JP2004296265A - 燃料電池システム - Google Patents

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健一郎 安原
Takeshi Tabata
健 田畑
Kazuhiro Hirai
一裕 平井
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Abstract

【課題】構成の簡素化を図りながら、燃料電池に供給される燃料ガスの露点温度を設定範囲内にする。
【解決手段】燃料電池5に供給される燃料ガスの露点温度が設定範囲内になるように、燃料ガスと授熱用流体とを熱交換させる燃料ガス用熱交換器20が設けられている燃料電池システムにおいて、貯湯タンク2から取り出した湯水を湯水循環路21を通して循環させたのち、貯湯タンク2に戻す湯水循環手段22と、燃料電池5の冷却水と湯水循環路21を通流する湯水とを熱交換させる排熱回収熱交換器23とが設けられ、燃料ガス用熱交換器20における授熱用流体が、排熱回収熱交換器23を通過した燃料電池5の冷却水である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池に供給される燃料ガスの露点温度が設定範囲内になるように、燃料ガスと授熱用流体とを熱交換させる燃料ガス用熱交換器が設けられている燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような燃料電池システムは、燃料ガス用熱交換器において、燃料ガスと授熱用流体とを熱交換させて、露点温度が設定範囲内である燃料ガスを燃料電池に供給させることにより、燃料電池での流路閉塞や燃料電池の出力の低下を防止するようにしているものである。
ちなみに、燃料電池に供給される燃料ガスの露点温度が設定範囲よりも低い場合には、燃料ガス中の水蒸気が結露して、燃料電池での流路閉塞を招く虞があり、逆に、燃料電池に供給される燃料ガスの露点温度が設定範囲よりも高い場合には、燃料電池の出力の低下や燃料電池での反応が不安定になる虞がある。
【0003】
上記のような燃料電池システムにおいて、従来では、供給される原燃料ガスを改質処理する改質部と、その改質部から供給される改質ガスを変成処理する変成部と、その変成部から供給される変成ガス中の一酸化炭素を除去するCO除去部とが設けられ、CO除去部にて一酸化炭素が除去された燃料ガスが高温であるので、燃料ガス用熱交換器において高温の燃料ガスと授熱用流体とを熱交換させることにより、授熱用流体にて燃料ガスを冷却させて、燃料電池に供給される燃料ガスの露点温度を設定範囲内にするようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−83620号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の燃料電池システムにおいて、例えば、燃料ガス用熱交換器における授熱用流体を水道水として、燃料ガス用熱交換器において、燃料電池に供給される燃料ガスと水道水とを熱交換させることが考えられる。
しかしながら、燃料ガス用熱交換器において、燃料電池に供給される燃料ガスと水道水とを熱交換させるために、システムの外部から水道水を燃料ガス用熱交換器に供給する構成を備えなければならず、システムの構成の複雑化を招くことになる。
【0006】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、構成の簡素化を図りながら、燃料電池に供給される燃料ガスの露点温度を設定範囲内にすることができる燃料電池システムを提供する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に記載の発明によれば、燃料電池に供給される燃料ガスの露点温度が設定範囲内になるように、燃料ガスと授熱用流体とを熱交換させる燃料ガス用熱交換器が設けられている燃料電池システムにおいて、
