JP2004284790A - シート積載装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】積載トレイに積載されるシート(束)がそのシート下部側とシート積載面との間に隙間ができるように積載され、その隙間部分がシートについて検知する光透過型のセンサの検知領域内で発生した場合であっても、そのシートについて検知が正常になされ、安定したシート積載を行うことができるシート積載装置を提供する。
【解決手段】積載トレイ60のシート積載面61を含む領域であって光透過型のセンサ65、66の各発光部および受光部の間を結ぶ各光軸を遮断し得る部位に、そのシート積載面61の他の部位63に比べて高い突出部80、81を形成した。
【選択図】 図5
【解決手段】積載トレイ60のシート積載面61を含む領域であって光透過型のセンサ65、66の各発光部および受光部の間を結ぶ各光軸を遮断し得る部位に、そのシート積載面61の他の部位63に比べて高い突出部80、81を形成した。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートを積載するシート積載面を有する積載トレイを備えたシート積載装置に係り、特に、揃え処理、綴じ処理、折り処理等を行う手段を備えたシート処理装置や、そのシート処理装置を組み合わせて使用する複写機、プリンタ、複合機等の画像形成装置に適用可能なシート積載装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のシート積載装置を適用したシート処理装置では、例えば、その積載トレイに積載されるシートの上面が常に一定の高さとなるように、その積載されたシートの最上位シートの上面(積載されたシートの高さ)を光学式のセンサにて検知し、その検知結果に基づいて積載トレイを上下方向に所定量だけ昇降移動させるようにしている。そして、その光学式のセンサとしては、通常、発光部と受光部を積載トレイの両脇位置に対向するように配置し、その受光部および受光部の間の光がシートにより遮光されることで検知する光透過型のものが使用されている。
【0003】
また、このようなシートの上面が常に一定の高さとなるように積載トレイの位置を昇降移動させて制御するシート処理装置として、その積載トレイに少数枚もしくは1枚のシートを積載するときに積載トレイの動作回数を減らし、適正な積載トレイの高さに保つため積載トレイの停止位置をエリアにしたシート処理装置が提案されている(特許文献1)。
【0004】
この提案のシート処理装置は、図18に示すように、上下方向にずれた位置に積載トレイ100上のシートPの有無を検知する2つのセンサ(上方位置に配置される第1センサ205と、その下方位置に配置される第2センサ207)を設け、積載トレイ200を2つのセンサ205、207の間に位置するように移動させるとともに、第1センサ205がシートPを検知するまで積載トレイ200を昇降移動させないように制御するものである。
【0005】
また、この提案のシート処理装置では、同図bに示すように、積載トレイ200に積載されたシートの最上位シートPの後端部が本体100にもたれかかって変形した変形部Pxが形成されている場合に、その積載状態が良好ではないことを検知できるようにするため、第1センサ205について、その発光部205aに対して積載シート後端縁と平行な光軸L1となるように配置する受光部205bのほかに、その光軸L1と適度な角度をもつ光軸L1´となるように受光部205bより上方に配置する受光部205cとを有するものとしている。図中のL2は、第2センサ207の発光部207aと受光部206bを結ぶ光軸である。
【0006】
【特許文献1】特開2003−26369号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような提案のシート処理装置も含めた従来のシート積載装置にあっては、次のような課題がある。
【0008】
まず、図19に例示するように、積載トレイ200に積載したシート(束)Pが、当初よりカールにより変形していたり、あるいは傾斜するシート積載面201に積載されているため座屈するように膨らんで変形する等の理由により、そのシートPの積載下部側がシート積載面201との間に隙間K1を形成するように積載され、その隙間K1の発生部分がシートの高さを検知する高さ検知用センサ400の検知領域内で発生した場合には、積載トレイ60が高さ出し等のために昇降移動したときに、その高さ検知用センサ400における光軸が隙間K1を通過して予定外にもシートPによって遮光されなくなるため、シートが積載されているにもかかわらず積載シートPの高さを正常に検知することができなくなる。
【0009】
この結果、積載トレイ200が積載されるシートの高さを一定に保つように下降移動する制御が行われなくなる。そして、その状態でシートPの積載トレイ200への積載が続行されると、その下降移動しない積載トレイ200の上に異常な量のシートが高く積み重ねられ、その積載されるシートPが次第に排出ロール対500のあるシート排出口を立ち塞ぐような状態となり、ひいては後続のシートPnの排出ができずシート詰まり等のトラブルが発生してしまう。図中の符合450はシート取り除き検知用センサ、250は本体エンド壁である。
【0010】
また、図20に例示するように、高さ検知用センサ400とは別に積載トレイ200のシート積載面201から積載シートPが取り除かれることを検知するシート取り除き検知用センサ450が設けられている場合において、その高さ検知用センサ400は正常に検知動作がされて積載シートの高さも一定に保たれるように積載トレイ200が下降移動しているときであっても、以下のような現象が発生する。
【0011】
すなわち、その積載トレイ200に積載されているシート(束)Pが、前記したような同様の理由により、その積載下部側においてシート積載面201との間に隙間K2を形成するように積載され、その隙間K2の発生部分がシート取り除き検知用センサ450の検知領域内で発生した場合には、積載トレイ200が下降移動していくうちにシート取り除き検知用高さ検知用センサ450における光軸が隙間K2を通過してシートによって遮光されなくなるため、シートが取り除かれたと誤って検知してしまうことがある。この結果、積載トレイ200が積載作業の初期位置に戻ろうとして上昇移動を始め、その上昇中の積載トレイ200が高さ検知用センサ400の光軸を遮光して一定の時間が経過した後に停止する。しかる後、その積載トレイ200が下降して高さ検知用センサ400の光軸が受光した時点で、直ぐにまたは一定の時間が経過した後に停止するが、そのときに停止した位置はシート取り除き検知用センサ450が隙間K2を検知している位置になるため、以上の動作を同様に繰り返してしまうという問題が発生してしまう。
【0012】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その主な目的とするところは、積載トレイに積載されるシート(束)がそのシート下部側とシート積載面との間に隙間ができるように積載され、その隙間部分がシートについて検知する光透過型のセンサの検知領域内で発生した場合であっても、そのシートについて検知が正常になされ、安定したシート積載を行うことができるシート積載装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のシート積載装置は、装置本体に昇降動可能に取り付けられ、シートを積載するシート積載面を有する積載トレイと、この積載トレイのシート積載面に積載されるシートについて、そのトレイの両脇に位置する装置本体部分に対向して配置する発光部および受光部の間の光が当該シートにより遮光されることで検知する1つ又は複数の光透過型センサとを備えたシート積載装置において、前記積載トレイのシート積載面を含む領域であって前記センサの発光部および受光部の間を結ぶ光軸を遮断し得る部位に、そのシート積載面の他の部位に比べて高い突出部を形成したことを特徴とするものである。
【0014】
このようなシート積載装置によれば、積載トレイに積載されるシートがそのシート下部側とシート積載面との間に隙間ができるように積載され、その隙間部分がシートについて検知する光透過型のセンサの検知領域内で発生した場合であっても、その隙間を通過したセンサの光軸が積載トレイに形成された突出部により遮光された状態で維持されるため、センサはシートが存在するもの検知することになる。これにより、積載トレイに積載されているシートはその積載状態にかかわらず、その存在が正常に検知されるようになる。
【0015】
上記センサは、積載されるシートについて検知するものであればよく、例えば、積載シートの最上位のシート上面(高さ)を検知するセンサや、積載シートの積載トレイから取り除きの有無を検知するセンサ等として使用される。特に、積載シートの上面(高さ)を検知するセンサとシート取り除きを検知するセンサとを積載トレイの昇降方向に対して異なる位置にそれぞれ配置する場合には、その各センサに対応する上記突出部を形成する必要がある。
【0016】
