JP2004292439A - フラン化合物の製造方法 - Google Patents

フラン化合物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004292439A
JP2004292439A JP2004065218A JP2004065218A JP2004292439A JP 2004292439 A JP2004292439 A JP 2004292439A JP 2004065218 A JP2004065218 A JP 2004065218A JP 2004065218 A JP2004065218 A JP 2004065218A JP 2004292439 A JP2004292439 A JP 2004292439A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
formula
ring
compound represented
substituted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004065218A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Kitano
真 北野
Mihoko Fujii
三穂子 藤井
Jun Oguma
潤 小熊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2004065218A priority Critical patent/JP2004292439A/ja
Publication of JP2004292439A publication Critical patent/JP2004292439A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】 反応活性基を芳香環上に有する3環性フラン化合物を効率よく製造できる製造方法を提供する。
【解決手段】 下式(2)
Figure 2004292439

〔式中、A環およびB環はそれぞれ独立に、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基等から選ばれる置換基を有していてもよい芳香環を示す。Y1およびY2はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、置換スルホネート基等を表す。aおよびbはそれぞれ独立に0〜2の整数を表すが、a+b≧1を満たす。〕
で示される化合物
を縮環反応させるとする下式(1)
Figure 2004292439

〔式中、A環、B環、Y1、Y2、aおよびbは、式(2)のものと同じ定義である。〕
で示されるフラン化合物の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、機能性高分子、医薬、農薬、工業薬品などの原料として有用なフラン化合物の製造方法に関する。
フラン環に2つの芳香環が縮合した3環性フラン化合物は、医薬、農薬、工業薬品として有用である(特開平11−80146、特開平9−151182)。
3環性フラン化合物のうち、ハロゲン原子、置換スルホネート基、−B(OH)、−B(OR)、−CH2R’2、−CH2R”3、−CH2PO(OR''')2 、(R、R’、R”およびR'''は、それぞれ独立にアルキル基、アリール基またはアリールアルキル基を表す。2つのRは一緒になって環を形成していてもよい。Xはハロゲン原子を表す。)、モノハロゲン化メチル基、ホルミル基、ビニル基等の反応活性基を芳香環上に有する化合物は、その反応活性基をアルキル基やアリール基、水酸基等に変換できることから、種々の3環性フラン化合物あるいはその重合体の原料としても有用と考えられる。
反応性活性基を有する3環性フラン化合物の製造方法としては、3環性フラン化合物に、上記反応活性基を導入する方法が知られており、その例として、3環性フラン化合物であるジベンゾフラン化合物と、臭素と反応させて、臭素が導入された3環性フラン化合物を製造する方法が知られている(非特許文献1)が、この方法では、臭素が1個導入されたジベンゾフラン化合物と、2個導入されたそれが混合物として生成する。
Aust.J.Chem.,39(12),p2177(1986)
このように、3環性フラン化合物に、反応活性基を導入する方法では、導入される反応活性基の数の制御や位置の選択性の制御が難しく必ずしも目的とする化合物を効率よく得られる訳ではなかった。
本発明の目的は、前記反応活性基を芳香環上に有する3環性フラン化合物を効率よく製造できる製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、2つの芳香環が、環に含まれる炭素原子同士で直接結合し、両方の芳香環が、それぞれ、直接結合位置の炭素原子の隣の炭素原子に結合した水酸基を有し、少なくとも1方の芳香環上に反応活性基を有するジオール化合物を縮環反応させることにより、前記反応活性基を芳香環上に有する3環性フラン化合物を効率よく製造できることを見出し、本発明を完成した。
即ち本発明は、下式(2)
Figure 2004292439

〔式中、A環およびB環はそれぞれ独立に、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、フッ素原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基およびシアノ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよい芳香環を示す。Y1およびY2はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、置換スルホネート基、−B(OH)、−B(OR)、−CH2R’2、−CH2R”3、−CH2PO(OR''')2 、モノハロゲン化メチル基、ホルミル基またはビニル基を表す。R、R’、R”およびR'''は、それぞれ独立にアルキル基、アリール基またはアリールアルキル基を表す。2つのRは一緒になって環を形成していてもよい。Xはハロゲン原子を表す。aおよびbはそれぞれ独立に0〜2の整数を表すが、a+b≧1を満たす。Y1、Y2、X,R、R”およびR'''がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。〕
で示される化合物
を縮環反応させることを特徴とする下式(1)
Figure 2004292439
〔式中、A環、B環、Y1、Y2、aおよびbは、式(2)のものと同じ定義である。〕
で示されるフラン化合物の製造方法を提供するものである。
本発明の製造方法により機能性高分子、医薬、農薬、工業薬品などの原料中間体として有用な、反応活性基を芳香環上に有するフラン化合物を効率よく製造することができる。
本発明の方法により製造されるフラン化合物の 式(1)におけるA環およびB環は、それぞれ独立に芳香環を示す。
該芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、テトラセン環、ペンタセン環、ピレン環、フェナントレン環等の芳香族炭化水素環;ピリジン環、ビピリジン環、フェナントロリン環、キノリン環、イソキノリン環、チオフェン環、フラン環、ピロール環などの複素芳香環が挙げられる。ここでA環およびB環の芳香環の種類は、同一でも異なっていてもよい。
A環およびB環は、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、フッ素原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基およびシアノ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよい。さらに、置換基が複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
ここにアルキル基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、炭素数が通常1〜20程度好ましくは炭素数1〜10であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、 i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ラウリル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基などが挙げられる。
アルコキシ基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、炭素数が通常1〜20程度、好ましくは炭素数1〜10であり、その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、 i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、メトキシメチルオキシ基、2−メトキシエチルオキシ基などが挙げられる。
アルキルチオ基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、炭素数が通常1〜20程度、好ましくは炭素数1〜10であり、その具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、 i−プロピルチオ基、ブチルチオ基、 i−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、ラウリルチオ基、トリフルオロメチルチオ基などが挙げられる。
アリール基は、芳香族炭化水素から、水素原子1個を除いた原子団であり、縮合環をもつもの、独立したベンゼン環または縮合環2個以上が直接またはビニレン等の基を介して結合したものも含まれる。アリール基は、通常炭素数が、通常6〜60程度、好ましくは炭素数6〜20であり、その具体例としては、フェニル基、C1〜C12アルコキシフェニル基(C1〜C12は、炭素数1〜12であることを示す。以下も同様である。)、C1〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、ペンタフルオロフェニル基などが例示される。
1〜C12アルコキシとして具体的には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、i−プロピルオキシ、ブトキシ、i−ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、3,7−ジメチルオクチルオキシ、ラウリルオキシなどが例示される。
1〜C12アルキルフェニル基として具体的にはメチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、プロピルフェニル基、メシチル基、メチルエチルフェニル基、i−プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、i−ブチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、イソアミルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ドデシルフェニル基などが例示される。
アリールオキシ基は、炭素数が、通常6〜60程度、好ましくは6〜20であり、その具体例としては、フェノキシ基、C1〜C12アルコキシフェノキシ基、C1〜C12アルキルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、ペンタフルオロフェニルオキシ基などが例示される。
1〜C12アルコキシとして具体的には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、i−プロピルオキシ、ブトキシ、i−ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、3,7−ジメチルオクチルオキシ、ラウリルオキシなどが例示される。
1〜C12アルキルフェノキシ基として具体的にはメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、プロピルフェノキシ基、1,3,5−トリメチルフェノキシ基、メチルエチルフェノキシ基、i−プロピルフェノキシ基、ブチルフェノキシ基、i−ブチルフェノキシ基、t−ブチルフェノキシ基、ペンチルフェノキシ基、イソアミルフェノキシ基、ヘキシルフェノキシ基、ヘプチルフェノキシ基、オクチルフェノキシ基、ノニルフェノキシ基、デシルフェノキシ基、ドデシルフェノキシ基などが例示される。
アリールチオ基は、炭素数が通常6〜60程度、好ましくは6〜20であり、その具体例としては、フェニルチオ基、C1〜C12アルコキシフェニルチオ基、C1〜C12アルキルフェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基などが例示される。
アリールアルキル基は、炭素数が通常7〜60程度、好ましくは7〜20であり、その具体例としては、フェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキル基、2−ナフチル−C1〜C12アルキル基などが例示される。
アリールアルコキシ基は、炭素数が通常7〜60程度、好ましくは7〜20であり、その具体例としては、フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基、フェニルブトキシ基、フェニルペンチロキシ基、フェニルヘキシロキシ基、フェニルヘプチロキシ基、フェニルオクチロキシ基などのフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルコキシ基、1−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基、2−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基などが例示される。
アリールアルキルチオ基は、炭素数が通常7〜60程度、好ましくは7〜20であり、その具体例としては、フェニル−C1〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルチオ基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルチオ基などが例示される。
アリールアルケニル基は、炭素数が通常8〜60程度、好ましくは8〜20であり、その具体例としては、フェニル−C2〜C12アルケニル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルケニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルケニル基、1−ナフチル−C2〜C12アルケニル基、2−ナフチル−C2〜C12アルケニル基などが例示される。
アリールアルキニル基は、炭素数が通常8〜60程度、好ましくは8〜20であり、その具体例としては、フェニル−C2〜C12アルキニル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルキニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルキニル基、1−ナフチル−C2〜C12アルキニル基、2−ナフチル−C2〜C12アルキニル基などが例示される。
置換アミノ基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基または1価の複素環基から選ばれる1または2個の基で置換されたアミノ基があげられる。該アルキル基、アリール基、アリールアルキル基または1価の複素環基は置換基を有していてもよい。置換アミノ基は、炭素数が該置換基の炭素数を含めないで通常1〜60程度、好ましくは1〜20であり、その具体例としては、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、i−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、i−ブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ラウリルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ピロリジル基、ピペリジル基、ジトリフルオロメチルアミノ基フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ペンタフルオロフェニルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピリダジニルアミノ基、ピリミジルアミノ基、ピラジルアミノ基、トリアジルアミノ基フェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基などが例示される。
置換シリル基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基または1価の複素環基から選ばれる1、2または3個の基で置換されたシリル基があげられる。
なお該アルキル基、アリール基、アリールアルキル基または1価の複素環基は置換基を有していてもよい。
置換シリル基は炭素数が通常1〜60程度、好ましくは1〜30であり、その具体例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリ−i−プロピルシリル基、ジメチル−i−プロピリシリル基、ジエチル−i−プロピルシリル基、t−ブチルシリルジメチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基、ラウリルジメチルシリル基、フェニル−C1〜C12アルキルシリル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルシリル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルシリル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルシリル基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルシリル基、フェニル−C1〜C12アルキルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基、トリベンジルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などが例示される。
アシル基は、炭素数が通常2〜20程度、好ましくは炭素数2〜10であり、その具体例としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、ペンタフルオロベンゾイル基などが例示される。
アシルオキシ基は、炭素数が通常2〜20程度、好ましくは炭素数2〜10であり、その具体例としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、ペンタフルオロベンゾイルオキシ基などが例示される。
イミン残基としては、イミン化合物(分子内に、−N=C-を持つ有機化合物のことをいう。その例として、アルジミン、ケチミン及びこれらのN上の水素原子が、アルキル基等で置換された化合物があげられる)から水素原子1個を除いた残基があげられ、炭素数2〜20程度であり、具体的には、以下の基などが例示される。

