JP2004292948A - 磁性粒子の製造方法及び磁性粒子並びに磁気記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】合金粒子作製工程において、微小サイズ、単分散性、変態容易性の全てを満足する合金粒子を作製する。
【解決手段】CuAu型あるいはCu3 Au型の硬磁性規則合金相を形成し得る合金粒子を作製する合金粒子作製工程と、該合金粒子作製工程で作製された合金粒子から前記CuAu型あるいはCu3 Au型の磁性粒子を形成する磁性粒子形成工程とを備えた磁性粒子の製造方法において、合金粒子を作製するための複数種の溶液L1、L2をマイクロリアクター10を利用し、溶液L1、L2がミキシング流路26内において薄板状の層流となって流通し、溶液L1、L2の接触界面において流通方向に直交する方向に拡散することにより均一な混合反応を短時間で行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁性粒子の製造方法及びその方法で製造された磁性粒子並びに該磁性粒子を磁性層に含有する磁気記録媒体に関する。
磁性層に含有される磁性粒子の粒子サイズを小さくすることは、磁気記録密度を高くする上で重要である。例えば、ビデオテープ、コンピュータテープ、ディスク等として広く用いられている磁気記録媒体では、硬磁性体の質量が同じ場合、粒子サイズを小さくしていった方がノイズは下がる。
磁気記録密度の向上に有望な磁性粒子の素材としては、CuAu型あるいはCu3 Au型の硬磁性規則合金が着目されている(例えば特許文献1、特許文献2)。この硬磁性規則合金は規則化時に発生する歪みのために結晶磁気異方性が大きく、磁性粒子の粒子サイズを小さくしても硬磁性を示すことが知られている。
硬磁性を示す磁性粒子は液相法や気相法等で作製されるが、特に量産性に優れ実用的な液相法で作製された直後の磁性粒子は、不規則で面心立方晶の構造を有している。面心立方晶は通常、軟磁性あるいは常磁性を示し、磁気記録媒体用としては適しておらず、磁気記録媒体には95.5kA/m(1200Oe)以上の保磁力を有する硬磁性規則合金を得る必要がある。このような硬磁性規則合金を得るには、不規則相を規則相へ変態させる必要がある。この為、磁性粒子の製造は、CuAu型あるいはCu3 Au型の硬磁性規則合金相を形成し得る合金粒子を作製する合金粒子作製工程と、該作製工程で作製された合金粒子からCuAu型あるいはCu3 Au型の磁性粒子を形成する磁気粒子形成工程とで構成され、磁気粒子形成工程では通常アニール処理(熱処理)が行われている。
しかし、磁気記録媒体に使用される磁性粒子の性能の良し悪しは磁性粒子形成工程だけで決まるわけではなく、微小サイズで単分散性に優れると共に不規則相を規則相へ変態させ易い変態容易性に優れた合金粒子を合金粒子作製工程で如何に作製するかが重要なポイントになる。合金粒子の作製は、通常、合金粒子を作製するための複数種の溶液を前述した液相法で混合することにより行われ、混合反応装置としては、図8に示すようにタンク内に攪拌羽根を設けたものが提案されている(特許文献3)。
この混合反応装置1は、タンク2内部に充填した溶液を攪拌するために、モータ3の回転駆動力が磁力を利用して非接触で伝達される伝達手段4を介して攪拌羽根5が回転駆動される。また、タンク1の外周面には、内部に充填した溶液の温度制御を行うために、溶液を加熱又は冷却する温度制御手段6を有している。このタンク2の密閉蓋7には、溶液を導入する導入管8が設けられ、タンク2の底部にはタンク2内で混合反応された混合反応液を排出する排出管9が設けられる。
特開2003−6830号公報 特開2001−256631号公報 特開平5−173267号公報
しかしながら、従来の混合反応装置による合金粒子の作製では、タンク2内にデッドスペースが存在して液の攪拌が不均一になったり、生成された合金粒子のタンク2内での部分循環による粒子成長が起こったりするために、微小サイズで単分散性が良く、しかも変態容易性に優れた合金粒子を作製することはできないという欠点がある。
また、近年、ビデオテープ、コンピュータテープ、ディスク等として広く用いられている磁気記録媒体では、一層の低ノイズ化が要望されている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、合金粒子作製工程において、微小サイズで単分散性が良く、しかも変態容易性に優れた合金粒子を作製することができるので、磁気記録媒体の十分な低ノイズ化を達成するための性能の良い磁性粒子を製造することができる磁性粒子の製造方法及びその方法で製造された磁性粒子並びに該磁性粒子を磁性層に含有する磁気記録媒体を提供することを目的とする。
本発明の発明者は、CuAu型あるいはCu3 Au型の硬磁性規則合金相を形成し得る合金粒子を作製するための複数種の溶液を、マイクロリアクターを利用した液相法により混合反応させることにより、微小サイズで単分散性が良く、しかも変態容易性に優れた合金粒子を作製することができるとの知見を得た。本発明はかかる知見に基づいて成されたものである。
先ず、本発明の理解を助けるために磁気記録媒体の低ノイズ化について述べる。
ハードディスク用の磁気記録媒体の作成法として知られているスパッタ法は、多結晶状態で磁性膜を形成する。当該磁性膜を形成する単結晶は、粒径が20nm程度で高さが100nm程度の円柱状であり、また粒子サイズ(粒子径)の変動係数が20%以上と大きい。スパッタ法では当該磁性膜を構成する単結晶同士が隣接しているため、当該単結晶が隣接した単結晶と共に磁化される。そのため、当該単結晶より実際の磁化単位が大きくなる。このことから、結晶粒界にクロム等を偏析させて磁化単位を小さくする試みがなされているが、これも対策として不十分であった。しかし、記録媒体のノイズを下げるためには、さらなる磁化単位の粒径低下及び変動係数低下が必要とされる。
一方、磁気テープ、フレキシブルディスク用の磁気記録媒体の一般的な製造方法では、鉄、鉄とコバルトの合金、酸化鉄あるいはバリウムフェライトからなる磁性粒子を一旦アニール処理した後に、結合剤とともに混練りし、分散した後に塗布する。しかし、この方法では、磁性粒子の状態でアニール処理するため、粒子が融着または凝集し易い。従って、粒子サイズの変動係数は良くても20%程度であり、十分な低ノイズ化が達成されていない。また、これらの磁性体の磁気異方性定数は小さく、サイズを20nm以下にしたときに、熱揺らぎの影響を大きく受けて、超常磁性状態となり磁気記録媒体としては使用できない。
このように、ハードディスク用の磁気記録媒体にしろ、磁気テープ、フレキシブルディスク用の磁気記録媒体にしろ、十分な低ノイズ化を達成するためには、粒子サイズの変動係数を20%以下にすることが重要になる。
本発明者はかかる変動係数を20%以下にする対策として、次の知見に着目した。
(1) 逆ミセル法は、スパッタ法と異なり、ミセル内で20nm以下のサイズの磁性粒子を他の磁性粒子と隔離した状態で調製することが可能である点。
(2) 磁性粒子を製造する前駆体としてCuAu型あるいはCu3 Au型の硬磁性規則合金相を形成し得る合金粒子を用いれば、サイズを20nm以下にしても磁気記録媒体として適した硬磁性を示すと共に、作成する合金粒子の粒子サイズは1〜100nmの範囲内で、且つ合金粒子の粒子サイズの変動係数が15%以下であることが好適である点。
(3) CuAu型あるいはCu3 Au型の硬磁性規則合金相を形成し得る合金粒子を逆ミセル法を用いて製造しても、従来技術に記載したように、タンク内に攪拌羽根を設けた混合反応装置では、粒子サイズが20nm以下の合金粒子を作成できることはあっても、粒子サイズの変動係数が20%以下になることはなく、粒径制御が困難である。しかし、CuAu型あるいはCu3 Au型の硬磁性規則合金相を形成し得る合金粒子を作製するための複数種の溶液を、マイクロリアクターを利用して液相法により混合反応させることにより、微小サイズで単分散性に優れると共に、自己配列性に優れた合金粒子を得ることができ、合金粒子をCuAu型あるいはCu3 Au型の磁性粒子に形成する磁性粒子形成工程(例えばアニール処理)で合金相を不規則相から規則相に容易に変態できる点。
(4) マイクロリアクター法での混合反応温度を適切に制御することで、作成される合金粒子のサイズ制御が精度良く行える点。
(5) 合金粒子を支持体に塗布して固定した状態でアニール処理することで、粒子が融着または凝集するのを防止できる点。
ここで本発明における粒子サイズ(粒子径)とは、粒子の平行な外表面の投影面積と等しい面積をもつ円の直径で表示する。即ち、粒子の投影面積は電子顕微鏡写真上での面積を測定し、撮影倍率を補正することにより得られる。粒子の投影面積と等しい面積を有する円を想定し、該円の直径を合金粒子(又は磁性粒子のこともある)の円相当径とする。また、粒子サイズの変動係数とは、全ての粒子における円相当径の標準偏差を平均粒子径で割って得られる値を意味する。
本発明はかかる知見に基づいて、磁気粒子の製造方法、磁性粒子、及び磁気記録媒体として具体的に構成させたものである。
本発明の請求項1は前記目的を達成するために、CuAu型あるいはCu3 Au型の硬磁性規則合金相を形成し得る合金粒子を作製する合金粒子作製工程及び磁性粒子形成工程とを備えた磁性粒子の製造方法において、前記合金粒子作製工程では、該合金粒子を作製するための複数種の溶液をマイクロリアクターを利用した液相法により混合反応させると共に、該混合反応により作成される合金粒子の粒子サイズが1〜100nmであり、且つ粒子サイズの変動係数が15%以下であることを特徴とする。
本発明によれば、合金粒子を作製するための複数種の溶液をマイクロリアクターを利用した液相法により混合反応させることにより、微視的に見るとマイクロリアクターの微細領域を利用して、合金粒子を形成するための反応成分同士を一対一で反応させることができると共に、複数種の溶液は微細領域を層流状態で一方向に流れて混合反応されるので、生成された合金粒子が部分循環によって粒子成長を起こすこともない。これにより、微小サイズで極めて単分散性の良い合金粒子の作製が可能である。従って、かかるマイクロリアクターによる混合反応により作成された合金粒子の粒子サイズを1〜100nmで、且つ粒子サイズの変動係数を15%以下にできる。これは、1nm未満の粒子サイズの合金粒子では超常磁性となり易く、磁気記録媒体に使用する磁性粒子を製造する合金粒子として不向きであり、100nmを超える粒子サイズでは十分な低ノイズ化が達成されないためである。合金粒子の粒子サイズのより好ましい範囲は3〜20nmであり、特に好ましい範囲は3〜10nmである。
また、合金粒子の粒子サイズの変動係数が15%を超えると、十分な低ノイズ化が達成されないためであり、より好ましい変動係数は10%以下である。
更に、かかるマイクロリアクターで作成された合金粒子は、自己配列性に優れているので、磁性粒子形成工程において、合金粒子をCuAu型あるいはCu3 Au型の磁性粒子に容易に変態させることができる。
本発明の請求項2は請求項1において、前記混合反応により作成される合金粒子の粒子サイズが1〜100nmであり、且つ粒子サイズの変動係数が15%以下であることを特徴とする。
