JP2004292657A - ポリエステル重合用触媒及びそれを用いたポリエステルの製造方法 - Google Patents

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Keisuke Honda
圭介 本田
Tatsuya Nagano
達也 長野
Masatoshi Aoyama
雅俊 青山
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Abstract

【課題】成形加工性に優れ、繊維用、フイルム用、ボトル用等の成形体の製造において色調悪化、口金汚れ、濾圧上昇、糸切れ等の問題が解消されたポリエステル重合用触媒及びそれを用いたポリエステルの製造方法。
【解決手段】分光分布における相対強度が最大となる波長が紫外線波長領域である光源を、チタン化合物とリン化合物を含む溶媒に照射したことを特徴とするポリエステル重合用触媒及びそれを用いたポリエステルの製造方法。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリエステル重合用触媒に関するものである。更に詳しくは、ポリエステルの製造時において、重合時に使用した触媒起因の異物によるろ圧上昇がなく、製糸性が良好であり、かつ、従来品に比べてポリマーの熱安定性及び色調に優れたポリエステルを得ることができるポリエステル用重合触媒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステルはその機能性の有用さから多目的に用いられており、例えば、衣料用、資材用、医療用に用いられている。その中でも、汎用性、実用性の点でポリエチレンテレフタレートが優れ、好適に使用されている。
【0003】
一般にポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体とエチレングリコールから製造されるが、高分子量のポリマーを製造する商業的なプロセスでは、重縮合触媒としてアンチモン化合物が広く用いられている。しかしながら、アンチモン化合物を含有するポリマーは以下に述べるような幾つかの好ましくない特性を有している。
【0004】
例えば、アンチモン触媒を使用して得られたポリマーを溶融紡糸して繊維とするときに、アンチモン触媒の残渣が口金孔周りに堆積することが知られている。この堆積が進行するとフィラメントに欠点が生じる原因となるため、適時除去する必要が生じる。アンチモン触媒残渣の堆積が生じるのは、ポリマー中のアンチモン化合物が口金近傍で変成し、一部が気化、散逸した後、アンチモンを主体とする成分が口金に残るためであると考えられている。
【0005】
また、ポリマー中のアンチモン触媒残渣は比較的大きな粒子状となりやすく、異物となって成形加工時のフィルターの濾圧上昇、紡糸の際の糸切れあるいは製膜時のフイルム破れの原因になるなどの好ましくない特性を有しており、操業性を低下させる一因となっている。
【0006】
上記のような背景からアンチモン含有量が少ないか、あるいは含有しないポリエステルが求められている。そこで、重縮合触媒の役割をアンチモン系化合物以外の化合物に求める場合ゲルマニウム化合物が知られているが、ゲルマニウム化合物は埋蔵量も少なく希少価値であることから汎用的に用いることは難しい。
【0007】
そこで、本発明では上記の問題点を改良し、糸切れの少ないポリエステルを鋭意検討した結果、重合用触媒としてチタン化合物を用いることにより本発明の目的を達成できるという知見を得た。
【0008】
これに対し重合用触媒としてチタン化合物とリン化合物とからなるチタン錯体をポリエステル重合用触媒として用いる提案がされている(特許文献1〜3参照)。この方法によれば触媒に起因した異物を少なくすることができるものの、得られるポリマーの色調は十分なものではない。従って、チタン化合物のさらなる改善が求められている。
【0009】
そこで、本発明ではポリエステルの製造上及び品質上の欠点を改善することについて鋭意検討した結果、分光分布における相対強度が最大となる波長が紫外線波長領域である光源を、チタン化合物とリン化合物を含む溶媒に照射したことを特徴とするポリエステル重合用触媒及びそれを用いたポリエステルの製造方法により本発明の目的を達成できるという知見を得た。
【0010】
【特許文献1】
特表2001−524536号公報(第1頁)
【0011】
【特許文献2】
特表2002−512267号公報(第1頁)
【0012】
【特許文献3】
特開2002−293909号公報(第1頁)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は上記従来の問題を解消し、ポリエステルの製造時においてろ圧上昇がなく、製糸性や製膜性が良好であり、かつ従来品に比べてポリマー色調に優れたポリエステル重合用触媒及びそれを用いたポリエステルの製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記本発明の課題は、分光分布における相対強度が最大となる波長が紫外線波長領域(100nm〜400nm)である光源を、チタン化合物とリン化合物を含む溶媒に照射したことを特徴とするポリエステル重合用触媒及びそれを用いたポリエステルの製造方法により達成できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明のポリエステルは、ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体及びジオールまたはそのエステル形成性誘導体から合成されるポリマーである。繊維、フィルム、ボトル等の成形品として用いることができるものが好ましい。
【0016】
このようなポリエステルとして具体的には、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ−ト、ポリエチレン−1,2−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレート等が挙げられる。本発明は、なかでも最も汎用的に用いられているポリエチレンテレフタレートまたは主としてエチレンテレフタレート単位を含むポリエステル共重合体において好適である。
【0017】
また、これらのポリエステルには、ジエチレングリコール以外に共重合成分としてアジピン酸、イソフタル酸、セバシン酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸及びそのエステル形成性誘導体、ポリエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等のジオキシ化合物、p−(β−オキシエトキシ)安息香酸等のオキシカルボン酸及びそのエステル形成性誘導体等が共重合されていてもよい。
【0018】
本発明の分光分布における相対強度が最大となる波長が紫外線波長領域である光源を、チタン化合物とリン化合物を含む溶媒に照射したことを特徴とするポリエステル重合用触媒及びそれを用いたポリエステルの製造方法において、重合用触媒として用いることができるチタン化合物は、チタン化合物の置換基が下記一般式1〜6で表される官能基からなる群より選ばれる少なくとも1種であるチタン化合物、チタン酸化物等が挙げられる。
【0019】
【化2】
Figure 2004292657
【0020】
