JP2004293562A - センサ付転がり軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】センサ付転がり軸受装置のセンサ保持部の外リング35の小径部38に、センサ付転がり軸受装置の外輪12の内周面に形成された取り付け溝18に係合する複数の突起38Aと、この突起38Aの間に位置する切欠き31とを形成する。外輪12の取り付け溝18に、外リング35の突起38Aを係合させたので、外輪12を外リング35に確実に固定できる。また、切欠き31を形成して外リング35の剛性を下げたので、外輪12に外リング35を取り付けるときに、突起38Aを一時的に径方向の内側に撓ませることができて、突起38Aが破損したり変形したりすることを防止できる。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、電気モータ、ロボット、あるいは自動車における種々の回転部品に使用するセンサ付転がり軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、センサ付転がり軸受装置としては、特開平10−132603号公報(特許文献1)に示されたものがある。このセンサ付転がり軸受装置は、軸受部と、センサ保持部と、エンコーダ保持部とを有する。上記軸受部は、外輪と、内輪と、外輪と内輪との間で周方向に所定間隔を隔てて複数配置された玉とを備える。
【0003】
一方、上記センサ保持部は、磁気センサ保持部材と、この磁気センサ保持部材の径方向の内側に取り付けられた磁気検出センサと、上記磁気センサ保持部材の軸受部側の端部の外面に取り付けられた円環状部材とから成る。
【0004】
このセンサ付転がり軸受装置は、上記円環状部材の軸方向の先端部が上記外輪の内周側に設けられた段部に突き当たるまで、上記円環状部材を上記外輪の内周面に軸方向に押し込んで、上記円環状部材の外周面を上記外輪の内周面に嵌合させて、上記センサ保持部を上記外輪に取り付けている。
【0005】
このセンサ付転がり軸受装置は、上記内輪に取り付けられた上記エンコーダ保持部のエンコーダの磁束密度の変化を、上記外輪に取り付けられた磁気センサ保持部材に取り付けられた磁気検出センサで受けて、上記内輪に対する外輪の回転速度や相対回転角度を測定している。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−132603号公報(第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1のセンサ付転がり軸受装置では、上記磁気センサ保持部材の外面を構成する円環状部材の外周面を、ただ上記外輪の内周面に嵌合させるだけで、上記センサ保持部を外輪に固定しているので、上記センサ保持部が上記外輪に対して移動したり上記外輪から外れたりし、上記センサ保持部を、上記外輪に確実かつ安定に固定することが難しいという問題がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、センサ保持部を軌道輪に確実に固定できるセンサ付転がり軸受装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明のセンサ付転がり軸受装置は、
転動体と、上記転動体が転動する軌道面を有する軌道輪と、センサと、このセンサを保持するセンサ保持部とを有するセンサ付転がり軸受装置であって、
上記軌道輪の軌道面側周面に、取り付け溝を備え、
上記センサ保持部は、上記取り付け溝を備えた方の軌道輪の円周面に嵌合する嵌合面を有する円環状部材を備え、
上記円環状部材は、半径方向に突出して、上記取り付け溝に係合する複数の突起と、上記複数の突起の間に位置するように設けられた切欠きとを有していることを特徴としている。
【0010】
上記請求項1の発明のセンサ付転がり軸受装置によれば、上記センサ保持部の上記嵌合面を、上記取り付け溝を備えた方の軌道輪の円周面に嵌合させると共に、上記センサ保持部の円環状部材に設けられて半径方向に突出している上記複数の突起を、上記軌道輪の円周面に形成された取り付け溝に係合させて、上記センサ保持部を軌道輪に固定するので、上記センサ保持部を上記軌道輪に安定かつ確実に固定できる。
【0011】
