JP2004292362A - ヨードアリール基を有する炭酸エステル誘導体 - Google Patents

ヨードアリール基を有する炭酸エステル誘導体 Download PDF

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Kazuhiro Aikawa
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Abstract

【課題】例えば泡沫化マクロファージの影響で異常増殖した血管平滑筋細胞の造影のためのX線造影剤として有用な化合物を提供する。
【解決手段】下記の一般式(I):
【化1】
Figure 2004292362

(式中、Ar及びArは、それぞれ独立に少なくとも1個のヨウ素原子を置換基として有するアリール基を示し;L及びLは、それぞれ独立に主鎖が4個以上の炭素原子を含む2価の連結基を示す)
で表される化合物。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヨードアリール基を有する炭酸エステル化合物に関する。この化合物はリポソームの膜構成成分として利用することができ、このリポソームはX線造影剤として用いることができる。
【0002】
【従来の技術】
ヨード化合物を用いたX線血管造影の分野では、水溶性のヨード造影剤を投与することにより血液の流れを造影し、その流れが滞っている箇所をみつける技術がある。この方法は、ヨード造影剤が血流中にあり、血管内部の血流の変化を検出する方法であるところから、ヨード造影剤が病巣細胞に局在する場合に比べて正常組織との区別がつけにくい。このため、通常この方法では狭窄が50%以上進んだ病巣しか検出することができず、虚血性疾患の発作が発症する前に病巣を検出することは困難である。
【0003】
これとは別に、疎水性ヨード造影剤もしくは親水性造影剤を製剤化し、目的とする疾患部位に選択的に集積させる試みが報告されている。例えば、疎水性化合物であるCholesteryl Iopanoateの油滴分散液を注射することにより、該ヨード化合物が実験動物の動脈硬化部位に集積することが開示されている(非特許文献1参照)。また、Cholesteryl IopanoateをアセチルLDLに取り込ませて投与することによって該ヨード化合物が実験動物の動脈硬化部位に集積することが開示されている(非特許文献2参照)。
【0004】
さらに、 Cholesteryl Iopanoateの油滴分散液を注射することによる肝臓や脾臓のX線造影の例(非特許文献3参照)や、diatrizoic acid のエステル体をリポソームに封入し、肝臓や脾臓の選択的造影を行う方法(特許文献1参照)、血管プールやリンパ系をイメージ化するための造影剤(特許文献2及び3参照)が開示されている。しかしながら、これらの製剤方法は、血管疾患を選択的に造影する目的のためには、効率及び選択性ともに十分でなく、X線照射により血管疾患を画像化した例も報告されていない。
【0005】
一方、2個の3−アミノ−2,4,6−トリヨードフェニル基を含むアルキルカルボン酸と飽和/不飽和脂肪酸とからなるトリグリセリド化合物を、油滴分散(Lipid Emulsion)やTween20分散物として製剤化し、肝臓やBlood−poolの造影を目的として用いる方法が報告されている(例えば、非特許文献4参照)。
【0006】
また、疎水性かつ加水分解抵抗性の放射性ヨード造影剤をマイクロエマルジョンとして製剤化し、あるいはアセチルLDLに取り込ませて実験動物に投与して、動脈硬化巣部位を放射性造影する例が開示されている(特許文献4参照)。さらに、上述のCholesteryl Iopanoateを用いて動脈硬化巣部位をX線造影する例が開示されている(特許文献5参照)。しかしながら、この化合物は生体内で分解されず、生体臓器、特に肝臓に蓄積することが報告されている(非特許文献5参照)。このような化合物の性質は生体内に長期留まることを示しており、例えば、X線造影剤のような診断への用途を考えた場合には好ましい性質とはいえない。
【0007】
化合物の観点からは、2個の3−アミノ−2,4,6−トリヨードフェニル基を含むアルキルカルボン酸からなるジアシル−1,3−グリセリド化合物についての記載がある(特許文献6及び非特許文献6参照)。しかし、合成中間体としての使用以外の用途は示されていない。
【0008】
【特許文献1】米国特許第4567034号
【特許文献2】国際公開WO96/28414
【特許文献3】国際公開WO96/00089
【特許文献4】国際公開WO01/93918
【特許文献5】国際公開WO01/82977
【特許文献6】米国特許第4873075号
【非特許文献1】Pharmaceutical Research, 6(12), 1011 (1989)
【非特許文献2】Pharmaceutical Research, 16(3), 420 (1999)
