JP2004294741A - 光学レンズ及び光学レンズの製造方法 - Google Patents

光学レンズ及び光学レンズの製造方法 Download PDF

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Michinori Tsukamoto
美智徳 塚本
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

【課題】光学特性が良好であり、かつ、耐リフロー性(離型性)に優れた光学レンズ並びに当該光学レンズの良好な製造方法を提供することである。
【解決手段】(A)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を含有する有機系化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有するケイ素化合物、(C)ヒドロシリル化触媒を必須成分として含有する硬化性組成物を硬化してなる光学レンズとすること。熱硬化性組成物を外部剥離剤を塗布しない成形型を用いて、当該成形型から容易に離型できる光学レンズとすること。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光学レンズ及び光学レンズの製造方法に関するものであり、更に詳しくは、カメラ用レンズ、複写機のレンズ、CD、DVD等の光ピックアップレンズ、液晶ディスプレー、有機ELディスプレー等に使用されるマイクロレンズアレイ等並びにこれらのレンズの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光学レンズには、光学特性や機械的強度等が優れているという観点から一般に無機ガラス材料が用いられていた。
【0003】
しかし、光学レンズが使用される機器の小型化が進むにつれ、レンズの小型化も必要になったが、無機ガラス材料では加工性の問題から、曲率(R)の大きなものや複雑な形状のものを作製することが困難になってきた。
【0004】
このことから加工のしやすいプラスチック材料が検討され、使用されるようになってきた。
【0005】
加工のしやすいプラスチック材料としては、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン等の透明性が良好な熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0006】
これらのプラスチック材料は比較的低い温度で軟化、溶融するため加工性は良好であるが、成形されたレンズは、熱により変形しやすいという欠点をもつ。レンズを組み込んだ部品がハンダリフロー工程を通るような場合はレンズ自体も250℃程度のハンダ浴に曝されることになるが、耐熱性の低い前記材料からなるレンズでは形状劣化を起こし、問題となる。
【0007】
また、他のプラスチック材料としてエポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂も検討されている。これは、硬化前は液状であるか又は加熱により流動性を示すものであり、熱可塑性樹脂と同様に加工性は良好である。硬化後は熱可塑性樹脂のような流動性を示さないので、熱による変形も小さい。しかしながら、エポキシ樹脂は250℃程度に加熱されると黄変しやすく、光学性能が低下する傾向にある。また、極性基を有するため接着性が高く、成形加工されたレンズが型から外しにくいという欠点もある。離型性を改善するために成形型に離型剤を塗布すると、離型剤の塗布跡がレンズに転写されてレンズ表面の精度が落ち、光学性能が低下するという問題が生じる(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
これらのことから、上記問題の解決された光学レンズ及び光学レンズの製造方法の提供が望まれていた。
【0009】
【特許文献1】
特開平3−81320号公報(第2頁)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は光学特性が良好であり、かつ、耐リフロー性の優れたレンズ並びに該レンズの良好な製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために本発明者らは鋭意研究の結果、(A)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を含有する有機化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有するケイ素化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、を必須成分としてなる硬化性組成物を硬化してなる光学レンズとすることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
【0012】
すなわち、本発明は、
(A)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を含有する有機化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有するケイ素化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、を必須成分としてなる硬化性組成物を硬化してなる光学レンズ(請求項1)であり、
