JP2011001401A - 硬化性組成物、および、硬化物 - Google Patents

硬化性組成物、および、硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】 成形加工性に優れ、高い耐熱性と透明性と強度を有する硬化性組成物、および、硬化物を提供することである。
【解決手段】 SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を含有する有機化合物、ヒドロシリル化触媒、SiH基含有ケイ素化合物、および、特定構造を有する10〜500nmのポリマー微粒子からなる硬化性組成物及びその硬化物である。 ポリマー微粒子は、分子内に芳香環を少なくとも1つ有する(メタ)アクリル酸エステル20〜97質量%、分子内に環状エーテル構造を少なくとも1つ有する(メタ)アクリル酸エステル2〜10質量%、多官能性単量体1〜6質量%、その他の(メタ)アクリル酸エステル0〜77質量%、及びその他のビニル単量体0〜27質量%、合計100質量%を重合してなることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリマー微粒子、より詳細にはコアシェルポリマー微粒子が分散した有機変性シリコーン樹脂組成物、その硬化物、及びその製造方法に関する。
近年、製品寿命を延ばすことで環境に対する負荷を低減させるために、部材に対する長期信頼性が要求されるようになっている。特に、電気電子部品や車載部品等を封止するにあたって、光や熱、物理的衝撃といった外部環境に対する信頼性での要求が強まっている。封止分野で顕著になっている問題点として、基材・パッケージとの熱膨張係数差が大きいことによる樹脂クラック、ワイア断線、基材の反り、剥離等がしばしば指摘される。このような問題点を解決する方法として、特許文献1のように、液状・固形低弾性成分を熱硬化性樹脂中に分散させる手法が広く知られている。また、特許文献2のように、アクリル系弾性体を硬化性組成物に添加することで、実装信頼性の高い硬化性組成物が提案されているが、硬度や透明性に関する記述が無かった。
特開2001-40185 WO06/057218
本発明の目的は、硬化性組成物の有する高い耐熱性と透明性を維持しながら、冷熱衝撃性を確保した硬化性組成物を提供することである。
上記事情に鑑み、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、特定構造を有するSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を含有する化合物、ヒドロシリル化触媒、SiH基含有ケイ素化合物、および特定のポリマー微粒子からなる硬化性組成物、ならびにその硬化物により、上記課題が解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、
(A)1分子中にSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を2個以上有し、下記一般式(I)
Figure 2011001401
(式中、R1は炭素数1〜50の一価の酸素、窒素、硫黄、あるいはハロゲン原子で置換されていてもよい有機基を表し、それぞれのR1は異なっていても同一であってもよい。)の構造を有する有機化合物、
(B)ヒドロシリル化触媒、
(C)1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する化合物、および、
(D)体積平均粒子径(Mv)が、10〜500nmのポリマー微粒子
からなる硬化性組成物である。
上記(C)1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する化合物は、
(α)1分子中にSiHと反応性を有する炭素−炭素二重結合を1個以上含有する有機化合物と、
(β)1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する鎖状、環状、分岐状およびかご型のポリオルガノシロキサンと、
をヒドロシリル化反応して得ることができる化合物であることが好ましい。
本発明によれば、硬化性組成物の有する高い耐熱性と透明性を維持しながら、高い耐冷熱衝撃性を有する硬化性組成物を提供することが可能となる。また、本発明の硬化性組成物が樹脂本来の成形性及び加工性を維持しており、所望どおりの形状に形成させられる。
本発明の高い耐熱性と透明性、ならびに、耐冷熱衝撃性を有する硬化性組成物は、(A)特定構造を有し、1分子中にSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を2個以上有する化合物、(B)ヒドロシリル化触媒、(C)1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する化合物、および、(D)体積平均粒子径(Mv)が、10〜500nmのポリマー微粒子
を含有することを特徴とする。これにより、耐熱性と透明性、耐冷熱衝撃性を有し、成形加工性と耐リフロー性を両立した材料を提供することが可能となる。
以下に(A)、(B)、(C)および(D)の各成分について説明する。
(成分(A))
成分(A)は、1分子中にSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を2個以上有し、下記一般式(I)
Figure 2011001401
(式中、R1は炭素数1〜50の一価の酸素、窒素、硫黄、あるいはハロゲン原子で置換されていてもよい有機基を表し、それぞれのR1は異なっていても同一であってもよい。)の構造を有する化合物である。化合物としてはポリシロキサン−有機ブロックコポリマーやポリシロキサン−有機グラフトコポリマーのようなシロキサン単位(Si−O−Si)を含んでいてもよい。ただし、シロキサン単位を含むものは、ガス透過性やはじきの問題が発生する場合があるため、C,H,N,O、Sおよびハロゲン原子からなるものが好ましい。
SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の結合位置は特に限定されず、分子内のどこに存在してもよい。
成分(A)のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合としては特に限定されないが、下記一般式(II)
Figure 2011001401
(式中R2は水素原子あるいはメチル基を表す。)で示される基が反応性の点から好適である。また、原料の入手の容易さからは、上記一般式中のR2が水素原子である基が特に好ましい。
成分(A)のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合としては、下記一般式(III)で表される部分構造を環内に有する脂環式の基が、硬化物の耐熱性が高いという点から好適である。
Figure 2011001401
(式中R3、R4は水素原子あるいはメチル基を表す。)また、原料の入手の容易さからは、上記一般式(III)においてR3が共に水素原子である部分構造を環内に有する脂環式の基が好適である。
SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合は成分(A)の骨格部分に直接結合していてもよく、2価以上の置換基を介して共有結合していても良い。2価以上の置換基としては炭素数0〜10の置換基であれば特に限定されないが、構成元素としてC、H、N、O、S、および、ハロゲンからなる群から選ばれる元素のみを含むものが好ましい。これらの置換基の例としては、