【非特許文献3】Journal of Pharmaceutical Science, 72(8), 898 (1983)
【非特許文献4】Radiology, 216(3), 865 (2000)
【非特許文献5】Journal of Medicinal Chemistry, 25, 1500 (1982)
【非特許文献6】Journal of Medicinal Chemistry, 29, 2457 (1986)
【0009】
【発明が解決しようとする課題及び課題を解決するための手段】
本発明の課題は、病巣選択的造影のためのリポソーム化ヨード造影剤に適したヨード化合物を提供することである。本発明者等は上記の課題を解決すべく研究を行った結果、ヨードアリール基を有する炭酸エステル化合物がX線造影剤のためのリポソームの膜構成成分として優れた性質を有しており、この化合物を含むリポソームを用いてX線造影することにより血管疾患の病巣を選択的に造影できることを見出した。本発明は上記の知見を基にして完成されたものである。
【0010】
すなわち、本発明は、下記の一般式(I):
【化2】
Figure 2004292362
(式中、Ar及びArは、それぞれ独立に少なくとも1個のヨウ素原子を置換基として有するアリール基を示し;L及びLは、それぞれ独立に主鎖が4個以上の炭素原子を含む2価の連結基を示す)で表されるヨード化合物を提供するものである。この発明の好ましい態様によれば、Arが少なくとも3個のヨウ素原子を置換基として有するフェニル基である上記の化合物;及びAr及びArがそれぞれ独立に少なくとも3個のヨウ素原子を置換基として有するフェニル基である上記化合物が提供される。
【0011】
別の観点からは、本発明により、上記の化合物又はその塩を膜構成成分として含むリポソームが提供され、その好ましい態様によれば、ホスファチジルコリン及びホスファチジルセリンを膜構成成分として含む上記リポソームが提供される。
【0012】
また、本発明により、上記のリポソームを含むX線造影剤が提供される。この発明の好ましい態様によれば、血管疾患の造影に用いる上記X線造影剤;泡沫化マクロファージの影響で異常増殖した血管平滑筋細胞の造影に用いる上記X線造影剤;マクロファージが局在化する組織又は疾患部位の造影に用いる上記のX線造影剤;マクロファージが局在化する組織が肝臓、脾臓、肺胞、リンパ節、リンパ管、及び腎臓上皮からなる群から選ばれる上記のX線造影剤が提供される。
【0013】
また、上記X線造影剤の製造のための上記の化合物又はその塩の使用;X線造影法であって、上記の化合物を膜構成成分として含むリポソームをヒトを含む哺乳類動物に投与した後にX線を照射する工程を含む方法;血管疾患の病巣の造影方法であって、上記の化合物を膜構成成分として含むリポソームをヒトを含む哺乳類動物に投与した後にX線を照射する工程を含む方法が本発明により提供される。
【0014】
さらに、少なくとも1つのヨード原子が放射性同位体である上記の化合物又はその塩を膜構成成分として含むリポソーム、及び該リポソームを含むシンチグラフィー造影剤が本発明により提供される。この発明の好ましい態様によれば、泡沫化マクロファージの影響で異常増殖した血管平滑筋細胞の造影に用いる上記のシンチグラフィー造影剤;マクロファージが局在化する組織又は疾患部位の造影に用いる上記のシンチグラフィー造影剤;造影対象の組織が血管、肝臓、脾臓、肺胞、リンパ節、リンパ管、及び腎臓上皮からなる群から選ばれる上記のシンチグラフィー造影剤;腫瘍、動脈硬化巣、炎症部位、及び感染部位からなる群から選ばれる疾患部位の造影に用いる上記のシンチグラフィー造影剤が提供される。
【0015】
また、上記シンチグラフィー造影剤の製造のための上記の化合物又はその塩の使用;シンチグラフィー造影法であって、上記の化合物を膜構成成分として含むリポソームをヒトを含む哺乳類動物に投与した後に該リポソームが発生する放射線を検出する工程を含む方法;血管疾患の病巣の造影方法であって、上記の化合物を膜構成成分として含むリポソームをヒトを含む哺乳類動物に投与した後に該リポソームが発生する放射線を検出する工程を含む方法が本発明により提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】
本明細書において、Ar及びArはそれぞれ独立に少なくとも1個のヨウ素原子で置換されたアリール基を表す。アリール基の環上に置換するヨウ素原子の個数は1個以上であれば特に限定されないが、3個以上である場合が特に好ましい。該アリール基の種類は特に規定されないが、アントラセン基、ナフタレン基、フェニル基が好ましく、フェニル基が最も好ましい(本明細書中で言及する他のアリール基についても同様である)。Ar及びArが示すアリール基の環上に存在するヨウ素原子の置換位置は特に限定されず、環上の任意の位置に存在することが可能である。該アリール基はヨウ素原子以外の置換基を有していてもよい。
【0017】