Figure 2004292439
アミド基は、通常炭素数2〜20程度、好ましくは2〜10であり、その具体例としては、ホルムアミド基、アセトアミド基、プロピオアミド基、ブチロアミド基、ベンズアミド基、トリフルオロアセトアミド基、ペンタフルオロベンズアミド基、ジホルムアミド基、ジアセトアミド基、ジプロピオアミド基、ジブチロアミド基、ジベンズアミド基、ジトリフルオロアセトアミド基、ジペンタフルオロベンズアミド基、などが例示される。
酸イミド基としては、酸イミドからその窒素原子に結合した水素原子を除いて得られる残基があげられ、炭素数は通常2〜60程度、好ましくは2〜20であり、具体的には、以下の基などが例示される

Figure 2004292439
1価の複素環基は、複素環化合物から水素原子1個を除いた残りの原子団をいい、炭素数が通常4〜60程度、好ましくは4〜20である。なお、複素環基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。ここに複素環化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、燐、硼素などのヘテロ原子を環内に含むものをいう。1価の複素環基の具体例としては、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基などが例示される。
置換カルボキシル基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基または1価の複素環基で置換されたカルボキシル基が挙げられる。
置換カルボキシル基は、炭素数が通常2〜60程度、好ましくは2〜20であり、その具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、i−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシロキシカルボニル基、シクロヘキシロキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシロキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、デシロキシカルボニル基、3,7−ジメチルオクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、ペンタフルオロエトキシカルボニル基、パーフルオロブトキシカルボニル基、パーフルオロヘキシルオキシカルボニル基、パーフルオロオクチルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基、ピリジルオキシカルボニル基、などが挙げられる。なお該アルキル基、アリール基、アリールアルキル基または1価の複素環基は置換基を有していてもよい。置換カルボキシル基の炭素数には該置換基の炭素数は含まれない。
上記置換基の例のうち、アルキル鎖を含む置換基においては、それらは直鎖、分岐または環状のいずれかまたはそれらの組み合わせであってもよく、直鎖でない場合、例えば、イソアミル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロヘキシル基、4−C1〜C12アルキルシクロヘキシル基などが例示される。また、2つのアルキル鎖の先端が連結されて環を形成していても良い。さらに、アルキル鎖の一部のメチル基やメチレン基がヘテロ原子を含む基や一つ以上のフッ素で置換されたメチル基やメチレン基で置き換えられていてもよく、それらのヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子などが例示される。
さらに、置換基の例のうち、アリール基や複素環基をその一部に含む場合は、それらがさらに1つ以上の置換基を有していてもよい。
式(1)におけるY1およびY2はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、置換スルホネート基、−B(OH)、−B(OR)、−CH2R’2、−CH2R”3、−CH2PO(OR''')2 、モノハロゲン化メチル基、ホルミル基またはビニル基を表す。R、R’、R”およびR'''は、それぞれ独立にアルキル基、アリール基またはアリールアルキル基を表す。2つのRは一緒になって環を形成していてもよい。Xはハロゲン原子を示す。
1、Y2、X,R、R”およびR'''がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
ここで ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示される。
置換スルホネート基としては、メタンスルホネート基、エタンスルホネート基、トリフルオロメタンスルホネート基、ベンゼンスルホネート基、p−トルエンスルホネート基、アリールスルホネート基としては、ベンジルスルホネート基などが例示される。
−B(OR)としては、下記式で示される基が例示される。

Figure 2004292439
式中、Meはメチル基を、Etはエチル基を示す。
−CH2R’2としては、下記式で示される基が例示される。
−CH2Me2Cl、−CH2Ph2Br
(Phはフェニル基を示す。)
−CH2R”3としては、下記式で示される基が例示される。
−CH2Ph3Br 、−CH2Me3Cl
−CH2PO(OR''')2 としては、下記式で示される基が例示される。
−CH2PO(OMe)2、−CH2PO(OEt)2
モノハロゲン化メチル基としては、フッ化メチル基、塩化メチル基、臭化メチル基、ヨウ化メチル基が例示される。
中でも他の置換基への変換において汎用性が高いという観点では、ハロゲン原子、置換スルホネート基、−B(OH)および−B(OR)が好ましい。
式(1)におけるaおよびbはそれぞれ独立に0〜2の整数を示すが、a+b≧1を満たす。
次に本発明における式(1)で示される化合物の具体例を示す。
a+b=1の場合の具体例としては、
Figure 2004292439

a+b=2の場合の具体例としては、

Figure 2004292439
Figure 2004292439
Figure 2004292439
a+b=3の場合の具体例としては、

Figure 2004292439
a+b=4の場合の具体例としては、
Figure 2004292439

などが挙げられる。ここでR11およびR12は、それぞれ独立に、水酸基、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソアミル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、イソアミルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、3−メチルフェニル基、3−ヘキシルフェニル基、3,5−ジ−t−ブチルフェニル基、2,6−ジメチル−4−t−ブチルフェニル基、ビフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、4−t−ブチルオキシフェニル基、4−ヘキシオキシルフェニル基、3−メトキシフェニル基、3−ヘキシルオキシフェニル基、3,5−ジ−t−ブチルオキシフェニル基、2,6−ジメチル−4−t−ブチルオキシフェニル基、4−フェノキシフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリイソブチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、1−ピレニル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−チエニル基、5−t−ブチル−2−チエニル基、2−キノリル基、フェノキシ基、ベンジル基、カルボキシル基、アシル基、アシルオキシ基、ジエチルアミノ基、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ホルムアミド基、アセトアミド基、プロピオアミド基、ベンズアミド基、トリフルオロアセトアミド基、ペンタフルオロベンズアミド基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、ペンタフルオロベンゾイル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、ペンタフルオロベンゾイルオキシ基、
または下記の基を示す。
Figure 2004292439

