JP2004293715A - 動力伝達シャフト用継手及び動力伝達シャフト - Google Patents

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稔裕 後藤
Yasunori Nonogaki
保紀 野々垣
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Abstract

【課題】バランスピースが損傷することを低減可能な動力伝達シャフトを提供する。
【解決手段】プロペラシャフト11は、FRP製の筒部材12と、その第1端部に接合された第1の端部部材13と、第2端部に接合された第2の端部部材14と、筒部材12の内側で第1の端部部材13及び第2の端部部材14間に配設された被巻付け部材15とを備えている。第1及び第2の端部部材13,14の繊維束被巻付け部13a ,14a と、継手部13b ,14b との間には、外周面に沿って環状の溝17が形成されている。溝17は、バランスピースが突出しない幅及び深さに形成されており、その溝17内にバランスピースBが例えば溶接により取り付けられている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動力伝達シャフト用継手及び動力伝達シャフトに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の軽量化を図るために各構造部材のさらなる軽量化が要求され、プロペラシャフトにおいてもFRP製のものに切り替えることによる軽量化が一部実施されている。FRP製のプロペラシャフトは、FRP製の筒部材とその両端に継手(ヨーク)や駆動力を伝達するための他部品(例えば、スプラインギヤ付きシャフト)等を備える。このFRP製のプロペラシャフトを製造するには、一般にフィラメントワインディング法が用いられている。
【0003】
図10に示すように、FRP製プロペラシャフト50として、フィラメントワインディング法により成形したFRP製パイプ51の両端に、FRP製パイプ51を駆動軸や従動軸等と連結する金属製の継手(ヨーク)52を圧入して接合した構造のものが一般的である(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
継手52にはFRP製パイプ51との結合部となる外周面にFRP製パイプの端部内径より大きな外径のセレーション53が形成されている。そして、FRP製パイプ51に継手52を圧入することで、継手52のセレーション53の歯によって、FRP製パイプ51の内周面に溝が刻設され、歯が溝に食い込むことで継手52とFRP製パイプ51とが一体回転するための接合強度が確保される。
【0005】
しかし、継手52はFRP製パイプ51の内面とセレーション53の溝の底部との間に隙間が存在する状態でFRP製パイプ51に結合されている。このため、その隙間に水分が侵入して錆びるのを防止するために、その隙間を塞ぐシール材が必要となる。
【0006】
シール材が不要なFRP製プロペラシャフトを製造する方法として、図11(a)に示すように、外側端に中心軸54を突設した端部部材55を両端にそれぞれ嵌着したプラスチック又は金属製の薄肉円筒状の被巻付け部材56を使用して製造する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
この方法では、図11(b)に示すように、フィラメントワインディング法により樹脂含浸繊維を端部部材55から被巻付け部材56にかけて連続して巻き付けて樹脂含浸繊維層を形成し、そのまま硬化成形した後、必要により中心軸54を除去してFRP製プロペラシャフトを製造する。このため、端部部材55と樹脂含浸繊維との間に特許文献1のような隙間が形成されないため、シール材が不要である。
【0008】
ところで、特許文献1及び2に記載されたFRP製プロペラシャフトに限らず、一般に、プロペラシャフトは回転バランスを取ることで最終的に製品として完成する。回転バランスが規格外のプロペラシャフトは、端部部材(継手)にバランスピースを溶接することで回転バランスが正しく合わせられる。これにより最終的にプロペラシャフトが完成する。
【0009】
【特許文献1】
特開平5−139170号公報(明細書の段落[0014]、[0018]、[0020]、図1、図2)
【特許文献2】
特開昭55−118831号公報(第1,2頁、第3,4図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献2に開示されたFRP製プロペラシャフトでは、継手に相当する端部部材55に中心軸54が必要であるため、孔を有する一対の支持部を備えたヨークタイプの継手52(特許文献1に開示されたもの)を設けることができない。そのため、FRP製プロペラシャフトをドライブシャフトと連結するユニバーサルジョイントに一般的な十字軸ではなく特別な構造のものが必要になるという問題がある。また、端部部材55に巻き付けられる繊維の折り返し部の回転バランスが悪いという問題がある。さらに、端部部材55の全体がFRPで被覆されているため、バランスピースを溶接で取り付けるには、FRPを構成している繊維を切断する必要があり、強度が低下するという問題がある。また、バランスピースをFRP表面に接着で取り付ける場合には、その取り付け強度が不十分であった。
【0011】