Ar及びArがそれぞれトリヨードフェニル基を表す場合、芳香環上における3個のヨウ素原子の置換位置は特に規定されないが、「2,4,6位」、「2,3,5位」、「3,4,5位」置換が好ましく、より好ましくは「2,4,6位」、「2,3,5位」置換であり、なかでも「2,4,6位」置換が最も好ましい。トリヨードフェニル基はさらに置換基を有していてもよい。
【0018】
本明細書において、ある官能基について「置換または無置換」又は「置換基を有していてもよい」という場合には、その官能基が1又は2以上の置換基を有する場合があることを示しているが、特に言及しない場合には、結合する置換基の個数、置換位置、及び種類は特に限定されない。ある官能基が2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。本明細書において、ある官能基が置換基を有する場合、置換基の例としては、ハロゲン原子(本明細書において「ハロゲン原子」という場合にはフッ素、塩素、臭素、又はヨウ素のいずれでもよい)、アルキル基(本明細書において「アルキル基」という場合には、直鎖状、分岐鎖状、環状、又はそれらの組み合わせのいずれでもよく、環状アルキル基にはビシクロアルキル基などの多環性アルキル基を含む。アルキル部分を含む他の置換基のアルキル部分についても同様である)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が挙げられる。
【0019】
Ar及びArが示すアリール基がヨウ素原子以外の置換基を有する場合にはその置換基の種類、個数、及び置換位置は特に限定されない。アリール基が有する好ましい置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基が挙げられる。また、アリール基がヨウ素原子以外の置換基を有しない場合も好ましい。Ar及びArがトリヨードフェニル基を示し、該トリヨードフェニル基が置換基を有する場合、その好ましい置換基の例としては、Ar及びArが示すアリール基について例示した置換基と同様のものが挙げられる。また、Ar及びArが3個のヨウ素原子以外に置換基を有しない場合も好ましい。
【0020】
及びLはそれぞれ独立に、主鎖が4個以上の炭素原子を含む二価の連結基を示す。本明細書において、二価の連結基における「主鎖」とは、連結すべき他の官能基または原子との結合に関与する連結基中の2個の原子及びそれら2個の原子を最小個数で結ぶ原子群からなる連結基中の原子群を意味している。より具体的には、Lの主鎖は、炭酸エステルを構成する酸素及びArとの連結に関与するL中の2個の原子及びそれら2個の原子を最小個数で結ぶL中の原子群からなる。Lの主鎖はLの主鎖と同様である。
【0021】
及びLが示す二価の連結基は飽和の基であってもよいが、1個又は2個以上の不飽和結合を含んでいてもよい。また、主鎖中にヘテロ原子(本明細書において「ヘテロ原子」という場合には、窒素原子、酸素原子、硫黄原子など、炭素原子以外の任意の原子を意味する)を1個又は2個以上含んでいてもよい。主鎖中のヘテロ原子の個数については特に規定されないが5個以下であることが好ましく、より好ましくは3個以下であり、1個以下であるときが最も好ましい。主鎖中のヘテロ原子の位置についても特に規定されないが、ヘテロ原子の個数が1個であるときは、Ar基から5原子以内であることが好ましい。
【0022】
及びLが示す二価の連結基はヘテロ原子を含む官能基を主鎖の部分構造として含んでいてもよい。L及びLが示す二価の連結基の主鎖の部分構造である不飽和部分又はヘテロ原子を含む官能基としては、例えば、アルケニル基、アルキニル基、エステル基(カルボン酸エステル、炭酸エステル、スルホン酸エステル、スルフィン酸エステルを含む)、アミド基(カルボン酸アミド、ウレタン、スルホン酸アミド、スルフィン酸アミドを含む)、エーテル基、チオエーテル基、ジスルフィド基、アミノ基、又はイミド基などがあげられる。上記の官能基はさらに置換基を有していてもよい。これらの官能基はL及びLの主鎖中に複数個存在してもよく、存在位置も特に限定されない。 L及びLの主鎖中に上記の官能基が複数個存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
【0023】
及びLで表される二価の連結基の部分構造として、好ましくはアルケニル基、エステル基、アミド基、エーテル基、チオエーテル基、ジスルフィド基又はアミノ基を挙げることができ、さらに好ましくはアルケニル基、エステル基、エーテル基を挙げることができる。また、主鎖中及び/又は主鎖の部分構造である官能基中にヘテロ原子を含まない場合も好ましい。主鎖中及び/又は主鎖の部分構造である官能基中にヘテロ原子を含む場合、該へテロ原子は酸素原子又は硫黄原子が好ましく、酸素原子がもっとも好ましい。L及びLの炭素数は4〜30が好ましく、6〜25がより好ましく、最も好ましくは6〜15である。L及びLの主鎖上にはさらに1個又は2個以上の置換基が存在していてもよい。L及びLの主鎖上に置換基が存在する場合、置換基の種類、個数、及び置換位置は特に限定されないが、置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、水酸基、又はオキソ基などが好ましい。また、L及びLの主鎖上に置換基が存在しない場合も好ましい。
