JP5053600B2 - 末端にフッ素を有するアルキル脂肪酸のステロイドエステル化合物 - Google Patents
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Description
また、本発明により、上記のリポソームを含むMRI造影剤が提供される。この発明の好ましい態様によれば、血管疾患の造影に用いる上記MRI造影剤;泡沫化マクロファージの影響で異常増殖した血管平滑筋細胞の造影に用いる上記MRI造影剤;マクロファージが局在化する組織又は疾患部位の造影に用いる上記のMRI造影剤;マクロファージが局在化する組織が肝臓、脾臓、肺胞、リンパ節、リンパ管、及び腎臓上皮からなる群から選ばれる上記のMRI造影剤;マクロファージが局在化する疾患部位が腫瘍、炎症部位、及び感染部位からなる群から選ばれる上記のMRI造影剤が提供される。
Steとしては、コレステロール、コレスタノールから誘導される下記の一般式(III)又は(IV)で表される炭化水素基が好ましい例としてあげられる。
リポソームの他の膜構成成分としては、リポソームの製造に通常用いられている脂質化合物をいずれも用いることが可能である。例えば、Biochim. Biophys. Acta 150(4), 44 (1982)、Adv. In Lipid. Res. 16(1), 1 (1978)、RESEARCH IN LIPOSOMES (P. Machy, L. Leserman著、John Libbey EUROTEXT社)、「リポソーム」(野島、砂本、井上編、南江堂)等に記載されている。脂質化合物としてはリン脂質が好ましく、特に好ましいのはホスファチジルコリン(PC)類である。ホスファチジルコリン類の好ましい例としては、eggPC(卵由来のPC)、ジミリストイルPC(DMPC)、ジパルミトイルPC(DPPC)、ジステアロイルPC(DSPC)、ジオレイルPC(DOPC)等があげられるが、これらに限定されるものではない。
本発明のリポソームにおける別の好ましい態様によると、膜構成成分として、ホスファチジルコリンとホスファチジルセリンを含み、さらにリン酸ジアルキルエステルを含むリポソームが挙げられる。リン酸ジアルキルエステルのジアルキルエステルを構成する2個のアルキル基は同一であることが好ましく、それぞれのアルキル基の炭素数は6以上であり、10以上が好ましく、12以上がさらに好ましい。好ましいリン酸ジアルキルエステルの例としては、ジラウリルフォスフェート、ジミリスチルフォスフェート、ジセチルフォスフェート等が挙げられるが、これに限定されることはない。この態様において、ホスファチジルコリン及びホスファチジルセリンの合計質量に対するリン酸ジアルキルエステルの好ましい使用量は1から50質量%までであり、好ましくは1から30質量%であり、さらに好ましくは1から20質量%である。
本発明のリポソームの構成成分は上記4者に限定されず、他の成分を加えることができる。その例としては、コレステロール、コレステロールエステル、スフィンゴエミリン、FEBS Lett. 223, 42 (1987); Proc. Natl. Acad. Sci., USA 85, 6949 (1988)等に記載のモノシアルガングリオキシドGM1誘導体、Chem. Lett. 2145 (1989); Biochim. Biophys. Acta 1148, 77 (1992)等に記載のグルクロン酸誘導体、Biochim. Biophys. Acta 1029, 91 (1990); FEBS Lett. 268, 235 (1990)等に記載のポリエチレングリコール誘導体が挙げられるが、これに限られるものではない。
6-(パーフルオロヘキシル)ヘキサノール6.32gをジクロロメタン 60mLに溶かし、トリエチルアミン3.15mLを加え、0℃で攪拌した。さらに、メタンスルホニルクロリド1.28mLを滴下して加え、室温まで昇温して撹拌した。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、ジクロロメタンで2回抽出し、得られた有機層を1規定塩酸水溶液と飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、除媒し、対応するスルホン酸エステルを7.31g(98%)得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ: 5.38 (1H, d), 4.70-4.53 (1H, m), 2.34-0.80 (59H, m), 0.70 (3H, s).
