JP2004289650A - 圧電デバイスおよび圧電振動片の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧電振動片の固定力を確保すると共に、導電性接着剤の収縮膨張に伴う振動特性の変化を抑制する圧電デバイスおよび圧電振動片の製造方法を提供すること。
【解決手段】パッケージ30と、このパッケージに導電性接着剤42,42を用いて接合される基部50を有し、この基部50から平行に延びる一対の振動腕24,26を有する圧電振動片20とを備える圧電デバイスであって、基部50の導電性接着剤42,42が付着される接合領域に、複数の有底の孔52が設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】パッケージ30と、このパッケージに導電性接着剤42,42を用いて接合される基部50を有し、この基部50から平行に延びる一対の振動腕24,26を有する圧電振動片20とを備える圧電デバイスであって、基部50の導電性接着剤42,42が付着される接合領域に、複数の有底の孔52が設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性接着剤により接合固定される圧電振動片を備える圧電デバイスおよび圧電振動片の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図13および図14は、従来の圧電デバイスにかかる例えば圧電振動子1を示す図であり、図13は圧電振動子1の概略平面図、図14は図13のA−A線概略断面図である。
これらの図に示されるように、圧電振動子1は、パッケージ2内に圧電振動片3を収容している。
圧電振動片3は、図13に示されるように、小型に形成するために、全体が音叉のような形状とされた、所謂音叉型圧電振動片となっている。すなわち、パッケージ2に接合される基部4と、この基部4から平行に延びる一対の振動腕5,5とを備えており、基部4の長さL1は1.100mm、基部4の幅W1は0.640mm、振動腕の長さL2は2.360mmに形成されている。
また、基部4の幅方向の両端には、電極膜6,6が設けられ、一対の振動腕5,5には、電圧を引加するために、電極膜6,6と電気的に接続された励振電極8,8が設けられている。
【0003】
パッケージ2は、図14に示されるように、その内側に所定の内部空間Sを有しており、この内部空間S内の図において右端部付近に、外部と接続されて駆動電圧を供給する電極部が形成されている(図示せず)。この電極部の上には、エポキシ系またはシリコーン系等の導電性接着剤7,7が塗布されており、この導電性接着剤7,7の上に圧電振動片3の基部4が載置されている。このようにして、導電性接着剤7,7が乾燥硬化することにより、圧電振動片3の基部4が電気的機械的にパッケージ2に接続されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2000−82936
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のように、圧電振動片3をパッケージ2に接続するための導電性接着剤7,7には、エポキシ系あるいはシリコーン系の導電接着剤が用いられている。この点、エポキシ系導電性接着剤は、シリコーン系導電性接着剤よりも接着力が大きく、また、硬いため、圧電振動片3をパッケージ2に接続する際の乾燥によって収縮し、圧電振動片3に反りを生じさせる。しかも、この圧電振動片3の反りは、エポキシ系導電性接着剤の環境温度の変化等に伴う収縮・膨張により、製品化後においても変化し、所定の周波数特性を変化させる原因になってしまうという問題がある。
【0006】
また、シリコーン系導電性接着剤は柔らかいため、エポキシ系導電性接着剤の上述した問題は生じ難いが、エポキシ系導電性接着剤に比べて接着力が弱いという特性がある。このため、圧電振動片3を固定する力が弱く、例えば圧電振動子1が落下した場合、基部4とシリコーン系導電性接着剤との接触部分がずれてしまい、周波数特性の変化を引き起こしてしまうという問題が生じていた。特に、近年の圧電振動子1は小型薄型化がめざましく、基部4とシリコーン系導電性接着剤との接触面積を大きくとることができないため、圧電振動片3を固定する力が十分ではない。このため、基部4とシリコーン系導電性接着剤との接触部分のずれは大きな問題となっていた。
【0007】
本発明は、上述の課題を解決するためのものであり、圧電振動片の固定力を確保すると共に、導電性接着剤の収縮膨張に伴う振動特性の変化を抑制する圧電デバイスおよび圧電振動片の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、第1の発明によれば、パッケージと、このパッケージに導電性接着剤を用いて接合される基部を有し、この基部から平行に延びる一対の振動腕を有する圧電振動片とを備える圧電デバイスであって、前記基部の前記導電性接着剤が付着される接合領域に、複数の有底の孔が設けられている圧電デバイスにより達成される。
【0009】
第1の発明の構成によれば、圧電振動片の基部の導電性接着剤が付着される接合領域に、複数の有底の孔が設けられている。このため、導電性接着剤は、複数の有底の孔の内面に接触して、基部と導電性接着剤との接触面積を、従来に比べて大きくすることができる。これにより、例えば、収縮膨張率が小さい一方、固定力が弱い導電性接着剤を用いたとしても、圧電振動片の固定力を高めることができる。
したがって、本発明によれば、圧電振動片の固定力を確保すると共に、導電性接着剤の収縮膨張に伴う振動特性の変化を抑制する圧電デバイスを提供できるという作用効果を発揮する。
【0010】
第2の発明によれば、第1の発明の構成において、前記一対の振動腕のそれぞれには、長手方向に沿った長溝が設けられていることを特徴とする。
第2の発明の構成によれば、一対の振動腕のそれぞれには、長手方向に沿った長溝が設けられているため、例えばクリスタルインピーダンス値(CI値)を低く抑えることができる。このため、CI値を従来の圧電振動片と同様のCI値に設定して、圧電振動片の長さを短くすることができる。ところが、このように、圧電振動片の長さが短くなると、基部の導電性接着剤が付着する領域も狭くならざるを得ない。しかし、基部の導電性接着剤が付着される接合領域には、複数の有底の孔が設けられているため、第1の発明と同様の原理により、圧電振動片の固定力を確保することができる。
【0011】
第3の発明によれば、第1および第2の発明のいずれかの構成において、前記基部の長さは、前記圧電振動片の長さの30%以下であることを特徴とする。
第3の発明の構成によれば、基部の長さは、圧電振動片の長さの30%以下であるため、振動腕の長さを従来より長くして、CI値を低く抑えることができる。一方、基部の長さは従来より短くなって、基部の導電性接着剤が付着する領域も狭くならざるを得ない。しかし、基部の導電性接着剤が付着される接合領域には、複数の有底の孔が設けられているため、第1の発明と同様の原理により、圧電振動片の固定力を高めることができる。
【0012】
第4の発明によれば、第1ないし第3の発明のいずれかの構成において、前記基部の幅が500μm以下であることを特徴とする。
第4の発明の構成によれば、基部の幅が500μm以下であり、従来より幅方向に小型化されているため、基部の導電性接着剤が付着する領域も狭くならざるを得ない。しかし、基部の導電性接着剤が付着される接合領域には、複数の有底の孔が設けられているため、第1の発明と同様の原理により、圧電振動片の固定力を高めることができる。
【0013】