(式1〜式6中、R〜Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1〜30の炭化水素基、アルコキシ基または水酸基またはカルボニル基またはアセチル基またはカルボキシル基またはエステル基またはアミノ基を有する炭素数1〜30の炭化水素基を表す。)
本発明の式1としては、エトキシド、プロポキシド、イソプロポキシド、ブトキシド、2−エチルヘキソキシド等のアルコキシ基、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシ多価カルボン酸系化合物からなる官能基が挙げられる。
【0021】
また、式2としては、アセチルアセトン等のβ−ジケトン系化合物、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のケトエステル系化合物からなる官能基が挙げられる。
【0022】
また、式3としては、フェノキシ、クレシレイト、サリチル酸等からなる官能基が挙げられる。
【0023】
また、式4としては、ラクテート、ステアレート等のアシレート基、フタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ヘミメリット酸、ピロメリット酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、シクロヘキサンジカルボン酸またはそれらの無水物等の多価カルボン酸系化合物、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三プロピオン酸、カルボキシイミノ二酢酸、カルボキシメチルイミノ二プロピオン酸、ジエチレントリアミノ五酢酸、トリエチレンテトラミノ六酢酸、イミノ二酢酸、イミノ二プロピオン酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二プロピオン酸、メトキシエチルイミノ二酢酸等の含窒素多価カルボン酸からなる官能基が挙げられる。
【0024】
また、式5としては、アニリン、フェニルアミン、ジフェニルアミン等からなる官能基が挙げられる。
【0025】
中でも式1及び/または式4が含まれていることがポリマーの熱安定性及び色調の観点から好ましい。
【0026】
また、チタン化合物としてこれら式1〜式6の置換基の2種以上を含んでなるチタンジイソプロポキシビスアセチルアセトナートやチタントリエタノールアミネートイソプロポキシド等が挙げられる。
【0027】
また、チタン酸化物としては、主たる金属元素がチタン及びケイ素からなる複合酸化物等が挙げられる。
【0028】
なお、本発明の触媒とは、ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体及びジオールまたはそのエステル形成性誘導体から合成されるポリマーにおいて、以下の(1)〜(3)の反応全てまたは一部の素反応の反応促進に実質的に寄与する化合物を指す。
(1)ジカルボン酸成分とジオール成分との反応であるエステル化反応
(2)ジカルボン酸のエステル形成性誘導体成分とジオール成分との反応であるエステル交換反応
(3)実質的にエステル反応またはエステル交換反応が終了し、得られたポリエチレンテレフタレート低重合体を脱ジオール反応にて高重合度化せしめる重縮合反応
従って、繊維の艶消し剤等に無機粒子として一般的に用いられている二酸化チタン粒子は上記の反応に対して実質的に触媒作用を有しておらず、本発明の触媒として用いることができるチタン化合物とは異なる。
【0029】
主たる金属元素がチタン及びケイ素からなる複合酸化物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、チタンのアルコキシド化合物を原料として、加水分解反応により製造する方法において、この加水分解の速度を制御することによって得られる。具体的には、例えば主原料であるチタンアルコキシド化合物に対して、ケイ素やジルコニウム等の少量の他の金属アルコキシド化合物や多価アルコール化合物を共存させ、両者の共沈法、部分加水分解法、配位化学ゾル・ゲル法等によって合成することができる。ここで共沈法とは2種あるいはそれ以上の成分を含有する所定の組成の溶液を調製し、その組成のまま加水分解反応を進行させる方法である。また、部分加水分解法とは、一方の成分をあらかじめ加水分解した状態としておき、そこへもう一方の成分を加えさらに加水分解を進行させる方法である。また、配位化学ゾル・ゲル法とは、チタンアルコキシド原料とともに分子内に官能基を複数持つ多価アルコール化合物等を共存させ、両者の間であらかじめ反応物を形成させることによって、その後の加水分解反応の速度を制御しようとするものである。以上のような化合物の合成方法は、例えば、上野ら、「金属アルコキシドを用いる触媒調製」、第321頁第1行〜第353頁第16行、(アイピーシー、1993年8月10日発行)等に記載されている。
【0030】
本発明におけるチタン化合物(二酸化チタン粒子を除く)は得られるポリマーに対してチタン原子換算で0.5〜150ppm含有されていることが好ましい。1〜100ppmであるとポリマーの熱安定性や色調がより良好となり好ましく、更に好ましくは3〜50ppmである。
【0031】
本発明のポリエステルは、チタン化合物と共にリンがポリエステルに対してリン原子換算で0.1〜400ppm含有されていることが好ましい。なお、製糸時におけるポリエステルの熱安定性や色調の観点からリン含有量は、1〜200ppmが好ましく、さらに好ましくは3〜100ppmである。
【0032】
なお、本発明のポリエステルに含有されるリンは、ポリエステルの製造過程でリン化合物として添加される。このようなリン化合物としてはリン酸系、亜リン酸系、ホスホン酸系、ホスフィン酸系、ホスフィンオキサイド系、亜ホスホン酸系、亜ホスフィン酸系、ホスフィン系のいずれか1種または2種であることが好ましい。具体的には、例えば、リン酸、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリフェニル等のリン酸系、亜リン酸、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル等の亜リン酸系、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、イソプロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ベンジルホスホン酸、トリルホスホン酸、キシリルホスホン酸、ビフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アントリルホスホン酸、2−カルボキシフェニルホスホン酸、3−カルボキシフェニルホスホン酸、4−カルボキシフェニルホスホン酸、2,3−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,4−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,5−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,6−ジカルボキシフェニルホスホン酸、3,4−ジカルボキシフェニルホスホン酸、3,5−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,3,4−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,3,5−