JP2004290257A - メダル貸出機能付きスロットマシン - Google Patents
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Abstract
【課題】手持ちメダルがなくなった遊技者にメダルを貸し出すことにより、ボーナス・ゲーム等の入賞内容の利益を確実に告知,享受させる。
【解決手段】ゲームの開始により所定の内部当たり抽選を行う抽選手段11aと、内部当たり抽選の結果、メダル貸出対象となる所定の入賞内容に当選すると、クレジット数がゼロの場合に所定数の貸出メダルの貸出を決定するメダル貸出決定手段11bと、メダル貸出スイッチ40の操作によりメダル貸出を実行するメダル貸出実行手段11cと、貸出メダル数を記憶し、以後のゲームで払い出される入賞メダル数から貸出メダル数を差し引く貸出メダル回収手段11dと、告知対象である入賞内容がメダル貸出対象となる入賞内容である場合に、メダル貸出要求操作が行われると当該入賞内容の当選を告知する内部当たり告知部30と、貸出メダル数を表示する貸出メダル表示部41とを備えるスロットマシンである。
【選択図】 図3
【解決手段】ゲームの開始により所定の内部当たり抽選を行う抽選手段11aと、内部当たり抽選の結果、メダル貸出対象となる所定の入賞内容に当選すると、クレジット数がゼロの場合に所定数の貸出メダルの貸出を決定するメダル貸出決定手段11bと、メダル貸出スイッチ40の操作によりメダル貸出を実行するメダル貸出実行手段11cと、貸出メダル数を記憶し、以後のゲームで払い出される入賞メダル数から貸出メダル数を差し引く貸出メダル回収手段11dと、告知対象である入賞内容がメダル貸出対象となる入賞内容である場合に、メダル貸出要求操作が行われると当該入賞内容の当選を告知する内部当たり告知部30と、貸出メダル数を表示する貸出メダル表示部41とを備えるスロットマシンである。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転する複数のリール(回胴)を、各リールに付された絵柄,文字等の図柄が所定の配列となるよう停止させることによって入賞メダルを獲得することができるスロットマシン(回胴式遊技機)に関する。
特に、本発明は、内部当たり抽選の結果、ボーナス・ゲーム等の所定の入賞内容に当選した後、手持ちのメダルがなくなってしまった遊技者に対し、所定枚数の貸出メダルを貸し出すことにより、遊技者側,遊技場(ホール)側の双方に損失のない形で、遊技者にボーナス・ゲーム等の特定遊技を満喫させることができる、従来には存在しない魅力あるスロットマシン遊技を提供できるメダル貸出機能付きスロットマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、スロットマシンは、遊技者が遊技媒体となる遊技用メダルを投入してスタートレバーを押下することにより、所定の絵柄や文字,数字等の図柄(以下「図柄」と総称する)を表示した複数(通常は3個)のリールが回転を開始し、各リールに対応した複数(3個)のストップボタンを任意のタイミングで押下することで回転するリールが停止し、停止したリールの図柄の配列に応じて所定数のメダルが払い出されるという遊技機である。
この種のスロットマシンでは、一般に、ゲームの面白さを増す等のために、複数のリールが一定の確率で自動的に制御され、各リールに付された図柄が所定配列となるよう停止する、いわゆる「内部当たり」と呼ばれる入賞制御が行われるようになっている。
【0003】
この内部当たり制御は、スタートレバーの押下によりゲームが開始されると、ゲーム1回ごとにスロットマシン内部で自動的に内部当たりの抽選が行われて入賞内容が決定され、その入賞内容に応じてリールの停止位置が制御されるもので、ある入賞内容に当選すると、遊技者のストップボタンを押すタイミングに拘わらず、一定範囲内で各リールに付された図柄がその入賞内容に応じた配列となるように停止制御され、これによって所定量のメダルが払い出されるものである。
具体的には、内部当たり抽選の結果、所定の入賞内容に当選すると、回転する複数のリールは、一定範囲内(例えば、該当する図柄の位置から図柄4コマ分の範囲内)で、遊技者が各ストップボタンを押すタイミングに拘わらず、図柄が入賞ライン上で「7・7・7」や「BAR・BAR・BAR」等、その入賞内容に応じた所定の配列となるように停止制御(入賞制御)される。
【0004】
このリールの停止制御が行われることによって、各リールに対応するストップボタンの押下タイミングが、ある入賞内容の配列を構成する図柄(「7」や「BAR」)を配列上に止めるタイミングからずれたとしても、そのずれが一定範囲内(その図柄から4コマ分等の範囲内)であれば、機械的制御によってその図柄が所定の入賞ライン上に位置するように止められ、入賞配列が構成される。
そして、この停止制御の結果、遊技の巧拙等に拘わらず、遊技者が一定範囲内でストップボタンを押下すれば、図柄が所定の入賞配列となるようにリールが停止するので、遊技者には停止した入賞配列に応じた所定量のメダルが払い出されることになる。
【0005】
ここで、このようなリールの停止制御には、リールを所定の図柄配列が揃うように停止制御する「引込み制御」と、一定の図柄配列が揃わないように停止制御する「入賞阻止制御」がある。入賞阻止制御は、例えばある入賞内容に当選した場合、そのゲーム中は、他の入賞内容の図柄配列が揃わないようにリールが停止制御されるものである。
そして、このようなリールの停止制御が行われる入賞内容としては、一般に、数種類の入賞内容が設定されるようになっており、内部当たり抽選によって各ゲーム毎にいずれかの入賞内容が決定される。
入賞内容は、例えば、大量のメダル払出しが可能となる「レギュラー・ボーナス(RB)」や「ビッグ・ボーナス(BB)」等のボーナス・ゲーム、少量のメダル払出しがある「小役」、メダル投入なしで遊技が行える「再遊技(リプレイ)」、メダル払出しのない「ハズレ」等、数種類があり、抽選で決定された各入賞内容に応じて所定数の入賞メダルが払い出され、また払い出されないようにリールが停止制御されるようになっている。
【0006】
例えば、「小役」の場合、1ゲーム単位で、数枚(例えば1〜15枚)のメダルが払い出される図柄配列(例えば、「ベル」の図柄が横一列に揃う配列)となるようリールが停止制御されるとともに(引込み制御)、他の入賞内容の図柄配列(例えば「大当たり」を示す「7・7・7」)が揃わないようにリールが停止制御される(入賞阻止制御)。
「RB」の場合、抽選に当選後、所定の入賞図柄(例えば「BAR・BAR・BAR」)が揃うとボーナス・ゲームが開始(入賞)となり、以後数ゲームが1セットとなったボーナス・ゲーム用のリール停止制御が行われ、そのボーナス・ゲーム中は、「小役」や大量払出しのある「大当たり」の図柄配列となるよう、リールが継続的に制御され、百枚以上のメダルが払い出されるようになる。
【0007】
同様に、「BB」の場合、抽選に当選後、所定の入賞図柄(例えば「7・7・7」)が揃うとビッグ・ボーナス・ゲームが開始(入賞)となり、上記のようなボーナス・ゲーム(RB)が数セット(通常3セット)継続して行われるようにリールが制御され、数百枚の大量のメダルが払い出されるようにゲームが設定,制御される。
抽選の結果「ハズレ」となった場合には、各リールは図柄がメダル払出しのない配列(いずれの入賞図柄も揃わない配列)となるように停止制御される(入賞阻止制御)。
【0008】
このようにリールが停止制御されるスロットマシンにおいては、内部当たり抽選の結果、例えばBBやRBのような特定の入賞内容に当選すれば、以後のゲームで入賞することを条件として一定量の遊技媒体が確実に払い出されることになり、遊技者にとってきわめて魅力的なものとなっている。すなわち、スロットマシンの遊技者にとっては、内部当たり抽選によってBB,RB等の特定の入賞内容に当選することが最大の関心事となっている。
ところが、内部当たり抽選の結果、特定の入賞内容に当選しても、直ちに大量のメダル払出が得られるわけではない。例えばBBやRB等の場合、当選後の遊技において所定の入賞図柄配列(例えば「7・7・7」)を揃えなければ、ボーナス・ゲームは開始(入賞)とはならない。
【0009】
BBやRBに当選すれば、ボーナス・ゲーム開始(入賞)となる入賞図柄(例えば「7・7・7」)が揃うように各リールは停止制御されるが、上述したように、停止制御はあくまでも一定範囲内(入賞図柄から4コマ分の範囲内等)でストップボタンが押されることが必要であり、ストップボタン押下のタイミングがこの範囲内を超える場合、例えば入賞図柄から5コマ分以上ずれてストップボタンが押された場合には、リールの停止制御は行われず、入賞図柄配列は揃わない。
このように停止制御が有効となる範囲内で所望の図柄を停止させる技術は、一般に「目押し」と呼ばれ、この目押しが自由にできるようになるには、一定の遊技経験や熟練が必要であった。
このため、このような目押しが不得手な者や、スロットマシン遊技自体の経験が少ない初心者,新機種にまだ慣れていない遊技者等の場合、内部当たり抽選の結果BBやRB等の特定の入賞内容に当選しても、その後のゲームで入賞図柄を揃えられず、手持ちのメダルが全て消費されてしまうことがあった。
【0010】
このような場合、追加のメダルを購入して、入賞図柄が揃ってボーナス・ゲームが開始(入賞)するまでゲームを継続すれば良いが、所持金がなくなってしまったり、手持ちメダルがなくなった機会にゲームを止めてしまう遊技者もあり、折角の入賞内容の当選の利益を享受できない場合があった。
また、スロットマシンの種類によっては、BB等の特定の入賞内容に当選しても、当選したことが遊技者側に告知されず、入賞図柄が揃ってボーナス・ゲーム等の開始によって初めて特定の入賞内容に当選していたことがわかるスロットマシンがある。このようなスロットマシンの場合、目押しが苦手な遊技者等は、入賞図柄を揃えられず、結局、特定の入賞内容に当選していることに気付かずにゲームを止めてしまい、入賞内容の利益が得られない場合があった。
内部当たり抽選で特定の入賞内容に当選していれば、あとは入賞図柄を揃えるだけで数十枚,数百枚のメダルが獲得できることが保証されており、このような利益を、手持ちメダルがなかったり、入賞に気が付かない等の理由で放棄せざるを得ないことは遊技者にとって喜ばしいことではなかった。
【0011】
そして、このように入賞内容の利益を享受できない遊技者の存在を無視,放置することは、遊技場(ホール)側にとっても好ましいことではなかった。
BBやRBが当選したスロットマシンは、例えばその遊技者がゲームを止めてしまっても、当選状態は保持されているので、次の遊技者が入賞図柄を揃えて入賞すれば大量のメダル払出が行われることになる。従って、ホール側にとっては、BB等の当選が出ればメダルの払出量は変わらないにも拘わらず、遊技者が一人減ってしまうことになり、ホール全体としてみれば、売上げ減,稼働率減につながるおそれがあった。
このため、ボーナス・ゲーム等の入賞内容に当選した遊技者に対し、入賞内容の利益を確実に享受させることで、遊技者,遊技場の双方にメリットのある新たなスロットマシンの開発が望まれるようになった。
【0012】
ここで、従来、スロットマシンに関するものではないが、パチンコ機(弾球式遊技機)に関して、フィーバー等の大当たり発生後に、パチンコ玉の持ち玉がなくなった遊技者に対して、一定数のパチンコ玉を貸し出すパチンコ機が提案されている(例えば、特許文献1−2参照。)。
このパチンコ機では、フィーバー等の大当たりが発生し、かつ、弾球されるパチンコ玉が検出されない場合、すなわち持ち玉がなくなった場合に、フィーバー等の大当たり状態が消滅するまでの一定時間内に貸玉ボタンが押されると、所定数のパチンコ玉が貸し出され、追加のパチンコ玉を購入することなく大当たり状態の遊技を継続して行うことができるようになっていた。
【0013】
【特許文献1】
特開平9−099153号公報(第4−5頁、第6図)
【特許文献2】
特開平9−173594号公報(第2−3頁、第4−5図)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このパチンコ機で提案されているアイディアは、大当たり発生後、一定時間の経過でその効果が消滅してしまうフィーバー等のパチンコ機特有の大当たりシステムに対応するためのものであって、BBやRB等のスロットマシンにおける入賞内容の当選に適用できるものではなかった。
パチンコ機では、フィーバー等の大当たりが発生すると、チャッカーと呼ばれる大入賞口が一定時間開閉を繰り返し、その一定時間の間に大入賞口にパチンコ玉を入れることで大量の払出が得られるようになっており、一定時間経過後は通常の遊技状態に戻ってしまう。このため、大当たり発生時に持ち玉がなくなると、追加の玉を購入している間に大当たりの効果が消滅してしまうことがあり、これを解決するために、大当たり発生後、直ちに追加のパチンコ玉を貸し出すようにしたのが従来のアイディアであった。
【0015】
従って、この従来のアイディアで提案されているような、一定時間内に追加の玉を貸し出すことはパチンコ機については必須の機能であるが、BBやRB等の入賞内容のように所定の入賞図柄が揃うまで当選の効果が保持されるスロットマシンについては全く必要がなかった。
一方、フィーバーの発生により大入賞口が開閉動作するパチンコ機では、大当たり発生は誰が見ても間違いなく認識できるため、スロットマシンで行われるような大当たりの発生を別途遊技者に告知等するようなことは全く必要なく、当然のことながら、特許文献1−2には、大当たりの告知に関する記載等は存在していない。従って、このようなパチンコ機のアイディアを適用しても、入賞図柄が揃うまでBB等の当選に気が付かない遊技者に対する告知とその方法,態様等がきわめて重要となるスロットマシンに対応することはできなかった。
【0016】
しかも、従来のアイディアでは、貸し出したパチンコ玉によってもチャッカー等に玉が入賞せず、その後の遊技でパチンコ玉の払出がなかったり、払出があっても貸出玉数より少なかった場合、貸し出した玉に未回収が生じるという不具合が生じるおそれもあった。パチンコ機の場合、大当たりの効果は時間経過により消滅してしまうので、貸出玉に未回収が生じるとその後に回収する方法はなく、ホール側に損失が生じる可能性があった。この点、スロットマシンの場合、BBやRB等の当選の効果は、入賞するまで有効となるため、このような未回収の問題を克服し得る可能性があった。
このように、パチンコ機(弾球式遊技機)とスロットマシン(回胴式遊技機)とは、構造も遊技方法も遊技内容も全く異なるものであり、パチンコ機に関する従来のアイディアでは、スロットマシンが有する従来の課題を解決することは不可能であった。
【0017】
本発明は、以上のような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、スロットマシン遊技において、内部当たり抽選の結果、ボーナス・ゲーム等の所定の入賞内容に当選した後、手持ちのメダルがなくなってしまった遊技者に対し、所定枚数の貸出メダルを貸し出すことにより入賞内容の利益を確実に告知,享受させることができ、遊技者側,遊技ホール側の双方に損失のない形で、遊技者にボーナス・ゲーム等の特定遊技を満喫させることが可能となる、従来には存在しない魅力あるスロットマシン遊技を提供できるメダル貸出機能付きスロットマシンの提供を目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のメダル貸出機能付きスロットマシンは、請求項1に記載するように、回転する複数のリールが所定の図柄配列に停止されることで所定数のメダルが払い出されるスロットマシンであって、ゲームの開始により所定の内部当たり抽選を行う抽選手段と、内部当たり抽選の結果、メダル貸出対象となる所定の入賞内容に当選すると、所定数の貸出メダルの貸出を決定するメダル貸出決定手段と、決定された所定数の範囲内でメダル貸出を実行するメダル貸出実行手段と、を備えた構成としてある。
【0019】
そして、メダル貸出決定手段は、請求項2に記載するように、内部当たり抽選の結果、所定のメダル貸出対象となる入賞内容に当選した場合に、既投入メダルのクレジット数を読み出し、クレジット数が所定数以下である場合にメダル貸出を決定する構成としてある。
【0020】
このような構成とすることにより、本発明のメダル貸出機能付きスロットマシンでは、内部当たり抽選の結果、例えばBBやRB等の所定の入賞内容に当選後、入賞図柄が揃う前に手持ちメダルが所定枚数以下(例えばゼロ枚)になると、一定枚数(例えば15枚)の貸出メダルの貸出が実行されることになる。
これによって、遊技者は、貸し出されたメダルによって引き続き遊技を継続することができ、所持金や手持ちメダルがなくなっても、その後ゲームで入賞図柄を揃えることで、ボーナス・ゲーム等を開始して貸出メダル数以上の入賞メダルを獲得することができる。
また、メダルの貸出が実行されることで、遊技者はBBやRB等の所定の入賞内容に当選していることを知ることができる。これにより、ランプの点灯や当選音声,リーチ目表示等の内部当たり告知が行われなくても、また、ランプの点灯等により行われた内部当たり告知に遊技者が気が付かなくても、メダル貸出の実行によって遊技者に内部当たりが確実に告知されることになる。
このように、本発明に係る貸出メダルの決定,実行は、新たな態様の内部当たり告知としても機能する。
【0021】
そして、遊技場(ホール)にとっても、このように貸出メダルの実行によって遊技者に遊技継続を促進,奨励できるので、顧客減,顧客離れを防止できるとともに、魅力あるスロットマシンにより新たな顧客獲得も可能となる。
