JP2007151646A - 薬液容器の噴射アダプタ - Google Patents

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Masaki Hayakawa
政希 早川
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Abstract

【課題】成形用の金型を単純にし、全体を容易に一体成形する。
【解決手段】本体部10と、本体部10の一端に開閉自在に連結する蓋部20と、蓋部20の先端に屈曲自在に連結する駆動部30とを設け、蓋部20を閉じると、駆動部30は、本体部10内の薬液容器Aの底部を軸方向に駆動してノズルA3 から薬液を噴射させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、点鼻薬、鎮痛剤スプレイ、咽喉スプレイなどの患部に噴射して使用する薬液の噴射操作を一層容易にすることができる薬液容器の噴射アダプタに関する。
患部に噴射して使用する薬液は、噴射用のポンプを内蔵するノズル付きの薬液容器に充填して市販されている。ノズルは、容器本体の口部に装着されており、ノズルの基部の指掛けに人差指、中指を掛け、容器本体の底部に親指を掛けてノズルを容器本体の軸方向に押し込むように力を加えると、ポンプが作動してノズルから薬液を噴射させることができる。なお、ポンプには、自動復帰用のばねが内蔵されている。
かかる薬液容器は、健常者が使用するのに格別な支障がないが、手指に力が入らない高齢者などにとって、必ずしも使用し易いとはいえない場合があるため、噴射操作を補助するための噴射アダプタが提案されている(特許文献1)。
従来の噴射アダプタは、ノズル付きの薬液容器をノズル側から挿入するようにして収納する底部開放の円筒状の本体部と、本体部の下端の一部に屈曲自在に連結し、本体部の一方の側面を外側から囲むように形成するL字状の操作部とを備えており、操作部には、本体部の開放底部に対応するようにして突起状の駆動部が付設されている。そこで、操作部を握って本体部に近接させると、駆動部を介して薬液容器の底部を押し上げ、本体部の先端に突出するノズルから薬液を噴射させることができる。なお、L字状の操作部を設けるに代えて、本体部の側面の一部を揺動自在に外部に膨出させ、本体部の開放底部に上方に折れる駆動片を設けたり、本体部の開放底部に装着する蓋板に別体の駆動部材を設けたりすることも併せて提案されている。
特開平10−179739号公報
かかる従来技術によるときは、本体部が円筒状であるため、成形用の金型が複雑高価になり、製造コストが過大になりがちである上、全体を一体成形することが必ずしも容易でないという問題があった。
そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、薬液容器を収納する本体部を実質的に樋状にすることによって、成形用の金型を単純にし、蓋部、駆動部を含む全体を容易に一体成形することができる薬液容器の噴射アダプタを提供することにある。
かかる目的を達成するためのこの発明の構成は、ノズル付きの薬液容器を側部から収納して保持する本体部と、本体部の一端に開閉自在に連結する蓋部と、蓋部の先端に屈曲自在に連結する駆動部とを備えてなり、蓋部を本体部側に閉じると、駆動部は、蓋部の内側に屈曲し、本体部内の薬液容器の底部を軸方向に駆動して本体部の外部に突出するノズルから薬液を噴射させることをその要旨とする。
なお、本体部には、駆動部の先端を薬液容器の軸方向にガイドするガイド部を形成することができる。
また、本体部には、薬液容器を保持する左右の保持リブを形成することができ、保持リブの両外側には、蓋部の側壁が進入する隙間を介してガード板を形成することができる。
かかる発明の構成によるときは、本体部は、ノズル付きの薬液容器を側部から径方向に嵌め込むように収納して保持するために、実質的に片側開放の樋状に形成すればよく、円筒状にする必要がないから、単純な割型を使用して、蓋部、駆動部とともに一挙に容易に一体成形することができる。
