JP2011127025A - 近赤外線吸収能を有する硬化性組成物、および、硬化物 - Google Patents

近赤外線吸収能を有する硬化性組成物、および、硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】 成形加工性に優れ、近赤外線吸収性を有するかつ硬化性組成物及びその硬化物を提供することである。さらにまた耐リフロー性を有することにより近赤外線吸収光学部品用として有用な硬化物となる。
【解決手段】 SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を含有する有機化合物、ヒドロシリル化触媒、SiH基含有ケイ素化合物、およびクォタリレン系化合物とフタロシアニン系化合物あるいはナフタロシアニン系化合物から選ばれる化合物を少なくとも2種類を含有する近赤外線吸収能を有する硬化性組成物及びその硬化物が近赤外線吸収光学部品用の組成物及び硬化物となる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、近赤外線吸収能を有しかつ耐リフロー性を兼ね備えた硬化性組成物およびその硬化物に関する。
近年、カメラやビデオカメラ等の撮像系光学機器において、光信号を電気信号に変換するために、シリコンダイオード素子、相補型金属酸化物半導体(C−MOS)や電荷結合素子(CCD)等が使用されており、これらの光電変換素子は300〜1000nmという広範囲の光感応領域を有するため、人間の目の視感度400〜700nmと比較すると、近赤外領域で強く感応することになり、人間の視感度領域の波長光に感応することが必要で、可視光線を透過し、かつ近赤外領域の光を効率よく吸収カットすることが求められている。
従来、カメラの測光用フィルターやビデオカメラ等の撮像系視感度を補正するために、赤外線吸収剤の含有されたガラス製光学フィルターが使用されているが、この種のガラス製光学フィルターは重く、製造に当たっては成型や研磨等の加工が難しいという欠点を有している。
上記課題より、成形が容易かつ軽量な材質への置き換えが進み、例えば特許文献1に記載されている脂環式ポリオレフィン樹脂に近赤外線吸収剤を配合した樹脂組成物や特許文献2に記載されているアクリル系樹脂に近赤外線吸収剤を配合した樹脂組成物を成形した光学部品が利用されるようになっている。
しかし、近年、モジュール組立て時における製造コストを低減するために半田リフロー工程が導入されるケースが増えており、リフロー工程では300℃近い温度に耐えうる材料が必要とされ、従来の透明樹脂製の近赤外線吸収光学部品では耐熱性が不十分であり、また長期使用での信頼性が低く、適用される部材が一部に限定されていた。
特許文献3のように、固体撮像素子を製造する工程における温度180℃程度で赤外線吸収能を失うことがなく、650〜750nmの領域の光を充分に吸収する固体撮像素子用近赤外線吸収組成物の例はあるものの、例えばリフロー温度の上限値に近い260℃で近赤外吸収特性および光学的透明性を維持しうる硬化性組成物および硬化物はこれまでに例が無かった。
特開2006−233096 特開2000−7871 特開2006−343631
本発明の目的は、赤外線吸収能を有し、耐リフロー工程において赤外線吸収能および光学特性劣化の少ない硬化性組成物及びその硬化物を提供することである。
上記事情に鑑み、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、本発明は、以下の構成を有するものである。
1). (A)1分子中にSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を2個以上有する有機化合物、
(B)ヒドロシリル化触媒、
(C)1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する化合物、および、
(D)クォタリレン系化合物と、フタロシアニン系化合物あるいはナフタロシアニン系化合物から選ばれる化合物を少なくとも2種類、
を含有する近赤外線吸収能を有する硬化性組成物。
2). (A)成分が、下記一般式(I)
Figure 2011127025
(式中R1は水素原子または炭素数1〜50の一価の有機基を表し、それぞれのR1は異なっていても同一であってもよく、少なくとも2個のR1はSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を含む)
で表される有機化合物である、1)記載の近赤外線吸収能を有する硬化性組成物。
3). (A)成分が、下記一般式(II)
Figure 2011127025
(式中、R2は炭素数1〜50の一価の酸素、窒素、硫黄、あるいはハロゲン原子で置換されていてもよい有機基を表し、それぞれのR2は異なっていても同一であってもよい。)で表される構造を有する有機化合物である、1)に記載の近赤外線吸収能を有する硬化性組成物。
4). (C)成分が、
(α)1分子中にSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1個以上含有する有機化合物と、
(β)1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する鎖状、環状、分岐状およびかご型のいずれかの構造を有するポリオルガノシロキサンと、
をヒドロシリル化反応して得ることができる化合物である、1)〜4)いずれか一に記載の近赤外線吸収能を有する硬化性組成物。
5). (α)成分が、下記一般式(IX)
Figure 2011127025
(式中R20は水素原子または炭素数1〜50の一価の有機基を表し、それぞれのR20は異なっていても同一であってもよく、少なくとも1個のR20はSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を含む)で表される有機化合物である、4)に記載の近赤外線吸収能を有する硬化性組成物。
6). (α)成分が、下記一般式(X)
Figure 2011127025
式中、R21は炭素数1〜50の一価の酸素、窒素、硫黄、あるいはハロゲン原子で置換されていてもよい有機基を表し、それぞれのR21は異なっていても同一であってもよい。)
で表される構造を有する有機化合物である、4)に記載の近赤外線吸収能を有する硬化性組成物。
7). (β)1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する、鎖状、環状、分岐状およびかご型のポリオルガノシロキサンの少なくとも1種として、下記一般式(III)
Figure 2011127025
(式中R3、R4は炭素数1〜10の有機基を表し、nは3〜10、mは0〜10の数を表す)で表されるSiH基を有するポリオルガノシロキサン化合物が含有される化合物である、4)〜6)のいずれか一に記載の近赤外線吸収能を有する硬化性組成物。
8). 1)〜7)のいずれか一に記載の近赤外線吸収能を有する硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物。
本発明によれば、耐リフロー性を有する近赤外線吸収材料を提供することが可能となる。また、本発明の近赤外線吸収材料に適用される硬化性組成物が樹脂本来の成形性及び加工性を維持しており、所望どおりの形状に形成させられる。
本発明の近赤外線吸収能を有する硬化性組成物は、(A)1分子中にSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を2個以上有する有機化合物、(B)ヒドロシリル化触媒、(C)1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する化合物、および、(D)クォタリレン系化合物と、フタロシアニン系化合物またはナフタロシアニン系化合物から選ばれる化合物を少なくとも2種類含有することを特徴とする。これにより、近赤外線吸収性を有し、成形加工性と耐リフロー性を両立した材料を提供することが可能となる。
以下に(A)、(B)、(C)および(D)の各成分について説明する。
(成分(A))
成分(A)はSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に2個以上含有する有機化合物である。有機化合物としてはポリシロキサン−有機ブロックコポリマーやポリシロキサン−有機グラフトコポリマーのようなシロキサン単位(Si−O−Si)を含むものではなく、構成元素としてC、H、N、O、S、および、ハロゲンからなる群から選ばれる元素を含むものであることが好ましい。シロキサン単位を含むものは、ガス透過性やはじきの問題が発生する場合がある。
SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の結合位置は特に限定されず、分子内のどこに存在してもよい。成分(A)の有機化合物は、有機重合体系化合物と有機単量体系化合物に分類できる。
