JP2004292649A - ゲル状電解質用親水性重合体及びその製造方法並びにゲル状電解質 - Google Patents
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Abstract
【課題】電池としての内部抵抗を悪化させることなく、強酸性の電解液を非流動化することができるゲル状電解質用親水性重合体並びに該ゲル状電解質用親水性重合体を使用したゲル状電解質を提供する。
【解決手段】(a)スルホン酸基含有モノビニルモノマー及びスルホン酸塩基含有モノビニルモノマーからなる群から選択される少なくとも1種のスルホン酸系モノビニルモノマーと(b)カルボキシル基含有モノビニルモノマー、エステル基含有モノビニルモノマー及び無水マレイン酸からなる群から選択される少なくとも1種のカルボン酸系モノビニルモノマー、及び(c)芳香族ポリビニルモノマーとの架橋共重合体構造を有し、電解液保持率が5倍以上(重量比)であるゲル状電解質用親水性重合体とする。
【選択図】 なし
【解決手段】(a)スルホン酸基含有モノビニルモノマー及びスルホン酸塩基含有モノビニルモノマーからなる群から選択される少なくとも1種のスルホン酸系モノビニルモノマーと(b)カルボキシル基含有モノビニルモノマー、エステル基含有モノビニルモノマー及び無水マレイン酸からなる群から選択される少なくとも1種のカルボン酸系モノビニルモノマー、及び(c)芳香族ポリビニルモノマーとの架橋共重合体構造を有し、電解液保持率が5倍以上(重量比)であるゲル状電解質用親水性重合体とする。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硫酸水溶液等のプロトン酸水溶液を電解液として使用する蓄電池、特に鉛蓄電池に適したゲル状電解質用親水性重合体、該ゲル状電解質用親水性重合体に電解液を含浸させたゲル状電解質、並びに該ゲル状電解質用親水性重合体に電解液を含浸させたゲル状電解質を使用した鉛蓄電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
硫酸水溶液等のプロトン酸水溶液を電解液として使用する蓄電池としては、鉛蓄電池が一般的によく知られている。鉛蓄電池は、正極が二酸化鉛、負極が金属鉛で構成されており、電解液として4M程度の硫酸水溶液が使用される。鉛蓄電池には、大別して開放系電池と密閉系電池があり、重量が軽く、メンテナンスフリーであるという利点を有することから、密閉系鉛蓄電池は小型非常用電源、ポータブル電源として利用されている。しかるに、密閉系鉛蓄電池は電解液として強い酸性を有する硫酸水溶液を使用するため、その漏液防止が機器の腐食防止や安全性の観点より重要である。
【0003】
鉛蓄電池を密閉化する方法としては、
(1)ガラス繊維にて構成され、正極、負極の極板形状に沿ってセパレーターを設けて、このセパレーターに電解液を含浸・保持させるリテーナー方式
(2)電解液をコロイダルシリカなどによりゲル化させるゲル化方式
(3)顆粒状のシリカを極板間とその周囲に充填し、極板,セパレータおよび顆粒状シリカに電解液を含浸,保持させる顆粒方式
が一般的に知られている。
【0004】
これらの方式の中で、(1)リテーナー方式は、セパレーターの製作コストが著しく高いため、実用化には至っていない。
【0005】
(2)のゲル化方式としては、安全性に優れたプロトン移動型二次電池として、電解液をコロイダルシリカ等の無機粒子によりゲル化させた技術が公知である(特許文献1)。
【0006】
また、鉛蓄電池用ではないが、プロピレンカーボネート等の非水溶媒にアゼライン酸ジアンモニウムなどの電解質を溶解した電解液にて膨潤した架橋構造を有するアクリル系樹脂を使用したアルミ電解コンデンサーに使用するゲル状電解質も公知である(特許文献2)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−110423号公報
【特許文献2】
特開平5−325986号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に記載の技術により形成されるゲル状電解質は、無機粒子表面に電解液が付着しているに等しい状態であり、固形分に対する電解液比率を高くすることができず、また漏液防止効果においても必ずしも万全とは言えず、改善の余地がある。
【0008】
特許文献2に開示された架橋アクリル重合体は、非水溶媒に中性に近い電解質を溶解した電解液を使用した場合には良好な電解液保持率を示すゲルを形成するが、同じ架橋重合体をゲル構成成分として硫酸水溶液を電解液として使用すると、ゲル状電解質が形成されず、このため公知の架橋アクリル重合体を鉛蓄電池のゲル状電解質のゲル成分とすることはできない。
【0009】
本発明の目的は、電池としての内部抵抗を悪化させることなく、強酸性の電解液を非流動化することができるゲル状電解質用親水性重合体並びに該ゲル状電解質用親水性重合体を使用したゲル状電解質を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のゲル状電解質用親水性重合体は、(a)スルホン酸基含有モノビニルモノマー及びスルホン酸塩基含有モノビニルモノマーからなる群から選択される少なくとも1種のスルホン酸系モノビニルモノマーと(b)カルボキシル基含有モノビニルモノマー、エステル基含有モノビニルモノマー及び無水マレイン酸からなる群から選択される少なくとも1種のカルボン酸系モノビニルモノマー、及び(c)芳香族ポリビニルモノマーとの架橋共重合体構造を有し、電解液保持率が5倍以上(重量比)であることを特徴とする。
【0011】
係る構成の親水性重合体は、硫酸水溶液等のプロトン酸水溶液の保持率が高く、電池としての内部抵抗を悪化させることなく、強酸性の電解液を非流動化してゲル状電解質を形成することができる。また、強酸により加水分解をすることもない。
【0012】
カルボキシル基形成モノビニルモノマーの重合単位は、使用前に加水分解してカルボキシル基としてもよいが、電解液であるプロトン酸水溶液を添加してゲル状電解質にすることにより加水分解されて共重合体にカルボキシル基が形成される。ここにいうエステル基は、重合体側がカルボニル基であるエステル基である。
【0013】
カルボキシル基形成モノビニルモノマーの比率は、モノビニルモノマー中、3〜50モル%であることが好ましい。
【0014】
カルボキシル基形成モノビニルモノマーの比率が3モル%未満の場合、50モル%を超える場合には、いずれも電解液保持率が低下する場合がある。
【0015】
別の本発明は、ゲル状電解質用親水性重合体の製造方法であって、(a)スルホン酸基含有モノビニルモノマー及びスルホン酸塩基含有モノビニルモノマーからなる群から選択される少なくとも1種のスルホン酸系モノビニルモノマー、(b’)エステル基含有モノビニルモノマー及び無水マレイン酸からなる群から選択される少なくとも1種のカルボキシル基形成モノビニルモノマー、及び(c)芳香族ポリビニルモノマーの少なくとも1種とを共重合させる重合工程を有する、電解液保持率が5倍以上(重量比)の親水性重合体を得る製造方法であることを特徴とする。