J. Med. Chem., 25(12), 1500 (1982) に記載の方法に従い、下記に示した割合のジ・パルミトイル PC(フナコシ社製、No.1201-41-0225)、ジ・パルミトイル PS(フナコシ社製、No.1201-42-0237)を、本発明の化合物とともにナス型フラスコ内でクロロホルムに溶解して均一溶液とした後、溶媒を減圧で留去してフラスコ底面に薄膜を形成した。この薄膜を真空で乾燥後、0.9%生理食塩水(光製薬社製、No512)を適当量加え、超音波照射(Branson社製、No.3542プローブ型発振器、0.1 mW)を氷冷下5分実施することにより、均一なリポソーム分散液を得た。得られた分散液の粒径をWBCアナライザー(日本光電社製、A-1042)で測定した結果、粒子径は85から110nmであった。このように本発明の化合物は効率よく下記組成リポソームに封入することができ、造影剤のためのリポソームの構成脂質として優れた性質を有することが明らかである。
リポソーム形成最大量
PC 50nmol + PS 50nmol + 2−6 5nmol
ICRマウス雄6週齢(日本チャールスリバー)を購入し、1週間の検疫期間の後、クリーン動物舎内(空調:へパフィルター クラス1000、室温:20℃〜24℃ 湿度:35%〜60%)で1週間馴化した。その後、MTD(最大耐量)値を求めるため、尾静脈より被験化合物のマウス血清懸濁液を投与した。被験化合物のマウス血清懸濁液は、生理食塩水(光製薬社製)又はグルコース溶液(大塚製薬社製)のいずれかを溶媒として投与した。次に求められたMTD値をもとに、その1/2量を3日間、尾静脈より3日間連続で投与した(n=3匹とする)。症状観察は各投与後6時間までとし、神経毒性を観察後、剖検を行ない、主要臓器について所見を取った。本発明の化合物は低毒性で、神経毒性も示さないことが明らかであり、造影剤のためのリポソームの構成脂質として優れた性質を有することが明らかである。
化合物:MTD(mg/kg);神経毒性(「−」は神経毒性陰性、「+」は神経毒性陽性を示す)
化合物2−6:800mg/kg;−
Claims (18)
- mが3〜9の整数であり、かつnが4〜10の整数である請求項1または2に記載の化合物、またはその塩。
- 化合物を構成するフッ素原子のうち、少なくとも1つが18Fである請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物、またはその塩。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物又はその塩を膜構成成分として含むリポソーム。
- ホスファチジルコリン及びホスファチジルセリンを膜構成成分として含む請求項5に記載のリポソーム。
- 請求項5又は6に記載のリポソームを含むMRI造影剤。
- 血管疾患の造影に用いるための請求項7に記載のMRI造影剤。
- 泡沫化マクロファージの影響で異常増殖した血管平滑筋細胞の造影に用いる請求項7に記載のMRI造影剤。
- マクロファージが局在化する組織又は疾患部位の造影のための請求項7に記載のMRI造影剤。
- マクロファージが局在化する組織が肝臓、脾臓、肺胞、リンパ節、リンパ管、及び腎臓上皮からなる群から選ばれる請求項10に記載のMRI造影剤。
- マクロファージが局在化する疾患部位が腫瘍、炎症部位、及び感染部位からなる群から選ばれる請求項10に記載のMRI造影剤。
- 請求項5又は6に記載のリポソームを含むPET造影剤。
- 血管疾患の造影に用いるための請求項13に記載のPET造影剤。
- 泡沫化マクロファージの影響で異常増殖した血管平滑筋細胞の造影に用いる請求項13に記載のPET造影剤。
- マクロファージが局在化する組織又は疾患部位の造影のための請求項13に記載のPET造影剤。
- マクロファージが局在化する組織が肝臓、脾臓、肺胞、リンパ節、リンパ管、及び腎臓上皮からなる群から選ばれる請求項16に記載のPET造影剤。
- マクロファージが局在化する疾患部位が腫瘍、炎症部位、及び感染部位からなる群から選ばれる請求項16に記載のPET造影剤。
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