JP2004289059A - 半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】効率的に放熱でき、大電力のICチップの安定動作を可能にする半導体装置を提供する。
【解決手段】ICチップ12の上側に放熱ケーシング30が設けられ、ICチップ12の直下に放熱板40が設けられているため、上下方向へ効率的に放熱できる。放熱ケーシング30の内部に樹脂充填剤14が充填されているので、ICチップ12の周囲からの熱を効率的に放熱ケーシング30側へ伝達し、発散させることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】ICチップ12の上側に放熱ケーシング30が設けられ、ICチップ12の直下に放熱板40が設けられているため、上下方向へ効率的に放熱できる。放熱ケーシング30の内部に樹脂充填剤14が充填されているので、ICチップ12の周囲からの熱を効率的に放熱ケーシング30側へ伝達し、発散させることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICチップを搭載し半田バンプ又はBGAを介してプリント配線板に接続される半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ICチップを搭載する半導体装置において、小型化の要求に応える方法の1つとして、パッケージの裏面に半田バンプをグリット状に配列したBGA(ボールグリッドアレー)が用いられている。
【0003】
特許文献1には、BGAの半導体装置において、配線基板に載置されたICチップの上面に熱伝導材層を塗布し、配線基板側に放熱フィンを被せる構成が開示されている。特許文献2には、ケース内に樹脂を注入し、ベアチップ基板を押し込むことで、余分な樹脂を孔から押し出す半導体ベアチップ実装方法が開示されている。特許文献3には、導電性接続ピンを備えるセラミックパッケージにおいて、ICチップを収容するリッド内に樹脂を充填し、リッドの外側に放熱フィンを取り付ける構成が示されている。特許文献4には、BGAの半導体装置において、ICチップの直下に放熱板を設け、ICチップを覆う樹脂モールドの上に放熱フィンを取り付ける構成が示されている。特許文献5には、放熱用のメタルキャップに孔を設け、孔から樹脂を注入して、メタルキャップと半導体素子とを接続する構成が示されている。特許文献6には、基板のキャビティに半導体部品を搭載し、半導体部品に近接する凸部を有するキャップを基板に被せ、更に、キャップにヒートシンクを乗せる構成が示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−174186号公報
【特許文献2】
特開平11−150214号公報
【特許文献3】
特開平08−264688号公報
【特許文献4】
特開平10−247702号公報
【特許文献5】
特開2000−91457号公報
【特許文献6】
特開昭61−234550号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
半導体装置の高機能化の要求により、ICの高出力化、高速化が求められ、消費電力、発熱量は大きくなっている。他方、小型化の要求により、外寸法が小さくなり、表面の放熱面積は小さくなっている。特に、BGAを用いると、外部への熱の伝達は、半田バンプを介して、接続されているプリント配線板側へ逃げるだけであるため、熱伝導が効率的に行えず、発熱量の大きな大電力のICチップを安定して動作せることが難しかった。
【0006】
特許文献1では、ICチップの上面に放熱フィンを配置する構成が示されているが、熱伝導材層(熱伝導用樹脂)は、ICチップの上面にのみ塗布されており、ICチップの側面からの熱を放熱フィンに伝達させることができなかった。同様に、ICチップの下面の熱を発散させることができなかった。更に、配線基板とICチップとを半田バンプを介して接続しているため、ワイヤボンディングと異なり、ICチップと配線基板とが直接接触せず、下側(基板側)への熱伝導性に問題があった。特許文献2では、ケース内に樹脂が完全に充填されているが、放熱フィンがケースとは別体になっており、ケースから放熱フィンへの熱伝達性に問題がある。また、半田バンプを介して基板に接続を取るため、基板への熱伝導性が悪かった。特許文献3では、ICチップを収容するリッド内に樹脂を充填しているが、リッドの上側に接着剤を介して放熱フィンを取り付けているため、リッドから放熱フィンへの熱伝達に問題があった。特許文献4では、ICチップの直下の基板裏面に放熱板を設け、ICチップを覆う樹脂モールドの上に放熱フィンを取り付ける構成が示されているが、基板と放熱フィンとが離れており、ICチップから基板に伝わった熱を、放熱フィン側へ伝達することができなかった。更に、放熱板とプリント配線板との接続を樹脂接着剤を用いるため、熱伝導性に問題があった。特許文献5では、放熱用のメタルキャップの孔から樹脂を注入してメタルキャップと半導体素子とを接続する構成が示されているが、該樹脂を介してメタルキャップ側の孔と半導体素子の上面とを接続するのみであるため、半導体素子の側面からの熱を伝達させることができなかった。また、メタルキャップ側の孔の周囲からのみ熱が発散され、メタルキャップ側面からの熱の発散は行われ難い。更に、メタルキャップ内で樹脂封止されていないので、耐久性、信頼性に劣るという課題があった。また、配線基板に樹脂を落とさないという制約があり、製造が難しかった。更に、半田バンプを介するフリップチップを用いるため、基板への熱伝導性が悪かった。特許文献6では、半導体部品に近接する凸部を有するキャップを用いているが、キャップとヒートシンクとが別体になっているため、効率的に熱を伝達できないという課題がある。更に、基板がキャビティを備える複雑な形状であるため、製造し難いという問題がある。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、効率的に放熱でき、大電力のICチップの安定動作を可能にする半導体装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段、および発明の作用・効果】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、ICチップを搭載し半田バンプを介してプリント配線板に接続される半導体装置において、
上面に前記ICチップを載置し、下面に前記半田バンプの配置された基板と、
前記基板の下面に配置された半田バンプと、
前記基板の下面であって、ICチップの直下に配置された放熱板と、
放熱フィンを備え内部に前記ICチップを収容するためのキャビティを有する箱状の放熱ケーシングと、
前記放熱ケーシングのキャビティ内部に充填された樹脂充填剤と、から成り、
前記放熱ケーシングの下端が、前記基板に接触していることを技術的特徴とする。
【0009】
請求項1では、ICチップの上側に、放熱ケーシングが設けられ、ICチップの直下位置に、放熱板が設けられているため、上下方向へ効率的に放熱できる。特に、ICチップを収容する放熱ケーシングのキャビティ内部に樹脂充填剤が充填されているので、ICチップの周囲(上面及び側面)からの熱を効率的に放熱ケーシング側へ伝達し、発散させることができる。更に、放熱ケーシングの下端が、基板に接触しているため、基板に伝わったICチップからの熱を、放熱フィンを備える放熱ケーシング側に伝達させ、効率的に発散させることができる。このようにICチップの全方向から熱を効率的に発散させ得るため、発熱量の多い大電力のICチップを安定して動作させることが可能である。また、放熱板が、基板とプリント配線板との間の距離を一定に保つスペーサーとしての役割を果たし、リフローの際に、半田バンプの高さを一定に保つため、半田バンプの接続信頼性を高めることができる。
【0010】
請求項2では、ICチップの端子と基板のランドとがワイヤボンディングされている。即ち、ICチップの裏面が基板に直接接しているため、ICチップの熱を基板を介して効率的に放熱板側に伝達させることができる。
