JP2004283271A - 検眼装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】経験の乏しい検者が検眼を行う場合や、検者がいないような場合においても高い測定精度を発揮することが可能な検眼装置を提供する。
【解決手段】演算制御回路63は、右眼ER、左眼ELにそれぞれバランステストを施し、それらの結果を基に処方値の左右両眼の等価球面度を算出する。片眼のバランステストはレッド・グリーンチャート100を用いて行われ、最初の応答から3度続けて「同じ」と応答した場合や、最初の応答が「同じ」で次に「GREEN」と応答した場合にはエラーと判定して再測定を行う。2度目のエラー判定が下された場合、被検者はバランステストを理解できないと判断し、代わりに+1Dぼかしテストを行う。また、応答の内容に応じて被検者の検査に対する理解能力を確認するための確認テストを行い、そのままバランステストを行うかどうか判断するようになっている。
【選択図】 図32

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検眼に対する検眼測定を行うための検眼装置に関し、より詳しくは、両眼同時他覚屈折測定および自覚屈折測定を行うことが可能な検眼装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、眼鏡処方を目的とした被検眼の屈折力測定は、他覚屈折測定の測定結果に基づく自覚屈折測定によって片眼の完全矯正度数を取得した後、片眼毎の度数を調整するための両眼バランステストを行って両眼完全矯正度数を求め、それに基づいて最終的な眼鏡レンズの処方値を決定する方法が広く用いられている。
【0003】
この両眼バランステストには、例えば図43に示すような視標が従来使用されていた。同図(a)、(b)に示す視標600L、600Rは、両眼視状態の被検者の左眼、右眼にそれぞれ提示される視標で、同図(c)に示すように、「3」および「5」からなる数字視標601Lと「6」および「9」からなる数字視標601Rとが融像枠602によって融像されて被検者に提示される。ここで、数字視標601Lの「3」および数字視標601Rの「9」は緑地で表示され、「5」および「6」は赤地で表示されるようになっている。そして、図43(c)に示す両眼視状態において、数字視標601Rの上下の数字の視認性を比較させ、上側の緑地の「9」が鮮明であれば右眼に+0.25Dを加え、逆に下側の赤地の「6」が鮮明であったら右眼に−0.25Dを加えて、双方が同じように鮮明に見えるか、または下側の「6」が僅かに鮮明に見えるような屈折力に調整する。数字視標601Lの左右の数字の視認性の比較による調整も同様に行う。このように上下左右の4個の視標の視認性を比較させ、全てがほぼ同様に鮮明となるような屈折力に調整してバランスを取るようになっている。
【0004】
さて、下記の特許文献1に記載された検眼装置は、問診−予備検査(裸眼・矯正視力測定、利眼検出など)−他覚測定−自覚測定(両眼バランステストを含む)、と通常の要領で行って被検眼の両眼完全矯正度数を求めた後、この両眼完全度数(球面度、乱視度、乱視軸角度)、問診の結果、予備検査の結果などを考慮して度数を調整し、処方値を決定するように構成されている。これにより、検眼に不慣れな検者には困難の伴う処方値決定を補助するようになっている。また、当該検眼装置は、測定プロセスの要所要所において必要な動作をディスプレイ上に表示することによって、検者をサポートするように構成されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−266467号公報
(段落〔0016〕−〔0022〕、第6図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年、眼鏡等の屈折力補正具を装用する人が増加しつつあり、ひいてはその処方のための検眼測定のニーズも高まっている。また、眼鏡のファッション化が急速に進んだこともあって、病院や診療所等だけではなく、一般の眼鏡店などで検眼測定を受ける人も増えている。このような背景から、検眼測定を施すには経験や技術が重要であるにもかかわらず、眼科医等の専門家ではない検者により処方が行われるケースが間々あるのが実状である。
【0008】
このような状況に対処するため、ムービー放映やアナウンスの出力によって被検者をガイドしながら、他覚的屈折力測定(他覚測定と略記することがある)および自覚的屈折力測定(自覚測定と略記することがある)の双方を一体的にかつ自動的に行えるよう構成された検眼装置が開発され、実用化段階に入って来ている。
【0009】
このような検眼装置は、熟練した検者の存在を前提としていないため、知識経験の乏しい検者による検眼や、更には検者がいないシチュエーションでの検眼でも、十分な精度を担保できるよう構成されている必要がある。特に、測定結果から処方値を決定する段階においては、熟練した検者による処理や判断に代わる何らかのプロセスが必要となる。上述の特許文献1に開示された検眼装置の構成をこの観点から考察すると、自動化された最先端の検眼装置に適用することは難しいと考えられる。
【0010】
即ち、特許文献1に記載の検眼装置は、検者に対する補助を考慮した構成となっているため、特に検者がいないケースでの測定には対応できないものである。また、検者の判断により検眼を進める必要があるので、いずれにしても検者の経験や技術により測定精度が左右されるものと思われる。
【0011】
また、自動化された検眼装置による検眼も、従来のように、幼児から老人までの幅広い年齢層を対象としているため、被検者の判断能力などに伴い測定結果に疑問が介在する場合があった。例えば、被検者自らの好みで赤地または緑地の方を選択するようなケースが稀に存在していた。また、両眼バランステストは、被検者の主観に基づいて行われる検査であるが、各視標のぼやけ度合いを比較判断することが困難となるような場合もある。特に、上述した図43に示す視標のように4個の視標を比較するような場合はその比較判断は困難なものとなる。このような場合、従来は検者がその経験等から被検者の状態を判断して臨機応変に測定を進めていったが、自動化が図られた検眼装置ではそのような検者の存在を仮定していないため、被検者の状態を判断して測定精度を保持するための何らかの手法が必要である。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、経験の乏しい検者が検眼を行う場合や、検者がいないような場合においても高い測定精度を発揮することが可能な検眼装置を提供することを目的としている。また、本発明は、検査効率を向上することが可能な検眼装置を提供することを目的とするものでもある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、被検眼の両眼同時他覚屈折測定を行うための他覚測定手段と、前記他覚測定手段により取得された前記被検眼の他覚値に基づき前記被検眼に所定の屈折力を付加して左眼および右眼のそれぞれの自覚屈折測定を行い、当該自覚屈折測定により取得された前記左眼および前記右眼のそれぞれの自覚値に基づき、前記左眼および右眼にそれぞれ付加する屈折力の両眼バランス調整を行うための自覚測定手段と、所定の検眼プロセスに従って自動的に測定を行うよう前記他覚測定手段および前記自覚測定手段を制御する制御手段と、を備えた検眼装置であって、前記制御手段は、前記自覚測定手段により測定された前記左眼および前記右眼のそれぞれの自覚値を初期値として、前記左眼および前記右眼に付加する屈折力のバランス調整のための測定をそれぞれ行うよう前記自覚測定手段を制御し、前記バランス調整のための測定により取得された前記左眼および前記右眼に付加するそれぞれの前記屈折力に基づき、前記両眼バランス調整の結果としての屈折力を算出する、ことを特徴とする。
【0014】
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の検眼装置であって、前記被検眼の前記屈折力を測定するレッド・グリーンテストのためのレッド・グリーン視標を提示することが可能な視標提示手段と、前記視標提示手段により提示される前記レッド・グリーン視標のうち、レッド側の視標とグリーン側の視標のどちらが明瞭に視認可能であるか被検者に選択を促すための選択手段と、前記選択手段により前記選択を促された前記被検者が応答するための応答手段と、を更に備え、前記制御手段は、前記応答手段による前記被検者の前記応答に基づき、前記左眼および前記右眼に付加する前記屈折力の前記バランス調整のための測定をそれぞれ行うよう前記自覚測定手段を制御することを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、請求項2記載の検眼装置であって、前記制御手段は、前記応答手段による前記被検者の前記応答の内容に基づき、前記左眼または前記右眼に付加する前記屈折力の前記バランス調整のための測定を行うかどうか判定することを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、請求項3記載の検眼装置であって、前記制御手段は、前記屈折力の前記バランス調整のための測定を行わないと判定されたことに対応して、前記両眼バランス調整をスキップするよう前記自覚測定手段を制御することを特徴とする。
【0017】
上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、請求項2記載の検眼装置であって、前記制御手段は、前記応答手段による前記被検者の前記応答の内容に基づき、前記左眼または前記右眼に付加する前記屈折力の前記バランス調整のための測定を再度行うかどうか判定することを特徴とする。
【0018】
上記目的を達成するために、請求項6に記載の発明は、請求項5記載の検眼装置であって、前記制御手段は、前記屈折力の前記バランス調整のための測定が所定の回数行われたことに対応して、前記両眼バランス調整をスキップするよう前記自覚測定手段を制御することを特徴とする。
【0019】
上記目的を達成するために、請求項7に記載の発明は、請求項6記載の検眼装置であって、前記被検眼に付加する球面度を切り換えるための球面度切換手段を更に備え、前記制御手段は、前記屈折力の前記バランス調整のための測定が前記所定の回数行われたことに対応して、前記被検眼に付加する前記球面度を所定の度数だけプラス側に切り換えるよう前記球面度切換手段を制御し、当該切り換えられた球面度を前記被検眼に付加した状態で前記被検眼の屈折力を測定するよう前記自覚測定手段を制御する、ことを特徴とする。
【0020】
上記目的を達成するために、請求項8に記載の発明は、請求項7記載の検眼装置であって、前記制御手段は、予め設定された前記球面度を前記プラス側に付加したときの前記被検眼の想定される視力値に対応する前記視標を提示するよう前記視標提示手段を制御し、前記視標提示手段により提示される前記想定される視力値に対応する前記視標を基に前記被検眼の視力検査を行うよう前記自覚測定手段を制御し、前記自覚測定手段により測定された前記被検眼の視力値と、前記想定される視力値とを比較し、その比較結果に基づいて前記両眼バランス調整の結果としての前記屈折力を決定する、ことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態の検眼装置の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
[検眼装置の構成]
図1において、1は高さが上下調節可能な検眼テーブル、2は検眼テーブル1に配設された検眼装置、3は検眼椅子、4は検眼装置2に着座した被検者である。検眼装置2は図2に示すように台座部5a、駆動機構ボックス5b、後述する測定光学系を内蔵する左右一対の本体部5l、5r、顔受け装置6を有する。本体部5l、5rは支柱5p、5qに支持されている。
【0023】
顔受け装置6には、一対の支柱6a、6bと顎受け6dとが設けられている。一対の支柱6a、6bには円弧状の額当て6cが設けられている。顎受け6dはノブ6e、6eにより上下方向に調節可能である。また、額当て6cも前後方向に調節可能である。
【0024】
駆動機構ボックス5b内には、支柱5p、5qをそれぞれ独立に駆動するXYZ駆動機構(図示を略す)が設けられている。このXYZ駆動機構には例えばパルス駆動モーター、送りネジが用いられ、公知の構成を採用することができる。また、駆動機構ボックス5b内には、支柱5p、5qをそれぞれ独立に水平方向でかつ反対方向に回転駆動させる回転駆動機構が設けられている。この回転駆動機構には、パルスモータとギヤとの組み合わせを用いれば良い。本体部5l、5rは、両眼同時他覚測定及び自覚屈折測定機能を有し、左右被検眼の眼球回旋点を中心として回転される。
【0025】
台座部5aにはジョイスティックレバー(以下、レバーという)6hが設けられ、このレバー6hにはボタン6gが設けられている。
【0026】
本体部5lの測定光学系は、図3〜図5に示した前眼部撮影光学系30L、XYアライメント光学系31L、固視光学系32L、屈折力測定光学系33Lを有する。本体部5rの測定光学系は、図3、図6、図7に示したように前眼部撮影光学系30R、XYアライメント光学系31R、固視光学系32R、屈折力測定光学系33Rを有する。本体部5lの測定光学系と本体部5rの測定光学系とは左右対称であるので、本体部5lの測定光学系について説明する。
【0027】
前眼部撮影光学系30Lは、前眼部照明光学系34と、撮影光学系35とを有する。前眼部照明光学系34は、前眼部照明用の光源36、絞り36a、光源36からの光を被検眼Eの前眼部に投影する投影レンズ37を有する。
【0028】
撮影光学系35は、被検眼Eの前眼部からの反射光が入射するプリズムP、対物レンズ38、ダイクロイックミラー39、絞り40、ダイクロイックミラー41、リレーレンズ42、43、ダイクロイックミラー44、CCDレンズ(結像レンズ)45、CCD(撮像手段)46を有する。
【0029】
XYアライメント光学系31Lは、アライメント照明光学系47、アライメント受光光学系としての撮影光学系35を有する。アライメント照明光学系47は、図4に示したように、アライメント用の照明光源48、アライメント視標としての絞り49、リレーレンズ50、ダイクロイックミラー41、絞り40、ダイクロイックミラー39、対物レンズ38、プリズムPを有する。
【0030】
固視光学系32Lは、固視標や自覚式検眼用のチャート等を表示させる液晶表示器53、ハーフミラー54、コリメータレンズ55、ロータリープリズム55A、55B、反射ミラー56、移動レンズ57、リレーレンズ58、59、クロスシリンダレンズ(VCCレンズ)59A、59B、反射ミラー60、ダイクロイックミラー61、39、対物レンズ38、プリズム(ミラーでも良い)Pを有し、本発明にいう自覚測定手段を構成している。移動レンズ57は、後述のパルスモータPMaの駆動により光軸方向にその位置を移動することによって左眼ELに付加される球面度を変更するようになっている。ここで、移動レンズ57およびパルスモータPMaは、本発明の球面度切換手段として作用する。
【0031】
ロータリープリズム55A、55Bは図11に示す公知のものが用いられ、互いに逆方向に回転するとプリズム量を連続的に変更でき、同じ方向に一体回転するとプリズム基底方向が回転する。ロータリープリズム55A、55Bは、図12(a)に示す視標71Aを左眼に提示し、図12(b)に示す視標71Bを右眼に提示して斜位の測定に用いられる。正常眼は図12(c)に示すように視標71Aと視標71Bとは中心で交差するが、斜位があると分離する。ロータリープリズム55A、55Bは図12(c)に示すように視標71Aと視標71Bとが中心で交わるプリズム量を測定するために用いられる。クロスシリンダレンズ(VCCレンズ)59A、59Bは図13に示す公知のものが用いられ、互いに逆方向に回転させると乱視度数が変更され、同じ方向に一体回転させると乱視軸が回転される。
【0032】
