JP2004292357A - 口腔内エンドトキシンの吸着除去剤 - Google Patents

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忠一 平山
Masashi Kunitake
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眞砂代 坂田
Masami Todokoro
正美 戸所
Minoru Nakayama
中山  実
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Abstract

【課題】口腔内エンドトキシンを効率的かつ安全に吸着除去でき、口腔内エンドトキシンが関与する歯肉炎や歯周病などの歯科疾患の予防及び/又は治療に有用な医薬を提供する。
【解決手段】水不溶性担体に固定化されたイプシロン−ポリ−L−リジンなどのカチオン性ポリマー又は架橋されたカチオン性ポリマーを含む口腔内エンドトキシンの吸着除去剤、及び該吸着除去剤を有効成分として含む、エンドトキシンが関与する歯科疾患の予防及び/又は治療のための医薬。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、口腔内エンドトキシンが関与する歯肉炎や歯周病などの歯科疾患の予防及び/又は治療のための医薬として有用な口腔内エンドトキシンの吸着除去剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンドトキシンはグラム陰性細菌の細胞外膜成分中に存在し、菌が死滅する際に遊離する毒性物質の総称である。エンドトキシンはリポポリサッカライドからなり、代表的な発熱性物質(パイロジェン)として知られている。エンドトキシンの人体に対する作用は非常に広範囲にわたっており、例えば血管内に注入すると発熱やショック症状を引き起こす。
【0003】
歯科疾患である歯肉炎や歯周病の発生には口腔内エンドトキシンが深く関与していることが示唆されている。例えば、正常な状態の口腔内フローラでは圧倒的に高い比率で存在するグラム陽性細菌の割合が歯周病の病巣部歯肉縁下プラークにおいて低下しており、嫌気性グラム陰性桿線状細菌の存在比率が著しく高くなることが知られている。この病巣部の嫌気性グラム陰性細菌としては、成人性歯周炎ではProphyromonas gingivalis, Prevotella intermediaなどの黒色色素産生嫌気性桿菌や、若年性歯肉炎ではActinobacillus actinomycetem−comitansなどが知られている。
【0004】
従来、歯周病などの歯科疾患を予防するために、歯垢制御用の口腔用組成物が提案されている。例えば、特開2002−12536号公報には、ポリリジンとハロゲン化ジフェニルエーテル、ハロゲン化サリチルアニリドなどの非カチオン性殺菌剤を含む組成物が歯垢制御剤として開示されている。また、特開平10−298048号公報には、ポリリジン、グルタミン酸、及びアスパラギン酸、並びにこれらの無毒性塩から選ばれる1種又は2種以上からなる歯周病細菌内毒素中和剤が開示されている。しかしながら、これらの発明はいずれも歯垢付着防止やエンドトキシンの毒性中和を目的としたものであり、積極的にエンドトキシンを体外へ排出することを目的としたものではない。従って、さらに効果的に歯周病などの歯科疾患を予防するために、口腔内エンドトキシンを効率的かつ選択的に吸着して体外に除去する方法の開発が求められている。
【0005】
エンドトキシンを吸着及び除去する方法としては、スペーサーを介してヒスチジンをアガロース粒子やセルロース粒子に固定化した「パイロセップ」(田辺製薬製株式会社製造及び販売)、及びアガロース粒子に固定化されたポリミキシンB(ピアス社、シグマアルドリッチ社などで販売)が知られている。しかしながら、これらの粒子製剤を歯肉炎や歯周病などの歯科疾患の予防に用いることは安全性や価格の観点で好ましくない。口腔内エンドトキシン吸着除去に関する技術としては、陽イオン界面活性剤を水不溶製固体に固定化した吸着剤が知られているが(特開平8−26954号公報)、この吸着剤でも安全性の問題や口腔内エンドトキシンの吸着能力の点で十分に満足すべきものとはいえない。
【0006】
一方、エンドトキシンを含有する医薬品や血液などの高濃度の蛋白質等を含む液体からエンドトキシンを選択的かつ効率的に除去するための吸着剤、あるいは体外循環治療装置のオンライン回路中に組み込んで血液中の細胞性フィブロネクチンなどの細胞接着因子を吸着及び除去するための吸着剤が知られている(特開2001−276611号公報及び特開2002−327001号公報)。これらの吸着剤は、カチオン性のポリマーを水不溶性担体に固定化したことを特徴としている。また、カチオン性ポリマーを架橋により水不溶性球状粒子化したエンドトキシン選択的吸着剤も知られている(特開平11−152330号公報)。これらの吸着剤は、従来のエンドトキシン吸着剤に比べてエンドトキシンに対する選択的が高く、幅広いイオン強度域でエンドトキシン吸着能を保持できる。もっとも、これらの刊行物には、上記の各吸着剤を口腔内プラーク中に存在する口腔内エンドトキシンの吸着及び除去に適用すること、及びそのような適用によって口腔内エンドトキシンを選択的かつ効率的に吸着及び除去できることについて何ら示唆ないし教示はない。