請求項2は請求項1又は2における磁性粒子の製造方法における混合反応によって作成される合金粒子のサイズ及び変動係数を規定したものである。
本発明の請求項3は請求項1又は2において、前記液相法は逆ミセル法であると共に、前記複数種の溶液として、界面活性剤を含有する非水溶性有機溶媒と還元剤水溶液とを混合した逆ミセル溶液(溶液L1)と、界面活性剤を含有する非水溶性有機溶媒と前記合金粒子を作製する複数種の金属原子を含有する金属塩水溶液とを混合した逆ミセル溶液(溶液L2)とを調製し、前記溶液L1及び溶液L2を前記マイクロリアクターで混合反応させることを特徴とする。
本発明の請求項3によれば、液相法を逆ミセル法で行うことにより作製される合金粒子の粒径を制御し易くなる。また、複数種の溶液として、界面活性剤を含有する非水溶性溶媒及び還元性水溶液で構成された溶液L1と、界面活性剤を含有する非水溶性有機溶媒及び合金粒子を作製する複数種の金属原子を含有する金属塩水溶液で構成された溶液L2とを調製することができる。即ち、溶液L1と混合反応させる溶液L2の中に合金粒子を作製する複数種の金属原子を全て含有させることができ、溶液L1と溶液L2とをマイクロリアクターで混合反応させる。
本発明の請求項4は請求項1又は2において、前記液相法は逆ミセル法であると共に、前記複数種の溶液として、界面活性剤を含有する非水溶性有機溶媒及び還元剤水溶液とを混合した逆ミセル溶液(溶液L1)と、界面活性剤を含有する非水溶性有機溶媒と前記合金粒子を作製する複数種の金属原子のうちの1種類を含有する金属塩水溶液で構成された逆ミセル溶液(溶液L3)を前記複数種の金属原子の数だけ調製し、これらの溶液L1と複数の溶液L3とをマイクロリアクターで混合反応させることを特徴とする。
本発明の請求項4は、合金粒子を作製する複数種の金属原子を1種類ずつ含有する複数の溶液L3として調製したものであり、L1溶液及び複数の溶液L3をマイクロリアクターで混合反応させる。
本発明の請求項5は請求項1〜4の何れか1において、前記マイクロリアクターは、前記複数種の溶液を並列筒構造に形成されたそれぞれの供給流路を通して1本のミキシング流路に合流し、合流した各溶液を平行な層流として流通させつつ流体同士をその接触界面の法線方向へ拡散して混合する並列型のマイクロリアクターであることを特徴とする。
ここで、請求項5が請求項2に従属する場合の複数種の溶液とは溶液L1と溶液L2を指し、請求項4に従属する場合の複数種の溶液とは溶液L1と複数の溶液L3を指す。以下、同様である。
本発明の請求項5は、複数種の溶液を並列型のマイクロリアクターで混合反応させるものである。
本発明の請求項6は請求項5において、前記それぞれの給液路は、その幅方向寸法が1〜500μmで、深さ方向寸法が1〜500μmな狭隘なマイクロチャンネルであると共に、前記ミキシング流路の幅方向寸法と深さ方向寸法は、前記それぞれの給液路に基づいて設定されることを特徴とする。
本発明の請求項6は、平行型のマイクロリアクターにおいて、それぞれの給液路とミキシング流路の幅方向寸法と深さ方向寸法の好ましい寸法を規定したもので、給液路の幅方向寸法は1〜500μmで、深さ方向寸法は1〜500μmの範囲が好ましい。更に好ましくは、幅方向に10〜300μmで、深さ方向に10〜300μmである。一方、ミキシング流路の幅方向寸法と深さ方向寸法は給液路の寸法を前記範囲でどのように設定するかで決まるが、好ましい寸法としては、幅方向及び深さ方向ともに10〜500μmの範囲である。
本発明の請求項7は請求項1〜4の何れか1において、前記マイクロリアクターは、前記複数種の溶液を同心円の多重円筒管構造に形成されたそれぞれの給液路を通して1本のミキシング流路に合流し、合流した各溶液を同心円状の層流として流通させつつ流体同士をその接触界面の法線方向へ拡散して混合する同心円型のマイクロリアクターであることを特徴とする。
本発明の請求項7によれば、複数種の溶液を同心円型のマイクロリアクターで混合反応させるものである。
本発明の請求項8は請求項7において、前記ミキシング流路は、前記同心円状の層流のうちの中心を流れる中心流の流れ方向に直交する断面の円相当直径が10〜500μm、該中心流の外側を流れる外周流の厚みが10〜500μmであることを特徴とする。
本発明の請求項8は、同心円型のマイクロリアクターにおけるミキシング流路の好ましい内径を規定したもので、同心円状の層流のうちの中心を流れる中心流の流れ方向に直交する断面の円相当直径が10〜500μm、該中心流の外側を流れる外周流の厚みが10〜500μmであることが好ましい。更に好ましくは、中心流の流れ方向に直交する断面の円相当直径が10〜300μm、該中心流の外側を流れる外周流の厚みが10〜300μmである。従って、複数種の溶液の同心円状の給液路における厚みも、ミキシング流路の好ましい内径に基づいて決定される。
本発明の請求項9は、請求項1〜8の何れか1において、前記CuAu型あるいはCu3 Au型の硬磁性規則合金相を形成し得る合金粒子を構成する少なくとも2種の金属原子が長周期表における6、8、9、10族の中から選択されると共に、更に少なくとも1種の金属原子が11、12、13、14、15族の中から選択され、前記1種の金属原子の含有量が合金全体の1〜30原子%であることを特徴とする。
本発明の請求項9によれば、長周期表における6、8、9、10族の中から選択される少なくとも2種の金属原子に、11、12、13、14、15族の中から選択される少なくとも1種の金属原子を加えることにより、合金粒子作製工程で作製された合金粒子の合金相を磁性粒子形成工程において不規則相から規則相に変態させる際に、変態温度を下げることができる。
本発明の請求項10は請求項1〜9の何れか1において、前記合金粒子作製工程における混合反応温度を−5°C〜30°Cの範囲に制御することを特徴とする。
本発明の請求項10によれば、合金粒子作製工程における混合反応温度を−5°C〜30°Cの範囲で温度制御するようにした。混合反応温度が−5°C未満では、水相が凝結して還元反応が不均一になるといった問題が生じ、30°Cを超えると、凝集や沈澱が起こり易く系が不安定となることがある。好ましい混合反応温度は0°C〜25°Cの範囲であり、特に好ましくは5°C〜25°Cの範囲である。
本発明の請求項11は、請求項1〜10の何れか1において、前記磁性粒子形成工程では、前記合金粒子作製工程で作製された合金粒子を含有する合金粒子含有液を支持体上に塗布した後、アニール処理を行うことを特徴とする。
合金粒子作製工程で作製された合金粒子は弱い磁性を持っているが、磁気記録媒体に必要される1200Oe以上の保磁力を有するCuAu型あるいはCu3 Au型の硬磁性規則合金を得るには、合金粒子の合金相を不規則相から規則相に変態させる必要があるが、かかるアニール処理において粒子状態で行うと合金粒子同士が凝集し易くなる。
本発明の請求項11によれば、合金粒子作製工程で作製された合金粒子を含有する合金粒子含有液を支持体上に塗布した後、アニール処理を行うようにしたので、合金粒子同士の凝集を防止でき、微小サイズの磁性粒子を形成することができる。この場合、アニール処理により形成された磁性粒子の粒子サイズも1〜100nmの範囲であることが好ましく、更に好ましくは3〜20nmの範囲であり、特に好ましい範囲は3〜10nmの範囲である。更にアニール処理により形成された磁性粒子の粒子サイズの変動係数も15%以下であることが好ましいく、より好ましくは10%以下である。
本発明の請求項12は請求項11において、前記アニール処理におけるアニール処理温度を100°C〜500°Cの範囲に制御することを特徴とする。
本発明の請求項13は、請求項1〜12の磁気粒子の製造方法の何れか1によって製造された磁性粒子であり、本発明の請求項14は請求項13の磁性粒子を磁性層に含有する磁気記録媒体である。
以上説明したように、本発明の磁性粒子の製造方法によれば、合金粒子作製工程において微小サイズ、単分散性、変態容易性の全てを満足する合金粒子を作製することができるので、性能の良い磁性粒子を製造することができる。
また、本発明により製造した磁性粒子を磁性層に含有する本発明の磁気記録媒体は、ノイズが低く、高記録密度な高品質の性能を有する。
以下、添付図面に従って本発明に係る磁性粒子の製造方法及び磁性粒子並びに磁気記録媒体の好ましい実施の形態について詳説する。
本発明の磁性粒子の製造方法は、硬磁性規則合金相を形成し得る合金粒子を液相法により作製する合金粒子作製工程と、作製した合金粒子からCuAu型あるいはCu3 Au型の磁性粒子を形成する磁性粒子形成工程とで構成される。
以下、上記各工程を説明しながら、本発明の磁性粒子の製造方法及び磁性粒子について説明する。また、磁性粒子形成工程はアニール処理の例で以下に説明するが、これに限定されるものではない。
[合金粒子作製工程]
アニール処理により磁性粒子となる合金粒子は、液相法以外の気相法でも作製することができるが、量産性に優れていることを考慮すると液相法が好ましい。液相法としては従来から知られている種々の方法を適用できるが、これらに改良を加えた還元法を適用することが好ましく、還元法の中でも合金粒子の粒子サイズを制御し易い逆ミセル法が特に好ましい。
逆ミセル法は、少なくとも2種の逆ミセル溶液を混合して還元反応を行う還元工程と還元反応後に処理温度で熟成する熟成工程で構成される。
(還元工程)
還元工程では、まず、界面活性剤を含有する非水溶性有機溶媒と還元性水溶液と混合した逆ミセル溶液(溶液L1)を調製する。以下、この逆ミセル溶液(溶液L1)を単に溶液L1と言う。
界面活性剤としては、油溶性界面活性剤が用いられる。具体的には、スルホン酸塩型(例えば、エーロゾルOT(和光純薬製))、4級アンモニウム塩型(例えば、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド)、エーテル型(例えば、ペンタエチレングリコールドデシルエーテル)等が挙げられる。
非水溶性有機溶媒中の界面活性剤量は、20〜200g/Lであることが好ましい。
界面活性剤を溶解する非水溶性有機溶媒として好ましいものは、アルカン、エーテル及びアルコール等が挙げられる。アルカンとしては、炭素数7〜12のアルカン類であることが好ましい。具体的には、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン等が好ましい。エーテルとしては、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル等が好ましい。アルコールとしては、エトキシエタノール、エトキシプロパノール等が好ましい。
還元剤水溶液中の還元剤としては、アルコール類;ポリアルコール類;H2 ;HCHO、S2 6 2- 、H2 PO2-、BH4-、N2 5+、H2 PO3-等を含む化合物を単独で使用することができるが、2種以上を併用することが好ましい。水溶液中の還元剤量は金属塩1モルに対して3〜50モルであることが好ましい。
ここで溶液L1の溶液中の水と界面活性剤との質量比(水/界面活性剤)は20以下になるようにすることが好ましい。質量比が20を超えると、沈澱が起き易く、粒子も不揃いになり易いといった問題が生じることがある。質量比は15以下とすることが更に好ましく、0.5〜10とすることが特に好ましい。
