JP2004283087A - 冷凍用蒸しパン及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷凍保存した蒸しパンを電子レンジで解凍・加熱しても、製造直後の蒸しパンや蒸し器で蒸した蒸しパンの香りや食感、風味と何ら変わらないようにする。
【解決手段】グルテン比8.5〜10.5%に調整した小麦粉に、穀類を醸造して酢酸発酵させた総酸度3.7〜4.6%の酸性調味料を小麦粉100に対して0.5〜2重量比で添加し、これに必要に応じて更に適量の砂糖、塩、油脂イースト及び水等を加えて練り加工により生地を作った後、この生地を蒸して蒸しパンを製造する。
【選択図】 なし
【解決手段】グルテン比8.5〜10.5%に調整した小麦粉に、穀類を醸造して酢酸発酵させた総酸度3.7〜4.6%の酸性調味料を小麦粉100に対して0.5〜2重量比で添加し、これに必要に応じて更に適量の砂糖、塩、油脂イースト及び水等を加えて練り加工により生地を作った後、この生地を蒸して蒸しパンを製造する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍して市場に出荷される中華まんじゅうや中華あんまん等の冷凍用蒸しパン及び冷凍用蒸しパンの製法方法に係り、特に電子レンジによる解凍・加熱後に於いても、製造直後の蒸しパンと香り、食感、風味の点で何ら変わることのないようにした冷凍用蒸しパン及びその製法方法に関するものである。
【0002】
【従前の技術】
従来、蒸しパンは、強力粉や比較的グルテン比が高い薄力粉を使用し、これらに適量の砂糖、塩、油脂、イースト等を加え、練り水45%以下で生地の加工を行い、続いて包あん、ほいろ、蒸しの工程を経て製造されている。製造された蒸しパンは、冷凍商品又はチルド商品として工場から出荷されるが、冷凍商品の場合は、製品が持つ自由水の保持量が少ない等の理由から電子レンジで加熱して直接食することができない。
【0003】
従って、冷凍して出荷された蒸しパンは、販売店の店頭に設置した蒸し器により蒸したあと商品として客に提供するか、或いは冷凍商品として客が持ち帰り、家庭で蒸して食卓に供される。又、コンビニエンスストア等に出荷される場合は、保冷してチルド商品として店頭で蒸し器によって加熱されるか、或いは客が持ち帰って家庭で蒸して食されるケースが多い。
【0004】
蒸しパンがチルド商品として販売される場合、味や食感が比較的よく維持されるため、おいしい蒸しパンを客に提供することができるが、その日の売れ残った商品は廃棄処分されている。この場合、商品のロス率を見込んだ原価が設定されるため、顧客に提供する価格はその分割高となる。
【0005】
一方、冷凍商品を扱う販売店では、商品を長期保存することが可能であるが、顧客が蒸しパンを冷凍食品として持ち帰り家庭で蒸して食べるか、或いは店頭に蒸し器を設置し、冷凍用蒸しパンを25分程度蒸して客に提供する方法が採られている。この場合でも、冷凍用蒸しパンを一度蒸してしまうと、2度と商品にはならないため、やはりロスが発生することになる。
【0006】
従って、冷凍商品として長期保存ができ、かつ電子レンジで簡単に加熱して食べられる冷凍用蒸しパンの開発が、強く望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
冷凍された蒸しパンを直接電子レンジ等で加熱して顧客に提供するようにするためには、蒸した後の製品自体が持つ自由水の確保が最も重要な要素となる。
しかし、常温以下に於ける生地中の自由水の存在は、製品のこし、食感を低下させると同時に、鮮度の低下も早くなることが知られている。一方、冷凍された製品中の自由水は、凍結されて細胞を破壊するため、加熱解凍されても風味を回復することができなくなるなど、技術的に相矛盾する問題を抱えている。
【0008】
