることなく、液体タンク部1と蒸発部2とが直接接続され、また蒸発部2と蒸気貯留部3とが直接接続されている。即ち、各部の接続にパイプ(配管)が用いられていないため、装置全体を簡略化できると共に、熱容量を小さくできる。
【0027】
更に、図8に基づいて、前記吸い上げ管Bと蒸気貯留部3から導出路4接続部について説明する。
前記接続部において、前記導出路4は、吸い上げ管Bに対して、0度(両者が並行)から45度の角度θをもって接続されるのが好ましい。このような接続角度に形成されている場合には、水蒸気が円弧状部4aから拡散部4bへ移行する際、吸い上げ管Bの出口近傍に負圧が生じ、吸い上げ管内の液体は吸引されながら導出され、両者が混合される。
【0028】
なお、前記導出路4が、吸い上げ管Bに対して、45度を超える角度θをもって形成されている場合には、前記した液体の吸引効果を得ることができない。好ましくは、前記導出路4が、吸い上げ管Bに対して、5度以上20度以下の角度θで形成されているのが良い。
また、前記導出路4中には、図9に示すように拡散板36を設けるのが好ましい。この拡散板36には水蒸気が通過する貫通孔36aが形成されると共に、支持部36bによって導出部4の側壁に固定されている。この拡散板36はガラスにより形成し、前記導出部4の側壁に融着により固定するのが好ましい。
【0029】
また、このガラス体10には、図1に示すように、前記液体タンク部1に水を供給するためのパイプ5及びこのパイプ5と液体タンク部1を結ぶ液路10aが設けられている。前記パイプ5は、ガラス体10の側面から突出し、水供給源(図示せず)に接続されている。また、液路10aはガラス体10中に形成されている。
また、前記蒸気貯留部3の導出口3bの上方には、熱電対が挿入される熱電対挿入用孔10bが形成されている。この熱電対による温度の測定結果に基づいて、蒸発部2等が所定温度になるように後述するヒータ部20(カーボンワイヤー発熱体21)への供給電圧を制御するものである。
【0030】
前記した液体タンク部1、蒸発部2、蒸気貯留部3,導出口3b、導出路4、熱電対挿入孔10bは、図2に示すように、ガラス体10に対して、凹部として形成して形成されている。
そして、図1に示すように前記凹部の開口面を後述するヒータ部20で覆うことにより、液体タンク部1、蒸発部2、蒸気貯留部3,導出口3b、導出路4、熱電対挿入孔10bとして形成される。
【0031】
次に、ヒータ部20について説明する。
このヒータ部20は、図1、図3、図4、図5に示すように、カーボンワイヤー発熱体21がガラス板中に封入されたヒータである。即ち、カーボンワイヤー発熱体21が収納される溝22aが形成された第一のガラス板22と、前記溝22aを覆う第二のガラス板23とを融着することにより、カーボンワイヤー発熱体22aをガラス板中に封入している。
また、前記カーボンワイヤー発熱体21は蛇行して、一平面上(同一平面上)に配置されている。更に、前記カーボンワイヤー発熱体21は、封止端子部24において、電力を供給する外側接続線25と接続されている。
【0032】
前記第一のガラス板22、第二のガラス板23は、透明な、ガラス体、硼珪酸ガラス体、ソーダガラス体であることが望ましい。より好ましくは、透明なシリカガラス体であることが好ましい。
このようにガラス板で構成されているため、伝熱及び輻射熱による加熱が可能となり、熱効率をより向上させることができる。また、ガラスは低熱容量であるため、高速昇温を行うことができると共に、急激な温度変化に対して破損等を防止することできる。更に耐食性に優れ、安価に製造することができる。
特に、シリカガラスが、他のガラスに比べて、カーボンワイヤー発熱体との高温時接触における耐食性、耐高温変形性、耐薬品性等において優れているため、好ましい。
【0033】
このヒータ部20は、図1に示すようにガラス体10の側面に対して、融着され、前記液体タンク部1、蒸発部2、蒸気貯留部3,導出口3b、導出路4、熱電対挿入孔10bを形成する凹部を塞ぐと共に、液体タンク部1、蒸発部2、蒸気貯留部3、導出路4を加熱するように構成されている。
【0034】