フラン環に隣接する芳香環(式(1)のA環またはB環に該当)が、ベンゼン環および複素環から選ばれる複数の環で構成されている場合には、R11およびR12は該複数の環のいずれに置換されていてもよい。またR11またはR12それぞれ複数存在するばあい、それらは同一であっても異なっていてもよい。
またY11およびY12は、それぞれ独立に、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素、メタンスルホネート基、エタンスルホネート基、トリフルオロメタンスルホネート基、または下記の基を示す。
Figure 2004292439
またuu、zzは、0または1を示す。cc、ee、tt、ff、yyは0〜2の整数を示す。aa、kk、ww、bb、ll、ooは0〜3の整数を示す。ii、vv、dd、jj、rr、abは0〜4の整数を示す。gg、hh、qq、ad、aeは0〜5の整数を示す。xx、pp、acは0〜6の整数を示す。mm、nnは0〜7の整数を示す。ssは0〜8の整数を示す。
一般式(1)で示される化合物の中で、機能性高分子のモノマーとしては、a+b=2のものが好ましく用いられる。またA環またはB環が芳香族炭化水素環のものが好ましく用いられ、より好ましくは、A環およびB環が芳香族炭化水素環のものであり、さらに好ましくはA環およびB環が、それぞれ独立にベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環のものである。中でも下記の式(3-1)、(3-2)、(3-3)、(3-4)および(3-5)で示される化合物が特に好ましく用いられる。
Figure 2004292439

Figure 2004292439

Figure 2004292439
ここで、R1およびR2は、それぞれ独立に、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、フッ素原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基およびシアノ基を示す。cおよびdはそれぞれ独立に0〜3の整数を示す。e、f、gおよびhはそれぞれ独立に0〜5の整数を示す。i、j、kおよびlはそれぞれ独立に0〜7の整数を示す。YおよびYはそれぞれ独立にハロゲン原子、置換スルホネート基、−B(OH)、−B(OR)、−CH2R’2、−CH2R”3、−CH2PO(OR''')2 、モノハロゲン化メチル基、ホルミル基、ビニル基から選ばれる置換基を表す。R、R’、R”、R'''は、式(2)のものと同じ定義である。
1およびR2として好ましくは、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、置換アミノ基、置換シリル基、フッ素原子、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基およびシアノ基が好ましく、中でもアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、1価の複素環基がさらに好ましい。また重合反応で生成する高分子の溶解性を高めるという観点では、少なくとも1種類の置換基を有していることが好ましい。すなわちc+d≧1、e+f≧1、g+h≧1、i+j≧1およびk+l≧1を満たすことが好ましい。
およびYとして好ましい置換基は、重合反応の種類によって異なるが、例えばYamamotoカップリング反応など0価ニッケル錯体を用いる場合には、ハロゲン原子、置換スルホネート基が挙げられる。またSuzukiカップリング反応などニッケル触媒あるいはパラジウム触媒を用いる場合には、置換スルホネート基、ハロゲン原子、−B(OH)、−B(OR)などが挙げられる。
式(3-1)、(3-2)、(3-3)、(3-4)および(3-5)で示される化合物の中では、式(3-1)、(3-2)および(3-3)で示される化合物が特に好ましく用いられる。
本発明の製造方法は、上式(1)のフラン化合物の製造方法であり、式(2)

Figure 2004292439
の化合物を縮環反応させることを特徴とする。
ここに、A環、B環、Y1、Y2、aおよびbの定義、具体例および好ましい例は、前記と同じである。
式(2)において、A環とB環との直接結合の結合位置の2個の原子および水酸基(−OH)の結合位置の2個の原子は、いずれも炭素原子である。
式(2)で示される化合物のうちa+b=1の場合の具体例としては、
Figure 2004292439
a+b=2の場合の具体例としては、
Figure 2004292439

Figure 2004292439


a+b=3の場合の具体例としては、

Figure 2004292439
a+b=4の場合の具体例としては、

Figure 2004292439

などが挙げられる。置換基R11およびR12、置換基の数を示す添え字aa、bb、cc、dd、ee、ff、gg、hh、ii、jj、kk、ll、mm、nn、oo、pp、qq、rr、ss、tt、uu、vv、ww、xx、yy、zz、ab、ac、adおよびae、並びにY11およびY12は式(1)の場合と同じである。
本発明の製造方法は上記(2)で示される化合物を原料に用いた縮環反応であることを特徴としており、上記(2)で示される化合物を不活性雰囲気下100℃以上の高温で縮環させる反応や酸触媒を用いて縮環させる反応、スルホン酸もしくはホスホン酸基を有する高分子化合物、または珪酸塩類を触媒として用いて縮環させる反応が挙げられる。
酸触媒としては、塩酸、硫酸、臭化水素、ヨウ化水素、蓚酸、亜リン酸、ポリリン酸、オルトリン酸、酢酸、無水酢酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、ClSOH、FSOH、CFSOH、CSOH、CSOH,C13SOHなどが挙げられる。
酸触媒として用いられる酸が室温で液体、または室温以上に加熱して溶融する場合は、他の溶媒を用いずに酸触媒と上記(2)で示される化合物を加熱攪拌し反応させることができる。酸触媒が常温で気体または固体の場合には、通常、酢酸もしくは無水酢酸など他の液体の酸、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、クロロベンゼンもしくはo−ジクロロベンゼンなどハロゲン系溶媒、またはベンゼン、トルエン、メシチレンもしくはテトラリンなどの芳香族系の溶媒などに溶解して用いる。
スルホン酸もしくはホスホン酸基を有する高分子化合物としては、側鎖として1種類以上のスルホン酸もしくはホスホン酸基、または下記の一般式(P-1)、(P-2)、(P-3)および(P-4)で示される超強酸基を有する高分子が挙げられる。
−G−SO (P-1)
−G−SOSO−E (P-2)
−G−P(O)(O (P-3)
−G−P(O)O−E (P-4)
(式中、Gは水素の一部または全部がフッ素置換されたアルキレン基、水素の一部または全部がフッ素で置換されたアラルキレン基、または水素の一部または全部がフッ素で置換されたアリーレン基を表わし、Wは陽イオンを表し、Eは水素の一部または全部がフッ素で置換されたアルキル基、水素の一部または全部がフッ素で置換されたアラルキル基、または水素の一部または全部がフッ素で置換されたアリール基を表わす。)
ここで、Wの代表例としては、例えば水素イオン、ナトリウムイオン、リチウムイオン等のアルカリ金属イオン等が挙げられる。固体酸としては水素イオンであることが好ましい。
またGにおけるアルキレン基は、通常炭素数1〜6程度、アラルキレン基は、通常炭素数7〜12の程度、アリーレン基は、通常炭素数6〜10程度である。なかでもGは、水素の全部がフッ素で置換されたアルキレン基、水素の全部がフッ素置換されたアラルキレン基、または水素の全部がフッ素置換されたアリーレン基であることが好ましい。Gの好ましい例としては、例えばジフルオロメチレン基、テトラフルオロエチレン基、ヘキサフルオロプロピレン基、ヘキサフルオロベンジレン基、テトラフルオロフェニレン基、ヘキサフルオロナフチレン基などが挙げられる。
Eにおけるアルキル基は、通常炭素数1〜6程度、アラルキル基は、通常炭素数7〜12程度、アリール基は、通常炭素数6〜10程度である。なかでもEは、水素の全部がフッ素で置換されたアルキル基、水素の全部がフッ素置換されたアラルキル基、または水素の全部がフッ素置換されたアリール基であることが好ましい。Eの好ましい例としては、例えばトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ヘプタフルオロベンジル基、ペンタフルオロフェニル基、ヘプタフルオロナフチル基などが挙げられる。
該高分子の主鎖としては、スルホン酸もしくはホスホン酸基、または前記(P-1)、(P-2)、(P-3)および(P-4)で示される超強酸基を側鎖に有しており、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリスチレン系、ポリエーテル系、ポリエーテルケトン系、ポリエーテルスルホン系、ポリフェニレンエーテル系、ポリナフチレン系、ポリフェニレン系、ポリアニリン系、ポリチオフェン系、ポリピロール系、ポリフェニレンビニレン系、ポリフェニレンスルフィド系、ポリエーテルエーテルケトン系、ポリエーテルエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリエーテルスルホン系、ポリエーテルケトン系、ポリベンズイミダゾール系およびこれらの2種類以上を含む系などが挙げられる。
また該高分子の主鎖と超強酸基は、直接または炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数1〜20のアルキレンジオキシ基、−O−、−S−、−CO−、−SO−、およびこれらの同一または異なるもの同士の繰り返しからなる基で連結されていたもよいし、超強酸基の一部が主鎖に組み込まれていてもよい。また該アルキレン基およびアルキレンジオキシ基は、水素の一部または全部がフッ素に置換されていてもよい。
上記反応においては、式(2)で示される化合物とスルホン酸もしくはホスホン酸基を有する高分子化合物を混合し直接接触させて反応させてもよいし、該混合物を加熱し溶融状態で反応させてもよい。また適当な溶媒を用いて反応させてもよい。溶媒を用いる場合にはスルホン酸もしくはホスホン酸基を有する高分子化合物を溶解しないものが好ましい。
珪酸塩類としては、ホウ珪酸類、アルミノシリケート、シリカゲル、活性白土、モンモリロナイトなどが挙げられる。
反応収率または副反応が起こりにくいという観点からスルホン酸もしくはホスホン酸基を有する高分子化合物または珪酸塩類を触媒として用いる反応が好ましく、中でも珪酸塩類を触媒として用いる反応がさらに好ましい。
また触媒として用いる珪酸塩類の中では、アルミノシリケートが好ましく、具体的にはウンモ群、チョウ石群、スカポライト群、フッ石群などの鉱物類、アモルファスシリカ−アルミナが挙げられる。
また珪酸塩類の中では、ゼオライトが好ましい。
これらの中で反応収率がよいという観点では、アルミノシリケートであるゼオライトがより好ましい。
ゼオライトの好ましいポアサイズは、原料である式(2)で示される化合物の種類にもよるが、芳香環がベンゼン環または複素環が1〜2個で、かつ置換基に炭素数3以上の長鎖アルキル基およびアリール基が含まれない場合には、7〜9Å程度である。またゼオライトの好ましいシリカ/アルミナ比は5〜100で、7〜50がさらに好ましい。ゼオライトの種類としてはY型ゼオライトが好ましい。
またゼオライトのカチオン種としては、プロトン、カリウム、NH 、ナトリウムなどが挙げられるが、転移反応など副反応を防ぐという観点では非プロトン系のものが好ましく、NH のものがさらに好ましい。
上記式(2)で示される化合物は、下記式(4)で示される化合物

