JP2004291191A - チャック用電動操作装置 - Google Patents
チャック用電動操作装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004291191A JP2004291191A JP2003089470A JP2003089470A JP2004291191A JP 2004291191 A JP2004291191 A JP 2004291191A JP 2003089470 A JP2003089470 A JP 2003089470A JP 2003089470 A JP2003089470 A JP 2003089470A JP 2004291191 A JP2004291191 A JP 2004291191A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- force
- driving
- unit
- braking
- clutch
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23B—TURNING; BORING
- B23B31/00—Chucks; Expansion mandrels; Adaptations thereof for remote control
- B23B31/02—Chucks
- B23B31/24—Chucks characterised by features relating primarily to remote control of the gripping means
- B23B31/28—Chucks characterised by features relating primarily to remote control of the gripping means using electric or magnetic means in the chuck
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Gripping On Spindles (AREA)
Abstract
【課題】旋盤などに使用するチャックの操作源を電動機とするチャック用電動操作装置に関し、クラッチ手段と連動する制動手段が大きな作用力を必要とせず、小さな作用力で駆動手段の回転力の制動を十分に発揮するチャック用電動操作装置を提供することを目的とする。
【解決手段】クラッチ手段が回転力を減速し増力する減速手段と電動機との間に設けられ、且つ回転力を制動する制動手段がクラッチ手段と減速手段の間に設けられることにより、制動手段が減速手段で増力される以前の回転力を制動すること。
【選択図】 図1
【解決手段】クラッチ手段が回転力を減速し増力する減速手段と電動機との間に設けられ、且つ回転力を制動する制動手段がクラッチ手段と減速手段の間に設けられることにより、制動手段が減速手段で増力される以前の回転力を制動すること。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、旋盤などに使用するチャックの操作源を電動機とするチャック用電動操作装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
チャックの締付力は、被加工物によってその大きさを変更する必要があるために、チャック用操作装置はその操作力を変える構造になされている。それゆえ電動機を駆動源とする操作装置においては、そのほとんどが電動機の回転力を軸力に変換するボールライナなどの操作力変換手段を備え、駆動手段の回転トルクに比例させた軸方向の操作力を得る構造になされていた。
特に、操作力変換手段が、その操作力を常に保持できるように、操作力変換手段の軸方向へ一定以上の押圧力を加えるチャック用電動操作装置が本出願人より提案されている。(例えば、特許文献1参照)
この特許文献1に提案されているチャック用電動操作装置は、エアシリンダを有するクラッチ手段に連動する制動手段を備え、制動手段に設けられた付勢手段による押圧力は、前記エアシリンダの推力を用いるクラッチ手段の接続・切り離しと連動させて操作力変換手段であるボールライナへ加えられ、ボールライナのネジ山へ面圧力として作用させ、ボールライナのネジのゆるみを防止している。
【0003】
しかしながら、前記特許文献1の構造において、クラッチ手段の接続時では、エアシリンダの推力はクラッチ手段の接続・切り離しに用いる作用力に加え、さらに制動手段の付勢手段による押圧力を押し返す力が必要であり、エアシリンダには付勢手段の押圧力以上の大きな推力が求められる。
そのため、制動手段とクラッチ手段は大きな作用力が発生するために大型の構造となるので、チャック用電動操作装置自体の小型化、軽量化に大きな障害となっていた。
【0004】
【特許文献1】