さらに、遊技者が貸出メダルによる遊技継続を選択せずに止めてしまったり、貸出メダルを全て使っても入賞図柄が揃わなかったような場合であっても、当選した入賞内容は未だ有効であるため、同一又は別の遊技者が新たにメダルを購入してゲームを行うことで、入賞図柄を揃えてボーナス・ゲーム等の利益を享受することができる。この場合、遊技者にとっては、既にBBやRB等に当選しているスロットマシンにおいて、あとは入賞図柄を揃えるだけで大量の入賞メダルが獲得できる遊技を確実に行えることになり、遊技場(ホール)にとっても、本来の入賞メダルを払い出しつつ既に実行された貸出メダルを確実に回収することができる。
このように、本発明のメダル貸出機能付きスロットマシンによれば、遊技者側,遊技ホール側の双方に損失のない形で、遊技者にボーナス・ゲーム等を満喫させることができ、従来には存在しない魅力あるスロットマシン遊技を提供することができる。
【0022】
また、本発明のメダル貸出機能付きスロットマシンは、請求項3に記載するように、メダル貸出実行手段は、所定のメダル貸出要求操作が行われることによりメダル貸出を実行する構成としてある。
【0023】
このような構成とすることにより、メダルの貸出は、所定のメダル貸出要求操作が行われることによって実行されることになり、遊技者の判断により、貸出メダルの実行を選択できるようになる。
これにより、メダルの貸出を遊技者の判断で要求できるばかりでなく、例えば貸出メダルの実行を内部当たり告知として利用したい遊技者は、投入メダルのクレジットが所定枚数以下(例えばゼロ枚)となる都度に、メダル貸出要求操作を行って、メダルが貸出可能か否かを確認できるとともに、BBやRB等の当選の有無を確認することができる。従って、遊技者は、貸出要求操作によって内部当たりを確実に知ることができるとともに、貸出要求操作を行うことによる内部当たり当選に対する期待感や満足感を高めることができる。
ここで、所定のメダル貸出要求操作としては、例えばメダルの貸出要求を行うための専用スイッチを設け、その専用スイッチを押下したり、既存のスロットマシンに備えられるメダルBETスイッチを押下する等によって実現できる。
【0024】
また、本発明のメダル貸出機能付きスロットマシンは、請求項4に記載するように、メダル貸出が実行可能であることを告知するメダル貸出告知手段を備える構成としてある。
特に、メダル貸出告知手段は、請求項5に記載するように、所定のメダル貸出要求操作が行われることにより、メダル貸出が実行可能であることを告知する構成としてある。
【0025】
このような構成とすることにより、例えばBBやRB等の所定の内部当たりに当選し、かつ、メダルクレジット数がゼロ枚となる等、所定のメダル貸出の条件が成立した場合に、メダル貸出が実行可能となったこと、すなわち所定の内部当たりに当選したことをランプや音声等で告知されるようになる。これにより、遊技者は、より確実にメダル貸出の有無を知ることができ、自らの判断でメダルの貸出を受けてゲームを続行したり、内部当たり当選の有無を確認することができる。特に、メダル貸出告知手段が、上述したメダル貸出要求操作用の専用スイッチやメダルBETスイッチが操作されたときに告知を行うようにすることで、内部当たりに対する期待感や満足感を高めることができる内部当たり告知手段として構成することができる。
ここで、メダル貸出告知手段は、例えば、専用の告知ランプや告知音発生手段等で構成でき、また、投入メダルのクレジット数を表示する表示部を利用し、クレジット数のマイナス表示や点滅表示によって貸出メダル数を表示させることで貸出告知を行うこともできる。
【0026】
また、本発明のメダル貸出機能付きスロットマシンは、請求項6に記載するように、内部当たり抽選の結果、告知対象となる所定の入賞内容に当選すると、その当選を告知する内部当たり告知手段を備え、内部当たり告知手段での告知対象となる入賞内容が、メダル貸出対象となる入賞内容である場合に、内部当たり告知手段は、所定のメダル貸出要求操作が行われることにより、告知対象となる入賞内容の当選を告知する構成としてある。
【0027】
このような構成とすることにより、告知ランプや告知音等によって内部当たり告知を行う内部当たり告知手段を備えるスロットマシンにおいて、遊技者の貸出要求操作によってメダル貸出が実行される場合に、内部当たり告知が行われるようにすることができる。
これによって、既存の内部当たり告知手段をメダル貸出告知手段として構成することができるので、本発明に係るメダル貸出機能を既存のスロットマシンに容易に適用することが可能となり、より汎用性,拡張性,多様性に富んだ魅力あるスロットマシンを提供できるようになる。
【0028】
また、本発明のメダル貸出機能付きスロットマシンは、請求項7に記載するように、メダル貸出実行手段で実行された貸出メダル数を表示する貸出メダル表示手段を備える構成としてある。
【0029】
このような構成とすることにより、貸出メダル数を表示する表示手段を設けることにより、遊技者に対して貸出メダル数を明確に提示できるとともに、貸出メダル数を表示することで、メダル貸出が実行される告知を行うことができる。
これにより、より汎用性,拡張性,多様性に富んだスロットマシンを実現することができる。
ここで、貸出メダル表示手段としては、例えばメダル数を表示する7セグメント表示装置や液晶表示装置等で構成することができ、貸出メダル専用の表示手段を備えることができ、また、投入メダルのクレジット数を表示する既存の表示部を利用し、クレジット数のマイナス表示や点滅表示によって貸出メダル数を表示させることができる。
【0030】
また、本発明のメダル貸出機能付きスロットマシンは、請求項8に記載するように、貸し出された貸出メダル数を記憶し、以後のゲームで払い出される入賞メダル数から貸出メダル数を差し引く貸出メダル回収手段を備えた構成としてあり、さらに、貸出メダル回収手段は、請求項9に記載するように、未回収の貸出メダル数がある場合に、以後のゲームで投入される新規投入メダルから未回収の貸出メダル数を差し引く構成としてある。
【0031】
このような構成とすることにより、遊技者に貸し出された貸出メダルは、その後に開始されるボーナス・ゲーム等で払い出される入賞メダルによって回収されることになる。
また、貸出メダルを全て消費しても入賞図柄が揃わなかったような場合には、貸出メダルが未回収となるので、その後に同一又は別の遊技者が新たに投入した新規投入メダルを未回収の貸出メダルに充当して回収が行われることになる。
【0032】
一般に、ボーナス・ゲーム等で払い出される入賞メダル数は、例えばRBの場合には百枚以上、BBの場合には数百枚となることがある。
従って、遊技者にとっては、払い出される入賞メダルから貸出メダル数が差し引かれた回収されても、また、新規投入メダルから未回収の貸出メダル分が差し引かれても、それ以上の大量の入賞メダルを確実に獲得できれば損失は生じない。
また、ホール側にとっても、本来の入賞メダルの払い出しによって遊技者に利益を保証しつつ、既に貸し出された未回収メダルを確実に回収することができる。
これにより、本発明では、遊技者が納得のいく形でボーナス・ゲーム等を満喫させつつ、貸出メダルを容易かつ確実に回収できるようになり、遊技者側,遊技ホール側の双方に損失のない形で魅力ある新たなスロットマシン遊技を提供することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るメダル貸出機能付きスロットマシンの好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
なお、以下の実施形態に示す本発明のメダル貸出機能付きスロットマシンは、プログラムに制御されたコンピュータにより動作するようになっている。プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、スロットマシンの動作に必要となる所定の処理、例えば、リールの回転及び停止制御処理,内部当たりの抽選処理,メダルの払出処理,メダルの貸出処理等を行わせる。このように、本発明のスロットマシンにおける各処理,動作は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段により実現できるものである。
なお、プログラムは予めROM,RAM等の記録媒体に格納され、コンピュータに実装された記録媒体から当該コンピュータにプログラムを読み込ませて実行されるが、例えば通信回線を介してコンピュータに読み込ませることもできる。また、プログラムを格納する記録媒体は、例えば半導体メモリ,磁気ディスク,光ディスク、その他任意のコンピュータで読取り可能な任意の記録手段により構成できる。
【0034】
[スロットマシン本体]
まず、図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態に係るメダル貸出機能付きスロットマシンの本体の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンの本体を示す概略正面図である。また、図2は、同じく本実施形態に係るスロットマシン本体の内部構造を示す概略斜視図である。
これらの図に示すように、本実施形態のスロットマシンは、従来のスロットマシンと同様、スロットマシン1に備えられた複数のリール21(図2に示すリール21a,21b,21c参照)を回転させ、各リール21a〜21cに付された図柄(文字,数字,絵柄等)を所定の配列に停止させることによって入賞メダルを獲得することができる回胴式遊技機を構成している。
具体的には、スロットマシン1は、内部に必要な構成,装置等を収納した筐体状に構成されており、前面側は前面パネル2によって開閉自在に覆われるようになっている。
前面パネル2は、図1及び図2に示すように、スロットマシン1に対して開閉自在に取り付けられる扉体で、スロットマシンの正面部を構成している。
【0035】
この前面パネル2のほぼ中央部分には、三つの表示窓3(3a,3b,3c)が設けられている。
表示窓3は、スロットマシン1内部に配設された三つのリール(左)21a,リール(中)21b,リール(右)21c(図2参照)の視認用の窓部で、通常、無色透明又は有色透明な樹脂製パネル等からなり、三つの各リール21の周囲に描かれた複数の図柄のうち、縦方向に連続して隣接する複数(通常三つ)の図柄をそれぞれ視認,識別できるようになっている。
表示窓3には、入賞ライン表示が描かれており(図1では5ライン)、入賞ライン表示に沿って停止,配列されたリール21a〜21cの図柄の組合せによって、ゲームの入賞が決定されるようになっている。
【0036】
前面パネル2の表示窓3の下側には、図1に示すように、スタートレバー4及びストップボタン5が備えられている。
スタートレバー4は、三つの各リール21の回転を開始させるゲームスタート手段であり、このスタートレバー4が遊技者の操作によって押下されることで、後述する制御手段10にスタート信号が出力され(図3参照)、本体内部の各リール21a〜21cが一斉(又は順次)に回転するようになっている。
また、このスタートレバー4の押下によりスタート信号が入力されることで、後述する制御手段10の抽選手段11aにおいて(図3参照)内部当たりの抽選が行われるようになっている。
【0037】
ストップボタン5は、回転するリール21を停止させる停止手段であり、三つのリール(左)21a,リール(中)21b,リール(右)21cに対応して設けられた三つのストップボタン(左)5a,ストップボタン(中)5b,ストップボタン(右)5cが備えられている。この各ストップボタン5a,5b,5cが遊技者の任意のタイミングで押下されることで、制御手段10にストップ信号が出力され(図3参照)、対応する各リール21a,21b,21cの回転が停止されるようになっている。
従って、遊技者がこれらスタートレバー4及びストップボタン5を操作することにより、三つのリール21a〜21cを回転及び停止させて、各リール21a〜21cに付された図柄を所定の入賞配列となるよう揃えるスロットマシン遊技を行うことができる。
【0038】
リール21は、一般のスロットマシンにおけるものと同様、外周に複数(通常21個)の絵柄や文字等の図柄が描かれた円筒状部材からなり、縦方向(図面上下方向)に回転する三つのリール(左)21a,リール(中)21b,リール(右)21cが、図2に示すように、横方向(図面左右方向)に一列に並んで配設されている。
各リール21a〜21cに備えられる図柄は、各リールごとに等間隔で配設され、例えば「7」や「BAR」等の文字や、スロットマシンのキャラクターや果物等を示す絵柄等が、所定の順番で表示されており、通常、各リールに21個ずつの図柄が表示されるようになっている。
そして、このリール21a〜21cの図柄が、対応するストップボタン5a〜5cが押下操作されることで、上述した表示窓3の入賞ライン表示に沿って、例えば「7・7・7」や「BAR・BAR・BAR」等、所定の組合せで停止されることで入賞が決定される。
【0039】
三つのリール21a〜21cは、スロットマシン1の内部に備えられた制御手段10及びドラムユニット20により駆動制御及び停止制御されるようになっている。ドラムユニット20は、三つのリール21a〜21cを回転自在に保持するとともに、スタートレバー4及びストップボタン5a〜5cが押下操作されることで、後述する制御手段10の制御部11からパルス(駆動)信号を入力し(図3参照)、対応するリール21a〜21cの回転の始動,定速回転及び停止の制御を行うようになっている。
このドラムユニット20により、制御手段10で行われる内部当たり抽選の結果に応じてリール21の停止位置が制御され、遊技者のストップボタン5を押すタイミングに拘わらず、すなわち、各ストップボタン5a〜5cの押下タイミングがずれていても、一定範囲内(通常、図柄4コマの範囲内)で対応するリール21a〜21cの図柄が特定配列となるよう、リール21が停止制御されるようになっている。
【0040】
例えば、内部当たり抽選の結果、所定の入賞内容に当選すると、遊技者のストップボタン5a〜5cを押すタイミングに拘わらず、対応する各リール21a〜21cの図柄が「7・7・7」や「BAR・BAR・BAR」等、所定の配列となるよう、リール21が停止制御されることになる。
これにより、スタートレバー4からのスタート信号を契機として制御手段10で内部当たり抽選が行われ、制御手段10からの制御信号によりドラムユニット20が制御されることで、ストップボタン5が押下されるタイミングに拘わらず、一定範囲内で内部当たり抽選の結果に応じた停止位置で各リール21a,21b,21cが停止されることになる。
【0041】
なお、リール21の停止制御は、各リール21a〜21cを停止させる順番、すなわち、ストップボタン5a〜5cを押下する順番によって、図柄配列の揃い易さが異なるような停止制御が行われる場合がある。
例えば、内部当たり抽選の結果、「小役」に入賞した場合にはストップボタン5a〜5cを特定の順、例えば「左→中→右」(順押し)の順で押下してリール21a〜21cを「左→中→右」の順で停止させた場合にだけ、その「小役」の図柄配列となるようにリール21が停止制御され、「ボーナス・ゲーム」に入賞した場合に、特定の順、例えば「右→中→左」(逆押し)の順にリール21を停止させるとボーナス図柄が揃うようにリールが停止制御される場合がある。そして、このようにリール21の特定の停止順を遊技者側にランプや音,表示等によって告知(アシスト)することで遊技者に有利な特定の遊技状態(所謂「アシストタイム(AT)」)を提供することができる。
【0042】
前面パネル2のスタートレバー4及びストップボタン5の上部近傍には、図1に示すように、メダル投入口6及びメダルBETスイッチ7が備えられている。メダル投入口6は、ゲームに使用される遊技媒体となるメダルの受け入れ口であり、このメダル投入口6から投入されるメダル数だけゲームが行えるようになっている。
ここで、メダル投入口6の本体内部側には、図示しないメダル検出部が備えられ、投入されたメダル数がカウントされ、そのメダル数を示すメダル信号が、本体内部の制御手段10に出力されるようになっている(図2参照)。
また、メダル投入口6から投入されるメダルの数は、貯留メダル数として後述する制御手段10内の記憶部12に記憶されるようになっており(図3参照)、遊技の開始に先立って、予め複数のメダルを投入して貯留メダルとして貯留,記憶できるようになっている。
【0043】
メダルBETスイッチ7は、メダル投入口6から投入されたメダルに貯留メダルがある場合に、その貯留メダルの中からゲームに使用する(掛ける)メダルを投入するメダル投入用スイッチである。
このメダルBETスイッチ7が押下されると、メダル信号が制御手段10に出力され(図3参照)、押下された回数と同数のメダルが、記憶部12の貯留メダルからゲームに投入されることになる。
なお、本実施形態では特に図示しないが、メダルBETスイッチ7は、一回の押下によって一ゲームに投入可能な最大数のメダルを貯留メダルから投入するMAX−BETスイッチや、一回の押下で一枚のメダルを貯留メダルから投入する1−BETスイッチ等の種類がある。
【0044】
そして、本実施形態では、メダルBETスイッチ7が操作されることにより、所望枚数の貸出メダルが貸し出されてゲームに投入されるようになっている。
後述するように、本実施形態のスロットマシン1は、制御手段10のメダル貸出決定手段11b及びメダル貸出実行手段11cにより、メダルの貸出が決定,実行されるようになっている。このメダル貸出は、所定条件が成立した場合(本実施形態では、内部当たり抽選の結果メダル貸出対象となる所定の入賞内容に当選し、かつ、貯留メダル数がゼロとなった場合)にメダル貸出が決定され、その後、遊技者がメダル貸出スイッチ40(図1参照)を操作することで実行され、所定枚数の貸出メダルが投入可能状態となる。