【0016】
係る構成により、硫酸水溶液を電解液とした場合に、電解液保持率が高く、しかも耐久性、高温耐久性に優れたゲル状電解質を形成する親水性重合体を製造することができる。
【0017】
上述のゲル状電解質用親水性重合体の製造方法においては、前記重合工程は、水及び親水性溶剤から選択される少なくとも1種の溶剤を使用して行ってゲル化させる工程であり、前記溶剤を除去する乾燥工程を有することが好ましい。
【0018】
係る溶剤の使用により重合条件の調整が容易となり、重合後に、得られたゲル状電解質用親水性重合体を粒子状にすることが容易である。
【0019】
上述のゲル状電解質用親水性重合体の製造方法においては、さらにエステル基又は酸無水物基を加水分解してカルボキシル基を形成し、スルホン酸基及びスルホン酸塩基から選択される少なくとも1種とカルボキシル基とを有する共重合体とする加水分解工程を有することが好ましい。
【0020】
係る構成により、電解液であるプロトン酸水溶液、とりわけ硫酸水溶液の保持率の高いゲル状電解質用親水性重合体を得ることができる。
【0021】
本発明のゲル状電解質は、請求項1に記載のゲル状電解質用親水性重合体にプロトン酸水溶液を含浸させたものであることを特徴とする。
【0022】
係る構成のゲル状電解質は、電池としての内部抵抗を悪化させることなく、強酸性の電解液が非流動化されたものであり、漏液することがなく、安全性、耐久性、高温耐久性に優れたものである。この場合、エステル基や無水マレイン酸単位は加水分解されて親水性重合体にカルボキシル基が形成される。
【0023】
本発明の密閉型鉛蓄電池は、請求項1に記載のゲル状電解質用親水性重合体にプロトン酸水溶液を含浸させたゲル状電解質を使用したものであることを特徴とする。
【0024】
係る構成の鉛蓄電池は、漏液が防止されており、しかも耐久性、高温耐久性に優れた密閉型鉛蓄電池である。
【0025】
【発明の実施の形態】
ゲル状電解質用親水性重合体を構成する(a)スルホン酸系モノビニルモノマーは、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸もしくはこれらのアルカリ金属塩及びアンモニウム塩からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。スチレンスルホン酸としては、p−スチレンスルホン酸の使用が好ましい。また、アンモニウム塩としては、スルホン酸基をアンモニアやトリメチルアミンを使用して中和した形態のアンモニウム塩が例示される。
【0026】
これらのモノマーは、電解液であるプロトン酸水溶液の保持率が高い親水性重合体を形成する。これらの中でも特にスチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸のアルカリ金属塩、第4級アンモニウム塩の使用が好ましい。
【0027】
(b)カルボン酸系モノビニルモノマーとは、カルボキシル基を含有するか、あるいは加水分解等の反応により、重合後にカルボキシル基を形成可能な(b’)カルボキシル基形成モノビニルモノマーであり、具体的には、カルボキシル基含有モノビニルモノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等が例示される。重合後にカルボキシル基を形成可能な(b’)カルボキシル基形成モノビニルモノマーとしては、無水マレイン酸等のような酸無水物基を有するモノマー、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、ヒドロキシエチルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルが例示される。これ等の中でも、より電解液保持率の高い親水性重合体が得られる点で無水マレイン酸の使用が特に好ましい。
【0028】
また本発明のゲル状電解質用親水性重合体を構成する芳香族ポリビニルモノマーが、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエンの少なくとも1種であることが好ましい。
【0029】
これらのポリビニルモノマーの使用により、硫酸水溶液を電解液として使用しても耐久性に優れたゲル状電解質を形成する親水性重合体が得られる。
【0030】
モノビニルモノマー(スルホン酸系モノビニルモノマーとカルボン酸系モノビニルモノマーを含むモノビニルモノマーの全量)と芳香族ポリビニルモノマーの混合比率は、モノビニルモノマー:ポリビニルモノマーのモル比にて30:1〜1000:1であることが好ましい。この比が30:1よりもポリビニルモノマーが多すぎると架橋密度が高くなって電解液の保持率が低下し、またモノビニルモノマー:ポリビニルモノマーの比が1000:1よりもポリビニルモノマーが多すぎると形成されるゲル状電解質のゲル強度が低下する場合があり、好ましくない。
【0031】
上記例示のモノマーを重合して本発明の親水性重合体を製造する重合工程は、溶液重合、バルク重合のいずれであってもよい。溶液重合を行う場合、使用する溶剤は、モノマーを溶解するものであれば、特に限定なく使用可能であるが、水及び親水性有機溶剤から選択される少なくとも1種の溶剤の使用が好ましい。
【0032】
水に代えて、もしくは水と共にアルコール類、ジオキサン等のエーテル化合物、メチルセロソルブ等のセロソルブ類等の親水性有機溶剤を使用することも好適な態様であり、重合後に乾燥して親水性重合体を得るための乾燥工程における乾燥時間を短縮する効果などが得られる。乾燥状態の親水性重合体は、水や親水性溶剤中で重合、ゲル化させた後、溶剤を含んだ状態で切断して乾燥するか、或いは乾燥後に粉砕して粉状ないし微粒子状として使用することが好適である。
【0033】
重合方法としては、重合開始剤を使用する方法、紫外線、電子線等の活性エネルギー線を使用する方法等の公知の重合方法が使用可能である。水系溶媒を使用し、重合開始剤を使用して重合体を製造する場合には、水ないし親水性有機溶剤が沸騰しない温度で重合する必要があり、レドックス系重合開始剤を使用することが好ましく、とりわけ重金属イオンを含有しないレドックス系重合開始剤の使用が好適である。
【0034】
かかるレドックス系開始剤としては、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸リチウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩とL−アスコルビン酸等の還元剤の組合せが好適なものとして例示される。これらの開始剤は、公知の添加量にて使用する。
【0035】
溶剤中での重合に際しては、重合系の安定化を目的として、水溶性高分子や界面活性剤を使用することは好適な態様であり、水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性ポリウレタン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)等が例示される。また界面活性剤としては、公知のポリオキシノニルフェニルエーテル等のノニオン系界面活性剤を使用することが好ましい。
