JP2004285487A - 扁平ガラス繊維束、熱可塑性組成物および熱可塑性成形物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】集束剤の不揮発成分により扁平ガラス繊維フィラメントが複数本束ねられた扁平ガラス繊維束であって、前記集束剤の不揮発成分は、ポリウレタン樹脂と、(メタ)アクリル酸エステル樹脂と、テトラエチレンペンタミンとステアリン酸との縮合物と、パラフィンワックスと、アミノ基含有シランカップリング剤と、を含むことを特徴とする扁平ガラス繊維束。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、扁平ガラス繊維束、熱可塑性樹脂組成物および熱可塑性樹脂成形物に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂は、それ単独では機械的強度や耐衝撃性等の特性が不充分である場合が多い。このため、構造部材に用いるような場合は、ガラス繊維チョップドストランド等のガラス繊維を添加して、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂(GFRTP)として用いることが一般的である(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】
特開2001−19496号公報(第16頁、表3)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のGFRTPは、耐衝撃性が不充分であることが多い。特に、ガラス繊維を添加する熱可塑性樹脂としてポリプロピレン等のポリオレフィン系熱可塑性樹脂を用いた場合には顕著となる。
【0004】
そこで、本発明の目的は、集束剤によりガラス繊維フィラメントが束ねられたガラス繊維束であって、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂と混合することによって得られるGFRTPの耐衝撃性を向上させることができるガラス繊維束を提供することにある。本発明の目的は、また、該ガラス繊維束を含む熱可塑性樹脂組成物およびこれを成形してなる熱可塑性樹脂成形物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記発明を達成するために、本発明は、集束剤の不揮発成分により扁平ガラス繊維フィラメントが複数本束ねられた扁平ガラス繊維束であって、集束剤の不揮発成分は、ポリウレタン樹脂と、(メタ)アクリル酸エステル樹脂と、テトラエチレンペンタミンとステアリン酸との縮合物と、パラフィンワックスと、アミノ基含有シランカップリング剤と、を含むことを特徴とする扁平ガラス繊維束を提供する。
【0006】
本発明の扁平ガラス繊維束は、これを構成する集束剤の不揮発成分を上記組成とするので、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂中で容易に扁平ガラス繊維フィラメントにまで解繊される。また、本発明の扁平ガラス繊維束は、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂に対するぬれ性に優れるので、該熱可塑性樹脂中でガラス繊維フィラメントを均一に分散させることができる。ここで、不揮発成分とは、125℃の加熱により揮発しない成分をいう。
【0007】
この場合、本発明の扁平ガラス繊維束を構成する集束剤の不揮発成分の重量は、扁平ガラス繊維フィラメントの全重量100重量部に対して、0.1〜2重量部であることが好ましい。
【0008】
集束剤の不揮発成分の重量をこのような範囲にすることにより、扁平ガラス繊維フィラメントが適度な力で結合する。このため、扁平ガラス繊維束とポリオレフィン系熱可塑性樹脂とを混合したとき、扁平ガラス繊維束は該熱可塑性樹脂中で容易に扁平ガラス繊維フィラメントにまで解繊される。集束剤の不揮発成分の重量が0.1重量部以下であると、ガラスチョップドストランドの製造時における紡糸の際、一度巻き取られたガラスストランドを引き出しながら切断するので、この時に毛羽が発生しやすく生産性が落ちる傾向にある。また、2重量部を越えると、扁平ガラス繊維フィラメントの結合力が大きくなりすぎ、扁平ガラス繊維束と該熱可塑性樹脂とを混合しても扁平ガラス繊維フィラメントにまで解繊することが困難になる場合がある。したがって、該熱可塑性樹脂中に扁平ガラス繊維フィラメントを均一に分散することができる。
【0009】
