JP2005183898A - 磁性粒子およびその製造方法、並びに、磁気記録媒体 - Google Patents

磁性粒子およびその製造方法、並びに、磁気記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】 強磁性を示し、互いに凝集しにくく、支持体の材質を問わずに適用できる磁性粒子、製造方法、磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】 強磁性規則合金相を有する磁性粒子であって、表面が有機物に接触してなることを特徴とする磁性粒子である。
また、強磁性規則合金相を有する磁性粒子であって、強磁性規則合金相を形成し得る合金粒子を作製し、溶媒中でアニール処理を施してなることを特徴とする磁性粒子である。
強磁性規則合金相を有する磁性粒子の製造方法であって、
強磁性規則合金相を形成し得る合金粒子を作製し、該合金粒子に酸化処理を施した後、溶媒中でアニール処理を施すことを特徴とする磁性粒子の製造方法である。
磁性層を有する磁気記録媒体であって、前記磁性層が、既述の磁性粒子を含有してなることを特徴とする磁気記録媒体である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、磁性粒子およびその製造方法、並びに、磁性層に前記磁性粒子を含有する磁気記録媒体に関する。
磁性層に含有される磁性粒子のサイズを小さくすることは、磁気記録密度を高くする上で必要である。たとえば、ビデオテープ、コンピュータテープ、ディスクなどとして広く用いられている磁気記録媒体では、強磁性体の質量が同じ場合、粒子サイズを小さくしていった方がノイズは下がる。
磁気記録密度向上に有望な磁性粒子の素材としては、CuAu型またはCu3Au型強磁性規則合金がある(例えば、特許文献1参照)。前記強磁性規則化合金は規則化時に発生する歪みのために結晶磁気異方性が大きく、磁性粒子のサイズを小さくしても強磁性を示すことが知られている。
CuAu型またはCu3Au型合金を形成し得る合金粒子は、面芯立方晶となる。面芯立方晶は通常、軟磁性または常磁性を示す。軟磁性または常磁性では記録媒体用には適していない。磁気記録媒体に必要な95.5kA/m以上の保磁力を有する強磁性規則合金を得るには、500℃以上で熱処理をする必要があった。このため工業的に使用できる支持体が無機物に限られる物となっていた。
また、上記磁性粒子を液相法で作製する場合、磁性粒子を構成する金属が酸化されないように、Ar、N2等の非酸化性雰囲気で、気相中でのアニール処理を行う必要があった。しかし、本発明者の実験によれば、アニール処理を施して合金相を規則化しようとすると、変態温度が高くなることがあり、基板の耐熱性が問題となったり、磁性粒子同士が凝集しやすくなって分散性が低下する問題が生じたりすることがわかった。
特開2003−73705号公報
以上から、本発明は、強磁性を示し、互いに凝集しにくく、支持体の材質を問わずに適用できる磁性粒子およびその製造方法、並びに、当該磁性粒子を用いた磁気記録媒体を提供することを目的とする。
上記の課題を解決すべく鋭意検討の結果、本発明者は、以下に示す本発明により上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、CuAu型またはCu3Au型強磁性規則合金相を有する磁性粒子であって、表面が有機物に接触してなることを特徴とする磁性粒子である。当該磁性粒子は、第3元素が含有されてなることが好ましい。
本発明は、CuAu型またはCu3Au型強磁性規則合金相を有する磁性粒子であって、CuAu型またはCu3Au型強磁性規則合金相を形成し得る合金粒子を作製し、溶媒中でアニール処理を施してなることを特徴とする磁性粒子である。前記合金粒子は、逆ミセル法により作製されてなることが好ましい。また、当該磁性粒子は、前記溶媒中でのアニール処理を施す前に、酸化処理が施されてなることが好ましい。そして、さらに、第3元素が含有されてなることが好ましい。
また、本発明は、CuAu型またはCu3Au型強磁性規則合金相を有する磁性粒子の製造方法であって、CuAu型またはCu3Au型強磁性規則合金相を形成し得る合金粒子を作製し、溶媒中でアニール処理を施すことを特徴とする磁性粒子の製造方法である。
前記合金粒子は逆ミセル法により作製されることが好ましい。そして、前記溶媒中でのアニール処理を施す前に、酸化処理を施すことが好ましい。
さらに、本発明は、支持体上に磁性層を有する磁気記録媒体であって、前記磁性層が、既述の本発明の磁性粒子を含有してなることを特徴とする磁気記録媒体である。
前記支持体は、有機物支持体であることが好ましい。
さらに、導電層が少なくとも1層形成されてなることが好ましい。
また、前記磁性層が形成されていない側の前記支持体上には、バック層が形成されてなることが好ましい。
本発明によれば、強磁性を示し、互いに凝集しにくく、支持体の材質を問わずに適用できる磁性粒子およびその製造方法、並びに、当該磁性粒子を用いた磁気記録媒体を提供することができる。
<<磁性粒子>>
本発明の第1の磁性粒子は、CuAu型またはCu3Au型強磁性規則合金相を有する磁性粒子であって、その表面が有機物に接触してなる。
本発明の第1の磁性粒子は、それぞれの磁性粒子の表面に有機物が接触してなる、すなわち、磁性粒子の表面に有機物が存在するため、磁性粒子同士が直接接触することがない。従って、支持体上に塗布した状態でアニール処理を施して作製された磁性粒子よりも、凝集する可能性が低くなるため、磁気記録媒体の磁性層などに使用しても高分散な状態を維持することができる。
ここで、「有機物」とは、C、Hの2元素;C、H、Oの3元素、またはC、H、Nの3元素;C、H、O、Nの4元素;を基準としてなる有機化合物をいい、支持体上に塗布してアニール処理後に生成される無機物たる炭化物とは異なる。支持体等に塗布してアニール処理を施し、磁性粒子を掻き落しこれを採取する方法は、工程が煩雑となり、再分散が困難となる問題がある。しかし、本発明の磁性粒子は、すでに分散した状態が保たれているため、上記問題が生じることはない。上記「有機物」に接触していることの確認は、TEMとEDAXとを使用するなどの方法で行うことができる。また、例えば、ウレタン、塩化ビニルなどのバインダー類が付着ないし吸着している状態となっている。
なお、かかる第1の磁性粒子は、後述するような本発明の製造方法により作製することができる。
また、本発明の第2の磁性粒子は、後述の本発明の製造方法により製造されるCuAu型またはCu3Au型強磁性規則合金相を有する磁性粒子である。すなわち、CuAu型またはCu3Au型強磁性規則合金相を形成し得る合金粒子を作製し(合金粒子作製工程)、溶媒中でアニール処理を施して(アニール処理工程)なる磁性粒子である。なお、合金粒子作製工程とアニール処理工程との間に、合金粒子に酸化処理を施す酸化処理工程を設けてもよい。また、上記合金粒子は、後述する逆ミセル法により作製されてなることが好ましい。
第2の磁性粒子は、溶媒中でアニール処理を施すので、生成する磁性粒子表面には、有機物が接触して存在することになる。このように磁性粒子表面に有機物が接触していることで、第1の磁性粒子と同様の効果が発揮される。
また、溶媒中でアニール処理を施すので、気相中でアニール処理を施して磁性粒子を作製するよりも、均一に強磁性化された磁性粒子が得られる。
なお、「有機物」の意義については、第1の磁性粒子と同様である。
本発明の第1の磁性粒子および第2の磁性粒子は、後述のSb、Pb、Bi、Cu、Ag、Zn、Inなどの第三元素を含有してなることが好ましい。特に、Cuが好ましい。
<<磁性粒子の製造方法>>
本発明の磁性粒子の製造方法は、強磁性規則合金相を形成し得る合金粒子を液相法等により作製し(合金粒子作製工程)、合金粒子作製後(酸化処理が施される場合は、酸化処理工程後)に溶媒中でアニール処理を施す(アニール処理工程)ものである。
以下、上記各工程を説明しながら、本発明の磁性粒子の製造方法について説明する。
<合金粒子作製工程>
アニール処理により磁性粒子となる合金粒子は、液相法により製造することができる。液相法としては、従来から知られている種々の方法を適用することができるが、これらに改良を加えた還元法を適用することが好ましく、還元法のなかでも粒径が制御しやすい逆ミセル法が特に好ましい。
(逆ミセル法)
上記逆ミセル法は、少なくとも、(1)2種の逆ミセル溶液を混合して還元反応を行う還元工程と、(2)還元反応後に所定温度で熟成する熟成工程と、を有する。
以下、各工程について説明する。
(1)還元工程:
