JP2004290723A - 排ガス浄化用触媒 - Google Patents

排ガス浄化用触媒 Download PDF

Info

Publication number
JP2004290723A
JP2004290723A JP2003082668A JP2003082668A JP2004290723A JP 2004290723 A JP2004290723 A JP 2004290723A JP 2003082668 A JP2003082668 A JP 2003082668A JP 2003082668 A JP2003082668 A JP 2003082668A JP 2004290723 A JP2004290723 A JP 2004290723A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
molten salt
exhaust gas
salt type
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003082668A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoyuki Kayama
智之 香山
Hirobumi Shinjo
博文 新庄
Yuji Sakakibara
雄二 榊原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Priority to JP2003082668A priority Critical patent/JP2004290723A/ja
Publication of JP2004290723A publication Critical patent/JP2004290723A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】PMを低温域から浄化でき、かつ溶融塩型触媒の分解を抑制するとともに、分解した溶融塩型触媒を再生でき、排ガス中のNO も効率よく浄化できる排ガス浄化用触媒とする。
【解決手段】固体担体2と、固体担体2に担持された溶融塩型触媒層3と、溶融塩型触媒層3に担持された触媒粒子4と、からなり、触媒粒子4の一部が溶融塩型触媒層3の表面に表出している。
触媒粒子の粒径が大きいため、触媒粒子4に担持している貴金属などと溶融塩型触媒との接触確率が低くなり、溶融塩型触媒の分解が抑制される。また生成したNO によって分解した溶融塩型触媒が再生される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼルエンジンなどの排ガスに含まれるパティキュレート(以下PMという)と、NO ,HC,COを排ガス温度域で効率よく浄化できる排ガス浄化用触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンの排ガス中には、カーボン、 SOF(Soluble Organic Fraction)、高分子有機化合物、硫酸ミストなどからなるPMが含まれ、大気汚染及び人体への悪影響の面からPMの排出を抑制しようとする動きが高まっている。PMの排出を抑制するには、フィルタによってPMを捕捉する方法と、PMを燃焼除去する方法の2種類があり、それぞれのあるいは両方を組み合わせた技術開発が進められている。
【0003】
PMを燃焼するには、例えばPtなどの貴金属を担持した酸化触媒などを用いることが考えられる。しかしながらこの場合は固相どうしの接触となるために、PMと触媒成分との接触確率が低く、PMを効率よく燃焼して浄化することは困難であった。特にPM中のカーボン成分については、Ptなど貴金属の効果はほとんど認められない。
【0004】
そこで特開平10−159552号公報には、NOをNO に酸化する第1触媒と、HC及びCOを酸化する第2触媒とを用いた排ガス浄化装置が記載され、第1触媒で生成したNO によってPMを酸化することが記載されている。
【0005】
また触媒を液相としてPMと接触させることが想起され、例えばAppl.Cat.B21(1999)35−49には、CsMoO−V,CsVO−MoO,CsSO−V などの溶融塩型触媒について報告されている。このような溶融塩型触媒では、カーボンの酸化力が強いこと、触媒の蒸散が少ないこと、燃焼温度が低いことなどが好ましい条件であり、この文献にはCsMoO−V及びCsVO−MoOが 620K( 347℃)以上で活性が高く、大気中で1025K( 752℃)まで安定であって、好ましい触媒であることが記載されている。
【0006】
また特開平09−144528号公報には、融点が 300〜 500℃であり、すすの燃焼において触媒活性を有するCsO・V, KO・Vなどの共融組成物をモノリス体などのキャリアーに担持した触媒装置が開示されている。
【0007】