また、扁平ガラス繊維フィラメントの繊維長は、1〜15mmであることが好ましい。扁平ガラス繊維フィラメントの繊維長をこのような範囲にすることにより、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂との混合が容易となり、該熱可塑性樹脂中に扁平ガラス繊維フィラメントを均一に分散することができる。
【0010】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記扁平ガラス繊維束と、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂と、を含むことを特徴とするものである。
【0011】
本発明の扁平ガラス繊維束には、上記特定組成の集束剤の不揮発成分が付着しているので、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂中でガラス繊維フィラメントを均一に分散させることができる。また、ガラス繊維フィラメントの横断面形状は扁平であるので、横断面が円形であるときに比べて、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂との混合時にガラス繊維フィラメントが折れ難くなり、より長繊維のガラス繊維フィラメントをポリオレフィン系熱可塑性樹脂に分散させることが可能となる。したがって、ガラス繊維フィラメントによるポリオレフィン系熱可塑性樹脂の強化がより確実となり、強化樹脂の均一性も向上する。
【0012】
この場合、扁平ガラス繊維束の含有量は、熱可塑性樹脂組成物の100重量部に対して、5〜75重量部であることが好ましい。扁平ガラス繊維束の含有量をこのような範囲にすることにより、熱可塑性樹脂を成形して得られる扁平ガラス繊維強化熱可塑性樹脂成形物の耐衝撃性を更に向上させることができる。一般に、円形断面のガラス繊維フィラメントで構成されるガラス繊維束で強化されたガラス繊維強化熱可塑性樹脂成形物では、ガラス繊維束の含有量が30〜50重量部で最大の耐衝撃性があり、これ以上ガラス繊維束を含有させても耐衝撃性は低下する。しかし、本発明の熱可塑性樹脂成形物においては、ガラス繊維束の含有量が75重量部まで耐衝撃性の向上がみられる。したがって、ガラス繊維束の含有量が高い場合には、耐衝撃性に対する効果が特に大きい。
【0013】
本発明の熱可塑性樹脂成形物は、上記熱可塑性樹脂組成物を成形してなることを特徴とするものである。本発明の熱可塑性樹脂成形物は高い耐衝撃性を発揮する。このような高い衝撃性は、(1)ポリオレフィン系熱可塑性樹脂に対するぬれ性に優れた特定組成の集束剤を用いていること、(2)ガラス繊維フィラメントとして扁平ガラス繊維フィラメントを用いていること、(3)(1)および(2)の結果として、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂中で扁平ガラス繊維フィラメントが長い繊維長を保ちながら均一に分散していること、に起因するものと推測される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の扁平ガラス繊維束を構成する集束剤と扁平ガラス繊維フィラメントついて詳細に説明する。先ず、本発明の扁平ガラス繊維束を構成する集束剤の各成分について説明する。集束剤の各構成成分は、これらが奏する作用から皮膜形成剤、潤滑剤または表面処理剤に大別することができる。
【0015】
(ポリウレタン樹脂)
ポリウレタン樹脂は、集束剤のなかで皮膜形成剤として作用する。本発明に適用可能なポリウレタン樹脂は、集束剤の乾燥温度(室温〜150℃)において、扁平ガラス繊維フィラメント上に皮膜を形成可能なウレタン結合を有する樹脂である。かかるポリウレタン樹脂は、最低造膜温度が130℃以下(より好ましくは80℃以下、更に好ましくは50℃以下、特に好ましくは20℃以下)であることが好ましい。
【0016】
かかるポリウレタン樹脂は、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールまたはオレフィン系ポリオール等のポリオールと、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートまたは脂環式ポリイソシアネート等のポリイソシアネートとを任意の当量比で反応させて得ることができる。ポリウレタン樹脂の末端は、イソシアネート基でも水酸基であってもよい。また、これらの末端基は、公知の方法によりブロック化されていてもよい。一方、ポリウレタン樹脂の主鎖は、公知の方法による変性がなされていてもよい。
【0017】
((メタ)アクリル酸エステル樹脂)
(メタ)アクリル酸エステル樹脂も、集束剤のなかで皮膜形成剤として作用する。ここで、(メタ)アクリル酸エステル樹脂とは、アクリル酸エステル樹脂および/またはこれに対応するメタクリル酸エステル樹脂を意味する。
