JP2004284449A - シート振動システム - Google Patents
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Abstract
【課題】着座者によるスイッチ操作を必要とすることなく、シートを振動させることによる着座者の疲労軽減または疲労増加の抑制が可能なシート振動システムを提供する。
【解決手段】運転席の乗員から心拍信号を検出し、これにより、現在心拍数が通常心拍数に対して低下した割合を疲労度TDとして算出する。疲労度TDが2%以上である場合には乗員が疲労していると判断して、振動ユニットにより運転席を一時的に振動させる。疲労度TDが2%以上5%未満である場合には、ステップ410において振動の強度を0.1Gに、ステップ420において加振時間を10秒に設定し、疲労度TDが5%以上10%未満である場合には、ステップ440において強度を0.2Gに、ステップ420において加振時間を20秒に設定し、疲労度TDが10%以上である場合には、ステップ460において強度を0.3Gに、ステップ420において加振時間を30秒に設定する。
【選択図】 図7
【解決手段】運転席の乗員から心拍信号を検出し、これにより、現在心拍数が通常心拍数に対して低下した割合を疲労度TDとして算出する。疲労度TDが2%以上である場合には乗員が疲労していると判断して、振動ユニットにより運転席を一時的に振動させる。疲労度TDが2%以上5%未満である場合には、ステップ410において振動の強度を0.1Gに、ステップ420において加振時間を10秒に設定し、疲労度TDが5%以上10%未満である場合には、ステップ440において強度を0.2Gに、ステップ420において加振時間を20秒に設定し、疲労度TDが10%以上である場合には、ステップ460において強度を0.3Gに、ステップ420において加振時間を30秒に設定する。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、椅子や座席などのシートを振動させるシート振動システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両用シートなどにおいて、シート内に振動を発生させる振動ユニットを組み込んで、これによってシートを振動させることにより、着座者に振動を与えて、疲労を軽減させたり、あるいは疲労の増加を抑制させたりすることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。着座者に振動を与えると、筋肉や血管がほぐされて、血行が促進され、これによって疲労物質の除去が促進されることにより、疲労が軽減されたり、あるいは疲労の増加が抑制されたりする。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−49688号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術においては、着座者が自ら振動ユニットのON/OFFスイッチをONさせたときにのみシートが振動させられるようになっており、例えば着座者が長時間着座して運転などを続けていることにより、疲労してきている場合でも、着座者本人がこれに気づいていなかったり、あるいは気づいていてもスイッチをONにしない場合には、振動ユニットによる振動が疲労の軽減や疲労増加の抑制のために利用されることはなかった。
【0005】
本発明は、上記点に鑑みなされたものであり、着座者によるスイッチ操作を必要とすることなく、シートを振動させることによる着座者の疲労の軽減あるいは疲労増加の抑制が可能なシート振動システムを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載のシート振動システムは、シートを振動させる振動発生手段と、シートに着座している着座者に関する着座者情報を検出する着座者情報検出手段と、着座者情報に基づいて前記着座者が疲労しているか否かを判定する疲労判定手段と、疲労判定手段による判定結果に基づいて振動発生手段による加振を制御する振動制御手段とを備えている。
【0007】
このように、疲労判定手段により着座者が疲労していると判定されたか否かの判定結果に基づいて、振動制御手段が振動発生手段を制御することにより、着座者による操作を必要とすることなく、振動発生手段を利用した着座者の疲労軽減、あるいは疲労増加の抑制が可能である。
【0008】
特に、請求項2記載のように、疲労判定手段により着座者が疲労していると判定されたら、振動制御手段は、振動発生手段にシートを振動させるようにすると、着座者の血液の流れを促進させて、疲労軽減または疲労増加の抑制を効果的に行うことができる。
【0009】
また、このような着座者の疲労が検出された場合の振動発生手段による加振を、請求項3記載のように、所定継続時間だけ行うようにすると、連続的に加振する場合に比較して、着座者がシートの振動を不快に感じたりすることが少なくなる。
【0010】
さらに、請求項4記載のように、疲労判定手段は、着座者が疲労しているか否かを判定する基準として、前記着座者情報に基づいて着座者の疲労の程度を示す疲労度を算出し、振動制御手段は、加振の所定継続時間を疲労度に基づいて決定するようにするとよい。このような構成によると、加振の継続時間が疲労度に基づいて適切に設定されるため、必要以上の時間継続してシートを振動させることにより着座者が不快に感じたりすることを回避できる。
【0011】
請求項1記載のシート振動システムにおいて、振動制御手段は、請求項5記載のように、疲労判定手段による判定結果に基づいてシートの振動の強度を設定して、シートがこの強度で振動するように振動発生手段による加振を制御するようにするとよい。このようにして、着座者の疲労が検出された場合は、疲労軽減あるいは疲労増加の抑制のために適切な振動の強度を設定して、シートがこの強度で振動するように振動発生手段による加振を制御すると、必要以上の強度でシートを振動させることにより着座者が不快に感じたりすることを回避できる。
【0012】
この場合、振動制御手段は、請求項6記載のように、疲労判定手段により算出された疲労度に基づいて振動の強度を決定するようにすると、着座者の疲労軽減あるいは疲労増加の抑制のために、より適切に振動の強度を設定することができる。
【0013】
さらに、請求項7記載のように、疲労度が第1所定値以上第2所定値未満である場合は、振動の強度を第1所定強度に設定し、疲労度が第2所定値以上である場合には、振動の強度を第1所定強度より高い第2所定強度に設定するようにするとよい。このように、着座者からより高い程度の疲労が検出された場合には、振動の強度を高めるようにすると、着座者の疲労度に応じて適切な強度でシートを振動させることができる。
【0014】
また、振動制御手段は、請求項8記載のように、着座者の疲労が検出された場合に、疲労度に基づいて決定した強度での加振が所定継続時間だけ行われるように振動発生手段を制御するとよく、さらにこの所定継続時間を、請求項9記載のように、疲労度に基づいて決定するようにするとよい。このように、加振を疲労度に基づいて決定した所定継続時間だけ行うようにすると、必要以上の時間継続してシートを振動させることにより着座者が不快に感じたりすることを回避できる。
【0015】
この場合、請求項10記載のように、疲労度が第3所定値以上第4所定値未満である場合は、加振の所定継続時間を第1所定時間に設定し、疲労度が第4所定値以上である場合は、所定継続時間を第1所定時間より長い第2所定時間に設定するようにするとよい、このように、着座者から、より高い程度の疲労が検出された場合には、加振の所定継続時間を長く設定するようにすると、着座者の疲労度に応じた適切な継続時間での加振を行うことができる。