第5の発明によれば、第1ないし第4の発明のいずれかの構成において、前記有底の孔は、その断面形状において、前記有底の孔を形成する壁部が、前記有底の孔のほぼ中心に向かって除々に深さを増すような傾斜を備えていることを特徴とする。
ところで、導電性接着剤が有底の孔の内面に多量に付着すると、内面に付着した導電性接着剤の収縮膨張により、振動特性に影響を与える恐れがある。例えば、振動腕の振動が基部に漏れ込んだ際、形状が変化した有底の孔に応力が集中する恐れがあるが、この際、有底の孔と導電性接着剤との間に隙間が生じると、よりそこに応力が集中して、振動漏れが導電性接着剤を介して、パッケージ全体に伝わってしまう恐れがある。ところが、第5の発明の構成によれば、有底の孔は、その断面形状において、有底の孔を形成する壁部が、有底の孔のほぼ中心に向かって除々に深さを増すような傾斜を備えている。そうすると、有底の孔の底部と壁部との角度が大きくなるため、有底の孔と導電性接着剤との間に隙間ができ難くなる。したがって、有底の孔と導電性接着剤との間に隙間ができことによる振動特性への影響を有効に防止することができる。
【0014】
第6の発明によれば、第1ないし第5の発明のいずれかの構成において、前記基部は、前記導電性接着剤が付着される接合領域を幅方向の両端に有しており、この両端の接合領域の間に、前記接合領域に隣接するようにして複数の有底の孔若しくは溝が形成されていることを特徴とする。
第6の発明の構成によれば、基部の両端の接合領域の間に、接合領域に隣接するようにして複数の有底の孔若しくは溝が形成されている。このため、導電性接着剤が接合領域から流れ出したとしても、この流れ出した導電性接着剤を、接合領域に隣接する有底の孔若しくは溝内に収容することができる。したがって、基部の両端に付着した導電性接着剤どうしが短絡してしまうことを防止できる。
【0015】
また、上記目的は、第7の発明によれば、第1ないし第5の発明のいずれかの構成において、導電性接着剤を用いて固定される基部と、この基部から平行に延びる一対の振動腕とを備える圧電振動片の製造方法であって、前記圧電振動片の外形形状をエッチングにより形成する際に、前記基部の前記導電性接着剤が付着する接合領域に、エッチングにより複数の有底の孔を形成する、圧電振動片の製造方法により達成される。
第7の発明の構成によれば、基部の導電性接着剤が付着する接合領域に、エッチングにより複数の有底の孔を形成する。このため、第1の発明と同様の原理により、例えば、収縮膨張率が小さい一方、固定力が弱い導電性接着剤を用いたとしても、圧電振動片の固定力を高めることができる。
また、このような有底の孔は、圧電振動片の外形形状をエッチングにより形成する際に形成するため、有底の孔を形成する工程を別途設けなくても済み、容易に有底の孔を形成して、製造コストを安価にすることができる。
【0016】
第8の発明によれば、第7の発明の構成において、前記複数の有底の孔をエッチングにより形成する際に、前記一対の振動腕のそれぞれに長手方向に延びる長溝をエッチングにより形成することを特徴とする。
第8の発明の構成によれば、一対の振動腕のそれぞれに長手方向に延びる長溝をエッチングにより形成するため、第2の発明と同様の原理により、圧電振動片の長さを短くすることができる。また、このような長溝は、有底の孔をエッチングにより形成する際に形成できるので、製造コストを安価にすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1ないし図3は、本発明の実施形態を示す圧電デバイス10であって、図1は圧電デバイス10の概略平面図であり、図2は、図1のB−B線概略断面図、図3は圧電デバイス10の圧電振動片のみを拡大した拡大斜視図である。
これらの図において、圧電デバイス10は、圧電振動子を構成した例を示しており、圧電デバイス10は、パッケージ30内に圧電振動片20を収容している。
【0018】
パッケージ30は、例えば、絶縁材料として、酸化アルミニウム質のセラミックグリーンシートを成型して形成される複数の基板31,32,33,34を積層した後に、焼結して形成されている。すなわち、図2に示されるように、この実施形態では、パッケージ30は、下から第1の基板31、第2の基板32、第3の基板33、第4の基板34を積層して形成されている。
【0019】
第3の基板33および第4の基板33は、図2に示されるように、その内側に所定の孔33a,34aを形成することで、第2の基板32に積層した場合に、パッケージ30の内側に圧電振動片20を収容する内部空間S1を形成するようにされている。この第3の基板33および第4の基板33のうち、第4の基板34の上端にある開放端面34bには、例えば、低融点ガラス等のロウ材43を介して、蓋体39が接合されることにより、封止されている。
【0020】
また、第3の基板33は、上述の孔33aを形成することで、内部空間S1内の図において左端部付近に、圧電振動片20を載置するための台座部33bが設けられている。そして、この台座部33bの上に、例えば、金または金合金で形成した電極部40,40が設けられている。この電極部40,40は、外部と接続されて、駆動電圧を供給するものであり、図1に示すように、内部空間S1内の長手方向の側面に接して、所定の間隔を隔てて形成されている。
【0021】
この所定の間隔を隔てた電極部40,40の上には、接合力を発揮する接着成分としての合成樹脂剤に、銀製の細粒等の導電性の粒子を含有させた導電性接着剤42,42が塗布されている。本実施形態において、導電性接着剤42,42には、エポキシ系導電性接着剤に比べて、柔らかく、圧電振動片3を固定する力が弱いシリコーン系導電性接着剤が用いられているが、後述するように、シリコーン系のみならずエポキシ系導電性接着剤等を利用することもできる。
そして、この導電性接着剤42,42の上に圧電振動片20が載置され、圧電振動片20を、図2に示されるように上から力F1を加えて導電性接着剤42,42に密着させ、導電性接着剤42,42が乾燥硬化することにより、圧電振動片20が電極部40,40に固着されるようになっている。また、この導電性接着剤42,42に対して圧電振動片20は、基部50の振動腕24,26と反対側の端部(図2において左端部)であって、基部50の幅方向両端付近が対向するようにして固着されている。
【0022】
また、パッケージ30の底面のほぼ中央付近には、第1の基板31及びその上の第2の基板32に連続する貫通孔31a,32aを形成することにより、貫通孔35が設けられている。この貫通孔35は、圧電振動片20に有害なガスが付着しないようにするための孔である。すなわち、例えばパッケージ30内を加熱(アニール処理)して導電性接着剤42,42やロウ材43などから発生したガスを真空排気するための孔であり、これら有害なガスを排気した後に、図2に示されるように、封止材38により封止されるようになっている。
【0023】
圧電振動片20は、水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料を利用することができるが、本実施形態の場合、圧電振動片20は、水晶の単結晶から所定の角度をもって切り出された基板を加工することにより形成されている。また、圧電振動子20は、小型に形成して必要な性能を得るために、特に図示する形状とされている。すなわち、圧電振動片20は、パッケージ30と固定される基部50と、この基部50を基端として、図において右方に向けて、二股に別れて平行に延びる1対の振動腕24,26を備えており、全体が音叉のような形状とされた、所謂音叉型圧電振動片が利用されている。
【0024】
