JP2004290265A - 医療システム - Google Patents
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Abstract
【課題】滅菌処理装置による医療器具の滅菌処理情報を容易に記録し、その滅菌処理情報を表示認識可能な医療システムが望まれている。
【解決手段】加熱滅菌処理される手術用ハンドピース2と、このハンドピースが接続自在で処置エネルギーを供給する医療装置本体3と、ハンドピースを加熱滅菌処理する加熱温度を計測記憶するハンドピースに内蔵された温度センサ8と記憶素子10と、ハンドピースが接続されると医療装置本体でハンドピースの記憶素子の加熱温度を読み出し、その加熱温度データで加熱滅菌処理の実施を判別する医療システム。
【選択図】 図1
【解決手段】加熱滅菌処理される手術用ハンドピース2と、このハンドピースが接続自在で処置エネルギーを供給する医療装置本体3と、ハンドピースを加熱滅菌処理する加熱温度を計測記憶するハンドピースに内蔵された温度センサ8と記憶素子10と、ハンドピースが接続されると医療装置本体でハンドピースの記憶素子の加熱温度を読み出し、その加熱温度データで加熱滅菌処理の実施を判別する医療システム。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療器具の加熱滅菌処理の実施状態を判別可能な医療システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、各種医療器具は、診断治療に一度使用した後には、廃棄処分するものと、滅菌洗浄処理して再度使用されるものとがある。
【0003】
この滅菌洗浄して、再使用される医療器具は、診断治療後の未滅菌洗浄医療器具と、滅菌洗浄後の滅菌洗浄済み医療器具とを厳格に管理する必要がある。
【0004】
この再使用される医療器具の滅菌洗浄状態を管理する方法として、医療装置の滅菌洗浄、特に高温水蒸気の基で滅菌洗浄するオートクレーブ滅菌による滅菌処理回数を個々の医療器具毎に管理する方法として、医療器具に形状記憶合金と、この形状記憶合金の熱による伸縮により回動させるラチェット式歯車と、このラチェット歯車に数字を表記させ、オートクレーブ滅菌下で、前記形状記憶合金の伸張により前記ラチェット歯車を回動させ、そのラチェット歯車に表記している数字を所定の表示窓から表示させることで、オートクレーブ滅菌の回数を表示させるようにした加熱回数の表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、電子内視鏡をビデオプロセッサに接続するコネクタに滅菌洗浄情報を記録させる記憶素子を内蔵させた電子内視鏡と、この電子内視鏡の滅菌洗浄時に、前記コネクタに設けられる防水キャップを介して、前記記憶素子に洗浄実施の有無や洗浄累積回数などの洗浄情報を書込む機能を有する滅菌洗浄装置と、前記電子内視鏡のコネクタを介して、電子内視鏡を駆動制御し、撮像された撮像信号から所定の映像信号を生成して、モニターに内視鏡像を表示させると共に、前記コネクタの記憶素子に記録されている洗浄情報から滅菌洗浄の有無や回数などを読み取り前記モニターに表示させるビデオプロセッサとからなる電子内視鏡の洗浄状態確認装置等が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−165530号公報。
【0007】
【特許文献2】
特許第3340561号公報。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述した特許文献1に提案されている加熱回数の表示装置は、累積の滅菌加熱回数の管理と、この加熱回数から医療器具の使用限度判定等に有効であるが、その医療器具の現在の状態が、加熱滅菌済みであるか、あるいは、これから加熱滅菌を行うのか等の加熱滅菌の有無や加熱滅菌時期など判別できない。
【0009】
これに対して、前述した特許文献2は、滅菌洗浄の有無、洗浄方法、及び洗浄回数などが判明できるようになっているが、電子内視鏡のコネクタに記憶素子を設け、かつ、洗浄装置に前記記憶素子に対して、洗浄の有無、洗浄方法、及び洗浄回数などの洗浄情報を書込記録させる機能を有する必要がある。
【0010】
このため、少なくとも、洗浄装置に洗浄情報を書込記録させる機能を有する必要があり、この洗浄情報の書込記録機能を有していない洗浄装置で洗浄した電子内視鏡には、洗浄情報の書込ができない。よって、洗浄情報書込機能のない洗浄装置で洗浄された電子内視鏡は、洗浄の有無や洗浄回数を管理できない課題がある。
【0011】
本発明は、このように事情に鑑みなされたもので、加熱滅菌処理情報の書込機能を有していない加熱滅菌装置を用いて加熱滅菌処理されても、加熱滅菌処理の有無や処理回数等の加熱滅菌処理情報を容易に記録すると共に、その加熱滅菌処理情報を表示認識可能な医療システムを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の医療システムは、加熱滅菌処理される医療器具と、前記医療器具を着脱自在に接続して電気的に駆動する駆動手段を有する医療装置とを備えた医療システムにおいて、前記医療器具に設けられ、前記加熱滅菌処理の熱によって変化可能な熱変化手段と、前記加熱滅菌処理の熱によって変化した前記熱変化手段の変化状態を保持可能な変化状態保持手段と、前記医療装置に設けられ、前記医療器具を接続したときに前記変化状態保持手段で保持された前記熱変化手段の前記変化状態を読み取り可能な変化状態読み取り手段と、前記医療装置に設けられ、前記熱変化状態を読み取り手段で読み取られた変化状態情報に基づき、前記加熱滅菌処理の実施を判別する滅菌実施判別手段と、を具備したこと特徴とする。
【0013】
また、本発明の医療システムは、加熱滅菌処理される医療器具と、前記医療器具を着脱自在に接続して電気的に駆動する駆動手段を有する医療装置とを備えた医療システムにおいて、前記医療器具に設けられ、前記加熱滅菌処理の熱を電気的に検知可能な熱検知手段と、前記医療器具に設けられ、前記熱検知手段で検知された検知情報を電気的に記憶可能な記憶手段と、前記医療器具に設けられ、前記記憶手段と前記熱検知手段とに電力を供給可能なバッテリ手段と、前記医療装置に設けられ、前記医療器具を接続するときに前記記憶手段に記憶された検知情報を読み取り可能な情報読み取り手段と、前記医療装置に設けられ、前記情報読み取り手段で読み取られた検知情報に基づき、前記加熱滅菌処理の実施を判別する滅菌実施判別手段と、を具備したこと特徴とする。
【0014】
本発明の医療システムは、加熱滅菌処理の有無判別と、加熱滅菌処理回数が容易に把握でき、加熱滅菌処理の管理が容易となった。また、治療行為において、不注意で未加熱滅菌の医療器具を使用とする場合には、確実に未加熱滅菌状態が検出されて術者に告知され、未加熱滅菌の医療器具の使用を未然に阻止でき、かつ、加熱滅菌処理が医療器具の性能や機能を損なう限界回数に近づくと術者に告知されることから、医療器具の交換時期を確実に把握できるようになった。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明の医療システムの第1の実施形態について、図1乃至図5を用いて説明する。
【0016】
図1は本発明の第1の実施形態の医療システムの全体構成を説明する説明図、図2は本発明の第1の実施形態の医療システムに用いる手術用ハンドピースに内蔵される温度監視チップの構成を示すブロック図、図3は本発明の第1の実施形態の医療システムに用いる医療装置本体の構成を示すブロック図、図4は本発明の第1の実施形態の治療システムにおける手術用ハンドピースの温度測定動作を説明するフローチャート、図5は本発明の第1の実施形態の治療システムにおける手術用ハンドピースと医療装置本体との接続状態時の動作を説明するフローチャートである。
【0017】
最初に本発明の医療システムの全体構成を図1を用いて説明する。本発明の医療システム1は、外科的処置を行う外科手術用ハンドピース(以下、単に手術用ハンドピースと称する)2と、この手術用ハンドピース2に出力エネルギーを供給する医療装置本体3とからなり、手術用ハンドピース2と医療装置本体3とは、ケーブル7とコネクター4を介して接続されている。
【0018】
前記手術用ハンドピース2は、超音波処置具、電気メス、又はレーザメス等の医療器具である。
【0019】
前記医療装置本体3は、前記手術用ハンドピース2である各種医療器具に応じて、超音波振動、高周波電流、レーザー、又はトリル等の処置エネルギーを生成出力するようになっている。
【0020】
この医療装置本体3から生成出力された出力エネルギーの基で、前記手術用ハンドピース2を駆動させて、外科的治療処置を行うようになっている。
【0021】
また、手術用ハンドピース2の基端から延出しているケーブル7の先端には、前記治療装置本体3に接続するためのコネクタ4が設けられている。このコネクタ5の内部には、温度監視チップ5が内蔵されている。
【0022】
さらに、前記医療装置本体3には、この医療装置本体2で生成出力する出力エネルギーの設定状態やエラー状態を表示する為の表示パネル6が備えられている。
【0023】
次に、前記手術用ハンドピース2のコネクタ4に内蔵されている温度監視チップ5の構成について図2を用いて説明する。温度監視チップ5を内蔵している部位の温度を計測する温度センサ素子8、時間測定の基準となる信号を発振するオシレータ素子9、手術用ハンドピース2の個体情報、及び後述する加熱滅菌温度や加熱滅菌処理回数等の各種情報データを記憶保存する記憶素子10、これら温度センサ素子8、オシレータ素子9、及び記憶素子10の3つの素子を駆動制御すると共に、医療装置本体3と各種情報データと制御信号の授受を行うコントロール回路11、このコントロール回路11を駆動する為に必要な電力を供給するバッテリー12、及び前記コントロール回路11と医療装置本体3との間で各種情報データや制御信号を授受するための入出力端子(以下、単にIOと称する)13からなっている。
【0024】
なお、前記温度監視チップ5は、前記コネクタ4に内蔵させる以外に、前記手術用ハンドピース2やケーブル7に内蔵させても良い。さらに、前記温度センサ素子8としては、温度測定用素子の他に、サーモスタットを用いても良く、また前記記憶素子10は、SRAMやEEPROM等が用いられる。
【0025】
前記医療装置本体3の構成について図3を用いて説明する。前記手術用ハンドピース2のケーブル7に設けられたコネクタ4が接続されると共に、温度監視チップ5のIO13が接続される入出力ポート(以下、IO/PORTと称する)を有するコネクター接続部17、このコネクター接続部17を介して、前記手術用ハンドピース2を駆動制御すると共に、処置エネルギーを生成出力する駆動回路15、前記コネクター接続部17のIO/PORTから前記手術用ハンドピース2に内蔵された前記温度監視チップ5の記憶素子10に記憶されている各種情報データの読み出しと書き込みを行うための読み出し/書込手段16、前記駆動回路15と前記読み出し/書込手段16を駆動制御すると共に後述する表示パネル6と充電手段36を駆動制御するコントロール回路14からなっている。前記表示パネル6は、前記医療装置本体3の表面に設けられ、前記コントロール回路14で駆動制御されると共に、コントロール回路14で生成された文字記号等の情報を表示するようになっている。また、前記充電手段36は、前記コントロール回路14の駆動制御の基で、前記温度監視チップ5のバッテリ12を充電する。
【0026】
このような構成の医療システムの作用を説明する。最初に、高温水蒸気下で滅菌処理を行うオートクレーブ滅菌処理時における手術用ハンドピース2の温度監視チップ5の作用について図4を用いて説明する。
【0027】
前記手術用ハンドピース2のコントロール回路11は、ステップS11で医療装置本体3から前記コネクタ4が取り外されたことを検出すると、ステップS12で、温度センサ素子8を駆動制御して、温度監視チップ5の周辺温度の計測を行うと共に、前記コントロール回路11は前記オシレータ素子9から出力される基準信号の基で、前記温度計測開始からの経過時間を計測する。
【0028】
このステップS12で温度計測開始と共に経過時間計測し、例えば、3分間経過すると、前記コントロール回路11はステップS13で、再度温度センサ素子8を駆動制御して温度計測を行う。
【0029】
このステップS13で計測した温度を基に、コントロール回路11はステップS14で、その計測温度が所定の温度、例えば、オートクレーブ滅菌の規定の加熱滅菌処理温度である、例えば、120゜Cを越えているか判定する。
【0030】
このステップS14の判定の結果、前記ステップS13で計測した温度が規定温度、例えば、120゜Cと比較し、規定温度の120゜C以下である場合は、前記ステップS13に戻り、さらに、3分経過した時の温度を再計測し、その再計測した温度を再度ステップS14で規定温度120゜C以上であるか判定する。
【0031】
つまり、前記手術用ハンドピース2は、医療装置本体3から取り外された以降、3分間隔で温度計測され、オートクレーブ滅菌装置により滅菌処理が行われ、コネクタ4に内蔵されている温度監視チップ5の温度センサ素子8で計測された温度が規定温度120゜C以上、即ち、オートグレープ滅菌処理の規定温度以上に到達するまで温度計測が繰り返し実行される。なお、ステップS14で計測温度が規定温度以下であると判定され、ステップS13で再計測する時間である3分後に到達していない時間帯は、コントロール回路11は、バッテリ12から前記温度センサ素子8や記憶素子10等への駆動電力供給を停止させて、バッテリ12の消耗を軽減させるようにする。
【0032】
前記ステップS14で、温度センサ素子8で計測した温度が規定温度120゜C以上であると判定されると、コントロール回路11はステップS15で、前記記憶素子10に設けられている滅菌回数の値Nに1を加算して、その滅菌回数Nを記憶させる。
【0033】
このステップS15の滅菌回数Nの記憶素子10への記憶が終了すると、ステップS16でコントロール回路11は、記憶素子10に滅菌処理済み情報を記憶させると共に温度計測を終了させ、前記バッテリ12からの駆動電力供給を停止させる。