【0011】
請求項3では、基板が平板状に形成されているため、廉価に製造することができる。
【0012】
請求項4では、基板とプリント配線板との間にアンダーフィルが充填されているため、アンダーフィルを介して、プリント配線板側に熱を伝えることができる。また、アンダーフィルにより半田バンプが封止されるため、接続信頼性が高い。
【0013】
請求項5では、ICチップと放熱板とが、基板に設けられた開口を介して接している。このため、基板が熱伝導性が低い樹脂製である場合でも、ICチップの裏面側からの熱を放熱板に直接伝えることができ、ICチップからの熱を効率的に発散させることができる。
【0014】
請求項6の発明は、プリント配線板に搭載される半導体装置において、
フリップチップと、
前記フリップチップの下面に配置される放熱板と、
放熱フィンを備え内部に前記フリップチップを収容するためのキャビティを有する箱状の放熱ケーシングと、
前記放熱ケーシングのキャビティ内部に充填された樹脂充填剤と、から成り、
前記放熱ケーシングの下端が、前記プリント配線板に接触していることを技術的特徴とする。
【0015】
請求項6では、フリップチップの上側に放熱ケーシングが設けられ、フリップチップの下面に放熱板が設けられているため、効率的に上下方向へ放熱できる。特に、フリップチップを収容する放熱ケーシングのキャビティ内部に樹脂充填剤が充填されているので、フリップチップの周囲(上面及び側面)からの熱を効率的に放熱ケーシング側へ伝達し、発散させることができる。更に、放熱ケーシングの下端が、プリント配線板に接触しているため、プリント配線板に伝わったフリップチップからの熱を、放熱フィンを備える放熱ケーシング側に伝達させ、効率的に発散させることができる。このようにフリップチップの全方向から熱を効率的に発散させ得るため、フリップチップに搭載された発熱量の多い大電力のICチップを安定して動作させることが可能である。また、放熱板が、フリップチップとプリント配線板との間の距離を一定に保つスペーサーとしての役割を果たし、リフローの際に、BGA(半田バンプ)の高さを一定に保つため、半田バンプの接続信頼性を高めることができる。
【0016】
請求項7の発明は、プリント配線板に搭載される半導体装置において、
チップサイズパッケージと、
前記チップサイズパッケージの下面に配置される放熱板と、
放熱フィンを備え内部に前記チップサイズパッケージを収容するためのキャビティを有する箱状の放熱ケーシングと、
前記放熱ケーシングのキャビティ内部に充填された樹脂充填剤と、から成り、
前記放熱ケーシングの下端が、前記プリント配線板に接触していることを技術的特徴とする。
【0017】
請求項7では、チップサイズパッケージの上側に放熱ケーシングが設けられ、チップサイズパッケージの下面に放熱板が設けられているため、上下方向へ効率的に放熱できる。特に、チップサイズパッケージを収容する放熱ケーシングのキャビティ内部に樹脂充填剤が充填されているので、チップサイズパッケージの周囲(上面及び側面)からの熱を効率的に放熱ケーシング側へ伝達し、発散させることができる。更に、放熱ケーシングの下端が、プリント配線板に接触しているため、プリント配線板に伝わったチップサイズパッケージからの熱を、放熱フィンを備える放熱ケーシング側に伝達させ、効率的に発散させることができる。このようにチップサイズパッケージの全方向から熱を効率的に発散させ得るため、発熱量の多い大電力用のチップサイズパッケージを安定して動作させることが可能である。また、放熱板が、チップサイズパッケージとプリント配線板との間の距離を一定に保つスペーサーとしての役割を果たし、リフローの際に、半田バンプの高さを一定に保つため、半田バンプの接続信頼性を高めることができる。
【0018】
請求項8では、放熱ケーシングが、樹脂充填剤を充填するための複数の通孔を備える。このため、放熱ケーシングを取り付けた状態で、1つの通孔に樹脂充填剤を充填する際に、他の通孔を介して空気が抜けるので、気泡を残すことなく完全に樹脂充填剤を充填することができる。
【0019】
請求項9では、放熱ケーシングが、キャビティ内部にICチップ側に突出する凸部が設けられている。このため、該凸部を介して放熱ケーシング側にICチップからの熱が効率的に伝わり、ICチップを冷却することができる。
【0020】
請求項10では、放熱板が、プリント配線板に半田を介して固定されている。このため、基板を強固にプリント配線板側に取り付けることができ、振動、ヒートサイクルが加わっても、半田バンプの接続信頼性が低下することがない。
【0021】
請求項11では、放熱板が、プリント配線板に直接接しているため、取り付けが容易である。
【0022】
請求項12では、放熱板が、プリント配線板側のサーマルビアに接しているため、放熱板からの熱をサーマルビアに伝達させることで、効率的に熱を発散させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の半導体装置の実施形態について図を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1(A)は本発明の第1実施形態に係る半導体装置がプリント配線板に搭載された状態の断面図であり、図1(B)は半導体装置の底面図であり、図1(C)は半導体装置の平面図である。なお、図1(A)は、図1(B)中のA1−A1断面に相当する。第1実施形態の半導体装置10は、ICチップ12を搭載し半田バンプ22を介してプリント配線板50のランド52に接続される。
【0024】
半導体装置10は、上面にICチップ12を載置し、下面に半田バンプ22の配置されたパッケージ基板20と、パッケージ基板20の下面であって、ICチップ12の直下に配置された放熱板40と、箱状の放熱ケーシング30と、放熱ケーシング30のキャビティ36内部に充填された樹脂充填剤14とから成る。パッケージ基板20は、アルミナ等のセラミック基板、又は、ガラス含浸エポキシ樹脂等の樹脂基板が用いられる。パッケージ基板20の内部には、半田バンプ22に接続するランド24と、ワイヤ16を接続するボンディングランド28とを結ぶスルーホール26が形成されている。該パッケージ基板20のボンディングランド28とICチップ12の端子12Aとは、ボンディングワイヤ16にて接続されている。放熱ケーシング30は、アルミニウム等の良熱伝導性金属から成り、上部に放熱フィン32と、キャビティ36を構成する4枚の側壁34とが一体成形されてなる。放熱ケーシング30の側壁34の下端は、パッケージ基板20に接触している。図1(C)に示すように放熱ケーシング30の上面であって、放熱フィン32と放熱フィン32との間に、樹脂充填剤14を充填するための複数(例えば、4)の通孔38が穿設されている。この通孔38は、第1実施形態では、放熱ケーシング30のほぼ4隅に配置されている。図1(B)に示すように、半田バンプ22は、放熱板40の周囲にグリッド状に配置され、1種のBGAを構成している。放熱板40は、アルミニウム等の良熱伝導性金属から成り、図1(A)に示すように、半田18を介してプリント配線板50に固定されている。
【0025】
第1実施形態の半導体装置10では、ICチップ12の上側に、放熱ケーシング30が設けられ、ICチップ12の直下位置に、放熱板40が設けられているため、上下方向へ効率的に放熱できる。特に、ICチップ12を収容する放熱ケーシング30のキャビティ36内部に樹脂充填剤14が充填されているので、ICチップ12の周囲(上面及び側面)からの熱を効率的に放熱ケーシング30側へ伝達し、発散させることができる。更に、放熱ケーシング30の下端が、パッケージ基板20に接触しているため、パッケージ基板20に伝わったICチップ12からの熱を、放熱フィン32が一体成形された放熱ケーシング30側に伝達させ、効率的に発散させることができる。このようにICチップ12の全方向から熱を効率的に発散させ、ICチップを冷却し得るため、発熱量の多い大電力のICチップ12を安定して動作させることが可能である。また、放熱板40が、パッケージ基板20とプリント配線板50との間の距離を一定に保つスペーサーとしての役割を果たし、リフローによる半導体装置10の取り付けの際に、半田バンプ22の高さを一定に保つ。即ち、半田バンプが球形のままで接続が取れなかったり、潰れすぎて、隣接する半田バンプと短絡したりすることがない。これにより、半田バンプ22の接続信頼性を高めることができる。