Figure 2011001401
Figure 2011001401
が挙げられる。また、これらの2価以上の置換基の2つ以上が共有結合によりつながって1つの2価以上の置換基を構成していてもよい。
以上のような骨格部分に共有結合する基の例としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、アクリル基、メタクリル基、2−ヒドロキシ−3−(アリルオキシ)プロピル基、2−アリルフェニル基、3−アリルフェニル基、4−アリルフェニル基、2−(アリルオキシ)フェニル基、3−(アリルオキシ)フェニル基、4−(アリルオキシ)フェニル基、2−(アリルオキシ)エチル基、2、2−ビス(アリルオキシメチル)ブチル基、3−アリルオキシ−2、2−ビス(アリルオキシメチル)プロピル基、ビニルエーテル基、
Figure 2011001401
が挙げられる。
成分(A)の具体的な例としては、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌル酸、ジアリルモノベンジルイソシアヌレート
Figure 2011001401
等が挙げられる。
成分(A)のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の数は、平均して1分子当たり2〜6個あればよいが、硬化物の力学強度をより向上したい場合には2を越えることが好ましく、3個以上であることがより好ましい。成分(A)のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の数が1分子中当たり1個以下の場合は、成分(C)と反応してもグラフト構造となるのみで架橋構造とならない。一方、成分(A)のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の数が1分子中当たり6個より多い場合は、硬化性組成物の貯蔵安定性が悪くなる。
成分(A)としては、力学的耐熱性が高いという観点および原料液の糸引き性が少なく成形性、取扱い性、塗布性が良好であるという観点からは、分子量が10000未満のものが好ましく、3000未満のものがより好ましく、1000未満のものがさらに好ましい。
成分(A)としては、良好な作業性を得るためには、23℃における粘度が100Pa・s未満のものが好ましく、80Pa・s未満のものがより好ましく、30Pa・s未満のものがさらに好ましい。ここでの粘度はE型粘度計によって測定した値を指す。
成分(A)としては、得られる硬化物の着色が少なく、耐光性が高いという観点からは、成分(A)としては、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート等のビニル基またはアリル基を2個以上有するイソシアヌル誘導体が好ましく、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートが特に好ましい。
一般式(I)のR1としては、得られる硬化物の耐熱性がより高くなりうるという観点からは、有機基は構成元素としてC、H、O、およびNからなる群から選ばれる元素のみからなる基であることが好ましく、炭素数が1〜20であることが好ましく、炭素数が1〜10であることがより好ましく、炭素数が1〜4であることがさらに好ましい。これらの好ましいR1の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、ビニル基、アリル基、グリシジル基等が挙げられる。また、一般式(I)で表される
化合物としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2011001401
成分(A)は、単独又は2種以上のものを用いることが可能であり、得られる硬化物の柔軟性を調整するために、適宜、炭素−炭素二重結合を1個のみ有する有機化合物を混合しても良い。
(成分(B))
次に、成分(B)であるヒドロシリル化触媒について説明する。
成分(B)のヒドロシリル化触媒としては、ヒドロシリル化反応の触媒活性があれば特に限定されないが、例えば、白金の単体;アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの;塩化白金酸;塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体;白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH2=CH2)2(PPh3)2、Pt(CH2=CH2)2Cl2);白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、Pt(ViMe2SiOSiMe2Vi)a、Pt[(MeViSiO)4]b);白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt(PPh3)4、Pt(PBu3)4);白金−ホスファイト錯体(例えば、Pt[P(OPh)3]4、Pt[P(OBu)3]4)(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、a、bは、整数を示す。);ジカルボニルジクロロ白金;カールシュテト(Karstedt)触媒;アシュビー(Ashby)の米国特許第3159601号及び第3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体;ラモロー(Lamoreaux)の米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラート触媒等が挙げられる。さらに、モディック(Modic)の米国特許第3516946号明細書中に記載された塩化白金−オレフィン複合体も本発明において有用である。
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh)3、RhCl3、RhAl2O3、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl4等が挙げられる。
これらの中では、触媒活性の点から、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体等が好ましい。また、これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
成分(B)の添加量は特に限定されないが、十分な硬化性を有し、かつ硬化性組成物のコストを比較的低く抑えるため好ましいの添加量の下限は、成分(C)のSiH基1モルに対して10−8モル、より好ましくは10−6モルであり、好ましい添加量の上限は成分(C)のSiH基1モルに対して10−1モル、より好ましくは10−2モルである。
また、上記触媒には助触媒を併用することが可能である。助触媒としては、例えば、単体の硫黄等の硫黄系化合物、トリエチルアミン等のアミン系化合物等が挙げられる。
助触媒の添加量は特に限定されないが、上記ヒドロシリル化触媒1モルに対して、下限10−2モル、上限102モルの範囲が好ましく、より好ましくは下限10−1モル、上限10モルの範囲である。
(成分(C))
