JP2004287690A - レストランの調理・配膳確認システムおよび調理・配膳確認プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】注文されたメニューのオーダー情報が入力されるオーダー入力部1と、入力されたオーダー情報を格納するオーダー状況記憶部2と、食器に付されたID情報と当該食器に盛りつけることが予め決定されている各メニューとの対応関係情報を格納しているメニューマスタ3と、調理済みのメニューが盛りつけられた食器が載置されて、当該食器のID情報を読み取るIDセンサー付配膳台105および客先テーブル107と、配膳台105またはテーブル107で読み取られた上記食器のID情報と、調理完了の上記メニューとの対応関係が正しいか否かを判定する厨房メニューチェック部5および客先監視部6とを備えている。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、レストランの配膳確認システムおよび配膳確認プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、レストランで用いられる皿にICチップを埋め込み、必要な情報をそれに記憶させるシステムが開発されつつある。従来のこの種のレストランの注文システムにおいては、オーダー入力端末により注文を受け付け、その内容を記憶装置に格納するとともに表示部に表示する。調理人は、その情報を基に必要な皿を出し、顧客の座席場所や料理名等の情報を、当該皿に埋め込まれている非接触型のICチップに書き込む。調理済みの料理は、前記皿に盛りつけられ、厨房の出口にあるICチップ読み込み部によって、ICチップに書き込まれた内容が読み取られ、接続された表示部に内容が表示される。フロア係は、その表示部に表示された情報を見て、料理を顧客に配膳する(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−240821号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のシステムは以上のように構成されているため、レストランにおいて最も負担が大きいとも言える調理人が、皿に設けられたICチップに対して、座席場所や料理名などの情報を入力しなければならないので、調理人の負荷が大きくなり、調理時間にも影響を及ぼす可能性があり、効率的ではないという問題点があった。
【0005】
また、従来のシステムにおいては、皿に設けられたICチップは、単に、フロア係に対して、注文客の座席場所と調理の終わった料理名とを表示するためにだけ用いられており、それほど有効活用されていないので、ICチップのコストや調理人によるICチップへの情報の入力等の負荷に対する効果の比率が低いという問題点があった。
【0006】
さらに、従来のシステムにおいては、ICチップに対して調理人が表示を見ながら情報を入力するので、情報を入力する人と調理を行う人とが同一人物であるため、調理人が勘違いしていた場合には、その誤りに気付かないため、調理ミスを防ぐことは出来ないという問題点があった。また、フロア係の配膳結果をICチップを用いて確認することは出来ないので、配膳ミスか否かのチェックを行うこともできないという問題点があった。
【0007】
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、レストランにおける調理ミスおよび配膳ミスを防ぐためのレストランの調理・配膳確認システムを得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、注文されたメニューのメニューナンバーと客席のテーブルナンバーとを含むオーダー情報が入力されるオーダー入力手段と、上記オーダー入力手段により入力されたオーダー情報を格納するオーダー状況記憶手段と、食器に付されたID情報と当該食器に盛りつけることが予め決定されている各メニューとの対応関係情報を格納しているメニューマスタ記憶手段と、厨房に設置され、調理済みのメニューが盛りつけられた食器が載置されて、当該食器のID情報を読み取る厨房用ID読み取り手段と、上記調理済みのメニューの調理完了信号が入力される完了入力手段と、上記メニューマスタ記憶手段に格納されている上記対応関係情報に基づいて、上記厨房用ID読み取り手段により読み取られた上記食器のID情報と、上記完了入力手段に上記調理完了信号が入力された上記メニューとの対応関係が正しいか否かを判定する第1の判定手段と、上記第1の判定手段により正しいと判定された場合に、上記ID情報を上記オーダー状況記憶手段が格納している上記オーダー情報に書き込むID情報書き込み手段とを備えた調理・配膳確認システムである。