このため、特許文献1のように継手52を圧入接合する方法により製造することで、ヨークタイプの継手52を有するFRP製プロペラシャフト50を製造することが可能であり、バランスピースを取り付けることも可能である。しかし、FRP製プロペラシャフトの継手にバランスピースを取り付けた場合、そのバランスピースの分だけ外径が大きくなり、バランスピースが継手の一部分で突出してしまう。このため、その状態のFRP製プロペラシャフトが搬送される際には、突出したバランスピースが引っかかり易く、それによりバランスピースが損傷してしまう虞がある。また、実際に車両に組み付けられて使用される際に、飛び石等の異物が当たり易く、その衝撃によってもバランスピースが損傷してしまう虞がある。
【0012】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、バランスピースが損傷することを低減可能な動力伝達シャフト用継手及び動力伝達シャフトを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、一端に結合部が設けられ、該結合部がFRP製の筒部材と結合した状態で取り付けられる動力伝達シャフト用継手であって、前記結合部を除く部分の外周面に溝を備えている。この発明によれば、溝の位置にバランスピースが取り付けられることで、バランスピースが継手から突出することなく取り付けられる。このため、バランスピースが損傷することを低減できる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記溝は環状に形成されている。この発明によれば、バランスピースを取り付ける際に、溝が環状であるため周方向における取り付け位置に制限がない。このため、動力伝達シャフトの回転バランスを取り易い。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記結合部の端面が前記溝の一方の側壁を構成している。この発明の継手を使用した動力伝達シャフトでは、溝にバランスピースが取り付けられた場合、筒部材の端が溝の近くに位置する状態となり、筒部材の端によってもバランスピースが保護され、よりバランスピースが損傷することを低減できる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の動力伝達シャフト用継手がFRP製の筒部材の両端に圧入接合されている動力伝達シャフトである。そして、前記動力伝達シャフト用継手は、前記結合部の外周面に該結合部の軸方向と平行に延びるセレーションを備えている。この発明によれば、バランスピースが取り付けられることで請求項1〜請求項3のいずれか一項と同様の作用効果を有する。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の動力伝達シャフト用継手をFRP製の筒部材の両端に備える動力伝達シャフトである。そして、前記動力伝達シャフト用継手は前記結合部の外周面に係止部を備え、前記筒部材の強化繊維は前記外周面において前記動力伝達シャフト用継手に巻き付けられ、前記強化繊維を構成する繊維束は、同一層においては互いに平行に配列されており、かつ全長にわたって連続している。この発明によれば、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の作用を有するとともに、筒部材の強化繊維が巻き付けられる動力伝達シャフト用継手の外周面に係止部が存在するため、動力伝達シャフト用継手から筒部材への回転トルクの伝達が良い。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明をFRP製プロペラシャフト(以下、プロペラシャフトという)及びそれに使用される継手に具体化した第1の実施の形態を図1〜図5を参照して説明する。
【0019】
図1はFRP製プロペラシャフトの模式断面図を示す。プロペラシャフト11は、FRP製の筒部材12と、その第1端部に接合された動力伝達シャフト用継手としての第1の端部部材13と、第2端部に接合された動力伝達シャフト用継手としての第2の端部部材14とを備える。また、筒部材12の内側で第1の端部部材13及び第2の端部部材14間に配設された被巻付け部材15を備えている。第1の端部部材13には自在継手を構成する継手としてのヨークが使用され、第2の端部部材14には金属製の滑り継手が使用されている。
【0020】
第1の端部部材13及び第2の端部部材14は、筒部材12との結合部分となる結合部としての円筒状の繊維束被巻付け部13a,14aを備え、その外周面には係止部としてのセレーション16が形成されている。筒部材12の強化繊維は複数の層を構成するように巻き付けられた繊維束からなり、最内層にヘリカル巻層が設けられている。繊維束は同一層においては互いに平行に配列されており、セレーション16はその歯が繊維束の配列方向に沿って延びるように形成されている。ヘリカル巻層を構成する繊維束は、セレーション16により端部部材13,14に対する周方向への相対移動が規制されるとともに筒部材12の全長にわたって連続している。即ち、セレーション16が形成された端部部材をFRP製のパイプに後から圧入する構成と異なり、セレーション16と係合する繊維束が切断されていない。
【0021】