次に、上述した溶液L1とは別に、界面活性剤を含有する非水溶性有機溶媒と合金粒子を作製する複数種の金属原子を含有する金属塩水溶液とを混合した逆ミセル溶液(溶液L2)を調製する。以下、この逆ミセル溶液(溶液L2)を単に溶液L2と言う。
この場合、界面活性剤を含有する非水溶性有機溶媒及び還元剤水溶液とを混合した溶液L1と、界面活性剤を含有する非水溶性有機溶媒と前記合金粒子を作製する複数種の金属原子のうちの1種類を含有する金属塩水溶液で構成された逆ミセル溶液(溶液L3)を前記複数種の金属原子の数だけ調製してもよい。以下、逆ミセル溶液(溶液L3)を単に溶液L3と言う。
界面活性剤及び非水溶性有機溶媒の条件(使用する物質、濃度等)については、溶液L1と同様である。尚、溶液L1と同種のもの又は異種のものを使用することができる。また、溶液L2の溶液中の水と界面活性剤の質量比も溶液L1と同様であり、質量比は溶液L1と同一でもよく、異なってもよい。
金属塩水溶液に含有される金属塩としては、作製しようとする磁性粒子がCuAu型あるいはCu3 Au型の硬磁性規則合金を形成し得るように適宜選択することが好ましい。
CuAu型の硬磁性規則合金としては、FeNi、FePd、FePt、CoPt、CoAu等が挙げられ、なかでもFePd、FePt、CoPtが好ましい。Cu3 Au型の硬磁性規則合金としては、Ni3 Fe、FePd3 、Fe3 Pd、Fe3 Pt、Co3 Pt、FePt3 、CoPt3 、Ni3 Pt、CrPt3 、Ni3 Mnが挙げられ、なかでもFePd3 、FePt3 、CoPt3 、Fe3 Pd、Fe3 Pt、Co3 Ptが好ましい。
金属塩の具体例としては、H2 PtCl6 、K2 PtCl4 、Pt(CH3 COCHCOCH3 2 、Na2 PdCl4 、Pd(OCOCH3 2 、PdCl2 、Pd(CH3 COCHCOCH3 2 、HAuCl4 、Fe2 (SO4 3 、Fe(NO3 3 、(NH4 3 Fe(C2 4 3 、Fe(CH3 COCHCOCH3 3 、NiSO4 、CoCl2 、Co(OCOCH3 2 等を挙げることができる。
金属塩水溶液の濃度(金属塩濃度として)は、0.1〜1000μmol/mlであることが好ましく、1〜100μmol/mlであることがより好ましい。
合金粒子は後述するアニール処理によって合金相を不規則相から規則相へ変態させる必要があるが、CuAu型あるいはCu3 Au型の硬磁性規則合金相を形成し得る合金粒子を構成する少なくとも2種の金属原子が長周期表における6、8、9、10族の中から選択されると共に、更に少なくとも1種の金属原子が11、12、13、14、15族の中から選択され、前記1種の金属原子の含有量が合金全体の1〜30原子%(at%)であることが好ましい。例えば、長周期表における6、8、9、10族の中から選択される2種の金属原子で構成する2元系合金に、Sb,Pb,Bi,Cu、Ag,Zn,In等の11、12、13、14、15族の中から選択された1種の金属原子(以下「第三元素」という)を加えることにより、合金粒子の合金相を不規則相から規則相へ変態させる変態温度を下げることができる。
以上のように調製した溶液L1と溶液L2とを混合するが、本発明では、複数の溶液L1、L2をマイクロリアクターを利用して混合反応させることにより、合金粒子作製工程において微小サイズ、単分散性、変態容易性の全てを満足する合金粒子を作製するようにした。
マイクロリアクターの種類としては、1)並列型マイクロリアクターと、2)同心円型マイクロリアクターとを好適に使用することができ、以下各マイクロリアクターの構造について説明する。尚、単に混合させるものをマイクロミキサーと言うことがあるが、構造が同じであればマイクロリアクターに含まれるものとする。
1)並列型マイクロリアクター
図1は、並列型マイクロリアクターの構造を示した好ましい断面図であり、図1(A)は上から見た平面断面図であり、図1(B)は図1(A)のB−B線に沿った断面図である。
図1に示すように、このマイクロリアクター10は、2種類の溶液L1、L2を混合反応し、これらの溶液L1、L2が均一に混合反応されて生成された合金粒子を含有する混合反応溶液LM(合金粒子含有液)を排出するものである。
図1に示されるように、マイクロリアクター10の外形形状が全体として略角柱状に形成されており、装置の外殻部を構成する薄肉筒状のミキサー本体12を備えている。ここで、図中における直線Sはミキサー本体12の断面中心を結んだ軸心を示している。ミキサー本体12は軸直角断面が四角形とされており、このミキサー本体12には、軸方向に沿った基端側(図1では左側)にミキサー本体12の内部空間を区画した隔壁板14が配置されている。この隔壁板14は、図1(B)に示すようにミキサー本体12内の空間を断面の左右方向において略2等分し、これにより、ミキサー本体12内に軸方向に沿って直線的に延在する並列した第1給液路16及び第2給液路18を形成している。
図1(A)に示されるように、ミキサー本体12の基端部は蓋板20により閉塞されており、この蓋板20には2本の給液配管38、39が接続されている。これらの給液配管38、39を通して、給液路16、18内には、それぞれマイクロリアクター10の上流側に設置された2個の給液源(図示せず)から加圧状態の溶液L1、L2が給送される。これらの給液源は、例えば、溶液L1、L2を生成する他のマイクロリアクターや溶液L1、L2を貯えた図示しない貯留タンク及びポンプ等からなる。
図1(B)に示されるように、ミキサー本体12内の2本の給液路16、18
の先端面には、それぞれ略長方形の第1給液口22及び第2給液口24がそれぞれ開口しており、これらの給液口22、24は、溶液L1、L2の拡散方向(矢印D方向)に沿って互いに隣接している。ここで、拡散方向は、給液路16、18における溶液L1、L2の流通方向(矢印F方向)に直交する方向であり、本実施の形態では図1(B)に示すようにミキサー本体12の軸直角断面における左右方向と一致している。また、供給口22、24は、それぞれ拡散方向に直交する界面方向(矢印B方向)へ細長い四角形とされる。
図1(A)に示されるように、ミキサー本体12内には、流通方向に沿って給液路16、18の下流側に給液路16、18が合流する角柱状の空間が形成され、この空間は給液路16、18からそれぞれ供給された溶液L1、L2の混合反応がされるミキシング流路26とされる。このミキシング流路26は、流通方向に沿った上流側の端部が給液口22、24に接続され、下流側の端部がミキサー本体12の先端面に開口する出液口28へ連通している。また、ミキサー本体12の先端部には、出液口28の外周側を延出するように環状の接続部30が設けられる。
ここで、第1給液口22の拡散方向に沿った開口幅W1は、1μm以上で500μm以下の範囲で、第1給液路16への溶液L1の供給量、種類等に応じて適宜設定される。また、第2給液口24の拡散方向に沿った開口幅W2も、1μm以上で500μm以下の範囲で、第2給液路18への溶液L2の供給量、種類等に応じて適宜設定される。また、給液口、22、24の界面方向に沿った開口幅WBは少なくとも開口幅W1、W2以上の寸法に設定される。これらの開口幅W1、W2、WBはそれぞれ給液口22、24の開口面積を規定し、この給液口22、24の開口面積と溶液L1、L2の供給量に応じて、給液口22、24を通してミキシング流路26内へ導入される溶液L1、L2の初期流速が定まる。これらの開口幅W1、W2、WBのうち、開口幅W1、W2については、例えば、給液口22、24を通してミキシング流路26内へ供給される溶液L1、L2の流速が互いに等しくなるように設定される。但し、溶液L1、L2が均一に混合反応するまでの時間(混合反応時間)の短縮を考えた場合には、当然、開口幅W1、W2は狭いほど有利となり、また隔壁板14の拡散方向に沿った厚さも可能な限り薄くすることが望まれる。
マイクロリアクター10では、ミキシング流路26内で溶液L1、L2の混合反応が行われ、溶液LMが出液口28から吐出される。溶液LMが溶液L1、L2の混合反応により生成される場合、ミキシング流路26の出口部までに溶液L1、L2が混合され反応も終了している必要がある。従って、ミキシング流路26の流通方向に沿った路長PF(図1(A)参照)は、溶液L1、L2の混合反応が完了する長さに設定する必要がある。尚、ミキサー本体12内には、常に溶液L1、L2及びこれらが混合された溶液LMが隙間なく充填され、給液路16、18内から出液口28側へ流通しているものとする。
かかるミキサー本体12には、その上面部及び下面部の下流側それぞれに密着するように、肉厚板状の振動発生器32が取り付けられていることが好ましい。これら一対の振動発生器32は、その上流端がミキシング流路26の上流端と一致するように設置されている。これにより、一対の振動発生器32は、ミキシング流路26における上面部の全体及び下面部の全体にそれぞれ正対する。また振動発生器32には、ミキサー本体12との密着面に振動部34が設けられており、この振動部34は、振動発生器32の振動時にミキサー本体12を介して所定周波数の振動をミキシング流路26内の溶液L1、L2及び溶液LMにへ伝達する。このとき、振動部34からの振動は、図1の矢印Vに示されるように、拡散方向に沿って溶液L1、L2及び溶液LMに伝達され、この伝達振動により溶液L1、L2、LMの分子運動が拡散方向に沿って増大するので、溶液L1、L2の間の混合反応を促進することができる。
振動発生器32は、例えば、振動発生源としてピエゾ素子を用いることができ、このピエゾ素子への交流電源の供給により電流周波数に対応する振動を振動部34から発生させる。このとき、振動部34から発生する振動周波数としては、1KHz〜10MHzの範囲内、即ち高周波及び超音波の帯域で制御される。具体的には、主として、ミキシング流路26内を流通する溶液L1、L2が混合反応する際に、所望の溶液L1、L2の混合速度又は反応速度に応じて振動周波数を適宜設定するとよい。このとき、振動が伝達されるミキサー本体12及び溶液L1、L2、LMにおける共振効果を考慮しなければ、通常、振動周波数が高いほど、振動エネルギー(運動エネルギー)が大きくなるので、ミキシング流路26内における溶液L1、L2の混合反応は促進される。尚、振動発生器32としては、ピエゾ素子に限定するものではなく、1KHz〜10MHzの範囲内の振動を発生させるものであれば、例えばモータで駆動される偏心カム、電磁式アクチュエータ、空気圧力式アクチュエータ等を使用できる。
図1(A)に示されるように、マイクロリアクター10には、一対の振動発生器32の駆動を制御する駆動制御部36が設けられる。この駆動制御部36は、ミキシング流路26内を溶液L1、L2、LMが流通する際に、振動発生器32のオン及びオフ状態、オン時間及びオフ時間の比であるデューティ比、振動周波数等を内部メモリ等に予め設定された制御条件に従うように制御する。この制御条件は基本的には、溶液L1、L2の種類、即ち溶液L1、L2の化学成分、液温、粘度等や、溶液L1、L2の反応成分の性質等に応じて異なり、また溶液L1、L2の供給量の変化、即ちミキシング流路26内における溶液L1、L2の流速によっても異なるものになる。このような制御条件は、例えば、マイクロリアクター10が配置される製造ラインのオペレータが操作端末等を用いて設定したり、製造ライン全体を制御する上位のプロセスコンピュータが生産予定等に基づいて自動的に設定する。