なお、ここでは、液晶表示器53を用いて視標を提示することにしているが、ターレット盤に視標を設けて背景照明により視標を提示する公知のものを用いても良い。
【0033】
固視光学系32Lは、被検眼Eの屈折力に応じて移動レンズ57がパルスモータPMaにより光軸方向に移動可能とされている。これにより、被検眼Eに固視雲霧させることができる。
【0034】
その固視光学系32Lには、融像視標提示光学系32L’が設けられている。融像視標提示光学系32L’は、照明光源としてのLED53A、コリメータレンズ53B、融像枠チャート53D、全反射ミラー53Eから構成されている。融像枠チャート53Dには図14に示すように正方形状の透過窓53Fと遮光部53Gとが形成されている。コリメータレンズ53Bには拡散面が設けられ、融像枠チャート53Dを一様照明するようになっている。
【0035】
本発明の実施の形態では、融像視標提示光学系32L’を設けているが、液晶表示器53の視標に直接融像枠53Fを設けることもできる。
【0036】
屈折力測定光学系33Lは、測定光束投影光学系62、測定光束受光光学系63を有する、本発明にいう他覚測定手段である。測定光束投影光学系62は、赤外LED等の測定用光源64、コリメータレンズ65、円錐プリズム66、リング視標67、リレーレンズ68、リング状絞り69、中央に透孔70aが形成された穴あきプリズム70、ダイクロイックミラー61、39、対物レンズ38、プリズムPを有する。
【0037】
また、測定光束受光光学系62は、被検眼Eの眼底Efからの反射光を受光するプリズムP、対物レンズ38、ダイクロイックミラー39、61、穴あきプリズム70の透孔70a、反射ミラー71、リレーレンズ72、移動レンズ73、反射ミラー74、ダイクロイックミラー44、CCDレンズ45、CCD46を有する。本体部5rの光学系は本体部5lの光学系と大略同一であるので、その説明は省略する。
【0038】
本体部5l、5rの制御系が図8に示されている。駆動装置20、24、26、28、前眼部観察用の照明光源36、液晶表示器(固視標光源)53、測定用光源64、パルスモータPMa等は図8に示す演算制御回路62’により作動制御される。また、演算制御回路62’にはCCD46からの検出信号が入力される。本体部5rの制御系は本体部5lの制御系と同一である。
【0039】
全体の制御回路は、図8に示すように、本体部5l、5rの制御回路62’、62’を制御する演算制御回路63(制御手段)を有する。この演算制御回路63には、ボタン6g、レバー6hの傾動動作を検出する傾動センサ12b、レバー12hの軸線回りへの回動操作を検出する回動センサ12cが接続されている。なお、ボタン6gおよびレバー6hは、本発明にいう応答手段を構成している。また、演算制御回路63にはモニター装置としての液晶表示器64l,64r、モニター装置64qが接続されている。液晶表示器64lは、図2に示すように、本体部5lの前面に設けられて、被検眼Eの左眼の前眼部像を表示する役割を果たす。表示部64rは本体部5rの前面に設けられて、被検眼Eの右眼の前眼部像を表示する役割を果たす。モニター装置64qは、座台部5aに立設された支柱64sに取り付けられている。そのモニター装置64qは、その表示画面64q’に被検者自身による検眼の測定手順をムービー放映により説明するモニター画面を提示する。また、演算制御回路63には、測定時に被検者をガイドするための音声出力を行う音声出力部80が接続されている。この音声出力部80は、本発明の選択手段を構成するもので、ガイド用の各種アナウンス音声を記録した記録部やスピーカ等を含んで構成され、演算制御手回路63により音声が選択され出力されるようになっている。
【0040】
その検眼装置2には、レンズメーター1000が接続されている。そのレンズメーター1000の接続態様は図9(a)〜図9(c)のいずれでも良い。そのレンズメーター1000の外観が例えば図10に示されている。このレンズメーター1000は眼鏡1006の左右のフレーム入り眼鏡レンズ1006L、1006Rの光学特性を同時に測定する機能を有する。その図10において、1007L、1007Rは眼鏡レンズ1006L、1006Rの押さえレバーである。眼鏡1006をこのレンズメーター1000の眼鏡セット台1001に置くと、眼鏡セット台1001に設置の検出ピン(図示を略す)が眼鏡1006のセットを検出する。これにより、自動的に押さえレバー1007L、1007Rが下降して、押さえ爪1008L、1008Rにより眼鏡1006が固定され、レンズメーター1000に内蔵の測定光学系により左右の眼鏡レンズ1006L、1006Rの光学特性データが同時に得られる。また、左右の眼鏡レンズ1006L、1006Rの光学特性データに基づき、被検者(眼鏡装用者)のPD値が得られる。このレンズメーター1000の測定光学系の構造については、原理的には2つの公知の測定光学系を用いて構成することができ、詳細説明は、例えば特願2000−399801号公報に記載されている。本発明の実施の形態では、図10に示すレンズメーターとしたが、PD測定機能を有する公知のオートレンズメーターを用いることもできる。
【0041】
そのレンズメーター1000の眼鏡レンズ1006L、1006Rの特性データは、演算制御回路63に入力される。演算制御回路63はモニター装置64qの表示画面64’に眼鏡レンズ1006L、1006Rの光学特性値、PD値を表示させる役割も果たす。このPD値を用いて、眼鏡レンズ装用者の場合には、本体部5l、5rの初期設定を行うようにすることが望ましい。
【0042】
[検眼装置の動作]
被検者4の来店とともにモニター装置64qがオンされ、表示画面64q’に所定の事項が表示される。そのモニター装置64qの表示画面64q’に表示された指示に従って、被検者4は表示画面64q’のタッチパネルを操作する。例えば、性別、年齢、眼鏡やコンタクトレンズの装用の有無等をタッチパネルの指示に従って入力する。同時に指示事項が音声でガイドされる。
【0043】
被検者4が眼鏡装用者の場合には、眼鏡1006の光学特性値データ(度数)をレンズメーター1000で測定する。これらの一連の問診が終了すると、モニター装置64qの表示画面64q’に検眼装置2の操作手順の説明がムービー放映される。
【0044】
そして、被検者4が着座して顎受け6dに顎を乗せ、額当て6cに額を当てると、被検者4の左眼EL、右眼ERに対するオートアライメントを行うために、本体部5l、5r内の前眼部観察用光源36、アライメント用の照明光源48、液晶表示器53を点灯させる。
【0045】
液晶表示器53に表示された固視標の光は、反射ミラー54、コリメータレンズ55、反射ミラー56、移動レンズ57、リレーレンズ58、59、反射ミラー60、ダイクロイックミラー61、39、対物レンズ38、プリズムPを介して、被検者4の左眼EL、右眼ERの眼底Efに投影される。
【0046】
液晶表示器53には、視標としての、図15に示すような風景チャート99が表示され、被検者4に提示される。
【0047】
また、演算制御回路63は、本体部5l、5rのプリズムP、Pの中心間距離(光軸OL、OR)が大人の被検者の平均瞳孔間距離(PD値=66mm)となるように、本体部5l、5rを左右方向に初期設定して調節する。一方、被検者4は固視標としての風景チャート99が見えるように顎受け6d等の高さを調節する。
【0048】
前眼部照明用の光源36からの照明光は、絞り36a、投影レンズ37を介して左眼EL、右眼ERの前眼部に投影され、前眼部が照明される。左眼EL、右眼ERの前眼部からの反射光は、プリズムP、対物レンズ38、ダイクロイックミラー39、絞り40、ダイクロイックミラー41、リレーレンズ42、43、ダイクロイックミラー44、CCDレンズ(結像レンズ)45を介してCCD(撮像手段)46に投影される。そして、左眼ELの前眼部像EL’がCCD46に結像される。また、演算制御回路62’は、CCD46からの出力信号に基づき左眼ELの前眼部像EL’を本体部5lの液晶表示部64lに表示させる。同様に、右眼ERの前眼部像ER’を本体部5rの液晶表示部64rに表示させる。
【0049】
一方、XYアライメント用の照明光源48からのアライメント光束は、アライメント視標としての絞り49、リレーレンズ50、ダイクロイックミラー41、絞り40、ダイクロイックミラー39、対物レンズ38、プリズムPを介して被検者4の左眼ELの角膜CLに投影されている。そして、角膜CLからの反射光は、プリズムP、対物レンズ38、ダイクロイックミラー39、絞り40、ダイクロイックミラー41、リレーレンズ42、43、ダイクロイックミラー44、CCDレンズ45を介してCCD46に結像され、角膜CLからの輝点像をCCD46に形成する。この輝点像は、演算制御回路63により、左眼ELの前眼部像EL’とともに液晶表示器64lに表示される。同様に、右眼ERの角膜CRからの輝点像も、右眼ERの前眼部像ER’とともに液晶表示器64rに表示される。演算制御回路63は、左眼ELの角膜CLからの輝点像がCCD46の所定の中心領域に入るように、つまり、左眼ELの光軸が本体部5lのプリズムPの中心(光軸OL)に一致する方向に駆動装置20、26を駆動制御する。この駆動に伴って、左眼ELの光軸が本体部5lの光軸OLにほぼ一致する許容範囲内に入ると、演算制御回路63は駆動装置20、26の作動を停止させて、本体部5lの左眼ELに対するXYアライメントを完了する。本体部5rの右眼ERに対するXYアライメントも同様に行われる。
【0050】
演算制御回路63は、本体部5lの左眼ELに対するXYアライメントが完了すると、CCD46上の輝点像が鮮明になるようにz(前後)方向駆動装置24を駆動制御して、本体部5lを光軸OL方向(前後方向)に移動制御する。演算制御回路63は、CCD46上の輝点像が鮮明になったことを検知すると、z(前後)方向駆動装置24の駆動を停止させ、Zアライメントを完了する。本体部5rの右眼ERに対するZアライメントも同様に行われる。
【0051】
演算制御回路63は、オートアライメントが完了すると、本体部5lの演算制御回路62’、本体部5rの演算制御回路62’をそれぞれ作動制御して、それぞれの測定用光源64を点灯させて赤外の測定光束を出射させ、被検者4の左眼EL、右眼ERの眼屈折力の測定を同時に開始する。
【0052】
測定用光源64からの光束は、測定光束投影光学系62を介して被検者4の左眼EL、右眼ERの眼底Efに投影される。つまり、測定用光源64からの測定光束は、本体部5l、5rそれぞれのコリメータレンズ65、円錐プリズム66を介してリング視標67に導かれ、リング視標67を透過したリング状の測定光束は、リレーレンズ68、リング状絞り69、中央に透孔が形成された穴あきプリズム70、ダイクロイックミラー61、39、対物レンズ38、プリズムPを介して、それぞれ左眼EL、右眼ERの眼底Efに投影される。
【0053】
眼底Efに投影されたリング状の測定光束は、眼底Efで反射される。この反射光は、測定光束受光光学系63、すなわち、プリズムP、対物レンズ38、ダイクロイックミラー39、61、穴あきプリズム70の透孔70a、反射ミラー71、リレーレンズ72、移動レンズ73、反射ミラー74、ダイクロイックミラー44、CCDレンズ45を介してCCD46にリング状の反射像が結像される。
【0054】
このリング状の反射像のCCD46による検出信号は、それぞれ、本体部5l、5rの演算制御回路62’に入力される。検出信号の入力を受けた演算制御回路62’は、そのリング状の反射像の大きさと形状とから左眼EL、右眼ERの眼屈折力を他覚的に測定する。この他覚的眼屈折力の測定原理は既に公知であるので、その詳細についての説明は省略する。
【0055】
[検眼装置の使用方法]
以下、図面を参照しながら、本実施形態の検眼装置2の使用方法について説明する。まず、検眼装置2の使用方法の全体の流れについて概略を説明し、その後で個々の工程における動作について詳細に説明する。
【0056】
〔使用方法の全体の流れ〕
まず、図16に示すフローチャートを参照しながら、検眼装置2の使用方法の全体の流れについて概略を説明する。最初に、モニター装置64qの表示画面64q’に表示されるムービーを被検者4に見せながら問診を行う(S1)。ここで、被検者4が眼鏡を装用している場合には、レンズメーター1000によりその眼鏡の光学特性データを取得する(S2)。次に、モニター装置64qの表示画面64q’に検眼装置2の操作手順を表示するとともに音声ガイドを出力しながら、操作手順を説明する(S3)。その後、検眼測定が選択されると、各個別の測定に入る。操作手順の説明が終了し、検眼測定が選択されたら、本体部5l、5rの被検者4の左眼EL、ERに対するオートアライメント(XYアライメント及びZアライメント)を行う(S4)。オートアライメントが完了したら、眼屈折力を測定する工程に移行する。検眼装置2による眼屈折力測定は、図16のS5に示す他覚的な測定と、S6〜S23からなる自覚的な測定とに大別することができる。他覚測定は、左眼EL、右眼ERの両眼に対して同時に行われる(S5)。続いて行われる自覚的な測定は、両眼同時他覚測定によって得られた眼屈折力(他覚値)を基に行われる。
【0057】
両眼同時他覚測定が終了したら、右眼ERに対する自覚測定が行われる。右眼ERに対する自覚測定は、視力測定(S6)、レッド・グリーンテスト(S7)、+1Dぼかしテスト(S8)、乱視軸を測定するためのクロスシリンダテスト(以下、CCテストとも称する)(S9)、そして、乱視度を測定するためのCCテスト(S10)の順に行われる。左眼に対する自覚測定も、これと同じ工程により行われる(S11からS15)。片眼毎の自覚測定が終了したら、両眼バランステスト(S16)、+1Dぼかしテスト(S17)が行われ、片眼毎行われた自覚測定の結果の調整をし、自覚測定による眼屈折力(自覚値)を取得する。
【0058】
被検者4の左眼EL、右眼ERの自覚値を取得したら、その自覚値による矯正を付加して視力測定を行い(S18)、S2で取得したデータを基に眼鏡度数による視力検査を行い(S19)、更に裸眼による視力測定を行う(S20)。そして、これら3種類の視力測定結果のうちどれが最もよく見えるか確認するための確認テストが行われる(S21)。
【0059】
最後に、近用加入度を測定するための近用テストを行い(S22)、それにより得られた近用加入度を付加した状態で近用視力テストを行う(S23)。以上の結果を基に処方値を決定し(S24)、処理を終了する。
【0060】
〔使用方法の各工程における処理〕
以下、このような流れに沿って行われる検眼装置2による処理を、工程毎に詳しく説明する。ここで、問診(S1)、装用眼鏡測定(S2)、モニター表示及び音声ガイド(S3)及びオートアライメント(S4)については、以上で説明されたかまたは既に公知の内容であるから、説明は省略する。また、両眼同時他覚測定(S5)についても、同様の理由から、説明は簡略なものに止めることとする。
【0061】
(両眼同時他覚測定;S5)
本体部5l、5rの被検者4の左眼EL、ERに対するオートアライメント(S4)が完了すると、検眼装置2は他覚測定モードに自動設定される。つまり、被検者4の左眼EL、右眼ER(以下、「両眼」とも称する)には風景チャート99が提示され、PDはアライメント時に求められたPD値とされる。そして、「必要とするメガネ度数を求めます。視力測定器を覗いてください。」とアナウンスする。その1秒後、「目を大きく開けて、まばたきを少し我慢してください。」とアナウンスし、両眼同時にアライメントを行う。アライメントの完了後、両眼同時に他覚測定を行って両眼の他覚値S(球面度数)、C(乱視度数)、A(乱視軸角度)を取得し、他覚値S、C、Aの代表値を表示・出力する。
【0062】
(右眼の視力測定;S6)
両眼同時他覚測定(S5)が終了すると、「屈折測定値を求めました。この屈折値による視力測定を行います。」とアナウンスし、両眼に他覚値S、C、Aをセットする。更に、右眼ERに視力値0.5の視標(ランドルト環)を提示するとともに、左眼ELの視標照明光源をオフにする。そして、「視標の切れ目方向にレバー(6h)を倒してください。」とアナウンスする。