特開2002‐36013号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、前記の問題点を鑑み、クラッチ手段と連動する制動手段が大きな作用力を必要とせず、小さな作用力で駆動手段の回転力の制動を十分に発揮するチャック用電動操作装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明は、電動機を駆動源とする駆動手段と、該駆動手段の回転力を伝達もしくは切り離すクラッチ手段と、前記駆動手段の回転力を伝える駆動力伝達手段と、前記駆動手段の回転力を減速し増力する減速手段と、前記クラッチ手段と連動して前記駆動手段の回転力を制動する制動手段と、前記減速手段で増力された回転力を操作軸方向への軸力に変換する操作力変換手段と、軸力を受ける付勢部材を有し該付勢部材による押圧力を前記操作力変換手段へ作用させる蓄圧手段を備え、前記クラッチ手段が駆動手段と減速手段の間に設けられ、且つ前記制動手段がクラッチ手段と減速手段の間に設けられ減速手段で増力される以前の回転力を制動することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について図を用いて説明する。図1は本発明の電動操作装置の構成を示す部分断面図である。図2は本発明の電動操作装置の被加工物の加工時におけるスケルトン図を示し、図3は本発明の電動操作装置の被加工物の取り替え時におけるスケルトン図を示す。
図2、3に示すように、旋盤の主軸28の内側には図示しないチャックに連結された操作軸29が軸方向へ移動自在に設けられており、主軸28の後端には本発明の電動操作装置の本体25が備えられている。
本体25には、ベアリング30を介し回転自在なホルダ21が備えられ、ホルダ21には付勢部材として皿バネを有する蓄圧手段24が両端へ設けられている。蓄圧手段24の押圧力が常にホルダ21へ負荷され、ホルダ21は軸方向への移動が規制されている。
【0008】
ホルダ21の内側には、ホルダ21との間で回転力を軸力に変換する操作力変換手段20であるボールライナ22を介して、移動体27が連接されている。移動体27は、本体25に刻設されたスプライン23によって回転を阻止され、且つ軸方向の移動を可能として配設され、移動体27の前端はチャックに連接された操作軸29と連結されている。
ホルダ21の後方には減速手段15が設けられており、減速手段15は電動機2からの回転力を受ける入力部16と、入力部16へ連結し入力した回転力を減速し増力する増力部17と、ホルダ21に固着され増力部17で減速し増力された回転力をホルダ21へ伝達する出力部18を備えている。
減速手段15では、入力部16と出力部18が増力部17を介して連結され、増力部17は入力部16に伝達される回転力を減速し増力して出力部18へ伝達する。
【0009】
本実施例では、減速手段15の増力部17としてハーモニックドライブ19を用い、電動機2からの回転数を減速し増力している。図4に図1中のA−A矢視図を示し、ハーモニックドライブ19の増力作用を説明する。
ハーモニックドライブ19は、回転力を入力する入力部16に接続する楕円形状の入力回転部31と、入力回転部31の外周へ設けられるベアリング32と、ベアリング32の外周へ弾性変形自在に設けられ外方へ歯車が形成されている出力ギア部材33と、出力ギア部材33の歯車にかみ合う歯車を内方へ形成し出力ギア部材33の外周に設けられ本体25に固定される固定ギア部材34からなり、出力ギア部材33と固定ギア部材34の歯車は夫々の歯数が異なって設けられている。入力された回転力により入力回転部31が回転すると、ベアリング32を介して出力ギア部材33は弾性変形し、出力ギア部材33の外周に設けられた歯車と固定ギア部材34の内方の歯車がかみ合うかみ合い位置が移動する。その際、夫々の歯車の歯数の差が回転に表れ、入力回転部31が1回転すると、歯車の歯数の差の分だけ出力ギア部材33が回転移動する。この回転を出力部18へ伝達することで入力された回転力を減速し増力する。
この減速手段15を備え回転力の回転数を減速することで、電動機2からの回転力を増力し、増力された大きな回転力がホルダ21へ伝わる。
【0010】
電動機2からの回転力を減速手段15へ伝達する駆動力伝達手段7が減速手段15の入力部16と連接して設けられている。駆動力伝達手段7は入力側プーリー9とベルト10と駆動側プーリー8からなり、入力側プーリー9は減速手段15の入力部16に取り付けられ、ベルト10は入力側プーリー9と駆動側プーリー8とを連結させて2つのプーリーの回転を同調させ、駆動側プーリー8に受ける電動機2の回転力を減速手段15の入力部16へ伝達する。
また、前記駆動伝達手段7の入力側プーリー9には、入力側プーリー9の回転を制動する制動手段11が設けられている。制動手段11はブレーキ部12、ブレーキ板13、吸着部14からなり、ブレーキ部12は通電することにより吸着部13を引き寄せる作用を備えている。吸着部14は入力側プーリー9に固着されて設けられており、ブレーキ板13は本体25に固着され、ブレーキ部12の通電により引き寄せられる吸着部14と一体となり回転を制動する構成になされている。