【特許文献1】特開2001−276611号公報
【特許文献2】特開2002−327001号公報
【特許文献3】特開平11−152330号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、口腔内エンドトキシンが関与する歯肉炎や歯周病などの歯科疾患を予防及び/又は治療するための手段を提供することにあり、より具体的には、口腔内エンドトキシンを安全に、しかも選択的かつ効率的に吸着除去する手段を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる事情に鑑み鋭意検討を重ねた結果、水不溶性担体に固定化されたカチオン性ポリマー又は架橋されたカチオン性ポリマーが歯周病菌由来のエンドトキシンを極めて効率的かつ選択的に吸着除去することができ、口腔内エンドトキシンの吸着除去に基づいて口腔内エンドトキシンが関与する歯肉炎や歯周病などの歯科疾患の予防及び/又は治療に高い有効性を発揮できることを見出した。本発明は上記の知見に基づいて完成されたものである。
【0009】
すなわち、本発明により、水不溶性担体に固定化されたカチオン性ポリマー又は架橋されたカチオン性ポリマーを含む口腔内エンドトキシンの吸着除去剤が提供される。カチオン性ポリマーとしてはイプシロン−ポリ−L−リジンが好ましい。
【0010】
別の観点からは、上記の口腔内エンドトキシンの吸着除去剤を有効成分として含む、エンドトキシンが関与する歯科疾患の予防及び/又は治療のための医薬が本発明により提供される。
さらに、上記の医薬の製造のための水不溶性担体に固定化されたカチオン性ポリマー又は架橋されたカチオン性ポリマーの使用、及び口腔内エンドトキシンの吸着除去方法であって、水不溶性担体に固定化されたカチオン性ポリマー又は架橋されたカチオン性ポリマーを含む吸着除去剤を口腔内に配置して口腔内エンドトキシンを吸着させる工程、及び該吸着除去剤を口腔外に移動する工程を含む方法が本発明により提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の口腔内エンドトキシンの吸着除去剤は、水不溶性担体に固定化されたカチオン性ポリマー又は架橋されたカチオン性ポリマーを含み、口腔内に含ませることにより効率的かつ選択的に口腔内エンドトキシンを吸着除去することができることを特徴としている。
【0012】
水不溶性担体に固定化されたカチオン性ポリマーとしては、例えば、特開2001−276611号公報及び特開2002−327001号公報に記載された水不溶性担体を用いることができる。特開2001−276611号公報及び特開2002−327001号公報の開示のすべてを参照として本明細書の開示に含める。カチオン性ポリマーの種類は特に限定されないが、例えば、分子内に塩基性官能基を含むポリマーを用いることができ、例えば、イプシロン−ポリ−L−リジン、アルファ−ポリ−リジン、ポリ−ヒスチジン、ポリ−アルギニン、ポリ−トリプトファン、ポリオルニチン、ポリ−2,4−ジアミノブチリックアシッド、ポリ−2,3−ジアミノプロピオン酸、プロタミン、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、アリルアミンとジアリルアミンとの共重合物、ポリジアリルアミン、ポリビニルアミン、又はリジン、ヒスチジン、アルギニン、トリプトファン、オルニチン、2,4−ジアミノブチリックアシッド、及び2,3−ジアミノプロピオン酸からなる群から選ばれる少なくとも一種以上のアミノ酸の残基をポリペプチド鎖中に含むポリペプチドなどが挙げられるが、安全性の面からは特にイプシロン−ポリ−L−リジンを好ましく用いることができる。
【0013】
