JP2004293391A - エンジンの排気制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジン冷態時且つアイドル時に排気制御弁を閉じることで生じるエンジン回転数の低下防止と排気エミッションの低減とを両立させる。
【解決手段】エンジン冷態状態のアイドル運転時で排気制御弁が全閉に近い開度まで閉じられている場合、可変バルブタイミング機構によりバルブオーバラップ期間を通常運転状態よりも大きくし(S12)、吸気系のヒータ及び燃料系のヒータを作動させる(S13)。そして、アイドル回転数制御における目標エンジン回転数と実エンジン回転数との偏差 NSET−Ne が不感帯A内に収束しているか否かを調べ(S14)、 NSET−Ne >Aの場合、排気制御弁を偏差 NSET−Ne に応じた開度に制御する(S17)。これにより、エンジン冷態時且つアイドル時に排気制御弁を閉じることによって生じるエンジン回転数の低下の防止と排気エミッションの低減とを両立させる。
【選択図】 図3
【解決手段】エンジン冷態状態のアイドル運転時で排気制御弁が全閉に近い開度まで閉じられている場合、可変バルブタイミング機構によりバルブオーバラップ期間を通常運転状態よりも大きくし(S12)、吸気系のヒータ及び燃料系のヒータを作動させる(S13)。そして、アイドル回転数制御における目標エンジン回転数と実エンジン回転数との偏差 NSET−Ne が不感帯A内に収束しているか否かを調べ(S14)、 NSET−Ne >Aの場合、排気制御弁を偏差 NSET−Ne に応じた開度に制御する(S17)。これにより、エンジン冷態時且つアイドル時に排気制御弁を閉じることによって生じるエンジン回転数の低下の防止と排気エミッションの低減とを両立させる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、触媒の下流に設けた排気制御弁を閉じることによるエンジン回転数の低下の防止と排気エミッションの低減とを両立させるエンジンの排気制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、触媒を早期活性化させるために触媒下流に排気制御弁を設ける技術が知られている。この排気制御弁をエンジン冷態時に閉じることで、排気抵抗を増大させて排気通路内を断熱圧縮することができ、触媒温度を上昇させて触媒を早期活性化することができる。
【0003】
このような排気制御弁を設ける先行技術として、特開平3−117611号公報に開示の技術がある。この先行技術は、水温の低いエンジンの冷態時には排気通路の通路抵抗を増加し、エンジンの冷態時にその高負荷運転状態を検出したときには通路抵抗を減少させ、触媒温度が所定値以上のときには、その温度が上昇するほど抵抗を減少させるように、排気制御弁を制御するものである。
【0004】
【特許文献1】
特開平3−117611号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、水温が低いエンジン冷態状態のアイドル時に排気制御弁を閉じることは、触媒の早期活性化を促進して排気エミッションを改善するには有利である反面、排気抵抗の増大によりエンジンの充填効率が低下し、エンジン回転数が低下してしまう。
【0006】
このため、従来では、アイドル時のエンジン回転数を目標エンジン回転数にフィードバック制御するアイドル回転数制御において、スロットル弁をバイパスする通路に介装したアイドル制御弁や電子制御スロットルにより吸入空気量を増加させることでエンジン回転数の低下に対処するようにしているが、吸入空気量を増加しすぎると負圧が減少し、ブレーキブースタによるアシスト力が確保できない虞があるため、吸入空気量の増加には限度がある。
【0007】
すなわち、排気制御弁を閉じたことによりエンジン回転数の低下が生じると、バイパス通路のアイドル制御弁や電子制御スロットルによるアイドル回転数制御ではエンジン回転数の回復が困難であり、エンジン回転数が目標エンジン回転数に収束しなくなる虞があった。
【0008】
本発明は、エンジン冷態時且つアイドル時に排気制御弁を閉じることによって生じるエンジン回転数の低下の防止と、排気エミッションの低減とを両立することのできるエンジンの排気制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による第1のエンジンの排気制御装置は、排気通路に設けた触媒の下流に排気制御弁を設け、エンジン冷態時に上記排気制御弁を閉じることで上記触媒の温度を上昇させるエンジンの排気制御装置において、エンジン冷態時且つアイドル時である場合、目標エンジン回転数と実エンジン回転数との偏差に応じて上記排気制御弁の開度を可変制御する手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明による第2のエンジンの排気制御装置は、排気通路に設けた触媒の下流に排気制御弁を設け、エンジン冷態時に上記排気制御弁を閉じることで上記触媒の温度を上昇させるエンジンの排気制御装置において、エンジン冷態時且つアイドル時であり、且つアイドル時の吸入空気量を調整して実エンジン回転数が目標エンジン回転数になるよう制御するアイドル回転数制御手段による制御状態が目標エンジン回転数に収束しない状態である場合、上記目標エンジン回転数と上記実エンジン回転数との偏差に応じて上記排気制御弁の開度を可変制御する手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
その際、エンジン冷態時には、吸気弁と排気弁とのバルブオーバーラップ量を可変バルブタイミング機構を介して通常より大きくすることが望ましく、更には、吸気系と燃料系との少なくとも一方にヒータを設け、このヒータを作動させることが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1〜図5は本発明の実施の一形態に係わり、図1はエンジンの全体構成図、図2及び図3は排気制御ルーチンのフローチャート、図4はエンジン水温と排気制御弁の開度との関係を示す説明図、図5はエンジン水温と目標エンジン回転数との関係を示す説明図である。