セレーション16の歯は、最内層のヘリカル巻層を構成する繊維束が第1及び第2の端部部材13,14の軸方向と成す角度(配列角度)に等しい角度で、第1及び第2の端部部材13,14の軸方向に対して延びるように形成されている。また、セレーション16の歯の高さ、即ち溝の深さは1層分の繊維束の厚さとほぼ同じに形成されている。
【0022】
第1の端部部材13は、繊維束被巻付け部13aから膨出した膨出部13bを備える。第1の端部部材13には、一端側に膨出部13bから突出した一対の継手部13cが設けられ、他端側に繊維束被巻付け部13aより小径の嵌合筒部13dが突設されている。継手部13cには、例えば、ユニバーサルジョイントを取り付けるための孔13eが形成されている。第2の端部部材14は、繊維束被巻付け部14aから膨出した膨出部14bを備える。第2の端部部材14には、一端側に該膨出部14bから突出したシャフト状の継手部14cが設けられ、他端側に繊維束被巻付け部14aより小径の嵌合筒部14dが突設されている。シャフト状の継手部14cには、筒部材12をフィラメントワインディング法(以下、FW法という)で形成する際に使用する治具の固定に使用するねじ穴14eが先端に形成されている。
【0023】
第1及び第2の端部部材13,14の繊維束被巻付け部13a,14aと、継手部13c,14cとの間の膨出部13b,14bには、外周面に沿って環状の溝17が形成されている。繊維束被巻付け部13a,14aの端面13f,14fは、溝17の一方の側壁を構成している。また、溝17の両側に位置する膨出部13b,14bの外周面13g,14gとセレーション16の溝の底とは、端部部材13,14の軸心からの距離が同じに形成されている。溝17は、バランスピースが突出しない幅及び深さに形成されており、必要によりその溝17内にバランスピースBが例えば溶接により取り付けられる。
【0024】
被巻付け部材15は円筒状に形成されており、例えば紙製である。被巻付け部材15は、その端部が嵌合筒部13d,14dの外周に嵌合された状態で第1及び第2の端部部材13,14に連結されている。被巻付け部材は筒部材12をFW法で形成する際に、樹脂含浸繊維束が巻き付けられても所定の円筒形状を保つ強度があればよく、プロペラシャフト11が使用される際のトルク伝達に寄与する強度を有する必要はない。
【0025】
筒部材12は、第1及び第2の端部部材13,14との結合部分が肉厚に形成されている。筒部材12はFW法によって形成される。筒部材12は、主にヘリカル巻で構成されているが、結合部分及びその近くにはフープ巻が形成されている。また、筒部材12の最外層にはポリエステル糸が全長に渡ってフープ巻で巻き付けられている。
【0026】
次に前記のように構成されたプロペラシャフトの製造方法について説明する。図2は第1の端部部材、第2の端部部材、被巻付け部材及び治具の関係を示す模式分解斜視図であり、図3は第1の端部部材、第2の端部部材、被巻付け部材及び治具が組み付けられた状態の一部破断模式断面図である。
【0027】
プロペラシャフト11を製造するには、マンドレルを使用せず、治具18を使用して第1及び第2の端部部材13,14が両端に結合された被巻付け部材15をフィラメントワインディング装置(以下、FW装置という)に支持してフィラメントワインディングが行われる。
【0028】
図3に示すように、治具18は第1及び第2の端部部材13,14の樹脂含浸繊維束が密着して巻き付けられる部分を除いた部分を覆うとともに、フィラメントワインディング時に樹脂含浸繊維の一部が巻き付けられる筒状のカバー部19を備えている。カバー部19は一端側が小径に形成され、FW装置の回転支持部に支持可能な軸部20がカバー部19の小径側の端部に連続して一体的に形成されている。また、カバー部19の周面には周方向に沿ってピン21が一定間隔で設けられている。
【0029】
第1の端部部材13に組み付けられる治具18は、第1の端部部材13を軸部20と被巻付け部材15の回転中心とが同軸となる状態で支持可能で、軸部20と一体回転可能な支持部22を備えている。支持部22は、一側端に第1の端部部材13に取り外し可能に固定されるT字状部22aが設けられたシャフトで構成され、他端側に雄ねじ部22bが形成されている。そして、T字状部22aが孔13eに挿通された状態で、軸部20から突出した雄ねじ部22bに螺合されるナット24が締め付けられることにより、軸部20の端部に一体に形成された座金部25を介して軸部20に固定されるようになっている。図3に示すように、治具18はカバー部19の端部内面が、膨出部13bの継手部13c側に形成された段部に嵌合されて、治具18の芯出しが行われるようになっている。
【0030】
第2の端部部材14に組み付けられる治具18は、第2の端部部材14を軸部20と被巻付け部材15の回転中心とが同軸となる状態で支持可能で、軸部20と一体回転可能なボルト23を備えている。ボルト23は先端部に雄ねじ23aが設けられ、雄ねじ23aがねじ穴14eに螺合される状態で締め付けられることにより、軸部20の端部に一体に形成された座金部25を介して軸部20に固定されるようになっている。図3に示すように、治具18はカバー部19の端部内面が、膨出部14bの継手部14c側に形成された段部に嵌合されて、治具18の芯出しが行われるようになっている。
【0031】