有機重合体系化合物としては例えば、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリアリレート系、ポリカーボネート系、飽和炭化水素系、不飽和炭化水素系、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系、ポリアミド系、フェノール−ホルムアルデヒド系(フェノール樹脂系)、ポリイミド系の化合物を用いることができる。特に、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系が耐熱性および透明性の点から好適である。
有機単量体系化合物としては例えば、フェノール系、ビスフェノール系、ベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素系:直鎖型脂肪族炭化水素系:シクロヘキサン、ノルボルネン、アダマンタン等の脂環式炭化水素系:イソシアヌル化合物、テトラヒドロピラン、トリアジン等の複素環系の化合物およびこれらの混合物等が挙げられる。
成分(A)のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合としては特に限定されないが、下記一般式(IV)
Figure 2011127025
(式中R5は水素原子あるいはメチル基を表す。)で示される基が反応性の点から好適である。また、原料の入手の容易さからは、上記一般式中のR5が水素原子である基が特に好ましい。
成分(A)のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合としては、下記一般式(V)で表される部分構造を環内に有する脂環式の基が、硬化物の耐熱性が高いという点から好適である。
Figure 2011127025
(式中R6は水素原子あるいはメチル基を表す。)また、原料の入手の容易さからは、上記一般式(V)においてR6が共に水素原子である部分構造を環内に有する脂環式の基が好適である。
SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合は成分(A)の骨格部分に直接結合していてもよく、2価以上の置換基を介して共有結合していても良い。2価以上の置換基としては炭素数0〜10の置換基であれば特に限定されないが、構成元素としてC、H、N、O、S、および、ハロゲンからなる群から選ばれる元素のみを含むものが好ましい。これらの置換基の例としては、
Figure 2011127025
Figure 2011127025
が挙げられる。また、これらの2価以上の置換基の2つ以上が共有結合によりつながって1つの2価以上の置換基を構成していてもよい。
以上のような骨格部分に共有結合する基の例としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、アクリル基、メタクリル基、2−ヒドロキシ−3−(アリルオキシ)プロピル基、2−アリルフェニル基、3−アリルフェニル基、4−アリルフェニル基、2−(アリルオキシ)フェニル基、3−(アリルオキシ)フェニル基、4−(アリルオキシ)フェニル基、2−(アリルオキシ)エチル基、2、2−ビス(アリルオキシメチル)ブチル基、3−アリルオキシ−2、2−ビス(アリルオキシメチル)プロピル基、ビニルエーテル基、下記に示す基があげられる。
Figure 2011127025
成分(A)の具体的な例としては、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、1,1,2,2−テトラアリロキシエタン、ジアリリデンペンタエリスリット、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌル酸、ジアリルモノベンジルイソシアヌレート、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、ノナンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロへキサンジメタノールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ビスフェノールSのジアリルエーテル、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、1,3−ビス(アリルオキシ)アダマンタン、1,3−ビス(ビニルオキシ)アダマンタン、1,3,5−トリス(アリルオキシ)アダマンタン、1,3,5−トリス(ビニルオキシ)アダマンタン、ジシクロペンタジエン、ビニルシクロへキセン、1,5−ヘキサジエン、1,9−デカジエン、ジアリルエーテル、ビスフェノールAジアリルエーテル、テトラアリルビスフェノールA、2,5−ジアリルフェノールアリルエーテル、およびそれらのオリゴマー、1,2−ポリブタジエン(1、2比率10〜100%のもの、好ましくは1、2比率50〜100%のもの)、ノボラックフェノールのアリルエーテル、アリル化ポリフェニレンオキサイド、
Figure 2011127025
Figure 2011127025
の他、従来公知のエポキシ樹脂のグリシジル基の一部あるいは全部をアリル基、もしくは(メタ)アクリロイル基に置き換えたもの等が挙げられる。
成分(A)としては、上記のように骨格部分とアルケニル基(SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合)とに分けて表現しがたい低分子量化合物も用いることができる。これらの低分子量化合物の具体例としては、ブタジエン、イソプレン、オクタジエン、デカジエン等の脂肪族鎖状ポリエン化合物系、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、ノルボルナジエン等の脂肪族環状ポリエン化合物系、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキセン等の置換脂肪族環状オレフィン化合物系等が挙げられる。
成分(A)のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の数は、平均して1分子当たり少なくとも2個あればよいが、硬化物の力学強度をより向上したい場合には2を越えることが好ましく、3個以上であることがより好ましい。成分(A)のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の数が1分子中当たり2個未満の場合は、成分(C)と反応してもグラフト構造となるのみで架橋構造となりがたい。一方、成分(A)のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の数が1分子中当たり6個より多い場合は、硬化性組成物の貯蔵安定性が悪くなる傾向がある。
成分(A)としては、力学的耐熱性が高いという観点および原料液の糸引き性が少なく成形性、取扱い性、塗布性が良好であるという観点からは、分子量が900未満のものが好ましく、700未満のものがより好ましく、500未満のものがさらに好ましい。
成分(A)としては、良好な作業性を得るためには、23℃における粘度が100Pa・s未満のものが好ましく、30Pa・s未満のものがより好ましく、3Pa・s未満のものがさらに好ましい。ここでの粘度はE型粘度計によって測定した値を指す。
成分(A)としては、耐熱性(耐リフロー性)、耐光性が高いという観点から下記一般式(I)
Figure 2011127025
(式中R1は水素原子または炭素数1〜50の一価の有機基を表し、それぞれのR1は異なっていても同一であってもよく、少なくとも2個のR1はSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を含む)で表される化合物が好ましい。
上記一般式(I)のR1としては、得られる硬化物の耐熱性がより高くなりうるという観点からは、有機基は構成元素としてC、H、O、およびNからなる群から選ばれる元素のみからなる基であることが好ましく、炭素数が1〜20であることが好ましく、炭素数が1〜10であることがより好ましく、炭素数が1〜4であることがさらに好ましい。これらの好ましいR1の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、ビニル基、アリル基、グリシジル基、下記に示す基等があげられる。
Figure 2011127025
上記一般式(I)のR1としては、得られる硬化物の化学的な熱安定性が良好になりうるという観点からは、構成元素としてC、H、およびOからなる群から選ばれる元素のみを含む炭素数1〜50の一価の有機基であることが好ましく、炭素数1〜50の一価の炭化水素基であることがより好ましい。これらの好ましいR1の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、ビニル基、アリル基、グリシジル基、
Figure 2011127025
等が挙げられる。