また、図1に2点鎖線で示したように、ミキサー本体12の外周には、水やオイル等の熱容量が比較的大きな熱媒体が流れるジャケット13が巻回され、ジャケット13は図示しない熱媒体供給装置に接続される。熱媒体供給装置からは、ミキサー本体12内における溶液L1、L2の混合反応温度を−5°C〜30°Cの範囲に制御可能な温度の熱媒体がジャケット13に供給され、再び熱媒体供給装置に循環される。混合反応温度は、溶液L1、L2の種類等によって、−5°C〜30°Cの範囲内で適宜設定することが好ましく、混合反応温度のより好ましい温度範囲は0°C〜25°Cであり、特に好ましくい温度範囲は5°C〜25°Cである。また、ミキサー本体12内で混合反応される溶液L1、L2の量との兼ね合いもあるが、ジャケット13を巻回しただけでは、設定した混合反応温度まで調整させることが難しい場合には、溶液L1、L2を調製する図示しない調製タンクに温度調整装置を設けることもできる。
上記の如く構成されたマイクロリアクター10では、適切な混合反応温度条件下で、給液配管38、39を通して給液路16、18にそれぞれ加圧状態の溶液L1、L2が供給されることにより、これらの溶液L1、L2がそれぞれの給液路16、18内を流通し、給液口22、24を通して所定の流速を有する液流としてミキシング流路26内に導入される。このとき、給液口22、24の開口幅W1、W2が1〜500μmの微小幅であることから、給液口22、24を通してミキシング流路26内へ導入される溶液L1、L2は、それぞれ開口幅W1、W2に対応する幅の薄板状の成層流となって出液口28側へ向かって流れつつ、各成層流の接触界面ではその法線方向に沿って分子拡散が生じる。これにより、溶液L1、L2は均一な混合反応を短時間で完了させることができる。これと同時に、マイクロリアクター10では、一対の振動発生器32からの振動がミキシング流路26内の溶液L1、L2、LMに拡散方向に沿って伝達されることから、ミキシング流路26内を流れる溶液L1、L2の微小な流体塊の拡散方向の移動及び分子運動が伝達振動により増大するので、溶液L1、L2が形成する成層流間の接触界面における分子の拡散方向の移動速度を増大させ、ミキシング流路26内における溶液L1、L2の間の混合反応が瞬時且つ効率的に進行する。図2は、溶液L1、L2を各給液路16、18からミキシング流路26に導入したときの模式図である。尚、溶液L1と複数の溶液L3とを混合反応させる場合には、例えば図3のように供給路の数を増加すればよく、図3は溶液L1と2つの溶液L3を混合反応させる場合である。
従って、合金粒子作製工程において、合金粒子を作製するための複数種の溶液を、並列型のマイクロリアクター10を利用して液相法により混合反応させれば、混合反応を精密に制御することが可能であり、微小サイズで単分散性が良い合金粒子が生成される。この結果、粒子サイズが1〜100nmのサイズ範囲で且つ粒子サイズの変動係数が15%以下を満足し、更には自己配列性に優れた合金粒子を作製することができる。この場合、より単分散性を高める場合には、精密な温度制御が必要となり、ミキシング流路26内の液の熱伝導性を高めるためにミキシング流路26を細くする一方、生産性を重視する場合にはミキシング流路26を太くするといった調整をすることが好ましい。
図4は、図1の並列型のマイクロリアクター10の変形例であり、図1と異なる点は、溶液L1、L2、LMの流通方向に3個の振動発生器42、44、46を別個に設けたものであり、制御条件をそれぞれ独立に変更することができるように構成されている。このように、振動発生器42、44、46を複数設けてることで、溶液L1、L2、LMの流通方向に沿って3個の振動発生器42、44、46の制御条件を変えることができる。これにより、ミキシング流路26内を流通する溶液L1、L2、LMに伝達される振動を流通方向に沿って段階的に変化させることができるので、混合反応を更にきめ細かく制御することができる。尚、図4ではジャケット13は省略してある。
2)同心円型マイクロリアクター
図5は、同心円型マイクロリアクターの構造を示した好ましい断面図である。
図5に示されるように、マイクロリアクター110は、全体として略円柱状に形成されており、装置の外殻部を構成する円筒状のミキサー本体112を備えている。ここで、図中における直線Sは装置の軸心を示しており、この軸心Sに沿った方向を装置の軸方向として以下の説明を行う。ミキサー本体112は、その軸方向に沿った基端部が先端側の部分に対して大径とされた大径部114とされており、この大径部114内には、外部から溶液L1、L2の供給を受ける一対の第1ヘッダ部116及び第2ヘッダ部118が設けられる。ミキサー本体112は、大径部114に対して先端側の部分が内径一定の円管部120とされており、この円管部120の先端面には溶液LMの出液口122が開口し、また円管部120の先端部には出液口122の外周側に延出するようにリング状の接続部124が設けられる。
ミキサー本体112における大径部114の基端面は円板状の蓋板126により閉塞されており、この蓋板126の中心部には円形の嵌挿穴128が穿設されている。ミキサー本体112には、その大径部114内から円管部120内へ突出するように丸棒状の整流部材130が同軸的に設けられている。整流部材130の基端部は蓋板126の嵌挿穴128に嵌挿されて支持されている。また、整流部材130の先端部には先端側に向かって縮径する円錐部132が形成されている。ここで整流部材130の外径は円管部120の内径よりも小径とされ、この円管部120の内径との寸法差が円管部120内における溶液L1、L2の流通量に基づいて設定される。
ミキサー本体112の大径部114内には、この大径部114内の空間を軸方向に沿って略2等分するように区画する円板状の仕切板134が配置されており、この仕切板134により区画された基端側及び先端側の空間は、それぞれ第1ヘッダ部116及び第2ヘッダ部118とされている。これらのヘッダ部116、118には、それぞれ給液配管136、138が接続されている。これらの給液配管136、138を通して、ヘッダ部116、118には、マイクロリアクター110の上流側に設置された2個の給液源(図示せず)から加圧状態とされた溶液L1、L2が供給される。
仕切板134の中心部には、開口径が円管部120の内径と整流部材130の外径との中間寸法とされた円形の開口部が穿設されており、仕切板134には、開口部の周縁部から円管部120内へ突出するパイプ状の隔壁部材140が一体的に形成される。この隔壁部材140は、円管部120及び整流部材130とそれぞれ同軸的に配置されており、円管部120と整流部材130との間の空間を内周側と外周側とに区画している。ここで、隔壁部材140により区画された外周側及び内周側の空間はそれぞれ第1給液路142及び第2給液路144とされ、これらの第1及び第2給液路142、144は、それぞれ基端部側で第1及び第2ヘッダ部116、118に連通している。また、ミキサー本体112の円管部120内には、隔壁部材140よりも先端側であって整流部材130の円錐部132よりも基端部側に給液路142、144に対して肉厚とされた円筒状の空間が形成され、この円筒状の空間は、給液路142、144からそれぞれ供給された溶液L1、L2とが混合反応を行うミキシング流路146とされる。
ミキサー本体112内には、円管部120の内周面と隔壁部材140の外周面との間に複数個(本実施の形態では4個)のスペーサ148が介装されると共に、隔壁部材140の内周面と整流部材130の外周面との間にも複数個(本実施の形態では4個)のスペーサ150が介装される。これら複数個のスペーサ148、150はそれぞれ矩形プレート状に形成され、その表裏面部が円管部120内における溶液L1、L2の流通方向(矢印F方向)と平行になるように支持される。また、複数個のスペーサ148、150は、それぞれ軸心Sを中心とする周方向に沿って90°間隔で配置され、周方向における位置が互いに一致している。ここで、外周側のスペーサ148は隔壁部材140を円管部120に連結すると共に、給液路142、144の径方向に沿った開口幅W1、W2(図5(A)参照)を設定している。これにより、隔壁部材140及び整流部材130がそれぞれ十分な強度で円管部120に連結固定され、溶液L1、L2の液圧や重力の影響により所定位置から変移したり、変形することが防止されると共に、開口幅W1、W2が予め設定された寸法に確実に維持される。
図5(B)に示されるように、第1給液路142及び第2給液路144の先端部には、それぞれミキシング流路146内へ開口する第1給液口152及び第2給液口154が形成される。これらの給液口152、154は、それぞれ軸心Sを中心とする円軌跡に沿って開口し、互いに同心円状となるように配設されている。ここで、第1給液口152の径方向に沿った開口幅W1は、1μm以上、500μm以下の範囲で、第1ヘッダ部116への溶液L1の供給量、種類等に応じて適宜設定される。また、第2給液口154の径方向に沿った開口幅W2も、1μm以上、500μm以下の範囲で、第1ヘッダ部116への溶液L1の供給量、種類等に応じて適宜設定される。また、溶液L1、L2が合流するミキシング流路146は、第1給液口152と第2給液口154との開口面積W1、W2をどのように設定するかで略定まるが、ミキシング流路146を流れる同心円状の層流のうちの中心を流れる中心流の流れ方向に直交する断面の円相当直径が10〜500μm、該中心流の外側を流れる外周流の厚みが10〜500μmであることが好ましい。ここで、円相当直径とは、等価直径とも呼ばれ、機械工学の分野で用いられる用語である。即ち、任意断面形状の配管(本発明では流路)に対して等価な円管を想定するとき、その等価円管の直径を等価直径といい、A:配管の断面積、P:配管のぬれぶち長さ(周長)を用いて、deg=4A/Pと定義される。
ここで、開口幅W1、W2は、それぞれ給液口152、154の開口面積を規定し、この給液口152、154の開口面積と溶液L1、L2の供給量に応じて、給液口152、154を通してミキシング流路146内へ導入される溶液L1、L2の初期流速が定まる。これらの開口幅W1、W2は、例えば、給液口152、154を通してミキシング流路146内へ供給される溶液L1、L2の流速が互いに等しくなるように設定される。但し、溶液L1、L2が均一に混合反応するまでの時間(混合反応時間)の短縮を考えた場合には、当然、開口幅W1、W2は狭いほど有利となり、また隔壁板140の拡散方向に沿った厚さも可能な限り薄くすることが望まれる。
円管部120内におけるミキシング流路146よりも先端側の空間は、ミキシング流路146内で溶液L1、L2の混合反応が行われた溶液LMが出液口122に向かって流れる出液路156とされる。ここで、溶液LMが溶液L1、L2の混合反応により生成される場合には、ミキシング流路146内の出口部で溶液L1、L2の混合反応が完了している必要がある。従って、ミキシング流路146の溶液L1、L2の流通方向に沿った路長PF(図5(A)参照)は、溶液L1、L2の混合反応が完了する長さに設定する必要がある。尚、ミキサー本体12内には、常に、溶液L1、L2及びこれらの混合反応された溶液LMが隙間なく充填され、ヘッダ部116、118から出液口122側へ流通しているものとする。