次に、成分(C)について説明する。
成分(C)は、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する化合物であり、例えば国際公開WO96/15194に記載される化合物等が挙げられるが、成分(A)との相溶性や硬化時の揮発性を低減させる観点より、ポリオルガノシロキサン化合物と有機化合物とを一部反応させたもの(変性)が好ましい。変性のための反応は特に限定はされず、付加反応、縮合反応、脱水素反応等が使用できるが、副反応が進行しにくく安定的にSiH基含有化合物が得られやすいという観点より、下記有機化合物(α)とポリオルガノシロキサン化合物(β)とのヒドロシリル化生成物(以下、「変性ポリオルガノシロキサン化合物」と称することがある。)であることが好ましい。
(有機化合物(α))
以下に、有機化合物(α)について説明する。
有機化合物(α)には、1分子中にSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を1個以上有する有機化合物であればよく、上記成分(A)に挙げた化合物も同様に使用することができる。
本発明においては、成分(A)との相溶性の観点から、下記一般式(I)
Figure 2011001401
(式中R1は水素原子または炭素数1〜50の一価の有機基を表し、それぞれのR4は異なっていても同一であってもよく、少なくとも1個のR4はSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を含む)で表される有機化合物(α)を使用することが好ましく、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌル酸、モノアリルイソシアヌル酸などが挙げられる。
中でも、有機化合物(α)は耐熱性をより向上し得るという観点から、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートが好ましい。
上記した各種有機化合物(α)には単独もしくは2種以上のものを混合して用いることが可能である。
(ポリオルガノシロキサン化合物(β))
次に、ポリオルガノシロキサン化合物(β)について説明する。
ポリオルガノシロキサン化合物(β)については1分子中に少なくとも3個のSiH基を有するポリオルガノポリシロキサン化合物であれば特に限定されず、例えば国際公開WO96/15194に記載される化合物で、1分子中に少なくとも3個のSiH基を有するもの等が使用でき、耐酸化劣化性の観点から、1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する、鎖状、環状、分岐状またはかご型のポリオルガノシロキサン化合物が好適である。
これらのうち、硬化物に柔軟性が付与されるという観点より、
Figure 2011001401
(式中、それぞれのR5、R6は、水素あるいは炭素数1〜50の一価の有機基を表し、それぞれのR5、R6は異なっていても同一であってもよいが、少なくとも3個は水素である。nは1〜1000の数を表す。)
で表される、1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する鎖状オルガノポリシロキサンが好ましい。またR5、R6は入手性、耐熱性の観点より特にメチル基であるものが好ましく、硬化物の強度が高くなるという観点より、特にフェニル基であるものが好ましい。
これらのうち、硬化物の耐熱性が高いという観点より、
入手性および化合物(α)との反応性が良いという観点からは、下記一般式(IV)
Figure 2011001401
(式中、R7は水素あるいは炭素数1〜10の有機基を表し、それぞれのR7は異なっていても同一であってもよいが、少なくとも3個は水素である。nは2〜10の数を表す。)で表される、1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する環状オルガノポリシロキサンが好ましい。
一般式(IV)で表される化合物中の置換基R4は、C、H、およびOからなる群から選ばれる元素から構成されるものであることが好ましく、炭化水素基であることがより好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。
一般式(IV)で表される化合物としては、入手容易性及び反応性の観点からは、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンであることが好ましい。
上記した各種ポリオルガノシロキサン化合物(β)は単独もしくは2種以上のものを混合して用いることが可能である。
有機化合物(α)、ポリオルガノシロキサン化合物(β)をヒドロシリル化反応させる場合の触媒としては、成分(B)で挙げた触媒ならびに助触媒を同様に用いることができる。
触媒の添加量は特に限定されないが、硬化性組成物のコストを比較的低く抑えるため、好ましい添加量の下限は、ポリオルガノシロキサン化合物(β)のSiH基1モルに対して10−8モル、より好ましくは10−6モルであり、好ましい添加量の上限はポリオルガノシロキサン化合物(β)のSiH基1モルに対して10−1モル、より好ましくは10−2モルである。
(有機化合物(α)、ポリオルガノシロキサン化合物(β)の反応)
本発明における変性ポリオルガノシロキサン化合物は、有機化合物(α)、およびポリオルガノシロキサン化合物(化合物(β)を、ヒドロシリル化触媒の存在下で反応させることにより得られる化合物である。
有機化合物(α)、ポリオルガノシロキサン化合物(β)の反応の順序、方法としては種々挙げられるが、低分子量体を含有しにくいと言う観点から、過剰の有機化合物(α)とポリオルガノシロキサン化合物(β)もしくは過剰のポリオルガノシロキサン化合物(β)と有機化合物(α)とをヒドロシリル化反応させた後、一旦、未反応の有機化合物(α)もしくはポリオルガノシロキサン化合物(β)を除く方法がより好ましい。
反応温度としては種々設定できるが、この場合好ましい温度範囲の下限は30℃、より好ましくは50℃であり、好ましい温度範囲の上限は200℃、より好ましくは150℃である。反応温度が低いと十分に反応させるための反応時間が長くなり、反応温度が高いと実用的でない。反応は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。
反応時間、反応時の圧力も必要に応じ種々設定できる。
ヒドロシリル化反応の際に酸素を使用できる。反応容器の気相部に酸素を添加することで、ヒドロシリル化反応を促進できる。酸素の添加量を爆発限界下限以下とする点から、気相部の酸素体積濃度は3%以下に管理する必要がある。酸素添加によるヒドロシリル化反応の促進効果が見られるという点からは、気相部の酸素体積濃度は0.1%以上が好ましく、1%以上がより好ましい。
ヒドロシリル化反応の際に溶媒を使用してもよい。使用できる溶剤はヒドロシリル化反応を阻害しない限り特に限定されるものではなく、具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒を好適に用いることができる。溶媒は2種類以上の混合溶媒として用いることもできる。溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、クロロホルムが好ましい。使用する溶媒量も適宜設定できる。