前記カーボンワイヤー発熱体21は、液体タンク部1、蒸発部2、蒸気貯留部3、導出路4を加熱するように構成されるが、各部位で必要とされる温度が異なる。そのため、高温が必要な部分については、前記カーボンワイヤー発熱体21が密に形成され、低温でよい部分については、前記カーボンワイヤー発熱体21が疎に形成される。
例えば、蒸発部2の温度が100℃のとき、蒸気貯留部3は、130℃〜150℃に加熱されるように、形成パターンをもってカーボンワイヤー発熱体21が配設されている。
【0035】
更に、このカーボンワイヤー発熱体21について図5に基づいて説明すると、図5に示すように、前記カーボンワイヤー発熱体21は、カーボン繊維を束ねた繊維束を複数本編み上げてなる編紐または組紐から構成されている。
カーボンワイヤー発熱体21としては、直径5乃至15μm程度のカーボン単繊維、例えば直径7μmのカーボン単繊維を約800乃至3500本程度束ねた繊維束を10束程度用いて直径1.0〜2.5mmの編紐、あるいは組紐形状に編み込んだものが好適である。
【0036】
また、このカーボンワイヤー発熱体21の編み込みスパンは、2乃至5mm程度が好ましく、更に、カーボンワイヤー発熱体21表面におけるカーボン単繊維の毛羽立ち21aは長さ0.5乃至2.5mm程度である。
このように、カーボン単繊維の毛羽立ち21aが形成され、実質的にこの毛羽立ち21aによってガラス部材と接触するため、カーボンワイヤー発熱体21の本体部分との接触面積を少なくでき、シリカ(SiO )とカーボン(C)との反応を最小限にし、耐久性を向上させることができる。
【0037】
また、発熱性状の均質性、耐久安定性等の観点及びダスト発生回避上の観点から、カーボンワイヤー発熱体21を構成するカーボン単繊維は、高純度であることが好ましく、カーボン単繊維中に含まれる不純物量が灰分(JIS R 7223−1979)として10ppm以下、特に、3ppm以下であることが好ましい。
なお、カーボンワイヤー発熱体21の固有抵抗値は、1000℃で、10〜20Ω/mであることが好ましい。抵抗が10〜20Ω/mであるために電流を5A〜15Aとし、電圧を100V程度とすることができる。このため電流が小さく抑えられ、ピンチングシールされた封止端子部に負担をかけないですむ。更に、電圧を100V以下にすることで、電源装置をコンパクトにできる。
【0038】
このようなカーボンワイヤー発熱体21が用いられるのは、例えば従来の金属ヒータに比べて、熱容量が低いため急速昇降温させることができるからである。特に、蒸気発生器Aがガラス体で構成されているため、急速昇降温が可能である。また、カーボンワイヤー発熱体21の抵抗は金属ヒータと異なり常温で高く、高温になると低くなる傾向がある。その結果、急速昇温した際にも過電流が流れることがなく、ヒューズが切れる等の事故を防止できる。
更に、カーボンワイヤー発熱体21はカーボン単繊維を組み上げたものであるため切断され難く、数本切れても抵抗値に変化がないため、蒸気発生装置のヒータとしては好適である。
【0039】
次に、封止端子部24について、図1、3、6、7に基づいて説明する。なお、図6は封止端子部24の先端部分(ガラス板22側)を示し、図7は封止端子部24の後端部分を示している。
図6、7に示すように、カーボンワイヤー発熱体21の端部を収容するガラス管26と、前記ガラス管26に圧縮されて収容され、前記カーボンワイヤー発熱体21の端部を挟持するワイヤーカーボン部材27とを備えている。このガラス管26はガラス管29の内部に収納されている。
なお、カーボンワイヤー発熱体21の端部を挟持するワイヤーカーボン部材27は、カーボンワイヤー発熱体21と同質のものが用いられ、前記したカーボンワイヤー発熱体21を2乃至4の複数本まとめて束にし、更にこの束を三束用いてワイヤーカーボン部材27としている。前記カーボンワイヤー発熱体21は、この三つの均等なワイヤーカーボン束の間であって、かつ前記ガラス管26のほぼ中心に位置するように配設される。
【0040】
また、封止端子部24の後端部分は、前記ガラス管26に端部が収容され、圧縮されたワイヤーカーボン部材27に挟持された電力供給用のMo(モリブデン)からなる内側接続線28と、前記内側接続線28と電気的に接続されるMo(モリブデン)箔30と、このMo(モリブデン)箔30に電気的に接続されるMo(モリブデン)からなる外側接続線25とを備えている。そして、Mo(モリブデン)箔30は前記ガラス管29に対していわゆるピンチングシールされている。