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,3,6−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,4,5−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,4,6−トリカルボキシフェニルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチルエステル、メチルホスホン酸ジエチルエステル、エチルホスホン酸ジメチルエステル、エチルホスホン酸ジエチルエステル、フェニルホスホン酸ジメチルエステル、フェニルホスホン酸ジエチルエステル、フェニルホスホン酸ジフェニルエステル、ベンジルホスホン酸ジメチルエステル、ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、ベンジルホスホン酸ジフェニルエステル、リチウム(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)、ナトリウム(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)、マグネシウムビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)、カルシウムビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)、ジエチルホスホノ酢酸、ジエチルホスホノ酢酸メチル、ジエチルホスホノ酢酸エチル等のホスホン酸系化合物、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、メチルホスフィン酸、エチルホスフィン酸、プロピルホスフィン酸、イソプロピルホスフィン酸、ブチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、トリルホスフィン酸、キシリルホスフィン酸、ビフェニリルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ジメチルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジプロピルホスフィン酸、ジイソプロピルホスフィン酸、ジブチルホスフィン酸、ジトリルホスフィン酸、ジキシリルホスフィン酸、ジビフェニリルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アントリルホスフィン酸、2−カルボキシフェニルホスフィン酸、3−カルボキシフェニルホスフィン酸、4−カルボキシフェニルホスフィン酸、2,3−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、2,4−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、2,5−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、2,6−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、3,4−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、3,5−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、2,3,4−トリカルボキシフェニルホスフィン酸、2,3,5−トリカルボキシフェニルホスフィン酸、2,3,6−トリカルボキフェニルホスフィン酸、2,4,5−トリカルボキシフェニルホスフィン酸、2,4,6−トリカルボキシフェニルホスフィン酸、ビス(2−カルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(3−カルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(4−カルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,3−ジカルボキルシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,4−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,5−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,6−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(3,5−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,3,4−トリカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,3,5−トリカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,3,6−トリカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,4,5−トリカルボキシフェニル)ホスフィン酸、及びビス(2,4,6−トリカルボキシフェニル)ホスフィン酸、メチルホスフィン酸メチルエステル、ジメチルホスフィン酸メチルエステル、メチルホスフィン酸エチルエステル、ジメチルホスフィン酸エチルエステル、エチルホスフィン酸メチルエステル、ジエチルホスフィン酸メチルエステル、エチルホスフィン酸エチルエステル、ジエチルホスフィン酸エチルエステル、フェニルホスフィン酸メチルエステル、フェニルホスフィン酸エチルエステル、フェニルホスフィン酸フェニルエステル、ジフェニルホスフィン酸メチルエステル、ジフェニルホスフィン酸エチルエステル、ジフェニルホスフィン酸フェニルエステル、ベンジルホスフィン酸メチルエステル、ベンジルホスフィン酸エチルエステル、ベンジルホスフィン酸フェニルエステル、ビスベンジルホスフィン酸メチルエステル、ビスベンジルホスフィン酸エチルエステル、ビスベンジルホスフィン酸フェニルエステル等のホスフィン酸系、トリメチルホスフィンオキサイド、トリエチルホスフィンオキサイド、トリプロピルホスフィンオキサイド、トリイソプロピルホスフィンオキサイド、トリブチルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド系、メチル亜ホスホン酸、エチル亜ホスホン酸、プロピル亜ホスホン酸、イソプロピル亜ホスホン酸、ブチル亜ホスホン酸、フェニル亜ホスホン酸等の亜ホスホン酸系、メチル亜ホスフィン酸、エチル亜ホスフィン酸、プロピル亜ホスフィン酸、イソプロピル亜ホスフィン酸、ブチル亜ホスフィン酸、フェニル亜ホスフィン酸、ジメチル亜ホスフィン酸、ジエチル亜ホスフィン酸、ジプロピル亜ホスフィン酸、ジイソプロピル亜ホスフィン酸、ジブチル亜ホスフィン酸、ジフェニル亜ホスフィン酸等の亜ホスフィン酸系、メチルホスフィン、ジメチルホスフィン、トリメチルホスフィン、メエルホスフィン、ジエチルホスフィン、トリエチルホスフィン、フェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン等のホスフィン系が挙げられ、これらのいずれか1種または2種であることが好ましい。特に熱安定性及び色調改善の観点から、リン酸系及び/またはホスホン酸系であることが好ましい。
【0033】
