JP2004295935A - 磁気ディスクカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】段差が形成されたシャッタを備えた磁気ディスクカートリッジにおいて、磁気ディスクカートリッジをドライブに挿入する際等に、シャッタに形成された段差によりデータエリアに傷がつけられることを防止する。
【解決手段】樹脂製のフレーム2と、金属薄板からなる上下シェルハーフ3、4とによって構成されたハウジング内に、磁気ディスク5と、段差が設けられた上下シャッタハーフ13、14からなるロータリーシャッタ7とを回転自在に収容した磁気ディスクカートリッジ1において、上下シャッタハーフ13、14の磁気ディスク5側に位置する面13c、14cと、段差面13b、14bとの連接部13d、14dを、磁気ディスク5のデータエリア面と直交する方向において、データエリア外に設ける。
【選択図】 図2
【解決手段】樹脂製のフレーム2と、金属薄板からなる上下シェルハーフ3、4とによって構成されたハウジング内に、磁気ディスク5と、段差が設けられた上下シャッタハーフ13、14からなるロータリーシャッタ7とを回転自在に収容した磁気ディスクカートリッジ1において、上下シャッタハーフ13、14の磁気ディスク5側に位置する面13c、14cと、段差面13b、14bとの連接部13d、14dを、磁気ディスク5のデータエリア面と直交する方向において、データエリア外に設ける。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、ノートパソコン等の電子機器のカードスロットに装填可能なカード型ディスクドライブに交換自在に装填可能な小型の磁気ディスクカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、デジタルカメラ等のモバイル機器においては、記録媒体として例えば特許文献1に記載されているような、「clik!(登録商標)」と呼ばれる超小型の磁気ディスクカートリッジが使用されている。
【0003】
この磁気ディスクカートリッジは、押込み部を含む樹脂製のフレームと、金属薄板からなる上下シェルハーフとによって構成された、幅50mm、奥行き55mm、厚さ1.95mmの扁平なハウジング内に、40MBの記憶容量を有する直径1.8インチ(45.7mm)の磁気ディスクを回転自在に収容したものである。
【0004】
この磁気ディスクカートリッジのハウジングには、ドライブ装置が備えている磁気ヘッドを磁気ディスクの表面にアクセスさせるためのV字状の開口と、この開口を開閉する金属薄板からなるロータリーシャッタとが設けられている。このロータリーシャッタは、小径の細長いコイルばねによって閉方向にばね付勢されている。
【0005】
また、ハウジングの左側面先端部には、ドライブ装置内の係合部に係合させて、ドライブ装置内での位置決めを確実にするためのノッチが形成され、右側面先端部には、ロータリーシャッタを閉位置にロックするシャッタロック部材を外部に臨ませる小窓が形成されている。
【0006】
さらに、ハウジングの下シェルハーフには、磁気ディスクのセンタコアにドライブ装置の回転スピンドルを結合させるための円形の開口と、ロータリーシャッタと同心的な円弧状溝とが形成され、ロータリーシャッタには、上記円弧状溝から突出しかつこの円弧状溝に沿って移動してロータリーシャッタを開閉するシャッタノブが固設されている。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第6256168号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の「clik!(登録商標)」のロータリーシャッタには、ハウジングとの摺動面積を小さくするとともに、シャッタの強度を向上させるために、磁気ディスクの上下面と対向する各面に、ハウジング側に位置する面部と、前記磁気ディスク側に位置する面部と、両面を連接する段差面部とが形成されるように段差が設けられている。
【0009】
しかしながら、このような段差を設けると、磁気ディスクカートリッジをドライブに挿入する際や、磁気ディスクカートリッジを落下させた際等に、ロータリーシャッタの内面(磁気ディスク側の面)において、磁気ディスク側に位置する面と段差面との連接部、すなわちエッジが磁気ディスクのデータエリアと接触して、データエリアに傷を付ける虞があった。