なお、本体部に連結する蓋部は、本体部に対向する樋状に形成すればよく、蓋部に連結する駆動部は、蓋部の内側に屈曲して本体部内の薬液容器の底部を軸方向に押圧して駆動するように、たとえば補強リブ付きの丈夫な板状に形成することが好ましい。また、蓋部は、本体部に対し、駆動部は、蓋部に対し、それぞれ薄肉のヒンジを介して連結することができる。ただし、これらの連結部の一方または双方は、ヒンジピンを有するヒンジとし、本体部、蓋部、駆動部は、各隣接する部材を互いに別体として形成してもよい。
本体部に形成するガイド部は、蓋部を閉じるに際し、駆動部の先端を薬液容器の軸方向にガイドすることにより、薬液容器を正しく軸方向に駆動することができる。また、本体部に形成する保持リブは、薬液容器を左右から挟み込むようにして弾発的に保持することにより、本体部内において薬液容器を軸方向にのみ移動可能に拘束する。さらに、保持リブの両外側のガード板は、蓋部を閉じる際に、蓋部と本体部との間に手指や患部に近い身体の一部が不用意に挟み込まれる事故を防止する。
以下、図面を以って発明の実施の形態を説明する。
薬液容器の噴射アダプタは、薬液容器Aを収納する本体部10と、薄肉のヒンジ41を介して本体部10の一端に開閉自在に連結する蓋部20と、薄肉のヒンジ42を介して蓋部20の先端に屈曲自在に連結する駆動部30とを備えてなる(図1)。
薬液容器Aは、薬液を充填する円筒状の容器本体A1 の口部に対し、ケースA2 を介してノズルA3 を軸方向に相対移動可能に装着して構成されている。ノズルA3 の基部には、円板状の指掛けA4 が形成されており、ノズルA3 を容器本体A1 の方向、すなわち薬液容器Aの軸方向に押し込むように相対移動させると、ケースA2 に内蔵するポンプが作動し、ノズルA3 の先端から容器本体A1 内の薬液を噴射させることができる。ポンプには、復帰用のばねが内蔵されており、フリー状態では、指掛けA4 とケースA2 との間に操作ストロークs相当の隙間があり、噴射操作の際には、s≒0にまでノズルA3 をばねに抗して相対移動させる。
本体部10は、薬液容器Aを側部から収納して保持するために、全体として実質的に片側開放の樋状に形成されている(図1、図2)。
本体部10の底部11は、外側に膨出しており、底部11の左右には、一対の保持リブ12、12が形成され、保持リブ12、12の両外側には、左右のガード板13、13が保持リブ12、12より高く立設されている。本体部10の後部には、薬液容器Aの容器本体A1 の底部に対応する仕切リブ14が形成され、中間部には、ケースA2 のローレット付きの最大径部を支持する仕切リブ15が形成され、前端部には、指掛けA4 に対応するストッパ16が形成されている。なお、各ガード板13の前方側上部内面には、小さな係合突部13aが形成されている。
仕切リブ14、15は、それぞれ左右の保持リブ12、12の間に形成されている。仕切リブ14の上縁は、容器本体A1 の外径より小径の円弧状に切り欠かれ、仕切リブ15の上縁は、ケースA2 の最大径部の外径に適合する円弧状に切り欠かれている。また、ストッパ16は、左右を十分に高くして各頂端部の前方側を斜面に形成し、中間部をノズルA3 の基部の外径に合わせて円弧状に切り欠いている。
底部11の仕切リブ14、15の間には、容器本体A1 の側面を支持する支持リブ17、18、18が形成されている(図2、図3)。また、各保持リブ12は、仕切リブ15の前方側が仕切リブ15より低く形成され、仕切リブ15と同一高さの中間部には、上端部を内側に滑らかに膨出させる係合リブ12bが形成されている。各保持リブ12の後部上縁は、仕切リブ14の前後に亘って仕切リブ14と同一高さに低く切り欠かれ、駆動部30の先端を係合させてガイドするガイド部12aが形成されている。
そこで、薬液容器Aは、容器本体A1 の底部を仕切リブ14の前面に位置させて側部から径方向に嵌め込むようにして本体部10内に収納することができ、このとき、左右の保持リブ12、12は、容器本体A1 の中心Ao よりやや高い位置において係合リブ12b、12bが容器本体A1 の外周に係合し、容器本体A1 を左右から挟み込んで弾発的に保持することができる。また、ケースA2 は、仕切リブ15上に支持され(図1、図2)、指掛けA4 は、ストッパ16に当接して位置決めされ、ノズルA3 は、ストッパ16の前方の半円形の切欠き19を介して外部に突出する。