【0009】
また、上記第1の判定手段により正しくないと判定された場合に、警告を発する第1の警告手段をさらに備えている。
【0010】
また、上記オーダー状況記憶手段は、上記オーダー情報の各メニューごとに、調理中、配膳中、食事中、下膳済の現在の状態を示す状態情報を有しているものであって、上記第1の判定手段により正しいと判定された場合に、上記状態情報を調理中から配膳中に更新する第1の更新手段をさらに備えている。
【0011】
また、客席のテーブルに設置され、調理済みのメニューが盛りつけられた上記食器が載置されて、当該食器のID情報を読み取る客席用ID読み取り手段と、上記オーダー状況記憶手段に格納されている上記オーダー情報に基づいて、上記客席用ID読み取り手段により読み取られた上記食器のID情報と、上記完了入力手段に上記調理完了信号が入力された上記メニューのテーブルナンバーとの対応関係が正しいか否かを判定する第2の判定手段とをさらに備えている。
【0012】
また、上記第2の判定手段により正しくないと判定された場合に、警告を発する第2の警告手段をさらに備えている。
【0013】
また、上記オーダー状況記憶手段は、上記オーダー情報の各メニューごとに上記配膳時刻情報をさらに有しているものであって、上記第2の判定手段により正しいと判定された場合に、上記状態情報を配膳中から食事中に更新するとともに、上記客席用ID読み取り手段により上記ID情報が読み取られた配膳時刻を上記配膳時刻情報として書き込む第2の更新手段をさらに備えている。
【0014】
また、上記オーダー状況記憶手段の上記状態情報が食事中になった後に、完了入力信号が入力されたメニューのテーブルナンバーとの関係が正しくないテーブルで上記食器のID情報が読み込まれた場合に警告を発する第3の警告手段をさらに備えている。
【0015】
また、上記メニューマスタ記憶手段は、各メニューの標準喫食時間情報をさらに有しているものであって、上記客席用ID読み取り手段により上記ID情報が読み取られた配膳時刻を起点として、上記標準喫食時間情報により、下膳予定時刻を演算する下膳予定時刻演算手段と、上記配膳時刻からの経過時間と上記下膳予定時刻とから、上記下膳予定時刻までの残り時間の少ない順に、テーブルナンバーを出力する空き予測手段とをさらに備えている。
【0016】
また、上記下膳予定時刻を過ぎた場合に警告を発する第4の警告手段をさらに備えている。
【0017】
また、上記オーダー状況記憶手段の上記オーダー情報が蓄積されたオーダー状況履歴を格納しているオーダー状況履歴記憶手段と、上記オーダー状況履歴を用いて所定の分析を行う分析手段とをさらに備えている。
【0018】
また、上記オーダー状況記憶手段は、そこに格納されている上記オーダー情報のうち、調理待ちのオーダー情報の調理優先順位をオーダー受付順に付与して、当該調理指示優先順位の情報を有しているものであって、上記オーダー状況記憶手段に格納されている上記オーダー情報のうち、調理待ちのオーダー情報が所定の個数以上あるか否かを判定する調理待ちオーダーチェック手段と、上記客席のテーブル上に載置されている食器の個数を検出して、食器の個数が最も多いテーブルのテーブルナンバーを出力するテーブルナンバー出力手段と、上記調理待ちオーダーチェック手段により調理待ちオーダーが所定の個数以上あると判定された場合に、上記テーブルナンバー出力手段から上記テーブルナンバーが入力されて、上記オーダー状況記憶手段に格納されている、当該テーブルの調理待ちのオーダー情報の上記調理指示優先順位を下げる調理優先順位変更手段とを備えている。
【0019】
また、この発明は、注文されたメニューのメニューナンバーと客席のテーブルナンバーとを含むオーダー情報が入力されるオーダー入力ステップと、上記オーダー入力ステップにより入力されたオーダー情報を格納するオーダー状況記憶ステップと、食器に付されたID情報と当該食器に盛りつけることが予め決定されている各メニューとの対応関係情報を格納しているメニューマスタ記憶ステップと、厨房に設置され、調理済みのメニューが盛りつけられた食器が載置されて、当該食器のID情報を読み取る厨房用ID読み取りステップと、上記調理済みのメニューの調理完了信号が入力される完了入力ステップと、上記メニューマスタ記憶ステップに格納されている上記対応関係情報に基づいて、上記厨房用ID読み取りステップにより読み取られた上記食器のID情報と、上記完了入力ステップで上記調理完了信号が入力された上記メニューとの対応関係が正しいか否かを判定する第1の判定ステップと、上記第1の判定ステップにより正しいと判定された場合に、上記ID情報を上記オーダー状況記憶手段が格納している上記オーダー情報に書き込むID情報書き込みステップと、客席のテーブルに設置され、調理済みのメニューが盛りつけられた上記食器が載置されて、当該食器のID情報を読み取る客席用ID読み取りステップと、上記オーダー状況記憶ステップに格納されている上記オーダー情報に基づいて、上記客席用ID読み取りステップにより読み取られた上記食器のID情報と、上記完了入力手段に上記調理完了信号が入力された上記メニューのテーブルナンバーとの対応関係が正しいか否かを判定する第2の判定ステップとをコンピュータに実行させるための調理・配膳確認プログラムである。