有機化合物(α)、ポリオルガノシロキサン化合物(β)をヒドロシリル化反応させた後に、溶媒及び/又は未反応の化合物を除去することもできる。これらの揮発分を除去することにより、得られる反応物が揮発分を有さないため、該反応物を用いて硬化物を作成する場合に、揮発分の揮発によるボイド、クラックの問題が生じにくい。除去する方法としては、例えば、減圧脱揮が挙げられる。減圧脱揮する場合、低温で処理することが好ましい。この場合の好ましい温度の上限は100℃であり、より好ましくは80℃である。高温で処理すると増粘等の変質を伴いやすい。
有機化合物(α)、ポリオルガノシロキサン化合物(β)の混合比率はSiH基が1分子中に2個以上SiH基が残るような範囲であれば、特に限定されない。本発明の硬化物の強度を考えた場合、(β)成分のSiH基が多い方が好ましいため、有機化合物(α)中のSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合のモル数(A1)と、ポリオルガノシロキサン化合物(β)中のSiH基のモル数(B1)との比が、B1/A1≧2であることが好ましく、B1/A1≧2.5であることがより好ましい。
(成分(D))
次に、成分(D)について説明する。
本発明の硬化性組成物の硬化物をより透明なものとするためには、前記ポリマー粒子が、分子内に芳香環を少なくとも1つ有する(メタ)アクリル酸エステル20〜97質量%、分子内に環状エーテル構造を少なくとも1つ有する(メタ)アクリル酸エステル2〜10質量%、多官能性単量体1〜6質量%、その他の(メタ)アクリル酸エステル50〜77質量%、及びその他のビニル単量体0〜27質量%、合計100質量%のポリマー微粒子製造用単量体を重合してなることを特徴とする脂環式エポキシ樹脂組成物であることが好ましい。このような組成のポリマー微粒子とすることで、本発明で用いるポリマー微粒子は、その平均的な屈折率nが脂環式エポキシ樹脂の硬化物の屈折率nEに近くなり、例えば、n=nE±0.01の範囲とすることができる。前記ポリマー微粒子製造用単量体は、弾性コア層重合体製造用単量体(ゴム状重合体製造用単量体)、及びシェル層重合体製造用単量体を含む。
本発明のシェル層は、弾性コア層に対して、弾性コア層/シェル層比率(各々の重合体製造単量体質量比)で、40/60〜95/5の範囲であることが好ましく、50/50〜90/10であることがより好ましく、60/40〜88/12であることが更に好ましい。弾性コア層/シェル層比率が40/60をはずれて弾性コア層の比率が低下すると、脂環式エポキシ樹脂組成物の硬化物に対する靱性改良効果が低下する傾向がある。また、95/5をはずれシェル層の比率が低下すると、ポリマー微粒子の取扱い時に凝集をきたし易く、操作性に問題が生じる場合がある。また、脂環式エポキシ樹脂組成物の硬化物に期待する物性が得られない可能性がある。
なお、本明細書において(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル酸エステル、及び/又は、メタクリル酸エステル、を意味する。
(分子内に芳香環を少なくとも1つ有する(メタ)アクリル酸エステル)
本発明に係るポリマー粒子は、分子内に芳香環を少なくとも1つ有する(メタ)アクリル酸エステル20〜97質量%を含むポリマー微粒子製造用単量体を重合してなることを好ましく、より好ましくは20〜90質量%、さらに好ましくは20〜80)質量%である。
前記分子内に芳香環を少なくとも1つ有する(メタ)アクリル酸エステル、即ち芳香環含有(メタ)アクリレート類としては、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらの中でも、その重合物のガラス転移温度(以下、単に「Tg」と称する場合がある)が低いことからフェノキシエチルアクリレート(Tg=−22℃)、及びベンジルアクリレート(Tg=6℃)が好ましく、特に好ましくはフェノキシエチルアクリレートであり、ベンゼン環を有することにより高屈折率なので、それを含む単量体の重合物はマトリックス樹脂である本発明に係る脂環式エポキシ樹脂の屈折率に合わせ易い。即ち、フェノキシエチルアクリレート、及びベンジルアクリレートは、例えば、スチレンのような高Tg、かつ、高屈折率の性質とは異なり、低いTg、かつ高屈折率との特徴を有する単量体である。
(分子内に環状エーテル構造を少なくとも1つ有する(メタ)アクリル酸エステル)
本発明に係るポリマー粒子は、分子内に環状エーテル構造を少なくとも1つ有する(メタ)アクリル酸エステル2〜10質量%を含むポリマー微粒子製造用単量体を重合してなることが好ましく、より好ましくは3〜9質量%、さらに好ましくは4〜8質量%である。
前記分子内に環状エーテル構造を少なくとも1つ有する(メタ)アクリル酸エステル、即ち環状エーテル構造含有(メタ)アクリレート類としては、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルアルキル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3−エチル−3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらの中でも、グリシジルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート及び3−エチル−3−オキセタニルメチルメタクリレートが好ましく、硬化物中での分散安定性の観点から、特に好ましくはグリシジルメタクリレート、及び3−エチル−3−オキセタニルメチルメタクリレートである。
(多官能性単量体)
本発明に係るポリマー粒子は、多官能性単量体1〜6質量%を含むポリマー微粒子製造用単量体を重合してなることが好ましく、より好ましくは1〜5質量%、さらに好ましくは2〜5質量%である。
前記多官能性単量体としては、ブタジエンは含まれず、アリル(メタ)アクリレート、アリルアルキル(メタ)アクリレート等のアリルアルキル(メタ)アクリレート類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の多官能性(メタ)アクリレート類;ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジビニルベンゼン等が挙げられる。特に好ましくはアリルメタアクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ジビニルベンゼンである。
(その他の(メタ)アクリル酸エステル)
本発明に係るポリマー粒子は、その他の(メタ)アクリル酸エステル0〜77質量%を含むポリマー微粒子製造用単量体を重合してなることが好ましく、好ましくは10〜70質量%、より好ましくは20〜70質量%である。
前記その他の(メタ)アクリル酸エステル系単量体とは、上述した分子内に芳香環を少なくとも1つ有する(メタ)アクリル酸エステル、分子内に環状エーテル構造を少なくとも1つ有する(メタ)アクリル酸エステル、及び多官能性単量体のいずれでもでない(メタ)アクリル酸エステル系単量体であって、例えば、アルキル(メタ)アクリレート類、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート類等が挙げられ、これらのその他の(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記アルキル(メタ)アクリレート類としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらのその他の(メタ)アクリル酸エステル単量体類の中でも、低Tgの観点からブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、及び4−ヒドロキシブチルアクリレートが好ましい。