上記突出部は、積載トレイのシート積載面のなか(リブがあれば、そのリブ部分でもよい)に形成するか、あるいは、そのシートが実際には積載(載置)されないトレイの脇部分の所定箇所に形成することができる。また、この突出部とシート積載面の他の部位との高さの差は、適宜設定することができるが、好ましくは10mm以下である。これは、突出部の上記高さの差が大きすぎると、シートのトレイへの積載時には用紙上面を検知するのに対し、シートの未積載時には突出部を検知するため、突出部が必要以上に高いとシートの未積載時に排出位置と積載トレイの段差が大きくなりシートの収容性不良等が発生してしまい、これを回避する必要があるからである。また、突出部をシート積載面に形成した場合には、その突出部の高さが高いほど積載されるシートに集中荷重がかかり、そのシートにダメージを与えてしまうことになる。このような観点からすれば、突出部はシート積載面を外したトレイの部位に形成するのが好ましい。なお、この場合には、その突出部を形成する部位を確保する必要がある分、積載トレイの幅を大きくしなければならないため、このような対応は装置の種々の制約によって採用できないこともある。
【0017】
また、上記シート積載装置において、その積載トレイに折り処理した折りシートを積載する場合、前記センサの少なくとも1つを、その積載トレイに積載される折りシートの折り部分を検知する位置に配置するとよい。これにより、その折り部分における発生しやすい隙間におけるセンサの光軸の透過による誤検知の発生を上記突出部の存在により防止することができ、積載される折りシートについて正確に検知することが可能となる。
【0018】
さらに、この折りシートの折り部分を検知するセンサは、その発光部および受光部を結ぶ光軸が前記シート積載面に対して傾斜するように配置するとよい。これにより、その傾斜する光軸が折りシートの折り部分に交差するような関係になるため、その光軸がその折り部分の隙間を単に通過して誤検知することを、より一層確実に防ぐことができるようになる。
【0019】
また、本発明のシート積載装置は、装置本体に昇降動可能に取り付けられ、折り処理した折シートを積載し得るシート積載面を有する積載トレイと、この積載トレイのシート積載面に積載されるシートについて、前記した同様の光透過型のセンサとを備えたシート積載装置において、前記センサを、前記積載トレイに積載される折りシートの折り部分を検知する位置に配置するとともに、その発光部および受光部を結ぶ光軸がそのシート積載面に対して傾斜するように配置したことを特徴とするものである。
【0020】
このシート積載装置によれば、積載トレイに折りシートを積載する場合に、前記したような突出部を形成することなく、センサによってその折り部分を的確に検知することができ、積載トレイに積載されている折りシートについての検知が正常になされる。
【0021】
【発明の実施の形態】
《実施の形態1》
図1は、本発明のシート積載装置を適用した実施の形態1に係る後処理装置を示すものである。この後処理装置1は、図示しない複写機、プリンタ等の画像形成装置のシート排出口がある側壁面側に接続するように配置し、その画像形成装置で画像が形成されて排出されるシート(用紙)Pについて必要により所望の後処理を施すために組み合わせて使用するものである。シートPは、Z字のようにシートの一端部を折り処理する折りシート(Pz)であってもよい。
【0022】
後処理装置1は、その処理対象となるシートPを装置筐体10内に導入して所定の部位まで導くシート搬送経路15と、このシート搬送経路15を通して搬送されるシートPを揃える揃え処理装置20と、この揃え処理装置20で揃えられたシートPの束を綴じる綴じ処理装置40と、シート搬送経路15を通して搬送されて排出されるシートPや揃え処理装置20等による処理を施した後に排出されるシートPを積載収容するスタックトレイ60とが装備されている。
【0023】
シート搬送経路15は、図2等に示すようにガイド部材16等により用紙Pの搬送通路として形成されている。この搬送経路15の所定箇所には、その搬送通路内にそって用紙Pを搬送するためのシート搬送ロール対17、18、…が複数配置されている。
【0024】
揃え処理装置20は、シート搬送経路15の終端部分となるシート送出ロール対18の近傍に設けられている。そして、この揃え処理装置20は、図2や図3に示すように、シート搬送経路15のうち筐体10の上部側壁面にあるシート排出口にむけて延びる終端部分に、その排出口にむけて上昇する斜面からなるシート積載面21aを有し、その積載面21aにシートPを一時的に積載収容する板状のコンパイルトレイ21と、このコンパイルトレイ21の下位端部側に配置される傾倒可能なエンド壁22にシートPを送り込んで揃えるようにシート表面に接触して回転するパドル23と、コンパイルトレイ21に収容されるシートPの排出方向側辺等を揃え基準壁24に押し付けるようにスライド移動して揃えるタンパ(揃え可動板)25等を備えている。
【0025】
図3中の符号26はタンパ25のスライドガイド孔、27はタンパ25の一部に固定されてタンパをスライド移動させるための溝付きの変位ベルト、28は変位ベルト27を所定方向に所定量だけ回転させるための正逆回転可能な駆動モータ、29はコンパイルトレイ21のシート積載面21aにおけるシートPの有無を検知するアクチュエータ式のセンサ(の一部)である。
【0026】
また、揃え処理装置20におけるコンパイルトレイ21のシート排出方向(矢印S方向)下流側の端部には、図2〜3に示すように、ロールニップの解除が可能な排出ロール対50が設けられている。この排出ロール対50は、そのトレイ端部に固定して設けられる第1ロール50aと、この第1ロール50aに当接してニップを形成するとともに上方に退避移動してそのニップを解除する第2ロール50bとで構成されている。この排出ロール対50は、シートがコンパイルトレイ21に積載される際にそのニップが解除された状態になる。
【0027】
また、コンパイルトレイ21のシート排出方向下流側端部の下面側には、図2〜4に示すように、そのトレイ端部から一時的に進退移動して出没する板状の補助トレイ30A,30Bが設けられている。これは、例えば揃え処理をするときなどに、コンパイルトレイ21上に積載されるシートPの排出方向先端部側が排出ロール対50よりも先に飛び出した状態になるシート部分を一時的に支えるためのものである(これにより、そのシート部分がスタックトレイ60にすでに積載されているシートに触れて積載状態を乱すことを防止することもできる)。
【0028】
補助トレイ30A,30Bは、そのトレイ基端部30b側がその下面側に延設された支持アーム部31を支持フレーム35の上記出没方向に沿う長いスライド溝35aに装着することでスライド可能に支持されているとともに、そのトレイ先端部30a側が排出ロールの第1ロール30aの回転軸51にスライド可能に載せられている。また、この補助トレイ30A,30Bはいずれも、その裏面に形成したラックギヤに正逆回転可能な駆動モータ32からの回転動力が動力伝達機構35と上記ラックギヤに噛む最終ギヤ34を介して伝達されることにより、両矢印方向にスライド移動してコンパイルトレイ21の前記端部側において出没するようになっている。図中の符号36は補助トレイ30の位置を検知するための光学センサである。
【0029】
この揃え処理装置20による揃え処理は、図6に示すように、シート搬出経路15から搬送されるシートPが送出ロール対18により1枚ずつコンパイルトレイ21上に放出されるように送り出されて積み重ねられ(同図a)、そのトレイ21に積まれるシートの1枚ごとにパドル23による送り込み動作とタンパ25による揃え動作が実施されることによって行われる(同図b、c)。この揃え処理は、予め設定される処理可能枚数のシートP(の束)に対して行うことができるようになっている。また、このコンパイルトレイ21にシートPが積載されて揃え処理等が行われる間は、図6に示すように補助トレイ30がトレイ21の排出方向下流側端部から突出した状態になる。
【0030】
綴じ処理装置40は、コンパイルトレイ21の下位端部側に設けられ、コンパイルトレイ21上に積載されるシートPの束をステープル針の打ち込みにより綴じ処理するステープラ41と、このステープラ41を綴じ処理部分に応じて移動させるスライド移動機構42とを備えている。
【0031】
この綴じ処理装置40による綴じ処理は、上記揃え処理が終了したコンパイルトレイ21上にある複数枚のシートPからなる束(シート束)に対してステープラ41がスライド移動機構52を介して綴じ位置まで移動して停止し、綴じ動作(ステープル針の打ち込み)を実行することにより行われる。この綴じ処理時には、傾倒式のエンド壁22が支軸22aを中心に下方に回動して綴じ処理動作の邪魔にならないよう倒れた状態となる。また、この際、コンパイルトレイ21上のシート束は排出ロール対50のニップに挟まれた状態で保持される。さらに、綴じ処理は、例えばシート束の2つある隅部(装置フロントF側の隅部、装置リアR側の隅部)の一方を綴じる「1ケ所綴じ」と、シート束の端部の2箇所を同時に綴じる「2ケ所綴じ」とができるようになっている。ステープラ41は、通常は装置フロント側に待機している。
【0032】