貯湯タンクから取り出した湯水を湯水循環路を通して循環させたのち、前記貯湯タンクに戻す湯水循環手段と、前記燃料電池の冷却水と前記湯水循環路を通流する湯水とを熱交換させる排熱回収熱交換器とが設けられ、
前記燃料ガス用熱交換器における授熱用流体が、前記排熱回収熱交換器を通過した前記燃料電池の冷却水であることを特徴とする。
【0008】
すなわち、湯水循環手段を作動させることにより、排熱回収熱交換器において、燃料電池の冷却水と貯湯タンクから取り出した湯水とを熱交換させることになるので、前記排熱回収熱交換器においては、燃料電池の冷却水にて湯水を加熱させて、その加熱された湯水を貯湯タンクに戻して、貯湯タンクに湯水が貯湯させることができることになる。
また、燃料ガス用熱交換器において、排熱回収熱交換器を通過した燃料電池の冷却水と燃料電池に供給される燃料ガスとを熱交換させることになるので、燃料ガス用熱交換器においては、排熱回収熱交換器を通過して低温となっている燃料電池の冷却水にて燃料ガスを冷却させて、燃料電池に供給される燃料ガスの露点温度を設定範囲内にすることができることになる。
【0009】
そして、燃料電池の冷却水は元々システム内に存在するので、そのシステム内に存在する燃料電池の冷却水を燃料ガス用熱交換器に供給するだけの構成を備えることにより、燃料ガス用熱交換器において燃料電池の冷却水と燃料ガスとを熱交換させることができることになる。
【0010】
したがって、燃料電池の冷却水にて貯湯タンク内に湯水を貯湯することができながら、そのシステム内に存在する燃料電池の冷却水を燃料ガス用熱交換器に供給するだけの構成を備えることにより、燃料電池に供給される燃料ガスの露点温度を設定範囲内にすることができることとなって、燃料電池の排熱を活用でき、かつ、構成の簡素化を図りながら、燃料電池に供給される燃料ガスの露点温度を設定範囲内にすることができる燃料電池システムを提供できるに至った。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、前記排熱回収熱交換器を通過した湯水を、前記貯湯タンクに戻す貯湯用湯水と前記貯湯タンクを迂回して前記排熱回収熱交換器に供給するバイパス用湯水とに分流しかつその分流比を調整可能な分流手段と、前記排熱回収熱交換器を通過した冷却水が設定温度以上となるように、前記分流手段を制御する制御手段とが設けられていることを特徴とする。
【0012】
すなわち、請求項1の発明において述べた如く、燃料ガス用熱交換器において、排熱回収熱交換器を通過して低温となっている燃料電池の冷却水にて燃料ガスを冷却させることになるので、排熱回収熱交換器を通過した燃料電池の冷却水が低温過ぎると、燃料電池に供給される燃料ガスの露点温度が設定範囲よりも低くなる虞がある。
そして、例えば、冬季など、貯湯タンクから取り出した湯水が低温である場合には、排熱回収熱交換器に供給される湯水の温度も低くなるので、その湯水と熱交換される排熱回収熱交換器を通過した冷却水の温度が低くなって、排熱回収熱交換器を通過した燃料電池の冷却水が過度に低温になることがある。
したがって、例えば、冬季など、貯湯タンクから取り出した湯水が低温となる場合には、燃料電池に供給される燃料ガスの露点温度が設定範囲よりも低くなる虞がある。
【0013】
本請求項2に記載の発明によれば、分流手段が、排熱回収熱交換器を通過した湯水を、貯湯用湯水とバイパス用湯水とに分流することにより、貯湯タンクから取り出した湯水とバイパス用湯水とを混合させて、その混合された湯水を排熱回収熱交換器に供給させることになるので、排熱回収熱交換器に供給される湯水を貯湯タンクから取り出した湯水よりも高温とすることができることになる。
したがって、例えば、冬季など、貯湯タンクから取り出した湯水が低温であっても、分流手段が排熱回収熱交換器を通過した湯水を貯湯用湯水とバイパス用湯水とに分流させることにより、排熱回収熱交換器に供給される湯水を貯湯タンクから取り出した湯水よりも高温にして、燃料電池に供給される燃料ガスの露点温度が設定範囲よりも低くなるのを防止することができることになる。