前記ガラス管29の先端部分はガラス板22に融着され、後端部分はピンチングシールされるため、前記ガラス管29は密閉される。なお、ガラス管29の内部には窒素ガスが充填され、カーボンワイヤー発熱体21等の酸化を抑制している。
【0041】
また、ヒータ部20のカーボンワイヤー発熱体21が封入されたガラス板22には、図3に示すように、反射膜あるいは反射部材19が設けられている。
即ち、ガラス体10の配置側と反対側のガラス板22の側面に、反射膜あるいは反射部材19が設けられている。この反射膜あるいは反射部材19はガラス板22の側面全面に形成しても良く、あるいは蒸発部2、蒸気貯留部3等の形成位置に対応した位置のみに形成してもよい。
このように、反射膜あるいは反射部材19を設けることにより、蒸発部2等を効率的に加熱することができる。例えば、Al膜、Au膜、TiN膜、Si膜、Al/Al多層膜、Al/SiO多層膜、Cr/TiN 多層膜、Cr/TiN/TiO多層膜、Si/SiO多層膜を反射膜とすることができ、また、Al箔、Au箔を反射部材とすることができる。
【0042】
前記反射膜19は蒸着、CVDによりガラス板22の面上に形成でき、反射部材19は貼着により形成することができる。また前記反射膜19の膜厚は10μm以上、500μm以下が望ましい。10μm以下では良好な反射が行えず、500μm以上では膜が剥離する虞があるためである。
なお、反射膜19を形成するガラス板22の表面粗さは、Ra0.1μm〜500μmであることが好ましい。表面面粗さがRa0.1μm以下の場合には、反射膜が剥離し易く、またRa500μm以上の場合には、熱伝導が悪化するため、好ましくない。
また、前記反射膜あるいは反射部材19は、ガラス板22の側面に凹部を形成し、ガラスで覆うことでその内部に形成するのが好ましい。凹部内に反射膜あるいは反射部材19を形成することにより、剥離、脱落を防止できる。
【0043】
次に、この蒸気発生器Aの動作作用について説明する。
液体タンク部1にはパイプ5および液路10aから水が所定量供給されている。この状態で、カーボンワイヤー発熱体21に電力が供給されると、蒸発部2が加熱され、水蒸気が発生する。特に、蒸発部2の横断面積が液体タンク部1よりも小さいため、蒸発部2において効率的に水蒸気を発生させることができる。
この発生した水蒸気は、蒸気貯留部3に一時蓄えられ、導出口3bから導出路4に供給される。このとき、前記カーボンワイヤー発熱体21によって、蒸気貯留部3、導出口3b、導出路4を加熱しているため、水蒸気の結露が抑制される。なお、吸い上げ管Bが、前記円弧状部から拡散部に移行する位置に配設されている場合には、吸い上げ管Bから吸い上げた液体と水蒸気とをより混合、拡散する。
【0044】
次に、この蒸気発生器Aの製造方法について、図1、図2、図3、図6、図7、図11に基づいて説明する。
まず、ガラス体10に、液体タンク部1、蒸発部2、蒸気貯留部3、導出口3b、導出路4となる凹部を形成する。また、前記ガラス体10に、液体タンク部1に接続される液路10a及びこの液路10aに接続されるパイプ5を形成する。また、熱電対を挿入する熱電対挿入用孔10bを形成する。
【0045】
一方、ガラス板22にカーボンワイヤー発熱体21を収納する溝22aを形成し、前記溝22aに前記カーボンワイヤー発熱体21を配設する。
そして、前記ガラス板22の溝形成面(カーボンワイヤー発熱体21を配設面)および相対峙するガラス板23の面を鏡面加工する。また、ガラス体10の凹部形成面側の面および相対峙するガラス板23の面を鏡面加工する。
その後、図11に示すように三者を重ね、密着面が水平になるように高温処理炉にセットし、0.1kgf/cmの荷重を加えながら1450℃で、三者を融着し、一体化する。
融着後、カーボンワイヤー発熱体21の端部を、図6に示すように、三つの均等なワイヤーカーボン束(ワイヤーカーボン部材27)の間であって、かつ前記ガラス管26のほぼ中心に位置するように配設する。その後、前記ガラス管26をガラス管29に収納し、前記ガラス管29をガラス板21の背面に融着、固定する。