【0063】
被検者4がランドルト環の切れ目方向と認識した方向にレバー6hを倒すと、提示視標の切れ目の方向とレバー6hの倒れた方向とが一致しているか(OK)否か(NG)を判定する。そして、この一致判定の結果に基づき、「これはどうですか。」とアナウンスするとともに、右眼ERに次の視標を提示する。ここで、視力値決定のアルゴリズムは、次による。
【0064】
最初の提示で、レバー6hを倒した方向と、ランドルト環の切れ目方向とが一致した場合、視力値を1ステップずつ上げながら同様の検査を繰り返す。ステップを上げて行く段階でNGとなった場合、最大4回提示をする。また、視力値を上げて行く段階において、同じ視力値のランドルト環を切れ目方向を変更して提示する場合、水平方向と垂直方向とを交互に提示するようにする。また、水平方向の右と左、垂直方向の上と下は、ランダムに選択されるようになっている。最大4回提示のうち2回NGとなったら、その下の視力値とする。3回以上OKとなったら、少なくともその視力値を有すると判定し、その上の視力値のランドルト環を提示する。
【0065】
一方、最初の提示で、レバー6hを倒した方向と、ランドルト環の切れ目方向とが一致しなかった場合は、OKとなるまで提示するランドルト環の視力値を下げていく。その段階でOKとなったら、今度は提示するランドルト環の視力値を上げて行く。上げて行く段階でNGとなった場合、最大4回提示する。これ以降は、上記の最初の提示で一致した場合の説明で述べたものと同様に進められる。
【0066】
このようなアルゴリズムに従って右眼ERの視力値が決定されると、両眼に風景チャート99を提示する。最後に、決定された視力値をメモリーして、右眼ERの視力測定を終了する。
【0067】
(右眼のレッド・グリーンテスト;S7)
本実施形態の検眼装置2には、被検眼EL、ERの球面度を精密測定するためのレッド・グリーンテスト用の視標として、図17に示すようなレッド・グリーンチャート(レッド・グリーン視標)が設けられている。図17(a)は、本体部5r内の固視光学系32Rの液晶表示器53(視標提示手段)に表示され、被検者4の右眼ERに提示される(右眼用)レッド・グリーンチャート100Rを示している。また、図17(b)は、本体部5l内の固視光学系32Lの液晶表示器53に表示され、被検者4の左眼ELに提示される(左眼用)レッド・グリーンチャート100Lを示している。図17(c)は、双方のレッド・グリーンチャート100R、100Lを提示したときに、被検者4により融像されて認識されるレッド・グリーンチャート100の形態を示している。
【0068】
図17(a)に示す右眼用レッド・グリーンチャート100Rは、中心を挟んで水平方向に形成された一対の融像用水平視標101と、各視標を囲むように形成された正方形状の融像枠102とを含んでいる。融像水平視標101及び融像枠102は、両眼にそれぞれ提示される視標像の融像を促すための視標である。また、融像枠102の内部領域は融像水平視標101を挟んで上段と下段とに分割されており、その上段の左側および右側には、赤地の矩形視野103lおよび緑地の矩形視野103rが形成されている。赤地の矩形視野103l内には、数字視標「6」と2重円からなるリング視標とが設けられている。また、緑地の矩形視野103r内には、数字視標「9」と同様のリング視標とが設けられている。
【0069】
一方、図17(b)に示す左眼用レッド・グリーンチャート100Lにも、同様の融像用水平視標101と融像枠102とが含まれている。また、融像枠102の内部領域は融像水平視標101を挟んで上段と下段とに分割されており、その下段の左側および右側には、赤地の矩形視野104lおよび緑地の矩形視野104rが形成されている。赤地の矩形視野104l内には、数字視標「8」とリング視標とが設けられている。また、緑地の矩形視野104r内には、数字視標「3」とリング視標とが設けられている。
【0070】
以下、このようなレッド・グリーンチャート100R、100Lを用いたレッド・グリーンテストの使用方法を、図18ないし図20に示すフローチャートを参照しながら説明する。ここで、図18は、レッド・グリーンテストにおける最初の応答が「(赤と緑とが)同じ」であったときの処理の流れを示すフローチャートであり、図19は、最初の応答が「緑(の方がよく見える)」であったときの処理の流れを示すフローチャートであり、図20は、最初の応答が「赤(の方がよく見える)」であったときの処理の流れを示すフローチャートである。
【0071】
まず、本体部5rの液晶表示器53に右眼用レッド・グリーンチャート100Rを表示して被検者4の右眼ERに提示するとともに、左眼EL用の照明光源をオフとすると、被検者4は、その右眼ERによって、左側の赤色視野内に数字視標「6」とリング視標とを、また、右側の緑色視野内に数字視標「9」とリング視標とを観察することとなる。ここで、「両方ともはっきり見えたらボタン(6g)を押してください。もしそうでないなら、はっきり見える方向へレバー(6h)を倒してください。」というアナウンスを繰り返し出力して、被検者4に応答を促す(S101)。
【0072】
最初の応答においてボタン6gが押された場合(S101;SAME)、調整介入の有無を確認するためにS(球面度数)+0.50Dを加えるとともに(S102)、「ピンポン」音を出力し、再び赤(R)と緑(G)とのどちらがよく見えるか被検者4に応答を促す(S103)。ここで、Rの方がよく見えると応答した(レバー6hを左に倒した)場合(S103;RED)、調整の介入は無いものと判断し、S−0.50Dを加えて処理を終了する(S104)。また、Gの方がよく見えると応答した(レバー6hを右に倒した)場合(S103;GREEN)、S+0.50D以上の調節除去があったのでエラーと判定し、設定を他覚値に戻す(S105)。
【0073】
一方、2度目の応答において再び「同じ」と応答された場合は(S103;SAME)、調整介入の可能性があると判断し、更にS+0.50Dを加え(S106)、3度目の応答を促す(S107)。ここで「RED」と応答された場合は、S+0.50Dの調整介入と判断し、S−0.50Dを加え、終了する(S108)。また、「GREEN」と応答された場合は、S+1.0D以上の調節除去があったのでエラーと判定し、他覚値に戻す(S109)。また、3度目の応答においても「同じ」と応答された場合には、S+1.0Dを加えたにも関わらず何等変化がないので、被検者4はレッド・グリーンテストを理解していないものと判断し、エラーとする(S110)。このときも同様に他覚値に戻される。
【0074】
次に、最初の応答において「GREEN」と応答された場合の処理について、図19を参照しながら説明する。最初の応答において「GREEN」と応答されると(S101;GREEN)、過矯正であると判断してS+0.50Dが加えられ(S111)、2度目の応答を促す(S112)。
【0075】
この2度目の応答において「RED」と応答されると、弱矯正となったものと判断し、S−0.25Dが加えられ(S113)、3度目の応答を促す(S114)。この3度目の応答において「RED」と応答された場合、更にS−0.25Dステップで加えると過矯正になる。弱矯正に留め、この時点のディオプタ値(D値)をもって終了する(S115)。また、この3度目の応答において「GREEN」と応答されると、S−0.25Dを加えたことにより過矯正となったものと判断し、S+0.25Dを加えて弱矯正として終了する(S116)。また、「同じ」と判断された場合は、この時点のD値をもって終了する(S117)。
【0076】
また、2度目の応答(S112)において「同じ」と応答されると、調整介入の有無を確認するためにS+0.50Dを加え(S118)、3度目の応答を促す(S119)。この3度目の応答において「RED」と応答されると、S+0.50Dの調整の介入は無いものと判断し、S−0.50Dを加えてD値を元に戻して終了する(S120)。また、この3度目の応答において「GREEN」と応答されると、S+1.0以上の過矯正であるから、レッド・グリーンテストを理解していないものと判断しエラーと判定して、他覚値に戻す(S121)。また、この3度目の応答において「同じ」と応答されると、S+1.0Dを加えたにも関わらず何等変化がないので、このレッド・グリーンテストを理解していないものと判断しエラーと判定して、他覚値に戻す(S122)。
【0077】
一方、最初の応答に続いて2度目の応答(S112)においても「GREEN」と応答されると、S+0.50D以上の過矯正と判断して、更にS+0.50Dを加え(S123)、3度目の応答を促す(S124)。この3度目の応答において「GREEN」と応答されると、S+1.0以上の過矯正であることとなり、レッド・グリーンテストを理解していないものと判断しエラーと判定して、他覚値に戻す(S125)。同様に、この3度目の応答において「同じ」と応答されると、S+1.0Dを加えたにも関わらず何等変化がないので、このレッド・グリーンテストを理解していないものと判断しエラーと判定して、他覚値に戻す(S126)。
【0078】
また、3度目の応答(S124)において「RED」と応答された場合は、弱矯正に移行したものと判断し、半分のS−0.25Dを加えて(S127)、4度目の応答を促す(S128)。この4度目の応答において「RED」と応答された場合はそのまま弱矯正に留めて終了する(S129)。また、「GREEN」と応答した場合、S−0.25Dを加えたことで過矯正となったものと判断し、S+0.25Dを加え弱矯正として終了する(S130)。また、「同じ」と応答された場合は、この時点のD値をもって終了する(S131)。
【0079】
最後に、最初の応答において「RED」と応答された場合の処理について、図20を参照しながら説明する。最初の応答において「RED」と応答されると(S101;RED)、弱矯正であると判断しS−0.50Dが加えられ(S111)、2度目の応答を促す(S142)。
【0080】
この2度目の応答において「同じ」と応答されると、この時点のD値をもって終了する(S143)。
【0081】
また、2度目の応答(S142)において「GREEN」と応答されると、過矯正となったものと判断し、S+0.25Dが加えられ(S144)、3度目の応答を促す(S145)。この3度目の応答において「RED」と応答されると、S+0.25Dを加えて弱矯正となったと判断して、この段階のD値を採用して終了する(S146)。また、この3度目の応答において「GREEN」と応答されると、S+0.25Dを加えてもなお過矯正であるものと判断し、更にS+0.25Dを加えて弱矯正として終了する(S147)。また、「同じ」と判断された場合は、この時点のD値をもって終了する(S148)。
【0082】
一方、2度目の応答(S142)において「RED」と応答されると、S−0.50D以上の弱矯正と判断して、更にS−0.50Dを加え(S149)、3度目の応答を促す(S150)。この3度目の応答において「RED」と応答されると、S−1.0D以上の調節の介入があったこととなり、レッド・グリーンテストを理解していないものと判断しエラーと判定して、他覚値に戻す(S151)。この3度目の応答において「同じ」と応答された場合は、この時点のD値をもって終了する(S152)。
【0083】
また、3度目の応答(S150)において「GREEN」と応答された場合は、過矯正に移行したものと判断し、半分のS+0.25Dを加えて(S153)、4度目の応答を促す(S154)。この4度目の応答において「RED」と応答されると、S+0.25Dを加えて弱矯正となったと判断して、この段階のD値を採用して終了する(S155)。また、この3度目の応答において「GREEN」と応答されると、S+0.25Dを加えてもなお過矯正であるものと判断し、更にS+0.25Dを加えて弱矯正として終了する(S156)。また、「同じ」と判断された場合は、この時点のD値をもって終了する(S157)。
【0084】
以上のような工程で被検者4の右眼ERに対するレッド・グリーンテストは行われる。このような工程を採用することにより、次のような利点が奏されることとなる。まず、最初の応答から3度続けてボタン6gが押下されて「同じ」と応答されたときは、被検者4はレッド・グリーンテストを理解できず、赤または緑の判断ができないものとみなしてエラー判定を下し、D値を初期値である他覚値に戻してレッド・グリーンテストを終了するようになっている。また、最初の応答から3度続けて赤または緑が選択された場合にも同様のエラー処理が実行されるようになっている。したがって、レッド・グリーンテストに対する被検者4の理解能力をふるいに掛け、被検者に応じてその処理の流れを切り換えることが可能となる。
【0085】
なお、エラーとなってレッド・グリーンテストが行われない場合には、次に説明する+1Dぼかしテストが代わりに行われる。以上のレッド・グリーンテストが終了すると、被検者4の両眼には風景チャート99が提示される。
【0086】
(+1Dぼかしテスト;S8)
右眼ERへのレッド・グリーンテストによりエラー判定が下された場合には、その代わりに+1Dぼかしテストが行われる。なお、+1Dぼかしテストは、レッド・グリーンテストの他にも、両眼バランステストのテスト結果が疑わしい場合にそれに代えて行われるテストである。この+1Dぼかしテストは、他覚測定で得られた他覚値にS+1.0Dを加えると視力値が0.5〜0.7程度に低下することが経験的に知られていることを利用したテストで、他覚値にS+1.0Dを加えてやったときの視力値を測定し、その結果が想定される視力値0.5〜0.7であれば、その他覚値(S、C、A)は正しいものと判断するものである。また、視力値が0.5未満の場合は弱矯正と判断し、視力値0.5が得られるまでマイナスのD値が加えられ、逆に視力値が0.7を超える場合には過矯正と判断して、視力値0.7が得られるまでプラスのD値が加えられる。なお、ターゲットとなる視力値は0.5〜0.7の範囲には限定されず、任意に選択することができる。また、ターゲットは幅を持たずに一定の視力値(例えば0.6)であっても良い。
【0087】
図21は、+1Dぼかしテストの処理の流れを示すフローチャートである。+1Dぼかしテストは、設定を他覚値に戻し、この他覚値にS+1.0Dを加えることから始まる(S201)。このとき、左眼EL用の視標や融像枠はオフとされる。そして、他覚値にS+1Dを加えた状態でランドルト環を提示し、視力検査を行う(S202)。視力検査で得られた視力値が0.5以上0.7以下である場合(S203)、S−1.0Dを加えて他覚値に戻して終了する(S204)。このD値は表示・メモリーされる。
【0088】
視力検査で得られた視力値が0.5未満の場合(S203)、視力値0.5に対応する視標(ランドルト環)を呈示し(S205)、視力検査を行う(S206)。視力検査の結果、視力値が0.5以上であった場合は、S−1.0Dを加えて他覚値に戻して終了し(S204)、このD値を表示・メモリーする。また、視力検査の結果、視力値が再び0.5未満であった場合(S207)、S−0.25Dを加えて(S208)、再度視力検査を行う(S206)。視力値が0.5以上となるまでS−0.25Dを順次加えて視力検査を行い、−1Dを加えて終了し(S204)、得られたD値を表示・メモリーする。
【0089】
また、視力検査で得られた視力値が0.7を超える場合(S203)、視力値0.7に対応する視標(ランドルト環)を呈示し(S209)、視力検査を行う(S210)。視力検査の結果、視力値が0.7以下であった場合は、S−1.0Dを加えて他覚値に戻して終了し(S204)、このD値を表示・メモリーする。また、視力検査の結果、視力値が再び0.7を超える場合(S211)、S+0.25Dを加えて(S212)、再度視力検査を行う(S210)。視力値が0.7以下となるまでS+0.25Dを順次加えて視力検査を行い、−1Dを加えて終了し(S204)、得られたD値を表示・メモリーする。
【0090】
(クロスシリンダテスト;S9、S10)
