JP2004293364A - エンジンの電子ガバナ用アクチュエータの電流制御装置および電流制御方法 - Google Patents
エンジンの電子ガバナ用アクチュエータの電流制御装置および電流制御方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】ディザ信号の信号周期をPWM信号の信号周期の3倍以上の長さに設定する。電流検出手段8は、検出部81からの電流検出信号に基づいて、PWM信号1周期当たりのアクチュエータ2への通電量を算出する。そして、ディザ信号1周期分の各PWM信号1周期当たりの通電量の中から、その最大値と最小値とを検知し、この最大値と最小値とを除くディザ信号1周期分の上記通電量の平均値を演算する。電流検出手段8は、この平均値を検出電流値として電流フィードバック制御手段7へ出力するようにする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの電子ガバナ用アクチュエータの電流制御装置および電流制御方法に関し、詳しくは、PWM信号にディザ信号を重畳させてアクチュエータを駆動させる形式の電子ガバナ用アクチュエータの電流制御装置および電流制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のエンジン回転数制御のための電子ガバナとしては、特許文献1または2に記載されているものがある。これらの従来技術は、エンジンの実回転数と目標回転数との偏差に応じて、燃料噴射ポンプに設けられた燃料調量ラック(ディーゼルエンジンの場合)やスロットルバルブ(火花点火式エンジンの場合)等の燃料供給量調節手段をアクチュエータによって駆動させ、これによって燃料噴射量を制御してエンジンの実回転数と目標回転数との偏差を許容範囲内に収めるようにしている。
【0003】
その際、特許文献2に記載されているように、エンジン回転数をフィードバックさせるためのループの中に、電流フィードバック用のマイナーループを設け、アクチュエータへの通電電流値(励磁電流値)を指令電流値に一致させることで応答性を向上させるのが一般的である。
【0004】
また、ソレノイド等の電磁式アクチュエータのヒステリシス特性の影響を低減するために、PWM信号等の操作信号にディザ信号を重畳させてアクチュエータを微振動させることが行われている(特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−062663号公報
【特許文献2】
特開2000−104605号公報
【特許文献3】
特開2001−020789号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、PWM信号等の操作信号にディザ信号を重畳させた場合、アクチュエータの通電電流にはディザという外乱も含まれているため、検出電流値そのものがディザの影響で変動し、制御系を不必要に不安定化させるおそれがある。
【0007】
特に、アクチュエータによって駆動される燃料調量ラック等の駆動対象物の位置をアクチュエータへの通電電流値によって間接的に検出する形式の電子ガバナでは、高価なラック位置センサを省略できる分低コストを実現できるものの、より正確な電流値検出が要求されるため、ディザ信号による検出電流値の変動は制御精度を低下させる要因となる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、以下のように構成されることを特徴とする。
請求項1に記載の発明は、アクチュエータ(2)への通電電流を検出する電流検出手段(8)と、この電流検出手段(8)が検出した検出電流値と指令電流値との偏差を許容範囲内に収めるように上記アクチュエータ(2)の通電量をPWM信号に基づいて制御する電流フィードバック制御手段(7)とを備え、上記PWM信号にはディザ信号が重畳された、エンジンの電子ガバナ用アクチュエータの電流制御装置において、上記ディザ信号の信号周期を上記PWM信号の信号周期の3倍以上の長さに設定し、上記電流検出手段(8)は、アクチュエータ(2)への通電電流を検出して電流検出信号を出力する検出部(81)を備え、この検出部(81)からの電流検出信号に基づいて、上記PWM信号1周期当たりのアクチュエータ(2)