【0013】
先ず、図1に基づいてエンジンの全体構成について説明する。同図において、符号1はエンジンであり、本形態においては、シリンダブロック1aがクランク軸1bを中心として左右2つのバンク(図の右側が左バンク、左側が右バンク)に分割される水平対向型で、可変バルブタイミング機構を備えた4気筒エンジンである。このエンジン1のシリンダブロック1aの左右両バンクには、シリンダヘッド2がそれぞれ設けられ、各シリンダヘッド2に、吸気ポート2aと排気ポート2bとが気筒毎に形成されている。
【0014】
シリンダヘッド2の各吸気ポート2aにはインテークマニホルド3が連通され、このインテークマニホルド3に各気筒の吸気通路が集合するエアチャンバ4を介して、アクセルペダルに連動するスロットル弁5aが介装されたスロットルチャンバ5が連通されている。そして、スロットルチャンバ5上流に、吸入空気を予熱するためのヒータ45が配設され、このヒータ45上流の吸気管6に、エアクリーナ7が取付けられている。エアクリーナ7の上流側には、チャンバ8を有するエアインテーク通路が接続されている。
【0015】
また、吸気管6には、スロットル弁5aをバイパスするバイパス通路9が接続されており、このバイパス通路9に、アイドル時にその弁開度によって該バイパス通路9を流れるバイパス空気量を調整することでアイドル回転数を制御するアイドル制御弁(ISC弁)10が介装されている。
【0016】
また、インテークマニホルド3の各気筒の吸気ポート2aの直上流にインジェクタ11が配設され、インジェクタ11の噴射ノズルに対向して噴射燃料が衝突する吸気ポート2の壁面に、燃料を気化して微粒化を促進するためのヒータ46が配設されている。更に、シリンダヘッド2の各気筒毎に、放電電極を燃焼室に露呈すると共に点火コイル及びイグナイタを端子部に一体的に取付けた点火プラグ12が配設されている。
【0017】
また、シリンダヘッド2の各排気ポート2bにエキゾーストマニホルド13が連通され、エキゾーストマニホルド13の集合部に排気管14が連通されている。排気管14には、触媒15が介装され、この触媒15の下流にアクチュエータを備えた排気制御弁16が介装されてマフラ17に連通されている。排気制御弁16は、マイクロコンピュータ等からなる電子制御装置(以下、「ECU」と略記する)50によってアクチュエータが駆動されて弁開度が制御され、エンジン冷態始動時には閉弁されて触媒15の暖機を促進し、エンジン始動後は、目標エンジン回転数と実エンジン回転数との偏差に応じて弁開度が制御される。
【0018】
一方、左右バンクの各シリンダヘッド2内に、それぞれ吸気カム軸19、排気カム軸20が配設され、クランク軸1bの回転が、各吸気カム軸19、各排気カム軸20に、クランク軸1bに固設されたクランクプーリ21、タイミングベルト22、吸気カム軸19に介装された吸気カムプーリ23、排気カム軸20に固設された排気カムプーリ24等を介して伝達される。そして、吸気カム軸19に設けられた吸気カム、及び排気カム軸20に設けられた排気カムにより、それぞれクランク軸1bと2対1の回転角度に維持される各カム軸19,20の回転に基づいて、吸気弁25、排気弁26が開閉駆動される。
【0019】
左右バンクの各吸気カム軸19と吸気カムプーリ23との間には、吸気カムプーリ23と吸気カム軸19とを相対回動してクランク軸1bに対する吸気カム軸19の回転位相(変位角)を連続的に変更する周知の油圧駆動式可変バルブタイミング機構27がそれぞれ配設されている。本形態においては、各バンクの可変バルブタイミング機構27を吸気カム軸19側にのみ設け、排気バルブ26の開閉タイミングに対し、吸気弁25の開閉タイミングをエンジン運転状態に応じて変更する。
【0020】
各バンクの可変バルブタイミング機構27には、それぞれ、オイルパン1cから図示しないオイルポンプを介して供給される作動油圧を調整するためのオイルフロー制御弁28が備えられ、ECU50によって制御される。オイルフロー制御弁28は、例えばECU50によりデューティ制御されるスプール弁であり、通電電流に比例してオイルフロー制御弁28のスプールが軸方向に移動し、可変バルブタイミング機構27の進角室(進角作動の油圧室)、遅角室(遅角作動の油圧室)に連通する各ポートを切換えてオイルの流れ方向を切換えると共にパッセージの開度を調整し、可変バルブタイミング機構27の進角室、遅角室に供給する油圧の大きさが調整される。尚、可変バルブタイミング機構27の詳細な構成については、例えば、本出願人による特開2000−97096号公報に詳述されている。
【0021】
次に、エンジン1に取付けられたセンサ類について説明する。吸気管6のエアクリーナ7の直下流には、ホットワイヤ或いはホットフィルム等を用いた吸入空気量センサ30が介装され、スロットルチャンバ5に配設されたスロットル弁5aに、スロットル弁5aの開度を検出するスロットル開度センサとスロットル弁5aが全閉でONするアイドルスイッチとを内蔵したスロットルセンサ31が連設されている。また、シリンダブロック1aにノックセンサ32が取り付けられていると共に、シリンダブロック1aの左右両バンクを連通する冷却水通路33に水温センサ34が臨まされ、触媒15の上流側に、O2センサ等の空燃比センサ35が配設されている。
【0022】
更に、エンジン1のクランク軸1bに軸着するクランクロータ36の外周に、クランク角センサ37が対設され、クランク軸1bに対して1/2回転する一方のバンク(図においては、左バンク)の吸気カムプーリ23の裏面に、気筒判別センサ38が対設されている、各バンクの吸気カム軸19の後端に固設されたカムロータ39の外周には、カム位置検出用のカム位置センサ40がそれぞれ対設されている。
【0023】