【0024】
及びLの好ましい態様を以下に具体的に例示するが、本発明はこれらの連結基を有するものに限定されるものではない。なお、以下の例はいずれも右側がAr基と結合することを意味する。
−(CH−、−(CH−O−、−(CH−S−CH−、−(CH−(C=O)O−、
−(CH−(C=O)NH−、−(CH−O(C=O)−、−(CH−NH(C=O)−、
−(CH−NH(C=O)−(CH−O−、−CH−CH=CH−(CH−O−、
−(CH−CH(CH)−O−
[nは4から30の任意の整数を表し;mは3から29の任意の整数を表し;pは2から28の任意の整数を表し;qは1から27の任意の整数を表す]
【0025】
本発明の化合物は1以上の不斉中心を有する場合があるが、この場合、不斉中心に基づく光学活性体またはジアステレオ異性体などの立体異性体が存在する。純粋な形態の任意の立体異性体、任意の立体異性体の混合物、ラセミ体などは、いずれも本発明の範囲に包含される。また、本発明の化合物はオレフィン性の二重結合を有する場合があるが、その配置はE又はZのいずれであってもよく、両者の混合物として存在していてもよい。本発明の化合物は互変異性体として存在する場合もあるが、任意の互変異性体、またはそれらの混合物は本発明の範囲に包含される。さらに本発明の化合物は置換基の種類によっては塩を形成する場合があり、遊離形態の化合物又は塩の形態の化合物が水和物又は溶媒和物を形成する場合もあるが、このような場合も本発明の範囲に包含される。塩の種類は特に限定されず、酸付加塩又は塩基付加塩のいずれであってもよい。
【0026】
以下に本発明の化合物の好ましい例を示すが、本発明の化合物はこれらの例に限定されることはない。
【0027】
【化3】
Figure 2004292362
【0028】
以下に本発明の化合物の一般的な合成法について説明するが、本発明の化合物の合成法はこれらに限定されるものではない。本発明の化合物において用いられるヨードアリール基、とりわけトリヨードフェニル基に関する合成原料としては、通常市販されているものを使用してもよく、あるいは用途に応じて適宜合成してもよい。市販品としては、例えば2,4,6−トリヨードフェノールや安息香酸誘導体(例えば、3−amino−2,4,6−triiodobenzoic acid, acetrizoic acid, iopipamide, diatrizoic acid, histodenz, 5−amino−2,4,6−triiodoisophthalic acid, 2,3,5−triiodobenzoic acid, tetraiodo−2−sulfobenzoic acid)、ヨードパン酸(iopanoic acid)、iophenoxic acidなどを用いることができる。合成により入手する場合には、例えばRichard C. Larock著、Comprehensive organic transformations(VCH) に記載の方法により、芳香環上にヨード原子を導入し、原料として用いることができる。
【0029】
上記のトリヨードフェニル誘導体は、通常、部分構造として水酸基やアミノ基、チオール基、カルボキシル基等の官能基を含有するため、これらの官能基と、カルボン酸、ハロゲン水酸基等を有するアルキルアルコールとを、エーテル連結/エステル連結/アミノ連結/アミド連結などを介して縮合してトリヨードフェニル基を有するアルコールとし、本発明の化合物の合成中間体として用いることもできる。これらの工程では、必要な場合には保護基を用いることもできるが、この場合の保護基とは、例えば、T. W. Green & P. G. M. Wuts著、Protecting groups in organic synthesis(John Wiley & sonc, inc.)に記載のものを用いることができる。カルボン酸を有するアルコールとしては、例えば、10−ヒドロキシデカン酸、12−ヒドロキシドデカン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸が挙げられ、ハロゲン化アルコール化合物としては、例えば、6−ブロモ−1−ヘキサノール、8−ブロモ−1−オクタノール、9−ブロモ−1−ノナノール、10−ブロモ−1−デカノール、11−ブロモ−1−ウンデカノール、12−ブロモ−1−ドデカノールが挙げられるが、これらは単なる例示であり、これらに限定されるものではない。
【0030】