本発明のポリエステル重合用触媒は、分光分布における相対強度が最大となる波長が紫外線波長領域である光源を、チタン化合物とリン化合物を含む溶媒に照射したものである。分光分布における相対強度が最大となる波長が紫外線波長領域(100nm〜400nm)である光源を用いることで、ポリマーの色調改善効果を十分に得ることができる。本発明で用いる具体的な光源としては、エキシマレーザ、低圧水銀ランプ、DeepUVランプ、重水素ランプが挙げられ、これらの少なくとも1種であることが必要である。特に、汎用性の面から低圧水銀ランプが好ましい。
【0034】
本発明のポリエステル重合用触媒の具体的な溶媒としては、水、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ベンゼン、キシレンが挙げられ、これらのいずれか1種または2種であることが好ましい。また、熱安定性及び色調の観点からチタン化合物とリン化合物をpH=4〜6の溶媒中で調製するために塩酸、硫酸、硝酸、p−トルエンスルホン酸等の酸性化合物、MES(pH=5.6〜6.8)、ADA(pH=5.6〜7.5)等のグッド緩衝剤または上記のリン化合物を用いても良い。
【0035】
本発明のポリエステル重合用触媒の合成方法は、(1)チタン化合物を溶媒に混合してその一部または全部を溶媒中に溶解し、この混合溶液にリン化合物を原液または溶媒に溶解希釈させ滴下する。(2)前記ヒドロキシカルボン酸系化合物や多価カルボン酸系化合物等のチタン化合物の配位子を用いる場合は、チタン化合物または配位子化合物を溶媒に混合してその一部または全部を溶媒中に溶解し、この混合溶液に配位子化合物またはチタン化合物を原液または溶媒に溶解希釈させ滴下する。また、この混合溶液にさらにリン化合物を原液または溶媒に溶解希釈させ滴下することが、熱安定性及び色調改善の観点から好適である。上記の反応条件は0〜200℃の温度で1分以上、好ましくは20〜100℃の温度で2〜100分間加熱することによって行われる。この際の反応圧力には特に制限はなく、常圧でも良い。また、この混合溶液に分光分布における相対強度が最大となる波長が紫外線波長領域である光源を照射する場合、光源を発生するランプ、温度計及び撹拌翼を備えた反応装置に該混合溶媒を仕込み、0〜200℃の温度で1分以上、好ましくは10〜100℃の温度で2〜60分間撹拌混合することによって行われる。この際、用いる反応槽の材質は波長の透過率からパイレックス(登録商標)「旭テクノグラス(株)製」または石英が好ましい。
【0036】
また、本発明のポリエステル重合用触媒は、ポリエステルの反応系にそのまま添加してもよいが、予め該化合物をエチレングリコールやプロピレングリコール等のポリエステルを形成するジオール成分を含む溶媒と混合し、溶液またはスラリーとし、必要に応じて該化合物合成時に用いたアルコール等の低沸点成分を除去した後、反応系に添加すると、ポリマー中での異物生成がより抑制されるため好ましい。添加時期はエステル化反応触媒やエステル交換反応触媒として、原料添加直後に触媒を添加する方法や、原料と同伴させて触媒を添加する方法がある。また、重縮合反応触媒として添加する場合は、実質的に重縮合反応開始前であればよく、エステル化反応やエステル交換反応の前、あるいは該反応終了後、重縮合反応触媒が開始される前に添加してもよい。さらに、熱安定性や色調改善の観点から、リン化合物を追加添加しても良い。この場合、チタン化合物を含んでいる本発明のポリエステル重合用触媒とリン化合物が接触することによる触媒の失活を抑制するために、異なる反応槽に追加添加する方法や、同一の反応槽において本発明のポリエステル重合用触媒とリン化合物の添加間隔を1〜15分とする方法や添加位置を離す方法がある。
【0037】
本発明のポリエステルにおいてはアンチモン化合物を含まないかあるいはポリエステルに対するアンチモン原子換算で30ppm以下含有することが必要である。この範囲とすることで、成形加工時の口金汚れの発生等が少なく、かつ比較的安価なポリマーを得ることができる。より好ましくは、10ppm以下、特には実質的に含有しないことが好ましい。
【0038】
また、チタン化合物のチタン原子に対してリン原子としてモル比率でTi/P=0.1〜20であるとポリエステルの熱安定性や色調が良好となり好ましい。より好ましくはTi/P=0.2〜10であり、さらに好ましくはTi/P=0.3〜5である。
【0039】
本発明のポリエステルの製造方法において任意の時点でマンガン化合物をポリエステルに対するマンガン原子換算で1〜400ppm含有し、マンガン化合物とリン化合物の比率がマンガン原子とリン原子のモル比率としてMn/P=0.1〜200となるように添加すると重合活性の低下を抑制することができ、それにより得られるポリマーの色調が良好となり好ましい。この場合に用いるマンガン化合物としては特に限定はないが、具体的には、例えば、塩化マンガン、臭化マンガン、硝酸マンガン、炭酸マンガン、マンガンアセチルアセトネート、酢酸マンガン四水塩、酢酸マンガン二水塩等が挙げられる。
【0040】
また、本発明のポリエステルの製造方法において任意の時点でさらにコバルト化合物を添加すると得られるポリマーの色調が良好となり好ましい。この場合に用いるコバルト化合物としては特に限定はないが、具体的には、例えば、塩化コバルト、硝酸コバルト、炭酸コバルト、コバルトアセチルアセトネート、ナフテン酸コバルト、酢酸コバルト四水塩等が挙げられる。
【0041】
また、得られるポリマーの熱安定性や色調を向上させる目的で、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、アルミニウム化合物、亜鉛化合物、スズ化合物等を添加してもよい。
【0042】
さらに、二酸化チタン、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、チッ化ケイ素、クレー、タルク、カオリン、カーボンブラック等の粒子のほか、着色防止剤、安定剤、抗酸化剤等の添加剤を含有しても差支えない。
【0043】
本発明のポリエステルの製造方法を説明する。具体例としてポリエチレンテレフタレートの例を記載するがこれに限定されるものではない。
【0044】
ポリエチレンテレフタレートは通常、次のいずれかのプロセスで製造される。すなわち、(1)テレフタル酸とエチレングリコールを原料とし、直接エステル化反応によって低重合体を得、さらにその後の重縮合反応によって高分子量ポリマーを得るプロセス、(2)ジメチルテレフタレートとエチレングリコールを原料とし、エステル交換反応によって低重合体を得、さらにその後の重縮合反応によって高分子量ポリマーを得るプロセスである。ここでエステル化反応は無触媒でも反応は進行するが、前述のチタン化合物を触媒として添加してもよい。また、エステル交換反応においては、マンガン、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、リチウム等の化合物や前述のチタン化合物を触媒として用いて進行させ、またエステル交換反応が実質的に完結した後に、反応に用いた触媒を不活性化する目的で、リン化合物を添加することが行われる。
【0045】
本発明の製造方法は、(1)または(2)の一連の反応の任意の段階、好ましくは(1)または(2)の一連の反応の前半で得られた低重合体に、艶消し剤として二酸化チタン粒子や、コバルト化合物等の添加物を添加した後、重縮合触媒として前述のチタン化合物を添加し重縮合反応を行い、高分子量のポリエチレンテレフタレートを得るというものである。