【0011】
本体25の外方には、サポート26が設けられ、駆動手段1である電動機2を支持している。電動機2の回転力は電動機出力軸3に備えられたクラッチ手段4を介して、前記駆動力伝達手段7の駆動側プーリー8へ伝達される。
クラッチ手段4はクラッチ部6とクラッチ爪5を備え、クラッチ部6は電動機出力軸3へ設けられている。クラッチ爪5は、電動機出力軸3に設けられた爪5aと駆動力伝達手段7の駆動側プーリー8へ設けられた爪5bが対向する位置に配設され、クラッチ部6の通電によって駆動側プーリー8側の爪5bが吸着され、爪5aと爪5bの接続・切り離しを行う構成になされている。
【0012】
図2、図3を用いて、本実施例の動作手順を説明する。
図2は、被加工物を把握して主軸28が回転可能な状態を示す図であり、クラッチ手段4の爪5は隙間を設けて切断されており、電動機2とボールライナ22は切り離された状態になされている。
このクラッチ手段4に連動する制動手段11が作用する。制動手段11はブレーキ部12が通電することにより吸着部14を引き寄せ、吸着部14とブレーキ板13が固着し、駆動力伝達手段7や減速手段15の回転を防ぎ、ボールライナ22が振動・連れ回りなどにより回転することを防止する。
制動手段11の吸着部14が駆動力伝達手段7の入力側プーリー9に設けられているので、減速手段15で増力される以前の回転力を制動することとなり、小さい制動力で回転を防ぐことができる。
さらに、ホルダ21の両端へ付勢部材として皿バネを有する蓄圧手段24を設けることにより、ホルダ21を前後両方向に対応して押圧し、その押圧力がボールライナ22のネジ山へ面圧力として作用している。これによってボールライナ22のゆるみを防止している。
【0013】
次に図3を用いて、主軸28の回転を停止し、チャックを作動させる手順を説明する。
まず、クラッチ手段4のクラッチ部6へ通電し、クラッチ爪5bを引き寄せてクラッチ爪5aと連結し、クラッチ爪5の隙間を無くしてクラッチ手段4を接続すると共に、クラッチ手段4の動きに連動する制動手段11を作動させてブレーキ板13と吸着部14を引き離す。この状態において、駆動源の電動機2を作動させるとその回転力は、クラッチ手段4に伝えられ、駆動力伝達手段7を介して、減速手段15に入力され増力される。
減速手段15で増力された回転力は操作力変換手段20のホルダ21を回転させ、ボールライナ22により回転力が軸方向の移動力へ変換されて移動体27を軸方向へ移動させ、移動体27の動きに合わせて操作軸29が軸方向へ移動する。これに伴いチャック爪が開き被加工物の取り外しが可能となる。
【0014】
被加工物をチャックに把握するには、電動機2の回転方向を前述と反対にすればよい。それにより、電動機2の回転に伴いボールライナ22により移動体27が軸方向へ移動し、同様に操作軸29を軸方向へ移動させる。
そしてチャックの爪が被加工物に当接すると、電動機2の電流値を増加させ回転トルクを上げることにより、操作軸29の軸方向の力を大きくすることができ、チャックの操作力に見合う軸力とすることができる。規定の電流値に達すると電動機2は停止させる。
【0015】
被加工物の把握後は、クラッチ手段4のクラッチ部6への通電を止めクラッチ手段4の爪5aと爪5bを切り離す。これによって、主軸の回転が可能となる。これと同時にクラッチ手段4の動作に連動する制動手段11が作動し、制動手段11の吸着部14がブレーキ部12の通電によりブレーキ板13と密着し固着することで減速手段15で増力される以前の小さな回転力を制動し回転を停止させる。
【0016】
前記実施例では、減速手段15の増力部17としてハーモニックドライブ19を用いているが、減速手段15の例はこれに限らず、増力部17が入力される回転力を減速し増力する構成であればよい。
例えば、遊星歯車36を用いた増力部17の例について図を用いて説明する。図5は増力部17に遊星歯車36を用いた場合の図4と同位置の断面図を示す。
遊星歯車36を用いた増力部17は、回転力を入力する入力部16に接続され外方へ歯車を備えた入力歯車部材35と、入力歯車部材35の歯車とかみ合いながら外周を周回する複数の遊星歯車36と、遊星歯車36とかみ合う歯車を内方へ備え固定されて設けられた内歯車部材37とからなる。
遊星歯車36は出力部18へ回転自在に設けられ、遊星歯車36が入力歯車部材35の外周を周回することで出力部18を回転させる。
入力歯車部材35に伝達された回転力は、入力歯車部材35と内歯車部材37に夫々設けられた歯車の歯数の違いにより、減速し増力されて出力部18へ伝達される。このため、電動機2の回転力が減速手段15により増力されて操作力変換手段22へ伝えられる。