図5(A)に示されるように、ミキサー本体112の円管部120には、ミキシング流路146に面するように複数の開口部158が穿設されている。これらの開口部158は、流通方向へはミキシング流路146の上流部、中間部及び下流部にそれぞれ対応する部位に穿設され、また軸心Sを中心とする周方向へは90°間隔で配置される。従って、円管部120には、ミキシング流路146の上流部、中間部及び下流部にそれぞれ対応する部位に4個ずつ開口部158が穿設され、合計で12個の開口部158が設けられる。また、円管部120の外周面上には、複数個のマイクロ波発生器160が開口部158にそれぞれ対応するように取り付けられる。これらのマイクロ波発生器160には、その内周側に円柱突起状の嵌挿部162が設けられ、マイクロ波発生器160は嵌挿部162を開口部158内へ嵌挿し、嵌挿部162の先端面をミキシング流路146内へ露出させている。
マイクロ波発生器160は、駆動時に嵌挿部162の先端面からマイクロ波をミキシング流路146内の溶液L1、L2、LMへ照射する。このとき、マイクロ波発生器160からのマイクロ波は、図5の破線で示されるように、溶液L1、L2の拡散方向と一致する径方向に沿って溶液L1、L2及び溶液LMに照射される。このマイクロ波により溶液L1、L2、LMの分子運動が拡散方向に沿って増大するので、溶液L1、L2の間での混合反応が促進される。
マイクロ波発生器160は、例えば、マイクロ波の発生源としてマグネトロンを用いており、このマグネトロンへの駆動電流の供給により電流値に対応する強度のマイクロ波を発生する。このときマイクロ波発生器160が発生するマイクロ波としては、周波数が10MHz以上のものが選択される。具体的には、マイクロ波の周波数は、ミキシング流路146内を流通する溶液L1、L2、LMに過度の発熱現象を発生させることなく、溶液L1、L2、LMの分子運動を効率的に増加できる周波数が選択される。
図5(A)に示されるように、マイクロリアクター110には、マイクロ波発生器160の駆動を制御する駆動制御部164が設けられる。この駆動制御部164は、ミキシング流路146内を溶液L1、L2、LMが流通する際に、マイクロ波発生器160のオン/オフ状態、マイクロ波の強度を内部メモリ等に予め設定された制御条件に従うように制御する。この制御条件は基本的には、溶液L1、L2の種類、即ち溶液L1、L2の化学成分、液温、粘度等や、溶液L1、L2の反応成分の性質等に応じて異なるものになり、また溶液L1、L2の供給量の変化、即ちミキシング流路26内における溶液L1、L2の流速によっても異なるものになる。このような制御条件は、例えば、マイクロリアクター110が配置される製造ラインのオペレータが操作端末等を用いて設定したり、製造ライン全体を制御する上位のプロセスコンピュータが生産予定等に基づいて自動的に設定する。
また、図5に2点鎖線で示したように、ミキサー本体112の外周には、水やオイル等の熱容量が比較的大きな熱媒体が流れるジャケット113が巻回され、ジャケット113は図示しない熱媒体供給装置に接続される。熱媒体供給装置からは、ミキサー本体112内における溶液L1、L2の混合反応温度を−5°C〜30°Cの範囲に制御可能な温度の熱媒体がジャケット13に供給され、再び熱媒体供給装置に循環される。混合反応温度は、溶液L1、L2の種類等によって、−5°C〜30°Cの範囲内で適宜設定することが好ましく、混合反応温度のより好ましい温度範囲は0°C〜25°Cである。また、整流部材130は、外郭部が肉薄状の金属板により形成された内部が中空状とされ、整流部材130内には、その基端側から整流部材130の内径よりも小径とされた給液管131が挿入されており、給液管131は整流部材130の基端側の開口を閉塞する閉塞板(図示せず)及び複数個のスペーサ133により整流部材130と同軸的に支持される。給液管131の先端は円錐部132の付け根付近に達しており、その先端面には、整流部材130内に熱媒体を供給する供給口が開口される。かかる供給口から給液管131にも、熱媒体供給装置から熱媒体が供給され、混合反応温度が制御される。尚、ミキサー本体112内で混合反応される溶液L1、L2の量との兼ね合いもあるが、ジャケット113を巻回しただけでは、設定した混合反応温度まで上昇させることが難しい場合には、溶液L1、L2を調製する図示しない調製タンクに温度調整装置を設けることもできる。
上記の如く構成された同心円型のマイクロリアクター110では、並列型のマイクロリアクター10、40と同様に、適切な混合反応温度条件下で、給液口152、154を通してそれぞれのミキシング流路146内に導入される溶液L1、L2が給液口152、154の開口幅W1、W2にそれぞれ対応する薄さの同心円状の流れとなってミキシング流路146内を流通する。即ち、ミキシング流路146内を流通する同心円状の層流のうち、給液口154からの中心流は薄層な円筒状の流れを形成し、給液口152からの外周流は中心流を囲む薄層な円筒状の流れを形成する。そして、ミキシング流路146内を流通する2つの円筒状の溶液L1、L2は、互いに隣接する層流間の接触界面で各溶液L1、L2の分子が相互に拡散して混合反応される。これにより、溶液L1、L2は均一な混合反応を短時間で完了させることができる。これと同時に、マイクロ波発生器160からのマイクロ波がミキシング流路146内の溶液L1、L2、LMに照射されるので、ミキシング流路146内における溶液L1、L2、LMの分子の拡散速度を増大させて混合反応を更に効率的に行う。更に、複数のマイクロ波発生器160を溶液L1、L2の流通方向に沿って異なる位置に配置するようにしたので、溶液L1、L2、LMに照射されるマイクロ波を段階的に変化させることができる。マイクロ波は振動に比べて指向性が強いので、流通方向に沿って、ある位置にあるマイクロ波発生器160に対応する領域に存在する溶液L1、L2、LMが他の位置にあるマイクロ波発生器160からのマイクロ波の影響を受けにくい。この結果、並列型のマイクロリアクター10で説明した振動発生器32を設けた場合に比べて、ミキシング流路146内における溶液L1、L2、LMの混合反応を更に精密に制御できる。この結果、粒子サイズが1〜100nmのサイズ範囲で且つ粒子サイズの変動係数が15%以下を満足し、更には自己配列性に優れた合金粒子を作製することができる。
尚、溶液L1と複数の溶液L3とを混合反応させる場合には、例えば図6のように給液路の数を増加すれば良い。図6は、記述した第1給液路142及び第2給液路144の外周に第3の給液路170を設けた場合である。また、図7は図5の変形例であり、スペーサ148、150を省略する代わりに、第1給液路142及び第2給液路144の先端側の開口部に、それぞれ円環状ノズルプレート172を複数取り付けた場合である。このような構造では、それぞれの給液路142、144からミキシング流路146内に導入される溶液L1、L2は、円環状ノズルプレート172の内径に対応する外径を有する複数本の細棒状の層流となって出液口122に向かって流れつつ、各層流の接触界面ではその法線方向に沿って分子拡散が生じて溶液L1、L2の混合反応が行われる。このとき、溶液L1、L2を複数本の細棒状の層流とすることで、それぞれの溶液L1、L2の比表面積を増加させることができるので、均一な混合反応を更に迅速に行うことができる。
従って、合金粒子作製工程において、合金粒子を作製するための複数種の溶液を、同心円型のマイクロリアクター110を利用して液相法により混合反応させれば、混合反応を精密に制御することが可能であり、微小サイズで単分散性が良く、しかも変態容易性に優れた合金粒子を作製することができる。
尚、並列型のマイクロリアクター10では振動発生器32を設け、同心円型のマイクロリアクター110ではマイクロ波発生器160を設けたが、逆にしてもよく、振動発生器32とマイクロ波発生器160の両方を設けてもよい。マイクロリアクター10、110の混合反応温度制御は、装置全体を温度制御された容器中に入れることにより制御しても良く、金属抵抗線や、ポリシリコン等のヒーター構造を装置内に作りこみ、加熱についてはこれを使用し、冷却については自然冷却でサーマルサイクルを行ってもよい。温度のセンシングは、金属抵抗線ではヒータと同じ抵抗線をもう一つ作り込んでおき、その抵抗値の変化に基づいて温度検出を行い、ポリシリコンについては熱電対を用いて検出を行う。また、ぺルチェ素子をマイクロリアクター10、110に接触させることによって外部から加熱、冷却を行ってもよい。
上述した1)並列型マイクロリアクター10、2)同心円型マイクロリアクター110を利用して溶液L1と溶液L2とを混合することにより、合金粒子作製工程において微小サイズ、単分散性、変態容易性の全てを満足する合金粒子を作製することができる。
上記した混合による還元反応の混合反応温度は、−5°C〜30°Cの範囲で一定の温度とすることが好ましい。温度が−5°C未満では水相が凝結して還元反応が不均一になるといった問題が生じ、30°Cを超えると、凝集又は沈澱が起こり易く、系が不安定となることがある。好ましい還元温度は0°C〜25°Cの範囲であり、より好ましくは5°C〜25°Cの範囲である。ここで、「一定温度」とは、設定温度T(°C)とした場合、当該TがT±3°Cの範囲にあることを言う。なお、このようにした場合であっても、当該Tの上限及び下限は上記の−5°C〜30°Cである。還元反応の時間は、逆ミセル容量の量等により適宜選択する必要があるが、1〜30分とすることが好ましく、5〜20分がより好ましい。
上記還元工程において、溶液L1及び溶液L2の少なくとも何れかに、アミノ基又はカルボキシル基を1〜3個有する少なくとも1種の分散剤を、作製しようとする合金粒子1モル当たり0.001〜10モル添加することが好ましい。かかる分散剤を添加することで、より単分散で、凝集の無い合金粒子を得ることが可能となる。添加量が、0.001未満では、合金粒子の単分散性をより向上させられない場合があり、10モルを超えると凝集が起こる場合がある。
分散剤としては、合金粒子表面に吸着する基を有する有機化合物が好ましい。具体的には、アミノ基、カルボキシ基、スルホン酸基またはスルフィン酸基を1〜3個有するものであり、これらを単独または併用して用いることができる。
構造式としては、R−NH2 、NH2 −R−NH2 、NH2 −R(NH2 )−NH2 、R−COOH、COOH−R−COOH、COOH−R(COOH)−COOH、R−SO3 H、SO3 H−R−SO3 H、SO3 H−R(SO3 H)−SO3 H、R−SO2 H、SO2 H−R−SO2 H、SO2 H−R(SO2 H)−SO2 Hで表される化合物であり、式中のRは直鎖、分岐または環状の飽和、不飽和の炭化水素である。
分散剤として特に好ましい化合物はオレイン酸である。オレイン酸はコロイドの安定化において周知の界面活性剤であり、鉄等の金属粒子を保護するのに用いられてきた。オレイン酸の比較的長い(たとえば、オレイン酸は18炭素鎖を有し長さは〜20オングストローム(〜2nm)である。オレイン酸は脂肪族ではなく二重結合が1つある)鎖は粒子間の強い磁気相互作用を打ち消す重要な立体障害を与える。