そして、この投入可能状態にある貸出メダルのゲームへの投入が、メダルBETスイッチ7の操作で行えるようになっている。
【0045】
貸出メダルは、例えば最大限15枚等の所定枚数の範囲内で貸し出され、この範囲内においてゲーム投入可能となり、メダルBETスイッチ7の操作により、例えば1枚BETや3枚BET等、所望の枚数のメダルを投入できるようになっている。これにより、遊技者は、通常のゲームにおける貯留メダルの投入と同様の方法で貸出メダルを投入してゲームを行うことができる。
なお、貸出メダルは、メダルBETスイッチ7で投入する以外の態様で貸出することも勿論可能である。例えば、最大限枚数(15枚等)の貸出メダルを、貸出実行時に一度にメダル払出し口8(図1参照)から払い出して遊技者に貸出することもできる。
【0046】
そして、このようなメダル貸出の実行契機となる要求操作を行う手段として、本実施形態では、メダル貸出スイッチ40を備えている。
メダル貸出スイッチ40は、遊技者が押下操作できる押しボタンによって構成してあり、図1に示すように、前面パネル2のストップボタン5の右側近傍に設けてある。
このメダル貸出スイッチ40が押下されると、貸出メダル要求信号が制御手段10に出力され(図3参照)、メダルの貸出が決定されていれば、メダル貸出が実行されて、所定枚数の範囲内で貸出メダルが投入可能状態となる。この状態で、遊技者は、上述したように、メダルBETスイッチ7を操作することで所望枚数の貸出メダルをゲームに投入することができる。
【0047】
また、本実施形態では、メダルの貸出が決定されている場合に、メダル貸出スイッチ40が押下されることで、内部当たり告知が行われるようになっている。
後述するように、本スロットマシン1では、内部当たり抽選の結果、BBやRB等の告知対象となる所定の入賞内容に当選すると、その当選を告知する内部当たり告知部30を備えている。
本実施形態では、この内部当たり告知部30での告知対象となる入賞内容を、メダル貸出対象となる入賞内容として設定してあり、メダル貸出スイッチ40によるメダル貸出要求操作が行われることにより、内部当たり告知部30は告知対象となる入賞内容の当選を告知するようになっている。
【0048】
これにより、遊技者の貸出要求操作によって、告知ランプや告知音等による内部当たり告知が行われることになり、例えば貸出メダルの実行を内部当たり告知として利用したい遊技者は、投入メダルのクレジットが所定枚数以下(例えばゼロ枚)となる都度に、メダル貸出スイッチ40を押下して、メダル貸出の可否を確認するとともに、BBやRB等の当選の有無を確認することができる。
従って、遊技者は、貸出要求操作によって内部当たりを確実に知ることができるとともに、貸出要求操作を行うことによる内部当たり当選に対する期待感や満足感を高めることができる。
なお、本実施形態では、メダル貸出要求操作を行う手段として、専用のメダル貸出スイッチ40を設けたが、このような専用スイッチ以外の手段を採用することも勿論可能である。例えば、メダル貸出スイッチ40に代えて(又はメダル貸出スイッチ40とともに)、メダルBETスイッチ7等のスロットマシンに通常備えられるスイッチ,レバー等を貸出要求操作用の手段として割り当てることもできる。
【0049】
スロットマシン1の下側には、入賞メダル払出し口8及びスピーカ9が備えられている。
入賞メダル払出し口8は、ストップボタン5の押下によって停止されたリール21が所定の入賞配列となった場合に、当該配列に応じた数量の入賞用のメダルが払い出されるようになっている。
スピーカ9は、遊技者に対してメロディ音やメッセージ音等の各種の音声を発生するようになっており、本実施形態では、後述するように、制御手段10で内部当たり抽選が行われ、所定のボーナス・ゲームに入賞した場合に、それを告知する内部当たり告知音声を発するようになっている。
【0050】
そして、本実施形態では、上述したように、所定条件が成立し、遊技者が貸出要求操作を行うことにより内部当たり告知が行われるようになっており、この場合には、スピーカ9は、メダル貸出スイッチ40が押下操作されることにより、所定の告知音声を発することになる。その際、メダル貸出が行われる場合には、例えば「貸出メダルがあります!チャンス!」等、通常の内部当たり告知の音声に代えて、又は通常の内部当たり告知の音声とともに、貸出メダルの実行を告知する音声を発することができる。
また、本実施形態では、後述する制御手段10の制御により、リール21a〜21cを特定の順番に停止させたときに特定の入賞配列が揃い易くなる制御が行われる場合があり、その場合には、リール21a〜21cの特定の停止順に対応したストップボタン5a〜5cの押下順が、スピーカ9を介して、例えば「右!中!左!」というように音声で告知されるようになっている。
なお、スピーカ9からのリール21の押下順の告知は、制御手段10の制御により、選択的に告知が行われたり行われなかったりすることができる。
【0051】
スロットマシン1の前面パネル2には、図1に示すように、内部当たり告知部30を備えている。本実施形態では、前面パネル2の左隅部のメダルBETスイッチ7の近傍に、「GO!GO!」等の表示が点灯・点滅する告知ランプによって構成されている。
この内部当たり告知部30は、スロットマシン1の制御手段10における内部当たり抽選の結果、所定のボーナス・ゲーム等に入賞した場合に点灯又は点滅するランプからなり、このランプが、上述したスピーカ9からの告知音声とともに点灯(点滅)することによって、内部当たりが告知されるようになっている。この内部当たり告知部30が点灯(点滅)することにより、遊技者は内部当たり抽選の結果、所定のボーナス・ゲームに入賞したことを知ることができるようになっている。
【0052】
そして、本実施形態では、上述したように、所定条件が成立し、遊技者が貸出要求操作を行うことにより内部当たり告知が行われるようになっており、この場合には、内部当たり告知部30は、メダル貸出スイッチ40が押下操作されることにより、告知ランプを点灯(点滅)させて内部当たりの告知が行われる。その際、メダル貸出が行われる場合には、例えば、通常の内部当たり告知の際とは異なる態様でランプを点灯・点滅させることができる。なお、メダル貸出が行われない場合に、所定の入賞内容の当選を告知できることは勿論である。
ここで、内部当たり告知部30は、視覚を通じて遊技者側に内部当たりを告知できる限り、どのような構成とすることもでき、上述した点灯(点滅)するランプの他、例えば、液晶表示部やマトリックス状に配設されるLED等、任意の構成を採用することができる。また、この内部当たり告知部30による告知は、制御手段10の制御により、選択的に告知が行われたり行われなかったりすることができる。
【0053】
さらに、スロットマシン1の前面パネルには、図1に示すように、クレジット表示部(貸出メダル表示部)41が備えられている。本実施形態では、前面パネル2の右隅部のメダル投入口6近傍に、例えば2桁の数字を表示可能な7セグメントのLED表示装置によって構成されている。
このクレジット表示部41は、メダル投入口6から投入される貯留メダルの枚数(貯留メダル数)を表示するようになっている。例えば、最大50枚の貯留メダル数がクレジット表示部41に表示され、メダルBETスイッチ7の操作により貯留メダルがゲームに投入されるたびに、クレジット表示部41の数字が投入枚数毎に減っていくようになっている。
【0054】
そして、本実施形態では、クレジット表示部41が、貸出メダルの貸出枚数を表示する貸出メダル表示部ともなっている。
上述したように、メダルの貸出は、所定条件が成立する(内部当たり抽選の結果メダル貸出対象となる所定の入賞内容に当選し、かつ、貯留メダル数がゼロとなる)ことによりメダル貸出が決定され、その後、遊技者がメダル貸出スイッチ40を操作することで、所定枚数の貸出メダルが投入可能状態となる。
本実施形態では、この投入可能な貸出メダル枚数がクレジット表示部41に表示され、遊技者は所定条件が成立してメダル貸出が実行されたこと、従って、所定の内部当たりに当選したことを知ることができるとともに、通常のゲームにおける貯留メダル数と同様に、投入可能な貸出メダルの残り数を知ることができる。
【0055】
ここで、クレジット表示部41の表示態様としては、通常のゲームでの貯留メダル数と貸出メダル数とを明確に識別できるように、ことなる表示が行われる。例えば、通常の貯留メダルと貸出メダルとで、メダル数を示す数字の表示色を異ならせたり、貸出メダル数については点滅表示やマイナス表示とすることができる。
なお、本実施形態では、貸出メダルを表示する表示手段として、貯留メダルを表示する既存のクレジット表示部を利用しているが、これを貸出メダル専用の表示手段を備えることも勿論可能である。
【0056】
[制御手段]
次に、以上のような構成からなる本実施形態に係るスロットマシンを制御する制御手段10について、図3を参照しつつ説明する。
図3は、図1に示す本実施形態に係るスロットマシンの制御手段の概略を示すブロック図である。同図に示すように、本実施形態の制御手段10は、例えば、CPUとRAM,ROM等からなるマイクロコンピュータでプログラムが実行されることにより実現され、上述したようなスロットマシン1の各部の処理,動作を制御する。
具体的には、本実施形態の制御手段10は、図3に示すように、制御部11と記憶部12を備え、制御部11は、抽選手段11a,メダル貸出決定手段11b,メダル貸出実行手段11c,貸出メダル回収手段11dの各手段を備えている。
【0057】
制御部11は、メダル投入口(メダル検知部)6からのメダル信号及びメダルBETスイッチ7(7a,7b)からのメダル信号を入力し、メダル投入口6から投入されたメダルの枚数及びメダルBETスイッチ7を用いて掛けられたメダルの投入枚数を確認するとともに、メダルBETスイッチ7からのメダル信号に基づき、記憶部12で記憶される貯留メダル枚数を減少させる。これにより、各ゲームに使用される(掛けられる)メダル数が決定されることになる。
また、制御部11は、スタートレバー4からのスタート信号及びストップボタン5a〜5cからのストップ信号を入力することにより、リール21の制御信号となるパルス(駆動)信号をドラムユニット20へ出力し、リール21a〜21cを回転及び停止させる。これにより、ドラムユニット20では、スタート信号によってリール21a〜21cを回転させるとともに、ストップボタン5a〜5cの押下操作により入力されるストップ信号により、対応するリール21a〜21cを停止させることになる。
【0058】
また、制御部11は、ドラムユニット20から入力されるマーカー信号より、各リール21a〜21cの停止図柄を認識し、この停止図柄が所定の入賞配列か否かを判定するようになっており、判定の結果、所定の入賞配列であるときは、入賞の種類に応じた枚数のメダルの払出し処理を行うようになっている。
さらに、制御部11は、メダル貸出スイッチ40が押下されることにより貸出メダル要求信号が入力される。この貸出メダル要求信号が入力されると、メダル貸出決定手段11bにおいてメダルの貸出が決定されていれば、メダル貸出実行手段11cによってメダル貸出が実行され、所定枚数の範囲内で貸出メダルが投入可能状態となる。投入可能な貸出メダル数は記憶部12に格納される。そして、メダルBETスイッチ7が操作されてメダル信号が入力されることにより、記憶部12の貸出メダル数を減少させて、所定枚数の貸出メダルがゲームに投入されるようになっている。
【0059】
制御部11の抽選手段11aでは、所定の内部当たり抽選が行われる。
抽選手段11aでは、従来のスロットマシンの場合と同様、乱数発生装置と記憶部12に予め設定,記憶された抽選テーブルを用いて、所定の内部当たり抽選が行われる。
この内部当たり抽選は、具体的には、スロットマシン内部に備えられる図示しない乱数発生装置(ICカウンタ)と抽選テーブルによって行われる。例えば、乱数発生装置となるICカウンタがアップカウント等することにより一定時間毎に乱数が生成され、スタートレバーが押下された瞬間に一の乱数が選択される。抽選テーブルには、乱数の範囲に対応してBB,RB,小役,ハズレ等の所定の入賞内容が割り当てられており、選択された乱数が抽選テーブルの値と比較されることにより、その乱数値に該当する入賞内容が決定されることになる。
【0060】
この内部当たり抽選の結果により各ゲームにおける入賞内容が決定され、その入賞内容に応じてリール21の停止位置が制御されることになり、ある入賞内容に当選すると、遊技者のストップボタン5を押すタイミングに拘わらず、一定範囲内で各リール21に付された図柄がその入賞内容に応じた配列となるように停止制御されることになる。すなわち、制御部11は、抽選手段11aの抽選結果に応じた所定の入賞配列にリール21を停止制御するパルス(駆動)信号をドラムユニット20に出力し、ドラムユニット20では、この信号に基づいてリール21の停止位置を制御する。これにより、各リール21a〜21cは、ストップボタン5a〜5cが押下されるタイミングに拘わらず、一定範囲内で、図柄が入賞内容に応じた所定の入賞配列となるように停止するようになる。
なお、抽選手段11aで抽選,決定される入賞内容としては、一般に「ハズレ」,「小役(リプレイを含む)」,「レギュラー・ボーナス」,「ビッグ・ボーナス」等、数種類に分かれており、本実施形態でも、同様の入賞内容が抽選により決定されるようになっている。但し、この入賞の種類や具体的な内容は、スロットマシンの型や種類等に応じて設定されるようになっており、本実施形態に係るスロットマシンを実施するための特段の限定等はない。
【0061】
また、内部当たり抽選の結果、BB,RB等のボーナス・ゲーム等の所定の入賞内容に当選した場合には、制御部11は内部当たり告知部30に信号出力し、ランプの点灯(点滅)等による内部当たり告知を行わせる。
そして、本実施形態では、制御部11は、内部当たり告知の対象となる入賞内容に当選した場合に、その入賞内容がメダル貸出対象の入賞内容であり、かつ、記憶部12に記憶された貯留メダルのクレジット数が所定枚数以下(本実施形態ではゼロ枚)の場合には、直ちに内部当たり告知部30に信号を出力せず、メダル貸出スイッチ40が押下されると信号を出力し、内部当たり告知を行わせるようになっている。
従って、本実施形態では、例えばBBやRB等の所定の内部当たりに当選し、かつ、メダルクレジット数がゼロ枚となる等、所定のメダル貸出の条件が成立した場合に、メダル貸出スイッチ40が押下されると、内部当たり告知が行われることになる。勿論、メダル貸出が行われない場合にも、所定の入賞内容の当選が告知されるようにすることもできる。
【0062】
そして、メダル貸出の決定,実行,回収は、制御部11のメダル貸出決定手段11b,メダル貸出実行手段11c,貸出メダル回収手段11dで制御される。
メダル貸出決定手段11bは、抽選手段11aにおける内部当たり抽選の結果、メダル貸出対象となる所定の入賞内容、例えばBBやRB等のボーナス・ゲームに当選すると、所定数の貸出メダルの貸出を決定する。
本実施形態では、メダル貸出決定手段11bは、内部当たり抽選の結果、所定のメダル貸出対象となる入賞内容(例えばBBやRB等のボーナス・ゲーム)に当選した場合に、記憶部12の既投入メダルのクレジット数を読み出し、クレジット数が所定数以下(例えばクレジット枚数ゼロ)である場合に、所定枚数(例えば最大15枚)のメダル貸出を決定する。
【0063】
具体的には、メダル貸出決定手段11bは、内部当たり抽選の結果、BBやRB等の所定の内部当たり告知対象となる入賞内容に当選すると、内部当たり告知部30による内部当たり告知を行うための条件フラグをセットする。
そして、この条件フラグがセットされると、メダル貸出決定手段11bは、貯留メダルのクレジット数を検出し、クレジット数が所定枚数以下(例えばクレジット枚数ゼロ)の場合には、メダル貸出条件の成立を示すメダル貸出決定フラグをセットする。
この貸出条件成立フラグのセットにより、以下に示すメダル貸出実行手段11cにおけるメダル貸出の実行が行われることになる。
【0064】
ここで、メダルの貸出が決定,実行される貸出対象となる入賞内容として、本実施形態ではBB,RB等のボーナス・ゲームを設定してある。但し、メダル貸出の対象となる入賞内容はBBやRBに限定されるものではない。
すなわち、本発明のメダル貸出機能付きスロットマシンでメダル貸出の対象となる入賞内容は、遊技者に有利な特定の遊技状態が制御され、一定のメダル払出が確実に行われる限り、特定の入賞内容,遊技状態に限定されものではない。
例えば、BB,RB等のボーナス・ゲーム以外にも、払出が確実に行われるストップボタンの押し順がアシストされる「アシストタイム」や、蓄積された一又は二以上のボーナス・ゲームが解放される「ボーナス解放」、一定数のゲームの間リールの停止制御が解除される所謂「チャレンジタイム」、リプレイ(再遊技)に入賞する確率が高くなる「リプレイタイム(RT)」、「アシストタイム」と「リプレイタイム」が組み合わされた「アシストリプレイタイム(AR)」、特定小役の入賞確率が高くなる「確率変動」等、どのような入賞内容,遊技状態を対象とすることもできる。
【0065】
メダル貸出実行手段11cは、メダル貸出決定手段11bで決定された所定枚数の範囲内でメダル貸出を実行する。
本実施形態では、メダル貸出実行手段11cは、メダル貸出決定手段11bでのメダル貸出が決定された場合に、メダル貸出スイッチ40が押下操作されることにより、最大貸出枚数の範囲でメダル貸出を実行する。