【0010】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、段差が形成されたシャッタを備えた磁気ディスクカートリッジにおいて、磁気ディスクカートリッジをドライブに挿入する際等に、シャッタに形成された段差によりデータエリアに傷がつけられることを防止した磁気ディスクカートリッジを提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明による磁気ディスクカートリッジは、開口部が設けられたハウジング内に、センタコアに固着されたフレキシブルな磁気ディスクと、磁気ディスクの中心と略同位置を中心に回転して開口部を開閉するシャッタとを収容し、シャッタの磁気ディスクのデータエリアを有する面と対向する一面が、ハウジング側に位置する面と、磁気ディスク側に位置する面と、両面を連接する段差面とを備えたものである磁気ディスクカートリッジにおいて、磁気ディスク側に位置する面と段差面との連接部が、磁気ディスクのデータエリアを有する面と直交する方向において、データエリア外に設けられていることを特徴とするものである。
【0012】
本発明において「ハウジング側に位置する面と、磁気ディスク側に位置する面」とは、シャッタの磁気ディスクと対向する面を磁気ディスク側から見た際の相対的な位置関係を示したものである。
【0013】
【発明の効果】
本発明による磁気ディスクカートリッジは、磁気ディスクのデータエリアを有する面と対向する面に、ハウジング側に位置する面と、磁気ディスク側に位置する面と、両面を連接する段差面とが形成されたシャッタを備えた磁気ディスクカートリッジにおいて、磁気ディスク側に位置する面と段差面との連接部を、磁気ディスクのデータエリアを有する面と直交する方向において、データエリア外に設けることにより、磁気ディスクカートリッジをドライブに挿入する際や、磁気ディスクカートリッジを落下させた際等に連接部が磁気ディスクと接触してもデータエリアに接触することがなくなるため、データエリアに傷がつけられることを防止することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面とともに詳細に説明する。図1は、PCカード型ドライブ装置に対し押込み・引出し形式で着脱される「clik!(登録商標)」と呼ばれる超小型の磁気ディスクカートリッジを示し、図1(a)はその平面図、図1(b)は右側面図、図1(c)は底面図であり、図2は図1(a)中のII−II線断面図である。なお、理解を容易にするために、図2においては各部材の寸法比率を変えて示してある。
【0015】
図3は、本発明によるPCカード型ドライブ装置の本体を示す平面図で、このドライブ装置は、図示のドライブ装置本体20と、本体20と略同型の平面形状を備えて本体20上に被せられる金属製上蓋(図示は省略)とから構成されている。
【0016】
図1に示す磁気ディスクカートリッジ1は、押込み部2aを含む樹脂製のフレーム2と、金属薄板からなる上下シェルハーフ3、4とによって構成された、幅50mm、奥行き55mm、厚さ1.95mmの扁平なハウジング内に、40MBの記憶容量を有する直径1.8インチ(45.7mm)の磁気ディスク5を回転自在に収容している。
【0017】
上記ハウジングには、図3に示すドライブ装置本体20が備えている磁気ヘッド27を磁気ディスク5の表面にアクセスさせるためのV字状の開口6と、この開口6を開閉する略円弧状のロータリーシャッタ7とが設けられている。ロータリーシャッタ7は上シャッタハーフ13と下シャッタハーフ14とからなり、両者を係合させることにより一体的に可動するように構成されている。ロータリーシャッタ7は、ハウジング内に設けられた小径の細長いコイルばね(図示は省略)によって閉方向(図1(a)の反時計方向)にばね付勢されている。
【0018】
上シャッタハーフ13は、上シェルハーフ3にバーリング加工により形成された円筒状の突起3aを、上シャッタハーフ13に形成された軸受部13eに挿通した後、突起3aの先端に抜止部材3bを固着することによって、上シェルハーフ3により突起3aを中心に回転自在に保持されている。
【0019】
また、下シャッタハーフ14は、下シャッタハーフ14にバーリング加工により形成された円筒状の突起14eを、下シェルハーフ4に形成された軸受部4aに挿通した後、突起14eの先端にカシメ加工を施すことによって、下シェルハーフ4により軸受部4aを中心に回転自在に保持されている。