【0046】
また、図6、図7に示すように、内側接続線28の一端部をワイヤーカーボン束(ワイヤーカーボン部材27)内に差込み、他端部をMo箔30の一端側に固定する。このMo箔30の他端側には、外側接続線25が固定されている。そして、窒素を流しながら、ガラス管29の端部をピンチングシールし、ガラス管29の内部の圧力を100torrとして密封する。
最後に、熱電対を熱電対挿入用孔10bに装着して、蒸気発生器が完成する。
【0047】
以上説明したように、上記実施形態にかかる蒸気発生器Aにあっては、前記液体タンク部1、蒸発部2、蒸気貯留部3、導出路3、液路10aが、透光性材料からなる一体物中に形成され、しかもパイプ等を用いることなく液体タンク部1と蒸発部2が直接接続され、また蒸発部2と蒸気貯留部3とが直接接続されている。このように、各部の接続にパイプが用いられていないため、装置全体を簡略化できると共に、熱容量を小さくでき、急激な加熱を行うことができる。その結果、加熱開始からスチームが発生して噴霧が開始されるまでの時間をより短くすることができる。
【0048】
特に、蒸気発生器Aはガラスで構成されているため、ヒータ部20による伝熱及び輻射熱による加熱が可能となり、より熱効率を向上させることができる。また、ガラスは低熱容量であるため、高速昇降温を行うことができると共に、急激な温度変化に対して破損等起こすことがない。更に耐食性に優れ、安価に製造することができる。
【0049】
次に、本発明にかかる蒸気発生器の第二の実施形態について図12に基づいて説明する。なお、図12は、断熱材と共に蒸気発生器が金属ケース内に収納された状態を示す図であって、(a)は(b)のI−I断面図、(b)は縦断面図である。
この実施形態は、前記した第一の実施形態の蒸気発生器を断熱材37で包囲したものである。
即ち、グラスウール、ファイバーフラックスボード、多孔質セラミックスブロック、ロックウール等の断熱材37で、ガラス体10及びヒータ部20を包囲し、更に金属ケース38内に収納したものである。
このように、断熱材37によって、ガラス体10及びヒータ部20を包囲しているため、効率的に加熱を行うことができる。また、金属ケース38内に収納されているため、衝撃等から蒸気発生器を保護することができる。なお、断熱材37がグラスウール等の場合、いわゆる緩衝材としての機能を有するため、蒸気発生器を衝撃等からより保護することができる。
【0050】
次に、本発明にかかる蒸気発生器の第三の実施形態について図13、図14に基づいて説明する。尚、図13は本発明の第三の実施形態を示す概略縦断面図、図14は、図13に示した第三の実施形態の変形例を示す概略縦断面図である。
この実施形態は、前記蒸発部2と液体タンク部1を跨いで、多孔質体40が設けられていることを特徴とする。
即ち、図13に示すように、多孔質体40が前記蒸発部2と液体タンク部1を跨いで設けられている場合には、多孔質体40の毛細管現象によって、蒸発部2に対する水の供給が安定する。また、蒸発部2、液体タンク部1での突沸を防止することができる。なお、図13にあっては、多孔質体40の下端部が液体タンク部1の上部に位置しているが、多孔質体40の下端部を液体タンク部1の下部(底部)まで位置させても良い。
【0051】
また、この多孔質体40としては、多孔質ガラス、多孔質SiC、カーボン多孔体、カーボンフェルト、多孔質レンガ、ガラスウールを用いることができる。しかし、多孔質SiC、カーボン多孔体等を多孔質体40として用いる場合には、多孔質体40の水蒸気との接触による酸化を防止するため、多孔質体40全体を水中に配置するのが好ましい。
【0052】
また、図14に示すように、多孔質体40をSiC材料、カーボン材料等のある程度熱容量を有するもの(吸熱体)とし、これを前記蒸発部2と液体タンク部1を跨いで設けた場合には、ヒータ部20からの熱を蓄熱し、水に対する伝熱効率を高めることができる。
この場合の多孔質体40は、ある程度の熱容量を有するものであれば、特に、その材質は限定されない。しかし、カーボンファイバー等を多孔質体40として用いる場合には、多孔質体40の水蒸気との接触による酸化を防止するため、多孔質体40は水中に配置するのが好ましい。また多孔質体40の細孔によって、水との接触面積が大きくなり、水蒸気発生効率を向上させることができる。
