JP2004288907A - 分子線発生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】分子線発生装置において、材料の蒸発によって放射される分子流の分子線強度を、蒸発の進行の度合いにかかわらず、一定に保持出来るようにする。
【解決手段】ルツボ120に、ロッド状の固体材料110を装填し、ルツボ120を超高真空中で加熱することにより、ルツボ120の開口部109より、固体材料110の分子線を放射する分子線発生装置において、ルツボ120の開口部109側で、固体材料110の前方表面111位置を規制するロッド先端押え板105と、開口部109の対向位置であって、固体材料110の後方位置より、固体材料110を常時前記前方方向に付勢する付勢手段と、固体材料110を略180度周方向に亘って往復動可動な回動手段とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】ルツボ120に、ロッド状の固体材料110を装填し、ルツボ120を超高真空中で加熱することにより、ルツボ120の開口部109より、固体材料110の分子線を放射する分子線発生装置において、ルツボ120の開口部109側で、固体材料110の前方表面111位置を規制するロッド先端押え板105と、開口部109の対向位置であって、固体材料110の後方位置より、固体材料110を常時前記前方方向に付勢する付勢手段と、固体材料110を略180度周方向に亘って往復動可動な回動手段とを有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体の結晶成長を行う分子線エピタキシャル成長装置に用いる分子線発生装置に係り、分子線発生材料の消耗度合いにかかわらず、常に均一な分子線強度を有する分子線を放射するのに好適な分子線発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
分子線エピタキシャル成長方法は、超高真空中で、分子線発生装置から分子線を放射し、この分子を、例えば半導体基板上に堆積し、結晶成長させるものである。この方法は、原子レベルで分子の配列を制御することにより、結晶を作製することができるものであリ、種々の半導体レーザの製造等に用いられている。
【0003】
この分子線エピタキシャル成長方法に用いられる分子線エピタキシャル成長(以下、単にMBEともいう。)装置について、以下、説明する。
図5は、第1従来例の分子線発生装置を示す構成図である。
図6は、第1従来例の分子線発生装置を搭載した分子線エピタキシャル成長(MBE)装置を示す構成図である。
図7は、第1従来例の分子線発生装置において、固体材料を充填したルツボを示す図である。
【0004】
図6に示すように、第1従来例に係るMBE装置20は、真空室1と、真空室1の側面に、ゲートバルブ11を介して設けられたロードロック室13と、真空室1の下部にポート4に接続して設けられた排気装置3と、真空室1の側面に設けられた複数の分子線発生装置(クヌーセンセル、単にセルともいう)10をそれぞれ収納する複数のポート5と、真空室1の中心付近に設けられた基板ホルダ回転部8から構成されている。
【0005】
真空室1の内壁近辺には、液体窒素シュラウド2が設けられている。液体窒素シュラウド2の分子線発生装置10に対向する部分には開口部14a,14bが、排気装置3に対向する部分には開口部14cが、ゲートバルブ13に対向する部分には、開口部14dがそれぞれ設けられている。
基板ホルダ回転部8の基板ホルダ装着部15には、基板6を取り付けた基板ホルダ7が着脱自在に取り付けられている。基板ホルダ回転部8は回転軸9の周りに時計方向、反時計方向に回転可能になっている。また、回転軸9に直交する回転軸(図示しない)の周りにも回転可能に構成されている。
【0006】
ロードロック室13は、真空室1とは独立に真空排気することができるようになっている。真空室1は常に超高真空に保持されている。基板6を装着した基板ホルダ7を、基板ホルダ装着部15に装着するには、大気圧にしたロードロック室13に基板6付基板ホルダ7をセットし、ロードロック室13を真空排気し、所定の真空度に達したら、ゲートバルブ11を開けて、図示しない基板ホルダ移動機構により、基板ホルダ7を真空室1内に移動する。このとき、基板ホルダ回転部8が回転されて、基板ホルダ装着部15がゲートバルブ11に対して対向位置になり、この基板ホルダ装着部15に基板ホルダ7を装着する。
【0007】
基板6付基板ホルダ7が基板ホルダ装着部15に装着されると、基板ホルダ移動機構を、ロードロック室13に戻し、ゲートバルブ11を閉じて、真空室1を超高真空にする。
基板ホルダ回転部8を回転させて、基板6を所望の材料の充填された分子線発生装置10の開口部38に対向させた後、分子線発生装置10から分子線を基板に照射して、基板6上に所定の材料の結晶成長を行わせるようになっている。
【0008】
ここで、図5に示すように、第1従来例の分子線発生装置10は、ルツボ30と、ヒータ23と、ラディエーションシールド22と、熱電対33より構成される。
また、図7に示すように、ルツボ30は、38が開口部であり、これに対して対向して底部37が設けた円筒状の材料充填部32から構成されており、開口部38にはその外周部にツバ31が設けられている。
図5に戻ると、ルツボ30の外周部には、絶縁用のスペーサ(図示しない)を介してルツボ30を加熱するための円筒状のヒータ23が配置されている。ヒータ23の外側には、ルツボ30全体の加熱状態を均一にするために、上述の絶縁用スペーサを介して、円筒状のラディエーションシールド22が配置されている。
【0009】
ルツボ30のツバ31はラディエーションシールド22に取り付けられたルツボ固定爪21により固定されており、ルツボ30、ヒータ23、及びラディエーションシールド22は一体的に固定されており、全体はラディエーションシールド22の底部22sに固着された2本の絶縁支持棒25によりフランジ29に支持されている。
ルツボ30の低部37には、保護管24中に入れられた熱電対33が配置されている。熱電対33は、フランジ29に取り付けられた熱電対導入端子27を介して、真空室1外の温度計に接続している。
【0010】
ヒータ23はヒータリード線28とフランジ29に取り付けられた一対の電流導入端子26を通して、真空室1外の電源に接続している。ヒータリード線28はラディエーションシールド22の底部22sに取り付けられた絶縁碍子19を通してヒータ23に接続している。
フランジ29は、真空室1のポート5に接続するフランジ39と真空シールして接続されている。
ルツボ30内には、図7に点線で示す円筒状のロッド状の固体材料34が入れられる。
熱電対33により温度測定しながら、ヒータ23の温度を制御して,ルツボ30を加熱し、ロッド状の固体材料34の表面35から分子線を放射するようになっている。
【0011】
このような第1従来例の分子線発生装置10に対して、図8で示される第2従来例の分子線発生装置60がある(例えば、特許文献1参照。)。
図8は、その第2従来例の分子線発生装置を示す構成図である。
同図において、61は真空槽外壁、62はヒータ、63は原料、64はルツボ、65はセル、66は熱電対、67は支持棒、68,69は磁石、70はヒータ端子、71は熱電対用端子、72は材料表面である。
【0012】
結晶成長用の原料63を内蔵したルツボ64をセル65に入れて中空の支持棒67で支持し、この支持棒67に磁石68を取り付ける。ルツボ64はセル65から分離しているヒータ62により加熱され、ルツボ64の温度は、ルツボ64の底部に接触されている熱電対66により計測される。また、支持棒67の中空部を通して熱電対用端子71へリード線を結線している。
ルツボは磁石68,69の磁力により任意の回転速度で回転する。ルツボが回転することにより、ルツボの原料は均一に加熱される構成となっているものである。
【0013】