両端に第1及び第2の端部部材13,14が取り付けられた被巻付け部材15にフィラメントワインディングを行う場合は、まず第1及び第2の端部部材13,14にそれぞれ治具18を組み付ける。第1の端部部材13に治具18を組み付ける際は、支持部22のT字状部22aを孔13eに挿通した後、支持部22をカバー部19の大径部側から軸部20に挿通する。そして、軸部20から突出した雄ねじ部22bにナット24を螺合させて締め付けることにより軸部20の端面とナット24との間に介在された座金部25を介して軸部20を第1の端部部材13に押圧し、支持部22を介して治具18が第1の端部部材13に組み付けられる。
【0032】
第2の端部部材14に治具18を組み付ける際は、カバー部19を第2の端部部材14の継手部14c側を覆うように第2の端部部材14に当接させ、ボルト23を座金部25に挿通して軸部20側からカバー部19に挿通する。そして、雄ねじ23aを第2の端部部材14のねじ穴14eに螺合させて締め付けることにより、軸部20の端面とボルト23の頭部との間に介在された座金部25を介して治具18が第2の端部部材14に組み付けられる。そして、図3に示すように、第1の端部部材13、第2の端部部材14、被巻付け部材15及び治具18が組み付けられると、FW装置の一組のチャック間に支持される被繊維束巻付け部材26を構成する。
【0033】
図4は巻付けヘッドの模式図である。FW装置は、本願出願人が先に提案した装置(特開2002−283467号公報に開示された装置)と同様な巻付けヘッド(ヘリカル巻用ヘッド及びフープ巻用ヘッド)27を備え、図4ではヘリカル巻用ヘッドのみが図示されている。巻付けヘッド27はベースプレート上に設けられたレール28上を図示しないチャックに支持された被繊維束巻付け部材26に沿って、図示しない駆動手段により移動可能となっている。
【0034】
巻付けヘッド27は被繊維束巻付け部材26に貫通される孔29を有する支持板30を備える。ヘリカル巻用ヘッドの支持板30には、複数本の繊維束Rを同時に被繊維束巻付け部材26に対してヘリカル巻で巻き付け可能とするため、図4に示すように、複数のガイド31が被繊維束巻付け部材26の周方向に沿って配列された状態で設けられている。フープ巻部を備えたフープ巻用ヘッドは、繊維束Rを被繊維束巻付け部材26に対して2本同時にフープ巻で巻き付け可能とするためのガイドを備えている。ヘリカル巻用ヘッドとフープ巻用ヘッドとは一体的な移動と、独立した状態での移動とが可能に構成されている。そして、複数本の繊維束Rを同時に被繊維束巻付け部材26に対してヘリカル巻で巻き付け可能となり、ヘリカル巻用ヘッドが被繊維束巻付け部材26に沿って一回往動又は復動することで被繊維束巻付け部材26の全周にわたって繊維束Rがヘリカル巻で巻き付けられる。
【0035】
作業者によりFW装置のチャックに被繊維束巻付け部材26が支持された状態にセットされた後、FW装置により被繊維束巻付け部材26に繊維束が巻き付けられる。FW装置が駆動されると、被繊維束巻付け部材26が一定方向に回転され、巻付けヘッド27が被繊維束巻付け部材26の軸方向に沿って往復移動される。そして、巻付けヘッド27により繊維束Rは最内層となる一層目がヘリカル巻層を形成するように、軸方向となす角度が所定の角度となるように巻き付けられる。巻き付け角度は製品のプロペラシャフトに要求される、曲げ、ねじり、振動等の特性を満足する所定の値(例えば、10〜15°)に設定される。そして、この巻き付け角度がセレーション16の歯の延びる方向と軸方向とのなす角と同じであるため、繊維束Rがセレーション16の溝内に沿って配列されるように巻き付けられる。また、樹脂含浸繊維はカバー部19に設けられたピン21の間を通過するように巻き付けられ、ピン21によってカバー部19の周方向への移動が規制された状態で巻き付けられる。その後さらにヘリカル巻やフープ巻層が必要な強度を得られように積層され、複数の層が形成される。
【0036】
そして、巻き付けが終了した成形品32の両端部を、ピン21の突設位置より繊維束被巻付け部13a,14a寄りの治具18と対面する位置でそれぞれ切断する。第1の端部部材13の切断位置は、図5に示すA位置において、カッター33により切断される。第2の端部部材14においても同様の位置で切断される。そして、成形品32が形成された被繊維束巻付け部材26がFW装置のチャックから取り外され、成形品32の未硬化の段階で前記切断位置より軸部20側に巻き付けられた樹脂含浸繊維束が除去される。
【0037】
その後、成形品32は加熱炉に入れられ、所定の温度で樹脂が硬化される。加熱硬化後、繊維束被巻付け部13a,14aとカバー部19の大径側の端との間に対応する位置に設けられた溝17の箇所で切断される。切断は、同じくカッター33により行われる。次に、両治具18が取り外されることにより、被巻付け部材15の外周面15a上に筒部材12が形成されるとともに、筒部材12の端部に第1及び第2の端部部材13,14が結合されたFRP製のプロペラシャフト11が完成する。治具18を取り外す場合、第1の端部部材13側ではナット24を緩めて支持部22から取り外す。第2の端部部材14の場合は、ボルト23の雄ねじ23aと第2の端部部材14のねじ穴14eとの螺合を解除した後、取り外す。
【0038】
次に、プロペラシャフト11の回転バランスの検査が行われる。作業者により、図示しない回転バランス装置のチャックにプロペラシャフト11が支持された状態にセットされる。そして、回転バランス装置はプロペラシャフト11を回転させて回転バランスを計測する。この際、プロペラシャフト11の回転バランスが規格内の場合(回転バランスが良い場合)、バランスピースBを取り付けることなく、最終的な製品として完成する。一方、回転バランスが規格外の場合(回転バランスが悪い場合)、バランスピースBが溶接により溝17に取り付けられて回転バランスが調節される。これにより、最終的な製品として完成する。