【0053】
次に、本発明にかかる蒸気発生器の第四の実施形態について図15に基づいて説明する。なお、図15は、第四の実施形態を示す概略側面図である。
この実施形態は、前記ヒータ部20と前記ガラス体10の間に、前記ガラス体の加熱する各部への前記ヒータ部からの熱伝導を均等化せしめる均熱板あるいは均熱膜44が形成されていることを特徴としている。
【0054】
このように、前記ヒータ部20と前記ガラス体10の間で、特にガラス体10の蒸発部2、蒸気貯留部3の側面位置に、均熱板あるいは均熱膜44を設けることにより、前記各部の温度を均一化でき、熱効率を向上させることができる。
前記均熱板44としては、ガラス状カーボン板、カーボン板を用いることができる。また均熱膜44としては、カーボン、カーボン粉、SiC膜を用いることができる。なお、膜厚は、前記したように10μm以上、500μm以下が望ましい。10μm以下では良好な均熱が行えず、500μm以上では膜が剥離する虞があるためである。また、均熱部材は貼着により形成することができる。
また、前記均熱板または均熱膜44は、ガラス板22の側面に凹部を形成しガラスで覆うことで、その内部に形成するのが好ましい。凹部内に均熱板または均熱膜を形成することにより、剥離、脱落を防止できる。
【0055】
次に、本発明にかかる蒸気発生器の第五の実施形態について図16に基づいて説明する。なお、図16は、第五の実施形態を示す斜視図である。
この実施形態は、ガラス板22の溝形成面(カーボンワイヤー発熱体21を配設面)に対して垂直な側面に封止端子部24を形成した点に特徴がある。このように、ガラス板22の溝形成面(カーボンワイヤー発熱体21を配設面)に対して垂直な側面に封止端子部24を形成されているため、第一の実施形態もしくは後述の第九の実施形態における反射膜、反射部材を側面全面に設けることができ、熱効率を向上させることができる。
【0056】
次に、本発明にかかる蒸気発生器の第六の実施形態について図17に基づいて説明する。なお、図17は第六の実施形態を示す断面図であって、(a)はヒータ部20の要部断面図、(b)はカーボンワイヤー発熱体21を2本入れた場合を示すヒータ部20の要部断面図である。
この実施形態は、図17(a)に示すように、カーボンワイヤー発熱体21を収納する溝45の形状を逆T字状に変更したものである。このように、溝45を逆T字状に形成したために、カーボンワイヤー発熱体21を溝45に一旦収納すると、カーボンワイヤー発熱体21が前記溝45から飛び出すことがなく、カーボンワイヤー発熱体21の配設作業を容易に行うことができる。
また、前記した溝45には、図17(b)に示すように、2本のカーボンワイヤー発熱体21を収納しても良い。このように2本のカーボンワイヤー発熱体21を収納した場合には、断線などの事故が1本のカーボンワイヤー発熱体に仮に生じた場合でも加熱機能を維持することができる。
【0057】
次に、本発明にかかる蒸気発生器の第七の実施形態について図18に基づいて説明する。
この実施形態にあっては、第一の実施形態のようにガラス体10とヒータ部20とを融着により一体化することなく、分離可能に形成した点に特徴がある。即ち、図18(a)に示すように、ガラス板22の溝22aに前記カーボンワイヤー発熱体21を配設し、ガラス板50を融着し、ヒータ部20を形成する。
一方、液体タンク部1、蒸発部2、蒸気貯留部3,導出口3b、導出路4、熱電対挿入孔10bを、ガラス体10に凹部として形成する。このガラス体1の凹部側面にガラス板51を融着する。
【0058】
そして、前記ヒータ部20とガラス体10は、図18(b)に示すように、別体として形成する。
これらヒータ部20とガラス体10は、図12の第二の実施形態に示す断熱材37で、ガラス体10及びヒータ部20を包囲し、更に金属ケース38内に収納する。
このように、ヒータ部20とガラス体10とを別体に形成されているため、破損等した場合、破損したもののみを交換すれば良く、容易に修理することができる。また、溶解物等の固着により、タンク部1・蒸発部2が汚れた場合には、ガラス体10の洗浄を容易に行うことができる。