【0020】
上下シャッタハーフ13、14はそれぞれ上下シェルハーフ3、4側に位置する面部と、磁気ディスク5側に位置する面部と、両面を連接する段差面部とを有し、各面同士の連接部が略同心円上になるように構成された段差が形成されている。なお、上下シェルハーフ3、4側に位置する面部がロータリーシャッタ7の回転の中心側となるように段差が形成されている。
【0021】
ここで、磁気ディスク5は、境界半径rdから内側が非データエリア、外側がデータエリアとなっているため、上下シャッタハーフ13、14の磁気ディスク5側に位置する面13c、14cと、段差面13b、14bとの連接部13d、14dは、中心から連接部13d、14dまでの半径rsが、磁気ディスク5のデータエリア面と直交する方向において境界半径rdより内側となるように構成されている。
【0022】
具体的には、clik!(登録商標)において上記境界半径rdは9mmであるため、中心から連接部13d、14dまでの半径rsを8.5mmとしている。
【0023】
そのため、磁気ディスクカートリッジ1をドライブ装置本体20に挿入する際や、磁気ディスクカートリッジ1を落下させた際等に連接部13d、14dが磁気ディスク5と接触してもデータエリアに接触することがなくなるため、データエリアに傷がつけられることを防止することが可能となる。
【0024】
ハウジングの左側面先端部には、ドライブ装置本体20内の係合部材29に係合させて、ドライブ装置本体20内での位置決めを確実にするためのノッチ8が形成され、右側面先端部には、ロータリーシャッタ7を閉位置にロックするシャッタロック部材11を外部に臨ませる小窓9が形成されている。なお、図1はロータリーシャッタ7が閉位置にロックされている状態を示す。
【0025】
ハウジングの下シェルハーフ4には、磁気ディスク5のセンタコア10にドライブ装置本体20の回転スピンドル23を結合させるための円形の開口部4aと、ロータリーシャッタ7と同心的な円弧状溝4bとが形成され、ロータリーシャッタ7には、上記円弧状溝4bから突出しかつこの円弧状溝4bに沿って移動してロータリーシャッタ7を開閉するシャッタノブ7bが固設されている。
【0026】
ロータリーシャッタ7を閉位置にロックするシャッタロック部材11は、ハウジングに設けられた軸12に回動自在に取り付けられているとともに、ロータリーシャッタ7をロックする方向にばね付勢されている。そして、磁気ディスクカートリッジ1がドライブ装置本体20へ挿入される際に、ドライブ装置本体20側に設けられたロック解除部材19が小窓9を通してこのシャッタロック部材11を押圧することにより、ロック部材11がロック解除方向に僅かに回動されて、ロータリーシャッタ7のロックが解除されるように構成されている。
【0027】
図3に示すドライブ装置本体20は、幅53mm、奥行き85mm、厚さ5mmの寸法を有するTYPEII PCカード型ドライブ装置から金属製上蓋を除去したものであり、ディスクカートリッジ1が挿入されるスロット21と、磁気ディスク5のセンタコア10を磁気吸着するスピンドル23を備えたスピンドルモータ22と、ヘッドアクチュエータ24と、スイングアーム25と、このスイングアーム25に支持されたヘッドサスペンション26とを備えている。ヘッドサスペンション26の先端には、回転する磁気ディスク5の表面にアクセスして情報の記録再生を行なう磁気ヘッド27が設けられている。
【0028】
さらにドライブ装置本体20は、磁気ディスクカートリッジ1のノッチ8に係合する係合部材29を備えたプッシュ・プッシュ式のカートリッジ係止・排出機構28と、このドライブ装置本体20が装填されるデジタルカメラ、パソコン等の電子機器に対する入出力インターフェース30とを備えている。
【0029】
ドライブ装置本体20のスロット21の奥の右側には、磁気ディスクカートリッジ1の挿入方向に直交するように左右に延びる係止壁18がシャッタ開放手段として形成されているとともに、閉位置にロックされたロータリーシャッタ7のロックを磁気ディスクカートリッジ1の挿入時に解除するロック解除部材19が設けられている。
【0030】