以上の各センサ類からの信号は、ECU50に入力されて処理され、エンジンの運転状態が検出される。ECU50は、予め内部に格納されている制御プログラムに従って、各センサ類・スイッチ類等からの信号を処理し、前述の各アクチュエータを介してエンジン制御を実行する。このエンジン制御は、インジェクタ11を介した燃料噴射制御、点火プラグ12に連設される点火コイルのイグナイタを介した点火時期制御を基本とし、吸気系のヒータ45及び燃料系のヒータ46に対する通電制御、ISC弁10を介したアイドル回転数制御、排気制御弁16を介した排気制御、可変バルブタイミング機構27のオイルフロー制御弁28を介したバルブタイミング制御、ノックセンサ32の出力に基づいてノッキング発生を回避するためのノッキング制御等である。
【0024】
このようなECU50によるエンジン制御において、本発明に係わる排気制御においては、エンジン始動前に排気制御弁16をエンジン水温に応じた開度に制御し、エンジン始動後の触媒の暖機を促進して排気エミッションを改善するようにしている。そして、エンジン冷態状態での始動後のアイドル運転では、排気制御弁16を閉じたことによりエンジン回転数が低下し、ISC弁10を介したアイドル回転数制御による目標エンジン回転数への収束が悪化した場合には、排気制御弁16の開度を、目標エンジン回転数と実エンジン回転数との偏差に応じて可変制御することで、アイドル回転数制御をアシストし、排気制御弁16を閉じたことによるエンジン回転数の低下を防止する。
【0025】
以下、ECU50による排気制御について、図2及び図3のフローチャートを用いて説明する。
【0026】
図2及び図3は、システムに電源が投入されて初期化された後、所定時間(周期)毎に実行される排気制御ルーチンであり、このルーチンがスタートすると、ステップS1で各センサからの信号を入力し、ステップS2で、各センサからの信号に基づいて、エンジン回転数、エンジン水温、バルブタイミング等の各パラメータを算出すると共に、アイドルスイッチやニュートラルスイッチのON,OFF状態を判定する。
【0027】
次に、ステップS3へ進み、エンジン水温が暖機運転を要する設定範囲内にあるか否かを調べることで、冷態時か否かを判断する。そして、エンジン水温が設定範囲外で暖機を要しない場合には、ステップS3からステップS4へ進んで排気制御弁16を全開とし、ステップ5で、可変バルブタイミング機構27による吸気弁25と排気バルブ26とのバルブオーバラップ期間をエンジン運転状態に応じた通常の値に設定した後、ステップS6で吸気系のヒータ45及び燃料系のヒータ46を停止(OFF)し、ステップS7で、後述するタイマCをリセットし(C=0)、ルーチンを抜ける。
【0028】
一方、ステップS3において、エンジン水温が設定範囲内であり、エンジンの暖機を要する冷態時である場合には、ステップS3からステップS8へ進んでエンジンが始動されているか否かを判定する。その結果、エンジンが始動されていない場合には、ステップS8からステップS9へ進んで排気制御弁16をエンジン水温に応じた開度とし、前述のステップS5,S6,S7を経てルーチンを抜ける。
【0029】
エンジン水温に応じた排気制御弁16の開度は、例えば、エンジンの排気量や排気系の構成等を考慮し、予めシミュレーション或いは実験等によりエンジン水温に対する最適な開度を求めてマップ化し、ECU50内に記憶しておく。そして、この開度マップを補間計算付きで参照し、エンジン水温に応じた排気制御弁16の開度を設定する。
【0030】
例えば、図4に示すように、エンジン水温=40°C以下では、排気制御弁16を略全閉として排気抵抗を増大させて排気通路内を断熱圧縮し、触媒温度を上昇させて触媒の活性化を促進し、且つ排気ガスの触媒内の滞留時間を長くして排気エミッションを改善する。また、エンジン水温=40°C〜60°Cの間では、エンジン水温の上昇に略比例して排気制御弁16の開度を増大させ、60°以上で略全開とすることで、排気エミッションを改善すると共に運転性能を確保する。
【0031】
一方、ステップS8において、既にエンジンが始動されている場合には、ステップS8からステップS10へ進み、現在の運転状態がアイドル運転か否かを判定する。このアイドル判定は、本形態のエンジン1では、スロットル全閉すなわちアイドルスイッチがONで、且つニュートラルスイッチがONのとき、アイドル運転と判定する。尚、スロットル弁がモータ等のアクチュエータを介して駆動制御される電子制御スロットルを有するエンジンでは、アクセル開度が全閉のとき、アイドル運転と判定する。
【0032】
そして、ステップS10におけるアイドル判定の結果、アイドル時でない場合には、ステップS10から前述のステップS4へ戻って排気制御弁16を全開として排気抵抗を小さくすることで運転性の悪化を防止し、前述のステップS5,S6,S7を経てルーチンを抜ける。また、アイドル時と判定された場合、すなわち、エンジン冷態状態でのアイドル運転時の場合には、ステップS10からステップS11へ進み、エンジン水温TWが設定温度T1以下か否かを調べる。
【0033】
設定温度T1は、この設定温度T1以下で排気制御弁16の開度が略全閉となる水温であり、前述の図4に示す開度マップにおいて略全閉となる水温の境界値(40°C)に相当するものである。そして、TW≦T1の場合、すなわち、エンジン冷態状態のアイドル運転時で排気制御弁16が全閉に近い開度まで閉じられている場合には、ステップS11からステップS12へ進み、可変バルブタイミング機構27を作動させて吸気弁25と排気バルブ26とのバルブオーバラップ期間を暖機完了後の通常運転状態よりも大きくし、ステップS13で吸気系のヒータ45及び燃料系のヒータ46を作動(ON)させる。
【0034】
すなわち、エンジン冷態時のアイドル運転時には、排気制御弁16を全閉に近い位置まで閉じて触媒の早期活性化を図っているが、更に、バルブオーバラップ期間を大きくすることで、内部EGR率を増加させてエンジンのポンピングロスを低減し、また、吸気系のヒータ45による吸入空気の加熱と燃料系のヒータ46による燃料の気化を促進することで、内部EGRの増加による燃焼悪化を回避して燃焼を安定させ、排気エミッションを低減させる。
【0035】
尚、本形態においては、吸気系と燃料系とに、それぞれヒータ45、ヒータ46を設け、両者を共に作動させているが、吸気系と燃料系との一方にのみ、ヒータを設け、そのヒータを作動させるようにしても良い。
【0036】