続いて、図22ないし図31、図33および図34を参照して、検眼装置2により行われるクロスシリンダテスト(CCテスト)における処理の流れについて説明する。図22は、CCテストの全体の流れの概略を示すフロ−チャートである。図23および図26は、乱視軸を測定するためのCCテストに関するもので、図23は、このCCテストの処理の流れを示すフローチャート、そして図24は、このCCテストにおいて利用される確認テストの処理の流れを示すフローチャートで、図25は、このCCテストに使用される視標を示す概略図で、図26は、確認テストに使用されるイラストチャート400の概略図である。なお、イラストチャートとは、日常見慣れた風景などを基にした複数段階の視力値に相当する視標を備えたチャートと定義する。視標300は、クロスシリンダドットチャートと呼ばれるもので、液晶表示器53によって表示されるようになっている。また、イラストチャート400も同様に液晶表示器53によって表示される。更に、図33および図34も乱視軸を測定するためのCCテストに関するもので、図33は乱視度および軸角度を決定するために参照され、図34は確認テストにおいて参照される。
【0091】
一方、図27ないし図30は、乱視度を測定するためのCCテストに関するフローチャートで、図27ないし図29はこのCCテストの処理の流れを示し、図30はこのCCテストにおいて利用される確認テストの処理の流れを示している。なお、図25のクロスシリンダドットチャート300および図26のイラストチャートは、このCCテストにも使用される。また、図31は、他覚値のC=0Dかつ眼鏡のC値も0Dでありながら、乱視度確認検査およびクロスシリンダテストが行われ、乱視度処方がなされた場合に行われる確認テストの処理の流れを示すフローチャートである。
【0092】
まず、図22のフローチャートを参照しながら、検眼装置2による、被検者4の右眼ERに対するCCテストの処理の概略を説明する。そのための準備として、まず、左眼EL用の視標照明光源がオフとされ、右眼ERに対する本体部5rのオートアライメントが行われる。準備が完了すると、液晶表示器53に図25に示すクロスシリンダドットチャート300を設定し、被検者4の両眼に提示される(S301)。続いて、両眼それぞれに対する球面度SにS−0.5Dを付加する(S302)。他覚測定による他覚値の乱視度Cが0Dであり(S303)、(眼鏡装用者の場合)メガネ度数が0D(S304)かつ他覚測定値による視力値が1.2以上(S305)である場合は、CCテストを行わずスキップする(S306)。なお、他覚測定値による視力値の基準は1.2以上である必要はなく、例えば1.0以上など適宜設定することが可能である。
【0093】
他覚測定値による視力値が1.2未満である場合(S305)、右眼ERの視標照明光源をオフとし、等価球面度(SE)(=S+1/2・C)を一定にしてC−0.50Dを加えた後(S307)、右眼ERの視標照明光源をオンとしてA(180)/A(90)テストを行う(S308)。
【0094】
このA(180)/A(90)テストは、次のようにして行われる。なお、クロスシリンダレンズ59A、59Bにより軸角度は初期状態の180度に設定されている。まず「この1の見え方がよければレバーを左」とアナウンスを出力し、クロスシリンダドットチャート300を注視させる。以下、この条件をA(180)とする。次に、右眼ERの視標照明光源をオフとして軸角度を90度に設定し(条件A(90)とする)、視標照明光源をオンとする。そして、「この2の見え方がよければレバーを右、同じならレバーのボタンを押してください」とアナウンスを出力し、クロスシリンダドットチャート300を注視させる。更に、条件A(180)とA(90)とを交互に提示するとともに、上記のアナウンスを繰り返し出力する。左右いずれかにレバーが倒されるか、ボタンが押されるかしたら、その結果をメモリーする。以上で、このA(180)/A(90)テストは終了する。
【0095】
A(180)/A(90)テストが終了すると、次にA(45)/A(135)テストが行われる(S309)。まず、右眼ER用の視標照明光源をオフとし、クロスシリンダレンズ59A、59Bを回動して軸角度を45度に設定する。そして、視標照明光源をオンとし、「この1の見え方がよければレバーを左」とアナウンスを出力し、クロスシリンダドットチャート300を注視させる。以下、この条件をA(45)とする。次に、右眼ERの視標照明光源をオフとして軸角度を135度に設定し(条件A(135)とする)、視標照明光源をオンとする。そして、「この2の見え方がよければレバーを右、同じならレバーのボタンを押してください」とアナウンスを出力し、クロスシリンダドットチャート300を注視させる。更に、条件A(45)とA(135)とを交互に提示するとともに、上記のアナウンスを繰り返し出力する。左右いずれかにレバーが倒されるか、ボタンが押されるかしたら、その結果をメモリーする。以上で、このA(45)/A(135)テストは終了する。
【0096】
続いて、A(180)/A(90)テストの結果とA(45)/A(135)テストの結果とを基に、図33を参照して乱視度(図33中に示すCyl)および乱視軸角度(同Axis)を求め、その値をセットする(S310)。特に、A(180)/A(90)テストおよびA(45)/A(135)テストの双方とも「同じ」と回答した場合はC=0、A=180°として、クロスシリンダテストを終了する(S306)。
【0097】
他覚のC値が0Dでない場合(S303)、他覚のC値が0Dでありかつ眼鏡のC値が0Dでない場合(S304)、および、他覚のC値が0Dであり、眼鏡のC値が0Dであり、他覚の視力値が1.2未満であり、かつ、図33から得られたC値が0でない場合(S304)、乱視軸測定のためのCCテスト(S400)および乱視度測定のためのCCテスト(S600)を行い、クロスシリンダテストに関する処理を終了する(S306)。つまり、0DでないC値が一度でも得られた場合には、乱視軸測定および乱視度測定のためのCCテストが行われるようになっている。以下、乱視軸測定のためのCCテスト(S400)および乱視度測定のためのCCテスト(S600)について詳細に説明する。
【0098】
(乱視軸を測定するためのクロスシリンダテスト)
図23は、乱視軸測定のためのCCテスト(S400)における処理を示すフローチャートである。このフローチャートには、最初のCCテストにおいて(A+)が選択された場合、および、最初のCCテストにおいて「同じ(=)」が選択されかつ2回目以降のCCテストにおいて(A+)が選択された場合の処理の流れが示されている。最初のCCテストにおいて(A−)が選択された場合、および、最初のCCテストにおいて(=)が選択されかつ2回目以降のCCテストにおいて(A−)が選択された場合については、図23に示すケースと対称に処理が行われる。このとき、フローチャートのS411等に示す「A=A+α」を「A=A−α」と読み替えて適用することとする。
【0099】
ここで、クロスシリンダテストに入る前にレッド・グリーンテスト等により得られた屈折力をDθ、1(S、C、A)と記す。クロスシリンダレンズ59A、59BをCC±0.25Dにセットする。このCC±0.25Dは、S=+0.25D、C=−0.50Dと等価であるから、屈折力Dθ、2は、(0.25,−0.50,A±45°)と表すことができる。
【0100】
最初のCCテスト(S401)は、次のようにして行われる。右眼ERの視標照明光源をオフとし、Dθ、1とA+45°の場合のDθ、2との合成屈折力Dθ、0(S、C、A)をセットする。以下、この状態を(A+)と表す。右眼ERの視標照明光源をオンとし、「この1の見え方がよければレバーを左」とアナウンスを出力し、クロスシリンダドットチャート300を注視させる。次に、右眼ERの視標照明光源をオフとし、Dθ、1とA−45°の場合のDθ、2との合成屈折力Dθ、0(S、C、A)をセットする。以下、この状態を(A−)と表す。視標照明光源をオンとし、「この2の見え方がよければレバーを右、同じならレバーのボタンを押してください」とアナウンスを出力し、クロスシリンダドットチャート300を注視させる。更に、(A+)と(A−)とを交互に提示するとともに、上記のアナウンスを繰り返し出力する。レバーhが左に倒され場合はA=A+α°とし、右に倒された場合はA=A−αとする。対応するAもこれに伴って変化する。ここで、αは、例えば5°とできる。
【0101】
このように、被検者4は、(A+)と(A−)とのうちよく見える方にレバー6hを倒すか、同じに見えるときにはボタン6gを押すかすることによりテストを進めていく。最初のCCテストでボタン6gが押された場合(S401;(=))、軸角度Aが1°≦A<45°の場合は水平(1°)方向へ、軸角度Aが45°≦A≦135°の場合は垂直(90°)方向へ、軸角度Aが135°<A≦45°の場合は水平(180°)方向へ、5°送られるようになっている。ただし、85°<A<95°の場合は90°とし、1°≦A≦5°および175°<A≦180°の場合は180°とする。
【0102】
被検者4による選択が(A+)から(A−)に変わったとき、または、(A−)から(A+)に変わったときに軸測定のためのCCテストは終了となる。このとき、選択が変わったときの角度から5°(α)を引いた角度や足した角度、また、選択が変わる前後の2つの角度の平均値などを測定結果として採用することができる。
【0103】
また、(A+)や(A−)から「同じ」に選択が変わったときは、「同じ」となる前の状態と同じ方向に5°送られる。そしてCCテストを行い、先程とは逆の状態が選択された場合には、逆方向に5°戻して終了するようになっている。
【0104】
以下、図23に示すフローチャートに従って、乱視軸角度測定のためのCCテストの処理の流れについて具体的に説明する。
【0105】
最初のCCテストの結果が「同じ(=)」である場合(S401)、上記の要領で、軸角度に応じて水平または垂直方向にαだけ送られ(上述のように水平または垂直方向とされることもある。)(S402)、この状態でCCテストを行う(S403)。その結果、再び(=)とされた場合、被検者4は軸角度変換に対する感度が鈍く、CC±0.25Dでは判断できないものとみなし、軸角度を初期値に戻すとともに(S404)、クロスシリンダレンズ59A、59BをCC±0.50Dに設定する(S405)。この状態でCCテストを行う(S406)。その結果がまた(=)であるときは、S402と同様に軸角度をαだけ送り(S407)、CCテストを行う(S408)。このCCテストの結果が(=)であるときは、被検者4はクロスシリンダテストによる軸角度測定を理解していないものと判断し、軸角度を初期値に復帰させ(S409)、乱視度数を測定するためのCCテストに移行する(S410)。以下、乱視度数を測定するためのCCテストを「度のCCテスト」と略記する。
【0106】
一方、上記のいずれかのCCテストにおいて、(A+)が選択された場合(S401,S403,S406,S408)、角度αだけ送り軸角度A=A+αとして(S411)、CCテストを行う(S412)。(A−)が選択された場合は、A=A−aとし元の角度に戻して終了する(S413)。
【0107】
また、S412のCCテストにおいて(=)とされた場合、更にA=A+αとして(同じ方向に更にαだけ送って)(S414)、CCテストを行う(S415)。このCCテストの結果が(A−)である場合は、A=A−aとして終了する(S416)。なお、このとき得られる値はA+αである。また、このCCテストの結果が(A+)である場合は、軸角度を初期値に戻して(S417)、度のCCテストに移行する(S418)。このCCテストの結果が(=)である場合も同様に、軸角度を初期値に戻して(S419)、度のCCテストに移行する(S420)。
【0108】
また、S412のCCテストにおいて(A+)とされた場合、更にA=A+αとして(S421)、CCテストを行う(S422)。このCCテストの結果が(A−)である場合は、A=A−aとして終了する(S423)。また、このCCテストの結果が(=)である場合は、軸角度を初期値に戻して(S424)、度のCCテストに移行する(S425)。このCCテストの結果が(A+)である場合には、次に説明する確認テストを行う(S426)。
【0109】
S426の確認テストは、最初から3回続けて(A+)または(A−)が選択されたときに行われる。これは、提示される視標の違いを判断できていない可能性を考慮したものである。図24は、この確認テストおよびその判断により更に実行されるCCテストの処理の流れを示すフローチャートである。
【0110】
まず、図26に示すようなイラストチャートを呈示し(S501)、レッド・グリーンテスト後の測定値Dθ、1による見え方1と、ここでの測定値Dθ、1’(A=A+2αに対応している)による見え方2とを交互に切り換え、「この1の見え方の方が良ければ左、この2の見え方の方が良ければ右にレバーを倒してください。同じならボタンを押してください。」と繰り返しアナウンスを出力し、第1確認テストを行う(S502)。
【0111】
被検者4がDθ、1’(見え方2,レバー6hを右)を選択した場合、被検者4は正しく応答しているものと判断し、CCテストに戻る(S503)。このCCテストにおいて、更に(A+)または(A−)が繰り返され、図34に示す(限界)角度にまで達した場合(S504,S505)、被検者4はCCテストを判断できないものとみなし、初期値Dθ、1に戻して乱視軸を測定するためのCCテスト(以下、軸のCCテストと略称する)を終了し(S506)、度のCCテストに進む(S507)。
【0112】
また、S502の第1確認テストにおいて「同じ」が選択された場合、被検者4は軸のCCテストを判断できないものとみなし、初期値Dθ、1に戻し(S508)、終了する(S509)。
【0113】
一方、S502の第1確認テストにおいてDθ、1が選択された場合、この屈折力を設定し、(A+)と(A−)とを交互に提示するとともに、「この1の見え方の方が良ければ左、この2の見え方の方が良ければ右にレバーを倒してください。同じならボタンを押してください。」と繰り返しアナウンスを出力して第2確認テストを行う(S511)。この第2確認テストにおいて(=)が選択されたら、被検者4は軸のCCテストを判断できないものとみなし、初期値Dθ、1に戻し(S512)、度のCCテストに移行する(S513)。
【0114】
また、S511の第2確認テストにおいて(A−)が選択されたときは、(A−)が選択されたことをメモリーし(S514)、(A−)と(A+)とを切り換えて(S515)、これらを交互に提示してアナウンスを出力しながらCCテストを行う(S516)。このCCテストにおいて(=)が選択されたら、被検者4は軸のCCテストを判断できないものとみなし、初期値Dθ、1に戻し(S517)、度のCCテストに移行する(S518)。
【0115】
また、S516のCCテストにおいて(A−)が選択されたときは、(A−)が選択されたことをメモリーし(S519)、切り換え前のCCテスト(S511)の結果と比較する。この場合、(A−)と(A+)とが切り換えられたにも関わらず、切り換えの前後においてともに(A−)と応答しているので、CCテストが正しく行われていないと判断し、「チャートをよく見てください。」と指示を出力する(S520)。そして、出力するアナウンスを「「このAの見え方の方が良ければ左、このBの見え方の方が良ければ右にレバーを倒してください。同じならボタンを押してください。」に変更し(S521)、初期値Dθ、1をセットして(S522)、軸のCCテストを行う(S523)。
【0116】
また、S516のCCテストにおいて(A+)が選択されたときは、(A+)が選択されたことをメモリーし(S524)、切り換え前のCCテスト(S511)の結果と比較する。この場合、(A−)と(A+)とが切り換えられたことに対応して反対のものが選択されていることから、CCテストは正しく行われているものと判断し、初期値Dθ、1に戻して(S525)、再度軸のCCテストを行う(S526)。
【0117】