まず、界面活性剤を含有する非水溶性有機溶媒と還元剤水溶液とを混合した逆ミセル溶液(I)を調製する。
前記界面活性剤としては、油溶性界面活性剤が用いられる。具体的には、スルホン酸塩型(例えば、エーロゾルOT(和光純薬製))、4級アンモニウム塩型(例えば、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド)、エーテル型(例えば、ペンタエチレングリコールドデシルエーテル)などが挙げられる。
非水溶性有機溶媒中の界面活性剤量は、20〜200g/リットルであることが好ましい。
前記界面活性剤を溶解する非水溶性有機溶媒として好ましいものは、アルカン、エーテルおよびアルコール等が挙げられる。
アルカンとしては、炭素数7〜12のアルカン類であることが好ましい。具体的には、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン等が好ましい。
エーテルとしては、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル等が好ましい。
アルコールとしては、エトキシエタノール、エトキシプロパノール等が好ましい。
還元剤水溶液中の還元剤としては、アルコール類;ポリアルコール類;H2;HCHO、S26 2-、H2PO2 -、BH4 -、N25 +、H2PO3 -などを含む化合物;を単独で使用、または2種以上を併用することが好ましい。
水溶液中の還元剤量は、金属塩1モルに対して、3〜50モルであることが好ましい。
ここで、逆ミセル溶液(I)溶液中の水と界面活性剤との質量比(水/界面活性剤)は、20以下となるようにすることが好ましい。質量比が20以下であると、沈殿の生成を抑え、粒子も揃いやすいといった利点がある。質量比は、15以下とすることが好ましく、0.5〜10とすることがより好ましい。なお、逆ミセル溶液(I)溶液とともに、目的に応じて、上記質量比や使用原料を変えた逆ミセル溶液(I’)、(I’’)等を調製し、これらを併用してもよい。
上記とは別に、界面活性剤を含有する非水溶性有機溶媒と金属塩水溶液とを混合した逆ミセル溶液(II)を調製する。
界面活性剤および非水溶性有機溶媒の条件(使用する物質、濃度等)については、逆ミセル溶液(I)の場合と同様である。
なお、逆ミセル溶液(I)と同種のものまたは異種のものを使用することができる。また、逆ミセル溶液(II)溶液中の水と界面活性剤との質量比も逆ミセル溶液(I)の場合と同様であり、逆ミセル溶液(I)の質量比と同一としてもよく、異なっていてもよい。また、逆ミセル溶液(II)溶液とともに、目的に応じて、上記質量比や使用原料を変えた逆ミセル溶液(II’)、(II’’)等を調製し、これらを併用してもよい。
金属塩水溶液に含有される金属塩としては、作製しようとする磁性粒子がCuAu型あるいはCu3Au型強磁性規則合金を形成し得るように、適宜選択することが好ましい。
ここで、当該CuAu型強磁性規則合金としては、FeNi、FePd、FePt、CoPt、CoAuなどが挙げられ、なかでもFePd、FePt、CoPtであることが好ましい。
Cu3Au型強磁性規則合金としては、Ni3Fe、FePd3、Fe3Pt、FePt3、CoPt3、Ni3Pt、CrPt3、Ni3Mnが挙げられ、なかでもFePd3、FePt3、CoPt3、Fe3Pd、Fe3Pt、Co3Ptが好ましい。
金属塩の具体例としては、H2PtCl6、K2PtCl4、Pt(CH3COCHCOCH32、Na2PdCl4、Pd(OCOCH32、PdCl2、Pd(CH3COCHCOCH32、HAuCl4、Fe2(SO43、Fe(NO33、(NH43Fe(C243、Fe(CH3COCHCOCH33、NiSO4、CoCl2、Co(OCOCH32などが挙げられる。
金属塩水溶液中の濃度(金属塩濃度として)は、0.1〜1000μmol/mlであることが好ましく、1〜100μmol/mlであることがより好ましい。
合金粒子は後述する溶媒中のアニール処理によって合金相を不規則相から規則相へ変態させる必要があるが、変態温度が高温であると使用できる溶媒が限られたものとなってしまう。そこで、当該変態温度を下げるために、前記2元系合金に、Sb、Pb、Bi、Cu、Ag、Zn、Inなどの第三元素を加えることが好ましい。これらの第三元素は、それぞれの第三元素の前駆体を、前記金属塩溶液に予め添加しておくことが好ましい。添加量としては、2元系合金に対し、1〜30at%であることが好ましく、15〜30at%であることがより好ましい。
以上のようにして調製した逆ミセル溶液(I)と(II)とを混合する。混合方法としては、特に限定されるものではないが、還元の均一性を考慮して、逆ミセル溶液(I)を撹拌しながら、逆ミセル溶液(II)を添加していって混合することが好ましい。混合終了後、還元反応を進行させることになるが、その際の温度は、−5〜30℃の範囲で、一定の温度とすることが好ましい。
還元温度を−5〜30℃とすることで、水相が凝結して還元反応が不均一になるといった問題を解消し、凝集または沈殿が起こりやすく系が不安定となる問題をも解消することができる。好ましい還元温度は0〜25℃であり、より好ましくは5〜25℃である。
ここで、前記「一定温度」とは、設定温度をT(℃)とした場合、当該TがT±3℃の範囲にあることをいう。なお、このようにした場合であっても、当該Tの上限および下限は、上記還元温度(−5〜30℃)の範囲にあるものとする。
還元反応の時間は、逆ミセル溶液の量等により適宜設定する必要があるが、1〜30分とすることが好ましく、5〜20分とすることがより好ましい。
還元反応は、粒径分布の単分散性に大きな影響を与えるため、できるだけ高速攪拌しながら行うことが好ましい。
好ましい攪拌装置は高剪断力を有する攪拌装置であり、詳しくは、攪拌羽根が基本的にタービン型あるいはパドル型の構造を有し、さらに、その羽根の端もしくは、羽根と接する位置に鋭い刃を付けた構造であり、羽根をモーターで回転させる攪拌装置である。具体的には、ディゾルバー(特殊機化工業製)、オムニミキサー(ヤマト科学製)、ホモジナイザー(SMT製)などの装置が有用である。これらの装置を用いることにより、単分散な合金粒子を安定な分散液として合成することができる。
前記逆ミセル溶液(I)および(II)の少なくともいずれかに、アミノ基またはカルボキシ基を1〜3個有する少なくとも1種の分散剤を、作製しようとする合金粒子1モル当たり、0.001〜10モル添加することが好ましい。
かかる分散剤を添加することで、より単分散で、凝集の無い合金粒子を得ることが可能となる。
添加量が、0.001〜10モルとすることで、合金粒子の単分散性をより向上させながら、凝集の発生を抑制することができる。
前記分散剤としては、合金粒子表面に吸着する基を有する有機化合物が好ましい。具体的には、アミノ基、カルボキシ基、スルホン酸基またはスルフィン酸基を1〜3個有するものであり、これらを単独または併用して用いることができる。
構造式としては、R−NH2、NH2−R−NH2、NH2−R(NH2)−NH2、R−COOH、COOH−R−COOH、COOH−R(COOH)−COOH、R−SO3H、SO3H−R−SO3H、SO3H−R(SO3H)−SO3H、R−SO2H、SO2H−R−SO2H、SO2H−R(SO2H)−SO2Hで表される化合物であり、式中のRは直鎖、分岐または環状の飽和、不飽和の炭化水素である。
分散剤として特に好ましい化合物はオレイン酸である。オレイン酸はコロイドの安定化において周知の界面活性剤であり、鉄等の金属粒子を保護するのに用いられてきた。オレイン酸の比較的長い(たとえば、オレイン酸は18炭素鎖を有し長さは〜20オングストローム(〜2nm)である。オレイン酸は脂肪族ではなく二重結合が1つある)鎖は粒子間の強い磁気相互作用を打ち消す重要な立体障害を与える。
エルカ酸やリノール酸など類似の長鎖カルボン酸もオレイン酸同様に(たとえば、8〜22の間の炭素原子を有する長鎖有機酸を単独でまたは組み合わせて用いることができる)用いられる。オレイン酸は(オリーブ油など)容易に入手できる安価な天然資源であるので好ましい。また、オレイン酸から誘導されるオレイルアミンもオレイン酸同様有用な分散剤である。
以上のような還元工程では、CuAu型あるいはCu3Au型強磁性規則合金相中のCo、Fe、Ni、Cr等の酸化還元電位が卑な金属(−0.2V(vs.N.H.E)程度以下の金属)が還元され、極小サイズで単分散な状態で析出するものと考えられる。その後、昇温段階および後述する熟成工程において、析出した卑な金属を核とし、その表面で、Pt、Pd、Rh等の酸化還元電位が貴な金属(−0.2V(vs.N.H.E)程度以上の金属)が卑な金属で還元されて置換、析出する。イオン化した卑な金属は還元剤で再度還元されて析出すると考えられる。このような繰返しによって、CuAu型あるいはCu3Au型強磁性規則合金を形成し得る合金粒子が得られる。