【0036】
本発明の親水性重合体は、粉状体ないし粒子状体のものを、電極を配設した蓄電池容器体中に充填した後、電解液である硫酸水溶液を注入することによってゲル状電解質を形成する。電解液としては、硫酸水溶液が一般的であるが、他のプロトン酸水溶液を使用することも可能である。
【0037】
図1に本発明のゲル状電解質を使用した小型の密閉型鉛蓄電池の構成を例示した。鉛蓄電池10は、正極板12の両面にゲル状電解質20が積層され、さらにゲル状電解質20の外側面に負極板16が積層され、ケース22に収容された構成を有している。正極板12には正極端子14が、また2つの負極板16を接続して負極端子18が設けられている。ケース22は、耐酸性樹脂にて構成することが好ましい。
【0038】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例について説明する。
(実施例1)
p−スチレンスルホン酸ナトリウム(商品名UNASS、旭化成ファインケム製)179.9g、無水マレイン酸(ナカライテスク製)19.6g及びジビニルベンゼン(ナカライテスク製)2.6gを、ポリビニルアルコール(商品名PVA−424H,クラレ製)0.08gを含む水445gに混合し、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.35g,L−アスコルビン酸0.005gを添加し、親水性重合体形成組成物Aを得た。この親水性重合体形成組成物Aを50℃にて6時間反応させることにより、ゲル状親水性重合体aを得た。
【0039】
このゲル状親水性重合体aを1cm角程度に切断した後、150℃にて24時間乾燥することにより、親水性重合体粗粉末とし、該親水性重合体粗粉末を遠心粉砕機を用いて粉砕し、親水性重合体微粉末P(a)を得た。
【0040】
親水性重合体微粉末P(a)に4M硫酸水溶液を、P(a):硫酸水溶液=1:7となるように添加混合して重合体を膨潤させて電解液を含むゲルとし、減圧下に脱泡してゲル状電解質G1を作製した。
【0041】
得られたゲル状電解質G1は形状安定性が良好であり、自己保持性を示すものであり、イオン伝導度は、6.7×10−1(S/cm)であって、鉛蓄電池用ゲル状電解質として実用的に使用可能であった。また、ゲル状電解質G1は、80℃、1000時間の加熱後においてゲル形状を保持しており、耐熱性が極めて良好であった。
【0042】
(実施例2)
p−スチレンスルホン酸ナトリウム(商品名UNASS)157.4g、無水マレイン酸29.4g、ジビニルベンゼン2.6gを、ポリビニルアルコール(商品名PVA−424H)0.07gを含む水417gに混合し、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.33g,L−アスコルビン酸0.004gを添加し、親水性重合体形成組成物Bを得た。この親水性重合体形成組成物Bを50℃にて6時間反応させることにより、ゲル状親水性重合体bを得た。
【0043】
このゲル状親水性重合体bを1cm角程度に切断した後、150℃にて24時間乾燥することにより、親水性重合体粗粉末とし、該親水性重合体粗粉末を遠心粉砕機を用いて粉砕し、親水性重合体微粉末P(b)を得た。
【0044】
親水性重合体微粉末P(b)に4M硫酸水溶液を、P(b):硫酸水溶液=1:7となるように添加混合して重合体を膨潤させて電解液を含むゲルとし、減圧下に脱泡してゲル状電解質G2を作製した。
【0045】
得られたゲル状電解質G2は形状安定性が良好であり、自己保持性を示すものであり、イオン伝導度は、6.4×10−1(S/cm)であって、鉛蓄電池用ゲル状電解質として実用的に使用可能であった。また、ゲル状電解質G2は、80℃、1000時間の加熱後においてゲル形状を保持しており、耐熱性が極めて良好であった。
【0046】
(実施例3)
p−スチレンスルホン酸ナトリウム(商品名UNASS)179.9g、無水マレイン酸19.6g、ジビニルベンゼン1.3gを、ポリビニルアルコール(商品名PVA−424H)0.08gを含む水442gに混合し、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.35g,L−アスコルビン酸0.005gを添加し、親水性重合体形成組成物Cを得た。この親水性重合体形成組成物Cを50℃にて6時間反応させることにより、ゲル状親水性重合体cを得た。
【0047】
このゲル状親水性重合体cを1cm角程度に切断した後、150℃にて24時間乾燥することにより、親水性重合体粗粉末とし、該親水性重合体粗粉末を遠心粉砕機を用いて粉砕し、親水性重合体微粉末P(c)を得た。
【0048】
親水性重合体微粉末P(c)に4M硫酸水溶液を、P(c):硫酸水溶液=1:7となるように添加混合して重合体を膨潤させて電解液を含むゲルとし、減圧下に脱泡してゲル状電解質G3を作製した。
【0049】
得られたゲル状電解質G3は形状安定性が良好であり、自己保持性を示すものであり、イオン伝導度は、6.5×10−1(S/cm)であって、鉛蓄電池用ゲル状電解質として実用的に使用可能であった。また、ゲル状電解質G3は、80℃、1000時間の加熱後においてゲル形状を保持しており、耐熱性が極めて良好であった。
【0050】
(実施例4)
p−スチレンスルホン酸ナトリウム(商品名UNASS)179.9g、無水マレイン酸19.6g、ジビニルベンゼン0.2gを、ポリビニルアルコール(商品名PVA−424H)0.08gを含む水439gに混合し、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.35g,L−アスコルビン酸0.005gを添加し、親水性重合体形成組成物Dを得た。この親水性重合体形成組成物Dを50℃にて6時間反応させることにより、ゲル状親水性重合体dを得た。
【0051】
このゲル状親水性重合体dを1cm角程度に切断した後、150℃にて24時間乾燥することにより、親水性重合体粗粉末とし、該親水性重合体粗粉末を遠心粉砕機を用いて粉砕し、親水性重合体微粉末P(d)を得た。
【0052】
親水性重合体微粉末P(d)に4M硫酸水溶液を、P(d):硫酸水溶液=1:7となるように添加混合して重合体を膨潤させて電解液を含むゲルとし、減圧下に脱泡してゲル状電解質G4を作製した。
【0053】
得られたゲル状電解質G4は形状安定性が良好であり、自己保持性を示すものであり、イオン伝導度は、5.4×10−1(S/cm)であって、鉛蓄電池用ゲル状電解質として実用的に使用可能であった。また、ゲル状電解質G4は、80℃、1000時間の加熱後においてゲル形状を保持しており、耐熱性が極めて良好であった。
【0054】
(実施例5)
p−スチレンスルホン酸ナトリウム(商品名UNASS)179.9g、無水マレイン酸19.6g、ジビニルベンゼン4.3gを、ポリビニルアルコール(商品名PVA−424H)0.08gを含む水448gに混合し、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.35g,L−アスコルビン酸0.005gを添加し、親水性重合体形成組成物Eを得た。この親水性重合体形成組成物Eを50℃にて6時間反応させることにより、ゲル状親水性重合体eを得た。