(その他のビニル単量体)
本発明に係るポリマー粒子は、その他のビニル単量体0〜27質量%を含むポリマー微粒子製造用単量体を重合してなることが好ましく、好ましくは0〜20質量%、より好ましくは0〜10質量%である。
前記その他のビニル単量体とは、上述した分子内に芳香環を少なくとも1つ有する(メタ)アクリル酸エステル、分子内に環状エーテル構造を少なくとも1つ有する(メタ)アクリル酸エステル、多官能性単量体、及びその他の(メタ)アクリル酸エステルのいずれでもでないビニル単量体であって、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン等のビニルアレーン類;アクリル酸、メタクリル酸等のビニルカルボン酸類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシアン類;塩化ビニル、臭化ビニル、クロロプレン等のハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のアルケン類等が挙げられる。これらのその他のビニル単量体は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(ポリマー微粒子の製造方法)
本発明に係るポリマー微粒子は、その内側に存在する弾性コア層、及びその外側に存在するシェル層の少なくとも2層からなる、所謂コアシェル構造を有し、周知の方法、例えば、乳化重合、懸濁重合、マイクロサスペンジョン重合等で製造することができる。中でも、ポリマー微粒子の構造制御の観点から、乳化重合、特に多段乳化重合が好ましい。
このようなポリマー微粒子の粒子径は、その水性ラテックスを安定的に得ることができる範囲で設定できるが、本発明の脂環式エポキシ樹脂組成物の硬化物の透明性、及び靱性の観点から、また、工業生産性の観点から、体積平均粒子径(Mv)が、0.01μm以上、かつ、0.5μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.03μm以上、かつ、0.3μm以下である。なお、このようなポリマー微粒子の体積平均粒子径(Mv)は、マイクロトラックUPA150(日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
前記乳化重合において用いることができる乳化剤(分散剤)としては、ジオクチルスルホコハク酸やドデシルベンゼンスルホン酸等に代表されるアルキルまたはアリールスルホン酸、アルキルまたはアリールエーテルスルホン酸、ドデシル硫酸に代表されるアルキルまたはアリール硫酸、アルキルまたはアリールエーテル硫酸、アルキルまたはアリール置換燐酸、アルキルまたはアリールエーテル置換燐酸、ドデシルザルコシン酸に代表されるN−アルキルまたはアリールザルコシン酸、オレイン酸やステアリン酸等に代表されるアルキル、又はアリールカルボン酸、アルキルまたはアリールエーテルカルボン酸等の各種の酸類、これら酸類のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩などのアニオン性乳化剤(分散剤);アルキルまたはアリール置換ポリエチレングリコール等の非イオン性乳化剤(分散剤);ポリビニルアルコール、アルキル置換セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸誘導体等の分散剤が挙げられる。これらの乳化剤(分散剤)は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリマー微粒子の水性ラテックスの分散安定性に支障を来さない限り、乳化剤(分散剤)の使用量は少なくすることが好ましい。また、乳化剤(分散剤)は、その水溶性が高いほど好ましい。水溶性が高いと、乳化剤(分散剤)の水洗除去が容易になり、最終的に得られる重縮合体への悪影響を容易に防止できる。
(硬化性組成物の調整方法および硬化方法)
硬化性組成物の調製方法は特に限定されず、種々の方法で調製可能である。各種成分を硬化直前に混合調製しても良く、全成分を予め混合調製した一液の状態で低温貯蔵しておいても良い。
熱硬化温度としては種々設定できるが、好ましい温度の下限は30℃、より好ましくは60℃、さらに好ましくは90℃である。好ましい温度の上限は250℃、より好ましくは200℃、さらに好ましくは150℃である。反応温度が低いと十分に反応させるための反応時間が長くなる。反応温度が高いと着色や隆起することがある。
硬化は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。一定の温度で行うより多段階的あるいは連続的に温度を上昇させながら反応させた方が、着色が少なく、歪の少ない硬化物が得られやすいという点において好ましい。
反応時の圧力も必要に応じ種々設定でき、常圧、高圧、あるいは減圧状態で反応させることもできる。
硬化させて得られる硬化物の形状も用途に応じて種々とりうるので特に限定されないが、例えばレンズ状、フィルム状、シート状、チューブ状、ロッド状、塗膜状、バルク状などの形状とすることができる。
成形する方法も従来の熱硬化性樹脂の成形方法をはじめとして種々の方法をとることができる。例えば、キャスト法、プレス法、注型法、トランスファー成形法、コーティング法、RIM法、LIM法などの成形方法を適用することができる。成形型は研磨ガラス、硬質ステンレス研磨板、ポリカーボネート板、ポリエチレンテレフタレート板、ポリメチルメタクリレート板等を適用することができる。また、成形型との離型性を向上させるためポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素又はめっきにより表面処理された金型等を適用することができる。
成形時に必要に応じ各種処理を施すこともできる。例えば、成形時に発生するボイドの抑制のために組成物あるいは一部反応させた組成物を遠心、減圧などにより脱泡する処理、プレス時に一旦圧力を開放する処理などを適用することもできる。
成分(A)と成分(C)の比率は[(A)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合のモル数/(C)成分のSiH基のモル数]の値が、下限0.05、上限10の範囲となる比率であることが好ましく、下限0.1、上限5の範囲となる比率であることがより好ましい。下限値が0.05より小さい場合はアルケニル基とSiH基との反応による架橋の効果が不十分になる傾向にあり、上限値が10より大きい場合は硬化物から未反応の(A)成分がブリードしてくる場合がある。
本発明の硬化組成物では、目的によって種々の添加剤を使用できる。
(添加剤)
(硬化遅延剤)
本発明の硬化性組成物の保存安定性を改良する目的、又は、製造過程でのヒドロシリル化反応の反応性を調整する目的で、硬化遅延剤を使用することができる。硬化遅延剤としては、例えば、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機硫黄化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上併用してよい。