(A)成分がトリアリルイソシアヌレートであり、(B)成分が1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとトリアリルイソシアヌレートの反応物であることを特徴とする請求項1記載の硬化性組成物を硬化してなる光学レンズ(請求項2)であり、
(A)成分がトリアリルイソシアヌレートであり、(B)成分が1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとジビニルベンゼンの反応物であることを特徴とする請求項1記載の硬化性組成物を硬化してなる光学レンズ(請求項3)であり、
外部離型剤等の成形品密着防止剤を塗布していない成形型に請求項1乃至請求項3記載の硬化性組成物を注入後、加熱硬化させることを特徴とする光学レンズの製造方法(請求項4)である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】
まず、本発明における(A)成分について説明する。
【0015】
(A)成分は、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を含有する有機化合物である。
【0016】
(A)成分の有機化合物は、それを構成する有機系骨格としては特に限定はなく、例えば、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリアリレート系、ポリカーボネート系、飽和炭化水素系、ポリアクリル酸エステル系、ポリアミド系、フェノール−ホルムアルデヒド系(フェノール樹脂系)、ポリイミド系等の有機重合体骨格やフェノール系、ビスフェノール系、ベンゼン、ナフタレンなどの芳香族炭化水素系、脂肪族炭化水素系、脂肪族アルコール系等及びこれらの2種以上からなる有機単量体骨格が挙げられる。
【0017】
また、(A)成分の有機化合物は、上記有機系骨格部分と、その有機系骨格部分に共有結合するSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を有する基とからなる。SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を有する基は有機系骨格のどの部位に共有結合していてもよい。
【0018】
(A)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合はSiH基と反応性を有するものであれば特に制限されない。
【0019】
下記一般式(I)
【0020】
【化1】
Figure 2004294741
(式中Rは水素原子又はメチル基を表す。)で示されるアルケニル基が反応性の点から好適である。
【0021】
原料の入手の容易さからは、
【0022】
【化2】
Figure 2004294741
が特に好ましい。
【0023】
(A)成分のアルケニル基としては、下記一般式(II)
【0024】
【化3】
Figure 2004294741
(式中R、Rは、同一又は異なって、水素原子又はメチル基を表す。)で示されるアルケニル基が、硬化物の耐熱性が高いという点から好適である。
【0025】
また、原料の入手の容易さからは、
【0026】
【化4】
Figure 2004294741
が特に好ましい。
【0027】
アルケニル基は2価以上の置換基を介して(A)成分の有機系骨格部分に共有結合していても良い。
【0028】
2価以上の置換基としては炭素数0〜10の置換基であれば特に制限はない。このような置換基の例としては、
【0029】
【化5】
Figure 2004294741
【0030】
【化6】
Figure 2004294741
等が挙げられる。
【0031】
また、これらの置換基の2つ以上が共有結合によりつながって1つの2価以上の置換基を構成していてもよい。
【0032】
以上のような有機系骨格部分に共有結合する基の例としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、アクリル基、メタクリル基、2−ヒドロキシ−3−(アリルオキシ)プロピル基、2−アリルフェニル基、3−アリルフェニル基、4−アリルフェニル基、2−(アリルオキシ)フェニル基、3−(アリルオキシ)フェニル基、4−(アリルオキシ)フェニル基、2−(アリルオキシ)エチル基、2、2−ビス(アリルオキシメチル)ブチル基、3−アリルオキシ−2、2−ビス(アリルオキシメチル)プロピル基、
【0033】
【化7】
Figure 2004294741
等が挙げられる。
【0034】
(A)成分の具体的な例としては、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、1,1,2,2−テトラアリロキシエタン、ジアリリデンペンタエリスリット、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン、ジビニルベンゼン類(純度50〜100%のもの、好ましくは純度80〜100%のもの)、ジビニルビフェニル、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、およびそれらのオリゴマー、1,2−ポリブタジエン(1、2比率10〜100%のもの、好ましくは1、2比率50〜100%のもの)、ノボラックフェノールのアリルエーテル、アリル化ポリフェニレンオキサイド、