また、上記請求項1の発明のセンサ付転がり軸受装置によれば、上記突起の間に位置するように切欠きを設けたので、上記センサ保持部を上記軌道輪に取り付けるとき、上記円環状部材の切欠きの周辺部が、上記円環状部材の外周面の外径を小さくするように撓んで、上記突起が、上記軌道輪の上記取り付け溝の反転動体側に連なる円周面を乗り越え易くなる。したがって、円環状部材の剛性が大きくて円環状部材が変形しにくい場合でも、上記切欠きで円環状部材の剛性を下げることができて、上記突起が上記取り付け溝の反転動体側に連なる円周面を乗り越えるときに変形したり破損したりすることがない。したがって、突起の破損や変形によるセンサ保持部の軌道輪に対する抜け抑止力の低下を防止できる。
【0012】
また、請求項2の発明のセンサ付転がり軸受装置は、請求項1に記載のセンサ付転がり軸受装置において、上記切欠きを、上記円環状部材の中心軸を含む平面に関して、この平面の片側のみに複数個設けたことを特徴としている。
【0013】
上記請求項2の発明のセンサ付転がり軸受装置によれば、上記切欠きを、上記円環状部材の中心軸を含む平面に関して、この平面の片側のみに複数個設けたので、上記平面の片側に位置する上記複数個の切欠きが設けられた上記円環状部材の部分の剛性を、上記平面の反対側に位置する切欠きが設けられていない上記円環状部材の部分の剛性よりも意図的に小さくできる。したがって、上記円環状部材の上記平面の反対側に位置する剛性が大きい部分を、先に外輪の内周面に嵌め込んだ後、上記円環状部材の上記平面の片側に位置する剛性が小さい部分を、撓ますようにして外輪の内周面に嵌め込んで、上記円環状部材を上記外輪に嵌め込むようにすれば、たとえ切欠きの数が少ない場合でも、上記突起を破損させずに上記円環状部材を上記外輪に円滑に嵌め込める。したがって、切欠きの総数を減らすことができるので、切欠きの形成コストを低減できると共に、円環状部材の剛性の必要以上の低下を防止できる。
【0014】
また、請求項3の発明のセンサ付転がり軸受装置は、請求項1または2に記載のセンサ付転がり軸受装置において、上記センサは、エンコーダリングとの相対変位に基いて回転を検出する回転センサであり、上記エンコーダリングは、上記円環状部材が嵌合している軌道輪に対向する他方の軌道輪側に固定するとともに、上記センサにエンコーダが対向するように配置されていることを特徴としている。
【0015】
上記請求項3の発明のセンサ付転がり軸受装置によれば、上記他方の軌道輪側に固定しているエンコーダリングにおける上記センサに対向する位置にエンコーダを配置したので、上記他方の軌道輪に嵌合している上記エンコーダリングのエンコーダの磁束密度の変化を、上記円環状部材が嵌合している軌道輪に対して静止している回転センサとなっている磁気センサで受けることができて、回転センサのエンコーダに対する相対位置を精密に計測できる。したがって、回転センサのエンコーダに対する精密な相対位置に基づいて、上記他方の軌道輪に対する上記円環状部材が嵌合している軌道輪の回転速度や相対回転角度、回転総数等の回転を精密に測定できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0017】
(第1実施形態)
図1は、この発明の第1実施形態のセンサ付転がり軸受装置の軸方向の断面図である。
【0018】
このセンサ付転がり軸受装置は、転がり軸受部1と、センサ保持部2とを備える。
【0019】
上記転がり軸受部1は、外輪12と、内輪13と、外輪12と内輪13との間で周方向に所定間隔を隔てて複数配置された転動体としての玉11とを備える。上記外輪12の内周円筒面12Aの一端部には、環状の取り付け溝18が形成されている。
【0020】
一方、上記センサ保持部2は、断面略コ字形状の樹脂モールド部26と、この樹脂モールド部26の環状凹部27の径方向の外側の周面に嵌め込まれた回転センサである磁気センサ22と、樹脂モールド部26の外周面を覆うように配置された円環状部材の一例としての外リング5と、樹脂モールド部26の端面と内周面を覆うように配置されたカバーリング7とを備える。
【0021】
上記磁気センサ22は、例えば、MR(磁気抵抗)素子またはホール素子等の半導体磁気センサ素子またはコイル部材から成り、磁気センサ22のセンサ面22Aは、樹脂モールド部26から露出して径方向内方を向いている。また、上記樹脂モールド部26の環状凹部27には、内輪13の外周面13Aの端部に基部6Aが嵌合して固定されたエンコーダリング6の大径筒部6Bが、大径筒部6Bの一方の表面をセンサ面22Aに対して対向させた状態で配置されている。上記大径筒部6Bの上記表面には、センサ面22Aに対向するように、エンコーダとしての磁気リング28が取り付けられている。