本発明の化合物は任意の長さのアルキル鎖を有する場合があるが、適当な合成原料が存在しない場合には、適宜合成的に調製することができる。その合成法は、例えば、Wittig反応やBarbier−Wieland分解、Arndt−Eistert合成、アセチリドをを用いる方法(例えば、Tetrahedron Lett. 35, 9501 (1994)に記載の方法に準拠)、クロロ蟻酸エステルを用いる方法(例えば、Synthesis 427 (1986)に記載)、マロン酸ジエチルを用いる方法(例えば、Arch. Pharm. (Weinheim) 328, 271 (1995)に記載)等が挙げられる。また、これらの方法で得られた化合物のカルボン酸/カルボン酸エステル構造を還元して水酸基に変換することも有効である。もっとも、これらの方法は単なる例示であり、これらに限定されるものではない。
【0031】
これらのトリヨードフェニル基を有するアルコールを原料化合物として用い、塩基(例えば水素化ナトリウムなど)の存在下に適宜の炭酸エステル前駆体(例えば1, 1’−カルボニルビス−1H−イミダゾールなど)と反応させることにより本発明の化合物を合成することができるが、これに限定されるものではない。
【0032】
本発明の化合物又はその塩はリポソームの膜構成成分として用いることができる。本発明の化合物又はその塩を用いてリポソームを調製する場合、本発明の化合物又はその塩の使用量は、膜構成成分の全質量に対して10から90質量%程度、好ましくは10から80質量%、さらに好ましくは20から80質量%である。本発明の化合物は膜構成成分として1種類を用いてもよいが、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0033】
リポソームの他の膜構成成分としては、リポソームの製造に通常用いられている脂質化合物をいずれも用いることが可能である。例えば、Biochim. Biophys. Acta 150(4), 44 (1982)、Adv. In Lipid. Res. 16(1), 1 (1978)、“RESEARCH IN LIPOSOMES” (P. Machy, L. Leserman著、John Libbey EUROTEXT社)、「リポソーム」(野島、砂本、井上編、南江堂)等に記載されている。脂質化合物としてはリン脂質が好ましく、特に好ましいのはホスファチジルコリン(PC)類である。ホスファチジルコリン類の好ましい例としては、eggPC、ジミリストイルPC(DMPC)、ジパルミトイルPC(DPPC)、ジステアロイルPC(DSPC)、ジオレイルPC(DOPC)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
本発明の好ましい態様では、リポソームの膜構成成分として、ホスファチジルコリンとホスファチジルセリン(PS)を組合せて用いることができる。ホスファチジルセリンとしては、ホスファチジルコリンの好ましい例として挙げたリン脂質と同様の脂質部位を有する化合物が挙げられる。ホスファチジルコリンとホスファチジルセリンを組合せて用いる場合、PCとPSの好ましい使用モル比はPC:PS=90:10から10:90の間であり、さらに好ましくは、30:70から70:30の間である。
【0035】
本発明のリポソームの別の好ましい態様によると、膜構成成分として、ホスファチジルコリンとホスファチジルセリンを含み、さらにリン酸ジアルキルエステルを含むリポソームが挙げられる。リン酸ジアルキルエステルのジアルキルエステルを構成する2個のアルキル基は同一であることが好ましく、それぞれのアルキル基の炭素数は6以上であり、10以上が好ましく、12以上がさらに好ましい。好ましいリン酸ジアルキルエステルの例としては、ジラウリルフォスフェート、ジミリスチルフォスフェート、ジセチルフォスフェート等が挙げられるが、これに限定されることはない。この態様において、ホスファチジルコリン及びホスファチジルセリンの合計質量に対するリン酸ジアルキルエステルの好ましい使用量は1から50質量%までであり、好ましくは1から30質量%であり、さらに好ましくは1から20質量%である。
【0036】
ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、リン酸ジアルキルエステ及び本発明の化合物を膜構成成分として含むリポソームにおいて、上記成分の好ましい質量比はPC:PS:リン酸ジアルキルエステル:本発明の化合物が5〜40質量%:5〜40質量%:1〜10質量%:15〜80質量%の間で選択することができる。
【0037】
本発明のリポソームの構成成分は上記4者に限定されず、他の成分を加えることができる。その例としては、コレステロール、コレステロールエステル、スフィンゴエミリン、FEBS Lett. 223, 42 (1987); Proc. Natl. Acad. Sci., USA 85, 6949 (1988)等に記載のモノシアルガングリオキシドGM1誘導体、Chem. Lett. 2145 (1989); Biochim. Biophys. Acta 1148, 77 (1992)等に記載のグルクロン酸誘導体、Biochim. Biophys. Acta 1029, 91 (1990); FEBS Lett. 268, 235 (1990)等に記載のポリエチレングリコール誘導体が挙げられるが、これに限られるものではない。