エルカ酸やリノール酸など類似の長鎖カルボン酸もオレイン酸同様に(たとえば、8〜22の間の炭素原子を有する長鎖有機酸を単独でまたは組み合わせて用いることができる)用いられる。オレイン酸は(オリーブ油など)容易に入手できる安価な天然資源であるので好ましい。また、オレイン酸から誘導されるオレイルアミンもオレイン酸同様有用な分散剤である。
以上のような還元工程では、CuAu型あるいはCu3 Au型硬磁性規則合金相中のCo、Fe、Ni、Cr等の酸化還元電位が卑な金属(−0.2V(vs.N.H.E)程度以下の金属)が還元され、極小サイズで単分散な状態で析出するものと考えられる。その後、昇温段階および後述する熟成工程において、析出した卑な金属を核とし、その表面で、Pt、Pd、Rh等の酸化還元電位が貴な金属(−0.2V(vs.N.H.E)程度以上の金属)が卑な金属で還元されて置換、析出する。イオン化した卑な金属は還元剤で再度還元されて析出すると考えられる。このような繰返しによって、CuAu型あるいはCu3 Au型硬磁性規則合金を形成し得る合金粒子が得られる。
次に、還元工程終了後、混合反応液を、前述した還元工程での混合反応温度である−5°C〜30°Cより高い熟成温度まで昇温する熟成工程について説明する。
(熟成工程)
熟成温度は、30〜90°Cで一定の温度とすることが好ましく、その温度は、還元反応の温度より高くする。また、熟成時間は、5〜180分とすることが好ましい。熟成温度および時間が上記範囲より高温長時間側にずれると、凝集または沈殿が起きやすく、逆に低温短時間側にずれると、反応が完結しなくなり組成が変化することがある。好ましい熟成温度および時間は40〜80°Cおよび10〜150分であり、より好ましい熟成温度および時間は40〜70°Cおよび20〜120分である。
ここで、「一定温度」とは、還元反応の温度の場合と同義(但し、この場合、「還元温度」は「熟成温度」となる)であるが、特に、上記熟成温度の範囲(30〜90°C)内で、還元反応の温度より5°C以上高いことが好ましく、10°C以上高いことがより好ましい。5°C未満では、処方通りの組成が得られないことがある。
以上のような熟成工程では、還元工程で還元析出した卑な金属上に貴な金属が析出する。即ち、卑な金属上でのみ貴な金属の還元が起こり、卑な金属と貴な金属とが別々に析出することが無いため、効率良くCuAu型あるいはCu3 Au型硬磁性規則合金を形成し得る合金粒子を、高収率で処方組成比どおりに作製することが可能で、所望の組成に制御することができる。また、熟成の際の温度の撹拌速度を適宜調整することで、得られる合金粒子の粒径を所望なものとすることができる。
熟成を行った後は、水と1級アルコールとの混合溶液で熟成後の溶液を洗浄し、その後、1級アルコールで沈殿化処理を施して沈殿物を生成させ、該沈殿物を有機溶媒で分散させる洗浄・分散工程を設けることが好ましい。
かかる洗浄・分散工程を設けることで、不純物が除去され、磁気記録媒体の磁性層を塗布により形成する際の塗布性をより向上させることができる。洗浄および分散は、少なくともそれぞれ1回、好ましくは、それぞれ2回以上行う。
洗浄で用いる1級アルコールとしては、特に限定されるものではないが、メタノール、エタノール等が好ましい。体積混合比(水/1級アルコール)は、10/1〜2/1の範囲であることが好ましく、5/1〜3/1の範囲にあることがより好ましい。水の比率が高いと、界面活性剤が除去されにくくなることがあり、逆に1級アルコールの比率が高いと、凝集を起こしてしまうことがある。
以上のようにして、溶液中に分散した合金粒子(合金粒子含有液)が得られる。
当該合金粒子は、単分散であるため、支持体に塗布しても、これらが凝集することなく均一に分散した状態を保つことができる。従って、アニール処理を施しても、それぞの合金粒子が凝集することがないため、効率良く硬磁性化することが可能で、塗布適性に優れる。更に、当該合金粒子は、上述した高圧混合法を行って作製することで自己配列性に優れており、アニール処理を施すことにより、容易且つ確実に不規則相から規則相に変態される。これにより、効率良く硬磁性化することができる。
後述する酸化処理前の合金粒子の粒径は、ノイズを下げる観点から小さいことが好ましいが、小さすぎるとアニール後に超常磁性となり、磁気記録に不適当となることがある。一般に、1〜100nmであることが好ましく、3〜20nmであることがより好ましく、3〜10nmであることがさらに好ましい。
(還元法)
ここで、合金粒子を作製する一般的な還元法について述べる。
還元法でCuAu型あるいはCu3 Au型強磁性規則合金を形成し得る合金粒子を作製するには種々の方法があるが、少なくとも、酸化還元電位が卑な金属(以下、単に「卑な金属」ということがある)と、酸化還元電位が貴な金属(以下、単に「貴な金属」ということがある)と、を有機溶剤もしくは水、または有機溶剤と水との混合溶液中で還元剤等を使用して還元する方法を適用することが好ましい。卑な金属と貴な金属との還元順序は、特に限定されず、同時に還元してもよい。
前記有機溶剤としては、アルコール、ポリアルコール等を使用することが可能で、アルコールとしては、メタノール、エタノール、ブタノール等が挙げられ、ポリアルコールとしては、エチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
なお、CuAu型あるいはCu3 Au型強磁性規則合金の例としては、既述の逆ミセル法の場合と同様である。
また、貴な金属を先に析出させて合金粒子を調製する方法としては、特願2001−269255号の段落18〜30等に記載の方法等を適用することができる。
酸化還元電位が貴な金属としては、Pt、Pd、Rh等が好ましく用いることができ、H2 PtCl6 ・6H2 O、Pt(CH3 COCHCOCH3 2 、RhCl3 ・3H2 O、Pd(OCOCH3 2 、PdCl2 、Pd(CH3 COCHCOCH3 2 等を溶媒に溶解して用いることができる。溶液中の金属の濃度は、0.1〜1000μmol/mlが好ましく、0.1〜100μmol/mlがより好ましい。
また、酸化還元電位が卑な金属としては、Co、Fe、Ni、Crを好ましく用いることができ、特に好ましくは、Fe、Coである。このような金属は、FeSO4 ・7H2 O、NiSO4 ・7H2 O、CoCl2 ・6H2 O、Co(OCOCH3 2 ・4H2 O等を溶媒に溶解して用いることができる。溶液中の金属の濃度は、0.1〜1000μmol/mlが好ましく、0.1〜100μmol/mlがより好ましい。
また、記述の逆ミセル法と同様に2元系合金に、第三元素を加える事で硬磁性規則合金への、変態温度を下げる事が好ましい。添加量としては逆ミセル法と同様である。
例えば、還元剤を用いて卑な金属と貴な金属とをこの順に還元して析出させる場合、−0.2V(vs.N.H.E)より卑な還元電位を持つ還元剤を用いて卑な金属あるいは卑な金属と貴な金属の一部を還元したものを、貴な金属源に加え酸化還元電位が−0.2V(vs.N.H.E)より貴な還元剤を用いて還元した後、−0.2V(vs.N.H.E)より卑な還元電位を持つ還元剤を用いて還元する事が好ましい。
酸化還元電位は系のpHに依存するが、酸化還元電位が−0.2V(vs.N.H.E)より貴な還元剤には、1,2−ヘキサデカンジオール等のアルコール類、グリセリン類、H2 、HCHOが好ましく用いられる。
−0.2V(vs.N.H.E)より卑な還元剤にはS2 6 2-・、H2 PO2-、BH4-、N2 5+、H2 PO3-が好ましく用いる事ができる。
なお、卑な金属の原料として、Feカルボニル等の0価の金属化合物と用いる場合は、特に卑な金属の還元剤は必要ない。
貴な金属を還元析出させる際に吸着剤を存在させる事で合金粒子を安定して調製することができる。吸着剤としてはポリマーや界面活性剤を使用することが好ましい。
前記ポリマーとしては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリN−ビニルー2ピロリドン(PVP)、ゼラチン等が挙げられる。なかでも、特に好ましくはPVPである。
また、分子量は2万〜6万が好ましく、より好ましくは3万〜5万である。ポリマーの量は生成する合金粒子の質量の0.1〜10倍であることが好ましく、0.1〜5倍がより好ましい。
吸着剤として好ましく用いられる界面活性剤は、一般式:R−X、で表される長鎖有機化合物である「有機安定剤」を含むことが好ましい。上記一般式中のRは、直鎖または分岐ハイドロカーボンまたはフルオロカーボン鎖である「テール基」であり、通常8〜22個の炭素原子を含む。また、上記一般式中のXは、合金粒子表面に特定の化学結合を提供する部分(X)である「ヘッド基」であり、スルフィネート(−SOOH、スルホネート(−SO2 OH)、ホスフィネート(−POOH)、ホスホネート(−OPO(OH)2 )、カルボキシレート、およびチオールのいずれかであることが好ましい。
前記有機安定剤としては、スルホン酸(R−SO2 OH)、スルフィン酸(R−SOOH)、ホスフィン酸(R2 POOH)、ホスホン酸(R−OPO(OH)2 )、カルボン酸(R−COOH)、チオール(R−SH)等のいずれかであることが好ましい。これらのなかでも、逆ミセル法と同様のオレイン酸が特に好ましい。
前記ホスフィンと有機安定剤との組合せ(トリオルガノホスフィン/酸等)は、粒子の成長および安定化に対する優れた制御性を提供することができる。ジデシルエーテルおよびジドデシルエーテルも用いることができるが、フェニルエーテルまたはn−オクチルエーテルはその低コストおよび高沸点のため溶媒として好適に用いられる。
しかし、合金粒子を作製する一般的な還元法では、本発明のようなマイクロリアクターを利用する混合反応における混合反応温度である−5°C〜30°Cに比べて高い温度で行っている。即ち、反応は必要な合金粒子および溶媒の沸点により80°C〜360°Cの範囲の温度で行うことが通常であり、80°C〜240°Cがより好ましい。一般の還元法の場合には温度がこの温度範囲より低いと粒子が成長しないことがあり、温度がこの範囲より高いと粒子は制御されないで成長し、望ましくない副産物の生成が増加することがあるためである。
合金粒子の粒径は逆ミセル法と同様で、1〜100nmが好ましく、より好ましくは3〜20nmであり、さらに好ましくは3〜10nmであり、本発明と同様である。
粒子サイズ(粒径)を大きくする方法としては種晶法が有効である。磁気記録媒体として用いるには合金粒子を最密充填することが記録容量を高くする上で好ましく、そのためには、合金粒子のサイズの標準偏差は10%未満が好ましく、より好ましくは5%以下である。本発明では、合金粒子のサイズを変動係数で規定しており、変動係数が15%以下、好ましくは10%以下である。
粒子サイズが小さすぎると超常磁性となり好ましくない。そこで粒子サイズを大きくするため既述のように、種晶法を用いることが好ましい。その際、粒子を構成する金属より貴な金属を析出させるケースが出てくる。このとき、粒子の酸化が懸念されるため、予め粒子を水素化処理することが好ましい。
合金粒子の最外層は酸化防止の観点から貴な金属にすることが好ましいが、凝集しやすいため、本発明では貴な金属と卑な金属との合金であることが好ましい。かかる構成は、既述のような、液相法によれば容易かつ効率良く実現させることができる。