そして国際公開WO00/43109号(PCT/JP00/00194)には、硝酸マグネシウムと炭酸マグネシウムを液溜に入れ、排ガスを約 185〜 270℃で接触させることによってPMを燃焼除去できることが記載されている。
【0008】
ところでディーゼルエンジンからの排ガスの温度は 300℃未満であるのが通常である。また始動時はさらに低い。そのため溶融塩型触媒の融点が 300℃以上では、ディーゼルエンジンからの排ガス中で液相とならないために、PMを効率よく燃焼除去することが困難である。
【0009】
また溶融塩は液相となる必要があるが、液相であるがために排ガス流と接触すると下流側へ流されて凝縮する恐れがある。そのために、国際公開WO00/43109号に開示の技術では液溜という原始的な技術を用いている。しかし自動車に搭載する上においては、排気圧力が上昇したり、走行時の振動などによって液面が不安定になるなど、実用的でない。
【0010】
この問題を解決するものとして、内燃機関からの排ガスに含まれるカーボンを主とする粒子状物質を浄化する触媒であって、固体担体と、固体担体に担持された硝酸銀,アルカリ金属の硝酸塩,アルカリ土類金属の硝酸塩及び希土類元素の硝酸塩から選ばれる少なくとも一種を含む触媒成分と、からなる溶融塩型触媒が知られている。この溶融塩型触媒によれば、低温域でもPMを燃焼除去でき、かつ自動車の排気系に安定して配置できる実用的な溶融塩型触媒とすることができる。
【0011】
しかしながら上記の硝酸塩系溶融塩を用いた溶融塩型触媒においては、硝酸塩系溶融塩が高温条件下において分解したりPMと反応したりして劣化する場合があることが明らかとなった。つまり硝酸塩が高温の熱によって分解して酸化物となるだけでなく、硝酸塩あるいは酸化促進成分などからなる触媒成分がPMと反応して複雑な化合物となる。これによって硝酸塩の溶融が困難となりPMを燃焼除去することが困難となる。
【0012】
したがって硝酸塩系溶融塩が劣化した場合には触媒を交換することが必要となるが、頻繁に交換することは実用的でない。
【0013】
そこで特開2003−053150号公報には、溶融塩型触媒の排ガス上流側に、排ガスから少なくともNO を生成するNO 生成触媒を配置した排ガス浄化装置、あるいは溶融塩型触媒層の上層にNO 生成触媒層を形成した排ガス浄化装置が提案されている。この排ガス浄化装置によれば、NO 生成触媒で生成したNO が、硝酸塩系溶融塩が劣化して生じた硝酸塩の酸化物あるいは硝酸塩とPMの化合物と反応することで、再び硝酸塩系溶融塩が生成し、溶融塩型触媒を排ガス中で連続的に再生することができる。
【0014】
【特許文献1】特開平10−159552号
【特許文献2】特開2003−053150号
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところが溶融塩型触媒の排ガス上流側に排ガスから少なくともNO を生成するNO 生成触媒を配置した排ガス浄化装置では、装置が大型化するため配置スペース面で不具合がある。また制御が複雑となるという問題もあった。
【0016】
また溶融塩型触媒層の上層にNO 生成触媒層を形成した排ガス浄化装置では、溶融塩型触媒層がNO 生成触媒層の下層に存在するために、PMの捕捉率が低下しPM浄化能が低下するという問題がある。また溶融塩型触媒の上層にNO 生成触媒層を形成する場合、NO 生成触媒層はPMの通過を許容する平均細孔径 100μm以上の細孔をもつ多孔質形状とすることが望ましい。これにより排ガス中のPMはNO 生成触媒を通過して下層の溶融塩型触媒と接触できるので、PMを効率よく燃焼除去することが可能となる。しかしこのような細孔は、溶融した溶融塩型触媒によって閉塞されるため、細孔が有効に機能しない。
【0017】
そこでNO 生成触媒を溶融塩型触媒に混合すれば、上記不具合はある程度解消されるものの、NO 生成触媒に含まれる貴金属などの触媒成分によって溶融塩型触媒の分解が益々促進されるという問題がある。
【0018】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、PMを低温域から浄化でき、かつ溶融塩型触媒の分解を抑制するとともに、分解した溶融塩型触媒を再生でき、排ガス中のNO ,HC,COも効率よく浄化できる排ガス浄化用触媒とすることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の排ガス浄化用触媒の特徴は、固体担体と、固体担体に担持された硝酸銀,アルカリ金属の硝酸塩,アルカリ土類金属の硝酸塩及び希土類元素の硝酸塩から選ばれる少なくとも一種を含む溶融塩型触媒層と、溶融塩型触媒層に担持され排ガス中の少なくともNO ,HC,COの一つ以上を浄化する触媒粒子と、からなり、触媒粒子の一部が溶融塩型触媒層の表面に表出していることにある。
【0020】
触媒粒子の粒径は、溶融塩型触媒層の厚さ以上であることが好ましく、溶融塩型触媒層の厚さの1〜 1.5倍であることが望ましい。また触媒粒子の粒径は、 100μm以下であることが好ましい。