【0034】
即ち、コネクタ4に温度監視チップ5を内蔵した手術用ハンドピース2をオートクレーブ滅菌装置により滅菌処理する際に、前記手術用ハンドピース2の効果的な滅菌処理条件である規定温度に到達したか監視し、その規定温度に到達すると滅菌処理回数Nに1を加算して、滅菌処理の累計回数を温度監視チップ5に記憶保持させると共に、滅菌処理済み情報を記憶させる。
【0035】
なお、前記温度センサ素子8に代えて、サーモスタットを用いた場合は、測定温度と規定温度とのステップS14における比較は、サーモスタットのON/OFF状態により判別されるようにする。
【0036】
このようにコネクタ4に内蔵した温度監視チップ5に滅菌処理済みと滅菌処理回数Nとを記憶させた手術用ハンドピース2を医療装置本体3に接続して治療処置する際の作用について、図5を用いて説明する。
【0037】
前記医療装置本体3のコネクター接続部17に、前述手術用ハンドピース2のコネクタ4が接続されると、医療装置本体3のコントロール回路14は、手術用ハンドピース2の接続をステップS21で認知し、ステップS22で読み出し/書込手段16を駆動制御して、前記手術用ハンドピース2の温度監視チップ5のコントロール回路11とデータ伝送処理を行い、記憶素子10に記憶されている滅菌処理情報の読み出しを行う。
【0038】
このステップS22の温度監視チップ5の記憶素子10からの滅菌処理情報の読み出しと同時に、ステップS28で充電手段36を駆動制御して、手術用ハンドピース2の温度監視チップ5に内蔵されているバッテリ12の充電動作を開始し、ステップS29で前記バッテリ12の充電満了が確認されると充電動作を終了させる。
【0039】
前記コントロール回路14は、前記ステップS22で温度監視チップ5の記憶素子10から読み出した滅菌処理情報を基に、ステップS23で、滅菌処理済みであるか、又は滅菌処理回数Nは、事前設定されている滅菌処理の限度回数Nc以下であるか判定される。
【0040】
この滅菌処理限度回数Ncとは、手術用ハンドピース2は滅菌処理を繰り返しているうちに、手術用ハンドピース2を構成する各種部材が劣化して、所定の性能維持ができなくなる虞があり、このために、滅菌限度回数を設定し、その滅菌限度回数を越えた手術用ハンドピース2は治療に使用しないように管理される。つまり、手術用ハンドピース2の使用回数の管理が行われる。
【0041】
このステップS23の判定の結果、滅菌処理が済んでいない、又は滅菌処理回数Nが滅菌限度回数Ncを越えているのいずれかが該当すると判定されると、ステップS26でコントロール回路14は、表示パネル6に手術用ハンドピース使用禁止と交換を促すメッセージ、例えば、「ハンドピースを交換してください」との表示をするための表示情報を生成出力し、ステップS27でコントロール回路14は、手術用ハンドピース2の駆動制御のスタンバイモードとし、かつ、駆動回路15は手術用ハンドピース2への処置エネルギーの出力停止状態に制御する。
【0042】
前記ステップS23で手術用ハンドピース2から読み込んだ滅菌処理情報から、滅菌処理が終了しており、かつ、滅菌処理回数Nは、滅菌限度回数Nc以下であると判定されると、ステップS24でコントロール回路14は、滅菌処理回数Nが滅菌限度回数Ncから20回を減算したNc−20と比較する。
【0043】
つまり、滅菌処理回数Nが滅菌限度回数Ncの20回前まで滅菌処理されて、残りの滅菌回数は20回を切っており手術用ハンドピース2の使用限界時期が近いことの認識ができる。なお、このステップS24のNc−20は、必用に応じてNc−10(10回)又はNc−5(5回)等のように任意に設定することができる。
【0044】
このステップS24の判定の結果、滅菌処理回数Nは、滅菌限度回数Ncから20を減算したNc−20以下であると判定されると、ステップS24でコントロール回路14は、駆動回路15を手術用ハンドピース2への処置エネルギーの出力準備モードに制御する。
【0045】
前記ステップS24で、滅菌処理回数Nが滅菌限度回数Ncから20を減算したNc−20以内であると判定されると、ステップS30でコントロール回路14は、表示パネル6に手術用ハンドピース2が滅菌限界に近づいていることを知らせるメッセージ、例えば、「このハンドピースの使用可能回数は、あと“Nc−N”回です」との表示をするための表示情報を生成出力し、前記ステップS25の処理へと移行する。
【0046】
なお、前記ステップS25の駆動回路15から手術用ハンドピース2への処置エネルギーの出力準備モードから治療実施のために処置エネルギーの出力が実行されると、図示していないが、コントロール回路14は、読み出し/書込手段16を駆動制御して、前記温度監視チップ5のコントロール回路11を介して、記憶素子10の滅菌処理情報の滅菌処理済みを未滅菌処理又は滅菌処理が必要と書き換える。
【0047】
以上説明したように、本発明の医療システム1は、オートクレーブ滅菌装置で滅菌処理される度に、手術用ハンドピース2のコネクタ4に設けられた温度監視チップ5により、自動的にオートクレーブ滅菌処理温度を感知し、その温度感知により滅菌処理の終了情報と滅菌処理回数を記憶素子に書込記憶させることが可能となる。
【0048】
この滅菌処理情報を有する手術用ハンドピース2を医療装置本体3に接続して、治療行為を行う際には、手術用ハンドピース3の滅菌処理情報を基に未滅菌処理及び滅菌限度回数を超えた手術用ハンドピース2の使用を未然に防止することができ、かつ、滅菌限度回数に近づいた際には、残りの滅菌処理回数が表示されるために、新しい手術用ハンドピース2を準備も容易となる。
【0049】
次に、本発明の第2の実施形態の医療システムを図6を用いて説明する。図6は本発明の第2の実施形態の医療システムにおける手術用ハンドピースの温度測定動作を説明するフローチャートである。
【0050】
この第2の実施形態の医療システムの構成は、図1乃至図3と同じで、手術用ハンドピース2の温度監視チップ5のオートクレーブ滅菌処理時の作用が異なるものである。
【0051】
この第2の実施形態の温度監視チップ5の作用について、図6を用いて説明する。前記手術用ハンドピース2の温度監視チップ5のコントロール回路11は、ステップS31で前記医療装置本体3から前記コネクタ4が取り外されたことを検出すると、ステップS32で、温度センサ素子8を駆動制御して、温度監視チップ5の周辺温度の計測を行うと共に、前記コントロール回路11は前記オシレータ素子9から出力される基準信号の基で、前記温度計測開始からの経過時間を計測する。
【0052】
このステップS32で温度計測開始と共に経過時間計測し、例えば、3分間経過すると、前記コントロール回路11はステップS33で、再度温度センサ素子を駆動制御して温度計測を行う。
【0053】
このステップS33で計測した温度を基に、コントロール回路11はステップS34で、その計測温度が所定の温度、例えば、オートクレーブ滅菌の規定の滅菌処理温度である、例えば、120゜C以上であるか判定する。
【0054】
このステップS34の判定の結果、前記ステップS13で計測した温度が規定温度、例えば、120゜Cと比較し、規定温度の120゜C以下である場合は、前記ステップS33に戻り、さらに、3分経過した時の温度を再計測し、その再計測した温度を再度ステップS34で規定温度120゜C以上であるか判定する。
【0055】
つまり、前記手術用ハンドピース2は、医療装置本体3から取り外された以降、3分間隔で温度計測が行われ、オートクレーブ滅菌装置により滅菌処理が行われ、コネクタ4に内蔵されている温度監視チップ5の温度センサ素子8で計測される温度が規定温度120゜C以上、即ち、オートグレープ滅菌処理の規定温度以上に到達するまで温度計測が繰り返し実行される。なお、ステップS34で計測温度が規定温度以下であると判定され、ステップS33で再計測する時間である3分後に到達していない時間帯は、コントロール回路11は、バッテリ12から前記温度センサ素子8や記憶素子10等への駆動電力の供給を停止させて、バッテリ12の消耗を軽減させるようにする。
【0056】
前記ステップS34で、温度センサ素子8で計測した温度が規定温度120゜C以上であると判定されると、コントロール回路11はステップS35で、前記記憶素子10に設けられている滅菌回数の値Nに1を加算して、その加算滅菌回数Nを記憶させる。
【0057】
このステップS35の滅菌回数Nの記憶素子10への記憶が終了すると、再度一定時間間隔で継続して温度測定が行なわれる。
【0058】
このステップS35の滅菌回数Nの加算記憶と共に実行される継続温度測定の結果は、ステップS36で、規定温度120゜と比較される。
【0059】
このステップS36の比較の結果、測定温度が規定温度120゜以上の場合は、再度所定時間間隔で温度計測が行われ、測定温度が規定温度120゜以下であると、前記ステップS33に戻る。
【0060】
即ち、コネクタ4に内蔵させた温度監視チップ5を有する手術用ハンドピース2をオートクレーブ滅菌装置により滅菌処理する際に、前記手術用ハンドピース2の効果的な滅菌処理条件である規定温度に到達したか監視し、その規定温度に到達すると滅菌処理回数Nに1を加算して、滅菌処理の累計回数を温度監視チップ5に記憶保持させると共に、滅菌処理済み情報を記憶させる。つまり、手術用ハンドピース2が滅菌処理後に、医療装置本体3と接続させて医療行為に使用されていない状態であるにも拘わらず、再度オートクレーブ滅菌処理した場合でも、その滅菌回数がカウントできる。
【0061】
なお、前記温度センサ素子8に代えて、サーモスタットを用いた場合は、測定温度と規定温度とのステップS34とS36における比較は、サーモスタットのON/OFF状態により判別されるようにする。
【0062】
このように、オートクレーブ滅菌処理の回数を正確に、かつ、自動的にカウントした手術用ハンドピースは、医療装置本体に接続されて使用される際には、前述した第1の実施形態と同様に、医療装置本体により手術用ハンドピースの滅菌処理済みの有無と滅菌処理回数を認識可能となる。
【0063】
次に、本発明の第3の実施形態の医療システムを図7と図8を用いて説明する。第7図は本発明の第3の実施形態の医療システムにおける手術用ハンドピースの温度測定動作を説明するフローチャート、第8図は本発明の第3の実施形態の医療システムにおける手術用ハンドピースを医療装置本体に取り付けた状態の動作を説明するフローチャートである。
【0064】
この第3の実施形態の医療システムの構成は、図1乃至図3と同じで、手術用ハンドピース2の温度監視チップ5のオートクレーブ滅菌処理時の作用と、医療装置本体3の作用が異なるものである。
【0065】
手術用ハンドピース2の作用について図7を用いて説明する。前記手術用ハンドピース2のコントロール回路11は、ステップS41で前記コネクタ4が取り外されたことを検出すると、ステップS42で、温度センサ素子8を駆動制御して、温度監視チップ5の周辺温度の計測を行う。
【0066】
このステップS42の温度計測が終了すると、コントロール回路11はステップS43で、前記ステップS42で計測した温度データを温度履歴データとして、記憶素子10に記憶させる。
【0067】
このステップS43の計測温度記録が終了すると、コントロール回路11はステップS44で、前記オシレータ素子9からの基準信号を基に、前記ステップS42の温度計測からの経過時間を測定し、所定時間、例えば、3分間経過するまで、前記温度センサー素子8による温度計測や記憶素子10への計測温度データの記憶処理を停止させる。所定時間が経過すると、前記ステップS42から処理が繰り返される。
【0068】
つまり、手術用ハンドピース2は、医療装置本体3から取り外されると、所定時間間隔で温度監視チップ5を駆動させて温度計測し、その計測した温度データを記憶素子に順次記憶させる。この所定時間間隔による温度計測とその温度データの記憶は、手術用ハンドピース2が医療装置本体3から取り外され、再度医療装置本体3に取り付けられるまで継続させる。
【0069】
この結果、手術用ハンドピース2の医療装置本体3から取り外された時点からの温度変化データが記憶される。
【0070】
なお、コントロール回路11は、所定時間間隔で温度計測する時に、前記温度センサ素子8や記憶素子10、及びコントロール回路11にバッテリー12から駆動電源を供給するようにして、バッテリー12の消耗を軽減させる。
【0071】
このように温度監視チップ5に手術用ハンドピース2が医療装置本体3から外された時点からの温度データが記憶された手術用ハンドピース2を医療装置本体3に接続して、治療行為を行う場合の作用について図8を用いて説明する。
【0072】
前記医療装置本体3のコントロール回路14は、ステップS51で前記手術用ハンドピース2のコネクタ4が医療装置本体3のコネクター接続部17に接続れたことを検出すると、ステップS52で、手術用ハンドピース2の温度監視チップ5のコントロール回路11に対して、温度測定駆動を停止させる。
【0073】
次に、医療装置本体3のコントロール回路14はステップS53で、読み出し/書込手段16を駆動制御して、温度監視チップ5の記憶素子10に記憶されている所定時間間隔で計測した温度データを読み出し、その読み出した温度データの中に所定温度、例えば、120゜C以上の温度を示すデータがあるか否かステップS54で判定する。なお、前記記憶素子10から測定温度データを読み出した後は、記憶素子10の温度データは消去すると共に、バッテリー12への充電を開始して、バッテリ12が充電満了すると充電動作を停止させる。
【0074】
このステップS54の判定の結果、所定温度である120゜Cを超える温度データがあると判定されると、つまり、図7を用いて前述した手術用ハンドピース2を医療装置本体3から取り外した以降、オートクレーブ滅菌処理されていると、所定時間間隔で計測されている温度データの中にオートクレーブ滅菌処理温度である120゜Cを越えている温度データが存在することになる。
【0075】
このステップS54の判定の結果、所定温度を終える温度データが存在すると判定されると、コントロール回路14はステップS55で、読み込み/書込手段16を駆動制御して、前記温度監視チップ5のコントロール回路11を介して、記憶素子10に記憶されている滅菌処理回数Nに1を加算させる。