【0020】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明のレストランの配膳確認システムの全体の構成を示した説明図である。図1において、100は、フロア係が店内で携帯していて顧客からの注文(オーダー)を受けたときに顧客の座席場所、料理名および顧客情報等を入力するオーダー入力端末、101は配膳確認システムの動作の制御を行うコントローラ、102はオーダー入力端末100に入力されたオーダー情報に基づいて、調理人103に対する調理指示を表示するとともに、調理完了時に調理人によって調理完了入力が行われる調理指示画面である。なお、調理指示画面102には、原則としてオーダーを受付けた順に各オーダー情報が上から順に並んで表示されている。104はIDタグ付食器、105は、IDタグ付食器104のIDタグの情報を読み取るためのIDセンサー付配膳台、106はオーダー受けと配膳・下膳を行うフロア係、107はIDタグ付食器104のIDタグの情報を読み取るためのIDセンサー付テーブル、108は顧客、109は空きテーブルチェックや空き予測チェックのためにテーブル状況を表示するテーブル確認画面、110は記憶装置である。なお、テーブル確認画面109は、入店した顧客を座席に誘導するフロア係が参照できるように、店の入り口付近の会計レジ台付近に設けることが望ましい。
【0021】
動作について簡単に説明する。この実施の形態におけるすべての食器には、各食器固有のIDが記憶されたICタグ(以下、IDタグとする。)が取り付けられている。いずれの食器も、それに盛りつけ可能な1以上のメニューの候補が決められていて、各食器のIDタグの固有IDに対して、メニューに付与されているメニュー番号が予めリンクされて、記憶装置110に記憶されている(例えば、食器Aには、サラダと前菜が盛りつけ可能で、食器Bには、ピラフとパスタが盛りつけ可能、等。)。IDタグは食器のいずれの箇所に設けてもよいが、食器の利用方法を考慮すれば、食器の裏側に設けることが望ましい。このとき、フロア係106は、客席の顧客108から注文を聞き、携帯しているオーダー入力端末100に、座席場所、料理名、顧客情報(客数、客層)等のオーダー情報を入力する。入力されたオーダー情報は、オーダー入力端末100からコントローラ101に無線で送信され、コントローラ101の制御により、厨房に設置され、タッチパネル等により構成されている調理指示画面102に調理指示が表示される。
【0022】
その表示に基づいて、調理人103は、表示されているオーダー情報のメニューに合わせたIDタグ付食器104を用意するとともに、当該メニューの料理を調理する。調理が完了すると、調理指示画面102に調理完了信号を入力し、IDセンサー付配膳台105に、料理を盛りつけた当該食器104を置く。これにより、食器104のIDタグのIDと調理完了信号が入力された当該メニューとが、記憶装置110内のリンク情報(IDとメニューとの対応関係情報)に基づいて、コントローラ101により照合されて、NGの場合はエラー表示が調理指示画面102に表示され、一方、OKの場合は、当該オーダー情報に、食器104のIDを追加して、記憶装置110に格納する。
【0023】
次に、フロア係106が、OKと判断された調理完了メニューが盛りつけられた食器104を客席のIDセンサー付テーブル107に配膳する。配膳されると、IDセンサー付テーブル107は、IDタグ付食器104のIDタグ内のIDを読み出して、コントローラ101に送信する。コントローラ101は、これを受信して、先に記憶装置110に記憶させたオーダー情報に基づいて、配膳されたIDタグ付食器104が正しいテーブルに配膳されたか否かの判定を行い、NGの場合は、オーダー入力端末100にエラー表示を行うとともに、調理指示画面102およびテーブル確認画面109にエラー表示を行う。
【0024】