上記一般式(I)のR1としては、反応性が良好になるという観点からは、3つのR1のうち少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つが下記で表される基を1個以上含み、かつ構成元素としてC、H、O、およびNからなる群から選ばれる元素のみ含まれる炭素数1〜50の一価の有機基であることが好ましい。中でも下記一般式(VI)(式中R7は水素原子あるいはメチル基を表す。)で表される基を1個以上含み、かつ構成元素としてC、H、O、およびNからなる群から選ばれる元素のみ含まれる炭素数1〜50の一価の有機基であることがより好ましい。一般式(VI)のR7は、反応性が良好であるという観点からは、水素原子が好ましい。
Figure 2011127025
Figure 2011127025
一般式(I)の3つのR1のうち少なくとも2つが下記一般式(VII)(式中R9は直接結合あるいは炭素数1〜48の二価の有機基を表し、R8は水素原子あるいはメチル基を表す。)で表される有機化合物(複数のR8およびR9はそれぞれ異なっていても同一であってもよい。)であることがさらに好ましい。
Figure 2011127025
上記一般式(VII)のR9は、直接結合あるいは炭素数1〜48の二価の有機基であるが、得られる硬化物の耐熱性がより高くなりうるという観点からは、直接結合あるいは炭素数1〜20の二価の有機基であることが好ましく、直接結合あるいは炭素数1〜10の二価の有機基であることがより好ましく、直接結合あるいは炭素数1〜4の二価の有機基であることがさらに好ましい。
上記一般式(VII)のR9としては、得られる硬化物の化学的な熱安定性が良好になりうるという観点からは、直接結合あるいは構成元素としてC、H、およびOからなる群から選ばれる元素のみを含む炭素数1〜48の二価の有機基であることが好ましい。好ましいR9の例としては、下記のものが挙げられる。
Figure 2011127025
ただし、上記のような一般式(I)で表される有機化合物の好ましい例においても、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に2個以上含有することは必要である。耐熱性をより向上し得るという観点からは、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に3個以上含有する有機化合物であることがより好ましい。
以上のような一般式(I)で表される有機化合物の好ましい具体例としては、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、及びその混合物等が挙げられる。成分(A)は、単独又は2種以上のものを用いることが可能であり、得られる硬化物の柔軟性を調整するために、適宜、炭素−炭素二重結合を1個のみ有する有機化合物を混合しても良い。
成分(A)としては特に、得られる硬化物の着色が少なく、耐光性が高いという観点からは、成分(A)としてはビニル基またはアリル基を2個以上有する炭素数6〜50の脂肪族環状オレフィン化合物、ビニル基またはアリル基を2個以上有するイソシアヌル誘導体が好ましい。ビニル基またはアリル基を2個以上有する炭素数6〜50の脂肪族環状オレフィン化合物としては具体的にはビニルシクロヘキセン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジアリルエーテル、1,2,4−トリビニルシクロヘキサンを挙げることができる。
ビニル基またはアリル基を2個以上有するイソシアヌル誘導体としては具体的にはトリアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートを挙げることができる。中でもトリアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジアリルエーテル、1,2,4−トリビニルシクロヘキサンが特に好ましい。
中でも耐熱性及び屈折率が高いという観点から、下記一般式(II)
Figure 2011127025
(式中、R2は炭素数1〜50の一価の酸素、窒素、硫黄、あるいはハロゲン原子で置換されていてもよい有機基を表し、それぞれのR2は異なっていても同一であってもよい。)で表される構造を有する有機化合物であることが好まし。中でもR2はSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を含むものが好ましい。その内でも特に、芳香環含有エポキシ樹脂に結合するグリシジル基の一部あるいは全部をアリル基に置換したものが好ましい。
具体的にはジビニルベンゼン類、ジビニルビフェニル、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、およびそれらのオリゴマーや、ビスフェノールAジアリルエーテルや、ビス〔4−(2−アリルオキシ)フェニル〕スルホン、フェノールノボラック樹脂を挙げることができる。
また、上記一般式(II)としては、得られる硬化物の耐熱性がより高くなりうるという観点からは複数の芳香環をもつものが好ましい。複数の芳香環としては次の構造を例示することができる。
Figure 2011127025
(成分(B))
次に、成分(B)であるヒドロシリル化触媒について説明する。
成分(B)のヒドロシリル化触媒としては、ヒドロシリル化反応の触媒活性があれば特に限定されないが、例えば、白金の単体;アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの;塩化白金酸;塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体;白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH2=CH22(PPh32、Pt(CH2=CH22Cl2);白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、Pt(ViMe2SiOSiMe2Vi)a、Pt[(MeViSiO)4b);白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt(PPh34、Pt(PBu34);白金−ホスファイト錯体(例えば、Pt[P(OPh)34、Pt[P(OBu)34)(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、a、bは、整数を示す。);ジカルボニルジクロロ白金;カールシュテト(Karstedt)触媒;白金−炭化水素複合体(例えばアシュビー(Ashby)の米国特許第3159601号及び第3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体);白金アルコラート触媒(例えばラモロー(Lamoreaux)の米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラート触媒が挙げられる。
さらに、塩化白金−オレフィン複合体(例えばモディック(Modic)の米国特許第3516946号明細書中に記載された塩化白金−オレフィン複合体)も本発明において有用である。また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh)3、RhCl3、RhAl23、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl4等が挙げられる。
これらの中では、触媒活性の点から、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体等が好ましい。また、これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
成分(B)の添加量は特に限定されないが、十分な硬化性を有し、かつ硬化性組成物のコストを比較的低く抑えるための好ましい添加量の下限は、成分(C)のSiH基1モルに対して10-8モル、より好ましくは10-6モルであり、好ましい添加量の上限は成分(C)のSiH基1モルに対して10-1モル、より好ましくは10-2モルである。
また、上記触媒には助触媒を併用することが可能である。助触媒としては、例えば、単体の硫黄等の硫黄系化合物、トリエチルアミン等のアミン系化合物等が挙げられる。助触媒の添加量は特に限定されないが、上記ヒドロシリル化触媒1モルに対して、下限10-2モル、上限102モルの範囲が好ましく、より好ましくは下限10-1モル、上限10モルの範囲である。
(成分(C))
次に、成分(C)について説明する。
成分(C)は、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する化合物であるが、成分(A)との相溶性や硬化時の揮発性を低減させる観点より、ポリオルガノシロキサン化合物と有機化合物とを一部反応させたもの(変性)が好ましい。変性のための反応は特に限定はされず、付加反応、縮合反応、脱水素反応等が使用できるが、副反応が進行しにくく安定的にSiH基含有化合物が得られやすいという観点より、下記有機化合物(α)とポリオルガノシロキサン化合物(β)とのヒドロシリル化生成物(以下、「変性ポリオルガノシロキサン化合物」と称することがある。)であることが好ましい。