(2)熟成工程:
還元反応終了後、反応後の溶液を熟成温度まで昇温する。
前記熟成温度は、30〜90℃で一定の温度とすることが好ましく、その温度は、前記還元反応の温度より高くする。また、熟成時間は、5〜180分とすることが好ましい。熟成温度および時間が上記範囲にあることで、凝集または沈殿を防ぎ、不完全な反応による組成変化を防ぐことができる。好ましい熟成温度および時間は40〜80℃および10〜150分であり、より好ましい熟成温度および時間は40〜70℃および20〜120分である。
ここで、前記「一定温度」とは、還元反応の温度の場合と同義(但し、この場合、「還元温度」は「熟成温度」となる)であるが、特に、上記熟成温度の範囲(30〜90℃)内で、前記還元反応の温度より5℃以上高いことが好ましく、10℃以上高いことがより好ましい。5℃以上高くすることで、処方通りの組成が得られやすくなる。
以上のような熟成工程では、還元工程で還元析出した卑な金属上に貴な金属が析出する。
すなわち、卑な金属上でのみ貴な金属の還元が起こり、卑な金属と貴な金属とが別々に析出することが無いため、効率良くCuAu型あるいはCu3Au型強磁性規則合金を形成し得る合金粒子を、高収率で処方組成比どおりに作製することが可能で、所望の組成に制御することができる。また、熟成の際の温度の撹拌速度を適宜調整することで、得られる合金粒子の粒径を所望なものとすることができる。
前記熟成を行った後は、水と1級アルコールとの混合溶液で前記熟成後の溶液を洗浄し、その後、1級アルコールで沈殿化処理を施して沈殿物を生成させ、該沈殿物を有機溶媒で分散させる洗浄・分散工程を設けることが好ましい。
かかる洗浄・分散工程を設けることで、不純物が除去され、磁気記録媒体の磁性層を塗布により形成する際の塗布性をより向上させることができる。
上記洗浄および分散は、少なくともそれぞれ1回、好ましくは、それぞれ2回以上行う。
洗浄で用いる前記1級アルコールとしては、特に限定されるものではないが、メタノール、エタノール等が好ましい。体積混合比(水/1級アルコール)は、10/1〜2/1の範囲にあることが好ましく、5/1〜3/1の範囲にあることがより好ましい。
水の比率が高いと、界面活性剤が除去されにくくなることがあり、逆に1級アルコールの比率が高いと、凝集を起こしてしまうことがある。
以上のようにして、溶液中に分散した合金粒子(合金粒子含有液)が得られる。
当該合金粒子は、単分散であるため、支持体に塗布しても、これらが凝集することなく均一に分散した状態を保つことができる。従って、アニール処理を施しても、それぞの合金粒子が凝集することがないため、効率良く強磁性化することが可能で、塗布適性に優れる。
後述する酸化処理前の合金粒子の粒径は、ノイズを下げる観点から小さいことが好ましいが、小さすぎるとアニール後に超常磁性となり、磁気記録に不適当となることがある。一般に、1〜100nmであることが好ましく、1〜20nmであることがより好ましく、3〜10nmであることがさらに好ましい。
(還元法)
還元法でCuAu型あるいはCu3Au型強磁性規則合金を形成し得る合金粒子を作製するには種々の方法があるが、少なくとも、酸化還元電位が卑な金属(以下、単に「卑な金属」ということがある)と、酸化還元電位が貴な金属(以下、単に「貴な金属」ということがある)と、を有機溶剤もしくは水、または有機溶剤と水との混合溶液中で還元剤等を使用して還元する方法を適用することが好ましい。
卑な金属と貴な金属との還元順序は、特に限定されず、同時に還元してもよい。
前記有機溶剤としては、アルコール、ポリアルコール等を使用することが可能で、アルコールとしては、メタノール、エタノール、ブタノール等が挙げられ、ポリアルコールとしては、エチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
なお、CuAu型あるいはCu3Au型強磁性規則合金の例としては、既述の逆ミセル法の場合と同様である。
また、貴な金属を先に析出させて合金粒子を調製する方法としては、特願2001−269255号の段落18〜30等に記載の方法等を適用することができる。
酸化還元電位が貴な金属としては、Pt、Pd、Rh等が好ましく用いることができ、H2PtCl6・6H2O、Pt(CH3COCHCOCH32、RhCl3・3H2O、Pd(OCOCH32、PdCl2、Pd(CH3COCHCOCH32等を溶媒に溶解して用いることができる。溶液中の金属の濃度は、0.1〜1000μmol/mlが好ましく、0.1〜100μmol/mlがより好ましい。
また、酸化還元電位が卑な金属としては、Co、Fe、Ni、Crを好ましく用いることができ、特に好ましくは、Fe、Coである。このような金属は、FeSO4・7H2O、NiSO4・7H2O、CoCl2・6H2O、Co(OCOCH32・4H2O等を溶媒に溶解して用いることができる。溶液中の金属の濃度は、0.1〜1000μmol/mlが好ましく、0.1〜100μmol/mlがより好ましい。
また、既述の逆ミセル法と同様に2元系合金に、第三元素を加える事で強磁性規則合金への変態温度を下げる事が好ましい。添加量としては逆ミセル法と同様である。
例えば、還元剤を用いて卑な金属と貴な金属とをこの順に還元して析出させる場合、−0.2V(vs.N.H.E)より卑な還元電位を持つ還元剤を用いて卑な金属あるいは卑な金属と貴な金属の一部を還元したものを、貴な金属源に加え酸化還元電位が−0.2V(vs.N.H.E)より貴な還元剤を用いて還元した後、−0.2V(vs.N.H.E)より卑な還元電位を持つ還元剤を用いて還元する事が好ましい。
酸化還元電位は系のpHに依存するが、酸化還元電位が−0.2V(vs.N.H.E)より貴な還元剤には、1,2−ヘキサデカンジオール等のアルコール類、グリセリン類、H2、HCHOが好ましく用いられる。
−0.2V(vs.N.H.E)より卑な還元剤にはS26 2-、H2PO2 -、BH4 -、N25 +、H2PO3 -が好ましく用いる事ができる。
なお、卑な金属の原料として、Feカルボニル等の0価の金属化合物と用いる場合は、特に卑な金属の還元剤は必要ない。
貴な金属を還元析出させる際に吸着剤を存在させる事で合金粒子を安定して調製することができる。吸着剤としてはポリマーや界面活性剤を使用することが好ましい。
前記ポリマーとしては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリN−ビニル−2ピロリドン(PVP)、ゼラチン等が挙げられる。なかでも、特に好ましくはPVPである。
また、分子量は2万〜6万が好ましく、より好ましくは3万〜5万である。ポリマーの量は生成する合金粒子の質量の0.1〜10倍であることが好ましく、0.1〜5倍がより好ましい。
吸着剤として好ましく用いられる界面活性剤は、一般式:R−X、で表される長鎖有機化合物である「有機安定剤」を含むことが好ましい。上記一般式中のRは、直鎖または分岐ハイドロカーボンまたはフルオロカーボン鎖である「テール基」であり、通常8〜22個の炭素原子を含む。また、上記一般式中のXは、合金粒子表面に特定の化学結合を提供する部分(X)である「ヘッド基」であり、スルフィネート(−SOOH)、スルホネート(−SO2OH)、ホスフィネート(−POOH)、ホスホネート(−OPO(OH)2)、カルボキシレート、およびチオールのいずれかであることが好ましい。
前記有機安定剤としては、スルホン酸(R−SO2OH)、スルフィン酸(R−SOOH)、ホスフィン酸(R2POOH)、ホスホン酸(R−OPO(OH)2)、カルボン酸(R−COOH)、チオール(R−SH)等のいずれかであることが好ましい。これらのなかでも、逆ミセル法と同様のオレイン酸が特に好ましい。
前記ホスフィンと有機安定剤との組合せ(トリオルガノホスフィン/酸等)は、粒子の成長および安定化に対する優れた制御性を提供することができる。ジデシルエーテルおよびジドデシルエーテルも用いることができるが、フェニルエーテルまたはn−オクチルエーテルはその低コストおよび高沸点のため溶媒として好適に用いられる。
反応(還元)は必要な合金粒子および溶媒の沸点により80℃〜360℃の範囲の温度で行うことが好ましく、80℃〜240℃がより好ましい。温度がこの温度範囲にあることで、制御性のよい粒子成長を促進し、望ましくない副産物の生成を抑制することができる。