一方、S511の第2確認テストにおいて(A+)が選択されたときは、(A+)が選択されたことをメモリーし(S527)、(A−)と(A+)とを切り換えて(S528)、これらを交互に提示してアナウンスを出力しながらCCテストを行う(S529)。このCCテストにおいて(=)が選択されたら、被検者4は軸のCCテストを判断できないものとみなし、初期値Dθ、1に戻し(S530)、度のCCテストに移行する(S531)。
【0118】
また、S529のCCテストにおいて(A−)が選択されたときは、(A−)が選択されたことをメモリーし(S532)、切り換え前のCCテスト(S511)の結果と比較する。この場合、(A−)と(A+)とが切り換えられたことに対応して反対のものが選択されていることから、CCテストは正しく行われているものと判断し、初期値Dθ、1に戻して(S533)、再度軸のCCテストを行う(S534)。
【0119】
また、S529のCCテストにおいて(A+)が選択されたときは、(A+)が選択されたことをメモリーし(S535)、切り換え前のCCテスト(S511)の結果と比較する。この場合、(A−)と(A+)とが切り換えられたにも関わらず、切り換えの前後においてともに(A+)と応答しているので、CCテストが正しく行われていないと判断し、「チャートをよく見てください。」と指示を出力する(S536)。そして、出力するアナウンスを「「このAの見え方の方が良ければ左、このBの見え方の方が良ければ右にレバーを倒してください。同じならボタンを押してください。」に変更し(S537)、初期値Dθ、1をセットして(S538)、軸のCCテストを行う(S539)。以上で、処理を終了する。
【0120】
なお、S520やS537において、CCテストの際に出力するアナウンスを「1,2」から「A、B」に変更するのは、1と2から選択させた場合に常に1と応答するような被検者がいることが経験的に知られているからである。もちろん、「A、B」以外の選択方法を用いても良い。
【0121】
(乱視度を測定するためのクロスシリンダテスト)
乱視軸を測定するためのCCテストが終了すると、乱視度を精密に測定するためのCCテストが行われる(図27ないし図29参照)。まず、初期設定を行う(S601)。この初期設定は、クロスシリンダレンズ59A、59BをCC±0.25Dとし、更に後述のエラーカウンター、カウンター(=)、カウンター(+)およびカウンター(−)を全て0とするものである。なお、CC+0.25はS=+0.25D、C=−0.50Dと等価なので、屈折力Dθ、2は(0.25、−0.50、A+90°)と、その反転の(0.25、−0.50、A)とにより表される。
【0122】
最初に行うCCテスト(S602)は、次のようにして行われる。乱視軸の測定終了後のDθ、1(S、C、A)とクロスシリンダレンズ59A、59Bの軸角度A=A+90°の場合のDθ、2との合成屈折力Dθ、0(S、C、A)をセットする。以下、この状態を(P+)と表す。右眼ERの視標照明光源をオンとし、「この1の見え方がよければレバーを左」とアナウンスを出力し、クロスシリンダドットチャート300を注視させる。次に、右眼ERの視標照明光源をオフとし、Dθ、1とA=Aの場合のDθ、2との合成屈折力Dθ、0(S、C、A)をセットする。以下、この状態を(P−)と表す。視標照明光源をオンとし、「この2の見え方がよければレバーを右、同じならレバーのボタンを押してください」とアナウンスを出力し、クロスシリンダドットチャート300を注視させる。更に、(P+)と(P−)とを交互に提示するとともに、上記のアナウンスを繰り返し出力する。(P+)が選択されレバーhが左に倒された場合はCに+0.25Dを加え、右に倒されて(P−)が選択された場合はCに−0.25Dを加える。等価球面度SEで比較して0.25D以上変化する場合は、この等価球面度を維持するよう球面度に+0.25Dあるいは−0.25Dが加えられるようになっている。
【0123】
このCCテストでは、上記のように(P−)および(P+)のうちよく見える方の状態を示すように応答する。最初のCCテストにおいて「同じ(=)」が選択されると、右眼ERの乱視度(C値)に従い、C≦−0.50Dならば+0.25Dを加え、C>−0.50D(つまり−0.25D)ならば−0.25Dを加える。また、被検者4による選択が(P+)から(P−)に変わったとき、または、(P−)から(P+)に変わったら、他覚測定で得た乱視度に近い方の値を選択してCCテストは終了となる。また、乱視度が0Dとなったときは、その時点で終了する。
【0124】
なお、S602の最初のCCテストにおいて(P−)または(P+)が選択された場合については、図28,図29に基づき後述することとする。
【0125】
S602のCCテストにおいて(=)が選択されると、(=)が選択された回数をカウントするカウンター(=)に1を付加する(S603)。次にカウンター(=)のカウント値が2であるか否かチェックする(S604)。カウンター(=)=2である場合は、クロスシリンダレンズ59A、59BのパワーをCC±0.50Dに変換し(S605)、後述の確認テストを行う(S606)。確認テストの結果が良ければ(GOOD)、度のCCテストを継続する。S604でカウント値が2でないときには、クロスシリンダレンズ59A、59Bのパワー変換も確認テストも行わずに、S607まで移行する。
【0126】
ここで、乱視度Cの値を確認し(S607)、Cが0Dであれば、C=0D、A=180°として終了する(S608)。また、C=0Dでなければ、直前のCCテストにおける選択が(=)かどうか確認し(S609)、(=)であれば乱視度C=C+0.25として(S610)、再びCCテストを行う(S602へ)。また、(=)でなければ、直前のCCテストで(P−)を選択したかどうか確認する(S611)。(P−)であれば、乱視度Cに+0.25を加えて終了する(S612)。また、(P−)でなければ、直前のCCテストで(P+)を選択したかどうか確認する(S613)。(P+)であれば、乱視度Cに+0.25を加えて終了する(S614)。(P+)でなければ、乱視度C=C+0.25として(S615)、再びCCテストを行う(S602へ)。
【0127】
また、S606の確認テストの結果が良くなかった場合(NG)、エラーの回数をカウントするエラーカウンターのカウントに1を付加する(S616)。そして、累積エラーカウントが2であるか否か確認する(S617)。エラーカウントが2ならば、初期値に戻して(618)、終了する(S619)。また、エラーカウントが2でなければ、初期設定に復帰させ(S601)、再度CCテストを行う。
【0128】
このような構成とすることにより、最初のCCテストから2度続けて(=)が選択されたときは、クロスシリンダレンズ59A、59Bのパワーを±0.25Dから±0.50Dに上げて確認テストを行うこととなる。そして、確認テストの結果に応じてテストの継続か、または設定をリセットしての再測定かが判断される。再測定においても2度続けて(=)が選択され、かつ、再度の確認テスト結果もNGだったときは、被検者4は、このCCテストにおける判断能力がないものとして、レッド・グリーンテストの結果を採用して終了する。
【0129】
続いて、S602の最初のCCテストにおいて(P−)が選択されたときの処理の流れについて、図28を参照して説明する。最初のCCテストにおいて(P−)が選択されると、(P−)が選択された回数をカウントするカウンター(−)のカウント値に1が付加される(S621)。次に、カウンター(−)のカウント値が3であるか否か確認をする(S622)。カウンター(−)=3であれば、クロスシリンダレンズ59A、59BのパワーをCC±0.50Dに変換し(S623)、後述の確認テストを行う(S624)。確認テストの結果が良ければ(GOOD)、度のCCテストを継続する。S622でカウント値が3でないときには、クロスシリンダレンズ59A、59Bのパワー変換も確認テストも行わずに、S625まで移行する。
【0130】
次に、直前のCCテストにおける選択が(P−)かどうか確認し(S625)、(P−)であれば乱視度C=C−0.25として(S626)、再びCCテストを行う(S602へ)。また、(P−)でなければ、直前のCCテストで(P+)を選択したかどうか確認する(S627)。(P+)であれば、他覚値に近い方の乱視度を採用して終了する(S628)。また、(P−)でなければ、直前のCCテストで(=)を選択したかどうか確認する(S629)。(=)であれば、他覚値に近い方の乱視度を採用して終了する(S628)。(=)でなければ、乱視度C=C−0.25として(S630)、再びCCテストを行う(S602へ)。
【0131】
また、S624の確認テストの結果が良くなかった場合(NG)、エラーカウントに1を付加する(S631)。そして、累積エラーカウントが2であるか否か確認する(S632)。エラーカウントが2ならば、初期値に戻して(633)、終了する(S634)。また、エラーカウントが2でなければ、初期設定に復帰させ(S601)、再度CCテストを行う。
【0132】
続いて、S602の最初のCCテストにおいて(P+)が選択されたときの処理の流れについて、図29を参照して説明する。最初のCCテストにおいて(P+)が選択されると、(P+)が選択された回数をカウントするカウンター(+)のカウント値に1が付加される(S641)。次に、カウンター(+)のカウント値が3であるか否か確認をする(S642)。カウンター(+)=3であれば、クロスシリンダレンズ59A、59BのパワーをCC±0.50Dに変換し(S643)、後述の確認テストを行う(S644)。確認テストの結果が良ければ(GOOD)、度のCCテストを継続する。S642でカウント値が3でないときには、クロスシリンダレンズ59A、59Bのパワー変換も確認テストも行わずに、S645まで移行する。
【0133】
次に、乱視度Cの値を確認し(S645)、Cが0Dであれば、C=0D、A=180°として終了する(S646)。また、C=0Dでなければ、直前のCCテストにおける選択が(P+)かどうか確認し(S647)、(P+)であれば乱視度C=C+0.25として(S648)、再びCCテストを行う(S602へ)。また、(P+)でなければ、直前のCCテストで(=)を選択したかどうか確認する(S649)。(=)であれば、そのまま再度CCテストを行う(S602へ)。また、(=)でなければ、直前のCCテストで(P−)を選択したかどうか確認する(S650)。(P−)であれば、他覚値に近い方の乱視度を採用して終了する(S651)。(P−)でなければ、乱視度C=C+0.25として(S652)、再びCCテストを行う(S602へ)。
【0134】
また、S644の確認テストの結果が良くなかった場合(NG)、エラーカウントに1を付加する(S535)。そして、累積エラーカウントが2であるか否か確認する(S654)。エラーカウントが2ならば、初期値に戻して(655)、終了する(S656)。また、エラーカウントが2でなければ、初期設定に復帰させ(S601)、再度CCテストを行う。
【0135】
このような構成としたことで、最初の応答から続けて3回連続して(P+)または(P−)と選択された場合、クロスシリンダレンズ59A、59Bのパワーを±0.25Dから±0.50Dに上げて確認テストを行うこととなる。そして、確認テストの結果に応じてテストの継続か、または設定をリセットしての再測定かが判断される。再測定においても3度続けて(P+)または(P−)が選択され、かつ、再度の確認テスト結果もNGだったときは、被検者4は、このCCテストにおける判断能力がないものとして、レッド・グリーンテストの結果を採用して終了する。
【0136】
続いて、S606,S624およびS644で行われる確認テストの詳細について、図30を参照しながら説明する。まず、クロスシリンダレンズ59A、59Bのパワーを変換し(S701)、初期値Dθ、1に戻す(S702)。そして、(P+)と(P−)とを交互に提示するとともに、「この1の見え方がよければレバーを左、この2の見え方がよければレバーを右、同じならレバーのボタンを押してください」と繰り返しアナウンスを出力して、CCテストを行う(S703)。(=)が選択されたら、初期値に戻し(S704)、度のCCテストの再テストを行う(S705)。
【0137】
S703のCCテストにおいて(P+)が選択されたときは、(P+)が選択されたことをメモリーし(S706)、(P−)と(P+)とを切り換えて(S707)、これらを交互に提示してアナウンスを出力しながらCCテストを行う(S708)。このCCテストにおいて(=)が選択されたら、被検者4は軸のCCテストを判断できないものとみなし、初期値Dθ、1に戻し(S709)、度のCCテストの再テストを行う(S710)。
【0138】
また、S708のCCテストにおいて(P−)が選択されたときは、(P−)が選択されたことをメモリーし(S711)、切り換え前のCCテスト(S703)の結果と比較する。この場合、(P−)と(P+)とが切り換えられたことに対応して反対のものが選択されていることから、CCテストは正しく行われているものと判断し、度のCCテストを継続する(S712)。
【0139】
また、S708のCCテストにおいて(P+)が選択されたときは、(P+)が選択されたことをメモリーし(S713)、切り換え前のCCテスト(S703)の結果と比較する。この場合、(P−)と(P+)とが切り換えられたにも関わらず、切り換えの前後においてともに(P+)と応答しているので、CCテストが正しく行われていないと判断し、初期値Dθ、1に戻して(S714)、度のCCテストの再テストを行う(S715)。
【0140】
S703のCCテストにおいて(P−)が選択されたときは、(P−)が選択されたことをメモリーし(S716)、(P−)と(P+)とを切り換えて(S717)、これらを交互に提示してアナウンスを出力しながらCCテストを行う(S718)。このCCテストにおいて(=)が選択されたら、被検者4は軸のCCテストを判断できないものとみなし、初期値Dθ、1に戻し(S719)、度のCCテストの再テストを行う(S720)。
【0141】
また、S718のCCテストにおいて(P+)が選択されたときは、(P+)が選択されたことをメモリーし(S721)、切り換え前のCCテスト(S703)の結果と比較する。この場合、(P−)と(P+)とが切り換えられたことに対応して反対のものが選択されていることから、CCテストは正しく行われているものと判断し、度のCCテストを継続する(S722)。
【0142】
また、S718のCCテストにおいて(P−)が選択されたときは、(P−)が選択されたことをメモリーし(S723)、切り換え前のCCテスト(S703)の結果と比較する。この場合、(P−)と(P+)とが切り換えられたにも関わらず、切り換えの前後においてともに(P−)と応答しているので、CCテストが正しく行われていないと判断し、初期値Dθ、1に戻して(S724)、度のCCテストの再テストを行う(S725)。以上で、度のCCテストにおける確認テストは終了する。なお、この確認テストは、最初のCCテストから1度(=)が選択されて確認テストに入った場合も、2度(=)が選択されて確認テストに入った場合も、上記の要領で同様に処理されるようになっている。
【0143】
このような確認テストにより、度のCCテストを行うための被検者4の判断能力をふるいに掛けることができる。
【0144】
CCテストに関する処理の最後として、他覚値のC=0Dかつ眼鏡のC値も0Dである場合に行われる確認テストの処理の流れについて、図31を参照しながら説明する。この確認テストは、図22のCCテストの全体の流れを示すフローチャートにおいて、S303でC=0D、S304でもC=0Dと進んだ被検者に対して行われるものである。
【0145】