【0026】
また、第1実施形態の半導体装置10では、ICチップ12の端子12Aとパッケージ基板20のボンディングランド28とがワイヤ16でボンディングされている。即ち、ICチップ12の裏面がパッケージ基板20に直接接しているため、ICチップ12の熱をパッケージ基板20を介して効率的に放熱板40側に伝達させることができる。また、パッケージ基板20が平板状に形成されているため、キャビティ等を有するパッケージ基板と比べて廉価に製造することができる。更に、放熱板40が、プリント配線板50に半田18を介して固定されている。このため、半導体装置10を強固にプリント配線板50側に取り付けることができ、振動、ヒートサイクルが加わっても、半田バンプ22の接続信頼性が低下することがない。特に、半田18は、樹脂接着剤を用いるのと比較し、プリント配線板50側に熱を効率的に伝えることができる。なお、放熱板40は、下面に半田が被覆されたアルミニウム板を用いることで、半田バンプ22のリフローの際に、プリント配線板50側に固定でき、樹脂接着剤を用いるのと比較して、特別の固定作業が不要である。
【0027】
引き続き、半導体装置10の放熱ケーシング内への樹脂充填剤14の充填について図6を参照して説明する。
先ず、図6(A)に示すように、ICチップ12の搭載、ワイヤ結線、半田バンプ形成を終えたパッケージ基板20上に、放熱ケーシング30を載置し、図示しない治具で仮固定する。ここで、放熱ケーシング30の下端に接着剤を配置しない場合には、放熱ケーシングとパッケージ基板20とが直接触れ、高い熱伝導性を得ることができる。なお、内部に樹脂充填剤14を充填することで、放熱ケーシング30が外れることはない。一方、放熱ケーシング30の下端に接着剤を塗布し、予め放熱ケーシング30をパッケージ基板20に固定する方法は、製造が容易である利点がある。
【0028】
図6(B)に示すように、未硬化の熱硬化性樹脂充填剤14αを放熱ケーシング30に設けられた通孔38を介して充填する。本実施形態では、複数の通孔38を備えるので、1つの通孔38へ熱硬化性樹脂充填剤14αを注入する際に、他の通孔38を介して空気が抜け、気泡を残すことなく完全に熱硬化性樹脂充填剤を充填することができる。特に、第1実施形態では、図1(C)を参照して上述したように、通孔を矩形形状の放熱ケーシング30の4隅に配置しているため、ケーシング30内の隅々まで完全に熱硬化性樹脂充填剤14αを充填させることができる。
【0029】
最後に、所定時間、所定温度で加熱することで熱硬化性樹脂充填剤14αを硬化させ、図6(C)に示すように樹脂充填剤14とすることで半導体装置10を完成する。熱硬化性樹脂充填剤14αとしては、エポキシ等の熱硬化性樹脂に、熱可塑性樹脂を加え、更に、シリカ粒子等の絶縁良熱伝導粒子を添加することが、ICチップ12から放熱ケーシング30への熱伝導性を改善するために望ましい。
【0030】
[第1実施形態の改変例]
図3(A)は、第1実施形態の改変例に係る半導体装置10を示している。第1実施形態の改変例では、半導体装置10とプリント配線板50との間にアンダーフィル42が充填されている。このため、アンダーフィル42を介して、半導体装置10からプリント配線板50側に熱を伝えることができる。また、アンダーフィル42により半田バンプ22が封止されるため、接続信頼性が高い。
【0031】
[第2実施形態]
図2(A)は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置がプリント配線板に搭載された状態の断面図であり、図2(B)は半導体装置の底面図である。なお、図2(A)は、図2(B)中のA2−A2断面に相当し、上述した図1(A)中では、放熱板40は側面が示されていたが、第2実施形態を示す図2(A)では、放熱板40の切断端面が示されている点に注意されたい。
【0032】
第2実施形態では、半導体装置10の放熱板40と接触する部位に、プリント配線板50のサーマルビア54が設けられている。このため、放熱板40からの熱をサーマルビア54に伝達させることで、半導体装置10から効率的に熱を発散させることができる。なお、第2実施形態では、放熱板40が、接着剤を介さずプリント配線板50に直接接している。このため、熱伝導性が高く、また、取り付けが容易である。
【0033】
[第2実施形態の改変例]
図3(B)は、第2実施形態の改変例に係る半導体装置10を示している。第2実施形態の改変例では、半導体装置10とプリント配線板50との間にアンダーフィル42が充填されている。このため、アンダーフィル42を介して、半導体装置10からプリント配線板50側に熱を伝えることができる。また、アンダーフィル42により半田バンプ22が封止されるため、接続信頼性が高い。第2実施形態の改変例では、放熱板40が、接着剤を介さずプリント配線板50に直接接しているが、アンダーフィル42により、半導体装置10を強固に固定することができ、振動等により半田バンプ22の信頼性が低下しない。
【0034】
[第3実施形態]
図4(A)は、本発明の第3実施形態に係る半導体装置10がプリント配線板50に搭載された状態の断面図である。第3実施形態の半導体装置10では、放熱ケーシング30のキャビティ36内部に、ICチップ12側に突出する凸部39が設けられている。相対的に金属よりも熱伝導性の低い樹脂充填剤14ではなく、凸部39を介して放熱フィン32が一体成形された放熱ケーシング30側にICチップ12からの熱が伝わり、ICチップ12を効率的に冷却することができる。
【0035】
[第4実施形態]
図4(B)は、本発明の第4実施形態に係る半導体装置10がプリント配線板50に搭載された状態の断面図である。
第4実施形態の半導体装置10では、パッケージ基板20が熱伝導性が低い樹脂で形成されている。このため、パッケージ基板20の中央に開口21を設け、ICチップ12と放熱板40とを直接接触させている。このため、パッケージ基板20が熱伝導性が低い樹脂製であっても、ICチップ12の裏面側からの熱を放熱板40に直接伝えることができ、ICチップ12からの熱を効率的に発散させることができる。
【0036】
[第5実施形態]
図5(A)は、第5実施形態に係る半導体装置10がプリント配線板50に搭載された状態の断面図である。
図1〜図4を参照して上述した第1〜第4実施形態では、半導体装置10にワイヤで接続するICチップが搭載されていた。これに対して、第5実施形態では、フリップチップ44がプリント配線板50のランド52に接続されている。
【0037】
第5実施形態の半導体装置10は、フリップチップ44の下面に配置される放熱板40と、箱状の放熱ケーシング30と、放熱ケーシング30のキャビティ36内部に充填された樹脂充填剤14とから成る。第1実施形態と同様に放熱ケーシング30は、アルミニウム等の良熱伝導性金属から成り、上部に放熱フィン32と、キャビティ36を構成する4枚の側壁34とが一体成形されてなる。放熱ケーシング30の側壁34の下端は、プリント配線板50に直接接触している。放熱ケーシング30の上面であって、放熱フィン32と放熱フィン32との間に、樹脂充填剤14を充填するための複数(例えば、4)の通孔38が穿設されている。この通孔38は、図1(C)を参照して上述した第1実施形態と同様に放熱ケーシング30のほぼ4隅に配置されている。この第5実施形態の半導体装置10は、フリップチップ44をプリント配線板50に実装してから、放熱ケーシング30をプリント配線板50に接着剤等を介して固定する。その後、図6を参照して上述した第1実施形態と同様に、放熱ケーシング30内に樹脂充填剤14を充填する。
【0038】