圧電振動片20の基部50は、その端部(図1では左端部)の幅方向両端付近に、例えばクロム(Cr)および金(Au)をスパッタして形成された電極膜44,45が形成されている。電極膜44,45は、上述したように、パッケージ30側の電極部40,40と導電性接着剤42,42により接続される部分であり、互いに異極となるように形成されている。また、本実施形態において、電極部44,45は、図2に示されるように、基部50の表裏面(図2において上下面)に形成され、この表裏面の電極部44,45は基部50の端面を引き回されて電気的に接続されている。
【0025】
また、基部50は、図1に示されるように、各振動腕24,26の基端部近傍に、基部50の幅を縮幅するようにして設けた切欠き部28,28を備えている。これにより、各振動腕24,26からの振動の基部50側への漏れ込みを抑制し、CI値を低く抑えることができる。したがって、このような圧電振動片20のCI値を、従来の圧電振動片のCI値となるように形成して、振動腕24,26の長さL3を短くできる。
【0026】
圧電振動片20の各振動腕24,26は、それぞれ長さ方向に延びる長溝21,22を有している。各長溝21,22は、図1のC−C線切断端面図である図4に示すように、各振動腕24,26の表裏面(図4において上下面)に設けられ、各々の深さが40〜45μmとなるように形成されている。振動腕24側の長溝21,21には励振電極46,46が設けられており、振動腕26側の長溝22,22には励振電極47,47が設けられている。また、振動腕24の両側面には励振電極47,47が設けられており、振動腕26の両側面には励振電極46,46が設けられている。この励振電極46,46,46,46は、図3に示されるように圧電振動片20を引き回されて電極膜45と電気的に接続されている。また、励振電極47,47,47,47は、圧電振動片20を引き回されて電極膜44と電気的に接続されている。このようにして、励振電極46,46,46,46と、励振電極47,47,47,47は互いに異極となっている。
これにより、振動腕24,26内の電界をE方向に沿って効率よく発生させ、圧電振動片20のCI値を低く抑えることができる。したがって、このような圧電振動片20のCI値を、従来の圧電振動片のCI値となるように形成して、振動腕24,26の長さL3を短くできる。
なお、本実施形態においては、上述の切り欠き部28,28および長溝212,22を形成することにより、振動腕24,26の長さL3を1.64mm、基部の長さL4を0.4mm、基部の幅W2を0.5mm以下で、例えば0.4mmに形成できている。
【0027】
ここで、基部50の導電性接着剤42,42が付着されている接合領域50a,50a、本実施形態においては、基部50の裏面の電極膜44,45が設けられている部分には、図3に示されるように、それぞれ複数の有底の孔52,52,52・・・が形成されている。これら複数の有底の孔52,52,52・・・は、圧電振動片20の長さ方向および幅方向に、所定の間隔をもって複数形成されている。
尚、これら複数の有底の孔52,52,52・・・は、それぞれ同様の構成であるため、以下、一つの有底の孔52について説明する。
【0028】
この有底の孔52は、図3の正円で囲った有底の孔52の部分拡大図に示されるように、幅W2が10μmから30μmであり、長さL4も幅W2と同様に10μmから30μmとなるように形成されている。
また、図3のF−F線端面図である図5に示されるように、有底の孔52の深さD1は、後述するように、圧電振動片20の製造工程において、有底の孔52と長溝21,22とを同時にハーフエッチングにより形成できるように、長溝21,22と同様の深さである40〜45μmとなるように形成されている。
【0029】
また、本実施形態においては、有底の孔52は、水晶の単結晶から所定の角度をもって切り出された基板を、後述するようにハーフエッチングすることにより形成されている。このため、水晶材料の異方性により、有底の孔52は、その断面形状において、有底の孔52を形成する壁部52a,52bが、有底の孔52のほぼ中心に向かって除々に深さを増すような傾斜を備えるようになっている。
なお、本実施形態において、有底の孔52は基部50の裏面に設けられているが、基部50の表面あるいは側面に設けられていてもよい。
【0030】
次に、圧電振動片20の好ましい製造方法を説明する。
図6は、圧電振動片20の製造方法を説明するための前提となる図である。図7および図8は、圧電振動片20を形成するための準備工程を説明するための図であって、図6のG−G線における工程を示す端面図である。図9は、圧電振動片20の外形を形成するための図であって、図6のH−H線における工程を示す端面図である。図10は、振動腕24の長溝21を形成するための図であって、図6のI−I線における工程を示す端面図である。図11は、有底の孔52を形成するための図であって、図6のJ−J線における工程を示した端面図である。
なお、図6は、水晶材料の基板60から圧電振動片20の外形を形成し終える直前の図であり、この図における61の部分を切断して、上述した圧電振動片20を形成するようになっている。以下、水晶材料の基板60から図6の状態に至るまでの工程を説明する。
【0031】
(準備工程)
本実施形態の圧電振動片20の製造方法については、先ず、図7(a)に示すように、水晶の単結晶から切り出された水晶材料でなる基板60を用意する。
次いで、図7(b)に示すように、この基板60の表面(表裏面)に、スパッタリングもしくは蒸着等の手法により、耐蝕膜62を形成する。耐蝕膜62は、例えば、下地層としてのクロム層と、その上に被覆される金被覆層で構成される。
次いで、図7(c)に示すように、全面にレジスト63を塗布し、図7(d)に示すように、外形パターニングのためにレジスト63の上にマスク64を配置して、図8(e)に示すように、露光後感光したレジスト63を除去する。
そして、図8(f)に示すように、エッチング液に浸して、除去したレジスト63の部分に対応した耐蝕膜62の部分を除去して、図8(g)に示すように、レジスト63を剥離する。
【0032】
(圧電振動片の外形、振動腕の長溝、有底の孔を同時に形成する工程)
以上のように準備工程を経た圧電振動片20は、各部位において、圧電振動片20の外形を形成するための図9(g−1)、長溝21を形成するための図10(g−2)、有底の孔52を形成するための図11(g−3)に示される状態となっている。なお、図9(g−1)は、図8(g)におけるKの部分に対応した部分であり、図10(g−2)は、図8(g)におけるLの部分に対応した部分である。
そして、以降は、図9と図10と図11における工程が同時に進行される。
【0033】
すなわち、図9(h−1)、図10(h−2)、図11(h−3)に示すように、全面にレジスト65を塗布し、図9(i−1)、図10(i−2)、図11(i−3)に示すように、パターニングのためにレジスト65の上にマスク66を配置する。
次いで、図9(j−1)、図10(j−2)、図11(j−3)に示すように、露光後感光したレジスト65を除去し、図9(k−1)、図10(k−2)、図11(k−3)に示すように、基板50をエッチング液に浸して水晶材料を除去する。この際、圧電振動片20の外形を形成するための図9については、図9(k−1)に示されるように、基板60の表面に耐蝕膜62が配置されていない部分があるため、圧電振動片20の外形が形成されることになる。一方、長溝21を形成するための図10、及び有底の孔52を形成するための図11については、表面に耐蝕膜62が配置されているため、未だ水晶は除去されない。
【0034】