図22の流れに沿ってCCテストが終了すると(S801)、測定された乱視度の値を判断する(S802)。乱視度の測定値Cが−0.50D未満(C<−0.50D)ならば、この測定値(自覚値)Cを採用して終了する(S803)。一方、乱視度の測定値Cが−0.50D以上(C≧−0.50D)ならば、図26に示すイラストチャート400を呈示し(S804)、CCテストによる自覚値の等価球面度(SE;見え方1)と、この自覚値自体(C;見え方2)とを交互に切り換えるとともに、「この1の見え方がよければレバーを左、この2の見え方がよければレバーを右、同じならレバーのボタンを押してください」と繰り返しアナウンスを出力して、選択を促す(805)。レバー6hが左に倒されて等価球面度(1)が選択された場合、または、ボタン5gが押下されて同じ(=)が選択された場合は、等価球面度の値が採用して終了する(S806,S807)。また、レバー6hが右に倒されて自覚値(2)が選択された場合には、自覚値を採用して終了する(S808)。
【0146】
このような確認テストを行うことにより、CCテストにより得られた自覚値が0Dで、眼鏡の乱視度も0Dである場合の検査結果の信頼性を向上させることが可能となる。
【0147】
以上で、被検者4の右眼ERに対する自覚測定(図16のS6ないしS10)が終了する。
【0148】
(左眼に対する自覚測定;S11〜S15)
被検者4の右眼ERに対する自覚測定が終了すると、左眼ELに対する自覚測定が実行される。この左眼ELに対する自覚測定では、図16に示すS11の左眼ELの視力測定はS6の右眼ERの視力測定と同様に行われ、S12の左眼ELのレッド・グリーンテストはS7の右眼ERのレッド・グリーンテストと同様に行われ、S13の左眼ELの+1DぼかしテストはS8の右眼ERの+1Dぼかしテストと同様に行われ、S14の左眼ELの乱視軸測定のためのCCテストはS9の右眼ERの乱視軸測定のためのCCテストと同様に行われ、S15の左眼ELの乱視度測定のためのCCテストはS10の右眼ERの乱視度測定のためのCCテストと同様に行われるようになっている。したがって、左眼ELに対する自覚測定の詳細に関する説明は、右眼ERの対応するテストの詳細を適宜読み替えることにより省略することとする。
【0149】
(両眼バランステスト;S16)
右眼ERおよび左眼ELに対する自覚測定が終了すると、両眼バランステストが行われる。両眼バランステストは、右眼ER、左眼ELに対してそれぞれ行われたCCテストの自覚値を再調整して処方値を求めるための検査である。検眼装置2による両眼バランステストは、以下に詳述されるように、右眼ERおよび左眼ELにそれぞれバランステストを施し、それらの結果を基に処方値の左右眼の等価球面度を算出するようになっている。以下、この両眼バランステストについて、図32ないし図37および図41を参照して説明する。図32は右眼ERのバランステストにおける最初の選択で「同じ」と応答した場合の処理を示すフローチャートを示し、図33は「RED」と応答した場合のフローチャートを示し、図34は「GREEN」と応答した場合のフローチャートを示し、図35および図36は図34に示す処理に続いて行われる処理のフローチャートを示し、図37は図36に続いて行われる処理のフローチャートを示している。また、図41は、片眼毎行われたバランステストの結果から処方値を算出するときに使用される記号名をまとめて示している。
【0150】
まず、右眼ER、左眼ELにそれぞれレッド・グリーンチャート100(R、L)および融像枠チャート53Dがセットされる。検眼装置2による両眼バランステストは、まず右眼ERのバランステスト、次に左眼ELのバランステストをそれぞれ行い、その結果から処方値を算出するようになっている。
【0151】
(右眼のバランステスト)
まず、右眼用のレッド・グリーンチャート100Rの矩形視野103lと103rとをブリンク(点滅)させて被検者4の注意を喚起し、赤地の視標および緑地の視標のうちどちらの方がはっきり視認できるかボタン6gおよびレバー6hを使って選択させる。以下、この最初の選択において、被検者4が、ボタン6gを押下して同じように見えると応答した場合(「同じ」)、レバー6hを左側に倒して赤地の視標と応答した場合(「RED」)、そして、レバー6hを右側に倒して緑地の視標と応答した場合(「GREEN」)に分けてそれぞれ説明をする。
【0152】
まず、被検者4が最初に「同じ」と応答した場合の測定の流れについて、図32に示すフローチャートを参照して説明する。「両方ともはっきり見えたらボタン(6g)を押して下さい。もしそうでないならはっきり見える方向へレバー(6h)を倒してください。」とアナウンスを出力して最初の選択を促す(S901)。この最初の選択に対して「同じ」と応答した場合、右眼ERにS+0.25Dを加え(S902)、「ピンポン」音を出力したのち、アナウンスを出力して被検者4に再度視認性を比較選択させる(S903)。
【0153】
この選択において「RED」と応答した場合は、右眼ERにS−0.25Dを加え、初期値に0Dを付加した状態、つまり初期値として右眼ERのバランステストを終了する(S904)。一方、「GREEN」と応答した場合は、エラーと判定し、再測定または後述の+1Dぼかしテストを行う(S905)。ここで、当該エラー判定が1度目のときは、スタートに戻って右眼ERのバランステストの再測定を行い、当該エラーが2度目のエラーであるときは、+1Dぼかしテストを行うようになっている(以下同様)。
【0154】
また、S903の選択において再び「同じ」と応答した場合は、更にS+0.25Dを加えて(S906)、視標の視認性を比較選択させる(S907)。ここで「RED」と応答した場合は、右眼ERにS−0.25Dを加えて初期値に+0.25Dを加えた値を採用して右眼ERのバランステストを終了する(S908)。一方、「GREEN」または「同じ」と応答した場合は、エラー判定を下して再測定または+1Dぼかしテストを行う(S909、S910)。以上で、最初の選択において「同じ」と応答した場合の処理は終了する。
【0155】
続いて、最初の選択(S901)において被検者4が「RED」と応答した場合の処理の流れについて、図33に示すフローチャートを参照して説明する。最初の選択において「RED」と応答した場合、右眼ERにS−0.25Dを加え(S911)、再び視標の視認性を比較選択させる(S912)。この選択に対して「同じ」と応答した場合、そのまま初期値に−0.25Dを加えた値を採用して右眼ERのバランステストを終了する(S913)。
【0156】
また、S912の選択において「GREEN」と応答した場合、この段階で右眼ERに加えられている球面度(S値)に応じて処理を行う(S914)。球面度が+0.25D以上のときは、S+0.25Dを加えて初期値(に0Dを加えた球面度)を採用して右眼ERのバランステストを終了する(S915)。また、S値が−0.25Dより大きくかつ+0.25Dより小さい場合、つまりS値の絶対値が0.25Dよりも小さい場合は、そのまま初期値に−0.25Dを加えた値を採用して右眼ERのバランステストを終了する(S916)。また、S値が−0.25D以下の場合も、そのまま初期値に−0.25Dを加えた値を採用して右眼ERのバランステストを終了する(S917)。
【0157】
また、S912の選択において「RED」と応答した場合、右眼ERにS−0.25Dを加え(S918)、その状態で視標の視認性を比較選択させる(S919)。ここで「RED」と応答した場合は、エラーと判定して再測定または+1Dぼかしテストを行う(S920)。また、「同じ」と応答した場合は、そのまま初期値に−0.50Dを加えた値を採用して右眼ERのバランステストを終了する(S921)。
【0158】
一方、S919の選択に対して「GREEN」と応答した場合は、この段階で右眼ERに加えられているS値に応じて処理を行う(S922)。球面度が+0.25D以上のときは、S+0.25Dを加えて初期値に−0.25Dを加えた値を採用して右眼ERのバランステストを終了する(S923)。また、S値の絶対値が0.25Dよりも小さい場合は、そのまま初期値に−0.50Dを加えた値を採用して右眼ERのバランステストを終了する(S924)。また、S値が−0.25D以下の場合も、そのまま初期値に−0.50Dを加えた値を採用して右眼ERのバランステストを終了する(S925)。以上で、S901に示す最初の選択において「RED」と応答した場合の処理の流れは終了する。
【0159】
最後に、S901の最初の選択において被検者4が「GREEN」と応答した場合の処理の流れについて、図34ないし図37を参照して説明する。S901の最初の選択において「GREEN」と応答した場合、右眼ERにS+0.25Dを加えて(S931)、再び視標の視認性の比較選択をさせる(S932)。
【0160】
このS932の選択において「RED」と応答した場合、この段階で右眼ERに加えられているS値に応じて処理を行う(S933)。球面度が+0.25D以上のときは、そのまま初期値に+0.25Dを加えた値を採用して右眼ERのバランステストを終了する(S934)。また、S値の絶対値が0.25Dよりも小さい場合は、S−0.25Dを加えて初期値として右眼ERのバランステストを終了する(S935)。S値が−0.25D以下の場合も、S−0.25Dを加えて初期値として右眼ERのバランステストを終了する(S936)。
【0161】
また、S932の選択において「同じ」と応答した場合、右眼ERにS+0.25Dを加え(S937)、視標の視認性を比較選択させる(S938)。この選択に対して「RED」と応答した場合は、S−0.25Dを加え、初期値に+0.25Dを加えた値を採用して終了する(S939)。また、「同じ」または「GREEN」と応答した場合はエラーと判定し、再測定または+1Dぼかしテストを行う(S940,S941)。
【0162】
また、S932の選択において再び「GREEN」と応答した場合は、右眼ERに更にS+0.25Dを加え(S942)、視標の視認性の比較選択をさせる(S943)。
【0163】
S943のこの選択に対して「RED」と応答した場合、この段階で右眼ERに加えられているS値に応じて処理を行う(S944)。球面度が+0.25D以上のときは、そのまま初期値に+0.50Dを加えた値を採用して右眼ERのバランステストを終了する(S945)。また、S値の絶対値が0.25Dよりも小さい場合は、S−0.25Dを加え、初期値に+0.25Dを加えた値を採用して右眼ERのバランステストを終了する(S946)。S値が−0.25D以下の場合も、S−0.25Dを加え、初期値に+0.25Dを加えた値を採用して右眼ERのバランステストを終了する(S947)。
【0164】
S943の選択に対して「同じ」と応答した場合は、右眼ERに更にS+0.25Dを加えて、図35に示す処理の流れに移行する(S948)。以下、このときの処理について説明する。
【0165】
図35に示すフローチャートに移行した場合、初期値にS+0.75Dを加えたS値が右眼ERに付加されている。この状態で、被検者4に視標の視認性を比較選択させる(S951)。この選択に対して「RED」と応答した場合、この段階で右眼ERに加えられているS値に応じて処理を行う(S952)。球面度が+0.25D以上のときは、そのまま初期値に+0.75Dを加えた値を採用して右眼ERのバランステストを終了する(S953)。また、S値の絶対値が0.25Dよりも小さい場合は、S−0.25Dを加え、初期値に+0.50Dを加えた値を採用して右眼ERのバランステストを終了する(S954)。S値が−0.25D以下の場合も、S−0.25Dを加えて、初期値に+0.50Dを加えた値を採用して右眼ERのバランステストを終了する(S955)。
【0166】
また、S951の選択において「GREEN」と応答した場合、エラーと判定し、再測定または+1Dぼかしテストを行う(S956)。
【0167】
また、S951の選択において「同じ」と応答した場合は、エラーと判定し(S957)、このエラーが1度目のエラーであれば再測定を行い(S958、S959)、1度目でなければ(即ち2度目ならば)次のような確認テストを行う(S958,S960)
【0168】
この確認テスト(S960)は、イラストチャート400を提示して行う。この段階における初期値にS+0.75Dを加えたS値を右眼ERに付加した状態(1の見え方)と、初期値を右眼ERに付加した状態(2の見え方)とを交互に切り換えながら、「この1の見え方の方が良ければ左に、この2の見え方の方が良ければ右にレバー(6h)を倒して下さい。同じならばボタン(6g)を押して下さい。」とアナウンスを繰り返し出力して、被検者4に選択を促す。レバー6hを右に倒して「初期値」と応答した場合、またはボタン6gを押下して「同じ」と応答した場合には、被検者4はこのバランステストを理解していないものと判断し、初期値を採用するとともに、左眼ELのバランステストをスキップして両眼バランステストを終了する(S961,S962)。一方、レバー6hを左に倒して「初期値にS+0.75Dを加えたS値」と応答した場合は、このS値を採用して右眼ERのバランステストを終了する(S963)。以上で、図34のS943の選択において「同じ」と応答した場合の処理の流れは終了する。
【0169】
図34のS943の選択に対して「GREEN」と応答した場合、即ち、最初の選択から3度続けて「GREEN」と応答した場合は、右眼ERに更にS+0.25Dを加えて、図36に示す処理の流れに移行する(S949)。以下、このときの処理について、図36および図37に示すフローチャートを参照して説明する。
【0170】
図36に示すフローチャートに移行した場合、初期値にS+0.75Dを加えたS値が右眼ERに付加されている。この状態で、被検者4に視標の視認性を比較選択させる(S971)。この選択に対して「RED」と応答した場合、この段階で右眼ERに加えられているS値に応じて処理を行う(S972)。球面度が+0.25D以上のときは、そのまま初期値に+0.75Dを加えた値を採用して右眼ERのバランステストを終了する(S973)。また、S値の絶対値が0.25Dよりも小さい場合は、S−0.25Dを加え、初期値に+0.50Dを加えた値を採用して右眼ERのバランステストを終了する(S974)。S値が−0.25D以下の場合も、S−0.25Dを加えて、初期値に+0.50Dを加えた値を採用して右眼ERのバランステストを終了する(S975)。
【0171】
また、S971の選択に対して「同じ」と応答した場合は、エラーと判定する(S976)。このエラーが1度目のエラーであればスタートに戻って再測定を行う(S977,S978)。1度目のエラーでなければ、S960と同様の確認テストを行う(S977,S979)。この確認テストに対して「初期値」または「同じ」と応答した場合には、被検者4はこのバランステストを理解していないものと判断し、初期値を採用するとともに、左眼ELのバランステストをスキップして両眼バランステストを終了する(S980,S981)。一方、「初期値にS+0.75D」と応答した場合は、このS値を採用して右眼ERのバランステストを終了する(S982)。
【0172】
また、S971の選択に対して「GREEN」と応答した場合、即ち最初から4度続けて「GREEN」と応答した場合は、エラー判定を下し(S983)、このエラーが1度目ならばスタートに戻って再測定を行う(S984、S978)。このエラーが1度目のエラーでなければ、図37に示す処理に移行する(S984)。図37に移行した場合、次のような確認テストを行う(S991)。
【0173】
S991に示す確認テストも、S960の確認テストと同様にイラストチャート400を用いて行われる。S991の確認テストは、初期値にS+1.0Dを加えたS値を右眼ERに付加した状態(1の見え方)と、初期値を右眼ERに付加した状態(2の見え方)とを交互に切り換えながら、「この1の見え方の方が良ければ左に、この2の見え方の方が良ければ右にレバー(6h)を倒して下さい。同じならばボタン(6g)を押して下さい。」とアナウンスを繰り返し出力して、被検者4に選択を促す。レバー6hを右に倒して「初期値」と応答した場合、またはボタン6gを押下して「同じ」と応答した場合には、被検者4はこのバランステストを理解していないものと判断し、初期値を採用するとともに、左眼ELのバランステストをスキップして両眼バランステストを終了する(S992,S993)。
【0174】