減速手段15の増力部17の図示しない他の実施例としては、ウォーム軸を用いるウォームホイール減速手段やサイクロ減速機構を用いるサイクロ減速手段などでも前記と同様な電動機の回転力を減速し増力する作用を得ることが可能である。
【0017】
本発明はクラッチ手段4と減速手段15との間に回転力を制動する制動手段11を備えることにより、増力される以前の小さな回転力が制動できる。そのため、小さな作用力でも駆動力伝達手段7や減速手段15の回転を防ぎ、ボールライナ22が振動や連れ回りすることによる回転を防ぐ。さらに、ホルダ21を蓄圧手段24により押圧することでボールライナ22のネジ山へ面圧力を作用させ、これによりボールライナ22のゆるみ防止を行う。したがって、小さな作用力でも、回転防止とネジのゆるみ止めにおいて十分な制動力を得ることができる。
【0018】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、小さな作用力で駆動手段の回転力の制動を行うので、制動手段のコンパクト化が可能となり、小型で軽量なチャック用電動操作装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電動操作装置の構成を示す部分断面図を示す。
【図2】本発明の電動操作装置の被加工物の加工時におけるスケルトン図を示す。
【図3】本発明の電動操作装置の被加工物の取り替え時におけるスケルトン図を示す。
【図4】図1中のA−A矢視図を示す。
【図5】増力部の他の実施例におけるA−A矢視図を示す。
【符号の説明】
1 駆動手段
4 クラッチ手段
7 駆動力伝達手段
11 制動手段
15 減速手段
20 操作力変換手段
24 蓄圧手段
【産業上の利用分野】
本発明は、旋盤などに使用するチャックの操作源を電動機とするチャック用電動操作装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
チャックの締付力は、被加工物によってその大きさを変更する必要があるために、チャック用操作装置はその操作力を変える構造になされている。それゆえ電動機を駆動源とする操作装置においては、そのほとんどが電動機の回転力を軸力に変換するボールライナなどの操作力変換手段を備え、駆動手段の回転トルクに比例させた軸方向の操作力を得る構造になされていた。
特に、操作力変換手段が、その操作力を常に保持できるように、操作力変換手段の軸方向へ一定以上の押圧力を加えるチャック用電動操作装置が本出願人より提案されている。(例えば、特許文献1参照)
この特許文献1に提案されているチャック用電動操作装置は、エアシリンダを有するクラッチ手段に連動する制動手段を備え、制動手段に設けられた付勢手段による押圧力は、前記エアシリンダの推力を用いるクラッチ手段の接続・切り離しと連動させて操作力変換手段であるボールライナへ加えられ、ボールライナのネジ山へ面圧力として作用させ、ボールライナのネジのゆるみを防止している。
【0003】
しかしながら、前記特許文献1の構造において、クラッチ手段の接続時では、エアシリンダの推力はクラッチ手段の接続・切り離しに用いる作用力に加え、さらに制動手段の付勢手段による押圧力を押し返す力が必要であり、エアシリンダには付勢手段の押圧力以上の大きな推力が求められる。
そのため、制動手段とクラッチ手段は大きな作用力が発生するために大型の構造となるので、チャック用電動操作装置自体の小型化、軽量化に大きな障害となっていた。
【0004】
【特許文献1】
特開2002‐36013号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、前記の問題点を鑑み、クラッチ手段と連動する制動手段が大きな作用力を必要とせず、小さな作用力で駆動手段の回転力の制動を十分に発揮するチャック用電動操作装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明は、電動機を駆動源とする駆動手段と、該駆動手段の回転力を伝達もしくは切り離すクラッチ手段と、前記駆動手段の回転力を伝える駆動力伝達手段と、前記駆動手段の回転力を減速し増力する減速手段と、前記クラッチ手段と連動して前記駆動手段の回転力を制動する制動手段と、前記減速手段で増力された回転力を操作軸方向への軸力に変換する操作力変換手段と、軸力を受ける付勢部材を有し該付勢部材による押圧力を前記操作力変換手段へ作用させる蓄圧手段を備え、前記クラッチ手段が駆動手段と減速手段の間に設けられ、且つ前記制動手段がクラッチ手段と減速手段の間に設けられ減速手段で増力される以前の回転力を制動することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について図を用いて説明する。図1は本発明の電動操作装置の構成を示す部分断面図である。図2は本発明の電動操作装置の被加工物の加工時におけるスケルトン図を示し、図3は本発明の電動操作装置の被加工物の取り替え時におけるスケルトン図を示す。