【0059】
次に、本発明にかかる蒸気発生器の第八の実施形態について図19に基づいて説明する。この実施形態にあっては、第一の実施形態のようにヒータ部20から封止端子部24が突出することなく、ガラス板22(50)内に収納されている点に特徴がある。
このように、封止端子部24がガラス板22(50)内に収納されているため、封止端子部24の保護を図ることができ、破損等を防止できる。なお、封止端子部24から延設される外側接続線25は、開口部52から外部に引き出されるように構成されている。
【0060】
次に、本発明にかかる蒸気発生器の第九の実施形態について図20に基づいて説明する。なお、図20は、第九の実施形態を示す図であって、(a)はヒータ部を示す概略斜視図、(b)は変形例を示す概略斜視図である。
この実施形態にあっては、カーボンワイヤー発熱体21の背面に放射される熱を集熱し、ガラス体10を加熱するものであり、第一の実施形態に比べて熱効率を向上させることができる。
即ち、図20(a)に示すように、前記カーボンワイヤー発熱体21が封入されたガラス板55の背面(ガラス体10との融着面と相対向するガラス板55側面)が所定の角度を有する複数の面56として形成され、この面に反射膜あるいは反射部材57が設けられている。
このように、カーボンワイヤー発熱体21が封入されたガラス板55の背面を所定の角度を有する複数の面56として形成し、この面56に反射膜あるいは反射部材57が設けられているため、ガラス体10方向に集熱することができ、特に蒸発部2、蒸気貯留部3、導出路4のいずれか一つもしくは任意の幾つかを同時に有効に加熱することができる。
【0061】
また、図20(b)に示すように、カーボンワイヤー発熱体21が封入されたヒータ部20において、ヒータ部20を形成するカーボンワイヤー発熱体21を挟んで、ガラス体10との融着面と反対側のガラス板58中に、反射膜あるいは反射部材59が埋設されていても、前記場合と同様な効果を得ることができる。
【0062】
この反射膜あるいは反射部材57,59はガラス体10の側面全面に形成しても良く、あるいは蒸発部2、蒸気貯留部3等の形成位置に対応した位置のみに形成しても良い。
このように、反射膜あるいは反射部材57,59を設けることにより、蒸発部、蒸気貯留部等を効率的に加熱することができる。例えば、Al膜、Au膜、TiN膜、Si膜、Al/Al多層膜、Al/SiO多層膜、Cr/TiN多層膜、Cr/TiN/TiO多層膜、Si/SiO多層膜を反射膜とすることができ、また、Al箔、Au箔を反射部材とすることができる。
【0063】
前記反射膜57は蒸着、CVDによりヒータ部20の少なくとも一表面に形成できる。また前記反射膜57の膜厚は10μm以上、500μm以下が望ましい。10μm以下では良好な反射が行えず、500μm以上では膜が剥離する虞があるためである。
なお、反射膜57を形成するガラス体の表面粗さは、Ra0.1μm〜500μmであることが好ましい。表面面粗さがRa0.1μm以下の場合には、反射膜が剥離し易く、またRa500μm以上の場合には、熱伝導が悪化するため、好ましくない。
【0064】
上記実施形態にあっては、水蒸気を発生させる場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、水の代わりに他の液体を当然用いても良い。また、上記実施形態にあっては、ガラス体に前記液体タンク部、蒸発部、蒸気貯留部、導出路、液路が形成されている場合について説明したが、本発明はガラス体に限らず、透光性材料からなる一体物中に形成されていれば良い。
【0065】
また、上記実施形態にあっては、ガラス体、ガラス板、ガラス管等における「ガラス」の内容を特定していないが、前記したように最も好ましい「ガラス」はシリカガラスである。
したがって、実施形態において「シリカガラス」の場合を明示しないが、前記ガラス体、ガラス板、ガラス管等には、シリカガラスを用いたものが、当然に含まれるものである。
【0066】
上記実施形態にあっては、熱電対を蒸気貯留部の導出口3bの上方に装着する場合を例にとって説明したが、蒸発部近傍に設けても良い。