Figure 2004292439

のRおよびRを脱離させることにより製造することができる。
この方法により製造した(2)を縮環反応させて、(1)を製造することができる。
ここで置換基RおよびRは、それぞれ独立に、アルキル基、アリールアルキル基、置換シリル基またはアシル基、ホスフィニル基、スルフォニル基を示す。A環およびB環は式(2)のものと同じ定義である。
ホスフィニル基としては、炭素数は通常2〜20程度である。具体的には、下記式で示される基が例示される。
Figure 2004292439

式中、Buはブチル基である。
スルフォニル基としては、炭素数は通常2〜20程度である。具体的には、下記式で示される基が例示される。
Figure 2004292439

次に式(4)で示される化合物の置換基RおよびRの脱離反応における試薬としては、RおよびRがアルキル基、アリールアルキル基の場合には、ヨードトリメチルシラン/塩化メチレン、ヨードトリメチルシラン/キノリン、カリウムチオフェノキシド、ナトリウムスルフィド/N−メチルピロリドン、シアン化ナトリウム/ジメチルスルホキシド、ヨウ化リチウムコロイド、三臭化アルミニウム、三臭化ホウ素/塩化メチレン、9−ブロモ−9−ボラビシクロ[3.3.0]ノナン、2−ブロモ−1,3,2−ベンゾヂオキサボロール/塩化メチレン、臭化水素/酢酸、三塩化ホウ素/塩化メチレン、三塩化アルミニウム、塩化リチウム/ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。RおよびRが置換シリル基の場合には、フッ化物の塩、塩酸、硫酸、酢酸、蓚酸などの酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、ピリジンなどの塩基が挙げられる。Rがアシル基の場合には、炭酸水素ナトリウム/メタノール、塩酸、アンモニア水、水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム、p−トルエンスルホン酸/トルエン、(NHC=NH/メタノールなどが挙げられる。
およびRがホスフィニル基の場合には、フッ化水素、トリエチルアミン/メタノール、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ピリジン/ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。RおよびRがスルフォニル基の場合には、水酸化カリウム/水/エタノール、水酸化ナトリウム、フェニルマグネシウムブロミド、フェニルリチウムなどが挙げられる。反応時間および反応時間は、置換基RおよびRの種類や反応条件にもよるが、通常5分から24時間程度で0〜100℃の範囲である。
上記式(4)で示される化合物は、下記式(5-1)および(5-2)で示される化合物
Figure 2004292439

をカップリング反応させて、下記式(5-3)で示される化合物
Figure 2004292439

とした後、
1および/またはY2
(Y1およびY2は式(2)と同じ意味を表す。)
を導入することにより製造することができる。
この方法により製造した(4)のRおよびRを脱離させて(2)を製造し、それを縮環反応させて、(1)を製造することができる
ここでZは、ハロゲン原子、置換スルホネート基、−B(OH)および−B(OR)から選ばれる基を示す。Zは、ハロゲン原子および置換スルホネート基から選ばれる基を示す。R,R’、R”、R'''、X、A環およびB環は式(2)のものと同じ定義である。またRおよびRは式(4)のものと同じ定義である。
およびZとして好ましい置換基は、カップリング反応の種類によって異なるが、例えばYamamotoカップリング反応などゼロ価ニッケル錯体を用いる場合には、ZおよびZはそれぞれ独立にハロゲン原子、置換スルホネート基、である。またSuzukiカップリング反応などニッケル触媒またはパラジウム触媒を用いる場合には、Zはハロゲン原子、置換スルホネート基、−B(OH)および−B(OR)から選ばれる基を示す。Zはハロゲン原子および置換スルホネート基である。
Suzukiカップリング反応の場合は、触媒として、例えばパラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、パラジウムアセテート類などを用い、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化バリウム等の無機塩基、トリエチルアミン等の有機塩基、フッ化セシウムなどの無機塩をモノマーに対して当量以上、好ましくは1〜10当量加えて反応させる。無機塩を水溶液として、2相系で反応させてもよい。溶媒としては、 N、N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどが例示される。溶媒にもよるが50〜160℃程度の温度が好適に用いられる。溶媒の沸点近くまで昇温し、還流させてもよい。反応時間は1時間から200時間程度である。
Suzukiカップリング反応については、例えば、ケミカル レビュー(Chem.Rev.),第95巻,2457頁(1995年)に記載されている。
ゼロ価ニッケル錯体を用いたカップリング反応の場合について説明する。ゼロ価ニッケル錯体としては、ゼロ価ニッケル錯体を使う方法と、ニッケル塩を還元剤の存在下で反応させ、系内でゼロ価ニッケルを生成させ、反応させる方法がある。
ゼロ価ニッケル錯体としては、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、(エチレン)ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケルなどが例示され、中でも、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)が、汎用性で安価という観点で好ましい。
また、中性配位子を添加することが、収率向上の観点から好ましい。
ここに、中性配位子とは、アニオンやカチオンを有していない配位子であり、2,2’−ビピリジル、1,10−フェナントロリン、メチレンビスオキサゾリン、N,N‘−テトラメチルエチレンジアミン等の含窒素配位子;トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェノキシホスフィン等の第三ホスフィン配位子などが例示され、汎用性、安価の点で含窒素配位子が好ましく、2,2’−ビピリジルが高反応性、高収率の点で特に好ましい。 特に、重合体の収率向上の点から、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を含む系に中性配位子として2,2’−ビピリジルを加えた系が好ましい。系内でゼロ価ニッケルを反応させる方法においては、ニッケル塩として塩化ニッケル、酢酸ニッケル等が挙げられる。還元剤としては、亜鉛,水素化ナトリウム,ヒドラジンおよびその誘導体、リチウムアルミニウムハイドライドなどが上げられ、必要に応じて添加物として、よう化アンモニウム、よう化リチウム、よう化カリウム等が用いられる。
次に式(5-3)で示される化合物に式(2)の置換基Y1およびY2を導入する反応としては特に制限はないが、式(5-3)で示される化合物とホルミル化試剤と反応させることによりY1およびYがホルミル基である式(2)で示される化合物を製造することができる。さらに該ホルミル基を還元してハロゲン化試剤と反応させることによりY1およびYがモノハロゲノメチル基である式(2)で示される化合物を製造することができる。また該ホルミル基をWittig試薬、またはHoner試薬と反応させてY1およびYがビニル基である式(2)で示される化合物を製造することができる。
また式(5-3)で示される化合物とパラホルムおよびハロゲン化水素と反応させることによりY1およびYがモノハロゲノメチル基である式(2)で示される化合物を製造することができる。
該モノハロゲノメチル基とジアルキルスルフィド類を反応させることでY1およびYが−CH2R’2である式(2)で示される化合物を製造することができる。また該モノハロゲノメチル基とアルキルホスフィンまたはアリールホスフィン類を反応させることでY1およびYが−CH2R”3である式(2)で示される化合物を製造することができる。さらに該モノハロゲノメチル基とアルキルホスフィンまたはリン酸エステル類を反応させることでY1およびYが−CH2PO(OR''')2である式(2)で示される化合物を製造することができる。また前記式(5-3)で示される化合物とハロゲン化試剤と反応させる、または前記式(5-3)で示される化合物と塩基を反応させた後ハロゲン化試剤と反応させることにより、Y1およびYがハロゲン原子である式(2)で示される化合物を製造することができる。ここでR’、R”、R'''は、式(2)のものと同じ定義である。
さらに該ハロゲン原子を塩基と反応させた後、ホウ酸化合物と反応させることによりY1およびYが−B(OH)または−B(OR)である式(2)で示される化合物を製造することができる。さらに該ホウ酸化合物を過酸化水素などで分解した後、スルホネート化することによりY1およびYが置換スルホネート基である式(2)で示される化合物を製造することができる。ここでRは、式(2)のものと同じ定義である。
1およびYを導入する反応に用いられるハロゲン化試剤としては、N−クロロスクシンイミド、N−クロロフタル酸イミド、N−クロロジエチルアミン、N−クロロジブチルアミン、N−クロロシクロへキシルアミン、N−ブロモスクシンイミド、N−ブロモフタル酸イミドN−ブロモジトリフルオロメチルアミン、N−ヨウドスクシンイミド、N−ヨウドフタル酸イミドなどのN−ハロゲノ化合物、およびフッ素、フルオロキシトリフルオロメタン、二フッ化酸素、フッ化パークロリル、フッ化コバルト(III)、フッ化銀(II)、フッ化セレン(IV)、フッ化マンガン(III)、塩素、ヨウドトリクロライド、三塩化アルミ、塩化テルル(IV)、塩化モリブデン、塩化アンチモン、塩化鉄(III)、四塩化チタン、五塩化リン、塩化チオニル、臭素、1,2−ジブロモエタン、三臭化ホウ素、臭化銅、臭化銀、臭化−t−ブチル、酸化臭素、ヨウ素、ヨウドモノクロライドなどが例示される。
また、塩基としては、リチウムヒドリド、ナトリウムヒドリド、カリウムヒドリド、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジドなどが例示される。
また、反応に用いられる溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンなどの不飽和炭化水素、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサンなどのハロゲン化飽和炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンなどのハロゲン化不飽和炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類、蟻酸、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンなどのエーテル類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N, N‘,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ピリジンなどのアミン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルモルホリンオキシドなどのアミド類などが例示され、反応に応じてこれらのなかから単一溶媒、またはこれらの混合溶媒を用いることができる。
反応後は、例えば、水でクエンチした後に有機溶媒で抽出した後に、溶媒を留去するなど、通常の後処理で得ることができる。
生成物の単離及び精製はクロマトグラフィーによる分取や再結晶などの方法が用いることができる。
また(4)で示される化合物は、下記式(6-1)および(6-2)で示される化合物
Figure 2004292439