【0022】
上記外リング5は、軸方向内方の小径筒部8と、軸方向外方の大径筒部15と、小径筒部8と大径筒部15をつなぐ円板部16とから成る。尚、この実施形態においては、円板部16の径方向の寸法は実際には非常に小さく、図1においては、円板部16が誇張されている。上記小径筒部8は、取り付け溝18の反転動体側に連なる外輪12の円周面12Cに嵌合する嵌合面8Bと、この嵌合面8Bの先端に連なる円環状部に周方向に間隔を隔てて設けられて、半径方向に突出する複数の突起8Aとを有している。この突起8Aの高さは、その先端が取り付け溝18の底部に接する高さに設計されており、突起8Aは、取り付け溝18に強固に係合している。また、上記嵌合面8Bとそれに連なる上記円環状部は、背後の樹脂モールド部26によって支持されて撓まないようになっている。このことによって、上記外リング5の円板部16と、外輪12の軸方向の端面12Bとの密接を確実に維持して、磁気センサ22を高精度に位置決めしている。また、外リング5の大径筒部15の外周面には、ワイヤハーネス21が固定されている。このワイヤハーネス21は、大径筒部15の周方向の所定位置に形成されている開口(図示せず)を経由して、磁気センサ22に接続されている。
【0023】
尚、転がり軸受部1の上記玉11の反センサ保持部2側の端部には、シール部材14が配置されている。このシール部材14は、外輪12および内輪13の軌道面や玉11を外部に対してシールしている。
【0024】
図2は、上記第1実施形態のセンサ付転がり軸受装置の外リング5の側面図である。
【0025】
この第1実施形態のセンサ付転がり軸受装置では、図2に示すように、上記大径筒部15と突起8Aの間の嵌合面(図1では8Bで示す)を延長することによって上記円環状部を形成し、上記嵌合面の外径と上記円環状部の外径とが、同じになっている。また、上記突起8Aを、例えば、プレス板をプレス加工することによって、図2に示すように断面矩形状に形成し、上記円環状部材の周方向に等間隔に10個配置している。また、外リング5の小径筒部8の複数の突起8A,8Aの間に、周辺部の形状が円弧状の切欠き29を、図2に示す側面側に二つ、また、図2に示す側と反対側の図示しない側面に、紙面に対して面対称に二つ、都合四つ形成している。これら四つの切欠き29の内の任意の隣接する切欠き29,29の間には、必ず突起18Aが存在するようになっている。
【0026】
この第1実施形態のセンサ付転がり軸受装置では、外輪12に対して内輪13が相対回転して磁気リング28が磁気センサ22に対して相対回転すると、磁気センサ22が、磁気リング28の磁束密度の変化を検出して、その変化に応じてパルス信号をワイヤハーネス21に伝送するようになっている。そして、上記パルス信号に基づいて、磁気リング28に対する磁気センサ22の相対位置が高精度に測定され、外輪12に対する内輪13の相対速度や相対回転角度、回転総数等の回転が測定されるようになっている。
【0027】
上記第1実施形態のセンサ付転がり軸受装置によれば、センサ保持部2の上記嵌合面を、外輪12の取り付け溝18の反玉11側に連なる円周面12Cに嵌合させると共に、センサ保持部2の外リング5の円環状部の複数の突起8Aを、外輪12の内周円筒面12Aに形成された取り付け溝18に係合させて、センサ保持部2を外輪12に固定するので、センサ保持部2を外輪12に安定かつ確実に固定できる。
【0028】
また、上記第1実施形態のセンサ付転がり軸受装置によれば、複数の突起8A,8Aの間に位置するように切欠き29を設けたので、センサ保持部2を外輪12に取り付けるとき、外リング4の切欠き29の周辺部が、外リング5の外径を小さくするように撓んで、突起8Aが、外輪12の取り付け溝18の反玉11側に連なる円周面12Cを乗り越え易くなる。したがって、外リング5の剛性が大きくて外リング5が変形しにくい場合でも、切欠き29で外リング5の剛性を下げることができて、突起8Aが取り付け溝18の反玉11側に連なる円周面12Cを乗り越えるときに変形したり破損したりすることがない。したがって、突起の破損や変形によるセンサ保持部2の外輪12に対する抜け抑止力の低下を防止できる。
【0029】
