JP2004291133A - 錠剤切断具 - Google Patents
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Abstract
【課題】錠剤切断時や保管時等における取り扱いが容易で、しかも、交換コストの低廉化を図る。
【解決手段】基台2と、これに対して揺動自在に枢支連結され、かつ、相対近接揺動に連れて錠剤を切断可能な刃体3を備えた可動体4とを、片手で把持した状態で切断操作可能な大きさに構成するとともに、基台2に、錠剤の切断位置と刃体3の刃先通過位置とが合致する状態で錠剤を受止める位置決め体5を設け、更に、錠剤が入り込み可能な開口を備え、かつ、その開口に刃先を臨ませた状態で刃体3を取り換え自在に収納保持する保持ケース7が、可動体4に対して脱着自在に設けられている。
【選択図】 図4
【解決手段】基台2と、これに対して揺動自在に枢支連結され、かつ、相対近接揺動に連れて錠剤を切断可能な刃体3を備えた可動体4とを、片手で把持した状態で切断操作可能な大きさに構成するとともに、基台2に、錠剤の切断位置と刃体3の刃先通過位置とが合致する状態で錠剤を受止める位置決め体5を設け、更に、錠剤が入り込み可能な開口を備え、かつ、その開口に刃先を臨ませた状態で刃体3を取り換え自在に収納保持する保持ケース7が、可動体4に対して脱着自在に設けられている。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレススルーパック(PTP)やブリスタ包装体などのように、錠剤が密封包装されている包装体内の錠剤又は包装体から取り出された錠剤(裸錠剤)を使用量や使い易さ等に応じて複数分割(二分割)する場合に用いられる錠剤切断具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の錠剤切断具では、テーブル等に載置可能な合成樹脂製の基台の一端部に、該基台の中心線に沿って薄板状の刃体を接着剤等で固着してある合成樹脂製の可動体を、横軸芯周りで上下揺動自在に枢着し、基台と可動体とを片手で把持した状態で切断操作可能な大きさに構成するとともに、基台の上面の一部に、包装体の錠剤収納部から取り出された裸錠剤を載置可能な傾斜面を形成し、この傾斜載置面に、裸錠剤をそれの中心位置と刃体の刃先通過位置とが合致するように滑降案内するV字状の位置決め体を一体的に突出形成していた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
実公平6−41546号公報
【特許文献2】
特開2000−271192号公報
【特許文献3】
特開2000−84049号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の錠剤切断具では、包装体から取り出された裸錠剤を1 個ずつ基台の傾斜載置面に載置して切断する必要があるため、錠剤の切断に手間取るとともに、錠剤の切断粉が周囲に飛散し易い。しかも、刃体が露出状態で基台に固着されているため、錠剤切断時や保管時、持ち運び時等における取り扱いに注意する必要があり、更に、刃体が破損又は錆付いた場合には、錠剤切断具全体を交換する必要があり、交換コストが高騰化する問題がある。
【0005】
本発明は、上述の実状に鑑みて為されたものであって、第1の主たる課題は、錠剤切断時や保管時等における取り扱いが容易で、しかも、交換コストの低廉化を図ることのできる錠剤切断具を提供する点にあり、第2の主たる課題は、包装体内の錠剤を能率良く容易に切断することができるとともに、錠剤切断時や保管時等における取り扱いが容易で、しかも、交換コストの低廉化を図ることのできる錠剤切断具を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1による錠剤切断具の特徴構成は、錠剤を支持可能な基台と、これに対して揺動自在に枢支連結され、かつ、相対近接揺動に連れて錠剤を切断可能な刃体を備えた可動体とを、片手で把持した状態で切断操作可能な大きさに構成するとともに、基台に、錠剤の切断位置と刃体の刃先通過位置とが合致する状態で錠剤を受止める位置決め体を設け、更に、錠剤が入り込み可能な開口を備え、かつ、その開口に刃先を臨ませた状態で刃体を取り換え自在に収納保持する保持ケースが、可動体に対して脱着自在に設けられている点にある。
【0007】
上記特徴構成によれば、枢支連結された基台と可動体とを片手で保持し、包装体から取り出された錠剤を基台の位置決め体に当て付けることにより、錠剤の切断位置と刃体の刃先通過位置とが合致し、この状態で基台と可動体とを相対近接揺動操作することにより、可動体側の刃体で錠剤が切断される。
【0008】
しかも、刃体の切れ味が悪化したり、刃体が破損又は錆付いたりした場合、可動体から保持ケースを取り外すことにより、これに収納保持されている刃体のみを自由に取り換えることができるとともに、保持ケースに刃体が装着された状態では、保持ケースに形成された錠剤が入り込み可能な開口に刃体の刃先が臨むだけであり、刃体の大部分が保持ケースに覆われている為、刃体の取り換え時や錠剤切断時、保管時、持ち運び時の取り扱いを安全、容易に行うことができる。
【0009】
従って、錠剤切断時や保管時、持ち運び時に安全、容易に取り扱うことができるとともに、刃体の取り換え作業の容易化と交換コストの低廉化を図ることができる。
【0010】
本発明の請求項2による錠剤切断具の特徴構成は、錠剤が密封包装されている包装体を支持可能な基台と、これに対して揺動自在に枢支連結され、かつ、相対近接揺動に連れて包装体内の錠剤を包装材と共に切断可能な刃体を備えた可動体とを、片手で把持した状態で切断操作可能な大きさに構成するとともに、基台に、包装体の錠剤切断位置と刃体の刃先通過位置とが合致する状態で包装体の錠剤収納部を受止める位置決め体を設け、更に、包装体の錠剤収納部が入り込み可能な開口を備え、かつ、その開口に刃先を臨ませた状態で刃体を取り換え自在に収納保持する保持ケースが、可動体に対して脱着自在に設けられている点にある。
【0011】
上記特徴構成によれば、枢支連結された基台と可動体とを片手で保持し、他方の手に把持された包装体の薬剤収納部を、基台の位置決め体に当て付けることにより、包装体の錠剤切断位置と刃体の刃先通過位置とが合致し、この状態で基台と可動体とを相対近接揺動操作することにより、可動体側の刃体で包装体内の錠剤が包装材と共に切断される。
【0012】
しかも、刃体の切れ味が悪化したり、刃体が破損又は錆付いたりした場合、可動体から保持ケースを取り外すことにより、これに収納保持されている刃体のみを自由に取り換えることができるとともに、保持ケースに刃体が装着された状態では、保持ケースに形成された包装体の錠剤収納部が入り込み可能な開口に刃体の刃先が臨むだけであり、刃体の大部分が保持ケースに覆われている為、刃体の取り換え時や錠剤切断時、保管時、持ち運び時の取り扱いを安全、容易に行うことができる。
【0013】
従って、包装体内の錠剤を能率良く容易に切断することができるばかりでなく、切断粉の飛散も少なくなり、錠剤切断時や保管時、持ち運び時に安全、容易に取り扱うことができ、しかも、刃体の取り換え作業の容易化と交換コストの低廉化を図ることができる。
【0014】
本発明の請求項3による錠剤切断具の特徴構成は、前記基台に、位置決め体に受止められた包装体に触れない位置に把持位置を規制する規制部が形成されている点にある。
【0015】