本発明に適用可能な(メタ)アクリル酸エステル樹脂は、集束剤の乾燥温度(室温〜150℃)において、扁平ガラス繊維フィラメント上に皮膜を形成可能なアクリル基および/またはメタクリル基を有する樹脂である。かかる(メタ)アクリル酸エステル樹脂は、(メタ)アクリル酸エステルの重合物または(メタ)アクリル酸エステルとこれと共重合可能なモノマーとの共重合物が好ましく、最低造膜温度が130℃以下(より好ましくは80℃以下、更に好ましくは50℃以下、特に好ましくは20℃以下)であることが好ましい。
【0018】
(メタ)アクリル酸エステルとしては、アルキル(メタ)アクリレート、シクロアルキル(メタ)アクリレート、芳香族(メタ)アクリレート、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール(メタ)アクリレートまたはプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートが挙げらる。(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能なモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、スチレンまたは酢酸ビニル等のビニルモノマーが挙げられる。なお、(メタ)アクリル酸エステルを単独で用いても、(メタ)アクリル酸エステルおよび共重合モノマーを上記から適宜組み合わせて用いてもよい。
【0019】
上述のように、ポリウレタン樹脂と(メタ)アクリル酸エステル樹脂は、ともに扁平ガラス繊維フィラメントの表面に被覆されると皮膜形成剤として作用する。皮膜形成剤は、複数の扁平ガラス繊維フィラメントの間に存在し、扁平ガラス繊維フィラメントを束ねるバインダとして機能する。
【0020】
本発明で用いられるポリウレタン樹脂および(メタ)アクリル酸エステル樹脂は、集束剤に含まれる水に溶解性および/または膨潤性を示すもの(以下、「水溶解性ポリウレタン樹脂」、「水溶解性(メタ)アクリル酸エステル樹脂」という。)であっても、水に対して溶解性や膨潤性を示さず水中で分散または乳化されるもの(以下、「水分散性ポリウレタン樹脂」、「水分散性(メタ)アクリル酸エステル樹脂」という。)であってもよい。本発明においては、同一固形分であっても低粘度化が可能であることから、水分散性ポリウレタン樹脂および水分散性(メタ)アクリル酸エステル樹脂が好ましい。また、水分散性ポリウレタン樹脂および水分散性(メタ)アクリル酸エステル樹脂は、エマルジョンまたはディスパージョンの形態で提供されるものであることが好ましい。
【0021】
(テトラエチレンペンタミンとステアリン酸との縮合物)
テトラエチレンペンタミンとステアリン酸との縮合物は、集束剤のなかで潤滑剤として作用する。本発明に適用可能なテトラエチレンペンタミンとステアリン酸との縮合物は、この縮合物に酢酸を加えpHを4.5〜5.5に調整した調整物(以下、該調整物における固形分を「TEPA/SA」と記す。)である。TEPA/SAにおけるテトラエチレンペンタミンとステアリン酸の反応比率はモル比として、前者/後者=1/1〜1/2が好ましい。
【0022】
(パラフィンワックス)
パラフィンワックスも、集束剤のなかで潤滑剤として作用する。本発明に適用可能なパラフィンワックスは、炭素数が20〜48の白色半透明ロウ状の結晶性固体であり、例えばJIS K 2235に規定する120パラフィン〜155パラフィンの8種類から適宜選択して使用することができる。
【0023】
上述のようにTEPA/SAとパラフィンワックスは、ともに潤滑剤として作用する。かかる潤滑剤を用いることにより、扁平ガラス繊維フィラメントが機械摩擦から保護される。
【0024】
本発明の扁平ガラス繊維束は、極性の低いポリオレフィン系熱可塑性樹脂と混合可能である。一般に、潤滑剤はガラス繊維を紡糸する工程において、糸切れや毛羽立ちを防止するために必要であるが、樹脂とガラス繊維とのぬれ性を悪化させる傾向がある。特に、混合する樹脂がポリプロピレン等の極性の低い熱可塑性樹脂である場合には、この傾向が顕著となる。このため、従来、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂とガラス繊維との接着性を著しく悪化させていた。この結果、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂の耐衝撃性が不充分となっていた。しかし、本発明の潤滑剤はTEPA/SAとパラフィンワックスとを組み合わせているため、ぬれ性を悪化させることがない。このため、ポリプロピレン等の極性の低いポリオレフィン系熱可塑性樹脂と扁平ガラス繊維との接着性を著しく悪化させることはない。したがって、成形物の耐衝撃性を向上させることができる。