【0039】
この実施の形態では以下のような効果を有する。
(1)端部部材13,14は、膨出部13b,14bの外周面にバランスピースBが突出しない幅及び深さの環状の溝17を備えている。このため、溝17にバランスピースBを取り付けても端部部材13,14からバランスピースBが突出することがない。従って、プロペラシャフト11が搬送される場合や、実際に車両に組み付けられて使用される場合に、バランスピースBに異物が当たることを低減し、それによりバランスピースBが損傷することを低減できる。また、環状に形成されているため、バランスピースBを取り付ける際に位置が制限されず、容易に回転バランスを取ることできる。
【0040】
(2)端部部材13,14の繊維束被巻付け部13a,14aと継手部13c,14cとの間の膨出部13b,14bには環状の溝17が形成されている。このため、溝17の位置で成形品32を切断することで、端部部材13,14を傷つけることなく容易に成形品32を切断することができる。従って、溝17はバランスピースBを取り付けるための機能を備えるとともに、切断時に端部部材13,14を傷つけることなく容易に成形品32を切断可能とする機能も併せて備えている。
【0041】
(3)繊維束被巻付け部13a,14aの端面13f,14fが溝17の一方の側壁を構成している。このため、繊維束被巻付け部13a,14aに筒部材12が形成された際、筒部材12の端面よりバランスピースBが内側に位置する。このため、筒部材12の端によってもバランスピースBが保護され、より損傷することを低減できる。
【0042】
(4)筒部材12を構成する繊維束のうち最内層を構成する全ての繊維束は、第1及び第2の端部部材13,14の外周面に形成された係止部(セレーション16)に沿って配列されるように巻き付けられている。このため、筒部材12は第1及び第2の端部部材13,14に対する周方向への相対移動が規制され、回転トルクの伝達が良い。また、全長にわたって樹脂含浸繊維束が連続しており、切断されていないため、回転トルクの伝達が良い。
【0043】
(5)係止部はセレーション16で構成されている。従って、複数の凸条をセレーション16と異なり規則性のない状態で設ける場合に比較して、前記係止部の加工が容易となる。
【0044】
(6)治具18で繊維束を折り返して樹脂含浸繊維を巻き付けた。このため、従来技術の特許文献2と異なり端部部材に軸部を設ける必要がなく、ヨークタイプの端部部材を使用することができる。
【0045】
(第2の実施の形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態について図6を参照して説明する。なお、本実施の形態は、前記第1の実施の形態のプロペラシャフトと製造方法が異なり、継手の構造も異なる。
【0046】
図6はFRP製プロペラシャフトの模式部分断面図である。プロペラシャフト40は、FRP製パイプ41と、その両端部(片側のみ図示)に内嵌接合された金属製のヨークタイプの継手42とを備えている。
【0047】
継手42は、FRP製パイプ41の端部に内嵌接合される結合部42aと、該結合部42aから膨出した膨出部42bと、該膨出部42bから突出した一対の継手部42cとを備える。継手部42cには、自在継手(例えば十字軸式ジョイント)を取り付けるための孔42dが形成されている。FRP製パイプ41と継手42とは、継手42の結合部42aがFRP製パイプ41の端部に圧入されることで結合されている。
【0048】
FRP製パイプ41は、継手42との結合部が肉厚に形成されている。FRP製パイプ41はフィラメントワインディング法(FW法)によって製造される。図示しないFW装置により樹脂含浸繊維がマンドレル(芯材)に巻き付けられて筒部材が成形された後、樹脂が熱硬化され、その後、マンドレルが抜き取られることによってFRP製パイプ41が製造される。
【0049】
結合部42aにはその外周面に、軸方向と平行に延びる歯を有するセレーション43が形成されている。セレーション43の歯は周方向に一定ピッチで形成され、その断面形状はほぼ三角形状である。
【0050】
継手42は、結合部42aと継手部42cとの間の膨出部42bの外周面に環状の溝44を備える。溝44は、バランスピースBが突出しない幅及び深さに形成されており、必要によりその溝17内にバランスピースBが例えば溶接により取り付けられる。また、膨出部42bの外周面には溝44とは別に環状の溝45が形成されている。結合部42aの端面42eは溝45の一方の側壁を構成している。溝45にはシール材としての環状のシールリング46が嵌められている。シールリング46は弾性体で構成され、この実施の形態ではゴム製である。シールリング46は溝45の側壁42fとFRP製パイプ41の端面との間に挟持され、シールリング46はFRP製パイプ41の端面に当接した状態である。
【0051】