また、上記第1実施形態のセンサ付転がり軸受装置によれば、内輪13に嵌合しているエンコーダリング6における磁気センサ22に対向する位置に、エンコーダとしての磁気リング28を配置したので、内輪13に嵌合しているエンコーダリング6の磁気リング28の磁束密度変化を、外輪12に対して静止している回転センサとしての磁気センサ22で受けることができて、磁気センサ22の磁気リング28に対する相対位置を精密に計測できる。したがって、磁気センサ22の磁気リング28に対する精密な相対位置に基づいて、外輪12に対する内輪13の回転速度等の回転を精密に測定できる。
【0030】
尚、上記第1実施形態のセンサ付転がり軸受装置では、センサ保持部1に、回転センサとしての磁気センサ22を取り付けたが、この発明のセンサ付転がり軸受装置では、センサ保持部に、回転センサの代わりに振動センサ、温度センサまたは圧力センサ等他のセンサを取り付けても良い。また、この発明のセンサ付転がり軸受装置では、センサ保持部に、回転センサ、振動センサ、温度センサまたは圧力センサ等のセンサの内の2つ以上のセンサを取り付けても良い。
【0031】
また、上記第1実施形態のセンサ付転がり軸受装置では、外輪12に環状の取り付け溝18を形成したが、この発明のセンサ付転がり軸受装置では、環状でない取り付け溝、すなわち、軌道輪の軌道面側の表面に、周方向に離間した複数個の取り付け溝を形成しても良い。
【0032】
また、上記第1実施形態のセンサ付転がり軸受装置では、円環状部材の一例としての外リング5の小径筒部8から突出する突起18Aを、断面矩形状に形成したが、この発明のセンサ付転がり軸受装置では、円環状部材から突出する突起を、断面円形状や断面楕円形状や断面多角形状等の断面矩形状以外の形状に形成しても良い。
【0033】
また、上記第1実施形態のセンサ付転がり軸受装置では、円環状部材の一例としての外リング5の突起18Aを、小径筒部8の外周面に周方向に等間隔に10個形成したが、この発明のセンサ付転がり軸受装置では、突起を、円環状部材の外周面に周方向に等間隔に10個以外の複数個形成しても良い。また、この発明のセンサ付転がり軸受装置では、突起を、円環状部材の外周面に等間隔でない間隔で周方向に複数個形成しても良く、周方向に連続した1つの環状の突起を、円環状部材の外周面に形成しても良い。
【0034】
また、上記第1実施形態のセンサ付転がり軸受装置では、円環状部材の一例としての外リング5の小径筒部8の突起18Aの間に、周辺部の形状が円弧状の切欠きを形成したが、この発明のセンサ付転がり軸受装置では、円環状部材の突起の間に、周辺部の形状が半円状、半矩形状、半楕円状、V字状または四角状等の周辺部の形状が円弧状以外の切欠きを形成しても良い。
【0035】
また、上記第1実施形態のセンサ付転がり軸受装置では、小径筒部8の突起18Aの間に、隣接する突起18A,18A間に複数の切欠き29を形成しない状態で、四つの切欠き29を形成したが、この発明のセンサ付転がり軸受装置では、円環状部材の突起の間に、隣接する突起間に複数の切欠きを形成しない状態で、一つまたは四つ以外の複数個の切欠きを形成しても良い。また、この発明のセンサ付転がり軸受装置では、円環状部材の隣接する突起間に、複数個の切欠きを形成しても良い。
【0036】
また、上記第1実施形態のセンサ付転がり軸受装置では、外輪12の内周側に形成した取り付け溝18に、センサ保持部2の外リング5の突起18Aを係合させて、センサ保持部2を外輪12に取り付けたが、この発明のセンサ付転がり軸受装置では、外輪の外周面、内輪の外周面または内輪の内周面に形成した取り付け溝に、センサ保持部の円環状部材の突起を係合させて、センサ保持部を外輪または内輪に取り付けても良い。
【0037】
(第2実施形態)
図3に、第2実施形態のセンサ付転がり軸受装置が備える外リング35の側面図を示す。第2実施形態のセンサ付転がり軸受装置は、図2に示す第1実施形態のセンサ付転がり軸受装置の円環状部材としての外リング15を、図3に示す円環状部材としての外リング35に取り換えたところのみが、第1実施形態のセンサ付転がり軸受装置と異なる。
【0038】
この第2実施形態のセンサ付転がり軸受装置では、第1実施形態のセンサ付転がり軸受装置と共通の構成、作用効果および変形例については、説明を省略し、第1実施形態のセンサ付転がり軸受装置と異なる構成、作用効果および変形例についてのみ説明を行うことにする。