【0067】
また、本発明にかかる蒸気発生装置は、例えば、ディーゼルエンジンから排出されるNOxガスを浄化する排ガス浄化装置にも適用することができる。即ち、この蒸気発生装置によって生成された水蒸気によって、液体尿素を吸い上げ管から吸引し、水蒸気と液体尿素とを混合する。その結果、液体尿素が熱分解され、アンモニアが生成される。したがって、このアンモニアをNOx還元触媒に供給し、排ガスを浄化するように構成しても良い。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、蒸気を安定して高効率に供給でき、しかも短時間で蒸気を発生させることができ、また構成が簡素化され、メンテナンスが容易な蒸気発生器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明にかかる第一の実施形態を表した斜視図である。
【図2】図2は、図1に示されたガラス体の斜視図である。
【図3】図3は、図1に示されたヒータ部を示す図であって、(a)はヒータ形成面側から見た図、(b)は(a)のI−I断面図である。
【図4】図4は、ヒータ部の要部断面図である。
【図5】図5は、カーボンワイヤー発熱体を示した図である。
【図6】図6は、ヒータ部の封止端子部の要部断面図である。
【図7】図7は、ヒータ部の封止端子部のピンチングシールの状態を示す斜視図である。
【図8】図8は、図1に示した実施形態の概略縦断面図である。
【図9】図9は、拡散板を示す正面図および側面図である。
【図10】図10は、図1に示した第一の実施形態における蒸発部の変形例を示す概略縦断面図である。
【図11】図11は、第一の実施形態の製造方法を示す概略斜視図である。
【図12】図12は、本発明にかかる第二の実施形態を示す図であって、(a)は(b)のI−I断面図、(b)は縦断面図である。
【図13】図13は、本発明の第三の実施形態を示す概略縦断面図である。
【図14】図14は、図14に示した第三の実施形態の変形例を示す概略縦断面図である。
【図15】図15は、本発明の第四の実施形態を示す概略縦断面図である。
【図16】図16は、本発明の第五の実施形態を示す概略側面図である。
【図17】図17は第六の実施形態を示す断面図であって、(a)はヒータ部の要部断面図、(b)はカーボンワイヤー発熱体を2本入れた場合を示すヒータ部の要部断面図である。
【図18】図18は、本発明の第七の実施形態を示す概略斜視図である。
【図19】図19は、本発明の第八の実施形態を示す概略斜視図である。
【図20】図20は、第九の実施形態を示す図であって、(a)はヒータ部を示す概略斜視図、(b)は変形例を示す概略斜視図である。
【図21】図21は、従来の蒸気発生器(スチーム吸引器)を示す概略構成図である。
【符号の説明】
A 蒸気発生器
10 ガラス体
1 液体タンク部
2 蒸発部
3 蒸気貯留部
4 導出路
5 パイプ
19 反射膜(反射部材),
20 ヒータ部
21 カーボンワイヤー発熱体
22 ガラス板
23 ガラス板
24 封止端子部
25 外側接続線
26 ガラス管
27 ワイヤカーボン部材
28 内側接続線
29 ガラス管
30 モリブデン箔
36 拡散板
37 断熱材
38 金属ケース
40 多孔質体
44 反射膜(反射部材)
50 ガラス板
51 ガラス板
52 開口部
55 ガラス板
56 面
57 反射膜(反射部材)
58 ガラス
59 反射膜(反射部材)

Claims (15)

  1. 液体を貯留する液体タンク部と、
    前記液体タンク部に直接接続され、前記液体タンク部から供給された液体を加熱し、蒸気を生成する蒸発部と、
    前記蒸発部に直接接続され、前記蒸発部によって生成された蒸気を貯留する蒸気貯留部と、
    前記蒸気貯留部と直接接続され、前記蒸発部によって生成された蒸気を外部に導出する導出路と、
    前記液体タンク部に接続され、前記液体タンク部に液体を供給する液路と、
    前記蒸発部の一側面に設けられ、少なくとも蒸発部を加熱するヒータ部とを備え、
    前記液体タンク部、蒸発部、蒸気貯留部、導出路、液路が、透光性材料からなる一体物中に形成されていることを特徴とする蒸気発生器。
