JP2006069895A - トリヨードアリール基を有するアルキルアルコールのエステル化合物 - Google Patents

トリヨードアリール基を有するアルキルアルコールのエステル化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】 病巣選択的に造影するためのリポソーム含有ヨード造影剤に適したヨード化合物を提供する。
【解決手段】 下記一般式(I):
【化1】

(式中、 Arは少なくとも3個のヨウ素原子を有するアリール基を示し;Aは−O−又は−CH2−を示し;nは5〜15の整数を示し;R1は1〜6個の炭素原子から構成される飽和又は不飽和の基を示す)で表される化合物又はその塩。
【選択図】 なし

Description

本発明は、トリヨードアリール基を有するカルボン酸エステルに関する。この化合物はリポソームの膜構成成分として利用することができ、このリポソームはX線造影剤として用いることができる。
ヨード化合物を用いたX線血管造影の分野では、水溶性のヨード造影剤を投与することにより血液の流れを造影し、その流れが滞っている箇所をみつける技術がある。この方法は、ヨード造影剤が血流中にあり、血管内部の血流の変化を検出する方法であるところから、ヨード造影剤が病巣細胞に局在する場合に比べて正常組織との区別がつけにくい。このため、通常この方法では狭窄が50%以上進んだ病巣しか検出することができず、虚血性疾患の発作が発症する前に病巣を検出することは困難である。
これとは別に、疎水性ヨード造影剤若しくは親水性造影剤を製剤化し、目的とする疾患部位に選択的に集積させる試みが報告されている。その一つとして、疎水性、かつ加水分解抵抗性の放射性ヨード造影剤をマイクロエマルジョン製剤化、若しくはアセチルLDLに取り込ませて実験動物に投与して、動脈硬化巣部位を放射性造影する例が開示されている(特許文献1参照)。また、Cholesteryl Iopanoateを用いて動脈硬化巣部位をX線造影する例も開示されているが(特許文献2参照)、これらの化合物は生体内で分解されず、生体臓器、特に肝臓に蓄積することが報告されている(非特許文献1参照)。このような化合物の性質は生体内に長期留まることを示しており、例えば、X線造影剤のような診断への用途を考えた場合には好ましい性質とはいえなかった。そこで、特許文献3及び4においては生体内の分解性が高い2個の2,4,6−トリヨードフェニル基を含むアルキルカルボン酸からなるジアシル−1,3−グリセリド化合物の2位置換体が開示されているが、該公報に記載されている化合物においても未だその毒性の点では問題があった。
化合物の観点からは、2個の3−アミノ−2,4,6−トリヨードフェニル基を含むアルキルカルボン酸からなるジアシル−1,3−グリセリド化合物についての記載がある(特許文献5及び非特許文献2参照)。しかし、合成中間体としての使用以外の用途は示されていない。
国際公開WO01/93918 国際公開WO01/82977 国際公開WO03/80554 国際公開WO03/18530 米国特許第4873075号 ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー( Journal of Medicinal Chemistry), 25, 1500 (1982) ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー( Journal of Medicinal Chemistry), 29, 2457 (1986)
本発明の課題は、病巣選択的に造影するためのリポソーム含有ヨード造影剤に適したヨード化合物を提供することである。
本発明者らは上記の課題を解決すべく研究を行った結果、本発明のトリヨードアリール基を有するエステル化合物がX線造影剤としてのリポソームの構成成分として優れた性質を有しており、この化合物を含むリポソームを用いてX線造影することにより血管疾患の病巣を選択的に造影できることを見出した。また、この化合物は造影後に肝臓で代謝され、体内に蓄積しない性質を有すると同時に、その用途上好ましくない神経毒性および骨髄毒性も発現しない安全性の高い化合物であることを見出した。本発明は上記の知見を基にして完成された。
本発明の課題は、病巣選択的に造影するためのリポソーム含有ヨード造影剤に適したヨード化合物を提供することである。本発明者等は上記の課題を解決すべく研究を行った結果、本発明のトリヨードアリール基を有するエステル化合物がX線造影剤としてのリポソームの構成成分として優れた性質を有しており、この化合物を含むリポソームを用いてX線造影することにより血管疾患の病巣を選択的に造影できることを見出した。また、この化合物は造影後に肝臓で代謝され、体内に蓄積しない性質を有すると同時に、その用途上好ましくない神経毒性および骨髄毒性も発現しない安全性の高い化合物であることを見出した。本発明は上記の知見を基にして完成された。
すなわち、本発明は、下記一般式 (I):
(式中、 Arは少なくとも3個のヨウ素原子を有するアリール基を示し;Aは−O−又は−CH2−を示し;nは5〜15の整数を示し;R1は1〜6個の炭素原子から構成される飽和又は不飽和の基を示す)で表される化合物又はその塩を提供するものである。この発明のさらに好ましい態様によれば、 Aが−O−である一般式(I)に記載の化合物又はその塩;及びnが7〜11の整数である一般式(I)に記載の化合物又はその塩が提供される。
また、本発明により、下記一般式(II):
(式中、Arは少なくとも3個のヨウ素原子を有するアリール基を示し;Aは−O−又は−CH2−を示し;nは5〜15の整数を示し;mは1以上の任意の整数を示し;Lは単結合又は(m+1)価の連結基を示し、該連結基は、炭素、酸素、及び窒素原子からなる群から選ばれる総数10個以下の原子と、任意の個数の水素原子とから構成される連結基であり; X1、・・・Xmはm個の置換基を示し、該置換基は、それぞれ独立に、−OR2、−CO23、−C(=O)R4、−SO3H、−N(R5)R6、又は下記一般式(III):
で表される基である。ただし、R2、R3、R4、R5、及びR6は、それぞれ独立に、水素原子又は1〜5個の炭素原子からなる無置換アルキル基を示す)で表される化合物又はその塩が提供される。
この発明の好ましい態様によれば、R2、R3、R4、R5、及びR6が、それぞれ独立に、水素原子又は1〜3個の炭素原子からなる無置換アルキル基である上記の化合物又はその塩が提供される。さらに好ましくは、Lが、炭素及び酸素原子からなる群から選ばれる総数10個以下の原子と任意の個数の水素原子とから構成される(m+1)価の連結基であり、 X1、・・・Xmが、それぞれ独立に、−OR2、−CO23、−C(=O)R4、−SO3H、又は一般式(III)で表される基である上記の化合物又はその塩;Aが−O−である上記の化合物又はその塩;及び、nが7〜11の整数である上記の化合物又はその塩が提供される。
別の観点からは、本発明により、上記の化合物又はその塩を膜構成成分として含むリポソームが提供され、その好ましい態様によれば、ホスファチジルコリン及びホスファチジルセリンを膜構成成分として含む上記リポソームが提供される。
また、本発明により、上記のリポソームを含むX線造影剤が提供される。この発明の好ましい態様によれば、血管疾患の造影に用いる上記X線造影剤;泡沫化マクロファージの影響で異常増殖した血管平滑筋細胞の造影に用いる上記X線造影剤;マクロファージが局在化する組織又は疾患部位の造影に用いる上記のX線造影剤;マクロファージが局在化する組織が肝臓、脾臓、肺胞、リンパ節、リンパ管、及び腎臓上皮からなる群から選ばれる上記のX線造影剤が提供される。
さらに、上記X線造影剤の製造のための上記の化合物又はその塩の使用;X線造影法であって、上記の化合物を膜構成成分として含むリポソームを、ヒトを含む哺乳類動物に投与した後にX線を照射する工程を含む方法;血管疾患の病巣の造影方法であって、上記の化合物を膜構成成分として含むリポソームを、ヒトを含む哺乳類動物に投与した後にX線を照射する工程を含む方法が本発明により提供される。
また、少なくとも1つのヨード原子が放射性同位体である上記の化合物又はその塩を膜構成成分として含むリポソーム、及び該リポソームを含むシンチグラフィー造影剤が本発明により提供される。この発明の好ましい態様によれば、泡沫化マクロファージの影響で異常増殖した血管平滑筋細胞の造影に用いる上記のシンチグラフィー造影剤;マクロファージが局在化する組織又は疾患部位の造影に用いる上記のシンチグラフィー造影剤;造影対象の組織が血管、肝臓、脾臓、肺胞、リンパ節、リンパ管、及び腎臓上皮からなる群から選ばれる上記のシンチグラフィー造影剤;腫瘍、動脈硬化巣、炎症部位、及び感染部位からなる群から選ばれる疾患部位の造影に用いる上記のシンチグラフィー造影剤が提供される。
上記シンチグラフィー造影剤の製造のための上記の化合物又はその塩の使用;シンチグラフィー造影法であって、上記の化合物を膜構成成分として含むリポソームを、ヒトを含む哺乳類動物に投与した後に該リポソームが発生する放射線を検出する工程を含む方法;血管疾患の病巣の造影方法であって、上記の化合物を膜構成成分として含むリポソームを、ヒトを含む哺乳類動物に投与した後に該リポソームが発生する放射線を検出する工程を含む方法も本発明により提供される。
本発明の化合物は、X線造影剤のためのリポソームの構成脂質として優れた性質を有しており、この化合物を含むリポソームを用いてX線造影することにより血管の病巣を選択的に造影できる。
本明細書において、ある官能基について「置換又は無置換」又は「置換基を有していてもよい」という場合には、その官能基が1又は2以上の置換基を有する場合があることを示しているが、特に言及しない場合には、結合する置換基の個数、置換位置、及び種類は特に限定されない。ある官能基が2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。本明細書において、ある官能基が置換基を有する場合、置換基の例としては、ハロゲン原子(本明細書において「ハロゲン原子」という場合にはフッ素、塩素、臭素、又はヨウ素のいずれでもよい)、アルキル基(本明細書において「アルキル基」という場合には、直鎖状、分岐鎖状、環状、又はそれらの組み合わせのいずれでもよく、環状アルキル基にはビシクロアルキル基などの多環性アルキル基を含む。アルキル部分を含む他の置換基のアルキル部分についても同様である)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が挙げられる。