【0076】
次に、コントロール回路14はステップS56で、前記ステップS55で温度監視チップ5の記憶素子10に加算書込記憶させた滅菌処理回数Nが、所定の滅菌処理限度回数Ncを越えているか判定する。
【0077】
このステップS56の判定の結果、滅菌処理回数Nが所定の滅菌処理限度回数Nc以上であると判定されると、コントロール回路14はステップS59で、表示パネル6にその手術用ハンドピース2は使用しないで、他の手術用ハンドピース2に交換することを促すメッセージ、例えば「ハンドピースを交換してください」と表示するための表示情報を生成出力し、ステップS60で手術用ハンドピース2の接続スタンバイモードに移行させ、かつ、駆動回路15から処置エネルギーが出力されないように出力禁止処置を行う。
【0078】
前記ステップS54で、温度開始チップ5の記憶素子10から読み出した計測温度データの中に所定温度120゜Cを越えるデータがないと判定されると、手術用ハンドピース2は、オートクレーブ滅菌されていないものと判定できるために、コントロール回路14はステップS61で、表示パネル6にこの手術用ハンドピース2の使用を禁止させるためのメッセージ、例えば「このハンドピースは、未滅菌です」と表示するための表示情報を生成出力し、ステップS62で手術用ハンドピース2の接続スタンバイモードに移行させ、かつ、駆動回路15から処置エネルギーが出力されないように出力禁止処置を行う。
【0079】
前記ステップS56の判定の結果、滅菌処理回数Nが所定の滅菌処理限度回数Nc以下であると判定されると、コントロール回路14はステップS57で、滅菌処理限度回数Ncに到達する20回前の値Nc−20と比較を行い、滅菌処理回数Nが滅菌処理限度回数Ncの20回前の値Nc−20以下であると判定されると、ステップS58の処置エネルギーの出力準備モードに移行する。
【0080】
前記ステップS57で滅菌処理回数Nが滅菌処理限度回数Ncの20回前の値Nc−20以上であると判定されると、ステップS63で表示パネル6に手術用ハンドピース2は、滅菌処理限度回数に近づいていることを示す、例えば、「このバンドピースの使用可能回数は、あと“Nc−N”回です」との注意表示をするための表示情報を生成出力し、ステップS58の処置エネルギー準備モードに移行する。
【0081】
なお、前記ステップS57の判断において、滅菌処理回数Nを滅菌処理限度回数Ncの20回前の値Nc−20を滅菌処理限度回数Ncの10回前や5回前の値Nc−10,Nc−5と任意に選定できる。
【0082】
以上説明したように、この第3の実施形態は、前述した第1と第2の実施形態と同じ効果を有すると共に、手術用ハンドピース2の温度監視チップ5の作用が簡素化できるために、構成部品の簡素化もでき、コストの低減が可能となる。また、温度監視チップ5は、長時間の温度データを計測記憶する必要があるために、記憶容量の大きいものが使用されるが、医療装置本体3と接続されると温度監視チップ5に記憶されている温度データは読み出されると同時に消去することにより、記憶容量はある程度制限されたものが使用可能となる。
【0083】
次に、本発明の第4の実施形態の医療システムについて図9乃至図11を用いて説明する。図9は本発明の第4の実施形態の医療システムに用いる温度監視チップの構成を示すブロック図、図10は本発明の第4の実施形態の医療システムに用いる温度監視チップに内蔵されている温度スイッチの構成と作用を説明する説明図、図11は本発明の第4の実施形態の医療システムの作用を説明するフローチャートである。
【0084】
この第4の実施形態の手術用ハンドピース2のコネクタ4には、図9に示す温度監視チップ5’が内蔵されている。この温度監視チップ5’は、手術用ハンドピース2の個体情報及び滅菌処理回数等の各種情報データを記憶する記憶素子10と、後述する構成の温度スイッチ18とを有している。前記記憶素子10は入出力端子(以下、I/O端子と称する)19を介して、前記医療装置本体3のコネクター接続部17に接続され、かつ、前記温度スイッチ18はポート端子20と接地端子21を介して、前記医療装置本体3のコネクター接続部17に接続されるようになっている。なお、前記記憶素子10は、SRAMやEEPROM等が用いられる。
【0085】
前記温度スイッチ18は、図10に示すように、熱により変形する感熱素子23と、電流により稼動する電流稼働部材22からなっている。この感熱素子23は、バイメタルや形状記憶合金が用いられる。電流稼動部材22は、圧電素子やモータにより移動する構成のものが用いられる。この温度スイッチ18の感熱素子23と電流稼働部材22の各端部は、ポート端子20と接地端子21にそれぞれ接続されている。
【0086】
このような構成の温度監視チップ5’を、前記手術用ハンドピース2のコネクタ4に内蔵させ、この温度監視チップ5’が内蔵されたコネクタ4が前記医療装置本体3のコネクター接続部17に接続されて所定の手術処置が実行されるようになっている。
【0087】
この温度監視チップ5’を有する手術用ハンドピース2を医療装置本体3から取り外し常温状態では、前記温度監視チップ5’の温度スイッチ18は、図10(a)に示すように、電流稼働部材22と感熱素子23とは、非接触のオフ状態となっている。この温度スイッチ18がオフ状態の手術用ハンドピース2をオートクレーブ滅菌装置に載置して加熱滅菌処理を行うと、図10(b)に示すように、加熱滅菌温度により感熱素子23が図中上方向に変形し、電流稼動部材22の先端面を図中上方向に撓ませながら電流稼働部材22の上面よりも上側へと変形する。
【0088】
次に、前記手術用ハンドピース2のオートクレーブ滅菌が終了して、手術用ハンドピース2が冷却されると、図10(c)に示すように、前記感熱素子23は元の形状に戻ろうとして、感熱素子22の先端と稼動部材23の先端が接触して温度スイッチ18はオン状態となる。
【0089】
このように、温度スイッチ18がオン状態の手術用ハンドピース2を医療装置本体3に接続して、所定の治療処置が行われると、医療装置本体3から温度スイッチ18のポート端子20と接地端子21の間に電流を供給すると電流稼動部材22は、図10(d)に示すように、感熱素子22から離れる方向へ動き(または変形し)、感熱素子23と電流稼働部材22が非接触状態となり、温度スイッチ18はオフ状態となる。
【0090】
このような構成の温度スイッチ18を有する温度監視チップ5’を有する手術用ハンドピース2を用いた医療装置本体の作用について図11を用いて説明する。
【0091】
前記温度監視チップ5’を有する手術用ハンドピース2が前記医療装置本体3に接続されると、医療装置本体3のコントロール回路14はステップS71で、前記手術用ハンドピース2の接続確認が実行され、ステップS72で、コネクター接続部17から温度監視チップ5’の温度スイッチ18のポート端子20と接地端子21の間の電圧が検出され、このポート端子20と接地端子21の間の電圧がロー(LOW)であるか判定される。つまり、前記温度スイッチ18は、オートクレーブ滅菌が施されてオン状態であると、ポート端子20と接地端子21の間の電圧はローとなり、オートクレーブ滅菌が施されずにオフ状態であると、ポート端子20と接地端子21の間の電圧はハイ(HIGH)となる。
【0092】
このステップS72の判定の結果、前記温度スイッチ18のポート端子20と接地端子21の間の電圧がローであると判定されると、コントロール回路14はステップS73で、読み出し/書込手段16を駆動制御して、温度監視チップ5’の記憶素子10に記憶されている滅菌処理回数Nに1を加算させ、ステップS74でその加算された滅菌処理回数Nは、滅菌処理限度回数Ncよりも少ないか判定される。このステップS74の結果、滅菌処理回数Nは、滅菌処理限度回数Ncよりも少ないと判定されると、ステップS75で滅菌処理回数Nは、滅菌処理限度回数Ncの20回前の値Nc−20と比較される。
【0093】
このステップS75の比較の結果、滅菌処理回数Nは、滅菌処理限界回数Ncの20回前の値Nc−20よりも少ないとステップS76で手術用ハンドピース2への処置エネルギーの出力準備モードに移行し、前記ステップS75で滅菌処理回数Nは、滅菌処理限度回数Ncの20回前の値Nc−20よりも大きいと判定されると、ステップS77で表示パネル6に手術用ハンドピース2の滅菌処理限度回数に近いことを通知し、注意を促す、例えば「このハンドピースの使用可能回数は、あと“Nc−N”回です」と表示するための表示情報を生成出力し、前記ステップS76に移行する。
【0094】
前記ステップS72の判定の結果、前記温度スイッチ18のポート端子20と接地端子21の間の電圧がハイであると判定されると、つまり、前記手術用ハンドピース2は滅菌処理されていないことを示しているために、コントロール回路14はステップS78で、表示パネル6に手術用ハンドピース2は滅菌処理されていないこと警告表示する、例えば「このハンドピースは未滅菌です」との表示をするための表示情報を生成出力し、前記ステップS80で医療装置本体3を手術ハンドピース2の接続スタンバイモードして、手術用ハンドピース2への処置エネルギーの出力を禁止とする。
【0095】
前記ステップS74で滅菌処理回数Nが滅菌処理限度回数Ncを越えていると判定されると、コントロール回路14はステップS79で、表示パネル6に手術用ハンドピース2は滅菌処理限度回数Ncを超え、使用できない旨を警告表示する、例えば「このハンドピースを交換してください」との表示をするための表示情報を生成出力し、前記ステップS80の医療装置本体3をスタンバイモードして、手術用ハンドピース2への処置エネルギーの出力を禁止へと移行する。
【0096】
なお、前記ステップS75の判断において、滅菌処理回数Nを滅菌処理限度回数Ncの20回前の値Nc−20を滅菌処理限度回数Ncの10回前や5回前の値Nc−10,Nc−5と任意に設定できる。
【0097】
以上説明したように、この第4の実施形態は、前述した第1と第2の実施形態と同じ効果を有すると共に、手術用ハンドピース2の温度監視チップ5’には、バッテリを用いずにオートクレーブ滅菌の有無を監視することが可能となり、温度監視チップ5’の構成も簡素化でき、かつ、記憶素子10の記憶容量の小さいものが使用できる。
【0098】
次に本発明の第5の実施形態の医療システムについて、図12乃至図14を用いて説明する。図12は本発明の第5の実施形態の医療システムの医療装置本体に設けられる接続端子の構成を説明する説明図、図13は本発明の第5の実施形態の医療システムの手術用ハンドピースに設けられる温度スイッチの内部構成と作用を説明する説明図、図14は本発明の第5の実施形態の医療システムの作用を説明するフローチャートである。
【0099】
この第5の実施形態の医療システムは、前述した手術用ハンドピース2と医療装置本体3からなり、手術用ハンドピース2には、図9を用いて説明した温度監視チップ5’が用いられているが、この温度監視チップ5’の温度スイッチ18’は、図10を用いて説明した温度スイッチ18とは異なり、かつ、医療装置本体3のコネクター接続部17の構成が異なる。
【0100】
この第5の実施形態の医療システムの医療装置本体3のコネクター接続部17には、図12に示すように、医療装置本体2のコネクター接続部17が設けられる外枠24に接続端子33が配置されている。この接続端子33は、一端が外枠24に取付固定されている固定端子26と、この固定端子26と併設され、軸方向に摺動可能に配置されている可動端子25とからなる。前記外枠24の内部には、前記可動端子25の基端が配置され、かつ、その可動端子25の基端部には、弾性体を有するスイッチ機構27が設けられている。つまり、この可動端子25は、スイッチ機構27の弾性体で、可動端子25を外枠24の外方向へと付勢しており、この弾性体の付勢に抗して、前記可動端子25が押圧されると、可動端子25は、スイッチ機構27の接点をオンさせるようになっている。
【0101】
次に、この第5の実施形態の温度監視チップ5’に用いる温度スイッチ18’について、図13を用いて説明する。
【0102】
この温度スイッチ18’は、筐体の内面の図中の底面には、バイメタルや形状記憶合金等の熱変形部材を用いて矩形状に形成された感熱素子28の基端が取付固定されている。さらに、筐体の内部には、回転軸34により軸止されたカム部材29が配置されている。このカム部材29には、前記感熱素子28の先端と噛み合う溝部30aと平面部30b、及びこの溝部30aと略反対方向に延出されている突起部32が形成されている。このカム部材29の突起部32は、前記筐体の上部側面に開口されている接続口35から連通されている接続路へと延在されている。この接続口35は、図12で説明した、医療装置本体3のコネクター接続部17に設けられる接続端子33が挿入されるようになっている。さらに、前記カム部材26の突起部32には、弾性体31が配置され、カム部材29の突起部32を接続口35側に付勢するようになっている。
【0103】
このような構成の温度スイッチ18’を前記手術用ハンドピース2のコネクタ4に内蔵される温度監視チップ5’に用いると、前記手術用ハンドピース2を前記医療装置本体3から取り外した状態では、図13(a)に示すように、前記カム部材29の溝部30aと感熱素子28の先端とは、噛み合った状態となっており、突起部32は弾性体31の弾性力に抗して、接続口35に連通する接続路の奥側に位置されている。
【0104】
このような温度スイッチ18’の状態の温度監視チップ5’を有する手術用ハンドピース2をオートクレーブ滅菌装置により加熱滅菌処理を行い、所定の加熱滅菌温度、例えば、120゜C以上となると、図13(b)に示すように、その加熱温度により温度スイッチ18’の感熱素子28は変形する。この感熱素子28の変形により、感熱素子28の先端は、前記カム部材29の溝部30aとの噛み合いが解除される。この感熱素子28の先端とカム部材29の溝部30aとの噛み合いが解除されると、カム部材29は、弾性部材31に弾性力により回転軸34を中心に図中反時計方向に回動して、カム部材29の突起部32は、接続口35の近傍まで回動する。