【0025】
(アミノ基含有シランカップリング剤)
アミノ基含有シランカップリング剤は、集束剤のなかで表面処理剤として作用する。本発明に適用可能なアミノ基含有シランカップリング剤は、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等である。これらから適宜選択して使用することができる。
【0026】
シランカップリング剤は、ガラス繊維との反応性を有する加水分解性基と、熱可塑性樹脂との親和性を有する有機基とを有している。このため、扁平ガラス繊維束とポリオレフィン系熱可塑性樹脂との界面接着性を向上させることができる。
【0027】
(含有比)
集束剤における、皮膜形成剤(ポリウレタン樹脂および(メタ)アクリル酸エステル樹脂)、潤滑剤(TEPA/SAおよびパラフィンワックス)および表面処理剤(アミノ基含有シランカップリング剤)の各含有比率は、集束剤の全重量を基準として、それぞれ1〜10重量%、0.01〜1重量%、0.1〜2重量%であることが好ましく、この場合残部は水であることが好ましい。
【0028】
皮膜形成剤の含有比率が上記下限未満である場合には、扁平ガラス繊維フィラメントを集束する強度が不充分となる傾向がある。一方、上記上限値を越す場合には、扁平ガラス繊維束を含有する熱可塑性樹脂組成物を成形するときに、ガスが発生することがある。また、潤滑剤の含有比率が上記下限未満である場合には、扁平ガラス繊維フィラメントが機械摩擦等から充分に保護されなくなる傾向がある。一方、上記上限値を越す場合には、扁平ガラス繊維束と熱可塑性樹脂とのぬれ性が悪化する傾向があり、成形物の強度が低下することがある。また、ガラス繊維束を乾燥させた際に着色することがある。表面処理剤の含有比率が上記下限値未満である場合には、扁平ガラス繊維束とポリオレフィン系熱可塑性樹脂との界面接着性が不充分となることがある。一方、上記上限値を越す場合には、成形物の強度が低下することがある。
【0029】
なお、ポリウレタン樹脂100重量部に対する(メタ)アクリル酸エステル樹脂の配合量は、50〜300重量部が好ましい。また、TEPA/SA100重量部に対するパラフィンワックスの配合量は、400〜700重量部が好ましい。このような配合量とすることにより、集束剤の不揮発成分は、扁平ガラス繊維フィラメントに適度な力で結合する。また、扁平ガラス繊維束のポリオレフィン系熱可塑性樹脂に対するぬれ性が向上する。このため、扁平ガラス繊維フィラメントは、扁平ガラス繊維束から解繊されてポリオレフィン系熱可塑性樹脂中に均一に分散される。したがって、扁平ガラス繊維フィラメントによるポリオレフィン系熱可塑性樹脂の耐衝撃性の向上が、より確実となる。
【0030】
(任意の添加成分)
本発明の集束剤は、上述した必須成分に加えて、pH調整剤、帯電防止剤および乳化剤等の添加成分をさらに含んでいてもよい。また、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコールやその他有機溶剤を少量含有していてもよい。
【0031】
pH調整剤としては、酢酸等の弱酸が好ましく、pH調整剤の添加により集束剤のpHを3.0〜5.0に調整することが好ましい。かかるpH調整により、アミノ基含有シランカップリング剤の加水分解を促進することができる。
【0032】
帯電防止剤としては、ポリオキシエチレンアルキレンアミン、アルキルスルホネート、第4級アンモニウムクロライドが例示可能である。集束剤に帯電防止剤を添加することにより、扁平ガラス繊維フィラメントに生じる静電気の発生を低減させることができる。帯電防止剤の含有比率は、集束剤の不揮発成分の全重量を基準として、1〜3重量%が好ましい。
【0033】
乳化剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、脂肪族第4級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤、カルボキシベタイン等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンポリアルキルエーテル等のノニオン性界面活性剤等を用いることができる。乳化剤の含有比率は、集束剤の不揮発成分の全重量を基準として、0.5〜2重量%が好ましい。
【0034】
(集束剤の製造)