【0035】
【化8】
Figure 2004294741
【0036】
【化9】
Figure 2004294741
等が挙げられる。
【0037】
(A)成分の有機化合物としては、上記有機系骨格部分と、その有機系骨格部分に共有結合するSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を有する基とに分けて表現しがたい低分子量化合物も用いることができる。これらの低分子量化合物の具体例としては、ブタジエン、イソプレン、オクタジエン、デカジエンなどの脂肪族鎖状ポリエン化合物系、シクロペンタジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、ノルボルナジエンなどの脂肪族環状ポリエン化合物系、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキセンなどの置換脂肪族環状オレフィン化合物系などが挙げられる。
【0038】
(A)成分としては、耐熱性の観点からは、下記一般式(III)
【0039】
【化10】
Figure 2004294741
(式中R、R、Rは、同一又は異なって炭素数1〜50の一価の有機基を表すが、少なくとも一つはSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を有する基である。)で表される化合物が好ましい。
【0040】
上記一般式(III)のR、R、Rとしては、得られる硬化物の耐熱性がより高くなりうるという観点からは、炭素数1〜20の一価の有機基であることが好ましく、炭素数1〜10の一価の有機基であることがより好ましく、炭素数1〜4の一価の有機基であることがさらに好ましい。これらの好ましいR、R、Rの例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、ビニル基、アリル基、
【0041】
【化11】
Figure 2004294741
等が挙げられる。
【0042】
上記一般式(III)のR、R、Rとしては、反応性が良好になるという観点からは、これらのうち少なくとも1つが
【0043】
【化12】
Figure 2004294741
で表される基を1個以上含む炭素数1〜50の一価の有機基であることが好ましく、下記一般式(IV)
【0044】
【化13】
Figure 2004294741
(式中Rは水素原子又はメチル基を表す。)で表される基を1個以上含む炭素数1〜50の一価の有機基であることがより好ましく、R、R、Rのうち少なくとも2つが下記一般式(V)
【0045】
【化14】
Figure 2004294741
(式中Rは直接結合あるいは炭素数1〜48の二価の有機基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表す。)で表される有機化合物(複数のR及びRはそれぞれ異なっていても同一であってもよい。)であることがさらに好ましい。
【0046】
上記一般式(V)のRは、直接結合あるいは炭素数1〜48の二価の有機基であるが、得られる硬化物の耐熱性がより高くなりうるという観点からは、直接結合あるいは炭素数1〜20の二価の有機基であることが好ましく、直接結合あるいは炭素数1〜10の二価の有機基であることがより好ましく、直接結合あるいは炭素数1〜4の二価の有機基であることがさらに好ましい。これらの好ましいRの例としては、
【0047】
【化15】
Figure 2004294741
等が挙げられる。
【0048】
上記一般式(V)のRは、水素原子又はメチル基であるが、反応性が良好であるという観点からは、水素原子が好ましい。
【0049】
また、耐熱性をより向上し得るという観点からは、一般式(III)において、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に2個以上含有することが好ましく、3個以上含有することがより好ましい。
【0050】
以上のような一般式(III)で表される有機化合物の好ましい具体例としては、トリアリルイソシアヌレート、
【0051】
【化16】
Figure 2004294741
等が挙げられる。
【0052】
(A)成分としては、他の成分との均一な混合、および良好な作業性を得るためには100℃以下の温度において流動性があるものが好ましく、線状でも枝分かれ状でもよい。分子量の下限は50、上限は100,000の任意のものが使用できるが、好ましい下限は54、好ましい上限は70,000、さらに好ましい下限は68、さらに好ましい上限は50,000である。分子量が50より低いものは揮発性が大であり、分子量が100,000を越えるものでは一般に原料が高粘度となり作業性に劣るとともに、アルケニル基とSiH基との反応による架橋の効果が発現し難い。
【0053】
また、本発明では、上記(A)成分を単独で用いても2種以上を混合使用してもよい。
次に、(B)成分である1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有するケイ素化合物について説明する。
【0054】
本発明に使用できるSiH基を有する化合物については特に制限がなく、例えば国際公開WO96/15194に記載される化合物で、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有するものが使用できる。