具体的には、メダル貸出実行手段11cは、メダル貸出決定手段11bにおいてメダル貸出が決定された後(貸出条件成立フラグON)、メダル貸出スイッチ40の押下による貸出メダル要求信号を入力すると、記憶部12の最大貸出メダルカウンタに最大貸出メダル枚数(例えば15枚)をセットする。そして、メダルBETスイッチ7からのメダル信号が入力されるごとに、記憶部12の貸出メダルカウンタの値を、最大貸出メダルカウンタの値となるまでインクリメントする。
これにより、最大貸出枚数の範囲内で貸出メダルは投入可能となり、遊技者がメダルBETスイッチ7を操作することで所望枚数の貸出メダルがゲームに投入されることになる。
【0066】
貸出メダル回収手段11dは、貸し出された貸出メダル数を記憶し、以後のゲームで払い出される入賞メダル数から貸出メダル数を差し引き、また、未回収の貸出メダル数がある場合に、以後のゲームで投入される新規投入メダルを、未回収の貸出メダル数だけ回収するようになっている。
具体的には、貸出メダル回収手段11dは、貸出メダルが投入された後、記憶部12の貸出メダルカウンタの値がゼロになるまで、以後のゲームで払い出される入賞メダルから貸出メダル数を差し引いて、カウンタ値をディクリメントする。
また、以後のゲームでの入賞メダルでは貸出メダルカウンタの値がゼロにならなかった場合には、その未回収の貸出メダル数を、以後のゲームで投入される新規の投入メダルから、カウンタ値がゼロになるまで回収する。
【0067】
このように、本実施形態では、遊技者に貸し出された貸出メダルは、その後に開始されるボーナス・ゲーム等で払い出される入賞メダルによって回収される。また、貸出メダルを全て消費しても入賞図柄が揃わなかったような場合には、貸出メダルが未回収となるので、その後に同一又は別の遊技者が新たに投入した新規投入メダルを未回収の貸出メダルに充当して回収が行われる。
一般に、ボーナス・ゲーム等で払い出される入賞メダル数は、例えばRBの場合には百枚以上、BBの場合には数百枚となる。従って、遊技者にとっては、払い出される入賞メダルから貸出メダル数が差し引かれた回収されても、また、新規投入メダルから未回収の貸出メダル分が差し引かれても、それ以上の大量の入賞メダルを確実に獲得できれば損失は生じない。また、このようにすれば、ホール側にとっても、本来の入賞メダルの払い出しによって遊技者に利益を保証しつつ、既に貸し出された未回収メダルを容易に回収できることになる。
そこで、本実施形態では、以後のゲームにおける入賞メダル,投入メダルから貸出メダルを差し引くことで、遊技者が納得のいく形でボーナス・ゲーム等を満喫させつつ、ホール側で確実にメダルを回収できるようにしてある。
【0068】
記憶部12は、制御手段10におけるスロットマシン各部の制御や遊技制御に必要なプログラムや各種のデータを記憶,蓄積する記憶手段である。
例えば、記憶部12には、抽選手段11aでの内部当たり抽選に用いられる抽選テーブル等が記憶されるようになっている。
また、記憶部12には、上述したメダル投入口6から投入される貯留メダルの枚数(貯留メダル数)が記憶され、メダルBETスイッチ7のメダル信号により、記憶された貯留メダル枚数が減少される。
さらに、本実施形態では、メダル貸出が実行される場合には、その貸出メダル数が記憶部12で記憶,管理されるようになっている。
【0069】
具体的には、記憶部12は、上述した制御部11で実行される貸出メダルの最大貸出数を記憶するカウンタ(最大貸出メダルカウンタ)や、遊技者のBET操作で実際にゲームに投入された貸出メダル数を記憶するカウンタ(貸出メダルカウンタ)等を備え、貸出が決定された最大貸出メダル数と、ゲームに投入された貸出メダル数が格納されるようになっている。
貸出メダルカウンタの値は最大貸出メダルカウンタの値と比較され、最大貸出メダルカウンタの値と一致するまでインクリメントされ、これによって最大枚数までの貸出メダルがゲームに投入可能に制御される。
そして、貸出メダル回収手段11dの制御により、以後のゲームで入賞メダルの払出があると、貸出メダルカウンタの値がゼロになるまで、払い出された入賞メダルから貸出メダル数を差し引いて、カウンタ値がディクリメントされる。また、以後のゲームでの入賞メダルで貸出メダルカウンタの値がゼロにならなかった場合には、未回収の貸出メダル数を、以後のゲームで投入される新規の投入メダルから差し引き、カウンタ値がゼロになるまでディクリメントされる。
これによって、貸出メダルが回収されることになる。
【0070】
なお、以上説明した本実施形態に係るメダル貸出機能付きスロットマシンの構成は、上述した各部の他は、既存のスロットマシンにおける構成,機能とほぼ同様となっており、遊技方法,遊技システム等もほぼ同様である。
例えば、前面パネル2は、上述した構成の他、表示窓3の下側に各リールに対応したストップランプを備えることができ、このストップランプを順次点灯させることで、所定の入賞配列が揃い易いストップボタン5a〜5cの押下順を告知することができる。
従って、既存マシンと同様の部分については詳細な説明は省略する。
【0071】
[遊技動作]
次に、以上のような構成からなる本実施形態に係るスロットマシンの動作について、図4を参照しつつ説明する。図4は、本実施形態に係るスロットマシンの動作の概略を示すフローチャートである。
同図に示すように、まず、遊技者がメダル投入口6にメダルを投入することでゲームが開始される(図4に示すステップ401)。
ここで、投入されるメダルは、通常、表示窓3上の入賞ラインに対応して1枚掛け,2枚掛け又は3枚掛けに割り当てられ、4枚以上のメダルが投入された場合、4枚以上のメダルは貯留メダルとして制御手段10の記憶部12に記憶される。従って、貯留メダルは、メダルBETスイッチ7によって2回目以降のゲームにおいて投入可能に貯留されることになる。
【0072】
メダル投入後は、スタートレバー4が押下されることにより(ステップ402)、三つのリール21が一斉に回転を開始し、それと同時に、制御手段10の制御部11内の抽選手段11aにおいて内部当たりの抽選が行われる(ステップ403)。
その後、遊技者によりストップボタン5a〜5cが押下操作され、各ストップボタン5a〜5cに対応するリール21a〜21cが停止制御される(ステップ404)。
このとき、各リール21a〜21cは、制御部11及びドラムユニット20の制御により、ストップボタン5の押下のタイミングに拘わらず、一定範囲内で、各リール上の図柄が内部当たり抽選の入賞内容に応じた所定配列となるように停止制御される。そして、全リール21a〜21cが停止されると、その停止図柄に応じた処理が行われる。
【0073】
ここで、ステップ403での内部当たり抽選の結果、BBやRB等の所定の内部当たり告知対象となる入賞内容に当選した場合には(ステップ405)、制御部11の制御により、内部当たり告知部30を介して所定の内部当たり告知を行うための条件フラグがセットされる(ステップ406の「内部当たり告知ランプ点灯条件フラグON」)。なお、抽選の結果、内部当たり告知対象の入賞内容に当選しなかった場合は(ステップ405)、内部当たり告知もメダル貸出も行われないので、以後は通常の遊技状態となる。
内部当たり告知を行うための条件フラグがセットされると、記憶部12に記憶されている貯留メダルのクレジット数が読み出され、クレジット数が所定枚数以下か否か、すなわち、本実施形態の場合、クレジット数がゼロかどうかが判定され(ステップ407)、クレジット数がゼロの場合には、メダル貸出の条件が成立となり、メダル貸出決定を示すフラグがセットされる(ステップ408の「遊技メダル貸出条件フラグON」)。
このとき、前面パネル2のクレジット表示部41には、貯留メダル数がゼロである表示がされる。
【0074】
メダル貸出決定のフラグがセットされると、その後、遊技者の判断によりメダル貸出スイッチ40が押下操作されることにより(ステップ409)、貸出メダルの貸出処理が実行される(ステップ410以下)。
なお、メダル貸出スイッチ40が押下されない場合は(ステップ409)、メダル貸出は行われず、以後は通常の遊技状態となる。但し、この場合には、所定の内部当たり当選の効果は継続しており、内部当たり告知の条件フラグとメダル貸出の決定フラグがセットされているので、次回以降のゲームでメダル貸出スイッチ40が押下操作されれば(ステップ409)、以下に示すような貸出メダルの貸出処理が実行されることになる(ステップ410以下)。
【0075】
まず、メダル貸出スイッチ40が押下されると(ステップ409)、記憶部12の最大貸出メダルカウンタに最大貸出メダル数(本実施形態では15枚)がセットされる(ステップ410)。これにより、最大15枚の貸出メダルが以後のゲームで投入可能となる。このとき、クレジット表示部41には、15枚の貸出メダル数を示す点滅表示等の表示がされる。
また、メダル貸出スイッチ40が押下されると(ステップ409)、内部当たり告知30の内部当たり告知ランプが点灯する(ステップ411)。これにより、遊技者は、BB等の内部当たりに当選し、かつ、貸出メダルが投入可能であることを知ることになる。
【0076】
この状態で、遊技者は、自らの判断でメダルBETスイッチ7を操作して貸出メダルを投入し(ステップ412)、所定の入賞図柄(例えば「7・7・7」)を揃えるために遊技を行う。なお、貸出メダルは、通常のゲームの場合と同様、一回のゲームで1〜3枚のメダルが投入可能であり、最大15枚の貸出メダルの場合、最高5回までゲームが行えることになる。
貸出メダルがゲームに投入されると、記憶部12の貸出メダルカウンタが投入枚数分だけインクリメントされる(ステップ413)。そして、この貸出メダルカウンタの値が最大貸出メダルカウンタの値と比較される(ステップ414の「(最大貸出メダルカウンタ)−(貸出メダルカウンタ)=0?」)。これにより、遊技者は、最大15枚の貸出メダルが投入されるまでゲームが可能となる。
【0077】
その後は、投入された貸出メダルで行われたゲームで特定の入賞図柄が揃うと(ステップ415)、BBやRB等のボーナス・ゲーム等が開始し、入賞メダルが大量に払い出されることになり、この当選払出メダル数から貸出メダル数が差し引かれて回収される(ステップ416)。
また、特定の入賞図柄が揃ってボーナス・ゲーム等が開始した後は、内部当たり告知ランプは消灯し、内部当たり告知の条件フラグはOFFになり(ステップ417)、メダル貸出の条件フラグもOFFされる(ステップ418)。
以上で貸出メダルの決定,実行,回収処理が完了し、以後は通常の遊技に戻り、ステップ401からの遊技が行われることになる。
【0078】
ステップ415で特定の入賞図柄が揃わなかった場合には、貸出メダルの投入可能な範囲でステップ410〜415が繰り返される。
なお、ステップ410〜415の繰り返しの結果、貸出メダルを全て消費しても入賞図柄が揃わなかったような場合には、貸出メダルは未回収となる。この場合には、制御部11の貸出メダル回収手段11dの制御により、それ以降のゲームにおいて、同一又は別の遊技者が新たに投入した新規投入メダルが未回収の貸出メダルに充当されて回収が行われる。
以後は通常の遊技に戻ることで、ステップ401からの遊技が可能となる。
【0079】
以上説明したように、本実施形態に係るメダル貸出機能付きスロットマシンによれば、内部当たり抽選の結果、例えばBBやRB等の所定の入賞内容に当選後、入賞図柄が揃う前に手持ちメダルが所定枚数以下(例えばゼロ枚)になると、一定枚数(例えば15枚)の貸出メダルの貸出が実行されることになる。
これによって、遊技者は、貸し出されたメダルによって引き続き遊技を継続することができ、所持金や手持ちメダルがなくなっても、その後ゲームで入賞図柄を揃えることで、ボーナス・ゲーム等を開始して貸出メダル数以上の入賞メダルを獲得することができる。
また、遊技者は、メダルの貸出が実行されることで、BBやRB等の所定の入賞内容に当選していることを知ることができる。これにより、ランプの点灯や当選音声,リーチ目表示等の内部当たり告知が行われなくても、また、ランプの点灯等により行われた内部当たり告知に遊技者が気が付かなくても、メダル貸出の実行によって遊技者に内部当たりが確実に告知されることになる。このように、本実施形態では、貸出メダルの決定,実行は、新たな態様の内部当たり告知としても機能する。
【0080】
遊技場(ホール)にとっても、遊技者に貸し出された貸出メダルを、その後に開始されるボーナス・ゲーム等で払い出される入賞メダルによって回収することができる。すなわち、ホール側は、本来の入賞メダルの払い出しによって遊技者に利益を保証しつつ、既に貸し出された未回収メダルを確実に回収することができ、遊技者が納得のいく形でボーナス・ゲーム等を満喫させつつ、貸出メダルを容易かつ確実に回収でき、メダル貸出により損失が発生することはない。
そして、このような貸出メダルの実行によって遊技者に遊技継続を促進,奨励できるので、ホールにとっては、顧客減,顧客離れを防止できるとともに、魅力あるスロットマシンにより新たな顧客獲得も可能となる。
【0081】
さらに、遊技者が貸出メダルによる遊技継続を選択せずに止めてしまったり、貸出メダルを全て使っても入賞図柄が揃わなかったような場合には、当選した入賞内容は未だ有効であるため、同一又は別の遊技者が新たにメダルを購入してゲームを行うことで、入賞図柄を揃えてボーナス・ゲーム等の利益を享受することができる。この場合、遊技者にとっては、既にBBやRB等に当選しているスロットマシンにおいて、あとは入賞図柄を揃えるだけで大量の入賞メダルが獲得できる遊技を確実に行えることになり、遊技場(ホール)にとっても、本来の入賞メダルを払い出しつつ既に実行された貸出メダルを確実に回収することができる。
このように、本実施形態のメダル貸出機能付きスロットマシンによれば、遊技者側,遊技ホール側の双方に損失のない形で、遊技者にボーナス・ゲーム等を満喫させることができ、従来には存在しない魅力あるスロットマシン遊技を提供することができる。
【0082】
以上、本発明のメダル貸出機能付きスロットマシンについて、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係るメダル貸出機能付きスロットマシンは、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、メダルの貸出対象となる入賞内容と、内部当たり告知の対象となる入賞内容は、同じ入賞内容としてあるが、これをそれぞれ異なる入賞内容とすることは勿論可能である。
このようにすると、内部当たり告知が行われるボーナス・ゲーム等とは別に、メダル貸出が行われる他のボーナス・ゲームやその他の入賞内容が存在することになり、遊技者にとって有利な入賞内容のバリエーションが増え、より魅力的で斬新なスロットマシンを提供できるようになる。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のメダル貸出機能付きスロットマシンによれば、スロットマシン遊技における内部当たり抽選の結果、ボーナス・ゲーム等の所定の入賞内容に当選した後、手持ちのメダルがなくなってしまった遊技者に対し、所定枚数の貸出メダルを貸し出すことができる。
これにより、ボーナス・ゲーム等の入賞内容の利益を確実に告知,享受させることができ、遊技者側,遊技ホール側の双方に損失のない形で、遊技者にボーナス・ゲーム等の特定遊技を満喫させることが可能となり、従来には存在しない魅力あるスロットマシン遊技を提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るメダル貸出機能付きスロットマシンを示す概略正面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るメダル貸出機能付きスロットマシンの内部構造を示す概略斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るメダル貸出機能付きスロットマシンの制御手段を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るメダル貸出機能付きスロットマシンの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 スロットマシン本体
2 前面パネル
3 表示窓
4 スタートレバー
5(5a,5b,5c) ストップボタン
6 メダル投入口
7 メダルBETスイッチ
8 入賞メダル払出し口
9 スピーカ
10 制御手段
11 制御部
11a 抽選手段
11b メダル貸出決定手段
11c メダル貸出実行手段
11d 貸出メダル回収手段
12 記憶部
20 ドラムユニット
21(21a,21b,21c) リール
30 内部当たり告知部
40 メダル貸出スイッチ
41 クレジット表示部(貸出メダル表示部)
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転する複数のリール(回胴)を、各リールに付された絵柄,文字等の図柄が所定の配列となるよう停止させることによって入賞メダルを獲得することができるスロットマシン(回胴式遊技機)に関する。
特に、本発明は、内部当たり抽選の結果、ボーナス・ゲーム等の所定の入賞内容に当選した後、手持ちのメダルがなくなってしまった遊技者に対し、所定枚数の貸出メダルを貸し出すことにより、遊技者側,遊技場(ホール)側の双方に損失のない形で、遊技者にボーナス・ゲーム等の特定遊技を満喫させることができる、従来には存在しない魅力あるスロットマシン遊技を提供できるメダル貸出機能付きスロットマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、スロットマシンは、遊技者が遊技媒体となる遊技用メダルを投入してスタートレバーを押下することにより、所定の絵柄や文字,数字等の図柄(以下「図柄」と総称する)を表示した複数(通常は3個)のリールが回転を開始し、各リールに対応した複数(3個)のストップボタンを任意のタイミングで押下することで回転するリールが停止し、停止したリールの図柄の配列に応じて所定数のメダルが払い出されるという遊技機である。