【0105】
前記オートクレーブ滅菌装置で滅菌加熱処理された後の手術用ハンドピース2は、冷却されるが、その冷却過程で、前記温度スイッチ18’は、図13(c)に示すように、感熱素子28が元の形状へ戻る過程で、前記滅菌加熱時にカム部材29が回転しているために、感熱素子28はカム部材29の溝部30aとは噛み合わず、平面部30bに当接する。つまり、カム部材29の突起32は、接続口35側へ回動された状態が維持される。
【0106】
このようにして、滅菌加熱処理され、かつ、滅菌加熱処理後冷却された手術用ハンドピース2を医療装置本体3に接続して医療治療を行う際に、図13(d)に示すように、医療装置本体3のコネクター接続部17に設けられた接続端子33を手術ハンドピース2の温度監視チップ5’の温度スイッチ18’の接続口35に挿入させる。この温度スイッチ18’の接続口35から前記接続端子33が挿入されると、この接続端子33によりカム部材29の突起部32は、弾性部材31の弾性力に抗して、図中右方向へと押し込まれ、カム部材29は回転軸34を中心に時計方向回転して、感熱素子28の先端は、平面部30bから移動して溝部30aと噛み合う。この時、前記接続端子33の可動端子25は、カム部材29の突起部32によりスイッチ機構27側に押圧されて、スイッチ機構27がオン状態となり、固定端子26により突起部32を所定位置まで押し込み作用させる。このスイッチ機構27のオン/オフにより医療装置本体3はも手術用ハンドピース2の接続有無を判別できる。
【0107】
このような構成の手術用ハンドピース2と医療装置本体3による手術用ハンドピース2の滅菌処理の判別作用について図14を用いて説明する。
【0108】
ステップS91で、手術用ハンドピース2が医療装置本体3に接続されると、コントロール回路14はステップS92で、前記手術用ハンドピース2が接続されると、接続端子33の可動端子25によりスイッチ機構27が押されてオンされたか、そのオン情報により手術用ハンドピース2の接続確認判定を行う。
【0109】
このステップS92でスイッチ機構27のオン情報により手術用ハンドピース2の接続が確認されると、コントロール回路14はステップS93で、読み出し/書込手段16を駆動制御して、温度監視チップ5’の記憶素子10に記憶されている滅菌処理回数Nに1を加算させ、ステップS94でその加算された滅菌処理回数Nは、滅菌処理限度回数Ncよりも少ないが判定される。このステップS94の結果、滅菌処理回数Nは、滅菌処理限度回数Ncよりも少ないと判定されると、ステップS95で滅菌処理回数Nは、滅菌処理限度回数Ncの20回前の値Nc−20と比較される。
【0110】
このステップS95の比較の結果、滅菌処理回数Nは、滅菌処理限界回数Ncの20回前の値Nc−20よりも少ないとステップS96で手術用ハンドピース2への処置エネルギーの出力準備モードに移行し、前記ステップS95で滅菌処理回数Nは、滅菌処理限度回数Ncの20回前の値Nc−20よりも大きいと判定されると、ステップS97で表示パネル6に手術用ハンドピース2の滅菌処理限度回数に近いことを通知し、注意を促す、例えば「このハンドピースの使用可能回数は、あと“Nc−N”回です」と表示するための表示情報を生成出力し、前記ステップS96に移行する。
【0111】
前記ステップS92の判定の結果、前記可動端子25はスイッチ機構27は押されてなく、スイッチ機構27からオフ情報が検出されていると判定されると、つまり、前記手術用ハンドピース2は滅菌処理されていなく、前記温度スイッチ18’のカム部材29は図13(a)の状態であることを示しているために、コントロール回路14はステップS98で、表示パネル6に手術用ハンドピース2は滅菌処理されていないこと警告表示する、例えば「このハンドピースは未滅菌です」との表示するための表示情報を生成出力し、前記ステップS99で医療装置本体3を手術用ハンドピース2の再接続スタンバイモードにして、手術用ハンドピース2への処置エネルギーの出力を禁止とする。
【0112】
前記ステップS94で滅菌処理回数Nが滅菌処理限度回数Ncを越えていると判定されると、コントロール回路14はステップS100で、表示パネル6に手術用ハンドピース2は滅菌処理限度回数Ncを超え、使用できない旨を警告表示する、例えば「このハンドピースを交換してください」との表示をするための表示情報を生成出力し、前記ステップS99の医療装置本体3をスタンバイモードして、手術用ハンドピース2への処置エネルギーの出力を禁止へと移行する。
【0113】
なお、前記ステップS95の判断において、滅菌処理回数Nを滅菌処理限度回数Ncの20回前の値Nc−20を滅菌処理限度回数Ncの10回前や5回前の値Nc−10,Nc−5とすることもできる。
【0114】
以上説明したように、この第5の実施形態は、前述した第1乃至第4の実施形態と同じ効果を有する。
【0115】
[付記]
以上詳述した本発明の実施形態によれば、以下のごとき構成を得ることができる。
【0116】
(付記1) 加熱滅菌処理される医療機具と、前記医療機具を着脱自在に接続して電気的に駆動する駆動手段を有する医療装置とを備えた医療システムにおいて、
前記医療機具に設けられ、前記加熱滅菌処理の熱によって変化可能な熱変化手段と、
前記加熱滅菌処理の熱によって変化した前記熱変化手段の変化状態を保持可能な変化状態保持手段と、
前記医療装置に設けられ、前記医療機具を接続したときに前記変化状態保持手段で保持された前記熱変化手段の前記変化状態を読み取り可能な変化状態読み取り手段と、
前記医療装置に設けられ、前記熱変化状態を読み取り手段で読み取られた変化状態情報に基づき、前記加熱滅菌処理の実施を判別する滅菌実施判別手段と、
を具備したこと特徴とする医療システム。
【0117】
(付記2) 加熱滅菌処理される医療機具と、前記医療機具を着脱自在に接続して電気的に駆動する駆動手段を有する医療装置とを備えた医療システムにおいて、
前記医療機具に設けられ、前記加熱滅菌処理の熱を電気的に検知可能な熱検知手段と、
前記医療機具に設けられ、前記熱検知手段で検知された検知情報を電気的に記憶可能な記憶手段と、
前記医療機具に設けられ、前記記憶手段と前記熱検知手段とに電力を供給可能なバッテリ手段と、
前記医療装置に設けられ、前記医療機具を接続するときに前記記憶手段に記憶された検知情報を読み取り可能な情報読み取り手段と、
前記医療装置に設けられ、前記情報読み取り手段で読み取られた検知情報に基づき、前記加熱滅菌処理の実施を判別する滅菌実施判別手段と、
を具備したこと特徴とする医療システム。
【0118】
(付記3) 加熱による滅菌を必要とする医療器具又は医療用処置具と、それらと接続される医療装置本体とからなる医療システムにおいて、
医療器具又は医療用処置具の内部に設けられ、加熱により変形する加熱変形部位と、加熱後に冷却しても前記加熱変形部位の変形を保持させる変形保持部位とからなる加熱検知手段と、
前記医療装置本体の内部に設けられ、前記加熱検知手段の加熱変形部位の変形状態を読み取る読取り手段と、
前記読取り手段により前記加熱検知手段から読み取った加熱変形部位の加熱変形に応じて、加熱滅菌実施の有無を判別する判別手段と、
前記医療装置本体には、前記読み取り手段で前記加熱検知手段の加熱変形部位を元の状態に戻す復帰手段と、。
【0119】
を具備して、前記医療器具又は処置具の加熱滅菌が行なわれたか否かを判別することを可能にした医療システム。
【0120】
(付記4) 加熱による滅菌を必要とする医療器具又は医療用処置具と、それらと接続される医療装置本体とからなる医療システムにおいて、
前記医療器具又は処置具の内部に、温度を測定する温度センサー素子と、時間を測るためのオシレータ素子と、前記温度素子により観測される処置具の温度変化を記憶する記憶素子と、それら素子を制御するためのコントロール回路と、及びそれら素子を駆動するためのバッテリーとを具備しており、
前記医療器具又は医療用処置具の温度を一定時間おきに監視し、前記医療装置本体の内部には、医療装置本体に前記医療器具又は処置具を接続したときに、上記記憶素子内のデータを読み出す読み出し手段と、その読み出し結果に基づき滅菌実施の有無を判別する判別手段と、により処置具の加熱滅菌が行なわれたか否かを判別する医療システム。
【0121】
(付記5) 前記医療器具又は処置具を前記医療装置本体から抜去したときに温度測定が開始され、前記記憶素子に記憶された温度のデータは、前記医療器具又は処置具を前記医療装置本体に接続して滅菌の有無の判別が行なわれた後にすべて消去することを特徴とした付記4記載の医療システム
(付記6) 前記医療器具又は処置具を医療装置本体に接続して使用するときに、その医療器具又は処置具が加熱滅菌されていない場合には、前記医療器具又は処置具の使用を停止し、その由をユーザーに告知する手段を前記医療装置本体に具備した付記3又は4にいずれかに記載の医療システム。
【0122】
(付記7) 前記医療器具又は処置具の内部には滅菌回数データを記憶するための記憶素子を具備しており、前記医療器具又は処置具が医療装置本体に接続されたときに、医療装置本体において加熱滅菌の実施の有無を判断し、加熱滅菌が実施されていた場合には、接続部を通して前記記憶素子の滅菌回数データを1増やすように前記医療装置本体に設けられた滅菌回数データ書き込み手段を具備した付記3又は4のいずれかに記載の医療システム。
【0123】
(付記8) 加熱による滅菌を必要とする医療器具又は医療用処置具と、それらと接続される医療装置本体とからなる医療システムにおいて、
前記医療器具又は処置具の内部に、温度を測定する温度センサー素子と、時間を測るためのオシレータ素子と、処置具が滅菌された回数を記憶する記憶素子と、
それら各素子を制御するためのコントロール回路と、それらを駆動するためのバッテリーとを具備し、前記医療器具又は医療用処置具の温度を一定時間おきに監視する上記コントロール回路は、前記温度センサー素子により計測された温度が予め登録されている規定温度を超えたことを検知する検知手段と、前記検知手段により計測温度が規定温度を超えたときに前記記憶素子に記憶されている滅菌回数の値を1増やし、前記医療器具又は処置具が冷却後に再加熱されて規定温度を超えると検知手段に再検知され、再度上記記憶素子に記憶されている滅菌回数の値を1増やし、前記医療装置本体の内部には、医療装置本体に前記医療器具又は処置具を接続したときに、上記記憶素子内のデータを読み出す読み出し手段を具備することを特徴とする医療システム。
【0124】
(付記9) 前記医療器具又は処置具に具備された前記記憶素子に記憶されている滅菌回数データが、予め規定された回数に達しているか否かを判断する手段を前記医療装置本体に設け、前記滅菌回数データが規定された回数に達している場合は上記医療器具又は処置具の使用を停止し、その由をユーザーに告知する告知手段を具備した付記7又は8のいずれかに記載の医療システム。
【0125】
(付記10) 使用回数が予め規定された使用回数に近づいた場合に、前記医療装置本体において残りの使用可能回数をユーザーに告知する告知手段を具備した付記9に記載の医療システム。
【0126】
【発明の効果】
本発明の医療システムは、医療器具の加熱滅菌処理有無と処理回数が自動的に記録でき、医療装置で医療器具の加熱滅菌処理の有無判別と、加熱滅菌処理回数が確実に管理認識できる効果を有している。
【0127】
また、治療行為において、不注意で未加熱滅菌の医療器具を使用とした場合には、確実に未加熱滅菌状態が検出でき術者に告知可能で、未加熱滅菌の医療器具の使用を未然に阻止でき、かつ、加熱滅菌処理が限界回数に近づくと術者に告知されることから、手術用ハンドピースの使用限度を確実に把握できる効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の医療システムの全体構成を説明する説明図。
【図2】本発明の第1の実施形態の医療システムに用いる温度監視チップの構成を示すブロック図。
【図3】本発明の第1の実施形態の医療システムに用いる医療装置本体の構成を示すブロック図。
【図4】本発明の第1の実施形態の医療システムにおける手術用ハンドピースの温度測定動作を説明するフローチャート。
【図5】本発明の第1の実施形態の医療システムにおける手術用ハンドピースを医療装置本体から外した状態の動作を説明するフローチャート。
【図6】本発明の第2の実施形態の医療システムにおける手術用ハンドピースの温度測定動作を説明するフローチャート。
【図7】本発明の第3の実施形態の医療システムにおける手術用ハンドピースの温度測定動作を説明するフローチャート。
【図8】本発明の第3の実施形態の医療システムにおける手術用ハンドピースを医療装置本体に取り付けた状態の動作を説明するフローチャート。
【図9】本発明の第4の実施形態の医療システムに用いる温度監視チップの構成を示すブロック図。
【図10】本発明の第4の実施形態の医療システムに用いる温度監視チップに内蔵されている温度スイッチの構成と作用を説明する説明図。
【図11】本発明の第4の実施形態の医療システムの作用を説明するフローチャート。
【図12】本発明の第5の実施形態の医療システムの医療装置本体に設けられる接続端子の構成を説明する説明図。
【図13】本発明の第5の実施形態の医療システムの手術用ハンドピースに設けられる温度スイッチの内部構成と作用を説明する説明図。
【図14】本発明の第5の実施形態の医療システムの作用を説明するフローチャート。
【符号の説明】
1…医療システム
2…手術用ハンドピース
3…医療装置本体
4…コネクタ
5…温度監視チップ
6…表示パネル
8…温度センサ素子
9…オシレータ素子
10…記憶素子
11…コントロール回路
12…バッテリ
13…入出力端子(IO)
14…コントロール回路
15…駆動回路
16…読み出し/書込手段
17…コネクター接続部
36…充電手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療器具の加熱滅菌処理の実施状態を判別可能な医療システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、各種医療器具は、診断治療に一度使用した後には、廃棄処分するものと、滅菌洗浄処理して再度使用されるものとがある。