【0021】
さらに触媒粒子は、多孔質酸化物担体にNO 吸蔵材と貴金属とを担持したNO 吸蔵還元型触媒の粒子であることが望ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明に用いている溶融塩型触媒は、自動車のディーゼルエンジンの排ガス温度で硝酸塩が溶融して液相となるためPMとの接触確率が高まり、PMの燃焼反応が生じる。また液相であるためにPMが捕集されやすく、これによっても接触確率が高まる。したがってPMを効率よく燃焼除去することができる。そして硝酸リチウムなど特に低温で溶融する硝酸塩を用いれば、低温域でPMと触媒との接触性が向上するため、低温域から高温域まで広い温度範囲でPMを燃焼除去することができる。
【0023】
そして本発明の排ガス浄化用触媒では、表出する触媒粒子の一部以外の部分には溶融塩型触媒層が表出しているので、PMは効率よく捕集されて燃焼除去される。
【0024】
さらに本発明の排ガス浄化用触媒では、排ガス中のNO ,HC,COの少なくとも一つを浄化する触媒粒子の一部が溶融塩型触媒層の表面に表出している。そのため、触媒粒子が溶融塩型触媒層内に埋没しているものに比べて触媒粒子と排ガスとの接触性が高まり、NO ,HC,COの浄化活性が高い。また触媒粒子をNO 吸蔵還元型触媒粒子とすれば、NO 浄化性能がさらに向上する。
【0025】
溶融塩型触媒は、排ガス温度で溶融して液状となるので、排ガス温度では触媒粒子は液状の溶融塩型触媒層内に沈み込み、一度溶融塩に覆われると触媒粒子の活性は低下する。したがって触媒粒子の一部が溶融塩型触媒層の表面に表出するためには、触媒粒子の粒径は、溶融塩型触媒層の厚さ以上であることが必要となり、溶融塩型触媒層の厚さの1〜20倍であることが望ましい。
【0026】
このように触媒粒子の粒径が大きくなることにより、その表面積が小さくなるので、触媒粒子に担持している貴金属などの触媒成分と溶融塩型触媒との接触確率が低くなる。したがって溶融塩型触媒の分解を抑制することができる。
【0027】
したがって本発明の排ガス浄化用触媒によれば、溶融塩型触媒の分解が抑制され、かつ再生効率が向上するため、PMの浄化活性が長期間維持され耐久性が向上する。またタンデムなどの二段型構成ではないので、スペース面で有利となり、排ガス制御も容易となる。
【0028】
以下、各構成要素について説明する。先ず固体担体としては、従来の三元触媒などに用いられているアルミナ、ジルコニア、チタニア、シリカ、ゼオライトなどを用いることができるが、マグネシアスピネル、ジルコニア、アルカリ金属の酸化物、マグネシアなどのアルカリ土類金属の酸化物、ランタナ,ネオジアなどの希土類元素の酸化物などの塩基性担体が特に好ましい。このような塩基性担体を用いることによって、硝酸塩系溶融塩と担体との固相反応が抑制されるため耐久性が向上する。
【0029】
溶融塩型触媒は、硝酸銀,アルカリ金属の硝酸塩,アルカリ土類金属の硝酸塩及び希土類元素の硝酸塩から選ばれる少なくとも一種の硝酸塩系溶融塩を含む。アルカリ金属の硝酸塩としては、KNO, CsNO, NaNO, LiNOなどが例示される。またアルカリ土類金属の硝酸塩としては、Ba(NO,Sr(NO,Ca(NO,Mg(NOなどが例示され、希土類元素の硝酸塩としては、Y(NO, La(NO, Nd(NO, Pr(NOなどが例示される。このうち一種のみを用いてもよいし、複数種類が複合化した複合硝酸塩を担持することもできる。複合硝酸塩とすることにより、溶融温度が低下する場合が多い。
【0030】
この複合硝酸塩としては、 AgNO−CsNO,CsNO−KNO, CsNO−NaNO, CsNO−LiNO, KNO−Mg(NO, LiNO−NaNO,NaNO−Ca(NO,NaNO−Mg(NO,AgNO−KNO−NaNO,AgNO−NaNO−Ba(NO,KNO−LiNO−NaNO, KNO−NaNO−Mg(NO,KNO−Ba(NO−Ca(NO,KNO−Ba(NO−Sr(NO,KNO−Ca(NO−Sr(NO,LiNO−NaNO−Ca(NO, NaNO−Ca(NO−Mg(NO, NaNO−Ca(NO−Sr(NO,KNO−NaNO−Ca(NO−Mg(NOなどが好ましい。これらの複合硝酸塩を用いれば、溶融温度を例えば 200℃以下とすることもできる。
【0031】
硝酸塩系溶融塩としては、溶融温度が低く分解温度が高いものが望ましい。これにより広い温度範囲及び広い空間速度の排ガス中でPMを効率よく捕捉し燃焼除去することができる。例えば上記した硝酸塩系溶融塩の中ではアルカリ金属の硝酸塩を含むものが好ましく、 LiNOを含むものが最も好ましい。
【0032】
硝酸塩系溶融塩の担持量は、固体担体に対して1重量%以上とすることが望ましい。担持量がこれより少ないとPMの燃焼が困難となる。また硝酸塩系溶融塩の担持量が多くなるほどPMの燃焼温度が低くなる傾向にあるが、 120重量%以上担持すると担体上での安定性が不十分となり下流に流されて凝集する場合があるので 120重量%未満とすることが望ましい。ハニカム形状の固体担体にこの担持量の範囲で担持すれば、溶融塩型触媒層の厚さは 0.1〜50μmとなる。