次いで、図9(l−1)、図10(l−2)、図11(l−3)に示すように、エッチング液に浸して、図9(j−1)、図10(j−2)、図11(j−3)において除去したレジスト65の部分に対応した耐蝕膜62の部分を除去する。そして、図9(m−1)、図10(m−2)、図11(m−3)に示すように、基板50をフッソ化水素溶液およびフッ化アンモニウム溶液からなるエッチング液に30分程度浸して、水晶材料を除去し、長溝21,21および有底の孔52,52,・・・を形成する。
【0035】
そして、図9(n−1)、図10(n−2)、図11(n−3)に示すように、耐蝕膜62、レジスト65を剥離して、圧電振動片20を完成させる。
【0036】
本発明の実施形態は以上のように構成され、このため、図2の一点鎖線で囲った図に示されるように、導電性接着剤42,42は、複数の有底の孔52,52,・・・の内面に接触して、基部50と導電性接着剤42,42との接触面積を、従来に比べて大きくすることができる。これにより、収縮膨張率が小さい一方、固定力が弱い導電性接着剤42,42を用いたとしても、圧電振動片20のパッケージ30に対する固定力を高めることができる。
【0037】
さらに、有底の孔52は、基部50と導電性接着剤42,42との接触面積を大きくするだけでなく、所謂アンカー効果をもたらすため、圧電振動片20のパッケージ30に対する固定力を高めつつも、導電性接着剤42,42の塗布量を減らすことができる。これにより、基部50の導電性接着剤42,42が付着する接合領域50aを小さくでき、上述のように、長溝21,22や切り欠き部28を形成することにより、極めて小型に形成された圧電振動片20において、導電性接着剤42,42間の幅が狭くなったとしても、導電性接着剤42,42どうしの短絡を防止することができる。なお、上述のように圧電振動片20の上から力を加えて導電性接着剤42,42に密着させる際、有底の孔52が導電性接着剤42,42の広がりを抑えることによっても、導電性接着剤42,42どうしの短絡を防止することができる。
【0038】
また、基部50の導電性接着剤42,42が付着する接合領域50aを小さくすると、振動腕24,26の振動に伴う応力は振動腕24,26の股部に最も集中するため、この股部と接合領域50aとの距離が長くなって、振動腕24,26の振動を接合領域50aに伝わり難くすることができる。そして、振動腕24,26の振動が接合領域50aに伝わり難いと、所謂振動漏れも軽減されるので、収縮膨張が比較的大きいエポキシ系等の導電性接着剤42,42を用いたとしても、圧電振動片20の振動特性に与える影響が軽減される。したがって、シリコーン系のみならず、エポキシ系などの導電性接着剤42,42も用いることができる。
【0039】
また、導電性接着剤42,42の塗布量を減らすことができると、導電性接着剤42,42から発生する有害なガスの量を抑制することもでき、優れた振動特性を備える圧電振動片20を提供することができる。
【0040】
しかも、有底の孔52は、その断面形状において、有底の孔52を形成する壁部52a,52bが、有底の孔52のほぼ中心に向かって除々に深さを増すような傾斜を備えるようになっている。そうすると、有底の孔52の角部52cの角度が大きくなるため、有底の孔52と導電性接着剤42,42との間に隙間ができ難くなる。したがって、振動腕24,26の振動が基部50に漏れ込んだ際、有底の孔52と導電性接着剤42,42との隙間に応力が集中する恐れを防止して、振動特性への影響を有効に防止することができる。
【0041】
図12は、本発明の実施形態の変形例を示す圧電デバイス12であり、基部50の部分を拡大した拡大斜視図である。
この図において、図1ないし図11の圧電デバイス10と同一の符号を付した箇所は共通の構成であるから、重複する説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
図12において、圧電デバイス20は、図1ないし図8の圧電デバイス10と比べると、有底の孔52の配置のみが異なっている。
【0042】
すなわち、圧電デバイス20は、基部50の導電性接着剤42,42が付着する接合領域50a,50aのみならず、この接合領域50a,50aに隣接するようにして、有底の孔54が形成されている。
具体的には、上述のように、基部50は、接合領域50a,50aを幅方向の両端に有しているが、この両端の接合領域50a,50aの間であって、接合領域50a,50aに隣接するようにして複数の有底の孔54,54,・・・が形成されている。なお、この接合領域50a,50aに隣接するようにした複数の有底の孔54,54,・・・は、接合領域50a,50a内の有底の孔52,52,・・・と同じ形状を有していなくてもよく、例えば溝状に形成されていても構わない。
【0043】
本発明の実施例に係る変形例は以上のように構成されており、このため、圧電振動片をマウントする際、すなわち、導電性接着剤42,42上に基部50を載置して導電性接着剤42,42を密着させる際、この導電性接着剤42,42が接合領域から流れ出してしまっても、この流れ出した導電性接着剤42,42を、接合領域50a、50aに隣接する有底の孔若しくは溝54,54,・・・内に収容することができる。したがって、基部50の両端に接着した導電性接着剤42,42どうしが短絡してしまうことを防止できる。
【0044】
本発明は上述の実施形態に限定されない。各実施形態の各構成はこれらを適宜相互に組み合わせたり、省略し、図示しない他の構成と組み合わせることができる。例えば、パッケージ内に圧電振動片を含むものであれば、圧電発信器、フィルタ等その名称を問わずに適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す圧電デバイスの概略平面図。
【図2】図1のB−B線概略断面図。
【図3】本発明の実施形態を示す圧電デバイスの圧電振動片のみを拡大した拡大斜視図。
【図4】図1のC−C線切断端面図。
【図5】図3のF−F線端面図。
【図6】本発明の実施形態に係る圧電振動片の製造方法を説明するための前提となる図。
【図7】圧電振動片を形成するための準備工程を説明するための図であって、図6のG−G線における工程を示す端面図。
【図8】圧電振動片を形成するための準備工程を説明するための図であって、図6のG−G線における工程を示す端面図。
【図9】圧電振動片の外形を形成するための図であって、図6のH−H線における工程を示す端面図。
【図10】振動腕の長溝を形成するための図であって、図6のI−I線における工程を示す端面図。
【図11】有底の孔を形成するための図であって、図6のJ−J線における工程を示した端面図。
【図12】本発明の実施形態の変形例を示す圧電デバイスであり、基部の部分を拡大した拡大斜視図。
【図13】従来の圧電デバイスにかかる圧電振動子の概略平面図。
【図14】図13のA−A線概略断面図。
【符号の説明】
10,12・・・圧電デバイス、20・・・圧電振動片、21,22・・・長溝、24,26・・・振動腕、28・・・切り欠き部、30・・・パッケージ、42・・・導電性接着剤、50・・・基部、52,54・・・有底の孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性接着剤により接合固定される圧電振動片を備える圧電デバイスおよび圧電振動片の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図13および図14は、従来の圧電デバイスにかかる例えば圧電振動子1を示す図であり、図13は圧電振動子1の概略平面図、図14は図13のA−A線概略断面図である。