【0003】
この滅菌洗浄して、再使用される医療器具は、診断治療後の未滅菌洗浄医療器具と、滅菌洗浄後の滅菌洗浄済み医療器具とを厳格に管理する必要がある。
【0004】
この再使用される医療器具の滅菌洗浄状態を管理する方法として、医療装置の滅菌洗浄、特に高温水蒸気の基で滅菌洗浄するオートクレーブ滅菌による滅菌処理回数を個々の医療器具毎に管理する方法として、医療器具に形状記憶合金と、この形状記憶合金の熱による伸縮により回動させるラチェット式歯車と、このラチェット歯車に数字を表記させ、オートクレーブ滅菌下で、前記形状記憶合金の伸張により前記ラチェット歯車を回動させ、そのラチェット歯車に表記している数字を所定の表示窓から表示させることで、オートクレーブ滅菌の回数を表示させるようにした加熱回数の表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、電子内視鏡をビデオプロセッサに接続するコネクタに滅菌洗浄情報を記録させる記憶素子を内蔵させた電子内視鏡と、この電子内視鏡の滅菌洗浄時に、前記コネクタに設けられる防水キャップを介して、前記記憶素子に洗浄実施の有無や洗浄累積回数などの洗浄情報を書込む機能を有する滅菌洗浄装置と、前記電子内視鏡のコネクタを介して、電子内視鏡を駆動制御し、撮像された撮像信号から所定の映像信号を生成して、モニターに内視鏡像を表示させると共に、前記コネクタの記憶素子に記録されている洗浄情報から滅菌洗浄の有無や回数などを読み取り前記モニターに表示させるビデオプロセッサとからなる電子内視鏡の洗浄状態確認装置等が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−165530号公報。
【0007】
【特許文献2】
特許第3340561号公報。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述した特許文献1に提案されている加熱回数の表示装置は、累積の滅菌加熱回数の管理と、この加熱回数から医療器具の使用限度判定等に有効であるが、その医療器具の現在の状態が、加熱滅菌済みであるか、あるいは、これから加熱滅菌を行うのか等の加熱滅菌の有無や加熱滅菌時期など判別できない。
【0009】
これに対して、前述した特許文献2は、滅菌洗浄の有無、洗浄方法、及び洗浄回数などが判明できるようになっているが、電子内視鏡のコネクタに記憶素子を設け、かつ、洗浄装置に前記記憶素子に対して、洗浄の有無、洗浄方法、及び洗浄回数などの洗浄情報を書込記録させる機能を有する必要がある。
【0010】
このため、少なくとも、洗浄装置に洗浄情報を書込記録させる機能を有する必要があり、この洗浄情報の書込記録機能を有していない洗浄装置で洗浄した電子内視鏡には、洗浄情報の書込ができない。よって、洗浄情報書込機能のない洗浄装置で洗浄された電子内視鏡は、洗浄の有無や洗浄回数を管理できない課題がある。
【0011】
本発明は、このように事情に鑑みなされたもので、加熱滅菌処理情報の書込機能を有していない加熱滅菌装置を用いて加熱滅菌処理されても、加熱滅菌処理の有無や処理回数等の加熱滅菌処理情報を容易に記録すると共に、その加熱滅菌処理情報を表示認識可能な医療システムを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の医療システムは、加熱滅菌処理される医療器具と、前記医療器具を着脱自在に接続して電気的に駆動する駆動手段を有する医療装置とを備えた医療システムにおいて、前記医療器具に設けられ、前記加熱滅菌処理の熱によって変化可能な熱変化手段と、前記加熱滅菌処理の熱によって変化した前記熱変化手段の変化状態を保持可能な変化状態保持手段と、前記医療装置に設けられ、前記医療器具を接続したときに前記変化状態保持手段で保持された前記熱変化手段の前記変化状態を読み取り可能な変化状態読み取り手段と、前記医療装置に設けられ、前記熱変化状態を読み取り手段で読み取られた変化状態情報に基づき、前記加熱滅菌処理の実施を判別する滅菌実施判別手段と、を具備したこと特徴とする。
【0013】
また、本発明の医療システムは、加熱滅菌処理される医療器具と、前記医療器具を着脱自在に接続して電気的に駆動する駆動手段を有する医療装置とを備えた医療システムにおいて、前記医療器具に設けられ、前記加熱滅菌処理の熱を電気的に検知可能な熱検知手段と、前記医療器具に設けられ、前記熱検知手段で検知された検知情報を電気的に記憶可能な記憶手段と、前記医療器具に設けられ、前記記憶手段と前記熱検知手段とに電力を供給可能なバッテリ手段と、前記医療装置に設けられ、前記医療器具を接続するときに前記記憶手段に記憶された検知情報を読み取り可能な情報読み取り手段と、前記医療装置に設けられ、前記情報読み取り手段で読み取られた検知情報に基づき、前記加熱滅菌処理の実施を判別する滅菌実施判別手段と、を具備したこと特徴とする。
【0014】
本発明の医療システムは、加熱滅菌処理の有無判別と、加熱滅菌処理回数が容易に把握でき、加熱滅菌処理の管理が容易となった。また、治療行為において、不注意で未加熱滅菌の医療器具を使用とする場合には、確実に未加熱滅菌状態が検出されて術者に告知され、未加熱滅菌の医療器具の使用を未然に阻止でき、かつ、加熱滅菌処理が医療器具の性能や機能を損なう限界回数に近づくと術者に告知されることから、医療器具の交換時期を確実に把握できるようになった。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明の医療システムの第1の実施形態について、図1乃至図5を用いて説明する。
【0016】
図1は本発明の第1の実施形態の医療システムの全体構成を説明する説明図、図2は本発明の第1の実施形態の医療システムに用いる手術用ハンドピースに内蔵される温度監視チップの構成を示すブロック図、図3は本発明の第1の実施形態の医療システムに用いる医療装置本体の構成を示すブロック図、図4は本発明の第1の実施形態の治療システムにおける手術用ハンドピースの温度測定動作を説明するフローチャート、図5は本発明の第1の実施形態の治療システムにおける手術用ハンドピースと医療装置本体との接続状態時の動作を説明するフローチャートである。
【0017】
最初に本発明の医療システムの全体構成を図1を用いて説明する。本発明の医療システム1は、外科的処置を行う外科手術用ハンドピース(以下、単に手術用ハンドピースと称する)2と、この手術用ハンドピース2に出力エネルギーを供給する医療装置本体3とからなり、手術用ハンドピース2と医療装置本体3とは、ケーブル7とコネクター4を介して接続されている。
【0018】
前記手術用ハンドピース2は、超音波処置具、電気メス、又はレーザメス等の医療器具である。
【0019】
前記医療装置本体3は、前記手術用ハンドピース2である各種医療器具に応じて、超音波振動、高周波電流、レーザー、又はトリル等の処置エネルギーを生成出力するようになっている。
【0020】
この医療装置本体3から生成出力された出力エネルギーの基で、前記手術用ハンドピース2を駆動させて、外科的治療処置を行うようになっている。
【0021】
また、手術用ハンドピース2の基端から延出しているケーブル7の先端には、前記治療装置本体3に接続するためのコネクタ4が設けられている。このコネクタ5の内部には、温度監視チップ5が内蔵されている。
【0022】
さらに、前記医療装置本体3には、この医療装置本体2で生成出力する出力エネルギーの設定状態やエラー状態を表示する為の表示パネル6が備えられている。
【0023】
次に、前記手術用ハンドピース2のコネクタ4に内蔵されている温度監視チップ5の構成について図2を用いて説明する。温度監視チップ5を内蔵している部位の温度を計測する温度センサ素子8、時間測定の基準となる信号を発振するオシレータ素子9、手術用ハンドピース2の個体情報、及び後述する加熱滅菌温度や加熱滅菌処理回数等の各種情報データを記憶保存する記憶素子10、これら温度センサ素子8、オシレータ素子9、及び記憶素子10の3つの素子を駆動制御すると共に、医療装置本体3と各種情報データと制御信号の授受を行うコントロール回路11、このコントロール回路11を駆動する為に必要な電力を供給するバッテリー12、及び前記コントロール回路11と医療装置本体3との間で各種情報データや制御信号を授受するための入出力端子(以下、単にIOと称する)13からなっている。
【0024】
なお、前記温度監視チップ5は、前記コネクタ4に内蔵させる以外に、前記手術用ハンドピース2やケーブル7に内蔵させても良い。さらに、前記温度センサ素子8としては、温度測定用素子の他に、サーモスタットを用いても良く、また前記記憶素子10は、SRAMやEEPROM等が用いられる。
【0025】
前記医療装置本体3の構成について図3を用いて説明する。前記手術用ハンドピース2のケーブル7に設けられたコネクタ4が接続されると共に、温度監視チップ5のIO13が接続される入出力ポート(以下、IO/PORTと称する)を有するコネクター接続部17、このコネクター接続部17を介して、前記手術用ハンドピース2を駆動制御すると共に、処置エネルギーを生成出力する駆動回路15、前記コネクター接続部17のIO/PORTから前記手術用ハンドピース2に内蔵された前記温度監視チップ5の記憶素子10に記憶されている各種情報データの読み出しと書き込みを行うための読み出し/書込手段16、前記駆動回路15と前記読み出し/書込手段16を駆動制御すると共に後述する表示パネル6と充電手段36を駆動制御するコントロール回路14からなっている。前記表示パネル6は、前記医療装置本体3の表面に設けられ、前記コントロール回路14で駆動制御されると共に、コントロール回路14で生成された文字記号等の情報を表示するようになっている。また、前記充電手段36は、前記コントロール回路14の駆動制御の基で、前記温度監視チップ5のバッテリ12を充電する。
【0026】
このような構成の医療システムの作用を説明する。最初に、高温水蒸気下で滅菌処理を行うオートクレーブ滅菌処理時における手術用ハンドピース2の温度監視チップ5の作用について図4を用いて説明する。
【0027】
前記手術用ハンドピース2のコントロール回路11は、ステップS11で医療装置本体3から前記コネクタ4が取り外されたことを検出すると、ステップS12で、温度センサ素子8を駆動制御して、温度監視チップ5の周辺温度の計測を行うと共に、前記コントロール回路11は前記オシレータ素子9から出力される基準信号の基で、前記温度計測開始からの経過時間を計測する。
【0028】
このステップS12で温度計測開始と共に経過時間計測し、例えば、3分間経過すると、前記コントロール回路11はステップS13で、再度温度センサ素子8を駆動制御して温度計測を行う。
【0029】
このステップS13で計測した温度を基に、コントロール回路11はステップS14で、その計測温度が所定の温度、例えば、オートクレーブ滅菌の規定の加熱滅菌処理温度である、例えば、120゜Cを越えているか判定する。
【0030】
このステップS14の判定の結果、前記ステップS13で計測した温度が規定温度、例えば、120゜Cと比較し、規定温度の120゜C以下である場合は、前記ステップS13に戻り、さらに、3分経過した時の温度を再計測し、その再計測した温度を再度ステップS14で規定温度120゜C以上であるか判定する。
【0031】
つまり、前記手術用ハンドピース2は、医療装置本体3から取り外された以降、3分間隔で温度計測され、オートクレーブ滅菌装置により滅菌処理が行われ、コネクタ4に内蔵されている温度監視チップ5の温度センサ素子8で計測された温度が規定温度120゜C以上、即ち、オートグレープ滅菌処理の規定温度以上に到達するまで温度計測が繰り返し実行される。なお、ステップS14で計測温度が規定温度以下であると判定され、ステップS13で再計測する時間である3分後に到達していない時間帯は、コントロール回路11は、バッテリ12から前記温度センサ素子8や記憶素子10等への駆動電力供給を停止させて、バッテリ12の消耗を軽減させるようにする。
【0032】
前記ステップS14で、温度センサ素子8で計測した温度が規定温度120゜C以上であると判定されると、コントロール回路11はステップS15で、前記記憶素子10に設けられている滅菌回数の値Nに1を加算して、その滅菌回数Nを記憶させる。
【0033】
このステップS15の滅菌回数Nの記憶素子10への記憶が終了すると、ステップS16でコントロール回路11は、記憶素子10に滅菌処理済み情報を記憶させると共に温度計測を終了させ、前記バッテリ12からの駆動電力供給を停止させる。
【0034】
即ち、コネクタ4に温度監視チップ5を内蔵した手術用ハンドピース2をオートクレーブ滅菌装置により滅菌処理する際に、前記手術用ハンドピース2の効果的な滅菌処理条件である規定温度に到達したか監視し、その規定温度に到達すると滅菌処理回数Nに1を加算して、滅菌処理の累計回数を温度監視チップ5に記憶保持させると共に、滅菌処理済み情報を記憶させる。
【0035】
なお、前記温度センサ素子8に代えて、サーモスタットを用いた場合は、測定温度と規定温度とのステップS14における比較は、サーモスタットのON/OFF状態により判別されるようにする。
【0036】
このようにコネクタ4に内蔵した温度監視チップ5に滅菌処理済みと滅菌処理回数Nとを記憶させた手術用ハンドピース2を医療装置本体3に接続して治療処置する際の作用について、図5を用いて説明する。
【0037】
前記医療装置本体3のコネクター接続部17に、前述手術用ハンドピース2のコネクタ4が接続されると、医療装置本体3のコントロール回路14は、手術用ハンドピース2の接続をステップS21で認知し、ステップS22で読み出し/書込手段16を駆動制御して、前記手術用ハンドピース2の温度監視チップ5のコントロール回路11とデータ伝送処理を行い、記憶素子10に記憶されている滅菌処理情報の読み出しを行う。
【0038】
このステップS22の温度監視チップ5の記憶素子10からの滅菌処理情報の読み出しと同時に、ステップS28で充電手段36を駆動制御して、手術用ハンドピース2の温度監視チップ5に内蔵されているバッテリ12の充電動作を開始し、ステップS29で前記バッテリ12の充電満了が確認されると充電動作を終了させる。