合金粒子の粒径は逆ミセル法と同様で、1〜100nmが好ましく、より好ましくは3〜20nmであり、さらに好ましくは3〜10nmである。
粒子サイズ(粒径)を大きくする方法としては種晶法が有効である。磁気記録媒体として用いるには合金粒子を最密充填することが記録容量を高くする上で好ましく、そのためには、合金粒子のサイズの標準偏差は10%未満が好ましく、より好ましくは5%以下である。
以上のような還元法により合金粒子含有液が作製される。
なお、粒子サイズが小さすぎると超常磁性となり好ましくない。そこで粒子サイズを大きくするため既述のように、種晶法を用いることが好ましい。その際、粒子を構成する金属より貴な金属を析出させるケースが出てくる。このとき、粒子の酸化が懸念されるため、予め粒子を水素化処理することが好ましい。
液相法により作製された合金粒子の最外層は酸化防止の観点から貴な金属にすることが好ましいが、凝集しやすいため、本発明では貴な金属と卑な金属との合金であることが好ましい。かかる構成は、既述のような、液相法によれば容易かつ効率良く実現させることができる。
また、合金粒子合成後に溶液から塩類を除くことは、合金粒子の分散安定性を向上させる意味から好ましい。脱塩にはアルコールを過剰に加え、軽凝集を起こし、自然沈降あるいは遠心沈降させ塩類を上澄みと共に除去する方法があるが、このような方法では凝集が生じやすいため、限外濾過法を採用することが好ましい。以上のようにして、溶液中に分散した合金粒子(合金粒子含有液)が得られる。
合金粒子の粒径評価には透過型電子顕微鏡(TEM)を用いることができる。合金粒子もしくは磁性粒子の結晶系を決めるにはTEMによる電子回折でもよいが、X線回折を用いた方が精度が高いため好ましい。合金粒子もしくは磁性粒子の内部の組成分析には、電子線を細く絞ることができるFE−TEMにEDAXを付け評価することが好ましい。また、合金粒子もしくは磁性粒子の磁気的性質の評価はVSMを用いて行うことができる。
<酸化処理工程>
酸化処理工程は、合金粒子作製工程とアニール処理工程との間に、適宜設けられる工程で、合金粒子に酸化処理を施す工程である。作製した合金粒子に酸化処理を施すことで、後の溶媒中でアニール処理を施す際の温度を高くすることなく、強磁性を有する磁性粒子を効率よく製造することができる。これは、以下に説明する現象によると考えられる。
すなわち、まず、合金粒子を酸化することで、その結晶格子上に酸素が進入する。酸素が進入した状態でアニール処理を行うと、熱により酸素が結晶格子上から脱離する。酸素が脱離することで欠陥が生じ、かかる欠陥を通じて合金を構成する金属原子の移動が容易になるため、比較的低温でも相変態が起こりやすくなると考えられる。
かかる現象は、例えば、酸化処理後の合金粒子とアニール処理を行った磁性粒子とをEXAFS(広範囲X線吸収微細構造)測定することで、推察される。
例えば、Fe−Pt合金粒子で酸化処理を施さない合金粒子では、Fe原子と、Pt原子やFe原子との結合の存在が確認できる。
これに対し、酸化処理を施した合金粒子では、Fe原子と酸素原子との結合の存在を確認できる。しかし、Pt原子やFe原子との結合はほとんど見えなくなる。このことは、酸素原子によりFe−Pt、Fe−Feの結合が切られていることを意味する。これによりアニール時にPt原子やFe原子が動きやすくなったと考えられる。
そして、当該合金粒子にアニール処理を施した後は、酸素の存在を確認することができず、Fe原子の周りにはPt原子やFe原子との結合の存在が確認できる。
上記現象を考慮すれば、酸化しないと相変態が進行しにくくなりアニール処理温度を高くする必要が生じることがわかる。しかし、過度に酸化するとFe等の酸化されやすい金属と酸素との相互作用が強くなりすぎて金属酸化物が生成してしまうことも考えられる。
よって、合金粒子の酸化状態を制御することが重要となり、そのためには酸化処理条件を最適なものに設定する必要がある。
酸化処理は、例えば、既述の液相法などにより合金粒子を作製した場合は、作製した後の合金粒子含有液に少なくとも酸素を含有するガス(酸素ガスもしくは空気等)を供給すればよい。
このときの酸素分圧は、全圧の10〜100%とすることが好ましく、15〜50%とすることが好ましい。
また、酸化処理温度は、0〜250℃とすることが好ましく、0〜100℃とすることがより好ましく、15〜80℃とすることがさらに好ましい。
酸化処理は酸素存在下たとえば空気中で粒子分散液を攪拌して行ってもよいし、これらの気体を液中に送り込みバブリングして行ってもよい。
合金粒子の酸化状態は、EXAFS等で評価することが好ましく、Fe等の卑な金属と酸素との結合数は、酸素によりFe−Fe結合、Pt−Fe結合を切るという観点から、0.5〜4であることが好ましく、1〜3であることがより好ましい。
<アニール処理工程>
酸化処理を施した合金粒子は不規則相である。既述のように不規則相では強磁性は得られない。そこで、規則相とするためには、熱処理(アニール処理)を施す必要がある。本発明においてアニール処理は溶媒中で行う。これにより分散状態で粒子を得る事が出来るからである。また、再分散を必要とせずに塗布を行う事が出来る。アニール処理は、150℃以上が好ましく、250℃以上がより好ましく、300℃以上がさらに好ましく、350℃以上が特に好ましく、リフラックスにより行う事が好ましい。時間は30分〜6時間であることが好ましく、1〜4時間であることがより好ましい。
使用する有機溶媒としては、非酸化性のものが好ましく、還元性の溶媒が特に好ましい。具体的には、エタノールアミン、オクチルアミンが好ましく、トリエタノールアミン、トリオクチルアミンがより好ましい。また、ポリオールも好ましく用いられる。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコールなどのグリコールが挙げられる。
有機溶媒は、合金粒子1mgあたり、100〜1000mlとすることが好ましく、200〜500mlでリフラックス処理することがより好ましい。
以上のようなアニール処理を施すことで、合金粒子が不規則相から規則相に相変態し、強磁性を有する磁性粒子が得られる。
既述の本発明の磁性粒子の製造方法により製造される磁性粒子は、その保磁力が95.5〜955kA/m(1200〜12000Oe)であることが好ましく、磁気記録媒体に適用した場合、記録ヘッドが対応できることを考慮して95.5〜398kA/m(1200〜5000Oe)であることがより好ましい。
また、当該磁性粒子の粒径は1〜100nmであることが好ましく、3〜20nmであることがより好ましく、3〜10nmであることがさらに好ましい。
<<磁気記録媒体>>
本発明の磁気記録媒体は、支持体上に形成された磁性層に本発明の磁性粒子を含有してなることを特徴とする。
当該磁気記録媒体としては、ビデオテープ、コンピューターテープ等の磁気テープ;フロッピー(R)ディスク、ハードディスク等の磁気ディスク;等が挙げられる。
支持体としては、磁気記録媒体に使用される支持体であれば、無機物および有機物のいずれでもよい。本発明の磁性粒子は、すでに溶媒中でアニール処理が施され、強磁性化されているので、基板に塗布した後で高温のアニール処理を施す必要がない。従って、耐熱性に問題がある有機物支持体にも問題なく適用できる。かかる観点から、有機物支持体に特に好ましく用いる事ができる。
無機物の支持体としては、Al、Al−Mg、Mg−Al−Zn等のMg合金、ガラス、石英、カーボン、シリコン、セラミックス等が用いられる。これらの支持体は耐衝撃性に優れ、また薄型化や高速回転に適した剛性を有する。また、有機物の支持体と比較して、熱に強い特徴を有している。
有機物の支持体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類;ポリオレフィン類;セルロ−ストリアセテート、ポリカ−ボネート、ポリアミド(脂肪族ポリアミドやアラミド等の芳香族ポリアミドを含む)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルフォン、ポリベンゾオキサゾール;等を用いる事ができる。
有機物支持体は金属などの無機物支持体に比べ低コストであるため、生産性の高い磁気記録媒体の製造に寄与することができる。従って、支持体としては、有機物支持体を使用することが好ましい。
なお、有機物支持体は、一般的に耐熱性に問題があるが、本発明では支持体上に塗布する前に、既述のようなアニール処理を施しているため、有機物支持体の耐熱性が問題とならない。従って、反りや変質のない良好な磁気記録媒体を作製することが可能となる。
支持体上に磁性粒子を塗布するには、前記アニール処理を施した後の磁性粒子含有液に必要に応じて種々の添加剤を添加して、支持体上に塗布すればよい。