これらの図に示されるように、圧電振動子1は、パッケージ2内に圧電振動片3を収容している。
圧電振動片3は、図13に示されるように、小型に形成するために、全体が音叉のような形状とされた、所謂音叉型圧電振動片となっている。すなわち、パッケージ2に接合される基部4と、この基部4から平行に延びる一対の振動腕5,5とを備えており、基部4の長さL1は1.100mm、基部4の幅W1は0.640mm、振動腕の長さL2は2.360mmに形成されている。
また、基部4の幅方向の両端には、電極膜6,6が設けられ、一対の振動腕5,5には、電圧を引加するために、電極膜6,6と電気的に接続された励振電極8,8が設けられている。
【0003】
パッケージ2は、図14に示されるように、その内側に所定の内部空間Sを有しており、この内部空間S内の図において右端部付近に、外部と接続されて駆動電圧を供給する電極部が形成されている(図示せず)。この電極部の上には、エポキシ系またはシリコーン系等の導電性接着剤7,7が塗布されており、この導電性接着剤7,7の上に圧電振動片3の基部4が載置されている。このようにして、導電性接着剤7,7が乾燥硬化することにより、圧電振動片3の基部4が電気的機械的にパッケージ2に接続されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2000−82936
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のように、圧電振動片3をパッケージ2に接続するための導電性接着剤7,7には、エポキシ系あるいはシリコーン系の導電接着剤が用いられている。この点、エポキシ系導電性接着剤は、シリコーン系導電性接着剤よりも接着力が大きく、また、硬いため、圧電振動片3をパッケージ2に接続する際の乾燥によって収縮し、圧電振動片3に反りを生じさせる。しかも、この圧電振動片3の反りは、エポキシ系導電性接着剤の環境温度の変化等に伴う収縮・膨張により、製品化後においても変化し、所定の周波数特性を変化させる原因になってしまうという問題がある。
【0006】
また、シリコーン系導電性接着剤は柔らかいため、エポキシ系導電性接着剤の上述した問題は生じ難いが、エポキシ系導電性接着剤に比べて接着力が弱いという特性がある。このため、圧電振動片3を固定する力が弱く、例えば圧電振動子1が落下した場合、基部4とシリコーン系導電性接着剤との接触部分がずれてしまい、周波数特性の変化を引き起こしてしまうという問題が生じていた。特に、近年の圧電振動子1は小型薄型化がめざましく、基部4とシリコーン系導電性接着剤との接触面積を大きくとることができないため、圧電振動片3を固定する力が十分ではない。このため、基部4とシリコーン系導電性接着剤との接触部分のずれは大きな問題となっていた。
【0007】
本発明は、上述の課題を解決するためのものであり、圧電振動片の固定力を確保すると共に、導電性接着剤の収縮膨張に伴う振動特性の変化を抑制する圧電デバイスおよび圧電振動片の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、第1の発明によれば、パッケージと、このパッケージに導電性接着剤を用いて接合される基部を有し、この基部から平行に延びる一対の振動腕を有する圧電振動片とを備える圧電デバイスであって、前記基部の前記導電性接着剤が付着される接合領域に、複数の有底の孔が設けられている圧電デバイスにより達成される。
【0009】
第1の発明の構成によれば、圧電振動片の基部の導電性接着剤が付着される接合領域に、複数の有底の孔が設けられている。このため、導電性接着剤は、複数の有底の孔の内面に接触して、基部と導電性接着剤との接触面積を、従来に比べて大きくすることができる。これにより、例えば、収縮膨張率が小さい一方、固定力が弱い導電性接着剤を用いたとしても、圧電振動片の固定力を高めることができる。
したがって、本発明によれば、圧電振動片の固定力を確保すると共に、導電性接着剤の収縮膨張に伴う振動特性の変化を抑制する圧電デバイスを提供できるという作用効果を発揮する。
【0010】
第2の発明によれば、第1の発明の構成において、前記一対の振動腕のそれぞれには、長手方向に沿った長溝が設けられていることを特徴とする。
第2の発明の構成によれば、一対の振動腕のそれぞれには、長手方向に沿った長溝が設けられているため、例えばクリスタルインピーダンス値(CI値)を低く抑えることができる。このため、CI値を従来の圧電振動片と同様のCI値に設定して、圧電振動片の長さを短くすることができる。ところが、このように、圧電振動片の長さが短くなると、基部の導電性接着剤が付着する領域も狭くならざるを得ない。しかし、基部の導電性接着剤が付着される接合領域には、複数の有底の孔が設けられているため、第1の発明と同様の原理により、圧電振動片の固定力を確保することができる。
【0011】
第3の発明によれば、第1および第2の発明のいずれかの構成において、前記基部の長さは、前記圧電振動片の長さの30%以下であることを特徴とする。
第3の発明の構成によれば、基部の長さは、圧電振動片の長さの30%以下であるため、振動腕の長さを従来より長くして、CI値を低く抑えることができる。一方、基部の長さは従来より短くなって、基部の導電性接着剤が付着する領域も狭くならざるを得ない。しかし、基部の導電性接着剤が付着される接合領域には、複数の有底の孔が設けられているため、第1の発明と同様の原理により、圧電振動片の固定力を高めることができる。
【0012】
第4の発明によれば、第1ないし第3の発明のいずれかの構成において、前記基部の幅が500μm以下であることを特徴とする。
第4の発明の構成によれば、基部の幅が500μm以下であり、従来より幅方向に小型化されているため、基部の導電性接着剤が付着する領域も狭くならざるを得ない。しかし、基部の導電性接着剤が付着される接合領域には、複数の有底の孔が設けられているため、第1の発明と同様の原理により、圧電振動片の固定力を高めることができる。
【0013】
第5の発明によれば、第1ないし第4の発明のいずれかの構成において、前記有底の孔は、その断面形状において、前記有底の孔を形成する壁部が、前記有底の孔のほぼ中心に向かって除々に深さを増すような傾斜を備えていることを特徴とする。
ところで、導電性接着剤が有底の孔の内面に多量に付着すると、内面に付着した導電性接着剤の収縮膨張により、振動特性に影響を与える恐れがある。例えば、振動腕の振動が基部に漏れ込んだ際、形状が変化した有底の孔に応力が集中する恐れがあるが、この際、有底の孔と導電性接着剤との間に隙間が生じると、よりそこに応力が集中して、振動漏れが導電性接着剤を介して、パッケージ全体に伝わってしまう恐れがある。ところが、第5の発明の構成によれば、有底の孔は、その断面形状において、有底の孔を形成する壁部が、有底の孔のほぼ中心に向かって除々に深さを増すような傾斜を備えている。そうすると、有底の孔の底部と壁部との角度が大きくなるため、有底の孔と導電性接着剤との間に隙間ができ難くなる。したがって、有底の孔と導電性接着剤との間に隙間ができことによる振動特性への影響を有効に防止することができる。
【0014】
第6の発明によれば、第1ないし第5の発明のいずれかの構成において、前記基部は、前記導電性接着剤が付着される接合領域を幅方向の両端に有しており、この両端の接合領域の間に、前記接合領域に隣接するようにして複数の有底の孔若しくは溝が形成されていることを特徴とする。
第6の発明の構成によれば、基部の両端の接合領域の間に、接合領域に隣接するようにして複数の有底の孔若しくは溝が形成されている。このため、導電性接着剤が接合領域から流れ出したとしても、この流れ出した導電性接着剤を、接合領域に隣接する有底の孔若しくは溝内に収容することができる。したがって、基部の両端に付着した導電性接着剤どうしが短絡してしまうことを防止できる。