【0014】
そして、制御手段は、排熱回収熱交換器を通過した冷却水が設定温度以上となるように、分流手段を制御するので、例えば、冬季などにおいては、貯湯用湯水に対してバイパス用湯水が多量となるように、分流手段を制御することにより、排熱回収熱交換器に供給される湯水が低温となるのを防止して、排熱回収熱交換器を通過した冷却水を設定温度以上とすることができることになる。
したがって、排熱回収熱交換器を通過した燃料電池の冷却水が過度に低温になるのを防止することができることとなって、燃料電池に供給される燃料ガスの露点温度を設定範囲内にすることができることになる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、前記湯水循環路において前記排熱回収熱交換器よりも湯水の通流方向の上流側に、前記排熱回収熱交換器に供給される前の湯水と改質装置における改質用バーナの燃焼排ガスとを熱交換させて、その燃焼排ガスの潜熱を回収する潜熱回収熱交換器が設けられていることを特徴とする。
【0016】
すなわち、潜熱回収熱交換器において、改質用バーナの燃焼排ガスの潜熱を回収することになり、改質装置における排熱である燃焼排ガスの潜熱を回収することができるとともに、その潜熱にて排熱回収熱交換器に供給される湯水を加熱させることができることになる。
そして、燃焼排ガスの排熱にて排熱回収熱交換器に供給される湯水を加熱させることにより、排熱回収熱交換器に供給される湯水の温度を高くすることができ、その湯水と熱交換される排熱回収熱交換器を通過して燃料電池の過度に低温になるのを防止することができることになる。
したがって、改質装置の排熱を極力回収して、排熱回収量の増大を図りながら、排熱回収熱交換器を通過した燃料電池の冷却水が過度に低温になるのを防止して、燃料電池に供給される燃料ガスの露点温度を設定範囲内にすることができることになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる燃料電池システムをコージェネレーションシステムに適応した例を図面に基づいて説明する。
このコージェネレーションシステムは、図1に示すように、水素と酸素の電気化学反応により発電する燃料電池システム1、その燃料電池システム1にて出力される排熱流体にて貯湯タンク2に貯湯して給湯する貯湯ユニット3、燃料電池システム1および貯湯ユニット3の運転を制御する制御手段としての運転制御部4などから構成されている。
【0018】
前記燃料電池システム1には、燃料電池5、燃料電池5に供給する水素含有ガスとしての燃料ガスを生成するガス生成部6、燃料電池5に酸素含有ガスとしての空気を供給するブロア7、燃料電池5から出力される直流電力を交流電力に変換して電力消費機器に供給するインバータ8が設けられている。
【0019】
前記燃料電池5は、例えば、高分子型の燃料電池を備え、ガス生成部6にて生成されて燃料ガス供給路9を通して供給される燃料ガス中の水素と、ブロア7から空気供給路10を通して供給される空気中の酸素とを電気化学反応させて発電するように構成されている。
【0020】
前記ガス生成部6は、供給される都市ガスなどの炭化水素系の原燃料ガスを脱硫処理する脱硫部11、供給される改質水にて水蒸気を生成する水蒸気生成部12、水蒸気生成部12にて生成された水蒸気を脱硫原燃料ガスに混合させて改質反応させる改質部13、その改質部13から排出される改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気にて二酸化炭素に変成処理する変成部14、その変成部14から排出される変成ガス中に残留している一酸化炭素を除去するCO除去部15を備えて構成されている。
【0021】
前記改質処理部13における改質反応が吸熱反応であるので、改質用バーナ16aの燃焼熱により改質処理部13を加熱する改質処理用加熱部16が設けられている。
そして、改質装置Kが、水蒸気生成部12、改質処理部13、改質処理用加熱部16などから構成されている。