脂肪族不飽和結合を含有する化合物としては、プロパルギルアルコール類、エン−イン化合物類、マレイン酸エステル類等が例示される。有機リン化合物としては、トリオルガノフォスフィン類、ジオルガノフォスフィン類、オルガノフォスフォン類、トリオルガノフォスファイト類等が例示される。有機硫黄化合物としては、オルガノメルカプタン類、ジオルガノスルフィド類、硫化水素、ベンゾチアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾールジサルファイド等が例示される。窒素含有化合物としては、アンモニア、1〜3級アルキルアミン類、アリールアミン類、尿素、ヒドラジン等が例示される。スズ系化合物としては、ハロゲン化第一スズ2水和物、カルボン酸第一スズ等が例示される。有機過酸化物としては、ジ−tert−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、過安息香酸tert−ブチル等が例示される。
これらの硬化遅延剤のうち、遅延活性が良好で原料入手性がよいという観点からは、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルマレート、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチン、1−エチニル−1−シクロヘキサノールが好ましい。
硬化遅延剤の添加量は、使用するヒドロシリル化触媒1モルに対して、下限10−1モル、上限103モルの範囲が好ましく、より好ましくは下限1モル、上限50モルの範囲である。添加量が少ないと、所望の保存安定性や減圧脱揮時のゲル化抑制効果が得られない。添加量が多いと、硬化反応時の硬化阻害剤になり得る。
また、これらのゲル化抑制剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(酸化防止剤)
本発明の硬化性組成物の耐リフロー特性を向上する目的で、酸化防止剤を使用するのが好ましい。酸化防止剤としては、一般的な熱可塑性樹脂に配合して用いられている酸化防止剤であれば特に限定されず、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、ホスファイト系化合物、チオエーテル系化合物等を挙げることができる。
ヒンダードフェノール系化合物の例としては、n−オクタデシル3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル3−(3'−メチル−5'−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、1,4−ブタンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、2,2'−メチレン−ビス(4−メチル−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、テトラキス[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、N,N'−ビス−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオニルヘキサメチレンジアミン、N,N'−テトラメチレン−ビス[3−(3'−メチル−5'−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ジアミン、N,N'−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオニル]ヒドラジン、N−サリチロイル−N'−サリチリデンヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、N,N'−ビス[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]オキシアミド等を挙げることができる。
好ましくは、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、およびテトラキス[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等が例示される。
ホスファイト系化合物として、少なくとも1つのP−O結合が芳香族基に結合しているものが好ましく、具体的には、トリス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)4,4'−ビフェニレンホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、4,4'−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジトリデシルホスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン、トリス(ミックスドモノおよびジ−ノニルフェニル)ホスファイト、4,4'−イソプロピリデンビス(フェニル−ジアルキルホスファイト)等が挙げられる。
中でも、トリス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、テトラフェニル−4,4'−ビフェニレンホスファイト等が好ましく使用できる。
チオエーテル系化合物の具体的な例としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ドデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−オクタデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ミリスチルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ステアリルチオプロピオネート)等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上混合して使用しても良い。
(ラジカル禁止剤)
本発明の硬化性組成物にはラジカル禁止剤を添加してもよい。ラジカル禁止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−3−メチルフェノール(BHT)、2,2'−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス(メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン等のフェノール系ラジカル禁止剤や、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N'−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N'−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等のアミン系ラジカル禁止剤等が挙げられる。
また、これらのラジカル禁止剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(紫外線吸収剤)