第5実施形態の半導体装置10では、フリップチップ44の上側に放熱ケーシング30が設けられ、フリップチップ44の下面に放熱板40が設けられているため、効率的に上下方向へ放熱できる。特に、フリップチップ44を収容する放熱ケーシング30のキャビティ36内部に、樹脂充填剤14が充填されているので、フリップチップ44の周囲(上面及び側面)からの熱を効率的に放熱ケーシング30側へ伝達し、発散させることができる。更に、放熱ケーシング30の下端が、プリント配線板50に接触しているため、プリント配線板50に伝わったフリップチップ44からの熱を、放熱フィン32が一体成形された放熱ケーシング30側に伝達させ、効率的に発散させることができる。このようにフリップチップ44の全方向から熱を効率的に発散させ得るため、発熱量の多い大電力用のフリップチップ44を安定して動作させることが可能である。また、放熱板40が、フリップチップ44とプリント配線板50との間の距離を一定に保つスペーサーとしての役割を果たし、リフローの際に、半田バンプ22の高さを一定に保つため、半田バンプ22の接続信頼性を高めることができる。
【0039】
[第6実施形態]
図5(B)及び図5(C)は、第6実施形態に係る半導体装置10がプリント配線板50に搭載された状態の断面図である。
図5(A)を参照して上述した第5実施形態では、半導体装置10にフリップチップ44が搭載された。これに対して、第6実施形態では、CSP(チップサイズパッケージ)48がプリント配線板50のランド52に接続されている。
【0040】
第6実施形態の半導体装置10は、チップサイズパッケージ48と、チップサイズパッケージ48の下面に配置される放熱板40と、箱状の放熱ケーシング30と、放熱ケーシング30のキャビティ36内部に充填された樹脂充填剤14とから成る。第1実施形態と同様に放熱ケーシング30は、アルミニウム等の良熱伝導性金属から成り、上部に放熱フィン32と、キャビティ36を構成する4枚の側壁34とが一体成形されてなる。放熱ケーシング30の側壁34の下端は、プリント配線板50に直接接触している。放熱ケーシング30の上面であって、放熱フィン32と放熱フィン32との間に、樹脂充填剤14を充填するための複数(例えば、4)の通孔38が穿設されている。この通孔38は、図1(C)を参照して上述した第1実施形態と同様に放熱ケーシング30のほぼ4隅に配置されている。この第6実施形態の半導体装置10は、チップサイズパッケージ48をプリント配線板50に実装してから、放熱ケーシング30をプリント配線板50に接着剤等を介して固定する。その後、図6を参照して上述した第1実施形態と同様に、放熱ケーシング30内に樹脂充填剤14を充填する。
【0041】
なお、第6実施形態の半導体装置では、放熱ケーシング30のキャビティ36内部に、チップサイズパッケージ48側に突出する凸部39が設けられている。凸部39を介して放熱フィンを備える放熱ケーシング30側にチップサイズパッケージ48からの熱が伝わり、チップサイズパッケージ48を効率的に冷却することができる。図5(C)は、図5(B)に示す半導体装置10の切断位置を異ならしため図である。図2(A)を参照して上述した第2実施形態と同様に、半導体装置10の放熱板40と接触する部位に、プリント配線板のサーマルビア54が設けられている。このため、放熱板40からの熱をサーマルビア54に伝達させることで、半導体装置10から効率的に熱を発散させることができる。
【0042】
第6実施形態の半導体装置10では、チップサイズパッケージ48の上側に放熱ケーシング30が設けられ、チップサイズパッケージ48の下面に放熱板40が設けられているため、上下方向へ効率的に放熱できる。特に、チップサイズパッケージ48を収容する放熱ケーシング30のキャビティ36内部に樹脂充填剤14が充填されているので、チップサイズパッケージ48の周囲(上面及び側面)からの熱を効率的に放熱ケーシング30側へ伝達し、発散させることができる。更に、放熱ケーシング30の下端が、プリント配線板50に接触しているため、プリント配線板50に伝わったチップサイズパッケージ48からの熱を、放熱フィン32を備える放熱ケーシング30側に伝達させ、効率的に発散させることができる。このようにチップサイズパッケージ48の全方向から熱を効率的に発散させ得るため、チップサイズパッケージ48に搭載された発熱量の多い大電力のICチップ12を安定して動作させることが可能である。また、放熱板40が、チップサイズパッケージ48とプリント配線板50との間の距離を一定に保つスペーサーとしての役割を果たし、リフローの際に、半田バンプ22の高さを一定に保つため、半田バンプ22の接続信頼性を高めることができる。
【0043】
なお、上述した実施形態では、ICチップを1個のみ載置する例を挙げたが、本発明の半導体装置では、複数のICチップを搭載することも、また、ICチップ以外の半導体素子、電子部品を搭載することも可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は本発明の第1実施形態に係る半導体装置がプリント配線板に搭載された状態の断面図であり、図1(B)は半導体装置の底面図であり、図1(C)は半導体装置の平面図である。
【図2】図2(A)は第2実施形態に係る半導体装置がプリント配線板に搭載された状態の断面図であり、図2(B)は半導体装置の底面図である。
【図3】図3(A)は第1実施形態の改変例に係る半導体装置がプリント配線板に搭載された状態の断面図であり、図3(B)は第2実施形態の改変例に係る半導体装置がプリント配線板に搭載された状態の断面図である。
【図4】図4(A)は第3実施形態に係る半導体装置がプリント配線板に搭載された状態の断面図であり、図4(B)は第4実施形態に係る半導体装置がプリント配線板に搭載された状態の断面図である。
【図5】図5(A)は第5実施形態に係る半導体装置がプリント配線板に搭載された状態の断面図であり、図5(B)及び図5(C)は第6実施形態に係る半導体装置がプリント配線板に搭載された状態の断面図である。
【図6】図6(A)、図6(B)、図6(C)は、半導体装置の放熱ケーシング内への樹脂充填剤の充填についての説明図である。
【符号の説明】
10 半導体装置
12 ICチップ
12A 端子
14 封止樹脂
16 ワイヤ
18 半田
20 パッケージ基板(基板)
21 開口
22 半田バンプ
24 ランド
26 スルーホール
28 ボンデングランド(ランド)
30 放熱ケーシング
32 放熱フィン
34 側壁
36 キャビティ
38 通孔
39 凸部
40 放熱板
42 アンダーフィル
44 フリップチップ
48 チップサイズパッケージ
50 プリント配線板
52 ランド
54 サーマルビア
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICチップを搭載し半田バンプ又はBGAを介してプリント配線板に接続される半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ICチップを搭載する半導体装置において、小型化の要求に応える方法の1つとして、パッケージの裏面に半田バンプをグリット状に配列したBGA(ボールグリッドアレー)が用いられている。
【0003】
特許文献1には、BGAの半導体装置において、配線基板に載置されたICチップの上面に熱伝導材層を塗布し、配線基板側に放熱フィンを被せる構成が開示されている。特許文献2には、ケース内に樹脂を注入し、ベアチップ基板を押し込むことで、余分な樹脂を孔から押し出す半導体ベアチップ実装方法が開示されている。特許文献3には、導電性接続ピンを備えるセラミックパッケージにおいて、ICチップを収容するリッド内に樹脂を充填し、リッドの外側に放熱フィンを取り付ける構成が示されている。特許文献4には、BGAの半導体装置において、ICチップの直下に放熱板を設け、ICチップを覆う樹脂モールドの上に放熱フィンを取り付ける構成が示されている。特許文献5には、放熱用のメタルキャップに孔を設け、孔から樹脂を注入して、メタルキャップと半導体素子とを接続する構成が示されている。特許文献6には、基板のキャビティに半導体部品を搭載し、半導体部品に近接する凸部を有するキャップを基板に被せ、更に、キャップにヒートシンクを乗せる構成が示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−174186号公報