このときの磁性粒子の含有量は所望の濃度(0.01〜0.1mg/ml)とすることが好ましい。
支持体に塗布する方法としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、スプレイコート、スピンコート等が利用できる。
既述のように支持体上に磁性粒子(磁性粒子含有液)を塗布し、40〜200℃で乾燥処理等を施して、磁性層を形成し、本発明の磁気記録媒体とすることができる。
本発明の磁気記録媒体は、磁性層にすでの強磁性化された磁性粒子を含有するため、支持体上に塗布した後に高温でのアニール処理をする必要がない。従って、高温による磁性粒子の凝集がなく、磁性粒子が高分散な状態で磁性層中に存在する磁気記録媒体とすることができる。
形成される磁性層の厚さは、適用される磁気記録媒体の種類にもよるが、4nm〜1μmであることが好ましく、4nm〜100nmであることがより好ましい。
なお、支持体と磁性層との間には密着性向上のための下塗層を設けてもかまわない。下塗層の厚みは0.005〜0.5μmが好ましく、0.01〜0.5μmがより好ましく、0.02〜0.5μmであることがさらに好ましい。
本発明の磁気記録媒体は、磁性層のほかに必要に応じて他の層を有していてもよい。導電層が少なくとも1層形成されてなることが好ましく、磁性層が形成されていない側の支持体上に、バック層(バックコート層)が形成されてなることが好ましい。
例えば、ディスクの場合、磁性層の反対側の面にさらに磁性層や非磁性層を設けることが好ましい。テープの場合、磁性層の反対側の不溶性支持体面上にバック層を設けることが好ましい。
また、磁性層上に非常に薄い保護膜を形成することで、耐磨耗性を改善し、さらにその保護膜上に潤滑剤を塗布して滑り性を高めることによって、十分な信頼性を有する磁気記録媒体とすることができる。
以下、保護膜、バック層、導電層について詳説する。
(保護膜)
保護膜の材質としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化コバルト、酸化ニッケルなどの酸化物;窒化チタン、窒化ケイ素、窒化ホウ素などの窒化物;炭化ケイ素、炭化クロム、炭化ホウ素等の炭化物;グラファイト、無定型カーボンなどの炭素(カーボン);等があげられるが、特に好ましくは、一般に、ダイヤモンドライクカーボンと呼ばれる硬質の非晶質のカーボンである。
カーボンからなるカーボン保護膜は、非常に薄い膜厚で十分な耐磨耗性を有し、摺動部材に焼き付きを生じ難いため、保護膜の材料としては好適である。
カーボン保護膜の形成方法として、ハードディスクにおいては、スパッタリング法が一般的であるが、ビデオテープ等の連続成膜を行う必要のある製品ではより成膜速度の高いプラズマCVDを用いる方法が多数提案されている。従って、これらの方法を適用することが好ましい。
中でもプラズマインジェクションCVD(PI−CVD)法は成膜速度が非常に高く、得られるカーボン保護膜も硬質かつピンホールが少ない良質な保護膜が得られると報告されている(例えば、特開昭61−130487号公報、特開昭63−279426号公報、特開平3−113824号公報等)。
このカーボン保護膜は、ビッカース硬度で1000kg/mm2以上であることが好ましく、2000kg/mm2以上であることがより好ましい。また、その結晶構造はアモルファス構造であり、かつ非導電性であることが好ましい。
そして、カーボン保護膜として、ダイヤモンド状炭素(ダイヤモンドライクカーボン)膜を使用した場合、この構造はラマン光分光分析によって確認することができる。すなわち、ダイヤモンド状炭素膜を測定した場合には、1520〜1560cm-1にピークが検出されることによって確認することができる。炭素膜の構造がダイヤモンド状構造からずれてくるとラマン光分光分析により検出されるピークが上記範囲からずれるとともに、保護膜としての硬度も低下する。
このカーボン保護膜を形成するための炭素原料としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン等のアルカン;エチレン、プロピレン等のアルケン;アセチレン等のアルキン;をはじめとした炭素含有化合物を用いることが好ましい。また、必要に応じてアルゴンなどのキャリアガスや膜質改善のための水素や窒素などの添加ガスを加えることができる。
カーボン保護膜の膜厚が厚いと、電磁変換特性の悪化や磁性層に対する密着性の低下が生じ、膜厚が薄いと耐磨耗性が不足する。従って、膜厚は、2.5〜20nmとすることが好ましく、5〜10nmとすることがより好ましい。
また、この保護膜と基板となる磁性層の密着性を改善するために、あらかじめ磁性層表面を不活性ガスでエッチングしたり、酸素等の反応性ガスプラズマに曝して表面改質する事が好ましい。
磁性層は電磁変換特性を改善するため重層構成としたり、磁性層の下に公知の非磁性下地層や中間層を有していてもよい。走行耐久性および耐食性を改善するため、既述のように、上記磁性層もしくは保護膜上に潤滑剤や防錆剤を付与することが好ましい。添加する潤滑剤としては公知の炭化水素系潤滑剤、フッ素系潤滑剤、極圧添加剤などが使用できる。
炭化水素系潤滑剤としては、ステアリン酸、オレイン酸等のカルボン酸類;ステアリン酸ブチル等のエステル類;オクタデシルスルホン酸等のスルホン酸類;リン酸モノオクタデシル等のリン酸エステル類;ステアリルアルコール、オレイルアルコール等のアルコール類;ステアリン酸アミド等のカルボン酸アミド類;ステアリルアミン等のアミン類;などが挙げられる。
フッ素系潤滑剤としては、上記炭化水素系潤滑剤のアルキル基の一部または全部をフルオロアルキル基もしくはパーフルオロポリエーテル基で置換した潤滑剤が挙げられる。
パーフルオロポリエーテル基としては、パーフルオロメチレンオキシド重合体、パーフルオロエチレンオキシド重合体、パーフルオロ−n−プロピレンオキシド重合体(CF2CF2CF2O)n、パーフルオロイソプロピレンオキシド重合体(CF(CF3)CF2O)nまたはこれらの共重合体等である。
また、炭化水素系潤滑剤のアルキル基の末端や分子内に水酸基、エステル基、カルボキシル基などの極性官能基を有する化合物が、摩擦力を低減する効果が高く好適である。
さらに、この分子量は、500〜5000、好ましくは1000〜3000である。500〜5000とすることで、揮発を抑え、また潤滑性の低下を抑えることができる。また、粘度が高くなるのを防ぎ、スライダーとディスクが吸着しやすなって走行停止やヘッドクラッシュなどを発生するのを防ぐことができる。
このパーフルオロポリエーテルは、具体例的には、アウジモンド社製のFOMBLIN、デュポン社製のKRYTOXなどの商品名で市販されている。
極圧添加剤としては、リン酸トリラウリル等のリン酸エステル類;亜リン酸トリラウリル等の亜リン酸エステル類;トリチオ亜リン酸トリラウリル等のチオ亜リン酸エステルやチオリン酸エステル類;二硫化ジベンジル等の硫黄系極圧剤;などが挙げられる。
前記潤滑剤は単独もしくは複数を併用して使用される。これらの潤滑剤を磁性層もしくは保護膜上に付与する方法としては、潤滑剤を有機溶剤に溶解し、ワイヤーバー法、グラビア法、スピンコート法、ディップコート法等で塗布するか、真空蒸着法によって付着させればよい。
防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、プリン、ピリミジン等の窒素含有複素環類およびこれらの母核にアルキル側鎖等を導入した誘導体;ベンゾチアゾール、2−メルカプトンベンゾチアゾール、テトラザインデン環化合物、チオウラシル化合物等の窒素および硫黄含有複素環類およびこの誘導体;等が挙げられる。
(バック層)
既述のように、磁気記録媒体が磁気テープ等の場合は、支持体の磁性層が形成されていない面側にバック層が設けられていてもよい。繰り返し走行性が強く要求される磁気記録媒体では、高い走行耐久性が要求されることがある。そこで、バック層を形成することで、高い耐久性を実現することができる。
バック層は、非磁性支持体の磁性層が形成されていない面に、研磨材、帯電防止剤などの粒状成分と結合剤とを公知の有機溶剤に分散したバック層形成塗料を塗布して設けられる層である。バック層の厚みは、0.1〜4μmであることが好ましく、0.2〜2.0μmであることがより好ましく、0.2〜0.5μmであることがさらに好ましい。
粒状成分としては各種の無機顔料やカーボンブラックを使用することができ、また結合剤としてはニトロセルロース、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン等の樹脂を単独またはこれらを混合して使用することができる。