本発明に適用する集束剤は、以下のようにして製造することができる。まず、皮膜形成剤として作用するポリウレタン樹脂および(メタ)アクリル酸エステル樹脂の水性エマルジョンもしくはディスパージョンまたは水溶液を調整する。これに潤滑剤として作用するTEPA/SAおよびパラフィンワックス、表面処理剤として作用するアミノ基含有シランカップリング剤を添加する。なお、必要に応じて上記添加成分や有機溶剤等を加えることが好ましい。また、アミノ基含有シランカップリング剤はアルコール溶液として供給される場合がある。その場合には、アルコール成分を除去することなく添加することができる。
【0035】
(扁平ガラス繊維フィラメント)
次に、本発明の扁平ガラス繊維束を構成する扁平ガラス繊維フィラメントついて説明する。本発明において扁平ガラス繊維フィラメントとは、その断面形状が略だ円形、略長円形、略まゆ形等であって、扁平率が1.5〜8のガラス繊維フィラメントをいう。ここで、扁平率とは以下で定義される値である。すなわち、図1に示されるように、扁平ガラス繊維フィラメントの長手方向に対して直交する横断面Sに外接する最小面積の長方形Rを想定する。この長方形Rの長辺Raの長さA(繊維横断面の最長寸法に相当)を扁平ガラス繊維フィラメントの長径とする。一方、長方形Rの短辺Rbの長さBを扁平ガラス繊維フィラメントの短径とする。扁平率は、長辺の長さと短辺の長さの比、すなわちA/Bの値である。
【0036】
扁平率が1.5未満である場合には、円形断面のガラス繊維フィラメントと形状に大きな差がないため、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂と扁平ガラス繊維束とを混合するとき、分散性向上の効果が小さく樹脂中に残存する表面積も円形断面のガラス繊維フィラメントと差がない。このため、成形物の耐衝撃性があまり向上しない場合がある。一方、扁平率が8を越す場合には、該熱可塑性樹脂中におけるかさ密度が高くなるので、扁平ガラス繊維フィラメントを均一に分散できない場合がある。このため、成形物の耐衝撃性があまり向上しない場合がある。なお、扁平ガラス繊維フィラメントの扁平率は、2〜4が好ましい。扁平ガラス繊維フィラメントの繊維径は、扁平ガラス繊維フィラメントの断面積を電子顕微鏡写真等を元に求め、その求めた断面積と等しい断面積の円形断面ガラス繊維フィラメントの繊維径(円形換算繊維径)で表すことができ、この値は4〜18μmであることが好ましい。
【0037】
扁平ガラス繊維フィラメントの長手方向に対して直交する横断面の形状は、長円形または繭の形が好ましい。このような横断面形状を有する扁平ガラス繊維フィラメントは、例えば、所定の異形形状をした白金ノズル(ブッシング)から溶融ガラスを紡出させた後、冷却することにより製造することができる。
【0038】
扁平ガラス繊維フィラメントのガラス組成としては、例えば、Eガラス、Sガラス、Cガラス等が挙げられる。
【0039】
(扁平ガラス繊維束)
本発明の扁平ガラス繊維束は、上述の集束剤の不揮発成分により扁平ガラス繊維フィラメントが複数本束ねられたものである。すなわち、扁平ガラス繊維束は、複数の扁平ガラス繊維フィラメントと集束剤の不揮発成分とから構成されている。該不揮発成分は、上述のように複数の扁平ガラス繊維フィラメント間に存在し、扁平ガラス繊維フィラメントを束ねる接着剤(バインダ)として機能している。この場合において、不揮発成分は扁平ガラス繊維フィラメントの外周を連続または不連続膜として被覆し、扁平ガラス繊維フィラメントを保護する機能も有していることが好ましい。
【0040】
上記不揮発成分は、扁平ガラス繊維束の使用時に扁平ガラス繊維フィラメントを束状に保っているだけの強度を有していればよく、扁平ガラス繊維束中に一様に分布している必要はない。すなわち、扁平ガラス繊維フィラメント同士の接着性の観点からは、不揮発成分は扁平ガラス繊維束の外縁部から中心部へ向けて略均一の濃度で分布していることが好ましい。例えば、外縁部の濃度が高く中心部の濃度が低い場合であっても、扁平ガラス繊維フィラメントを保持できるので実用上問題とならない。したがって、かかる構成の扁平ガラス繊維束も本発明に適用可能である。
【0041】
集束剤の不揮発成分の重量は、扁平ガラス繊維束を構成する扁平ガラス繊維フィラメントの全重量100重量部に対して、0.1〜2重量部であることが好ましく、より好ましくは0.2〜1重量部である。集束剤の不揮発成分の重量が0.1重量部未満である場合には、ガラスチョップドストランドを製造する際、紡糸時巻き取られたガラスストランドを引き出しながら切断する工程で毛羽が発生しやすくなり、生産性が落ちる傾向にある。一方、2重量部を超す場合には、扁平ガラス繊維束が必要以上の力で結合される結果、該熱可塑性樹脂中における扁平ガラス繊維束から扁平ガラス繊維フィラメントへの解繊が悪化することがある。このため、該熱可塑性樹脂中に扁平ガラス繊維フィラメントが均一に分散することができず、成形物の強度が向上しないことがある。なお、揮発成分として水等を含有する場合には、水の重量は98重量部以上が好ましい。なお、揮発成分とは、125℃の加熱により揮発する成分をいう。