への通電量を算出し、少なくともディザ信号1周期間は、上記PWM信号1周期当たりの各通電量を記憶し、ディザ信号1周期分の上記各通電量の中からその最大値と最小値とを検知し、この最大値と最小値とを除くディザ信号1周期分の上記通電量の平均値を演算し、この平均値を検出電流値として前記電流フィードバック制御手段(7)へ出力するようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明では、ディザ信号周期をPWM信号周期の3倍以上の長さに設定したので、ディザ信号1周期のうちには、PWM信号1周期当たりのアクチュエータ(2)の通電量を増加させる方向へのディザの影響と、アクチュエータ(2)の通電量を減少させる方向へのディザの影響の両方が現れる。そこで、請求項1に記載の発明では、ディザ信号の影響が現れるディザ信号1周期分の各通電量の中から、その影響が最も現れた通電量の最大値と最小値とを除いて、その間の通電量の平均値を演算し、この平均値を検出電流値としてアクチュエータ(2)の電流制御に使用するようにした。このため、ヒステリシス低減というディザの効果を残しながら、ディザによる検出電流値の変動を抑制することができ、アクチュエータ(2)の電流制御の制御性能を向上させることができる。また、燃料調量ラック等の駆動対象物の位置をアクチュエータ(2)への通電電流値によって正確に検出することができるようになるため、高価なラック位置センサを省略することができる。
【0010】
なお、PWM方式による電流制御の場合、指令電流値が変化しても、この指令電流値の変化がPWM信号に反映されるまでには、最大でPWM信号1周期分の遅れが生じる。このため、PWM信号周期が長いと、応答性に欠けるおそれがある。一方、ディザ信号周期が短いと、アクチュエータ(2)の可動部が追従しにくくなるため、好適なディザ効果が得られないおそれがある。そこで、請求項1に記載するように、ディザ信号の信号周期をPWM信号の信号周期よりも長く設定することには技術的意義がある。
【0011】
上記請求項1に記載の発明は、請求項2に記載するように構成することが好ましい。
すなわち、前記電流検出手段(8)は、前記検出部(81)が出力した電流検出信号を、前記PWM信号よりも短い周期でA/D変換し、このA/D変換された電流検出信号に基づいて、上記PWM信号1周期当たりのアクチュエータ(2)への平均通電量を算出し、少なくともディザ信号1周期間は、上記PWM信号1周期当たりの各平均通電量を記憶し、ディザ信号1周期分の上記各平均通電量の中からその最大値と最小値とを検知し、この最大値と最小値とを除くディザ信号1周期分の上記平均通電量の平均値を演算し、この平均値を検出電流値として前記電流フィードバック制御手段(7)へ出力するようにする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載したエンジンの電子ガバナ用アクチュエータの電流制御装置において、前記ディザ信号の信号周期を前記PWM信号の信号周期のn倍(nは3以上の自然数)に設定した、ことを特徴とする。これにより、アクチュエータ(2)の通電量からディザ信号の影響分を除去してより正確な検出電流値を算出することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載したエンジンの電子ガバナ用アクチュエータの電流制御装置において、前記アクチュエータ(2)への指令電流値は、エンジンの実回転数と目標回転数との偏差を許容範囲内に収めるようにアクチュエータ(2)への通電量を決定する回転数フィードバック制御手段(6)によって設定されるようにした、ことを特徴とする。
【0014】
上述のように、上記請求項1から3に記載の各発明では、ディザによる検出電流値の変動を抑えることができるため、燃料調量ラック等の駆動対象物の位置をアクチュエータ(2)の通電電流値によってより正確に検出することができる。このため、請求項4に記載するように、アクチュエータ(2)への指令電流値を回転数フィードバック制御手段(6)の制御量として構成すれば、燃料調量ラック等の位置情報をフィードバックするループを改めて設ける必要はなく、ラック位置センサを省略して制御系を簡素化することができる。また、ラック位置センサが不要となる分コストを削減できる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、アクチュエータ(2)への通電電流を検出し、この検出電流値と指令電流値との偏差を許容範囲内に収めるように上記アクチュエータ(2)の通電量をPWM信号に基づいてフィードバック制御し、上記PWM信号にはディザ信号が重畳された、エンジンの電子ガバナ用アクチュエータの電流制御方法において、以下のように構成したことを特徴とする。