そして、磁気ディスクカートリッジ1がドライブ装置のスロット21に挿入されると、先ずロック解除部材19がシャッタロック部材11を押圧し、その状態でシャッタノブ7bが係止壁18に係合するから、磁気ディスクカートリッジ1の押込みに伴ってシャッタノブ7bが係止壁18に沿ってスライドする態様でロータリーシャッタ7がその付勢用コイルばねを圧縮しながら開位置まで回動され、同時に、磁気ディスクカートリッジ1のノッチ8にドライブ装置本体20の係合部材29が係合して、磁気ディスクカートリッジ1は、ドライブ装置本体20内の所定位置に収納される。
【0031】
一方、磁気ディスクカートリッジ1をドライブ装置から取り出すときには、磁気ディスクカートリッジ1の押圧部2aを押圧することによって、カートリッジ係止・排出機構28が磁気ディスクカートリッジ1を押し出すとともに、圧縮されたロータリーシャッタ付勢用コイルばねによってエジェクト時の初速が確保され、かつ磁気ディスクカートリッジ1の引き出しに伴ってロータリーシャッタ7は上記コイルばねの付勢力により閉位置まで回動されて、シャッタロック部材11によりロックされるように構成されている。
【0032】
なお、本実施の形態においては、ロータリーシャッタに形成された段差のうち、ハウジング側に位置する面を中心側となるようにし、さらに連接部を磁気ディスクのデータエリアの内側となるように構成したが、本発明による磁気ディスクカートリッジはこのような態様に限定されるものではなく、ハウジング側に位置する面を外周側となるようにしてもよいし、また、連接部を磁気ディスクのデータエリアの外側となるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による磁気ディスクカートリッジの平面図(a)、右側面図(b)および底面図(c)
【図2】図1(a)におけるII−II線断面図
【図3】上記磁気ディスクカートリッジに対応したPCカード型ドライブ装置のドライブ装置本体平面図
【符号の説明】
1 磁気ディスクカートリッジ
2 フレーム
3 上シェルハーフ
4 下シェルハーフ
5 磁気ディスク
7 ロータリーシャッタ
10 センタコア
13 上シャッタハーフ
14 下シャッタハーフ
20 ドライブ装置本体
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、ノートパソコン等の電子機器のカードスロットに装填可能なカード型ディスクドライブに交換自在に装填可能な小型の磁気ディスクカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、デジタルカメラ等のモバイル機器においては、記録媒体として例えば特許文献1に記載されているような、「clik!(登録商標)」と呼ばれる超小型の磁気ディスクカートリッジが使用されている。
【0003】
この磁気ディスクカートリッジは、押込み部を含む樹脂製のフレームと、金属薄板からなる上下シェルハーフとによって構成された、幅50mm、奥行き55mm、厚さ1.95mmの扁平なハウジング内に、40MBの記憶容量を有する直径1.8インチ(45.7mm)の磁気ディスクを回転自在に収容したものである。
【0004】
この磁気ディスクカートリッジのハウジングには、ドライブ装置が備えている磁気ヘッドを磁気ディスクの表面にアクセスさせるためのV字状の開口と、この開口を開閉する金属薄板からなるロータリーシャッタとが設けられている。このロータリーシャッタは、小径の細長いコイルばねによって閉方向にばね付勢されている。
【0005】
また、ハウジングの左側面先端部には、ドライブ装置内の係合部に係合させて、ドライブ装置内での位置決めを確実にするためのノッチが形成され、右側面先端部には、ロータリーシャッタを閉位置にロックするシャッタロック部材を外部に臨ませる小窓が形成されている。
【0006】
さらに、ハウジングの下シェルハーフには、磁気ディスクのセンタコアにドライブ装置の回転スピンドルを結合させるための円形の開口と、ロータリーシャッタと同心的な円弧状溝とが形成され、ロータリーシャッタには、上記円弧状溝から突出しかつこの円弧状溝に沿って移動してロータリーシャッタを開閉するシャッタノブが固設されている。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第6256168号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の「clik!(登録商標)」のロータリーシャッタには、ハウジングとの摺動面積を小さくするとともに、シャッタの強度を向上させるために、磁気ディスクの上下面と対向する各面に、ハウジング側に位置する面部と、前記磁気ディスク側に位置する面部と、両面を連接する段差面部とが形成されるように段差が設けられている。