【0039】
上記第2実施形態のセンサ付転がり軸受装置では、外リング35の小径筒部38の外周面に周方向に等間隔に、断面矩形状の突起38Aを10個形成している。また、外リング35の小径筒部38の複数の突起38Aの間に、周辺の形状が円弧状の切欠き31を、図2に示す側面側に一つ、また、図2に示す側と反対側の図示しない側面に、紙面に対して面対称に一つ、都合二つ形成している。上記二つの切欠き31を、外リング35の中心軸を含み、かつ、図3において外リング35を上下に分断する平面Aに関して、この平面Aの上部側のみに形成している。
【0040】
図4は、図3に示す第2実施形態のセンサ付転がり軸受装置の外リング35を、外輪12に嵌め込むときの説明図である。
【0041】
図4に示すように、図3に示す平面Aの片側の切欠きが形成されない剛性が大きい部分に存在している突起38Aを、先に外輪12の内周面の取り付け溝18に係合させるように、上記剛性が大きい部分を、外輪12の内周面に嵌め込んだ後、図3に示す平面Aの片側の切欠きが形成されている剛性が小さい部分に存在している突起38Aを、外輪12の内周面の取り付け溝18に係合させるように、上記剛性が小さい部分を、撓ますようにして外輪12の内周面に嵌め込んで、第2実施形態のセンサ付転がり軸受装置の外リング35を、外輪12へ嵌め込んでいる。
【0042】
上記第2実施形態のセンサ付転がり軸受装置によれば、切欠き31を、外リング35の中心軸を含む平面Aに関して、この平面Aの片側のみに二個設けたので、平面Aの片側に位置する二個の切欠き31が設けられた外リング35の部分の剛性を、平面Aの反対側に位置する切欠き31が設けられていない外リング35の部分の剛性よりも意図的に小さくできる。したがって、外リング35の平面Aの反対側に位置する剛性が大きい部分を、先に外輪12の内周面に嵌め込んだ後、外リング35の平面Aの片側に位置する剛性が小さい部分を、撓ますようにして外輪12の内周面に嵌め込んで、外リング35を外輪12に嵌め込むようにすれば、たとえ切欠き31の数が少ない場合でも、突起38Aを破損させずに外リング35を外輪12に円滑に嵌め込める。したがって、切欠き31の総数を減らすことができるので、切欠き31の形成コストを低減できると共に、外リング35の剛性の必要以上の低下を防止できる。
【0043】
尚、上記第2実施形態のセンサ付転がり軸受装置では、外リング35の小径筒部38における外リング35の中心軸を含む平面に関する片側のみに、二個の切欠き31を形成したが、この発明のセンサ付転がり軸受装置では、円環状部材における円環状部材の中心軸を含む平面の片側のみに、二つ以外の複数個の切欠きを形成しても良い。
【0044】
【発明の効果】
以上より明らかなように、請求項1の発明のセンサ付転がり軸受装置によれば、センサ付転がり軸受装置の軌道輪の軌道面側周面に取り付け溝を設けると共に、センサ保持部の円環状部材の先端部に突起を設けたので、上記取り付け溝を設けた方の軌道輪の円周面に、上記円環状部材の嵌合面を嵌合させると共に、上記軌道輪の取り付け溝に、上記突起を係合させることによって、上記センサ保持部を上記軌道輪に安定かつ確実に固定できる。
【0045】
また、請求項1の発明のセンサ付転がり軸受装置によれば、上記円環状部材の突起の間に位置するように切欠きを設けたので、上記センサ保持部を上記軌道輪に取り付けるとき、上記円環状部材の切欠きの周辺部が、上記円環状部材の外径を小さくするように撓んで、上記突起が、上記軌道輪の上記取り付け溝の反転動体側に連なる円周面を乗り越え易くなる。したがって、上記突起が上記取り付け溝の反転動体側に連なる円周面を乗り越えるときに変形したり破損したりすることがなくて、突起の破損や変形によるセンサ保持部の軌道輪に対する抜け抑止力の低下を防止できる。
【0046】
また、請求項2の発明のセンサ付転がり軸受装置によれば、上記切欠きを、上記円環状部材の中心軸を含む平面に関して、この平面の片側のみに複数個設けたので、上記平面の片側に位置する上記複数個の切欠きが設けられた上記円環状部材の部分の剛性を、上記平面の反対側に位置する切欠きが設けられていない上記円環状部材の部分の剛性よりも意図的に小さくできる。したがって、上記円環状部材の上記平面の反対側に位置する剛性が大きい部分を、先に外輪の内周面に嵌め込んだ後、上記円環状部材の上記平面の片側に位置する剛性が小さい部分を、撓ますようにして外輪の内周面に嵌め込むようにすれば、たとえ切欠きの数が少ない場合でも、上記突起を破損させずに上記円環状部材を上記外輪に円滑に嵌め込めるので、切欠きの総数を減らすことができて、切欠きの形成コストを低減できると共に、円環状部材の剛性の必要以上の低下を防止できる。