合金粒子合成後に溶液から塩類を除くことは、合金粒子の分散安定性を向上させる意味から好ましい。脱塩にはアルコールを過剰に加え、軽凝集を起こし、自然沈降あるいは遠心沈降させ塩類を上澄みと共に除去する方法があるが、このような方法では凝集が生じやすいため、限外濾過法を採用することが好ましい。
以上のようにして、溶液中に分散した合金粒子(合金粒子含有液)が得られる。
合金粒子の粒径評価には透過型電子顕微鏡(TEM)を用いることができる。合金粒子もしくは磁性粒子の結晶系を決めるにはTEMによる電子回折でもよいが、X線回折を用いた方が精度が高いため好ましい。合金粒子もしくは磁性粒子の内部の組成分析には、電子線を細く紋ることができるFE−TEMにEDAXを付け評価することが好ましい。また、合金粒子もしくは磁性粒子の磁気的性質の評価はVSMを用いて行うことができる。
[酸化処理工程]
作製した合金粒子に酸化処理を施すことで、後の非酸化性雰囲気下でアニール処理を施す際の温度を高くすることなく、硬磁性を有する磁性粒子を効率よく製造することができる。これは、以下に説明する現象によると考えられる。
すなわち、まず、合金粒子を酸化することで、その結晶格子上に酸素が進入する。酸素が進入した状態でアニール処理を行うと、熱により酸素が結晶格子上から脱離する。酸素が脱離することで欠陥が生じ、かかる欠陥を通じて合金を構成する金属原子の移動が容易になるため、比較的低温でも相変態が起こりやすくなると考えられる。従って、記述した高圧混合法により作製された自己配列性の良い合金粒子に酸化処理を行うことで、アニール処理の温度を下げることが一層可能となる。
かかる現象は、例えば、酸化処理後の合金粒子とアニール処理を行った磁性粒子とをEXAFS(広範囲X線吸収微細構造)測定することで、推察される。
例えば、Fe−Pt合金粒子で酸化処理を施さない合金粒子では、Fe原子と、Pt原子やFe原子との結合の存在が確認できる。
これに対し、酸化処理を施した合金粒子では、Fe原子と酸素原子との結合の存在を確認できる。しかし、Pt原子やFe原子との結合はほとんど見えなくなる。このことは、酸素原子によりFe−Pt、Fe−Feの結合が切られていることを意味する。これによりアニール時にPt原子やFe原子が動きやすくなったと考えられる。
そして、当該合金粒子にアニール処理を施した後は、酸素の存在を確認することができず、Fe原子の周りにはPt原子やFe原子との結合の存在が確認できる。
上記現象を考慮すれば、酸化しないと相変態が進行しにくくなりアニール処理温度を高くする必要が生じることがわかる。しかし、過度に酸化するとFe等の酸化されやすい金属と酸素との相互作用が強くなりすぎて金属酸化物が生成してしまうことも考えられる。
よって、合金粒子の酸化状態を制御することが重要となり、そのためには酸化処理条件を最適なものに設定する必要がある。
酸化処理は、例えば、既述の液相法などにより合金粒子を作製した場合は、作製した後の合金粒子含有液に少なくとも酸素を含有するガスを供給すればよい。
このときの酸素分圧は、全圧の10〜100%とすることが好ましく、15〜50%とすることが好ましい。また、酸化処理温度は、0〜100°Cとすることが好ましく、15〜80°Cとすることが好ましい。
合金粒子の酸化状態は、EXAFS等で評価することが好ましく、Fe等の卑な金属と酸素との結合数は、酸素によりFe−Fe結合、Pt−Fe結合を切るという観点から、0.5〜4であることが好ましく、1〜3であることがより好ましい。
[アニール処理工程]
酸化処理を施した合金粒子は不規則相である。既述のように不規則相では硬磁性は得られない。そこで、規則相とするためには、熱処理(アニール)を施す必要がある。熱処理は、示差熱分析(DTA)を用い、合金粒子を構成する合金が規則不規則変態する変態温度を求め、その温度以上で行う事が必要である。
上記変態温度は、通常500°C程度であるが、既述の還元工程において高圧混合法で混合することで、作製された合金粒子の自己配列性が向上するので、通常温度よりも下げることが可能である。従って、アニール処理温度は100°C以上とすることが好ましく、100〜500°Cとすることがより好ましい。また、第三元素の添加によっても下がることがある。
また、粒子状態でアニール処理を施すと粒子の移動が起こりやすく融着が生じやすい。このため高い保磁力は得られるが粒子サイズが大きくなる欠点を有しやすい。従ってアニール処理は、合金粒子の凝集を防ぐ観点から、支持体上などで塗布した状態で行うことが好ましい。
さらに、支持体上で合金粒子をアニールして磁性粒子とすることで、かかる磁性粒子からなる層を磁性層とした磁気記録媒体に供することができる。
支持体としては、磁気記録媒体に使用される支持体であれば、無機物および有機物のいずれでもよい。
無機物の支持体としては、Al、Al−Mg、Mg−Al−LM n等のMg合金、ガラス、石英、カーボン、シリコン、セラミックス等が用いられる。これらの支持体は耐衝撃性に優れ、また薄型化や高速回転に適した剛性を有する。また、有機物の支持体と比較して、熱に強い特徴を有している。
有機物の支持体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類;ポリオレフイン類;セルローストリアセテート、ポリカーボネート、ポリアミド(脂肪族ポリアミドやアラミド等の芳香族ポリアミドを含む)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルフォン、ポリベンゾオキサゾール;等を用いる事ができる。
支持体上に合金粒子を塗布するには、前記酸化処理を施した後の合金粒子含有液に必要に応じて種々の添加剤を添加して、支持体上に塗布すればよい。
このときの合金粒子の含有量は所望の濃度(0.01〜0.1mg/ml)とすることが好ましい。
支持体に塗布する方法としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押出しコート、エアナイフコート、スクイズコー卜、含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、スプレイコート、スピンコート等が利用できる。
アニール処理を施す際の雰囲気としては、相変態を効率良く進行させ合金の酸化を防ぐため、H2 、N2 、Ar、He、Ne等の非酸化性雰囲気下とする。
特に、酸化処理により格子上に存在する酸素を脱離させる観点から、メタン、エタン、H2 等の還元性雰囲気とすることが好ましい。さらに、粒径維持の観点から、還元性雰囲気下の磁場中でアニール処理を行うことが好ましい。なお、H2 雰囲気とする場合は防爆の観点から、不活性ガスを混合させることが好ましい。
また、アニール時に粒子の融着を防止するために、変態温度以下、不活性ガス中で一旦アニール処理を行い、分散剤を炭化した後、還元性雰囲気中で変態温度以上でアニール処理を行うことが好ましい。このとき、必要に応じて変態温度以下の前記アニール処理後に、合金粒子からなる層上にSi系の樹脂等を塗布し、変態温度以上でアニール処理を行うことが最も好ましい態様である。
以上のようなアニール処理を施すことで、合金粒子が不規則相から規則相に相変態し、硬磁性を有する磁性粒子が得られる。
既述の本発明の磁性粒子の製造方法により製造される磁性粒子は、その保磁力が95.5〜955kA/m(1200〜12000Oe)であることが好ましく、磁気記録媒体に適用した場合、記録ヘッドが対応できることを考慮して95.5〜398kA/m(1200〜5000Oe)であることがより好ましい。
また、当該磁性粒子の粒径は1〜100nmであることが好ましく、3〜20nmであることがより好ましく、3〜10nmであることがさらに好ましい。
<<磁気記録媒体>>
本発明の磁気記録媒体は、その磁性層に磁性粒子を含有し、当該磁性粒子が既述の本発明の磁性粒子の製造方法により製造される磁性粒子であることを特徴とする。
当該磁気記録媒体としては、ビデオテープ、コンピューターテープ等の磁気テープ;フロッピー(R)ディスク、ハードディスク等の磁気ディスク;等が挙げられる。既述のように支持体上に合金粒子(合金粒子含有液)を塗布し、アニール処理を施して磁性粒子とした場合は、かかる磁性粒子からなる層を磁性層とすることができる。また、支持体上で合金粒子をアニール処理せず、粒子の状態でアニール処理を行って磁性粒子を作製した場合は、当該磁性粒子をオープンニーダー、3本ロールミル等で混練した後、サンドグラインダー等で微分散して塗布液を調製し、公知の方法で支持体上にこれを塗布し磁性層を形成すればよい。
形成される磁性層の厚さは、適用される磁気記録媒体の種類にもよるが、4nm〜1umであることが好ましく、4nm〜100nmであることがより好ましい。
本発明の磁気記録媒体は、磁性層のほかに必要に応じて他の層を有していてもよい。例えば、ディスクの場合、磁性層の反対側の面にさらに磁性層や非磁性層を設けることが好ましい。テープの場合、磁性層の反対側の不溶性支持体面上にバック層を設けることが好ましい。
また、磁性層上に非常に薄い保護膜を形成することで、耐磨耗性を改善し、さらにその保護膜上に潤滑剤を塗布して滑り性を高めることによって、十分な信頼性を有する磁気記録媒体とすることができる。
保護膜の材質としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化コバルト、酸化ニッケルなどの酸化物;窒化チタン、窒化ケイ素、窒化ホウ素などの窒化物;炭化ケイ素、炭化クロム、炭化ホウ素等の炭化物;グラファイト、無定型カーボンなどの炭素(カーボン);等があげられるが、特に好ましくは、一般に、ダイヤモンドライクカーボンと呼ばれる硬質の非晶質のカーボンである。
カーボンからなるカーボン保護膜は、非常に薄い膜厚で十分な耐磨耗性を有し、摺動部材に焼き付きを生じ難いため、保護膜の材料としては好適である。
カーボン保護膜の形成方法として、ハードディスクにおいては、スパッタリング法が一般的であるがてビデオテープ等の連続成膜を行う必要のある製品ではより成膜速度の高いプラズマCVDを用いる方法が多数提案されている。従って、これらの方法を適用することが好ましい。
中でもプラズマインジェクションCVD(PI−CVD)法は成膜速度が非常に高く、得られるカーボン保護膜も硬質かつピンホールが少ない良質な保護膜が得られると報告されている(例えば、特開昭61−130487号公報、特開昭63−279426号公報、特開平3−113824号公報等)。
このカーボン保護膜は、ピッカース硬度で1000Kg/mm2 以上であることが好ましく、2000Kg/mm2 以上であることがより好ましい。また、その結晶構造はアモルファス構造であり、かつ非導電性であることが好ましい。
そして、カーボン保護膜として、ダイヤモンド状炭素(ダイヤモンドライクカーボン)膜を使用した場合、この構造はラマン光分光分析によって確認することができる。すなわち、ダイヤモンド状炭素膜を測定した場合には、1520〜1560cm-1にピークが検出されることによって確認することができる。炭素膜の構造がダイヤモンド状構造からずれてくるとラマン光分光分析により検出されるピークが上記範囲からずれるとともに、保護膜としての硬度も低下する。