【0055】
これらのうち、入手性の面からは、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状、及び/又は、環状ポリオルガノシロキサンが好ましく、(A)成分との相溶性が良いという観点から、さらに、下記一般式(VI)
【0056】
【化17】
Figure 2004294741
(式中、R10は炭素数1〜6の有機基を表し、nは3〜10の数を表す。)で表される、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する環状ポリオルガノシロキサンが好ましい。
【0057】
また、鎖状、及び/又は、環状ポリオルガノシロキサンと、炭素−炭素二重結合を有する有機化合物から選ばれた1種以上の化合物(以降(D)成分と称する)との反応物も好ましい。(D)成分はSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも1個含有する有機化合物である。ここで、(D)成分と反応させる1分子中に少なくとも2個のSiH基を有するポリオルガノシロキサンとしては、反応物と(A)成分の相溶性が良く、光学レンズの硬度が高くなるという点で上記一般式(VI)で表される環状ポリオルガノシロキサンが好ましい。
【0058】
(D)成分の具体的な例としては、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、1,1,2,2−テトラアリロキシエタン、ジアリリデンペンタエリスリット、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン、ジビニルベンゼン類(純度50〜100%のもの、好ましくは純度80〜100%のもの)、ジビニルビフェニル、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、およびそれらのオリゴマー、1,2−ポリブタジエン(1、2比率10〜100%のもの、好ましくは1、2比率50〜100%のもの)、ノボラックフェノールのアリルエーテル、アリル化ポリフェニレンオキサイド、ブタジエン、イソプレン、オクタジエン、デカジエンなどの脂肪族鎖状ポリエン化合物、シクロペンタジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、ノルボルナジエンなどの脂肪族環状ポリエン化合物、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキセンなどの置換脂肪族環状オレフィン化合物、
【0059】
【化18】
Figure 2004294741
【0060】
【化19】
Figure 2004294741
等が挙げられる。
【0061】
(D)成分の有機化合物は、単独もしくは2種以上のものを混合して用いることが可能である。
【0062】
上記したような各種(B)成分は単独もしくは2種以上のものを混合して用いることが可能である。
【0063】
なお、硬化性組成物中の(A)成分と(B)成分の比率は、[硬化性組成物中の(A)成分のアルケニル基のモル数/硬化性組成物中の(B)成分のSiH基のモル数]の値が下限0.25、上限30の範囲となる比率であることが好ましく、下限0.33、上限20の範囲となる比率であることがより好ましい。上記値が0.25より小さい場合はアルケニル基とSiH基との反応による架橋の効果が不十分になる傾向にあり、30より大きい場合は硬化物から未反応の(A)成分がブリードしてくる傾向にある。
【0064】
上記(D)成分と1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状、及び/又は、環状ポリオルガノシロキサンの反応は本発明の(C)成分であるヒドロシリル化触媒を用いて実施することが出来る。触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体などが好ましい。また、これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。触媒の添加量は特に限定されないが、十分な反応性を有し、かつコストを比較的低く抑えるために、SiH基1モルに対して、下限10−8モル、上限10−1モルの範囲が好ましく、より好ましくは、下限10−6モル、上限10−2モルの範囲である。
【0065】
反応に使用できる溶剤は特に限定されるものではなく、具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1, 4−ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、1, 2−ジクロロエタンなどのハロゲン系溶媒を好適に用いることができる。溶媒は2種類以上の混合溶媒として用いることもできる。溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフラン、クロロホルムが好ましい。使用する溶媒量は、用いる反応性[(D)+(1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状、及び/又は、環状ポリオルガノシロキサン)]成分1gに対し、下限0mL、上限10mLの範囲で用いるのが好ましく、下限0.5mL、上限5mLの範囲で用いるのがさらに好ましく、下限1mL、上限3mLの範囲で用いるのが特に好ましい。