この後処理装置1では、シートPを上記の揃え処理および綴じ処理を行わないでスタッカートレイ60に直接排出して積載収容することができる。
【0033】
この場合には、図7に示すように前記排出ロール対の第2ロール50bが下降して第1ロール50aに当接してニップを形成した状態になる。これにより、シート搬出経路15から送出ロール対18により送り出されるシートPは、その送り方向先端部が排出ロール対50のニップに達するまでコンパイルトレイ21の積載面に接触した状態で送り出され(同図a)、排出ロール対50に到達した段階でそのニップにより保持されてスタッカートレイ60に搬送排出される(同図b)。このシートPのスタッカートレイ60への直接の排出積載が行われる間は、図7に示すように補助トレイ30がトレイ21の下面側に潜り込むように移動して格納された状態になる。
【0034】
また、上記綴じ処理を行わないで揃え処理のみを行ったシートの束をそのままの状態でスタッカートレイ60に排出して積載収容することもできる。
【0035】
この場合にも、図8に示すようにコンパイルトレイ21上での所定枚数のシートPの揃え処理が終了した後に排出ロール対の第2ロール50bが下降してシートPの束を第1ロール50aとの間で挟みこんだ状態になり、その状態で排出ロール対50の搬送力によりシートPの束がスタッカートレイ60上に排出されて積載される。このコンパイルトレイ21からのシート束の排出が行われる間は、図8に示すように補助トレイ30がトレイ21の下面側に潜り込むように移動して格納された状態になる。
【0036】
一方、揃え処理を行った後に綴じ処理装置40により綴じ処理を行ってからシートの束をスタッカートレイ60に排出して積載収容する場合には、コンパイルトレイ21上での所定枚数のシートPの揃え処理が終了した後に前述したようなステープラ41による綴じ処理が施される。この綴じ処理で綴じられたシート束は、上記したようにシート束として排出ロール対50の搬送力によりコンパイルトレイ21から排出されてスタッカートレイ60上に積載される(図8)。
【0037】
スタッカートレイ60は、図1〜2や図5に示すように、筐体10の側壁面のシート排出口より下方側の部位において、その積載するシートの量等に応じて上下方向(両矢印J方向)に昇降動するように取り付けられている。このスッタカートレイ60は、シートの積載に際しては、最初に、そのシート積載面60aがシート排出口から所定の距離だけ下方側に離れた位置関係になるように位置決めされる。その後、スッタカートレイ60は、シートが積載され始めると、その積載されたシート束の最上面の高さがシート排出口から所定の距離だけ離れた位置関係になるように所定量ずつ下降移動しながら位置決めされる。
【0038】
このようなスタッカートレイ60の位置決めは、後述するように、そのシート積載面61や積載したシート束の最上面の高さなどを光透過型のセンサ65,66、67等によって検知しながら行われる。
【0039】
このうち光透過型のセンサ65〜66は、シート高さ検知用とシート取り除き検知用として使用するものであり、図9に示すように、その検知用の光を発する発光部65a,66aとその光を受ける受光部65b,66bを、スタッカートレイ60の両脇の位置にあたる図示しない筐体(10)部分に対向して配置してなるものであり、その各光軸L1,L2がシート積載面61に積載されるシートPによって遮光されること(および遮光が解かれ透過すること)で検知を行うものである。
【0040】
また、このシート高さ検知用センサ65とシート取り除き検知用センサ66は、図2、5に示すようにスタックトレイ60のシート積載面61に対してトレイ60の昇降方向Jに沿う離間距離が、センサ66よりセンサ65の方が小さくなる位置関係で配置されている。これにより、スタックトレイ60が上昇したとき、そのトレイのシート積載面61は先にシート取り除き検知用センサ66を横切り、その後でシート高さ検知用センサ65を横切りことになる。
【0041】
また、上記センサ67は、後述するように折りシート(Pz)の折り部分を検知するものであり、センサ65、66と同様に、スタックトレイ60を挟んだ両脇の位置に対向配置される発光部および受光部にて構成されるものである。図2等における符号68はスタッカートレイ60の積載面61におけるシートの有無を検知するアクチュエータ式のセンサ、符号12はトレイ60に積載されるシートの排出方向後端部を係止するためのエンド側壁面であり、その上端部はコンパイルトレイ21の先端部と接近した位置まで設置されている。
【0042】
そして、この後処理装置1においては、図2、5、9〜11に示すように、スタックトレイ60のシート積載面61を含む領域であって前記センサ65、66の発光部65a,66aおよび受光部65b,66bの間を結ぶ光軸L1,L2を遮断し得る部位に、そのシート積載面61の他の部位に比べて高い第1突出部80および第2突出部81を形成している。
【0043】
この実施の形態では、図9に示すように、上記突出部80、81をスタックトレイ60のシート積載面61(図中の符合61X,62Yで示す範囲の交差する領域)の両側となる片側の脇部62に形成している。なお、この突出部80、81は、シート積載面61のシート排出方向Sにそって形成される複数のリブ63の所定部位に形成してもよい(図9参照)。この突出部80、81は、トレイ60とは異なる材質のもので形成してもよいが、ここではトレイ60と同質のプラスチック材料で一体成型している。
【0044】
また、上記突出部80、81は、シート積載面61の他の部位(特にその積載面のなかで最も高位となるリブ63)との高低差:Δhが2〜10mmとなるような高さに形成している。
【0045】
このような突出部80、81を形成した場合におけるスタックトレイ60の動作およびシートPの積載は、以下のように行われる。
【0046】
まず、シート積載前にスタックトレイ60に関する初期(シートが積載されていない状態)の積載位置の位置決め(高さ出し)が行われる。その初期の高さ出しは、図13に示すように、初めにスタックトレイ60を上昇させて高さ検知用センサ65を通過させて光軸L1を遮光させてから所定時間経過後に停止させた後、そのスタックトレイ60を高さ検知用センサ65により検知される(光軸L1が透過して受光されるとき)まで下降させる(同図a)。そして、そのセンサ65の検知がされてから所定の下降時間t1を経過した後に、スタクトレイ60を停止させる(同図b)。
【0047】
これにより、スタックトレイ60は、図10や図14に示すように、その第1突出部80が高さ検知用センサ65から所定の距離M1だけ下降した位置に止まった状態となり、初期の高さ出しが終了する。この際、シート取り除き検知用センサ66は、スタックトレイ60によりその光軸L2が遮光された状態にある。また、折りシートの折り部分検知用センサ67は、突出部81により光軸(L3)が遮光された状態にある。
【0048】
この初期の積載位置に停止しているスタックトレイ60に対してシートPの積載が行われる(図7b、図8b)。このとき、図10に示すようにスタックトレイ60に積載されたシートの下部側Pxがセンサ65の検知領域内においてカール変形等によりシート積載面61(リブ63)から浮いて隙間K1を形成するように積載された状態となり、その後にスタックトレイ60に引き続き用紙が積載されるが、かかる隙間K1が埋まらずセンサ65がその隙間K1を通過する場合があっても、第1突出部80により隙間K1が発生する領域が埋められる。すなわち、初期の積載位置で光軸L1が隙間K1を検知してしまう領域を抜けた位置にスタックトレイ60が位置するため誤検知することはない。
【0049】
この結果、センサ65によるシートの高さ検知が正常に行われるため、その後のスタックトレイ60の高さ出しも正常に行われるようになり、従来技術のごときシート積載時におけるトラブル(図19)が発生するおそれがない。
【0050】
そして、上記のシートの積載が継続されて、スタックトレイ60のシート積載面61上に積載されるシート(束)Pcの最上位シートが高さ検知用センサ65の光軸L1を遮光すると、シートが積載されているときのスタックトレイ60の高さ出しが行われる。すなわち、まず、スタックトレイ60が、図13cに示すように、そのセンサ65を遮光した時点から所定の下降時間t2だけ、そのシートPcを積載したスタックトレイ60が下降移動した後に停止する。この高さ出しが行われることにより、スタックトレイ60に積載されるシート最上面Pcが高さ検知用センサ65から一定の距離だけ離れた位置(高さ)に保たれることとなり、シートのスタックトレイ60への排出積載を良好に続行できるようになる。なお、このシート積載時の高さ出しにおける下降時間t2は、以下の理由により前記初期高さ出しにおける下降時間t1よりも長くなる条件(t2>t1)に設定している。つまり、この下降時間tを常に一定に設定した場合には、スタックトレイ60のシート未積載時における突出部80の高さを検知した時の実際のシート積載面61とシートが積載された時のシート上面Pcの高さが突出部80の高さ分だけ異なる。そこで、その突出部80の高さ分だけ停止時間を変えることで調整するようにしている。
【0051】