上記特徴構成によれば、枢支連結された基台と可動体とを片手で保持し、他方の手に把持された包装体の薬剤収納部を基台の位置決め体に当て付ける際、基台側に添えられる指の把持位置が規制部で規制されているので、位置決め体に対する包装体の当て付けが指で阻止されたり、或いは、位置決め体に当て付けられていた包装体が指で押されたりすることがなく、位置決め体による包装体の錠剤収納部の位置決め機能が正確になり、切断ミスによる錠剤の廃棄を抑制することができる。
【0016】
本発明の請求項4による錠剤切断具の特徴構成は、前記基台と可動体とを相対近接移動させた錠剤切断位置又はそれに近い位置で固定する状態と固定解除状態とに切換え自在な固定手段が設けられている点にある。
【0017】
上記特徴構成によれば、保管時や持ち運び時において、基台と可動体とを錠剤切断位置又はそれに近い位置にまで相対近接移動操作して、固定解除状態にある固定手段を固定状態に操作することにより、基台と可動体とを錠剤切断位置又はそれに近い位置で固定することができるので、基台と可動体とが開き揺動して刃体の刃先が外部に大きく露出することがなく、安全かつコンパクトに格納することができる。
【0018】
本発明の請求項5による錠剤切断具の特徴構成は、前記固定手段を構成するに、基台に対して位置決め体を長手方向の複数位置で選択的に係止保持自在に取り付けるとともに、可動体には、位置決め体の操作部が外部に臨む開口を形成し、位置決め体を錠剤受止め位置以外の位置に移動させたとき、位置決め体の操作部の一部が開口周縁に乗り上げて、基台と可動体とを相対近接移動させた錠剤切断位置又はそれに近い位置で固定するように構成されている点にある。
【0019】
上記特徴構成によれば、錠剤切断時に、基台に対して長手方向の複数位置で選択的に係止保持自在な位置決め体を錠剤受止め位置に操作すると、錠剤切断位置と刃体の刃先通過位置とが合致する状態で包装体の錠剤収納部又は包装体から取り出された錠剤を正確に受止めることができ、また、保管時や持ち運び時においては、位置決め体を錠剤受止め位置以外の位置に操作すると、位置決め体の操作部の一部が可動体に形成された開口の周縁に乗り上げ、基台と可動体とを相対近接移動させた錠剤切断位置又はそれに近い位置で固定することができる。
【0020】
従って、包装体の錠剤収納部又は包装体から取り出された錠剤に対する位置決め体をロック部材に兼用するから、基台と可動体とを相対近接移動させた錠剤切断位置又はそれに近い位置で固定するための固定手段を製造コスト面で有利に構成することができるとともに、構造の簡素化も図ることができる。
【0021】
本発明の請求項6による錠剤切断具の特徴構成は、前記保持ケースが、薄肉状のヒンジ部を介して開閉自在に一体形成された左右一対の半割りケース部から構成されていて、両半割りケース部の合わせ面の少なくとも一方には、薄板状の刃体の刃先以外の外側縁全体又はそれの一部が板厚方向から入り込む状態で装着される装着凹部と、これに装着された刃体の貫通孔又は切欠き部に板厚方向から係合する抜け落ち防止用の突起とが形成されているとともに、両半割りケース部の外面側と可動体に形成された装着用凹部との相対向する部位には、保持ケースを脱着自在に係合保持する係止手段が設けられている点にある。
【0022】
上記特徴構成によれば、薄板状の刃体を可動体に装着する場合、ヒンジ部を支点として開き操作された両半割りケース部の合わせ面のうち、少なくとも一方に形成された抜け落ち防止用の突起に対して、刃体に形成された貫通孔又は切欠き部を係合させるとともに、合わせ面の装着用凹部に対して刃体を板厚方向から入り込み装着したのち、ヒンジ部を支点として両半割りケース部を閉じ操作すると、保持ケースに形成された包装体の錠剤収納部又は包装体から取り出された錠剤が入り込み可能な開口に刃体の刃先が臨むだけで、刃体の大部分が保持ケースに覆われている。それ故に、両半割りケース部の外面側と可動体の装着用凹部との相対向する部位に設けられた係止手段により、可動体の装着用凹部に対して保持ケースを脱着する場合でも、安全、容易に取扱うことができる。
【0023】
従って、保持ケースに対する刃体の交換操作を迅速、容易に行うことができるとともに、可動体の装着用凹部に対する保持ケースの脱着操作も安全、容易に行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
図1〜図14は、医療分野で用いられる錠剤切断具を示し、錠剤Tが密封包装されている包装体1及びこれから取り出された錠剤(裸錠剤)Tを択一的に載置支持可能な合成樹脂製の基台2と、これに対して横軸芯X周りで上下揺動自在に枢支連結された合成樹脂製の可動体4とが、片手で把持した状態で切断操作可能な大きさに構成され、可動体4には、横軸芯X周りでの相対近接揺動に連れて包装体1内の錠剤Tを包装材1と共に切断可能で、かつ、裸錠剤Tも単独で切断可能な薄板状の刃体3が装着されているとともに、基台2には、包装体1又は裸錠剤Tの錠剤切断位置と刃体3の刃先通過位置とが合致する状態で包装体1の錠剤収納部1Aと裸錠剤Tとを択一的に受止める合成樹脂製の位置決め体5が設けられ、更に、包装体1の錠剤収納部1Aと裸錠剤とが択一的に入り込み可能な開口6を備え、その開口6に刃先3aを臨ませた状態で刃体3を取り換え自在に収納保持する合成樹脂製の保持ケース7が、可動体4に形成された装着用凹部4Fに対して脱着自在に係合保持されている。
【0025】
また、基台2と可動体4とを開き方向(離間方向)に弾性復元力で揺動付勢する弾性付勢手段Aと、基台2と可動体4とを最大限に相対近接移動させた錠剤切断位置で固定する状態と固定解除状態とに切換え自在な固定手段Bと、弾性付勢手段Aの弾性復元力に抗して基台2と可動体4とを錠剤切断位置から所定距離だけ開き揺動させた切断待機位置で係止保持可能で、かつ、開き方向への一定以上の操作力が加えられたときに係合解除される仮止め手段Cとが設けられているとともに、基台2には、位置決め体5に受止められた包装体1に触れない位置に把持位置を規制する規制部8が形成されている。
【0026】
前記包装体1は、図9、図13、図14に示すように、プレススルーパック包装体であって、その表面側包装材1aは、ポリ塩化ビニルやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂からなる透明な基材シートから構成されていて、縦横に所定ピッチを隔てた複数の部位に、錠剤Tを収納する円筒状の錠剤収納部1Aが膨出成形されている。
【0027】
また、前記包装体1の底面側包装材1bは、表面側包装材1a側の各錠剤収納部1Aの開口を密封するためのヒートシール層を備えたアルミニウム箔や薄いリジッドプラスチックシート等から構成されていて、この底面側包装材1bを指操作で押し破ることにより、各錠剤収納部1A内の錠剤Tを取り出し得るように構成されている。
【0028】
前記基台2は、図1〜図4に示すように、テーブル等に安定載置可能な横断面形状が下向きコの字状の底板部2Aと、底板部2Aの上面の左右両側に沿って一体的に立設される側板2Bとを主要構成として備えていて、底板部2Aの前部を、他の部分の左右幅よりも大なる長径の円弧状に形成して、その境界箇所の左右の弧状張り出し部2aをもって、基台2側に添えられる人差し指の把持位置が位置決め体5で受止められた包装体1の受止め領域内にずれ動くことを阻止する前記の規制部8が構成されている。
【0029】