【特許文献2】
特開平11−150214号公報
【特許文献3】
特開平08−264688号公報
【特許文献4】
特開平10−247702号公報
【特許文献5】
特開2000−91457号公報
【特許文献6】
特開昭61−234550号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
半導体装置の高機能化の要求により、ICの高出力化、高速化が求められ、消費電力、発熱量は大きくなっている。他方、小型化の要求により、外寸法が小さくなり、表面の放熱面積は小さくなっている。特に、BGAを用いると、外部への熱の伝達は、半田バンプを介して、接続されているプリント配線板側へ逃げるだけであるため、熱伝導が効率的に行えず、発熱量の大きな大電力のICチップを安定して動作せることが難しかった。
【0006】
特許文献1では、ICチップの上面に放熱フィンを配置する構成が示されているが、熱伝導材層(熱伝導用樹脂)は、ICチップの上面にのみ塗布されており、ICチップの側面からの熱を放熱フィンに伝達させることができなかった。同様に、ICチップの下面の熱を発散させることができなかった。更に、配線基板とICチップとを半田バンプを介して接続しているため、ワイヤボンディングと異なり、ICチップと配線基板とが直接接触せず、下側(基板側)への熱伝導性に問題があった。特許文献2では、ケース内に樹脂が完全に充填されているが、放熱フィンがケースとは別体になっており、ケースから放熱フィンへの熱伝達性に問題がある。また、半田バンプを介して基板に接続を取るため、基板への熱伝導性が悪かった。特許文献3では、ICチップを収容するリッド内に樹脂を充填しているが、リッドの上側に接着剤を介して放熱フィンを取り付けているため、リッドから放熱フィンへの熱伝達に問題があった。特許文献4では、ICチップの直下の基板裏面に放熱板を設け、ICチップを覆う樹脂モールドの上に放熱フィンを取り付ける構成が示されているが、基板と放熱フィンとが離れており、ICチップから基板に伝わった熱を、放熱フィン側へ伝達することができなかった。更に、放熱板とプリント配線板との接続を樹脂接着剤を用いるため、熱伝導性に問題があった。特許文献5では、放熱用のメタルキャップの孔から樹脂を注入してメタルキャップと半導体素子とを接続する構成が示されているが、該樹脂を介してメタルキャップ側の孔と半導体素子の上面とを接続するのみであるため、半導体素子の側面からの熱を伝達させることができなかった。また、メタルキャップ側の孔の周囲からのみ熱が発散され、メタルキャップ側面からの熱の発散は行われ難い。更に、メタルキャップ内で樹脂封止されていないので、耐久性、信頼性に劣るという課題があった。また、配線基板に樹脂を落とさないという制約があり、製造が難しかった。更に、半田バンプを介するフリップチップを用いるため、基板への熱伝導性が悪かった。特許文献6では、半導体部品に近接する凸部を有するキャップを用いているが、キャップとヒートシンクとが別体になっているため、効率的に熱を伝達できないという課題がある。更に、基板がキャビティを備える複雑な形状であるため、製造し難いという問題がある。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、効率的に放熱でき、大電力のICチップの安定動作を可能にする半導体装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段、および発明の作用・効果】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、ICチップを搭載し半田バンプを介してプリント配線板に接続される半導体装置において、
上面に前記ICチップを載置し、下面に前記半田バンプの配置された基板と、
前記基板の下面に配置された半田バンプと、
前記基板の下面であって、ICチップの直下に配置された放熱板と、
放熱フィンを備え内部に前記ICチップを収容するためのキャビティを有する箱状の放熱ケーシングと、
前記放熱ケーシングのキャビティ内部に充填された樹脂充填剤と、から成り、
前記放熱ケーシングの下端が、前記基板に接触していることを技術的特徴とする。
【0009】
請求項1では、ICチップの上側に、放熱ケーシングが設けられ、ICチップの直下位置に、放熱板が設けられているため、上下方向へ効率的に放熱できる。特に、ICチップを収容する放熱ケーシングのキャビティ内部に樹脂充填剤が充填されているので、ICチップの周囲(上面及び側面)からの熱を効率的に放熱ケーシング側へ伝達し、発散させることができる。更に、放熱ケーシングの下端が、基板に接触しているため、基板に伝わったICチップからの熱を、放熱フィンを備える放熱ケーシング側に伝達させ、効率的に発散させることができる。このようにICチップの全方向から熱を効率的に発散させ得るため、発熱量の多い大電力のICチップを安定して動作させることが可能である。また、放熱板が、基板とプリント配線板との間の距離を一定に保つスペーサーとしての役割を果たし、リフローの際に、半田バンプの高さを一定に保つため、半田バンプの接続信頼性を高めることができる。
【0010】
請求項2では、ICチップの端子と基板のランドとがワイヤボンディングされている。即ち、ICチップの裏面が基板に直接接しているため、ICチップの熱を基板を介して効率的に放熱板側に伝達させることができる。
【0011】
請求項3では、基板が平板状に形成されているため、廉価に製造することができる。
【0012】
請求項4では、基板とプリント配線板との間にアンダーフィルが充填されているため、アンダーフィルを介して、プリント配線板側に熱を伝えることができる。また、アンダーフィルにより半田バンプが封止されるため、接続信頼性が高い。
【0013】
請求項5では、ICチップと放熱板とが、基板に設けられた開口を介して接している。このため、基板が熱伝導性が低い樹脂製である場合でも、ICチップの裏面側からの熱を放熱板に直接伝えることができ、ICチップからの熱を効率的に発散させることができる。
【0014】
請求項6の発明は、プリント配線板に搭載される半導体装置において、
フリップチップと、
前記フリップチップの下面に配置される放熱板と、
放熱フィンを備え内部に前記フリップチップを収容するためのキャビティを有する箱状の放熱ケーシングと、
前記放熱ケーシングのキャビティ内部に充填された樹脂充填剤と、から成り、
前記放熱ケーシングの下端が、前記プリント配線板に接触していることを技術的特徴とする。
【0015】
請求項6では、フリップチップの上側に放熱ケーシングが設けられ、フリップチップの下面に放熱板が設けられているため、効率的に上下方向へ放熱できる。特に、フリップチップを収容する放熱ケーシングのキャビティ内部に樹脂充填剤が充填されているので、フリップチップの周囲(上面及び側面)からの熱を効率的に放熱ケーシング側へ伝達し、発散させることができる。更に、放熱ケーシングの下端が、プリント配線板に接触しているため、プリント配線板に伝わったフリップチップからの熱を、放熱フィンを備える放熱ケーシング側に伝達させ、効率的に発散させることができる。このようにフリップチップの全方向から熱を効率的に発散させ得るため、フリップチップに搭載された発熱量の多い大電力のICチップを安定して動作させることが可能である。また、放熱板が、フリップチップとプリント配線板との間の距離を一定に保つスペーサーとしての役割を果たし、リフローの際に、BGA(半田バンプ)の高さを一定に保つため、半田バンプの接続信頼性を高めることができる。
【0016】
請求項7の発明は、プリント配線板に搭載される半導体装置において、
チップサイズパッケージと、