次に、ステップS13からステップS14へ進み、アイドル回転数制御における目標エンジン回転数NSETと実エンジン回転数Neとの偏差 NSET−Ne を求め、この偏差 NSET−Ne が不感帯A内に収束しているか否かを調べる。
【0037】
アイドル回転数制御は、本形態においてはISC弁10の開度制御(電子制御スロットル式のエンジンでは、スロットル開度制御)によって実施され、目標エンジン回転数NSETは、エンジン水温に基づいて設定される基本値を、エアコン負荷や電気負荷等による各種補正項で補正して設定される。例えば、図5に示すように、目標アイドル回転数(基本値)NSETは、エンジン水温TWが低いほど高く設定され、エンジン水温TWが所定値以上では、目標アイドル回転数(基本値)NSETが緩慢に低下する特性を有している。
【0038】
そして、ステップS13において、│NSET−Ne│≦Aの場合には、ステップS18でタイマCをリセットして(C=0)ルーチンを抜け、 NSET−Ne >Aの場合、ステップS14以降で排気制御弁16の開度を可変制御してアイドル回転数制御のアシストを行う。
【0039】
すなわち、エンジン冷態時には、排気制御弁16を閉じることに加えて、排気行程に近い段階で燃焼を行わせ、温度の高い排気ガスを触媒に導いて活性化を促進するため、点火時期がリタードされる場合がある。従って、排気制御弁16の閉弁による充填効率の低下及び点火時期リタードによる燃焼性の悪化により、エンジン回転数が落込むと、アイドル回転数制御において目標エンジン回転数への収束性が悪化する場合がある。従って、目標エンジン回転数NSETと実エンジン回転数Neとの偏差 NSET−Ne が不感帯A内に収束しない場合には、排気制御弁16の開度を可変制御して実エンジン回転数の落込みを防止する。
【0040】
このため、先ず、ステップS15で、タイマCをカウントアップし(C=C+1)、ステップS16で、タイマCが設定値C1に達しているか否かを調べる。タイマCは、ISC弁10によるアイドル回転数制御では、目標エンジン回転数に収束するまでに時間を要するため、排気制御弁16の作動にディレイをかけるためのものであり、アイドル制御系の応答性を考慮して予め求めた適切なディレイ時間が設定値C1としてECU50内にストアされている。
【0041】
そして、ステップS16において、C<C1の場合には、そのままルーチンを抜け、C≧C1の場合、ステップS17へ進んで、排気制御弁16を偏差 NSET−Ne に応じた開度に制御し、ルーチンを抜ける。この排気制御弁16の開度制御は、例えば、偏差 NSET−Ne に基づいた比例積分制御等により実行される。
【0042】
その後、エンジンの暖機が進行してエンジン水温TWが設定温度T1以上になると、ステップS11からステップS19へ進み、排気制御弁16の実開度がエンジン水温に応じた開度になっているか否かを調べる。排気制御弁16の実開度は、排気制御弁16に開度センサを連設して検出しても良く、また、排気制御弁16の開度制御における制御指示値を実開度として用いても良い。
【0043】
その結果、排気制御弁16の実開度がエンジン水温に応じた開度以上の場合には、ステップS19から前述のステップS5へ戻り、実開度がエンジン水温に応じた開度未満の場合、ステップS19からステップS20へ進んで排気制御弁16をエンジン水温に応じた開度とした後、ステップS5へ戻る。ステップS5では、可変バルブタイミング機構27によるバルブオーバラップ期間を通常の制御状態に戻し、すなわち、暖機完了後のアイドル時では、吸気バルブの開閉タイミングを遅角化してバルブオーバラップ期間を小さくし、アイドル回転の安定化を図る。そして、ステップS6で吸気系のヒータ45及び燃料系のヒータ46を停止させ、ステップS7でタイマをリセットしてルーチンを抜ける。
【0044】
このように、本実施の形態では、エンジン始動前は、排気制御弁16をエンジン水温に応じた開度に制御し、エンジン始動後は、エンジン冷態状態で排気制御弁16が閉じているアイドル時であれば、目標エンジン回転数と実エンジン回転数との偏差に応じて排気制御弁16の開度を可変制御するので、排気制御弁16を閉じても、更には、排気制御弁16を閉じた状態で点火時期をリタードしても、エンジン回転数の低下を防止することができ、触媒の早期活性化を図って排気エミッションの低減を図ることができる。
【0045】
また、排気制御弁16を閉じているときには、可変バルブタイミング機構27によりバルブオーバーラップ期間を大きして内部EGRを増加させるので、より効果的に排気エミッションを改善することができ、しかも、内部EGRの増加に対し、吸気系と燃料系との少なくとも一方に設けたヒータを作動させるので、燃焼が不安定となる虞もない。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、エンジン冷態時且つアイドル時に排気制御弁を閉じることによって生じるエンジン回転数の低下の防止と、排気エミッションの低減とを両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンの全体構成図
【図2】排気制御ルーチンのフローチャート
【図3】排気制御ルーチンのフローチャート(続き)
【図4】エンジン水温と排気制御弁の開度との関係を示す説明図
【図5】エンジン水温と目標エンジン回転数との関係を示す説明図
【符号の説明】
1 エンジン
10 アイドル制御弁
14 排気管
15 触媒
16 排気制御弁
27 可変バルブタイミング機構
45 ヒータ
46 ヒータ
50 電子制御装置
NSET 目標エンジン回転数
Ne 実エンジン回転数
【発明の属する技術分野】
本発明は、触媒の下流に設けた排気制御弁を閉じることによるエンジン回転数の低下の防止と排気エミッションの低減とを両立させるエンジンの排気制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、触媒を早期活性化させるために触媒下流に排気制御弁を設ける技術が知られている。この排気制御弁をエンジン冷態時に閉じることで、排気抵抗を増大させて排気通路内を断熱圧縮することができ、触媒温度を上昇させて触媒を早期活性化することができる。