すなわち、上記ディザ信号の信号周期を上記PWM信号の信号周期の3倍以上の長さに設定する。そして、上記アクチュエータ(2)への通電電流を検出して電流検出信号を出力するステップと、この電流検出信号に基づいて、上記PWM信号1周期当たりのアクチュエータ(2)への通電量を算出するステップと、少なくともディザ信号1周期間は、上記PWM信号1周期当たりの各通電量を記憶するステップと、ディザ信号1周期分の上記各通電量の中からその最大値と最小値とを検知するステップと、この最大値と最小値とを除くディザ信号1周期分の上記通電量の平均値を演算するステップと、この平均値を検出電流値としてフィードバックするステップと、を備えたことを特徴とする。
【0016】
上記請求項5に記載の発明では、ディザ信号の影響が現れるディザ信号1周期分の各通電量の中から、その影響が最も現れた通電量の最大値と最小値とを除いて、その間の通電量の平均値を演算し、この平均値を検出電流値としてアクチュエータ(2)の電流制御に使用するようにしたため、ヒステリシス低減というディザの効果を残しながら、ディザによる検出電流値の変動を抑制することができる。これにより、アクチュエータ(2)の電流制御の制御性能が向上する。また、燃料調量ラック等の駆動対象物の位置をアクチュエータ(2)への通電電流値によって正確に検出することができるようになるため、高価なラック位置センサを省略することができる。
【0017】
上記請求項5に記載の発明は、請求項6に記載するように構成することが好ましい。
すなわち、前記電流検出信号を、前記PWM信号よりも短い周期でA/D変換するステップと、このA/D変換された電流検出信号に基づいて、上記PWM信号1周期当たりのアクチュエータ(2)への平均通電量を算出するステップと、少なくともディザ信号1周期間は、上記PWM信号1周期当たりの各平均通電量を記憶するステップと、ディザ信号1周期分の上記各平均通電量の中からその最大値と最小値とを検知するステップと、この最大値と最小値とを除くディザ信号1周期分の上記平均通電量の平均値を演算するステップと、この平均値を検出電流値としてフィードバックするステップとを備えるようにすることが好ましい。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載したエンジンの電子ガバナ用アクチュエータの電流制御方法において、前記ディザ信号の信号周期を前記PWM信号の信号周期のn倍(nは3以上の自然数)に設定した、ことを特徴とする。これにより、アクチュエータ(2)の通電量からディザ信号の影響分を除去してより正確な検出電流値を算出することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るディーゼルエンジンの回転数制御システム1(電子ガバナ)のブロック図である。このディーゼルエンジンの回転数制御システム1は、ディーゼルエンジンの燃料噴射ポンプ(不図示)に設けられた燃料調量ラック(不図示)をソレノイド2(アクチュエータ2)によって駆動して、エンジン回転数を目標回転数に一致させるもので、調速レバー等の目標回転数設定手段3と、電磁ピックアップ等の回転数センサである実回転数検出手段4と、燃料調量ラックを駆動するソレノイド2(アクチュエータ2)と、ECU5とを備える。
【0020】
ECU5は、回転数フィードバック制御部6と、電流フィードバック制御部7と、電流検出手段8とを備える。本実施形態では、上記回転数フィードバック制御部6が回転数フィードバック制御手段として機能し、上記電流フィードバック制御部7が電流フィードバック制御手段として機能する。
【0021】
ECU5は、クロック信号発生器9を内蔵しており、このクロック信号発生器9が発生させる基準クロック信号(クロック周波数f:200Hz)に基づき各種演算や制御動作を行うようになっている。