これにより、スタックトレイ60は、例えば図11や図15に示すように、そのシート(束)Pcの最上位シートが高さ検知用センサ65から所定距離M2だけ下降した位置に止まった状態となり、シート積載時の高さ出しが終了する。この際、シート取り除き検知用センサ66は、スタックトレイ60の第2突出部81によりその光軸L2が遮光された状態にある。また、折りシートの折り部分検知用センサ67は、その光軸(L3)を遮光するものがなく光が透過した状態にある。さらに、そのシートPcの上に後続のシートPdが積載されると(図15)、以上のシート積載時における高さ出し動作が同様に繰り返される。
【0052】
このシート積載時における高さ出しが終了した後やシート積載時において、スタックトレイ60にすでに積載されているシートPcがすべて取り除かれると、前記アクチュウエータ式のセンサ68(図5など)により検知されるか、あるいは、そのシートPcの上部にある一部のみが取り除かれると、シート取り除きセンサ66の光軸L2がシートPcの上部による遮光された状態から透過した状態になることで検知される。
【0053】
また、スタックトレイ60に積載されているシートPcの下部側Pxがセンサ66の検知領域内においてカール変形等によりシート積載面61(リブ63)から浮いて隙間K2を形成するように積載された状態となり、その後にスタックトレイ60が高さ出し等のために昇降移動してセンサ66がその隙間K2を通過する場合があっても、そのセンサ66の光軸L2が第2突出部81で遮光されるため、その隙間K2により光軸L1の遮光状態が解かれて誤検知することはない。
【0054】
この結果、センサ66によるシート取り除きの検知が正常に行われるため、スタックトレイ60が予定外の昇降移動をして従来技術のごときシート積載時におけるトラブル(図20)が発生するおそれがない。
【0055】
また、この後処理装置1では、図16に例示するように、前述したようなZ字状に折り処理された折りシート(Pz)をスタックトレイ60に積載することも可能である。
【0056】
これは、前記高さ検知用センサ65とは別に、折りシートPzの折り部分Eを検知するセンサ67をその折り部分Eを検知できる位置に配置していることにより実現されている。その折り部分Eを検知できる位置は、高さ検知用センサ65からシート積載面61のシート排出方向S下流側に所定距離だけ離れた位置である。実際には、その位置については、Z字状に折り処理できるシートPが限られているため、その折り処理されるときの折り部分のシート端部からの位置を予め計測し、その計測結果等に基づいて設定される。
【0057】
このような折りシートPzがスタックトレイ60のシート積載面61に積載されている場合、その折り部分Eに大きな隙間K3が発生することがある。このとき、その隙間K3の発生部分が折り部分検知用センサ67の検知領域内に存在すると、そのセンサ67の光軸(L3)がその隙間K3を通過してしまうおそれがある。しかし、この実施の形態では、スタックトレイ60に第2の突出部81を形成しているため、その隙間K3が折りシート(束)Pzの下部側とシート積載面61の間で形成された場合には、センサ67の光軸(L3)が第2の突出部81によって遮光されるようになる。この結果、その折り部分Eが存在しているものと検知される。
【0058】
なお、この折りシートPzの折り部分Eをセンサ67により、より一層正確に検知する観点からは、図17bに示すように、センサ67の発光部67aおよび受光部67bを結ぶ光軸L3がシート積載面61に対して所定の角度αだけ傾斜するように配置する。このような配置に関する構成は、前記第2突出部81を形成する場合もそれを形成しない場合のいずれでも採用することができる。この場合、光軸L3のシート積載面61に対する傾斜の角度αは1〜5°程度が好ましい。
【0059】
このように折り部分検知用センサ67を配置することにより、スタックトレイ60上の折りシートPzの折り部分Eに大きな隙間K3が存在している場合であっても、そのセンサ67の光軸L3がシート積載面61に対して傾斜しているため、その光軸L3が折り部分Eのいずれかの部分で交差して遮光されるようになる。これにより、大きな隙間K3が存在する折りシートPzの折り部分Eであっても正確に検知することができる。これに対し、図17aに示すようにセンサ67の光軸L3がシート積載面61と平行になるように、その発光部67aおよび受光部67bを配置した場合には、かかる光軸L3が折り部分Eの隙間K3を透過して誤検知されるおそれがある。なお、その折りシートPzの折り部分E以外の部分はそのシート高さがセンサ65によって検知される。
【0060】
この結果、スタックトレイ60に折りシート(Pz)を積載した場合であっても、その折りシート(Pz)をセンサ67等によって正確に検知することが可能となる。
【0061】
《他の実施の形態》
前記実施の形態1では、シート高さ検知用センサ65とシート取り除き検知用センサ66をスタックトレイ60の昇降移動方向Jに対して異なる位置に配置した場合について例示したが、その両センサ65、66をその昇降移動方向Jに対して同じ直線(同列)上の位置に配置してもよい。この場合には、第2突出部81は不要であり、第1突出部80のみを形成すればよい(なお、第2突出部81は折り部分検知用センサ67を設ける場合に必要であれば形成する)。
【0062】
また、前記実施の形態1では、本発明のシート積載装置を後処理装置1に適用し、その後処理装置をさらに画像形成装置に接続して使用する場合について例示したが、その後処理装置1を単独で使用することも可能である。また、本発明のシート積載装置は画像形成装置に直接組み込んで使用するように構成することも可能である。
【0063】
さらに、前記実施の形態1では、後処理手段として揃え処理装置20および綴じ処理装置40を装備する後処理装置を例示したが、孔開け処理装置、折り処理装置などの他の後処理手段をさらに装備するものであってもよい。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のシート処理装置によれば、積載トレイに積載されるシート(束)がそのシート下部側とシート積載面との間に隙間ができるように積載され、その隙間部分がシートについて検知する光透過型のセンサの検知領域内で発生した場合であっても、かかる隙間による弊害をなくすための突出部を積載トレイに形成するようにしたので、そのシートについて検知が正常になされ、安定したシート積載を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシート積載装置を適用した実施の形態に係る後処理装置を示す概略構成図。
【図2】図1の主要部分の状態(主に補助トレイが格納されているときの状態)を示す拡大説明図。
【図3】揃え処理装置を示す斜視図。
【図4】揃え処理装置の補助トレイを主に示す斜視図。
【図5】図1の主要部分の状態(主に補助トレイが突出しているときの状態)を示す拡大説明図。
【図6】揃え処理の状態を示す説明図。
【図7】スッタカートレイへの直接排紙の状態を示す説明図。
【図8】スッタカートレイへの用紙束排出の状態を示す説明図。
【図9】(a)はスタッカートレイと各センサなどの配置状態を示す概略平面図、(b)は(a)のQ−Q線に沿う概略断面図。
【図10】各センサと突出部との状態(初期の高さ出し状態)を示す要部拡大図。
【図11】各センサと突出部との状態(シート積載時における高さ出し状態)を示す要部拡大図。
【図12】突出部とシート積載面の他の部位(リブ)との高さ関係を示す説明図。
【図13】スタックトレイの各高さ出し動作の構成を示す説明図。
【図14】初期の高さ出し後のスタックトレイとセンサの状態を示す要部拡大図。
【図15】シート積載時における高さ出し後のスタックトレイとセンサの状態を示す要部拡大図。
【図16】スタックトレイに折りシートを積載したときの状態を示す要部拡大図。
【図17】折りシートの折り部分検知用センサの各構成例と検知状態を示す説明図。
【図18】従来のシート処理装置の要部を示す概略構成図。
【図19】積載トレイに積載されるシートの積載状態による不具合の1例を示す要部拡大図。
【図20】積載トレイに積載されるシートの積載状態による不具合の他例を示す要部拡大図。
【符号の説明】
1…後処理装置(シート積載装置)、50…排出ロール対(排出手段)、60…スタックトレイ(積載トレイ)、61…シート積載面、65,66,67…センサ(光透過型センサ)、65a,66a,67a…発光部、65b,66b,67b…受光部、80,81…突出部、P…シート、L1,L2,L3…光軸、Pz…折りシート、Δh…高低差(高さの差)、E…折り部分。
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートを積載するシート積載面を有する積載トレイを備えたシート積載装置に係り、特に、揃え処理、綴じ処理、折り処理等を行う手段を備えたシート処理装置や、そのシート処理装置を組み合わせて使用する複写機、プリンタ、複合機等の画像形成装置に適用可能なシート積載装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のシート積載装置を適用したシート処理装置では、例えば、その積載トレイに積載されるシートの上面が常に一定の高さとなるように、その積載されたシートの最上位シートの上面(積載されたシートの高さ)を光学式のセンサにて検知し、その検知結果に基づいて積載トレイを上下方向に所定量だけ昇降移動させるようにしている。そして、その光学式のセンサとしては、通常、発光部と受光部を積載トレイの両脇位置に対向するように配置し、その受光部および受光部の間の光がシートにより遮光されることで検知する光透過型のものが使用されている。