水不溶性担体としては、無機物、有機物、無機−有機複合体のいずれの水不溶性担体でもよく、またこの水不溶性担体は合成物又は天然物のいずれでもよい。例えば、鉄、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン酸化物、アルミナ、亜鉛酸化物、マグネシウム酸化物、鉄酸化物、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム塩、炭酸マグネシウム、ガラス、シリカ、珪藻土、マイカ、タルク、ゼオライト、珪酸アルミニウム、珪酸アルミニウムカルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸ジルコニウム、アクリル系ポリマー、スチレン系ポリマー、ナイロン(ポリアミド)、ポリエステル、ポリオレフィン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロース、セルロース誘導体、アガロース、デキストラン架橋物、キチン、キトサン、ジェラン架橋物、絹、ウール、木材や綿、麻などの植物体を挙げることができる。水不溶性担体にカチオン性ポリマーを固定化する方法も特に限定されないが、例えば、特開2001−276611号公報及び特開2002−327001号公報に記載された方法を用いることができる。
【0014】
架橋されたカチオン性ポリマーは実質的に水不溶性固体として提供されるポリマーであり、例えば、特開平11−152330号公報に記載されたものを好ましく用いることができる。特開平11−152330号公報の開示のすべてを参照として本明細書の開示に含める。架橋すべきカチオン性ポリマーの種類は特に限定されないが、例えば、上記に例示したポリマーを好ましく用いることができる。安全性の面からは特にイプシロン−ポリ−L−リジンを好ましく用いることができる。架橋剤の種類も特に限定されないが、ヘキサメチレンジイソシアネート等の2官能性試薬、ジグリシジルエーテル等のジエポキシ化合物、一端がハロゲン化されたエピクロロヒドリンなどを挙げることができる。その中でもエポキシ化合物は容易に開環し安価であることから特に好ましい架橋剤である。エピクロロヒドリンは、容易に架橋反応を行うことができ、架橋後のカチオン性ポリマーに適度な疎水性を与えることができるので特に好ましい架橋剤である。架橋方法及び架橋による粒子形成方法なども特に限定されないが、これらの方法としては特開平11−152330号公報に記載された方法を好ましく用いることができる。
【0015】
本発明の口腔内エンドトキシンの吸着除去剤の使用態様は特に限定されず、口腔内の任意の部位、好ましくは歯肉や歯周部位に上記吸着除去剤が適宜の量で接触するように適宜な態様で用いることができる。例えば、本発明の吸着除去剤を歯磨き剤、軟膏、パスタ、クリームなどのペースト状組成物に配合することができる。あるいは本発明の吸着除去剤を口腔内洗浄液中に懸濁させた組成物を調製してもよく、チューイングガムなどのガム状組成物に配合してもよい。これらの組成物を定法に従って口腔内に配置して口腔内で保持及び使用した後、口腔外に移動することにより、口腔内エンドトキシンを効率的に吸着除去することができる。口腔内に配置とは、口腔内に組成物を含ませ、又は投与することを含み、口腔外に移動とは、口腔外に組成物を取り出し、吐出し、又は排出することを含むが、これらの用語はいかなる意味においても限定的に解釈してはならない。本発明の吸着除去剤を不織布又は紙などに練りこんた組成物を調製して口腔内の局所へ適用することもできる。
【0016】
これらの態様により提供される上記の組成物は医薬として用いることができ、口腔内エンドトキシンが関与する歯肉炎や歯周病などの歯科疾患の予防及び/又は治療に用いることができる。また、本発明の吸着除去剤を歯ブラシの毛又はデンタルフロスの表面又はその内部に固定化し、又は脱落可能な程度に半固定化しておいてもよい。このような使用態様により、本発明の吸着除去剤を医薬部外品又は衛生材料として用いることができる。本明細書において「吸着除去」という用語は、口腔内において、口腔内エンドトキシンを水不溶性担体に固定化されたカチオン性ポリマー又は架橋されたカチオン性ポリマーに吸着させ、続いて口腔内エンドトキシンを吸着した上記ポリマーを口腔外に移動することにより口腔内エンドトキシンを体外に排出することを意味しているが、この用語はいかなる意味においても限定的に解釈してはならず、最も広義に解釈しなければならない。
【0017】
本発明の吸着除去剤の使用量又は配合量は特に限定されないが、例えば、ペースト状組成物に配合する場合には、ペースト状組成物の全重量に対して0.005%〜40%(W/W)、好ましくは0.01%〜20%(W/W)程度の配合量が好ましい。配合量がこの範囲より少ないと十分な口腔内エンドトキシン除去効果が得られない場合があり、この範囲より多いと組成物の性状が不安定になる場合がある。もっとも、本発明の吸着除去剤の使用量又は配合量は、上記の使用態様に応じて当業者が適宜選択可能であることは言うまでもない。また、上記に説明した使用態様は本発明を理解するための例示であり、本発明の吸着除去剤の使用態様が上記に例示したものに限定されないことを理解すべきである。
【0018】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
例1:イプシロンポリリジン固定化セルロース粒子の調製(吸着除去剤1)