前記チップサイズパッケージの下面に配置される放熱板と、
放熱フィンを備え内部に前記チップサイズパッケージを収容するためのキャビティを有する箱状の放熱ケーシングと、
前記放熱ケーシングのキャビティ内部に充填された樹脂充填剤と、から成り、
前記放熱ケーシングの下端が、前記プリント配線板に接触していることを技術的特徴とする。
【0017】
請求項7では、チップサイズパッケージの上側に放熱ケーシングが設けられ、チップサイズパッケージの下面に放熱板が設けられているため、上下方向へ効率的に放熱できる。特に、チップサイズパッケージを収容する放熱ケーシングのキャビティ内部に樹脂充填剤が充填されているので、チップサイズパッケージの周囲(上面及び側面)からの熱を効率的に放熱ケーシング側へ伝達し、発散させることができる。更に、放熱ケーシングの下端が、プリント配線板に接触しているため、プリント配線板に伝わったチップサイズパッケージからの熱を、放熱フィンを備える放熱ケーシング側に伝達させ、効率的に発散させることができる。このようにチップサイズパッケージの全方向から熱を効率的に発散させ得るため、発熱量の多い大電力用のチップサイズパッケージを安定して動作させることが可能である。また、放熱板が、チップサイズパッケージとプリント配線板との間の距離を一定に保つスペーサーとしての役割を果たし、リフローの際に、半田バンプの高さを一定に保つため、半田バンプの接続信頼性を高めることができる。
【0018】
請求項8では、放熱ケーシングが、樹脂充填剤を充填するための複数の通孔を備える。このため、放熱ケーシングを取り付けた状態で、1つの通孔に樹脂充填剤を充填する際に、他の通孔を介して空気が抜けるので、気泡を残すことなく完全に樹脂充填剤を充填することができる。
【0019】
請求項9では、放熱ケーシングが、キャビティ内部にICチップ側に突出する凸部が設けられている。このため、該凸部を介して放熱ケーシング側にICチップからの熱が効率的に伝わり、ICチップを冷却することができる。
【0020】
請求項10では、放熱板が、プリント配線板に半田を介して固定されている。このため、基板を強固にプリント配線板側に取り付けることができ、振動、ヒートサイクルが加わっても、半田バンプの接続信頼性が低下することがない。
【0021】
請求項11では、放熱板が、プリント配線板に直接接しているため、取り付けが容易である。
【0022】
請求項12では、放熱板が、プリント配線板側のサーマルビアに接しているため、放熱板からの熱をサーマルビアに伝達させることで、効率的に熱を発散させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の半導体装置の実施形態について図を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1(A)は本発明の第1実施形態に係る半導体装置がプリント配線板に搭載された状態の断面図であり、図1(B)は半導体装置の底面図であり、図1(C)は半導体装置の平面図である。なお、図1(A)は、図1(B)中のA1−A1断面に相当する。第1実施形態の半導体装置10は、ICチップ12を搭載し半田バンプ22を介してプリント配線板50のランド52に接続される。
【0024】
半導体装置10は、上面にICチップ12を載置し、下面に半田バンプ22の配置されたパッケージ基板20と、パッケージ基板20の下面であって、ICチップ12の直下に配置された放熱板40と、箱状の放熱ケーシング30と、放熱ケーシング30のキャビティ36内部に充填された樹脂充填剤14とから成る。パッケージ基板20は、アルミナ等のセラミック基板、又は、ガラス含浸エポキシ樹脂等の樹脂基板が用いられる。パッケージ基板20の内部には、半田バンプ22に接続するランド24と、ワイヤ16を接続するボンディングランド28とを結ぶスルーホール26が形成されている。該パッケージ基板20のボンディングランド28とICチップ12の端子12Aとは、ボンディングワイヤ16にて接続されている。放熱ケーシング30は、アルミニウム等の良熱伝導性金属から成り、上部に放熱フィン32と、キャビティ36を構成する4枚の側壁34とが一体成形されてなる。放熱ケーシング30の側壁34の下端は、パッケージ基板20に接触している。図1(C)に示すように放熱ケーシング30の上面であって、放熱フィン32と放熱フィン32との間に、樹脂充填剤14を充填するための複数(例えば、4)の通孔38が穿設されている。この通孔38は、第1実施形態では、放熱ケーシング30のほぼ4隅に配置されている。図1(B)に示すように、半田バンプ22は、放熱板40の周囲にグリッド状に配置され、1種のBGAを構成している。放熱板40は、アルミニウム等の良熱伝導性金属から成り、図1(A)に示すように、半田18を介してプリント配線板50に固定されている。
【0025】
第1実施形態の半導体装置10では、ICチップ12の上側に、放熱ケーシング30が設けられ、ICチップ12の直下位置に、放熱板40が設けられているため、上下方向へ効率的に放熱できる。特に、ICチップ12を収容する放熱ケーシング30のキャビティ36内部に樹脂充填剤14が充填されているので、ICチップ12の周囲(上面及び側面)からの熱を効率的に放熱ケーシング30側へ伝達し、発散させることができる。更に、放熱ケーシング30の下端が、パッケージ基板20に接触しているため、パッケージ基板20に伝わったICチップ12からの熱を、放熱フィン32が一体成形された放熱ケーシング30側に伝達させ、効率的に発散させることができる。このようにICチップ12の全方向から熱を効率的に発散させ、ICチップを冷却し得るため、発熱量の多い大電力のICチップ12を安定して動作させることが可能である。また、放熱板40が、パッケージ基板20とプリント配線板50との間の距離を一定に保つスペーサーとしての役割を果たし、リフローによる半導体装置10の取り付けの際に、半田バンプ22の高さを一定に保つ。即ち、半田バンプが球形のままで接続が取れなかったり、潰れすぎて、隣接する半田バンプと短絡したりすることがない。これにより、半田バンプ22の接続信頼性を高めることができる。
【0026】
また、第1実施形態の半導体装置10では、ICチップ12の端子12Aとパッケージ基板20のボンディングランド28とがワイヤ16でボンディングされている。即ち、ICチップ12の裏面がパッケージ基板20に直接接しているため、ICチップ12の熱をパッケージ基板20を介して効率的に放熱板40側に伝達させることができる。また、パッケージ基板20が平板状に形成されているため、キャビティ等を有するパッケージ基板と比べて廉価に製造することができる。更に、放熱板40が、プリント配線板50に半田18を介して固定されている。このため、半導体装置10を強固にプリント配線板50側に取り付けることができ、振動、ヒートサイクルが加わっても、半田バンプ22の接続信頼性が低下することがない。特に、半田18は、樹脂接着剤を用いるのと比較し、プリント配線板50側に熱を効率的に伝えることができる。なお、放熱板40は、下面に半田が被覆されたアルミニウム板を用いることで、半田バンプ22のリフローの際に、プリント配線板50側に固定でき、樹脂接着剤を用いるのと比較して、特別の固定作業が不要である。
【0027】
引き続き、半導体装置10の放熱ケーシング内への樹脂充填剤14の充填について図6を参照して説明する。
先ず、図6(A)に示すように、ICチップ12の搭載、ワイヤ結線、半田バンプ形成を終えたパッケージ基板20上に、放熱ケーシング30を載置し、図示しない治具で仮固定する。ここで、放熱ケーシング30の下端に接着剤を配置しない場合には、放熱ケーシングとパッケージ基板20とが直接触れ、高い熱伝導性を得ることができる。なお、内部に樹脂充填剤14を充填することで、放熱ケーシング30が外れることはない。一方、放熱ケーシング30の下端に接着剤を塗布し、予め放熱ケーシング30をパッケージ基板20に固定する方法は、製造が容易である利点がある。
【0028】