【0016】
本発明のシート振動システムにおいて、着座者情報検出手段は、請求項11記載のように、着座者の生理情報、動作情報、着座継続時間の少なくとも1つを着座者情報として検出するようにするとよい。着座者が疲労しているか否かは、このような着座者の生理情報、動作情報、着座継続時間に基づいて判定すると、正確な判定が可能である。
【0017】
また、請求項4または6記載のシート振動システムおいては、請求項12記載のように、着座者情報検出手段により着座者の心拍信号を着座者情報として検出し、疲労判定手段は、この心拍信号に基づいて疲労度を算出するとよく、特に、請求項13記載のように、疲労判定手段は、心拍信号から着座者の通常時心拍数と現在の心拍数を算出し、現在の心拍数が通常時心拍数に比較して低下した割合を疲労度として算出するようにするとよい。心拍信号は着座者から比較的簡単に検出することができるため、このように、心拍信号に基づいて疲労度を算出すると、簡単に、しかも正確に疲労度を算出することが可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係るシート振動システムは、車両に搭載されて、運転席において振動を発生させる。図1は、シート振動システム1の全体構成を示している。車両のステアリングホイール上には、運転席(シート)8に着座している乗員(着座者)7から心拍情報BSを検出するための金属電極2が組み込まれており、運転席8には、シートを振動させる振動ユニット3が埋め込まれている。
【0019】
振動ユニット3は、図2に示すように、モータ31と、このモータ31の回転軸に連結されたシャフトに取り付けられた偏心円板32と、振動板33と、モータ31を駆動する駆動回路34とからなり、モータ31の回転に伴って偏心円板32が回転し、この偏心円板32が振動板33を打撃することにより、シート8を振動させる。乗員7は、車室内に設けられたスイッチ6により、振動ユニット3によるシート8の振動を「ON」と「OFF」の間で切り替えることができる。
【0020】
シート振動ECU4は、スイッチ6から乗員によるON/OFFを示すスイッチ信号VSを受け取り、通常は、このスイッチ信号VSに基づいて、乗員によりスイッチ6がONされた場合には、シート8が振動させられるように制御し、スイッチ6がOFFにされた場合には振動が停止されるように制御する。
【0021】
シート振動ECU4は、さらに、金属電極2により検出した乗員の心拍情報BSに基づいて、乗員の疲労を検出し、乗員が疲労していると判断した場合には、上記通常の制御に優先させて、疲労度に基づく制御を行う。
【0022】
シート振動ECU4は、その内部に、図示しないCPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータを備えており、車両のイグニションスイッチ(図示せず)がONであるときに、車載バッテリ(図示せず)からの電力が供給されて作動するように構成されている。シート振動ECU4は、ROMに記憶されているプログラムを実行することにより、つぎのように動作する。
【0023】
乗員7が車両のイグニションスイッチをONにして、最初に運転を開始してから所定時間(例えば5分)が経過したら、その時点から所定時間(例えば10分)、乗員7の心拍信号BSを金属電極2により検出して、この10分間に得られた心拍情報から、乗員7の運転時の通常の心拍数BEATnを算出する。その後、継続して乗員7の心拍信号BSを検出して蓄積し、2分ごとに、蓄積した心拍情報から乗員7の現在の心拍数BEATcを算出する。この現在の心拍数BEATcが通常時の心拍数BEATnから低下している割合を乗員7の疲労度TDとして算出する。
【0024】
疲労度TDが所定値を超えているときには、乗員7は疲労していると判断して、振動ユニット3によりシート8を振動させる振動の強度(振動強度)および継続時間(加振時間)を疲労度TDの値に基づいて決定し、決定した継続時間の間だけその強度での加振が一時的に実行されるように、振動ユニット3の駆動回路34に制御信号CTLを出力する。
【0025】
一方、疲労度TDが所定値未満であるときには、スイッチ6からのスイッチ信号VSに基づいて、スイッチ信号VSがONを示している場合には、所定の強度での振動と振動の停止が所定の時間間隔で繰り返されるように、制御信号CTLを振動ユニット3の駆動回路34に出力し、スイッチ信号VSがOFFを示している場合には、振動が停止させられるように、制御信号CTLを出力する。
【0026】
図3は、シート振動ECU4により実行される処理の手順を示している。シート振動ECU4は、車両のイグニションスイッチがONにされると作動を開始し、まずステップ100でデータ処理用メモリ(RAM)の記憶内容などの初期化を行う。このとき、後のステップで用いる運転開始フラグSFおよび加振時間SDが0に初期化される。
【0027】
運転開始フラグSFは、車両のイグニションスイッチがONにされて、最初に運転が開始されると1に設定され、その後、イグニションスイッチがOFFにされてシート振動ECU4が作動を終了するまで、継続して1に設定されている。また、加振時間SDは、疲労度に基づいて一時的に加振を行う場合の加振継続時間を表しており、後のステップ180あるいはステップ185において設定される。
【0028】
つぎに、ステップ110でセンサ信号およびスイッチ信号を読み込む。このとき、車速センサ(図示せず)からの車速信号SPD、スイッチ6からのスイッチ信号VSなどが読み込まれる。
【0029】
ステップ130で、条件「SF=0 & SPD>0」が満足されているか否か判定する。YESと判定した場合は、乗員7により運転が開始されたと判断して、ステップ135において、運転開始フラグSFを1に設定し、タイマDDをスタートさせる。タイマDDにより、イグニションスイッチがONにされてから最初に運転開始後、経過した時間を測定する。さらに、ステップ185において、スイッチ信号VSに基づいて、振動の強度VGおよび加振時間SDを決定する。
【0030】
スイッチ信号VSがONを示している場合は、ステップ185において、振動強度VGは例えば0.1Gに設定され、加振時間SDは例えば20秒に設定される。また、スイッチ信号VSがOFFを示している場合は、加振時間SDが0秒に設定される。ステップ185の実行が終了したら、ステップ190に進む。
【0031】
一方、ステップ130でNOと判定した場合は、ステップ140において、タイマDDが5分未満であるか否か判定する。YESと判定した場合は、ステップ185において、スイッチ信号VSに基づいて、振動の強度VGおよび加振時間SDを決定し、その後、ステップ190に進む。
【0032】
ステップ140においてNOと判定した場合は、ステップ145において、タイマDDが15分未満であるか否か判定する。YESと判定した場合は、ステップ150において通常時心拍数BEATnを検出し、その後、ステップ160に進む。ステップ150における通常時心拍数BEATnの検出処理の詳細は後述する。ステップ145においてNOと判定した場合は、ステップ150を迂回して、ステップ160に進む。
【0033】
ステップ160では、現在の心拍数BEATcを検出する。この処理の詳細については後述する。ステップ165では、通常時心拍数BEATnと現在心拍数BEATcに基づいて、乗員の疲労度TDを算出する。具体的には、乗員は疲労してくると心拍数が低下する傾向があるため、つぎのような式を用いて、通常時心拍数BEATnに対して現在心拍数BEATcが低下した割合を疲労度として算出する。
【0034】
【数1】
TD=(BEATn−BEATc)/BEATn