この種のスロットマシンでは、一般に、ゲームの面白さを増す等のために、複数のリールが一定の確率で自動的に制御され、各リールに付された図柄が所定配列となるよう停止する、いわゆる「内部当たり」と呼ばれる入賞制御が行われるようになっている。
【0003】
この内部当たり制御は、スタートレバーの押下によりゲームが開始されると、ゲーム1回ごとにスロットマシン内部で自動的に内部当たりの抽選が行われて入賞内容が決定され、その入賞内容に応じてリールの停止位置が制御されるもので、ある入賞内容に当選すると、遊技者のストップボタンを押すタイミングに拘わらず、一定範囲内で各リールに付された図柄がその入賞内容に応じた配列となるように停止制御され、これによって所定量のメダルが払い出されるものである。
具体的には、内部当たり抽選の結果、所定の入賞内容に当選すると、回転する複数のリールは、一定範囲内(例えば、該当する図柄の位置から図柄4コマ分の範囲内)で、遊技者が各ストップボタンを押すタイミングに拘わらず、図柄が入賞ライン上で「7・7・7」や「BAR・BAR・BAR」等、その入賞内容に応じた所定の配列となるように停止制御(入賞制御)される。
【0004】
このリールの停止制御が行われることによって、各リールに対応するストップボタンの押下タイミングが、ある入賞内容の配列を構成する図柄(「7」や「BAR」)を配列上に止めるタイミングからずれたとしても、そのずれが一定範囲内(その図柄から4コマ分等の範囲内)であれば、機械的制御によってその図柄が所定の入賞ライン上に位置するように止められ、入賞配列が構成される。
そして、この停止制御の結果、遊技の巧拙等に拘わらず、遊技者が一定範囲内でストップボタンを押下すれば、図柄が所定の入賞配列となるようにリールが停止するので、遊技者には停止した入賞配列に応じた所定量のメダルが払い出されることになる。
【0005】
ここで、このようなリールの停止制御には、リールを所定の図柄配列が揃うように停止制御する「引込み制御」と、一定の図柄配列が揃わないように停止制御する「入賞阻止制御」がある。入賞阻止制御は、例えばある入賞内容に当選した場合、そのゲーム中は、他の入賞内容の図柄配列が揃わないようにリールが停止制御されるものである。
そして、このようなリールの停止制御が行われる入賞内容としては、一般に、数種類の入賞内容が設定されるようになっており、内部当たり抽選によって各ゲーム毎にいずれかの入賞内容が決定される。
入賞内容は、例えば、大量のメダル払出しが可能となる「レギュラー・ボーナス(RB)」や「ビッグ・ボーナス(BB)」等のボーナス・ゲーム、少量のメダル払出しがある「小役」、メダル投入なしで遊技が行える「再遊技(リプレイ)」、メダル払出しのない「ハズレ」等、数種類があり、抽選で決定された各入賞内容に応じて所定数の入賞メダルが払い出され、また払い出されないようにリールが停止制御されるようになっている。
【0006】
例えば、「小役」の場合、1ゲーム単位で、数枚(例えば1〜15枚)のメダルが払い出される図柄配列(例えば、「ベル」の図柄が横一列に揃う配列)となるようリールが停止制御されるとともに(引込み制御)、他の入賞内容の図柄配列(例えば「大当たり」を示す「7・7・7」)が揃わないようにリールが停止制御される(入賞阻止制御)。
「RB」の場合、抽選に当選後、所定の入賞図柄(例えば「BAR・BAR・BAR」)が揃うとボーナス・ゲームが開始(入賞)となり、以後数ゲームが1セットとなったボーナス・ゲーム用のリール停止制御が行われ、そのボーナス・ゲーム中は、「小役」や大量払出しのある「大当たり」の図柄配列となるよう、リールが継続的に制御され、百枚以上のメダルが払い出されるようになる。
【0007】
同様に、「BB」の場合、抽選に当選後、所定の入賞図柄(例えば「7・7・7」)が揃うとビッグ・ボーナス・ゲームが開始(入賞)となり、上記のようなボーナス・ゲーム(RB)が数セット(通常3セット)継続して行われるようにリールが制御され、数百枚の大量のメダルが払い出されるようにゲームが設定,制御される。
抽選の結果「ハズレ」となった場合には、各リールは図柄がメダル払出しのない配列(いずれの入賞図柄も揃わない配列)となるように停止制御される(入賞阻止制御)。
【0008】
このようにリールが停止制御されるスロットマシンにおいては、内部当たり抽選の結果、例えばBBやRBのような特定の入賞内容に当選すれば、以後のゲームで入賞することを条件として一定量の遊技媒体が確実に払い出されることになり、遊技者にとってきわめて魅力的なものとなっている。すなわち、スロットマシンの遊技者にとっては、内部当たり抽選によってBB,RB等の特定の入賞内容に当選することが最大の関心事となっている。
ところが、内部当たり抽選の結果、特定の入賞内容に当選しても、直ちに大量のメダル払出が得られるわけではない。例えばBBやRB等の場合、当選後の遊技において所定の入賞図柄配列(例えば「7・7・7」)を揃えなければ、ボーナス・ゲームは開始(入賞)とはならない。
【0009】
BBやRBに当選すれば、ボーナス・ゲーム開始(入賞)となる入賞図柄(例えば「7・7・7」)が揃うように各リールは停止制御されるが、上述したように、停止制御はあくまでも一定範囲内(入賞図柄から4コマ分の範囲内等)でストップボタンが押されることが必要であり、ストップボタン押下のタイミングがこの範囲内を超える場合、例えば入賞図柄から5コマ分以上ずれてストップボタンが押された場合には、リールの停止制御は行われず、入賞図柄配列は揃わない。
このように停止制御が有効となる範囲内で所望の図柄を停止させる技術は、一般に「目押し」と呼ばれ、この目押しが自由にできるようになるには、一定の遊技経験や熟練が必要であった。
このため、このような目押しが不得手な者や、スロットマシン遊技自体の経験が少ない初心者,新機種にまだ慣れていない遊技者等の場合、内部当たり抽選の結果BBやRB等の特定の入賞内容に当選しても、その後のゲームで入賞図柄を揃えられず、手持ちのメダルが全て消費されてしまうことがあった。
【0010】
このような場合、追加のメダルを購入して、入賞図柄が揃ってボーナス・ゲームが開始(入賞)するまでゲームを継続すれば良いが、所持金がなくなってしまったり、手持ちメダルがなくなった機会にゲームを止めてしまう遊技者もあり、折角の入賞内容の当選の利益を享受できない場合があった。
また、スロットマシンの種類によっては、BB等の特定の入賞内容に当選しても、当選したことが遊技者側に告知されず、入賞図柄が揃ってボーナス・ゲーム等の開始によって初めて特定の入賞内容に当選していたことがわかるスロットマシンがある。このようなスロットマシンの場合、目押しが苦手な遊技者等は、入賞図柄を揃えられず、結局、特定の入賞内容に当選していることに気付かずにゲームを止めてしまい、入賞内容の利益が得られない場合があった。
内部当たり抽選で特定の入賞内容に当選していれば、あとは入賞図柄を揃えるだけで数十枚,数百枚のメダルが獲得できることが保証されており、このような利益を、手持ちメダルがなかったり、入賞に気が付かない等の理由で放棄せざるを得ないことは遊技者にとって喜ばしいことではなかった。
【0011】
そして、このように入賞内容の利益を享受できない遊技者の存在を無視,放置することは、遊技場(ホール)側にとっても好ましいことではなかった。
BBやRBが当選したスロットマシンは、例えばその遊技者がゲームを止めてしまっても、当選状態は保持されているので、次の遊技者が入賞図柄を揃えて入賞すれば大量のメダル払出が行われることになる。従って、ホール側にとっては、BB等の当選が出ればメダルの払出量は変わらないにも拘わらず、遊技者が一人減ってしまうことになり、ホール全体としてみれば、売上げ減,稼働率減につながるおそれがあった。
このため、ボーナス・ゲーム等の入賞内容に当選した遊技者に対し、入賞内容の利益を確実に享受させることで、遊技者,遊技場の双方にメリットのある新たなスロットマシンの開発が望まれるようになった。
【0012】
ここで、従来、スロットマシンに関するものではないが、パチンコ機(弾球式遊技機)に関して、フィーバー等の大当たり発生後に、パチンコ玉の持ち玉がなくなった遊技者に対して、一定数のパチンコ玉を貸し出すパチンコ機が提案されている(例えば、特許文献1−2参照。)。
このパチンコ機では、フィーバー等の大当たりが発生し、かつ、弾球されるパチンコ玉が検出されない場合、すなわち持ち玉がなくなった場合に、フィーバー等の大当たり状態が消滅するまでの一定時間内に貸玉ボタンが押されると、所定数のパチンコ玉が貸し出され、追加のパチンコ玉を購入することなく大当たり状態の遊技を継続して行うことができるようになっていた。
【0013】
【特許文献1】
特開平9−099153号公報(第4−5頁、第6図)
【特許文献2】
特開平9−173594号公報(第2−3頁、第4−5図)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このパチンコ機で提案されているアイディアは、大当たり発生後、一定時間の経過でその効果が消滅してしまうフィーバー等のパチンコ機特有の大当たりシステムに対応するためのものであって、BBやRB等のスロットマシンにおける入賞内容の当選に適用できるものではなかった。
パチンコ機では、フィーバー等の大当たりが発生すると、チャッカーと呼ばれる大入賞口が一定時間開閉を繰り返し、その一定時間の間に大入賞口にパチンコ玉を入れることで大量の払出が得られるようになっており、一定時間経過後は通常の遊技状態に戻ってしまう。このため、大当たり発生時に持ち玉がなくなると、追加の玉を購入している間に大当たりの効果が消滅してしまうことがあり、これを解決するために、大当たり発生後、直ちに追加のパチンコ玉を貸し出すようにしたのが従来のアイディアであった。
【0015】
従って、この従来のアイディアで提案されているような、一定時間内に追加の玉を貸し出すことはパチンコ機については必須の機能であるが、BBやRB等の入賞内容のように所定の入賞図柄が揃うまで当選の効果が保持されるスロットマシンについては全く必要がなかった。
一方、フィーバーの発生により大入賞口が開閉動作するパチンコ機では、大当たり発生は誰が見ても間違いなく認識できるため、スロットマシンで行われるような大当たりの発生を別途遊技者に告知等するようなことは全く必要なく、当然のことながら、特許文献1−2には、大当たりの告知に関する記載等は存在していない。従って、このようなパチンコ機のアイディアを適用しても、入賞図柄が揃うまでBB等の当選に気が付かない遊技者に対する告知とその方法,態様等がきわめて重要となるスロットマシンに対応することはできなかった。
【0016】
しかも、従来のアイディアでは、貸し出したパチンコ玉によってもチャッカー等に玉が入賞せず、その後の遊技でパチンコ玉の払出がなかったり、払出があっても貸出玉数より少なかった場合、貸し出した玉に未回収が生じるという不具合が生じるおそれもあった。パチンコ機の場合、大当たりの効果は時間経過により消滅してしまうので、貸出玉に未回収が生じるとその後に回収する方法はなく、ホール側に損失が生じる可能性があった。この点、スロットマシンの場合、BBやRB等の当選の効果は、入賞するまで有効となるため、このような未回収の問題を克服し得る可能性があった。
このように、パチンコ機(弾球式遊技機)とスロットマシン(回胴式遊技機)とは、構造も遊技方法も遊技内容も全く異なるものであり、パチンコ機に関する従来のアイディアでは、スロットマシンが有する従来の課題を解決することは不可能であった。
【0017】
本発明は、以上のような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、スロットマシン遊技において、内部当たり抽選の結果、ボーナス・ゲーム等の所定の入賞内容に当選した後、手持ちのメダルがなくなってしまった遊技者に対し、所定枚数の貸出メダルを貸し出すことにより入賞内容の利益を確実に告知,享受させることができ、遊技者側,遊技ホール側の双方に損失のない形で、遊技者にボーナス・ゲーム等の特定遊技を満喫させることが可能となる、従来には存在しない魅力あるスロットマシン遊技を提供できるメダル貸出機能付きスロットマシンの提供を目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のメダル貸出機能付きスロットマシンは、請求項1に記載するように、回転する複数のリールが所定の図柄配列に停止されることで所定数のメダルが払い出されるスロットマシンであって、ゲームの開始により所定の内部当たり抽選を行う抽選手段と、内部当たり抽選の結果、メダル貸出対象となる所定の入賞内容に当選すると、所定数の貸出メダルの貸出を決定するメダル貸出決定手段と、決定された所定数の範囲内でメダル貸出を実行するメダル貸出実行手段と、を備えた構成としてある。
【0019】
そして、メダル貸出決定手段は、請求項2に記載するように、内部当たり抽選の結果、所定のメダル貸出対象となる入賞内容に当選した場合に、既投入メダルのクレジット数を読み出し、クレジット数が所定数以下である場合にメダル貸出を決定する構成としてある。
【0020】
このような構成とすることにより、本発明のメダル貸出機能付きスロットマシンでは、内部当たり抽選の結果、例えばBBやRB等の所定の入賞内容に当選後、入賞図柄が揃う前に手持ちメダルが所定枚数以下(例えばゼロ枚)になると、一定枚数(例えば15枚)の貸出メダルの貸出が実行されることになる。
これによって、遊技者は、貸し出されたメダルによって引き続き遊技を継続することができ、所持金や手持ちメダルがなくなっても、その後ゲームで入賞図柄を揃えることで、ボーナス・ゲーム等を開始して貸出メダル数以上の入賞メダルを獲得することができる。
また、メダルの貸出が実行されることで、遊技者はBBやRB等の所定の入賞内容に当選していることを知ることができる。これにより、ランプの点灯や当選音声,リーチ目表示等の内部当たり告知が行われなくても、また、ランプの点灯等により行われた内部当たり告知に遊技者が気が付かなくても、メダル貸出の実行によって遊技者に内部当たりが確実に告知されることになる。
このように、本発明に係る貸出メダルの決定,実行は、新たな態様の内部当たり告知としても機能する。
【0021】
そして、遊技場(ホール)にとっても、このように貸出メダルの実行によって遊技者に遊技継続を促進,奨励できるので、顧客減,顧客離れを防止できるとともに、魅力あるスロットマシンにより新たな顧客獲得も可能となる。
さらに、遊技者が貸出メダルによる遊技継続を選択せずに止めてしまったり、貸出メダルを全て使っても入賞図柄が揃わなかったような場合であっても、当選した入賞内容は未だ有効であるため、同一又は別の遊技者が新たにメダルを購入してゲームを行うことで、入賞図柄を揃えてボーナス・ゲーム等の利益を享受することができる。この場合、遊技者にとっては、既にBBやRB等に当選しているスロットマシンにおいて、あとは入賞図柄を揃えるだけで大量の入賞メダルが獲得できる遊技を確実に行えることになり、遊技場(ホール)にとっても、本来の入賞メダルを払い出しつつ既に実行された貸出メダルを確実に回収することができる。
このように、本発明のメダル貸出機能付きスロットマシンによれば、遊技者側,遊技ホール側の双方に損失のない形で、遊技者にボーナス・ゲーム等を満喫させることができ、従来には存在しない魅力あるスロットマシン遊技を提供することができる。
【0022】
また、本発明のメダル貸出機能付きスロットマシンは、請求項3に記載するように、メダル貸出実行手段は、所定のメダル貸出要求操作が行われることによりメダル貸出を実行する構成としてある。
【0023】
このような構成とすることにより、メダルの貸出は、所定のメダル貸出要求操作が行われることによって実行されることになり、遊技者の判断により、貸出メダルの実行を選択できるようになる。
これにより、メダルの貸出を遊技者の判断で要求できるばかりでなく、例えば貸出メダルの実行を内部当たり告知として利用したい遊技者は、投入メダルのクレジットが所定枚数以下(例えばゼロ枚)となる都度に、メダル貸出要求操作を行って、メダルが貸出可能か否かを確認できるとともに、BBやRB等の当選の有無を確認することができる。従って、遊技者は、貸出要求操作によって内部当たりを確実に知ることができるとともに、貸出要求操作を行うことによる内部当たり当選に対する期待感や満足感を高めることができる。
ここで、所定のメダル貸出要求操作としては、例えばメダルの貸出要求を行うための専用スイッチを設け、その専用スイッチを押下したり、既存のスロットマシンに備えられるメダルBETスイッチを押下する等によって実現できる。
【0024】
また、本発明のメダル貸出機能付きスロットマシンは、請求項4に記載するように、メダル貸出が実行可能であることを告知するメダル貸出告知手段を備える構成としてある。
特に、メダル貸出告知手段は、請求項5に記載するように、所定のメダル貸出要求操作が行われることにより、メダル貸出が実行可能であることを告知する構成としてある。
【0025】
このような構成とすることにより、例えばBBやRB等の所定の内部当たりに当選し、かつ、メダルクレジット数がゼロ枚となる等、所定のメダル貸出の条件が成立した場合に、メダル貸出が実行可能となったこと、すなわち所定の内部当たりに当選したことをランプや音声等で告知されるようになる。これにより、遊技者は、より確実にメダル貸出の有無を知ることができ、自らの判断でメダルの貸出を受けてゲームを続行したり、内部当たり当選の有無を確認することができる。特に、メダル貸出告知手段が、上述したメダル貸出要求操作用の専用スイッチやメダルBETスイッチが操作されたときに告知を行うようにすることで、内部当たりに対する期待感や満足感を高めることができる内部当たり告知手段として構成することができる。