図2は、この発明のレストラン配膳確認システムの構成を示したブロック図である。図2において、1は、オーダー入力端末1を用いてオーダー情報が入力されるオーダー入力部、2は、オーダー入力部1により入力されたオーダー情報を格納するオーダー状況記憶部である。図3に、オーダー状況記憶部2に格納されているオーダー情報の一例を示す。オーダー状況記憶部2内に記憶されているオーダー情報は、図3に示すように、座席場所を示すテーブルナンバーと顧客情報(客数、客層(グループ、アベック、年配、子供連れ、会社員等の別))等のデータとから構成されるヘッダー情報と、注文を受けた各メニューのメニューナンバー、当該メニューが盛りつけられる食器のIDタグのID、現在の状態(空き、調理中、配膳中、食事中(配膳済)、下膳済の別)、各メニューの配膳時刻、下膳予定時刻、下膳時刻等から構成される明細情報とを含んでいる。なお、メニューナンバーとは、各メニューに対して付与された整理番号である。オーダーを受けた段階では、ヘッダー情報と明細情報中のメニューナンバーのみとが格納されており、他は、状況に応じて順次格納されていくものとする。
【0025】
図2において、3は、各メニューに関する情報が入力されているメニューマスタである。図4にメニューマスタの一例を示す。図4に示すように、メニューマスタ3には、各メニューのメニュー名、メニューナンバー、盛りつけ可能な全ての食器のIDタグのID、標準喫食時間、標準喫食時間に乗算するための客層別係数(例えば、会社員:0.8、子供連れ:1.5、年配:1、…)等のデータが含まれている。同一の形状の食器に複数のメニューが盛られる場合があるため、タグIDは重複していてもよいものとする。
【0026】
4は、顧客情報が格納されている客層マスタである。5は、厨房に設置された厨房メニューチェック部であり、オーダー入力部1により入力されたオーダー情報をオーダー状況記憶部2から読み出して調理指示優先順位の順に図1の調理指示画面102に調理指示を表示させるとともに、メニューの調理の完了入力を受けた時にIDセンサー付配膳台105により読み取った食器104のIDタグのIDと当該メニューのメニュー番号とを、メニューマスタ3を用いて照合することにより、調理ミスをチェックする。厨房メニューチェック部5には、IDセンサー付配膳台105と調理指示画面102とが接続されている。なお、調理指示画面102は、例えばタッチパネル等で構成され、調理指示を表示する表示部102aと、調理の完了入力が行われる完了入力部102bとを有している。6は、客席の状態の監視を行う客席監視部である。客席監視部6には、IDセンサー付テーブル107が接続されており、これによりテーブル107上の食器のIDタグのIDを読み取って、その情報を基に、オーダー状況記憶部2内の現在の状態、配膳時刻、下膳時刻のデータの書き込みを行うとともに、メニューマスタ3から予想喫食時間のデータを取り出して、これにより配膳時刻から下膳予定時刻を算出して、当該データの書き込みを行う。また、客席監視部6は、本来未着席のテーブルに食器が置かれた場合には、顧客108が当該メニューを食べ終わって近隣のテーブルに済んだ食器を置いたものと判断して、フロア係106に対してテーブルサービス指示を表示する。さらに、客席監視部6は、オーダー状況記憶部2内のデータを定期的に監視して、調理待ちオーダーが所定の個数以上たまって厨房に負荷がかかっている状態と判定した時には、テーブル上の食器が多いテーブルのテーブルナンバーを後述する調理優先順位変更手段に対して出力する。これにより、当該テーブルの未調理メニューの調理指示優先順位を下げられる。なお、通常時は、オーダー状況記憶部2内に格納されているオーダー情報のうち、調理待ちオーダーについては、オーダー受付順に自動的に調理指示優先順位が付されて、当該優先順位の情報もオーダー情報とともに格納されているものとする。また、テーブル上の食器の個数については、IDセンサー付テーブル107により実際の食器の個数を計測して求めてもよく、または、オーダー状況記憶部2内の現在の状態が、“配膳中”と“食事中”のメニューの個数を計測して求めてもよい。
【0027】
7は、オーダー状況記憶部2内のデータを定期的に監視して、空きテーブルチェックや空き予測チェックを行うオーダー状況チェック部である。空きテーブルチェックとは、各テーブルについて、着席済、オーダー済、未精算、かつ、オーダーされた料理が全て配膳済、下膳済であるかを表示してチェックすることである。空き予測チェックとは、空き待ちの客がいる場合、どのテーブルがどのくらいで空くかの予測を行うことである。すなわち、全てのメニューが配膳済のテーブルにおける配膳時間からの経過時間と標準喫食時間とを比較し、喫食終了予測時間の早い順にソートして表示する。オーダー状況チェック部7には、テーブル確認画面109が接続されており、当該表示を行う。図5に、テーブル確認画面109の一例を示す。テーブル確認画面109には、テーブルナンバー、客席数、客数、残時間(空き予測時間)が、各テーブルごとに表示されている。また、いずれかのテーブルを指定してクリックすることにより、ウインドウ109aが開いて、指定されたテーブルの各メニュー毎に予想喫食時間と配膳してからの経過時間と予想残時間とが表示される。テーブル確認画面109における残時間は、ウインドウ109aにおける各メニューの予想残時間のうちの最大値の値となっている。さらに、オーダー状況チェック部7は、オーダー状況記憶部2の内容を定期的に監視し、メニュー配膳時刻から喫食時刻を過ぎているものについては、フロア係106のオーダー入力端末100に下膳指示を出す。