そのため、枢支連結された基台2と可動体4とを片手で保持し、他方の手に把持された包装体1の薬剤収納部1Aを基台2の位置決め体5に当て付ける際、基台2側に添えられる人差し指の把持位置が規制部8を構成する左右の弧状張り出し部2aで接当規制されているので、位置決め体5に対する包装体1の当て付けが受止め領域内に侵入した人差し指で阻止されたり、或いは、位置決め体5に当て付けられていた包装体1が受止め領域内に侵入する人差し指で押されたりすることがなく、位置決め体5による包装体1の錠剤収納部1Aの位置決めを常に正確に行うことができる。
【0030】
また、基台2の底板部2Aの後部側には、弾性付勢手段Aの構成部材で、圧縮コイルスプリング10の下端部が外嵌装着される十字柱状の第1バネ受け部11が一体的に突出形成されているとともに、左右の側板部2Bの後部には、可動体4の両側板部4Bの後部に形成された枢支孔4Eに対して左右方向の内方側から横軸芯X周りで回動自在に嵌合される枢支軸部2Cが一体的に突出形成され、更に、底板部2Aの円弧状前部の下面には、同芯円の複数の円環状リブ2Dが一体形成されている。
【0031】
更に、図4〜図6に示すように、基台2の底板部2Aの上面及び両側板部2Bの内面が、位置決め体5を長手方向に沿って摺動自在に案内するためのガイド面に構成されているとともに、各側板部2Bの内面は、図4、図11に示すように、位置決め体5の操作部5Bの左右両側脇に形成された摺接ガイド上面5bに摺接又は近接して、位置決め体5の上方への抜け出し移動を阻止する抜止め突条12が一体形成されている。
【0032】
前記可動体4は、図1〜図4に示すように、弧状に隆起する指押え部4aが前部側に形成された平面視略長方形状の天板部4Aと、これの左右両側縁に沿って一体形成される側板部4Bと、天板部4Aの前端縁に沿って一体形成される前板部4Cと、天板部4Aの後端縁に沿って一体形成される弧状の後板部4Dとを主要構成として備えていて、天板部4Aの後部側には、弾性付勢手段Aの構成部材で、圧縮コイルスプリング10の上端部が外嵌装着される十字柱状の第2バネ受け部13が一体的に突出形成されているとともに、天板部4Aの前後中央側には、位置決め体5の操作部5Bのうち、頂部に形成された平面視略長円形状の指当て部5aが上方に少し突出する状態で臨む長円形状の開口14が貫通形成されている。
【0033】
天板部4Aの指押え部4aの内面と前板部4Cの内面とに亘って、錠剤切断位置を通る前後方向中心線に沿う補強板部4Gが一体形成され、天板部4Aの指押え部4aと両側板部4Bの前部及び前板部4Cとで囲まれた部位には、図6、図10に示すように、保持ケース7を下方から脱着自在に係合保持するための装着用凹部4Fが形成されているとともに、天板部4Aの指押え部4aの中央には、部分球状に窪む指当て凹部4bが形成されている。
【0034】
前記位置決め体5は、図4〜図6に示すように、基台2の両側板部2Bの対向面間寸法 (内寸法)よりも僅かに小なる幅に構成された摺動本体5Aの前部に、平面視で略ハの字状に開口する大径錠剤から中径錠剤用(図13参照)の第1錠剤ガイド部5Cと、平面視で略U字状に開口する小径錠剤用(図14参照)の第2錠剤ガイド部Dとが連続形成されているとともに、摺動本体5Aの前後中央部には、後方及び下方に向かって開口する中空状の操作部5Bが上方に一体的に突出形成され、更に、摺動本体5Aの後半部には、幅方向内方への弾性変形を許容するための半楕円状の抜き孔5Eが形成されている。
【0035】
また、摺動本体5Aの前部下面には、包装体1を構成する表面側包装材1aと底面側包装材1bとの密着重合部分が入り込み可能な差込凹部5Fが形成されているとともに、摺動本体5Aの上面のうち、操作部5Bの左右両側脇に形成された摺接ガイド上面5bには、抜止め突条12の後端部との接当によって、位置決め体5の第1・第2錠剤ガイド部5C、5Dの前方側への最大突出位置を規制するストッパー部5Gが一体的に突出形成されている。
【0036】
前記固定手段Bを構成するに、図3、図4に示すように、摺動本体5Aの後半部の左右両側面に、基台2の各側板部2Bの内面の前後二箇所に形成された上下方向に沿う横断面形状が略半円状の第1・第2係止溝15,16に対して択一的に係合する係合突条17が一体的に突出形成され、基台2に対して位置決め体5が長手方向の二位置で選択的に係止保持自在に構成されている。
【0037】
換言すれば、ストッパー部5Gと抜止め突条12の後端部とが当接し、かつ、左右の係合突条17が前方の第1係止溝15に係合した錠剤受止め位置と、左右の係合突条17が後方の第2係止溝16に係合した固定位置とに変更自在に構成されているとともに、可動体4の開口14の後端縁には、錠剤受止め位置にある位置決め体5を錠剤受止め位置以外の位置である固定位置に移動させたとき、位置決め体5の操作部5Bの後端部5dが乗り上げ移動する固定用受け部18を突出形成し、更に、操作部5Bの後端部5dの下面には、後方ほど上方に位置するテーパー状の押え面5eを形成し、もって、位置決め体5を錠剤受止め位置から固定位置に移動させたとき、操作部5Bの後端部5dにおける押え面5eが開口14周縁の固定用受け部18に乗り上げて、基台2と可動体4とを相対近接移動させた錠剤切断位置で固定するように構成されている。
【0038】
前記保持ケース7は、図4、図7〜図10、図12に示すように、揺動支点となる薄肉部分を備えたヒンジ部7Cを介して開閉自在に一体形成された左右一対の半割りケース部7A,7Bから構成されていて、両半割りケース部7A,7Bの合わせ面7a,7bの両方には、薄板状の刃体3の刃先3a以外の外側縁全体が板厚方向から入り込む状態で装着される装着用凹部20が形成され、一方の半割りケース部7Aの中央側に一体的に突出形成された中空円筒状の第1取付け基部19には、半割りケース部7Aの装着用凹部20に装着された刃体3の貫通孔3bに板厚方向から係合する抜け落ち防止用の突起21が一体形成されているとともに、他方の半割りケース部7Bの中央側には、両半割りケース部7A,7Bが閉じられたとき、抜け落ち防止用突起21と嵌合して両半割りケース部7A,7Bを閉じ姿勢に維持する係合筒部22が一体的に突出形成されている。
【0039】
また、両半割りケース部7A,7Bの上面後部には、両半割りケース部7A,7Bが閉じられたとき、左右方向に沿う一連の半円柱状の突条体を構成する第2取付け基部23が一体形成され、一方の半割りケース部7Aの第2取付け基部23には、左右方向に沿う係合ピン24が形成されているとともに、他方の半割りケース部7Bの第2取付け基部23には、両半割りケース部7A,7Bが閉じられたとき、係合ピン24と嵌合して両半割りケース部7A,7Bを閉じ姿勢に維持する係合孔25が形成され、更に、一方の半割りケース部7Aの後壁部7dの下部には、両半割りケース部7A,7Bが閉じられたとき、他方の半割りケース部7Bの後壁部7eの外面に接触するずれ止め用の突片26が一体的に突出形成されている。
【0040】
前記抜け落ち防止用突起21と係合筒部22との係合構造、及び、係合ピン24と係合孔25との係合構造をもって、両半割りケース部7A,7Bを閉じ姿勢に維持する係合手段が構成されている。
【0041】
また、両半割りケース部7A,7Bの外面の上下中間位置には、可動体4の装着用凹部4Fの開口縁4dに接当するフランジ部27が突出形成されているとともに、両半割りケース部7A,7Bが閉じ姿勢にあるとき、平面視略U字状に密着状態で屈曲形成されるヒンジ部7Cが、可動体4の前板部4Cの中央位置に形成された係合孔28に係合可能な係合突起に兼用構成され、更に、両半割りケース部7A,7Bの後壁部7dの上端部には、可動体4の前板部4Cの係合孔28にヒンジ部7Cを係合させた状態で、その係合箇所を支点として保持ケース7を可動体4の装着用凹部4F内に押し込み操作したとき、可動体4の側板部4Bの内面に形成された係合突起29に弾性変形しながら係合する係合段部30aと、係合突起29に対して係合段部30aを係合離脱方向である前方下方側に揺動操作するための係合解除用操作部30bを備えた弾性係止体30が一体形成されている。