【0066】
(D)成分と1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状、及び/又は、環状ポリオルガノシロキサンとのモル比(D/1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状、及び/又は、環状ポリオルガノシロキサン)は収率の点から下限5、上限100であることが好ましく、下限7、上限50であることが好ましく、下限8、上限20であることが特に好ましい。
次に、(C)成分であるヒドロシリル化触媒について説明する。
【0067】
ヒドロシリル化触媒としては、ヒドロシリル化反応の触媒活性があれば特に限定されないが、例えば、白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラックなどの担体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトンなどとの錯体、白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH=CH(PPh、Pt(CH=CHCl)、白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、Pt(ViMeSiOSiMeVi)、Pt[(MeViSiO))、白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt(PPh、Pt(PBu)、白金−ホスファイト錯体(例えば、Pt[P(OPh)、Pt[P(OBu))(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは、整数を示す。)、ジカルボニルジクロロ白金、カールシュテト(Karstedt)触媒、また、アシュビー(Ashby)の米国特許第3159601号および3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、ならびにラモロー(Lamoreaux)の米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラート触媒が挙げられる。さらに、モディック(Modic)の米国特許第3516946号明細書中に記載された塩化白金−オレフィン複合体も本発明において有用である。
【0068】
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh)、RhCl、RhAl、RuCl、IrCl、FeCl、AlCl、PdCl・2HO、NiCl、TiCl、などが挙げられる。
【0069】
これらの中では、触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体などが好ましい。また、これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0070】
触媒の添加量は特に限定されないが、十分な硬化性を有し、かつ硬化性組成物のコストを比較的低く抑えるために、SiH基1モルに対して、下限10−8モル、上限10−1モルの範囲が好ましく、より好ましくは、下限10−6モル、上限10−2モルの範囲である。
【0071】
なお、触媒量は、(B)成分合成時に使用して残存している量で十分な硬化性を示す場合は必ずしも添加する必要はないが、硬化性を調整するために上記の範囲で新たに添加することもできる。
【0072】
また、上記触媒には助触媒を併用することが可能であり、例としてジメチルマレエートなどの1、2−ジエステル系化合物、単体の硫黄などの硫黄系化合物、トリエチルアミンなどのアミン系化合物などが挙げられる。助触媒の添加量は特に限定されないが、触媒1モルに対して、下限10−2モル、上限10モルの範囲が好ましく、より好ましくは下限10−1モル、上限10モルの範囲である。
【0073】
さらに本発明においては、硬化性組成物の保存安定性を改良する目的、あるいは製造過程でのヒドロシリル化反応の反応性を調整する目的で、硬化遅延剤を使用することができる。
【0074】
硬化遅延剤としては、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物などが挙げられ、これらを併用してもかまわない。脂肪族不飽和結合を含有する化合物として、プロパルギルアルコール類、エン−イン化合物類、マレイン酸エステル類などが例示される。有機リン化合物としては、トリオルガノフォスフィン類、ジオルガノフォスフィン類、オルガノフォスフォン類、トリオルガノフォスファイト類などが例示される。有機イオウ化合物としては、オルガノメルカプタン類、ジオルガノスルフィド類、硫化水素、ベンゾチアゾール、ベンゾチアゾールジサルファイドなどが例示される。窒素含有化合物としては、アンモニア、1〜3級アルキルアミン類、アリールアミン類、尿素、ヒドラジンなどが例示される。スズ系化合物としては、ハロゲン化第一スズ2水和物、カルボン酸第一スズなどが例示される。有機過酸化物としては、ジ−tert−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、過安息香酸tert−ブチルなどが例示される。