をカップリング反応させることにより製造することができる。
この方法により製造した(4)のRおよびRを脱離させて(2)を製造し、それを縮環反応させて、(1)を製造することができる

ここでZは、ハロゲン原子、置換スルホネート基、−B(OH)および−B(OR)から選ばれる基を示す。Zは、ハロゲン原子および置換スルホネート基、から選ばれる基を示す。RおよびRは、式(4)のものと同じ定義である。R,Y、Y、A環、B環、aおよびbは式(2)のものと同じ定義である。
カップリング反応の種類および反応条件については、前記の式(5-1)と式(5-2)で示される化合物のカップリング反応のものと同じである。ただしY、Yのいずれかが、ハロゲン原子および置換スルホネート基から選ばれる基である場合には、ZおよびZは、YおよびYよりもカップリング反応時の反応活性が高い基である必要がある。またY、Yのいずれかが−B(OH)および−B(OR)から選ばれる基である場合には、−B(OH)および−B(OR)が不活性なカップリング反応を用いることが好ましい。
また前記記式(2)で示される化合物は、下記式(5-4)および(5-5)で示される化合物

Figure 2004292439

をカップリング反応させて、下記式(5-6)で示される化合物
Figure 2004292439

とした後、
ハロゲン原子、置換スルホネート基、−B(OH)、−B(OR)、−CH2R’2、−CH2R”3、−CH2PO(OR''')2 、モノハロゲン化メチル基、ホルミル基、ビニル基から選ばれる置換基を導入することにより製造することができる。
この方法により製造した(2)を縮環反応させて、(1)を製造することができる

ここでZは、式(5-1)のものと同じ定義である。Zは、式(5-2)のものと同じ定義である。A環およびB環は式(2)のものと同じ定義である。また、R、R’、R”、R'''およびXは、式(2)のものと同じ定義である。
カップリング反応の種類および反応条件については、前記の式(5-1)と式(5-2)で示される化合物のカップリング反応のものと同じである。また式(5-6)で示される化合物に式(2)のY1およびYを導入する反応については、式(5-3)で示される化合物の場合と同じである。
また式(2)で示される化合物は、下記式(6-3)および(6-4)で示される化合物
Figure 2004292439

をカップリング反応させることに製造することができる。
この方法により製造した(2)を縮環反応させて、(1)を製造することができる

ここでZは、式(6-1)のものと同じ定義である。Zは、式(6-2)のものと同じ定義である。YおよびY、A環、B環、aおよびbは式(2)のものと同じ定義である。
カップリング反応の種類および反応条件については、前記の式(5-1)と式(5-2)で示される化合物のカップリング反応のものと同じである。ただしY、Yのいずれかが、ハロゲン原子および置換スルホネート基から選ばれる基である場合には、ZおよびZは、YおよびYよりもカップリング反応時の反応活性が高い基である必要がある。またY、Yのいずれかが−B(OH)および−B(OR)から選ばれる基である場合には、−B(OH)および−B(OR)が不活性なカップリング反応を用いることが好ましい。
式(1)で示される化合物の合成ルートの中では、式(5-1)および式(5-2)で示される化合物をカップリング反応させて式(5-3)で示される化合物とした後、ハロゲン原子、置換スルホネート基、−B(OH)、−B(OR)、−CH2R’2、−CH2R”3、−CH2PO(OR''')2 、モノハロゲン化メチル基、ホルミル基、ビニル基から選ばれる置換基を導入し、式(4)で示される化合物とし、さらに置換基RおよびRを脱離させることにより得られた式(2)で示される化合物を縮環反応させて、式(1)で示される化合物を製造する合成ルート(合成ルートI)および式(5-4)および式(5-5)で示される化合物をカップリング反応させて、式(5-6)で示される化合物とした後、ハロゲン原子、置換スルホネート基、−B(OH)、−B(OR)、−CH2R’2、−CH2R”3、−CH2PO(OR''')2 、モノハロゲン化メチル基、ホルミル基、ビニル基から選ばれる置換基を導入することにより得られた式(2)で示される化合物を縮環反応させて、式(1)で示される化合物を製造する合成ルート(合成ルートII)の2つのルートが、カップリング反応時の置換基の制約が少ないという点で好ましい。
式(2)で示される化合物のうち下記式(7)で示される化合物
Figure 2004292439

は、縮環反応時の反応活性が高く、式(1)で示される化合物の原料として好ましく用いられる。
ここでYおよびYは、それぞれ独立にハロゲン原子、置換スルホネート基、−B(OH)、−B(OR)、−CH2R’2、−CH2R”3、−CH2PO(OR''')2 、モノハロゲン化メチル基、ホルミル基、ビニル基から選ばれる置換基を表す。R、R’、R”、R'''およびXは、式(2)のものと同じ定義である。C環およびD環はそれぞれ独立に、水酸基、炭素数4以上の置換アミノ基、炭素数6以上の置換シリル基からなる群から選ばれる置換基を有している芳香環を示す。mおよびnはそれぞれ独立に0〜2の整数を示し、かつm+n≧1を満たす。
中でも機能性高分子材料のモノマーとして有用な式(3-1)で示される化合物の原料のひとつとして、下記の式(7-2)で示される化合物。