【0015】
また、上記目的は、第7の発明によれば、第1ないし第5の発明のいずれかの構成において、導電性接着剤を用いて固定される基部と、この基部から平行に延びる一対の振動腕とを備える圧電振動片の製造方法であって、前記圧電振動片の外形形状をエッチングにより形成する際に、前記基部の前記導電性接着剤が付着する接合領域に、エッチングにより複数の有底の孔を形成する、圧電振動片の製造方法により達成される。
第7の発明の構成によれば、基部の導電性接着剤が付着する接合領域に、エッチングにより複数の有底の孔を形成する。このため、第1の発明と同様の原理により、例えば、収縮膨張率が小さい一方、固定力が弱い導電性接着剤を用いたとしても、圧電振動片の固定力を高めることができる。
また、このような有底の孔は、圧電振動片の外形形状をエッチングにより形成する際に形成するため、有底の孔を形成する工程を別途設けなくても済み、容易に有底の孔を形成して、製造コストを安価にすることができる。
【0016】
第8の発明によれば、第7の発明の構成において、前記複数の有底の孔をエッチングにより形成する際に、前記一対の振動腕のそれぞれに長手方向に延びる長溝をエッチングにより形成することを特徴とする。
第8の発明の構成によれば、一対の振動腕のそれぞれに長手方向に延びる長溝をエッチングにより形成するため、第2の発明と同様の原理により、圧電振動片の長さを短くすることができる。また、このような長溝は、有底の孔をエッチングにより形成する際に形成できるので、製造コストを安価にすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1ないし図3は、本発明の実施形態を示す圧電デバイス10であって、図1は圧電デバイス10の概略平面図であり、図2は、図1のB−B線概略断面図、図3は圧電デバイス10の圧電振動片のみを拡大した拡大斜視図である。
これらの図において、圧電デバイス10は、圧電振動子を構成した例を示しており、圧電デバイス10は、パッケージ30内に圧電振動片20を収容している。
【0018】
パッケージ30は、例えば、絶縁材料として、酸化アルミニウム質のセラミックグリーンシートを成型して形成される複数の基板31,32,33,34を積層した後に、焼結して形成されている。すなわち、図2に示されるように、この実施形態では、パッケージ30は、下から第1の基板31、第2の基板32、第3の基板33、第4の基板34を積層して形成されている。
【0019】
第3の基板33および第4の基板33は、図2に示されるように、その内側に所定の孔33a,34aを形成することで、第2の基板32に積層した場合に、パッケージ30の内側に圧電振動片20を収容する内部空間S1を形成するようにされている。この第3の基板33および第4の基板33のうち、第4の基板34の上端にある開放端面34bには、例えば、低融点ガラス等のロウ材43を介して、蓋体39が接合されることにより、封止されている。
【0020】
また、第3の基板33は、上述の孔33aを形成することで、内部空間S1内の図において左端部付近に、圧電振動片20を載置するための台座部33bが設けられている。そして、この台座部33bの上に、例えば、金または金合金で形成した電極部40,40が設けられている。この電極部40,40は、外部と接続されて、駆動電圧を供給するものであり、図1に示すように、内部空間S1内の長手方向の側面に接して、所定の間隔を隔てて形成されている。
【0021】
この所定の間隔を隔てた電極部40,40の上には、接合力を発揮する接着成分としての合成樹脂剤に、銀製の細粒等の導電性の粒子を含有させた導電性接着剤42,42が塗布されている。本実施形態において、導電性接着剤42,42には、エポキシ系導電性接着剤に比べて、柔らかく、圧電振動片3を固定する力が弱いシリコーン系導電性接着剤が用いられているが、後述するように、シリコーン系のみならずエポキシ系導電性接着剤等を利用することもできる。
そして、この導電性接着剤42,42の上に圧電振動片20が載置され、圧電振動片20を、図2に示されるように上から力F1を加えて導電性接着剤42,42に密着させ、導電性接着剤42,42が乾燥硬化することにより、圧電振動片20が電極部40,40に固着されるようになっている。また、この導電性接着剤42,42に対して圧電振動片20は、基部50の振動腕24,26と反対側の端部(図2において左端部)であって、基部50の幅方向両端付近が対向するようにして固着されている。
【0022】
また、パッケージ30の底面のほぼ中央付近には、第1の基板31及びその上の第2の基板32に連続する貫通孔31a,32aを形成することにより、貫通孔35が設けられている。この貫通孔35は、圧電振動片20に有害なガスが付着しないようにするための孔である。すなわち、例えばパッケージ30内を加熱(アニール処理)して導電性接着剤42,42やロウ材43などから発生したガスを真空排気するための孔であり、これら有害なガスを排気した後に、図2に示されるように、封止材38により封止されるようになっている。
【0023】
圧電振動片20は、水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料を利用することができるが、本実施形態の場合、圧電振動片20は、水晶の単結晶から所定の角度をもって切り出された基板を加工することにより形成されている。また、圧電振動子20は、小型に形成して必要な性能を得るために、特に図示する形状とされている。すなわち、圧電振動片20は、パッケージ30と固定される基部50と、この基部50を基端として、図において右方に向けて、二股に別れて平行に延びる1対の振動腕24,26を備えており、全体が音叉のような形状とされた、所謂音叉型圧電振動片が利用されている。
【0024】
圧電振動片20の基部50は、その端部(図1では左端部)の幅方向両端付近に、例えばクロム(Cr)および金(Au)をスパッタして形成された電極膜44,45が形成されている。電極膜44,45は、上述したように、パッケージ30側の電極部40,40と導電性接着剤42,42により接続される部分であり、互いに異極となるように形成されている。また、本実施形態において、電極部44,45は、図2に示されるように、基部50の表裏面(図2において上下面)に形成され、この表裏面の電極部44,45は基部50の端面を引き回されて電気的に接続されている。
【0025】
また、基部50は、図1に示されるように、各振動腕24,26の基端部近傍に、基部50の幅を縮幅するようにして設けた切欠き部28,28を備えている。これにより、各振動腕24,26からの振動の基部50側への漏れ込みを抑制し、CI値を低く抑えることができる。したがって、このような圧電振動片20のCI値を、従来の圧電振動片のCI値となるように形成して、振動腕24,26の長さL3を短くできる。
【0026】
圧電振動片20の各振動腕24,26は、それぞれ長さ方向に延びる長溝21,22を有している。各長溝21,22は、図1のC−C線切断端面図である図4に示すように、各振動腕24,26の表裏面(図4において上下面)に設けられ、各々の深さが40〜45μmとなるように形成されている。振動腕24側の長溝21,21には励振電極46,46が設けられており、振動腕26側の長溝22,22には励振電極47,47が設けられている。また、振動腕24の両側面には励振電極47,47が設けられており、振動腕26の両側面には励振電極46,46が設けられている。この励振電極46,46,46,46は、図3に示されるように圧電振動片20を引き回されて電極膜45と電気的に接続されている。また、励振電極47,47,47,47は、圧電振動片20を引き回されて電極膜44と電気的に接続されている。このようにして、励振電極46,46,46,46と、励振電極47,47,47,47は互いに異極となっている。