【0055】
このゲル状親水性重合体eを1cm角程度に切断した後、150℃にて24時間乾燥することにより、親水性重合体粗粉末とし、該親水性重合体粗粉末を遠心粉砕機を用いて粉砕し、親水性重合体微粉末P(e)を得た。
【0056】
親水性重合体微粉末P(e)に4M硫酸水溶液を、P(e):硫酸水溶液=1:7となるように添加混合して重合体を膨潤させて電解液を含むゲルとし、減圧下に脱泡してゲル状電解質G5を作製した。
【0057】
得られたゲル状電解質G5は形状安定性が良好であり、自己保持性を示すものであり、イオン伝導度は、6.2×10−1(S/cm)であって、鉛蓄電池用ゲル状電解質として実用的に使用可能であった。また、ゲル状電解質G5は、80℃、1000時間の加熱後においてゲル形状を保持しており、耐熱性が極めて良好であった。
【0058】
(実施例6)
p−スチレンスルホン酸ナトリウム(商品名UNASS)106.8g、無水マレイン酸2.5g、ジビニルベンゼン2.6gを、ポリビニルアルコール(商品名PVA−424H)0.04gを含む水240gに混合し、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.19g,L−アスコルビン酸0.002gを添加し、親水性重合体形成組成物Fを得た。この親水性重合体形成組成物Fを50℃にて6時間反応させることにより、ゲル状親水性重合体fを得た。
【0059】
このゲル状親水性重合体fを1cm角程度に切断した後、150℃にて24時間乾燥することにより、親水性重合体粗粉末とし、該親水性重合体粗粉末を遠心粉砕機を用いて粉砕し、親水性重合体微粉末P(f)を得た。
【0060】
親水性重合体微粉末P(f)に4M硫酸水溶液を、P(f):硫酸水溶液=1:7となるように添加混合して重合体を膨潤させて電解液を含むゲルとし、減圧下に脱泡してゲル状電解質G6を作製した。
【0061】
得られたゲル状電解質G6は形状安定性が良好であり、自己保持性を示すものであり、イオン伝導度は、5.5×10−1(S/cm)であって、鉛蓄電池用ゲル状電解質として実用的に使用可能であった。また、ゲル状電解質G6は、80℃、1000時間の加熱後においてゲル形状を保持しており、耐熱性が極めて良好であった。
【0062】
(実施例7)
p−スチレンスルホン酸ナトリウム(商品名UNASS)134.9g、無水マレイン酸39.2g、ジビニルベンゼン2.6gを、ポリビニルアルコール(商品名PVA−424H)0.07gを含む水389gに混合し、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.31g,L−アスコルビン酸0.004gを添加し、親水性重合体形成組成物Gを得た。この親水性重合体形成組成物Gを50℃にて6時間反応させることにより、ゲル状親水性重合体gを得た。
【0063】
このゲル状親水性重合体gを1cm角程度に切断した後、150℃にて24時間乾燥することにより、親水性重合体粗粉末とし、該親水性重合体粗粉末を遠心粉砕機を用いて粉砕し、親水性重合体微粉末P(g)を得た。
【0064】
親水性重合体微粉末P(g)に4M硫酸水溶液を、P(g):硫酸水溶液=1:7となるように添加混合して重合体を膨潤させて電解液を含むゲルとし、減圧下に脱泡してゲル状電解質G7を作製した。
【0065】
得られたゲル状電解質G7は形状安定性が良好であり、自己保持性を示すものであり、イオン伝導度は、6.3×10−1(S/cm)であって、鉛蓄電池用ゲル状電解質として実用的に使用可能であった。また、ゲル状電解質G7は、80℃、1000時間の加熱後においてゲル形状を保持しており、耐熱性が極めて良好であった。
【0066】
(比較例1)
水酸化カリウム(ナカライ製)49.4g(0.75mol)を60gのイオン交換水に溶解して水酸化カリウム水溶液を調製した。この水酸化カリウム水溶液とアクリル酸(ナカライ製)72g(1.0mol)を混合して中和することにより部分中和アクリル酸水溶液(中和度75%)を得た。
上記の部分中和アクリル酸水溶液160gとジビニルベンゼン2.6gを0.04gのポリビニルアルコール(商品名PVA−424H)を含む水50g中で混合し、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.12g,L−アスコルビン酸0.002gを添加し、親水性重合体形成組成物Hを得た。この親水性重合体形成組成物Hを50℃にて6時間反応させることにより、ゲル状親水性重合体hを得た。
【0067】
このゲル状親水性重合体hを1cm角程度に切断した後、150℃にて24時間乾燥することにより、親水性重合体粗粉末とし、該親水性重合体粗粉末を遠心粉砕機を用いて粉砕し、親水性重合体微粉末P(h)を得た。
【0068】
親水性重合体微粉末P(h)に4M硫酸水溶液を、P(h):硫酸水溶液=1:7となるように添加混合したところ、ゲル状電解質は得られなかった。
【0069】
(比較例2)
水酸化カリウム(ナカライ製)49.4g(0.75mol)を60gのイオン交換水に溶解して水酸化カリウム水溶液を調製した。この水酸化カリウム水溶液とアクリル酸(ナカライ製)72g(1.0mol)を混合して中和することにより部分中和アクリル酸水溶液(中和度75%)を得た。
上記の部分中和アクリル酸水溶液160gとジビニルベンゼン1.3gを0.04gのポリビニルアルコール(商品名PVA−424H)を含む水49g中で混合し、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.11g,L−アスコルビン酸0.002gを添加し、親水性重合体形成組成物Jを得た。この親水性重合体形成組成物Jを50℃にて6時間反応させることにより、ゲル状親水性重合体jを得た。
【0070】
このゲル状親水性重合体jを1cm角程度に切断した後、150℃にて24時間乾燥することにより、親水性重合体粗粉末とし、該親水性重合体粗粉末を遠心粉砕機を用いて粉砕し、親水性重合体微粉末P(j)を得た。
【0071】
親水性重合体微粉末P(j)に4M硫酸水溶液を、P(j):硫酸水溶液=1:7となるように添加混合したところ、ゲル状電解質は得られなかった。
【0072】
以上の実施例の結果から、本発明のゲル状電解質は、電解液保持率が重量比にて5倍を超え、鉛蓄電池用電解質として実用的なイオン伝導性を有すると共に、耐熱性(高温耐久性)にも優れたものであることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゲル状電解質を使用した密閉型鉛蓄電池の構造を例示した斜視図
【符号の説明】
10 鉛蓄電池
12 正極板
14 正極端子
16 負極板
18 負極端子
20 ゲル状電解質
22 ケース
【発明の属する技術分野】