Figure 2004292439

が好ましく用いられる。
ここでYおよびYは、それぞれ独立にハロゲン原子、置換スルホネート基、−B(OH)、−B(OR)、から選ばれる置換基を表す。YおよびYは好ましくは、ハロゲン原子である。Rは、式(2)のものと同じ定義である。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ここで、反応時の生成物の量については、アセトニトリルまたはアセトニトリル(酢酸)/水(酢酸)を溶媒として、液体クロマトグラフィーを用いて波長254nmの吸光度でのクロマトグラムの面積比(LC面百)より算出した。
実施例1(化合物Aの合成)
Figure 2004292439
化合物A
不活性雰囲気下三つ口フラスコに亜鉛粉末(22.8g)、塩化ニッケル(1.5g)、2,2‘−ビピリジル(1.8g)およびトリフェニルホスフィン(15.8g)を仕込み脱水ジメチルアセトアミド(200ml)に溶解した。溶液をアルゴンガスで30分脱気した後オイルバスで60℃まで加熱し、同じく脱気した1−ブロモ−2,5−ジメトキシベンゼン(50.0g)を滴下した。滴下終了後3時間反応した後室温まで冷却した。沈殿をろ過しトルエンを加えて、塩酸(1mol/L)洗浄・水洗浄した後、溶媒を留去した。シリカゲルクロマトグラフィーで精製し目的物を得た(収量12g、収率38%)。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ3.73(s、6H)、3.78(s、6H)、6.8〜6.9(m、6H)
実施例2(化合物Aの合成2)
不活性雰囲気下三つ口フラスコに2,5−ジメトキシフェニルホウ酸(20.1g)、1−ブロモ−2,5−ジメトキシベンゼン(20.0g)、炭酸カリウム(31.8g)、トルエン(114ml)、水(114ml)を仕込みアルゴンガスで30分間脱気した。パラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(0.53g)をアルゴン気流下で仕込み、オイルバスで100℃に昇温し12時間反応させた。反応終了後室温に戻し、トルエン層を水洗後、トルエン溶液をシリカゲルのショートカラムに通してPd触媒を除いた後、溶媒を留去して目的物を得た(収量19.3g、収率76%)。
実施例3 (化合物Bの合成)
Figure 2004292439

化合物B
不活性雰囲気下の三つ口フラスコに化合物A(7.0g)を入れ、脱水N,N−ジメチルホルムアミド(100ml)に溶解した。フラスコを氷浴で冷却しながら、滴下ロートからN−クロロスクシンイミド(6.8g)の脱水N,N−ジメチルホルムアミド(70ml)を15分かけて滴下した。滴下終了後ゆっくりと攪拌しながらゆっくりと室温へ戻し、1日攪拌した。
反応液に水(300ml)を加えて、析出した沈殿をろ別回収した。得られた沈殿をトルエン/ヘキサンで再結晶し目的物を得た(収量 5.8g、収量66%)。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ3.74(s、6H)、3.87(s、6H)、6.85(s、2H)、7.02(s、2H)
実施例4 (化合物Cの合成)
Figure 2004292439

化合物C
不活性雰囲気下の三つ口フラスコに化合物B(5.8g)を入れ、脱水塩化メチレン(100ml)に溶解した。フラスコを氷浴で冷却しながら、滴下ロートから三臭化ホウ素の塩化メチレン溶液(1mol/L、50ml)を30分かけて滴下した。滴下終了後ゆっくりと攪拌しながらゆっくりと室温へ戻し、一夜攪拌した。
反応液から酢酸エチルで抽出し、有機層を水洗いした後、溶媒を留去して目的物を得た(収量 4.9g、定量的)。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ6.64(s、2H)、6.82(s、2H)、8.9〜9.1(br、2H)、9.37(s、2H)。
実施例5 (化合物Dの合成)
Figure 2004292439



化合物D
不活性雰囲気下の三つ口フラスコに化合物C(4.8g)、ゼオライト(6.7g;Zeolite HSZ-360HUA(Tosoh)、Y型ゼオライト、ポアサイズ8.5Å、カチオン種H)およびモレキュラーシーブスで乾燥したo−ジクロロベンゼン(170ml)を加えた。オイルバスで加熱(バス温180℃)しながら13時間攪拌した。生成物は目的物が主生成物であった。LC面百より目的物の生成量は約80%であり、異性体の生成量は最大のものでも5%以下であった。反応液を室温付近まで冷却し、ヘキサン(200ml)を加えた。析出したろ別し、ヘキサンで洗浄・乾燥した。沈殿から酢酸エチルで抽出し、その溶液をシリカゲルのショートカラムでボトムカットした後、溶媒を留去して、目的物を得た(収量3.5g)。
MSスペクトル:[M-H]- 267.0
合成例1 (化合物Dを原料として合成した化合物)
Figure 2004292439

化合物E
不活性雰囲気下の三つ口フラスコに化合物D(4.2g)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(5.7g)入れ、脱水塩化メチレン(40ml)に溶解した。フラスコを氷浴で冷やしながらトリフルオロメタンスルホン酸無水物(11g)を30分かけて滴下した。そのままゆっくりと室温まで昇温し5時間攪拌した。トルエンを加えてろ過し、ろ液をシリカゲルのショートカラムでボトムカットした後、溶媒を留去した。得られた固体をトルエン/ヘキサン系で再結晶し目的物を得た(7.6g)。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ7.80(s、2H)、7.93(s、2H)。
Figure 2004292439

化合物F
不活性雰囲気下の100mlの反応管に化合物E(3.9g)、4−n−ブチル−ベンゼンホウ酸(3.9g)、炭酸カリウム(5.1g)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.14g)入れ、脱気したトルエン(20ml)および水(20ml)を加えて溶解し100℃で12時間反応させた。
反応終了後、トルエン層を水で洗浄後、シリカゲルのショートカラムでボトムカットして溶媒を留去した。得られた固体をシリカゲルカラムで精製し目的物を得た(収量3.3g、化合物Cからの収率40%、化合物Aからの収率26%)。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ0.97(t、6H)、1.42(m、4H)、1.67(m、4H)、2.69(t、4H)、7.28(d、4H)、7.39(d、4H)、7.70(s、2H)、7.84(s、2H)。
Figure 2004292439

化合物G
不活性雰囲気下の三つ口フラスコに化合物D(7.0g)、炭酸カリウム(8.7g)入れ、1−ブロモオクタン(10.6)、ジメチルホルムアミド(190ml)に仕込みオイルバスで160℃に昇温し6時間反応させた。反応終了後室温に戻し、水を加えた後酢酸エチルで抽出し、水洗後、溶媒を留去した。シリカゲルクロマトグラフィーで精製し目的物を得た(収量5.8g、化合物Cからの収率37%、化合物Aからの収率24%)。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ0.90(t、6H)、1.4〜1.6(m、20H)、1.8〜2.0(m、4H),4.11(t,4H),7.35(s、2H),7.56(s、2H)。

1−ブロモ−2,5−ジメトキシベンゼンを原料として、実施例2〜5記載の方法を用いて化合物Dを経由するルートで化合物Gをした場合、各工程の収率から求めたトータルの収率は、19%であった。
実施例6 (化合物Hの合成)
Figure 2004292439

化合物H
N−クロロスクシンイミドの代わりに、N−ブロモスクシンイミドを用いて、実施例2と同様に化合物A(20g)を臭素化し、実施例3と同様に脱Me化することで目的物を得た(収量17.4g;化合物Aからの収率63%)。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ6.74(s、2H)、6.97(s、2H)、8.97(s、2H)、9.45(s、2H)。
実施例7 (化合物Iの合成)
Figure 2004292439

化合物I
不活性雰囲気下の三つ口フラスコに化合物H(17.4g)、ゼオライト(4.7g;Zeolite HSZ-360HUA(Tosoh)、Y型ゼオライト、ポアサイズ8.5Å、カチオン種H)、およびモレキュラーシーブスで乾燥したo−ジクロロベンゼン(170ml)を加えた。オイルバスで加熱しながら攪拌した(バス温140℃×11時間および150℃×7時間)。反応の進行が止まり、原料が多く残ったので、同量のゼオライトを追加しさらに反応を延長した(バス温150℃×10時間)。生成物の主成分は目的物であった。LC面百より目的物の生成量は約32%であった。目的物以外に原料45%と異性体が見られた。異性体の生成量は最大のもので7%程度であった。反応液を室温付近まで冷却し、ヘキサン(1050ml)を加えた。析出したろ別し、ヘキサンで洗浄・乾燥し目的物を得た(収量2.1g;収率20%)。
MSスペクトル:[M-H]- 356.9
実施例8 (化合物Iの合成2)
不活性雰囲気下のフラスコに化合物H(100g)、ゼオライト(26.6g;Zeolite HSZ-371NHA(Tosoh)、Y型ゼオライト、ポアサイズ8.5Å、カチオン種NH )、およびモレキュラーシーブスで乾燥したo−ジクロロベンゼン(2850ml)を加えた。オイルバスで加熱しながら攪拌した(バス温180℃×16時間)。生成物は目的物が主生成物であった。LC面百より目的物の生成量は約70%であり、異性体の生成量は最大のものでも5%以下であった。80付近まで冷却し、酢酸エチルを加えてゼオライトをろ別した。ろ別したさらにゼオライトから加熱した酢酸エチルで抽出しゼオライトをろ別した。ろ液を合わせて溶媒を留去した後、トルエン/酢酸エチルで再結晶し目的物を得た(収量56.1g;収率59%)。