図2、3に示すように、旋盤の主軸28の内側には図示しないチャックに連結された操作軸29が軸方向へ移動自在に設けられており、主軸28の後端には本発明の電動操作装置の本体25が備えられている。
本体25には、ベアリング30を介し回転自在なホルダ21が備えられ、ホルダ21には付勢部材として皿バネを有する蓄圧手段24が両端へ設けられている。蓄圧手段24の押圧力が常にホルダ21へ負荷され、ホルダ21は軸方向への移動が規制されている。
【0008】
ホルダ21の内側には、ホルダ21との間で回転力を軸力に変換する操作力変換手段20であるボールライナ22を介して、移動体27が連接されている。移動体27は、本体25に刻設されたスプライン23によって回転を阻止され、且つ軸方向の移動を可能として配設され、移動体27の前端はチャックに連接された操作軸29と連結されている。
ホルダ21の後方には減速手段15が設けられており、減速手段15は電動機2からの回転力を受ける入力部16と、入力部16へ連結し入力した回転力を減速し増力する増力部17と、ホルダ21に固着され増力部17で減速し増力された回転力をホルダ21へ伝達する出力部18を備えている。
減速手段15では、入力部16と出力部18が増力部17を介して連結され、増力部17は入力部16に伝達される回転力を減速し増力して出力部18へ伝達する。
【0009】
本実施例では、減速手段15の増力部17としてハーモニックドライブ19を用い、電動機2からの回転数を減速し増力している。図4に図1中のA−A矢視図を示し、ハーモニックドライブ19の増力作用を説明する。
ハーモニックドライブ19は、回転力を入力する入力部16に接続する楕円形状の入力回転部31と、入力回転部31の外周へ設けられるベアリング32と、ベアリング32の外周へ弾性変形自在に設けられ外方へ歯車が形成されている出力ギア部材33と、出力ギア部材33の歯車にかみ合う歯車を内方へ形成し出力ギア部材33の外周に設けられ本体25に固定される固定ギア部材34からなり、出力ギア部材33と固定ギア部材34の歯車は夫々の歯数が異なって設けられている。入力された回転力により入力回転部31が回転すると、ベアリング32を介して出力ギア部材33は弾性変形し、出力ギア部材33の外周に設けられた歯車と固定ギア部材34の内方の歯車がかみ合うかみ合い位置が移動する。その際、夫々の歯車の歯数の差が回転に表れ、入力回転部31が1回転すると、歯車の歯数の差の分だけ出力ギア部材33が回転移動する。この回転を出力部18へ伝達することで入力された回転力を減速し増力する。
この減速手段15を備え回転力の回転数を減速することで、電動機2からの回転力を増力し、増力された大きな回転力がホルダ21へ伝わる。
【0010】
電動機2からの回転力を減速手段15へ伝達する駆動力伝達手段7が減速手段15の入力部16と連接して設けられている。駆動力伝達手段7は入力側プーリー9とベルト10と駆動側プーリー8からなり、入力側プーリー9は減速手段15の入力部16に取り付けられ、ベルト10は入力側プーリー9と駆動側プーリー8とを連結させて2つのプーリーの回転を同調させ、駆動側プーリー8に受ける電動機2の回転力を減速手段15の入力部16へ伝達する。
また、前記駆動伝達手段7の入力側プーリー9には、入力側プーリー9の回転を制動する制動手段11が設けられている。制動手段11はブレーキ部12、ブレーキ板13、吸着部14からなり、ブレーキ部12は通電することにより吸着部13を引き寄せる作用を備えている。吸着部14は入力側プーリー9に固着されて設けられており、ブレーキ板13は本体25に固着され、ブレーキ部12の通電により引き寄せられる吸着部14と一体となり回転を制動する構成になされている。
【0011】
本体25の外方には、サポート26が設けられ、駆動手段1である電動機2を支持している。電動機2の回転力は電動機出力軸3に備えられたクラッチ手段4を介して、前記駆動力伝達手段7の駆動側プーリー8へ伝達される。
クラッチ手段4はクラッチ部6とクラッチ爪5を備え、クラッチ部6は電動機出力軸3へ設けられている。クラッチ爪5は、電動機出力軸3に設けられた爪5aと駆動力伝達手段7の駆動側プーリー8へ設けられた爪5bが対向する位置に配設され、クラッチ部6の通電によって駆動側プーリー8側の爪5bが吸着され、爪5aと爪5bの接続・切り離しを行う構成になされている。
【0012】
図2、図3を用いて、本実施例の動作手順を説明する。
図2は、被加工物を把握して主軸28が回転可能な状態を示す図であり、クラッチ手段4の爪5は隙間を設けて切断されており、電動機2とボールライナ22は切り離された状態になされている。
このクラッチ手段4に連動する制動手段11が作用する。制動手段11はブレーキ部12が通電することにより吸着部14を引き寄せ、吸着部14とブレーキ板13が固着し、駆動力伝達手段7や減速手段15の回転を防ぎ、ボールライナ22が振動・連れ回りなどにより回転することを防止する。