【0042】
扁平ガラス繊維束は、以下のようにして製造することができる。まず扁平ガラス繊維フィラメントにローラー型アプリケーターやベルト型アプリケーター等を用いて集束剤を塗布し、これを集束機で束ねる。次に、束ねられた扁平ガラス繊維フィラメントを室温〜150℃で乾燥し、水等の揮発成分を除去する。この場合、乾燥の前に必要に応じて加撚を施してもよい。なお、本発明の扁平ガラス繊維束の態様としては、扁平ガラス繊維ヤーン、扁平ガラス繊維ロービングが挙げられる。
【0043】
このような方法により得られる扁平ガラス繊維束は、長繊維である。本発明では、扁平ガラス繊維フィラメントの繊維長が数〜数十mmである扁平ガラス繊維束(以下、「短繊維長扁平ガラス繊維束」という。)も用いることができる。かかる繊維長の扁平ガラス繊維束を用いることにより、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂中における扁平ガラス繊維束の分散性が向上する。その結果、成形物の耐衝撃性を向上させることができる。
【0044】
短繊維長扁平ガラス繊維束の繊維長は1〜15mmであることが好ましく、より好ましくは1.5〜12mm、特に好ましくは3〜6mmである。かかる繊維長が1mm未満である場合には、短繊維長扁平ガラス繊維束の作製時に毛羽が発生してかさ高くなり生産性が低下する傾向にある。一方、15mmを越す場合には、短繊維長扁平ガラス繊維束同士が絡み合ってかさ高くなり生産性が低下する傾向にある。なお、短繊維長扁平ガラス繊維束は、上述の方法により長繊維の扁平ガラス繊維束を作製した後、かかる繊維束を所定の長さに切断することにより製造することができる。
【0045】
(熱可塑性樹脂組成物)
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上述の扁平ガラス繊維束とポリオレフィン系熱可塑性樹脂とから構成されている。
本発明においてポリオレフィン系熱可塑性樹脂とは、オレフィン重合体またはオレフィンと共重合モノマーとの共重合体をいい、極性の低い熱可塑性樹脂である。例えば、プロピレンとエチレン等のビニルモノマーとの共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。特に、プロピレンとビニルモノマーとの共重合体、ポリプロピレンが好ましい。
【0046】
極性の低いポリオレフィン系熱可塑性樹脂は、一般に、ガラス繊維とのぬれ性が悪い。しかし、本発明の扁平ガラス繊維束は特定組成からなる集束剤で束ねられているため、極性の低いポリオレフィン系熱可塑性樹脂とのぬれ性に優れている。また、本発明で用いる特定組成からなる集束剤は、扁平ガラス繊維束を扁平ガラス繊維フィラメントにまで容易に解繊できる。したがって、扁平ガラス繊維フィラメントは、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂中に均一に分散される。また、本発明の扁平ガラス繊維束のフィラメントの横断面形状は扁平であるため、扁平ガラス繊維束とポリオレフィン系熱可塑性樹脂とを混合するとき、該熱可塑性樹脂中で解繊された扁平ガラス繊維フィラメントが円形断面のガラス繊維フィラメントよりも折れにくくなる。したがって、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂中に残存する扁平ガラス繊維フィラメントの繊維長の平均値は、円形断面のガラス繊維フィラメントよりも長い。すなわち、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂とのぬれ性に優れた扁平ガラス繊維フィラメントが、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂に均一に分散している。
【0047】
実際の製造の容易さを考慮すると、扁平ガラス繊維束は、長繊維長よりも短繊維長の扁平ガラス繊維束を用いる方が好ましい。扁平ガラス繊維束の含有量は、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂組成物100重量部に対して、5〜75重量部であることが好ましく、より好ましくは20〜40重量部である。5重量部未満である場合には、成形物に対し耐衝撃性を充分付与できないことがある。一方、75重量部を越す場合には、該熱可塑性樹脂中で扁平ガラス繊維束が均一に分散できないことがあり、成形物に耐衝撃性を充分付与できないことがある。