次に前記のように構成されたプロペラシャフトの製造方法について説明する。まず、継手42の溝45にシールリング46が嵌められる。そして、この状態の継手42とFRP製パイプ41とを接合する。接合の際は、FRP製パイプ41を固定し、FRP製パイプ41と継手42とを芯出しした状態で、工具を用いてFRP製パイプ41の端部に継手42の結合部42aを圧入する。継手42の結合部42aが圧入されるとき、セレーション43の歯がFRP製パイプ41の内周面に軸方向に延びる溝を刻設しながら、セレーション43がFRP製パイプ41内に進入する。これにより、継手42のセレーション43の歯が溝に食い込み、FRP製パイプ41と継手42とが高い強度で接合される。FRP製パイプ41の両端部に継手42が接合されてプロペラシャフト40が製造される。
【0052】
また、継手42が圧入されることでシールリング46が側壁42fとFRP製パイプ41の端面とに挟持される。弾性体で構成されるシールリング46は、この押圧力により形状を変化させながら、FRP製パイプ41の端面に当接する。
【0053】
次に、前記第1の実施の形態と同様にして、回転バランスが取られる。この際、回転バランスが規格外の場合、溶接によりバランスピースBが溝44に取り付けられる。
【0054】
この実施の形態では第1の実施の形態の効果(1)と同様の効果を有する他に以下のような効果を有する。
(7)結合部42aの端面42eは溝45の一方の側壁を構成しており、その溝45にシールリング46が嵌められている。このため、継手42の接合時に、FRP製パイプ41の端面にシールリング46が当接した状態で継手42が圧入接合され、FRP製パイプ41の端から水分が侵入することを防止できる。また、継手42の圧入の際に、シールリング46は、側壁42fとFRP製パイプ41の端面とにより挟持されるため、確実にFRP製パイプ41の端面に当接する。
【0055】
(8)シールリング46は溝45に嵌められているため、軸方向への移動が規制され、継手42の圧入時に外れ難い。
なお、実施の形態は上記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
【0056】
○第1の実施の形態において、溝17の両側に位置する膨出部13b,14bの外周面13g,14gとセレーション16の溝の底とは、端部部材13,14の軸心からの距離が同じに形成されていた。これに限らず、図7(図7では、端部部材13側のみ図示)に示すように、セレーション16の溝の底より外周面13gが内側に位置する構成でもよい。この構成の場合、樹脂含浸繊維束が巻き付けられる際に、繊維束被巻付け部13aから膨出部13bの外周面13gにかけて、樹脂含浸繊維が繊維束被巻付け部13aの端面13fの一部を覆うように巻き付けられる。そして、樹脂を硬化した後、溝17の位置において切断することで、繊維束被巻付け部13aの端面13fの一部を覆うように内側に曲がった筒部材12が形成される。なお、端部部材14においても同様である。このため、端部部材13,14が抜けにくくなる。
【0057】
○第1の実施の形態では、端部部材13,14が備える溝17の位置で成形品32を切断することで、切断を容易にするとともに、端部部材13,14を傷つけないようにしていた。この同様の目的を達成するものとして以下に示すような構成も考えられる。図8(図8では端部部材13側のみ図示)に示すように、端部部材13が繊維束被巻付け部13aから膨出部13bにかけて一段下がる形状の段部48を備える構成とする。この構成の場合、樹脂含浸繊維束が繊維束被巻付け部13aと治具18との間に巻き付けられる際に、樹脂含浸繊維束が段部48の箇所において空間を形成した状態で巻き付けられる。このため、その空間が形成されている段部48において切断することで端部部材13を傷つけることなく、容易に切断することが可能となる。また、樹脂含浸繊維束は、段部48により端部部材13の端面13fの一部を覆うように巻き付けられる。このため、樹脂を硬化した後、段部48において切断することで、繊維束被巻付け部13aの端面13fの一部を覆うように内側に曲がった筒部材12が形成される。なお、端部部材14においても同様である。このため、端部部材13,14が抜けにくくなる。
【0058】
○第1の実施の形態において、係止部はセレーション16に限らない。最内層のヘリカル巻を構成する繊維束の配列を案内するように規則的に配列された複数の凸部であってもよく、その数も特に限定されない。また、繊維束の配列方向に沿って延びる複数の凸条であってもよく、その数も特に限定されない。これらによっても、筒部材12は、第1及び第2の端部部材13,14に対する周方向への相対移動が規制されるため、回転トルクの伝達が良い。
【0059】
○第1の実施の形態において、筒部材12の最内層を構成し、互いに交差せずに配列される繊維束は、ヘリカル巻に限らず、フープ巻であってもよい。この場合、第1及び第2の端部部材13,14の繊維束被巻付け部13a,14aの外周面に形成される係止部として、ねじ状の溝が形成される。また、フープ巻の範囲はFRP製の筒部材12の全長にわたってもよいし、繊維束被巻付け部13a,14aを覆う部分のみでもよい。
【0060】
○第1の実施の形態において、セレーション16の歯の高さ、即ち溝の深さは1層分の繊維束の厚さとほぼ同じに限らず、最内層の繊維束の厚さの1/4層程度〜1層分あれば十分である。
【0061】
○第1の実施の形態のように治具18を使用して、一層分の複数本の繊維束を同時に被繊維束巻付け部材に対してヘリカル巻で巻き付けるのではなく、一般的なFW装置を用いて一本の樹脂含浸繊維をフィラメントワインディング法によりヘリカル巻で巻き付けて製造してもよい。この場合、係止部としてピン等の凸部を設ける。