【0028】
8は調理優先順位変更部であり、上述したように、客席監視部6から、調理待ちオーダーが所定の個数以上たまって厨房に負荷がかかっている状態の時に、テーブル上の食器が多いテーブルのテーブルナンバーが入力され、当該テーブルの未調理メニューの調理指示優先順位を下げるものである。9は、後述する分析部10の制御により、オーダー状況記憶部2から所定のタイミング(例えば、閉店後)でオーダー情報がまとめて送信され、それらを蓄積したオーダー状況履歴を格納しているオーダー状況履歴記憶部である。10は、オーダー状況履歴記憶部9のデータに基づいて、種々の分析を行う分析部である。分析部10の分析には、例えば、以下のものがある。
【0029】
(1)オーダーをとるときに、顧客情報を入力しておくことにより、顧客属性と喫食時間の統計がとれる。
(2)配膳から下膳までの時間とフロア係との相関関係を調べることによりフロア係の評価に結び付ける。
(3)配膳から下膳までの時間が長くなるケースを検証することによりフロア係の適正人数を算出する参考値にできる。
【0030】
動作について説明する。まずはじめに、レストランで使用する食器に各食器固有のIDを持つIDタグを取り付ける。各IDタグに対して、盛りつけるメニューのメニューナンバーをリンクさせ、図4に示したようなメニューマスタ3を生成する。次に、オーダー入力端末100を用いて、オーダー情報および顧客情報を入力し、オーダー入力部1によりオーダー状況記憶部2に格納する。これにより、厨房メニューチェック部5は、調理指示画面102に調理指示を表示させる。これに基づいて、調理人103は調理を行い、調理が完了したら、IDセンサ付配膳台105に当該メニューを置くとともに、完了入力部102bに完了入力を行う。これにより、配膳台105に置かれた食器のIDが読み取られ、調理完了入力されたメニューと食器のIDとを照合させて、正しいメニューかどうか(もしくは、完了入力を間違えていないか否か)をチェックする(このとき、メニュー毎に必ず異なる食器であれば確実に間違いをチェックすることができる。)。間違っていた場合には、厨房にアラーム音を出すか、あるいは、調理指示画面102に大きなメッセージを出すようにする。正しい場合には、当該メニューにIDをリンク付けし、オーダー状況記憶部2内のオーダー情報に、図3のメニューナンバー1のサラダAのように、ID(図3の例では“1234567”)を書き込む。同時に、現在の状態を“調理中”から“配膳中”に更新する。
【0031】
次に、厨房メニューチェック部5に接続されているプリンタ(図示省略)から、配膳台105に置かれた上記の調理完了のメニューについて、当該メニューのメニュー名と配膳すべきテーブルナンバーとが記載された配膳票が印字されて出力される。フロア係106は、当該配膳票に従って、配膳を行う。フロア係106が、食器104をIDセンサー付テーブル107に置いた時に、当該テーブル107は食器104のIDタグのIDを読み取り、当該IDを当該テーブル107のテーブルナンバーとともに客席監視部6に送信する。客席監視部6は、オーダー状況記憶部2内のオーダー情報を参照して、当該ID情報と調理完了入力のあったメニューのテーブルナンバーとの対応関係が正しいかを判定し、正しい食器104が置かれたか否かをチェックする。間違っている場合には、フロア係106が携帯しているオーダー入力端末100をバイブレータによって振動させるか、オーダー入力端末100にランプを付けておいてそれを光らせるか、もしくは、画面を光らせるか等して、フロア係106に間違いを通知して、正しい配膳を促す。正しい場合には、オーダー状況記憶部2内のオーダー情報の該当するメニュー(すなわち、メニューナンバー1のサラダA)の現在の状態を、図6に示すように、“配膳中”から“食事中”に更新する。また、それと同時に、IDセンサー付テーブル107によりID情報が読み取られた時刻(この例では、12:25)を配膳時刻として記録する。さらに、メニューマスタ3から当該メニューの標準喫食時間のデータを読み出すとともに、顧客の客層からその係数を選択して、下膳予定時刻を演算して記録する。すなわち、例えば、サラダAの標準喫食時間は、図4の例では、15分であり、顧客の客層が年配で、その係数が“1”とすると、15分×1=15分で、下膳予定時刻は、12:25+15分=12:40となる。