過去に小麦粉の生地の改良に関する技術としては、発酵によって製造した酸性調味液をうどんの生地製造用練り水に添加して生地を製造し、ゆで後の麺の良好な食感を長く維持させるようにした技術(特許文献1)や、小麦粉にアスコルビン酸を添加して練り上げ、最終発酵を行っても生地の冷凍、解凍が可能なパン生地の製造方法(特許文献2)、小麦粉に増粘剤又は蛋白質吸収機能のあるカルボキシメチル基を持つセルロースや澱粉を添加し、又は前述のアスコルビン酸と併用して冷凍可能なパン生地を製造するようにした技術(特許文献3)、小麦粉にカラギーナンを添加して冷凍生地を作り、氷結晶を少なくするようにした技術(特許文献4)等が公開されているが、何れも本件の問題点を解決できるものではなかった。
【0009】
【特許文献1】
特公昭57−8704号公報
【特許文献2】
特開昭61−216634号公報
【特許文献3】
特開平6−181676号公報
【特許文献4】
特開平2−119739号公報
【0010】
本発明は、このような問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は、冷凍した蒸しパンを電子レンジで解凍・加熱しても、製造直後の蒸しパンや蒸し器で蒸した蒸しパンの香りや食感、風味と何ら変わらない冷凍用蒸しパン及びその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本件発明者らは、生地中の蛋白質の濃度が、加熱された生地の自由水の生成に関係することに着目し、種々のテストを行った。
その結果、特にグルテン比の低い小麦粉を使用し、この小麦粉に適量の砂糖、塩、油脂、イースト及び酢酸発酵調味液1%前後を加えて練り水約48%で生地を練り、この生地を蒸して仕上げた蒸しパンを一旦冷凍して電子レンジで加熱したところ、蒸し器で蒸したものと同様のしっとりとした風味のある蒸しパンになること発見した。
【0012】
しかし、同様の条件で、酢酸発酵調味料のみを同酸度の合成酢酸調味料に代え、同様な方法で冷凍用蒸しパンを製造して、電子レンジで加熱したものと蒸し器で蒸したものとを比較したところ、蒸し器で調理したものは、従来品と同様においしい蒸しパンになったが、電子レンジで調理したものは、肉質が堅く、特に表面の皮膜が柔らかにならずに、食べることができなかった。
【0013】
このことから、低グルテンの小麦粉と醸造酸性調味料の組み合わせが、本発明が目的とする電子レンジによる加熱のみで食用に供することができる冷凍用蒸しパンの製造に、不可欠な要素であることを見出した。
【0014】
本発明は、上述の如き過程を経て創作されたものであり、本発明の請求項1の発明は、小麦粉に少なくとも適量の砂糖、塩、油脂、イースト及び水を加えて練り加工を行って生地の調整を行った後、この生地を蒸して製造した冷凍用蒸しパンに於いて、前記生地を、グルテン比8.5〜10.5%に調整した小麦粉100に対して、穀類を醸造して酢酸発酵させた総酸度3.7〜4.6%の酸性調味料を0.5〜2重量比で添加して練り上げた生地としたことに特徴がある。
【0015】
又、本発明の請求項2の発明は、小麦粉に少なくとも適量の砂糖、塩、油脂、イースト及び水を加えて練り加工を行って生地の調整を行った後、この生地を蒸して製造した冷凍用蒸しパンの製造方法に於いて、グルテン比8.5〜10.5%に調整した小麦粉を使用し、穀類を醸造して酢酸発酵させた総酸度3.7〜4.6%の酸性調味料を、小麦粉100に対して0.5〜2重量比で前記小麦粉に添加して生地を練り上げるようにしたことに特徴がある。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の冷凍用蒸しパンは、グルテン比8.5〜10.5%に調整した小麦粉に、穀類を醸造して酢酸発酵させた総酸度3.7〜4.6%の酸性調味料を小麦粉100に対して0.5〜2重量比で添加し、これに必要に応じて更に適量の砂糖、油脂、膨張剤、塩、イースト及び水等を加えて練り加工により生地を作った後、生地の発酵、包み、ほいろ、蒸し等の工程を経て製造される。この製造された蒸しパンは、冷凍されて冷凍商品として工場から出荷される。
【0017】