Arが示す少なくとも3個のヨウ素原子で置換されたアリール基において、アリール環上のヨウ素原子の個数の上限は特に限定されないが、通常は5個以下であり、3個である場合が最も好ましい。Arが示すアリール基の種類は特に限定されないが、アントラセン基、ナフタレン基、又はフェニル基などが好ましく、フェニル基が最も好ましい。Arがトリヨードフェニル基を表す場合、ベンゼン環上における3個のヨウ素原子の置換位置は特に規定されないが、例えば「2,4,6位」、「2,3,5位」、「3,4,5位」置換が好ましく、より好ましくは「2,4,6位」、「2,3,5位」置換であり、なかでも「2,4,6位」置換が最も好ましい。
Arが示すアリール基は環上に置換基を有していてもよい。環上に存在する置換基の種類、個数、置換位置は特に限定されない。該アリール環が置換基を有する場合、好ましい置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基が挙げられる。また、Arが示すアリール環がヨウ素原子以外の置換基を有しない場合も好ましい。
Aは−O−又は−CH2−を表すが、Aが−O−を表す場合がより好ましい。nは5〜15の任意の整数を表し、より好ましくはnが7〜11の任意の整数を表す場合であり、nが8〜10の任意の整数を表す場合が最も好ましい。
1は1〜6個の炭素原子から構成される飽和又は不飽和の基を表す。R1は、直鎖状、分岐鎖状、環状、又はそれらの任意の組み合わせのいずれの形態もとることができるが、直鎖状又は分岐鎖状の場合がより好ましい。 R1は1〜6個の炭素原子から構成されるが、より好ましくは1〜3個の炭素原子から構成される場合であり、1〜2個の炭素原子から構成される場合が最も好ましい。R1が不飽和結合を有する場合、不飽和結合は二重結合又は三重結合のいずれか、又は両者の任意の組み合わせであってもよく、その個数及び位置は特に規定されない。R1は飽和の基であることがより好ましい。R1は炭素及び水素以外の原子を含むことはなく、また炭素及び水素以外の原子を含む置換基を有することはない。
mにおけるmは1以上の任意の整数を表し、X1 ・・・XmはLで表される連結基を介してm個のそれぞれ独立した一価の置換基が結合していることを意味している。mは特に限定されないが、通常は10以下であり、5以下であることが好ましく、より好ましくは3以下である。X1 ・・・Xmが表す置換基は、それぞれ独立に、−OR2、−CO23、−C(=O)R4、−SO3H、−N(R5)R6、又は下記一般式(III):
で表される基のいずれかである。R2、R3、R4、R5、及びR6は、それぞれ独立に、水素原子又は1〜5個の炭素原子からなる無置換アルキル基を示す。R2、R3、R4、R5、及びR6が示すアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状、又はそれらの任意の組み合わせのいずれの形態もとることができるが、直鎖状又は分岐鎖状の場合がより好ましい。R2、R3、R4、R5、及びR6が水素原子又は1〜3個の炭素原子からなる無置換アルキル基である場合がより好ましく、R2、R3、R4、R5、及びR6が水素原子又は1〜2個の炭素原子からなる無置換アルキル基である場合が最も好ましい。mが2以上の場合、Xで表される複数の置換基は同一であっても異なっていてもよい。X1 ・・・Xmで表される置換基は−OR2、−CO23、−C(=O)R4、−SO3H、又は一般式(III)で表される基であることがより好ましく、−OR2、−CO23、−C(=O)R4、又は一般式(III)で表される基であることが最も好ましいい。
Lは単結合又は(m+1)価の連結基を示し、該連結基は、炭素、酸素、及び窒素原子からなる群から選ばれる総数10個以下の原子と、任意の個数の水素原子とから構成される。Lが総数10個以下の炭素及び酸素原子からなる群から選ばれる原子と任意の個数の水素原子とから構成される場合がより好ましい。Lが示す連結基の構造は特に規定されず、鎖状、分岐鎖状、環状、又はそれらの任意の組み合わせのいずれの構造であってもよい。Lが示す連結基は飽和又は不飽和のいずれであってもよい。Lが示す連結基中に不飽和結合を有する部分構造が存在する場合、その位置及び個数は特に限定されず、その部分構造の種類についても特に限定されない。例えば、−C≡C−、>C=C<、>C=O、>C=N−、−N=N−、−C≡N、およびこれらの組み合わせなどを挙げることができる。Lは単結合を表す場合もある。Lとしては、1〜10個の炭素、酸素、及び窒素原子からなる群から選ばれる原子を含む連結基が好ましく、1〜10個の炭素及び酸素原子からなる群から選ばれる原子を含む連結基がより好ましい。さらに、1〜6個の炭素、酸素、及び窒素原子からなる群から選ばれる原子を含む連結基である場合がより好ましく、1〜6個の炭素及び酸素原子からなる群から選ばれる原子を含む連結基であることが最も好ましい。
本発明の化合物は1以上の不斉中心を有する場合があるが、この場合、不斉中心に基づく光学活性体又はジアステレオ異性体などの立体異性体が存在する。純粋な形態の任意の立体異性体、任意の立体異性体の混合物、又はラセミ体などは、いずれも本発明の範囲に包含される。また、本発明の化合物はオレフィン性の二重結合を1個又は2個以上有する場合があるが、その配置はE又はZのいずれであってもよく、両者の混合物として存在していてもよい。本発明の化合物は互変異性体として存在する場合もあるが、任意の互変異性体、又はそれらの混合物は本発明の範囲に包含される。さらに、本発明の化合物は塩を形成する場合があり、遊離形態の化合物又は塩の形態の化合物が水和物又は溶媒和物を形成する場合もあるが、このような場合も本発明の範囲に包含される。塩の種類は特に限定されず、酸付加塩又は塩基付加塩のいずれであってもよい。
以下に本発明の化合物の好ましい例を示すが、本発明の化合物はこれらの例に限定されることはない(Meはメチル基、Etはエチル基を示す)。
本発明の一般式(I)で表される化合物の一般的な合成法について説明するが、本発明の化合物の合成法はこれらに限定されるものではない。本発明の化合物の部分構造であるヨードフェニル基、とりわけトリヨードフェニル基に関する合成原料としては、通常市販されているものを使用してもよく、あるいは用途に応じて適宜合成してもよい。市販品としては、例えば2,4,6-トリヨードフェノールや安息香酸誘導体(例えば、3-amino-2,4,6-triiodobenzoic acid, acetrizoic acid, iopipamide, diatrizoic acid, histodenz, 5-amino-2,4,6-triiodoisophthalic acid, 2,3,5-triiodobenzoic acid, tetraiodo-2-sulfobenzoic acid)、ヨードパン酸(iopanoic acid)、iophenoxic acidなどを用いることができる。合成により入手する場合には、例えばRichard C. Larock著、Comprehensive organic transformations(VCH)に記載の方法により、芳香環上にヨード原子を導入し、原料として用いることができる。
上記のトリヨードフェニル誘導体が部分構造として水酸基を含有する場合、この官能基とハロゲン化脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸の誘導体等とエーテル連結を介して縮合し、トリヨードフェニル基を有するカルボン酸として合成中間体に用いることもできる。これらの工程では、必要な場合には保護基を用いることもできるが、この場合の保護基とは、例えば、T. W. Green & P. G. M. Wuts著、Protecting groups in organic synthesis(John Wiley & sonc, inc.)に記載のものを適宜選択して用いることができる。ハロゲン化脂肪酸としては、例えば、10-ブロモデカン酸、12-ブロモドデカン酸、16-ブロモヘキサデカン酸、およびそのエステル体が利用でき、ヒドロキシ脂肪酸としては、例えば、10-ヒドロキシデカン酸、12-ヒドロキシドデカン酸、12-ヒドロキシステアリン酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、J. Med. Chem., 29, 1674 (1986)に記載の手法に準じて合成することもできる。
本発明の化合物は、トリヨードフェニル基に結合したアルキレン鎖を有することができるが、適当な合成原料が存在しない場合には適宜の原料化合物を用いて合成的に調製することができる。その合成法は、例えばWittig反応やBarbier-Wieland分解、Arndt-Eistert合成、アセチリドを用いる方法(例えば、Tetrahedron Lett. 35, 9501 (1994)に記載の方法を参照することができる)、クロロ蟻酸エステルを用いる方法(例えば、Synthesis 427 (1986)に記載された方法など)、マロン酸ジエチルを用いる方法(例えば、Arch. Pharm. (Weinheim) 328, 271 (1995)に記載された方法など)等が挙げられる。しかし、これらの方法は一例であり、これらに限定されるものではない。
上記のトリヨードフェニル基を有するカルボン酸と、任意のアルコールを用いて、例えばRichard C. Larock著、Comprehensive organic transformations(VCH)に記載の方法によりエステル形成することによって本発明の化合物に誘導することができる。しかし、これらの方法は一例であり、限定されるものではない。
本発明の化合物又はその塩はリポソームの膜構成成分として用いることができる。本発明の化合物又はその塩を用いてリポソームを調整する場合、本発明の化合物又はその塩の使用量は、膜構成成分の全質量に対して10から90質量%程度、好ましくは10から80質量%、さらに好ましくは20から80質量%である。本発明の化合物は膜構成成分として1種類を用いてもよいが、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