【0047】
また、請求項3の発明のセンサ付転がり軸受装置によれば、上記他方の軌道輪に嵌合しているエンコーダリングにおける上記センサに対向する位置にエンコーダを配置したので、上記他方の軌道輪に嵌合している上記エンコーダリングのエンコーダの磁束密度の変化を、上記円環状部材が嵌合している軌道輪に対して静止している回転センサとなっている磁束センサで受けることができて、回転センサのエンコーダに対する相対位置を精密に計測でき、上記他方の軌道輪に対する上記円環状部材が嵌合している軌道輪の回転を精密に測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のセンサ付転がり軸受装置の軸方向の断面図である。
【図2】上記第1実施形態のセンサ付転がり軸受装置の外リングの側面図である。
【図3】本発明の第2実施形態のセンサ付転がり軸受装置の外リングの側面図である。
【図4】上記第2実施形態のセンサ付転がり軸受装置の外リングを外輪に嵌め込むときの説明図である。
【符号の説明】
1 転がり軸受部
2 センサ保持部
5,35 外リング
6 エンコーダリング
8A,38A 突起
11 玉
12 外輪
13 内輪
18 取り付け溝
22 磁気センサ
28 磁気リング
29,31 切欠き
A 平面
Claims (3)
- 転動体と、上記転動体が転動する軌道面を有する軌道輪と、センサと、このセンサを保持するセンサ保持部とを有するセンサ付転がり軸受装置であって、
上記軌道輪の軌道面側周面に、取り付け溝を備え、
上記センサ保持部は、上記取り付け溝を備えた方の軌道輪の円周面に嵌合する嵌合面を有する円環状部材を備え、
上記円環状部材は、半径方向に突出して、上記取り付け溝に係合する複数の突起と、上記複数の突起の間に位置するように設けられた切欠きとを有していることを特徴とするセンサ付転がり軸受装置。 - 請求項1に記載のセンサ付転がり軸受装置において、
上記切欠きを、上記円環状部材の中心軸を含む平面に関して、この平面の片側のみに複数個設けたことを特徴とするセンサ付転がり軸受装置。 - 請求項1または2に記載のセンサ付転がり軸受装置において、
上記センサは、エンコーダリングとの相対変位に基いて回転を検出する回転センサであり、
上記エンコーダリングは、上記円環状部材が嵌合している軌道輪に対向する他方の軌道輪側に固定するとともに、上記センサにエンコーダが対向するように配置されていることを特徴とするセンサ付転がり軸受装置。
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JP2003082628A Pending JP2004293562A (ja) | 2003-03-25 | 2003-03-25 | センサ付転がり軸受装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004293562A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009144858A (ja) * | 2007-12-17 | 2009-07-02 | Jtekt Corp | センサ付き転がり軸受装置 |
WO2023189614A1 (ja) * | 2022-03-30 | 2023-10-05 | Ntn株式会社 | センサ付き軸受及び軸受装置 |
-
2003
- 2003-03-25 JP JP2003082628A patent/JP2004293562A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009144858A (ja) * | 2007-12-17 | 2009-07-02 | Jtekt Corp | センサ付き転がり軸受装置 |
WO2023189614A1 (ja) * | 2022-03-30 | 2023-10-05 | Ntn株式会社 | センサ付き軸受及び軸受装置 |
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