【0062】
○第1の実施の形態においては、FW装置により樹脂含浸繊維束を巻き付けて、硬化した後、溝17の位置で成形品32を切断していたが、樹脂の硬化前に溝17の位置で樹脂含浸繊維束を切断してもよい。この場合、樹脂含浸繊維束を巻き付けた後にそのまま切断すると、まだ樹脂が硬化していないため繊維が乱れる。このため、硬化前に切断する際には、切断する箇所にテープを巻き付け、その巻き付けた状態でテープごと樹脂含浸繊維を溝17の位置において切断する。そして、加熱炉で樹脂を硬化させた後、テープの除去を行う。
【0063】
○第1の実施の形態において、溝17は繊維束被巻付け部13a,14aを除く部分の膨出部13b,14bに形成され、繊維束被巻付け部13a,14aの端面13f,14fが溝17の一方の側壁を構成していた。これに限らず、継手部13c,14cと繊維束被巻付け部13a,14aとの間の膨出部13b、14bに備えられているなら溝17の位置は特に限定されない。
【0064】
○第1実施形態において、第2の端部部材14に取り付ける治具18の芯出しは、カバー部19の端部内面を、膨出部14bの継手部14c側に形成された段部に嵌合することにより行う構成に代えて、継手部14cの軸部が治具18の軸部20の内面と嵌合することで芯出しが行われる構成としてもよい。
【0065】
○治具18と端部部材13,14とを固定する方法は、上記実施の形態に限らない。例えば、第1の端部部材13を固定する方法として、カバー部19にヨークタイプの継手部13cに形成されている孔13eと対応する孔を形成する。そして、カバー部19が膨出部13bの継手部13c側に形成された段部と嵌合した状態で、その孔及び孔13eが対応し、その状態で孔及び孔13eを貫通するようにピンを挿入して、治具18と第1の端部部材13とを固定してもよい。
【0066】
また、第2の端部部材14と治具18とを固定する場合、継手部14cのシャフト部にねじ穴14eを設けずに、第2の端部部材14と治具18とを固定する補助部材を使用する。補助部材は板材の両端が直角に折り曲げられて形成され、継手部14cのシャフト部の中間位置に形成された溝部に係止される係止部が一端に形成され、ボルト23の雄ねじ23aが螺合されるねじ孔が他端に形成されている。そして、係止部が前記溝部に係止されて第2の端部部材14に固定された状態で、ボルト23の雄ねじ23aがねじ孔に螺合されることにより第2の端部部材14と治具18とが固定される。
【0067】
○第1及び第2の実施の形態において、バランスピースBを取り付ける溝17,44は環状に形成されていたが、例えば、バランスピースの大きさの溝が周方向に沿って複数設けられている構成であってもよく、特に溝の形状については限定されない。
【0068】
○第2の実施の形態において、図9に示すように、結合部42aの端面42eが一方の側壁を構成する溝47のみを継手42が備える構成であってもよい。この場合、予めセレーション43の溝に例えば液状のシール材を塗布した状態で継手42を圧入接合し、セレーション43の溝とFRP製パイプ41との隙間を埋める。そして、溝47にバランスピースBを取り付ける。
【0069】
○第2の実施の形態のように溝45に配設するシール材はシールリング46に限らない。例えば、ゲル状のシール材であってもよく、溝45に沿って配設し、その状態で継手42が圧入接合されることで、FRP製パイプ41の端面にゲル状のシール材が当接し、水分の侵入を防止する。
【0070】
○第2の実施の形態において、継手部42cの形状はヨークタイプに限らず、滑り継手に対応した形状としてもよい。
○第2の実施の形態において、FRP製パイプ41の製造方法はフィラメントワインディング法に限定されない。例えばシートワインディング法を採用することもできる。FRP製パイプ41がプロペラシャフトの部品として使用されるときに必要な特性を満足できるようにFRP製パイプ41を製造できれば、製造方法は特に限定されないが、フィラメントワインディング法が好ましい。
【0071】
○第2の実施形態のようにバランスピースBを取り付ける目的の溝44を継手42に設けるのではなく、シール材を配設する目的として結合部42aの端面が一方の側壁を構成する溝45を設けてもよい。この溝45にシールリング46が取り付けられる構成とする。この構成によれば、バランスピースを取り付けることはできなくなるが、シール材により水分の侵入を防止することができる。
【0072】
次に、上記各実施の形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。(1)一端に結合部が設けられ、該結合部を除く部分の外周面に環状の段部を備えているとともに、前記結合部の外周面に係止部を備える動力伝達シャフト用継手をFRP製の筒部材の両端に備える動力伝達シャフトであって、前記動力伝達シャフト用継手は前記結合部の外周面に係止部を備え、前記筒部材の強化繊維は前記外周面において前記動力伝達シャフト用継手に巻き付けられ、前記強化繊維を構成する繊維束は、同一層においては互いに平行に配列されており、かつ全長にわたって連続している動力伝達シャフト。
【0073】
(2)前記係止部は、前記繊維束の配列を案内するように規則的に配列された複数の凸部で構成されている請求項5又は前記技術的思想(1)に記載の動力伝達シャフト。
【0074】