制動手段11の吸着部14が駆動力伝達手段7の入力側プーリー9に設けられているので、減速手段15で増力される以前の回転力を制動することとなり、小さい制動力で回転を防ぐことができる。
さらに、ホルダ21の両端へ付勢部材として皿バネを有する蓄圧手段24を設けることにより、ホルダ21を前後両方向に対応して押圧し、その押圧力がボールライナ22のネジ山へ面圧力として作用している。これによってボールライナ22のゆるみを防止している。
【0013】
次に図3を用いて、主軸28の回転を停止し、チャックを作動させる手順を説明する。
まず、クラッチ手段4のクラッチ部6へ通電し、クラッチ爪5bを引き寄せてクラッチ爪5aと連結し、クラッチ爪5の隙間を無くしてクラッチ手段4を接続すると共に、クラッチ手段4の動きに連動する制動手段11を作動させてブレーキ板13と吸着部14を引き離す。この状態において、駆動源の電動機2を作動させるとその回転力は、クラッチ手段4に伝えられ、駆動力伝達手段7を介して、減速手段15に入力され増力される。
減速手段15で増力された回転力は操作力変換手段20のホルダ21を回転させ、ボールライナ22により回転力が軸方向の移動力へ変換されて移動体27を軸方向へ移動させ、移動体27の動きに合わせて操作軸29が軸方向へ移動する。これに伴いチャック爪が開き被加工物の取り外しが可能となる。
【0014】
被加工物をチャックに把握するには、電動機2の回転方向を前述と反対にすればよい。それにより、電動機2の回転に伴いボールライナ22により移動体27が軸方向へ移動し、同様に操作軸29を軸方向へ移動させる。
そしてチャックの爪が被加工物に当接すると、電動機2の電流値を増加させ回転トルクを上げることにより、操作軸29の軸方向の力を大きくすることができ、チャックの操作力に見合う軸力とすることができる。規定の電流値に達すると電動機2は停止させる。
【0015】
被加工物の把握後は、クラッチ手段4のクラッチ部6への通電を止めクラッチ手段4の爪5aと爪5bを切り離す。これによって、主軸の回転が可能となる。これと同時にクラッチ手段4の動作に連動する制動手段11が作動し、制動手段11の吸着部14がブレーキ部12の通電によりブレーキ板13と密着し固着することで減速手段15で増力される以前の小さな回転力を制動し回転を停止させる。
【0016】
前記実施例では、減速手段15の増力部17としてハーモニックドライブ19を用いているが、減速手段15の例はこれに限らず、増力部17が入力される回転力を減速し増力する構成であればよい。
例えば、遊星歯車36を用いた増力部17の例について図を用いて説明する。図5は増力部17に遊星歯車36を用いた場合の図4と同位置の断面図を示す。
遊星歯車36を用いた増力部17は、回転力を入力する入力部16に接続され外方へ歯車を備えた入力歯車部材35と、入力歯車部材35の歯車とかみ合いながら外周を周回する複数の遊星歯車36と、遊星歯車36とかみ合う歯車を内方へ備え固定されて設けられた内歯車部材37とからなる。
遊星歯車36は出力部18へ回転自在に設けられ、遊星歯車36が入力歯車部材35の外周を周回することで出力部18を回転させる。
入力歯車部材35に伝達された回転力は、入力歯車部材35と内歯車部材37に夫々設けられた歯車の歯数の違いにより、減速し増力されて出力部18へ伝達される。このため、電動機2の回転力が減速手段15により増力されて操作力変換手段22へ伝えられる。
減速手段15の増力部17の図示しない他の実施例としては、ウォーム軸を用いるウォームホイール減速手段やサイクロ減速機構を用いるサイクロ減速手段などでも前記と同様な電動機の回転力を減速し増力する作用を得ることが可能である。
【0017】
本発明はクラッチ手段4と減速手段15との間に回転力を制動する制動手段11を備えることにより、増力される以前の小さな回転力が制動できる。そのため、小さな作用力でも駆動力伝達手段7や減速手段15の回転を防ぎ、ボールライナ22が振動や連れ回りすることによる回転を防ぐ。さらに、ホルダ21を蓄圧手段24により押圧することでボールライナ22のネジ山へ面圧力を作用させ、これによりボールライナ22のゆるみ防止を行う。したがって、小さな作用力でも、回転防止とネジのゆるみ止めにおいて十分な制動力を得ることができる。
【0018】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、小さな作用力で駆動手段の回転力の制動を行うので、制動手段のコンパクト化が可能となり、小型で軽量なチャック用電動操作装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電動操作装置の構成を示す部分断面図を示す。
【図2】本発明の電動操作装置の被加工物の加工時におけるスケルトン図を示す。
【図3】本発明の電動操作装置の被加工物の取り替え時におけるスケルトン図を示す。
【図4】図1中のA−A矢視図を示す。