本発明は、硫酸水溶液等のプロトン酸水溶液を電解液として使用する蓄電池、特に鉛蓄電池に適したゲル状電解質用親水性重合体、該ゲル状電解質用親水性重合体に電解液を含浸させたゲル状電解質、並びに該ゲル状電解質用親水性重合体に電解液を含浸させたゲル状電解質を使用した鉛蓄電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
硫酸水溶液等のプロトン酸水溶液を電解液として使用する蓄電池としては、鉛蓄電池が一般的によく知られている。鉛蓄電池は、正極が二酸化鉛、負極が金属鉛で構成されており、電解液として4M程度の硫酸水溶液が使用される。鉛蓄電池には、大別して開放系電池と密閉系電池があり、重量が軽く、メンテナンスフリーであるという利点を有することから、密閉系鉛蓄電池は小型非常用電源、ポータブル電源として利用されている。しかるに、密閉系鉛蓄電池は電解液として強い酸性を有する硫酸水溶液を使用するため、その漏液防止が機器の腐食防止や安全性の観点より重要である。
【0003】
鉛蓄電池を密閉化する方法としては、
(1)ガラス繊維にて構成され、正極、負極の極板形状に沿ってセパレーターを設けて、このセパレーターに電解液を含浸・保持させるリテーナー方式
(2)電解液をコロイダルシリカなどによりゲル化させるゲル化方式
(3)顆粒状のシリカを極板間とその周囲に充填し、極板,セパレータおよび顆粒状シリカに電解液を含浸,保持させる顆粒方式
が一般的に知られている。
【0004】
これらの方式の中で、(1)リテーナー方式は、セパレーターの製作コストが著しく高いため、実用化には至っていない。
【0005】
(2)のゲル化方式としては、安全性に優れたプロトン移動型二次電池として、電解液をコロイダルシリカ等の無機粒子によりゲル化させた技術が公知である(特許文献1)。
【0006】
また、鉛蓄電池用ではないが、プロピレンカーボネート等の非水溶媒にアゼライン酸ジアンモニウムなどの電解質を溶解した電解液にて膨潤した架橋構造を有するアクリル系樹脂を使用したアルミ電解コンデンサーに使用するゲル状電解質も公知である(特許文献2)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−110423号公報
【特許文献2】
特開平5−325986号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に記載の技術により形成されるゲル状電解質は、無機粒子表面に電解液が付着しているに等しい状態であり、固形分に対する電解液比率を高くすることができず、また漏液防止効果においても必ずしも万全とは言えず、改善の余地がある。
【0008】
特許文献2に開示された架橋アクリル重合体は、非水溶媒に中性に近い電解質を溶解した電解液を使用した場合には良好な電解液保持率を示すゲルを形成するが、同じ架橋重合体をゲル構成成分として硫酸水溶液を電解液として使用すると、ゲル状電解質が形成されず、このため公知の架橋アクリル重合体を鉛蓄電池のゲル状電解質のゲル成分とすることはできない。
【0009】
本発明の目的は、電池としての内部抵抗を悪化させることなく、強酸性の電解液を非流動化することができるゲル状電解質用親水性重合体並びに該ゲル状電解質用親水性重合体を使用したゲル状電解質を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のゲル状電解質用親水性重合体は、(a)スルホン酸基含有モノビニルモノマー及びスルホン酸塩基含有モノビニルモノマーからなる群から選択される少なくとも1種のスルホン酸系モノビニルモノマーと(b)カルボキシル基含有モノビニルモノマー、エステル基含有モノビニルモノマー及び無水マレイン酸からなる群から選択される少なくとも1種のカルボン酸系モノビニルモノマー、及び(c)芳香族ポリビニルモノマーとの架橋共重合体構造を有し、電解液保持率が5倍以上(重量比)であることを特徴とする。
【0011】
係る構成の親水性重合体は、硫酸水溶液等のプロトン酸水溶液の保持率が高く、電池としての内部抵抗を悪化させることなく、強酸性の電解液を非流動化してゲル状電解質を形成することができる。また、強酸により加水分解をすることもない。
【0012】
カルボキシル基形成モノビニルモノマーの重合単位は、使用前に加水分解してカルボキシル基としてもよいが、電解液であるプロトン酸水溶液を添加してゲル状電解質にすることにより加水分解されて共重合体にカルボキシル基が形成される。ここにいうエステル基は、重合体側がカルボニル基であるエステル基である。
【0013】
カルボキシル基形成モノビニルモノマーの比率は、モノビニルモノマー中、3〜50モル%であることが好ましい。
【0014】
カルボキシル基形成モノビニルモノマーの比率が3モル%未満の場合、50モル%を超える場合には、いずれも電解液保持率が低下する場合がある。
【0015】
別の本発明は、ゲル状電解質用親水性重合体の製造方法であって、(a)スルホン酸基含有モノビニルモノマー及びスルホン酸塩基含有モノビニルモノマーからなる群から選択される少なくとも1種のスルホン酸系モノビニルモノマー、(b’)エステル基含有モノビニルモノマー及び無水マレイン酸からなる群から選択される少なくとも1種のカルボキシル基形成モノビニルモノマー、及び(c)芳香族ポリビニルモノマーの少なくとも1種とを共重合させる重合工程を有する、電解液保持率が5倍以上(重量比)の親水性重合体を得る製造方法であることを特徴とする。
【0016】
係る構成により、硫酸水溶液を電解液とした場合に、電解液保持率が高く、しかも耐久性、高温耐久性に優れたゲル状電解質を形成する親水性重合体を製造することができる。
【0017】
上述のゲル状電解質用親水性重合体の製造方法においては、前記重合工程は、水及び親水性溶剤から選択される少なくとも1種の溶剤を使用して行ってゲル化させる工程であり、前記溶剤を除去する乾燥工程を有することが好ましい。
【0018】
係る溶剤の使用により重合条件の調整が容易となり、重合後に、得られたゲル状電解質用親水性重合体を粒子状にすることが容易である。
【0019】
上述のゲル状電解質用親水性重合体の製造方法においては、さらにエステル基又は酸無水物基を加水分解してカルボキシル基を形成し、スルホン酸基及びスルホン酸塩基から選択される少なくとも1種とカルボキシル基とを有する共重合体とする加水分解工程を有することが好ましい。
【0020】
係る構成により、電解液であるプロトン酸水溶液、とりわけ硫酸水溶液の保持率の高いゲル状電解質用親水性重合体を得ることができる。
【0021】
本発明のゲル状電解質は、請求項1に記載のゲル状電解質用親水性重合体にプロトン酸水溶液を含浸させたものであることを特徴とする。
【0022】
係る構成のゲル状電解質は、電池としての内部抵抗を悪化させることなく、強酸性の電解液が非流動化されたものであり、漏液することがなく、安全性、耐久性、高温耐久性に優れたものである。この場合、エステル基や無水マレイン酸単位は加水分解されて親水性重合体にカルボキシル基が形成される。
【0023】
本発明の密閉型鉛蓄電池は、請求項1に記載のゲル状電解質用親水性重合体にプロトン酸水溶液を含浸させたゲル状電解質を使用したものであることを特徴とする。