【特許文献1】
特開平3−208886号公報(第2頁、第1図)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、MBE装置においては、複数の材料を用いて所望の化合物結晶を成長させることが一般的になってきている。そのため、MBE装置には、複数の分子線発生装置を設置している。これら複数の分子線発生装置が、安定して同様の分子流をそれぞれ発生するようにするには、その設置場所を同様にする必要があり、図6に示すように、真空室の側面乃至側面下方が好適である。この場合、第1従来例の分子線発生装置10内のルツボ30においては、その円筒状の充填部32の中心軸36は基板6の中心に向うので、重力の方向に対して傾斜したものとなる。また、排気装置3を真空室1の下方に配置できて、分子線が放射される部分の粒子の流れを均一にでき、分子流も均一に放射されることが分かっている。
【0015】
図7に示したように、円筒状のルツボ30内には、その中にしっくり収まる円柱状のロッド状の固体材料40が入っている。ルツボ30を加熱して、材料を蒸発させ分子流を放射する際には、材料は重力と反対方向に蒸発するため、材料表面35が水平な面を出そうとしながら蒸発する。蒸発するに従って、材料表面35は、表面35a,表面35b,表面35c,と推移し、水平な表面35dになるとその状態を保って減少し、ロッド状の固体材料34は固体材料34aの形状になる。
【0016】
このようにロッド状の固体材料34の表面が変化すると、初期には、ルツボ30の開口部38の開口面積とロッド状の固体材料の表面35の面積(蒸発面積である。)が略ほぼ同じであったのが、分子流の蒸発(放射)時間が増加するに従い、ロッド状の固体材料表面の面積が増加することになり、開口部38から放射される分子線強度が変化する。
同一の結晶をエピタキシャル成長させるには、常に分子線強度を一定に保つ必要がある。このため、エピタキシャル成長を行うたびに、ルツボ温度を変更制御して分子線強度を設定した値に調整する必要があり、調整に要する時間は、固体材料が減ってくるほど、不安定性が増すため時間がかかっていた。蒸発する材料の種類が多いと、調整時間に多大の時間が必要となり、問題であった。
【0017】
これに対して、図8に示した第2の従来例においては、ルツボ64を回転するので、材料63の蒸発が進行しても、材料表面72の形状を一定に保ちながら材料63を減少させることが出来る。
しかし、セル65内にルツボ63を配置しているので、ルツボ63の温度制御の応答性が悪くなり、分子線強度の変動が大きくなり、良好なエピタキシャル成長が困難であるという問題がある。また、磁石を用いてルツボを回転するには、大掛かりな機構が必要であり、熱電対とルツボとの接触を十分安定に行えないという問題がある。
なお、これに対して、上述した第1実施例の分子線発生装置10では、ヒータ23はスペーサを介してルツボ30の外周に配置されているので、温度制御の応答性は良い。
【0018】
また、各従来例においては、材料表面は蒸発の進行と共に、基板に対して離れていく(基板−材料表面間距離の増大)が、材料表面と基板間距離の変動は、基板に到達する分子流の分子線強度を変化させるものであり、このため、分子線強度を調整することが、基板を変えてエピタキシャル成長させる毎に必要となり、効率も悪くコストアップになるという問題がある。
【0019】
さらに、材料表面がルツボの開口部より後退するに従い、開口部と材料表面までのルツボの内側壁が露出され、そこには、蒸発した材料の一部が付着析出し、これがエピタキシャル成長中に再蒸発して、材料表面からの蒸発に併合されるので、エピタキシャル成長中の分子線強度を不安定にして良好な結晶が得られない、また、これを避けるために、固体材料が多く残っていても、新しい固体材料に交換せざるえないこともあり、コストアップになるという問題があった。
【0020】
そこで本発明は、上記の各問題を解決して、分子線発生装置において、固体材料の蒸発によって放射される分子流の分子線強度を、蒸発の進行の度合いにかかわらず、一定に保持出来るようにすると共に、材料を効率的に使用できるようにして、良好なエピタキシャル成長を効率良く行うことの出来る分子線発生装置を提供することを目的とするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための手段として、本発明は、ルツボ120に、ロッド状に形成した固体材料110を装填し、前記ルツボ120を超高真空中で加熱することにより、前記ルツボ120の開口部109より、前記固体材料110の分子線を放射する分子線発生装置において、
前記ルツボ120の開口部109側で、前記固体材料110の前方表面111位置を規制する規制部材(ロッド先端押え板105)と、
前記開口部109の対向位置であって、前記固体材料110の後方位置より、前記固体材料110を常時前記前方方向に付勢する付勢手段(シリンダ126、押え板125、スプリング130、フランジ104)と、
前記固体材料110を略180度周方向に亘って往復動可動な回動手段(回転導入部150、回転軸143、保持板142、セル支柱136、フランジ104、ラディエーションシールド101)とを有することを特徴とする分子線発生装置である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき、好ましい実施例により、図面を参照して説明する。なお、説明の簡略化のため、参照符号については、各従来例における構成要素と同一の構成要素については同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0023】
<実施例>
図1は、本発明の分子線発生装置の実施例を示す構成図である。
図2は、図1に示すA部の拡大図である。
図3は、図1において、Bから見たロッド先端押え板を示す図である。
図4は、本発明の分子線発生装置の実施例を搭載した分子線エピタキシャル成長(MBE)装置を示す構成図である。
【0024】
まず、本実施例に係るMBE装置の構成を説明する。
図4に示すように、本実施例に係るMBE装置20Aは、真空室1と、真空室1の1側面に、ゲートバルブ11を介して設けられたロードロック室13と、真空室1の下部に、ポート4に接続して設けられた排気装置3と、真空室1の他の側面に設けられた複数の本実施例の分子線発生装置(クヌーセンセル、単にセルともいう)100をそれぞれ収納する複数のポート5と、真空室1の中心付近に設けられた基板ホルダ回転部8とから構成されている。
【0025】
真空室1の内壁近辺には、略内壁全面を蔽った超高真空を得るための液体窒素シュラウド2が設けられている。液体窒素シュラウド2の分子線発生装置10に対向する部分には開口部14a,14bが、排気装置3に対向する部分には開口部14cが、ゲートバルブ11に対向する部分には、開口部14dがそれぞれ設けられている。
基板ホルダ回転部8の基板ホルダ装着部15には、基板6を取り付けた基板ホルダ7が着脱自在に取り付けられている。基板ホルダ回転部8は回転軸9の周りに時計方向、反時計方向に回転可能になっている。また、図示しない回転軸9に直交する回転軸の周りにも回転可能に構成されている。
【0026】
ロードロック室13は、真空室1とは独立に真空排気することができるようになっている。真空室1は常に超高真空に保持されている。基板6を装着した基板ホルダ7を、基板ホルダ装着部15に装着するには、大気圧のロードロック室13に基板6付基板ホルダ7をセットした後、ロードロック室13を真空排気し、所定の真空度(真空室1の真空度)に達したら、ゲートバルブ11を開けて、図示しない基板ホルダ移動機構により、基板ホルダ7を真空室1内に移動する。このとき、基板ホルダ回転部8が回動されていて、基板ホルダ装着部15がゲートバルブ11に対向しており、基板ホルダ7を基板ホルダ装着部15に装着する。
【0027】