これにより、振動腕24,26内の電界をE方向に沿って効率よく発生させ、圧電振動片20のCI値を低く抑えることができる。したがって、このような圧電振動片20のCI値を、従来の圧電振動片のCI値となるように形成して、振動腕24,26の長さL3を短くできる。
なお、本実施形態においては、上述の切り欠き部28,28および長溝212,22を形成することにより、振動腕24,26の長さL3を1.64mm、基部の長さL4を0.4mm、基部の幅W2を0.5mm以下で、例えば0.4mmに形成できている。
【0027】
ここで、基部50の導電性接着剤42,42が付着されている接合領域50a,50a、本実施形態においては、基部50の裏面の電極膜44,45が設けられている部分には、図3に示されるように、それぞれ複数の有底の孔52,52,52・・・が形成されている。これら複数の有底の孔52,52,52・・・は、圧電振動片20の長さ方向および幅方向に、所定の間隔をもって複数形成されている。
尚、これら複数の有底の孔52,52,52・・・は、それぞれ同様の構成であるため、以下、一つの有底の孔52について説明する。
【0028】
この有底の孔52は、図3の正円で囲った有底の孔52の部分拡大図に示されるように、幅W2が10μmから30μmであり、長さL4も幅W2と同様に10μmから30μmとなるように形成されている。
また、図3のF−F線端面図である図5に示されるように、有底の孔52の深さD1は、後述するように、圧電振動片20の製造工程において、有底の孔52と長溝21,22とを同時にハーフエッチングにより形成できるように、長溝21,22と同様の深さである40〜45μmとなるように形成されている。
【0029】
また、本実施形態においては、有底の孔52は、水晶の単結晶から所定の角度をもって切り出された基板を、後述するようにハーフエッチングすることにより形成されている。このため、水晶材料の異方性により、有底の孔52は、その断面形状において、有底の孔52を形成する壁部52a,52bが、有底の孔52のほぼ中心に向かって除々に深さを増すような傾斜を備えるようになっている。
なお、本実施形態において、有底の孔52は基部50の裏面に設けられているが、基部50の表面あるいは側面に設けられていてもよい。
【0030】
次に、圧電振動片20の好ましい製造方法を説明する。
図6は、圧電振動片20の製造方法を説明するための前提となる図である。図7および図8は、圧電振動片20を形成するための準備工程を説明するための図であって、図6のG−G線における工程を示す端面図である。図9は、圧電振動片20の外形を形成するための図であって、図6のH−H線における工程を示す端面図である。図10は、振動腕24の長溝21を形成するための図であって、図6のI−I線における工程を示す端面図である。図11は、有底の孔52を形成するための図であって、図6のJ−J線における工程を示した端面図である。
なお、図6は、水晶材料の基板60から圧電振動片20の外形を形成し終える直前の図であり、この図における61の部分を切断して、上述した圧電振動片20を形成するようになっている。以下、水晶材料の基板60から図6の状態に至るまでの工程を説明する。
【0031】
(準備工程)
本実施形態の圧電振動片20の製造方法については、先ず、図7(a)に示すように、水晶の単結晶から切り出された水晶材料でなる基板60を用意する。
次いで、図7(b)に示すように、この基板60の表面(表裏面)に、スパッタリングもしくは蒸着等の手法により、耐蝕膜62を形成する。耐蝕膜62は、例えば、下地層としてのクロム層と、その上に被覆される金被覆層で構成される。
次いで、図7(c)に示すように、全面にレジスト63を塗布し、図7(d)に示すように、外形パターニングのためにレジスト63の上にマスク64を配置して、図8(e)に示すように、露光後感光したレジスト63を除去する。
そして、図8(f)に示すように、エッチング液に浸して、除去したレジスト63の部分に対応した耐蝕膜62の部分を除去して、図8(g)に示すように、レジスト63を剥離する。
【0032】
(圧電振動片の外形、振動腕の長溝、有底の孔を同時に形成する工程)
以上のように準備工程を経た圧電振動片20は、各部位において、圧電振動片20の外形を形成するための図9(g−1)、長溝21を形成するための図10(g−2)、有底の孔52を形成するための図11(g−3)に示される状態となっている。なお、図9(g−1)は、図8(g)におけるKの部分に対応した部分であり、図10(g−2)は、図8(g)におけるLの部分に対応した部分である。
そして、以降は、図9と図10と図11における工程が同時に進行される。
【0033】
すなわち、図9(h−1)、図10(h−2)、図11(h−3)に示すように、全面にレジスト65を塗布し、図9(i−1)、図10(i−2)、図11(i−3)に示すように、パターニングのためにレジスト65の上にマスク66を配置する。
次いで、図9(j−1)、図10(j−2)、図11(j−3)に示すように、露光後感光したレジスト65を除去し、図9(k−1)、図10(k−2)、図11(k−3)に示すように、基板50をエッチング液に浸して水晶材料を除去する。この際、圧電振動片20の外形を形成するための図9については、図9(k−1)に示されるように、基板60の表面に耐蝕膜62が配置されていない部分があるため、圧電振動片20の外形が形成されることになる。一方、長溝21を形成するための図10、及び有底の孔52を形成するための図11については、表面に耐蝕膜62が配置されているため、未だ水晶は除去されない。
【0034】
次いで、図9(l−1)、図10(l−2)、図11(l−3)に示すように、エッチング液に浸して、図9(j−1)、図10(j−2)、図11(j−3)において除去したレジスト65の部分に対応した耐蝕膜62の部分を除去する。そして、図9(m−1)、図10(m−2)、図11(m−3)に示すように、基板50をフッソ化水素溶液およびフッ化アンモニウム溶液からなるエッチング液に30分程度浸して、水晶材料を除去し、長溝21,21および有底の孔52,52,・・・を形成する。
【0035】
そして、図9(n−1)、図10(n−2)、図11(n−3)に示すように、耐蝕膜62、レジスト65を剥離して、圧電振動片20を完成させる。
【0036】
本発明の実施形態は以上のように構成され、このため、図2の一点鎖線で囲った図に示されるように、導電性接着剤42,42は、複数の有底の孔52,52,・・・の内面に接触して、基部50と導電性接着剤42,42との接触面積を、従来に比べて大きくすることができる。これにより、収縮膨張率が小さい一方、固定力が弱い導電性接着剤42,42を用いたとしても、圧電振動片20のパッケージ30に対する固定力を高めることができる。
【0037】
さらに、有底の孔52は、基部50と導電性接着剤42,42との接触面積を大きくするだけでなく、所謂アンカー効果をもたらすため、圧電振動片20のパッケージ30に対する固定力を高めつつも、導電性接着剤42,42の塗布量を減らすことができる。これにより、基部50の導電性接着剤42,42が付着する接合領域50aを小さくでき、上述のように、長溝21,22や切り欠き部28を形成することにより、極めて小型に形成された圧電振動片20において、導電性接着剤42,42間の幅が狭くなったとしても、導電性接着剤42,42どうしの短絡を防止することができる。なお、上述のように圧電振動片20の上から力を加えて導電性接着剤42,42に密着させる際、有底の孔52が導電性接着剤42,42の広がりを抑えることによっても、導電性接着剤42,42どうしの短絡を防止することができる。