【0024】
係る構成の鉛蓄電池は、漏液が防止されており、しかも耐久性、高温耐久性に優れた密閉型鉛蓄電池である。
【0025】
【発明の実施の形態】
ゲル状電解質用親水性重合体を構成する(a)スルホン酸系モノビニルモノマーは、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸もしくはこれらのアルカリ金属塩及びアンモニウム塩からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。スチレンスルホン酸としては、p−スチレンスルホン酸の使用が好ましい。また、アンモニウム塩としては、スルホン酸基をアンモニアやトリメチルアミンを使用して中和した形態のアンモニウム塩が例示される。
【0026】
これらのモノマーは、電解液であるプロトン酸水溶液の保持率が高い親水性重合体を形成する。これらの中でも特にスチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸のアルカリ金属塩、第4級アンモニウム塩の使用が好ましい。
【0027】
(b)カルボン酸系モノビニルモノマーとは、カルボキシル基を含有するか、あるいは加水分解等の反応により、重合後にカルボキシル基を形成可能な(b’)カルボキシル基形成モノビニルモノマーであり、具体的には、カルボキシル基含有モノビニルモノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等が例示される。重合後にカルボキシル基を形成可能な(b’)カルボキシル基形成モノビニルモノマーとしては、無水マレイン酸等のような酸無水物基を有するモノマー、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、ヒドロキシエチルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルが例示される。これ等の中でも、より電解液保持率の高い親水性重合体が得られる点で無水マレイン酸の使用が特に好ましい。
【0028】
また本発明のゲル状電解質用親水性重合体を構成する芳香族ポリビニルモノマーが、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエンの少なくとも1種であることが好ましい。
【0029】
これらのポリビニルモノマーの使用により、硫酸水溶液を電解液として使用しても耐久性に優れたゲル状電解質を形成する親水性重合体が得られる。
【0030】
モノビニルモノマー(スルホン酸系モノビニルモノマーとカルボン酸系モノビニルモノマーを含むモノビニルモノマーの全量)と芳香族ポリビニルモノマーの混合比率は、モノビニルモノマー:ポリビニルモノマーのモル比にて30:1〜1000:1であることが好ましい。この比が30:1よりもポリビニルモノマーが多すぎると架橋密度が高くなって電解液の保持率が低下し、またモノビニルモノマー:ポリビニルモノマーの比が1000:1よりもポリビニルモノマーが多すぎると形成されるゲル状電解質のゲル強度が低下する場合があり、好ましくない。
【0031】
上記例示のモノマーを重合して本発明の親水性重合体を製造する重合工程は、溶液重合、バルク重合のいずれであってもよい。溶液重合を行う場合、使用する溶剤は、モノマーを溶解するものであれば、特に限定なく使用可能であるが、水及び親水性有機溶剤から選択される少なくとも1種の溶剤の使用が好ましい。
【0032】
水に代えて、もしくは水と共にアルコール類、ジオキサン等のエーテル化合物、メチルセロソルブ等のセロソルブ類等の親水性有機溶剤を使用することも好適な態様であり、重合後に乾燥して親水性重合体を得るための乾燥工程における乾燥時間を短縮する効果などが得られる。乾燥状態の親水性重合体は、水や親水性溶剤中で重合、ゲル化させた後、溶剤を含んだ状態で切断して乾燥するか、或いは乾燥後に粉砕して粉状ないし微粒子状として使用することが好適である。
【0033】
重合方法としては、重合開始剤を使用する方法、紫外線、電子線等の活性エネルギー線を使用する方法等の公知の重合方法が使用可能である。水系溶媒を使用し、重合開始剤を使用して重合体を製造する場合には、水ないし親水性有機溶剤が沸騰しない温度で重合する必要があり、レドックス系重合開始剤を使用することが好ましく、とりわけ重金属イオンを含有しないレドックス系重合開始剤の使用が好適である。
【0034】
かかるレドックス系開始剤としては、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸リチウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩とL−アスコルビン酸等の還元剤の組合せが好適なものとして例示される。これらの開始剤は、公知の添加量にて使用する。
【0035】
溶剤中での重合に際しては、重合系の安定化を目的として、水溶性高分子や界面活性剤を使用することは好適な態様であり、水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性ポリウレタン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)等が例示される。また界面活性剤としては、公知のポリオキシノニルフェニルエーテル等のノニオン系界面活性剤を使用することが好ましい。
【0036】
本発明の親水性重合体は、粉状体ないし粒子状体のものを、電極を配設した蓄電池容器体中に充填した後、電解液である硫酸水溶液を注入することによってゲル状電解質を形成する。電解液としては、硫酸水溶液が一般的であるが、他のプロトン酸水溶液を使用することも可能である。
【0037】
図1に本発明のゲル状電解質を使用した小型の密閉型鉛蓄電池の構成を例示した。鉛蓄電池10は、正極板12の両面にゲル状電解質20が積層され、さらにゲル状電解質20の外側面に負極板16が積層され、ケース22に収容された構成を有している。正極板12には正極端子14が、また2つの負極板16を接続して負極端子18が設けられている。ケース22は、耐酸性樹脂にて構成することが好ましい。
【0038】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例について説明する。
(実施例1)
p−スチレンスルホン酸ナトリウム(商品名UNASS、旭化成ファインケム製)179.9g、無水マレイン酸(ナカライテスク製)19.6g及びジビニルベンゼン(ナカライテスク製)2.6gを、ポリビニルアルコール(商品名PVA−424H,クラレ製)0.08gを含む水445gに混合し、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.35g,L−アスコルビン酸0.005gを添加し、親水性重合体形成組成物Aを得た。この親水性重合体形成組成物Aを50℃にて6時間反応させることにより、ゲル状親水性重合体aを得た。
【0039】
このゲル状親水性重合体aを1cm角程度に切断した後、150℃にて24時間乾燥することにより、親水性重合体粗粉末とし、該親水性重合体粗粉末を遠心粉砕機を用いて粉砕し、親水性重合体微粉末P(a)を得た。