【0046】
また、上記の反応は回分式、半回分式あるいは連続式等の形式に適応し得る。
【0047】
【実施例】
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中の物性値は以下に述べる方法で測定した。
(1)ポリエステル中のチタン元素、リン元素、アンチモン元素及びマンガン元素の含有量
蛍光X線元素分析装置(堀場製作所社製、MESA−500W型)により求めた。なお、ポリエステルに二酸化チタン粒子が含有されている際には、次の前処理をした上で蛍光X線分析を行った。すなわち、ポリエステルをオルソクロロフェノールに溶解(溶媒100gに対してポリマー5g)し、このポリマー溶液と同量のジクロロメタンを加えて溶液の粘性を調製した後、遠心分離器(回転数18000rpm、1時間)で粒子を沈降させる。その後、傾斜法で上澄み液のみを回収し、上澄み液と同量のアセトンを添加することによりポリマーを再析出させ、そのあと3G3のガラスフィルター(IWAKI社製)で濾過し、濾上物をさらにアセトンで洗浄した後、室温で12時間真空乾燥してアセトンを除去した。以上の前処理を施して得られたポリマーについてチタン元素、リン元素、アンチモン元素及びマンガン元素の分析を行った。
【0048】
一方、二酸化チタン粒子が含有されていない場合は、前処理を行う必要がないので、ポリマーをそのまま分析すればよい。
(2)ポリマーの固有粘度IV
オルソクロロフェノールを溶媒として25℃で測定した。
(3)溶液ヘイズ
測定する試料2.0gをオルソクロロフェノール20mLに溶解させ、ヘイズメーター(スガ試験機社製,HGM−2DP型)を用い、積分球式光電光度法にて分析を行った。
【0049】
なお、溶液ヘイズが2%より小さければ異物の含有率が少なく、製糸性に優れたポリマーであると言える。
(4)ポリマーの色調
色差計(スガ試験機社製、SMカラーコンピュータ型式SM−3)を用いて、ハンター値(L、a、b値)として測定した。
(5)口金の堆積物の観察
繊維の紡出から72時間後の口金孔周辺の堆積物量を、長焦点顕微鏡を用いて観察した。堆積物がほとんど認められない状態を○、堆積物は認められるものの操業可能な状態を△、堆積物が認められ頻繁に糸切れが発生する状態を×として判定した。
【0050】
実施例1
A.ポリエチレンテレフタレートの製造方法
高純度テレフタル酸(三井化学社製)100kgとエチレングリコール(日本触媒社製)45kgのスラリーを予めビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート約123kgが仕込まれ、温度250℃、圧力1.2×10Paに保持されたエステル化反応槽に4時間かけて順次供給し、供給終了後もさらに1時間かけてエステル化反応を行い、このエステル化反応生成物の123kgを重縮合槽に移送した。
【0051】
引き続いて、エステル化反応生成物が移送された前記重縮合反応槽に、酸化チタン粒子のエチレングリコールスラリーを得られるポリマーに対して0.3重量%添加した。5分間撹拌した後、酢酸コバルト及び酢酸マンガンのエチレングリコール溶液を得られるポリマーに対してコバルト原子換算で30ppm、マンガン原子換算で15ppmとなるように加えた。更に5分間撹拌した後、低圧水銀ランプ(ウシオ電気株式会社製、ランプ型式UL1−2DQ、分光分布における相対強度が最大となる波長が254nm)にて15分照射したクエン酸キレートチタン化合物及びリン酸からなるエチレングリコール溶液(触媒A)を得られるポリマーに対してチタン原子換算で10ppmとなるように添加し、その後、低重合体を30rpmで攪拌しながら、反応系を250℃から285℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を40Paまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。所定の攪拌トルクとなった時点で反応系を窒素パージし常圧に戻し重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングしてポリマーのペレットを得た。なお、減圧開始から所定の撹拌トルク到達までの時間は3時間であった。
【0052】
得られたポリマーのIVは0.66、色調はL=78、a=−1.1、b=2.0、溶液ヘイズは0.7%であった。また、ポリマーから測定したチタン触媒由来のチタン原子の含有量は10ppm、リン原子の含有量は6ppmであり、Ti/P=1であり、アンチモン原子の含有量は0ppmであることを確認した。
【0053】
また、このポリエステルを乾燥後、紡糸機に供し、メルターにて溶融した後、計量し紡糸パック部から吐出し、2000m/分の速度で引取った。得られた未延伸糸を80℃で2.8倍に延伸した後、ローラー(125℃)で熱セットし、75デニール36フィラメントの延伸糸を得た。
【0054】
溶融紡糸工程においては、紡糸時の口金孔周辺の堆積物及び濾圧上昇はほとんど認められず、また延伸時の糸切れもほとんどなく成形加工性の良好なポリマーであった。
【0055】
実施例2
触媒にクエン酸キレートチタン化合物とフェニルホスホン酸からなる触媒B(低圧水銀ランプ、15分照射)を用いる以外は実施例1と同様にポリエステルを重合した。得られたポリマーは色調に優れており、紡糸時の口金孔周辺の堆積物及び濾圧上昇はほとんど認められず、また延伸時の糸切れもほとんどなく成形加工性の良好なポリマーであった。
【0056】
実施例3
触媒にクエン酸キレートチタン化合物とフェニルホスホン酸及びリン酸からなる触媒C(低圧水銀ランプ、15分照射)を用いる以外は実施例1と同様にポリエステルを重合した。得られたポリマーは色調に優れており、紡糸時の口金孔周辺の堆積物及び濾圧上昇はほとんど認められず、また延伸時の糸切れもほとんどなく成形加工性の良好なポリマーであった。
【0057】
実施例4
触媒に乳酸キレートチタン化合物とリン酸からなる触媒D(低圧水銀ランプ、15分照射)を用いる以外は実施例1と同様にポリエステルを重合した。得られたポリマーは色調に優れており、紡糸時の口金孔周辺の堆積物及び濾圧上昇はほとんど認められず、また延伸時の糸切れもほとんどなく成形加工性の良好なポリマーであった。
【0058】
実施例5
触媒に乳酸キレートチタン化合物とフェニルホスホン酸からなる触媒E(低圧水銀ランプ、15分照射)を用いる以外は実施例1と同様にポリエステルを重合した。得られたポリマーは色調に優れており、紡糸時の口金孔周辺の堆積物及び濾圧上昇はほとんど認められず、また延伸時の糸切れもほとんどなく成形加工性の良好なポリマーであった。
【0059】
実施例6
触媒に乳酸キレートチタン化合物とフェニルホスホン酸及びリン酸からなる触媒F(低圧水銀ランプ、15分照射)を用いる以外は実施例1と同様にポリエステルを重合した。得られたポリマーは色調に優れており、紡糸時の口金孔周辺の堆積物及び濾圧上昇はほとんど認められず、また延伸時の糸切れもほとんどなく成形加工性の良好なポリマーであった。
【0060】
実施例7
触媒にテトライソプロポキシチタン化合物とリン酸からなる触媒G(低圧水銀ランプ、15分照射)を用いる以外は実施例1と同様にポリエステルを重合した。得られたポリマーは色調に優れており、紡糸時の口金孔周辺の堆積物及び濾圧上昇はほとんど認められず、また延伸時の糸切れもほとんどなく成形加工性の良好なポリマーであった。
【0061】
実施例8