【0003】
このような排気制御弁を設ける先行技術として、特開平3−117611号公報に開示の技術がある。この先行技術は、水温の低いエンジンの冷態時には排気通路の通路抵抗を増加し、エンジンの冷態時にその高負荷運転状態を検出したときには通路抵抗を減少させ、触媒温度が所定値以上のときには、その温度が上昇するほど抵抗を減少させるように、排気制御弁を制御するものである。
【0004】
【特許文献1】
特開平3−117611号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、水温が低いエンジン冷態状態のアイドル時に排気制御弁を閉じることは、触媒の早期活性化を促進して排気エミッションを改善するには有利である反面、排気抵抗の増大によりエンジンの充填効率が低下し、エンジン回転数が低下してしまう。
【0006】
このため、従来では、アイドル時のエンジン回転数を目標エンジン回転数にフィードバック制御するアイドル回転数制御において、スロットル弁をバイパスする通路に介装したアイドル制御弁や電子制御スロットルにより吸入空気量を増加させることでエンジン回転数の低下に対処するようにしているが、吸入空気量を増加しすぎると負圧が減少し、ブレーキブースタによるアシスト力が確保できない虞があるため、吸入空気量の増加には限度がある。
【0007】
すなわち、排気制御弁を閉じたことによりエンジン回転数の低下が生じると、バイパス通路のアイドル制御弁や電子制御スロットルによるアイドル回転数制御ではエンジン回転数の回復が困難であり、エンジン回転数が目標エンジン回転数に収束しなくなる虞があった。
【0008】
本発明は、エンジン冷態時且つアイドル時に排気制御弁を閉じることによって生じるエンジン回転数の低下の防止と、排気エミッションの低減とを両立することのできるエンジンの排気制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による第1のエンジンの排気制御装置は、排気通路に設けた触媒の下流に排気制御弁を設け、エンジン冷態時に上記排気制御弁を閉じることで上記触媒の温度を上昇させるエンジンの排気制御装置において、エンジン冷態時且つアイドル時である場合、目標エンジン回転数と実エンジン回転数との偏差に応じて上記排気制御弁の開度を可変制御する手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明による第2のエンジンの排気制御装置は、排気通路に設けた触媒の下流に排気制御弁を設け、エンジン冷態時に上記排気制御弁を閉じることで上記触媒の温度を上昇させるエンジンの排気制御装置において、エンジン冷態時且つアイドル時であり、且つアイドル時の吸入空気量を調整して実エンジン回転数が目標エンジン回転数になるよう制御するアイドル回転数制御手段による制御状態が目標エンジン回転数に収束しない状態である場合、上記目標エンジン回転数と上記実エンジン回転数との偏差に応じて上記排気制御弁の開度を可変制御する手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
その際、エンジン冷態時には、吸気弁と排気弁とのバルブオーバーラップ量を可変バルブタイミング機構を介して通常より大きくすることが望ましく、更には、吸気系と燃料系との少なくとも一方にヒータを設け、このヒータを作動させることが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1〜図5は本発明の実施の一形態に係わり、図1はエンジンの全体構成図、図2及び図3は排気制御ルーチンのフローチャート、図4はエンジン水温と排気制御弁の開度との関係を示す説明図、図5はエンジン水温と目標エンジン回転数との関係を示す説明図である。
【0013】
先ず、図1に基づいてエンジンの全体構成について説明する。同図において、符号1はエンジンであり、本形態においては、シリンダブロック1aがクランク軸1bを中心として左右2つのバンク(図の右側が左バンク、左側が右バンク)に分割される水平対向型で、可変バルブタイミング機構を備えた4気筒エンジンである。このエンジン1のシリンダブロック1aの左右両バンクには、シリンダヘッド2がそれぞれ設けられ、各シリンダヘッド2に、吸気ポート2aと排気ポート2bとが気筒毎に形成されている。
【0014】
シリンダヘッド2の各吸気ポート2aにはインテークマニホルド3が連通され、このインテークマニホルド3に各気筒の吸気通路が集合するエアチャンバ4を介して、アクセルペダルに連動するスロットル弁5aが介装されたスロットルチャンバ5が連通されている。そして、スロットルチャンバ5上流に、吸入空気を予熱するためのヒータ45が配設され、このヒータ45上流の吸気管6に、エアクリーナ7が取付けられている。エアクリーナ7の上流側には、チャンバ8を有するエアインテーク通路が接続されている。
【0015】
また、吸気管6には、スロットル弁5aをバイパスするバイパス通路9が接続されており、このバイパス通路9に、アイドル時にその弁開度によって該バイパス通路9を流れるバイパス空気量を調整することでアイドル回転数を制御するアイドル制御弁(ISC弁)10が介装されている。
【0016】
また、インテークマニホルド3の各気筒の吸気ポート2aの直上流にインジェクタ11が配設され、インジェクタ11の噴射ノズルに対向して噴射燃料が衝突する吸気ポート2の壁面に、燃料を気化して微粒化を促進するためのヒータ46が配設されている。更に、シリンダヘッド2の各気筒毎に、放電電極を燃焼室に露呈すると共に点火コイル及びイグナイタを端子部に一体的に取付けた点火プラグ12が配設されている。
【0017】
また、シリンダヘッド2の各排気ポート2bにエキゾーストマニホルド13が連通され、エキゾーストマニホルド13の集合部に排気管14が連通されている。排気管14には、触媒15が介装され、この触媒15の下流にアクチュエータを備えた排気制御弁16が介装されてマフラ17に連通されている。排気制御弁16は、マイクロコンピュータ等からなる電子制御装置(以下、「ECU」と略記する)50によってアクチュエータが駆動されて弁開度が制御され、エンジン冷態始動時には閉弁されて触媒15の暖機を促進し、エンジン始動後は、目標エンジン回転数と実エンジン回転数との偏差に応じて弁開度が制御される。