【0038】
また、基部50の導電性接着剤42,42が付着する接合領域50aを小さくすると、振動腕24,26の振動に伴う応力は振動腕24,26の股部に最も集中するため、この股部と接合領域50aとの距離が長くなって、振動腕24,26の振動を接合領域50aに伝わり難くすることができる。そして、振動腕24,26の振動が接合領域50aに伝わり難いと、所謂振動漏れも軽減されるので、収縮膨張が比較的大きいエポキシ系等の導電性接着剤42,42を用いたとしても、圧電振動片20の振動特性に与える影響が軽減される。したがって、シリコーン系のみならず、エポキシ系などの導電性接着剤42,42も用いることができる。
【0039】
また、導電性接着剤42,42の塗布量を減らすことができると、導電性接着剤42,42から発生する有害なガスの量を抑制することもでき、優れた振動特性を備える圧電振動片20を提供することができる。
【0040】
しかも、有底の孔52は、その断面形状において、有底の孔52を形成する壁部52a,52bが、有底の孔52のほぼ中心に向かって除々に深さを増すような傾斜を備えるようになっている。そうすると、有底の孔52の角部52cの角度が大きくなるため、有底の孔52と導電性接着剤42,42との間に隙間ができ難くなる。したがって、振動腕24,26の振動が基部50に漏れ込んだ際、有底の孔52と導電性接着剤42,42との隙間に応力が集中する恐れを防止して、振動特性への影響を有効に防止することができる。
【0041】
図12は、本発明の実施形態の変形例を示す圧電デバイス12であり、基部50の部分を拡大した拡大斜視図である。
この図において、図1ないし図11の圧電デバイス10と同一の符号を付した箇所は共通の構成であるから、重複する説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
図12において、圧電デバイス20は、図1ないし図8の圧電デバイス10と比べると、有底の孔52の配置のみが異なっている。
【0042】
すなわち、圧電デバイス20は、基部50の導電性接着剤42,42が付着する接合領域50a,50aのみならず、この接合領域50a,50aに隣接するようにして、有底の孔54が形成されている。
具体的には、上述のように、基部50は、接合領域50a,50aを幅方向の両端に有しているが、この両端の接合領域50a,50aの間であって、接合領域50a,50aに隣接するようにして複数の有底の孔54,54,・・・が形成されている。なお、この接合領域50a,50aに隣接するようにした複数の有底の孔54,54,・・・は、接合領域50a,50a内の有底の孔52,52,・・・と同じ形状を有していなくてもよく、例えば溝状に形成されていても構わない。
【0043】
本発明の実施例に係る変形例は以上のように構成されており、このため、圧電振動片をマウントする際、すなわち、導電性接着剤42,42上に基部50を載置して導電性接着剤42,42を密着させる際、この導電性接着剤42,42が接合領域から流れ出してしまっても、この流れ出した導電性接着剤42,42を、接合領域50a、50aに隣接する有底の孔若しくは溝54,54,・・・内に収容することができる。したがって、基部50の両端に接着した導電性接着剤42,42どうしが短絡してしまうことを防止できる。
【0044】
本発明は上述の実施形態に限定されない。各実施形態の各構成はこれらを適宜相互に組み合わせたり、省略し、図示しない他の構成と組み合わせることができる。例えば、パッケージ内に圧電振動片を含むものであれば、圧電発信器、フィルタ等その名称を問わずに適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す圧電デバイスの概略平面図。
【図2】図1のB−B線概略断面図。
【図3】本発明の実施形態を示す圧電デバイスの圧電振動片のみを拡大した拡大斜視図。
【図4】図1のC−C線切断端面図。
【図5】図3のF−F線端面図。
【図6】本発明の実施形態に係る圧電振動片の製造方法を説明するための前提となる図。
【図7】圧電振動片を形成するための準備工程を説明するための図であって、図6のG−G線における工程を示す端面図。
【図8】圧電振動片を形成するための準備工程を説明するための図であって、図6のG−G線における工程を示す端面図。
【図9】圧電振動片の外形を形成するための図であって、図6のH−H線における工程を示す端面図。
【図10】振動腕の長溝を形成するための図であって、図6のI−I線における工程を示す端面図。
【図11】有底の孔を形成するための図であって、図6のJ−J線における工程を示した端面図。
【図12】本発明の実施形態の変形例を示す圧電デバイスであり、基部の部分を拡大した拡大斜視図。
【図13】従来の圧電デバイスにかかる圧電振動子の概略平面図。
【図14】図13のA−A線概略断面図。
【符号の説明】
10,12・・・圧電デバイス、20・・・圧電振動片、21,22・・・長溝、24,26・・・振動腕、28・・・切り欠き部、30・・・パッケージ、42・・・導電性接着剤、50・・・基部、52,54・・・有底の孔
Claims (8)
- パッケージと、このパッケージに導電性接着剤を用いて接合される基部を有し、この基部から平行に延びる一対の振動腕を有する圧電振動片とを備える圧電デバイスであって、
前記基部の前記導電性接着剤が付着される接合領域に、複数の有底の孔が設けられている
ことを特徴とする圧電デバイス。 - 前記一対の振動腕のそれぞれには、長手方向に沿った長溝が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の圧電デバイス。
- 前記基部の長さは、前記圧電振動片の長さの30%以下であることを特徴とする、請求項1および請求項2のいずれかに記載の圧電デバイス。
- 前記基部の幅が500μm以下であることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の圧電デバイス。
- 前記有底の孔は、その断面形状において、前記有底の孔を形成する壁部が、前記有底の孔のほぼ中心に向かって除々に深さを増すような傾斜を備えていることを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の圧電デバイス。
- 前記基部は、前記導電性接着剤が付着される接合領域を幅方向の両端に有しており、この両端の接合領域の間に、前記接合領域に隣接するようにして複数の有底の孔若しくは溝が形成されていることを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の圧電デバイス。
- 導電性接着剤を用いて固定される基部と、この基部から平行に延びる一対の振動腕とを備える圧電振動片の製造方法であって、
前記圧電振動片の外形形状をエッチングにより形成する際に、前記基部の前記導電性接着剤が付着する接合領域に、エッチングにより複数の有底の孔を形成する
ことを特徴とする圧電振動片の製造方法。 - 前記複数の有底の孔をエッチングにより形成する際に、前記一対の振動腕のそれぞれに長手方向に延びる長溝をエッチングにより形成することを特徴とする、請求項7に記載の圧電振動片の製造方法。
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