【0032】
次に、食事が終了して、食器104をフロア係106が下げると、そのときに、IDセンサー付テーブル107は、除かれた食器104のIDタグを読み取り、客席監視部6に送信する。客席監視部6は、オーダー状況記憶部2内のオーダー情報の該当するメニュー(サラダA)の現在の状態を、図7に示すように、“下膳済”に変更する。また、下膳時刻(この例では、12:55)を記録する。
【0033】
なお、上述の動作において、客席監視部6によって、調理待ちオーダーが所定の個数以上(例えば、10個)たまって厨房に負荷がかかっている状態であると判定された場合には、テーブル107上の食器が多いテーブルのテーブルナンバーが客席監視部6から調理優先順位変更部6に入力され、当該テーブルの未調理メニューの調理指示優先順位が下げられ、厨房メニューチェック部5を介して、調理指示優先順位が変更され、変更後の順位で、調理指示画面102の表示部102aに未調理の各メニューが表示される。調理優先順位変更部6による順位の繰り下げは、当該テーブルの未調理メニューの調理指示優先順位だけを、所定の数(例えば4位)だけ、繰り下げ、他のメニューについては、それに伴って、一部順位が繰り上げられる。例えば、当該テーブルの未調理メニューの調理指示優先順位が3位だったとすると、所定の数の4位繰り下げて、当該メニューの調理指示優先順位は、7位となる。これにより、4位だったメニューは3位になり、5位だったメニューは4位に、6位だったメニューは5位に、7位だったメニューは6位になる。
【0034】
また、オーダー状況履歴記憶部9は、分析部10の制御により、オーダー状況記憶部2から所定のタイミング(例えば、閉店後)でオーダー情報がまとめて送信され、それらを蓄積したオーダー状況履歴を格納しているので、分析部10は、オーダー状況履歴記憶部9のデータに基づいて、上述したような種々の分析を行う。例えば、客層ごとに各メニューの実際の喫食時間の統計をとることにより、設定する標準喫食時間および客層ごとの係数を修正することができる。また、配膳から下膳までの時間の統計をとってフロア係との相関関係を調べることにより、フロア係の評価を行うことができる。また、配膳から下膳までの時間が長くなるケースを検証することにより、フロア係の適正人数を算出することができる。このように、収集したデータを有効に活用することにより、レストランの効率化が図れる。さらには、配膳ミスや調理ミスの記録も残しておいて、それらの統計をとって、そのようなケースを検証することにより、ミスが発生する原因をつきとめて、改善を図ることも可能となる。
【0035】
また、上述の説明においては、食器のIDと各メニューとの対応関係情報を格納している手段として、メニューマスタ3を例に挙げて説明したが、その場合に限らず、食器のIDと各メニューとの対応関係情報が格納されていればよいので、図8に示すように、食器の各IDタグの固有IDに対して、盛りつけるメニューナンバーをすべて格納している食器マスタ13を用いるようにしてもよい。同一形状の食器に複数メニューが盛られる場合があるため、食器マスタ13は、図8に示すように、複数メニューを設定できるようにする。しかしながら、メニューごとに必ず異なる食器を用いるようにすれば、確実に間違いを防ぐことができる。
【0036】
以上のように、本発明の調理・配膳確認システムにおいては、食器にIDタグを付与しておき、各メニューと各食器との対応関係情報をメニューマスタに予め格納しておいて、厨房と客席の両方にIDセンサーを設けて、2ヶ所でIDタグのIDによるメニューの正誤の確認を行っているので、調理ミス、配膳ミスを防止することができる。特に、近くのテーブルで同一メニューを注文した際の間違いを防ぐことができる。
【0037】
【発明の効果】
この発明は、注文されたメニューのメニューナンバーと客席のテーブルナンバーとを含むオーダー情報が入力されるオーダー入力手段と、上記オーダー入力手段により入力されたオーダー情報を格納するオーダー状況記憶手段と、食器に付されたID情報と当該食器に盛りつけることが予め決定されている各メニューとの対応関係情報を格納しているメニューマスタ記憶手段と、厨房に設置され、調理済みのメニューが盛りつけられた食器が載置されて、当該食器のID情報を読み取る厨房用ID読み取り手段と、上記調理済みのメニューの調理完了信号が入力される完了入力手段と、上記メニューマスタ記憶手段に格納されている上記対応関係情報に基づいて、上記厨房用ID読み取り手段により読み取られた上記食器のID情報と、上記完了入力手段に上記調理完了信号が入力された上記メニューとの対応関係が正しいか否かを判定する第1の判定手段と、上記第1の判定手段により正しいと判定された場合に、上記ID情報を上記オーダー状況記憶手段が格納している上記オーダー情報に書き込むID情報書き込み手段とを備えた調理・配膳確認システムであるので、レストランにおける調理ミスおよび配膳ミスを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の調理・配膳確認システムの全体の構成を示した概略構成図である。