【0018】
一方、左右バンクの各シリンダヘッド2内に、それぞれ吸気カム軸19、排気カム軸20が配設され、クランク軸1bの回転が、各吸気カム軸19、各排気カム軸20に、クランク軸1bに固設されたクランクプーリ21、タイミングベルト22、吸気カム軸19に介装された吸気カムプーリ23、排気カム軸20に固設された排気カムプーリ24等を介して伝達される。そして、吸気カム軸19に設けられた吸気カム、及び排気カム軸20に設けられた排気カムにより、それぞれクランク軸1bと2対1の回転角度に維持される各カム軸19,20の回転に基づいて、吸気弁25、排気弁26が開閉駆動される。
【0019】
左右バンクの各吸気カム軸19と吸気カムプーリ23との間には、吸気カムプーリ23と吸気カム軸19とを相対回動してクランク軸1bに対する吸気カム軸19の回転位相(変位角)を連続的に変更する周知の油圧駆動式可変バルブタイミング機構27がそれぞれ配設されている。本形態においては、各バンクの可変バルブタイミング機構27を吸気カム軸19側にのみ設け、排気バルブ26の開閉タイミングに対し、吸気弁25の開閉タイミングをエンジン運転状態に応じて変更する。
【0020】
各バンクの可変バルブタイミング機構27には、それぞれ、オイルパン1cから図示しないオイルポンプを介して供給される作動油圧を調整するためのオイルフロー制御弁28が備えられ、ECU50によって制御される。オイルフロー制御弁28は、例えばECU50によりデューティ制御されるスプール弁であり、通電電流に比例してオイルフロー制御弁28のスプールが軸方向に移動し、可変バルブタイミング機構27の進角室(進角作動の油圧室)、遅角室(遅角作動の油圧室)に連通する各ポートを切換えてオイルの流れ方向を切換えると共にパッセージの開度を調整し、可変バルブタイミング機構27の進角室、遅角室に供給する油圧の大きさが調整される。尚、可変バルブタイミング機構27の詳細な構成については、例えば、本出願人による特開2000−97096号公報に詳述されている。
【0021】
次に、エンジン1に取付けられたセンサ類について説明する。吸気管6のエアクリーナ7の直下流には、ホットワイヤ或いはホットフィルム等を用いた吸入空気量センサ30が介装され、スロットルチャンバ5に配設されたスロットル弁5aに、スロットル弁5aの開度を検出するスロットル開度センサとスロットル弁5aが全閉でONするアイドルスイッチとを内蔵したスロットルセンサ31が連設されている。また、シリンダブロック1aにノックセンサ32が取り付けられていると共に、シリンダブロック1aの左右両バンクを連通する冷却水通路33に水温センサ34が臨まされ、触媒15の上流側に、O2センサ等の空燃比センサ35が配設されている。
【0022】
更に、エンジン1のクランク軸1bに軸着するクランクロータ36の外周に、クランク角センサ37が対設され、クランク軸1bに対して1/2回転する一方のバンク(図においては、左バンク)の吸気カムプーリ23の裏面に、気筒判別センサ38が対設されている、各バンクの吸気カム軸19の後端に固設されたカムロータ39の外周には、カム位置検出用のカム位置センサ40がそれぞれ対設されている。
【0023】
以上の各センサ類からの信号は、ECU50に入力されて処理され、エンジンの運転状態が検出される。ECU50は、予め内部に格納されている制御プログラムに従って、各センサ類・スイッチ類等からの信号を処理し、前述の各アクチュエータを介してエンジン制御を実行する。このエンジン制御は、インジェクタ11を介した燃料噴射制御、点火プラグ12に連設される点火コイルのイグナイタを介した点火時期制御を基本とし、吸気系のヒータ45及び燃料系のヒータ46に対する通電制御、ISC弁10を介したアイドル回転数制御、排気制御弁16を介した排気制御、可変バルブタイミング機構27のオイルフロー制御弁28を介したバルブタイミング制御、ノックセンサ32の出力に基づいてノッキング発生を回避するためのノッキング制御等である。
【0024】
このようなECU50によるエンジン制御において、本発明に係わる排気制御においては、エンジン始動前に排気制御弁16をエンジン水温に応じた開度に制御し、エンジン始動後の触媒の暖機を促進して排気エミッションを改善するようにしている。そして、エンジン冷態状態での始動後のアイドル運転では、排気制御弁16を閉じたことによりエンジン回転数が低下し、ISC弁10を介したアイドル回転数制御による目標エンジン回転数への収束が悪化した場合には、排気制御弁16の開度を、目標エンジン回転数と実エンジン回転数との偏差に応じて可変制御することで、アイドル回転数制御をアシストし、排気制御弁16を閉じたことによるエンジン回転数の低下を防止する。
【0025】
以下、ECU50による排気制御について、図2及び図3のフローチャートを用いて説明する。
【0026】
図2及び図3は、システムに電源が投入されて初期化された後、所定時間(周期)毎に実行される排気制御ルーチンであり、このルーチンがスタートすると、ステップS1で各センサからの信号を入力し、ステップS2で、各センサからの信号に基づいて、エンジン回転数、エンジン水温、バルブタイミング等の各パラメータを算出すると共に、アイドルスイッチやニュートラルスイッチのON,OFF状態を判定する。
【0027】
次に、ステップS3へ進み、エンジン水温が暖機運転を要する設定範囲内にあるか否かを調べることで、冷態時か否かを判断する。そして、エンジン水温が設定範囲外で暖機を要しない場合には、ステップS3からステップS4へ進んで排気制御弁16を全開とし、ステップ5で、可変バルブタイミング機構27による吸気弁25と排気バルブ26とのバルブオーバラップ期間をエンジン運転状態に応じた通常の値に設定した後、ステップS6で吸気系のヒータ45及び燃料系のヒータ46を停止(OFF)し、ステップS7で、後述するタイマCをリセットし(C=0)、ルーチンを抜ける。
【0028】