【0075】
これらの硬化遅延剤のうち、遅延活性が良好で原料入手性がよいという観点からは、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルマレート、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチン、1−エチニル−1−シクロヘキサノールが好ましい。
【0076】
硬化遅延剤の添加量は、使用するヒドロシリル化触媒1モルに対し、下限10−1モル、上限10モルの範囲が好ましく、より好ましくは下限1モル、上限50モルの範囲である。
【0077】
次に、本発明の光学レンズを成形後、成形型からの離型性をより向上させる目的で添加することができる内部離型剤について説明する。
【0078】
内部離型剤とは(A)成分、及び/又は、(B)成分にあらかじめ添加する離型剤であり、成形型に塗布する必要がないので、外部離型剤使用時の塗布跡がレンズに転写されるといった問題が生じることはない。また、成形の度に成形型に塗布しなければならない外部離型剤と違い、取り扱いが容易であり、光学レンズの生産性も向上する。
【0079】
内部離型剤としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、アルキル四級アンモニウム塩、リン酸エステル、流動パラフィン、ワックス、高級脂肪酸及び高級脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アルコール、ビスアミド類、ポリシロキサン類、脂肪族アミンエチレンオキシド付加物などが挙げられる。本発明においては内部離型剤は必ずしも添加する必要はないが、使用する場合の添加量としては種々設定できる。[(A)成分+(B)成分]100重量部に対する好ましい添加量の下限は0.005重量部、より好ましくは0.01重量部であり、好ましい添加量の上限は5重量部、より好ましくは3重量部である。添加量が少ないと離型性向上効果が十分ではなく、添加量が多いとレンズの光学性能に悪影響を及ぼす場合がある。これらの内部離型剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0080】
また、本発明の光学レンズは離型後、レンズが傷つきにくくするためのハードコートを形成してもよい。例えば、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤を含むコーティング液や前記のシランカップリング剤とトリメトキシアンチモン、テトラメトキシ錫、テトラメトキシチタン等の金属酸化物ゾルを含むコーティング液等でレンズ表面をコートし、加熱処理することによってハードコートを形成させ、レンズの表面硬度を上げた保護膜とすることができる。
【0081】
次に、本発明の光学レンズの特性を改質する目的で添加することが可能な種々の樹脂について説明する。樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、シアナート樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂及びポリエステル樹脂などが例示されるがこれらに限定されるものではない。
【0082】
また、本発明中の硬化性組成物は、有機溶剤を添加して粘度を調整し、作業性を向上させたペーストとすることも可能である。使用できる溶剤は特に限定されるものではないが、具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素系溶剤、テトラヒドロフラン、1, 4−ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン、1, 2−ジクロロエタンなどのハロゲン系溶剤を好適に用いることができる。溶剤は2種類以上の混合溶剤として用いることもできる。使用する溶剤量は、[(A)成分+(B)成分]100重量部に対して、下限0.1重量部、上限100重量部の範囲で用いるのが好ましく、下限0.5重量部、上限50重量部の範囲で用いるのがさらに好ましく、下限1重量部、上限30重量部の範囲で用いるのが特に好ましい。使用量が少ないと、低粘度化の効果が得られにくく、また、使用量が多いと、材料に溶剤が残留して熱クラックなどの問題となりやすく、またコスト的にも不利になり工業的利用価値が低下する。
【0083】
本発明中の硬化性組成物には、その他、老化防止剤、ラジカル禁止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、熱安定剤、加工安定剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、金属不活性化剤、物性調整剤などを本発明の目的および効果を損なわない範囲において添加することができる。
【0084】
また、本発明中の硬化性組成物には、必要に応じて無機フィラーを添加してもよい。無機フィラーを添加すると、材料の高強度化に効果がある。無機フィラーとしては微粒子状のものが好ましく、アルミナ、水酸化アルミニウム、溶融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定型シリカや疎水性超微粉シリカ、タルク、硫酸バリウム等を挙げることができる。
【0085】