【0022】
回転数フィードバック制御部6は、回転数偏差演算手段61と、指令電流値演算手段62とを備える。回転数偏差演算手段61は、実回転数検出手段4からのエンジン実回転数と、目標回転数設定手段3が設定したエンジンの目標回転数とから両者の偏差を算出する。指令電流値演算手段62は、この回転数偏差演算手段61が算出した回転数偏差を許容範囲内に収めるようにアクチュエータ2への指令電流値を出力するもので、PID制御に基づいて指令電流値を演算するようになっている。但し、通常のPID制御に限られるものではなく、微分先行型PID制御や、他の制御方式でもよい。
【0023】
電流フィードバック制御部7は、電流値偏差演算手段71と、操作量演算手段72と、PWM信号出力手段73と、駆動手段74とを備える。このうち、電流値偏差演算手段71は、後述する電流検出手段8が検出した検出電流値と、前記回転数フィードバック制御部6からの指令電流値とに基づいて、両者の偏差を算出する。操作量演算手段72は、電流値偏差演算手段71が算出した電流値偏差を許容範囲内に収めるようにPWM信号のデューティ比(操作量)を演算するもので、PID制御に基づいてデューティ比を演算するようになっている。PWM信号出力手段73は、操作量演算手段72が算出したデューティ比と、後述するディザ信号出力手段が出力したディザ信号とに基づいて、PWM信号を出力する。このPWM信号出力手段73が出力したPWM信号(周期T)は、前記基準クロック信号(クロック周波数f:200Hz)に同期しており、T=1/f(=5msec)の関係にある。駆動手段74は、図示しないスイッチング素子を備え、上記PWM信号出力手段73が出力したPWM信号に基づいてこのスイッチング素子をオンオフ動作させて、ソレノイド2(アクチュエータ2)を駆動するようになっている。
【0024】
上記電流フィードバック制御部7は、また、ディザ信号出力手段75を備えている。このディザ信号出力手段75は、ソレノイド等のアクチュエータ2のヒステリシスや摺動部の摩擦抵抗を低減させるために可動部を微振動させておくためのもので、基準クロック信号を1/6に分周したパルス信号(ディザ信号)を生成する。具体的には、このディザ信号出力手段75は、その1周期(6T=30msec)のうちに、所定パルス幅の正負2つのパルスを間欠的に出力する。
【0025】
前記PWM信号出力手段73は、このディザ信号を重畳したPWM信号を生成出力する。すなわち、前記操作量演算手段72が算出したデューティ比に、上記ディザ信号出力手段75が生成したディザ信号のパルス幅を加算もしくは減算して、ディザ信号重畳後のデューティ比を算出し、このディザ信号重畳後のデューティ比に基づいてPWM信号を生成する。このため、ディザ信号周期6Tの間にPWM信号出力手段73が出力した6つのPWM信号のうちには、ディザ信号のパルス幅が加算されてデューティ比が増加したものと、ディザ信号のパルス幅が減算されてデューティ比が減少したものとが存在している。
【0026】
このディザ信号重畳の処理手順は図2に示す通りである。上述のように、ディザ信号1周期(6T)の間に、操作量演算手段72は6回演算を行い、デューティ比を6つ算出する。そこで、操作量演算手段72がデューティ比を算出するごとにアップカウントするカウンタ(ループカウンタ)を用意し、このループカウンタにより、今回のデューティ比の算出がディザ信号1周期のうちの何回目の算出に当たるかを指し示すようにする。ステップS201で、このループカウンタを初期化し、ステップS202において、操作量演算手段72がデューティ比dutyを算出する。ステップS203において、今回のデューティ比算出が、ディザ信号1周期のうちの何度目に当たるかを判断する。このステップS203において、今回が3回目のデューティ比算出(ループカウンタ=2)であると判断すると(「YES」の場合)、ステップS204へいき、上記ステップS202で算出されたデューティ比dutyにディザ信号のパルス幅ditherを加算したものを新たにデューティ比dutyとして、PWM信号を生成する。一方、ステップS203において「NO」の場合は、ステップS205において、今回のデューティ比算出が6回目のデューティ比算出(ループカウンタ=5)に当たるか否かを判断する。「YES」の場合には、ステップS206において、上記ステップS202で算出されたデューティ比dutyからディザ信号のパルス幅ditherを減算したものを新たにデューティ比dutyとして、PWM信号を生成するとともに、ループカウンタをリセットする。他方、「NO」の場合には、ループカウンタをインクリメントして、ステップS202に戻り、次回のデューティ比算出を行う。なお、上記のステップS202やステップS204、ステップS206の後に、デューティ比の値を一定範囲内に制限するリミッタ処理を行うステップを設けてもよい。