一方、ステップS3において、エンジン水温が設定範囲内であり、エンジンの暖機を要する冷態時である場合には、ステップS3からステップS8へ進んでエンジンが始動されているか否かを判定する。その結果、エンジンが始動されていない場合には、ステップS8からステップS9へ進んで排気制御弁16をエンジン水温に応じた開度とし、前述のステップS5,S6,S7を経てルーチンを抜ける。
【0029】
エンジン水温に応じた排気制御弁16の開度は、例えば、エンジンの排気量や排気系の構成等を考慮し、予めシミュレーション或いは実験等によりエンジン水温に対する最適な開度を求めてマップ化し、ECU50内に記憶しておく。そして、この開度マップを補間計算付きで参照し、エンジン水温に応じた排気制御弁16の開度を設定する。
【0030】
例えば、図4に示すように、エンジン水温=40°C以下では、排気制御弁16を略全閉として排気抵抗を増大させて排気通路内を断熱圧縮し、触媒温度を上昇させて触媒の活性化を促進し、且つ排気ガスの触媒内の滞留時間を長くして排気エミッションを改善する。また、エンジン水温=40°C〜60°Cの間では、エンジン水温の上昇に略比例して排気制御弁16の開度を増大させ、60°以上で略全開とすることで、排気エミッションを改善すると共に運転性能を確保する。
【0031】
一方、ステップS8において、既にエンジンが始動されている場合には、ステップS8からステップS10へ進み、現在の運転状態がアイドル運転か否かを判定する。このアイドル判定は、本形態のエンジン1では、スロットル全閉すなわちアイドルスイッチがONで、且つニュートラルスイッチがONのとき、アイドル運転と判定する。尚、スロットル弁がモータ等のアクチュエータを介して駆動制御される電子制御スロットルを有するエンジンでは、アクセル開度が全閉のとき、アイドル運転と判定する。
【0032】
そして、ステップS10におけるアイドル判定の結果、アイドル時でない場合には、ステップS10から前述のステップS4へ戻って排気制御弁16を全開として排気抵抗を小さくすることで運転性の悪化を防止し、前述のステップS5,S6,S7を経てルーチンを抜ける。また、アイドル時と判定された場合、すなわち、エンジン冷態状態でのアイドル運転時の場合には、ステップS10からステップS11へ進み、エンジン水温TWが設定温度T1以下か否かを調べる。
【0033】
設定温度T1は、この設定温度T1以下で排気制御弁16の開度が略全閉となる水温であり、前述の図4に示す開度マップにおいて略全閉となる水温の境界値(40°C)に相当するものである。そして、TW≦T1の場合、すなわち、エンジン冷態状態のアイドル運転時で排気制御弁16が全閉に近い開度まで閉じられている場合には、ステップS11からステップS12へ進み、可変バルブタイミング機構27を作動させて吸気弁25と排気バルブ26とのバルブオーバラップ期間を暖機完了後の通常運転状態よりも大きくし、ステップS13で吸気系のヒータ45及び燃料系のヒータ46を作動(ON)させる。
【0034】
すなわち、エンジン冷態時のアイドル運転時には、排気制御弁16を全閉に近い位置まで閉じて触媒の早期活性化を図っているが、更に、バルブオーバラップ期間を大きくすることで、内部EGR率を増加させてエンジンのポンピングロスを低減し、また、吸気系のヒータ45による吸入空気の加熱と燃料系のヒータ46による燃料の気化を促進することで、内部EGRの増加による燃焼悪化を回避して燃焼を安定させ、排気エミッションを低減させる。
【0035】
尚、本形態においては、吸気系と燃料系とに、それぞれヒータ45、ヒータ46を設け、両者を共に作動させているが、吸気系と燃料系との一方にのみ、ヒータを設け、そのヒータを作動させるようにしても良い。
【0036】
次に、ステップS13からステップS14へ進み、アイドル回転数制御における目標エンジン回転数NSETと実エンジン回転数Neとの偏差 NSET−Ne を求め、この偏差 NSET−Ne が不感帯A内に収束しているか否かを調べる。
【0037】
アイドル回転数制御は、本形態においてはISC弁10の開度制御(電子制御スロットル式のエンジンでは、スロットル開度制御)によって実施され、目標エンジン回転数NSETは、エンジン水温に基づいて設定される基本値を、エアコン負荷や電気負荷等による各種補正項で補正して設定される。例えば、図5に示すように、目標アイドル回転数(基本値)NSETは、エンジン水温TWが低いほど高く設定され、エンジン水温TWが所定値以上では、目標アイドル回転数(基本値)NSETが緩慢に低下する特性を有している。
【0038】
そして、ステップS13において、│NSET−Ne│≦Aの場合には、ステップS18でタイマCをリセットして(C=0)ルーチンを抜け、 NSET−Ne >Aの場合、ステップS14以降で排気制御弁16の開度を可変制御してアイドル回転数制御のアシストを行う。
【0039】
すなわち、エンジン冷態時には、排気制御弁16を閉じることに加えて、排気行程に近い段階で燃焼を行わせ、温度の高い排気ガスを触媒に導いて活性化を促進するため、点火時期がリタードされる場合がある。従って、排気制御弁16の閉弁による充填効率の低下及び点火時期リタードによる燃焼性の悪化により、エンジン回転数が落込むと、アイドル回転数制御において目標エンジン回転数への収束性が悪化する場合がある。従って、目標エンジン回転数NSETと実エンジン回転数Neとの偏差 NSET−Ne が不感帯A内に収束しない場合には、排気制御弁16の開度を可変制御して実エンジン回転数の落込みを防止する。
【0040】
このため、先ず、ステップS15で、タイマCをカウントアップし(C=C+1)、ステップS16で、タイマCが設定値C1に達しているか否かを調べる。タイマCは、ISC弁10によるアイドル回転数制御では、目標エンジン回転数に収束するまでに時間を要するため、排気制御弁16の作動にディレイをかけるためのものであり、アイドル制御系の応答性を考慮して予め求めた適切なディレイ時間が設定値C1としてECU50内にストアされている。
【0041】
そして、ステップS16において、C<C1の場合には、そのままルーチンを抜け、C≧C1の場合、ステップS17へ進んで、排気制御弁16を偏差 NSET−Ne に応じた開度に制御し、ルーチンを抜ける。この排気制御弁16の開度制御は、例えば、偏差 NSET−Ne に基づいた比例積分制御等により実行される。