つぎに、ステップ170で、疲労度TDが第1所定値(例えば2%)未満であるか否か判定する。YESと判定した場合は、乗員は疲労していないと判断して、ステップ185において、スイッチ信号VSに基づいて、振動の強度VGおよび加振時間SDを決定し、その後、ステップ190に進む。
【0035】
ステップ170でNOと判定した場合は、ステップ180において、疲労度TDの値に基づいて、シート8を振動させる強度VGおよび加振時間SDを決定し、ステップ190に進む。ステップ180における処理の詳細は後述する。
【0036】
ステップ190では、ステップ180またはステップ185において決定された振動強度VGおよび加振時間SDに基づいて、振動ユニット3の駆動回路34に制御信号CTLを出力する。具体的には、加振時間SDが0より大きい場合には、この加振時間SDの間だけシート8が強度VGで振動させられ、加振時間SDが終了すると振動は停止させられる。加振時間SDが0である場合は振動ユニット3による加振は連続的に停止させられる。
【0037】
ステップ190の実行後は、ステップ110に戻って、以下のステップが繰り返し実行される。ステップ160における現在心拍数BEATcの検出処理に2分ほどの時間を要するため、ステップ150における通常時心拍数の検出が実行された後は、つまり、乗員による運転が開始されてから15分ほど経過した後は、ステップ110〜190は、2分ほどの周期で実行されることになる。
【0038】
従って、乗員7の疲労が検出された場合(疲労度TDが2%以上である場合)には、疲労度TDが2%未満に軽減されるまで、疲労度TDに応じた強度での加振が2分ほどの周期で断続的に繰り返され、乗員7の疲労が検出されない場合には、スイッチ6がONであるときにのみ、一定の強度での加振が2分ほどの周期で断続的に繰り返されることになる。
【0039】
図4はステップ150において実行される通常時心拍数検出処理の手順を示している。まず、ステップ200においてタイマBDをスタートさせる。ステップ205において、金属電極2から乗員の心拍信号BSを読込み、記憶する。このとき、心拍信号BSは、所定の周波数(例えば100Hz以上)でサンプリングされ、さらに、例えば6〜30Hzのバンドパスフィルタで、フィルター処理が施されてから、記憶される。ステップ210において、タイマBDが10分を超えたか否か判定し、NOと判定した場合は、ステップ205に戻って、心拍信号の読込み・記憶を繰り返し実行する。このようにして、10分間の心拍信号を蓄積する。ただし、この場合、心拍信号を蓄積する時間は、10分に限らず、乗員の運転通常時の心拍数BEATnを正確に算出するのに必要なデータが得られるような時間に設定することができる。
【0040】
ステップ210でYESと判定した場合は、ステップ220において、10分間の心拍データから、通常時心拍数BEATnを算出する。具体的には、図5に示すように、所定の閾値を超えた波をR波とし、その時間間隔(心拍間隔)をRRIとしてRRIデータを算出する。算出したRRIデータから、心拍間隔RRIの平均値RRIavgを算出し、これを用いて運転通常時の平均心拍数BEATnを次の式により求める。
【0041】
【数2】
BEATn=60/RRIavg
ステップ220の実行を終了したら、メインルーチンに戻る。
【0042】
図6は、図3に示すステップ160において実行される現在心拍数検出処理の手順を示している。まず、ステップ300においてタイマBDをスタートさせる。ステップ305において、上記ステップ205と同様にして、金属電極2から乗員の心拍信号BSを読込み、記憶する。ステップ310において、タイマBDが2分を超えたか否か判定し、NOと判定した場合は、ステップ305に戻って、心拍信号BSの読込み・記憶を繰り返し実行する。このようにして、2分間の心拍信号BSを蓄積する。ただし、この場合、心拍信号BSを蓄積する時間は、2分に限らず、乗員の現在の心拍数BEATcを正確に算出するのに必要なデータが得られるような時間に設定することができる。
【0043】
ステップ310でYESと判定した場合は、ステップ320において、2分間の心拍データから、上記ステップ220と同様にして、現在心拍数BEATcを算出する。ステップ320の実行を終了したら、メインルーチンに戻る。
【0044】
図7は、図3に示すステップ180において実行される疲労度TDに基づく振動強度VGおよび加振時間SDの決定処理の手順を示している。まず、ステップ400において疲労度TDが第2所定値(例えば5%)以上であるか否か判定する。NOと判定した場合には、つまり疲労度TDが2%以上5%未満である場合には、疲労は少ないと判断して、ステップ410において、振動強度VGを比較的低く、例えば0.1Gに設定する。また、ステップ420において、加振時間SDを比較的短く、例えば10秒に設定する。その後、メインルーチンに戻る。
【0045】
一方、ステップ400においてYESと判定した場合は、ステップ430において、疲労度TDが、第2所定値(5%)より大きい所定値(例えば10%)以上であるか否か判定する。NOと判定した場合は、つまり、疲労度TDが5%以上10%未満である場合は、疲労は中程度であると判断して、ステップ440において、振動強度VGを少し高めに、例えば0.2Gに設定する。また、ステップ450において、加振時間SDを少し長く、例えば20秒に設定する。その後、メインルーチンに戻る。
【0046】
ステップ430においてYESと判定した場合は、つまり疲労度TDが10%以上である場合は、疲労が大きいと判断して、ステップ460において、振動強度VGをさらに高く、例えば0.3Gに設定する。またステップ470において、加振時間SDをさらに長く、例えば30秒に設定する。その後、メインルーチンに戻る。
【0047】
このようにして、疲労度TDが2%未満である場合は、振動ユニット3による加振は乗員7によるスイッチ6のON/OFFに基づいて制御され、疲労度TDが2%以上5%未満である間は、強度0.1Gで10秒の加振が2分ほどの周期で断続的に繰り返される。疲労度TDが5%以上10%未満である間は、0.2Gで20秒の加振が2分ほどの周期で断続的に繰り返され、疲労度TDが10%以上である間は、強度0.3Gで30秒の加振が2分ほどの周期で断続的に繰り返される。
【0048】
このように、本実施形態のシート振動システムでは、乗員7の疲労が検出されたときには、乗員によりスイッチ6がONされているか否かに拘わらず、振動ユニット3によりシート8を振動させるため、乗員7の筋肉や血管をほぐして、血液の流れを促進させることができる。これにより、乗員7の疲労が軽減されたり、あるいは疲労の増加が抑制されたりする。また、疲労が検出された場合のシート8への加振は、疲労度に応じた適切な強度、加振時間で行うため、必要以上の強度で必要以上に長い時間シート8を振動させることにより乗員が不快に感じたりすることを回避できる。
【0049】
また、心拍信号は脳波などのような他の生理情報に比較して簡単に検出することができるため、上記のように、通常時心拍数BAETnに対する現在心拍数BEATcの低下した割合を乗員の疲労度TDとして用いると、比較的に簡単に、しかも正確に疲労度を算出することができる。
【0050】
本実施形態における金属電極2は本発明の着座者情報検出手段に対応しており、振動ユニット3は本発明の振動発生手段に対応している。また、ステップ150および160は、本発明の着座者情報検出手段に対応しており、ステップ165および170は、本発明の疲労判定手段に対応しており、ステップ180および190は、本発明の振動制御手段に対応している。本実施形態における加振時間SDは本発明の所定継続時間に対応している。ステップ170において用いる第1所定値は本発明の第1所定値および第3所定値に対応しており、ステップ400において用いる第2所定値は本発明の第2所定値および第4所定値に対応している。