(有機化合物(α))
以下に、有機化合物(α)について説明する。
有機化合物(α)には、1分子中にSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を1個以上有する有機化合物であればよく、上記成分(A)に挙げた化合物も同様に使用することができる。本発明においては、耐熱性および耐光性をより向上し得るという観点から、有機化合物(α)は下記一般式(IX)
Figure 2011127025
(式中R20は水素原子または炭素数1〜50の一価の有機基を表し、それぞれのR20は異なっていても同一であってもよく、少なくとも1個のR20はSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を含む)で表される有機化合物であることが好ましい。
中でも、有機化合物(α)は耐熱性および耐光性をより向上し得るという観点から、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートが好ましい。また、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートを用いると耐熱性、長波長側の光線透過率の低下度合いが大きくより好ましい。
本発明においては、屈折率向上の観点から、下記一般式(X)(式中、R21は炭素数1〜50の一価の酸素、窒素、硫黄、あるいはハロゲン原子で置換されていてもよい有機基を表し、それぞれのR21は異なっていても同一であってもよい。)で表される構造を有する有機化合物(α)を使用することが好ましい。
Figure 2011127025
具体的には、SiH基との反応性を有する炭素―炭素二重結合を1個あるいは2個有する化合物が好ましい。特には2個有するものが好ましい。二重結合を1個有する化合物の具体例として、スチレン、α−メチルスチレン、アリルグリシジルエーテル、ビニルジオキソラン、4−ビニル−1−シクロヘキセン−1,2−エポキシド、4−ビニル−1,3−ジオキソラン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルフタルアミド、1−ビニルピロリドン、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート等の化合物をあげることができる。
また、二重結合を2個有する化合物の具体例として、ジビニルベンゼン類、ジビニルビフェニル、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、およびそれらのオリゴマーや、ビスフェノールAジアリルエーテルや、ビス〔4−(2−アリルオキシ)フェニル〕スルホン、フェノールノボラック樹脂等の芳香環含有エポキシ樹脂に結合するグリシジル基の一部あるいは全部をアリル基に置換したものを好適に用いることができる。
また、有機化合物(α)としては、得られる硬化物の耐熱性及び屈折率がより高くなりうるという観点からは、多環芳香族炭化水素を有する化合物を使用することが好ましい。中でも下記式で表される構造を有するものが好ましく、具体的には、その中でも入手性の観点からジビニルベンゼン類、ビス〔4−(2−アリルオキシ)フェニル〕スルホン、及びジビニルナフタレンが例示できる。
Figure 2011127025
上記した各種有機化合物(α)は単独もしくは2種以上のものを混合して用いることが可能である。
(ポリオルガノシロキサン化合物(β))
次に、ポリオルガノシロキサン化合物(β)について説明する。
ポリオルガノシロキサン化合物(β)については1分子中に少なくとも3個のSiH基を有するポリオルガノポリシロキサン化合物であれば特に限定されず、例えば1分子中に少なくとも3個のSiH基を有するものが使用できる。耐酸化劣化性の観点から、1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する、鎖状、環状、分岐状またはかご型のポリオルガノシロキサン化合物が好適である。具体的化合物は特許第3569919号に記載されている。
硬化物に柔軟性が付与されるという観点では1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する鎖状オルガノポリシロキサンが好ましく、中でも下記式で表される、1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する鎖状オルガノポリシロキサンが好ましい。
Figure 2011127025
(式中、R10、R11、R12は炭素数1〜10の有機基を表し同一であっても異なっても良く、lは、1〜50、mは0〜50、nは2〜50、pは0〜50、qは3〜50、rは0〜50の数を表す。)
またR10、R11、R12は入手性、耐熱性の観点より特にメチル基であるものが好ましく、硬化物の強度が高くなるという観点より、特にフェニル基であるものが好ましい。
硬化物の耐熱性が高いという観点では分岐状オルガノポリシロキサンが好ましく、中でも、下記式で表される、1分子中に少なくとも3個のSiH基を有し、分子中にTまたはQ構造を有する分岐状またはかご状オルガノポリシロキサンが好ましい。
Figure 2011127025
Figure 2011127025
(式中、R13、R14は炭素数1〜10の有機基を表し、nは0〜50の数を表す。)
なお、R13、R14は入手性、耐熱性の観点より特にメチル基であるものが好ましい。
入手性および化合物(α)との反応性が良いという観点からは、環状オルガノポリシロキサンが好ましく、中でも、下記一般式(III)で表される、1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する環状オルガノポリシロキサンが好ましい。
Figure 2011127025
(式中R3、R4はC、H、およびOからなる群から選ばれる元素から構成される有機基を表し同一であっても異なっても良く、nは3〜10、mは0〜10の数を表す)。
一般式(III)で表される化合物中の置換基R3、R4は、炭素数1〜10の有機基であることが好ましく、炭化水素基であることがより好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。またmは0であることが好ましい。一般式(III)で表される化合物としては、入手容易性及び反応性の観点からは、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンであることが好ましい。上記した各種ポリオルガノシロキサン化合物(β)は単独もしくは2種以上のものを混合して用いることが可能である。
有機化合物(α)、ポリオルガノシロキサン化合物(β)をヒドロシリル化反応させる場合の触媒としては、成分(B)で挙げた触媒ならびに助触媒を同様に用いることができる。触媒の添加量は特に限定されないが、硬化性組成物のコストを比較的低く抑えるため、好ましい添加量の下限は、ポリオルガノシロキサン化合物(β)のSiH基1モルに対して10-8モル、より好ましくは10-6モルであり、好ましい添加量の上限はポリオルガノシロキサン化合物(β)のSiH基1モルに対して10-1モル、より好ましくは10-2モルである。
(有機化合物(α)、ポリオルガノシロキサン化合物(β)の反応)
本発明における変性ポリオルガノシロキサン化合物は、有機化合物(α)、およびポリオルガノシロキサン化合物(化合物(β)を、ヒドロシリル化触媒の存在下で反応させることにより得られる化合物である。
有機化合物(α)、ポリオルガノシロキサン化合物(β)の反応の順序、方法としては種々挙げられるが、低分子量体を含有しにくいと言う観点から、過剰の有機化合物(α)とポリオルガノシロキサン化合物(β)もしくは過剰のポリオルガノシロキサン化合物(β)と有機化合物(α)とをヒドロシリル化反応させた後、一旦、未反応の有機化合物(α)もしくはポリオルガノシロキサン化合物(β)を除く方法がより好ましい。
反応温度としては種々設定できるが、この場合好ましい温度範囲の下限は30℃、より好ましくは50℃であり、好ましい温度範囲の上限は200℃、より好ましくは150℃である。反応温度が低いと十分に反応させるための反応時間が長くなり、反応温度が高いと実用的でない。反応は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。反応時間、反応時の圧力も必要に応じ種々設定できる。
ヒドロシリル化反応の際に酸素を使用できる。反応容器の気相部に酸素を添加することで、ヒドロシリル化反応を促進できる。酸素の添加量を爆発限界下限以下とする点から、気相部の酸素体積濃度は3%以下に管理する必要がある。酸素添加によるヒドロシリル化反応の促進効果が見られるという点からは、気相部の酸素体積濃度は0.1%以上が好ましく、1%以上がより好ましい。