【0042】
更に、可動体4の補強板部4Gには、可動体4の前板部4Cの係合孔28にヒンジ部7Cを係合させた状態で、その係合箇所を支点として保持ケース7を可動体4の装着用凹部4F内に押し込み操作したとき、保持ケース7の両第2取付け基部23が弾性変形しながら係合する係合溝部31が形成されている。
【0043】
そして、係合突起を兼用構成する保持ケース7のヒンジ部7Cと可動体4の前板部4Cの係合孔28との係合構造と、保持ケース7の弾性係止体30の係合段部30aと可動体4の側板部4Bの係合突起29との係合構造、及び、保持ケース7の両第2取付け基部23と可動体4の補強板部4Gの係合溝部31との係合構造をもって、両半割りケース部7A,7Bの外面側と可動体4に形成された装着用凹部4Fとの相対向する部位に設けられる保持ケース7を脱着自在に係合保持する係止手段Fが構成されている。
【0044】
また、前記両半割りケース部7A,7Bの装着用凹部4Fに刃体3が入り込み装着されたとき、刃体3の刃先3aから保持ケース7の開口6周縁までの間に0.5mm前後の微小な間隙が形成されていて、刃体3の刃先3aに対する安全性を高めるとともに、錠剤切断時において、保持ケース7の下端の一部が直接基台2の底板部2Aの上面に接当しても、包装体1の底面側包装材1bが切断分離されないように構成されている。
【0045】
錠剤切断時において、保持ケース7の下端の一部が、基台2の底板部2Aの上面に載置支持された包装体1のうち、表面側包装材1aと底面側包装材1bとの密着重合部分の上面に接当した場合には、包装体1を構成する表面側包装材1aと底面側包装材1bとの密着重合部分が切断分離されることはない。それでいて、刃体3の刃先3aは密着重合部分の上面近傍にまで移動しているため、錠剤収納部1A内の錠剤Tは確実に切断される。
【0046】
前記仮止め手段Cを構成するに、図1、図4に示すように、可動体4の両側板部4Bに形成された係合突起29の下端部に、後方側に突出する係合部32を一体形成するとともに、基台2の各側板部2Bの前部には、基台2に対して可動体4が錠剤切断位置から切断待機位置まで開き揺動したとき、可動体4の係合部32が下方から係合する半円上の被係合部33と、切断待機位置にある可動体4に対して開き方向への一定以上の操作力が加えられたとき、係合部32との係合が解除される位置にまで被係合部33を後方側に弾性変形させるための切り込み34が形成されている。
【0047】
〔その他の実施形態〕
(1)上述の第1実施形態では、位置決め体5を備えた基台2が下方に、刃体3を備えた可動体4が上方に位置する形態で使用する錠剤切断具について説明したが、刃体3を備えた可動体4が下方に、位置決め体5を備えた基台2が上方に位置する形態で使用する錠剤切断具に本発明の技術を適用しても良い。
【0048】
(2)上述の第1実施形態では、固定手段Bにより、基台2と可動体4とを最大限に相対近接移動させた錠剤切断位置で固定するように構成したが、基台2と可動体4とを錠剤切断位置に近い位置で固定するように構成しても良い。
【0049】
(3)上述の第1実施形態では、基台2に対して位置決め体5を長手方向の二位置で選択的に係止保持自在に構成したが、基台2に対して位置決め体5を長手方向の三位置以上の複数位置で選択的に係止保持自在に構成しても良い。
この場合、錠剤の種類や一度に切断すべき錠剤の数等に応じて、刃体3に対する位置決め体5の取付け位置を前後方向に変更することができる。
【0050】
(4)上述の第1実施形態では、基台2と可動体4とを開き方向(離間方向)に弾性復元力で揺動付勢する弾性付勢手段Aとして、圧縮コイルスプリング10を用いたが、板バネ等を用いて弾性付勢手段Aを構成しても良い。
【0051】
(5)上述の第1実施形態では、前記刃体3の中央側に貫通孔3bを形成して、保持ケース7に形成された抜け落ち防止用の突起21を、装着用凹部20に装着された刃体3の貫通孔3bに係合させるように構成したが、刃体3の周縁の一部に開口する一つ又は複数の切欠き部に形成して、保持ケース7に形成された抜け落ち防止用の突起21を、装着用凹部20に装着された刃体3の切欠き部に係合させるように構成しても良い。
【0052】
(6)上述の第1実施形態では、抜け落ち防止用突起21と係合筒部22との係合構造と係合ピン24と係合孔25との係合構造とをもって、両半割りケース部7A,7Bを閉じ姿勢に維持する係合手段を構成したが、この係合手段としては、両半割りケース部7A,7Bを閉じ姿勢に維持することのできるものであれば、如何なる構造のものを採用しても良い。
【0053】
(7)両半割りケース部7A,7Bの外面側と可動体4に形成された装着用凹部4Fとの相対向する部位に設けられる係止手段Fとしては、保持ケース7を脱着自在に係合保持することのできるものであれば、如何なる構造のものを採用しても良い。
【0054】
(8)上述の第1実施形態では、刃体3の刃先3aを、保持ケース7の開口6周縁から約0.5mm位の微小な間隙をおいて内方に入り込み配置したが、刃体3の刃先3aを保持ケース7の開口6周縁と同じ位置に配置しても良く、更に、刃体3の刃先3aを、保持ケース7の開口6周縁よりも外方に若干突出させても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1実施形態を示す錠剤切断具の最大開き時の側面図
【図2】錠剤切断具の平面図
【図3】図2におけるIII−III線断面図
【図4】錠剤切断具の分解斜視図
【図5】図1におけるV−V線断面図
【図6】図3におけるVI−VI線断面図
【図7】保持ケースの組み立て時の斜視図
【図8】保持ケースの分解斜視図
【図9】錠剤切断時の要部の拡大断面側面図
【図10】保持ケースの装着時における要部の拡大断面側面図
【図11】図3におけるXI−XI線断面図
【図12】保持ケースの装着状態を示す要部の拡大断面正面図
【図13】大径錠剤又は中径錠剤の切断時における要部の平面図
【図14】小径錠剤の切断時における要部の平面図
【符号の説明】
B 固定手段
F 係止手段
T 錠剤
1 包装体
1A 錠剤収納部
2 基台
3 刃体
3a 刃先
3b 貫通孔
4 可動体
4F 装着用凹部
5 位置決め体
5B 操作部
6 開口
7 保持ケース
7A 半割りケース部
7B 半割りケース部
7C ヒンジ部
7a 合わせ面
7b あわせ面
14 開口
18 開口周縁(固定用受け部)
20 装着用凹部
21 抜け落ち防止用突起
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレススルーパック(PTP)やブリスタ包装体などのように、錠剤が密封包装されている包装体内の錠剤又は包装体から取り出された錠剤(裸錠剤)を使用量や使い易さ等に応じて複数分割(二分割)する場合に用いられる錠剤切断具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の錠剤切断具では、テーブル等に載置可能な合成樹脂製の基台の一端部に、該基台の中心線に沿って薄板状の刃体を接着剤等で固着してある合成樹脂製の可動体を、横軸芯周りで上下揺動自在に枢着し、基台と可動体とを片手で把持した状態で切断操作可能な大きさに構成するとともに、基台の上面の一部に、包装体の錠剤収納部から取り出された裸錠剤を載置可能な傾斜面を形成し、この傾斜載置面に、裸錠剤をそれの中心位置と刃体の刃先通過位置とが合致するように滑降案内するV字状の位置決め体を一体的に突出形成していた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