【0051】
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態に限定されることなく、つぎのように種々の変形が可能である。
【0052】
上記実施形態では、乗員からの心拍信号をステアリングホイール上に組み込まれた金属電極により検出したが、乗員に金属電極を直接装着して、この電極により心拍信号を検出してもよく、また、電極は金属電極に限らず、導電性のものであればよく、例えばジェル状の導電性物質の電極などであってもよい。さらに、乗員の心拍信号は、シート内に組み込んだ超音波センサや加速度センサなどにより検出してもよい。
【0053】
上記実施形態では、乗員の心拍数の低下に基づいて疲労を検出したが、心拍間隔の減少や心拍波形における振幅の減少に基づいて疲労を検出してもよい。また、心拍情報ではなく、その他の生理情報に基づいて疲労を検出してもよい。例えば、脳波情報、血圧情報、皮膚電気活動情報、眼球情報(瞬き、視線など)などの生体信号や、分泌物(汗,唾液などの生体物質)に関する情報に基づいて疲労を検出することができる。乗員が疲労している場合には、脳波におけるα波の増加、血圧の上昇などがみられ、さらに皮膚の電位差は0に近づき、目の開きや瞬きが少なくなったり、視線の動きがゆるやかになったりする。さらに、汗の分泌が減少し、唾液内のコルチゾールが減少する。
【0054】
また、生理情報ではなく、乗員の動作情報や着座時間情報(着座継続時間)などに基づいて疲労を検出してもよい。乗員が疲労している場合には、上体を前後左右に動かしたり、腰をうかすなどの動作が見られるため、このような動作が検出された場合には、乗員が疲労していると判定することができる。着座時間情報に基づいて疲労を検出する場合は、例えば、着座継続時間が1時間を超えたら乗員は疲労していると判断することができる。その後、着座継続時間が所定値(例えば2時間)を超えたら、さらに疲労度が増加したと判断してもよい。
【0055】
さらに、より正確に乗員の疲労度を算出するために、上記のような生理情報、動作情報、着座時間情報を組み合わせて用いてもよい。
【0056】
上記実施形態では、運転席を振動させる振動発生手段として、モータ31により駆動される偏心板32により振動板33を振動させる振動ユニット3を用いたが、これに限らず、電磁的に駆動されるピストンなどにより振動板33を振動させるようにしてもよい。
【0057】
上記実施形態では、乗員の疲労が検出された場合に、疲労度に応じて決定された一定の振動強度、加振時間での加振を行ったが、振動強度にゆらぎをもたせてもよい。この場合、例えば振動発生手段として、音響信号の再生と同時に低周波振動を発生させる体感スピーカを運転席に組み込んで、この体感スピーカによって、音楽と連動した振動をシート8に発生させるようにしてもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、疲労が検出されてから疲労が2%未満に軽減されるまでの間は、2分ほどの周期で加振が断続的に繰り返されることになるが、この場合の加振時間と加振休止時間を所定の範囲でゆらがせるようにしてもよい。このように振動の強度や加振時間にゆらぎをもたせたり、振動を音楽と連動させたりすると、乗員はシートの振動に不快感を覚えにくい。
【0059】
上記実施形態では、疲労度TDを「2%以上5%未満」「5%以上10%未満」「10%以上」の3段階の範囲に分けて疲労度TDに基づく制御を行ったが、これと異なる範囲に区切ってもよく、また3段階に限らず、2段階や4段階以上に区切ってもよい。また、疲労が検出された場合の疲労度TDの範囲を1段階として、つまり、疲労が検出された場合(例えば疲労度TDが2%以上)と疲労が検出されない場合(疲労度TDが2%未満)のみ区別して、疲労が検出された場合は疲労度TDの値に拘わらず同様の制御を行うようにしてもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、乗員7の疲労を検出した場合の振動強度と加振時間を、同じ3段階の疲労度範囲に対してそれぞれ設定したが、例えば、疲労度TDが2%以上5%未満のとき、および5%以上10%未満のときはいずれも加振時間を15秒に設定するなど、振動強度と加振時間を異なる区切りで区切った疲労度範囲に対して設定するようにしてもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、図3に示すステップ110〜190が実行される周期が2分ほどであるため、通常制御による加振が行われる場合も、疲労度TDに基づいた加振が行われる場合も、断続的に加振が行われる周期が2分ほどになるが、ステップ180あるいはステップ185において、この2分の間に行う加振の周期と繰り返し回数を設定することにより、2分より短い周期での加振を実行するようにしてもよい。
【0062】
上記実施形態では、車両の運転席を疲労度に応じて振動させたが、さらに助手席も疲労度に応じて振動させるようにしてもよい。あるいは、疲労度に応じたシート振動は助手席のみとし、運転席は着座者の眠気を覚ますための制御を行うようにしてもよい。また、後部座席を疲労度に応じて振動させてもよく、後部座席に主に人が着座するような車両においては、後部座席のみ疲労度に応じて振動させるようにしてもよい。
【0063】
上記実施形態では、本発明を車両の座席に適用したが、これに限らず、飛行機の座席や、歯科の椅子、床屋の椅子など、着座者が自由に立ち上ることができない状況で着座するシート、あるいは作業場や家庭での事務椅子、家庭用リクライニングシートなど、さまざまなシートに本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るシート振動システムの全体構成図である。
【図2】図1に示す振動ユニットの構成を示す模式図である。
【図3】図1に示すシート振動ECUにより実行される制御処理のメインルーチンのフローチャートである。
【図4】図3に示すステップ150において実行される通常時心拍数検出処理のフローチャートである。
【図5】心拍信号の時間間隔(RRI)を示す説明図である。
【図6】図3に示すステップ160において実行される現在心拍数検出処理のフローチャートである。
【図7】図3に示すステップ180において実行される疲労度に基づく振動強度および加振時間決定処理のフローチャートである。
【符号の説明】
2 金属電極(着座者情報検出手段)
3 振動ユニット(振動発生手段)
7 乗員(着座者)
8 運転席(シート)
【発明の属する技術分野】
本発明は、椅子や座席などのシートを振動させるシート振動システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両用シートなどにおいて、シート内に振動を発生させる振動ユニットを組み込んで、これによってシートを振動させることにより、着座者に振動を与えて、疲労を軽減させたり、あるいは疲労の増加を抑制させたりすることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。着座者に振動を与えると、筋肉や血管がほぐされて、血行が促進され、これによって疲労物質の除去が促進されることにより、疲労が軽減されたり、あるいは疲労の増加が抑制されたりする。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−49688号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術においては、着座者が自ら振動ユニットのON/OFFスイッチをONさせたときにのみシートが振動させられるようになっており、例えば着座者が長時間着座して運転などを続けていることにより、疲労してきている場合でも、着座者本人がこれに気づいていなかったり、あるいは気づいていてもスイッチをONにしない場合には、振動ユニットによる振動が疲労の軽減や疲労増加の抑制のために利用されることはなかった。