【図5】増力部の他の実施例におけるA−A矢視図を示す。
【符号の説明】
1 駆動手段
4 クラッチ手段
7 駆動力伝達手段
11 制動手段
15 減速手段
20 操作力変換手段
24 蓄圧手段
Claims (1)
- 電動機を駆動源とする駆動手段と、該駆動手段の回転力を伝達もしくは切り離すクラッチ手段と、前記駆動手段の回転力を伝える駆動力伝達手段と、前記駆動手段の回転力を減速し増力する減速手段と、前記クラッチ手段と連動して前記駆動手段の回転力を制動する制動手段と、前記減速手段で増力された回転力を操作軸方向への軸力に変換する操作力変換手段と、軸力を受ける付勢部材を有し該付勢部材による押圧力を前記操作力変換手段へ作用させる蓄圧手段を備え、前記クラッチ手段が駆動手段と減速手段の間に設けられ、且つ前記制動手段がクラッチ手段と減速手段の間に設けられ減速手段で増力される以前の回転力を制動することを特徴とするチャック用電動操作装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003089470A JP2004291191A (ja) | 2003-03-28 | 2003-03-28 | チャック用電動操作装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003089470A JP2004291191A (ja) | 2003-03-28 | 2003-03-28 | チャック用電動操作装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004291191A true JP2004291191A (ja) | 2004-10-21 |
Family
ID=33403312
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003089470A Pending JP2004291191A (ja) | 2003-03-28 | 2003-03-28 | チャック用電動操作装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004291191A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009220206A (ja) * | 2008-03-14 | 2009-10-01 | Kitagawa Iron Works Co Ltd | チャックの軸力操作装置 |
JP2010508157A (ja) * | 2006-10-28 | 2010-03-18 | ロェーム ゲーエムベーハー | 電気的な締付力印加機構 |
JP2011235436A (ja) * | 2010-05-04 | 2011-11-24 | Karl Hiestand | クランプ装置 |
JP2013022725A (ja) * | 2011-07-19 | 2013-02-04 | Karl Hiestand | 機械工具用クランプ装置 |
JP2014050947A (ja) * | 2012-08-20 | 2014-03-20 | Klingenberg Ag | ツールもしくはワークピースを軸固定するための軸固定デバイス、および軸固定デバイスの操作方法 |
JP2014083681A (ja) * | 2012-10-26 | 2014-05-12 | Karl Hiestand | クランプ装置 |
EP2913130A1 (de) * | 2014-02-28 | 2015-09-02 | MTH GbR Markus und Thomas Hiestand | Spanneinrichtung für Werkzeugmaschinen |
KR20160067784A (ko) * | 2014-12-04 | 2016-06-14 | 에스엠더블유-오토블록 스펜시스테메 게엠베하 | 에너지 및/또는 신호 전송용 전송 시스템 |
-
2003
- 2003-03-28 JP JP2003089470A patent/JP2004291191A/ja active Pending
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010508157A (ja) * | 2006-10-28 | 2010-03-18 | ロェーム ゲーエムベーハー | 電気的な締付力印加機構 |
KR101545358B1 (ko) * | 2006-10-28 | 2015-08-18 | 룀 게엠베하 | 전기 액추에이터 |
JP2009220206A (ja) * | 2008-03-14 | 2009-10-01 | Kitagawa Iron Works Co Ltd | チャックの軸力操作装置 |