特開2001−276611号公報に記載の方法に準じて本発明の口腔内エンドトキシン吸着除去剤を調製した。セルロース粒子(セルフローC25;チッソ株式会社製)10gを5%の水酸化ナトリウム水溶液50mLに加え30℃で一時間攪拌した後にクロロメチルオキシラン5gを加えて35℃で2時間反応させた。粒子を水洗してアルカリを洗い流した後にポリリジン25%水溶液(チッソ株式会社製)5gと水45mLを加えて50℃で4時間反応させた。反応後、再び水洗して未反応のポリリジンを洗い流して吸着除去剤1を調製した。この吸着除去剤のポリリジン導入量は10mg/gであった。
【0019】
例2:ポリアリルアミン固定化シリカの調製(吸着除去剤2)
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(S510;チッソ株式会社製、アズマック株式会社販売)0.5gとポリアリルアミン(PAA−10C;日東紡製)20mLを混合し50℃で2時間反応させた後に、反応液をシリカゲル(ワコーゲルC500HG;和光純薬工業製)10gに浸漬させて真空乾燥した。その後、このシリカゲルを110℃で5分加温し、水洗して未反応物を洗浄し吸着除去剤2を得た。この吸着除去剤のポリアリルアミン導入量は5mg/gであった。
【0020】
例3:ポリリジン架橋不溶化物の調製(吸着除去剤3)
特開平11−152330号公報の方法に準じて口腔内エンドトキシン吸着除去剤を調製した。ポリリジン25%水溶液(チッソ株式会社製)50gにクロロメチルオキシラン4gを加えてよく混合した後に50℃に加温して架橋反応を行った。反応後、固化物を粉砕して吸着除去剤3を16gを得た。
【0021】
例4:口腔内エンドキシンサンプルの調製方法
40代男性(サンプルA)、50代男性(サンプルB)よりプラーク米粒大を採取した。これらのサンプルを10%唾液含有バッファー(0.01mol/L リン酸ナトリウムpH7.0+0.15mol/L塩化ナトリウム)20mLに加えて激しく攪拌した。その後、遠心分離によって上澄を回収して口腔内エンドトキシンサンプル(約50〜200EU/mL)を調製した。
【0022】
例5:口腔内エンドトキシンの除去
10mlの三角フラスコに例1〜3で得た吸着除去剤を0.2g(湿重量)量りいれ、サンプルA又はサンプルB(各2mL)と混合して37℃で30分振盪した。振盪終了後、上澄みをサンプリングし0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、得られた濾液のエンドトキシン濃度を測定した。対照として、吸着除去剤1の製造に用いた原料であるセルロース粒子を用いた。口腔内エンドトキシンの測定は市販のキット(リムルスES−IIテスト和光、和光純薬製)で行った。結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
Figure 2004292357
【0024】
例6:比較例
市販されているエンドトキシン吸着剤を用いて同様に試験を行った。結果を表2に示す。
【0025】
【表2】
Figure 2004292357
【0026】
表1及び表2に示した結果から明らかなように、カチオン系ポリマーを固定化した本発明の吸着除去剤及びカチオン系ポリマーを架橋により固化させた本発明の吸着除去剤は、ポリミキシンB固定化アガロースやヒスチジン固定化粒子であるパイロセップ−Cと比較して口腔内エンドトキシンの除去能が顕著に優れており、口腔内エンドトキシンが関与する歯肉炎や歯周病などの歯科疾患の予防及び/又は治療に有効であることが明らかである。特に、ポリミキシンBやヒスチジンを用いた吸着剤に比べて、本発明の吸着除去剤は高塩濃度でも口腔内エンドトキシンに対する吸着能が低下せず、また口腔内エンドトキシンに対して選択性が高いことから、唾液などが共存していても口腔内エンドトキシンに対する吸着能が保持され、その結果、従来の吸着剤に比べて優れた吸着除去性能を発揮できる。
【0027】
【発明の効果】
本発明の口腔内エンドトキシン除去剤又は吸着除去剤は口腔内エンドトキシンを効率的かつ安全に吸着除去できるので、口腔内エンドトキシンが関与する歯肉炎や歯周病などの歯科疾患の予防及び/又は治療のための医薬として有用である。

Claims (4)

  1. 水不溶性担体に固定化されたカチオン性ポリマー又は架橋されたカチオン性ポリマーを含む口腔内エンドトキシンの吸着除去剤。
  2. カチオン性ポリマーがイプシロン−ポリ−L−リジンである請求項1に記載の吸着除去剤。
  3. 請求項1又は2に記載の吸着除去剤を有効成分として含む、エンドトキシンが関与する歯科疾患の予防及び/又は治療のための医薬。
  4. 該歯科疾患が歯肉炎又は歯周病である請求項3に記載の医薬。
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