【0040】
親水性重合体微粉末P(a)に4M硫酸水溶液を、P(a):硫酸水溶液=1:7となるように添加混合して重合体を膨潤させて電解液を含むゲルとし、減圧下に脱泡してゲル状電解質G1を作製した。
【0041】
得られたゲル状電解質G1は形状安定性が良好であり、自己保持性を示すものであり、イオン伝導度は、6.7×10−1(S/cm)であって、鉛蓄電池用ゲル状電解質として実用的に使用可能であった。また、ゲル状電解質G1は、80℃、1000時間の加熱後においてゲル形状を保持しており、耐熱性が極めて良好であった。
【0042】
(実施例2)
p−スチレンスルホン酸ナトリウム(商品名UNASS)157.4g、無水マレイン酸29.4g、ジビニルベンゼン2.6gを、ポリビニルアルコール(商品名PVA−424H)0.07gを含む水417gに混合し、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.33g,L−アスコルビン酸0.004gを添加し、親水性重合体形成組成物Bを得た。この親水性重合体形成組成物Bを50℃にて6時間反応させることにより、ゲル状親水性重合体bを得た。
【0043】
このゲル状親水性重合体bを1cm角程度に切断した後、150℃にて24時間乾燥することにより、親水性重合体粗粉末とし、該親水性重合体粗粉末を遠心粉砕機を用いて粉砕し、親水性重合体微粉末P(b)を得た。
【0044】
親水性重合体微粉末P(b)に4M硫酸水溶液を、P(b):硫酸水溶液=1:7となるように添加混合して重合体を膨潤させて電解液を含むゲルとし、減圧下に脱泡してゲル状電解質G2を作製した。
【0045】
得られたゲル状電解質G2は形状安定性が良好であり、自己保持性を示すものであり、イオン伝導度は、6.4×10−1(S/cm)であって、鉛蓄電池用ゲル状電解質として実用的に使用可能であった。また、ゲル状電解質G2は、80℃、1000時間の加熱後においてゲル形状を保持しており、耐熱性が極めて良好であった。
【0046】
(実施例3)
p−スチレンスルホン酸ナトリウム(商品名UNASS)179.9g、無水マレイン酸19.6g、ジビニルベンゼン1.3gを、ポリビニルアルコール(商品名PVA−424H)0.08gを含む水442gに混合し、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.35g,L−アスコルビン酸0.005gを添加し、親水性重合体形成組成物Cを得た。この親水性重合体形成組成物Cを50℃にて6時間反応させることにより、ゲル状親水性重合体cを得た。
【0047】
このゲル状親水性重合体cを1cm角程度に切断した後、150℃にて24時間乾燥することにより、親水性重合体粗粉末とし、該親水性重合体粗粉末を遠心粉砕機を用いて粉砕し、親水性重合体微粉末P(c)を得た。
【0048】
親水性重合体微粉末P(c)に4M硫酸水溶液を、P(c):硫酸水溶液=1:7となるように添加混合して重合体を膨潤させて電解液を含むゲルとし、減圧下に脱泡してゲル状電解質G3を作製した。
【0049】
得られたゲル状電解質G3は形状安定性が良好であり、自己保持性を示すものであり、イオン伝導度は、6.5×10−1(S/cm)であって、鉛蓄電池用ゲル状電解質として実用的に使用可能であった。また、ゲル状電解質G3は、80℃、1000時間の加熱後においてゲル形状を保持しており、耐熱性が極めて良好であった。
【0050】
(実施例4)
p−スチレンスルホン酸ナトリウム(商品名UNASS)179.9g、無水マレイン酸19.6g、ジビニルベンゼン0.2gを、ポリビニルアルコール(商品名PVA−424H)0.08gを含む水439gに混合し、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.35g,L−アスコルビン酸0.005gを添加し、親水性重合体形成組成物Dを得た。この親水性重合体形成組成物Dを50℃にて6時間反応させることにより、ゲル状親水性重合体dを得た。
【0051】
このゲル状親水性重合体dを1cm角程度に切断した後、150℃にて24時間乾燥することにより、親水性重合体粗粉末とし、該親水性重合体粗粉末を遠心粉砕機を用いて粉砕し、親水性重合体微粉末P(d)を得た。
【0052】
親水性重合体微粉末P(d)に4M硫酸水溶液を、P(d):硫酸水溶液=1:7となるように添加混合して重合体を膨潤させて電解液を含むゲルとし、減圧下に脱泡してゲル状電解質G4を作製した。
【0053】
得られたゲル状電解質G4は形状安定性が良好であり、自己保持性を示すものであり、イオン伝導度は、5.4×10−1(S/cm)であって、鉛蓄電池用ゲル状電解質として実用的に使用可能であった。また、ゲル状電解質G4は、80℃、1000時間の加熱後においてゲル形状を保持しており、耐熱性が極めて良好であった。
【0054】
(実施例5)
p−スチレンスルホン酸ナトリウム(商品名UNASS)179.9g、無水マレイン酸19.6g、ジビニルベンゼン4.3gを、ポリビニルアルコール(商品名PVA−424H)0.08gを含む水448gに混合し、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.35g,L−アスコルビン酸0.005gを添加し、親水性重合体形成組成物Eを得た。この親水性重合体形成組成物Eを50℃にて6時間反応させることにより、ゲル状親水性重合体eを得た。
【0055】
このゲル状親水性重合体eを1cm角程度に切断した後、150℃にて24時間乾燥することにより、親水性重合体粗粉末とし、該親水性重合体粗粉末を遠心粉砕機を用いて粉砕し、親水性重合体微粉末P(e)を得た。
【0056】
親水性重合体微粉末P(e)に4M硫酸水溶液を、P(e):硫酸水溶液=1:7となるように添加混合して重合体を膨潤させて電解液を含むゲルとし、減圧下に脱泡してゲル状電解質G5を作製した。
【0057】
得られたゲル状電解質G5は形状安定性が良好であり、自己保持性を示すものであり、イオン伝導度は、6.2×10−1(S/cm)であって、鉛蓄電池用ゲル状電解質として実用的に使用可能であった。また、ゲル状電解質G5は、80℃、1000時間の加熱後においてゲル形状を保持しており、耐熱性が極めて良好であった。
【0058】
(実施例6)
p−スチレンスルホン酸ナトリウム(商品名UNASS)106.8g、無水マレイン酸2.5g、ジビニルベンゼン2.6gを、ポリビニルアルコール(商品名PVA−424H)0.04gを含む水240gに混合し、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.19g,L−アスコルビン酸0.002gを添加し、親水性重合体形成組成物Fを得た。この親水性重合体形成組成物Fを50℃にて6時間反応させることにより、ゲル状親水性重合体fを得た。
【0059】
このゲル状親水性重合体fを1cm角程度に切断した後、150℃にて24時間乾燥することにより、親水性重合体粗粉末とし、該親水性重合体粗粉末を遠心粉砕機を用いて粉砕し、親水性重合体微粉末P(f)を得た。