【0039】
前記コントロール回路14は、前記ステップS22で温度監視チップ5の記憶素子10から読み出した滅菌処理情報を基に、ステップS23で、滅菌処理済みであるか、又は滅菌処理回数Nは、事前設定されている滅菌処理の限度回数Nc以下であるか判定される。
【0040】
この滅菌処理限度回数Ncとは、手術用ハンドピース2は滅菌処理を繰り返しているうちに、手術用ハンドピース2を構成する各種部材が劣化して、所定の性能維持ができなくなる虞があり、このために、滅菌限度回数を設定し、その滅菌限度回数を越えた手術用ハンドピース2は治療に使用しないように管理される。つまり、手術用ハンドピース2の使用回数の管理が行われる。
【0041】
このステップS23の判定の結果、滅菌処理が済んでいない、又は滅菌処理回数Nが滅菌限度回数Ncを越えているのいずれかが該当すると判定されると、ステップS26でコントロール回路14は、表示パネル6に手術用ハンドピース使用禁止と交換を促すメッセージ、例えば、「ハンドピースを交換してください」との表示をするための表示情報を生成出力し、ステップS27でコントロール回路14は、手術用ハンドピース2の駆動制御のスタンバイモードとし、かつ、駆動回路15は手術用ハンドピース2への処置エネルギーの出力停止状態に制御する。
【0042】
前記ステップS23で手術用ハンドピース2から読み込んだ滅菌処理情報から、滅菌処理が終了しており、かつ、滅菌処理回数Nは、滅菌限度回数Nc以下であると判定されると、ステップS24でコントロール回路14は、滅菌処理回数Nが滅菌限度回数Ncから20回を減算したNc−20と比較する。
【0043】
つまり、滅菌処理回数Nが滅菌限度回数Ncの20回前まで滅菌処理されて、残りの滅菌回数は20回を切っており手術用ハンドピース2の使用限界時期が近いことの認識ができる。なお、このステップS24のNc−20は、必用に応じてNc−10(10回)又はNc−5(5回)等のように任意に設定することができる。
【0044】
このステップS24の判定の結果、滅菌処理回数Nは、滅菌限度回数Ncから20を減算したNc−20以下であると判定されると、ステップS24でコントロール回路14は、駆動回路15を手術用ハンドピース2への処置エネルギーの出力準備モードに制御する。
【0045】
前記ステップS24で、滅菌処理回数Nが滅菌限度回数Ncから20を減算したNc−20以内であると判定されると、ステップS30でコントロール回路14は、表示パネル6に手術用ハンドピース2が滅菌限界に近づいていることを知らせるメッセージ、例えば、「このハンドピースの使用可能回数は、あと“Nc−N”回です」との表示をするための表示情報を生成出力し、前記ステップS25の処理へと移行する。
【0046】
なお、前記ステップS25の駆動回路15から手術用ハンドピース2への処置エネルギーの出力準備モードから治療実施のために処置エネルギーの出力が実行されると、図示していないが、コントロール回路14は、読み出し/書込手段16を駆動制御して、前記温度監視チップ5のコントロール回路11を介して、記憶素子10の滅菌処理情報の滅菌処理済みを未滅菌処理又は滅菌処理が必要と書き換える。
【0047】
以上説明したように、本発明の医療システム1は、オートクレーブ滅菌装置で滅菌処理される度に、手術用ハンドピース2のコネクタ4に設けられた温度監視チップ5により、自動的にオートクレーブ滅菌処理温度を感知し、その温度感知により滅菌処理の終了情報と滅菌処理回数を記憶素子に書込記憶させることが可能となる。
【0048】
この滅菌処理情報を有する手術用ハンドピース2を医療装置本体3に接続して、治療行為を行う際には、手術用ハンドピース3の滅菌処理情報を基に未滅菌処理及び滅菌限度回数を超えた手術用ハンドピース2の使用を未然に防止することができ、かつ、滅菌限度回数に近づいた際には、残りの滅菌処理回数が表示されるために、新しい手術用ハンドピース2を準備も容易となる。
【0049】
次に、本発明の第2の実施形態の医療システムを図6を用いて説明する。図6は本発明の第2の実施形態の医療システムにおける手術用ハンドピースの温度測定動作を説明するフローチャートである。
【0050】
この第2の実施形態の医療システムの構成は、図1乃至図3と同じで、手術用ハンドピース2の温度監視チップ5のオートクレーブ滅菌処理時の作用が異なるものである。
【0051】
この第2の実施形態の温度監視チップ5の作用について、図6を用いて説明する。前記手術用ハンドピース2の温度監視チップ5のコントロール回路11は、ステップS31で前記医療装置本体3から前記コネクタ4が取り外されたことを検出すると、ステップS32で、温度センサ素子8を駆動制御して、温度監視チップ5の周辺温度の計測を行うと共に、前記コントロール回路11は前記オシレータ素子9から出力される基準信号の基で、前記温度計測開始からの経過時間を計測する。
【0052】
このステップS32で温度計測開始と共に経過時間計測し、例えば、3分間経過すると、前記コントロール回路11はステップS33で、再度温度センサ素子を駆動制御して温度計測を行う。
【0053】
このステップS33で計測した温度を基に、コントロール回路11はステップS34で、その計測温度が所定の温度、例えば、オートクレーブ滅菌の規定の滅菌処理温度である、例えば、120゜C以上であるか判定する。
【0054】
このステップS34の判定の結果、前記ステップS13で計測した温度が規定温度、例えば、120゜Cと比較し、規定温度の120゜C以下である場合は、前記ステップS33に戻り、さらに、3分経過した時の温度を再計測し、その再計測した温度を再度ステップS34で規定温度120゜C以上であるか判定する。
【0055】
つまり、前記手術用ハンドピース2は、医療装置本体3から取り外された以降、3分間隔で温度計測が行われ、オートクレーブ滅菌装置により滅菌処理が行われ、コネクタ4に内蔵されている温度監視チップ5の温度センサ素子8で計測される温度が規定温度120゜C以上、即ち、オートグレープ滅菌処理の規定温度以上に到達するまで温度計測が繰り返し実行される。なお、ステップS34で計測温度が規定温度以下であると判定され、ステップS33で再計測する時間である3分後に到達していない時間帯は、コントロール回路11は、バッテリ12から前記温度センサ素子8や記憶素子10等への駆動電力の供給を停止させて、バッテリ12の消耗を軽減させるようにする。
【0056】
前記ステップS34で、温度センサ素子8で計測した温度が規定温度120゜C以上であると判定されると、コントロール回路11はステップS35で、前記記憶素子10に設けられている滅菌回数の値Nに1を加算して、その加算滅菌回数Nを記憶させる。
【0057】
このステップS35の滅菌回数Nの記憶素子10への記憶が終了すると、再度一定時間間隔で継続して温度測定が行なわれる。
【0058】
このステップS35の滅菌回数Nの加算記憶と共に実行される継続温度測定の結果は、ステップS36で、規定温度120゜と比較される。
【0059】
このステップS36の比較の結果、測定温度が規定温度120゜以上の場合は、再度所定時間間隔で温度計測が行われ、測定温度が規定温度120゜以下であると、前記ステップS33に戻る。
【0060】
即ち、コネクタ4に内蔵させた温度監視チップ5を有する手術用ハンドピース2をオートクレーブ滅菌装置により滅菌処理する際に、前記手術用ハンドピース2の効果的な滅菌処理条件である規定温度に到達したか監視し、その規定温度に到達すると滅菌処理回数Nに1を加算して、滅菌処理の累計回数を温度監視チップ5に記憶保持させると共に、滅菌処理済み情報を記憶させる。つまり、手術用ハンドピース2が滅菌処理後に、医療装置本体3と接続させて医療行為に使用されていない状態であるにも拘わらず、再度オートクレーブ滅菌処理した場合でも、その滅菌回数がカウントできる。
【0061】
なお、前記温度センサ素子8に代えて、サーモスタットを用いた場合は、測定温度と規定温度とのステップS34とS36における比較は、サーモスタットのON/OFF状態により判別されるようにする。
【0062】
このように、オートクレーブ滅菌処理の回数を正確に、かつ、自動的にカウントした手術用ハンドピースは、医療装置本体に接続されて使用される際には、前述した第1の実施形態と同様に、医療装置本体により手術用ハンドピースの滅菌処理済みの有無と滅菌処理回数を認識可能となる。
【0063】
次に、本発明の第3の実施形態の医療システムを図7と図8を用いて説明する。第7図は本発明の第3の実施形態の医療システムにおける手術用ハンドピースの温度測定動作を説明するフローチャート、第8図は本発明の第3の実施形態の医療システムにおける手術用ハンドピースを医療装置本体に取り付けた状態の動作を説明するフローチャートである。
【0064】
この第3の実施形態の医療システムの構成は、図1乃至図3と同じで、手術用ハンドピース2の温度監視チップ5のオートクレーブ滅菌処理時の作用と、医療装置本体3の作用が異なるものである。
【0065】
手術用ハンドピース2の作用について図7を用いて説明する。前記手術用ハンドピース2のコントロール回路11は、ステップS41で前記コネクタ4が取り外されたことを検出すると、ステップS42で、温度センサ素子8を駆動制御して、温度監視チップ5の周辺温度の計測を行う。
【0066】
このステップS42の温度計測が終了すると、コントロール回路11はステップS43で、前記ステップS42で計測した温度データを温度履歴データとして、記憶素子10に記憶させる。
【0067】
このステップS43の計測温度記録が終了すると、コントロール回路11はステップS44で、前記オシレータ素子9からの基準信号を基に、前記ステップS42の温度計測からの経過時間を測定し、所定時間、例えば、3分間経過するまで、前記温度センサー素子8による温度計測や記憶素子10への計測温度データの記憶処理を停止させる。所定時間が経過すると、前記ステップS42から処理が繰り返される。
【0068】
つまり、手術用ハンドピース2は、医療装置本体3から取り外されると、所定時間間隔で温度監視チップ5を駆動させて温度計測し、その計測した温度データを記憶素子に順次記憶させる。この所定時間間隔による温度計測とその温度データの記憶は、手術用ハンドピース2が医療装置本体3から取り外され、再度医療装置本体3に取り付けられるまで継続させる。
【0069】
この結果、手術用ハンドピース2の医療装置本体3から取り外された時点からの温度変化データが記憶される。
【0070】
なお、コントロール回路11は、所定時間間隔で温度計測する時に、前記温度センサ素子8や記憶素子10、及びコントロール回路11にバッテリー12から駆動電源を供給するようにして、バッテリー12の消耗を軽減させる。
【0071】
このように温度監視チップ5に手術用ハンドピース2が医療装置本体3から外された時点からの温度データが記憶された手術用ハンドピース2を医療装置本体3に接続して、治療行為を行う場合の作用について図8を用いて説明する。
【0072】
前記医療装置本体3のコントロール回路14は、ステップS51で前記手術用ハンドピース2のコネクタ4が医療装置本体3のコネクター接続部17に接続れたことを検出すると、ステップS52で、手術用ハンドピース2の温度監視チップ5のコントロール回路11に対して、温度測定駆動を停止させる。
【0073】
次に、医療装置本体3のコントロール回路14はステップS53で、読み出し/書込手段16を駆動制御して、温度監視チップ5の記憶素子10に記憶されている所定時間間隔で計測した温度データを読み出し、その読み出した温度データの中に所定温度、例えば、120゜C以上の温度を示すデータがあるか否かステップS54で判定する。なお、前記記憶素子10から測定温度データを読み出した後は、記憶素子10の温度データは消去すると共に、バッテリー12への充電を開始して、バッテリ12が充電満了すると充電動作を停止させる。
【0074】
このステップS54の判定の結果、所定温度である120゜Cを超える温度データがあると判定されると、つまり、図7を用いて前述した手術用ハンドピース2を医療装置本体3から取り外した以降、オートクレーブ滅菌処理されていると、所定時間間隔で計測されている温度データの中にオートクレーブ滅菌処理温度である120゜Cを越えている温度データが存在することになる。
【0075】
このステップS54の判定の結果、所定温度を終える温度データが存在すると判定されると、コントロール回路14はステップS55で、読み込み/書込手段16を駆動制御して、前記温度監視チップ5のコントロール回路11を介して、記憶素子10に記憶されている滅菌処理回数Nに1を加算させる。
【0076】
次に、コントロール回路14はステップS56で、前記ステップS55で温度監視チップ5の記憶素子10に加算書込記憶させた滅菌処理回数Nが、所定の滅菌処理限度回数Ncを越えているか判定する。
【0077】
このステップS56の判定の結果、滅菌処理回数Nが所定の滅菌処理限度回数Nc以上であると判定されると、コントロール回路14はステップS59で、表示パネル6にその手術用ハンドピース2は使用しないで、他の手術用ハンドピース2に交換することを促すメッセージ、例えば「ハンドピースを交換してください」と表示するための表示情報を生成出力し、ステップS60で手術用ハンドピース2の接続スタンバイモードに移行させ、かつ、駆動回路15から処置エネルギーが出力されないように出力禁止処置を行う。
【0078】
前記ステップS54で、温度開始チップ5の記憶素子10から読み出した計測温度データの中に所定温度120゜Cを越えるデータがないと判定されると、手術用ハンドピース2は、オートクレーブ滅菌されていないものと判定できるために、コントロール回路14はステップS61で、表示パネル6にこの手術用ハンドピース2の使用を禁止させるためのメッセージ、例えば「このハンドピースは、未滅菌です」と表示するための表示情報を生成出力し、ステップS62で手術用ハンドピース2の接続スタンバイモードに移行させ、かつ、駆動回路15から処置エネルギーが出力されないように出力禁止処置を行う。
【0079】