【0033】
溶融塩型触媒層は、酸化促進成分をさらに含むことが望ましい。この酸化促進成分によりPM中の SOFの酸化などによってPMの燃焼が促進される。酸化促進成分としては、CeO,ZrO,CeO−ZrO固溶体, BaO, CaO,V, ZnO, WO,MoO, NiO, FeO, Fe, Fe,MnO, Cr, CuO, CoO, Coなどの各種酸化物を用いることができる。
【0034】
この酸化促進成分の担持量は、固体担体に対して、1〜50重量%の範囲が好ましい。この範囲より少ないと効果が発現されず、これ以上担持しても効果が飽和するとともに悪影響が現れる場合がある。
【0035】
固体担体に硝酸塩系溶融塩を担持するには、硝酸塩の水溶液を固体担体に含浸させ、それを乾燥すればよい。また酸化促進成分を担持するには、その金属化合物の水溶液を用いて担持し、それを焼成すればよい。
【0036】
本発明に用いている触媒粒子は、少なくとも排ガス中NO ,HC,COの一つを浄化する触媒を用いることができ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、シリカ、ゼオライトなどの多孔質酸化物担体に貴金属を担持した酸化触媒、三元触媒、NO 吸蔵還元型触媒などを用いることができる。中でもNOの酸化活性が高いPtを担持した触媒を用いることが望ましい。
【0037】
なお触媒粒子は、本発明の触媒の上流から下流にかけてはNO を生成してもよく、NO を生成しても構わない。NO には及ばないが、NO も劣化した硝酸塩系溶融塩をある程度再生できる能力を備えているからである。これらのNO は、溶融塩の再生に用いられ、溶融塩によって吸収しきれなかったNO は下流の触媒粒子によって浄化される。また触媒粒子は、排ガス中のHC及びCOを酸化する能力も備えているので、触媒粒子によってHC及びCOの浄化能が向上する。
【0038】
触媒粒子として、多孔質酸化物担体にNO 吸蔵材と貴金属とを担持したNO 吸蔵還元型触媒の粒子を用いることも好ましい。NO 吸蔵還元型触媒を用いれば、貴金属によって生成したNO ばかりでなくNO 吸蔵材に吸蔵されたNO も溶融塩型触媒に供給することができるので、溶融塩型触媒に供給される排ガス中のNO 濃度をさらに高くすることができ、再生効率が向上する。例えば低温時の場合や、還元剤が少ないリッチスパイクをNO 吸蔵還元型触媒に与えた場合には、NO 吸蔵還元型触媒からNO の吐き出しが生じることが知られているので、このNO を溶融塩型触媒の再生に利用することが望ましい。
【0039】
さらにNO 吸蔵還元型触媒の粒子を用いれば、リッチスパイクを用いた排ガス中のNO の吸蔵・放出・還元によってNO の浄化性能が向上する。またHC及びCOも浄化することができる。
【0040】
触媒粒子の粒径は、平均的に溶融塩型触媒層の厚さ以上であることが好ましく、平均的に溶融塩型触媒層の厚さの1〜20倍であることが好ましい。これにより触媒粒子の一部が溶融塩型触媒層の表面に確実に表出し、その表出する表面積を十分に大きくすることができる。したがって触媒粒子と排ガスとの接触性が高まり、分解した溶融塩型触媒の再生効率が向上する。また溶融塩型触媒と接触する面積が小さくなるため、触媒粒子の触媒成分によって溶融塩型触媒が分解されるのを抑制することができる。
【0041】
しかし触媒粒子の粒径が大きくなり過ぎると、溶融塩型触媒から剥離しやすくなるので、触媒粒子の粒径は 150μm以下とすることが好ましい。触媒粒子は、各々が溶融塩型触媒層から表出していること、つまり単層状態で担持されていることが望ましいので、溶融塩型触媒層の厚さは触媒粒子の粒径以下とすることが望ましい。
【0042】
溶融塩型触媒層と触媒粒子との構成比率は特に制限されないが、カーボン及びNO ,HC,COの浄化率を十分に保ことができることが望ましい。触媒粒子の担持量をそれ以上に多くすると、表出する溶融塩型触媒の面積が低下することによってPMの浄化能も低下するようになる。したがって溶融塩型触媒の量と、使用温度、硝酸塩系溶融塩の反応性、触媒粒子のNO酸化活性の程度などに応じて上記構成比率を決定することが望ましい。
【0043】
本発明の排ガス浄化用触媒の形状は特に制限されず、ペレット形状、フィルタ形状、フォーム形状、フロースルー型のハニカム形状などとすることができる。例えばフィルタ形状、ハニカム形状あるいはフォーム形状とする場合には、その形状の基材表面に固体担体をコートし、それに硝酸塩を担持して溶融塩型触媒層を形成するとともに、その溶融塩型触媒層に触媒粒子を担持することで製造することができる。なお排ガスが乱流となる形状とするのが望ましく、通常ハニカム形状よりガス流れに乱れが生じる形状、例えばフォーム形状とするのが特に望ましい。また基材の材質としては、従来の三元触媒などと同様に耐熱性セラミックス、メタルなどを用いることができる。