ヒドロシリル化反応の際に溶媒を使用してもよい。使用できる溶剤はヒドロシリル化反応を阻害しない限り特に限定されるものではなく、具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒を好適に用いることができる。溶媒は2種類以上の混合溶媒として用いることもできる。溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、クロロホルムが好ましい。使用する溶媒量も適宜設定できる。
有機化合物(α)、ポリオルガノシロキサン化合物(β)をヒドロシリル化反応させた後に、溶媒及び/又は未反応の化合物を除去することもできる。これらの揮発分を除去することにより、得られる反応物が揮発分を有さないため、該反応物を用いて硬化物を作成する場合に、揮発分の揮発によるボイド、クラックの問題が生じにくい。除去する方法としては、例えば、減圧脱揮が挙げられる。減圧脱揮する場合、低温で処理することが好ましい。この場合の好ましい温度の上限は100℃であり、より好ましくは85℃である。高温で処理すると増粘等の変質を伴いやすい。
有機化合物(α)、ポリオルガノシロキサン化合物(β)の混合比率はSiH基が1分子中に2個以上SiH基が残るような範囲であれば、特に限定されない。本発明の硬化物の強度を考えた場合、(β)成分のSiH基が多い方が好ましいため、有機化合物(α)中のSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合のモル数(A1)と、ポリオルガノシロキサン化合物(β)中のSiH基のモル数(B1)との比が、B1/A1≧2であることが好ましく、B1/A1≧2.5であることがより好ましい。
(成分(D))
次に、成分(D)について説明する。
近赤外線とは一般的には700〜2500nmの波長帯を表すが、光学素子の光感応領域においてカットが必要とされる領域はおおよそ700〜1100nmの近赤外線の波長帯を表す。本願の成分(D)は近赤外線吸収能を有する化合物であるが、およそ700〜1100nmの近赤外領域の吸収をカバーすることが出来る。
そのために、クォタリレン系化合物に加えて、フタロシアニン系化合物またはナフタロシアニン系化合物から選ばれる少なくとも2種、すなわち少なくとも3種の特定の化合物を組み合わせて配合することが特徴である。
成分(D)は熱安定性さらには耐リフロー性を持たせるという観点から、熱分解温度が200℃以上好ましくは260℃以上の高い耐熱性を有するものが好ましい。本発明に用いられるクオタリレン系化合物は650−850nmに吸収領域帯を示し、かつ高い耐熱性を有し、たとえば下記構造式(VIII)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2011127025
式(VIII)中の式中、2個のRは同一でも異なっていてもよく、互いに独立していて、水素、エーテル官能性の1〜4個の酸素原子、1〜4個のイミノ基、もしくは1〜4個のN−(1炭素数1〜4のアルキル)イミノ基で中断されていてよい炭素数1〜20のアルキル基又は、非置換の、もしくは炭素数1〜4のアルキル置換されたフェニル基である。(VIII)式中のアルキル基としては、直鎖状であっても分岐状であってもよく、炭素数1〜4のアルキル置換フェニル基は、一般に1〜3個の炭素数1〜4のアルキル置換基を有していても良い。
フタロシアニン系化合物またはナフタロシアニン系化合物は800−1200nmに吸収領域帯を示し、同様に耐熱性の高いものが好ましい。また、フタロシアニン系化合物またはナフタロシアニン系化合物から選ばれる少なくとも2種の化合物はフタロシアニン系化合物から選択されることが好ましい。
フタロシアニン系化合物にキレートしている主たる中心金属は銅であるが、特にこれに限定されることは無い。
成分(D)は有機溶剤、成分(A)、または成分(C)への溶解性を有する化合物を用いることが好ましい。有機溶剤、成分(A)、または成分(C)に可溶であると、硬化性組成物の作製が容易になるとともに、可視光線域の光線透過率が高くなる。有機溶剤、成分(A)、または成分(C)に対する成分(D)の溶解度として、有機溶剤、成分(A)、または成分(C)を100質量%とした溶解度が0.001質量%以上であることが好適である。
有機溶剤としては特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、プロピレングリコールメチルエーテル等のアルコール系溶媒;酢酸ブチル、酢酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒;ジメチルホルムアミド等の1種又は2種以上が挙げられる。
上記に加えて、例えば、アミノチオールニッケル錯塩系化合物;アントラキノン系化合物;シアニン系化合物;スクワリリウム系化合物;チオールニッケル錯塩系化合物;トリアリールメタン系化合物;ナフトキノン系化合物;ニトロソ化合物及びその金属錯塩;有機無機ナノ色素ハイブリッド系;アミノ化合物等の有機物質;無機物質であるカーボンブラックや、酸化アンチモン又は酸化インジウムをドーブした酸化錫;周期表の4族、5族又は6族に属する金属の酸化物、炭化物又はホウ化物;イモニウム系化合物;ジイモニウム系化合物;アミニウム塩系化合物等を併用することができる。また、これらは、要求される耐熱性条件に応じて利用することができ、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
成分(D)の市販品としては、例えば、クォタリレン系化合物に「Lumogen IR−765」、「LumogenIR−788」(いずれも商品名、BASF社製)、フタロシアニン系化合物に「イーエクスカラーIR−10」、「イーエクスカラーIR−12」、「イーエクスカラーIR−14」、「イーエクスカラーHA−1」、「イーエクスカラーHA−14」(いずれも商品名、日本触媒社製)、「YKR−3070」、「YKR−3080」、「YKR−3070」、(いずれも商品名、山本化成社製)、シアニン系化合物「Kayasorb CY−40MC(F)」(商品名、日本化薬社製)、ジイモニウム系化合物、「CIR−1085」、「CIR−1085F」、「CIR−RL」(商品名、日本カーリット社製)、有機・無機ナノハイブリッド系化合物として「Lumogen IR−5055」(商品名、BASF社製)などが挙げられる。
(D)成分の使用量としては、成分(A)及び成分(C)との総量100重量部に対して、0.0005重量部以上とすることが好ましく、また、20重量部以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.0015重量部以上であり、また、10重量部以下であり、更に好ましくは、0.002重量部以上であり、また、7重量部以下である。
添加する量が少ないと、近赤外線吸収性能を有する硬化組成物から形成される硬化物が充分な近赤外線吸収性能を発揮しないおそれがあり、多すぎると可視光線域の透過率が低下するおそれや凝集によって光を散乱する可能性がある。
(硬化性組成物の調整方法および硬化方法)
本願発明に係る近赤外線吸収性能を有する硬化性組成物の調製方法は特に限定されず、種々の方法で調製可能である。各種成分を硬化直前に混合調製しても良く、全成分を予め混合調製した一液の状態で低温貯蔵しておいても良い。また、(D)成分を本発明の(A)成分または(C)成分に溶解させた後に全成分を混合調製しても良く、(D)成分の有機溶剤溶液を調製し、(A)成分または(C)成分と混合し、有機溶剤を脱揮処理等により除去した後に全成分を混合調製しても良い。
変性ポリオルガノシロキサン化合物の他に、物性改良の目的で熱可塑性樹脂等の添加剤を使用する場合は、これらの添加剤と硬化触媒である白金化合物を予め混合して貯蔵しておき、硬化直前にそれぞれの所定量を混合して調製しても良い。
熱硬化温度としては種々設定できるが、好ましい温度の下限は30℃、より好ましくは60℃、さらに好ましくは90℃である。好ましい温度の上限は250℃、より好ましくは200℃である。反応温度が低いと十分に反応させるための反応時間が長くなる。反応温度が高いと着色や隆起することがある。
硬化は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。一定の温度で行うより多段階的あるいは連続的に温度を上昇させながら反応させた方が、着色が少なく、歪の少ない硬化物が得られやすいという点において好ましい。反応時の圧力も必要に応じ種々設定でき、常圧、高圧、あるいは減圧状態で反応させることもできる。
硬化させて得られる硬化物の形状も用途に応じて種々とりうるので特に限定されないが、例えばレンズ状、フィルム状、シート状、チューブ状、ロッド状、塗膜状、バルク状などの形状とすることができる。
成形する方法も従来の熱硬化性樹脂の成形方法をはじめとして種々の方法をとることができる。例えば、キャスト法、プレス法、注型法、トランスファー成形法、コーティング法、RIM法、LIM法などの成形方法を適用することができる。成形型は研磨ガラス、硬質ステンレス研磨板、ポリカーボネート板、ポリエチレンテレフタレート板、ポリメチルメタクリレート板等を適用することができる。