実公平6−41546号公報
【特許文献2】
特開2000−271192号公報
【特許文献3】
特開2000−84049号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の錠剤切断具では、包装体から取り出された裸錠剤を1 個ずつ基台の傾斜載置面に載置して切断する必要があるため、錠剤の切断に手間取るとともに、錠剤の切断粉が周囲に飛散し易い。しかも、刃体が露出状態で基台に固着されているため、錠剤切断時や保管時、持ち運び時等における取り扱いに注意する必要があり、更に、刃体が破損又は錆付いた場合には、錠剤切断具全体を交換する必要があり、交換コストが高騰化する問題がある。
【0005】
本発明は、上述の実状に鑑みて為されたものであって、第1の主たる課題は、錠剤切断時や保管時等における取り扱いが容易で、しかも、交換コストの低廉化を図ることのできる錠剤切断具を提供する点にあり、第2の主たる課題は、包装体内の錠剤を能率良く容易に切断することができるとともに、錠剤切断時や保管時等における取り扱いが容易で、しかも、交換コストの低廉化を図ることのできる錠剤切断具を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1による錠剤切断具の特徴構成は、錠剤を支持可能な基台と、これに対して揺動自在に枢支連結され、かつ、相対近接揺動に連れて錠剤を切断可能な刃体を備えた可動体とを、片手で把持した状態で切断操作可能な大きさに構成するとともに、基台に、錠剤の切断位置と刃体の刃先通過位置とが合致する状態で錠剤を受止める位置決め体を設け、更に、錠剤が入り込み可能な開口を備え、かつ、その開口に刃先を臨ませた状態で刃体を取り換え自在に収納保持する保持ケースが、可動体に対して脱着自在に設けられている点にある。
【0007】
上記特徴構成によれば、枢支連結された基台と可動体とを片手で保持し、包装体から取り出された錠剤を基台の位置決め体に当て付けることにより、錠剤の切断位置と刃体の刃先通過位置とが合致し、この状態で基台と可動体とを相対近接揺動操作することにより、可動体側の刃体で錠剤が切断される。
【0008】
しかも、刃体の切れ味が悪化したり、刃体が破損又は錆付いたりした場合、可動体から保持ケースを取り外すことにより、これに収納保持されている刃体のみを自由に取り換えることができるとともに、保持ケースに刃体が装着された状態では、保持ケースに形成された錠剤が入り込み可能な開口に刃体の刃先が臨むだけであり、刃体の大部分が保持ケースに覆われている為、刃体の取り換え時や錠剤切断時、保管時、持ち運び時の取り扱いを安全、容易に行うことができる。
【0009】
従って、錠剤切断時や保管時、持ち運び時に安全、容易に取り扱うことができるとともに、刃体の取り換え作業の容易化と交換コストの低廉化を図ることができる。
【0010】
本発明の請求項2による錠剤切断具の特徴構成は、錠剤が密封包装されている包装体を支持可能な基台と、これに対して揺動自在に枢支連結され、かつ、相対近接揺動に連れて包装体内の錠剤を包装材と共に切断可能な刃体を備えた可動体とを、片手で把持した状態で切断操作可能な大きさに構成するとともに、基台に、包装体の錠剤切断位置と刃体の刃先通過位置とが合致する状態で包装体の錠剤収納部を受止める位置決め体を設け、更に、包装体の錠剤収納部が入り込み可能な開口を備え、かつ、その開口に刃先を臨ませた状態で刃体を取り換え自在に収納保持する保持ケースが、可動体に対して脱着自在に設けられている点にある。
【0011】
上記特徴構成によれば、枢支連結された基台と可動体とを片手で保持し、他方の手に把持された包装体の薬剤収納部を、基台の位置決め体に当て付けることにより、包装体の錠剤切断位置と刃体の刃先通過位置とが合致し、この状態で基台と可動体とを相対近接揺動操作することにより、可動体側の刃体で包装体内の錠剤が包装材と共に切断される。
【0012】
しかも、刃体の切れ味が悪化したり、刃体が破損又は錆付いたりした場合、可動体から保持ケースを取り外すことにより、これに収納保持されている刃体のみを自由に取り換えることができるとともに、保持ケースに刃体が装着された状態では、保持ケースに形成された包装体の錠剤収納部が入り込み可能な開口に刃体の刃先が臨むだけであり、刃体の大部分が保持ケースに覆われている為、刃体の取り換え時や錠剤切断時、保管時、持ち運び時の取り扱いを安全、容易に行うことができる。
【0013】
従って、包装体内の錠剤を能率良く容易に切断することができるばかりでなく、切断粉の飛散も少なくなり、錠剤切断時や保管時、持ち運び時に安全、容易に取り扱うことができ、しかも、刃体の取り換え作業の容易化と交換コストの低廉化を図ることができる。
【0014】
本発明の請求項3による錠剤切断具の特徴構成は、前記基台に、位置決め体に受止められた包装体に触れない位置に把持位置を規制する規制部が形成されている点にある。
【0015】
上記特徴構成によれば、枢支連結された基台と可動体とを片手で保持し、他方の手に把持された包装体の薬剤収納部を基台の位置決め体に当て付ける際、基台側に添えられる指の把持位置が規制部で規制されているので、位置決め体に対する包装体の当て付けが指で阻止されたり、或いは、位置決め体に当て付けられていた包装体が指で押されたりすることがなく、位置決め体による包装体の錠剤収納部の位置決め機能が正確になり、切断ミスによる錠剤の廃棄を抑制することができる。
【0016】
本発明の請求項4による錠剤切断具の特徴構成は、前記基台と可動体とを相対近接移動させた錠剤切断位置又はそれに近い位置で固定する状態と固定解除状態とに切換え自在な固定手段が設けられている点にある。
【0017】
上記特徴構成によれば、保管時や持ち運び時において、基台と可動体とを錠剤切断位置又はそれに近い位置にまで相対近接移動操作して、固定解除状態にある固定手段を固定状態に操作することにより、基台と可動体とを錠剤切断位置又はそれに近い位置で固定することができるので、基台と可動体とが開き揺動して刃体の刃先が外部に大きく露出することがなく、安全かつコンパクトに格納することができる。
【0018】
本発明の請求項5による錠剤切断具の特徴構成は、前記固定手段を構成するに、基台に対して位置決め体を長手方向の複数位置で選択的に係止保持自在に取り付けるとともに、可動体には、位置決め体の操作部が外部に臨む開口を形成し、位置決め体を錠剤受止め位置以外の位置に移動させたとき、位置決め体の操作部の一部が開口周縁に乗り上げて、基台と可動体とを相対近接移動させた錠剤切断位置又はそれに近い位置で固定するように構成されている点にある。
【0019】
上記特徴構成によれば、錠剤切断時に、基台に対して長手方向の複数位置で選択的に係止保持自在な位置決め体を錠剤受止め位置に操作すると、錠剤切断位置と刃体の刃先通過位置とが合致する状態で包装体の錠剤収納部又は包装体から取り出された錠剤を正確に受止めることができ、また、保管時や持ち運び時においては、位置決め体を錠剤受止め位置以外の位置に操作すると、位置決め体の操作部の一部が可動体に形成された開口の周縁に乗り上げ、基台と可動体とを相対近接移動させた錠剤切断位置又はそれに近い位置で固定することができる。