触媒にテトライソプロポキシチタン化合物とジエチルホスホノ酢酸エチル及びリン酸からなる触媒H(低圧水銀ランプ、15分照射)を用いる以外は実施例1と同様にポリエステルを重合した。得られたポリマーは色調に優れており、紡糸時の口金孔周辺の堆積物及び濾圧上昇はほとんど認められず、また延伸時の糸切れもほとんどなく成形加工性の良好なポリマーであった。
【0062】
実施例9
触媒にアコーディス社製のチタン及びケイ素からなる複合酸化物とジエチルホスホノ酢酸エチル及びリン酸からなる触媒I(低圧水銀ランプ、15分照射)を用いる以外は実施例1と同様にポリエステルを重合した。得られたポリマーは色調に優れており、紡糸時の口金孔周辺の堆積物及び濾圧上昇はほとんど認められず、また延伸時の糸切れもほとんどなく成形加工性の良好なポリマーであった。
【0063】
【表1】
Figure 2004292657
【0064】
なお、以下に触媒A〜Iの合成方法を記す。
【0065】
触媒A.クエン酸キレートチタン化合物(リン酸混合)の合成方法
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた3Lのフラスコ中に温水(371g)にクエン酸・一水和物(532g、2.52モル)を溶解させた。この撹拌されている溶液に滴下漏斗からチタンテトライソプロポキシド(288g、1.00モル)をゆっくり加えた。この混合物を1時間加熱、還流させて曇った溶液を生成させ、これよりイソプロパノール/水混合物を真空下で蒸留した。その生成物を70℃より低い温度まで冷却し、そしてその撹拌されている溶液にNaOH(380g、3.04モル)の32重量/重量%水溶液を滴下漏斗によりゆっくり加えた。得られた生成物をろ過し、次いでエチレングリコール(504g、80モル)と混合し、そして真空下で加熱してイソプロパノール/水を除去し、わずかに曇った淡黄色の生成物(Ti含有量3.85重量%)を得た。この混合溶液に対し、リン酸の85重量/重量%水溶液(114g、1.00モル)を加えることで、リン化合物を含有するチタン化合物を得た(P含有量2.49重量%)。この混合溶液を低圧水銀ランプ(ウシオ電気株式会社製、型式UL2−1DQ)が接続されたパイレックス(登録商標)「旭テクノグラス(株)製」の反応槽(ウシオ電気株式会社製、3000mL用)に仕込み、15分照射及び撹拌した。
【0066】
触媒B.クエン酸キレートチタン化合物(フェニルホスホン酸混合)の合成方法
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた3Lのフラスコ中に温水(371g)にクエン酸・一水和物(532g、2.52モル)を溶解させた。この撹拌されている溶液に滴下漏斗からチタンテトライソプロポキシド(288g、1.00モル)をゆっくり加えた。この混合物を1時間加熱、還流させて曇った溶液を生成させ、これよりイソプロパノール/水混合物を真空下で蒸留した。その生成物を70℃より低い温度まで冷却し、そしてその撹拌されている溶液にNaOH(380g、3.04モル)の32重量/重量%水溶液を滴下漏斗によりゆっくり加えた。得られた生成物をろ過し、次いでエチレングリコール(504g、80モル)と混合し、そして真空下で加熱してイソプロパノール/水を除去し、わずかに曇った淡黄色の生成物(Ti含有量3.85重量%)を得た。この混合溶液に対し、フェニルホスホン酸(158g、1.00モル)を加えることで、リン化合物を含有するチタン化合物を得た(P含有量2.49重量%)。この混合溶液を低圧水銀ランプ(ウシオ電気株式会社製、型式UL2−1DQ)が接続されたパイレックス(登録商標)「旭テクノグラス(株)製」の反応槽(ウシオ電気株式会社製、3000mL用)に仕込み、15分照射及び撹拌した。
【0067】
触媒C.クエン酸キレートチタン化合物(フェニルホスホン酸、リン酸混合)の合成方法
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた3Lのフラスコ中に温水(371g)にクエン酸・一水和物(532g、2.52モル)を溶解させた。この撹拌されている溶液に滴下漏斗からチタンテトライソプロポキシド(288g、1.00モル)をゆっくり加えた。この混合物を1時間加熱、還流させて曇った溶液を生成させ、これよりイソプロパノール/水混合物を真空下で蒸留した。その生成物を70℃より低い温度まで冷却し、そしてその撹拌されている溶液にNaOH(380g、3.04モル)の32重量/重量%水溶液を滴下漏斗によりゆっくり加えた。得られた生成物をろ過し、次いでエチレングリコール(504g、80モル)と混合し、そして真空下で加熱してイソプロパノール/水を除去し、わずかに曇った淡黄色の生成物(Ti含有量3.85重量%)を得た。この混合溶液に対し、フェニルホスホン酸(158g、1.00モル)及びリン酸の85重量/重量%水溶液(39.9g、0.35モル)を加えることで、リン化合物を含有するチタン化合物を得た(P含有量2.49重量%)。この混合溶液を低圧水銀ランプ(ウシオ電気株式会社製、型式UL2−1DQ)が接続されたパイレックス(登録商標)「旭テクノグラス(株)製」の反応槽(ウシオ電気株式会社製、3000mL用)に仕込み、15分照射及び撹拌した。
【0068】
触媒D.乳酸キレートチタン化合物(リン酸混合)の合成方法
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた2Lのフラスコ中に撹拌されているチタンテトライソプロポキシド(285g、1.00モル)に滴下漏斗からエチレングリコール(218g、3.51モル)を加えた。添加速度は、反応熱がフラスコ内容物を約50℃に加温するように調節された。その反応混合物を15分間撹拌し、そしてその反応フラスコに乳酸アンモニウム(252g、2.00モル)の85重量/重量%水溶液を加えると、透明な淡黄色の生成物(Ti含有量6.54重量%)を得た。この混合溶液に対し、リン酸の85重量/重量%水溶液(114g、1.00モル)を加えることで、リン化合物を含有するチタン化合物を得た(P含有量4.23重量%)。この混合溶液を低圧水銀ランプ(ウシオ電気株式会社製、型式UL2−1DQ)が接続されたパイレックス(登録商標)「旭テクノグラス(株)製」の反応槽(ウシオ電気株式会社製、3000mL用)に仕込み、15分照射及び撹拌した。
【0069】
触媒E.乳酸キレートチタン化合物(フェニルホスホン酸混合)の合成方法
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた2Lのフラスコ中に撹拌されているチタンテトライソプロポキシド(285g、1.00モル)に滴下漏斗からエチレングリコール(218g、3.51モル)を加えた。添加速度は、反応熱がフラスコ内容物を約50℃に加温するように調節された。その反応混合物を15分間撹拌し、そしてその反応フラスコに乳酸アンモニウム(252g、2.00モル)の85重量/重量%水溶液を加えると、透明な淡黄色の生成物(Ti含有量6.54重量%)を得た。この混合溶液に対し、フェニルホスホン酸(158g、1.00モル)を加えることで、リン化合物を含有するチタン化合物を得た(P含有量4.23重量%)。この混合溶液を低圧水銀ランプ(ウシオ電気株式会社製、型式UL2−1DQ)が接続されたパイレックス(登録商標)「旭テクノグラス(株)製」の反応槽(ウシオ電気株式会社製、3000mL用)に仕込み、15分照射及び撹拌した。
【0070】
触媒F.乳酸キレートチタン化合物(フェニルホスホン酸、リン酸混合)の合成方法