一方、S991の確認テストにおいて、レバー6hを左に倒して「初期値にS+1.0Dを加えたS値」と応答した場合には、提示する視標をレッド・グリーンチャート100に切り換え、視標の視認性を比較選択させる(S994)。「RED」または「同じ」と応答した場合、そのまま初期値に+1.0Dを加えたS値を採用して右眼ERのバランステストを終了する(S995,S996)。
【0175】
一方、S994の選択に対して「GREEN」と応答した場合には、更にS+0.25Dを加え(S997)、再び視標の視認性を比較選択させる(S998)。この選択に対して「RED」または「同じ」と応答した場合、そのまま初期値に+1.25Dを加えたS値を採用して右眼ERのバランステストを終了する(S999,S1000)。一方、「GREEN」と応答した場合には、被検者4はこのバランステストを理解していないものと判断し、初期値を採用するとともに、左眼ELのバランステストをスキップして両眼バランステストを終了する(S1001)。以上で、図34のS943の選択において「GREEN」と応答した場合の処理の流れは終了し、右眼ERのバランステストの処理に関する説明も終了する。
【0176】
(左眼のバランステスト)
右眼ERのバランステストが無事に行われたときは、被検者4の左眼ELに対するバランステストが同様のプロセスで行われる。なお、そのプロセスの中でバランステストを理解していないものと判断された場合は、たとえ右眼ERのバランステストが正常に行われた場合であってもその結果を放棄し、右眼ER、左眼ELともに両眼バランステスト前の初期値に戻すようになっている。
【0177】
(処方値の算出)
右眼ER、左眼ELのバランステストが正常に行われたら、それらの結果を基に処方値の等価球面度(SE)の算出を行う。以下、処方値のSEの算出方法について説明する。
【0178】
ここで、以上の測定により取得された測定値を次のように定義する(図41参照)。まず、右眼ERについては、他覚値の球面度をS(RO)、乱視度をC(RO)、乱視軸角度をA(RO)、等価球面度をSE(RO)とし、自覚値の球面度をS(RS)、乱視度をC(RS)、乱視軸角度をA(RS)、等価球面度をSE(RS)と表す。また、左眼ELについては、他覚値の球面度をS(LO)、乱視度をC(LO)、乱視軸角度をA(LO)、等価球面度をSE(LO)とし、自覚値の球面度をS(LS)、乱視度をC(LS)、乱視軸角度をA(LS)、等価球面度をSE(LS)と表す。また、両眼の他覚値の等価球面度の差をSE(RO−LO)=SE(RO)−SE(LO)と定義し、自覚値の等価球面度の差をSE(RS−LS)=SE(RS)−SE(LS)と定義する。
【0179】
更に、右眼ERの処方値を、球面度RxS(R)、乱視度RxC(R)、乱視軸角度RxA(R)、等価球面度RxSE(R)と表し、左眼ELの処方値を、球面度RxS(L)、乱視度RxC(L)、乱視軸角度RxA(L)、等価球面度RxSE(L)と表す。また、処方値の等価球面度の差をRxSE(R−L)=RxSE(R)−RxSE(L)と表すこととする。
【0180】
このとき、他覚値、自覚値、処方値の右眼ERおよび左眼ELの等価球面度の平均値をそれぞれObjSE(Ave)、SubSE(Ave)、RxSE(Ave)と表すと、これらの値は次式で求めることができる。
【0181】
【式1】
ObjSE(Ave)={SE(RO)+SE(LO)}/2
SubSE(Ave)={SE(RS)+SE(LS)}/2
RxSE(Ave)={RxSE(R)+RxSE(L)}/2
【0182】
処方値の右眼ERおよび左眼ELの等価球面度の平均値RxSE(Ave)としては、自覚値の右眼ERおよび左眼ELの等価球面度の平均値を採用する。即ち、RxSE(Ave)=SubSE(Ave)とする。
【0183】
また、処方値の右眼ERおよび左眼ELの等価球面度の差(以下、右眼ERおよび左眼ELの等価球面度の差を「バランス」と称する。)RxSE(R−L)としては、他覚値のバランスSE(RO−LO)および自覚値のバランスSE(RS−LS)の平均値を採用する。つまり、処方値のバランスは、次式で表される。
【0184】
【式2】
RxSE(R−L)={SE(RO−LO)+SE(RS−LS)}/2
【0185】
また、右眼ERの処方値の等価球面度RxSE(R)を、自覚値の等価球面度の平均値SubSE(Ave)に、処方値のバランスRxSE(R−L)の半分の値を加えたものと定義する。一方、左眼ELの処方値の等価球面度RxSE(L)を、自覚値の等価球面度の平均値SubSE(Ave)から、処方値のバランスRxSE(R−L)の半分の値を引いたものと定義する。すると、右眼ERおよび左眼ELの処方値の等価球面度RxSE(R)およびRxSE(L)は、測定値を利用して次式のように表される。
【0186】
【式3】
RxSE(R)={SE(RS)+SE(LS)}/2+{SE(RO)−SE(LO)+SE(RS)−SE(LS)}/4
RxSE(L)={SE(RS)+SE(LS)}/2−{SE(RO)−SE(LO)+SE(RS)−SE(LS)}/4
【0187】
また、処方値の乱視度RxCおよび乱視軸角度RxAについては自覚値の値を採用することとし、次式のように表される。
【0188】
【式4】
RxC(R)=C(RS)
RxC(L)=C(LS)
RxA(R)=A(RS)
RxA(L)=A(LS)
【0189】
したがって、取得した測定値を式3及び式4に示す各式に代入し演算することによって、処方値を算出することが可能となる。
【0190】
以上の処方値の算出方法は、右眼ERおよび左眼ELのそれぞれのバランステストが的確に行われた場合、つまり測定値が的確に取得できた場合におけるものである。なお、右眼ERおよび左眼ELのバランステストが的確に行われず、かつ、後述の+1Dぼかしテスト(S17参照)が的確に行われた場合は、+1Dぼかしテストによる測定結果を自覚値とみなして、上記の式より算出するようになっている。また、右眼ERおよび左眼ELのバランステストも、+1Dぼかしテストも的確に行われなかった場合には、CCテストで得られたS、C、A値を自覚値とみなして、上記の式より算出するようになっている。
【0191】
処方値が算出されたら、最後に、この処方値が被検者4に適しているかどうか確認するためのテストを行う。そのために、右眼ERおよび左眼ELの他覚値の等価球面度と処方値の等価球面度との差、ABS{(SE(RO)−RxSE(R))+(SE(LO)−RxSE(L))}を考慮する。ここで、「ABS」は、{}内の値の絶対値を取ることを意味する。この差が0.75D以下の場合は、処方値を採用して終了する。
【0192】
一方、この差が0.75Dを超える場合には、イラストチャート400を提示するとともに他覚値(1の見え方)と処方値(2の見え方)とを切り換えて付加し、アナウンスを出力して被検者4にどちらがよく見えるか応答を促す。他覚値側が選択された場合は、他覚値を採用してテストを終了する。一方、処方値側が選択された場合、または「同じ」とされた場合は、処方値を採用してテストを終了する。テストが終了したら、イラストチャート400をオフとして、テスト結果を表示して両眼バランステストを終了する。
【0193】
以上説明した検眼装置2による両眼バランステストによれば、以下のような好適な作用が奏される。まず、検眼装置2による両眼バランステストでは、被検者4がこのテストを理解していないと思われる不適当な内容の応答を行った場合にエラー判定を下し、再度初めから(片眼の)バランス調整を行うように処理が進行する。エラーと判定される不適当な応答としては、被検者4が「GREEN」、「同じ」、「GREEN」の順で応答した場合、「GREEN」、「同じ」、「同じ」の順で応答した場合、最初の応答から「同じ」、「GREEN」と応答した場合、最初の応答から「同じ」、「同じ」、「GREEN」と応答した場合、最初の応答から「同じ」または「RED」が3度続いた場合、最初の応答から「GREEN」が4度続いた場合、が設定されている。このようなエラー判定を下して再測定を行う構成とすることにより、被検者4のテストの理解度をチェックし、適切に再測定に導くことが可能となる。なお、エラーと判定するための条件は、上記のケースに限定されるものではなく、検者等により適宜設定することが可能である。
【0194】
また、上述の両眼バランステストによれば、エラー判定が2度下された場合、被検者4はこのテストを理解していないものと判断し、後述の+1Dぼかしテスト(S17)により適正なS値を決定するようになっているので、両眼バランステストを理解できない被検者に対しても好適に処理を進めることが可能となり、幅広い層の測定対象者に対応することができる。なお、設定により、S17の+1Dぼかしテストを行うか行わないか切り換えられるようになっている。また、上記のように2度目のエラー判定に対応して+1Dぼかしテストに移行する必要はなく、例えば2度目までは許容し3度目のエラー判定に対応して+1Dぼかしテストに移行する構成とするなど、検者等の設定により変更を加えることができる。
【0195】
更に、1度のエラーの後、最初から「GREEN」、「GREEN」、「同じ」、「同じ」と応答した場合、最初から「GREEN」、「GREEN」、「GREEN」、「同じ」と応答した場合、または、最初から「GREEN」、「GREEN」、「GREEN」、「GREEN」と応答した場合に、上述の確認テストを施して被検者4の理解能力を確認、理解能力がないものと判断された場合には両眼バランステストを行わないよう構成されているので、被検者に応じた適正な処方値を取得するよう臨機応変に処理を進めることが可能となる。また、右眼または左眼のいずれか一方の確認テストで理解能力なしと判断された場合、双方の眼のS値を初期値に戻して両眼バランステストをスキップするようになっているので、実際は理解能力を有しない被検者が偶然にテストをクリアしてしまうような事態を極力回避することができ、また、検査効率の向上を図ることも可能となる。
【0196】
更にまた、右眼ER、左眼ELそれぞれに対して個別に行われたバランステストの結果から、所定のアルゴリズムに従って左右両眼のバランス調整結果としての処方値(の等価球面度)を算出するよう構成されているので、両眼のS値をそれぞれ調整しながら行う複雑なプロセスを実行する必要がなく、検査効率の向上が図られている。
【0197】
また、以上のような利点に加えて測定の自動化が図られたことにより、経験や技術が乏しい熟練度の低い検者による測定や、検者がいない場合の測定であっても、測定精度を低下させることなく眼鏡レンズ処方を行うことができる。
【0198】
(+1Dぼかしテスト;S17)
なお、両眼バランステストの処理の流れの中にも、このテストにおける被検者4の判断能力の有無を確認するための工程が含まれており、これにより判断能力が無いものとみなされた被検者に対しては、レッド・グリーンテスト(S7)後に説明したものと同様の+1Dぼかしテストを両眼バランステストの代わりに実行するようになっている。
【0199】
この+1Dぼかしテストは、レッド・グリーンテスト後のそれの説明で詳述したように、両眼バランステストにおける応答の内容からテストを理解していないとの疑いのある被検者に対して行われるもので、予め設定された球面度(+1.00D)を付加したときの想定される視力値(0.5〜0.7)に対応するランドルト環を提示して右眼ERの視力検査を行い、その視力検査の結果と上記想定される視力値との関係から右眼ERの屈折力を決定するよう処理することで、両眼バランステストによって処方値の決定が行えないような被検者に対しても同様の結果を導出することができる。したがって、熟練した検者がいない場合であっても測定精度を保持することが可能となる。
【0200】
(自覚値、眼鏡度数、裸眼による視力測定、確認テスト;S18〜S21)
両眼バランステスト(+1Dぼかしテスト)が終了すると、これにより得られた処方値S、C、A値をセットし、「お客様にお勧めするメガネ度数を求めました。ついでこのメガネ度数で視力検査を行います。」とアナウンスし、右眼ER、左眼ELおよび両眼の視力測定を行う(S18)。次に、図16のS2で測定された被検者4が装用する眼鏡の度数をセットし、同様に視力測定を行う(S19)。更に、同様に、裸眼の視力測定を行う(S20)。なお、被検者4が眼鏡装用者でない場合には、S19の視力測定を行わないことは言うまでもない。
【0201】
続いて、自覚値、眼鏡度数および裸眼による視力の測定結果を基に、どの度数が被検者4に最も適しているかを確認するための確認テストを行う。まず、「裸眼の見え方と、今の眼鏡の見え方と、今回お客様にお勧めするメガネの見え方をお見せします。」とアナウンスする。なお、モニター装置64qの表示画面64q’に、被検者4に見せている測定結果を白ラインまたは白四角でその都度示すようにする。
【0202】
「裸眼の見え方を示します。」とアナウンスし、両眼ともS、C値を0Dとして被検者4に風景チャート99を例えば3秒間注視させる。次いで、「いまご使用になっているメガネによる見え方を示します。」とアナウンスし、S、C、A値を眼鏡の度数測定値にセットし、風景チャート99を例えば3秒間注視させる。次に、「今回お客様にお勧めするメガネでは、この位見えるようになります。」とアナウンスし、両眼バランステスト結果によるS、C、A値(推奨屈折度)をセットし、風景チャート99を例えば3秒間注視させる。そして、「今回お客様にお勧めするメガネの見え方です。一般的に見やすく、疲れにくいこの見え方でよろしければ、レバー(6h)のボタン(6g)を押して下さい。」とアナウンスして、例えば4秒間提示する。
【0203】
この4秒間の間にボタン6gが押下されたら、推奨屈折度を選択屈折度として終了する。
【0204】
また、4秒間ボタン6gが押下されなかったら、「いまご使用になっているメガネによる見え方を確認したい場合には、レバー(6h)を右に倒してください。」とアナウンスして、例えば4秒間提示し、この4秒間の間にレバー6hの操作がなされなかった場合には、推奨屈折度を選択屈折度として終了する。
【0205】
また、この4秒間の間にレバー6hが右に倒された場合は、両眼に眼鏡の度数をセットし、「いまご使用になっているメガネの見え方です。これで宜しければ、レバー(6h)のボタン(6g)を押して下さい。」とアナウンスして、例えば4秒間提示する。この4秒間の間にボタン6gが押下されたら、眼鏡度数を選択屈折度として終了する。
【0206】
4秒間の間にボタン6gが押下されなかったら、「お客様にお勧めするメガネの見え方を確認したい場合、レバー(6h)を左に倒してください。」とアナウンスし、例えば4秒間提示する。この4秒の間にレバー6hが操作されなかった場合、推奨屈折度を選択屈折度として終了する。
【0207】
以上のプロセスにより推奨屈折度が決定されたら、それと同時に選択屈折度を両眼にセットする。そして、その選択屈折度(選択された眼鏡度数または推奨屈折度)の測定結果の表示に赤ラインを付して明示する。以上で、眼鏡装用者に対する確認テストは終了する。
【0208】
以下、眼鏡未装用者に対する確認テストの処理について説明する。まず、「裸眼の見え方と、今回お客様にお勧めするメガネの見え方をお見せします。」とアナウンスする。なお、モニター装置64qの表示画面64q’に、被検者4に見せている測定結果を白ラインまたは白四角でその都度示すようにする。
【0209】
「裸眼の見え方を示します。」とアナウンスし、両眼ともS、C値を0Dとして被検者4に風景チャート99を例えば3秒間注視させる。次に、「今回お客様にお勧めするメガネでは、この位見えるようになります。」とアナウンスし、両眼バランステスト結果によるS、C、A値(推奨屈折度)をセットし、風景チャート99を例えば3秒間注視させる。そして、推奨屈折度を選択屈折度とし、選択屈折度(推奨屈折度)の測定結果の表示に赤ラインを付して明示する。以上で、眼鏡未装用者に対する確認テストは終了する。
【0210】
(近用テスト;S22)