基板6付基板ホルダ7を基板ホルダ装着部15に装着すると、基板ホルダ移動機構を、ロードロック室13に戻し、ゲートバルブ11を閉じて、真空室1を10−10から10−12Torrの超高真空に真空排気する。
所定の真空度に達すると、基板ホルダ回転部8を回転させて、基板6上に成長したい材料のセットされた分子線発生装置100の開口部109に対向する位置に、基板6をセットする。分子線発生装置100より所定強度の分子線が基板に照射されて、基板6上に所定の材料の結晶成長又は基板6上に予め形成されている結晶中に不純物の導入を行わせるようになっている。。
なお、分子線発生装置100の開口部109と、液体窒素シュラウド2の開口部14a,14bとの間には、シャッタ(図示しない)が設けられており、分子線を放射するときにはこのシャッタが開かれるようになっている。
【0028】
分子線発生装置100は、真空室1に設けられたポート5内に収納されており、ポート5の先端に設けられた中空のフランジ39に、フランジ151によって、密閉構造(真空シールされて)で取り付けられている。
【0029】
次に、分子線発生装置の本実施例の構成を説明する。
図1及び図2を参照して、分子線発生装置100の構成を説明する。
図1において、フランジ151の右方のLAにわたる部分は、真空室1のポート5内に収納される部分であり、その左方は外気側に配置される。
フランジ151には、フランジ151と電気的に絶縁してある一対のリード線からなる熱電対導入端子152と、同様に、フランジ151と電気的に絶縁してある一対のリード線からなるヒータ導入端子153と、回転導入部150とが設けられている。
【0030】
回転導入部150においては、フランジ158付のポート147がフランジ151に溶接接続されており、フランジ158に対して、ベローズ155及びパイプ160を接続して取り付けたフランジ159が密閉構造で取り付けられている。
ベローズ155のフランジ159側の反対側は、固定板163で密閉構造にしてあり、固定板163のベローズ155側には回転軸143の屈曲部162の先端が取り付けられており、固定板163の反対側には、ネジ穴が設けてある。
【0031】
ベアリング154の内側の可動軸がパイプ160に固定されており、ベアリング154の外側の可動軸が回転ハンドル156に固定されており、回転ハンドル156は、パイプ160(フランジ159)に対して回転可能になっている。回転ハンドル156の上面部161は例えば円錐状になって、先端が飛び出しており、一部に孔が開けられており、止めネジ157がこの孔を通して、固定板163のネジ穴にねじ込まれて、回転ハンドル156の上面部161と固定板163の止めネジ157で固定される。これにより、回転軸143は、回転ハンドルを回転(回動)することにより、回転(回動)可能である。回転量は、ベロース155により決まるが、順逆(時計回り反時計回り)方向にそれぞれ半回転(180度)出来ればよい。
なお、ベローズ155の内部は、外気と遮断される構造となる。
【0032】
回転軸143と、フランジ151と密封接続するパイプ147との間には、真空用のベアリング148を設けて、回転軸143の回動を容易にしてある。
回転軸143の真空室1側の端部には、回転軸143に直交して例えば長円状の保持材142を固着してある。保持材142の両外周側には、回転軸143に平行にセル支柱136がそれぞれその一端側を固着されている。この2本のセル支柱136の他端側には円板状のフランジ104が取り付けられており、フランジ104と保持材142の途中には、保持材141が固定・配置されている。
【0033】
保持材141の中央には、貫通孔149が開けられており、熱電対保護管135が移動可能に、セル支柱136に略平行に通っている。
熱電対保護管135のフランジ104と保持材141との間には、ストッパー137がネジ止めされて固定されており、ストッパー137と保持材141との間には圧縮スプリング138を設けてある。
【0034】
図2も参照して説明すると、フランジ104の略中央には、熱電対保護管135を挿入出来る貫通孔164が設けられている。また、フランジ104には、2個の碍子131、134が取り付けられており、碍子131の一方の導通端131bは、ヒータ導入端子153に接続するリード線132に、碍子134の一方の導通端134bは、ヒータ導入端子153aに接続するリード線133に接続している。
碍子131の他方の導通端131aは接続用リード114を介してヒータ107の一端に電気的に接続し、碍子134の他方の導通端134aは接続用リード113を介してヒータ107の他端に電気的に接続している。
【0035】
ルツボ120は、孔を開けた底部124を有する円筒状の材料充填部121と、これとは別の、内部に押え凸部127が形成され、一端に円板状の押え板125を有する円筒状のシリンダ126とより構成されている。ルツボ120は、パイロリティックボロンナイトライド(単に、pBNともいう)より構成されており、例えば、材料充填部121の外径10〜15mm程度であり、長さは100mm程度であり、材料の肉厚は0.2〜0.5mm程度である。
【0036】
材料充填部121の開口部109側には、外径15〜20mmほどのツバ122が設けられている。材料充填部121の底部の孔の大きさ及びそれにつながる円筒状のガイド123の内径は、シリンダ126が容易に移動できる程度のクリアランスをもって設定されている。一方、シリンダ126の一端に設けられた押え板125の外径は、材料充填部の内径より、僅かに小さくしてあり、ガイド123に沿ってシリンダ126が移動するとき、材料充填部121内を容易に移動できる程度に設定されている。
【0037】
また、シリンダ126とフランジ104との間には、圧縮スプリング130が設けられている。スプリング130の内側の貫通部には熱電対保護管135と、一端がフランジ104に固定されているパイプ状のガイド128が配置されている。熱電対保護管135の先端部135aは押え板125に接触している。
【0038】
分子線として放射する材料は、予め、ルツボ120の材料充填部121に出し入れ容易な外径を有する円筒状のロッド状の固体材料110として形成しておく。ロッド状の固体材料110としては、Al,Zn、Mg,Cdなど必要に応じて形成できる。
固体材料110のルツボ120の材料充填部121へのセッティングは以下のように行われる。
【0039】
Taからなる円筒状のラディエーションシールド101内に、スペーサ108を介して、円筒状のTaからなるヒータ107を所定の位置に配置する。ラディエーションシールド101の一端をフランジ104に挿入して固定する。ヒータ107は、接続用リード114で導通端131aに、接続用リード113で導通端134aに予め接続されている。熱電対保護管135を貫通孔164、149に通す。このときスプリング138とストッパー137を保持材141とフランジ104の間に入れておく。次に、ルツボ120の材料充填部121の底部124の開口部に、スプリング130を挿入したシリンダ126を挿入し、スプリング130を先頭に、ガイド128に沿って、ヒータ107内に挿入する。
【0040】
次に、固体材料110を材料充填部121内に入れ、ロッド先端押え板105と共に押し込み、ルツボ120にツバ122が、ラディエーションシールド101に設けられているルツボ押さえ部106に当たると、ラディエーションシールド101に設けてある複数のルツボ固定用爪102を曲げて、ツバ106とロッド先端押え板105をルツボ押さえ部106に固定する。
【0041】
ここで、図3にも示すように、ロッド先端押さえ板105には、固体材料110の外径より大きい円状の開口部105aが設けられており、開口部105a側に、固体材料110を押えるための、例えば4箇所の保持部105bを設けてある。従って、固体材料110はその表面の位置をロッド先端押え板105の保持部105bによって規制されている。
【0042】