【0009】
しかしながら、このような段差を設けると、磁気ディスクカートリッジをドライブに挿入する際や、磁気ディスクカートリッジを落下させた際等に、ロータリーシャッタの内面(磁気ディスク側の面)において、磁気ディスク側に位置する面と段差面との連接部、すなわちエッジが磁気ディスクのデータエリアと接触して、データエリアに傷を付ける虞があった。
【0010】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、段差が形成されたシャッタを備えた磁気ディスクカートリッジにおいて、磁気ディスクカートリッジをドライブに挿入する際等に、シャッタに形成された段差によりデータエリアに傷がつけられることを防止した磁気ディスクカートリッジを提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明による磁気ディスクカートリッジは、開口部が設けられたハウジング内に、センタコアに固着されたフレキシブルな磁気ディスクと、磁気ディスクの中心と略同位置を中心に回転して開口部を開閉するシャッタとを収容し、シャッタの磁気ディスクのデータエリアを有する面と対向する一面が、ハウジング側に位置する面と、磁気ディスク側に位置する面と、両面を連接する段差面とを備えたものである磁気ディスクカートリッジにおいて、磁気ディスク側に位置する面と段差面との連接部が、磁気ディスクのデータエリアを有する面と直交する方向において、データエリア外に設けられていることを特徴とするものである。
【0012】
本発明において「ハウジング側に位置する面と、磁気ディスク側に位置する面」とは、シャッタの磁気ディスクと対向する面を磁気ディスク側から見た際の相対的な位置関係を示したものである。
【0013】
【発明の効果】
本発明による磁気ディスクカートリッジは、磁気ディスクのデータエリアを有する面と対向する面に、ハウジング側に位置する面と、磁気ディスク側に位置する面と、両面を連接する段差面とが形成されたシャッタを備えた磁気ディスクカートリッジにおいて、磁気ディスク側に位置する面と段差面との連接部を、磁気ディスクのデータエリアを有する面と直交する方向において、データエリア外に設けることにより、磁気ディスクカートリッジをドライブに挿入する際や、磁気ディスクカートリッジを落下させた際等に連接部が磁気ディスクと接触してもデータエリアに接触することがなくなるため、データエリアに傷がつけられることを防止することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面とともに詳細に説明する。図1は、PCカード型ドライブ装置に対し押込み・引出し形式で着脱される「clik!(登録商標)」と呼ばれる超小型の磁気ディスクカートリッジを示し、図1(a)はその平面図、図1(b)は右側面図、図1(c)は底面図であり、図2は図1(a)中のII−II線断面図である。なお、理解を容易にするために、図2においては各部材の寸法比率を変えて示してある。
【0015】
図3は、本発明によるPCカード型ドライブ装置の本体を示す平面図で、このドライブ装置は、図示のドライブ装置本体20と、本体20と略同型の平面形状を備えて本体20上に被せられる金属製上蓋(図示は省略)とから構成されている。
【0016】
図1に示す磁気ディスクカートリッジ1は、押込み部2aを含む樹脂製のフレーム2と、金属薄板からなる上下シェルハーフ3、4とによって構成された、幅50mm、奥行き55mm、厚さ1.95mmの扁平なハウジング内に、40MBの記憶容量を有する直径1.8インチ(45.7mm)の磁気ディスク5を回転自在に収容している。
【0017】
上記ハウジングには、図3に示すドライブ装置本体20が備えている磁気ヘッド27を磁気ディスク5の表面にアクセスさせるためのV字状の開口6と、この開口6を開閉する略円弧状のロータリーシャッタ7とが設けられている。ロータリーシャッタ7は上シャッタハーフ13と下シャッタハーフ14とからなり、両者を係合させることにより一体的に可動するように構成されている。ロータリーシャッタ7は、ハウジング内に設けられた小径の細長いコイルばね(図示は省略)によって閉方向(図1(a)の反時計方向)にばね付勢されている。