確認テストが終了すると、近用度数を測定するための近用テストが行われる。近用度数の測定には、図32に示す近用テストチャート500が用いられる。まず、「近用テストを行います。近用テストについて説明します。」とアナウンスし、近用テストの方法が音声付きでムービー放映される。これは例えば、近用テストチャート500についての説明、“同じようにはっきり見える。”状態や“横線がはっきり見え、縦線がぼやけて見える。”状態のデモンストレーション、レバー操作の説明などが放映されるようになっている。
【0211】
ムービー放映が終了したら、輻輳角の設定を行う。そのために、まず両眼の視標照明光源をオフとし、近用テストチャート500に切り換える。そして、クロスシリンダーCC±0.50Dを加えた状態にS、C値を変換する。変換式は公知の式による。
【0212】
次に、例えば予め行われた本体部5l,5rの輻輳などにより求められた近用距離dmmに対するあおり角度θに輻輳させながら、両眼に次式から求められる年齢に応じた近用テスト初期値Asを加える。なお、次式の(1)および(2)は、年齢xに対する調整力Acの一般式で、(1)は55歳未満の年齢xに適用され、(2)は55歳以上の年齢xに適用される。また、次式の(3)は、近用距離dmmに対する加入度Adを算出する式であり、(4)は、近用距離dと調整力Acと加入度Adとから年齢に応じた近用テスト初期値Asを算出する式である。なお、年齢に応じた近用テスト初期値Asの計算例が図35に示されている。
【0213】
【式5】
Ac=12.5−0.2x・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
Ac=7.0−0.1x・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
Ad=(1000/d)−(Ac)×(1/2)・・・・・・・(3)
As=−{(1000/d)−Ad}=−Ac×(1/2)・・(4)
【0214】
年齢に応じた近用テスト初期値Asが加えられたら、両眼の視標照明光源を点灯する。
【0215】
次に、「近用テストを行います。レバー(6h)を握って視力検査機を覗いてください。」とアナウンスし、両眼同時にオートアライメントを行う。そして、「縦線と横線は同じように濃く見えますか?同じように濃く見えたら、レバー(6h)のボタン(6g)を押して下さい。横線が濃く見え、縦線が薄く見えたらレバー(6h)を左または右に、縦線が濃く見え、横線が薄く見えたらレバー(6h)を前または後ろに倒してください。」とアナウンスする。
【0216】
最初の提示で、ボタン6gが押されたら(横線と縦線とが同じように濃く見える。)、上記の式により求められた図35に示す年齢に応じた近用テスト初期値Asに(1000/d)を加えた値を加入度とする。
【0217】
また、最初の提示で、レバー6hが左または右に倒されたら(横線が濃く見え、縦線が薄く見える。)、両眼に同時に球面度S+0.25Dを加える。そして、「縦線と横線は同じように濃く見えますか?同じように濃く見えたら、レバー(6h)のボタン(6g)を押して下さい。横線が濃く見え、縦線が薄く見えたらレバー(6h)を左または右に、縦線が濃く見え、横線が薄く見えたらレバー(6h)を前または後ろに倒してください。」と再びアナウンスする。ここで、再びレバー6hが左または右に倒されたら、更に両眼に同時に球面度S+0.25Dを加え、「いかがですか?」とアナウンスする。レバー6hのボタン6gが押されるまで、若しくは、レバー6hが前方または後方に倒されるまで、S+0.25Dを追加していく。ボタン6gが押されたら、または、レバー6hが前方または後方に倒されたら、近用テスト初期値Asに(1000/d)を加えた値に、レバー6hが押されるまで(ボタン6gが押された回数をカウントする)、若しくは、レバー6hが前方または後方に倒されるまで(前方または後方に倒された回数はカウントしない)に加えた球面度の和を加入度とし、「お客様の近用加入度は、・・・Dです。」とアナウンスして近用テストを終了する。
【0218】
一方、最初の提示でレバー6hが前方または後方に倒されたら(縦線が濃く見え、横線が薄く見える。)、両眼に同時に球面度S−0.25Dを加える。そして、「縦線と横線は同じように濃く見えますか?同じように濃く見えたら、レバー(6h)のボタン(6g)を押して下さい。横線が濃く見え、縦線が薄く見えたらレバー(6h)を左または右に、縦線が濃く見え、横線が薄く見えたらレバー(6h)を前または後ろに倒してください。」と再びアナウンスする。ここで、再びレバー6hが前方または後方に倒されたら、更に両眼に同時に球面度S−0.25Dを加え、「いかがですか?」とアナウンスする。レバー6hのボタン6gが押されるまで、若しくは、レバー6hが左または右に倒されるまで、S−0.25Dを追加していく。ボタン6gが押されたら、または、レバー6hが左または右に倒されたら、近用テスト初期値Asに(1000/d)を加えた値に、レバー6hが押されるまで(ボタン6gが押された回数をカウントする)、若しくは、レバー6hが左または右に倒されるまで(前方または後方に倒された回数はカウントしない)に加えた球面度の和を加入度とし、「お客様の近用加入度は、・・・Dです。」とアナウンスして近用テストを終了する。
【0219】
近用テストが終了したら、両眼に風景チャート99を提示するとともに、得られた近用加入度をメモリーし、両眼ともクロスシリンダーCC±0.50Dを差し引いた状態にS、C、Aを変換する。
【0220】
(近用視力テスト;S23)
続いて、近用視力テストが行われる。まず、両眼同時にオートアライメントがなされ、「両眼の近用視力測定を行います。」とアナウンスし、視力値0.5のランドルト環視標および融像枠チャート53Dをセットして両眼に同時に提示する。そして、「視標の切れ目方向にレバー(6h)」を倒してください。」とアナウンスをする。被検者4がランドルト環の切れ目方向と認識する方向にレバー6hを倒すと、提示視標とレバー6hが倒された方向とが一致しているかどうか判定がなされ、前述のランドルト環による視力測定(図16に示すS6)と同様のプロセスで視力値が決定される。決定された視力値をメモリーし、両眼に風景チャート99を提示して、近用視力テストを終了する。
【0221】
(処方値の決定;S24)
近用視力テストが終了したら、最終的な測定結果(処方値)を決定するとともに、「視力測定は全て終了しました。」とアナウンスし、表示画面64q’に文字表示する。そして、「装置から顔を外し、モニター装置(64q)をご覧下さい。測定結果はモニター装置(64q)に表示されます。」とアナウンスし、モニター装置64qに決定された処方値を表示する。最後に、PDを66mmに戻し、両眼とも風景チャート99としてイニシャルセットを行ったのち、装置をスリープ状態として終了する。
【0222】
以上に説明した構成は、本発明の実施の形態の一例に過ぎないものである。特に、フローチャートを参照して説明した検眼装置の使用方法については、演算制御回路63による動作制御を司る動作プログラムの構造を適宜変更することによって各種の変形を施すことが可能である。
【0223】
【発明の効果】
本発明によれば、以上のような構成を備えているので、経験の乏しい検者が検眼を行う場合や、検者がいないような場合においても高い測定精度を発揮することが可能な検眼装置を提供することができる。
【0224】
また、本発明によれば、検査効率の向上が図られた検眼装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の検眼装置の概要を示す説明図である。
【図2】図1に示す検眼装置の外観図である。
【図3】図1に示す検眼装置の光学系を示す図である。
【図4】図3に示す光学系のうち、左眼用の光学系を拡大した図である。
【図5】図4に示す左眼用の光学系の平面図である。
【図6】図3に示す光学系のうち、右眼用の光学系を拡大した図である。
【図7】図6に示す右眼用の光学系の平面図である。
【図8】本発明の実施の形態の検眼装置の制御系を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態の検眼装置とレンズメーターとの接続態様を示す図であって、図9(a)はレンズメーターを検眼装置の近傍に配設してRS232Cケーブルを介してモニター装置に接続した状態を示す説明図、図9(b)はレンズメーターを検眼装置から遠くに置いてレンズメーターと検眼装置とをRS232Cケーブルを介してモニター装置に接続した状態を示す図、図9(c)は検眼装置とモニター装置とを複数台設置し、レンズメーターをLANを介してモニター装置に接続した状態を示す図である。
【図10】図9に示すレンズメーターの外観図である。
【図11】図3に示す光学系に含まれるロータリープリズムの構成を示す図である。
【図12】図3に示す光学系により提示されるチャートの一例を示す図である。
【図13】図3に示す光学系に含まれるクロスシリンダレンズの構成を示す図である。
【図14】図3に示す光学系により提示されるチャートの一例を示す図である。
【図15】図3に示す光学系により提示されるチャートの一例を示す図である。
【図16】図1に示す検眼装置による測定処理の全体の流れを示すフローチャートである。
【図17】図3に示す光学系により提示されるチャートの一例を示す図である。図17(a)は右眼に提示されるチャートを示し、図17(b)は左眼に提示されるチャートを示し、図17(c)は両眼視により融像された状態を示す図である。
【図18】図1に示す検眼装置による測定処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】図1に示す検眼装置による測定処理の流れを示すフローチャートである。
【図20】図1に示す検眼装置による測定処理の流れを示すフローチャートである。
【図21】図1に示す検眼装置による測定処理の流れを示すフローチャートである。
【図22】図1に示す検眼装置による測定処理の流れを示すフローチャートである。
【図23】図1に示す検眼装置による測定処理の流れを示すフローチャートである。
【図24】図1に示す検眼装置による測定処理の流れを示すフローチャートである。
【図25】図3に示す光学系により提示されるチャートの一例を示す図である。
【図26】図3に示す光学系により提示されるチャートの一例を示す図である。
【図27】図1に示す検眼装置による測定処理の流れを示すフローチャートである。
【図28】図1に示す検眼装置による測定処理の流れを示すフローチャートである。
【図29】図1に示す検眼装置による測定処理の流れを示すフローチャートである。
【図30】図1に示す検眼装置による測定処理の流れを示すフローチャートである。
【図31】図1に示す検眼装置による測定処理の流れを示すフローチャートである。
【図32】図1に示す検眼装置による測定処理の流れを示すフローチャートである。
【図33】図1に示す検眼装置による測定処理の流れを示すフローチャートである。
【図34】図1に示す検眼装置による測定処理の流れを示すフローチャートである。
【図35】図1に示す検眼装置による測定処理の流れを示すフローチャートである。
【図36】図1に示す検眼装置による測定処理の流れを示すフローチャートである。
【図37】図1に示す検眼装置による測定処理の流れを示すフローチャートである。
【図38】図3に示す光学系により提示されるチャートの一例を示す図である。
【図39】図1に示す検眼装置により行われるクロスシリンダテストにおいて参照されるデータを示した図である。
【図40】図1に示す検眼装置により行われるクロスシリンダテストにおいて参照されるデータを示した図である。
【図41】図1に示す検眼装置により行われる両眼バランステストにおいて使用される記号名を示した図である。
【図42】図1に示す検眼装置により行われる近用テストにおいて参照されるデータを示した図である。
【図43】従来の両眼バランステストに用いられていた視標の一例を示す図である。
【符号の説明】
2 検眼装置
4 被検者
5l、5r 本体部
6g ボタン
6h ジョイスティックレバー(レバー)
63 演算制御回路
80 音声出力部
100 レッド・グリーンチャート
400 イラストチャート

Claims (8)

  1. 被検眼の両眼同時他覚屈折測定を行うための他覚測定手段と、
    前記他覚測定手段により取得された前記被検眼の他覚値に基づき前記被検眼に所定の屈折力を付加して左眼および右眼のそれぞれの自覚屈折測定を行い、当該自覚屈折測定により取得された前記左眼および前記右眼のそれぞれの自覚値に基づき、前記左眼および右眼にそれぞれ付加する屈折力の両眼バランス調整を行うための自覚測定手段と、
    所定の検眼プロセスに従って自動的に測定を行うよう前記他覚測定手段および前記自覚測定手段を制御する制御手段と、
    を備えた検眼装置であって、
    前記制御手段は、
    前記自覚測定手段により測定された前記左眼および前記右眼のそれぞれの自覚値を初期値として、前記左眼および前記右眼に付加する屈折力のバランス調整のための測定をそれぞれ行うよう前記自覚測定手段を制御し、
    前記バランス調整のための測定により取得された前記左眼および前記右眼に付加するそれぞれの前記屈折力に基づき、前記両眼バランス調整の結果としての屈折力を算出する、
    ことを特徴とする検眼装置。
  2. 前記被検眼の前記屈折力を測定するレッド・グリーンテストのためのレッド・グリーン視標を提示することが可能な視標提示手段と、
    前記視標提示手段により提示される前記レッド・グリーン視標のうち、レッド側の視標とグリーン側の視標のどちらが明瞭に視認可能であるか被検者に選択を促すための選択手段と、
    前記選択手段により前記選択を促された前記被検者が応答するための応答手段と、を更に備え、
    前記制御手段は、前記応答手段による前記被検者の前記応答に基づき、前記左眼および前記右眼に付加する前記屈折力の前記バランス調整のための測定をそれぞれ行うよう前記自覚測定手段を制御することを特徴とする請求項1記載の検眼装置。
  3. 前記制御手段は、前記応答手段による前記被検者の前記応答の内容に基づき、前記左眼または前記右眼に付加する前記屈折力の前記バランス調整のための測定を行うかどうか判定することを特徴とする請求項2記載の検眼装置。
  4. 前記制御手段は、前記屈折力の前記バランス調整のための測定を行わないと判定されたことに対応して、前記両眼バランス調整をスキップするよう前記自覚測定手段を制御することを特徴とする請求項3記載の検眼装置。
  5. 前記制御手段は、前記応答手段による前記被検者の前記応答の内容に基づき、前記左眼または前記右眼に付加する前記屈折力の前記バランス調整のための測定を再度行うかどうか判定することを特徴とする請求項2記載の検眼装置。
  6. 前記制御手段は、前記屈折力の前記バランス調整のための測定が所定の回数行われたことに対応して、前記両眼バランス調整をスキップするよう前記自覚測定手段を制御することを特徴とする請求項5記載の検眼装置。
  7. 前記被検眼に付加する球面度を切り換えるための球面度切換手段を更に備え、
    前記制御手段は、
    前記屈折力の前記バランス調整のための測定が前記所定の回数行われたことに対応して、前記被検眼に付加する前記球面度を所定の度数だけプラス側に切り換えるよう前記球面度切換手段を制御し、
    当該切り換えられた球面度を前記被検眼に付加した状態で前記被検眼の屈折力を測定するよう前記自覚測定手段を制御する、
    ことを特徴とする請求項6記載の検眼装置。
  8. 前記制御手段は、
    予め設定された前記球面度を前記プラス側に付加したときの前記被検眼の想定される視力値に対応する前記視標を提示するよう前記視標提示手段を制御し、
    前記視標提示手段により提示される前記想定される視力値に対応する前記視標を基に前記被検眼の視力検査を行うよう前記自覚測定手段を制御し、
    前記自覚測定手段により測定された前記被検眼の視力値と、前記想定される視力値とを比較し、その比較結果に基づいて前記両眼バランス調整の結果としての前記屈折力を決定する、
    ことを特徴とする請求項7記載の検眼装置。
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