【0027】
本実施形態の電流検出手段8は、検出部たるシャント抵抗81と、A/D変換器82と、検出電流値演算手段83とを備えている。上記A/D変換器82は、上記検出部81からの電流検出信号(電圧)をA/D変換するためのものであり、基準クロック周波数fを32倍に逓倍した周波数32fで動作するようになっている。したがって、このA/D変換器82は、PWM信号1周期の間に32回A/D変換を行う。
【0028】
検出電流値演算手段83は、上記A/D変換後の値(以下、「A/D値」という)から、図3に示す平均電流値算出ルーチンに基づいて、PWM信号1周期当たりの平均電流値を算出する。具体的には、まず、A/D変換回数をカウントするカウンタと、A/D値の合計を表す変数Vsumを用意する。ステップS301でVsumを初期化し、ステップS302において、シャント抵抗81(検出部81)からの電流検出信号(電圧)をA/D変換する。ステップS303において、このA/D値をVsumに加算したものを新たにVsumとし、ステップS304において、上記カウンタをインクリメントする。ステップS305において、カウンタの値が32になったか否かを判断し、32未満の場合(「NO」の場合)は、ステップS302へ戻る。一方、カウンタの値が32に達した場合(「YES」の場合)は、ステップS306において、PWM信号1周期当たりの平均電圧Vaveを算出する。ステップS307において、このPWM信号1周期当たりの平均電圧Vaveを電圧/電流変換して、PWM信号1周期当たりの平均電流値Iaveを算出する。ステップS308でカウンタをクリアして、ステップS301へ戻る。
【0029】
検出電流値演算手段83は、このようにして得られたPWM信号1周期当たりの平均電流値Iaveから、図4に示すフローチャートに従って、検出電流値Irを演算する。まず、図示しないメモリ空間(RAM)内に、上述のPWM信号1周期当たりの平均電流値Iaveを格納する配列I[n](n=0〜5)のための記憶領域を確保する。この配列I[n](n=0〜5)には、上記PWM信号1周期当たりの平均電流値がディザ信号1周期分格納される。ステップS401からステップS404において、上記配列に格納されたPWM信号1周期当たりの平均電流値を一つずつシフトし、ステップS405において、I[0]に最新の平均電流値Iaveを格納する。ステップS406において、ディザ信号1周期分の各PWM信号1周期当たりの平均電流値Iaveの合計Isumを算出する。ステップS407とステップS408において、配列I[n](n=0〜5)に格納された平均電流値Iaveのうちの最大値と最小値を求める。ステップS409において、この最大値と最小値をIsumから除いて平均値Irを求める。このIrは、ディザ信号1周期6Tの間に、各PWM信号によってアクチュエータ2に通電されたPWM信号1周期T当たりの平均電流値Iaveの中から、ディザ信号の影響を最も受けたものを除いて、ディザ信号1周期分の通電量の算術平均値を求めたものである。
【0030】
検出電流値演算手段83は、このようにして得られたディザ信号1周期分のアクチュエータ2の通電量の算術平均値Irを検出電流値として、電流フィードバック制御部7へ出力する。電流フィードバック制御部7は、この検出電流値Irと、回転数フィードバック制御部6の指令電流値演算手段62が設定した指令電流値とを比較し、両者の偏差を許容範囲内に収めるように、PWM信号のデューティ比を演算し、アクチュエータ2を駆動する。
【0031】