【0018】
上シャッタハーフ13は、上シェルハーフ3にバーリング加工により形成された円筒状の突起3aを、上シャッタハーフ13に形成された軸受部13eに挿通した後、突起3aの先端に抜止部材3bを固着することによって、上シェルハーフ3により突起3aを中心に回転自在に保持されている。
【0019】
また、下シャッタハーフ14は、下シャッタハーフ14にバーリング加工により形成された円筒状の突起14eを、下シェルハーフ4に形成された軸受部4aに挿通した後、突起14eの先端にカシメ加工を施すことによって、下シェルハーフ4により軸受部4aを中心に回転自在に保持されている。
【0020】
上下シャッタハーフ13、14はそれぞれ上下シェルハーフ3、4側に位置する面部と、磁気ディスク5側に位置する面部と、両面を連接する段差面部とを有し、各面同士の連接部が略同心円上になるように構成された段差が形成されている。なお、上下シェルハーフ3、4側に位置する面部がロータリーシャッタ7の回転の中心側となるように段差が形成されている。
【0021】
ここで、磁気ディスク5は、境界半径rdから内側が非データエリア、外側がデータエリアとなっているため、上下シャッタハーフ13、14の磁気ディスク5側に位置する面13c、14cと、段差面13b、14bとの連接部13d、14dは、中心から連接部13d、14dまでの半径rsが、磁気ディスク5のデータエリア面と直交する方向において境界半径rdより内側となるように構成されている。
【0022】
具体的には、clik!(登録商標)において上記境界半径rdは9mmであるため、中心から連接部13d、14dまでの半径rsを8.5mmとしている。
【0023】
そのため、磁気ディスクカートリッジ1をドライブ装置本体20に挿入する際や、磁気ディスクカートリッジ1を落下させた際等に連接部13d、14dが磁気ディスク5と接触してもデータエリアに接触することがなくなるため、データエリアに傷がつけられることを防止することが可能となる。
【0024】
ハウジングの左側面先端部には、ドライブ装置本体20内の係合部材29に係合させて、ドライブ装置本体20内での位置決めを確実にするためのノッチ8が形成され、右側面先端部には、ロータリーシャッタ7を閉位置にロックするシャッタロック部材11を外部に臨ませる小窓9が形成されている。なお、図1はロータリーシャッタ7が閉位置にロックされている状態を示す。
【0025】
ハウジングの下シェルハーフ4には、磁気ディスク5のセンタコア10にドライブ装置本体20の回転スピンドル23を結合させるための円形の開口部4aと、ロータリーシャッタ7と同心的な円弧状溝4bとが形成され、ロータリーシャッタ7には、上記円弧状溝4bから突出しかつこの円弧状溝4bに沿って移動してロータリーシャッタ7を開閉するシャッタノブ7bが固設されている。
【0026】
ロータリーシャッタ7を閉位置にロックするシャッタロック部材11は、ハウジングに設けられた軸12に回動自在に取り付けられているとともに、ロータリーシャッタ7をロックする方向にばね付勢されている。そして、磁気ディスクカートリッジ1がドライブ装置本体20へ挿入される際に、ドライブ装置本体20側に設けられたロック解除部材19が小窓9を通してこのシャッタロック部材11を押圧することにより、ロック部材11がロック解除方向に僅かに回動されて、ロータリーシャッタ7のロックが解除されるように構成されている。
【0027】
図3に示すドライブ装置本体20は、幅53mm、奥行き85mm、厚さ5mmの寸法を有するTYPEII PCカード型ドライブ装置から金属製上蓋を除去したものであり、ディスクカートリッジ1が挿入されるスロット21と、磁気ディスク5のセンタコア10を磁気吸着するスピンドル23を備えたスピンドルモータ22と、ヘッドアクチュエータ24と、スイングアーム25と、このスイングアーム25に支持されたヘッドサスペンション26とを備えている。ヘッドサスペンション26の先端には、回転する磁気ディスク5の表面にアクセスして情報の記録再生を行なう磁気ヘッド27が設けられている。
【0028】
さらにドライブ装置本体20は、磁気ディスクカートリッジ1のノッチ8に係合する係合部材29を備えたプッシュ・プッシュ式のカートリッジ係止・排出機構28と、このドライブ装置本体20が装填されるデジタルカメラ、パソコン等の電子機器に対する入出力インターフェース30とを備えている。