ここで、メダル貸出告知手段は、例えば、専用の告知ランプや告知音発生手段等で構成でき、また、投入メダルのクレジット数を表示する表示部を利用し、クレジット数のマイナス表示や点滅表示によって貸出メダル数を表示させることで貸出告知を行うこともできる。
【0026】
また、本発明のメダル貸出機能付きスロットマシンは、請求項6に記載するように、内部当たり抽選の結果、告知対象となる所定の入賞内容に当選すると、その当選を告知する内部当たり告知手段を備え、内部当たり告知手段での告知対象となる入賞内容が、メダル貸出対象となる入賞内容である場合に、内部当たり告知手段は、所定のメダル貸出要求操作が行われることにより、告知対象となる入賞内容の当選を告知する構成としてある。
【0027】
このような構成とすることにより、告知ランプや告知音等によって内部当たり告知を行う内部当たり告知手段を備えるスロットマシンにおいて、遊技者の貸出要求操作によってメダル貸出が実行される場合に、内部当たり告知が行われるようにすることができる。
これによって、既存の内部当たり告知手段をメダル貸出告知手段として構成することができるので、本発明に係るメダル貸出機能を既存のスロットマシンに容易に適用することが可能となり、より汎用性,拡張性,多様性に富んだ魅力あるスロットマシンを提供できるようになる。
【0028】
また、本発明のメダル貸出機能付きスロットマシンは、請求項7に記載するように、メダル貸出実行手段で実行された貸出メダル数を表示する貸出メダル表示手段を備える構成としてある。
【0029】
このような構成とすることにより、貸出メダル数を表示する表示手段を設けることにより、遊技者に対して貸出メダル数を明確に提示できるとともに、貸出メダル数を表示することで、メダル貸出が実行される告知を行うことができる。
これにより、より汎用性,拡張性,多様性に富んだスロットマシンを実現することができる。
ここで、貸出メダル表示手段としては、例えばメダル数を表示する7セグメント表示装置や液晶表示装置等で構成することができ、貸出メダル専用の表示手段を備えることができ、また、投入メダルのクレジット数を表示する既存の表示部を利用し、クレジット数のマイナス表示や点滅表示によって貸出メダル数を表示させることができる。
【0030】
また、本発明のメダル貸出機能付きスロットマシンは、請求項8に記載するように、貸し出された貸出メダル数を記憶し、以後のゲームで払い出される入賞メダル数から貸出メダル数を差し引く貸出メダル回収手段を備えた構成としてあり、さらに、貸出メダル回収手段は、請求項9に記載するように、未回収の貸出メダル数がある場合に、以後のゲームで投入される新規投入メダルから未回収の貸出メダル数を差し引く構成としてある。
【0031】
このような構成とすることにより、遊技者に貸し出された貸出メダルは、その後に開始されるボーナス・ゲーム等で払い出される入賞メダルによって回収されることになる。
また、貸出メダルを全て消費しても入賞図柄が揃わなかったような場合には、貸出メダルが未回収となるので、その後に同一又は別の遊技者が新たに投入した新規投入メダルを未回収の貸出メダルに充当して回収が行われることになる。
【0032】
一般に、ボーナス・ゲーム等で払い出される入賞メダル数は、例えばRBの場合には百枚以上、BBの場合には数百枚となることがある。
従って、遊技者にとっては、払い出される入賞メダルから貸出メダル数が差し引かれた回収されても、また、新規投入メダルから未回収の貸出メダル分が差し引かれても、それ以上の大量の入賞メダルを確実に獲得できれば損失は生じない。
また、ホール側にとっても、本来の入賞メダルの払い出しによって遊技者に利益を保証しつつ、既に貸し出された未回収メダルを確実に回収することができる。
これにより、本発明では、遊技者が納得のいく形でボーナス・ゲーム等を満喫させつつ、貸出メダルを容易かつ確実に回収できるようになり、遊技者側,遊技ホール側の双方に損失のない形で魅力ある新たなスロットマシン遊技を提供することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るメダル貸出機能付きスロットマシンの好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
なお、以下の実施形態に示す本発明のメダル貸出機能付きスロットマシンは、プログラムに制御されたコンピュータにより動作するようになっている。プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、スロットマシンの動作に必要となる所定の処理、例えば、リールの回転及び停止制御処理,内部当たりの抽選処理,メダルの払出処理,メダルの貸出処理等を行わせる。このように、本発明のスロットマシンにおける各処理,動作は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段により実現できるものである。
なお、プログラムは予めROM,RAM等の記録媒体に格納され、コンピュータに実装された記録媒体から当該コンピュータにプログラムを読み込ませて実行されるが、例えば通信回線を介してコンピュータに読み込ませることもできる。また、プログラムを格納する記録媒体は、例えば半導体メモリ,磁気ディスク,光ディスク、その他任意のコンピュータで読取り可能な任意の記録手段により構成できる。
【0034】
[スロットマシン本体]
まず、図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態に係るメダル貸出機能付きスロットマシンの本体の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンの本体を示す概略正面図である。また、図2は、同じく本実施形態に係るスロットマシン本体の内部構造を示す概略斜視図である。
これらの図に示すように、本実施形態のスロットマシンは、従来のスロットマシンと同様、スロットマシン1に備えられた複数のリール21(図2に示すリール21a,21b,21c参照)を回転させ、各リール21a〜21cに付された図柄(文字,数字,絵柄等)を所定の配列に停止させることによって入賞メダルを獲得することができる回胴式遊技機を構成している。
具体的には、スロットマシン1は、内部に必要な構成,装置等を収納した筐体状に構成されており、前面側は前面パネル2によって開閉自在に覆われるようになっている。
前面パネル2は、図1及び図2に示すように、スロットマシン1に対して開閉自在に取り付けられる扉体で、スロットマシンの正面部を構成している。
【0035】
この前面パネル2のほぼ中央部分には、三つの表示窓3(3a,3b,3c)が設けられている。
表示窓3は、スロットマシン1内部に配設された三つのリール(左)21a,リール(中)21b,リール(右)21c(図2参照)の視認用の窓部で、通常、無色透明又は有色透明な樹脂製パネル等からなり、三つの各リール21の周囲に描かれた複数の図柄のうち、縦方向に連続して隣接する複数(通常三つ)の図柄をそれぞれ視認,識別できるようになっている。
表示窓3には、入賞ライン表示が描かれており(図1では5ライン)、入賞ライン表示に沿って停止,配列されたリール21a〜21cの図柄の組合せによって、ゲームの入賞が決定されるようになっている。
【0036】
前面パネル2の表示窓3の下側には、図1に示すように、スタートレバー4及びストップボタン5が備えられている。
スタートレバー4は、三つの各リール21の回転を開始させるゲームスタート手段であり、このスタートレバー4が遊技者の操作によって押下されることで、後述する制御手段10にスタート信号が出力され(図3参照)、本体内部の各リール21a〜21cが一斉(又は順次)に回転するようになっている。
また、このスタートレバー4の押下によりスタート信号が入力されることで、後述する制御手段10の抽選手段11aにおいて(図3参照)内部当たりの抽選が行われるようになっている。
【0037】
ストップボタン5は、回転するリール21を停止させる停止手段であり、三つのリール(左)21a,リール(中)21b,リール(右)21cに対応して設けられた三つのストップボタン(左)5a,ストップボタン(中)5b,ストップボタン(右)5cが備えられている。この各ストップボタン5a,5b,5cが遊技者の任意のタイミングで押下されることで、制御手段10にストップ信号が出力され(図3参照)、対応する各リール21a,21b,21cの回転が停止されるようになっている。
従って、遊技者がこれらスタートレバー4及びストップボタン5を操作することにより、三つのリール21a〜21cを回転及び停止させて、各リール21a〜21cに付された図柄を所定の入賞配列となるよう揃えるスロットマシン遊技を行うことができる。
【0038】
リール21は、一般のスロットマシンにおけるものと同様、外周に複数(通常21個)の絵柄や文字等の図柄が描かれた円筒状部材からなり、縦方向(図面上下方向)に回転する三つのリール(左)21a,リール(中)21b,リール(右)21cが、図2に示すように、横方向(図面左右方向)に一列に並んで配設されている。
各リール21a〜21cに備えられる図柄は、各リールごとに等間隔で配設され、例えば「7」や「BAR」等の文字や、スロットマシンのキャラクターや果物等を示す絵柄等が、所定の順番で表示されており、通常、各リールに21個ずつの図柄が表示されるようになっている。
そして、このリール21a〜21cの図柄が、対応するストップボタン5a〜5cが押下操作されることで、上述した表示窓3の入賞ライン表示に沿って、例えば「7・7・7」や「BAR・BAR・BAR」等、所定の組合せで停止されることで入賞が決定される。
【0039】
三つのリール21a〜21cは、スロットマシン1の内部に備えられた制御手段10及びドラムユニット20により駆動制御及び停止制御されるようになっている。ドラムユニット20は、三つのリール21a〜21cを回転自在に保持するとともに、スタートレバー4及びストップボタン5a〜5cが押下操作されることで、後述する制御手段10の制御部11からパルス(駆動)信号を入力し(図3参照)、対応するリール21a〜21cの回転の始動,定速回転及び停止の制御を行うようになっている。
このドラムユニット20により、制御手段10で行われる内部当たり抽選の結果に応じてリール21の停止位置が制御され、遊技者のストップボタン5を押すタイミングに拘わらず、すなわち、各ストップボタン5a〜5cの押下タイミングがずれていても、一定範囲内(通常、図柄4コマの範囲内)で対応するリール21a〜21cの図柄が特定配列となるよう、リール21が停止制御されるようになっている。
【0040】
例えば、内部当たり抽選の結果、所定の入賞内容に当選すると、遊技者のストップボタン5a〜5cを押すタイミングに拘わらず、対応する各リール21a〜21cの図柄が「7・7・7」や「BAR・BAR・BAR」等、所定の配列となるよう、リール21が停止制御されることになる。
これにより、スタートレバー4からのスタート信号を契機として制御手段10で内部当たり抽選が行われ、制御手段10からの制御信号によりドラムユニット20が制御されることで、ストップボタン5が押下されるタイミングに拘わらず、一定範囲内で内部当たり抽選の結果に応じた停止位置で各リール21a,21b,21cが停止されることになる。
【0041】
なお、リール21の停止制御は、各リール21a〜21cを停止させる順番、すなわち、ストップボタン5a〜5cを押下する順番によって、図柄配列の揃い易さが異なるような停止制御が行われる場合がある。
例えば、内部当たり抽選の結果、「小役」に入賞した場合にはストップボタン5a〜5cを特定の順、例えば「左→中→右」(順押し)の順で押下してリール21a〜21cを「左→中→右」の順で停止させた場合にだけ、その「小役」の図柄配列となるようにリール21が停止制御され、「ボーナス・ゲーム」に入賞した場合に、特定の順、例えば「右→中→左」(逆押し)の順にリール21を停止させるとボーナス図柄が揃うようにリールが停止制御される場合がある。そして、このようにリール21の特定の停止順を遊技者側にランプや音,表示等によって告知(アシスト)することで遊技者に有利な特定の遊技状態(所謂「アシストタイム(AT)」)を提供することができる。
【0042】
前面パネル2のスタートレバー4及びストップボタン5の上部近傍には、図1に示すように、メダル投入口6及びメダルBETスイッチ7が備えられている。メダル投入口6は、ゲームに使用される遊技媒体となるメダルの受け入れ口であり、このメダル投入口6から投入されるメダル数だけゲームが行えるようになっている。
ここで、メダル投入口6の本体内部側には、図示しないメダル検出部が備えられ、投入されたメダル数がカウントされ、そのメダル数を示すメダル信号が、本体内部の制御手段10に出力されるようになっている(図2参照)。
また、メダル投入口6から投入されるメダルの数は、貯留メダル数として後述する制御手段10内の記憶部12に記憶されるようになっており(図3参照)、遊技の開始に先立って、予め複数のメダルを投入して貯留メダルとして貯留,記憶できるようになっている。
【0043】
メダルBETスイッチ7は、メダル投入口6から投入されたメダルに貯留メダルがある場合に、その貯留メダルの中からゲームに使用する(掛ける)メダルを投入するメダル投入用スイッチである。
このメダルBETスイッチ7が押下されると、メダル信号が制御手段10に出力され(図3参照)、押下された回数と同数のメダルが、記憶部12の貯留メダルからゲームに投入されることになる。
なお、本実施形態では特に図示しないが、メダルBETスイッチ7は、一回の押下によって一ゲームに投入可能な最大数のメダルを貯留メダルから投入するMAX−BETスイッチや、一回の押下で一枚のメダルを貯留メダルから投入する1−BETスイッチ等の種類がある。
【0044】
そして、本実施形態では、メダルBETスイッチ7が操作されることにより、所望枚数の貸出メダルが貸し出されてゲームに投入されるようになっている。
後述するように、本実施形態のスロットマシン1は、制御手段10のメダル貸出決定手段11b及びメダル貸出実行手段11cにより、メダルの貸出が決定,実行されるようになっている。このメダル貸出は、所定条件が成立した場合(本実施形態では、内部当たり抽選の結果メダル貸出対象となる所定の入賞内容に当選し、かつ、貯留メダル数がゼロとなった場合)にメダル貸出が決定され、その後、遊技者がメダル貸出スイッチ40(図1参照)を操作することで実行され、所定枚数の貸出メダルが投入可能状態となる。
そして、この投入可能状態にある貸出メダルのゲームへの投入が、メダルBETスイッチ7の操作で行えるようになっている。
【0045】
貸出メダルは、例えば最大限15枚等の所定枚数の範囲内で貸し出され、この範囲内においてゲーム投入可能となり、メダルBETスイッチ7の操作により、例えば1枚BETや3枚BET等、所望の枚数のメダルを投入できるようになっている。これにより、遊技者は、通常のゲームにおける貯留メダルの投入と同様の方法で貸出メダルを投入してゲームを行うことができる。
なお、貸出メダルは、メダルBETスイッチ7で投入する以外の態様で貸出することも勿論可能である。例えば、最大限枚数(15枚等)の貸出メダルを、貸出実行時に一度にメダル払出し口8(図1参照)から払い出して遊技者に貸出することもできる。
【0046】
そして、このようなメダル貸出の実行契機となる要求操作を行う手段として、本実施形態では、メダル貸出スイッチ40を備えている。
メダル貸出スイッチ40は、遊技者が押下操作できる押しボタンによって構成してあり、図1に示すように、前面パネル2のストップボタン5の右側近傍に設けてある。
このメダル貸出スイッチ40が押下されると、貸出メダル要求信号が制御手段10に出力され(図3参照)、メダルの貸出が決定されていれば、メダル貸出が実行されて、所定枚数の範囲内で貸出メダルが投入可能状態となる。この状態で、遊技者は、上述したように、メダルBETスイッチ7を操作することで所望枚数の貸出メダルをゲームに投入することができる。
【0047】
また、本実施形態では、メダルの貸出が決定されている場合に、メダル貸出スイッチ40が押下されることで、内部当たり告知が行われるようになっている。
後述するように、本スロットマシン1では、内部当たり抽選の結果、BBやRB等の告知対象となる所定の入賞内容に当選すると、その当選を告知する内部当たり告知部30を備えている。
本実施形態では、この内部当たり告知部30での告知対象となる入賞内容を、メダル貸出対象となる入賞内容として設定してあり、メダル貸出スイッチ40によるメダル貸出要求操作が行われることにより、内部当たり告知部30は告知対象となる入賞内容の当選を告知するようになっている。
【0048】
これにより、遊技者の貸出要求操作によって、告知ランプや告知音等による内部当たり告知が行われることになり、例えば貸出メダルの実行を内部当たり告知として利用したい遊技者は、投入メダルのクレジットが所定枚数以下(例えばゼロ枚)となる都度に、メダル貸出スイッチ40を押下して、メダル貸出の可否を確認するとともに、BBやRB等の当選の有無を確認することができる。
従って、遊技者は、貸出要求操作によって内部当たりを確実に知ることができるとともに、貸出要求操作を行うことによる内部当たり当選に対する期待感や満足感を高めることができる。