リポソームの他の膜構成成分としては、リポソームの製造に通常用いられている脂質化合物をいずれも用いることが可能である。例えば、Biochim. Biophys. Acta 150(4), 44 (1982)、Adv. In Lipid. Res. 16(1), 1 (1978)、_RESEARCH IN LIPOSOMES_ (P. Machy, L. Leserman著、John Libbey EUROTEXT社)、「リポソーム」(野島、砂本、井上編、南江堂)等に記載されている。脂質化合物としてはリン脂質が好ましく、特に好ましいのはホスファチジルコリン(PC)類である。ホスファチジルコリン類の好ましい例としては、eggPC、ジミリストイルPC(DMPC)、ジパルミトイルPC(DPPC)、ジステアロイルPC(DSPC)、ジオレイルPC(DOPC)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の好ましい態様では、リポソームの膜構成成分として、ホスファチジルコリンとホスファチジルセリン(PS)を組み合せて用いることができる。ホスファチジルセリンとしては、ホスファチジルコリンの好ましい例として挙げたリン脂質と同様の脂質部位を有する化合物が挙げられる。ホスファチジルコリンとホスファチジルセリンを組み合せて用いる場合、PCとPSの好ましい使用モル比はPC:PS=90:10から10:90の間であり、さらに好ましくは、30:70から70:30の間である。
本発明のリポソームにおける別の好ましい態様によると、膜構成成分として、ホスファチジルコリンとホスファチジルセリンを含み、さらにリン酸ジアルキルエステルを含むリポソームが挙げられる。リン酸ジアルキルエステルのジアルキルエステルを構成する2個のアルキル基は同一であることが好ましく、それぞれのアルキル基の炭素数は6以上であり、10以上が好ましく、12以上がさらに好ましい。好ましいリン酸ジアルキルエステルの例としては、ジラウリルフォスフェート、ジミリスチルフォスフェート、ジセチルフォスフェート等が挙げられるが、これに限定されることはない。この態様において、ホスファチジルコリン及びホスファチジルセリンの合計質量に対するリン酸ジアルキルエステルの好ましい使用量は1から50質量%までであり、好ましくは1から30質量%であり、さらに好ましくは1から20質量%である。
ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、リン酸ジアルキルエステ及び本発明の化合物を膜構成成分として含むリポソームにおいて、上記成分の好ましい質量比はPC:PS:リン酸ジアルキルエステル:本発明の化合物が5〜40質量%:5〜40質量%:1〜10質量%:15〜80質量%の間で選択することができる。
本発明のリポソームの構成成分は上記4者に限定されず、他の成分を加えることができる。その例としては、コレステロール、コレステロールエステル、スフィンゴエミリン、FEBS Lett. 223, 42 (1987); Proc. Natl. Acad. Sci., USA 85, 6949 (1988)等に記載のモノシアルガングリオキシドGM1誘導体、Chem. Lett. 2145 (1989); Biochim. Biophys. Acta 1148, 77 (1992)等に記載のグルクロン酸誘導体、Biochim. Biophys. Acta 1029, 91 (1990); FEBS Lett. 268, 235 (1990)等に記載のポリエチレングリコール誘導体が挙げられるが、これに限られるものではない。
本発明のリポソームは、当業者が利用可能ないかなる方法で製造してもよい。製造法の例としては、先に挙げたリポソームの総説成書類の他、Ann. Rev. Biophys. Bioeng. 9, 467 (1980)、"Liposomes" (M. J. Ostro編、MARCELL DEKKER、INC.)等に記載されている。具体例としては、超音波処理法、エタノール注入法、フレンチプレス法、エーテル注入法、コール酸法、カルシウム融合法、凍結融解法、逆相蒸発法等が挙げられるが、これに限られるものではない。本発明のリポソームのサイズは、上記の方法で作成できるサイズのいずれであっても構わないが、通常は平均が400nm以下であり、200nm以下が好ましい。リポソームの構造は特に限定されず、ユニラメラ又はマルチラメラなどのいずれの形態でもよい。また、リポソームの内部に適宜の薬物や他の造影剤の1種又は2種以上を配合することも可能である。
本発明のリポソームを造影剤として用いる場合には、好ましくは非経口的に投与することができ、より好ましくは静脈内投与することができる。例えば、注射剤や点滴剤などの形態の製剤を凍結乾燥形態の粉末状組成物として提供し、用事に水又は他の適当な媒体(例えば生理食塩水、ブドウ等輸液、緩衝液など)に溶解ないし再懸濁して用いることができる。本発明のリポソームを造影剤として用いる場合、投与量はリポソームのヨード含有量が従来のヨード造影剤のヨード含有量と同程度になるように適宜決定することが可能である。
いかなる特定の理論に拘泥するわけではないが、動脈硬化、若しくはPTCA後の再狭窄等の血管疾患においては、血管の中膜を形成する血管平滑筋細胞が異常増殖を起こすと同時に内膜に遊走し、血流路を狭くすることが知られている。正常の血管平滑筋細胞が異常増殖を始めるトリガーはまだ完全に明らかにされていないが、マクロファージの内膜への遊走と泡沫化が重要な要因であることが知られており、その後に血管平滑筋細胞がフェノタイプ変換(収縮型から合成型)をおこすことが報告されている。
本発明のリポソームを用いると、泡沫化マクロファージの影響で異常増殖した血管平滑筋に対して疎水性ヨード化合物を選択的に取り込ませることができる。その結果、病巣と非疾患部位とをコントラストをつけて造影することが可能である。従って、本発明の造影剤は、特に血管疾患のX線造影に好適に使用でき、例えば、動脈硬化巣やPTCA後の再狭窄等の造影を行うことができる。
また、例えばJ. Biol. Chem., 265, 5226 (1990)に記載されているように、リン脂質よりなるリポソーム、特にPCとPSから形成されるリポソームが、スカベンジャーレセプターを介してマクロファージに集積しやすいことが知られている。従って本発明のリポソームを使用することにより、本発明のヨード化合物をマクロファージが局在化している組織又は疾患部位に集積させることができる。本発明のリポソームを用いると、公知技術であるサスペンジョン又はオイルエマルジョンを用いる場合に比べて、より多くのヨード化合物をマクロファージに集積させることが可能である。
マクロファージの局在化が認められ、本発明の方法で好適に造影可能な組織としては、例えば、血管、肝臓、肺胞、リンパ節、リンパ管、腎臓上皮を挙げることができる。また、ある種の疾患においては、疾患部位にはマクロファージが集積していることが知られている。こうした疾患としては、腫瘍、動脈硬化、炎症、感染等を挙げることができる。従って、本発明のリポソームを用いることにより、これらの疾患部位を特定することができる。特に、アテローム性動脈硬化病変の初期過程において、スカベンジャーレセプターを介して変性LDLを大量に取り込んだ泡沫化マクロファージが集積していることが知られており(Am. J. Pathol., 103, 181(1981)、Annu. Rev. Biochem., 52, 223(1983))、このマクロファージに本発明のリポソームを集積化させてX線造影をすることにより、他の手段では困難な動脈硬化初期病変の位置を特定することが可能である。
本発明のリポソームを用いた造影方法は特に限定されない。例えば、通常のX線造影剤を用いた造影方法と同様にしてX線を照射することにより造影を行うことができる。また、ヨードの放射線同位体を含む本発明の化合物を用いてリポソームを形成し、該リポソームをシンチグラフィー用造影剤として用いることにより、核医学的方法による造影を行うことも可能である。ヨードの放射性同位体は特に限定されないが、好ましい例としては122I、123I、125I及び131Iを挙げることができ、特に好ましい例としては123I及び125Iを挙げることができる。放射性ラベル化合物の合成は対応する非ラベル化合物を合成した後に、Appl. Radiat. Isot., 37(8), 907 (1986)等に記載されている既知の方法で実施することができる。疎水性化合物がトリヨードベンゼン誘導体である場合、同一ベンゼン環上の3個のヨード原子のうち少なくとも1個が放射線同位体化されていることが好ましい。好ましくは2個以上が放射線同位体化されていることであり、最も好ましいのは3個が同一の放射線同位体でラベル化されていることである。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。なお、下記の実施例中の化合物番号は上記に示した化合物例の番号に対応している。また、実施例中の化合物の構造はNMRスペクトルにより確認した。
例1
10-ブロモ-1-デカノール25.1gと2,4,6-トリヨードフェノール45.0g、炭酸カリウム15.0gをジメチルホルムアミド500mLに加え、室温で2日攪拌した。反応物を500mLの水に注ぎ、生じた沈殿を濾別した。水、メタノールで順次洗浄した後、乾燥して10- (2,4,6-トリヨードフェノキシ)-1-デカノールを55.2g (収率92%)で得た。
12-ブロモドデカン酸4.8gと2,4,6-トリヨードフェノール9.1gをエタノール70mLに加え、還流して溶解させた。水酸化カリウム2.2gを加えてさらに12時間攪拌を続けた。得られた沈殿を濾別、エタノールで洗浄した後、クロロホルムと1規定塩酸を加えて、クロロホルムで2回抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を除去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して12- (2,4,6-トリヨードフェノキシ)ドデカン酸を7.0g (収率60%)得た。
上記カルボン酸を用いて、Aust. J. Chem., 48, 1893 (1995)に記載の方法に準拠して、12- (2,4,6-トリヨードフェノキシ)-1-ドデカノールを得た。