また、合金粒子含有液の塗布面およびバックコート層が形成される面には、公知の接着剤層が設けられていてもよい。
カーボンブラックは、平均粒子径の異なる2種類のものを組み合わせて使用することが好ましい。この場合、平均粒子径が10〜20nmの微粒子状カーボンブラックと平均粒子径が230〜300nmの粗粒子状カーボンブラックを組み合わせて使用することが好ましい。
一般に、上記のような微粒子状のカーボンブラックの添加により、バック層の表面電気抵抗を低く設定でき、また光透過率も低く設定できる。磁気記録装置によっては、テープの光透過率を利用し、動作の信号に使用しているものが多くあるため、このような場合には特に微粒子状のカーボンブラックの添加は有効になる。また微粒子状カーボンブラックは一般に液体潤滑剤の保持力に優れ、潤滑剤併用時、摩擦係数の低減化に寄与する。
一方、体積平均粒子径が230〜300nmの粗粒子状カーボンブラックは、固体潤滑剤としての機能を有しており、また、バック層の表面に微小突起を形成し、接触面積を低減化して、摩擦係数の低減化に寄与する。しかし、粗粒子状カーボンブラックを単独で用いると、過酷な走行系では、テープ摺動により、バック層からの脱落が生じ易くなり、エラー比率の増大につながる欠点を有している。
微粒子状カーボンブラックの具体的な製品名としては、以下のものを挙げることができる。カッコ内は体積平均粒子径を示す。すなわち、RAVEN2000B(18nm)、RAVEN1500B(17nm)(以上、コロンビアカーボン社製);BP800(17nm)(キャボット社製);PRINNTEX90(14nm)、PRINTEX95(15nm)、PRINTEX85(16nm)、PRINTEX75(17nm)(以上、デグサ社製);#3950(16nm)(三菱化成工業(株)製);等である。
また、粗粒子カーボンブラックの具体的な製品名としては、サーマルブラック(270nm)(カーンカルブ社製);RAVEN MTP(275nm)(コロンビアカーボン社製);を挙げることができる。
バック層において、平均粒子径の異なる2種類のものを使用する場合、体積平均粒径が10〜20nmの微粒子状カーボンブラックと230〜300nmの粗粒子状カーボンブラックの含有比率(質量比)は、前者:後者=98:2〜75:25の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは、95:5〜85:15の範囲である。
バック層中のカーボンブラック(2種類のものを使用する場合には、その全量)の含有量は、結合剤100質量部に対して、通常30〜80質量部の範囲であり、好ましくは、45〜65質量部の範囲である。
カーボンブラックとともに、無機粉末を使用してもよい。無機粉末は、硬さの異なる2種類のものを併用することが好ましい。具体的には、モース硬度3〜4.5の軟質無機粉末とモース硬度5〜9の硬質無機粉末とを使用することが好ましい。モース硬度が3〜4.5の軟質無機粉末を添加することで、繰り返し走行による摩擦係数の安定化を図ることができる。しかもこの範囲の硬さでは、摺動ガイドポールが削られることもない。またこの無機粉末の平均粒子径は、30〜50nmの範囲にあることが好ましい。
モース硬度が3〜4.5の軟質無機粉末としては、例えば、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、及び酸化亜鉛を挙げることができる。これらは、単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
バック層内の軟質無機粉末の含有量は、カーボンブラック100質量部に対して10〜140質量部の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは、35〜100質量部である。
モース硬度が5〜9の硬質無機粉末を添加することにより、バック層の強度が強化され、走行耐久性が向上する。これらの無機粉末をカーボンブラックや前記軟質無機粉末と共に使用すると、繰り返し摺動に対しても劣化が少なく、強いバック層となる。また、この無機粉末の添加により、適度の研磨力が付与され、テープガイドポール等への削り屑の付着が低減する。特に軟質無機粉末と併用すると、表面の粗いガイドポールに対しての摺動特性が向上し、バック層の摩擦係数の安定化も図ることができる。
硬質無機粉末は、その平均粒子サイズが80〜250nm(更に好ましくは、100〜210nm)の範囲にあることが好ましい。
モース硬度が5〜9の硬質無機質粉未としては、例えば、α−酸化鉄、α−アルミナ、及び酸化クロム(Cr23)を挙げることができる。これらの粉末は、それぞれ単独で用いても良いし、あるいは併用しても良い。これらの内では、α−酸化鉄又はα−アルミナが好ましい。硬質無機粉末の含有量は、カーボンブラック100質量部に対して通常3〜30質量部であり、好ましくは、3〜20質量部である。
バック層に前記軟質無機粉末と硬質無機粉末とを併用する場合、軟質無機粉末と硬質無機粉末との硬さの差が、2以上(更に好ましくは、2.5以上、特に、3以上)であるように軟質無機粉末と硬質無機粉末とを選択して使用することが好ましい。
バック層には、前記それぞれ特定の平均粒子サイズを有するモース硬度の異なる二種類の無機粉末と、前記平均粒子サイズの異なる2種類のカーボンブラックとが含有されていることが好ましい。
(導電層)
本発明の磁気記録媒体において導電層を設ける場合、当該導電層は、非磁性支持体の少なくとも一方の面側に設ければよいが、磁性層の上に導電層を設けると磁性層とヘッドの間に間隔があき、スペーシングロスにより出力が下がることから、支持体と磁性層との間に導電層を設けることが好ましい。磁性層を片側のみ設ける場合は、磁性層と同じ側に導電性層を設けても、反対側の面に導電層を設けてもよい。反対側に導電層を設ける場合は、磁性層をアニールするような場合、アニール後に設けることも可能であることから、耐熱性を考慮する必要がなくなることから素材選択の幅が広くなり好ましい。また、支持体の端面に導電層を設けてもよい。導電層を形成することで、静電気による埃の付着などを抑制することができる。
なお、既述のバックコート層は、導電層としての機能を果たす場合がある。逆に、当該導電層が既述のバックコート層としての機能を果たす場合がある。
導電層に用いられる導電性物質としては、導電性金属酸化物、カーボンブラック、あるいは導電性高分子化合物を用いることができる。本発明において用いられる導電性金属酸化物として好ましいものは結晶性の金属酸化物粒子であるが、酸素欠陥を含むもの、及び用いられる金属酸化物に対してドナーを形成する異種原子を少量含むもの等は一般的に導電性が高く特に好ましい。
金属酸化物の例としては、ZnO、TiO2、SnO2、Al23、In23、SiO2、MgO、BaO、MoO3、V25等、あるいはこれらの複合酸化物が挙げられ、特にZnO、TiO2及びSnO2が好ましい。異種原子を含むものとしては、例えばZnOに対してはAl、In等の添加、SnO2に対してはSb、Nb、ハロゲン元素等の添加、またTiO2に対してはNb、Ta等の添加が効果的である。これらの異種原子の添加量は0.01mol%〜30mol%の範囲が好ましいが、0.1mol%〜10mol%であれば特に好ましい。
金属酸化物微粒子は、導電性を有し、その体積抵抗率は107Ωcm以下、特に105Ωcm以下1Ωcm以上であることが好ましい。これらの酸化物については特開昭56−143431号、同56−120519号、同58−62647号などの各公報に記載されている。更に、特公昭59−6235号公報に記載のごとく、他の結晶性金属酸化物粒子あるいは繊維状物(例えば酸化チタン)に上記の金属酸化物を付着させた導電性素材を使用してもよい。利用できる粒子サイズは10μm以下が好ましいが、2μm以下であると分散後の安定性が良く使用しやすいためさらに好ましい。また光散乱性をできるだけ小さくする為に、0.5μm以下0.01μm以上の導電性粒子を利用すると透明感光材料を形成することが可能となり特に好ましい。また、導電性材料が針状あるいは繊維状の場合はその長さは30μm以下で直径が2μm以下が好ましく、特に好ましくは長さが25μm以下で直径0.5μm以下0.01μm以上であり長さ/直径比が3以上10以下である。