【0003】
また、このようなシートの上面が常に一定の高さとなるように積載トレイの位置を昇降移動させて制御するシート処理装置として、その積載トレイに少数枚もしくは1枚のシートを積載するときに積載トレイの動作回数を減らし、適正な積載トレイの高さに保つため積載トレイの停止位置をエリアにしたシート処理装置が提案されている(特許文献1)。
【0004】
この提案のシート処理装置は、図18に示すように、上下方向にずれた位置に積載トレイ100上のシートPの有無を検知する2つのセンサ(上方位置に配置される第1センサ205と、その下方位置に配置される第2センサ207)を設け、積載トレイ200を2つのセンサ205、207の間に位置するように移動させるとともに、第1センサ205がシートPを検知するまで積載トレイ200を昇降移動させないように制御するものである。
【0005】
また、この提案のシート処理装置では、同図bに示すように、積載トレイ200に積載されたシートの最上位シートPの後端部が本体100にもたれかかって変形した変形部Pxが形成されている場合に、その積載状態が良好ではないことを検知できるようにするため、第1センサ205について、その発光部205aに対して積載シート後端縁と平行な光軸L1となるように配置する受光部205bのほかに、その光軸L1と適度な角度をもつ光軸L1´となるように受光部205bより上方に配置する受光部205cとを有するものとしている。図中のL2は、第2センサ207の発光部207aと受光部206bを結ぶ光軸である。
【0006】
【特許文献1】特開2003−26369号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような提案のシート処理装置も含めた従来のシート積載装置にあっては、次のような課題がある。
【0008】
まず、図19に例示するように、積載トレイ200に積載したシート(束)Pが、当初よりカールにより変形していたり、あるいは傾斜するシート積載面201に積載されているため座屈するように膨らんで変形する等の理由により、そのシートPの積載下部側がシート積載面201との間に隙間K1を形成するように積載され、その隙間K1の発生部分がシートの高さを検知する高さ検知用センサ400の検知領域内で発生した場合には、積載トレイ60が高さ出し等のために昇降移動したときに、その高さ検知用センサ400における光軸が隙間K1を通過して予定外にもシートPによって遮光されなくなるため、シートが積載されているにもかかわらず積載シートPの高さを正常に検知することができなくなる。
【0009】
この結果、積載トレイ200が積載されるシートの高さを一定に保つように下降移動する制御が行われなくなる。そして、その状態でシートPの積載トレイ200への積載が続行されると、その下降移動しない積載トレイ200の上に異常な量のシートが高く積み重ねられ、その積載されるシートPが次第に排出ロール対500のあるシート排出口を立ち塞ぐような状態となり、ひいては後続のシートPnの排出ができずシート詰まり等のトラブルが発生してしまう。図中の符合450はシート取り除き検知用センサ、250は本体エンド壁である。
【0010】
また、図20に例示するように、高さ検知用センサ400とは別に積載トレイ200のシート積載面201から積載シートPが取り除かれることを検知するシート取り除き検知用センサ450が設けられている場合において、その高さ検知用センサ400は正常に検知動作がされて積載シートの高さも一定に保たれるように積載トレイ200が下降移動しているときであっても、以下のような現象が発生する。
【0011】
すなわち、その積載トレイ200に積載されているシート(束)Pが、前記したような同様の理由により、その積載下部側においてシート積載面201との間に隙間K2を形成するように積載され、その隙間K2の発生部分がシート取り除き検知用センサ450の検知領域内で発生した場合には、積載トレイ200が下降移動していくうちにシート取り除き検知用高さ検知用センサ450における光軸が隙間K2を通過してシートによって遮光されなくなるため、シートが取り除かれたと誤って検知してしまうことがある。この結果、積載トレイ200が積載作業の初期位置に戻ろうとして上昇移動を始め、その上昇中の積載トレイ200が高さ検知用センサ400の光軸を遮光して一定の時間が経過した後に停止する。しかる後、その積載トレイ200が下降して高さ検知用センサ400の光軸が受光した時点で、直ぐにまたは一定の時間が経過した後に停止するが、そのときに停止した位置はシート取り除き検知用センサ450が隙間K2を検知している位置になるため、以上の動作を同様に繰り返してしまうという問題が発生してしまう。
【0012】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その主な目的とするところは、積載トレイに積載されるシート(束)がそのシート下部側とシート積載面との間に隙間ができるように積載され、その隙間部分がシートについて検知する光透過型のセンサの検知領域内で発生した場合であっても、そのシートについて検知が正常になされ、安定したシート積載を行うことができるシート積載装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のシート積載装置は、装置本体に昇降動可能に取り付けられ、シートを積載するシート積載面を有する積載トレイと、この積載トレイのシート積載面に積載されるシートについて、そのトレイの両脇に位置する装置本体部分に対向して配置する発光部および受光部の間の光が当該シートにより遮光されることで検知する1つ又は複数の光透過型センサとを備えたシート積載装置において、前記積載トレイのシート積載面を含む領域であって前記センサの発光部および受光部の間を結ぶ光軸を遮断し得る部位に、そのシート積載面の他の部位に比べて高い突出部を形成したことを特徴とするものである。
【0014】
このようなシート積載装置によれば、積載トレイに積載されるシートがそのシート下部側とシート積載面との間に隙間ができるように積載され、その隙間部分がシートについて検知する光透過型のセンサの検知領域内で発生した場合であっても、その隙間を通過したセンサの光軸が積載トレイに形成された突出部により遮光された状態で維持されるため、センサはシートが存在するもの検知することになる。これにより、積載トレイに積載されているシートはその積載状態にかかわらず、その存在が正常に検知されるようになる。
【0015】
上記センサは、積載されるシートについて検知するものであればよく、例えば、積載シートの最上位のシート上面(高さ)を検知するセンサや、積載シートの積載トレイから取り除きの有無を検知するセンサ等として使用される。特に、積載シートの上面(高さ)を検知するセンサとシート取り除きを検知するセンサとを積載トレイの昇降方向に対して異なる位置にそれぞれ配置する場合には、その各センサに対応する上記突出部を形成する必要がある。
【0016】
上記突出部は、積載トレイのシート積載面のなか(リブがあれば、そのリブ部分でもよい)に形成するか、あるいは、そのシートが実際には積載(載置)されないトレイの脇部分の所定箇所に形成することができる。また、この突出部とシート積載面の他の部位との高さの差は、適宜設定することができるが、好ましくは10mm以下である。これは、突出部の上記高さの差が大きすぎると、シートのトレイへの積載時には用紙上面を検知するのに対し、シートの未積載時には突出部を検知するため、突出部が必要以上に高いとシートの未積載時に排出位置と積載トレイの段差が大きくなりシートの収容性不良等が発生してしまい、これを回避する必要があるからである。また、突出部をシート積載面に形成した場合には、その突出部の高さが高いほど積載されるシートに集中荷重がかかり、そのシートにダメージを与えてしまうことになる。このような観点からすれば、突出部はシート積載面を外したトレイの部位に形成するのが好ましい。なお、この場合には、その突出部を形成する部位を確保する必要がある分、積載トレイの幅を大きくしなければならないため、このような対応は装置の種々の制約によって採用できないこともある。
【0017】
また、上記シート積載装置において、その積載トレイに折り処理した折りシートを積載する場合、前記センサの少なくとも1つを、その積載トレイに積載される折りシートの折り部分を検知する位置に配置するとよい。これにより、その折り部分における発生しやすい隙間におけるセンサの光軸の透過による誤検知の発生を上記突出部の存在により防止することができ、積載される折りシートについて正確に検知することが可能となる。
【0018】