なお、本実施形態では、メダル貸出要求操作を行う手段として、専用のメダル貸出スイッチ40を設けたが、このような専用スイッチ以外の手段を採用することも勿論可能である。例えば、メダル貸出スイッチ40に代えて(又はメダル貸出スイッチ40とともに)、メダルBETスイッチ7等のスロットマシンに通常備えられるスイッチ,レバー等を貸出要求操作用の手段として割り当てることもできる。
【0049】
スロットマシン1の下側には、入賞メダル払出し口8及びスピーカ9が備えられている。
入賞メダル払出し口8は、ストップボタン5の押下によって停止されたリール21が所定の入賞配列となった場合に、当該配列に応じた数量の入賞用のメダルが払い出されるようになっている。
スピーカ9は、遊技者に対してメロディ音やメッセージ音等の各種の音声を発生するようになっており、本実施形態では、後述するように、制御手段10で内部当たり抽選が行われ、所定のボーナス・ゲームに入賞した場合に、それを告知する内部当たり告知音声を発するようになっている。
【0050】
そして、本実施形態では、上述したように、所定条件が成立し、遊技者が貸出要求操作を行うことにより内部当たり告知が行われるようになっており、この場合には、スピーカ9は、メダル貸出スイッチ40が押下操作されることにより、所定の告知音声を発することになる。その際、メダル貸出が行われる場合には、例えば「貸出メダルがあります!チャンス!」等、通常の内部当たり告知の音声に代えて、又は通常の内部当たり告知の音声とともに、貸出メダルの実行を告知する音声を発することができる。
また、本実施形態では、後述する制御手段10の制御により、リール21a〜21cを特定の順番に停止させたときに特定の入賞配列が揃い易くなる制御が行われる場合があり、その場合には、リール21a〜21cの特定の停止順に対応したストップボタン5a〜5cの押下順が、スピーカ9を介して、例えば「右!中!左!」というように音声で告知されるようになっている。
なお、スピーカ9からのリール21の押下順の告知は、制御手段10の制御により、選択的に告知が行われたり行われなかったりすることができる。
【0051】
スロットマシン1の前面パネル2には、図1に示すように、内部当たり告知部30を備えている。本実施形態では、前面パネル2の左隅部のメダルBETスイッチ7の近傍に、「GO!GO!」等の表示が点灯・点滅する告知ランプによって構成されている。
この内部当たり告知部30は、スロットマシン1の制御手段10における内部当たり抽選の結果、所定のボーナス・ゲーム等に入賞した場合に点灯又は点滅するランプからなり、このランプが、上述したスピーカ9からの告知音声とともに点灯(点滅)することによって、内部当たりが告知されるようになっている。この内部当たり告知部30が点灯(点滅)することにより、遊技者は内部当たり抽選の結果、所定のボーナス・ゲームに入賞したことを知ることができるようになっている。
【0052】
そして、本実施形態では、上述したように、所定条件が成立し、遊技者が貸出要求操作を行うことにより内部当たり告知が行われるようになっており、この場合には、内部当たり告知部30は、メダル貸出スイッチ40が押下操作されることにより、告知ランプを点灯(点滅)させて内部当たりの告知が行われる。その際、メダル貸出が行われる場合には、例えば、通常の内部当たり告知の際とは異なる態様でランプを点灯・点滅させることができる。なお、メダル貸出が行われない場合に、所定の入賞内容の当選を告知できることは勿論である。
ここで、内部当たり告知部30は、視覚を通じて遊技者側に内部当たりを告知できる限り、どのような構成とすることもでき、上述した点灯(点滅)するランプの他、例えば、液晶表示部やマトリックス状に配設されるLED等、任意の構成を採用することができる。また、この内部当たり告知部30による告知は、制御手段10の制御により、選択的に告知が行われたり行われなかったりすることができる。
【0053】
さらに、スロットマシン1の前面パネルには、図1に示すように、クレジット表示部(貸出メダル表示部)41が備えられている。本実施形態では、前面パネル2の右隅部のメダル投入口6近傍に、例えば2桁の数字を表示可能な7セグメントのLED表示装置によって構成されている。
このクレジット表示部41は、メダル投入口6から投入される貯留メダルの枚数(貯留メダル数)を表示するようになっている。例えば、最大50枚の貯留メダル数がクレジット表示部41に表示され、メダルBETスイッチ7の操作により貯留メダルがゲームに投入されるたびに、クレジット表示部41の数字が投入枚数毎に減っていくようになっている。
【0054】
そして、本実施形態では、クレジット表示部41が、貸出メダルの貸出枚数を表示する貸出メダル表示部ともなっている。
上述したように、メダルの貸出は、所定条件が成立する(内部当たり抽選の結果メダル貸出対象となる所定の入賞内容に当選し、かつ、貯留メダル数がゼロとなる)ことによりメダル貸出が決定され、その後、遊技者がメダル貸出スイッチ40を操作することで、所定枚数の貸出メダルが投入可能状態となる。
本実施形態では、この投入可能な貸出メダル枚数がクレジット表示部41に表示され、遊技者は所定条件が成立してメダル貸出が実行されたこと、従って、所定の内部当たりに当選したことを知ることができるとともに、通常のゲームにおける貯留メダル数と同様に、投入可能な貸出メダルの残り数を知ることができる。
【0055】
ここで、クレジット表示部41の表示態様としては、通常のゲームでの貯留メダル数と貸出メダル数とを明確に識別できるように、ことなる表示が行われる。例えば、通常の貯留メダルと貸出メダルとで、メダル数を示す数字の表示色を異ならせたり、貸出メダル数については点滅表示やマイナス表示とすることができる。
なお、本実施形態では、貸出メダルを表示する表示手段として、貯留メダルを表示する既存のクレジット表示部を利用しているが、これを貸出メダル専用の表示手段を備えることも勿論可能である。
【0056】
[制御手段]
次に、以上のような構成からなる本実施形態に係るスロットマシンを制御する制御手段10について、図3を参照しつつ説明する。
図3は、図1に示す本実施形態に係るスロットマシンの制御手段の概略を示すブロック図である。同図に示すように、本実施形態の制御手段10は、例えば、CPUとRAM,ROM等からなるマイクロコンピュータでプログラムが実行されることにより実現され、上述したようなスロットマシン1の各部の処理,動作を制御する。
具体的には、本実施形態の制御手段10は、図3に示すように、制御部11と記憶部12を備え、制御部11は、抽選手段11a,メダル貸出決定手段11b,メダル貸出実行手段11c,貸出メダル回収手段11dの各手段を備えている。
【0057】
制御部11は、メダル投入口(メダル検知部)6からのメダル信号及びメダルBETスイッチ7(7a,7b)からのメダル信号を入力し、メダル投入口6から投入されたメダルの枚数及びメダルBETスイッチ7を用いて掛けられたメダルの投入枚数を確認するとともに、メダルBETスイッチ7からのメダル信号に基づき、記憶部12で記憶される貯留メダル枚数を減少させる。これにより、各ゲームに使用される(掛けられる)メダル数が決定されることになる。
また、制御部11は、スタートレバー4からのスタート信号及びストップボタン5a〜5cからのストップ信号を入力することにより、リール21の制御信号となるパルス(駆動)信号をドラムユニット20へ出力し、リール21a〜21cを回転及び停止させる。これにより、ドラムユニット20では、スタート信号によってリール21a〜21cを回転させるとともに、ストップボタン5a〜5cの押下操作により入力されるストップ信号により、対応するリール21a〜21cを停止させることになる。
【0058】
また、制御部11は、ドラムユニット20から入力されるマーカー信号より、各リール21a〜21cの停止図柄を認識し、この停止図柄が所定の入賞配列か否かを判定するようになっており、判定の結果、所定の入賞配列であるときは、入賞の種類に応じた枚数のメダルの払出し処理を行うようになっている。
さらに、制御部11は、メダル貸出スイッチ40が押下されることにより貸出メダル要求信号が入力される。この貸出メダル要求信号が入力されると、メダル貸出決定手段11bにおいてメダルの貸出が決定されていれば、メダル貸出実行手段11cによってメダル貸出が実行され、所定枚数の範囲内で貸出メダルが投入可能状態となる。投入可能な貸出メダル数は記憶部12に格納される。そして、メダルBETスイッチ7が操作されてメダル信号が入力されることにより、記憶部12の貸出メダル数を減少させて、所定枚数の貸出メダルがゲームに投入されるようになっている。
【0059】
制御部11の抽選手段11aでは、所定の内部当たり抽選が行われる。
抽選手段11aでは、従来のスロットマシンの場合と同様、乱数発生装置と記憶部12に予め設定,記憶された抽選テーブルを用いて、所定の内部当たり抽選が行われる。
この内部当たり抽選は、具体的には、スロットマシン内部に備えられる図示しない乱数発生装置(ICカウンタ)と抽選テーブルによって行われる。例えば、乱数発生装置となるICカウンタがアップカウント等することにより一定時間毎に乱数が生成され、スタートレバーが押下された瞬間に一の乱数が選択される。抽選テーブルには、乱数の範囲に対応してBB,RB,小役,ハズレ等の所定の入賞内容が割り当てられており、選択された乱数が抽選テーブルの値と比較されることにより、その乱数値に該当する入賞内容が決定されることになる。
【0060】
この内部当たり抽選の結果により各ゲームにおける入賞内容が決定され、その入賞内容に応じてリール21の停止位置が制御されることになり、ある入賞内容に当選すると、遊技者のストップボタン5を押すタイミングに拘わらず、一定範囲内で各リール21に付された図柄がその入賞内容に応じた配列となるように停止制御されることになる。すなわち、制御部11は、抽選手段11aの抽選結果に応じた所定の入賞配列にリール21を停止制御するパルス(駆動)信号をドラムユニット20に出力し、ドラムユニット20では、この信号に基づいてリール21の停止位置を制御する。これにより、各リール21a〜21cは、ストップボタン5a〜5cが押下されるタイミングに拘わらず、一定範囲内で、図柄が入賞内容に応じた所定の入賞配列となるように停止するようになる。
なお、抽選手段11aで抽選,決定される入賞内容としては、一般に「ハズレ」,「小役(リプレイを含む)」,「レギュラー・ボーナス」,「ビッグ・ボーナス」等、数種類に分かれており、本実施形態でも、同様の入賞内容が抽選により決定されるようになっている。但し、この入賞の種類や具体的な内容は、スロットマシンの型や種類等に応じて設定されるようになっており、本実施形態に係るスロットマシンを実施するための特段の限定等はない。
【0061】
また、内部当たり抽選の結果、BB,RB等のボーナス・ゲーム等の所定の入賞内容に当選した場合には、制御部11は内部当たり告知部30に信号出力し、ランプの点灯(点滅)等による内部当たり告知を行わせる。
そして、本実施形態では、制御部11は、内部当たり告知の対象となる入賞内容に当選した場合に、その入賞内容がメダル貸出対象の入賞内容であり、かつ、記憶部12に記憶された貯留メダルのクレジット数が所定枚数以下(本実施形態ではゼロ枚)の場合には、直ちに内部当たり告知部30に信号を出力せず、メダル貸出スイッチ40が押下されると信号を出力し、内部当たり告知を行わせるようになっている。
従って、本実施形態では、例えばBBやRB等の所定の内部当たりに当選し、かつ、メダルクレジット数がゼロ枚となる等、所定のメダル貸出の条件が成立した場合に、メダル貸出スイッチ40が押下されると、内部当たり告知が行われることになる。勿論、メダル貸出が行われない場合にも、所定の入賞内容の当選が告知されるようにすることもできる。
【0062】
そして、メダル貸出の決定,実行,回収は、制御部11のメダル貸出決定手段11b,メダル貸出実行手段11c,貸出メダル回収手段11dで制御される。
メダル貸出決定手段11bは、抽選手段11aにおける内部当たり抽選の結果、メダル貸出対象となる所定の入賞内容、例えばBBやRB等のボーナス・ゲームに当選すると、所定数の貸出メダルの貸出を決定する。
本実施形態では、メダル貸出決定手段11bは、内部当たり抽選の結果、所定のメダル貸出対象となる入賞内容(例えばBBやRB等のボーナス・ゲーム)に当選した場合に、記憶部12の既投入メダルのクレジット数を読み出し、クレジット数が所定数以下(例えばクレジット枚数ゼロ)である場合に、所定枚数(例えば最大15枚)のメダル貸出を決定する。
【0063】
具体的には、メダル貸出決定手段11bは、内部当たり抽選の結果、BBやRB等の所定の内部当たり告知対象となる入賞内容に当選すると、内部当たり告知部30による内部当たり告知を行うための条件フラグをセットする。
そして、この条件フラグがセットされると、メダル貸出決定手段11bは、貯留メダルのクレジット数を検出し、クレジット数が所定枚数以下(例えばクレジット枚数ゼロ)の場合には、メダル貸出条件の成立を示すメダル貸出決定フラグをセットする。
この貸出条件成立フラグのセットにより、以下に示すメダル貸出実行手段11cにおけるメダル貸出の実行が行われることになる。
【0064】
ここで、メダルの貸出が決定,実行される貸出対象となる入賞内容として、本実施形態ではBB,RB等のボーナス・ゲームを設定してある。但し、メダル貸出の対象となる入賞内容はBBやRBに限定されるものではない。
すなわち、本発明のメダル貸出機能付きスロットマシンでメダル貸出の対象となる入賞内容は、遊技者に有利な特定の遊技状態が制御され、一定のメダル払出が確実に行われる限り、特定の入賞内容,遊技状態に限定されものではない。
例えば、BB,RB等のボーナス・ゲーム以外にも、払出が確実に行われるストップボタンの押し順がアシストされる「アシストタイム」や、蓄積された一又は二以上のボーナス・ゲームが解放される「ボーナス解放」、一定数のゲームの間リールの停止制御が解除される所謂「チャレンジタイム」、リプレイ(再遊技)に入賞する確率が高くなる「リプレイタイム(RT)」、「アシストタイム」と「リプレイタイム」が組み合わされた「アシストリプレイタイム(AR)」、特定小役の入賞確率が高くなる「確率変動」等、どのような入賞内容,遊技状態を対象とすることもできる。
【0065】
メダル貸出実行手段11cは、メダル貸出決定手段11bで決定された所定枚数の範囲内でメダル貸出を実行する。
本実施形態では、メダル貸出実行手段11cは、メダル貸出決定手段11bでのメダル貸出が決定された場合に、メダル貸出スイッチ40が押下操作されることにより、最大貸出枚数の範囲でメダル貸出を実行する。
具体的には、メダル貸出実行手段11cは、メダル貸出決定手段11bにおいてメダル貸出が決定された後(貸出条件成立フラグON)、メダル貸出スイッチ40の押下による貸出メダル要求信号を入力すると、記憶部12の最大貸出メダルカウンタに最大貸出メダル枚数(例えば15枚)をセットする。そして、メダルBETスイッチ7からのメダル信号が入力されるごとに、記憶部12の貸出メダルカウンタの値を、最大貸出メダルカウンタの値となるまでインクリメントする。
これにより、最大貸出枚数の範囲内で貸出メダルは投入可能となり、遊技者がメダルBETスイッチ7を操作することで所望枚数の貸出メダルがゲームに投入されることになる。
【0066】
貸出メダル回収手段11dは、貸し出された貸出メダル数を記憶し、以後のゲームで払い出される入賞メダル数から貸出メダル数を差し引き、また、未回収の貸出メダル数がある場合に、以後のゲームで投入される新規投入メダルを、未回収の貸出メダル数だけ回収するようになっている。
具体的には、貸出メダル回収手段11dは、貸出メダルが投入された後、記憶部12の貸出メダルカウンタの値がゼロになるまで、以後のゲームで払い出される入賞メダルから貸出メダル数を差し引いて、カウンタ値をディクリメントする。
また、以後のゲームでの入賞メダルでは貸出メダルカウンタの値がゼロにならなかった場合には、その未回収の貸出メダル数を、以後のゲームで投入される新規の投入メダルから、カウンタ値がゼロになるまで回収する。
【0067】
このように、本実施形態では、遊技者に貸し出された貸出メダルは、その後に開始されるボーナス・ゲーム等で払い出される入賞メダルによって回収される。また、貸出メダルを全て消費しても入賞図柄が揃わなかったような場合には、貸出メダルが未回収となるので、その後に同一又は別の遊技者が新たに投入した新規投入メダルを未回収の貸出メダルに充当して回収が行われる。
一般に、ボーナス・ゲーム等で払い出される入賞メダル数は、例えばRBの場合には百枚以上、BBの場合には数百枚となる。従って、遊技者にとっては、払い出される入賞メダルから貸出メダル数が差し引かれた回収されても、また、新規投入メダルから未回収の貸出メダル分が差し引かれても、それ以上の大量の入賞メダルを確実に獲得できれば損失は生じない。また、このようにすれば、ホール側にとっても、本来の入賞メダルの払い出しによって遊技者に利益を保証しつつ、既に貸し出された未回収メダルを容易に回収できることになる。
そこで、本実施形態では、以後のゲームにおける入賞メダル,投入メダルから貸出メダルを差し引くことで、遊技者が納得のいく形でボーナス・ゲーム等を満喫させつつ、ホール側で確実にメダルを回収できるようにしてある。
【0068】
記憶部12は、制御手段10におけるスロットマシン各部の制御や遊技制御に必要なプログラムや各種のデータを記憶,蓄積する記憶手段である。
例えば、記憶部12には、抽選手段11aでの内部当たり抽選に用いられる抽選テーブル等が記憶されるようになっている。