(3)前記筒部材の強化繊維は複数の層を形成するように前記外周面において前記動力伝達シャフト用継手に巻き付けられ、前記係止部は、前記強化繊維を構成する前記繊維束のうち最内層の繊維束の配列方向に沿って延びる複数の凸条で構成されている請求項5及び前記技術的思想(1),(2)のいずれか一項に記載の動力伝達シャフト。
【0075】
(4)前記係止部は前記最内層の繊維束の配列方向に沿って延びるセレーションである請求項5及び前記技術的思想(1)〜(3)のいずれか一項に記載の動力伝達シャフト。
【0076】
(5)前記筒部材はその端部が前記結合部の端面の一部を覆うように曲がった状態で成形されている請求項5及び前記技術的思想(1)〜(4)のいずれか一項に記載の動力伝達シャフト。
【0077】
(6)FRP製の筒部材の両端に動力伝達シャフト用継手が結合された動力伝達シャフトの製造方法であって、
外周面に係止部が形成された繊維束被巻付け部と、前記繊維束被巻付け部を除く部分に環状の溝又は段部とを備える動力伝達シャフト用継手を筒状の被巻付け部材の両端に取り付け、前記動力伝達シャフト用継手の前記繊維束被被巻付け部を除いた箇所を覆うカバー部を備えた治具を前記動力伝達シャフト用継手に対して前記被巻付け部材との結合側と反対側から取り外し可能に連結し、前記治具を介してフィラメントワインディング装置の回転支持部に一体回転可能に支持し、その状態でフィラメントワインディングを行った後、巻き付けられた樹脂含浸繊維束を前記溝又は段部の位置で硬化前又は硬化後に切断し、前記治具と動力伝達シャフト用継手との連結を解除して前記治具を取り外す動力伝達シャフトの製造方法。
【0078】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、溝にバランスピースを取り付けることによりバランスピースが損傷することを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態のFRP製プロペラシャフトの模式断面図。
【図2】第1の端部部材、第2の端部部材、被巻付け部材及び治具の関係を示す模式分解斜視図。
【図3】第1の端部部材、第2の端部部材、被巻付け部材及び治具が組み付けられた状態の一部破断模式断面図。
【図4】巻付けヘッドの模式図。
【図5】成形品の切断位置を示す模式断面図。
【図6】第2の実施の形態のFRP製プロペラシャフトの模式部分断面図。
【図7】端部部材及び成形品の切断位置を示す模式部分断面図。
【図8】端部部材及び成形品の切断位置を示す模式部分断面図。
【図9】FRP製プロペラシャフトの模式部分分解図。
【図10】従来のFRP製プロペラシャフトの分解部分断面図。
【図11】(a)及び(b)は従来のFRP製プロペラシャフトの製造方法を示す模式図。
【符号の説明】
R…繊維束、11…動力伝達シャフトとしてのFRP製プロペラシャフト(プロペラシャフト)、12…筒部材、13,14…動力伝達シャフト用継手としての端部部材、13a,14a…結合部としての繊維束被巻付け部、13b、14b…膨出部、13f,14f…端面、16…係止部としてのセレーション、17…溝、40…動力伝達シャフトとしてのFRP製プロペラシャフト(プロペラシャフト)、41…筒部材としてのFRP製パイプ、42…動力伝達シャフト用継手としての継手、42a…結合部、42b…膨出部、42e…端面、43…セレーション、44…溝。

Claims (5)

  1. 一端に結合部が設けられ、該結合部がFRP製の筒部材と結合した状態で取り付けられる動力伝達シャフト用継手であって、
    前記結合部を除く部分の外周面に溝を備えている動力伝達シャフト用継手。
  2. 前記溝は環状に形成されている請求項1に記載の動力伝達シャフト用継手。
  3. 前記結合部の端面が前記溝の一方の側壁を構成している請求項1又は請求項2に記載の動力伝達シャフト用継手。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の動力伝達シャフト用継手がFRP製の筒部材の両端に圧入接合されている動力伝達シャフトであって、
    前記動力伝達シャフト用継手は、前記結合部の外周面に該結合部の軸方向と平行に延びるセレーションを備えている動力伝達シャフト。
  5. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の動力伝達シャフト用継手をFRP製の筒部材の両端に備える動力伝達シャフトであって、
    前記動力伝達シャフト用継手は前記結合部の外周面に係止部を備え、前記筒部材の強化繊維は前記外周面において前記動力伝達シャフト用継手に巻き付けられ、前記強化繊維を構成する繊維束は、同一層においては互いに平行に配列されており、かつ全長にわたって連続している動力伝達シャフト。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007071124A (ja) * 2005-09-07 2007-03-22 Tokai Rubber Ind Ltd ファンボス
CN102011790A (zh) * 2010-12-16 2011-04-13 上海汽车改装厂有限公司 一种工程机械车辆的传动轴改制方法
JP2020138364A (ja) * 2019-02-27 2020-09-03 株式会社ショーワ 動力伝達軸に用いられる管体の製造方法

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