さらに、この折りシートの折り部分を検知するセンサは、その発光部および受光部を結ぶ光軸が前記シート積載面に対して傾斜するように配置するとよい。これにより、その傾斜する光軸が折りシートの折り部分に交差するような関係になるため、その光軸がその折り部分の隙間を単に通過して誤検知することを、より一層確実に防ぐことができるようになる。
【0019】
また、本発明のシート積載装置は、装置本体に昇降動可能に取り付けられ、折り処理した折シートを積載し得るシート積載面を有する積載トレイと、この積載トレイのシート積載面に積載されるシートについて、前記した同様の光透過型のセンサとを備えたシート積載装置において、前記センサを、前記積載トレイに積載される折りシートの折り部分を検知する位置に配置するとともに、その発光部および受光部を結ぶ光軸がそのシート積載面に対して傾斜するように配置したことを特徴とするものである。
【0020】
このシート積載装置によれば、積載トレイに折りシートを積載する場合に、前記したような突出部を形成することなく、センサによってその折り部分を的確に検知することができ、積載トレイに積載されている折りシートについての検知が正常になされる。
【0021】
【発明の実施の形態】
《実施の形態1》
図1は、本発明のシート積載装置を適用した実施の形態1に係る後処理装置を示すものである。この後処理装置1は、図示しない複写機、プリンタ等の画像形成装置のシート排出口がある側壁面側に接続するように配置し、その画像形成装置で画像が形成されて排出されるシート(用紙)Pについて必要により所望の後処理を施すために組み合わせて使用するものである。シートPは、Z字のようにシートの一端部を折り処理する折りシート(Pz)であってもよい。
【0022】
後処理装置1は、その処理対象となるシートPを装置筐体10内に導入して所定の部位まで導くシート搬送経路15と、このシート搬送経路15を通して搬送されるシートPを揃える揃え処理装置20と、この揃え処理装置20で揃えられたシートPの束を綴じる綴じ処理装置40と、シート搬送経路15を通して搬送されて排出されるシートPや揃え処理装置20等による処理を施した後に排出されるシートPを積載収容するスタックトレイ60とが装備されている。
【0023】
シート搬送経路15は、図2等に示すようにガイド部材16等により用紙Pの搬送通路として形成されている。この搬送経路15の所定箇所には、その搬送通路内にそって用紙Pを搬送するためのシート搬送ロール対17、18、…が複数配置されている。
【0024】
揃え処理装置20は、シート搬送経路15の終端部分となるシート送出ロール対18の近傍に設けられている。そして、この揃え処理装置20は、図2や図3に示すように、シート搬送経路15のうち筐体10の上部側壁面にあるシート排出口にむけて延びる終端部分に、その排出口にむけて上昇する斜面からなるシート積載面21aを有し、その積載面21aにシートPを一時的に積載収容する板状のコンパイルトレイ21と、このコンパイルトレイ21の下位端部側に配置される傾倒可能なエンド壁22にシートPを送り込んで揃えるようにシート表面に接触して回転するパドル23と、コンパイルトレイ21に収容されるシートPの排出方向側辺等を揃え基準壁24に押し付けるようにスライド移動して揃えるタンパ(揃え可動板)25等を備えている。
【0025】
図3中の符号26はタンパ25のスライドガイド孔、27はタンパ25の一部に固定されてタンパをスライド移動させるための溝付きの変位ベルト、28は変位ベルト27を所定方向に所定量だけ回転させるための正逆回転可能な駆動モータ、29はコンパイルトレイ21のシート積載面21aにおけるシートPの有無を検知するアクチュエータ式のセンサ(の一部)である。
【0026】
また、揃え処理装置20におけるコンパイルトレイ21のシート排出方向(矢印S方向)下流側の端部には、図2〜3に示すように、ロールニップの解除が可能な排出ロール対50が設けられている。この排出ロール対50は、そのトレイ端部に固定して設けられる第1ロール50aと、この第1ロール50aに当接してニップを形成するとともに上方に退避移動してそのニップを解除する第2ロール50bとで構成されている。この排出ロール対50は、シートがコンパイルトレイ21に積載される際にそのニップが解除された状態になる。
【0027】
また、コンパイルトレイ21のシート排出方向下流側端部の下面側には、図2〜4に示すように、そのトレイ端部から一時的に進退移動して出没する板状の補助トレイ30A,30Bが設けられている。これは、例えば揃え処理をするときなどに、コンパイルトレイ21上に積載されるシートPの排出方向先端部側が排出ロール対50よりも先に飛び出した状態になるシート部分を一時的に支えるためのものである(これにより、そのシート部分がスタックトレイ60にすでに積載されているシートに触れて積載状態を乱すことを防止することもできる)。
【0028】
補助トレイ30A,30Bは、そのトレイ基端部30b側がその下面側に延設された支持アーム部31を支持フレーム35の上記出没方向に沿う長いスライド溝35aに装着することでスライド可能に支持されているとともに、そのトレイ先端部30a側が排出ロールの第1ロール30aの回転軸51にスライド可能に載せられている。また、この補助トレイ30A,30Bはいずれも、その裏面に形成したラックギヤに正逆回転可能な駆動モータ32からの回転動力が動力伝達機構35と上記ラックギヤに噛む最終ギヤ34を介して伝達されることにより、両矢印方向にスライド移動してコンパイルトレイ21の前記端部側において出没するようになっている。図中の符号36は補助トレイ30の位置を検知するための光学センサである。
【0029】
この揃え処理装置20による揃え処理は、図6に示すように、シート搬出経路15から搬送されるシートPが送出ロール対18により1枚ずつコンパイルトレイ21上に放出されるように送り出されて積み重ねられ(同図a)、そのトレイ21に積まれるシートの1枚ごとにパドル23による送り込み動作とタンパ25による揃え動作が実施されることによって行われる(同図b、c)。この揃え処理は、予め設定される処理可能枚数のシートP(の束)に対して行うことができるようになっている。また、このコンパイルトレイ21にシートPが積載されて揃え処理等が行われる間は、図6に示すように補助トレイ30がトレイ21の排出方向下流側端部から突出した状態になる。
【0030】
綴じ処理装置40は、コンパイルトレイ21の下位端部側に設けられ、コンパイルトレイ21上に積載されるシートPの束をステープル針の打ち込みにより綴じ処理するステープラ41と、このステープラ41を綴じ処理部分に応じて移動させるスライド移動機構42とを備えている。
【0031】
この綴じ処理装置40による綴じ処理は、上記揃え処理が終了したコンパイルトレイ21上にある複数枚のシートPからなる束(シート束)に対してステープラ41がスライド移動機構52を介して綴じ位置まで移動して停止し、綴じ動作(ステープル針の打ち込み)を実行することにより行われる。この綴じ処理時には、傾倒式のエンド壁22が支軸22aを中心に下方に回動して綴じ処理動作の邪魔にならないよう倒れた状態となる。また、この際、コンパイルトレイ21上のシート束は排出ロール対50のニップに挟まれた状態で保持される。さらに、綴じ処理は、例えばシート束の2つある隅部(装置フロントF側の隅部、装置リアR側の隅部)の一方を綴じる「1ケ所綴じ」と、シート束の端部の2箇所を同時に綴じる「2ケ所綴じ」とができるようになっている。ステープラ41は、通常は装置フロント側に待機している。
【0032】
この後処理装置1では、シートPを上記の揃え処理および綴じ処理を行わないでスタッカートレイ60に直接排出して積載収容することができる。
【0033】
この場合には、図7に示すように前記排出ロール対の第2ロール50bが下降して第1ロール50aに当接してニップを形成した状態になる。これにより、シート搬出経路15から送出ロール対18により送り出されるシートPは、その送り方向先端部が排出ロール対50のニップに達するまでコンパイルトレイ21の積載面に接触した状態で送り出され(同図a)、排出ロール対50に到達した段階でそのニップにより保持されてスタッカートレイ60に搬送排出される(同図b)。このシートPのスタッカートレイ60への直接の排出積載が行われる間は、図7に示すように補助トレイ30がトレイ21の下面側に潜り込むように移動して格納された状態になる。
【0034】
また、上記綴じ処理を行わないで揃え処理のみを行ったシートの束をそのままの状態でスタッカートレイ60に排出して積載収容することもできる。
【0035】
この場合にも、図8に示すようにコンパイルトレイ21上での所定枚数のシートPの揃え処理が終了した後に排出ロール対の第2ロール50bが下降してシートPの束を第1ロール50aとの間で挟みこんだ状態になり、その状態で排出ロール対50の搬送力によりシートPの束がスタッカートレイ60上に排出されて積載される。このコンパイルトレイ21からのシート束の排出が行われる間は、図8に示すように補助トレイ30がトレイ21の下面側に潜り込むように移動して格納された状態になる。
【0036】