【0044】
【実施例】
以下、試験例により本発明を具体的に説明する。
【0045】
(試験例1)
先ずフォーム形状の基材(13セル/インチ)を用意し、MgAl 粉末をウォッシュコートして固体担体のコート層を形成した。コート量は基材1リットルに対して 100gとした。次いで所定濃度の LiNO水溶液の所定量をコート層に含浸させ、それを乾燥してコート層の表面に溶融塩型触媒層を形成した。 LiNOの担持量は基材1リットルに対して80gであり、溶融塩型触媒層の厚さは15μmである。
【0046】
一方、 Al粉末 100gにPtを10gとBaを0.5mol担持したNO 吸蔵還元型触媒粉末を調製し、ふるいを用いて粒径が45μm未満、45〜75μm、 100〜 150μmの3水準の粒径グループに分けた。各粒径グループのNO 吸蔵還元型触媒粉末を上記溶融塩型触媒層にそれぞれ基材1リットルに対して20gとなるように担持し、それぞれの排ガス浄化用触媒を調製した。
【0047】
溶融塩型触媒層の厚さが15μmであるので、 100〜 150μmの粒径グループのNO 吸蔵還元型触媒粉末を担持した触媒は、模式的に図1で表される。つまり基材1の表面にはMgAl からなる固体担体のコート層2が形成され、コート層2の表面には LiNOからなる溶融塩型触媒層3が形成され、溶融塩型触媒層3にはNO 吸蔵還元型触媒の粒子4が担持されている。NO 吸蔵還元型触媒の粒子4の粒径は溶融塩型触媒層3の厚さより大きいため、NO 吸蔵還元型触媒の粒子4は溶融塩型触媒層3の表面から突出し表出している。すなわち 100〜 150μmの粒径グループのNO 吸蔵還元型触媒粉末を担持した触媒が本発明の実施例の触媒である。
【0048】
上記で調製された3種類の各触媒について、O10%/Nバランス雰囲気にて室温から 500℃まで20℃/分の昇温速度で昇温することを10回繰り返し、その後 600℃で3時間保持する耐久試験を行った。
【0049】
【表1】
Figure 2004290723
【0050】
耐久試験後の各触媒を評価装置にそれぞれ配置し、NO を300ppm含む表1に示すモデルガスを 200℃で1時間流通させた。その後 200〜 450℃まで20℃/分で昇温し、昇温中に触媒から発生するNO 量を連続的に測定した。結果を図2に示す。
【0051】
<評価>
図2から、NO 吸蔵還元型触媒の粒子3の粒径が大きいほど発生するNO 量が少ないことがわかる。すなわちNO 吸蔵還元型触媒の粒子4の粒径が大きいほど、溶融塩型触媒層3の再生に使用されたNO 量が多く、再生後の溶融塩型触媒層3の分解も抑制されていると考えられる。
【0052】
(試験例2)
【0053】
【表2】
Figure 2004290723
【0054】
試験例1で調製された耐久試験前の各触媒をそれぞれ評価装置に配置し、表2に示すリーンガスを10分間/リッチガスを3秒間交互に繰り返して流通させる条件にて、触媒床温度 300℃にてリッチガスを流した時のNO 浄化率をそれぞれ測定した。結果を、粒径が45μm未満の粒径グループのNO 吸蔵還元型触媒粉末を担持した触媒のNO 浄化率を1として、図3に示す。
【0055】
(試験例3)
LiNOの担持量を基材1リットルに対して5gとしたこと以外は試験例1と同様にして溶融塩型触媒層3を形成した。溶融塩型触媒層3の厚さは 0.4μmである。その後紙面例1と同様にして、各粒径グループのNO 吸蔵還元型触媒粉末を担持した。
【0056】
得られた触媒について、試験例2と同様にNO 浄化率を測定し、結果を、粒径が45μm未満の粒径グループのNO 吸蔵還元型触媒粉末を担持した触媒のNO 浄化率を1として、図4に示す。
【0057】
<評価>
図3及び図4から、NO 吸蔵還元型触媒の粒子径の最適範囲は溶融塩型触媒層の厚さによって異なるが、NO 浄化率の指標からみれば粒径を 100μm以下とすることが好ましいことが明らかである。
【0058】
【発明の効果】
すなわち本発明の排ガス浄化用触媒によれば、溶融塩型触媒の分解が抑制され、かつ再生効率が向上するため、PMの浄化活性が長期間維持され耐久性が向上する。またタンデムなどの二段型構成ではないので、スペース面で有利となり、排ガス制御も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の排ガス浄化用触媒の構成を模式的に示す断面図である。
【図2】昇温時の温度とNO 排出量の関係を示すグラフである。
【図3】試験例2の結果を示し、NO 吸蔵還元型触媒の粒子径とNO 浄化率(相対値)との関係を示すグラフである。
【図4】試験例3の結果を示し、NO 吸蔵還元型触媒の粒子径とNO 浄化率(相対値)との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1:基材 2:固体担体
3:溶融塩型触媒層 4:NO 吸蔵還元型触媒の粒子