【0048】
なお、熱可塑性樹脂組成物は、充填剤等の添加成分を更に含有していてもよい。また、本発明の熱可塑性樹脂組成物の形状は任意であるが、成形機への導入が容易であることからペレットとすることが好ましい。
【0049】
(熱可塑性樹脂成形物)
本発明の熱可塑性樹脂成形物は、上述の熱可塑性樹脂組成物を成形してなるものである。成形方法は、圧縮成形、射出成形または真空成形等の公知の成形方法を用いることができる。本発明の成形物は、例えば、ペレット化した上述の熱可塑性樹脂組成物を射出成形機のシリンダー内で加熱溶融した後、ノズルを通して金型に射出成形して得られる。なお、ペレット化した上述の熱可塑性樹脂組成物と他のポリオレフィン系熱可塑性樹脂とを混合した後、射出して成形物としてもよい。
【0050】
本発明者らは、このようにして得られた熱可塑性樹脂成形物(板状成形物)を詳細に分析したところ、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂中で扁平ガラス繊維フィラメントが、金型の注入口を中心として同心円状に分散していることを見出した。しかも、扁平ガラス繊維フィラメントの断面の長径方向は、成形物の表面と平行であった。すなわち、扁平ガラス繊維フィラメントは一定の方向に配向していると考えられる。また、成形物中に分散している扁平ガラス繊維フィラメントの繊維長は、円形断面のガラス繊維フィラメントより長い状態であった。これらのことから、熱可塑性樹脂成形物は高い耐衝撃性を有するものと、本発明者らは考えている。また、使用する熱可塑性樹脂はポリオレフィン系であることから、耐水性にも優れている。さらに、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂を用いた複合材料であるので、リサイクル可能である。
【0051】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施例についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0052】
〔集束剤の作製〕
(製造例)
酢酸を添加しpHを5に調製した水8kgに、アミノ基含有シランカップリング剤であるγ−アミノプロピルトリエトキシシラン(日本ユニカー社製、A1100)0.04kgを添加した。これに、ポリウレタン樹脂エマルジョン(大日本インキ化学工業社製:1930ALS、ポリウレタン樹脂濃度:40重量%)0.4kgと、(メタ)アクリル酸エステル樹脂エマルジョン(日本エスエヌシー社製:ヨドゾールAC31、(メタ)アクリル酸エステル樹脂濃度:40重量%)0.7kgとを添加し、室温で攪拌した。得られた溶液に、TEPA/SA(テトラエチレンペンタミンとステアリン酸とのモル比:前者/後者=1/2)0.01kgと、パラフィンワックス(吉村油化社製、スムーサーSW−45)0.06kgを添加した。最後に純水を添加して総重量10kgにして、集束剤を得た。
【0053】
〔扁平ガラス繊維束および短繊維長ガラス繊維束の作製〕
(実施例1)
上記製造例で得られた集束剤を、断面形状が略長円形で扁平率4の扁平ガラス繊維フィラメント400本からなる束(日東紡績株式会社製)に塗布し、125℃で乾燥して扁平ガラス繊維束を得た。なお、円形換算繊維径は、13μmであった。また、上記ガラス繊維フィラメント100重量部対して、集束剤の不揮発成分が0.77重量部付着するようにした。次に、得られた扁平ガラス繊維束を長さ3mmに切断し、短繊維長扁平ガラス繊維束(扁平ガラス繊維チョップドストランド)を作製した。
【0054】
(実施例2)
扁平ガラス繊維フィラメントの円形換算繊維径が17μm相当(短径7μm、長径28μm)とした以外は実施例1と同様にして、扁平ガラス繊維束を得た後、扁平ガラス繊維チョップドストランドを作製した。
【0055】
(実施例3)
扁平ガラス繊維フィラメントの断面形状が略まゆ形とした以外は実施例1と同様にして、扁平ガラス繊維束を得た後、扁平ガラス繊維チョップドストランドを作製した。
【0056】
〔ポリオレフィン系熱可塑性樹脂組成物の作製〕
(実施例4)
実施例1〜3で得られた扁平ガラス繊維チョップドストランドを、それぞれポリプロピレン(グランドポリマー社製、グランドポリプロJ105)及び変性ポリプロピレン(三井石油化学社製、アトマーQE800)を99:1の混合比で混合して作成したペレットにガラス含有率33%となるように混合し、エクストルーダーによりペレット化してポリオレフィン系熱可塑性樹脂組成物を得た。この場合、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂組成物100重量部中に、扁平ガラス繊維チョップドストランドはいずれも33重量部含まれていた。