【0020】
従って、包装体の錠剤収納部又は包装体から取り出された錠剤に対する位置決め体をロック部材に兼用するから、基台と可動体とを相対近接移動させた錠剤切断位置又はそれに近い位置で固定するための固定手段を製造コスト面で有利に構成することができるとともに、構造の簡素化も図ることができる。
【0021】
本発明の請求項6による錠剤切断具の特徴構成は、前記保持ケースが、薄肉状のヒンジ部を介して開閉自在に一体形成された左右一対の半割りケース部から構成されていて、両半割りケース部の合わせ面の少なくとも一方には、薄板状の刃体の刃先以外の外側縁全体又はそれの一部が板厚方向から入り込む状態で装着される装着凹部と、これに装着された刃体の貫通孔又は切欠き部に板厚方向から係合する抜け落ち防止用の突起とが形成されているとともに、両半割りケース部の外面側と可動体に形成された装着用凹部との相対向する部位には、保持ケースを脱着自在に係合保持する係止手段が設けられている点にある。
【0022】
上記特徴構成によれば、薄板状の刃体を可動体に装着する場合、ヒンジ部を支点として開き操作された両半割りケース部の合わせ面のうち、少なくとも一方に形成された抜け落ち防止用の突起に対して、刃体に形成された貫通孔又は切欠き部を係合させるとともに、合わせ面の装着用凹部に対して刃体を板厚方向から入り込み装着したのち、ヒンジ部を支点として両半割りケース部を閉じ操作すると、保持ケースに形成された包装体の錠剤収納部又は包装体から取り出された錠剤が入り込み可能な開口に刃体の刃先が臨むだけで、刃体の大部分が保持ケースに覆われている。それ故に、両半割りケース部の外面側と可動体の装着用凹部との相対向する部位に設けられた係止手段により、可動体の装着用凹部に対して保持ケースを脱着する場合でも、安全、容易に取扱うことができる。
【0023】
従って、保持ケースに対する刃体の交換操作を迅速、容易に行うことができるとともに、可動体の装着用凹部に対する保持ケースの脱着操作も安全、容易に行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
図1〜図14は、医療分野で用いられる錠剤切断具を示し、錠剤Tが密封包装されている包装体1及びこれから取り出された錠剤(裸錠剤)Tを択一的に載置支持可能な合成樹脂製の基台2と、これに対して横軸芯X周りで上下揺動自在に枢支連結された合成樹脂製の可動体4とが、片手で把持した状態で切断操作可能な大きさに構成され、可動体4には、横軸芯X周りでの相対近接揺動に連れて包装体1内の錠剤Tを包装材1と共に切断可能で、かつ、裸錠剤Tも単独で切断可能な薄板状の刃体3が装着されているとともに、基台2には、包装体1又は裸錠剤Tの錠剤切断位置と刃体3の刃先通過位置とが合致する状態で包装体1の錠剤収納部1Aと裸錠剤Tとを択一的に受止める合成樹脂製の位置決め体5が設けられ、更に、包装体1の錠剤収納部1Aと裸錠剤とが択一的に入り込み可能な開口6を備え、その開口6に刃先3aを臨ませた状態で刃体3を取り換え自在に収納保持する合成樹脂製の保持ケース7が、可動体4に形成された装着用凹部4Fに対して脱着自在に係合保持されている。
【0025】
また、基台2と可動体4とを開き方向(離間方向)に弾性復元力で揺動付勢する弾性付勢手段Aと、基台2と可動体4とを最大限に相対近接移動させた錠剤切断位置で固定する状態と固定解除状態とに切換え自在な固定手段Bと、弾性付勢手段Aの弾性復元力に抗して基台2と可動体4とを錠剤切断位置から所定距離だけ開き揺動させた切断待機位置で係止保持可能で、かつ、開き方向への一定以上の操作力が加えられたときに係合解除される仮止め手段Cとが設けられているとともに、基台2には、位置決め体5に受止められた包装体1に触れない位置に把持位置を規制する規制部8が形成されている。
【0026】
前記包装体1は、図9、図13、図14に示すように、プレススルーパック包装体であって、その表面側包装材1aは、ポリ塩化ビニルやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂からなる透明な基材シートから構成されていて、縦横に所定ピッチを隔てた複数の部位に、錠剤Tを収納する円筒状の錠剤収納部1Aが膨出成形されている。
【0027】
また、前記包装体1の底面側包装材1bは、表面側包装材1a側の各錠剤収納部1Aの開口を密封するためのヒートシール層を備えたアルミニウム箔や薄いリジッドプラスチックシート等から構成されていて、この底面側包装材1bを指操作で押し破ることにより、各錠剤収納部1A内の錠剤Tを取り出し得るように構成されている。
【0028】
前記基台2は、図1〜図4に示すように、テーブル等に安定載置可能な横断面形状が下向きコの字状の底板部2Aと、底板部2Aの上面の左右両側に沿って一体的に立設される側板2Bとを主要構成として備えていて、底板部2Aの前部を、他の部分の左右幅よりも大なる長径の円弧状に形成して、その境界箇所の左右の弧状張り出し部2aをもって、基台2側に添えられる人差し指の把持位置が位置決め体5で受止められた包装体1の受止め領域内にずれ動くことを阻止する前記の規制部8が構成されている。
【0029】
そのため、枢支連結された基台2と可動体4とを片手で保持し、他方の手に把持された包装体1の薬剤収納部1Aを基台2の位置決め体5に当て付ける際、基台2側に添えられる人差し指の把持位置が規制部8を構成する左右の弧状張り出し部2aで接当規制されているので、位置決め体5に対する包装体1の当て付けが受止め領域内に侵入した人差し指で阻止されたり、或いは、位置決め体5に当て付けられていた包装体1が受止め領域内に侵入する人差し指で押されたりすることがなく、位置決め体5による包装体1の錠剤収納部1Aの位置決めを常に正確に行うことができる。
【0030】
また、基台2の底板部2Aの後部側には、弾性付勢手段Aの構成部材で、圧縮コイルスプリング10の下端部が外嵌装着される十字柱状の第1バネ受け部11が一体的に突出形成されているとともに、左右の側板部2Bの後部には、可動体4の両側板部4Bの後部に形成された枢支孔4Eに対して左右方向の内方側から横軸芯X周りで回動自在に嵌合される枢支軸部2Cが一体的に突出形成され、更に、底板部2Aの円弧状前部の下面には、同芯円の複数の円環状リブ2Dが一体形成されている。
【0031】
更に、図4〜図6に示すように、基台2の底板部2Aの上面及び両側板部2Bの内面が、位置決め体5を長手方向に沿って摺動自在に案内するためのガイド面に構成されているとともに、各側板部2Bの内面は、図4、図11に示すように、位置決め体5の操作部5Bの左右両側脇に形成された摺接ガイド上面5bに摺接又は近接して、位置決め体5の上方への抜け出し移動を阻止する抜止め突条12が一体形成されている。
【0032】
前記可動体4は、図1〜図4に示すように、弧状に隆起する指押え部4aが前部側に形成された平面視略長方形状の天板部4Aと、これの左右両側縁に沿って一体形成される側板部4Bと、天板部4Aの前端縁に沿って一体形成される前板部4Cと、天板部4Aの後端縁に沿って一体形成される弧状の後板部4Dとを主要構成として備えていて、天板部4Aの後部側には、弾性付勢手段Aの構成部材で、圧縮コイルスプリング10の上端部が外嵌装着される十字柱状の第2バネ受け部13が一体的に突出形成されているとともに、天板部4Aの前後中央側には、位置決め体5の操作部5Bのうち、頂部に形成された平面視略長円形状の指当て部5aが上方に少し突出する状態で臨む長円形状の開口14が貫通形成されている。