本発明の硬化性組成物には紫外線吸収剤を添加してもよい。紫外線吸収剤としては、例えば2(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート等が挙げられる。
また、これらの紫外線吸収剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(溶剤)
本発明の硬化組成物が高粘度である場合、溶剤に溶解して用いることも可能である。使用できる溶剤は特に限定されるものではなく、具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート(PGMEA)、エチレングリコールジエチルエーテル等のグリコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒を好適に用いることができる。
溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、クロロホルムが好ましい。
使用する溶媒量は適宜設定できるが、用いる硬化性組成物1gに対しての好ましい使用量の下限は0.1mLであり、好ましい使用量の上限は10mLである。使用量が少ないと、低粘度化等の溶媒を用いることの効果が得られにくく、また、使用量が多いと、材料に溶剤が残留して熱クラック等の問題となり易く、またコスト的にも不利になり工業的利用価値が低下する。
これらの、溶媒は単独で使用してもよく、2種類以上の混合溶媒として用いることもできる。
(その他添加剤)
本発明の硬化性組成物には、その他、接着性付与剤、着色剤、離型剤、難燃剤、難燃助剤、界面活性剤、消泡剤、乳化剤、レベリング剤、はじき防止剤、アンチモン−ビスマス等のイオントラップ剤、チクソ性付与剤、粘着性付与剤、保存安定改良剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、反応性希釈剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、金属不活性化剤、熱伝導性付与剤、物性調整剤等を本発明の目的および効果を損なわない範囲において添加することができる。
(用途)
本発明の硬化性組成物を硬化させてなる硬化物は所望の形に成形して、各種光学材料に用いることが可能である。
ここでいう光学材料とは、可視光、赤外線、紫外線、X線、レーザーなどの光をその材料中を通過させる用途に用いる材料であり、具体的には下記のとおりである。
例えば、カラーフィルター保護膜、TFT平坦化膜、基板材料のような液晶表示装置に用いられる材料や、封止剤、ダイボンド剤等の発光ダイオード(LED)に用いられる材料が挙げられる。さらに、液晶ディスプレイ分野における基板材料、導光板、プリズムシート、偏向板、位相差板、視野角補正フィルム、偏光子保護フィルム、カラーフィルター等やそれらに用いられる各種コーティング剤、接着剤等も挙げられる。
また、LED表示装置に使用されるLED素子のモールド剤、LEDの封止剤、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料やそれらに用いられる各種コーティング剤、接着剤等も挙げられる。
また、カラーPDP(プラズマディスプレイ)の反射防止フィルム、光学補正フィルム、ハウジング材、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料等やそれらに用いられる各種コーティング剤、接着剤等も挙げられる。また、プラズマアドレス液晶(PALC)ディスプレイにおける基板材料、導光板、プリズムシート、偏向板、位相差板、視野角補正フィルム、偏光子保護フィルムやそれらに用いられる各種コーティング剤、接着剤等も挙げられる。また、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイにおける前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料やそれらに用いられる各種コーティング剤接着剤等も挙げられる。また、フィールドエミッションディスプレイ(FED)における各種フィルム基板、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料やそれらに用いられる各種コーティング剤、接着剤等も挙げられる。
その他、光記録分野では、CD/CD−ROM、CD−R/RW、DVD−R/DVD−RAM、MO/MD、PD(相変化ディスク)、Blu−Ray、光カード用のディスク基板材料、ピックアップレンズ、受光センサー部、保護フィルムやそれらに用いられる各種コーティング剤、接着剤等も挙げられる。
光学機器分野では、スチールカメラのレンズ用材料、ファインダプリズム、ターゲットプリズム、ファインダーカバー、受光センサー部やそれらに用いられる各種コーティング剤、接着剤等も挙げられる。また、ビデオカメラの撮影レンズ、ファインダーやそれらに用いられる各種コーティング剤、接着剤等も挙げられる。また、プロジェクションテレビの投射レンズ、保護フィルムやそれらに用いられる各種コーティング剤、接着剤等も挙げられる。光センシング機器のレンズ用材料、各種フィルムやそれらに用いられる各種コーティング剤、接着剤等も挙げられる。
光部品分野では、光通信システムでの光スイッチ周辺のファイバー材料、レンズ、導波路、素子やそれらに用いられる各種コーティング剤、接着剤等も挙げられる。光コネクタ周辺の光ファイバー材料、フェルールやそれらに用いられる各種コーティング剤、接着剤等も挙げられる。光受動部品、光回路部品ではレンズ、導波路やそれらに用いられる各種コーティング剤、接着剤等も挙げられる。光電子集積回路(OEIC)周辺の基板材料、ファイバー材料やそれらに用いられる各種コーティング剤、接着剤等も挙げられる。
その他光ファイバー分野では、装飾ディスプレイ用照明・ライトガイド等、工業用途のセンサー類、表示・標識類等、また通信インフラ用及び家庭内のデジタル機器接続用の光ファイバーやそれらに用いられる各種コーティング剤、接着剤等も挙げられる。
自動車・輸送機分野では、自動車用ヘッドランプ・テールランプ・室内ランプ等のランプ材料、ランプリフレクタ、ランプレンズ、外装板・インテリアパネル等の各種内外装品、ガラス代替品やそれらに用いられる各種コーティング剤、接着剤等も挙げられる。また、鉄道車輌用の外装部品、ガラス代替品やそれらに用いられる各種コーティング剤、接着剤等も挙げられる。また、航空機の外装部品、ガラス代替品やそれらに用いられる各種コーティング剤、接着剤等も挙げられる。
建築分野では、ガラス中間膜、ガラス代替品等も挙げられる。
農業用では、ハウス被覆用フィルムも挙げられる。
次世代の光・電子機能有機材料としては、有機EL素子周辺材料、有機フォトリフラクティブ素子、光−光変換デバイスである光増幅素子、光演算素子、有機太陽電池周辺の基板材料、ファイバー材料、素子の封止剤やそれらに用いられる各種コーティング剤、接着剤等も挙げられる。
以下に、本発明の実施例および比較例を示すが、本発明は以下によって限定されるものではない。
なお、合成例1におけるアリル基の反応率は、バリアン・テクノロジーズ・ジャパン・リミテッド製300MHz−NMR装置を用い、反応液を重クロロホルムで1%程度まで希釈したものをNMR用チューブに加えて測定し、未反応アリル基由来のメチレン基のピークと、反応アリル基由来のメチレン基のピーク比から算出した。
(合成例1)