また、記憶部12には、上述したメダル投入口6から投入される貯留メダルの枚数(貯留メダル数)が記憶され、メダルBETスイッチ7のメダル信号により、記憶された貯留メダル枚数が減少される。
さらに、本実施形態では、メダル貸出が実行される場合には、その貸出メダル数が記憶部12で記憶,管理されるようになっている。
【0069】
具体的には、記憶部12は、上述した制御部11で実行される貸出メダルの最大貸出数を記憶するカウンタ(最大貸出メダルカウンタ)や、遊技者のBET操作で実際にゲームに投入された貸出メダル数を記憶するカウンタ(貸出メダルカウンタ)等を備え、貸出が決定された最大貸出メダル数と、ゲームに投入された貸出メダル数が格納されるようになっている。
貸出メダルカウンタの値は最大貸出メダルカウンタの値と比較され、最大貸出メダルカウンタの値と一致するまでインクリメントされ、これによって最大枚数までの貸出メダルがゲームに投入可能に制御される。
そして、貸出メダル回収手段11dの制御により、以後のゲームで入賞メダルの払出があると、貸出メダルカウンタの値がゼロになるまで、払い出された入賞メダルから貸出メダル数を差し引いて、カウンタ値がディクリメントされる。また、以後のゲームでの入賞メダルで貸出メダルカウンタの値がゼロにならなかった場合には、未回収の貸出メダル数を、以後のゲームで投入される新規の投入メダルから差し引き、カウンタ値がゼロになるまでディクリメントされる。
これによって、貸出メダルが回収されることになる。
【0070】
なお、以上説明した本実施形態に係るメダル貸出機能付きスロットマシンの構成は、上述した各部の他は、既存のスロットマシンにおける構成,機能とほぼ同様となっており、遊技方法,遊技システム等もほぼ同様である。
例えば、前面パネル2は、上述した構成の他、表示窓3の下側に各リールに対応したストップランプを備えることができ、このストップランプを順次点灯させることで、所定の入賞配列が揃い易いストップボタン5a〜5cの押下順を告知することができる。
従って、既存マシンと同様の部分については詳細な説明は省略する。
【0071】
[遊技動作]
次に、以上のような構成からなる本実施形態に係るスロットマシンの動作について、図4を参照しつつ説明する。図4は、本実施形態に係るスロットマシンの動作の概略を示すフローチャートである。
同図に示すように、まず、遊技者がメダル投入口6にメダルを投入することでゲームが開始される(図4に示すステップ401)。
ここで、投入されるメダルは、通常、表示窓3上の入賞ラインに対応して1枚掛け,2枚掛け又は3枚掛けに割り当てられ、4枚以上のメダルが投入された場合、4枚以上のメダルは貯留メダルとして制御手段10の記憶部12に記憶される。従って、貯留メダルは、メダルBETスイッチ7によって2回目以降のゲームにおいて投入可能に貯留されることになる。
【0072】
メダル投入後は、スタートレバー4が押下されることにより(ステップ402)、三つのリール21が一斉に回転を開始し、それと同時に、制御手段10の制御部11内の抽選手段11aにおいて内部当たりの抽選が行われる(ステップ403)。
その後、遊技者によりストップボタン5a〜5cが押下操作され、各ストップボタン5a〜5cに対応するリール21a〜21cが停止制御される(ステップ404)。
このとき、各リール21a〜21cは、制御部11及びドラムユニット20の制御により、ストップボタン5の押下のタイミングに拘わらず、一定範囲内で、各リール上の図柄が内部当たり抽選の入賞内容に応じた所定配列となるように停止制御される。そして、全リール21a〜21cが停止されると、その停止図柄に応じた処理が行われる。
【0073】
ここで、ステップ403での内部当たり抽選の結果、BBやRB等の所定の内部当たり告知対象となる入賞内容に当選した場合には(ステップ405)、制御部11の制御により、内部当たり告知部30を介して所定の内部当たり告知を行うための条件フラグがセットされる(ステップ406の「内部当たり告知ランプ点灯条件フラグON」)。なお、抽選の結果、内部当たり告知対象の入賞内容に当選しなかった場合は(ステップ405)、内部当たり告知もメダル貸出も行われないので、以後は通常の遊技状態となる。
内部当たり告知を行うための条件フラグがセットされると、記憶部12に記憶されている貯留メダルのクレジット数が読み出され、クレジット数が所定枚数以下か否か、すなわち、本実施形態の場合、クレジット数がゼロかどうかが判定され(ステップ407)、クレジット数がゼロの場合には、メダル貸出の条件が成立となり、メダル貸出決定を示すフラグがセットされる(ステップ408の「遊技メダル貸出条件フラグON」)。
このとき、前面パネル2のクレジット表示部41には、貯留メダル数がゼロである表示がされる。
【0074】
メダル貸出決定のフラグがセットされると、その後、遊技者の判断によりメダル貸出スイッチ40が押下操作されることにより(ステップ409)、貸出メダルの貸出処理が実行される(ステップ410以下)。
なお、メダル貸出スイッチ40が押下されない場合は(ステップ409)、メダル貸出は行われず、以後は通常の遊技状態となる。但し、この場合には、所定の内部当たり当選の効果は継続しており、内部当たり告知の条件フラグとメダル貸出の決定フラグがセットされているので、次回以降のゲームでメダル貸出スイッチ40が押下操作されれば(ステップ409)、以下に示すような貸出メダルの貸出処理が実行されることになる(ステップ410以下)。
【0075】
まず、メダル貸出スイッチ40が押下されると(ステップ409)、記憶部12の最大貸出メダルカウンタに最大貸出メダル数(本実施形態では15枚)がセットされる(ステップ410)。これにより、最大15枚の貸出メダルが以後のゲームで投入可能となる。このとき、クレジット表示部41には、15枚の貸出メダル数を示す点滅表示等の表示がされる。
また、メダル貸出スイッチ40が押下されると(ステップ409)、内部当たり告知30の内部当たり告知ランプが点灯する(ステップ411)。これにより、遊技者は、BB等の内部当たりに当選し、かつ、貸出メダルが投入可能であることを知ることになる。
【0076】
この状態で、遊技者は、自らの判断でメダルBETスイッチ7を操作して貸出メダルを投入し(ステップ412)、所定の入賞図柄(例えば「7・7・7」)を揃えるために遊技を行う。なお、貸出メダルは、通常のゲームの場合と同様、一回のゲームで1〜3枚のメダルが投入可能であり、最大15枚の貸出メダルの場合、最高5回までゲームが行えることになる。
貸出メダルがゲームに投入されると、記憶部12の貸出メダルカウンタが投入枚数分だけインクリメントされる(ステップ413)。そして、この貸出メダルカウンタの値が最大貸出メダルカウンタの値と比較される(ステップ414の「(最大貸出メダルカウンタ)−(貸出メダルカウンタ)=0?」)。これにより、遊技者は、最大15枚の貸出メダルが投入されるまでゲームが可能となる。
【0077】
その後は、投入された貸出メダルで行われたゲームで特定の入賞図柄が揃うと(ステップ415)、BBやRB等のボーナス・ゲーム等が開始し、入賞メダルが大量に払い出されることになり、この当選払出メダル数から貸出メダル数が差し引かれて回収される(ステップ416)。
また、特定の入賞図柄が揃ってボーナス・ゲーム等が開始した後は、内部当たり告知ランプは消灯し、内部当たり告知の条件フラグはOFFになり(ステップ417)、メダル貸出の条件フラグもOFFされる(ステップ418)。
以上で貸出メダルの決定,実行,回収処理が完了し、以後は通常の遊技に戻り、ステップ401からの遊技が行われることになる。
【0078】
ステップ415で特定の入賞図柄が揃わなかった場合には、貸出メダルの投入可能な範囲でステップ410〜415が繰り返される。
なお、ステップ410〜415の繰り返しの結果、貸出メダルを全て消費しても入賞図柄が揃わなかったような場合には、貸出メダルは未回収となる。この場合には、制御部11の貸出メダル回収手段11dの制御により、それ以降のゲームにおいて、同一又は別の遊技者が新たに投入した新規投入メダルが未回収の貸出メダルに充当されて回収が行われる。
以後は通常の遊技に戻ることで、ステップ401からの遊技が可能となる。
【0079】
以上説明したように、本実施形態に係るメダル貸出機能付きスロットマシンによれば、内部当たり抽選の結果、例えばBBやRB等の所定の入賞内容に当選後、入賞図柄が揃う前に手持ちメダルが所定枚数以下(例えばゼロ枚)になると、一定枚数(例えば15枚)の貸出メダルの貸出が実行されることになる。
これによって、遊技者は、貸し出されたメダルによって引き続き遊技を継続することができ、所持金や手持ちメダルがなくなっても、その後ゲームで入賞図柄を揃えることで、ボーナス・ゲーム等を開始して貸出メダル数以上の入賞メダルを獲得することができる。
また、遊技者は、メダルの貸出が実行されることで、BBやRB等の所定の入賞内容に当選していることを知ることができる。これにより、ランプの点灯や当選音声,リーチ目表示等の内部当たり告知が行われなくても、また、ランプの点灯等により行われた内部当たり告知に遊技者が気が付かなくても、メダル貸出の実行によって遊技者に内部当たりが確実に告知されることになる。このように、本実施形態では、貸出メダルの決定,実行は、新たな態様の内部当たり告知としても機能する。
【0080】
遊技場(ホール)にとっても、遊技者に貸し出された貸出メダルを、その後に開始されるボーナス・ゲーム等で払い出される入賞メダルによって回収することができる。すなわち、ホール側は、本来の入賞メダルの払い出しによって遊技者に利益を保証しつつ、既に貸し出された未回収メダルを確実に回収することができ、遊技者が納得のいく形でボーナス・ゲーム等を満喫させつつ、貸出メダルを容易かつ確実に回収でき、メダル貸出により損失が発生することはない。
そして、このような貸出メダルの実行によって遊技者に遊技継続を促進,奨励できるので、ホールにとっては、顧客減,顧客離れを防止できるとともに、魅力あるスロットマシンにより新たな顧客獲得も可能となる。
【0081】
さらに、遊技者が貸出メダルによる遊技継続を選択せずに止めてしまったり、貸出メダルを全て使っても入賞図柄が揃わなかったような場合には、当選した入賞内容は未だ有効であるため、同一又は別の遊技者が新たにメダルを購入してゲームを行うことで、入賞図柄を揃えてボーナス・ゲーム等の利益を享受することができる。この場合、遊技者にとっては、既にBBやRB等に当選しているスロットマシンにおいて、あとは入賞図柄を揃えるだけで大量の入賞メダルが獲得できる遊技を確実に行えることになり、遊技場(ホール)にとっても、本来の入賞メダルを払い出しつつ既に実行された貸出メダルを確実に回収することができる。
このように、本実施形態のメダル貸出機能付きスロットマシンによれば、遊技者側,遊技ホール側の双方に損失のない形で、遊技者にボーナス・ゲーム等を満喫させることができ、従来には存在しない魅力あるスロットマシン遊技を提供することができる。
【0082】
以上、本発明のメダル貸出機能付きスロットマシンについて、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係るメダル貸出機能付きスロットマシンは、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、メダルの貸出対象となる入賞内容と、内部当たり告知の対象となる入賞内容は、同じ入賞内容としてあるが、これをそれぞれ異なる入賞内容とすることは勿論可能である。
このようにすると、内部当たり告知が行われるボーナス・ゲーム等とは別に、メダル貸出が行われる他のボーナス・ゲームやその他の入賞内容が存在することになり、遊技者にとって有利な入賞内容のバリエーションが増え、より魅力的で斬新なスロットマシンを提供できるようになる。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のメダル貸出機能付きスロットマシンによれば、スロットマシン遊技における内部当たり抽選の結果、ボーナス・ゲーム等の所定の入賞内容に当選した後、手持ちのメダルがなくなってしまった遊技者に対し、所定枚数の貸出メダルを貸し出すことができる。
これにより、ボーナス・ゲーム等の入賞内容の利益を確実に告知,享受させることができ、遊技者側,遊技ホール側の双方に損失のない形で、遊技者にボーナス・ゲーム等の特定遊技を満喫させることが可能となり、従来には存在しない魅力あるスロットマシン遊技を提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るメダル貸出機能付きスロットマシンを示す概略正面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るメダル貸出機能付きスロットマシンの内部構造を示す概略斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るメダル貸出機能付きスロットマシンの制御手段を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るメダル貸出機能付きスロットマシンの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 スロットマシン本体
2 前面パネル
3 表示窓
4 スタートレバー
5(5a,5b,5c) ストップボタン
6 メダル投入口
7 メダルBETスイッチ
8 入賞メダル払出し口
9 スピーカ
10 制御手段
11 制御部
11a 抽選手段
11b メダル貸出決定手段
11c メダル貸出実行手段
11d 貸出メダル回収手段
12 記憶部
20 ドラムユニット
21(21a,21b,21c) リール
30 内部当たり告知部
40 メダル貸出スイッチ
41 クレジット表示部(貸出メダル表示部)
Claims (9)
- 回転する複数のリールが所定の図柄配列に停止されることで所定数のメダルが払い出されるスロットマシンであって、
ゲームの開始により所定の内部当たり抽選を行う抽選手段と、
内部当たり抽選の結果、メダル貸出対象となる所定の入賞内容に当選すると、所定数の貸出メダルの貸出を決定するメダル貸出決定手段と、
決定された所定数の範囲内でメダル貸出を実行するメダル貸出実行手段と、
を備えたことを特徴とするメダル貸出機能付きスロットマシン。 - メダル貸出決定手段は、内部当たり抽選の結果、所定のメダル貸出対象となる入賞内容に当選した場合に、既投入メダルのクレジット数を読み出し、クレジット数が所定数以下である場合にメダル貸出を決定する請求項1記載のメダル貸出機能付きスロットマシン。
- メダル貸出実行手段は、所定のメダル貸出要求操作が行われることによりメダル貸出を実行する請求項1又は2記載のメダル貸出機能付きスロットマシン。
- メダル貸出が実行可能であることを告知するメダル貸出告知手段を備える請求項1,2又は3記載のメダル貸出機能付きスロットマシン。
- メダル貸出告知手段は、所定のメダル貸出要求操作が行われることにより、メダル貸出が実行可能であることを告知する請求項1,2,3又は4記載のメダル貸出機能付きスロットマシン。
- 内部当たり抽選の結果、告知対象となる所定の入賞内容に当選すると、その当選を告知する内部当たり告知手段を備え、
内部当たり告知手段での告知対象となる入賞内容が、メダル貸出対象となる入賞内容である場合に、
内部当たり告知手段は、所定のメダル貸出要求操作が行われることにより、告知対象となる入賞内容の当選を告知する請求項1,2,3,4又は5記載のメダル貸出機能付きスロットマシン。 - メダル貸出実行手段で実行された貸出メダル数を表示する貸出メダル表示手段を備える請求項1,2,3,4,5又は6記載のメダル貸出機能付きスロットマシン。
- 貸し出された貸出メダル数を記憶し、以後のゲームで払い出される入賞メダル数から貸出メダル数を差し引く貸出メダル回収手段を備えた請求項1,2,3,4,5,6又は7記載のメダル貸出機能付きスロットマシン。
- 貸出メダル回収手段は、未回収の貸出メダル数がある場合に、以後のゲームで投入される新規投入メダルから未回収の貸出メダル数を差し引く請求項1,2,3,4,5,6,7又は8記載のメダル貸出機能付きスロットマシン。
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JP2003083274A JP2004290257A (ja) | 2003-03-25 | 2003-03-25 | メダル貸出機能付きスロットマシン |
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JP2003083274A Pending JP2004290257A (ja) | 2003-03-25 | 2003-03-25 | メダル貸出機能付きスロットマシン |
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Cited By (2)
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JP2008136500A (ja) * | 2006-11-29 | 2008-06-19 | Taiyo Elec Co Ltd | 遊技機 |
JP2009082165A (ja) * | 2007-09-27 | 2009-04-23 | Daikoku Denki Co Ltd | スロットマシン |
-
2003
- 2003-03-25 JP JP2003083274A patent/JP2004290257A/ja active Pending
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