フィラーを添加する方法としては、例えばアルコキシシラン、アシロキシシラン、ハロゲン化シラン等の加水分解性シランモノマーあるいはオリゴマーや、チタン、アルミニウム等の金属のアルコキシド、アシロキシド、ハロゲン化物等を、本発明中の硬化性組成物に添加して、組成物中あるいは組成物の部分反応物中で反応させ、組成物中で無機フィラーを生成させる方法も挙げることができる。
【0086】
また更に、本発明においては、硬化性組成物の特性を改質する目的で、種々の熱硬化性樹脂を添加することも可能である。熱硬化性樹脂としては、シアナート樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂等が例示されるがこれに限定されるものではない。
【0087】
次に、光学レンズの製造方法について述べる。
【0088】
本発明中の硬化性組成物をレンズ形状をなす成形型に接触させて型を転写させることによりレンズが作製できる。転写方法については特に限定されないが、例えば、成形型に硬化性組成物を流し込んだ後に硬化させ、レンズを取り出す注型法、成形型のキャビティ内に硬化性組成物を射出し、硬化後、割型を開き、エジェクターピンでレンズを押し出す射出成形法等が挙げられる。硬化方法としては、加熱していない成形型内でゆっくり硬化させることもできるし、加熱した成形型内で硬化反応を進行させることもできる。反応が速く、一般に耐熱性の高いレンズが得られやすいという観点から加熱して硬化反応を進める方法が好ましい。
【0089】
反応温度としては種々設定できるが、下限25℃、上限300℃の温度範囲が好ましく、下限40℃、上限280℃がより好ましく、下限60℃、上限260℃がさらに好ましい。反応温度が低いと十分に反応させるための反応時間が長くなり、反応温度が高いと成形体が熱劣化する恐れがある。
【0090】
反応は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。
【0091】
反応時の圧力も必要に応じ種々設定でき、常圧、高圧、あるいは減圧状態で反応させることもできる。
【0092】
硬化反応後のレンズの取り出し温度も種々設定できる。反応最終温度でそのまま取り出すこともできるし、その温度以下に冷却して取り出すこともできる。生産性の観点からは、成形型を冷却せずにレンズが取り出せればすぐに次の成形が行え、効率的である。本発明ではエポキシ樹脂に存在するような極性基を有しない熱硬化性樹脂とすることができることから、反応最終温度での離型性が良好なレンズを得ることができる。特に成形型に外部離型剤等の塗布をすることなく、離型が可能である。
【0093】
また、本発明の光学レンズは、一眼レフカメラ、フィルム付き簡易カメラ、携帯電話の付属カメラ、CCDカメラ、ビデオカメラ、デジタルカメラ等の各種カメラ用レンズ、複写機、プリンター等のOA機器用レンズ、CD、DVD等の光ピックアップレンズ、光ファイバー用レンズ、眼鏡用レンズ、双眼鏡、望遠鏡、ルーペ等の拡大レンズ、液晶ディスプレー、有機ELディスプレー等に使用されるマイクロレンズアレイ等として使用される。
【0094】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示すが本発明は以下によって限定されるものではない。
(合成例1)トリアリルイソシアヌレートによる1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン変性体(1)の合成
冷却管、攪拌機、温度計を備えた1Lの4つ口フラスコに信越化学工業製1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン288gを入れ、トルエン360gを加えて溶解した後、110℃に保った。
【0095】
別途、トリアリルイソシアヌレート40gをトルエン40gに溶かし、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液(白金3重量%含有)0.3gを加えた溶液を用意し、これを4つ口フラスコ中の溶液に10分かけて滴下した後、攪拌しながら6時間反応させた。
【0096】
反応後、1−エチニル−1−シクロヘキサノール0.6gを加えて溶解した後、25℃まで放冷した。
【0097】
その後、反応液を1Lのナスフラスコに移し、減圧下、60℃で揮発分を留去することによって、130gの変性体(1)を得た。
【0098】
変性体(1)のヒドロシリル基含有量はプロトンNMR分析の結果、8.04mmol/gであった。
【0099】
また、同分析の結果、アリル基残存量は0.10mmol/gであった。
【0100】
なお、ヒドロシリル基含有量及びアリル基残存量は1,2−ジブロモエタンを内部標準とし、この標準物質のプロトンの化学シフト(3.65ppm)面積とヒドロシリル基のプロトンの化学シフト(4.7ppm)面積またはアリル基のプロトンの化学シフト(4.5ppm)面積を比較することによって決定した。(合成例2)ジビニルベンゼンによる1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン変性体(2)の合成
冷却管、攪拌機、温度計を備えた1Lの4つ口フラスコに信越化学工業製1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン288gを入れ、トルエン360gを加えて溶解した後、50℃に昇温し、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液(白金3重量%含有)0.025gを加えた。