5Lの四つ口フラスコに、攪拌装置、滴下漏斗、冷却管をセットした。このフラスコにトルエン1800g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン1440gを入れ、120℃のオイルバス中で加熱、攪拌した。トリアリルイソシアヌレート200g、トルエン200g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)1.44mlの混合液を50分かけて滴下した。滴下終了から6時間後に1H−NMRでアリル基の反応率が95%以上であることを確認し、冷却により反応を終了した。トルエン及び未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンを減圧留去し、無色透明の液体「反応物E」を得た。
(合成例2)
温度計、撹拌機、還流冷却器、窒素流入口、モノマーと乳化剤の添加装置を有するガラス反応器に、脱イオン水180質量部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)0.002質量部、硫酸第一鉄・7水和塩0.001質量部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(SFS)0.04質量部、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDS)2質量部を仕込み、窒素気流中で撹拌しながら50℃に昇温した。
次に、そこに、2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)24質量部、ブチルアクリレート(BA)25質量部、フェニキシエチルアクリレート(PEA)28質量部、アリルメタクリレート(ALMA)3質量部、及びクメンハイドロパーオキサイド(CHP)0.02質量部の混合物を、5時間かけて連続的に滴下した。また、前記混合物の添加と共に、1質量部のドデシルベンゼンスルホン酸(SDS)を5重量%濃度の水溶液にしたものを、同じく5時間にわたり連続的に追加した。前記混合物添加終了から1時間撹拌を続けて重合を完結し、アクリルゴムを主成分とするポリマー微粒子の弾性コア層を含む水性ラテックス(R−2)を得た。得られた水性ラテックスに含まれるポリマー微粒子の弾性コア層の体積平均粒子径は0.04μmであった。
引き続き、そこに、メチルメタクリレート(MMA)11質量部、スチレン(St)2質量部、グリシジルメタクリレート(GMA)6質量部、ALMA1質量部、及びCHP0.01質量部の混合物を90分間かけて連続的に添加した。添加終了後、CHP0.01質量部を添加し、さらに1時間撹拌を続けて重合を完結させ、ポリマー微粒子を含む水性ラテックス(L−2)を得た。モノマー成分の重合転化率は99.3%であった。得られた水性ラテックスに含まれるポリマー微粒子「反応物F」の体積平均粒子径は0.04μmであった。
(実施例1〜2)
合成例1および合成例2で得た反応物EおよびFに対し、表1に示される配合組成で硬化性組成物を調製した。さらに、2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとして挟み込んで作製したセルに、硬化性組成物を流し込み、60℃で6時間、続いて70℃で1時間、80℃で1時間、100℃1時間、120℃で1時間、150℃で1時間、180℃で30分間空気中にて加熱を行い、透明硬質な硬化物を得た。
(比較例1)
表1に示される配合組成で反応物Fを添加しない硬化性組成物を調製した。さらに、硬化性組成物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとして挟み込んで作製したセルに、硬化性組成物を流し込み、60℃で6時間、続いて70℃で1時間、80℃で1時間、100℃1時間、120℃で1時間、150℃で1時間、180℃30分間空気中にて加熱を行い、透明硬質な硬化物を得た。
(比較例2)
1次粒子径200μmの屈折率1.50のシリカ・チタニア混合無機フィラーを添加し、表1に示される配合組成で硬化性組成物を調製した。さらに、硬化性組成物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとして挟み込んで作製したセルに、硬化性組成物を塗り、60℃で6時間、続いて70℃で1時間、80℃で1時間、100℃1時間、120℃で1時間、150℃で1時間、180℃30分間空気中にて加熱を行い、透明硬質な硬化物を得た。
(測定、試験)
(光線透過率)
ダイヤモンドカッターで10×30mmにカットした硬化物を、(株)日立製作所製U−3300を用いて、スキャンスピード300nm/minにて470nmでの光線透過率(%T)を評価した。150℃における透過率を目視で確認し、透明性を維持しているものを○、濁っているものを×とした。
(耐熱性試験後透過率)
硬化物を200℃に熱したガラスに24時間挟みこんで耐熱性試験を行った。耐熱性試験後の硬化物の光線透過率を測定した。
(冷熱衝撃試験)
φ3mm(直径3mm)深さ1mmのアルミナ製パッケージに、接着剤を用いて250μm角のSiダミーチップ2個を載せたものに評価用硬化物を、熱衝撃試験機(エスペック製 TSA−71H−W)によって、高温さらし100℃、5分間、低温さらし−40℃、5分間のサイクルを50サイクル行った後、試料を観察した。試験後、目視で変化が無ければ○、クラックが入ったり、パッケージとの間に剥離が起きたりした場合は×とした。
Figure 2011001401

Claims (5)

  1. (A)1分子中にSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を2個以上有し、下記一般式(I)
    Figure 2011001401
    (式中、R1は炭素数1〜50の一価の酸素、窒素、硫黄、あるいはハロゲン原子で置換されていてもよい有機基を表し、それぞれのR1は異なっていても同一であってもよい。)の構造を有する有機化合物、
    (B)ヒドロシリル化触媒、
    (C)1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する化合物、および、
    (D)体積平均粒子径(Mv)が、10〜500nmのポリマー微粒子、
    を含有する硬化性組成物。
  2. 上記、ポリマー微粒子が、その内側に存在する弾性コア層、及びその外側に存在するシェル層の少なくとも2層を含み、かつ、該弾性コア層が、ガラス転移温度が10℃未満のゴム状重合体からなる請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. (D)成分が、(A)成分と(C)成分の含有量に対して、0.1〜20重量部含まれている請求項1または2記載の硬化性組成物。
  4. 前記ポリマー微粒子が、分子内に芳香環を少なくとも1つ有する(メタ)アクリル酸エステル20〜97質量%、分子内に環状エーテル構造を少なくとも1つ有する(メタ)アクリル酸エステル2〜10質量%、多官能性単量体1〜6質量%、その他の(メタ)アクリル酸エステル0〜77質量%、及びその他のビニル単量体0〜27質量%、合計100質量%を重合してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物。
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