カーボンブラックを導電性物質として使用する場合、そのSBETは50〜500m2/gであることが好ましく、70〜400m2/gであることがより好ましい。DBP吸油量は20〜400ml/100gであること好ましく、30〜400ml/100gであることがより好ましい。カーボンブラックの粒子径は5〜80nmであることが好ましく、10〜50nmであることがより好ましく、10〜40nmであるであることがさらに好ましい。カーボンブラックのpHは2〜10であることが好ましい。含水率は0.1〜10%であることが好ましく、タップ密度は0.1〜1g/mlがであることが好ましい。
カーボンブラックの具体的な例としてはキャボット製のBLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、800、880、700、VULCAN XC−72;三菱化学製の#3050B、#3150B、#3750B、#3950B、#950、#650B、#970B、#850B、MA−600、MA−230、#4000、#4010;コロンビアカーボン製のCONDUCTEX SC−U、RAVEN 8800、8000、7000、5750、5250、3500、2100、2000、1800、1500、1255、1250;アクゾー製ケッチェンブラックEC;などがあげられる。
カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわない。また、カーボンブラックを塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは上記無機質粉末に対して50質量%を越えない範囲、導電層総質量の40%を越えない範囲で使用できる。これらのカーボンブラックは単独、または組合せで使用することができる。本発明で使用できるカーボンブラックは、例えば「カーボンブラック便覧」(カーボンブラック協会編)を参考にすることができる。
導電性高分子化合物としては、例えばポリビニルベンゼンスルホン酸塩類、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、米国特許第4,108,802号、同4,118,231号、同4,126,467号、同4,137,217号に記載の4級塩ポリマー類米国特許第4,070,189号、OLS2,830,767号、特開昭61−296352号、同61−62033号等の各公報に記載のポリマーラテックス等が好ましい。
導電層の厚みとしては好ましくは10nm〜700nm、より好ましくは20nm〜400nm、さらに好ましくは30nm〜100nmである。
以上のようにして製造される磁気記録媒体は、表面の中心線平均粗さが、カットオフ値0.25mmにおいて、好ましくは0.1〜5nm、より好ましくは1〜4nmの範囲とする。このように、極めて優れた平滑性を有する表面とすることが、高密度記録用の磁気記録媒体として好ましいからである。
このような表面を得る方法として、磁性層を形成した後にカレンダー処理を施す方法が挙げられる。また、バーニッシュ処理を施してもよい。
また、磁気記録媒体の表面電気抵抗としては、1010Ω/sq以下が好ましく、109Ω/sq以下がより好ましい。
得られた磁気記録媒体は、適宜、打ち抜き機で打ち抜いたり、裁断機などを使用して所望の大きさに裁断して使用することができる。
以下、実施例をもとに本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
(FePtCu合金粒子の作製)
高純度N2ガス中で下記の操作を行った。
三シュウ酸三アンモニウム鉄(Fe(NH43(C243)(和光純薬製)0.35gと塩化白金酸カリウム(K2PtCl4)(和光純薬製)0.35gとをH2O(脱酸素処理済み)24mlに溶解した金属塩水溶液に、エーロゾルOT10.8gをデカン80mlに溶解したアルカン溶液を添加、混合して逆ミセル溶液(II)を調製した。
NaBH4(和光純薬製)0.57gをH2O(脱酸素処理済み)12mlに溶解した還元剤水溶液に、エーロゾルOT(和光純薬製)5.4gとオレイルアミン(東京化成製)2mlとをデカン(和光純薬製)40mlに溶解したアルカン溶液を添加、混合して逆ミセル溶液(I)を調製した。
塩化銅(CuCl2・6H2O)(和光純薬製)0.07gをH2O(脱酸素処理済み)2mlに溶解した金属塩水溶液に、エーロゾルOT2.7gをデカン20mlに溶解したアルカン溶液を添加、混合して逆ミセル溶液(II’)を調製した。
アスコルビン酸(和光純薬製)0.88gをH2O(脱酸素処理済み)12mlに溶解した還元剤水溶液に、エーロゾルOT(和光純薬製)5.4gをデカン(和光純薬製)40mlに溶解したアルカン溶液を添加、混合して逆ミセル溶液(I’)を調製した。
逆ミセル溶液(II)を22℃でオムニミキサー(ヤマト科学製)で高速攪拌しながら、逆ミセル溶液(I)を瞬時に添加した。3分後、さらに、逆ミセル溶液(II’)を約2.4ml/分の速度で約10分かけて添加した。添加終了5分後に、マグネチックスターラー攪拌に変更して、40℃に昇温した後、逆ミセル溶液(I’)を添加して、120分間熟成した。室温に冷却後、オレイン酸(和光純薬製)2mlを添加、混合して、大気中に取出した。逆ミセルを破壊するために、H2O200mlとメタノール200mlとの混合液を添加して水相と油相とに分離した。油相側に金属ナノ粒子が分散した状態が得られた。油相側を「H2O600ml+メタノール200ml」で5回洗浄した。その後、メタノールを1300ml添加して合金粒子にフロキュレーションを起こさせて沈降させた。上澄み液を除去して、ヘプタン(和光純薬製)20mlを添加して再分散した。さらに、メタノール100ml添加による沈降とヘプタン20ml分散を2回繰り返して、最後にオクタン(和光純薬製)5mlを添加して、FeCuPt合金粒子含有液を得た(合金粒子作製工程)。
(酸化処理工程)
合金粒子が4質量%となるように真空脱気を行って、調製した合金粒子含有液を濃縮した。濃縮後、雰囲気を常圧にし合金粒子を酸化するため、酸素ガスを合金粒子含有液中に供給した。なお、酸素ガスの供給温度および時間は、25℃および1分間とした。
(アニール処理工程)
合金粒子0.4mgを含む酸化処理を施した合金粒子含有液(10ml)を、下記表1記載の溶媒(100ml)中で360℃で90分間リフラックス処理を行い(アニール処理)、表面が有機物に接触してなる磁性粒子を作製した。この後、5000rpmで遠心分離処理を行い、表面が有機物に接触してなる磁性粒子を分離した。
〔実施例2〕
アニール処理における溶媒を、トリエタノールアミンからトリオクチルアミンへ変更した以外は、実施例1と同様にして磁性粒子を作製した。
〔実施例3〕
アニール処理における溶媒を、トリエタノールアミンからテトラデカンとエチレングリコールとの1:1(体積比)溶液とし、リフラックスにアニール処理温度を250℃とした以外は実施例1と同様にして磁性粒子を作製した。
〔実施例4〕
酸化処理を行わなかった以外は実施例1と同様にして磁性粒子を作製した。
〔実施例5〕
酸化処理を行わなかった以外は実施例2と同様にして磁性粒子を作製した。
〔実施例6〕
逆ミセル溶液(I’)および(II’)を添加しなかった以外は実施例1と同様にして磁性粒子を作製した。
〔実施例7〕
逆ミセル溶液(I’)および(II’)を添加しなかった以外は実施例2と同様にして磁性粒子を作製した。
〔比較例1〕
アニール処理を施さなかった以外は、実施例1と同様にして磁性粒子を作製した。
〔比較例2〕
アニール処理を施さなかった以外は、実施例6と同様にして磁性粒子を作製した。
実施例1〜6および比較例1,2で作製した磁性粒子について、磁気特性の評価と結晶構造の解析を行った。
なお、磁気特性の評価(保磁力の測定)は、東英工業製の高感度磁化ベクトル測定機と同社製DATA処理装置を使用し、印加磁場790kA/m(10kOe)の条件で行った。
結晶構造の解析は、理学電機製のX線回折装置を用い、管電圧50kV、管電流300mAとし、線源にCuKα線を使用しゴニオメーターを用いた粉末法で行った。結果を下記表1に示す。
表1より、比較例1および2では、立方晶の不規則相で低い保磁力(Hc)であったのに対し、所定のアニール処理を施した実施例1〜7の磁性粒子は、高い保磁力を有していた。これは、当該アニール処理により、合金粒子が効率よく相変態し、強磁性を有する磁性粒子となったためと考えられる。
また、酸化処理を施すことで、より高い保磁力が得られ、第3元素(Cu)を添加することでさらに高い保磁力が得られることが確認できた。
次に、実施例1で作製した磁性粒子を鐘淵化学製のアピカル(材質:ポリイミド、厚さ:1mm)上に塗布し、150℃で乾燥して磁性層を形成し、磁気記録媒体を作製した。当該磁気記録媒体の磁性層に含有される磁性粒子は、互いに凝集することなく、高分散な状態を維持していた。かかる結果から、本発明の磁性粒子は塗布適性にも優れていることが確認された。