【0005】
本発明は、上記点に鑑みなされたものであり、着座者によるスイッチ操作を必要とすることなく、シートを振動させることによる着座者の疲労の軽減あるいは疲労増加の抑制が可能なシート振動システムを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載のシート振動システムは、シートを振動させる振動発生手段と、シートに着座している着座者に関する着座者情報を検出する着座者情報検出手段と、着座者情報に基づいて前記着座者が疲労しているか否かを判定する疲労判定手段と、疲労判定手段による判定結果に基づいて振動発生手段による加振を制御する振動制御手段とを備えている。
【0007】
このように、疲労判定手段により着座者が疲労していると判定されたか否かの判定結果に基づいて、振動制御手段が振動発生手段を制御することにより、着座者による操作を必要とすることなく、振動発生手段を利用した着座者の疲労軽減、あるいは疲労増加の抑制が可能である。
【0008】
特に、請求項2記載のように、疲労判定手段により着座者が疲労していると判定されたら、振動制御手段は、振動発生手段にシートを振動させるようにすると、着座者の血液の流れを促進させて、疲労軽減または疲労増加の抑制を効果的に行うことができる。
【0009】
また、このような着座者の疲労が検出された場合の振動発生手段による加振を、請求項3記載のように、所定継続時間だけ行うようにすると、連続的に加振する場合に比較して、着座者がシートの振動を不快に感じたりすることが少なくなる。
【0010】
さらに、請求項4記載のように、疲労判定手段は、着座者が疲労しているか否かを判定する基準として、前記着座者情報に基づいて着座者の疲労の程度を示す疲労度を算出し、振動制御手段は、加振の所定継続時間を疲労度に基づいて決定するようにするとよい。このような構成によると、加振の継続時間が疲労度に基づいて適切に設定されるため、必要以上の時間継続してシートを振動させることにより着座者が不快に感じたりすることを回避できる。
【0011】
請求項1記載のシート振動システムにおいて、振動制御手段は、請求項5記載のように、疲労判定手段による判定結果に基づいてシートの振動の強度を設定して、シートがこの強度で振動するように振動発生手段による加振を制御するようにするとよい。このようにして、着座者の疲労が検出された場合は、疲労軽減あるいは疲労増加の抑制のために適切な振動の強度を設定して、シートがこの強度で振動するように振動発生手段による加振を制御すると、必要以上の強度でシートを振動させることにより着座者が不快に感じたりすることを回避できる。
【0012】
この場合、振動制御手段は、請求項6記載のように、疲労判定手段により算出された疲労度に基づいて振動の強度を決定するようにすると、着座者の疲労軽減あるいは疲労増加の抑制のために、より適切に振動の強度を設定することができる。
【0013】
さらに、請求項7記載のように、疲労度が第1所定値以上第2所定値未満である場合は、振動の強度を第1所定強度に設定し、疲労度が第2所定値以上である場合には、振動の強度を第1所定強度より高い第2所定強度に設定するようにするとよい。このように、着座者からより高い程度の疲労が検出された場合には、振動の強度を高めるようにすると、着座者の疲労度に応じて適切な強度でシートを振動させることができる。
【0014】
また、振動制御手段は、請求項8記載のように、着座者の疲労が検出された場合に、疲労度に基づいて決定した強度での加振が所定継続時間だけ行われるように振動発生手段を制御するとよく、さらにこの所定継続時間を、請求項9記載のように、疲労度に基づいて決定するようにするとよい。このように、加振を疲労度に基づいて決定した所定継続時間だけ行うようにすると、必要以上の時間継続してシートを振動させることにより着座者が不快に感じたりすることを回避できる。
【0015】
この場合、請求項10記載のように、疲労度が第3所定値以上第4所定値未満である場合は、加振の所定継続時間を第1所定時間に設定し、疲労度が第4所定値以上である場合は、所定継続時間を第1所定時間より長い第2所定時間に設定するようにするとよい、このように、着座者から、より高い程度の疲労が検出された場合には、加振の所定継続時間を長く設定するようにすると、着座者の疲労度に応じた適切な継続時間での加振を行うことができる。
【0016】
本発明のシート振動システムにおいて、着座者情報検出手段は、請求項11記載のように、着座者の生理情報、動作情報、着座継続時間の少なくとも1つを着座者情報として検出するようにするとよい。着座者が疲労しているか否かは、このような着座者の生理情報、動作情報、着座継続時間に基づいて判定すると、正確な判定が可能である。
【0017】
また、請求項4または6記載のシート振動システムおいては、請求項12記載のように、着座者情報検出手段により着座者の心拍信号を着座者情報として検出し、疲労判定手段は、この心拍信号に基づいて疲労度を算出するとよく、特に、請求項13記載のように、疲労判定手段は、心拍信号から着座者の通常時心拍数と現在の心拍数を算出し、現在の心拍数が通常時心拍数に比較して低下した割合を疲労度として算出するようにするとよい。心拍信号は着座者から比較的簡単に検出することができるため、このように、心拍信号に基づいて疲労度を算出すると、簡単に、しかも正確に疲労度を算出することが可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係るシート振動システムは、車両に搭載されて、運転席において振動を発生させる。図1は、シート振動システム1の全体構成を示している。車両のステアリングホイール上には、運転席(シート)8に着座している乗員(着座者)7から心拍情報BSを検出するための金属電極2が組み込まれており、運転席8には、シートを振動させる振動ユニット3が埋め込まれている。
【0019】
振動ユニット3は、図2に示すように、モータ31と、このモータ31の回転軸に連結されたシャフトに取り付けられた偏心円板32と、振動板33と、モータ31を駆動する駆動回路34とからなり、モータ31の回転に伴って偏心円板32が回転し、この偏心円板32が振動板33を打撃することにより、シート8を振動させる。乗員7は、車室内に設けられたスイッチ6により、振動ユニット3によるシート8の振動を「ON」と「OFF」の間で切り替えることができる。
【0020】
シート振動ECU4は、スイッチ6から乗員によるON/OFFを示すスイッチ信号VSを受け取り、通常は、このスイッチ信号VSに基づいて、乗員によりスイッチ6がONされた場合には、シート8が振動させられるように制御し、スイッチ6がOFFにされた場合には振動が停止されるように制御する。
【0021】
シート振動ECU4は、さらに、金属電極2により検出した乗員の心拍情報BSに基づいて、乗員の疲労を検出し、乗員が疲労していると判断した場合には、上記通常の制御に優先させて、疲労度に基づく制御を行う。
【0022】
シート振動ECU4は、その内部に、図示しないCPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータを備えており、車両のイグニションスイッチ(図示せず)がONであるときに、車載バッテリ(図示せず)からの電力が供給されて作動するように構成されている。シート振動ECU4は、ROMに記憶されているプログラムを実行することにより、つぎのように動作する。
【0023】