また、成形型との離型性を向上させるためポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素又はめっきにより表面処理された金型等を適用することができる。成形時に必要に応じ各種処理を施すこともできる。例えば、成形時に発生するボイドの抑制のために組成物あるいは一部反応させた組成物を遠心、減圧などにより脱泡する処理、プレス時に一旦圧力を開放する処理などを適用することもできる。
成分(A)と成分(C)の比率は[(A)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合のモル数/(C)成分のSiH基のモル数]の値が、下限0.05、上限10の範囲となる比率であることが好ましく、下限0.1、上限5の範囲となる比率であることがより好ましい。少ない場合はアルケニル基とSiH基との反応による架橋の効果が不十分になる傾向にあり、多い場合は硬化物から未反応の(A)成分がブリードしてくる場合がある。
本発明の硬化組成物では、目的によって種々の添加剤を使用できる。
(添加剤)
(硬化遅延剤)
本発明の硬化性組成物の保存安定性を改良する目的、又は、製造過程でのヒドロシリル化反応の反応性を調整する目的で、硬化遅延剤を使用することができる。硬化遅延剤としては、例えば、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機硫黄化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上併用してよい。
脂肪族不飽和結合を含有する化合物としては、プロパルギルアルコール類、エン−イン化合物類、マレイン酸エステル類等が例示される。有機リン化合物としては、トリオルガノフォスフィン類、ジオルガノフォスフィン類、オルガノフォスフォン類、トリオルガノフォスファイト類等が例示される。有機硫黄化合物としては、オルガノメルカプタン類、ジオルガノスルフィド類、硫化水素、ベンゾチアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾールジサルファイド等が例示される。
窒素含有化合物としては、アンモニア、1〜3級アルキルアミン類、アリールアミン類、尿素、ヒドラジン等が例示される。スズ系化合物としては、ハロゲン化第一スズ2水和物、カルボン酸第一スズ等が例示される。有機過酸化物としては、ジ−tert−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、過安息香酸tert−ブチル等が例示される。
これらの硬化遅延剤のうち、遅延活性が良好で原料入手性がよいという観点からは、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルマレート、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチン、1−エチニル−1−シクロヘキサノールが好ましい。
硬化遅延剤の添加量は、使用するヒドロシリル化触媒1モルに対して、下限10-1モル、上限103モルの範囲が好ましく、より好ましくは下限1モル、上限50モルの範囲である。添加量が少ないと、所望の保存安定性や減圧脱揮時のゲル化抑制効果が得られない。添加量が多いと、硬化反応時の硬化阻害剤になり得る。また、これらのゲル化抑制剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(熱安定剤)
本発明の硬化性組成物の耐リフロー特性を向上する目的で、熱安定剤を使用するのが好ましい。熱安定剤としては、本発明の硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物の熱劣化及び酸化劣化を防止できるものであればどのようなものでもよく、一般的な熱可塑性樹脂に配合して用いられている酸化防止剤を好適に用いることができる。一般的な酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、ホスファイト系化合物、チオエーテル系化合物等を挙げることができる。
ヒンダードフェノール系化合物の例としては、n−オクタデシル3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、1,4−ブタンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、N,N’−ビス−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−テトラメチレン−ビス[3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ジアミン、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオニル]ヒドラジン、N−サリチロイル−N’−サリチリデンヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、N,N’−ビス[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]オキシアミド等を挙げることができる。
好ましくは、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、およびテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等が例示される。
ホスファイト系化合物として、少なくとも1つのP−O結合が芳香族基に結合しているものが好ましく、具体的には、トリス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジトリデシルホスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン、トリス(ミックスドモノおよびジ−ノニルフェニル)ホスファイト、4,4’−イソプロピリデンビス(フェニル−ジアルキルホスファイト)等が挙げられる。
中でも、トリス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、テトラフェニル−4,4’−ビフェニレンホスファイト等が好ましく使用できる。
チオエーテル系化合物の具体的な例としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ドデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−オクタデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ミリスチルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ステアリルチオプロピオネート)等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上混合して使用しても良い。
(熱可塑性樹脂)
本発明の硬化性組成物には特性を改質する等の目的で、種々の熱可塑性樹脂を添加することも可能である。熱可塑性樹脂としては種々のものを用いることができるが、例えば、メチルメタクリレートの単独重合体あるいはメチルメタクリレートと他モノマーとのランダム、ブロック、あるいはグラフト重合体等のポリメチルメタクリレート系樹脂(例えば日立化成社製オプトレッツ等)、ブチルアクリレートの単独重合体あるいはブチルアクリレートと他モノマーとのランダム、ブロック、あるいはグラフト重合体等のポリブチルアクリレート系樹脂等に代表されるアクリル系樹脂、ビスフェノールA、3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデンビスフェノール等をモノマー構造として含有するポリカーボネート樹脂等のポリカーボネート系樹脂(例えば帝人社製パンライト等)、ノルボルネン誘導体、ビニルモノマー等を単独あるいは共重合した樹脂、ノルボルネン誘導体を開環メタセシス重合させた樹脂、あるいはその水素添加物等のシクロオレフィン系樹脂(例えば、三井化学社製APEL、日本ゼオン社製ZEONOR、ZEONEX、JSR社製ARTON等)、エチレンとマレイミドの共重合体等のオレフィン−マレイミド系樹脂(例えば東ソー社製TI−PAS等)、ビスフェノールA、ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン等のビスフェノール類やジエチレングリコール等のジオール類とテレフタル酸、イソフタル酸、等のフタル酸類や脂肪族ジカルボン酸類を重縮合させたポリエステル等のポリエステル系樹脂(例えばデュポン製ライナイト等)、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の他、天然ゴム、EPDMといったゴム状樹脂が例示されるがこれに限定されるものではない。