蓋部20は、外側に膨出する底部21の左右に側壁22、22を立設して本体部10に適合する樋状にするとともに、両端部を滑らかに閉じて形成されている(図1、図3)。各側壁22の中間部には、上縁部内面を長方形に切り欠いて本体部10の各保持リブ12の上縁部に対応するポケット22aが形成され、ポケット22aのヒンジ42側の一端には、ポケット22aの幅と同一深さの半円形の切欠き22bが形成されている。また、各側壁22の上縁部外面には、本体部10の各ガード板13の内面側に対応し、ガード板13上の係合突部13aに係合可能な係合リブ22cが形成されている。
そこで、蓋部20は、ヒンジ41を介して本体部10側に閉じると、各側壁22の上縁部分が本体部10の各保持リブ12、ガード板13の間に進入して本体部10内の薬液容器Aをカバーすることができる(図3の二点鎖線)。すなわち、本体部10の各保持リブ12、ガード板13の間には、蓋部20の各側壁22が進入する隙間gが形成されている。また、各係合リブ22cは、対応するガード板13上の係合突部13aを乗り越え、さらにガード板13の上縁に対して斜めに係合して摺動することにより、適切な操作感を発現することができる。なお、蓋部20のヒンジ41側には、本体部10の切欠き19に対応する半円形の切欠き23が形成されており(図1)、ノズルA3 は、蓋部20を閉じても、切欠き19、23が形成する開口部を介し、余裕を以って外部に突出する。
駆動部30は、ヒンジ42を介して一辺を蓋部20の先端に連結する長方形の板材31と、板材31の先端に左右に突出して付設する一対の円板状の係合片32、32とを備えている(図1、図4)。板材31の一面には、弓形に湾曲する補強リブ33、33…が平行に形成されており、各係合片32は、断面U字状の支持ロッド32aの先端に付設されている。ただし、板材31の先端側の一辺には、中間部が各支持ロッド32aより大径の断面U字状の補強部31aが補強リブ33、33…の先端部を嵌め込むようにして形成されている。そこで、ヒンジ42を介して駆動部30を蓋部20の内側に屈曲させ、蓋部20を本体部10側に閉じると、各係合片32は、本体部10の各保持リブ12、ガード板13の間の隙間g内に位置し、駆動部30は、各支持ロッド32aが保持リブ12上のガイド部12aに係合することにより、ガイド部12a、12aを介してガイドすることができる(図4の二点鎖線)。
なお、図5は、薬液容器の噴射アダプタの全体展開平面図である。かかる薬液容器の噴射アダプタは、単純な2分割の割型を使用して、たとえばポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂により容易に一体成形可能である。
薬液容器Aは、本体部10に対して蓋部20を適当な角度θ=θ1 <90°に閉じた上(図6)、ノズルA3 を切欠き19、23による開口部に挿入してヒンジ41の外側に突き出し、容器本体A1 を保持リブ12、12の間に嵌め込むようにして(図6の矢印K1 方向)、本体部10に側部から収納して保持させることができる。なお、このようにして本体部10内に収納された薬液容器Aは、容器本体A1 の底部が仕切リブ14の前面に当接し、ケースA2 の最大径部が仕切リブ15上に支持され、指掛けA4 がストッパ16の後面に当接している。また、容器本体A1 は、保持リブ12、12の係合リブ12b、12bを介して弾発的に保持され、軸方向にのみ移動可能に拘束されている。なお、このときのノズルA3 は、フリー状態から僅かだけ容器本体A1 側に押し込まれていてもよい。
つづいて、駆動部30を蓋部20の内側に屈曲させながら蓋部20を角度θ=θ2 <θ1 にまで閉じ(図1)、蓋部20の外面の係合リブ22c、22cが本体部10側の係合突部13a、13aを乗り越えると、蓋部20は、係合リブ22c、22c、係合突部13a、13aを介して開放方向に軽くロックすることができる。また、このとき、駆動部30は、支持ロッド32a、32aが本体部10側のガイド部12a、12aの中間部に係合し、先端の補強部31aの外面が容器本体A1 の底部に軽く当接する。