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた2Lのフラスコ中に撹拌されているチタンテトライソプロポキシド(285g、1.00モル)に滴下漏斗からエチレングリコール(218g、3.51モル)を加えた。添加速度は、反応熱がフラスコ内容物を約50℃に加温するように調節された。その反応混合物を15分間撹拌し、そしてその反応フラスコに乳酸アンモニウム(252g、2.00モル)の85重量/重量%水溶液を加えると、透明な淡黄色の生成物(Ti含有量6.54重量%)を得た。この混合溶液に対し、フェニルホスホン酸(158g、1.00モル)及びリン酸の85重量/重量%水溶液(39.9g、0.35モル)を加えることで、リン化合物を含有するチタン化合物を得た(P含有量5.71重量%)。この混合溶液を低圧水銀ランプ(ウシオ電気株式会社製、型式UL2−1DQ)が接続されたパイレックス(登録商標)「旭テクノグラス(株)製」の反応槽(ウシオ電気株式会社製、3000mL用)に仕込み、15分照射及び撹拌した。
【0071】
触媒G.チタンアルコキシド化合物(リン酸混合)の合成方法
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた2Lのフラスコ中に撹拌されているチタンテトライソプロポキシド(285g、1.00モル)に滴下漏斗からエチレングリコール(496g、8.00モル)を加えた。添加速度は、反応熱がフラスコ内容物を約50℃に加温するように調節された。その反応フラスコに、NaOH(125g、1.00モル)の32重量/重量%水溶液を滴下漏斗によりゆっくり加えて透明な黄色の液体を得た(Ti含有量4.44重量%)。この混合溶液に対し、リン酸の85重量/重量%水溶液(114g、1.00モル)を加えた(P含有量2.87重量%)。この混合溶液を低圧水銀ランプ(ウシオ電気株式会社製、型式UL2−1DQ)が接続されたパイレックス(登録商標)「旭テクノグラス(株)製」の反応槽(ウシオ電気株式会社製、3000mL用)に仕込み、15分照射及び撹拌した。
【0072】
触媒H.チタンアルコキシド化合物(ジエチルホスホノ酢酸エチル、リン酸混合)の合成方法
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた2Lのフラスコ中に撹拌されているチタンテトライソプロポキシド(285g、1.00モル)に滴下漏斗からエチレングリコール(496g、8.00モル)を加えた。添加速度は、反応熱がフラスコ内容物を約50℃に加温するように調節された。その反応フラスコに、NaOH(125g、1.00モル)の32重量/重量%水溶液を滴下漏斗によりゆっくり加えて透明な黄色の液体を得た(Ti含有量4.44重量%)。この混合溶液に対し、ジエチルホスホノ酢酸エチル(224g、1.00モル)及びリン酸の85重量/重量%水溶液(114g、1.00モル)を加えることで、リン化合物を含有するチタン化合物を得た(P含有量5.74重量%)。この混合溶液を低圧水銀ランプ(ウシオ電気株式会社製、型式UL2−1DQ)が接続されたパイレックス(登録商標)「旭テクノグラス(株)製」の反応槽(ウシオ電気株式会社製、3000mL用)に仕込み、15分照射及び撹拌した。
【0073】
触媒I.アコーディス社製のチタン及びケイ素からなる複合酸化物
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた2Lのフラスコ中に撹拌されているエチレングリコール(580g、9.36モル)にアコーディス社製のチタン及びケイ素からなる複合酸化物(商品名:C−94、87.1g、1.00モル)を加えた。この混合溶液に対し、ジエチルホスホノ酢酸エチル(224g、1.00モル)及びリン酸の85重量/重量%水溶液(22.8g、0.20モル)を加えることで、リン化合物を含有するチタン化合物を得た(P含有量3.44重量%)。この混合溶液を低圧水銀ランプ(ウシオ電気株式会社製、型式UL2−1DQ)が接続されたパイレックス(登録商標)「旭テクノグラス(株)製」の反応槽(ウシオ電気株式会社製、3000mL用)に仕込み、15分照射及び撹拌した。
【0074】
実施例10
触媒Aにてリン酸量を変更した以外は実施例1と同様にポリエステルを重合した。得られたポリマーは色調に優れており、紡糸時の口金孔周辺の堆積物及び濾圧上昇はほとんど認められず、また延伸時の糸切れもほとんどなく成形加工性の良好なポリマーであった。
【0075】
実施例11
触媒Bにてチタン量を変更した以外は実施例1と同様にポリエステルを重合した。得られたポリマーは色調に優れており、紡糸時の口金孔周辺の堆積物及び濾圧上昇はほとんど認められず、また延伸時の糸切れもほとんどなく成形加工性の良好なポリマーであった。
【0076】
実施例12
触媒Cにてチタン量を変更し、酢酸マンガンの添加量を増量し、三酸化アンチモンを添加した以外は実施例1と同様にポリエステルを重合した。得られたポリマーは色調に優れており、紡糸時の口金孔周辺の堆積物はやや認められるものの操業可能であった。
【0077】
実施例13
触媒Dにてリン酸量を変更した以外は実施例1と同様にポリエステルを重合した。得られたポリマーは色調に優れており、紡糸時の口金孔周辺の堆積物及び濾圧上昇はほとんど認められず、また延伸時の糸切れもほとんどなく成形加工性の良好なポリマーであった。
【0078】
実施例14
触媒Eにてチタン量を変更した以外は実施例1と同様にポリエステルを重合した。得られたポリマーは色調に優れており、紡糸時の口金孔周辺の堆積物及び濾圧上昇はほとんど認められず、また延伸時の糸切れもほとんどなく成形加工性の良好なポリマーであった。
【0079】
実施例15
触媒Fにてチタン量を変更し、酢酸マンガンの添加量を増量し、三酸化アンチモンを添加した以外は実施例1と同様にポリエステルを重合した。得られたポリマーは色調に優れており、紡糸時の口金孔周辺の堆積物はやや認められるものの操業可能であった。
【0080】
実施例16
触媒Gにて、酢酸マンガンの添加量を増量し、三酸化アンチモンを添加した以外は実施例1と同様にポリエステルを重合した。得られたポリマーは色調に優れており、紡糸時の口金孔周辺の堆積物はやや認められるものの操業可能であった。
【0081】
実施例17
触媒Hにてチタン量を変更した以外は実施例1と同様にポリエステルを重合した。得られたポリマーは色調に優れており、紡糸時の口金孔周辺の堆積物及び濾圧上昇はほとんど認められず、また延伸時の糸切れもほとんどなく成形加工性の良好なポリマーであった。
【0082】
実施例18
触媒Iにてチタン量を変更した以外は実施例1と同様にポリエステルを重合した。得られたポリマーは色調に優れており、紡糸時の口金孔周辺の堆積物はやや認められるものの操業可能であった。
【0083】
【表2】
Figure 2004292657
【0084】
実施例19
触媒Aにて光源の照射時間を1分に変更した以外は実施例1と同様にポリエステルを重合した。得られたポリマーの色調は十分であり、紡糸時の口金孔周辺の堆積物及び濾圧上昇はほとんど認められず、また延伸時の糸切れもほとんどなく
実施例20
触媒Aにて光源の照射時間を60分に変更した以外は実施例1と同様にポリエステルを重合した。得られたポリマーの色調は十分であり、紡糸時の口金孔周辺の堆積物及び濾圧上昇はほとんど認められず、また延伸時の糸切れもほとんどなく成形加工性の良好なポリマーであった。
【0085】
実施例21