【0033】
天板部4Aの指押え部4aの内面と前板部4Cの内面とに亘って、錠剤切断位置を通る前後方向中心線に沿う補強板部4Gが一体形成され、天板部4Aの指押え部4aと両側板部4Bの前部及び前板部4Cとで囲まれた部位には、図6、図10に示すように、保持ケース7を下方から脱着自在に係合保持するための装着用凹部4Fが形成されているとともに、天板部4Aの指押え部4aの中央には、部分球状に窪む指当て凹部4bが形成されている。
【0034】
前記位置決め体5は、図4〜図6に示すように、基台2の両側板部2Bの対向面間寸法 (内寸法)よりも僅かに小なる幅に構成された摺動本体5Aの前部に、平面視で略ハの字状に開口する大径錠剤から中径錠剤用(図13参照)の第1錠剤ガイド部5Cと、平面視で略U字状に開口する小径錠剤用(図14参照)の第2錠剤ガイド部Dとが連続形成されているとともに、摺動本体5Aの前後中央部には、後方及び下方に向かって開口する中空状の操作部5Bが上方に一体的に突出形成され、更に、摺動本体5Aの後半部には、幅方向内方への弾性変形を許容するための半楕円状の抜き孔5Eが形成されている。
【0035】
また、摺動本体5Aの前部下面には、包装体1を構成する表面側包装材1aと底面側包装材1bとの密着重合部分が入り込み可能な差込凹部5Fが形成されているとともに、摺動本体5Aの上面のうち、操作部5Bの左右両側脇に形成された摺接ガイド上面5bには、抜止め突条12の後端部との接当によって、位置決め体5の第1・第2錠剤ガイド部5C、5Dの前方側への最大突出位置を規制するストッパー部5Gが一体的に突出形成されている。
【0036】
前記固定手段Bを構成するに、図3、図4に示すように、摺動本体5Aの後半部の左右両側面に、基台2の各側板部2Bの内面の前後二箇所に形成された上下方向に沿う横断面形状が略半円状の第1・第2係止溝15,16に対して択一的に係合する係合突条17が一体的に突出形成され、基台2に対して位置決め体5が長手方向の二位置で選択的に係止保持自在に構成されている。
【0037】
換言すれば、ストッパー部5Gと抜止め突条12の後端部とが当接し、かつ、左右の係合突条17が前方の第1係止溝15に係合した錠剤受止め位置と、左右の係合突条17が後方の第2係止溝16に係合した固定位置とに変更自在に構成されているとともに、可動体4の開口14の後端縁には、錠剤受止め位置にある位置決め体5を錠剤受止め位置以外の位置である固定位置に移動させたとき、位置決め体5の操作部5Bの後端部5dが乗り上げ移動する固定用受け部18を突出形成し、更に、操作部5Bの後端部5dの下面には、後方ほど上方に位置するテーパー状の押え面5eを形成し、もって、位置決め体5を錠剤受止め位置から固定位置に移動させたとき、操作部5Bの後端部5dにおける押え面5eが開口14周縁の固定用受け部18に乗り上げて、基台2と可動体4とを相対近接移動させた錠剤切断位置で固定するように構成されている。
【0038】
前記保持ケース7は、図4、図7〜図10、図12に示すように、揺動支点となる薄肉部分を備えたヒンジ部7Cを介して開閉自在に一体形成された左右一対の半割りケース部7A,7Bから構成されていて、両半割りケース部7A,7Bの合わせ面7a,7bの両方には、薄板状の刃体3の刃先3a以外の外側縁全体が板厚方向から入り込む状態で装着される装着用凹部20が形成され、一方の半割りケース部7Aの中央側に一体的に突出形成された中空円筒状の第1取付け基部19には、半割りケース部7Aの装着用凹部20に装着された刃体3の貫通孔3bに板厚方向から係合する抜け落ち防止用の突起21が一体形成されているとともに、他方の半割りケース部7Bの中央側には、両半割りケース部7A,7Bが閉じられたとき、抜け落ち防止用突起21と嵌合して両半割りケース部7A,7Bを閉じ姿勢に維持する係合筒部22が一体的に突出形成されている。
【0039】
また、両半割りケース部7A,7Bの上面後部には、両半割りケース部7A,7Bが閉じられたとき、左右方向に沿う一連の半円柱状の突条体を構成する第2取付け基部23が一体形成され、一方の半割りケース部7Aの第2取付け基部23には、左右方向に沿う係合ピン24が形成されているとともに、他方の半割りケース部7Bの第2取付け基部23には、両半割りケース部7A,7Bが閉じられたとき、係合ピン24と嵌合して両半割りケース部7A,7Bを閉じ姿勢に維持する係合孔25が形成され、更に、一方の半割りケース部7Aの後壁部7dの下部には、両半割りケース部7A,7Bが閉じられたとき、他方の半割りケース部7Bの後壁部7eの外面に接触するずれ止め用の突片26が一体的に突出形成されている。
【0040】
前記抜け落ち防止用突起21と係合筒部22との係合構造、及び、係合ピン24と係合孔25との係合構造をもって、両半割りケース部7A,7Bを閉じ姿勢に維持する係合手段が構成されている。
【0041】
また、両半割りケース部7A,7Bの外面の上下中間位置には、可動体4の装着用凹部4Fの開口縁4dに接当するフランジ部27が突出形成されているとともに、両半割りケース部7A,7Bが閉じ姿勢にあるとき、平面視略U字状に密着状態で屈曲形成されるヒンジ部7Cが、可動体4の前板部4Cの中央位置に形成された係合孔28に係合可能な係合突起に兼用構成され、更に、両半割りケース部7A,7Bの後壁部7dの上端部には、可動体4の前板部4Cの係合孔28にヒンジ部7Cを係合させた状態で、その係合箇所を支点として保持ケース7を可動体4の装着用凹部4F内に押し込み操作したとき、可動体4の側板部4Bの内面に形成された係合突起29に弾性変形しながら係合する係合段部30aと、係合突起29に対して係合段部30aを係合離脱方向である前方下方側に揺動操作するための係合解除用操作部30bを備えた弾性係止体30が一体形成されている。
【0042】
更に、可動体4の補強板部4Gには、可動体4の前板部4Cの係合孔28にヒンジ部7Cを係合させた状態で、その係合箇所を支点として保持ケース7を可動体4の装着用凹部4F内に押し込み操作したとき、保持ケース7の両第2取付け基部23が弾性変形しながら係合する係合溝部31が形成されている。
【0043】
そして、係合突起を兼用構成する保持ケース7のヒンジ部7Cと可動体4の前板部4Cの係合孔28との係合構造と、保持ケース7の弾性係止体30の係合段部30aと可動体4の側板部4Bの係合突起29との係合構造、及び、保持ケース7の両第2取付け基部23と可動体4の補強板部4Gの係合溝部31との係合構造をもって、両半割りケース部7A,7Bの外面側と可動体4に形成された装着用凹部4Fとの相対向する部位に設けられる保持ケース7を脱着自在に係合保持する係止手段Fが構成されている。
【0044】
また、前記両半割りケース部7A,7Bの装着用凹部4Fに刃体3が入り込み装着されたとき、刃体3の刃先3aから保持ケース7の開口6周縁までの間に0.5mm前後の微小な間隙が形成されていて、刃体3の刃先3aに対する安全性を高めるとともに、錠剤切断時において、保持ケース7の下端の一部が直接基台2の底板部2Aの上面に接当しても、包装体1の底面側包装材1bが切断分離されないように構成されている。
【0045】
錠剤切断時において、保持ケース7の下端の一部が、基台2の底板部2Aの上面に載置支持された包装体1のうち、表面側包装材1aと底面側包装材1bとの密着重合部分の上面に接当した場合には、包装体1を構成する表面側包装材1aと底面側包装材1bとの密着重合部分が切断分離されることはない。それでいて、刃体3の刃先3aは密着重合部分の上面近傍にまで移動しているため、錠剤収納部1A内の錠剤Tは確実に切断される。