Med. Chem., 29, 1674 (1986)に記載の方法に準拠して得られた、12- (3-アミノ-2,4,6-トリヨードフェニル)ドデカン酸を、Arch. Pharm. (Weinheim Ger) 4, 367 (1984)に記載された方法に準拠して脱アミノ化し、さらに上記のAust. J. Chem., 48, 1893 (1995)に記載の方法を用いることで、12- (2,4,6-トリヨードフェニル)ドデカノールを得た。
上記いずれかの方法に準拠して任意のアルキル鎖長を有する、2,4,6-トリヨードフェノキシ/2,4,6-トリヨードフェニル アルキルアルコールを合成することができる。
10- (2,4,6-トリヨードフェノキシ)-1-デカノール1.3g (2.0mmol)をジクロロメタン (0.2mol/l)に溶かし、ジメチルアミノピリジン(DMAP, 0.05eq)と3- (4-メトキシベンジロキシ)プロパン酸 (1.2eq)、1-エチル-3-(3-N,N-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC, 1.1eq)を加えて撹拌した。反応の終了を確認した後、溶媒を除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製してエステル体を得た。ついで、T. W. Green & P. G. M. Wuts著、Protecting groups in organic synthesis (John Wiley & sonc, inc.)に記載の方法に準拠して、MPMエーテルの脱保護を行い、化合物1−1を得た。
化合物1−1:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.05 (2H, s) 4.11 (2H, t, J=6.4Hz) 3.93 (2H, t, J=6.4Hz) 3.87 (2H, bq, J=6.4Hz) 2.58 (2H, t, J = 6.0Hz) 2.41 (1H, bt, J=6.4Hz) 1.89 (2H, quin, J = 6.4Hz) 1.70-1.48 (4H, m) 1.43-1.25 (10H, m).
対応するアルコールおよびカルボン酸を用い、化合物1−1と同様の方法で化合物1−2〜1−4を合成した。
化合物1−2:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.05 (2H, s) 4.21 (2H, t, J=6.4Hz) 4.17 (2H, d, J=5.7Hz) 3.93 (2H, t, J=6.4Hz) 2.33 (1H, t, J = 5.7Hz) 1.89 (2H, quin, J = 6.4Hz) 1.70-1.48 (4H, m) 1.43-1.25 (8H, m).
化合物1−3:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.05 (2H, s) 4.12 (2H, t, J=6.4Hz) 3.93 (2H, t, J=6.4Hz) 3.88 (2H, q, J=5.7Hz) 2.58 (2H, t, J=5.7Hz) 2.41 (1H, t, J =6.4Hz) 1.89 (2H, quin, J=6.4Hz) 1.70-1.48 (4H, m) 1.43-1.25 (8H, m).
化合物1−4:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.05 (2H, s) 4.07 (2H, t, J=6.4Hz) 3.93 (2H, t, J=6.4Hz) 3.88 (2H, bq, J=4.8Hz) 2.35 (2H, t, J=5.7Hz) 2.41 (1H, t, J =6.4Hz) 1.89 (2H, quin, J=6.4Hz) 1.70-1.48 (8H, m) 1.43-1.25 (8H, m).
例2
9-(2,4,6-トリヨードフェノキシ)-1-ノナノール15.0g (24.5mmol)をジクロロメタンに溶かし (0.5mol/l)、ピリジン (2.1eq)を加え、0℃で撹拌した。クロロアセチルクロリド (1.1eq)を30分かけて滴下し、0℃で1時間撹拌した。水を加えて、ジクロロメタンで2度抽出し、得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、1規定塩酸、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。除媒後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、クロロ酢酸のエステル (83%)を得た。
得られたエステルをジメチルホルムアミド(DMF)に溶かし (0.1mol/l)、それぞれ対応するカルボン酸 (1.3eq)と炭酸水素ナトリウム (1.2eq)を加え、100℃で1時間撹拌した。放冷後、1規定塩酸を加え、ジクロロメタンで2回抽出した。有機層を4回水洗し、ついで飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を除去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物2−1〜2−4を得た。
化合物2−1:
1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ: 8.04 (2H, s) 4.72 (1H, d, J=16.0Hz) 4.62 (1H, d, J=16.0Hz) 4.33-4.22 (1H, m) 4.18 (2H, t, J=6.8Hz) 3.93 (2H, t, J=6.4Hz) 3.06 (1H, d, J=4Hz) 2.61 (1H, dd, J=16Hz, 3.6Hz) 2.53 (1H, dd, J=16.0Hz, 8.0Hz) 1.90 (2H, quin, J=8.0Hz) 1.70-1.45 (4H, m) 1.45-1.30 (8H, m) 1.27 (3H, d, J=6.0Hz).
化合物2−2:
1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ: 8.04 (2H, s) 4.75 (1H, d, J=16.0Hz) 4.66 (1H, d, J=16.0Hz) 4.46-4.37 (1H, m) 4.18 (2H, t, J=6.8Hz) 3.93 (2H, t, J=6.4Hz) 2.68 (1H, d, J=5.6Hz) 1.89 (2H, quin, J=7.8Hz) 1.70-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
化合物2−3:
1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ: 8.05 (2H, s) 4.92 (1H, d, J=16.0Hz) 4.63 (1H, d, J=16.0Hz) 4.40 (1H, dt, J=8.0, 4.2Hz) 4.18 (2H, t, J=7.4Hz) 4.05 (1H, ddd, J=11.7, 7.5, 3.2Hz) 3.93 (2H, t, J=6.4Hz) 3.40 (1H, ddd, J=11.7, 9.1, 3.2Hz) 3.04 (1H, d, J=8.0Hz) 2.71 (1H, dd, J=8.0, 6.4Hz) 1.89 (2H, quin, J=8.0Hz) 1.70-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
化合物2−4:
1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ: 8.05 (2H, s) 4.71 (2H, s) 4.30 (2H, d, J=6.4Hz) 4.18 (2H, t, J=6.8Hz) 3.93 (2H, t, J=6.4Hz) 2.29 (1H, t, J=5.5Hz) 1.89 (2H, quin, J=8.0Hz) 1.70-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
例3
9- (2,4,6-トリヨードフェノキシ)-1-ノナノール2.5g (4.0mmol)を2-ブタノンに溶かし (0.5mol/l)、1,1'-カルボニルビス-1H-イミダゾール (2.1eq)と炭酸カリウム (1.5eq)を加えて還流した。放冷後、水を加えてクロロホルムで2回抽出し、得られた有機層を飽和塩化アンモニウム溶液、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を除去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、カルバメート体を得た (84%)。
3- (4-メトキシベンジロキシ)プロパノール0.5g (2.1mmol)をDMFに溶かし (0.2mol/l)、0℃に冷却した後、NaH (1.3eq)を加えた。室温に戻した後、上記カルバメート体 (0.95eq)のテトラヒドロフラン(THF)溶液 (0.5mol/l)を加え、室温で撹拌した。反応終了後、飽和塩化アンモニウム溶液を加えてクロロホルムで2回抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を除去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物3−1の4-メトキシベンジル(MPM)保護体を得た (69%)。ついで、 T. W. Green & P. G. M. Wuts著、Protecting groups in organic synthesis (John Wiley & sonc, inc.)に記載の方法に準拠して、MPMエーテルの脱保護を行い、化合物3−1を得た。
化合物3−1:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.05 (2H, s) 4.30 (2H, t, J=6.4Hz) 4.13 (2H, t, J=6.4Hz) 3.93 (2H, t, J=6.4Hz) 3.74 (2H, q, J=6.4Hz) 1.96-1.85 (4H, m) 1.74 (1H, bt, J=5.7Hz) 1.70-1.48 (4H, m) 1.43-1.25 (8H, m).