【0057】
〔扁平ガラス繊維強化ポリオレフィン系熱可塑性樹脂成形物の作製〕
(実施例5)
実施例4で得られたペレットを射出成形機により扁平ガラス繊維強化ポリオレフィン系熱可塑性樹脂成形物を得た。
【0058】
(比較例1)
横断面形状が円形(扁平率1、繊維径13μm)であるガラス繊維フィラメントに製造例で得られた集束剤を塗布し、実施例1と同様にして、円形ガラス繊維束を得た。この円形ガラス繊維束を長さ3mmに切断し、円形ガラス繊維チョップドストランドを作製した。得られた円形ガラス繊維チョップドストランドとポリプロピレンとを混合し、実施例4と同様にしてペレット化したポリオレフィン系熱可塑性樹脂組成物を得た。得られたペレットを、実施例5と同様に射出成形しガラス繊維強化熱可塑性樹脂成形物を得た。
【0059】
〔ガラス繊維強化ポリオレフィン系熱可塑性樹脂成形物の性能試験〕
(アイゾット衝撃試験−ノッチあり)
実施例5および比較例1で得られたガラス繊維強化ポリオレフィン系熱可塑性樹脂成形物を用いて試験片を作製した。試験片の大きさは、長さ64mm、厚さ6.4mm、幅12.7mmとし、試験片の長手方向の中間部に切欠き部を作製した。切欠き部の大きさは、1.0mmの先端半径、2.5mmの深さとした。作製した試験片を、ASTM D256に準拠して衝撃試験を行った。なお、ハンマ持ち上げ角は150°、ハンマ容量は20kg・cmであった。試験結果を表1に示した。
【0060】
(アイゾット衝撃試験−ノッチなし)
実施例5および比較例1で得られたガラス繊維強化ポリオレフィン系熱可塑性樹脂成形物を用いて試験片を作製した。試験片の大きさは、長さ64mm、厚さ6.4mm、幅12.7mmとし、試験片に切欠き部は設けなかった。作製した試験片を、ASTM D256に準拠して衝撃試験を行った。なお、ハンマ持ち上げ角は150°、ハンマ容量は80kg・cmであった。試験結果を表1に示す。
【表1】
*1:kgf・cm/cm(単位)
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、集束剤によりガラス繊維フィラメントが束ねられた扁平ガラス繊維束であって、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂と混合することによって得られるガラス繊維強化熱可塑性樹脂の耐衝撃性を向上させることができるガラス繊維束を提供される。また、該ガラス繊維束を含む熱可塑性樹脂組成物およびこれを成形してなる熱可塑性樹脂成形物を提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】扁平ガラス繊維フィラメントの扁平率を説明するための図である。
【符号の説明】
S…扁平ガラス繊維フィラメントの横断面、R…扁平ガラス繊維フィラメントに外接する長方形、Ra…長方形の長辺、Rb…長方形の短辺。
Claims (6)
- 集束剤の不揮発成分により扁平ガラス繊維フィラメントが複数本束ねられた扁平ガラス繊維束であって、
前記不揮発成分は、ポリウレタン樹脂と、(メタ)アクリル酸エステル樹脂と、テトラエチレンペンタミンとステアリン酸との縮合物と、パラフィンワックスと、アミノ基含有シランカップリング剤と、を含むことを特徴とする扁平ガラス繊維束。 - 前記不揮発成分の重量は、前記扁平ガラス繊維フィラメントの全重量100重量部に対して、0.1〜2重量部であることを特徴とする請求項1に記載の扁平ガラス繊維束。
- 前記扁平ガラス繊維フィラメントの繊維長は、1〜15mmであることを特徴とする請求項1または2に記載の扁平ガラス繊維束。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の扁平ガラス繊維束と、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂と、を含むことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
- 前記扁平ガラス繊維束の含有量は、前記熱可塑性樹脂組成物の100重量部に対して、5〜75重量部であることを特徴とする請求項4に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項4または5に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなることを特徴とする熱可塑性樹脂成形物。
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