  2. 前記透光性材料からなる一体物がガラス体であることを特徴とする請求項1に記載された蒸気発生器。
  3. 前記透光性材料からなる一体物が、透明な、シリカガラス体、硼珪酸ガラス体、ソーダガラス体のいずれかであることを特徴とする請求項2に記載された蒸気発生器。
  4. 前記蒸発部の横断面積は、液体タンク部の横断面積より小さく、液体タンク部側から蒸気貯留部側に向かって徐々に横断面積が拡がるように形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された蒸気発生器。
  5. 前記蒸発部と液体タンク部を跨いで、多孔質体が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された蒸気発生器。
  6. 前記導出路の縦断面形状が、外部に向けて徐々に拡がる台形状に形成されると共に、前記導出路中に拡散板が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された蒸気発生器。
  7. 前記ヒータ部は、カーボンワイヤー発熱体がガラス板中に封入されたヒータであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された蒸気発生器。
  8. 前記ヒータ部は、カーボンワイヤー発熱体が収納される溝が形成された第一のガラス板と、前記溝を覆う第二のガラス板とを融着させることにより、カーボンワイヤー発熱体をガラス板中に封入することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項7のいずれかに記載された蒸気発生器。
  9. 前記ガラス体に対して、液体タンク、蒸発部、蒸気貯留部、導出路を凹部として形成し、前記凹部の開口面を前記ヒータ部のガラス板で前記ガラス体に融着し覆うことにより、液体タンク、蒸発部、蒸気貯留部、導出路が形成されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載された蒸気発生器。
  10. 前記ヒータ部は、カーボンワイヤー発熱体がガラス板中に封入されたヒータであって、前記ガラス体の側面にヒータ部のガラス板を融着することを特徴とする請求項2、請求項3、請求項7、請求項8、請求項9のいずれかに記載された蒸気発生器。
  11. 前記ヒータ部は、前記カーボンワイヤー発熱体がガラス板中に封入されたヒータであって、前記ガラス体との当接側または融着側と反対側のガラス板側面に、反射膜あるいは反射部材が設けられていることを特徴とする請求項2、請求項3、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10のいずれかに記載された蒸気発生器。
  12. 前記ヒータ部は、前記カーボンワイヤー発熱体がガラス板中に封入されたヒータであって、前記ガラス体との当接または融着側と反対側のガラス板中に、反射膜あるいは反射部材が埋設されていることを特徴とする請求項2、請求項3、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10のいずれかに記載された蒸気発生器。
  13. 前記ヒータ部と前記ガラス体の間に、前記ガラス体の加熱する各部への前記ヒータ部からの熱伝導を均等化せしめる均熱膜または均熱板が形成されていることを特徴とする請求項2、請求項3、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10のいずれかに記載された蒸気発生器。
  14. 前記蒸発部の近傍に、熱電対が装着されていることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載された蒸気発生器。
  15. 前記液体タンク部、蒸発部、蒸気貯留部、導出路が少なくとも形成されたガラス体と、前記ガラス体の側面に設けられたヒータ部とが断熱材で包囲され、金属ケース内に収納されていることを特徴とする請求項2乃至請求項14に記載された蒸気発生器。
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