ここで、保持部105bと固体材料110との接触面積は小さくなるように、保持部105bの形状を爪状にしておくことにより、保持部105b直下の固体材料110から分子線が容易に放射して、均一に固体材料110を消費するようする。
一方、ルツボ120の一部を構成する押え板125を有するシリンダ126は、その押え凸部127とフランジ104との間に設けたスプリング130により、固体材料110をルツボ120の開口部109側に押し付けていることになる。
【0043】
あとは、熱電対保護管135に熱電対(リード線146,146)を奥まで挿入し、熱電対保護管135の先端部135aが常にルツボ120の押え板125にスプリング138の力で押し付けられて接触するように、ストッパ137の位置を調整してネジ止め固定する。
このようにして、固体材料110がルツボに充填された分子線発生装置は、大気圧になっている、真空室1のポート5に挿入され、フランジ151とフランジ39が密閉接続される。
【0044】
本実施例の分子線発生装置100は次のように動作する。
固体材料110のセットされた分子線発生装置100をポート5内に収容して、フランジ39とフランジ151を真空シールで接続する。
真空室1を排気し、基板6付基板ホルダ7を基板ホルダ装着部15に取り付け、基板6を所定の分子線発生装置100に対向させる。
分子線発生装置100では、ヒータ107に通電し、熱電対129で温度を検出して、固体材料110を所定の温度に制御保持する。
分子線流は、ルツボ120の開口部109にある固体材料110の材料表面111より、基板6に向った放射される。
【0045】
このとき、固体材料110はその底部をルツボ120の押え板125によって、ルツボ120の開口部109側に常に、スプリング130によって押されており、一方、材料表面111は、その外周側をロッド先端押え板105によって押えられているので、材料表面111から分子流が放射されて、材料が減っていっても、材料表面111の位置はロッド先端押え板105によって規制された位置を保つ。
【0046】
また、一回のエピタキシャル成長で放射する分子線量程度では、固体材料110の材料表面111が、上述の従来例で説明したような、表面の変化は顕著に起きないが、必要に応じて、回転導入部150の回転ハンドル156を180度時計周りに回動させてやることにより、最初に設定した材料表面111が水平でない場合に、水平になるように材料表面111からの分子流の放射を均一に保持することが出来る。また、次の処理の際には、反時計回りに回転ハンドル156を回し、材料表面111の位置を回してやればよい。
【0047】
なお、回転ハンドルには、180度の回転のみが可能なように、フランジ151には回転規制のためのストッパーを設けてあり、ヒータ108に接続するリード線132,133及び、熱電対のリード145,146が絡まることがないようにできるので、安定な分子線強度を得ることができる。
【0048】
一回のエピタキシャル成長ごとに、回転ハンドル156を180度回して、材料表面111の位置を変えてやることにより、この繰り返しで、材料表面111を常に基板6に対向するようにし、且つ、ロッド先端押え板105によって、常に材料表面111の位置を、基板6に対して一定距離に保つことが出来る。従って、分子線発生装置から放射する分子線強度を安定に保つことが出来るので、エピタキシャル成長前の分子線強度を設定するのに、従来においては、安定するまで多くの時間を必要としたが、その時間を短縮できるという工数削減ができ、また、エピタキシャル成長中に分子線強度が変化しないので、作製する材料の歩留まりも向上する。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の分子線発生装置によれば、ルツボの開口部側で、固体材料の前方表面位置を規制する規制部材と、前記開口部の対向位置であって、前記固体材料の後方位置より、前記固体材料を常時前記前方方向に付勢する付勢手段と、前記固体材料を略180度周方向に亘って往復動可動な回動手段とを有することにより、固体材料の蒸発によって放射される分子流の分子線強度を、蒸発の進行の度合いにかかわらず、一定に保持出来るようにすると共に、材料を効率的に使用できるようにして、良好なエピタキシャル成長を効率良く行うことの出来る分子線発生装置を提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分子線発生装置の実施例を示す構成図である。
【図2】図1に示すA部の拡大図である。
【図3】図1において、Bから見たロッド先端押え板を示す図である。
【図4】本発明の分子線発生装置の実施例を搭載した分子線エピタキシャル成長(MBE)装置を示す構成図である。
【図5】第1従来例の分子線発生装置を示す構成図である。
【図6】第1従来例の分子線発生装置を搭載した分子線エピタキシャル成長(MBE)装置を示す構成図である。
【図7】第1従来例の分子線発生装置において、固体材料を充填したルツボを示す図である。
【図8】第2従来例の分子線発生装置を示す構成図である。
【符号の説明】
1…真空室、2…液体窒素シュラウド、3…排気装置、4…ポート、5…ポート、6…基板、7…基板ホルダ、8…基板ホルダ回転部、9…回転軸、10…分子線発生装置(セル)、11…ゲートバルブ、12…ポート、13…ロードロック室、14a,14b,14c,14d…開口部、15…基板ホルダ装着部、18…固定板、19…絶縁碍子、20…分子線エピタキシャル成長(MBE)装置、21…ルツボ固定爪、22…ラディエーションシールド、22s…底部、23…ヒータ、24…保護管、25…絶縁支持棒、26…電流導入端子、27…熱電対導入端子、28…ヒータリード線、29…フランジ、30…ルツボ、31…ツバ、32…固体材料充填部、33…熱電対、34…固体材料、34a…固体材料、35,35a,35b,35c,35d…固体材料表面、36…中心軸、37…底部、38…開口部、39…フランジ、60…分子線発生装置、61…真空槽外壁、62…ヒータ、63…原料、64…ルツボ、65…セル、66…熱電対、67…支持棒、68…磁石、69磁石、70…ヒータ端子、71…熱電対用端子、72…材料表面、100…分子線発生装置(セル)、101…ラディエーションシールド、102…ルツボ固定用爪、104…フランジ、105…ロッド先端押さえ板、105a…開口部、105b…保持部、106…ルツボ押さえ部、107…ヒータ、108…スペーサ、109…開口部、110…固体材料、111…材料表面、113…接続用リード、114…接続用リード、120…ルツボ、121…材料充填部、122…ツバ、123…ガイド、124…底部、125…押え板、126…シリンダ、127…押え凸部、128…ガイド、129…熱電対、130…スプリング、131…碍子、131a,131b…導通端、132…リード線、133…リード線、134…碍子、134a,134b…導通端、135…熱電対保護管、135a…先端部、136…セル支柱、137…ストッパー、138…スプリング、141…保持材、142…保持材、143…回転軸、145…(熱電対)リード線、146…(熱電対)リード線、147…パイプ、148…ベアリング、149…貫通孔、150…回転導入部、151…フランジ、152…熱電対導入端子、153…ヒータ導入端子、154…ベアリング、155…ベローズ、156…回転ハンドル、157…止めネジ、158…フランジ、159…フランジ、160…パイプ、161…上面部、162…屈曲部、163…固定板、164…貫通孔。
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体の結晶成長を行う分子線エピタキシャル成長装置に用いる分子線発生装置に係り、分子線発生材料の消耗度合いにかかわらず、常に均一な分子線強度を有する分子線を放射するのに好適な分子線発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