乗員7が車両のイグニションスイッチをONにして、最初に運転を開始してから所定時間(例えば5分)が経過したら、その時点から所定時間(例えば10分)、乗員7の心拍信号BSを金属電極2により検出して、この10分間に得られた心拍情報から、乗員7の運転時の通常の心拍数BEATnを算出する。その後、継続して乗員7の心拍信号BSを検出して蓄積し、2分ごとに、蓄積した心拍情報から乗員7の現在の心拍数BEATcを算出する。この現在の心拍数BEATcが通常時の心拍数BEATnから低下している割合を乗員7の疲労度TDとして算出する。
【0024】
疲労度TDが所定値を超えているときには、乗員7は疲労していると判断して、振動ユニット3によりシート8を振動させる振動の強度(振動強度)および継続時間(加振時間)を疲労度TDの値に基づいて決定し、決定した継続時間の間だけその強度での加振が一時的に実行されるように、振動ユニット3の駆動回路34に制御信号CTLを出力する。
【0025】
一方、疲労度TDが所定値未満であるときには、スイッチ6からのスイッチ信号VSに基づいて、スイッチ信号VSがONを示している場合には、所定の強度での振動と振動の停止が所定の時間間隔で繰り返されるように、制御信号CTLを振動ユニット3の駆動回路34に出力し、スイッチ信号VSがOFFを示している場合には、振動が停止させられるように、制御信号CTLを出力する。
【0026】
図3は、シート振動ECU4により実行される処理の手順を示している。シート振動ECU4は、車両のイグニションスイッチがONにされると作動を開始し、まずステップ100でデータ処理用メモリ(RAM)の記憶内容などの初期化を行う。このとき、後のステップで用いる運転開始フラグSFおよび加振時間SDが0に初期化される。
【0027】
運転開始フラグSFは、車両のイグニションスイッチがONにされて、最初に運転が開始されると1に設定され、その後、イグニションスイッチがOFFにされてシート振動ECU4が作動を終了するまで、継続して1に設定されている。また、加振時間SDは、疲労度に基づいて一時的に加振を行う場合の加振継続時間を表しており、後のステップ180あるいはステップ185において設定される。
【0028】
つぎに、ステップ110でセンサ信号およびスイッチ信号を読み込む。このとき、車速センサ(図示せず)からの車速信号SPD、スイッチ6からのスイッチ信号VSなどが読み込まれる。
【0029】
ステップ130で、条件「SF=0 & SPD>0」が満足されているか否か判定する。YESと判定した場合は、乗員7により運転が開始されたと判断して、ステップ135において、運転開始フラグSFを1に設定し、タイマDDをスタートさせる。タイマDDにより、イグニションスイッチがONにされてから最初に運転開始後、経過した時間を測定する。さらに、ステップ185において、スイッチ信号VSに基づいて、振動の強度VGおよび加振時間SDを決定する。
【0030】
スイッチ信号VSがONを示している場合は、ステップ185において、振動強度VGは例えば0.1Gに設定され、加振時間SDは例えば20秒に設定される。また、スイッチ信号VSがOFFを示している場合は、加振時間SDが0秒に設定される。ステップ185の実行が終了したら、ステップ190に進む。
【0031】
一方、ステップ130でNOと判定した場合は、ステップ140において、タイマDDが5分未満であるか否か判定する。YESと判定した場合は、ステップ185において、スイッチ信号VSに基づいて、振動の強度VGおよび加振時間SDを決定し、その後、ステップ190に進む。
【0032】
ステップ140においてNOと判定した場合は、ステップ145において、タイマDDが15分未満であるか否か判定する。YESと判定した場合は、ステップ150において通常時心拍数BEATnを検出し、その後、ステップ160に進む。ステップ150における通常時心拍数BEATnの検出処理の詳細は後述する。ステップ145においてNOと判定した場合は、ステップ150を迂回して、ステップ160に進む。
【0033】
ステップ160では、現在の心拍数BEATcを検出する。この処理の詳細については後述する。ステップ165では、通常時心拍数BEATnと現在心拍数BEATcに基づいて、乗員の疲労度TDを算出する。具体的には、乗員は疲労してくると心拍数が低下する傾向があるため、つぎのような式を用いて、通常時心拍数BEATnに対して現在心拍数BEATcが低下した割合を疲労度として算出する。
【0034】
【数1】
TD=(BEATn−BEATc)/BEATn
つぎに、ステップ170で、疲労度TDが第1所定値(例えば2%)未満であるか否か判定する。YESと判定した場合は、乗員は疲労していないと判断して、ステップ185において、スイッチ信号VSに基づいて、振動の強度VGおよび加振時間SDを決定し、その後、ステップ190に進む。
【0035】
ステップ170でNOと判定した場合は、ステップ180において、疲労度TDの値に基づいて、シート8を振動させる強度VGおよび加振時間SDを決定し、ステップ190に進む。ステップ180における処理の詳細は後述する。
【0036】
ステップ190では、ステップ180またはステップ185において決定された振動強度VGおよび加振時間SDに基づいて、振動ユニット3の駆動回路34に制御信号CTLを出力する。具体的には、加振時間SDが0より大きい場合には、この加振時間SDの間だけシート8が強度VGで振動させられ、加振時間SDが終了すると振動は停止させられる。加振時間SDが0である場合は振動ユニット3による加振は連続的に停止させられる。
【0037】
ステップ190の実行後は、ステップ110に戻って、以下のステップが繰り返し実行される。ステップ160における現在心拍数BEATcの検出処理に2分ほどの時間を要するため、ステップ150における通常時心拍数の検出が実行された後は、つまり、乗員による運転が開始されてから15分ほど経過した後は、ステップ110〜190は、2分ほどの周期で実行されることになる。
【0038】
従って、乗員7の疲労が検出された場合(疲労度TDが2%以上である場合)には、疲労度TDが2%未満に軽減されるまで、疲労度TDに応じた強度での加振が2分ほどの周期で断続的に繰り返され、乗員7の疲労が検出されない場合には、スイッチ6がONであるときにのみ、一定の強度での加振が2分ほどの周期で断続的に繰り返されることになる。
【0039】
図4はステップ150において実行される通常時心拍数検出処理の手順を示している。まず、ステップ200においてタイマBDをスタートさせる。ステップ205において、金属電極2から乗員の心拍信号BSを読込み、記憶する。このとき、心拍信号BSは、所定の周波数(例えば100Hz以上)でサンプリングされ、さらに、例えば6〜30Hzのバンドパスフィルタで、フィルター処理が施されてから、記憶される。ステップ210において、タイマBDが10分を超えたか否か判定し、NOと判定した場合は、ステップ205に戻って、心拍信号の読込み・記憶を繰り返し実行する。このようにして、10分間の心拍信号を蓄積する。ただし、この場合、心拍信号を蓄積する時間は、10分に限らず、乗員の運転通常時の心拍数BEATnを正確に算出するのに必要なデータが得られるような時間に設定することができる。
【0040】
ステップ210でYESと判定した場合は、ステップ220において、10分間の心拍データから、通常時心拍数BEATnを算出する。具体的には、図5に示すように、所定の閾値を超えた波をR波とし、その時間間隔(心拍間隔)をRRIとしてRRIデータを算出する。算出したRRIデータから、心拍間隔RRIの平均値RRIavgを算出し、これを用いて運転通常時の平均心拍数BEATnを次の式により求める。
【0041】
【数2】
BEATn=60/RRIavg
ステップ220の実行を終了したら、メインルーチンに戻る。
【0042】