JP2011235436A (ja) * | 2010-05-04 | 2011-11-24 | Karl Hiestand | クランプ装置 |
JP2013022725A (ja) * | 2011-07-19 | 2013-02-04 | Karl Hiestand | 機械工具用クランプ装置 |
JP2014050947A (ja) * | 2012-08-20 | 2014-03-20 | Klingenberg Ag | ツールもしくはワークピースを軸固定するための軸固定デバイス、および軸固定デバイスの操作方法 |
JP2014083681A (ja) * | 2012-10-26 | 2014-05-12 | Karl Hiestand | クランプ装置 |
US9561545B2 (en) | 2012-10-26 | 2017-02-07 | Karl Hiestand | Clamping device |
EP2913130A1 (de) * | 2014-02-28 | 2015-09-02 | MTH GbR Markus und Thomas Hiestand | Spanneinrichtung für Werkzeugmaschinen |
KR20160067784A (ko) * | 2014-12-04 | 2016-06-14 | 에스엠더블유-오토블록 스펜시스테메 게엠베하 | 에너지 및/또는 신호 전송용 전송 시스템 |
JP2016144857A (ja) * | 2014-12-04 | 2016-08-12 | エスエムヴェー アウトブローク シュパンジステーメ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | エネルギーおよび/または信号伝送などのための伝送配置 |
KR102376165B1 (ko) | 2014-12-04 | 2022-03-18 | 에스엠더블유-오토블록 스펜시스테메 게엠베하 | 에너지 및/또는 신호 전송용 전송 시스템 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4418592B2 (ja) | 電気機械式のホイールブレーキ装置 | |
JP4864582B2 (ja) | トルク自動切替装置 | |
JP2007085541A (ja) | 駐車機能を備えたディスクブレーキ | |
JP3124756B2 (ja) | リベット締め装置 | |
JP2010230128A (ja) | インホイールモーター用ブレーキ装置 | |
JP2011208681A (ja) | 車両用減速装置 | |
JP2017516697A (ja) | 車両の電気ブレーキアクチュエータ | |
JP2003220844A (ja) | 電気力学的駆動システムおよび変速ステップの細分化方法 | |
JP2004291191A (ja) | チャック用電動操作装置 | |
JP2000506784A (ja) | 金属成形プレスのプレスラムのラム速度の制御方法並びにプレスラム用駆動装置 | |
WO2019064724A1 (ja) | 電動工具 | |
CN104110448B (zh) | 离合致动器 | |
JP4020079B2 (ja) | 推力変換装置 | |
JP2001277176A (ja) | 旋回装置 | |
JP7156760B2 (ja) | 駆動装置およびそれを備える車両 | |
JP3915068B2 (ja) | 電動ディスクブレーキ | |
JP4556650B2 (ja) | 車両用ブレーキ装置 | |
JP2002227883A (ja) | ハイブリッド自動車における動力伝達装置 | |
JPS61236951A (ja) | 遊星歯車式2段変速装置を有する電動チェーンブロック | |
JP3740470B2 (ja) | 減速機付のdcブラシレスモータ | |
JP2001121326A (ja) | コレットチャック開閉装置 | |
JP2021136855A (ja) | 可変トルクモータ、およびモータのトルク可変構造 | |
US20230382440A1 (en) | Brake device for railway vehicle | |
JP5323370B2 (ja) | チャックの軸力操作装置 | |
KR20120134277A (ko) | 전자식 주차 브레이크 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20060324 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090127 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090129 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090609 |