分子線エピタキシャル成長方法は、超高真空中で、分子線発生装置から分子線を放射し、この分子を、例えば半導体基板上に堆積し、結晶成長させるものである。この方法は、原子レベルで分子の配列を制御することにより、結晶を作製することができるものであリ、種々の半導体レーザの製造等に用いられている。
【0003】
この分子線エピタキシャル成長方法に用いられる分子線エピタキシャル成長(以下、単にMBEともいう。)装置について、以下、説明する。
図5は、第1従来例の分子線発生装置を示す構成図である。
図6は、第1従来例の分子線発生装置を搭載した分子線エピタキシャル成長(MBE)装置を示す構成図である。
図7は、第1従来例の分子線発生装置において、固体材料を充填したルツボを示す図である。
【0004】
図6に示すように、第1従来例に係るMBE装置20は、真空室1と、真空室1の側面に、ゲートバルブ11を介して設けられたロードロック室13と、真空室1の下部にポート4に接続して設けられた排気装置3と、真空室1の側面に設けられた複数の分子線発生装置(クヌーセンセル、単にセルともいう)10をそれぞれ収納する複数のポート5と、真空室1の中心付近に設けられた基板ホルダ回転部8から構成されている。
【0005】
真空室1の内壁近辺には、液体窒素シュラウド2が設けられている。液体窒素シュラウド2の分子線発生装置10に対向する部分には開口部14a,14bが、排気装置3に対向する部分には開口部14cが、ゲートバルブ13に対向する部分には、開口部14dがそれぞれ設けられている。
基板ホルダ回転部8の基板ホルダ装着部15には、基板6を取り付けた基板ホルダ7が着脱自在に取り付けられている。基板ホルダ回転部8は回転軸9の周りに時計方向、反時計方向に回転可能になっている。また、回転軸9に直交する回転軸(図示しない)の周りにも回転可能に構成されている。
【0006】
ロードロック室13は、真空室1とは独立に真空排気することができるようになっている。真空室1は常に超高真空に保持されている。基板6を装着した基板ホルダ7を、基板ホルダ装着部15に装着するには、大気圧にしたロードロック室13に基板6付基板ホルダ7をセットし、ロードロック室13を真空排気し、所定の真空度に達したら、ゲートバルブ11を開けて、図示しない基板ホルダ移動機構により、基板ホルダ7を真空室1内に移動する。このとき、基板ホルダ回転部8が回転されて、基板ホルダ装着部15がゲートバルブ11に対して対向位置になり、この基板ホルダ装着部15に基板ホルダ7を装着する。
【0007】
基板6付基板ホルダ7が基板ホルダ装着部15に装着されると、基板ホルダ移動機構を、ロードロック室13に戻し、ゲートバルブ11を閉じて、真空室1を超高真空にする。
基板ホルダ回転部8を回転させて、基板6を所望の材料の充填された分子線発生装置10の開口部38に対向させた後、分子線発生装置10から分子線を基板に照射して、基板6上に所定の材料の結晶成長を行わせるようになっている。
【0008】
ここで、図5に示すように、第1従来例の分子線発生装置10は、ルツボ30と、ヒータ23と、ラディエーションシールド22と、熱電対33より構成される。
また、図7に示すように、ルツボ30は、38が開口部であり、これに対して対向して底部37が設けた円筒状の材料充填部32から構成されており、開口部38にはその外周部にツバ31が設けられている。
図5に戻ると、ルツボ30の外周部には、絶縁用のスペーサ(図示しない)を介してルツボ30を加熱するための円筒状のヒータ23が配置されている。ヒータ23の外側には、ルツボ30全体の加熱状態を均一にするために、上述の絶縁用スペーサを介して、円筒状のラディエーションシールド22が配置されている。
【0009】
ルツボ30のツバ31はラディエーションシールド22に取り付けられたルツボ固定爪21により固定されており、ルツボ30、ヒータ23、及びラディエーションシールド22は一体的に固定されており、全体はラディエーションシールド22の底部22sに固着された2本の絶縁支持棒25によりフランジ29に支持されている。
ルツボ30の低部37には、保護管24中に入れられた熱電対33が配置されている。熱電対33は、フランジ29に取り付けられた熱電対導入端子27を介して、真空室1外の温度計に接続している。
【0010】
ヒータ23はヒータリード線28とフランジ29に取り付けられた一対の電流導入端子26を通して、真空室1外の電源に接続している。ヒータリード線28はラディエーションシールド22の底部22sに取り付けられた絶縁碍子19を通してヒータ23に接続している。
フランジ29は、真空室1のポート5に接続するフランジ39と真空シールして接続されている。
ルツボ30内には、図7に点線で示す円筒状のロッド状の固体材料34が入れられる。
熱電対33により温度測定しながら、ヒータ23の温度を制御して,ルツボ30を加熱し、ロッド状の固体材料34の表面35から分子線を放射するようになっている。
【0011】
このような第1従来例の分子線発生装置10に対して、図8で示される第2従来例の分子線発生装置60がある(例えば、特許文献1参照。)。
図8は、その第2従来例の分子線発生装置を示す構成図である。
同図において、61は真空槽外壁、62はヒータ、63は原料、64はルツボ、65はセル、66は熱電対、67は支持棒、68,69は磁石、70はヒータ端子、71は熱電対用端子、72は材料表面である。
【0012】
結晶成長用の原料63を内蔵したルツボ64をセル65に入れて中空の支持棒67で支持し、この支持棒67に磁石68を取り付ける。ルツボ64はセル65から分離しているヒータ62により加熱され、ルツボ64の温度は、ルツボ64の底部に接触されている熱電対66により計測される。また、支持棒67の中空部を通して熱電対用端子71へリード線を結線している。
ルツボは磁石68,69の磁力により任意の回転速度で回転する。ルツボが回転することにより、ルツボの原料は均一に加熱される構成となっているものである。
【0013】
【特許文献1】
特開平3−208886号公報(第2頁、第1図)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、MBE装置においては、複数の材料を用いて所望の化合物結晶を成長させることが一般的になってきている。そのため、MBE装置には、複数の分子線発生装置を設置している。これら複数の分子線発生装置が、安定して同様の分子流をそれぞれ発生するようにするには、その設置場所を同様にする必要があり、図6に示すように、真空室の側面乃至側面下方が好適である。この場合、第1従来例の分子線発生装置10内のルツボ30においては、その円筒状の充填部32の中心軸36は基板6の中心に向うので、重力の方向に対して傾斜したものとなる。また、排気装置3を真空室1の下方に配置できて、分子線が放射される部分の粒子の流れを均一にでき、分子流も均一に放射されることが分かっている。
【0015】
図7に示したように、円筒状のルツボ30内には、その中にしっくり収まる円柱状のロッド状の固体材料40が入っている。ルツボ30を加熱して、材料を蒸発させ分子流を放射する際には、材料は重力と反対方向に蒸発するため、材料表面35が水平な面を出そうとしながら蒸発する。蒸発するに従って、材料表面35は、表面35a,表面35b,表面35c,と推移し、水平な表面35dになるとその状態を保って減少し、ロッド状の固体材料34は固体材料34aの形状になる。
【0016】
このようにロッド状の固体材料34の表面が変化すると、初期には、ルツボ30の開口部38の開口面積とロッド状の固体材料の表面35の面積(蒸発面積である。)が略ほぼ同じであったのが、分子流の蒸発(放射)時間が増加するに従い、ロッド状の固体材料表面の面積が増加することになり、開口部38から放射される分子線強度が変化する。
同一の結晶をエピタキシャル成長させるには、常に分子線強度を一定に保つ必要がある。このため、エピタキシャル成長を行うたびに、ルツボ温度を変更制御して分子線強度を設定した値に調整する必要があり、調整に要する時間は、固体材料が減ってくるほど、不安定性が増すため時間がかかっていた。蒸発する材料の種類が多いと、調整時間に多大の時間が必要となり、問題であった。