【0038】
本発明のリポソームは、当業者が利用可能ないかなる方法で製造してもよい。製造法の例としては、先に挙げたリポソームの総説成書類の他、Ann. Rev. Biophys. Bioeng. 9, 467 (1980)、“Liposomes” (M. J. Ostro編、MARCELL DEKKER、INC.)等に記載されている方法を適宜採用できる。具体例としては、超音波処理法、エタノール注入法、フレンチプレス法、エーテル注入法、コール酸法、カルシウム融合法、凍結融解法、逆相蒸発法等が挙げられるが、これに限られるものではない。本発明のリポソームのサイズは、上記の方法で作成できるサイズのいずれであっても構わないが、通常は平均が400nm以下であり、200nm以下が好ましい。リポソームの構造は特に限定されず、ユニラメラ又はマルチラメラなどのいずれの形態でもよい。また、リポソームの内部に適宜の薬物や他の造影剤の1種又は2種以上を配合することも可能である。
【0039】
本発明のリポソームを造影剤として用いる場合には、好ましくは非経口的に投与することができ、より好ましくは静脈内投与することができる。例えば、注射剤や点滴剤などの形態の製剤を凍結乾燥形態の粉末状組成物として提供し、用時に水又は他の適当な媒体(例えば生理食塩水、ブドウ等輸液、緩衝液など)に溶解ないし再懸濁して用いることができる。本発明のリポソームを造影剤として用いる場合、投与量はリポソームのヨード含有量が従来のヨード造影剤のヨード含有量と同程度になるように適宜決定することが可能である。
【0040】
いかなる特定の理論に拘泥するわけではないが、動脈硬化、もしくはPTCA後の再狭窄等の血管疾患においては、血管の中膜を形成する血管平滑筋細胞が異常増殖を起こすと同時に内膜に遊走し、血流路を狭くすることが知られている。正常の血管平滑筋細胞が異常増殖を始めるトリガーはまだ完全に明らかにされていないが、マクロファージの内膜への遊走と泡沫化が重要な要因であることが知られており、その後に血管平滑筋細胞がフェノタイプ変換(収縮型から合成型)をおこすことが報告されている。
【0041】
本発明のリポソームを用いると、泡沫化マクロファージの影響で異常増殖した血管平滑筋に対して疎水性ヨード化合物を選択的に取り込ませることができる。その結果、病巣と非疾患部位とをコントラストをつけて造影することが可能である。従って、本発明の造影剤は、特に血管疾患のX線造影に好適に使用でき、例えば、動脈硬化巣やPTCA後の再狭窄等の造影を行うことができる。
【0042】
また、例えばJ. Biol. Chem., 265, 5226 (1990)に記載されているように、リン脂質よりなるリポソーム、特にPCとPSから形成されるリポソームが、スカベンジャーレセプターを介してマクロファージに集積しやすいことが知られている。従って本発明のリポソームを使用することにより、本発明のヨード化合物をマクロファージが局在化している組織又は疾患部位に集積させることができる。本発明のリポソームを用いると、公知技術であるサスペンジョン又はオイルエマルジョンを用いる場合に比べて、より多くのヨード化合物をマクロファージに集積させることが可能である。
【0043】
マクロファージの局在化が認められ、本発明の方法で好適に造影可能な組織としては、例えば、血管、肝臓、肺胞、リンパ節、リンパ管、腎臓上皮を挙げることができる。また、ある種の疾患においては、疾患部位にはマクロファージが集積していることが知られている。こうした疾患としては、腫瘍、動脈硬化、炎症、感染等を挙げることができる。従って、本発明のリポソームを用いることにより、これらの疾患部位を特定することができる。特に、アテローム性動脈硬化病変の初期過程において、スカベンジャーレセプターを介して変性LDLを大量に取り込んだ泡沫化マクロファージが集積していることが知られており(Am. J. Pathol., 103, 181(1981)、Annu. Rev. Biochem., 52, 223(1983))、このマクロファージに本発明のリポソームを集積化させてX線造影をすることにより、他の手段では困難な動脈硬化初期病変の位置を特定することが可能である。
【0044】