合成例2 (化合物Iを原料として合成した化合物)
Figure 2004292439

化合物J
三つ口フラスコに化合物I(0.93g)、4−ブチルフェニルボロン酸(1.0g)、酢酸銅(II)(0.71g)、モレキュラーシーブス4A(9.3g、粉末)、ジクロロメタン31ml、およびピリジン(0.41g)を室温、空気中で3時間撹拌した。反応液をセライトでろ過後、ろ液をクロロホルムと塩酸(1mol/L)で分離、有機層を抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した。シリカゲルカラム(トルエン:シクロヘキサン=1:2)にて精製し、さらにヘキサンで加熱洗浄することにより、目的物(白色固体)を得た(0.52g)。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ0.92(t、6H)、1.35(m、4H)、1.54(m、4H)、2.58(t、4H)、6.89(dd、4H)、7.12(dd、4H)、7.37(s、2H)、7.84(s、2H)
Figure 2004292439


化合物K

不活性雰囲気下の三つ口フラスコに化合物I(2.5g)をN,N−ジメチルホルムアミド(54ml)に溶解した。これに3−ブロモプロピルベンゼン(4.2g)、炭酸カリウム(4.8g)を加え、そのまま160℃まで昇温し6時間攪拌した。その後、トルエンを加えて、希塩酸、水で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた固体をヘキサン/クロロホルム系でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離精製し、目的物を得た(3.9g)。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ2.18〜2.27(m、4H)、2.93(t、4H)、4.10(t、4H)、7.17〜7.32(m、12H)、7.70(s、2H)。
Figure 2004292439

化合物L
不活性雰囲気下の三つ口フラスコに化合物I(2.1g)、炭酸カリウム(2.0g)入れ、1−ブロモオクタン(2.4g)、ジメチルホルムアミド(190ml)に仕込みオイルバスで160℃に昇温し6時間反応させた。反応終了後室温に戻し、水を加えた後酢酸エチルで抽出し、水洗後、溶媒を留去した。シリカゲルクロマトグラフィーで精製し目的物を得た(収量1.6g、化合物Iからの収率46%)。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ0.90(t、6H)、1.26〜1.95(m、24H)、4.11(t、4H)、7.34(s、2H)、7.74(s、2H)

1−ブロモ−2,5−ジメトキシベンゼンを原料として、実施例2、6および7記載の方法を用いて化合物Iを経由するルート(環化反応に用いるゼオライトが
HSZ-360HUA)で化合物Lを合成した場合、各工程の収率から求めたトータルの収率は4%であった。

1−ブロモ−2,5−ジメトキシベンゼンを原料として、実施例2、6および8記載の方法を用いて化合物Iを経由するルート(環化反応に用いるゼオライトが
HSZ-371NHA)で化合物Lを合成した場合、各工程の収率から求めたトータルの収率は13%であった。
比較例1(ジベンゾフランから合成した化合物Lの製造方法)

Figure 2004292439

化合物M
不活性雰囲気下、三つ口フラスコにジベンゾフラン(23.2g)と酢酸(232g)を入れ、室温で撹拌、溶かした後、75℃まで昇温した。昇温後、臭素(92.6g)を酢酸(54g)で希釈したものを滴下した。滴下終了後、温度を保持したまま3時間撹拌し、放冷した。TLCで原料の消失を確認した後、チオ硫酸ナトリウム水を加え反応を終了させ、室温で1時間撹拌した。撹拌後、ろ過を行いケーキをろ別し、さらにチオ硫酸ナトリウム水、水で洗浄した後、乾燥した。得られた粗生成物をヘキサンにて再結晶し、目的物を得た。(収量:21.8g、収率:49%)
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ7.44(d、2H)、7.57(d、2H)、8.03(s、2H)

Figure 2004292439
化合物N
不活性雰囲気下で500mlの四つ口フラスコに化合物M(16.6g)とテトラヒドロフラン(293g)を入れ、−78℃まで冷却した。n−ブチルリチウム(80ml<1.6モルヘキサン溶液>)を滴下した後、温度を保持したまま1時間撹拌した。この反応液を、不活性雰囲気下で1000mlの四つ口フラスコにトリメトキシボロン酸(31.7g)とテトラヒドロフラン(250ml)を入れ、−78℃まで冷却したものに滴下した。滴下終了後、ゆっくり室温まで戻し、2時間室温で撹拌後、TLCで原料の消失を確認した。反応終了マスを、2000mlビーカーに濃硫酸(30g)と水(600ml)をいれたものに、注入し、反応を終了させた。トルエン(300ml)を加え、有機層を抽出し、さらに水を加えて洗浄した。溶媒を留去後、そのうち8gと酢酸エチル(160ml)を300mlの四つ口フラスコにいれ、つづいて30%過酸化水素水(7.1g)を加え、40℃で2時間撹拌した。この反応液を、1000mlのビーカーに硫酸アンモニウム鉄(II)(71g)と水(500ml)の水溶液に注入した。撹拌後、有機層を抽出し、有機層を水で洗浄した。溶媒を除去することにより、化合物Nの粗製物を得た(収量7.6g)。
MSスペクトル:[M-H]- 199.0

Figure 2004292439
化合物O
不活性雰囲気下で200mlの四つ口フラスコに化合物N(2.3g)とN,N−ジメチルホルムアミド(23g)を入れ、室温で撹拌、溶かした後、炭酸カリウム(9.5g) を入れ100℃まで昇温した。昇温後、臭化n−オクチル(6.60g、34.2mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(11g)で希釈したものを滴下した。滴下終了後、60℃まで昇温し、温度を保持したまま2時間撹拌し、TLCで原料の消失を確認した。水(50ml)を加え反応を終了させ、つづいてトルエン(50ml)を加え、有機層を抽出し、有機層を水で2回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムで精製することにより、目的物を得た。(収量:1.8g、化合物Mからの収率25%)
MSスペクトル:M+ 425.3
化合物L(従来法での合成)
不活性雰囲気下500ml四つ口フラスコに化合物O(7.5g)とN,N−ジメチルホルムアミドを入れ、室温で撹拌、溶かした後、氷浴で冷却した。冷却後、N−ブロモスクシンイミド(6.4g)をN,N−ジメチルホルムアミド(225ml)で希釈したものを滴下した。滴下終了後、氷浴で1時間、室温で19時間、40℃まで昇温し、温度を保持したまま7時間撹拌し、液体クロマトグラフィーで原料の消失を確認した。生成物は目的物の他に異性体が2種類あり、LC面百より目的物の生成量は約25%であった。溶媒を除去し、トルエン(75ml)を加え溶解した後、有機層を水で3回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒留去した。得られた粗生成物の約半量をシリカゲルカラムおよび液体クロマトグラフィー分取で精製することにより、目的物を得た。(収量:0.326g、化合物Oからの収率8%)
従来法でジベンゾフランから化合物Lを合成した場合、各工程の収率から求めたトータルの収率は1%であった。

Claims (12)

  1. 下式(2)
    Figure 2004292439

    〔式中、A環およびB環はそれぞれ独立に、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、フッ素原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基およびシアノ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよい芳香環を示す。Y1およびY2はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、置換スルホネート基、−B(OH)、−B(OR)、−CH2R’2、−CH2R”3、−CH2PO(OR''')2 、モノハロゲン化メチル基、ホルミル基またはビニル基を表す。R、R’、R”およびR'''は、それぞれ独立にアルキル基、アリール基またはアリールアルキル基を表す。2つのRは一緒になって環を形成していてもよい。Xはハロゲン原子を表す。aおよびbはそれぞれ独立に0〜2の整数を表すが、a+b≧1を満たす。Y1、Y2、X,R、R”およびR'''がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。〕
    で示される化合物
    を縮環反応させることを特徴とする下式(1)
    Figure 2004292439
    〔式中、A環、B環、Y1、Y2、aおよびbは、式(2)のものと同じ定義である。〕
    で示されるフラン化合物の製造方法。
  2. 上式(1)で示されるフラン化合物が、下記式(3-1)、(3-2)、(3-3)、(3-4)または(3-5)で示される化合物であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。