【0101】
別途、ジビニルベンゼン31gをトルエン90gに溶かした溶液を用意し、これを4つ口フラスコ中の溶液に30分かけて滴下した後、攪拌しながら2時間反応させた。
【0102】
反応後、25℃まで放冷した後、ベンゾチアゾール55mgをトルエン0.2gに溶かした溶液を加えて攪拌した。
【0103】
その後、反応液を1Lのナスフラスコに移し、減圧下、60℃で揮発分を留去することによって、140gの変性体(2)を得た。
【0104】
変性体(2)のヒドロシリル基含有量はプロトンNMR分析の結果、9.59mmol/gであった。なお、ビニル残基は検出されなかった。
(実施例1)
トリアリルイソシアヌレート59.62gと白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液(白金3重量%含有)0.33gを混合し、攪拌溶解した。続いて、合成例1で調製した変性体(1)90.38g及び1−エチニル−1−シクロヘキサノール0.45gを混合し、攪拌溶解後、真空脱泡を行い、硬化性組成物を作製した。
【0105】
次に、外部離型剤等の密着防止剤を塗布していないレンズ成形用金型を装着した山城精機製作所製射出成形機VH−8−1−Lに上記組成物をセッティングした。
【0106】
硬化性組成物を射出背圧3.4MPaで120℃に加熱した金型に注入し、10分間保持して硬化させた。
【0107】
その後、エジェクターピンを操作したところ、成形されたレンズが容易に金型から外れた。
【0108】
得られた3mm厚レンズの全光線透過率を測定した結果、93%であった。また、レンズを250℃のハンダ浴に10秒間浸した後、外観を観察した結果、着色、変形はなかった。
(実施例2)
トリアリルイソシアヌレート66.52gと白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液(白金3重量%含有)0.3gを混合し、攪拌溶解した。続いて、合成例2で調製した変性体(2)83.48g及び1−エチニル−1−シクロヘキサノール0.45gを混合し、攪拌溶解後、真空脱泡を行い、硬化性組成物を作製した。
【0109】
次に、外部離型剤等の密着防止剤を塗布していないレンズ成形用金型を装着した山城精機製作所製射出成形機VH−8−1−Lに上記組成物をセッティングした。
【0110】
実施例1と同様にしてレンズを成形した後、エジェクターピンを操作したところ、成形されたレンズが容易に金型から外れた。
【0111】
得られた3mm厚レンズの全光線透過率を測定した結果、93%であった。また、レンズを250℃のハンダ浴に10秒間浸した後、外観を観察した結果、着色、変形はなかった。
(比較例1)
外部離型剤等の密着防止剤を塗布していないレンズ成形用金型を装着した山城精機製作所製射出成形機VH−8−1−Lに日本ペルノックス製カチオン硬化型1液性エポキシ樹脂ME−5935をセッティングした。
【0112】
実施例1と同様にしてレンズを成形した後、エジェクターピンを操作したが、成形されたレンズは外れなかった。
(比較例2)
外部離型剤を塗布したレンズ成形用金型を装着した山城精機製作所製射出成形機VH−8−1−Lに日本ペルノックス製カチオン硬化型1液性エポキシ樹脂ME−5935をセッティングした。
【0113】
実施例1と同様にしてレンズを成形した後、エジェクターピンを操作したところ、成形されたレンズは容易に金型から外れたが、レンズの表面に離型剤が転写されてクレーターが発生した。
【0114】
【発明の効果】
本発明の光学レンズは光学特性が良好であり、かつ、耐リフロー性に優れていることから、ハンダ実装工程を経る部品にも使用可能な光学レンズとして提供できる。さらに、良好な成形性(生産性)で該レンズが製造できることから、工業的に極めて有用である。

Claims (4)

  1. (A)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を含有する有機化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有するケイ素化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、を必須成分としてなる硬化性組成物を硬化してなる光学レンズ。
  2. (A)成分がトリアリルイソシアヌレートであり、(B)成分が1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとトリアリルイソシアヌレートの反応物であることを特徴とする請求項1記載の硬化性組成物を硬化してなる光学レンズ。
  3. (A)成分がトリアリルイソシアヌレートであり、(B)成分が1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとジビニルベンゼンの反応物であることを特徴とする請求項1記載の硬化性組成物を硬化してなる光学レンズ。
  4. 外部離型剤等の成形品密着防止剤を塗布していない成形型に請求項1乃至請求項3記載の硬化性組成物を注入後、加熱硬化させることを特徴とする光学レンズの製造方法。
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