本発明のリポソームを用いた造影方法は特に限定されない。例えば、通常のX線造影剤を用いた造影方法と同様にしてX線を照射することにより造影を行うことができる。また、ヨードの放射線同位体を含む本発明の化合物を用いてリポソームを形成し、該リポソームをシンチグラフィー用造影剤として用いることにより、核医学的方法による造影を行うことも可能である。ヨードの放射性同位体は特に限定されないが、好ましい例としては122I、123I、125I及び131Iを挙げられ、特に好ましい例としては123I及び125Iをあげることができる。放射性ラベル化合物の合成は、対応する非ラベル化合物を合成した後に、Appl. Radiat. Isot., 37(8), 907 (1986)等に記載されている既知の方法で実施することができる。疎水性化合物がトリヨードベンゼン誘導体である場合、同一ベンゼン環上の3個のヨード原子のうち少なくとも1個が放射線同位体化された化合物が好ましい。好ましくは2個以上のヨード原子が放射線同位体である化合物であり、最も好ましいのは3個のヨード原子が同一の放射線同位体である化合物である。
【0045】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。なお、下記の実施例中の化合物番号は上記に示した化合物例の番号に対応している。また、実施例中の化合物の構造はNMRスペクトルにより確認した。
【0046】
例1
10−ブロモ−1−デカノール25.1gと2,4,6−トリヨードフェノール45.0g、炭酸カリウム15.0gをジメチルホルムアミド500mLに加え、室温で2日攪拌した。反応物を500mLの水に注ぎ、生じた沈殿を濾別した。水、メタノールで順次洗浄した後、乾燥して10−(2,4,6−トリヨードフェノキシ)−1−デカノールを55.2g(収率92%)で得た。
11−ブロモ−1−ウンデカノールより、10−(2,4,6−トリヨードフェノキシ)−1−デカノールと同様の手法で11−(2,4,6−トリヨードフェノキシ)−1−ウンデカノールを得た。
【0047】
10−(2,4,6−トリヨードフェノキシ)−1−デカノール2.1gをテトラヒドロフラン20mLとジメチルホルムアミド2mLの混合溶媒に溶かし、0℃で撹拌した。60%水素化ナトリウム0.14gを加えて0℃で20分間撹拌した後、室温でさらに20分撹拌した。1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾール0.25gを加え、さらに室温で3時間攪拌を続けた。飽和塩化アンモニウム溶液を加えて、クロロホルムで2回抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して化合物3−4を1.8g(収率91%)得た。
化合物3−4:
H−NMR (300MHz, CDCl) δ : 4.15 (4H, t) 3.97 (4H, t) 1.91 (4H,quin)
1.89 (4H, quin) 1.60−1.48 (4H, m) 1.43−1.20 (20H, m)
【0048】
例2
11−(2,4,6−トリヨードフェノキシ)−1−ウンデカノールより、化合物3−4と同様の手法で化合物3−5を得た。
化合物3−5:
H−NMR (300MHz, CDCl) δ : 4.15 (4H, t) 3.97 (4H, t) 1.91 (4H,quin)
1.89 (4H, quin) 1.60−1.48 (4H, m) 1.43−1.20 (24H, m)
【0049】
試験例1:血管平滑筋細胞におけるヨード原子の取り込み量
下記に示した割合でジ・パルミトイル PC(フナコシ社製、No.1201−41−0225)、ジ・パルミトイル PS(フナコシ社製、No.1201−42−0237)をJ. Med. Chem., 25(12), 1500 (1982)記載の方法で、本発明のヨード化合物とナス型フラスコ内でクロロホルムに溶解して均一溶液とした後、溶媒を減圧で留去してフラスコ底面に薄膜を形成した。この薄膜を真空で乾燥後、0.9%生理食塩水(光製薬社製、No512)を適当量加え、超音波照射(Branson社製、No.3542プローブ型発振器、0.1mW)を氷冷下5分実施することにより、均一なリポソーム分散液を得た。得られた分散液の粒径をWBCアナライザー(日本光電社製、A−1042)で測定した結果、粒子径は40から65nmであった。このように本発明の化合物は高濃度でリポソームに混入させることができ、X線造影剤のためのリポソームの構成脂質として優れた性質を有することが明らかである。
PC 50nmol + PS 50nmol + 化合物3−4 20nmol
PC 50nmol + PS 50nmol + 化合物3−5 20nmol
【0050】
試験例2:S9の作製
SDラット雄6週齢(日本チャールスリバー社製)を購入し1週間馴化した。1週間馴化後、体重を測定し、断頭放血した。肝臓を摘出し、冷却した0.15M KClで3回洗浄した。洗浄後、肝臓の湿重量を測定し、その重量の3倍の冷却した0.15M KClを加え、ホモジナイザーに移した。氷冷中でホモジネイトし、その後、ホモジネイトを9000gで10分間冷却遠心した。この上清をS9と呼び、−80℃以下で保存した。
【0051】
試験例3:S9分解試験