図6(B)に示すように、未硬化の熱硬化性樹脂充填剤14αを放熱ケーシング30に設けられた通孔38を介して充填する。本実施形態では、複数の通孔38を備えるので、1つの通孔38へ熱硬化性樹脂充填剤14αを注入する際に、他の通孔38を介して空気が抜け、気泡を残すことなく完全に熱硬化性樹脂充填剤を充填することができる。特に、第1実施形態では、図1(C)を参照して上述したように、通孔を矩形形状の放熱ケーシング30の4隅に配置しているため、ケーシング30内の隅々まで完全に熱硬化性樹脂充填剤14αを充填させることができる。
【0029】
最後に、所定時間、所定温度で加熱することで熱硬化性樹脂充填剤14αを硬化させ、図6(C)に示すように樹脂充填剤14とすることで半導体装置10を完成する。熱硬化性樹脂充填剤14αとしては、エポキシ等の熱硬化性樹脂に、熱可塑性樹脂を加え、更に、シリカ粒子等の絶縁良熱伝導粒子を添加することが、ICチップ12から放熱ケーシング30への熱伝導性を改善するために望ましい。
【0030】
[第1実施形態の改変例]
図3(A)は、第1実施形態の改変例に係る半導体装置10を示している。第1実施形態の改変例では、半導体装置10とプリント配線板50との間にアンダーフィル42が充填されている。このため、アンダーフィル42を介して、半導体装置10からプリント配線板50側に熱を伝えることができる。また、アンダーフィル42により半田バンプ22が封止されるため、接続信頼性が高い。
【0031】
[第2実施形態]
図2(A)は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置がプリント配線板に搭載された状態の断面図であり、図2(B)は半導体装置の底面図である。なお、図2(A)は、図2(B)中のA2−A2断面に相当し、上述した図1(A)中では、放熱板40は側面が示されていたが、第2実施形態を示す図2(A)では、放熱板40の切断端面が示されている点に注意されたい。
【0032】
第2実施形態では、半導体装置10の放熱板40と接触する部位に、プリント配線板50のサーマルビア54が設けられている。このため、放熱板40からの熱をサーマルビア54に伝達させることで、半導体装置10から効率的に熱を発散させることができる。なお、第2実施形態では、放熱板40が、接着剤を介さずプリント配線板50に直接接している。このため、熱伝導性が高く、また、取り付けが容易である。
【0033】
[第2実施形態の改変例]
図3(B)は、第2実施形態の改変例に係る半導体装置10を示している。第2実施形態の改変例では、半導体装置10とプリント配線板50との間にアンダーフィル42が充填されている。このため、アンダーフィル42を介して、半導体装置10からプリント配線板50側に熱を伝えることができる。また、アンダーフィル42により半田バンプ22が封止されるため、接続信頼性が高い。第2実施形態の改変例では、放熱板40が、接着剤を介さずプリント配線板50に直接接しているが、アンダーフィル42により、半導体装置10を強固に固定することができ、振動等により半田バンプ22の信頼性が低下しない。
【0034】
[第3実施形態]
図4(A)は、本発明の第3実施形態に係る半導体装置10がプリント配線板50に搭載された状態の断面図である。第3実施形態の半導体装置10では、放熱ケーシング30のキャビティ36内部に、ICチップ12側に突出する凸部39が設けられている。相対的に金属よりも熱伝導性の低い樹脂充填剤14ではなく、凸部39を介して放熱フィン32が一体成形された放熱ケーシング30側にICチップ12からの熱が伝わり、ICチップ12を効率的に冷却することができる。
【0035】
[第4実施形態]
図4(B)は、本発明の第4実施形態に係る半導体装置10がプリント配線板50に搭載された状態の断面図である。
第4実施形態の半導体装置10では、パッケージ基板20が熱伝導性が低い樹脂で形成されている。このため、パッケージ基板20の中央に開口21を設け、ICチップ12と放熱板40とを直接接触させている。このため、パッケージ基板20が熱伝導性が低い樹脂製であっても、ICチップ12の裏面側からの熱を放熱板40に直接伝えることができ、ICチップ12からの熱を効率的に発散させることができる。
【0036】
[第5実施形態]
図5(A)は、第5実施形態に係る半導体装置10がプリント配線板50に搭載された状態の断面図である。
図1〜図4を参照して上述した第1〜第4実施形態では、半導体装置10にワイヤで接続するICチップが搭載されていた。これに対して、第5実施形態では、フリップチップ44がプリント配線板50のランド52に接続されている。
【0037】
第5実施形態の半導体装置10は、フリップチップ44の下面に配置される放熱板40と、箱状の放熱ケーシング30と、放熱ケーシング30のキャビティ36内部に充填された樹脂充填剤14とから成る。第1実施形態と同様に放熱ケーシング30は、アルミニウム等の良熱伝導性金属から成り、上部に放熱フィン32と、キャビティ36を構成する4枚の側壁34とが一体成形されてなる。放熱ケーシング30の側壁34の下端は、プリント配線板50に直接接触している。放熱ケーシング30の上面であって、放熱フィン32と放熱フィン32との間に、樹脂充填剤14を充填するための複数(例えば、4)の通孔38が穿設されている。この通孔38は、図1(C)を参照して上述した第1実施形態と同様に放熱ケーシング30のほぼ4隅に配置されている。この第5実施形態の半導体装置10は、フリップチップ44をプリント配線板50に実装してから、放熱ケーシング30をプリント配線板50に接着剤等を介して固定する。その後、図6を参照して上述した第1実施形態と同様に、放熱ケーシング30内に樹脂充填剤14を充填する。
【0038】
第5実施形態の半導体装置10では、フリップチップ44の上側に放熱ケーシング30が設けられ、フリップチップ44の下面に放熱板40が設けられているため、効率的に上下方向へ放熱できる。特に、フリップチップ44を収容する放熱ケーシング30のキャビティ36内部に、樹脂充填剤14が充填されているので、フリップチップ44の周囲(上面及び側面)からの熱を効率的に放熱ケーシング30側へ伝達し、発散させることができる。更に、放熱ケーシング30の下端が、プリント配線板50に接触しているため、プリント配線板50に伝わったフリップチップ44からの熱を、放熱フィン32が一体成形された放熱ケーシング30側に伝達させ、効率的に発散させることができる。このようにフリップチップ44の全方向から熱を効率的に発散させ得るため、発熱量の多い大電力用のフリップチップ44を安定して動作させることが可能である。また、放熱板40が、フリップチップ44とプリント配線板50との間の距離を一定に保つスペーサーとしての役割を果たし、リフローの際に、半田バンプ22の高さを一定に保つため、半田バンプ22の接続信頼性を高めることができる。
【0039】
[第6実施形態]
図5(B)及び図5(C)は、第6実施形態に係る半導体装置10がプリント配線板50に搭載された状態の断面図である。
図5(A)を参照して上述した第5実施形態では、半導体装置10にフリップチップ44が搭載された。これに対して、第6実施形態では、CSP(チップサイズパッケージ)48がプリント配線板50のランド52に接続されている。
【0040】
第6実施形態の半導体装置10は、チップサイズパッケージ48と、チップサイズパッケージ48の下面に配置される放熱板40と、箱状の放熱ケーシング30と、放熱ケーシング30のキャビティ36内部に充填された樹脂充填剤14とから成る。第1実施形態と同様に放熱ケーシング30は、アルミニウム等の良熱伝導性金属から成り、上部に放熱フィン32と、キャビティ36を構成する4枚の側壁34とが一体成形されてなる。放熱ケーシング30の側壁34の下端は、プリント配線板50に直接接触している。放熱ケーシング30の上面であって、放熱フィン32と放熱フィン32との間に、樹脂充填剤14を充填するための複数(例えば、4)の通孔38が穿設されている。この通孔38は、図1(C)を参照して上述した第1実施形態と同様に放熱ケーシング30のほぼ4隅に配置されている。この第6実施形態の半導体装置10は、チップサイズパッケージ48をプリント配線板50に実装してから、放熱ケーシング30をプリント配線板50に接着剤等を介して固定する。その後、図6を参照して上述した第1実施形態と同様に、放熱ケーシング30内に樹脂充填剤14を充填する。