【0017】
これに対して、図8に示した第2の従来例においては、ルツボ64を回転するので、材料63の蒸発が進行しても、材料表面72の形状を一定に保ちながら材料63を減少させることが出来る。
しかし、セル65内にルツボ63を配置しているので、ルツボ63の温度制御の応答性が悪くなり、分子線強度の変動が大きくなり、良好なエピタキシャル成長が困難であるという問題がある。また、磁石を用いてルツボを回転するには、大掛かりな機構が必要であり、熱電対とルツボとの接触を十分安定に行えないという問題がある。
なお、これに対して、上述した第1実施例の分子線発生装置10では、ヒータ23はスペーサを介してルツボ30の外周に配置されているので、温度制御の応答性は良い。
【0018】
また、各従来例においては、材料表面は蒸発の進行と共に、基板に対して離れていく(基板−材料表面間距離の増大)が、材料表面と基板間距離の変動は、基板に到達する分子流の分子線強度を変化させるものであり、このため、分子線強度を調整することが、基板を変えてエピタキシャル成長させる毎に必要となり、効率も悪くコストアップになるという問題がある。
【0019】
さらに、材料表面がルツボの開口部より後退するに従い、開口部と材料表面までのルツボの内側壁が露出され、そこには、蒸発した材料の一部が付着析出し、これがエピタキシャル成長中に再蒸発して、材料表面からの蒸発に併合されるので、エピタキシャル成長中の分子線強度を不安定にして良好な結晶が得られない、また、これを避けるために、固体材料が多く残っていても、新しい固体材料に交換せざるえないこともあり、コストアップになるという問題があった。
【0020】
そこで本発明は、上記の各問題を解決して、分子線発生装置において、固体材料の蒸発によって放射される分子流の分子線強度を、蒸発の進行の度合いにかかわらず、一定に保持出来るようにすると共に、材料を効率的に使用できるようにして、良好なエピタキシャル成長を効率良く行うことの出来る分子線発生装置を提供することを目的とするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための手段として、本発明は、ルツボ120に、ロッド状に形成した固体材料110を装填し、前記ルツボ120を超高真空中で加熱することにより、前記ルツボ120の開口部109より、前記固体材料110の分子線を放射する分子線発生装置において、
前記ルツボ120の開口部109側で、前記固体材料110の前方表面111位置を規制する規制部材(ロッド先端押え板105)と、
前記開口部109の対向位置であって、前記固体材料110の後方位置より、前記固体材料110を常時前記前方方向に付勢する付勢手段(シリンダ126、押え板125、スプリング130、フランジ104)と、
前記固体材料110を略180度周方向に亘って往復動可動な回動手段(回転導入部150、回転軸143、保持板142、セル支柱136、フランジ104、ラディエーションシールド101)とを有することを特徴とする分子線発生装置である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき、好ましい実施例により、図面を参照して説明する。なお、説明の簡略化のため、参照符号については、各従来例における構成要素と同一の構成要素については同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0023】
<実施例>
図1は、本発明の分子線発生装置の実施例を示す構成図である。
図2は、図1に示すA部の拡大図である。
図3は、図1において、Bから見たロッド先端押え板を示す図である。
図4は、本発明の分子線発生装置の実施例を搭載した分子線エピタキシャル成長(MBE)装置を示す構成図である。
【0024】
まず、本実施例に係るMBE装置の構成を説明する。
図4に示すように、本実施例に係るMBE装置20Aは、真空室1と、真空室1の1側面に、ゲートバルブ11を介して設けられたロードロック室13と、真空室1の下部に、ポート4に接続して設けられた排気装置3と、真空室1の他の側面に設けられた複数の本実施例の分子線発生装置(クヌーセンセル、単にセルともいう)100をそれぞれ収納する複数のポート5と、真空室1の中心付近に設けられた基板ホルダ回転部8とから構成されている。
【0025】
真空室1の内壁近辺には、略内壁全面を蔽った超高真空を得るための液体窒素シュラウド2が設けられている。液体窒素シュラウド2の分子線発生装置10に対向する部分には開口部14a,14bが、排気装置3に対向する部分には開口部14cが、ゲートバルブ11に対向する部分には、開口部14dがそれぞれ設けられている。
基板ホルダ回転部8の基板ホルダ装着部15には、基板6を取り付けた基板ホルダ7が着脱自在に取り付けられている。基板ホルダ回転部8は回転軸9の周りに時計方向、反時計方向に回転可能になっている。また、図示しない回転軸9に直交する回転軸の周りにも回転可能に構成されている。
【0026】
ロードロック室13は、真空室1とは独立に真空排気することができるようになっている。真空室1は常に超高真空に保持されている。基板6を装着した基板ホルダ7を、基板ホルダ装着部15に装着するには、大気圧のロードロック室13に基板6付基板ホルダ7をセットした後、ロードロック室13を真空排気し、所定の真空度(真空室1の真空度)に達したら、ゲートバルブ11を開けて、図示しない基板ホルダ移動機構により、基板ホルダ7を真空室1内に移動する。このとき、基板ホルダ回転部8が回動されていて、基板ホルダ装着部15がゲートバルブ11に対向しており、基板ホルダ7を基板ホルダ装着部15に装着する。
【0027】
基板6付基板ホルダ7を基板ホルダ装着部15に装着すると、基板ホルダ移動機構を、ロードロック室13に戻し、ゲートバルブ11を閉じて、真空室1を10−10から10−12Torrの超高真空に真空排気する。
所定の真空度に達すると、基板ホルダ回転部8を回転させて、基板6上に成長したい材料のセットされた分子線発生装置100の開口部109に対向する位置に、基板6をセットする。分子線発生装置100より所定強度の分子線が基板に照射されて、基板6上に所定の材料の結晶成長又は基板6上に予め形成されている結晶中に不純物の導入を行わせるようになっている。。
なお、分子線発生装置100の開口部109と、液体窒素シュラウド2の開口部14a,14bとの間には、シャッタ(図示しない)が設けられており、分子線を放射するときにはこのシャッタが開かれるようになっている。
【0028】
分子線発生装置100は、真空室1に設けられたポート5内に収納されており、ポート5の先端に設けられた中空のフランジ39に、フランジ151によって、密閉構造(真空シールされて)で取り付けられている。
【0029】
次に、分子線発生装置の本実施例の構成を説明する。
図1及び図2を参照して、分子線発生装置100の構成を説明する。
図1において、フランジ151の右方のLAにわたる部分は、真空室1のポート5内に収納される部分であり、その左方は外気側に配置される。
フランジ151には、フランジ151と電気的に絶縁してある一対のリード線からなる熱電対導入端子152と、同様に、フランジ151と電気的に絶縁してある一対のリード線からなるヒータ導入端子153と、回転導入部150とが設けられている。
【0030】
回転導入部150においては、フランジ158付のポート147がフランジ151に溶接接続されており、フランジ158に対して、ベローズ155及びパイプ160を接続して取り付けたフランジ159が密閉構造で取り付けられている。
ベローズ155のフランジ159側の反対側は、固定板163で密閉構造にしてあり、固定板163のベローズ155側には回転軸143の屈曲部162の先端が取り付けられており、固定板163の反対側には、ネジ穴が設けてある。