例4
対応するアルコールとカルボン酸を用いて、化合物1−1と同様の方法を用いて縮合し、化合物4−1〜4−5を得た。
化合物4−1:
1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ: 8.04 (2H, s) 4.17 (2H, t, J=6.8Hz) 4.03 (2H, s) 3.93 (2H, t, J=6.4Hz) 3.45 (3H, s) 1.90 (2H, quin, J=8.0Hz) 1.75-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
化合物4−2:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.04 (2H, s) 4.09 (2H, t, J=6.7Hz) 3.93 (2H, t, J=6.5Hz) 3.36 (3H, s) 2.57 (2H, t, J=6.4Hz) 1.89 (2H, quin, J=8.0Hz) 1.75-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
化合物4−3:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.04 (2H, s) 4.07 (2H, t, J=6.7Hz) 3.93 (2H, t, J=6.5Hz) 3.40 (2H, t, J=6.2Hz) 3.33 (3H, s) 2.39 (2H, t, J=7.4Hz) 1.89 (2H, quin, J=7.4Hz) 1.75-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
化合物4−4:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.04 (2H, s) 4.06 (2H, t, J=6.7Hz) 3.93 (2H, t, J=6.5Hz) 3.38 (2H, t, J=6.1Hz) 3.33 (3H, s) 2.33 (2H, t, J=7.5Hz) 1.89 (2H, quin, J=8.0Hz) 1.80-1.45 (8H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
化合物4−5:
1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ: 8.04 (2H, s) 4.05 (2H, t, J=8.0Hz) 3.95 (2H, t, J=8.0Hz) 3.39 (2H, t, J=8.0Hz) 3.33 (3H, s) 2.31 (2H, t, J=9.0Hz) 1.89 (2H, quin, J=8.0Hz) 1.75-1.45 (8H, m) 1.45-1.25 (10H, m).
例5
化合物2−1〜2−4と同様の合成法で化合物5−1〜5−4を合成した。
化合物5−1:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.05 (2H, s) 4.70 (2H, s) 4.18 (2H, t, J=6.4Hz) 4.17 (2H, s) 3.93 (2H, t, J=6.4Hz) 3.49 (3H, s) 1.89 (2H, quin, J=7.4Hz) 1.75-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
化合物5−2:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.04 (2H, s) 4.64 (2H, s) 4.16 (2H, t, J=6.7Hz) 3.93 (2H, t, J=6.5Hz) 3.70 (2H, t, J=6.3Hz) 3.36 (3H, s) 2.70 (2H, t, J=6.4Hz) 1.89 (2H, quin, J=8.0Hz) 1.75-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
化合物5−3:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.04 (2H, s) 4.74 (1H, d, J=15.7Hz) 4.65 (1H, d, J=15.7Hz) 4.17 (2H, t, J=6.7Hz) 3.93 (2H, t, J=6.5Hz) 3.43 (3H, s) 1.89 (2H, quin, J=8.0Hz) 1.75-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
化合物5−4:
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ: 8.04 (2H, s) 4.69 (2H, s) 4.29 (2H, s) 4.17 (2H, t, J=6.8Hz) 3.94 (2H, t, J=6.8Hz) 3.80-3.70 (2H, m) 3.65-3.55 (2H, m) 3.39 (3H, s) 1.89 (2H, quin, J=6.0Hz) 1.75-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
例6
後述の化合物16−5と2-メトキシ1-エタノールを用い、化合物1−1の合成法に準じて、化合物6−1を得た。
化合物6−1:
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ: 8.05 (2H, s) 4.27-4.23 (2H, m) 4.09 (2H, t, J=7.1Hz) 3.93 (2H, t, J=7.1Hz) 3.62-3.57 (2H, m) 3.39 (3H, s) 2.72-2.59 (4H, m) 1.89 (2H, quin, J=6.0Hz) 1.75-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
例7
対応するアルコールとカルボン酸を用いて、化合物1−1と同様の方法を用いて縮合し、化合物7−1、7−2を得た。
化合物7−1:
1H-NMR(300MHz, CDCl3) δ: 8.04 (2H, s) 4.15 (2H, s) 4.15 (2H, t, J=6.4Hz) 3.93 (2H, t, J=6.5Hz) 3.80-3.65 (2H, m) 3.65-3.55 (2H, m) 3.39 (3H, s) 1.89 (2H, quin, J=7.9Hz) 1.75-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
化合物7−2:
1H-NMR(300MHz, CDCl3) δ: 8.04 (2H, s) 7.25 (2H, d, J=7.4Hz) 6.87 (2H, d, J=8.6Hz) 4.46 (2H, s) 4.09 (2H, t, J=6.7Hz) 3.93 (2H, t, J=6.5Hz) 3.80 (3H, s) 3.72 (2H, t, J=6.4Hz) 2.60 (2H, t, J=6.5Hz) 1.89 (2H, quin, J=8.0Hz) 1.70-1.45 (4H, m) 1.45-1.2 (8H, m).
例8
J. Med. Chem., 43, 1489 (2000)に記載の方法に従って、モルホリノ酢酸を得た。これと対応するアルコールより化合物と同様の方法を用いて縮合し、化合物8−1を得た。
化合物8−1: 注)モルホリンユニットのピークがブロード化する
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.05 (2H, s) 4.12 (2H, t, J=6.4Hz) 3.93 (2H, t, J=6.4Hz) 3.78-3.73 (4H, m) 3.21 (2H, s) 2.63-2.56 (2H, m) 1.89 (2H, quin, J=6.4Hz) 1.70-1.48 (4H, m) 1.43-1.25 (8H, m).
9-(2,4,6-トリヨードフェノキシ)-1-ノナノール1.2g (2.0mmol)をジクロロメタン (0.2mol/l)に溶かし、3-クロロプロパン酸クロリド (1.2eq)を加えて0℃で撹拌した。ピリジン (1.2eq)を加えて室温まで昇温し、水を加えた。クロロホルムで2回抽出し、得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、エステル体を得た (58%)。
上記エステルをTHF (0.2mol/l)に溶かし、NaI (触媒量)とモルホリン (5eq)を加え、室温で撹拌した。水を加え、クロロホルムで2回抽出し、得られた有機層を1規定塩酸、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物8−2を得た (98%)。
化合物8−2:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.05 (2H, s) 4.12 (2H, t, J=6.4Hz) 3.93 (2H, t, J=6.4Hz) 3.95-3.65 (4H, brs) 2.95-2.40 (8H, m) 1.89 (2H, quin, J=6.4Hz) 1.70-1.48 (4H, m) 1.43-1.25 (8H, m).
それぞれ対応する酸クロリドを用い、化合物8−2と同様の方法で化合物8−3〜8−5を合成した。
化合物8−3:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.05 (2H, s) 4.08 (2H, t, J=6.4Hz) 3.93 (2H, t, J=6.4Hz) 3.73-3.67 (4H, m) 2.48-2.31 (8H, m) 1.96-1.76 (4H, m) 1.70-1.48 (4H, m) 1.43-1.25 (8H, m).
化合物8−4: 注)モルホリンユニットのピークがブロード化する
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.05 (2H, s) 4.07 (2H, t, J=6.4Hz) 3.93 (2H, t, J=6.4Hz) 3.00-2.50 (4H, brs) 2.38 (2H, t, J=6.6Hz) 1.89 (2H, quin, J=6.4Hz) 1.70-1.48 (6H, m) 1.43-1.25 (8H, m).
化合物8−5: 注)モルホリンユニットのピークがブロード化する
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.05 (2H, s) 4.07 (2H, t, J=6.4Hz) 3.93 (2H, t, J=6.4Hz) 3.00-2.50 (4H, brs) 2.34 (2H, t, J=6.6Hz) 1.89 (2H, quin, J=6.4Hz) 1.70-1.48 (6H, m) 1.43-1.25 (10H, m).
例9
それぞれ対応する化合物1とモルホリノアルキルカルボン酸を用い、化合物1−1と同様の方法で縮合して化合物9−1〜9−3を合成した。
化合物9−1:
1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ: 8.05 (2H, s) 4.68 (2H, s) 4.16 (2H, t, J=6.8Hz) 3.93 (2H, t, J=6.8Hz) 3.78-3.72 (4H, m) 3.33 (2H, s) 2.64-2.60 (4H, m) 1.89 (2H, quin, J=6.4Hz) 1.70-1.48 (4H, m) 1.43-1.25 (8H, m).
化合物9−2:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.05 (2H, s) 4.40 (2H, t, J=6.4Hz) 4.10 (2H, t, J=6.8Hz) 3.93 (2H, t, J=6.8Hz) 3.78-3.72 (4H, m) 3.21 (2H, s) 2.66 (2H, t, J=6.4Hz) 2.61-2.54 (4H, m) 1.89 (2H, quin, J=6.4Hz) 1.70-1.48 (4H, m) 1.43-1.25 (8H, m).
化合物9−3:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.05 (2H, s) 4.18-4.10 (2H, m) 4.07 (2H, t, J=6.8Hz) 3.93 (2H, t, J=6.8Hz) 3.78-3.72 (4H, m) 3.21 (2H, s) 2.63-2.56 (4H, m) 2.34 (2H, brs) 1.89 (2H, quin, J=6.4Hz) 1.70-1.48 (8H, m) 1.43-1.25 (8H, m).