【0022】
前記改質用バーナ16aは、燃料電池5からのオフガスを排燃料ガス路17を通して供給するとともに、ブロア7からの空気を空気供給路10から分岐された燃焼用空気供給路18を通して供給することにより燃焼させるように構成されている。
また、改質用バーナ16aにおける燃焼排ガスは、水蒸気生成部12において、水蒸気を生成するための熱源として使用するように構成されている。
【0023】
前記脱硫部5に原燃料ガスを供給する燃料ガス供給路9の流路中には、燃料電池1への燃料ガス供給量を調整する燃料ガス供給量調整弁19が設けられている。
そして、運転制御部5が、燃料ガス供給量調整弁19の開度とブロア7の作動状態を制御することにより、燃料電池5に供給する燃料ガスの供給量および空気の供給量を調整して、燃料電池5からの発電出力を調整するように構成されている。
【0024】
前記燃料電池5の冷却水を循環させる冷却水循環路29には、冷却水の循環方向の上流側から、燃料電池5の冷却水と貯湯タンク2内の湯水とを熱交換させる排熱回収熱交換器23、燃料電池5の冷却水とCO除去部15にて一酸化炭素が除去された燃料ガスと授熱用流体とを熱交換させる燃料ガス用熱交換器20、冷却水循環ポンプ28が設けられている。
【0025】
前記貯湯ユニット3は、温度成層を形成する状態で湯水を貯湯する貯湯タンク2、湯水循環路21を通して貯湯タンク2内の湯水などを循環させる湯水循環手段としての湯水循環ポンプ22、改質用バーナ16aの燃焼排ガスと湯水循環路21を通流する湯水とを熱交換させて、燃焼排ガスの顕熱を回収する顕熱回収熱交換器24、その顕熱回収熱交換器24を通過した改質用バーナ16aの燃焼排ガスと湯水循環路21を通流する湯水とを熱交換させて、燃焼排ガスの潜熱を回収する潜熱回収熱交換器25、バーナ26の燃焼により貯湯タンク2から取り出した湯水を加熱させる補助加熱用熱交換器27などを備えて構成されている。
【0026】
また、湯水循環路21は、燃料システム1側に設けられた排熱回収熱交換器23に貯湯タンク2から取り出した湯水を供給するように構成され、排熱回収熱交換器23においては、燃料電池5の冷却水と湯水循環路21を通流する湯水とを熱交換させるように構成されている。
【0027】
そして、貯湯タンク2には、その下部から貯湯タンク2に水道水圧を用いて給水するように構成され、貯湯タンク2から取り出された量だけの水を貯湯タンク2に給水するように構成されている。
また、湯水循環路21は、貯湯タンク2の下部と上部とに連通接続され、貯湯タンク2の下部から取り出した湯水を循環させて、貯湯タンク2の上部に戻すように構成されている。
【0028】
前記顕熱回収熱交換器24は、湯水循環路21において排熱回収熱交換器23よりも湯水の通流方向の下流側に設けられ、その顕熱回収熱交換器24においては、水蒸気生成部12において、水蒸気を生成するための熱源として使用されたのち、排熱流体供給路30を通して改質用バーナ16aの燃焼排ガスを通流させることにより、改質用バーナ13aの燃焼排ガスにて湯水循環路21を通流する湯水を加熱させて、改質用バーナ13aの燃焼排ガスの顕熱を回収するように構成されている。
【0029】
前記潜熱回収熱交換器25は、湯水循環路21において排熱回収熱交換器23よりも湯水の通流方向の上流側に設けられ、その潜熱回収熱交換器25においては、排熱流体供給路30を通して顕熱回収熱交換器24を通過した改質用バーナ16aの燃焼排ガスを通流させることにより、改質用バーナ13aの燃焼排ガスにて排熱回収熱交換器23に供給される前の湯水を加熱させて、改質用バーナ13aの燃焼排ガスの潜熱を回収するように構成されている。
また、補助加熱用熱交換器27においては、バーナ26の燃焼量を調整することにより、湯水の温度が給湯設定温度になるように加熱させるように構成されている。
【0030】
前記湯水循環路21には、顕熱回収熱交換器24を通過した湯水を、貯湯タンク2を迂回して潜熱回収熱交換器25に供給するバイパス路31が設けられている。