一方、揃え処理を行った後に綴じ処理装置40により綴じ処理を行ってからシートの束をスタッカートレイ60に排出して積載収容する場合には、コンパイルトレイ21上での所定枚数のシートPの揃え処理が終了した後に前述したようなステープラ41による綴じ処理が施される。この綴じ処理で綴じられたシート束は、上記したようにシート束として排出ロール対50の搬送力によりコンパイルトレイ21から排出されてスタッカートレイ60上に積載される(図8)。
【0037】
スタッカートレイ60は、図1〜2や図5に示すように、筐体10の側壁面のシート排出口より下方側の部位において、その積載するシートの量等に応じて上下方向(両矢印J方向)に昇降動するように取り付けられている。このスッタカートレイ60は、シートの積載に際しては、最初に、そのシート積載面60aがシート排出口から所定の距離だけ下方側に離れた位置関係になるように位置決めされる。その後、スッタカートレイ60は、シートが積載され始めると、その積載されたシート束の最上面の高さがシート排出口から所定の距離だけ離れた位置関係になるように所定量ずつ下降移動しながら位置決めされる。
【0038】
このようなスタッカートレイ60の位置決めは、後述するように、そのシート積載面61や積載したシート束の最上面の高さなどを光透過型のセンサ65,66、67等によって検知しながら行われる。
【0039】
このうち光透過型のセンサ65〜66は、シート高さ検知用とシート取り除き検知用として使用するものであり、図9に示すように、その検知用の光を発する発光部65a,66aとその光を受ける受光部65b,66bを、スタッカートレイ60の両脇の位置にあたる図示しない筐体(10)部分に対向して配置してなるものであり、その各光軸L1,L2がシート積載面61に積載されるシートPによって遮光されること(および遮光が解かれ透過すること)で検知を行うものである。
【0040】
また、このシート高さ検知用センサ65とシート取り除き検知用センサ66は、図2、5に示すようにスタックトレイ60のシート積載面61に対してトレイ60の昇降方向Jに沿う離間距離が、センサ66よりセンサ65の方が小さくなる位置関係で配置されている。これにより、スタックトレイ60が上昇したとき、そのトレイのシート積載面61は先にシート取り除き検知用センサ66を横切り、その後でシート高さ検知用センサ65を横切りことになる。
【0041】
また、上記センサ67は、後述するように折りシート(Pz)の折り部分を検知するものであり、センサ65、66と同様に、スタックトレイ60を挟んだ両脇の位置に対向配置される発光部および受光部にて構成されるものである。図2等における符号68はスタッカートレイ60の積載面61におけるシートの有無を検知するアクチュエータ式のセンサ、符号12はトレイ60に積載されるシートの排出方向後端部を係止するためのエンド側壁面であり、その上端部はコンパイルトレイ21の先端部と接近した位置まで設置されている。
【0042】
そして、この後処理装置1においては、図2、5、9〜11に示すように、スタックトレイ60のシート積載面61を含む領域であって前記センサ65、66の発光部65a,66aおよび受光部65b,66bの間を結ぶ光軸L1,L2を遮断し得る部位に、そのシート積載面61の他の部位に比べて高い第1突出部80および第2突出部81を形成している。
【0043】
この実施の形態では、図9に示すように、上記突出部80、81をスタックトレイ60のシート積載面61(図中の符合61X,62Yで示す範囲の交差する領域)の両側となる片側の脇部62に形成している。なお、この突出部80、81は、シート積載面61のシート排出方向Sにそって形成される複数のリブ63の所定部位に形成してもよい(図9参照)。この突出部80、81は、トレイ60とは異なる材質のもので形成してもよいが、ここではトレイ60と同質のプラスチック材料で一体成型している。
【0044】
また、上記突出部80、81は、シート積載面61の他の部位(特にその積載面のなかで最も高位となるリブ63)との高低差:Δhが2〜10mmとなるような高さに形成している。
【0045】
このような突出部80、81を形成した場合におけるスタックトレイ60の動作およびシートPの積載は、以下のように行われる。
【0046】
まず、シート積載前にスタックトレイ60に関する初期(シートが積載されていない状態)の積載位置の位置決め(高さ出し)が行われる。その初期の高さ出しは、図13に示すように、初めにスタックトレイ60を上昇させて高さ検知用センサ65を通過させて光軸L1を遮光させてから所定時間経過後に停止させた後、そのスタックトレイ60を高さ検知用センサ65により検知される(光軸L1が透過して受光されるとき)まで下降させる(同図a)。そして、そのセンサ65の検知がされてから所定の下降時間t1を経過した後に、スタクトレイ60を停止させる(同図b)。
【0047】
これにより、スタックトレイ60は、図10や図14に示すように、その第1突出部80が高さ検知用センサ65から所定の距離M1だけ下降した位置に止まった状態となり、初期の高さ出しが終了する。この際、シート取り除き検知用センサ66は、スタックトレイ60によりその光軸L2が遮光された状態にある。また、折りシートの折り部分検知用センサ67は、突出部81により光軸(L3)が遮光された状態にある。
【0048】
この初期の積載位置に停止しているスタックトレイ60に対してシートPの積載が行われる(図7b、図8b)。このとき、図10に示すようにスタックトレイ60に積載されたシートの下部側Pxがセンサ65の検知領域内においてカール変形等によりシート積載面61(リブ63)から浮いて隙間K1を形成するように積載された状態となり、その後にスタックトレイ60に引き続き用紙が積載されるが、かかる隙間K1が埋まらずセンサ65がその隙間K1を通過する場合があっても、第1突出部80により隙間K1が発生する領域が埋められる。すなわち、初期の積載位置で光軸L1が隙間K1を検知してしまう領域を抜けた位置にスタックトレイ60が位置するため誤検知することはない。
【0049】
この結果、センサ65によるシートの高さ検知が正常に行われるため、その後のスタックトレイ60の高さ出しも正常に行われるようになり、従来技術のごときシート積載時におけるトラブル(図19)が発生するおそれがない。
【0050】
そして、上記のシートの積載が継続されて、スタックトレイ60のシート積載面61上に積載されるシート(束)Pcの最上位シートが高さ検知用センサ65の光軸L1を遮光すると、シートが積載されているときのスタックトレイ60の高さ出しが行われる。すなわち、まず、スタックトレイ60が、図13cに示すように、そのセンサ65を遮光した時点から所定の下降時間t2だけ、そのシートPcを積載したスタックトレイ60が下降移動した後に停止する。この高さ出しが行われることにより、スタックトレイ60に積載されるシート最上面Pcが高さ検知用センサ65から一定の距離だけ離れた位置(高さ)に保たれることとなり、シートのスタックトレイ60への排出積載を良好に続行できるようになる。なお、このシート積載時の高さ出しにおける下降時間t2は、以下の理由により前記初期高さ出しにおける下降時間t1よりも長くなる条件(t2>t1)に設定している。つまり、この下降時間tを常に一定に設定した場合には、スタックトレイ60のシート未積載時における突出部80の高さを検知した時の実際のシート積載面61とシートが積載された時のシート上面Pcの高さが突出部80の高さ分だけ異なる。そこで、その突出部80の高さ分だけ停止時間を変えることで調整するようにしている。
【0051】
これにより、スタックトレイ60は、例えば図11や図15に示すように、そのシート(束)Pcの最上位シートが高さ検知用センサ65から所定距離M2だけ下降した位置に止まった状態となり、シート積載時の高さ出しが終了する。この際、シート取り除き検知用センサ66は、スタックトレイ60の第2突出部81によりその光軸L2が遮光された状態にある。また、折りシートの折り部分検知用センサ67は、その光軸(L3)を遮光するものがなく光が透過した状態にある。さらに、そのシートPcの上に後続のシートPdが積載されると(図15)、以上のシート積載時における高さ出し動作が同様に繰り返される。
【0052】
このシート積載時における高さ出しが終了した後やシート積載時において、スタックトレイ60にすでに積載されているシートPcがすべて取り除かれると、前記アクチュウエータ式のセンサ68(図5など)により検知されるか、あるいは、そのシートPcの上部にある一部のみが取り除かれると、シート取り除きセンサ66の光軸L2がシートPcの上部による遮光された状態から透過した状態になることで検知される。
【0053】
また、スタックトレイ60に積載されているシートPcの下部側Pxがセンサ66の検知領域内においてカール変形等によりシート積載面61(リブ63)から浮いて隙間K2を形成するように積載された状態となり、その後にスタックトレイ60が高さ出し等のために昇降移動してセンサ66がその隙間K2を通過する場合があっても、そのセンサ66の光軸L2が第2突出部81で遮光されるため、その隙間K2により光軸L1の遮光状態が解かれて誤検知することはない。
【0054】