【0029】
ドライブ装置本体20のスロット21の奥の右側には、磁気ディスクカートリッジ1の挿入方向に直交するように左右に延びる係止壁18がシャッタ開放手段として形成されているとともに、閉位置にロックされたロータリーシャッタ7のロックを磁気ディスクカートリッジ1の挿入時に解除するロック解除部材19が設けられている。
【0030】
そして、磁気ディスクカートリッジ1がドライブ装置のスロット21に挿入されると、先ずロック解除部材19がシャッタロック部材11を押圧し、その状態でシャッタノブ7bが係止壁18に係合するから、磁気ディスクカートリッジ1の押込みに伴ってシャッタノブ7bが係止壁18に沿ってスライドする態様でロータリーシャッタ7がその付勢用コイルばねを圧縮しながら開位置まで回動され、同時に、磁気ディスクカートリッジ1のノッチ8にドライブ装置本体20の係合部材29が係合して、磁気ディスクカートリッジ1は、ドライブ装置本体20内の所定位置に収納される。
【0031】
一方、磁気ディスクカートリッジ1をドライブ装置から取り出すときには、磁気ディスクカートリッジ1の押圧部2aを押圧することによって、カートリッジ係止・排出機構28が磁気ディスクカートリッジ1を押し出すとともに、圧縮されたロータリーシャッタ付勢用コイルばねによってエジェクト時の初速が確保され、かつ磁気ディスクカートリッジ1の引き出しに伴ってロータリーシャッタ7は上記コイルばねの付勢力により閉位置まで回動されて、シャッタロック部材11によりロックされるように構成されている。
【0032】
なお、本実施の形態においては、ロータリーシャッタに形成された段差のうち、ハウジング側に位置する面を中心側となるようにし、さらに連接部を磁気ディスクのデータエリアの内側となるように構成したが、本発明による磁気ディスクカートリッジはこのような態様に限定されるものではなく、ハウジング側に位置する面を外周側となるようにしてもよいし、また、連接部を磁気ディスクのデータエリアの外側となるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による磁気ディスクカートリッジの平面図(a)、右側面図(b)および底面図(c)
【図2】図1(a)におけるII−II線断面図
【図3】上記磁気ディスクカートリッジに対応したPCカード型ドライブ装置のドライブ装置本体平面図
【符号の説明】
1 磁気ディスクカートリッジ
2 フレーム
3 上シェルハーフ
4 下シェルハーフ
5 磁気ディスク
7 ロータリーシャッタ
10 センタコア
13 上シャッタハーフ
14 下シャッタハーフ
20 ドライブ装置本体
Claims (1)
- 開口部が設けられたハウジング内に、
センタコアに固着されたフレキシブルな磁気ディスクと、
前記磁気ディスクの中心と略同位置を中心に回転して前記開口部を開閉するシャッタとを収容し、
前記シャッタの前記磁気ディスクのデータエリアを有する面と対向する一面が、前記ハウジング側に位置する面と、前記磁気ディスク側に位置する面と、両面を連接する段差面とを備えたものである磁気ディスクカートリッジにおいて、
前記磁気ディスク側に位置する面と前記段差面との連接部が、前記磁気ディスクのデータエリアを有する面と直交する方向において、前記データエリア外に設けられていることを特徴とする磁気ディスクカートリッジ。
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US6256168B1 (en) * | 1997-11-12 | 2001-07-03 | Iomega Corporation | Shutter liner for a disk cartridge |
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- 2003-03-25 JP JP2003082889A patent/JP2004295935A/ja not_active Withdrawn
-
2004
- 2004-03-23 US US10/806,425 patent/US20040190200A1/en not_active Abandoned
Also Published As
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