保存してあるS9を、流水中で溶解した。溶解したS9 0.1mlに、0.4M MgCl 0.02ml、1.65M KCl 0.02ml、0.2M Naりん酸緩衝液(pH 7.4) 0.5mlを加え、グルコース6りん酸(オリエンタル酵母社製)、NADPH(オリエンタル酵母社製)、NADH(オリエンタル酵母社製)を4μMになる様に添加し、蒸留水を加えて全量を1mlとした。これをS9Mixと呼ぶ。S9Mix 1mlに被験物質を5μg/mlになる様に添加し、37℃で往復振盪した。S9Mix中の被験物質量(未変化体)を経時でHPLCを用いて測定した。被験物質はジメチルスルホキシド(和光純薬社製)にて予め溶解した。結果には、S9Mixに添加直後の未変体量を100とし、30分後の未変化体量をその百分率として表記した。この結果、化合物3−4の未変化体は48%、化合物3−5の未変化体は68%であった。このように、本発明の化合物はS9分解試験において効率的に分解されることが明らかであり、X線造影剤のためのリポソームの構成脂質として優れた性質を有することが明らかである。
【0052】
試験例4:マウス3日間連続投与毒性試験
ICRマウス雄6週齢(日本チャールスリバー)を購入し、1週間の検疫期間の後、クリーン動物舎内(空調:へパフィルター クラス1000、室温:20℃〜24℃、湿度:35%〜60%)で1週間馴化した。その後、MTD値を求めるため、尾静脈よりリポソーム製剤を投与した。リポソーム製剤は、生理食塩水(光製薬社製)又はグルコース溶液(大塚製薬社製)のいずれかを溶媒として投与した。次に求められたMTD値をもとに、その1/2量を3日間、尾静脈より3日間連続で投与した(n=3匹とする)。症状観察は各投与後6時間までとした。投与終了後剖検を行ない、主要臓器について所見を取った。血球検査として白血球数・赤血球・血小板数を測定し、血液生化学検査としてGOT・GPT・BUN・Creを測定した(測定:保健科学株式会社、神奈川県横浜市)。この結果、化合物3−4及び化合物3−5のMTD(mg/kg)は、ともに800mg/kgであった。
【0053】
【発明の効果】
本発明の化合物は、X線造影剤のためのリポソームの構成脂質として優れた性質を有しており、この化合物を含むリポソームを用いてX線造影することにより血管の病巣を選択的に造影できる。

Claims (17)

  1. 下記の一般式(I):
    Figure 2004292362
    (式中、Ar及びArは、それぞれ独立に少なくとも1個のヨウ素原子を置換基として有するアリール基を示し;L及びLは、それぞれ独立に主鎖が4個以上の炭素原子を含む2価の連結基を示す)
    で表される化合物。
  2. Arが少なくとも3個のヨウ素原子を置換基として有するフェニル基である請求項1に記載の化合物。
  3. Ar及びArがそれぞれ独立に、少なくとも3個のヨウ素原子を置換基として有するフェニル基である請求項1に記載の化合物。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の化合物を膜構成成分として含むリポソーム。
  5. ホスファチジルコリン及びホスファチジルセリンを膜構成成分として含む請求項4に記載のリポソーム。
  6. 請求項4又は5に記載のリポソームを含むX線造影剤。
  7. 血管疾患の造影に用いるための請求項6に記載のX線造影剤。
  8. 泡沫化マクロファージの影響で異常増殖した血管平滑筋細胞の造影に用いる請求項6に記載のX線造影剤。
  9. マクロファージが局在化する組織又は疾患部位の造影のための請求項6に記載のX線造影剤。
  10. マクロファージが局在化する組織が肝臓、脾臓、肺胞、リンパ節、リンパ管、及び腎臓上皮からなる群から選ばれる請求項6に記載のX線造影剤。
  11. マクロファージが局在化する疾患部位が腫瘍、炎症部位、及び感染部位からなる群から選ばれる請求項6に記載のX線造影剤。
  12. 少なくとも1つのヨード原子が放射性同位体である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の化合物を膜構成成分として含むリポソーム。
  13. 請求項12に記載のリポソームを含むシンチグラフィー造影剤。
  14. 泡沫化マクロファージの影響で異常増殖した血管平滑筋細胞の造影に用いる請求項13に記載のシンチグラフィー造影剤。
  15. マクロファージが局在化している組織又は疾患部位の造影に用いるための請求項13に記載のシンチグラフィー造影剤。
  16. 対象とする組織が血管、肝臓、脾臓、肺胞、リンパ節、リンパ管、及び腎臓上皮からなる群から選ばれる請求項13に記載のシンチグラフィー造影剤。
  17. 腫瘍、動脈硬化、炎症、及び感染からなる群から選ばれる疾患部位の造影に用いるための請求項13に記載のシンチグラフィー造影剤。
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