このように、本実施形態によれば、ディザ信号の影響が現れるディザ信号1周期分の各通電量の中から、その影響が顕著な通電量の最大値と最小値とを除いて、その間の通電量の算術平均を演算し、この算術平均値を検出電流値としてアクチュエータ2の電流制御に使用するようにしたため、ヒステリシス低減というディザの効果を残しながら、ディザによる検出電流値の変動を抑えることができ、アクチュエータ2の電流制御の制御性能を向上させることができる。また、燃料調量ラックの位置をアクチュエータ2への通電電流値によって正確に検出することができるようになるため、高価なラック位置センサを省略することができる。
【0032】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、発明の要旨の範囲内で適宜変更して実施することができる。上記実施形態では、回転数フィードバック制御部6の指令電流値演算手段62と、電流フィードバック制御部7の操作量演算手段72とを、PID制御要素として構成したが、通常のPID制御だけでなく、微分先行型PIDや、他の形式の制御要素として構成してもよい。上記実施形態では、ディザ信号出力手段75とPWM信号出力手段73とA/D変換器82とを同一のクロック信号発生器9からのクロック信号に基づいて動作するように構成したが、異なるクロック源からの信号に基づいてそれぞれ動作させるように構成してもよい。上記実施形態では、PWM信号1周期当たりのアクチュエータの平均通電量や、ディザ信号1周期分のPWM信号1周期当たりの通電量の平均値を、算術平均によって求めたが、算術平均に限らず、他の平均概念によって求めてもよい。上記実施形態では、PWM信号1周期当たりのアクチュエータの平均通電量を、検出部が生成した電流検出信号(電圧)をPWM信号1周期内で32回A/D変換を行い、この平均値から算出したが、かかる算出方式に限られるものではない。例えば、電流検出信号(電圧)をアナログフィルタによって平滑化し、平滑化後の信号をA/D変換して平均電流値としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るディーゼルエンジンの回転数制御システム(電子ガバナ)のブロック図である。
【図2】ディザ信号重畳処理を示すフローチャートである。
【図3】PWM信号1周期当たりのアクチュエータへの平均通電量を算出するフローチャートである。
【図4】検出電流値を算出するフローチャートである。
【符号の説明】
2…ソレノイド(アクチュエータ)
6…回転数フィードバック制御部(回転数フィードバック制御手段)
7…電流フィードバック制御部(電流フィードバック制御手段)
8…電流検出手段
81…シャント抵抗(検出部)
Claims (7)
- アクチュエータ(2)への通電電流を検出する電流検出手段(8)と、この電流検出手段(8)が検出した検出電流値と指令電流値との偏差を許容範囲内に収めるように上記アクチュエータ(2)の通電量をPWM信号に基づいて制御する電流フィードバック制御手段(7)とを備え、
上記PWM信号にはディザ信号が重畳された、エンジンの電子ガバナ用アクチュエータの電流制御装置において、
上記ディザ信号の信号周期を上記PWM信号の信号周期の3倍以上の長さに設定し、
上記電流検出手段(8)は、
アクチュエータ(2)への通電電流を検出して電流検出信号を出力する検出部(81)を備え、
この検出部(81)からの電流検出信号に基づいて、上記PWM信号1周期当たりのアクチュエータ(2)への通電量を算出し、
少なくともディザ信号1周期間は、上記PWM信号1周期当たりの各通電量を記憶し、
ディザ信号1周期分の上記各通電量の中からその最大値と最小値とを検知し、
この最大値と最小値とを除くディザ信号1周期分の上記通電量の平均値を演算し、
この平均値を検出電流値として前記電流フィードバック制御手段(7)へ出力するようにした、
ことを特徴とするエンジンの電子ガバナ用アクチュエータの電流制御装置。 - アクチュエータ(2)への通電電流を検出する電流検出手段(8)と、この電流検出手段(8)が検出した検出電流値と指令電流値との偏差を許容範囲内に収めるように上記アクチュエータ(2)の通電量をPWM信号に基づいて制御する電流フィードバック制御手段(7)とを備え、
上記PWM信号にはディザ信号が重畳された、エンジンの電子ガバナ用アクチュエータの電流制御装置において、
上記ディザ信号の信号周期を上記PWM信号の信号周期の3倍以上の長さに設定し、