    Figure 2004292439

    Figure 2004292439

    Figure 2004292439
    〔式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、フッ素原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基およびシアノ基を示す。cおよびdはそれぞれ独立に0〜3の整数を示す。e、f、gおよびhはそれぞれ独立に0〜5の整数を示す。i、j、kおよびlはそれぞれ独立に0〜7の整数を示す。YおよびYはそれぞれ独立、ハロゲン原子、置換スルホネート基、−B(OH)、−B(OR)、−CH2R’、−CH2R”3、−CH2PO(OR''')2 、モノハロゲン化メチル基、ホルミル基、ビニル基から選ばれる置換基を表す。R、R’、R”、R'''およびXは、式(2)のものと同じ定義である。〕
  3. 縮環反応の触媒としてスルホン酸もしくはホスホン酸基を有する高分子化合物または珪酸塩類を用いることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の製造方法。
  4. 珪酸塩類がアルミノシリケートであることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
  5. 珪酸塩類がゼオライトであることを特徴とする請求項3または4に記載の製造方法。
  6. 式(2)で示される化合物が、
    下記式(4)で示される化合物

    Figure 2004292439

    〔式中、RおよびRは、それぞれ独立に、アルキル基、アリールアルキル基、置換シリル基またはアシル基、ホスフィニル基、スルフォニル基を示す。A環、B環、Y1およびY2は式(2)のものと同じ定義である〕
    のRおよびRを脱離させて製造されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 式(4)で示される化合物が、
    下式(5-1)で示される化合物と下式(5-2)で示される化合物とを
    Figure 2004292439

    〔ここでZは、ハロゲン原子、置換スルホネート基、−B(OH)および−B(OR)から選ばれる基を示す。Zは、ハロゲン原子および置換スルホネート基、から選ばれる基を示す。R,A環およびB環は式(2)のものと同じ定義である。またRおよびRは式(4)のものと同じ定義である。〕
    カップリング反応させて、下記式(5-3)
    Figure 2004292439

    〔式中、またRおよびRは式(4)のものと同じ定義である。A環およびB環は式(2)のものと同じ定義である。〕
    で示される化合物とした後、該化合物にY1および/またはY2
    (Y1およびY2は式(2)と同じ意味を表す。)
    を導入して製造されることを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
  8. 式(4)で示される化合物が、
    下記式(6-1)で示される化合物と(6-2)で示される化合物とを
    Figure 2004292439

    〔ここでZは、ハロゲン原子、置換スルホネート基、−B(OH)および−B(OR)から選ばれる基を示す。Zは、ハロゲン原子および置換スルホネート基、から選ばれる基を示す。RおよびRは、式(4)のものと同じ定義である。R,Y、Y、A環、B環、aおよびbは式(2)のものと同じ定義である。〕
    カップリング反応させることにより製造されることを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
  9. 式(2)で示される化合物が、
    下記式(5-4)で示される化合物と(5-5)で示される化合物とを

    Figure 2004292439

    〔ここでZは、式(5-1)のものと同じ定義である。Zは、式(5-2)のものと同じ定義である。A環およびB環は式(2)のものと同じ定義である。〕
    をカップリング反応させて、下記式(5-6)で示される化合物
    Figure 2004292439

    〔式中、A環およびB環は式(2)のものと同じ定義である。〕
    とした後、該化合物にY1および/またはY2
    (Y1およびY2は式(2)と同じ意味を表す。)
    を導入して製造されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  10. 式(2)で示される化合物が、
    下記式(6-3)で示される化合物と(6-4)で示される化合物とを
    Figure 2004292439

    〔ここでZは、式(6-1)のものと同じ定義である。Zは、式(6-2)のものと同じ定義である。Y、Y、A環、B環、aおよびbは式(2)のものと同じ定義である。〕
    カップリング反応させることにより製造される化合物を用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  11. 下式(7)で示される化合物。
    Figure 2004292439

    〔式中、YおよびYは、それぞれ独立にハロゲン原子、置換スルホネート基、−B(OH)、−B(OR)、−CH2R’2、−CH2R”3、−CH2PO(OR''')2、モノハロゲン化メチル基、ホルミル基またはビニル基を表す。R、R’、R”、R'''およびXは、式(2)のものと同じ定義である。C環およびD環はそれぞれ独立に、水酸基、炭素数4以上の置換アミノ基および炭素数6以上の置換シリル基からなる群から選ばれる置換基を有している芳香環を示す。mおよびnはそれぞれ独立に0〜2の整数を示すが、m+n≧1を満たす。〕
  12. 下記(7-2)で示される化合物。
    Figure 2004292439

    〔式中、YおよびYは、それぞれ独立にハロゲン原子、置換スルホネート基、−B(OH)または−B(OR)を表す。Rは、式(2)のものと同じ定義である。]

JP2004065218A 2003-03-10 2004-03-09 フラン化合物の製造方法 Pending JP2004292439A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004065218A JP2004292439A (ja) 2003-03-10 2004-03-09 フラン化合物の製造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003062936 2003-03-10
JP2004065218A JP2004292439A (ja) 2003-03-10 2004-03-09 フラン化合物の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004292439A true JP2004292439A (ja) 2004-10-21

Family

ID=33421463

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004065218A Pending JP2004292439A (ja) 2003-03-10 2004-03-09 フラン化合物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004292439A (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56125738A (en) * 1980-03-05 1981-10-02 Fuji Photo Film Co Ltd Photographic light sensitive material
JPH09151182A (ja) * 1995-11-29 1997-06-10 Mita Ind Co Ltd ジベンゾフランジアミン誘導体およびこれを用いた電子写真感光体
JPH1180146A (ja) * 1997-09-01 1999-03-26 Kyorin Pharmaceut Co Ltd 新規ジベンゾフラン誘導体
JP2004059899A (ja) * 2002-06-05 2004-02-26 Sumitomo Chem Co Ltd 高分子化合物およびそれを用いた高分子発光素子

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56125738A (en) * 1980-03-05 1981-10-02 Fuji Photo Film Co Ltd Photographic light sensitive material
JPH09151182A (ja) * 1995-11-29 1997-06-10 Mita Ind Co Ltd ジベンゾフランジアミン誘導体およびこれを用いた電子写真感光体
JPH1180146A (ja) * 1997-09-01 1999-03-26 Kyorin Pharmaceut Co Ltd 新規ジベンゾフラン誘導体
JP2004059899A (ja) * 2002-06-05 2004-02-26 Sumitomo Chem Co Ltd 高分子化合物およびそれを用いた高分子発光素子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5742983B2 (ja) 金属錯体の配位子となる化合物
KR101142575B1 (ko) 고분자 화합물 및 그것을 이용한 고분자 발광 소자
EP2128168B1 (en) Metal complex, polymer compound and device containing those
EP2305772B1 (en) Composition containing a metal complex and organic compound, and light emitting element using said compound
KR20100135931A (ko) 질소 함유 복소환식 화합물의 잔기를 갖는 고분자 화합물
JP2003231741A (ja) 新規ポリマーおよびそれを用いた高分子発光素子
US20090043064A1 (en) Metal complex, polymer compound, and device containing it
DE10392453T5 (de) Metallkomplex und organische elektrolumineszierende Vorrichtung
WO2008038747A1 (fr) composé polymère et dispositif électroluminescent polymère l&#39;utilisant
KR20080020634A (ko) 고분자 재료 및 고분자 발광 소자
KR20080072954A (ko) 고분자 화합물 및 이를 이용한 고분자 발광 소자
DE112006003090T5 (de) Konjugierte Polymerverbindung und polymere lichtemittierende Vorrichtung unter deren Verwendung
WO2004080989A1 (ja) フラン化合物の製造方法
JP4635528B2 (ja) 発光材料およびそれを用いた発光素子
KR20120123457A (ko) 발광성 조성물, 및 이를 이용한 발광 소자
JP2009149846A (ja) アミン化合物とアクセプタ性化合物とを含む組成物
KR20190141714A (ko) 조성물 및 그것을 사용한 발광 소자
JP2006321750A (ja) 芳香族化合物の製造方法
KR20100135930A (ko) 질소 함유 복소환식 화합물을 포함하는 조성물
JP2004292439A (ja) フラン化合物の製造方法
JP5059345B2 (ja) 反応性芳香族高分子化合物の製造方法
JP2012146968A (ja) 有機発光素子及び共役系高分子化合物
JP5034157B2 (ja) 芳香族化合物
JP2004162011A (ja) 高分子化合物およびそれを用いた高分子発光素子
JP5804811B2 (ja) 縮合環化合物の製造方法、および該方法に用いられる原料化合物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070226

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20080130

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20080513

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100824

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110111