例10
それぞれ対応する化合物16とモルホリンを用い、化合物1−1と同様の方法で縮合して化合物10−1〜10−3を合成した。
化合物10−1:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.04 (2H, s) 4.75 (1H, m) 4.13 (2H, t, J=6.8Hz) 3.93 (2H, t, J=6.5Hz) 3.92 (1H, d, J=7.9Hz) 3.85-3.35 (8H, m) 2.60 (2H, d, J=5.8Hz) 1.89 (2H, quin, J=7.9Hz) 1.75-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
化合物10−2:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.04 (2H, s) 7.36 (1H, d, J=15.3Hz) 6.81 (1H, d, J=15.4Hz) 4.19 (2H, t, J=6.8Hz) 3.93 (2H, t, J=6.5Hz) 3.80-3.50 (8H, m) 1.90 (2H, quin, J=8.0Hz) 1.80-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
化合物10−3:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.04 (2H, s) 4.08 (2H, t, J=6.8Hz) 3.93 (2H, t, J=6.5Hz) 3.72-3.58 (6H, m) 3.54-3.47 (2H, m) 2.72-2.58 (4H, m) 1.89 (2H, quin, J=6.8Hz) 1.80-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
例11
モルホリン2.0g(23mmol)をジクロロメタンに溶かし(1mol/l)、0℃に冷却した。ここに塩化クロロアセチル(1.0eq)のジクロロメタン溶液を15分かけて滴下した。0℃で2時間、室温で5時間撹拌した後、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を除去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、N-(1-クロロアセチル)モルホリンを得た(71%)。
後述の化合物16−3とN-(1-クロロアセチル)モルホリンを用い、化合物2−1と同様の方法で化合物11−1を得た。
化合物11−1:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.04 (2H, s) 4.84 (2H, s) 4.75-4.60 (1H, m) 4.12 (2H, td, J=6.6Hz, 1.4Hz) 3.93 (2H, t, J=6.5Hz) 3.78-3.68 (4H, m) 3.68-3.57 (2H, m) 3.45-3.35 (2H, m) 3.34 (1H, d, J=5.64) 2.98 (1H, dd, J=16.7Hz, 4.1Hz) 2.88 (1H, dd, J=16.7Hz, 6.4Hz) 1.90 (2H, quin, J=8.0Hz) 1.75-1.45 (4H, m) 1.45-1.20 (8H, m).
後述の化合物16−3と4-(2-クロロエチル)モルホリン塩酸塩を用い、化合物2−1と同様の手法で縮合し、化合物11−2を得た。
化合物11−2:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.04 (2H, s) 4.51 (1H, t, J=5.0Hz) 4.34 (2H, td, J=6.2Hz, 1.5Hz), 4.11 (2H, t, J=7.0Hz) 3.93 (2H, t, J=6.5Hz) 3.75-3.65 (4H, m) 2.95-2.70 (2H, m) 2.65 (2H, t, J=5.7Hz) 2.55-2.40 (4H, m) 1.90 (2H, quin, J=7.9Hz) 1.80-1.45 (4H, m) 1.45-1.20 (8H, m).
例12
2-モルホリノエタノールを用い、化合物3−1と同様の手法で化合物12−1を合成した。
化合物12−1:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.05 (2H, s) 4.26 (2H, t, J=6.4Hz) 4.13 (2H, t, J=6.4Hz) 3.93 (2H, t, J=6.4Hz) 3.95-3.65 (4H, brs) 2.95-2.40 (8H, m) 1.89 (2H, quin, J=6.4Hz) 1.70-1.48 (4H, m) 1.43-1.25 (8H, m).
例13
化合物1−3をDMFに溶かし、SO3-DMF (5eq)を加えて60℃で2時間撹拌した。放冷後、酢酸エチルを加えて生じた結晶を濾別、再度メタノールに溶解させた後に酢酸ナトリウム (2eq)のメタノール溶液を加えて得られた結晶を濾別、メタノール洗浄して、化合物13−1をナトリウム塩として得た。
化合物13−1:
1H-NMR(300MHz, DMSO)δ: 8.10 (2H, s) 4.01 (2H, t, J=6.8Hz) 3.91 (2H, t, J=6.6Hz) 3.86 (2H, t, J=6.3Hz) 2.56 (2H, t, J=6.5Hz) 1.81 (2H, quin, J=7.4Hz) 1.70-1.40 (4H, m) 1.40-1.20 (8H, m).
例14
9- (2,4,6-トリヨードフェノキシ)-1-ノナノールとそれぞれ対応するカルボン酸を用い、化合物1−1と同様の方法で縮合して化合物14−1、14−2を合成した。
化合物14−1:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.04 (2H, s) 4.14 (2H, t, J=6.70Hz) 3.93 (2H, t, J=6.5Hz) 3.45 (2H, s) 2.27 (3H, s) 1.89 (2H, quin, J=8.0Hz) 1.75-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
化合物14−2:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.04 (2H, s) 4.07 (2H, t, J=6.8Hz) 3.93 (2H, t, J=6.5Hz) 2.75 (2H, t, J=6.6Hz) 2.57 (2H, t, J=6.2Hz) 2.19 (3H, s) 1.89 (2H, quin, J=8.0Hz) 1.75-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
例15
それぞれ対応するカルボン酸を用い、化合物2−1〜2−4と同様の方法で化合物15−1〜15−4を合成した。
化合物15−1:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.15 (1H, s) 8.04 (2H, s) 4.70 (2H, s) 4.19 (2H, t, J=6.9Hz) 3.94 (2H, t, J=6.6Hz) 1.90 (2H, quin, J=8.0Hz) 1.75-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
化合物15−2:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.04 (2H, s) 4.60 (2H, s) 4.19 (2H, t, J=6.8Hz) 3.93 (2H, t, J=6.5Hz), 2.18 (3H, s) 1.90 (2H, quin, J=8.0Hz) 1.80-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
化合物15−3:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.05 (2H, s) 4.78 (2H, s) 4.19 (2H, t, J=6.4Hz) 3.93 (2H, t, J=6.4Hz), 2.53 (3H, s) 1.89 (2H, quin, J=6.4Hz) 1.80-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
化合物15−4:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.04 (2H, s) 4.61 (2H, s) 4.15 (2H, t, J=6.7Hz) 3.93 (2H, t, J=6.5Hz) 2.85-2.65 (4H, m) 2.19 (3H, s) 1.89 (2H, quin, J=8.0Hz) 1.75-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
例16
9-(2,4,6-トリヨードフェノキシ)-1-ノナノール2.0g(3.3mmol)にDMF-THF(4-1; 0.1mol/l)を加え、0℃に冷却した。NaH(1.1eq)を加えて室温まで昇温し、無水コハク酸(1.1eq)を加えて1日撹拌した。1規定塩酸を加えてジクロロメタンで2回抽出し、得られた有機層を1規定塩酸で6回洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。除媒後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して化合物16−1を得た(82%)。
化合物16−1:
1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ: 8.04 (2H, s) 4.10 (2H, t, J=6.8Hz) 3.93 (2H, t, J=6.8Hz) 2.72-2.60 (4H, m) 1.89 (2H, quin, J=6.8Hz) 1.80-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
9- (2,4,6-トリヨードフェノキシ)-1-ノナノールと対応するジカルボン酸を化合物1−1と同様の方法で縮合し、化合物16−2を得た。
化合物16−2:
1H-NMR(300MHz, DMSO)δ: 8.10 (2H, s) 4.17 (2H, s) 4.07 (2H, t, J=6.7Hz) 4.00 (2H, s) 3.86 (2H, t, J=6.4Hz) 1.81 (2H, quin, J=7.5Hz) 1.70-1.40 (4H, m) 1.40-1.20 (8H, m).
2,2-ジメチル-5-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-酢酸と対応するアルコールを用いて、化合物1−1と同様の方法で縮合してエステル体を得た。このエステル体をTHFに溶かし(0.1mol/l)、1規定塩酸(10eq)を加えて60℃で6時間撹拌した。ジクロロメタンで抽出した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を除去し、残渣を再結晶(ヘキサン−酢酸エチル)して化合物16−3〜16−5を得た。
化合物16−3:
1H-NMR(300MHz, DMSO)δ: 8.05 (2H, s) 4.55 (1H, t, J=5.2Hz) 4.15 (2H, t, J=6.8Hz) 3.94 (2H, t, J=6.8Hz) 2.95 (1H, dd, J=17.6, 4.4Hz) 2.86 (1H, dd, J=17.6, 4.4Hz) 1.89 (2H, quin, J=6.8Hz) 1.70-1.40 (4H, m) 1.40-1.20 (8H, m).
化合物16−4:
1H-NMR(300MHz, DMSO)δ: 8.05 (2H, s) 4.55 (1H, t, J=5.2Hz) 4.15 (2H, t, J=6.8Hz) 3.94 (2H, t, J=6.8Hz) 2.95 (1H, dd, J=17.6, 4.4Hz) 2.86 (1H, dd, J=17.6, 4.4Hz) 1.89 (2H, quin, J=6.8Hz) 1.70-1.40 (4H, m) 1.40-1.20 (10H, m).