(実施例8,9)
実施例3で作製した磁性粒子分散物を磁性粒子が4重量%となうように真空脱気を行い、磁性粒子分散液Aを調製した。その後、マトリックス剤として東レ製トレフィルR910をデカン溶液に溶解して1重量%とした溶液を、磁性粒子分散液A1mlあたり54マイクロリットル加え攪拌した後、クリーンルーム内でフィルターろ過を行い磁性粒子分散液Bを調製した。
下記表2に記載の支持体(それぞれの厚さは1mm)に対し、磁性粒子分散液Bをスピンコータで塗布し、乾燥した。塗布後150℃で5分間乾燥して磁性層を形成した。このとき、磁性層の厚さは50nmであった。
(保護層)
それぞれの磁性層表面に400WのRfスパッタでカーボン保護層を形成した。この時の膜厚は10nmであった。
(バーニッシュ処理)
下記のバーニッシュヘッドを用い、媒体を7200rpmで回転させながらバーニッシュ処理を行った。
−バーニッシュヘッド仕様(グライドシグナス社)−
(1)スライダー:24pads、
(2)荷重:5g、
(3)サスペンション:Type 2030、
(4)Z−height:29mil(0.7366mm)。
(潤滑剤層)
上記バーニッシュ処理を施した媒体表面をフロリナートFC72(住友スリーエム社製)で洗浄後乾燥した。フォンブリンZゾル(アウジモント社製)を溶媒(フロリナートFC72)で1重量%とした後、磁気記録媒体をディップコータで10mm/minで引き上げながら塗布した。
電磁変換特性は協同電子社製スピンスタンドLS90を用い、リングヘッドを用い媒体半径25mmの位置で記録再生を行った。書き込み電流は10mAであった。
記録媒体の回転数は7200rpmにて電磁変換特性が評価可能かを調べ、いずれの磁気記録媒体も原理的に記録再生できる事を確認した。
〔実施例10,11〕
実施例8で作製した磁性粒子分散液Aに下記材料を混合して、磁性層用塗料を調製した。
・塩化ビニル系共重合体MRl10(日本ゼオン社製):12質量部
・ポリウレタン樹脂UR8200(東洋紡社製):3質量部
・α−アルミナHIT55(住友化学社製):2質量部
・カーボンブラック♯55(旭カーボン社製):1質量部
・ブチルステアレート:1質量部
・ステアリン酸:5質量部
・メチルエチルケトン:l00質量部
・シクロヘキサノン:20質量部
・トルエン:60質量部
なお、上記材料の混合量は、磁性粒子100質量部に対する量である。
また、下記材料を混合して、非磁性層用塗料を調製した。
・非磁性粉末〜TiO2(結晶系はルチル):80質量部
なお、上記非磁性粉末の平均一次粒子径は0.035μmであり、BET法による比表面積は40m2/g、TiO2含有量は90%以上、pHは7、DBP吸油量は27〜38g/100g、表面処理剤(A123)は8質量%であった。
・カーボンブラック:20質量部
なお、製品名はコンダクテックスSC−U(コロンビアンカーボン社製)である。
・塩化ビニル共重合体MRI10(日本ゼオン社製):12質量部
・ポリウレタン樹脂:UR8200(東洋紡社製):5質量部
・フェニルホスホン酸:4質量部
・ブチルステアレート:1質量部
・ステアリン酸:3質量部
上記の磁性層用塗料、非磁性層用塗料それぞれに、ポリイソシアネー卜を3質量部加え、さらにそれぞれにシクロヘキサノン40質量部を加え、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性層用塗布液および非磁性層用塗布液をそれぞれ調製した。
非磁性層用塗料を塗布した後、乾燥後の磁性層の厚さが0.10μmになるように、厚さ4.5μmの支持体上(アラミド樹脂製)に塗布を行い、磁性塗布層が湿潤状態にあるうちに6000G(0.6T)の磁力を持つコバルト磁石と6000G(0.6T)の磁力を持つソレノイドにより配向させた。乾燥後、金属ロールのみから構成される7段のカレンダーで温度85℃にて200m/minで処理を行い磁性層を形成した。その後、磁性層が形成されていない側の支持体上に下記表3に記載の厚みのバック層を塗布により形成し、磁気記録媒体(磁気テープ)を作製した。
なお、バック層の材料構成は、下記のようにした。
・カーボンブラック(平均粒子サイズ:17μm):100部
・炭酸カルシウム(平均粒子サイズ:40μm):80部
・α−アルミナ(平均粒子サイズ:200μm):5部
上記材料をニトロセルース樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネー卜に分散し塗布した。具体的には、3.8mm幅にスリットし、スリット品の送り出し、巻き取り装置を持った装置に不織布とカミソリブレードが磁性面に押し当たるように取り付け、テープクリーニング装置で磁性層の表面のクリーニングを行い、テープ試料(磁気記録媒体)とした。

〔参考例〕
バック層を形成しなかったこと以外は、実施例10と同様にして磁気記録媒体を作製した。
実施例10,11および参考例で作製した磁気記録媒体の磁気特性および磁性層中の磁性粒子の粒径を測定した。
なお、磁気特性は、東英工業製の高感度磁化ベクトル測定機と同社製DATA処理装置を使用し、印加磁場15kOeで測定した。
また、粒子径は、日立製作所製の透過電子顕微鏡(TEM:加速電圧300kV)で評価した。
保磁力(Hc)はいずれも1200Oe(118.5kA/m)以上であった。
粒子径はいずれも5nmであった。
また、実施例10,11および参考例で作製した磁気記録媒体について、灰付着試験(集めたたばこの灰に磁気記録媒体を近づけて、磁気記録媒体に灰が付着するかどうかの評価試験)をした。結果を下記表3に示す。
さらに、デジタル表面電気抵抗メーターTR−861lA(タケダ理研(株)製を用いて、表面電気抵抗(測定環境が23℃70%RH)を測定した。結果を下記表3に示す。
また、走行耐久性評価を下記のようにして行った。
実施例10,11および参考例のそれぞれの磁気記録媒体に対して、23℃50%RH環境下にて、摺動部材にφ4mmのSUS420Jを用い、バック層の表面が摺動部材に当たるようにして、10gの荷重で、ラップ角180度、速度18mm/minで500回擦った。そして、バック層の表面を200倍の光学顕微鏡で観察し傷の有無を調べた。結果を下記表3に示す。
実施例10,11および参考例の磁気記録媒体では、磁性層に本発明の磁性粒子を使用したため、保磁力は良好であった。また、実施例10,11の磁気記録媒体では、バック層を設けたため、灰の付着や傷の発生が抑制され、表面電気抵抗も良好であった。

Claims (12)

  1. CuAu型またはCu3Au型強磁性規則合金相を有する磁性粒子であって、表面が有機物に接触してなることを特徴とする磁性粒子。
  2. CuAu型またはCu3Au型強磁性規則合金相を有する磁性粒子であって、
    CuAu型またはCu3Au型強磁性規則合金相を形成し得る合金粒子を作製し、溶媒中でアニール処理を施してなることを特徴とする磁性粒子。
  3. 前記合金粒子が逆ミセル法により作製されてなることを特徴とする請求項2に記載の磁性粒子。
  4. 前記溶媒中でのアニール処理を施す前に、酸化処理が施されてなることを特徴とする請求項2または3に記載の磁性粒子。
  5. さらに、第3元素が含有されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の磁性粒子。
  6. CuAu型またはCu3Au型強磁性規則合金相を有する磁性粒子の製造方法であって、
    CuAu型またはCu3Au型強磁性規則合金相を形成し得る合金粒子を作製し、溶媒中でアニール処理を施すことを特徴とする磁性粒子の製造方法。
  7. 前記合金粒子が逆ミセル法により作製されることを特徴とする請求項6に記載の磁性粒子の製造方法。
  8. 前記溶媒中でのアニール処理を施す前に、酸化処理を施すことを特徴とする請求項6または7に記載の磁性粒子の製造方法。
  9. 支持体上に磁性層を有する磁気記録媒体であって、前記磁性層が、請求項1〜5のいずれかに記載の磁性粒子を含有してなることを特徴とする磁気記録媒体。
  10. 前記支持体が、有機物支持体であることを特徴とする請求項9に記載の磁気記録媒体。
  11. さらに、導電層が少なくとも1層形成されてなることを特徴とする請求項9または10に記載の磁気記録媒体。
  12. 前記磁性層が形成されていない側の前記支持体上に、バック層が形成されてなることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の磁気記録媒体。
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