なお、図1の薬液容器Aは、ノズルA3 を含む全体を保護カバーBに収納して保管することができる(図7)。保護カバーBは、頂角θ2 相当の左右の側板B1 、B1 と、本体部10、蓋部20の外形に適合する前後の斜板B2 、B3 を組み合わせる下部開放のスカート体であり、ノズルA3 を含む全体を収容し得る内容積を有する。また、各側板B1 の下部には、収容物の一部が見える切欠きB1aが形成されている。保護カバーBは、透明材または不透明材によって一体成形してもよい。
図1において、蓋部20をさらに閉じると(図1の矢印K2 方向)、駆動部30は、ガイド部12a、12a上の支持ロッド32a、32aが薬液容器Aの軸方向にガイドされて前進し、角度θ=0において蓋部20とほぼ平行となる(図8)。そこで、このときの薬液容器Aは、駆動部30を介して容器本体A1 が軸方向に駆動され、ノズルA3 から容器本体A1 内の薬液を噴射させることができる。なお、駆動部30による容器本体A1 の駆動限は、ケースA2 と指掛けA4 との間の操作ストロークs≒0となるように設定されている。また、このようにして薬液を噴射させるときは、本体部10を掌に置き、親指を除く4本の手指を蓋部20の外面に掛け、全体を握り込むように操作すればよい。一方、蓋部20に加える力を緩めると、薬液容器A内のばねを介して蓋部20が図1の角度θ=θ2 にまで自動復帰するから、以後、同様の噴射操作を繰り返すことができる。
なお、図3の実線、二点鎖線は、それぞれ図1、図8に対応している。また、図8において、ガイド部12a、12aに沿って前進した駆動部30の係合片32、32は、蓋部20の切欠き22b、22bを介して外部から目視することができる。
以上の説明において、薬液容器Aは、円筒状の指掛けA4 に対して横向きのノズルA3 を設ける横噴射形であってもよい(図9)。本体部10の底部11には、ノズルA3 を外部に突出させる円形の切欠き19がヒンジ41寄りに形成されている。また、本体部10、蓋部20のヒンジ41側の内面は、指掛けA4 が当接するストッパ16となっている。なお、指掛けA4 の頂面は、ノズルA3 側が高く、反対側が低い斜めに形成されており、蓋部20の内面は、蓋部20を角度θ=0にまで閉じるとき、指掛けA4 に当接するものとする(図9の二点鎖線)。
動作説明図(1) 要部斜視説明図(1) 図1のX−X線矢視相当端面説明図 要部斜視説明図(2) 全体展開平面図 動作説明図(2) 使用状態説明図 動作説明図(3) 他の実施の形態を示す図1相当図
符号の説明
A…薬液容器
A3 …ノズル
g…隙間
10…本体部
12…保持リブ
12a…ガイド部
13…ガード板
20…蓋部
30…駆動部

特許出願人 伸晃化学株式会社
代理人 弁理士 松 田 忠 秋

Claims (4)

  1. ノズル付きの薬液容器を側部から収納して保持する本体部と、該本体部の一端に開閉自在に連結する蓋部と、該蓋部の先端に屈曲自在に連結する駆動部とを備えてなり、前記蓋部を前記本体部側に閉じると、前記駆動部は、前記蓋部の内側に屈曲し、前記本体部内の薬液容器の底部を軸方向に駆動して前記本体部の外部に突出するノズルから薬液を噴射させることを特徴とする薬液容器の噴射アダプタ。
  2. 前記本体部には、前記駆動部の先端を薬液容器の軸方向にガイドするガイド部を形成することを特徴とする請求項1記載の薬液容器の噴射アダプタ。
  3. 前記本体部には、薬液容器を保持する左右の保持リブを形成することを特徴とする請求項1または請求項2記載の薬液容器の噴射アダプタ。
  4. 前記保持リブの両外側には、前記蓋部の側壁が進入する隙間を介してガード板を形成することを特徴とする請求項3記載の薬液容器の噴射アダプタ。
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