前記ステップS56の判定の結果、滅菌処理回数Nが所定の滅菌処理限度回数Nc以下であると判定されると、コントロール回路14はステップS57で、滅菌処理限度回数Ncに到達する20回前の値Nc−20と比較を行い、滅菌処理回数Nが滅菌処理限度回数Ncの20回前の値Nc−20以下であると判定されると、ステップS58の処置エネルギーの出力準備モードに移行する。
【0080】
前記ステップS57で滅菌処理回数Nが滅菌処理限度回数Ncの20回前の値Nc−20以上であると判定されると、ステップS63で表示パネル6に手術用ハンドピース2は、滅菌処理限度回数に近づいていることを示す、例えば、「このバンドピースの使用可能回数は、あと“Nc−N”回です」との注意表示をするための表示情報を生成出力し、ステップS58の処置エネルギー準備モードに移行する。
【0081】
なお、前記ステップS57の判断において、滅菌処理回数Nを滅菌処理限度回数Ncの20回前の値Nc−20を滅菌処理限度回数Ncの10回前や5回前の値Nc−10,Nc−5と任意に選定できる。
【0082】
以上説明したように、この第3の実施形態は、前述した第1と第2の実施形態と同じ効果を有すると共に、手術用ハンドピース2の温度監視チップ5の作用が簡素化できるために、構成部品の簡素化もでき、コストの低減が可能となる。また、温度監視チップ5は、長時間の温度データを計測記憶する必要があるために、記憶容量の大きいものが使用されるが、医療装置本体3と接続されると温度監視チップ5に記憶されている温度データは読み出されると同時に消去することにより、記憶容量はある程度制限されたものが使用可能となる。
【0083】
次に、本発明の第4の実施形態の医療システムについて図9乃至図11を用いて説明する。図9は本発明の第4の実施形態の医療システムに用いる温度監視チップの構成を示すブロック図、図10は本発明の第4の実施形態の医療システムに用いる温度監視チップに内蔵されている温度スイッチの構成と作用を説明する説明図、図11は本発明の第4の実施形態の医療システムの作用を説明するフローチャートである。
【0084】
この第4の実施形態の手術用ハンドピース2のコネクタ4には、図9に示す温度監視チップ5’が内蔵されている。この温度監視チップ5’は、手術用ハンドピース2の個体情報及び滅菌処理回数等の各種情報データを記憶する記憶素子10と、後述する構成の温度スイッチ18とを有している。前記記憶素子10は入出力端子(以下、I/O端子と称する)19を介して、前記医療装置本体3のコネクター接続部17に接続され、かつ、前記温度スイッチ18はポート端子20と接地端子21を介して、前記医療装置本体3のコネクター接続部17に接続されるようになっている。なお、前記記憶素子10は、SRAMやEEPROM等が用いられる。
【0085】
前記温度スイッチ18は、図10に示すように、熱により変形する感熱素子23と、電流により稼動する電流稼働部材22からなっている。この感熱素子23は、バイメタルや形状記憶合金が用いられる。電流稼動部材22は、圧電素子やモータにより移動する構成のものが用いられる。この温度スイッチ18の感熱素子23と電流稼働部材22の各端部は、ポート端子20と接地端子21にそれぞれ接続されている。
【0086】
このような構成の温度監視チップ5’を、前記手術用ハンドピース2のコネクタ4に内蔵させ、この温度監視チップ5’が内蔵されたコネクタ4が前記医療装置本体3のコネクター接続部17に接続されて所定の手術処置が実行されるようになっている。
【0087】
この温度監視チップ5’を有する手術用ハンドピース2を医療装置本体3から取り外し常温状態では、前記温度監視チップ5’の温度スイッチ18は、図10(a)に示すように、電流稼働部材22と感熱素子23とは、非接触のオフ状態となっている。この温度スイッチ18がオフ状態の手術用ハンドピース2をオートクレーブ滅菌装置に載置して加熱滅菌処理を行うと、図10(b)に示すように、加熱滅菌温度により感熱素子23が図中上方向に変形し、電流稼動部材22の先端面を図中上方向に撓ませながら電流稼働部材22の上面よりも上側へと変形する。
【0088】
次に、前記手術用ハンドピース2のオートクレーブ滅菌が終了して、手術用ハンドピース2が冷却されると、図10(c)に示すように、前記感熱素子23は元の形状に戻ろうとして、感熱素子22の先端と稼動部材23の先端が接触して温度スイッチ18はオン状態となる。
【0089】
このように、温度スイッチ18がオン状態の手術用ハンドピース2を医療装置本体3に接続して、所定の治療処置が行われると、医療装置本体3から温度スイッチ18のポート端子20と接地端子21の間に電流を供給すると電流稼動部材22は、図10(d)に示すように、感熱素子22から離れる方向へ動き(または変形し)、感熱素子23と電流稼働部材22が非接触状態となり、温度スイッチ18はオフ状態となる。
【0090】
このような構成の温度スイッチ18を有する温度監視チップ5’を有する手術用ハンドピース2を用いた医療装置本体の作用について図11を用いて説明する。
【0091】
前記温度監視チップ5’を有する手術用ハンドピース2が前記医療装置本体3に接続されると、医療装置本体3のコントロール回路14はステップS71で、前記手術用ハンドピース2の接続確認が実行され、ステップS72で、コネクター接続部17から温度監視チップ5’の温度スイッチ18のポート端子20と接地端子21の間の電圧が検出され、このポート端子20と接地端子21の間の電圧がロー(LOW)であるか判定される。つまり、前記温度スイッチ18は、オートクレーブ滅菌が施されてオン状態であると、ポート端子20と接地端子21の間の電圧はローとなり、オートクレーブ滅菌が施されずにオフ状態であると、ポート端子20と接地端子21の間の電圧はハイ(HIGH)となる。
【0092】
このステップS72の判定の結果、前記温度スイッチ18のポート端子20と接地端子21の間の電圧がローであると判定されると、コントロール回路14はステップS73で、読み出し/書込手段16を駆動制御して、温度監視チップ5’の記憶素子10に記憶されている滅菌処理回数Nに1を加算させ、ステップS74でその加算された滅菌処理回数Nは、滅菌処理限度回数Ncよりも少ないか判定される。このステップS74の結果、滅菌処理回数Nは、滅菌処理限度回数Ncよりも少ないと判定されると、ステップS75で滅菌処理回数Nは、滅菌処理限度回数Ncの20回前の値Nc−20と比較される。
【0093】
このステップS75の比較の結果、滅菌処理回数Nは、滅菌処理限界回数Ncの20回前の値Nc−20よりも少ないとステップS76で手術用ハンドピース2への処置エネルギーの出力準備モードに移行し、前記ステップS75で滅菌処理回数Nは、滅菌処理限度回数Ncの20回前の値Nc−20よりも大きいと判定されると、ステップS77で表示パネル6に手術用ハンドピース2の滅菌処理限度回数に近いことを通知し、注意を促す、例えば「このハンドピースの使用可能回数は、あと“Nc−N”回です」と表示するための表示情報を生成出力し、前記ステップS76に移行する。
【0094】
前記ステップS72の判定の結果、前記温度スイッチ18のポート端子20と接地端子21の間の電圧がハイであると判定されると、つまり、前記手術用ハンドピース2は滅菌処理されていないことを示しているために、コントロール回路14はステップS78で、表示パネル6に手術用ハンドピース2は滅菌処理されていないこと警告表示する、例えば「このハンドピースは未滅菌です」との表示をするための表示情報を生成出力し、前記ステップS80で医療装置本体3を手術ハンドピース2の接続スタンバイモードして、手術用ハンドピース2への処置エネルギーの出力を禁止とする。
【0095】
前記ステップS74で滅菌処理回数Nが滅菌処理限度回数Ncを越えていると判定されると、コントロール回路14はステップS79で、表示パネル6に手術用ハンドピース2は滅菌処理限度回数Ncを超え、使用できない旨を警告表示する、例えば「このハンドピースを交換してください」との表示をするための表示情報を生成出力し、前記ステップS80の医療装置本体3をスタンバイモードして、手術用ハンドピース2への処置エネルギーの出力を禁止へと移行する。
【0096】
なお、前記ステップS75の判断において、滅菌処理回数Nを滅菌処理限度回数Ncの20回前の値Nc−20を滅菌処理限度回数Ncの10回前や5回前の値Nc−10,Nc−5と任意に設定できる。
【0097】
以上説明したように、この第4の実施形態は、前述した第1と第2の実施形態と同じ効果を有すると共に、手術用ハンドピース2の温度監視チップ5’には、バッテリを用いずにオートクレーブ滅菌の有無を監視することが可能となり、温度監視チップ5’の構成も簡素化でき、かつ、記憶素子10の記憶容量の小さいものが使用できる。
【0098】
次に本発明の第5の実施形態の医療システムについて、図12乃至図14を用いて説明する。図12は本発明の第5の実施形態の医療システムの医療装置本体に設けられる接続端子の構成を説明する説明図、図13は本発明の第5の実施形態の医療システムの手術用ハンドピースに設けられる温度スイッチの内部構成と作用を説明する説明図、図14は本発明の第5の実施形態の医療システムの作用を説明するフローチャートである。
【0099】
この第5の実施形態の医療システムは、前述した手術用ハンドピース2と医療装置本体3からなり、手術用ハンドピース2には、図9を用いて説明した温度監視チップ5’が用いられているが、この温度監視チップ5’の温度スイッチ18’は、図10を用いて説明した温度スイッチ18とは異なり、かつ、医療装置本体3のコネクター接続部17の構成が異なる。
【0100】
この第5の実施形態の医療システムの医療装置本体3のコネクター接続部17には、図12に示すように、医療装置本体2のコネクター接続部17が設けられる外枠24に接続端子33が配置されている。この接続端子33は、一端が外枠24に取付固定されている固定端子26と、この固定端子26と併設され、軸方向に摺動可能に配置されている可動端子25とからなる。前記外枠24の内部には、前記可動端子25の基端が配置され、かつ、その可動端子25の基端部には、弾性体を有するスイッチ機構27が設けられている。つまり、この可動端子25は、スイッチ機構27の弾性体で、可動端子25を外枠24の外方向へと付勢しており、この弾性体の付勢に抗して、前記可動端子25が押圧されると、可動端子25は、スイッチ機構27の接点をオンさせるようになっている。
【0101】
次に、この第5の実施形態の温度監視チップ5’に用いる温度スイッチ18’について、図13を用いて説明する。
【0102】
この温度スイッチ18’は、筐体の内面の図中の底面には、バイメタルや形状記憶合金等の熱変形部材を用いて矩形状に形成された感熱素子28の基端が取付固定されている。さらに、筐体の内部には、回転軸34により軸止されたカム部材29が配置されている。このカム部材29には、前記感熱素子28の先端と噛み合う溝部30aと平面部30b、及びこの溝部30aと略反対方向に延出されている突起部32が形成されている。このカム部材29の突起部32は、前記筐体の上部側面に開口されている接続口35から連通されている接続路へと延在されている。この接続口35は、図12で説明した、医療装置本体3のコネクター接続部17に設けられる接続端子33が挿入されるようになっている。さらに、前記カム部材26の突起部32には、弾性体31が配置され、カム部材29の突起部32を接続口35側に付勢するようになっている。
【0103】
このような構成の温度スイッチ18’を前記手術用ハンドピース2のコネクタ4に内蔵される温度監視チップ5’に用いると、前記手術用ハンドピース2を前記医療装置本体3から取り外した状態では、図13(a)に示すように、前記カム部材29の溝部30aと感熱素子28の先端とは、噛み合った状態となっており、突起部32は弾性体31の弾性力に抗して、接続口35に連通する接続路の奥側に位置されている。
【0104】
このような温度スイッチ18’の状態の温度監視チップ5’を有する手術用ハンドピース2をオートクレーブ滅菌装置により加熱滅菌処理を行い、所定の加熱滅菌温度、例えば、120゜C以上となると、図13(b)に示すように、その加熱温度により温度スイッチ18’の感熱素子28は変形する。この感熱素子28の変形により、感熱素子28の先端は、前記カム部材29の溝部30aとの噛み合いが解除される。この感熱素子28の先端とカム部材29の溝部30aとの噛み合いが解除されると、カム部材29は、弾性部材31に弾性力により回転軸34を中心に図中反時計方向に回動して、カム部材29の突起部32は、接続口35の近傍まで回動する。
【0105】
前記オートクレーブ滅菌装置で滅菌加熱処理された後の手術用ハンドピース2は、冷却されるが、その冷却過程で、前記温度スイッチ18’は、図13(c)に示すように、感熱素子28が元の形状へ戻る過程で、前記滅菌加熱時にカム部材29が回転しているために、感熱素子28はカム部材29の溝部30aとは噛み合わず、平面部30bに当接する。つまり、カム部材29の突起32は、接続口35側へ回動された状態が維持される。
【0106】
このようにして、滅菌加熱処理され、かつ、滅菌加熱処理後冷却された手術用ハンドピース2を医療装置本体3に接続して医療治療を行う際に、図13(d)に示すように、医療装置本体3のコネクター接続部17に設けられた接続端子33を手術ハンドピース2の温度監視チップ5’の温度スイッチ18’の接続口35に挿入させる。この温度スイッチ18’の接続口35から前記接続端子33が挿入されると、この接続端子33によりカム部材29の突起部32は、弾性部材31の弾性力に抗して、図中右方向へと押し込まれ、カム部材29は回転軸34を中心に時計方向回転して、感熱素子28の先端は、平面部30bから移動して溝部30aと噛み合う。この時、前記接続端子33の可動端子25は、カム部材29の突起部32によりスイッチ機構27側に押圧されて、スイッチ機構27がオン状態となり、固定端子26により突起部32を所定位置まで押し込み作用させる。このスイッチ機構27のオン/オフにより医療装置本体3はも手術用ハンドピース2の接続有無を判別できる。
【0107】
このような構成の手術用ハンドピース2と医療装置本体3による手術用ハンドピース2の滅菌処理の判別作用について図14を用いて説明する。