このカーボン保護膜を形成するための炭素原料としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン等のアルカン;エチレン、プロピレン等のアルケン;アセチレン等のアルキン;をはじめとした炭素含有化合物を用いることが好ましい。また、必要に応じてアルゴンなどのキャリアガスや膜質改善のための水素や窒素などの添加ガスを加えることができる。
カーボン保護膜の膜厚が厚いと、電磁変換特性の悪化や磁性層に対する密着性の低下が生じ、膜厚が薄いと耐磨粋性が不足する。従って、膜厚は、2.5〜20nmとすることが好ましく、5〜10nmとすることがより好ましい。
また、この保護膜と基板となる磁性層の密着性を改善するために、あらかじめ磁性層表面を不活性ガスでエッチングしたり、酸素等の反応性ガスプラズマに曝して表面改質する事が好ましい。
磁性層は電磁変換特性を改善するため重層構成としたり、磁性層の下に公知の非磁性下地層や中間層を有していてもよい。走行耐久性および耐食性を改善するため、既述のように、上記磁性層もしくは保護膜上に潤滑剤や防錆剤を付与することが好ましい。添加する潤滑剤としては公知の炭化水素系潤滑剤、フッ素系潤滑剤、極圧添加剤などが使用できる。
炭化水素系潤滑剤としては、ステアリン酸、オレイン酸等のカルボン酸類;ステアリン酸ブチル等のエステル類;オクタデシルスルホン酸等のスルホン酸類;リン酸モノオクタデシル等のリン酸エステル類;ステアリルアルコール、オレイルアルコール等のアルコール類;ステアリン酸アミド等のカルボン酸アミド類;ステアリルアミン等のアミン類;などが挙げられる。
フッ素系潤滑剤としては、上記炭化水素系潤滑剤のアルキル基の一部または全部をフルオロアルキル基もしくはパーフルオロポリエーテル基で置換した潤滑剤が挙げられる。
パーフルオロポリエーテル基としては、パーフルオロメチレンオキシド重合体、パーフルオロエチレンオキシド重合体、パーフルオローn−プロピレンオキシド重合体(CF2 CF2 CF2 O)n、パーフルオロイソプロピレンオキシド重合体(CF(CF3 )CF2 O)n またはこれらの共重合体等である。
また、炭化水素系潤滑剤のアルキル基の末端や分子内に水酸基、エステル基、カルボキシル基などの極性官能基を有する化合物が、摩擦力を低減する効果が高く好適である。
さらに、この分子量は、500〜5000、好ましくは1000〜3000である。500未満では揮発性が高く、また潤滑性が低くなることがある。また、5000を超えると、粘度が高くなるため、スライダーとディスクが吸着しやすく、走行停止やヘッドクラッシュなどを発生しやすくなることがある。
このパーフルオロポリエーテルは、具体例的には、アウジモンド社製のFOMBLIN、デュポン社製のKRYTOXなどの商品名で市販されている。
極圧添加剤としては、リン酸トリラクリル等のリン酸エステル類;亜リン酸トリラクリル等の亜リン酸エステル類;トリチオ亜リン酸トリラウリル等のチオ亜リン酸エステルやチオリン酸エステル類;二硫化ジベンジル等の硫黄系極圧剤;などが挙げられる。
前記潤滑剤は単独もしくは複数を併用して使用される。これらの潤滑剤を磁性層もしくは保護膜上に付与する方法としては、潤滑剤を有機溶剤に溶解し、ワイヤーバー法、グラビア法、スピンコート法、ディップコート法等で塗布するか、真空蒸着法によって付着させればよい。
防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、プリン、ピリミジン等の窒素含有複素環類およびこれらの母核にアルキル側鎖等を導入した誘導体;ベンゾチアゾール、2−メルカプトンベンゾチアゾール、テトラザインデン環化合物、チオウラシル化合物等の窒素および硫黄含有複素環類およびこの誘導体;等が挙げられる。
既述のように、磁気記録媒体が磁気テープ等の場合は、非磁性支持体の磁性層が形成されていない面にバックコート層(バッキング層)が設けられていてもよい。バックコート層は、非磁性支持体の磁性層が形成されていない面に、研磨材、帯電防止剤などの粒状成分と結合剤とを公知の有機溶剤に分散したバックコート層形成塗料を塗布して設けられる層である。
粒状成分として各種の無機顔料やカーボンブラックを使用することができ、また結合剤としてはニトロセルロース、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン等の樹脂を単独またはこれらを混合して使用することができる。
また、合金粒子含有液の塗布面およびバックコート層が形成される面には、公知の接着剤層が設けられていてもよい。
以上のようにして製造される磁気記録媒体は、表面の中心線平均粗さが、カットオフ値0.25mmにおいて、好ましくは0.1〜5nm、より好ましくは1〜4nmの範囲とする。このように、極めて優れた平滑性を有する表面とすることが、高密度記録用の磁気記録媒体として好ましいからである。
このような表面を得る方法として、磁性層を形成した後にカレンダー処理を施す方法が挙げられる。また、バーニッシュ処理を施してもよい。
得られた磁気記録媒体は、適宜、打ち抜き機で打ち抜いたり、裁断機などを使用して所望の大きさに裁断して使用することができる。
本発明の磁性粒子の製造方法における合金粒子作製工程で用いる並列型マイクロリアクターの構造を示した断面図 並列型マイクロリアクターで2種類の溶液を混合反応させる模式図 並列型マイクロリアクターで3種類の溶液を混合反応させる模式図 図1の並列型マイクロリアクターの変形例を示した断面図 本発明の磁性粒子の製造方法における合金粒子作製工程で用いる同心円型マイクロリアクターの構造を示した断面図 同心円型マイクロリアクターで3種類の溶液を混合反応させる給液路の構造を説明する説明図 同心円型マイクロリアクターの変形例で給液路に円環状ノズルプレートを設けた説明図 従来の混合反応装置の構造を説明する説明図
符号の説明
L1、L2…溶液、LM…混合反応液、10…並列型マイクロリアクター、12…ミキサー本体、14…隔壁板、16…第1給液路、18…第2給液路、20…蓋板、22、24…給液口、26…ミキシング流路、28…出液口、32、42、44、46…振動発生器、34…振動部、36…駆動制御部、38、39…給液配管、110…同心円型マイクロリアクター、112…ミキサー本体、114…大径部、116…第1ヘッダ部、118…第2ヘッダ部、120…円管部、122…出液口、126…蓋板、130…整流部材、131…熱媒体の給液管、132…円錐部、134…仕切板、136、138…給液配管、140…隔壁部材、142…第1給液路、144…第2給液路、146…ミキシング流路、148、150…スペーサ、152、154…給液口、158…開口部、160…マイクロ波発生器、162…嵌挿部、164…駆動制御部、170…3番目の給液路、172…円環状ノズルプレート

Claims (14)

  1. CuAu型あるいはCu3 Au型の硬磁性規則合金相を形成し得る合金粒子を作製する合金粒子作製工程及び磁性粒子形成工程とを備えた磁性粒子の製造方法において、
    前記合金粒子作製工程では、該合金粒子を作製するための複数種の溶液をマイクロリアクターを利用した液相法により混合反応させることを特徴とする磁性粒子の製造方法。
  2. 前記混合反応により作成される合金粒子の粒子サイズが1〜100nmであり、且つ粒子サイズの変動係数が15%以下であることを特徴とする請求項1の磁性粒子の製造方法。
  3. 前記液相法は逆ミセル法であると共に、前記複数種の溶液として、界面活性剤を含有する非水溶性有機溶媒と還元剤水溶液とを混合した逆ミセル溶液(溶液L1)と、界面活性剤を含有する非水溶性有機溶媒と前記合金粒子を作製する複数種の金属原子を含有する金属塩水溶液とを混合した逆ミセル溶液(溶液L2)とを調製し、前記溶液L1及び溶液L2を前記マイクロリアクターで混合反応させることを特徴とする請求項1又は2の磁性粒子の製造方法。
  4. 前記液相法は逆ミセル法であると共に、前記複数種の溶液として、界面活性剤を含有する非水溶性有機溶媒及び還元剤水溶液とを混合した逆ミセル溶液(溶液L1)と、界面活性剤を含有する非水溶性有機溶媒と前記合金粒子を作製する複数種の金属原子のうちの1種類を含有する金属塩水溶液で構成された逆ミセル溶液(溶液L3)を前記複数種の金属原子の数だけ調製し、これらの溶液L1及び複数の溶液L3を前記マイクロリアクターで混合反応させることを特徴とする請求項1又は2の磁性粒子の製造方法。
  5. 前記マイクロリアクターは、前記複数種の溶液を並列筒構造に形成されたそれぞれの給液路を通して1本のミキシング流路に合流し、合流した各溶液を平行な層流として流通させつつ流体同士をその接触界面の法線方向へ拡散して混合する並列型のマイクロリアクターであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1の磁性粒子の製造方法。
  6. 前記それぞれの給液路は、その幅方向寸法が1〜500μmで、深さ方向寸法が1〜500μmな狭隘なマイクロチャンネルであると共に、前記ミキシング流路の幅方向寸法と深さ方向寸法は、前記それぞれの給液路に基づいて設定されることを特徴とする請求項5の磁性粒子の製造方法。
  7. 前記マイクロリアクターは、前記複数種の溶液を同心円の多重円筒管構造に形成されたそれぞれの給液路を通して1本のミキシング流路に合流し、合流した各溶液を同心円状の層流として流通させつつ流体同士をその接触界面の法線方向へ拡散して混合する同心円型のマイクロリアクターであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1の磁性粒子の製造方法。
  8. 前記ミキシング流路は、前記同心円状の層流のうちの中心を流れる中心流の流れ方向に直交する断面の円相当直径が10〜500μm、該中心流の外側を流れる外周流の厚みが10〜500μmであることを特徴とする請求項7の磁性粒子の製造方法。
  9. 前記CuAu型あるいはCu3 Au型の硬磁性規則合金相を形成し得る合金粒子を構成する少なくとも2種の金属原子が長周期表における6、8、9、10族の中から選択されると共に、更に少なくとも1種の金属原子が長周期表の11、12、13、14、15族の中から選択され、前記1種の金属原子の含有量が合金全体の1〜30原子%であることを特徴とする請求項1〜8の何れか1の磁性粒子の製造方法。
  10. 前記合金粒子作製工程における混合反応温度を−5°C〜30°Cの範囲に制御することを特徴とする請求項1〜9の何れか1の磁性粒子の製造方法。
  11. 前記磁性粒子形成工程では、前記合金粒子作製工程で作製された合金粒子を含有する合金粒子含有液を支持体上に塗布した後、アニール処理を行うことを特徴とする請求項1〜10の何れか1の磁性粒子の製造方法。
  12. 前記アニール処理におけるアニール処理温度を100°C〜500°Cの範囲に制御することを特徴とする請求項11の磁性粒子の製造方法。
  13. 請求項1〜12の何れか1に記載の磁性粒子の製造方法によって製造されたことを特徴とする磁性粒子。
  14. 請求項13に記載の磁性粒子を磁性層に含有することを特徴とする磁気記録媒体。
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