図6は、図3に示すステップ160において実行される現在心拍数検出処理の手順を示している。まず、ステップ300においてタイマBDをスタートさせる。ステップ305において、上記ステップ205と同様にして、金属電極2から乗員の心拍信号BSを読込み、記憶する。ステップ310において、タイマBDが2分を超えたか否か判定し、NOと判定した場合は、ステップ305に戻って、心拍信号BSの読込み・記憶を繰り返し実行する。このようにして、2分間の心拍信号BSを蓄積する。ただし、この場合、心拍信号BSを蓄積する時間は、2分に限らず、乗員の現在の心拍数BEATcを正確に算出するのに必要なデータが得られるような時間に設定することができる。
【0043】
ステップ310でYESと判定した場合は、ステップ320において、2分間の心拍データから、上記ステップ220と同様にして、現在心拍数BEATcを算出する。ステップ320の実行を終了したら、メインルーチンに戻る。
【0044】
図7は、図3に示すステップ180において実行される疲労度TDに基づく振動強度VGおよび加振時間SDの決定処理の手順を示している。まず、ステップ400において疲労度TDが第2所定値(例えば5%)以上であるか否か判定する。NOと判定した場合には、つまり疲労度TDが2%以上5%未満である場合には、疲労は少ないと判断して、ステップ410において、振動強度VGを比較的低く、例えば0.1Gに設定する。また、ステップ420において、加振時間SDを比較的短く、例えば10秒に設定する。その後、メインルーチンに戻る。
【0045】
一方、ステップ400においてYESと判定した場合は、ステップ430において、疲労度TDが、第2所定値(5%)より大きい所定値(例えば10%)以上であるか否か判定する。NOと判定した場合は、つまり、疲労度TDが5%以上10%未満である場合は、疲労は中程度であると判断して、ステップ440において、振動強度VGを少し高めに、例えば0.2Gに設定する。また、ステップ450において、加振時間SDを少し長く、例えば20秒に設定する。その後、メインルーチンに戻る。
【0046】
ステップ430においてYESと判定した場合は、つまり疲労度TDが10%以上である場合は、疲労が大きいと判断して、ステップ460において、振動強度VGをさらに高く、例えば0.3Gに設定する。またステップ470において、加振時間SDをさらに長く、例えば30秒に設定する。その後、メインルーチンに戻る。
【0047】
このようにして、疲労度TDが2%未満である場合は、振動ユニット3による加振は乗員7によるスイッチ6のON/OFFに基づいて制御され、疲労度TDが2%以上5%未満である間は、強度0.1Gで10秒の加振が2分ほどの周期で断続的に繰り返される。疲労度TDが5%以上10%未満である間は、0.2Gで20秒の加振が2分ほどの周期で断続的に繰り返され、疲労度TDが10%以上である間は、強度0.3Gで30秒の加振が2分ほどの周期で断続的に繰り返される。
【0048】
このように、本実施形態のシート振動システムでは、乗員7の疲労が検出されたときには、乗員によりスイッチ6がONされているか否かに拘わらず、振動ユニット3によりシート8を振動させるため、乗員7の筋肉や血管をほぐして、血液の流れを促進させることができる。これにより、乗員7の疲労が軽減されたり、あるいは疲労の増加が抑制されたりする。また、疲労が検出された場合のシート8への加振は、疲労度に応じた適切な強度、加振時間で行うため、必要以上の強度で必要以上に長い時間シート8を振動させることにより乗員が不快に感じたりすることを回避できる。
【0049】
また、心拍信号は脳波などのような他の生理情報に比較して簡単に検出することができるため、上記のように、通常時心拍数BAETnに対する現在心拍数BEATcの低下した割合を乗員の疲労度TDとして用いると、比較的に簡単に、しかも正確に疲労度を算出することができる。
【0050】
本実施形態における金属電極2は本発明の着座者情報検出手段に対応しており、振動ユニット3は本発明の振動発生手段に対応している。また、ステップ150および160は、本発明の着座者情報検出手段に対応しており、ステップ165および170は、本発明の疲労判定手段に対応しており、ステップ180および190は、本発明の振動制御手段に対応している。本実施形態における加振時間SDは本発明の所定継続時間に対応している。ステップ170において用いる第1所定値は本発明の第1所定値および第3所定値に対応しており、ステップ400において用いる第2所定値は本発明の第2所定値および第4所定値に対応している。
【0051】
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態に限定されることなく、つぎのように種々の変形が可能である。
【0052】
上記実施形態では、乗員からの心拍信号をステアリングホイール上に組み込まれた金属電極により検出したが、乗員に金属電極を直接装着して、この電極により心拍信号を検出してもよく、また、電極は金属電極に限らず、導電性のものであればよく、例えばジェル状の導電性物質の電極などであってもよい。さらに、乗員の心拍信号は、シート内に組み込んだ超音波センサや加速度センサなどにより検出してもよい。
【0053】
上記実施形態では、乗員の心拍数の低下に基づいて疲労を検出したが、心拍間隔の減少や心拍波形における振幅の減少に基づいて疲労を検出してもよい。また、心拍情報ではなく、その他の生理情報に基づいて疲労を検出してもよい。例えば、脳波情報、血圧情報、皮膚電気活動情報、眼球情報(瞬き、視線など)などの生体信号や、分泌物(汗,唾液などの生体物質)に関する情報に基づいて疲労を検出することができる。乗員が疲労している場合には、脳波におけるα波の増加、血圧の上昇などがみられ、さらに皮膚の電位差は0に近づき、目の開きや瞬きが少なくなったり、視線の動きがゆるやかになったりする。さらに、汗の分泌が減少し、唾液内のコルチゾールが減少する。
【0054】
また、生理情報ではなく、乗員の動作情報や着座時間情報(着座継続時間)などに基づいて疲労を検出してもよい。乗員が疲労している場合には、上体を前後左右に動かしたり、腰をうかすなどの動作が見られるため、このような動作が検出された場合には、乗員が疲労していると判定することができる。着座時間情報に基づいて疲労を検出する場合は、例えば、着座継続時間が1時間を超えたら乗員は疲労していると判断することができる。その後、着座継続時間が所定値(例えば2時間)を超えたら、さらに疲労度が増加したと判断してもよい。
【0055】
さらに、より正確に乗員の疲労度を算出するために、上記のような生理情報、動作情報、着座時間情報を組み合わせて用いてもよい。
【0056】
上記実施形態では、運転席を振動させる振動発生手段として、モータ31により駆動される偏心板32により振動板33を振動させる振動ユニット3を用いたが、これに限らず、電磁的に駆動されるピストンなどにより振動板33を振動させるようにしてもよい。
【0057】
上記実施形態では、乗員の疲労が検出された場合に、疲労度に応じて決定された一定の振動強度、加振時間での加振を行ったが、振動強度にゆらぎをもたせてもよい。この場合、例えば振動発生手段として、音響信号の再生と同時に低周波振動を発生させる体感スピーカを運転席に組み込んで、この体感スピーカによって、音楽と連動した振動をシート8に発生させるようにしてもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、疲労が検出されてから疲労が2%未満に軽減されるまでの間は、2分ほどの周期で加振が断続的に繰り返されることになるが、この場合の加振時間と加振休止時間を所定の範囲でゆらがせるようにしてもよい。このように振動の強度や加振時間にゆらぎをもたせたり、振動を音楽と連動させたりすると、乗員はシートの振動に不快感を覚えにくい。