【0108】
ステップS91で、手術用ハンドピース2が医療装置本体3に接続されると、コントロール回路14はステップS92で、前記手術用ハンドピース2が接続されると、接続端子33の可動端子25によりスイッチ機構27が押されてオンされたか、そのオン情報により手術用ハンドピース2の接続確認判定を行う。
【0109】
このステップS92でスイッチ機構27のオン情報により手術用ハンドピース2の接続が確認されると、コントロール回路14はステップS93で、読み出し/書込手段16を駆動制御して、温度監視チップ5’の記憶素子10に記憶されている滅菌処理回数Nに1を加算させ、ステップS94でその加算された滅菌処理回数Nは、滅菌処理限度回数Ncよりも少ないが判定される。このステップS94の結果、滅菌処理回数Nは、滅菌処理限度回数Ncよりも少ないと判定されると、ステップS95で滅菌処理回数Nは、滅菌処理限度回数Ncの20回前の値Nc−20と比較される。
【0110】
このステップS95の比較の結果、滅菌処理回数Nは、滅菌処理限界回数Ncの20回前の値Nc−20よりも少ないとステップS96で手術用ハンドピース2への処置エネルギーの出力準備モードに移行し、前記ステップS95で滅菌処理回数Nは、滅菌処理限度回数Ncの20回前の値Nc−20よりも大きいと判定されると、ステップS97で表示パネル6に手術用ハンドピース2の滅菌処理限度回数に近いことを通知し、注意を促す、例えば「このハンドピースの使用可能回数は、あと“Nc−N”回です」と表示するための表示情報を生成出力し、前記ステップS96に移行する。
【0111】
前記ステップS92の判定の結果、前記可動端子25はスイッチ機構27は押されてなく、スイッチ機構27からオフ情報が検出されていると判定されると、つまり、前記手術用ハンドピース2は滅菌処理されていなく、前記温度スイッチ18’のカム部材29は図13(a)の状態であることを示しているために、コントロール回路14はステップS98で、表示パネル6に手術用ハンドピース2は滅菌処理されていないこと警告表示する、例えば「このハンドピースは未滅菌です」との表示するための表示情報を生成出力し、前記ステップS99で医療装置本体3を手術用ハンドピース2の再接続スタンバイモードにして、手術用ハンドピース2への処置エネルギーの出力を禁止とする。
【0112】
前記ステップS94で滅菌処理回数Nが滅菌処理限度回数Ncを越えていると判定されると、コントロール回路14はステップS100で、表示パネル6に手術用ハンドピース2は滅菌処理限度回数Ncを超え、使用できない旨を警告表示する、例えば「このハンドピースを交換してください」との表示をするための表示情報を生成出力し、前記ステップS99の医療装置本体3をスタンバイモードして、手術用ハンドピース2への処置エネルギーの出力を禁止へと移行する。
【0113】
なお、前記ステップS95の判断において、滅菌処理回数Nを滅菌処理限度回数Ncの20回前の値Nc−20を滅菌処理限度回数Ncの10回前や5回前の値Nc−10,Nc−5とすることもできる。
【0114】
以上説明したように、この第5の実施形態は、前述した第1乃至第4の実施形態と同じ効果を有する。
【0115】
[付記]
以上詳述した本発明の実施形態によれば、以下のごとき構成を得ることができる。
【0116】
(付記1) 加熱滅菌処理される医療機具と、前記医療機具を着脱自在に接続して電気的に駆動する駆動手段を有する医療装置とを備えた医療システムにおいて、
前記医療機具に設けられ、前記加熱滅菌処理の熱によって変化可能な熱変化手段と、
前記加熱滅菌処理の熱によって変化した前記熱変化手段の変化状態を保持可能な変化状態保持手段と、
前記医療装置に設けられ、前記医療機具を接続したときに前記変化状態保持手段で保持された前記熱変化手段の前記変化状態を読み取り可能な変化状態読み取り手段と、
前記医療装置に設けられ、前記熱変化状態を読み取り手段で読み取られた変化状態情報に基づき、前記加熱滅菌処理の実施を判別する滅菌実施判別手段と、
を具備したこと特徴とする医療システム。
【0117】
(付記2) 加熱滅菌処理される医療機具と、前記医療機具を着脱自在に接続して電気的に駆動する駆動手段を有する医療装置とを備えた医療システムにおいて、
前記医療機具に設けられ、前記加熱滅菌処理の熱を電気的に検知可能な熱検知手段と、
前記医療機具に設けられ、前記熱検知手段で検知された検知情報を電気的に記憶可能な記憶手段と、
前記医療機具に設けられ、前記記憶手段と前記熱検知手段とに電力を供給可能なバッテリ手段と、
前記医療装置に設けられ、前記医療機具を接続するときに前記記憶手段に記憶された検知情報を読み取り可能な情報読み取り手段と、
前記医療装置に設けられ、前記情報読み取り手段で読み取られた検知情報に基づき、前記加熱滅菌処理の実施を判別する滅菌実施判別手段と、
を具備したこと特徴とする医療システム。
【0118】
(付記3) 加熱による滅菌を必要とする医療器具又は医療用処置具と、それらと接続される医療装置本体とからなる医療システムにおいて、
医療器具又は医療用処置具の内部に設けられ、加熱により変形する加熱変形部位と、加熱後に冷却しても前記加熱変形部位の変形を保持させる変形保持部位とからなる加熱検知手段と、
前記医療装置本体の内部に設けられ、前記加熱検知手段の加熱変形部位の変形状態を読み取る読取り手段と、
前記読取り手段により前記加熱検知手段から読み取った加熱変形部位の加熱変形に応じて、加熱滅菌実施の有無を判別する判別手段と、
前記医療装置本体には、前記読み取り手段で前記加熱検知手段の加熱変形部位を元の状態に戻す復帰手段と、。
【0119】
を具備して、前記医療器具又は処置具の加熱滅菌が行なわれたか否かを判別することを可能にした医療システム。
【0120】
(付記4) 加熱による滅菌を必要とする医療器具又は医療用処置具と、それらと接続される医療装置本体とからなる医療システムにおいて、
前記医療器具又は処置具の内部に、温度を測定する温度センサー素子と、時間を測るためのオシレータ素子と、前記温度素子により観測される処置具の温度変化を記憶する記憶素子と、それら素子を制御するためのコントロール回路と、及びそれら素子を駆動するためのバッテリーとを具備しており、
前記医療器具又は医療用処置具の温度を一定時間おきに監視し、前記医療装置本体の内部には、医療装置本体に前記医療器具又は処置具を接続したときに、上記記憶素子内のデータを読み出す読み出し手段と、その読み出し結果に基づき滅菌実施の有無を判別する判別手段と、により処置具の加熱滅菌が行なわれたか否かを判別する医療システム。
【0121】
(付記5) 前記医療器具又は処置具を前記医療装置本体から抜去したときに温度測定が開始され、前記記憶素子に記憶された温度のデータは、前記医療器具又は処置具を前記医療装置本体に接続して滅菌の有無の判別が行なわれた後にすべて消去することを特徴とした付記4記載の医療システム
(付記6) 前記医療器具又は処置具を医療装置本体に接続して使用するときに、その医療器具又は処置具が加熱滅菌されていない場合には、前記医療器具又は処置具の使用を停止し、その由をユーザーに告知する手段を前記医療装置本体に具備した付記3又は4にいずれかに記載の医療システム。
【0122】
(付記7) 前記医療器具又は処置具の内部には滅菌回数データを記憶するための記憶素子を具備しており、前記医療器具又は処置具が医療装置本体に接続されたときに、医療装置本体において加熱滅菌の実施の有無を判断し、加熱滅菌が実施されていた場合には、接続部を通して前記記憶素子の滅菌回数データを1増やすように前記医療装置本体に設けられた滅菌回数データ書き込み手段を具備した付記3又は4のいずれかに記載の医療システム。
【0123】
(付記8) 加熱による滅菌を必要とする医療器具又は医療用処置具と、それらと接続される医療装置本体とからなる医療システムにおいて、
前記医療器具又は処置具の内部に、温度を測定する温度センサー素子と、時間を測るためのオシレータ素子と、処置具が滅菌された回数を記憶する記憶素子と、
それら各素子を制御するためのコントロール回路と、それらを駆動するためのバッテリーとを具備し、前記医療器具又は医療用処置具の温度を一定時間おきに監視する上記コントロール回路は、前記温度センサー素子により計測された温度が予め登録されている規定温度を超えたことを検知する検知手段と、前記検知手段により計測温度が規定温度を超えたときに前記記憶素子に記憶されている滅菌回数の値を1増やし、前記医療器具又は処置具が冷却後に再加熱されて規定温度を超えると検知手段に再検知され、再度上記記憶素子に記憶されている滅菌回数の値を1増やし、前記医療装置本体の内部には、医療装置本体に前記医療器具又は処置具を接続したときに、上記記憶素子内のデータを読み出す読み出し手段を具備することを特徴とする医療システム。
【0124】
(付記9) 前記医療器具又は処置具に具備された前記記憶素子に記憶されている滅菌回数データが、予め規定された回数に達しているか否かを判断する手段を前記医療装置本体に設け、前記滅菌回数データが規定された回数に達している場合は上記医療器具又は処置具の使用を停止し、その由をユーザーに告知する告知手段を具備した付記7又は8のいずれかに記載の医療システム。
【0125】
(付記10) 使用回数が予め規定された使用回数に近づいた場合に、前記医療装置本体において残りの使用可能回数をユーザーに告知する告知手段を具備した付記9に記載の医療システム。
【0126】
【発明の効果】
本発明の医療システムは、医療器具の加熱滅菌処理有無と処理回数が自動的に記録でき、医療装置で医療器具の加熱滅菌処理の有無判別と、加熱滅菌処理回数が確実に管理認識できる効果を有している。
【0127】
また、治療行為において、不注意で未加熱滅菌の医療器具を使用とした場合には、確実に未加熱滅菌状態が検出でき術者に告知可能で、未加熱滅菌の医療器具の使用を未然に阻止でき、かつ、加熱滅菌処理が限界回数に近づくと術者に告知されることから、手術用ハンドピースの使用限度を確実に把握できる効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の医療システムの全体構成を説明する説明図。
【図2】本発明の第1の実施形態の医療システムに用いる温度監視チップの構成を示すブロック図。
【図3】本発明の第1の実施形態の医療システムに用いる医療装置本体の構成を示すブロック図。
【図4】本発明の第1の実施形態の医療システムにおける手術用ハンドピースの温度測定動作を説明するフローチャート。
【図5】本発明の第1の実施形態の医療システムにおける手術用ハンドピースを医療装置本体から外した状態の動作を説明するフローチャート。
【図6】本発明の第2の実施形態の医療システムにおける手術用ハンドピースの温度測定動作を説明するフローチャート。
【図7】本発明の第3の実施形態の医療システムにおける手術用ハンドピースの温度測定動作を説明するフローチャート。
【図8】本発明の第3の実施形態の医療システムにおける手術用ハンドピースを医療装置本体に取り付けた状態の動作を説明するフローチャート。
【図9】本発明の第4の実施形態の医療システムに用いる温度監視チップの構成を示すブロック図。
【図10】本発明の第4の実施形態の医療システムに用いる温度監視チップに内蔵されている温度スイッチの構成と作用を説明する説明図。
【図11】本発明の第4の実施形態の医療システムの作用を説明するフローチャート。
【図12】本発明の第5の実施形態の医療システムの医療装置本体に設けられる接続端子の構成を説明する説明図。
【図13】本発明の第5の実施形態の医療システムの手術用ハンドピースに設けられる温度スイッチの内部構成と作用を説明する説明図。
【図14】本発明の第5の実施形態の医療システムの作用を説明するフローチャート。
【符号の説明】
1…医療システム
2…手術用ハンドピース
3…医療装置本体
4…コネクタ
5…温度監視チップ
6…表示パネル
8…温度センサ素子
9…オシレータ素子
10…記憶素子
11…コントロール回路
12…バッテリ
13…入出力端子(IO)
14…コントロール回路
15…駆動回路
16…読み出し/書込手段
17…コネクター接続部
36…充電手段
Claims (2)
- 加熱滅菌処理される医療器具と、前記医療器具を着脱自在に接続して電気的に駆動する駆動手段を有する医療装置とを備えた医療システムにおいて、
前記医療器具に設けられ、前記加熱滅菌処理の熱によって変化可能な熱変化手段と、
前記加熱滅菌処理の熱によって変化した前記熱変化手段の変化状態を保持可能な変化状態保持手段と、
前記医療装置に設けられ、前記医療器具を接続したときに前記変化状態保持手段で保持された前記熱変化手段の前記変化状態を読み取り可能な変化状態読み取り手段と、
前記医療装置に設けられ、前記熱変化状態を読み取り手段で読み取られた変化状態情報に基づき、前記加熱滅菌処理の実施を判別する滅菌実施判別手段と、
を具備したこと特徴とする医療システム。 - 加熱滅菌処理される医療器具と、前記医療器具を着脱自在に接続して電気的に駆動する駆動手段を有する医療装置とを備えた医療システムにおいて、
前記医療器具に設けられ、前記加熱滅菌処理の熱を電気的に検知可能な熱検知手段と、
前記医療器具に設けられ、前記熱検知手段で検知された検知情報を電気的に記憶可能な記憶手段と、
前記医療器具に設けられ、前記記憶手段と前記熱検知手段とに電力を供給可能なバッテリ手段と、
前記医療装置に設けられ、前記医療器具を接続するときに前記記憶手段に記憶された検知情報を読み取り可能な情報読み取り手段と、
前記医療装置に設けられ、前記情報読み取り手段で読み取られた検知情報に基づき、前記加熱滅菌処理の実施を判別する滅菌実施判別手段と、
を具備したこと特徴とする医療システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003083413A JP2004290265A (ja) | 2003-03-25 | 2003-03-25 | 医療システム |
Applications Claiming Priority (1)
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