上記電流検出手段(8)は、
アクチュエータ(2)への通電電流を検出して電流検出信号を出力する検出部(81)を備え、
この検出部(81)が出力した電流検出信号を、前記PWM信号よりも短い周期でA/D変換し、
このA/D変換された電流検出信号に基づいて、上記PWM信号1周期当たりのアクチュエータ(2)への平均通電量を算出し、
少なくともディザ信号1周期間は、上記PWM信号1周期当たりの各平均通電量を記憶し、
ディザ信号1周期分の上記各平均通電量の中からその最大値と最小値とを検知し、
この最大値と最小値とを除くディザ信号1周期分の上記平均通電量の平均値を演算し、
この平均値を検出電流値として前記電流フィードバック制御手段(7)へ出力するようにした、
ことを特徴とするエンジンの電子ガバナ用アクチュエータの電流制御装置。 - 請求項1または2に記載したエンジンの電子ガバナ用アクチュエータの電流制御装置において、
前記ディザ信号の信号周期を前記PWM信号の信号周期のn倍(nは3以上の自然数)に設定した、
ことを特徴とするエンジンの電子ガバナ用アクチュエータの電流制御装置。 - 請求項1から3のいずれかに記載したエンジンの電子ガバナ用アクチュエータの電流制御装置において、
前記アクチュエータ(2)への指令電流値は、エンジンの実回転数と目標回転数との偏差を許容範囲内に収めるようにアクチュエータ(2)への通電量を決定する回転数フィードバック制御手段(6)によって設定されるようにした、
ことを特徴とするエンジンの電子ガバナ用アクチュエータの電流制御装置。 - アクチュエータ(2)への通電電流を検出し、この検出電流値と指令電流値との偏差を許容範囲内に収めるように上記アクチュエータ(2)の通電量をPWM信号に基づいてフィードバック制御し、
上記PWM信号にはディザ信号が重畳された、エンジンの電子ガバナ用アクチュエータの電流制御方法において、
上記ディザ信号の信号周期を上記PWM信号の信号周期の3倍以上の長さに設定し、
上記アクチュエータ(2)への通電電流を検出して電流検出信号を出力するステップと、
この電流検出信号に基づいて、上記PWM信号1周期当たりのアクチュエータ(2)への通電量を算出するステップと、
少なくともディザ信号1周期間は、上記PWM信号1周期当たりの各通電量を記憶するステップと、
ディザ信号1周期分の上記各通電量の中からその最大値と最小値とを検知するステップと、
この最大値と最小値とを除くディザ信号1周期分の上記通電量の平均値を演算するステップと、
この平均値を検出電流値としてフィードバックするステップと、を備えた、
ことを特徴とするエンジンの電子ガバナ用アクチュエータの電流制御方法。 - アクチュエータ(2)への通電電流を検出し、この検出電流値と指令電流値との偏差を許容範囲内に収めるように上記アクチュエータ(2)の通電量をPWM信号に基づいてフィードバック制御し、
上記PWM信号にはディザ信号が重畳された、エンジンの電子ガバナ用アクチュエータの電流制御方法において、
上記ディザ信号の信号周期を上記PWM信号の信号周期の3倍以上の長さに設定し、
上記アクチュエータ(2)への通電電流を検出して電流検出信号を出力するステップと、
この電流検出信号を、前記PWM信号よりも短い周期でA/D変換するステップと、
このA/D変換された電流検出信号に基づいて、上記PWM信号1周期当たりのアクチュエータ(2)への平均通電量を算出するステップと、
少なくともディザ信号1周期間は、上記PWM信号1周期当たりの各平均通電量を記憶するステップと、
ディザ信号1周期分の上記各平均通電量の中からその最大値と最小値とを検知するステップと、
この最大値と最小値とを除くディザ信号1周期分の上記平均通電量の平均値を演算するステップと、
この平均値を検出電流値としてフィードバックするステップと、を備えた、
ことを特徴とするエンジンの電子ガバナ用アクチュエータの電流制御方法。 - 請求項5または6に記載したエンジンの電子ガバナ用アクチュエータの電流制御方法において、
前記ディザ信号の信号周期を前記PWM信号の信号周期のn倍(nは3以上の自然数)に設定した、
ことを特徴とするエンジンの電子ガバナ用アクチュエータの電流制御方法。
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