【図2】本発明の調理・配膳確認システムの構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の調理・配膳確認システムにおけるオーダー状況記憶部のデータの一例を示した説明図である。
【図4】本発明の調理・配膳確認システムにおけるメニューマスタのデータの一例を示した説明図である。
【図5】本発明の調理・配膳確認システムにおけるテーブル確認画面の一例を示した説明図である。
【図6】本発明の調理・配膳確認システムにおけるオーダー状況記憶部のデータの一例を示した説明図である。
【図7】本発明の調理・配膳確認システムにおけるオーダー状況記憶部のデータの一例を示した説明図である。
【図8】本発明の調理・配膳確認システムにおける食器マスタのデータの一例を示した説明図である。
【符号の説明】
1 オーダー入力部、2 オーダー状況記憶部、3 メニューマスタ、4 客層マスタ、5 厨房メニューチェック部、6 客席監視部、7 オーダー状況チェック部、8 調理優先順位変更部、9 オーダー状況履歴記憶部、10 分析部、100 オーダー入力端末、101 コントローラ、102 調理指示画面、102a 表示部、102b 完了入力部、103 調理人、104 食器、105 IDセンサー付配膳台、106 フロア係、107 IDサンサー付テーブル、108 顧客、109 テーブル確認画面、110 記憶装置。
Claims (12)
- 注文されたメニューのメニューナンバーと客席のテーブルナンバーとを含むオーダー情報が入力されるオーダー入力手段と、
上記オーダー入力手段により入力されたオーダー情報を格納するオーダー状況記憶手段と、
食器に付されたID情報と当該食器に盛りつけることが予め決定されている各メニューとの対応関係情報を格納しているメニューマスタ記憶手段と、
厨房に設置され、調理済みのメニューが盛りつけられた食器が載置されて、当該食器のID情報を読み取る厨房用ID読み取り手段と、
上記調理済みのメニューの調理完了信号が入力される完了入力手段と、
上記メニューマスタ記憶手段に格納されている上記対応関係情報に基づいて、上記厨房用ID読み取り手段により読み取られた上記食器のID情報と、上記完了入力手段に上記調理完了信号が入力された上記メニューとの対応関係が正しいか否かを判定する第1の判定手段と、
上記第1の判定手段により正しいと判定された場合に、上記ID情報を上記オーダー状況記憶手段が格納している上記オーダー情報に書き込むID情報書き込み手段と
を備えたことを特徴とする調理・配膳確認システム。 - 上記第1の判定手段により正しくないと判定された場合に、警告を発する第1の警告手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の調理・配膳確認システム。
- 上記オーダー状況記憶手段は、上記オーダー情報の各メニューごとに、調理中、配膳中、食事中、下膳済の現在の状態を示す状態情報を有しているものであって、
上記第1の判定手段により正しいと判定された場合に、上記状態情報を調理中から配膳中に更新する第1の更新手段をさらに備えている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の調理・配膳確認システム。 - 客席のテーブルに設置され、調理済みのメニューが盛りつけられた上記食器が載置されて、当該食器のID情報を読み取る客席用ID読み取り手段と、
上記オーダー状況記憶手段に格納されている上記オーダー情報に基づいて、上記客席用ID読み取り手段により読み取られた上記食器のID情報と、上記完了入力手段に上記調理完了信号が入力された上記メニューのテーブルナンバーとの対応関係が正しいか否かを判定する第2の判定手段と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の調理・配膳確認システム。 - 上記第2の判定手段により正しくないと判定された場合に、警告を発する第2の警告手段をさらに備えたことを特徴とする請求項4に記載の調理・配膳確認システム。
- 上記オーダー状況記憶手段は、上記オーダー状況記憶手段は、上記オーダー情報の各メニューごとに、調理中、配膳中、食事中、下膳済の現在の状態を示す状態情報を有しているとともに、上記オーダー情報の各メニューごとに上記配膳時刻情報をさらに有しているものであって、