【0046】
前記仮止め手段Cを構成するに、図1、図4に示すように、可動体4の両側板部4Bに形成された係合突起29の下端部に、後方側に突出する係合部32を一体形成するとともに、基台2の各側板部2Bの前部には、基台2に対して可動体4が錠剤切断位置から切断待機位置まで開き揺動したとき、可動体4の係合部32が下方から係合する半円上の被係合部33と、切断待機位置にある可動体4に対して開き方向への一定以上の操作力が加えられたとき、係合部32との係合が解除される位置にまで被係合部33を後方側に弾性変形させるための切り込み34が形成されている。
【0047】
〔その他の実施形態〕
(1)上述の第1実施形態では、位置決め体5を備えた基台2が下方に、刃体3を備えた可動体4が上方に位置する形態で使用する錠剤切断具について説明したが、刃体3を備えた可動体4が下方に、位置決め体5を備えた基台2が上方に位置する形態で使用する錠剤切断具に本発明の技術を適用しても良い。
【0048】
(2)上述の第1実施形態では、固定手段Bにより、基台2と可動体4とを最大限に相対近接移動させた錠剤切断位置で固定するように構成したが、基台2と可動体4とを錠剤切断位置に近い位置で固定するように構成しても良い。
【0049】
(3)上述の第1実施形態では、基台2に対して位置決め体5を長手方向の二位置で選択的に係止保持自在に構成したが、基台2に対して位置決め体5を長手方向の三位置以上の複数位置で選択的に係止保持自在に構成しても良い。
この場合、錠剤の種類や一度に切断すべき錠剤の数等に応じて、刃体3に対する位置決め体5の取付け位置を前後方向に変更することができる。
【0050】
(4)上述の第1実施形態では、基台2と可動体4とを開き方向(離間方向)に弾性復元力で揺動付勢する弾性付勢手段Aとして、圧縮コイルスプリング10を用いたが、板バネ等を用いて弾性付勢手段Aを構成しても良い。
【0051】
(5)上述の第1実施形態では、前記刃体3の中央側に貫通孔3bを形成して、保持ケース7に形成された抜け落ち防止用の突起21を、装着用凹部20に装着された刃体3の貫通孔3bに係合させるように構成したが、刃体3の周縁の一部に開口する一つ又は複数の切欠き部に形成して、保持ケース7に形成された抜け落ち防止用の突起21を、装着用凹部20に装着された刃体3の切欠き部に係合させるように構成しても良い。
【0052】
(6)上述の第1実施形態では、抜け落ち防止用突起21と係合筒部22との係合構造と係合ピン24と係合孔25との係合構造とをもって、両半割りケース部7A,7Bを閉じ姿勢に維持する係合手段を構成したが、この係合手段としては、両半割りケース部7A,7Bを閉じ姿勢に維持することのできるものであれば、如何なる構造のものを採用しても良い。
【0053】
(7)両半割りケース部7A,7Bの外面側と可動体4に形成された装着用凹部4Fとの相対向する部位に設けられる係止手段Fとしては、保持ケース7を脱着自在に係合保持することのできるものであれば、如何なる構造のものを採用しても良い。
【0054】
(8)上述の第1実施形態では、刃体3の刃先3aを、保持ケース7の開口6周縁から約0.5mm位の微小な間隙をおいて内方に入り込み配置したが、刃体3の刃先3aを保持ケース7の開口6周縁と同じ位置に配置しても良く、更に、刃体3の刃先3aを、保持ケース7の開口6周縁よりも外方に若干突出させても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1実施形態を示す錠剤切断具の最大開き時の側面図
【図2】錠剤切断具の平面図
【図3】図2におけるIII−III線断面図
【図4】錠剤切断具の分解斜視図
【図5】図1におけるV−V線断面図
【図6】図3におけるVI−VI線断面図
【図7】保持ケースの組み立て時の斜視図
【図8】保持ケースの分解斜視図
【図9】錠剤切断時の要部の拡大断面側面図
【図10】保持ケースの装着時における要部の拡大断面側面図
【図11】図3におけるXI−XI線断面図
【図12】保持ケースの装着状態を示す要部の拡大断面正面図
【図13】大径錠剤又は中径錠剤の切断時における要部の平面図
【図14】小径錠剤の切断時における要部の平面図
【符号の説明】
B 固定手段
F 係止手段
T 錠剤
1 包装体
1A 錠剤収納部
2 基台
3 刃体
3a 刃先
3b 貫通孔
4 可動体
4F 装着用凹部
5 位置決め体
5B 操作部
6 開口
7 保持ケース
7A 半割りケース部
7B 半割りケース部
7C ヒンジ部
7a 合わせ面
7b あわせ面
14 開口
18 開口周縁(固定用受け部)
20 装着用凹部
21 抜け落ち防止用突起
Claims (6)
- 錠剤を支持可能な基台と、これに対して揺動自在に枢支連結され、かつ、相対近接揺動に連れて錠剤を切断可能な刃体を備えた可動体とを、片手で把持した状態で切断操作可能な大きさに構成するとともに、基台に、錠剤の切断位置と刃体の刃先通過位置とが合致する状態で錠剤を受止める位置決め体を設け、更に、錠剤が入り込み可能な開口を備え、かつ、その開口に刃先を臨ませた状態で刃体を取り換え自在に収納保持する保持ケースが、可動体に対して脱着自在に設けられている錠剤切断具。
- 錠剤が密封包装されている包装体を支持可能な基台と、これに対して揺動自在に枢支連結され、かつ、相対近接揺動に連れて包装体内の錠剤を包装材と共に切断可能な刃体を備えた可動体とを、片手で把持した状態で切断操作可能な大きさに構成するとともに、基台に、包装体の錠剤切断位置と刃体の刃先通過位置とが合致する状態で包装体の錠剤収納部を受止める位置決め体を設け、更に、包装体の錠剤収納部が入り込み可能な開口を備え、かつ、その開口に刃先を臨ませた状態で刃体を取り換え自在に収納保持する保持ケースが、可動体に対して脱着自在に設けられている錠剤切断具。
- 前記基台には、位置決め体に受止められた包装体に触れない位置に把持位置を規制する規制部が形成されている請求項2記載の錠剤切断具。
- 前記基台と可動体とを相対近接移動させた錠剤切断位置又はそれに近い位置で固定する状態と固定解除状態とに切換え自在な固定手段が設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の錠剤切断具。
- 前記固定手段を構成するに、基台に対して位置決め体を長手方向の複数位置で選択的に係止保持自在に取り付けるとともに、可動体には、位置決め体の操作部が外部に臨む開口を形成し、位置決め体を錠剤受止め位置以外の位置に移動させたとき、位置決め体の操作部の一部が開口周縁に乗り上げて、基台と可動体とを相対近接移動させた錠剤切断位置又はそれに近い位置で固定するように構成されている請求項4記載の錠剤切断具。
- 前記保持ケースが、薄肉状のヒンジ部を介して開閉自在に一体形成された左右一対の半割りケース部から構成されていて、両半割りケース部の合わせ面の少なくとも一方には、薄板状の刃体の刃先以外の外側縁全体又はそれの一部が板厚方向から入り込む状態で装着される装着用凹部と、これに装着された刃体の貫通孔又は切欠き部に板厚方向から係合する抜け落ち防止用の突起とが形成されているとともに、両半割りケース部の外面側と可動体に形成された装着用凹部との相対向する部位には、保持ケースを脱着自在に係合保持する係止手段が設けられている請求項1〜5のいずれか1項に記載の錠剤切断具。
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