Claims (5)

  1. 固体担体と、該固体担体に担持された硝酸銀,アルカリ金属の硝酸塩,アルカリ土類金属の硝酸塩及び希土類元素の硝酸塩から選ばれる少なくとも一種を含む溶融塩型触媒層と、該溶融塩型触媒層に担持され排ガス中の少なくともNO ,HC,COの一つ以上を浄化する触媒粒子と、からなり、該触媒粒子の一部が該溶融塩型触媒層の表面に表出していることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  2. 前記触媒粒子の粒径は前記溶融塩型触媒層の厚さ以上である請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
  3. 前記触媒粒子の粒径は前記溶融塩型触媒層の厚さの1〜 1.5倍である請求項2に記載の排ガス浄化用触媒。
  4. 前記触媒粒子の粒径は 100μm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の排ガス浄化用触媒。
  5. 前記触媒粒子は、多孔質酸化物担体にNO 吸蔵材と貴金属とを担持したNO 吸蔵還元型触媒の粒子である請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
JP2003082668A 2003-03-25 2003-03-25 排ガス浄化用触媒 Pending JP2004290723A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003082668A JP2004290723A (ja) 2003-03-25 2003-03-25 排ガス浄化用触媒

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003082668A JP2004290723A (ja) 2003-03-25 2003-03-25 排ガス浄化用触媒