【0031】
ベアリング154の内側の可動軸がパイプ160に固定されており、ベアリング154の外側の可動軸が回転ハンドル156に固定されており、回転ハンドル156は、パイプ160(フランジ159)に対して回転可能になっている。回転ハンドル156の上面部161は例えば円錐状になって、先端が飛び出しており、一部に孔が開けられており、止めネジ157がこの孔を通して、固定板163のネジ穴にねじ込まれて、回転ハンドル156の上面部161と固定板163の止めネジ157で固定される。これにより、回転軸143は、回転ハンドルを回転(回動)することにより、回転(回動)可能である。回転量は、ベロース155により決まるが、順逆(時計回り反時計回り)方向にそれぞれ半回転(180度)出来ればよい。
なお、ベローズ155の内部は、外気と遮断される構造となる。
【0032】
回転軸143と、フランジ151と密封接続するパイプ147との間には、真空用のベアリング148を設けて、回転軸143の回動を容易にしてある。
回転軸143の真空室1側の端部には、回転軸143に直交して例えば長円状の保持材142を固着してある。保持材142の両外周側には、回転軸143に平行にセル支柱136がそれぞれその一端側を固着されている。この2本のセル支柱136の他端側には円板状のフランジ104が取り付けられており、フランジ104と保持材142の途中には、保持材141が固定・配置されている。
【0033】
保持材141の中央には、貫通孔149が開けられており、熱電対保護管135が移動可能に、セル支柱136に略平行に通っている。
熱電対保護管135のフランジ104と保持材141との間には、ストッパー137がネジ止めされて固定されており、ストッパー137と保持材141との間には圧縮スプリング138を設けてある。
【0034】
図2も参照して説明すると、フランジ104の略中央には、熱電対保護管135を挿入出来る貫通孔164が設けられている。また、フランジ104には、2個の碍子131、134が取り付けられており、碍子131の一方の導通端131bは、ヒータ導入端子153に接続するリード線132に、碍子134の一方の導通端134bは、ヒータ導入端子153aに接続するリード線133に接続している。
碍子131の他方の導通端131aは接続用リード114を介してヒータ107の一端に電気的に接続し、碍子134の他方の導通端134aは接続用リード113を介してヒータ107の他端に電気的に接続している。
【0035】
ルツボ120は、孔を開けた底部124を有する円筒状の材料充填部121と、これとは別の、内部に押え凸部127が形成され、一端に円板状の押え板125を有する円筒状のシリンダ126とより構成されている。ルツボ120は、パイロリティックボロンナイトライド(単に、pBNともいう)より構成されており、例えば、材料充填部121の外径10〜15mm程度であり、長さは100mm程度であり、材料の肉厚は0.2〜0.5mm程度である。
【0036】
材料充填部121の開口部109側には、外径15〜20mmほどのツバ122が設けられている。材料充填部121の底部の孔の大きさ及びそれにつながる円筒状のガイド123の内径は、シリンダ126が容易に移動できる程度のクリアランスをもって設定されている。一方、シリンダ126の一端に設けられた押え板125の外径は、材料充填部の内径より、僅かに小さくしてあり、ガイド123に沿ってシリンダ126が移動するとき、材料充填部121内を容易に移動できる程度に設定されている。
【0037】
また、シリンダ126とフランジ104との間には、圧縮スプリング130が設けられている。スプリング130の内側の貫通部には熱電対保護管135と、一端がフランジ104に固定されているパイプ状のガイド128が配置されている。熱電対保護管135の先端部135aは押え板125に接触している。
【0038】
分子線として放射する材料は、予め、ルツボ120の材料充填部121に出し入れ容易な外径を有する円筒状のロッド状の固体材料110として形成しておく。ロッド状の固体材料110としては、Al,Zn、Mg,Cdなど必要に応じて形成できる。
固体材料110のルツボ120の材料充填部121へのセッティングは以下のように行われる。
【0039】
Taからなる円筒状のラディエーションシールド101内に、スペーサ108を介して、円筒状のTaからなるヒータ107を所定の位置に配置する。ラディエーションシールド101の一端をフランジ104に挿入して固定する。ヒータ107は、接続用リード114で導通端131aに、接続用リード113で導通端134aに予め接続されている。熱電対保護管135を貫通孔164、149に通す。このときスプリング138とストッパー137を保持材141とフランジ104の間に入れておく。次に、ルツボ120の材料充填部121の底部124の開口部に、スプリング130を挿入したシリンダ126を挿入し、スプリング130を先頭に、ガイド128に沿って、ヒータ107内に挿入する。
【0040】
次に、固体材料110を材料充填部121内に入れ、ロッド先端押え板105と共に押し込み、ルツボ120にツバ122が、ラディエーションシールド101に設けられているルツボ押さえ部106に当たると、ラディエーションシールド101に設けてある複数のルツボ固定用爪102を曲げて、ツバ106とロッド先端押え板105をルツボ押さえ部106に固定する。
【0041】
ここで、図3にも示すように、ロッド先端押さえ板105には、固体材料110の外径より大きい円状の開口部105aが設けられており、開口部105a側に、固体材料110を押えるための、例えば4箇所の保持部105bを設けてある。従って、固体材料110はその表面の位置をロッド先端押え板105の保持部105bによって規制されている。
【0042】
ここで、保持部105bと固体材料110との接触面積は小さくなるように、保持部105bの形状を爪状にしておくことにより、保持部105b直下の固体材料110から分子線が容易に放射して、均一に固体材料110を消費するようする。
一方、ルツボ120の一部を構成する押え板125を有するシリンダ126は、その押え凸部127とフランジ104との間に設けたスプリング130により、固体材料110をルツボ120の開口部109側に押し付けていることになる。
【0043】
あとは、熱電対保護管135に熱電対(リード線146,146)を奥まで挿入し、熱電対保護管135の先端部135aが常にルツボ120の押え板125にスプリング138の力で押し付けられて接触するように、ストッパ137の位置を調整してネジ止め固定する。
このようにして、固体材料110がルツボに充填された分子線発生装置は、大気圧になっている、真空室1のポート5に挿入され、フランジ151とフランジ39が密閉接続される。
【0044】
本実施例の分子線発生装置100は次のように動作する。
固体材料110のセットされた分子線発生装置100をポート5内に収容して、フランジ39とフランジ151を真空シールで接続する。
真空室1を排気し、基板6付基板ホルダ7を基板ホルダ装着部15に取り付け、基板6を所定の分子線発生装置100に対向させる。
分子線発生装置100では、ヒータ107に通電し、熱電対129で温度を検出して、固体材料110を所定の温度に制御保持する。
分子線流は、ルツボ120の開口部109にある固体材料110の材料表面111より、基板6に向った放射される。
【0045】
このとき、固体材料110はその底部をルツボ120の押え板125によって、ルツボ120の開口部109側に常に、スプリング130によって押されており、一方、材料表面111は、その外周側をロッド先端押え板105によって押えられているので、材料表面111から分子流が放射されて、材料が減っていっても、材料表面111の位置はロッド先端押え板105によって規制された位置を保つ。
【0046】