【0060】
親水性重合体微粉末P(f)に4M硫酸水溶液を、P(f):硫酸水溶液=1:7となるように添加混合して重合体を膨潤させて電解液を含むゲルとし、減圧下に脱泡してゲル状電解質G6を作製した。
【0061】
得られたゲル状電解質G6は形状安定性が良好であり、自己保持性を示すものであり、イオン伝導度は、5.5×10−1(S/cm)であって、鉛蓄電池用ゲル状電解質として実用的に使用可能であった。また、ゲル状電解質G6は、80℃、1000時間の加熱後においてゲル形状を保持しており、耐熱性が極めて良好であった。
【0062】
(実施例7)
p−スチレンスルホン酸ナトリウム(商品名UNASS)134.9g、無水マレイン酸39.2g、ジビニルベンゼン2.6gを、ポリビニルアルコール(商品名PVA−424H)0.07gを含む水389gに混合し、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.31g,L−アスコルビン酸0.004gを添加し、親水性重合体形成組成物Gを得た。この親水性重合体形成組成物Gを50℃にて6時間反応させることにより、ゲル状親水性重合体gを得た。
【0063】
このゲル状親水性重合体gを1cm角程度に切断した後、150℃にて24時間乾燥することにより、親水性重合体粗粉末とし、該親水性重合体粗粉末を遠心粉砕機を用いて粉砕し、親水性重合体微粉末P(g)を得た。
【0064】
親水性重合体微粉末P(g)に4M硫酸水溶液を、P(g):硫酸水溶液=1:7となるように添加混合して重合体を膨潤させて電解液を含むゲルとし、減圧下に脱泡してゲル状電解質G7を作製した。
【0065】
得られたゲル状電解質G7は形状安定性が良好であり、自己保持性を示すものであり、イオン伝導度は、6.3×10−1(S/cm)であって、鉛蓄電池用ゲル状電解質として実用的に使用可能であった。また、ゲル状電解質G7は、80℃、1000時間の加熱後においてゲル形状を保持しており、耐熱性が極めて良好であった。
【0066】
(比較例1)
水酸化カリウム(ナカライ製)49.4g(0.75mol)を60gのイオン交換水に溶解して水酸化カリウム水溶液を調製した。この水酸化カリウム水溶液とアクリル酸(ナカライ製)72g(1.0mol)を混合して中和することにより部分中和アクリル酸水溶液(中和度75%)を得た。
上記の部分中和アクリル酸水溶液160gとジビニルベンゼン2.6gを0.04gのポリビニルアルコール(商品名PVA−424H)を含む水50g中で混合し、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.12g,L−アスコルビン酸0.002gを添加し、親水性重合体形成組成物Hを得た。この親水性重合体形成組成物Hを50℃にて6時間反応させることにより、ゲル状親水性重合体hを得た。
【0067】
このゲル状親水性重合体hを1cm角程度に切断した後、150℃にて24時間乾燥することにより、親水性重合体粗粉末とし、該親水性重合体粗粉末を遠心粉砕機を用いて粉砕し、親水性重合体微粉末P(h)を得た。
【0068】
親水性重合体微粉末P(h)に4M硫酸水溶液を、P(h):硫酸水溶液=1:7となるように添加混合したところ、ゲル状電解質は得られなかった。
【0069】
(比較例2)
水酸化カリウム(ナカライ製)49.4g(0.75mol)を60gのイオン交換水に溶解して水酸化カリウム水溶液を調製した。この水酸化カリウム水溶液とアクリル酸(ナカライ製)72g(1.0mol)を混合して中和することにより部分中和アクリル酸水溶液(中和度75%)を得た。
上記の部分中和アクリル酸水溶液160gとジビニルベンゼン1.3gを0.04gのポリビニルアルコール(商品名PVA−424H)を含む水49g中で混合し、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.11g,L−アスコルビン酸0.002gを添加し、親水性重合体形成組成物Jを得た。この親水性重合体形成組成物Jを50℃にて6時間反応させることにより、ゲル状親水性重合体jを得た。
【0070】
このゲル状親水性重合体jを1cm角程度に切断した後、150℃にて24時間乾燥することにより、親水性重合体粗粉末とし、該親水性重合体粗粉末を遠心粉砕機を用いて粉砕し、親水性重合体微粉末P(j)を得た。
【0071】
親水性重合体微粉末P(j)に4M硫酸水溶液を、P(j):硫酸水溶液=1:7となるように添加混合したところ、ゲル状電解質は得られなかった。
【0072】
以上の実施例の結果から、本発明のゲル状電解質は、電解液保持率が重量比にて5倍を超え、鉛蓄電池用電解質として実用的なイオン伝導性を有すると共に、耐熱性(高温耐久性)にも優れたものであることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゲル状電解質を使用した密閉型鉛蓄電池の構造を例示した斜視図
【符号の説明】
10 鉛蓄電池
12 正極板
14 正極端子
16 負極板
18 負極端子
20 ゲル状電解質
22 ケース
Claims (6)
- (a)スルホン酸基含有モノビニルモノマー及びスルホン酸塩基含有モノビニルモノマーからなる群から選択される少なくとも1種のスルホン酸系モノビニルモノマーと(b)カルボキシル基含有モノビニルモノマー、エステル基含有モノビニルモノマー及び無水マレイン酸からなる群から選択される少なくとも1種のカルボン酸系モノビニルモノマー、及び(c)芳香族ポリビニルモノマーの少なくとも1種との架橋共重合体構造を有し、電解液保持率が5倍(重量比)以上であることを特徴とするゲル状電解質用親水性重合体。
- (a)スルホン酸基含有モノビニルモノマー及びスルホン酸塩基含有モノビニルモノマーからなる群から選択される少なくとも1種のスルホン酸系モノビニルモノマー、(b’)エステル基含有モノビニルモノマー及び無水マレイン酸からなる群から選択される少なくとも1種のカルボキシル基形成モノビニルモノマー、及び(c)芳香族ポリビニルモノマーの少なくとも1種とを共重合させる重合工程を有する電解液保持率が5倍(重量比)以上であるゲル状電解質用親水性重合体の製造方法。
- 前記重合工程は、水及び親水性溶剤から選択される少なくとも1種の溶剤を使用して行ってゲル化させる工程であり、前記溶剤を除去する乾燥工程を有する請求項2に記載のゲル状電解質用親水性重合体の製造方法。
- さらにエステル基又は酸無水物基を加水分解してカルボキシル基を形成し、スルホン酸基及びスルホン酸塩基から選択される少なくとも1種とカルボキシル基とを有する共重合体とする加水分解工程を有する請求項2又は3に記載のゲル状電解質用親水性重合体の製造方法。
- 請求項1に記載のゲル状電解質用親水性重合体にプロトン酸水溶液を含浸させたゲル状電解質。
- 請求項1に記載のゲル状電解質用親水性重合体にプロトン酸水溶液を含浸させたゲル状電解質を使用した鉛蓄電池。
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