上記第2の判定手段により正しいと判定された場合に、上記状態情報を配膳中から食事中に更新するとともに、上記客席用ID読み取り手段により上記ID情報が読み取られた配膳時刻を上記配膳時刻情報として書き込む第2の更新手段をさらに備えている
ことを特徴とする請求項4または5に記載の調理・配膳確認システム。 - 上記オーダ状況記憶手段の上記状態情報が食事中になった後に、完了入力信号が入力されたメニューのテーブルナンバーとの関係が正しくないテーブルで上記食器のID情報が読み込まれた場合に警告を発する第3の警告手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の調理・配膳確認システム。
- 上記メニューマスタ記憶手段は、各メニューの標準喫食時間情報をさらに有しているものであって、
上記客席用ID読み取り手段により上記ID情報が読み取られた配膳時刻を起点として、上記標準喫食時間情報により、下膳予定時刻を演算する下膳予定時刻演算手段と、
上記配膳時刻からの経過時間と上記下膳予定時刻とから、上記下膳予定時刻までの残り時間の少ない順に、テーブルナンバーを出力する空き予測手段と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の調理・配膳確認システム。 - 上記下膳予定時刻を過ぎた場合に警告を発する第4の警告手段をさらに備えたことを特徴とする請求項8に記載の調理・配膳確認システム。
- 上記オーダー状況記憶手段の上記オーダー情報が蓄積されたオーダー状況履歴を格納しているオーダー状況履歴記憶手段と、
上記オーダー状況履歴を用いて所定の分析を行う分析手段と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の調理・配膳確認システム。 - 上記オーダー状況記憶手段は、そこに格納されている上記オーダー情報のうち、調理待ちのオーダー情報の調理優先順位をオーダー受付順に付与して、当該調理指示優先順位の情報を有しているものであって、
上記オーダー状況記憶手段に格納されている上記オーダー情報のうち、調理待ちのオーダー情報が所定の個数以上あるか否かを判定する調理待ちオーダーチェック手段と、
上記客席のテーブル上に載置されている食器の個数を検出して、食器の個数が最も多いテーブルのテーブルナンバーを出力するテーブルナンバー出力手段と、
上記調理待ちオーダーチェック手段により調理待ちオーダーが所定の個数以上あると判定された場合に、上記テーブルナンバー出力手段から上記テーブルナンバーが入力されて、上記オーダー状況記憶手段に格納されている、当該テーブルの調理待ちのオーダー情報の上記調理指示優先順位を下げる調理優先順位変更手段と
を備えたことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の調理・配膳確認システム。 - 注文されたメニューのメニューナンバーと客席のテーブルナンバーとを含むオーダー情報が入力されるオーダー入力ステップと、
上記オーダー入力ステップにより入力されたオーダー情報を格納するオーダー状況記憶ステップと、
食器に付されたID情報と当該食器に盛りつけることが予め決定されている各メニューとの対応関係情報を格納しているメニューマスタ記憶ステップと、
厨房に設置され、調理済みのメニューが盛りつけられた食器が載置されて、当該食器のID情報を読み取る厨房用ID読み取りステップと、
上記調理済みのメニューの調理完了信号が入力される完了入力ステップと、
上記メニューマスタ記憶ステップに格納されている上記対応関係情報に基づいて、上記厨房用ID読み取りステップにより読み取られた上記食器のID情報と、上記完了入力ステップで上記調理完了信号が入力された上記メニューとの対応関係が正しいか否かを判定する第1の判定ステップと、
上記第1の判定ステップにより正しいと判定された場合に、上記ID情報を上記オーダー状況記憶手段が格納している上記オーダー情報に書き込むID情報書き込みステップと、
客席のテーブルに設置され、調理済みのメニューが盛りつけられた上記食器が載置されて、当該食器のID情報を読み取る客席用ID読み取りステップと、
上記オーダー状況記憶ステップに格納されている上記オーダー情報に基づいて、上記客席用ID読み取りステップにより読み取られた上記食器のID情報と、上記完了入力手段に上記調理完了信号が入力された上記メニューのテーブルナンバーとの対応関係が正しいか否かを判定する第2の判定ステップと
をコンピュータに実行させるための調理・配膳確認プログラム。
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