この結果、センサ66によるシート取り除きの検知が正常に行われるため、スタックトレイ60が予定外の昇降移動をして従来技術のごときシート積載時におけるトラブル(図20)が発生するおそれがない。
【0055】
また、この後処理装置1では、図16に例示するように、前述したようなZ字状に折り処理された折りシート(Pz)をスタックトレイ60に積載することも可能である。
【0056】
これは、前記高さ検知用センサ65とは別に、折りシートPzの折り部分Eを検知するセンサ67をその折り部分Eを検知できる位置に配置していることにより実現されている。その折り部分Eを検知できる位置は、高さ検知用センサ65からシート積載面61のシート排出方向S下流側に所定距離だけ離れた位置である。実際には、その位置については、Z字状に折り処理できるシートPが限られているため、その折り処理されるときの折り部分のシート端部からの位置を予め計測し、その計測結果等に基づいて設定される。
【0057】
このような折りシートPzがスタックトレイ60のシート積載面61に積載されている場合、その折り部分Eに大きな隙間K3が発生することがある。このとき、その隙間K3の発生部分が折り部分検知用センサ67の検知領域内に存在すると、そのセンサ67の光軸(L3)がその隙間K3を通過してしまうおそれがある。しかし、この実施の形態では、スタックトレイ60に第2の突出部81を形成しているため、その隙間K3が折りシート(束)Pzの下部側とシート積載面61の間で形成された場合には、センサ67の光軸(L3)が第2の突出部81によって遮光されるようになる。この結果、その折り部分Eが存在しているものと検知される。
【0058】
なお、この折りシートPzの折り部分Eをセンサ67により、より一層正確に検知する観点からは、図17bに示すように、センサ67の発光部67aおよび受光部67bを結ぶ光軸L3がシート積載面61に対して所定の角度αだけ傾斜するように配置する。このような配置に関する構成は、前記第2突出部81を形成する場合もそれを形成しない場合のいずれでも採用することができる。この場合、光軸L3のシート積載面61に対する傾斜の角度αは1〜5°程度が好ましい。
【0059】
このように折り部分検知用センサ67を配置することにより、スタックトレイ60上の折りシートPzの折り部分Eに大きな隙間K3が存在している場合であっても、そのセンサ67の光軸L3がシート積載面61に対して傾斜しているため、その光軸L3が折り部分Eのいずれかの部分で交差して遮光されるようになる。これにより、大きな隙間K3が存在する折りシートPzの折り部分Eであっても正確に検知することができる。これに対し、図17aに示すようにセンサ67の光軸L3がシート積載面61と平行になるように、その発光部67aおよび受光部67bを配置した場合には、かかる光軸L3が折り部分Eの隙間K3を透過して誤検知されるおそれがある。なお、その折りシートPzの折り部分E以外の部分はそのシート高さがセンサ65によって検知される。
【0060】
この結果、スタックトレイ60に折りシート(Pz)を積載した場合であっても、その折りシート(Pz)をセンサ67等によって正確に検知することが可能となる。
【0061】
《他の実施の形態》
前記実施の形態1では、シート高さ検知用センサ65とシート取り除き検知用センサ66をスタックトレイ60の昇降移動方向Jに対して異なる位置に配置した場合について例示したが、その両センサ65、66をその昇降移動方向Jに対して同じ直線(同列)上の位置に配置してもよい。この場合には、第2突出部81は不要であり、第1突出部80のみを形成すればよい(なお、第2突出部81は折り部分検知用センサ67を設ける場合に必要であれば形成する)。
【0062】
また、前記実施の形態1では、本発明のシート積載装置を後処理装置1に適用し、その後処理装置をさらに画像形成装置に接続して使用する場合について例示したが、その後処理装置1を単独で使用することも可能である。また、本発明のシート積載装置は画像形成装置に直接組み込んで使用するように構成することも可能である。
【0063】
さらに、前記実施の形態1では、後処理手段として揃え処理装置20および綴じ処理装置40を装備する後処理装置を例示したが、孔開け処理装置、折り処理装置などの他の後処理手段をさらに装備するものであってもよい。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のシート処理装置によれば、積載トレイに積載されるシート(束)がそのシート下部側とシート積載面との間に隙間ができるように積載され、その隙間部分がシートについて検知する光透過型のセンサの検知領域内で発生した場合であっても、かかる隙間による弊害をなくすための突出部を積載トレイに形成するようにしたので、そのシートについて検知が正常になされ、安定したシート積載を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシート積載装置を適用した実施の形態に係る後処理装置を示す概略構成図。
【図2】図1の主要部分の状態(主に補助トレイが格納されているときの状態)を示す拡大説明図。
【図3】揃え処理装置を示す斜視図。
【図4】揃え処理装置の補助トレイを主に示す斜視図。
【図5】図1の主要部分の状態(主に補助トレイが突出しているときの状態)を示す拡大説明図。
【図6】揃え処理の状態を示す説明図。
【図7】スッタカートレイへの直接排紙の状態を示す説明図。
【図8】スッタカートレイへの用紙束排出の状態を示す説明図。
【図9】(a)はスタッカートレイと各センサなどの配置状態を示す概略平面図、(b)は(a)のQ−Q線に沿う概略断面図。
【図10】各センサと突出部との状態(初期の高さ出し状態)を示す要部拡大図。
【図11】各センサと突出部との状態(シート積載時における高さ出し状態)を示す要部拡大図。
【図12】突出部とシート積載面の他の部位(リブ)との高さ関係を示す説明図。
【図13】スタックトレイの各高さ出し動作の構成を示す説明図。
【図14】初期の高さ出し後のスタックトレイとセンサの状態を示す要部拡大図。
【図15】シート積載時における高さ出し後のスタックトレイとセンサの状態を示す要部拡大図。
【図16】スタックトレイに折りシートを積載したときの状態を示す要部拡大図。
【図17】折りシートの折り部分検知用センサの各構成例と検知状態を示す説明図。
【図18】従来のシート処理装置の要部を示す概略構成図。
【図19】積載トレイに積載されるシートの積載状態による不具合の1例を示す要部拡大図。
【図20】積載トレイに積載されるシートの積載状態による不具合の他例を示す要部拡大図。
【符号の説明】
1…後処理装置(シート積載装置)、50…排出ロール対(排出手段)、60…スタックトレイ(積載トレイ)、61…シート積載面、65,66,67…センサ(光透過型センサ)、65a,66a,67a…発光部、65b,66b,67b…受光部、80,81…突出部、P…シート、L1,L2,L3…光軸、Pz…折りシート、Δh…高低差(高さの差)、E…折り部分。
Claims (5)
- 装置本体に昇降動可能に取り付けられ、シートを積載するシート積載面を有する積載トレイと、
この積載トレイのシート積載面に積載されるシートについて、そのトレイの両脇に位置する装置本体部分に対向して配置する発光部および受光部の間の光が当該シートにより遮光されることで検知する1つ又は複数の光透過型センサとを備えたシート積載装置において、
前記積載トレイのシート積載面を含む領域であって前記センサの発光部および受光部の間を結ぶ光軸を遮断し得る部位に、そのシート積載面の他の部位に比べて高い突出部を形成したことを特徴とするシート積載装置。 - 前記突出部とシート積載面の他の部位との高さの差は10mm以下である請求項1に記載のシート積載装置。
- 前記積載トレイに折り処理した折りシートを積載する場合、
前記センサの少なくとも1つを、その積載トレイに積載される折りシートの折り部分を検知する位置に配置する請求項1又は2に記載のシート積載装置。 - 前記折りシートの折り部分を検知するセンサは、その発光部および受光部を結ぶ光軸が前記シート積載面に対して傾斜するように配置されている請求項3に記載のシート積載装置。
- 装置本体に昇降動可能に取り付けられ、折り処理した折シートを積載し得るシート積載面を有する積載トレイと、
この積載トレイのシート積載面に積載されるシートについて、そのトレイの両脇に位置する装置本体部分に対向して配置する発光部および受光部の間の光が当該シートにより遮光されることで検知する光透過型のセンサとを備えたシート積載装置において、
前記センサを、前記積載トレイに積載される折りシートの折り部分を検知する位置に配置するとともに、その発光部および受光部を結ぶ光軸がそのシート積載面に対して傾斜するように配置したことを特徴とするシート積載装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2003
- 2003-03-24 JP JP2003081546A patent/JP2004284790A/ja not_active Withdrawn
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