そして、湯水循環路21とバイパス路31との接続箇所には、顕熱回収熱交換器24を通過した湯水を、貯湯タンク2の上部に戻す貯湯用湯水と貯湯タンク2を迂回してバイパス路31を通して潜熱回収熱交換器25に供給するバイパス用湯水とに分流しかつその分流比を調整可能な分流手段としての三方弁32が設けられている。
すなわち、三方弁32は、排熱回収熱交換器23を通過した湯水を、貯湯タンク2に戻す貯湯用湯水と貯湯タンク2を迂回して排熱回収熱交換器23に供給するバイパス用湯水とに分流しかつその分流比を調整可能に構成されている。
【0031】
このような燃料電池システム1では、CO除去部15にて一酸化炭素が除去された燃料ガスを燃料電池5に供給するようにしているが、燃料電池5に供給される燃料ガスの露点温度が設定範囲内になるように、燃料電池5の冷却水と燃料電池5に供給される燃料ガスとを熱交換させるように構成されているので、以下、その構成について説明を加える。
【0032】
前記燃料電池5に燃料ガスを供給する燃料ガス供給路9には、燃料電池5に供給される燃料ガスの露点温度が設定範囲内になるように、CO除去部15にて一酸化炭素が除去された燃料ガスと授熱用流体とを熱交換させる燃料ガス用熱交換器20が設けられ、その燃料ガス用熱交換器20における授熱用流体が、排熱回収熱交換器23を通過した燃料電池5の冷却水となっている。
そして、排熱回収熱交換器23を通過した冷却水の温度を検出する温度センサ33が設けられ、運転制御部4は、温度センサ33の検出情報に基づいて、排熱回収熱交換器23を通過した冷却水が設定温度以上となるように、三方弁32を制御するように構成されている。
【0033】
説明を加えると、三方弁32が、排熱回収熱交換器23を通過した湯水を、貯湯用湯水とバイパス用湯水とに分流することにより、貯湯タンク2から取り出した湯水とバイパス用湯水とを混合させて、その混合された湯水を排熱回収熱交換器に供給させることになるので、例えば、冬季など、貯湯タンク2から取り出した湯水が低温であっても、排熱回収熱交換器23に供給される湯水の温度を貯湯タンク2から取り出した湯水よりも高温とすることができることになる。
そして、運転制御部4は、温度センサ33による検出温度が設定温度以上となるように、顕熱回収熱交換器24を通過した湯水を貯湯用湯水とバイパス用湯水とに分流する分流比を調整する状態で三方弁32を制御するように構成されている。
例えば、温度センサ33の検出温度が設定温度よりも低い場合には、貯湯タンク2の上部に戻す貯湯用湯水量に対して貯湯タンク2を迂回してバイパス路31を通して潜熱回収熱交換器25に供給するバイパス用湯水量が多量となるように、顕熱回収熱交換器24を通過した湯水を貯湯用湯水とバイパス用湯水とに分流する分流比を調整するようにしている。
【0034】
このように、運転制御部4が、排熱回収熱交換器23を通過した冷却水が設定温度以上となるように、三方弁32を制御することにより、排熱回収熱交換器23に供給される湯水が低温となるのを防止して、その湯水と熱交換器される排熱回収熱交換器23を通過した冷却水を設定温度以上とするように構成されている。
そして、排熱回収熱交換器23を通過した冷却水を設定温度以上とすることにより、排熱回収熱交換器23を通過した燃料電池5の冷却水が過度に低温になるのを防止して、燃料ガス用熱交換器20において、燃料電池5の冷却水にて燃料電池5に供給される燃料ガスを冷却させて、燃料電池5に供給される燃料ガスの露点温度を設定範囲内にするように構成されている。
【0035】
また、排熱回収熱交換器23には、潜熱回収熱交換器25を通過した湯水が供給されるので、潜熱回収熱交換器25にて改質用バーナ16aの潜熱にて加熱された湯水を排熱回収熱交換器23に供給して、排熱回収熱交換器23に供給される湯水が低温となるのを防止するように構成されている。