また、一回のエピタキシャル成長で放射する分子線量程度では、固体材料110の材料表面111が、上述の従来例で説明したような、表面の変化は顕著に起きないが、必要に応じて、回転導入部150の回転ハンドル156を180度時計周りに回動させてやることにより、最初に設定した材料表面111が水平でない場合に、水平になるように材料表面111からの分子流の放射を均一に保持することが出来る。また、次の処理の際には、反時計回りに回転ハンドル156を回し、材料表面111の位置を回してやればよい。
【0047】
なお、回転ハンドルには、180度の回転のみが可能なように、フランジ151には回転規制のためのストッパーを設けてあり、ヒータ108に接続するリード線132,133及び、熱電対のリード145,146が絡まることがないようにできるので、安定な分子線強度を得ることができる。
【0048】
一回のエピタキシャル成長ごとに、回転ハンドル156を180度回して、材料表面111の位置を変えてやることにより、この繰り返しで、材料表面111を常に基板6に対向するようにし、且つ、ロッド先端押え板105によって、常に材料表面111の位置を、基板6に対して一定距離に保つことが出来る。従って、分子線発生装置から放射する分子線強度を安定に保つことが出来るので、エピタキシャル成長前の分子線強度を設定するのに、従来においては、安定するまで多くの時間を必要としたが、その時間を短縮できるという工数削減ができ、また、エピタキシャル成長中に分子線強度が変化しないので、作製する材料の歩留まりも向上する。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の分子線発生装置によれば、ルツボの開口部側で、固体材料の前方表面位置を規制する規制部材と、前記開口部の対向位置であって、前記固体材料の後方位置より、前記固体材料を常時前記前方方向に付勢する付勢手段と、前記固体材料を略180度周方向に亘って往復動可動な回動手段とを有することにより、固体材料の蒸発によって放射される分子流の分子線強度を、蒸発の進行の度合いにかかわらず、一定に保持出来るようにすると共に、材料を効率的に使用できるようにして、良好なエピタキシャル成長を効率良く行うことの出来る分子線発生装置を提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分子線発生装置の実施例を示す構成図である。
【図2】図1に示すA部の拡大図である。
【図3】図1において、Bから見たロッド先端押え板を示す図である。
【図4】本発明の分子線発生装置の実施例を搭載した分子線エピタキシャル成長(MBE)装置を示す構成図である。
【図5】第1従来例の分子線発生装置を示す構成図である。
【図6】第1従来例の分子線発生装置を搭載した分子線エピタキシャル成長(MBE)装置を示す構成図である。
【図7】第1従来例の分子線発生装置において、固体材料を充填したルツボを示す図である。
【図8】第2従来例の分子線発生装置を示す構成図である。
【符号の説明】
1…真空室、2…液体窒素シュラウド、3…排気装置、4…ポート、5…ポート、6…基板、7…基板ホルダ、8…基板ホルダ回転部、9…回転軸、10…分子線発生装置(セル)、11…ゲートバルブ、12…ポート、13…ロードロック室、14a,14b,14c,14d…開口部、15…基板ホルダ装着部、18…固定板、19…絶縁碍子、20…分子線エピタキシャル成長(MBE)装置、21…ルツボ固定爪、22…ラディエーションシールド、22s…底部、23…ヒータ、24…保護管、25…絶縁支持棒、26…電流導入端子、27…熱電対導入端子、28…ヒータリード線、29…フランジ、30…ルツボ、31…ツバ、32…固体材料充填部、33…熱電対、34…固体材料、34a…固体材料、35,35a,35b,35c,35d…固体材料表面、36…中心軸、37…底部、38…開口部、39…フランジ、60…分子線発生装置、61…真空槽外壁、62…ヒータ、63…原料、64…ルツボ、65…セル、66…熱電対、67…支持棒、68…磁石、69磁石、70…ヒータ端子、71…熱電対用端子、72…材料表面、100…分子線発生装置(セル)、101…ラディエーションシールド、102…ルツボ固定用爪、104…フランジ、105…ロッド先端押さえ板、105a…開口部、105b…保持部、106…ルツボ押さえ部、107…ヒータ、108…スペーサ、109…開口部、110…固体材料、111…材料表面、113…接続用リード、114…接続用リード、120…ルツボ、121…材料充填部、122…ツバ、123…ガイド、124…底部、125…押え板、126…シリンダ、127…押え凸部、128…ガイド、129…熱電対、130…スプリング、131…碍子、131a,131b…導通端、132…リード線、133…リード線、134…碍子、134a,134b…導通端、135…熱電対保護管、135a…先端部、136…セル支柱、137…ストッパー、138…スプリング、141…保持材、142…保持材、143…回転軸、145…(熱電対)リード線、146…(熱電対)リード線、147…パイプ、148…ベアリング、149…貫通孔、150…回転導入部、151…フランジ、152…熱電対導入端子、153…ヒータ導入端子、154…ベアリング、155…ベローズ、156…回転ハンドル、157…止めネジ、158…フランジ、159…フランジ、160…パイプ、161…上面部、162…屈曲部、163…固定板、164…貫通孔。
Claims (1)
- ルツボに、ロッド状に形成した固体材料を装填し、前記ルツボを超高真空中で加熱することにより、前記ルツボの開口部より、前記固体材料の分子線を放射する分子線発生装置において、
前記ルツボの開口部側で、前記固体材料の前方表面位置を規制する規制部材と、
前記開口部の対向位置であって、前記固体材料の後方位置より、前記固体材料を常時前記前方方向に付勢する付勢手段と、
前記固体材料を略180度周方向に亘って往復動可動な回動手段とを有することを特徴とする分子線発生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003079719A JP2004288907A (ja) | 2003-03-24 | 2003-03-24 | 分子線発生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003079719A JP2004288907A (ja) | 2003-03-24 | 2003-03-24 | 分子線発生装置 |
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JP2004288907A true JP2004288907A (ja) | 2004-10-14 |
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ID=33293759
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JP2003079719A Pending JP2004288907A (ja) | 2003-03-24 | 2003-03-24 | 分子線発生装置 |
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JP (1) | JP2004288907A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4819879B2 (ja) * | 2005-04-22 | 2011-11-24 | ベネク・オサケユキテュア | ソース、ソースを取り付けるための構成、およびソースを取り付け取り出すための方法 |
-
2003
- 2003-03-24 JP JP2003079719A patent/JP2004288907A/ja active Pending
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