触媒Aにて光源をDeepUVランプ(ウシオ電気株式会社製、型式UXM−501MD、分光分布における相対強度が最大となる波長が310nm)に変更した以外は実施例1と同様にポリエステルを重合した。得られたポリマーは色調に優れており、紡糸時の口金孔周辺の堆積物及び濾圧上昇はほとんど認められず、また延伸時の糸切れもほとんどなく成形加工性の良好なポリマーであった。
【0086】
実施例22
触媒Dにて光源をDeepUVランプ(ウシオ電気株式会社製、型式UXM−501MD)に変更した以外は実施例1と同様にポリエステルを重合した。得られたポリマーは色調に優れており、紡糸時の口金孔周辺の堆積物及び濾圧上昇はほとんど認められず、また延伸時の糸切れもほとんどなく成形加工性の良好なポリマーであった。
【0087】
実施例23
触媒Gにて光源をDeepUVランプ(ウシオ電気株式会社製、型式UXM−501MD)に変更した以外は実施例1と同様にポリエステルを重合した。得られたポリマーは色調に優れており、紡糸時の口金孔周辺の堆積物及び濾圧上昇はほとんど認められず、また延伸時の糸切れもほとんどなく成形加工性の良好なポリマーであった。
【0088】
比較例1
触媒にテトラブトキシチタン(日本曹達社製)のみを、得られるポリエステルに対してチタン原子換算で10ppm添加したこと以外は実施例1と同様にして重合し、溶融紡糸を行った。触媒を変更しても重合反応性は良好に推移し、紡糸時の口金孔周辺の堆積物及び濾圧上昇はほとんど認められず、また延伸時の糸切れもほとんどなく成形加工性の良好なポリマーであったが、得られるポリマーの色調b値は15.5と高く、色調に劣った黄色いポリマーとなった。
【0089】
比較例2
触媒に三酸化アンチモン(住友金属鉱山社製)を、得られるポリエステルに対してアンチモン原子換算で400ppm、リン酸を得られるポリエステルに対してリン原子換算で10ppm添加したこと以外は実施例1と同様にして重合し、溶融紡糸を行った。触媒を変更しても重合反応性は良好に推移し得られるポリマーの色調も問題ないが、ポリマーの溶液ヘイズは2.9%と高く、紡糸時に口金汚れが認められ頻繁に糸切れが発生し、操業性に劣っていた。
【0090】
比較例3
テトライソプロポキシチタン(日本曹達社製)及びリン酸からなるエチレングリコール溶液に光源としてHe−Neレーザー(メレスグリオ株式会社、分光分布における相対強度が最大となる波長が544nm)を照射して15分撹拌混合し、得られるポリエステルに対してチタン原子換算で10ppm、リン原子換算で1ppm添加した以外は実施例1と同様にして重合し、溶融紡糸を行った。触媒を変更しても重合反応性は良好に推移し、紡糸時の口金孔周辺の堆積物及び濾圧上昇はほとんど認められず、また延伸時の糸切れもほとんどなく成形加工性の良好なポリマーであったが、得られるポリマーの色調b値は13.8と高く色調に劣った黄色いポリマーとなった。
【0091】
比較例4
テトライソプロポキシチタン(日本曹達社製)及びリン酸トリメチルからなるエチレングリコール溶液に光源を照射せず、暗所にて15分撹拌混合し、得られるポリエステルに対してチタン原子換算で10ppm、リン原子換算で5ppm添加した以外は実施例1と同様にして重合し、溶融紡糸を行った。触媒を変更しても重合反応性は良好に推移し、紡糸時の口金孔周辺の堆積物及び濾圧上昇はほとんど認められず、また延伸時の糸切れもほとんどなく成形加工性の良好なポリマーであったが、得られるポリマーの色調b値は12.6と高く色調に劣った黄色いポリマーとなった。
【0092】
【表3】
Figure 2004292657
【0093】
【発明の効果】
本発明のポリエステル重合用触媒を用いたポリエステルは成形加工性に優れ、繊維用、フイルム用、ボトル用等の成形体の製造において色調悪化、口金汚れ、濾圧上昇、糸切れ等の問題が解消される。

Claims (14)

  1. 分光分布における相対強度が最大となる波長が紫外線波長領域(100nm〜400nm)である光源を、チタン化合物とリン化合物を含む溶媒に照射したことを特徴とするポリエステル重合用触媒。
  2. リン化合物がリン酸系、亜リン酸系、ホスホン酸系、ホスフィン酸系、ホスフィンオキサイド系、亜ホスホン酸系、亜ホスフィン酸系、ホスフィン系であることを特徴とする請求項1記載のポリエステル重合用触媒。
  3. リン酸系リン化合物がリン酸及び/またはリン酸エステル化合物であることを特徴とする請求項2記載のポリエステル重合用触媒。
  4. ホスホン酸系リン化合物がホスホン酸及び/またはホスホン酸エステル化合物であることを特徴とする請求項2記載のポリエステル重合用触媒。
  5. チタン化合物が酸化物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のポリエステル重合用触媒。
  6. チタン化合物が、主たる金属元素がチタン及びケイ素からなる複合酸化物であることを特徴とする請求項5記載のポリエステル重合用触媒。
  7. チタン化合物の置換基が下記一般式1〜6で表される官能基からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のポリエステル重合用触媒。
    Figure 2004292657
    (式1〜式6中、R〜Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1〜30の炭化水素基、アルコキシ基または水酸基またはカルボニル基またはアセチル基またはカルボキシル基またはエステル基またはアミノ基を有する炭素数1〜30の炭化水素基を表す。)
  8. 式1〜式3のR〜Rがそれぞれ独立に水素または炭素数1〜30の炭化水素基であることを特徴とする請求項7記載のポリエステル重合用触媒。
  9. 式1〜式3中、R〜Rのうち少なくとも1つが、水酸基またはカルボニル基またはアセチル基またはカルボキシル基またはエステル基を有する炭素数1〜30の炭化水素基であることを特徴とする請求項7記載のポリエステル重合用触媒。
  10. 式1のR〜Rのうち少なくとも1つが、カルボキシル基またはエステル基を有する炭素数1〜30の炭化水素基であることを特徴とする請求項9記載のポリエステル重合用触媒。
  11. 式4のRが炭素数1〜30の炭化水素基もしくは、水酸基またはカルボニル基またはアセチル基またはカルボキシル基またはエステル基を有する炭素数1〜30の炭化水素基であることを特徴とする請求項7記載のポリエステル重合用触媒。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項記載のポリエステル重合用触媒を用いたポリエステルの製造方法。
  13. 得られたポリエステルが、チタン化合物をポリエステルに対するチタン原子換算で0.5〜150ppm、リン化合物をポリエステルに対するリン原子換算で0.1〜400ppm、アンチモン化合物を含まないかあるいはポリエステルに対するアンチモン原子換算で30ppm以下含有し、チタン化合物とリン化合物の比率が、チタン原子とリン原子のモル比率としてTi/P=0.1〜20であることを特徴とする請求項12記載のポリエステルの製造方法。
  14. 得られたポリエステルが、マンガン化合物をポリエステルに対するマンガン原子換算で1〜400ppm含有し、マンガン化合物とリン化合物の比率が、マンガン原子とリン原子のモル比率としてMn/P=0.1〜200であることを特徴とする請求項12または13のいずれか1項記載のポリエステルの製造方法。
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