熱可塑性樹脂としてはその他の架橋性基を有していてもよい。この場合の架橋性基としては、エポキシ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキシル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基等が挙げられる。得られる硬化物の耐熱性が高くなりやすいという点においては、架橋性基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。
熱可塑製樹脂の分子量としては、特に限定はないが、成分(A)及び成分(C)との混合物との相溶性が良好となりやすいという点においては、数平均分子量が10000以下であることが好ましく、5000以下であることがより好ましい。逆に、得られる硬化物が強靭となりやすいという点においては、数平均分子量が10000以上であることが好ましく、100000以上であることがより好ましい。分子量分布についても特に限定はないが、混合物の粘度が低くなり成形性が良好となりやすいという点においては、分子量分布が3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1.5以下であることがさらに好ましい。
熱可塑性樹脂の配合量としては特に限定はないが、好ましい使用量の範囲は硬化性組成物全体の5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%である。添加量が少ないと得られる硬化物が脆くなり易い。添加量が多いと耐熱性(高温での弾性率)が低くなり易い。熱可塑性樹脂としては単一のものを用いてもよいし、複数のものを組み合わせて用いてもよい。
熱可塑性樹脂は成分(A)及び/又は成分(C)に溶解して均一な状態として混合してもよいし、粉砕して粒子状態で混合してもよいし、溶媒に溶かして混合する等して分散状態としてもよい。また、熱可塑性樹脂を成分(A)及び/又は成分(C)に直接溶解させてもよいし、溶媒等を用いて均一に混合してもよいし、その後溶媒を除いて均一な分散状態及び/又は混合状態としてもよい。
熱可塑性樹脂を分散させて用いる場合は、平均粒子径は種々設定できるが、好ましい平均粒子径の下限は10nmであり、好ましい平均粒子径の上限は10μmである。粒子系の分布はあってもよく、単一分散であっても複数のピーク粒径を持っていてもよいが、硬化性組成物の粘度が低く成形性が良好となり易いという観点からは、粒子径の変動係数が10%以下であることが好ましい。
(充填材)
本発明の硬化性組成物には透明性を損なわない範囲において、充填材を添加してもよい。充填材としては各種のものが用いられるが、例えば、石英、ヒュームシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、溶融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定型シリカ等のシリカ系充填材、窒化ケイ素、銀粉、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化チタン、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、カーボンブラック、グラファイト、ケイソウ土、白土、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、無機バルーン等の無機充填材をはじめとして、エポキシ系等の従来の封止材の充填材として一般に使用或いは/及び提案されている充填材等を挙げることができる。
(ラジカル禁止剤)
本発明の硬化性組成物にはラジカル禁止剤を添加してもよい。ラジカル禁止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−3−メチルフェノール(BHT)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス(メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン等のフェノール系ラジカル禁止剤や、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N’−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等のアミン系ラジカル禁止剤等が挙げられる。また、これらのラジカル禁止剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(紫外線吸収剤)
本発明の硬化性組成物には紫外線吸収剤を添加してもよい。紫外線吸収剤としては、例えば2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート等が挙げられる。また、これらの紫外線吸収剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(溶剤)
本発明の硬化組成物が高粘度である場合、溶剤に溶解して用いることも可能である。使用できる溶剤は特に限定されるものではなく、具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート(PGMEA)、エチレングリコールジエチルエーテル等のグリコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒を好適に用いることができる。
これらの中でも、トルエン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、クロロホルムが好ましい。
使用する溶媒量は適宜設定できるが、用いる硬化性組成物1gに対しての好ましい使用量の下限は0.1mLであり、好ましい使用量の上限は10mLである。使用量が少ないと、低粘度化等の溶媒を用いることの効果が得られにくく、また、使用量が多いと、材料に溶剤が残留して熱クラック等の問題となり易く、またコスト的にも不利になり工業的利用価値が低下する。これらの、溶媒は単独で使用してもよく、2種類以上の混合溶媒として用いることもできる。
(その他添加剤)
本発明の硬化性組成物には、その他、接着性付与剤、着色剤、離型剤、難燃剤、難燃助剤、界面活性剤、消泡剤、乳化剤、レベリング剤、はじき防止剤、アンチモン−ビスマス等のイオントラップ剤、チクソ性付与剤、粘着性付与剤、保存安定改良剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、反応性希釈剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、金属不活性化剤、熱伝導性付与剤、物性調整剤等を本発明の目的および効果を損なわない範囲において添加することができる。
(用途)
本発明の近赤外線吸収硬化性組成物を硬化させてなる硬化物は所望の形に成形して、各種光学材料に用いることが可能である。ここでいう光学材料とは、可視光、赤外線、紫外線、X線、レーザーなどの光をその材料中を通過させる用途に用いる材料であり、具体的には下記のとおりである。
主な用途として近赤外線を吸収・カットする機能を有するレンズ(デジタルカメラや携帯電話や車載カメラ等のカメラ用レンズ、f−θレンズ、ピックアップレンズ等の光学レンズ)及び半導体受光素子用の光学フィルター、省エネルギー用に熱線を遮断する近赤外線吸収フィルム用コーティング剤や近赤外線吸収板、太陽光の選択的な利用を目的とする農業用近赤外線吸収フィルム用コーティング剤、近赤外線の吸収熱を利用する記録媒体、電子機器用近赤外線カットフィルター、写真用近赤外線フィルター、保護めがね、サングラス、熱線遮断フィルム、光学記録用色素、光学文字読み取り記録、機密文書複写防止用、電子写真感光体、レーザー溶着、などに用いられる。またCCDカメラ用ノイズカットフィルター、CMOSイメージセンサ用フィルターとしても有用である。
以下に、本発明の実施例および比較例を示すが、本発明は以下によって限定されるものではない。なお、合成例におけるアリル基の反応率は、バリアン・テクノロジーズ・ジャパン・リミテッド製300MHz−NMR装置を用い、反応液を重クロロホルムで1%程度まで希釈したものをNMR用チューブに加えて測定し、未反応アリル基由来のメチレン基のピークと、反応アリル基由来のメチレン基のピーク比から算出し、(C)成分のSiH基の含有量は、バリアン・テクノロジーズ・ジャパン・リミテッド製300MHz−NMR装置を用い、1,2−ジブロモエタン換算でのSiH基価(mmol/g)として求めた。
(合成例1)