【0041】
なお、第6実施形態の半導体装置では、放熱ケーシング30のキャビティ36内部に、チップサイズパッケージ48側に突出する凸部39が設けられている。凸部39を介して放熱フィンを備える放熱ケーシング30側にチップサイズパッケージ48からの熱が伝わり、チップサイズパッケージ48を効率的に冷却することができる。図5(C)は、図5(B)に示す半導体装置10の切断位置を異ならしため図である。図2(A)を参照して上述した第2実施形態と同様に、半導体装置10の放熱板40と接触する部位に、プリント配線板のサーマルビア54が設けられている。このため、放熱板40からの熱をサーマルビア54に伝達させることで、半導体装置10から効率的に熱を発散させることができる。
【0042】
第6実施形態の半導体装置10では、チップサイズパッケージ48の上側に放熱ケーシング30が設けられ、チップサイズパッケージ48の下面に放熱板40が設けられているため、上下方向へ効率的に放熱できる。特に、チップサイズパッケージ48を収容する放熱ケーシング30のキャビティ36内部に樹脂充填剤14が充填されているので、チップサイズパッケージ48の周囲(上面及び側面)からの熱を効率的に放熱ケーシング30側へ伝達し、発散させることができる。更に、放熱ケーシング30の下端が、プリント配線板50に接触しているため、プリント配線板50に伝わったチップサイズパッケージ48からの熱を、放熱フィン32を備える放熱ケーシング30側に伝達させ、効率的に発散させることができる。このようにチップサイズパッケージ48の全方向から熱を効率的に発散させ得るため、チップサイズパッケージ48に搭載された発熱量の多い大電力のICチップ12を安定して動作させることが可能である。また、放熱板40が、チップサイズパッケージ48とプリント配線板50との間の距離を一定に保つスペーサーとしての役割を果たし、リフローの際に、半田バンプ22の高さを一定に保つため、半田バンプ22の接続信頼性を高めることができる。
【0043】
なお、上述した実施形態では、ICチップを1個のみ載置する例を挙げたが、本発明の半導体装置では、複数のICチップを搭載することも、また、ICチップ以外の半導体素子、電子部品を搭載することも可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は本発明の第1実施形態に係る半導体装置がプリント配線板に搭載された状態の断面図であり、図1(B)は半導体装置の底面図であり、図1(C)は半導体装置の平面図である。
【図2】図2(A)は第2実施形態に係る半導体装置がプリント配線板に搭載された状態の断面図であり、図2(B)は半導体装置の底面図である。
【図3】図3(A)は第1実施形態の改変例に係る半導体装置がプリント配線板に搭載された状態の断面図であり、図3(B)は第2実施形態の改変例に係る半導体装置がプリント配線板に搭載された状態の断面図である。
【図4】図4(A)は第3実施形態に係る半導体装置がプリント配線板に搭載された状態の断面図であり、図4(B)は第4実施形態に係る半導体装置がプリント配線板に搭載された状態の断面図である。
【図5】図5(A)は第5実施形態に係る半導体装置がプリント配線板に搭載された状態の断面図であり、図5(B)及び図5(C)は第6実施形態に係る半導体装置がプリント配線板に搭載された状態の断面図である。
【図6】図6(A)、図6(B)、図6(C)は、半導体装置の放熱ケーシング内への樹脂充填剤の充填についての説明図である。
【符号の説明】
10 半導体装置
12 ICチップ
12A 端子
14 封止樹脂
16 ワイヤ
18 半田
20 パッケージ基板(基板)
21 開口
22 半田バンプ
24 ランド
26 スルーホール
28 ボンデングランド(ランド)
30 放熱ケーシング
32 放熱フィン
34 側壁
36 キャビティ
38 通孔
39 凸部
40 放熱板
42 アンダーフィル
44 フリップチップ
48 チップサイズパッケージ
50 プリント配線板
52 ランド
54 サーマルビア
Claims (12)
- ICチップを搭載し半田バンプを介してプリント配線板に接続される半導体装置において、
上面に前記ICチップを載置し、下面に前記半田バンプの配置された基板と、
前記基板の下面であって、ICチップの直下に配置された放熱板と、
放熱フィンを備え内部に前記ICチップを収容するためのキャビティを有する箱状の放熱ケーシングと、
前記放熱ケーシングのキャビティ内部に充填された樹脂充填剤と、から成り、
前記放熱ケーシングの下端が、前記基板に接触していることを特徴とする半導体装置。 - 前記ICチップの端子と前記基板のランドとがワイヤボンディングされていることを特徴とする請求項1の半導体装置。
- 前記基板が平板状に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2の半導体装置。
- 前記基板と前記プリント配線板との間にアンダーフィルが充填されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1の半導体装置。
- 前記ICチップと前記放熱板とが、前記基板に設けられた開口を介して接していることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1の半導体装置。
- プリント配線板に搭載される半導体装置において、
フリップチップと、
前記フリップチップの下面に配置される放熱板と、
放熱フィンを備え内部に前記フリップチップを収容するためのキャビティを有する箱状の放熱ケーシングと、
前記放熱ケーシングのキャビティ内部に充填された樹脂充填剤と、から成り、
前記放熱ケーシングの下端が、前記プリント配線板に接触していることを特徴とする半導体装置。 - プリント配線板に搭載される半導体装置において、
チップサイズパッケージと、
前記フリップチップの下面に配置される放熱板と、
放熱フィンを備え内部に前記チップサイズパッケージを収容するためのキャビティを有する箱状の放熱ケーシングと、
前記放熱ケーシングのキャビティ内部に充填された樹脂充填剤と、から成り、
前記放熱ケーシングの下端が、前記プリント配線板に接触していることを特徴とする半導体装置。 - 前記放熱ケーシングが、前記樹脂充填剤を充填するための複数の通孔を備えることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1の半導体装置。
- 前記放熱ケーシングのキャビティ内部に、ICチップ側へ突出する凸部が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1の半導体装置。
- 前記放熱板が、前記プリント配線板に半田を介して固定されていることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1の半導体装置。
- 前記放熱板が、前記プリント配線板に直接接していることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1の半導体装置。
- 前記放熱板が、前記プリント配線板側のサーマルビアに接していることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1の半導体装置。
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-
2003
- 2003-03-25 JP JP2003082163A patent/JP2004289059A/ja active Pending
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