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004290723A true JP2004290723A (ja) 2004-10-21

Family

ID=33398358

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003082668A Pending JP2004290723A (ja) 2003-03-25 2003-03-25 排ガス浄化用触媒

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004290723A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007072690A1 (ja) * 2005-12-22 2007-06-28 Cataler Corporation 排ガス浄化用触媒
CN113731450A (zh) * 2021-09-22 2021-12-03 苏州松之源环保科技有限公司 一种掺杂型的铯钒碱金属催化剂

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007072690A1 (ja) * 2005-12-22 2007-06-28 Cataler Corporation 排ガス浄化用触媒
JP2007167780A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Cataler Corp 排ガス浄化用触媒
US7956005B2 (en) * 2005-12-22 2011-06-07 Cataler Corporation Exhaust gas-purifying catalyst
US8187996B2 (en) 2005-12-22 2012-05-29 Cataler Corporation Exhaust gas-purifying catalyst
CN101300071B (zh) * 2005-12-22 2013-04-24 卡塔勒公司 排气净化用催化剂
CN113731450A (zh) * 2021-09-22 2021-12-03 苏州松之源环保科技有限公司 一种掺杂型的铯钒碱金属催化剂
CN113731450B (zh) * 2021-09-22 2023-08-29 苏州松之源环保科技有限公司 一种掺杂型的铯钒碱金属催化剂

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5651589B2 (ja) 低温性能の優れたNOx吸着触媒
JP2006272288A (ja) ディーゼル排ガス浄化用触媒
KR20050113636A (ko) 디젤 엔진 및 이를 위한 촉매 필터
JPWO2010041741A1 (ja) 排ガス浄化装置
JP2009226349A (ja) 排ガス浄化用触媒
JP2007125524A (ja) 排ガス浄化装置
CN101410602B (zh) 用于内燃发动机的废气净化系统
JP2008151100A (ja) 排ガス浄化装置
JP3685463B2 (ja) 排ガス浄化用触媒
JP2002089240A (ja) 排気ガス浄化装置及びこれを用いた排気ガス浄化方法
JP3821357B2 (ja) 溶融塩型触媒
JP2006346605A (ja) 排ガス浄化フィルタ及び内燃機関用排ガス浄化装置
JP2007117954A (ja) ディーゼル排ガス浄化用触媒
JP2010270695A (ja) 排気浄化装置及び排気浄化方法
JP2002191988A (ja) 排ガス浄化用触媒
JP2004290723A (ja) 排ガス浄化用触媒
JP3775080B2 (ja) 排ガス浄化用触媒
JP2007083114A (ja) 排ガス浄化用触媒
JP3659028B2 (ja) 排気ガス浄化装置及びその使用方法
JP2004113936A (ja) 排ガス浄化用触媒とその使用方法
JP2000246107A (ja) 排ガス浄化用触媒とその製造方法及び排ガス浄化方法
JP2003053150A (ja) 排ガス浄化装置
JP2010110732A (ja) 排ガス浄化用触媒
JP3641668B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2005185966A (ja) 自動車排ガス浄化触媒