【0059】
上記実施形態では、疲労度TDを「2%以上5%未満」「5%以上10%未満」「10%以上」の3段階の範囲に分けて疲労度TDに基づく制御を行ったが、これと異なる範囲に区切ってもよく、また3段階に限らず、2段階や4段階以上に区切ってもよい。また、疲労が検出された場合の疲労度TDの範囲を1段階として、つまり、疲労が検出された場合(例えば疲労度TDが2%以上)と疲労が検出されない場合(疲労度TDが2%未満)のみ区別して、疲労が検出された場合は疲労度TDの値に拘わらず同様の制御を行うようにしてもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、乗員7の疲労を検出した場合の振動強度と加振時間を、同じ3段階の疲労度範囲に対してそれぞれ設定したが、例えば、疲労度TDが2%以上5%未満のとき、および5%以上10%未満のときはいずれも加振時間を15秒に設定するなど、振動強度と加振時間を異なる区切りで区切った疲労度範囲に対して設定するようにしてもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、図3に示すステップ110〜190が実行される周期が2分ほどであるため、通常制御による加振が行われる場合も、疲労度TDに基づいた加振が行われる場合も、断続的に加振が行われる周期が2分ほどになるが、ステップ180あるいはステップ185において、この2分の間に行う加振の周期と繰り返し回数を設定することにより、2分より短い周期での加振を実行するようにしてもよい。
【0062】
上記実施形態では、車両の運転席を疲労度に応じて振動させたが、さらに助手席も疲労度に応じて振動させるようにしてもよい。あるいは、疲労度に応じたシート振動は助手席のみとし、運転席は着座者の眠気を覚ますための制御を行うようにしてもよい。また、後部座席を疲労度に応じて振動させてもよく、後部座席に主に人が着座するような車両においては、後部座席のみ疲労度に応じて振動させるようにしてもよい。
【0063】
上記実施形態では、本発明を車両の座席に適用したが、これに限らず、飛行機の座席や、歯科の椅子、床屋の椅子など、着座者が自由に立ち上ることができない状況で着座するシート、あるいは作業場や家庭での事務椅子、家庭用リクライニングシートなど、さまざまなシートに本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るシート振動システムの全体構成図である。
【図2】図1に示す振動ユニットの構成を示す模式図である。
【図3】図1に示すシート振動ECUにより実行される制御処理のメインルーチンのフローチャートである。
【図4】図3に示すステップ150において実行される通常時心拍数検出処理のフローチャートである。
【図5】心拍信号の時間間隔(RRI)を示す説明図である。
【図6】図3に示すステップ160において実行される現在心拍数検出処理のフローチャートである。
【図7】図3に示すステップ180において実行される疲労度に基づく振動強度および加振時間決定処理のフローチャートである。
【符号の説明】
2 金属電極(着座者情報検出手段)
3 振動ユニット(振動発生手段)
7 乗員(着座者)
8 運転席(シート)
Claims (14)
- シート(8)を振動させる振動発生手段(3)と、
前記シート(8)に着座している着座者(7)に関する着座者情報を検出する着座者情報検出手段(2、150、160)と、
前記着座者情報に基づいて前記着座者(7)が疲労しているか否かを判定する疲労判定手段(165、170)と、
前記疲労判定手段(165、170)による判定結果に基づいて前記振動発生手段(3)による加振を制御する振動制御手段(180、190)とを備えたシート振動システム。 - 前記振動制御手段(180、190)は、前記疲労判定手段(165、170)により前記着座者(7)が疲労していると判定されたら、前記振動発生手段(3)に前記シート(8)を振動させることを特徴とする請求項1記載のシート振動システム。
- 前記振動制御手段(180、190)は、前記疲労判定手段(165、170)により前記着座者(7)が疲労していると判定されたら、前記振動発生手段(3)に前記シート(8)を所定継続時間だけ振動させることを特徴とする請求項2記載のシート振動システム。
- 前記疲労判定手段(165、170)は、前記着座者(7)が疲労しているか否かを判定する基準として、前記着座者情報に基づいて前記着座者(7)の疲労の程度を示す疲労度を算出し、
前記振動制御手段(180、190)は、前記所定継続時間を前記疲労度に基づいて決定することを特徴とすることを請求項3記載のシート振動システム。 - 前記振動制御手段(180、190)は、前記疲労判定手段(165、170)による前記判定結果に基づいて前記シート(8)の振動の強度を設定して、前記シート(8)が前記強度で振動するように前記振動発生手段(3)による加振を制御することを特徴とする請求項1記載のシート振動システム。
- 前記疲労判定手段(165、170)は、前記着座者(7)が疲労しているか否かを判定する基準として、前記着座者情報に基づいて前記着座者(7)の疲労の程度を示す疲労度を算出し、
前記振動制御手段(180、190)は、前記強度を前記疲労度に基づいて決定することを特徴とすることを特徴とする請求項5記載のシート振動システム。 - 前記振動制御手段(180、190)は、前記疲労度が第1所定値以上第2所定値未満である場合は、前記強度を第1所定強度に設定し、前記疲労度が第2所定値以上である場合は、前記強度を前記第1所定強度より高い第2所定強度に設定することを特徴とする請求項6記載のシート振動システム。
- 前記振動制御手段(180、190)は、前記疲労判定手段(165、170)により前記着座者(7)が疲労していると判定されたら、所定継続時間だけ、前記シート(8)が前記疲労度に基づいて決定した前記強度で振動するように前記振動発生手段(3)による加振を制御することを特徴とする請求項6ないし7のいずれか1項に記載のシート振動システム。
- 前記振動制御手段(180、190)は、前記所定継続時間を前記疲労度に基づいて決定することを特徴とする請求項8記載のシート振動システム。
- 前記振動制御手段(180、190)は、前記疲労度が第3所定値以上第4所定値未満である場合は、前記所定継続時間を第1所定時間に設定し、前記疲労度が第4所定値以上である場合は、前記所定継続時間を前記第1所定時間より長い第2所定時間に設定することを特徴とする請求項4または9記載のシート振動システム。
- 前記着座者情報検出手段は、前記着座者(7)の生理情報、動作情報、着座継続時間の少なくとも1つを前記着座者情報として検出することを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載のシート振動システム。
- 前記着座者情報検出手段は、前記着座者情報として前記着座者(7)から心拍信号を検出し、
前記疲労判定手段(165、170)は、前記心拍信号に基づいて前記疲労度を算出することを特徴とする請求項4または6記載のシート振動システム。 - 前記疲労判定手段(165、170)は、前記心拍信号から前記着座者(7)の通常時心拍数と現在の心拍数を算出し、前記現在の心拍数が前記通常時心拍数に比較して低下した割合を前記疲労度として算出することを特徴とする請求項12記載のシート振動システム。
- 前記シート(8)は車室内に配設されている座席であることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載のシート振動システム。
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