【0042】
その後、エンジンの暖機が進行してエンジン水温TWが設定温度T1以上になると、ステップS11からステップS19へ進み、排気制御弁16の実開度がエンジン水温に応じた開度になっているか否かを調べる。排気制御弁16の実開度は、排気制御弁16に開度センサを連設して検出しても良く、また、排気制御弁16の開度制御における制御指示値を実開度として用いても良い。
【0043】
その結果、排気制御弁16の実開度がエンジン水温に応じた開度以上の場合には、ステップS19から前述のステップS5へ戻り、実開度がエンジン水温に応じた開度未満の場合、ステップS19からステップS20へ進んで排気制御弁16をエンジン水温に応じた開度とした後、ステップS5へ戻る。ステップS5では、可変バルブタイミング機構27によるバルブオーバラップ期間を通常の制御状態に戻し、すなわち、暖機完了後のアイドル時では、吸気バルブの開閉タイミングを遅角化してバルブオーバラップ期間を小さくし、アイドル回転の安定化を図る。そして、ステップS6で吸気系のヒータ45及び燃料系のヒータ46を停止させ、ステップS7でタイマをリセットしてルーチンを抜ける。
【0044】
このように、本実施の形態では、エンジン始動前は、排気制御弁16をエンジン水温に応じた開度に制御し、エンジン始動後は、エンジン冷態状態で排気制御弁16が閉じているアイドル時であれば、目標エンジン回転数と実エンジン回転数との偏差に応じて排気制御弁16の開度を可変制御するので、排気制御弁16を閉じても、更には、排気制御弁16を閉じた状態で点火時期をリタードしても、エンジン回転数の低下を防止することができ、触媒の早期活性化を図って排気エミッションの低減を図ることができる。
【0045】
また、排気制御弁16を閉じているときには、可変バルブタイミング機構27によりバルブオーバーラップ期間を大きして内部EGRを増加させるので、より効果的に排気エミッションを改善することができ、しかも、内部EGRの増加に対し、吸気系と燃料系との少なくとも一方に設けたヒータを作動させるので、燃焼が不安定となる虞もない。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、エンジン冷態時且つアイドル時に排気制御弁を閉じることによって生じるエンジン回転数の低下の防止と、排気エミッションの低減とを両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンの全体構成図
【図2】排気制御ルーチンのフローチャート
【図3】排気制御ルーチンのフローチャート(続き)
【図4】エンジン水温と排気制御弁の開度との関係を示す説明図
【図5】エンジン水温と目標エンジン回転数との関係を示す説明図
【符号の説明】
1 エンジン
10 アイドル制御弁
14 排気管
15 触媒
16 排気制御弁
27 可変バルブタイミング機構
45 ヒータ
46 ヒータ
50 電子制御装置
NSET 目標エンジン回転数
Ne 実エンジン回転数
Claims (4)
- 排気通路に設けた触媒の下流に排気制御弁を設け、エンジン冷態時に上記排気制御弁を閉じることで上記触媒の温度を上昇させるエンジンの排気制御装置において、
エンジン冷態時且つアイドル時である場合、目標エンジン回転数と実エンジン回転数との偏差に応じて上記排気制御弁の開度を可変制御する手段を備えたことを特徴とするエンジンの排気制御装置。 - 排気通路に設けた触媒の下流に排気制御弁を設け、エンジン冷態時に上記排気制御弁を閉じることで上記触媒の温度を上昇させるエンジンの排気制御装置において、
エンジン冷態時且つアイドル時であり、且つアイドル時の吸入空気量を調整して実エンジン回転数が目標エンジン回転数になるよう制御するアイドル回転数制御手段による制御状態が目標エンジン回転数に収束しない状態である場合、上記目標エンジン回転数と上記実エンジン回転数との偏差に応じて上記排気制御弁の開度を可変制御する手段を備えたことを特徴とするエンジンの排気制御装置。 - エンジン冷態時に、吸気弁と排気弁とのバルブオーバーラップ期間を可変バルブタイミング機構を介して通常より大きくすることを特徴とする請求項1又は2記載のエンジンの排気制御装置。
- 吸気系と燃料系との少なくとも一方にヒータを設け、エンジン冷態時に、上記ヒータを作動させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載のエンジンの排気制御装置。
Priority Applications (1)
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JP2003085767A JP2004293391A (ja) | 2003-03-26 | 2003-03-26 | エンジンの排気制御装置 |
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JP2003085767A JP2004293391A (ja) | 2003-03-26 | 2003-03-26 | エンジンの排気制御装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2013014789A1 (ja) | 2011-07-28 | 2013-01-31 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
-
2003
- 2003-03-26 JP JP2003085767A patent/JP2004293391A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2013014789A1 (ja) | 2011-07-28 | 2013-01-31 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
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