【0036】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、三方弁32や潜熱回収熱交換器25を設けて、運転制御部4が、排熱回収熱交換器23を通過した冷却水の温度が設定温度以上になるように、三方弁32を制御するように構成しているが、図2に示すように、三方弁32や潜熱回収熱交換器25を設けずに、単に、燃料ガス用熱交換器20において、排熱回収熱交換器23を通過した燃料電池5の冷却水と燃料ガスとを熱交換させるように構成して実施することも可能である。
【0037】
(2)上記実施形態では、三方弁32やバイパス路31を設け、運転制御部4が、排熱回収熱交換器23を通過した冷却水の温度が設定温度以上になるように、三方弁32を制御する構成と、潜熱回収熱交換器25を設ける構成とを採用するようにしているが、三方弁32やバイパス路31を設け、運転制御部4が、排熱回収熱交換器23を通過した冷却水の温度が設定温度以上になるように、三方弁32を制御する構成のみを採用したり、逆に、潜熱回収熱交換器25を設ける構成のみを採用して実施することも可能である。
【0038】
(3)上記実施形態では、湯水循環路21に顕熱回収熱交換器24を設けて、改質用バーナ16aの燃焼ガスの顕熱にて湯水循環路21を通流する湯水を加熱するように構成しているが、改質用バーナ16aの燃焼ガスの顕熱にて加熱する対象流体は、湯水循環路21を通流する湯水に限らず、その他各種の加熱用流体が適応可能である。
【0039】
(4)上記実施形態では、排熱流体である改質用バーナ16aの燃焼排ガスを、水蒸気生成部12において、水蒸気を生成するための熱源として使用されたのち、顕熱回収熱交換器24に供給するようにしているが、例えば、水蒸気生成部12に別の熱源を設けて、改質用バーナ16aの燃焼排ガスを、直接顕熱回収熱交換器24に供給するように構成して実施することも可能である。
【0040】
(5)上記実施形態では、燃料電池5が、高分子型である例を示したが、リン酸型のものなど各種の燃料電池を適応することが可能である。
【0041】
(6)上記実施形態では、本発明にかかる給湯併行式処理装置をコージェネレーションシステムに適応した例を示したが、コージェネレーションシステムに限らず、その他各種のシステムにも適応することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】コージェネレーションシステムの概略構成図
【図2】別実施形態におけるコージェネレーションの概略構成図
【符号の説明】
2 貯湯タンク
4 制御手段
5 燃料電池
20 燃料ガス用熱交換器
21 湯水循環路
22 湯水循環手段
23 排熱回収熱交換器
25 潜熱回収熱交換器
32 分流手段

Claims (3)

  1. 燃料電池に供給される燃料ガスの露点温度が設定範囲内になるように、燃料ガスと授熱用流体とを熱交換させる燃料ガス用熱交換器が設けられている燃料電池システムであって、
    貯湯タンクから取り出した湯水を湯水循環路を通して循環させたのち、前記貯湯タンクに戻す湯水循環手段と、前記燃料電池の冷却水と前記湯水循環路を通流する湯水とを熱交換させる排熱回収熱交換器とが設けられ、
    前記燃料ガス用熱交換器における授熱用流体が、前記排熱回収熱交換器を通過した前記燃料電池の冷却水である燃料電池システム。
  2. 前記排熱回収熱交換器を通過した湯水を、前記貯湯タンクに戻す貯湯用湯水と前記貯湯タンクを迂回して前記排熱回収熱交換器に供給するバイパス用湯水とに分流しかつその分流比を調整可能な分流手段と、前記排熱回収熱交換器を通過した冷却水が設定温度以上となるように、前記分流手段を制御する制御手段とが設けられている請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記湯水循環路において前記排熱回収熱交換器よりも湯水の通流方向の上流側に、前記排熱回収熱交換器に供給される前の湯水と改質装置における改質用バーナの燃焼排ガスとを熱交換させて、その燃焼排ガスの潜熱を回収する潜熱回収熱交換器が設けられている請求項1または2に記載の燃料電池システム。
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