化合物16−5:
1H-NMR(300MHz, DMSO)δ: 8.05 (2H, s) 4.55 (1H, t, J=5.2Hz) 4.15 (2H, t, J=6.8Hz) 3.94 (2H, t, J=6.8Hz) 2.95 (1H, dd, J=17.6, 4.4Hz) 2.86 (1H, dd, J=17.6, 4.4Hz) 1.89 (2H, quin, J=6.8Hz) 1.70-1.40 (4H, m) 1.40-1.20 (12H, m).
例17
2,2-ジメチル-5-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-酢酸を用い、化合物2−1と同様の方法でエステル化した後、化合物16−3と同様の方法でイソプロピリデンアセタールの脱保護を行い、化合物17−1を得た。
化合物17−1:
1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ: 8.04 (2H, s) 4.73 (2H, d, J=4.4Hz) 4.70-4.60 (1H, m) 4.17 (2H, t, J=6.8Hz) 3.93 (2H, t, J=6.4Hz) 3.00 (1H, dd, J=16.7Hz, 4Hz) 2.90 (1H, dd, J=16.7Hz, 6.4Hz), 1.90 (2H, quin, J=8.0Hz) 1.75-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
対応するジカルボン酸を用い、化合物2−1と同様の方法で化合物17−2,17−3を得た。
化合物17−2:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.04 (2H, s) 4.64 (2H, s) 4.16 (2H, t, J=6.8Hz) 3.93 (2H, t, J=6.5Hz) 2.85-2.65 (2H, m) 1.89 (2H, quin, J=8.0Hz) 1.75-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
化合物17−3:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.04 (2H, s) 4.68 (2H, s) 4.28 (2H, s) 4.20-4.05 (4H, m) 3.93 (2H, t, J=6.5Hz) 1.89 (2H, quin, J=7.9Hz) 1.75-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
例18
化合物16−1、16−2より、化合物1−1と同様の方法で化合物18−1〜18−3を得た。
化合物18−1:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.04 (2H, s) 4.09 (2H, t, J=6.8Hz) 3.93 (2H, t, J=6.8Hz) 3.70 (3H, s) 2.63 (4H, s) 1.89 (2H, quin, J=6.8Hz) 1.80-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
化合物18−2:
1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ: 8.04 (2H, s) 4.15 (2H, q, J=6.8Hz) 4.09 (2H, t, J=6.8Hz) 3.93 (2H, t, J=6.8Hz) 2.62 (4H, s) 1.89 (2H, quin, J=6.8Hz) 1.80-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m) 1.26 (3H, t, J=6.8Hz).
化合物18−3:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.04 (2H, s) 4.26 (2H, s) 4.23 (2H, s) 4.16 (2H, t, J=6.8Hz) 3.93 (2H, t, J=6.5Hz) 3.77 (3H, s) 1.89 (2H, quin, J=8.0Hz) 1.75-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
2,2-ジメチル-5-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-酢酸とメタノールを、化合物1−1と同様の方法でエステル化した。次に、9- (2,4,6-トリヨードフェノキシ)-1-ノナノール0.41g(0.67mmol)をトルエンに溶かし(0.05mol/l)、上記エステル(3eq)とカンファースルホン酸(0.5eq)を加え、40℃で1時間撹拌した。不溶物を濾別後、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して化合物18−4を得た(63%)。
化合物18−4:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.04 (2H, s) 4.60-4.40 (1H, m) 4.21 (2H, td, J=6.7Hz, 2.4Hz) 3.93 (2H, t, J=6.5Hz) 3.72 (3H, s) 3.18 (1H, d, J=5.3Hz) 2.88 (1H, dd, J=16.2Hz, 4.5Hz) 2.78 (1H, dd, J=18.9Hz, 6.1Hz) 1.89 (2H, quin,J=8.0Hz) 1.75-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
マレイン酸モノメチルより、J. Agric. Food Chem., 43, 3021 (1995)記載の手法に従って3-メトキシコハク酸モノメチルを得た。ついで、化合物1−1と同様の方法でエステル化し、化合物18−5を得た。
化合物18−5:
1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ: 8.04 (2H, s) 4.22-4.15 (2H, m) 3.93 (2H, t, J=6.8Hz) 3.71 (3H, s) 3.47 (3H, s) 2.80 (1H, dd, J=15.6, 5.0Hz) 2.72 (1H, dd, J=15.6, 8.0Hz) 1.89 (2H, quin, J=6.8Hz) 1.80-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
2,2-ジメチル-5-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-酢酸と対応するアルコールを化合物1−1と同様の方法でエステル化した。ついで、このエステル2.0g(2.5mmol)をクロロホルム−メタノール混合溶媒に溶かし、1規定塩酸を加えて60℃で撹拌した。放冷後、飽和食塩水を加えてクロロホルムで抽出し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を除去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、化合物18−6を得た(49%)。
化合物18−6:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.04 (2H, s) 4.50 (1H, dd, J=4.8Hz) 4.11(2H, t, J=6.8Hz) 3.93 (2H, t, J=6.8Hz) 3.82 (3H, s) 3.20 (1H, d, J=5.4Hz) 2.90-2.75 (4H, m) 1.89 (2H, quin, J=6.8Hz) 1.80-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
例19
化合物16−1と対応するアルコールを化合物1−1と同様の方法で縮合し、化合物19−1,19−2を得た。
化合物19−1:
1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ: 8.04 (2H, s) 4.65 (2H, s) 4.09 (2H, t, J=6.8Hz) 3.93 (2H, t, J=6.8Hz) 3.78 (3H, s) 2.80-2.63 (4H, m) 1.89 (2H, quin, J=6.8Hz) 1.80-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
化合物19−2:
1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ: 8.04 (2H, s) 4.48 (1H, dd, J=11.4, 2.9Hz) 4.43-4.38 (1H, m) 4.23 (1H, dd, J=11.4, 4.2Hz) 4.09 (2H, t, J=6.8Hz) 3.93 (2H, t, J=6.8Hz) 3.83 (3H, s) 3.11 (1H, d, J=6.4Hz) 2.69-2.59 (4H, m) 1.89 (2H, quin, J=6.8Hz) 1.80-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
例20
3-メトキシコハク酸モノメチルを用い、化合物2−1の合成法に準じて化合物20−1を得た。
化合物20−1:
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ: 8.04 (2H, s) 4.77 (1H, d, J=15.7Hz) 4.66 (1H, d, J=15.7Hz) 4.33 (1H, dd, J=8.5, 4.4Hz) 4.17 (2H, t, J=6.8Hz) 3.93 (2H, t, J=6.8Hz) 3.72 (3H, s) 3.50 (3H, s) 2.89 (1H, dd, J=16.4, 4.5Hz) 2.78 (1H, dd, J=16.4, 8.2Hz) 1.89 (2H, quin, J=6.8Hz) 1.80-1.45 (4H, m) 1.45-1.25 (8H, m).