5Lの四つ口フラスコに、攪拌装置、滴下漏斗、冷却管をセットした。このフラスコにトルエン1800g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン1440gを入れ、気相部を窒素置換した後、120℃のオイルバス中で加熱、攪拌した。トリアリルイソシアヌレート200g、トルエン200g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)1.44mlの混合液を50分かけて滴下した。滴下終了から6時間後に1H−NMRでアリル基の反応率が95%以上であることを確認し、冷却により反応を終了した。
トルエン及び未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンを60℃2時間、80℃2時間にて減圧留去し、無色透明の液体「反応物E」を得た。1H−NMRによるSiH基の含有量は8.8mmol/gであった。生成物は混合物であるが、本発明の(C)成分である1分子あたり9個のSiH基を有する下記のものを主成分として含有している。
Figure 2011127025
(合成例2)
500mL四つ口フラスコにトルエン100g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン57.49gを入れ、気相部を窒素置換した後、内温105℃で加熱、攪拌した。ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート12.7g、トルエン12.7g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.0112gの混合溶液を30分かけて滴下した。滴下終了から6時間後に1H−NMRでアリル基の反応率が95%以上であることを確認し、冷却により反応を終了した。
トルエン及び未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンを60℃2時間、80℃2時間にて減圧留去し、無色透明の液体「反応物F」を得た。1H−NMRによるりSiH基の含有量は7.6mmol/gであった。生成物は混合物であるが、本発明の(C)成分である1分子あたり6個のSiH基を有する下記のものを主成分として含有している。
Figure 2011127025
(合成例3)
2L四つ口フラスコにトルエン600g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン600gを入れ、気相部を窒素置換した後、内温90℃で加熱、攪拌した。ジビニルベンゼン73.5g、トルエン73.5g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.006gの混合溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了から6時間後に1H−NMRでビニル基の反応率が95%以上であることを確認し、冷却により反応を終了した。
トルエン及び未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンを60℃2時間、80℃2時間にて減圧留去し、無色透明の液体「反応物G」を得た。1H−NMRによるSiH基の含有量は9.8mmol/gであった。生成物は混合物であるが、本発明の(C)成分である1分子あたり6個のSiH基を有する下記のものを主成分として含有している。
Figure 2011127025
(実施例1〜2)(比較例1〜8)
合成例1、合成例2および合成例3で得た反応物E、FおよびGに対し、表1に示される配合組成で硬化性組成物を調製した。調整方法は、(A)成分、(D)成分を1,3−ジオキソランに溶解し混合した。その後、エバポレーションにより溶剤である1,3−ジオキソランを留去し、そこへ(C)成分を添加した。別途、(B)成分および硬化遅延剤を混合したものを更に加えて硬化性組成物を得た。
得られた硬化性組成を2枚のガラス板に1mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとして挟み込んで作製したセルに、硬化性組成物を流し込み、プレ硬化として120℃で40分、熱風オーブンにて加熱を行い、ポスト硬化として180℃15分間、熱風オーブンにて加熱を行うことにより、硬化物を得た。得られた硬化物はいずれも透明であり、各種光学材料として用いることができるものである、その物性を表1に示す。
(耐リフロー性試験)
ダイヤモンドカッターで10×30mmにカットした硬化物を、ESPEC社製オーブン(STH−120)に入れ、サンプル実温が260℃の状態で60秒保持した後、オーブンから取り出し室温まで冷却した。この操作を3回繰り返し、試験前後においての光線透過率(下記方法)、色変化(目視)および熱変形(ノギスで寸法測定してその変化を確認した)を測定した。
(光線透過率)
ダイヤモンドカッターで10×30mmにカットした硬化物を、(株)日立製作所製U−3300を用いて、スキャンスピード300nm/minにて測定し、550、750および850nmでの光線透過率(%T)を表1に示す。
Figure 2011127025
なお、表中の硬化物物性の「○」は外観寸法あるいは色調の変化がないことを表す。
また、硬化物物性の色調(リフロー前)は全て透明である。

Claims (8)

  1. (A)1分子中にSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を2個以上有する有機化合物、
    (B)ヒドロシリル化触媒、
    (C)1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する化合物、および、
    (D)クォタリレン系化合物と、フタロシアニン系化合物あるいはナフタロシアニン系化合物から選ばれる化合物を少なくとも2種類、
    を含有する近赤外線吸収能を有する硬化性組成物。
  2. (A)成分が、下記一般式(I)
    Figure 2011127025
    (式中R1は水素原子または炭素数1〜50の一価の有機基を表し、それぞれのR1は異なっていても同一であってもよく、少なくとも2個のR1はSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を含む)
    で表される有機化合物である、請求項1記載の近赤外線吸収能を有する硬化性組成物。
  3. (A)成分が、下記一般式(II)
    Figure 2011127025
    (式中、R2は炭素数1〜50の一価の酸素、窒素、硫黄、あるいはハロゲン原子で置換されていてもよい有機基を表し、それぞれのR2は異なっていても同一であってもよい。)で表される構造を有する有機化合物である、請求項1に記載の近赤外線吸収能を有する硬化性組成物。
  4. (C)成分が、
    (α)1分子中にSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1個以上含有する有機化合物と、
    (β)1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する鎖状、環状、分岐状およびかご型のいずれかの構造を有するポリオルガノシロキサンと、
    をヒドロシリル化反応して得ることができる化合物である、請求項1〜3いずれか一項に記載の近赤外線吸収能を有する硬化性組成物。
  5. (α)成分が、下記一般式(IX)
    Figure 2011127025
    (式中R20は水素原子または炭素数1〜50の一価の有機基を表し、それぞれのR20は異なっていても同一であってもよく、少なくとも1個のR20はSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を含む)で表される有機化合物である、請求項4に記載の近赤外線吸収能を有する硬化性組成物。
  6. (α)成分が、下記一般式(X)
    Figure 2011127025
    式中、R21は炭素数1〜50の一価の酸素、窒素、硫黄、あるいはハロゲン原子で置換されていてもよい有機基を表し、それぞれのR21は異なっていても同一であってもよい。)
    で表される構造を有する有機化合物である、請求項4に記載の近赤外線吸収能を有する硬化性組成物。
  7. (β)1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する、鎖状、環状、分岐状およびかご型のポリオルガノシロキサンの少なくとも1種として、下記一般式(III)
    Figure 2011127025
    (式中R3、R4は炭素数1〜10の有機基を表し、nは3〜10、mは0〜10の数を表す)で表されるSiH基を有するポリオルガノシロキサン化合物が含有される化合物である、請求項4〜6のいずれか一項に記載の近赤外線吸収能を有する硬化性組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の近赤外線吸収能を有する硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物。
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