試験例1:血管平滑筋細胞におけるヨード原子の取り込み量
下記に示した割合でジ・パルミトイル PC(フナコシ社製、No.1201-41-0225)、ジ・パルミトイル PS(フナコシ社製、No.1201-42-0237)をJ. Med. Chem., 25(12), 1500 (1982)記載の方法で、本発明のヨード化合物とともにナス型フラスコ内でクロロホルムに溶解して均一溶液とした後、溶媒を減圧で留去してフラスコ底面に薄膜を形成した。この薄膜を真空で乾燥後、0.9%生理食塩水(光製薬社製、No512)を適当量加え、超音波照射(Branson社製、No.3542プローブ型発振器、0.1mW)を氷冷下5分実施することにより、均一なリポソーム分散液を得た。得られた分散液の粒径をWBCアナライザー(日本光電社製、A-1042)で測定した結果、粒子径は40から65nmであった。この方法により調製した下記リポソーム製剤を国際公開WO 01/82977に記載の血管平滑筋細胞とマクロファージとの混合培養系に添加し、37℃、5%CO2で24時間培養した後、血管平滑筋細胞に取り込まれたヨード化合物を定量した。このように本発明の化合物は効率よく血管平滑筋細胞に取り込ませることができ、X線造影剤のためのリポソームの構成脂質として優れた性質を有することが明らかである。
試験例2: S9の作製及び分解試験
SDラット雄6週齢(日本チャールスリバー社製)を購入し1週間馴化した。1週間馴化後、体重を測定し、断頭放血した。肝臓を摘出し、冷却した0.15M KClで3回洗浄した。洗浄後、肝臓の湿重量を測定し、その重量の3倍の冷却した0.15M KClを加え、ホモジナイザーに移した。氷冷中でホモジネイトし、その後、ホモジネイトを9000gで10分間冷却遠心した。この上清をS9と呼び、−80℃以下で保存した。
保存してあるS9を、流水中で溶解した。溶解したS9 0.1mlに、0.4M MgCl2 0.02ml、1.65M KCl 0.02ml、0.2M Naりん酸緩衝液(pH 7.4) 0.5mlを加え、グルコース6りん酸(オリエンタル酵母社製)、NADPH(オリエンタル酵母社製)、NADH(オリエンタル酵母社製)を4μMになる様に添加し蒸留水を加え、全量を1mlとした(これをS9Mixと呼ぶ)。S9Mix 1mlに被験物質を5μg/mlになる様添加し、37℃で往復振盪した。S9Mix中の被験物質量(未変化体)を経時でHPLCを用い測定した。なお、被験物質はDMSO(和光純薬社製)にて予め溶解した。結果には、S9Mixに添加直後の未変化体量を100とし、30分後の未変化体量をその百分率に直して表記した。既知である比較化合物1がS9分解試験において分解が全く認められないのに対し、本発明の化合物は効率的に分解されることが明らかであり、X線造影剤のためのリポソームの構成脂質として優れた性質を有することが明らかである。
化合物1−4:60%、化合物2−2:60%、化合物4−2:48%、化合物4−3:40%、化合物5−1:40%、化合物5−2:35%、化合物5−3:52%、化合物6−1:39%、化合物8−1:45%、化合物8−2:57%、化合物8−4:52%、化合物8−5:54%、化合物9−2:52%、化合物15−4:55%、化合物16−1:68%、化合物16−2:42%、化合物16−3:62%、化合物16−4:58%、化合物18−1:54%、化合物18−2:51%、化合物18−3:58%、化合物18−4:56%、化合物18−5:60%、化合物19−1:32%、化合物19−2:38%、化合物20−1:45%、比較化合物1:100%、比較化合物2:80%
試験例3:マウス3日間連続投与毒性試験 試験方法
ICRマウス雄6週齢(日本チャールスリバー)を購入し、1週間の検疫期間の後、クリーン動物舎内(空調:へパフィルター クラス1000、室温:20℃〜24℃ 湿度:35%〜60%)で1週間馴化した。その後、MTD値を求めるため、尾静脈よりリポソーム製剤を投与した。リポソーム製剤は、生理食塩水(光製薬社製)又はグルコース溶液(大塚製薬社製)のいずれかを溶媒として投与した。次に求められたMTD値をもとに、その1/2量を3日間、尾静脈より3日間連続で投与した(n=3匹とする)。症状観察は各投与後6時間までとし、神経毒性を観察後、剖検を行ない、主要臓器について所見を取った。本発明の化合物は、既知である比較化合物2と同等のMTD値を示す毒性の低い化合物でありながら、さらに神経毒性も示さないことが明らかであり、X線造影剤のためのリポソームの構成脂質として優れた性質を有することが明らかである。
化合物:MTD(mg/kg);神経毒性(「−」は神経毒性陰性、「+」は神経毒性陽性を示す)
1−4(1000mg/kg):− 、4−2(1000mg/kg):−、4−3(1000mg/kg):−、5−1( 800mg/kg):−、5−2( 800mg/kg):−、6−1( 800mg/kg):−、8−1(1000mg/kg):−、8−2(1000mg/kg):−、8−4(1000mg/kg):−、8−5(1000mg/kg):−、9−2(1000mg/kg):−、15−4( 800mg/kg):−、16−1(1000mg/kg):−、16−2( 800mg/kg):−、18−1( 800mg/kg):−、18−2( 800mg/kg):−、18−5( 800mg/kg):−、19−1( 800mg/kg):−、20−1( 800mg/kg):−、比較化合物2:800mg/kg;+
試験例4:ウサギを用いた骨髄毒性試験 試験方法
ニュージーランドホワイトウサギ2ヵ月齢(日本チャールスリバー社製)を搬入し7日間馴化飼育した。自発的飲水動作を示さない個体は別室に隔離して試験への使用から除外した。被験物質をウサギ血清で懸濁するか、又はリポソーム製剤として調製し、耳下静脈より投与して24時間飼育した。投与濃度はLD50値の1/2、1/4、1/8の3濃度区とした。投与24時間後に耳下静脈より採血を行ない、赤血球数、白血球数、及び血小板数を測定した。一方、同個体から骨髄液を採取し、造血幹細胞を顕微鏡下で観察し、特に多核細胞数をカウントした。濃度依存的に赤血球の減少、血小板数の増加、及び多核細胞数の増加が同時に認められる場合には骨髄毒性が陽性と判定した。結果を以下に示す(「−」は骨髄毒性陰性、「+」は骨髄毒性陽性を示す)。既知の比較化合物3が骨髄毒性陽性であるのに対して、本発明の化合物は骨髄毒性を示さず、X線造影剤のためのリポソームの構成脂質として優れた性質を有することが明らかである。
化合物1−4:−、化合物4−2:−、化合物4−3:−、化合物5−1:−、化合物5−2:−、化合物6−1:−、化合物8−1:−、化合物8−2:−、化合物8−4:−、化合物8−5:−、化合物9−2:−、化合物15−4:−、化合物16−1:−、化合物16−2:−、化合物18−1:−、化合物18−2:−、化合物19−1:−
試験例5:ラット動脈硬化巣のX線撮影
Invest. radiol. 18, 275 (1985)の方法に従い、ラット大動脈に動脈硬化巣を形成させた。動脈硬化巣を形成したラットに上記の化合物1−4のリポソーム製剤200mg/kgを頚静脈より慎重に投与し、投与5分後にX線撮影を行った。この結果、明瞭な動脈硬化巣の造影写真が得られた。結果を図1〜4に示す。
試験例5におけるX線撮影の結果(投与前)を示した写真である。 試験例5におけるX線撮影の結果(投与直後)を示した写真である。 試験例5におけるX線撮影の結果(投与5分後)を示した写真である。 試験例5におけるX線撮影の結果(投与15分後)を示した写真である。

Claims (22)

  1. 下記一般式(I):
    (式中、 Arは少なくとも3個のヨウ素原子を有するアリール基を示し;Aは−O−又は−CH2−を示し;nは5〜15の整数を示し;R1は1〜6個の炭素原子から構成される飽和又は不飽和の基を示す)で表される化合物又はその塩。
  2. Aが−O−である請求項1に記載の化合物又はその塩。
  3. nが7〜11である請求項1又は2に記載の化合物又はその塩。
  4. 下記一般式(II):
    (式中、Arは少なくとも3個のヨウ素原子を有するアリール基を示し;Aは−O−又は−CH2−を示し;nは5〜15の整数を示し;mは1以上の任意の整数を示し;Lは単結合又は(m+1)価の連結基を示し、該連結基は、炭素、酸素、及び窒素原子からなる群から選ばれる総数10個以下の原子と、任意の個数の水素原子とから構成される連結基であり; X1、・・・XmはLを介して結合するm個の置換基を示し、該置換基は、それぞれ独立に、−OR2、−CO23、−C(=O)R4、−SO3H、−N(R5)R6、又は下記一般式(III):
    で表される基である。ただし、R2、R3、R4、R5、及びR6は、それぞれ独立に、水素原子又は1〜5個の炭素原子からなる無置換アルキル基を示す)で表される化合物又はその塩。
  5. 2、R3、R4、R5、及びR6が、それぞれ独立に、水素原子又は1〜3個の炭素原子からなる無置換アルキル基である請求項4に記載の化合物又はその塩。
  6. Lが、炭素及び酸素原子からなる群から選ばれる総数10個以下の原子と任意の個数の水素原子とから構成される(m+1)価の連結基であり、 X1ないしXmが、それぞれ独立に、−OR2、−CO23、−C(=O)R4、−SO3H、又は一般式(III)で表される基である請求項4又は5に記載の化合物又はその塩。
  7. Aが−O−である請求項4ないし6のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
  8. nが7〜11の整数である請求項4ないし7のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の化合物又はその塩を膜構成成分として含むリポソーム。
  10. ホスファチジルコリン及びホスファチジルセリンを膜構成成分として含む請求項9に記載のリポソーム。
  11. 請求項9又は10に記載のリポソームを含むX線造影剤。
  12. 血管疾患の造影に用いるための請求項11に記載のX線造影剤。
  13. 泡沫化マクロファージの影響で異常増殖した血管平滑筋細胞の造影に用いる請求項11に記載のX線造影剤。
  14. マクロファージが局在化する組織又は疾患部位の造影のための請求項11に記載のX線造影剤。
  15. マクロファージが局在化する組織が肝臓、脾臓、肺胞、リンパ節、リンパ管、及び腎臓上皮からなる群から選ばれる請求項14に記載のX線造影剤。
  16. マクロファージが局在化する疾患部位が腫瘍、炎症部位、及び感染部位からなる群から選ばれる請求項14に記載のX線造影剤。
  17. 少なくとも1つのヨード原子が放射性同位体である請求項1ないし8のいずれか1項に記載の化合物又はその塩を膜構成成分として含むリポソーム。
  18. 請求項17に記載のリポソームを含むシンチグラフィー造影剤。
  19. 泡沫化マクロファージの影響で異常増殖した血管平滑筋細胞の造影に用いる請求項18に記載のシンチグラフィー造影剤。
  20. マクロファージが局在化している組織又は疾患部位の造影に用いるための請求項18に記載のシンチグラフィー造影剤。
  21. 対象とする組織が血管、肝臓、脾臓、肺胞、リンパ節、リンパ管、及び腎臓上皮からなる群から選ばれる請求項20に記載のシンチグラフィー造影剤。
  22. 腫瘍、動脈硬化、炎症、及び感染からなる群から選ばれる疾患部位の造影に用いるための請求項18に記載のシンチグラフィー造影剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5370153B2 (ja) * 2007-08-20 2013-12-18 コニカミノルタ株式会社 造影剤用化合物含有糖修飾リポソーム及び造影剤

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