本発明の冷凍用蒸しパンに使用する小麦粉には、グルテン比の低い小麦粉を使用することが望ましい。即ち、小麦粉には、グルテン比8.5〜10.5%に調整した小麦粉を使用することが好ましい。グルテン比が10.5%を越える小麦粉やグルテン比が8.5%未満の小麦粉を使用すると、冷凍した蒸しパンを電子レンジで解凍・加熱した際に蒸しパンの香り、食感、風味が何れも悪くなる。
【0018】
酸性調味料は、冷凍した蒸しパンを電子レンジで解凍・加熱した際にしっとりと風味のある蒸しパンにするために添加するものであり、当該酸性調味料には穀類を醸造して酢酸発酵させた総酸度3.7〜4.6%の酢酸発酵調味液が使用されている。この酢酸発酵調味液は、上記小麦粉100に対して0.5〜2重量比で小麦粉に添加するのが好ましい。酢酸発酵調味液を小麦粉に添加しない場合や酢酸発酵調味液の添加量が小麦粉100に対して重量比で0.5%未満の場合、或いは酢酸発酵調味液の添加量が小麦粉100に対して重量比で2%を越える場合には、冷凍した蒸しパンを電子レンジで解凍・加熱した際に蒸しパンの香り、食感、風味が何れも悪くなる。
【0019】
尚、砂糖には、上白糖やグラニュー糖、白ざら糖、加工糖等が、又、油脂には、乳化油脂や粉末油脂等が、更に、膨張剤には、ベーキングパウダーやイスパタ、重曹等が夫々使用されている。これらの添加量は、他の原料の添加量によって適宜に選定されている。
【0020】
【実施例】
実際の蒸しパン製造の量産工場では、合成調味料の使用はできるだけ避ける場合が多いので、下記の表1に示すように低グルテン比の小麦粉と高グルテン比の小麦粉を夫々使用し、酢酸発酵調味料を使用した場合と使用しなかった場合の組み合わせA,B,C,Dについて試作をした。
【0021】
【表1】
【0022】
表1のA,B,C,Dのように配合された各原料を横型ミキサーで約12分間練り上げ、包あん、ホイロ(30℃、60%、30分)を行って生地を調整した後、18分間蒸して蒸しパンを製造し、この蒸しパンを約2日間冷凍保存した後、冷凍された蒸しパンを取り出して電子レンジ(500W)で3分間加熱してから試食し、各蒸しパンの香り、食感、風味について評価したところ、下記の表2のような結果となった。
【0023】
【表2】
【0024】
表2からも明らかなように、低グルテン比の小麦粉と醸造酸性調味料の組み合わせが良質の蒸しパンの製造に大きく関係することが判る。
それに対して、醸造酸性調味料を使用しない蒸しパン(表2のB)や高いグルテン比の小麦粉を使用した蒸しパン(表2のC,D)は、香り、食感、風味の全てに於いて劣っている。
【0025】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明は、比較的低グルテン比の小麦粉と適量の醸造酸性調味料の組み合わせにより生地の調整を行って冷凍用蒸しパンを製造するようにしているため、製造した蒸しパンを冷凍保存した後、電子レンジで解凍・加熱した場合でも、製造直後の蒸しパンや蒸し器で蒸した蒸しパンと同様に香り、食感、風味の良い蒸しパンとなる。その結果、本発明は、電子レンジによる解凍・加熱のみで簡単に、しかも常においしい蒸しパンにすることを可能とした冷凍用蒸しパンを市場に提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍して市場に出荷される中華まんじゅうや中華あんまん等の冷凍用蒸しパン及び冷凍用蒸しパンの製法方法に係り、特に電子レンジによる解凍・加熱後に於いても、製造直後の蒸しパンと香り、食感、風味の点で何ら変わることのないようにした冷凍用蒸しパン及びその製法方法に関するものである。
【0002】
【従前の技術】
従来、蒸しパンは、強力粉や比較的グルテン比が高い薄力粉を使用し、これらに適量の砂糖、塩、油脂、イースト等を加え、練り水45%以下で生地の加工を行い、続いて包あん、ほいろ、蒸しの工程を経て製造されている。製造された蒸しパンは、冷凍商品又はチルド商品として工場から出荷されるが、冷凍商品の場合は、製品が持つ自由水の保持量が少ない等の理由から電子レンジで加熱して直接食することができない。
【0003】
従って、冷凍して出荷された蒸しパンは、販売店の店頭に設置した蒸し器により蒸したあと商品として客に提供するか、或いは冷凍商品として客が持ち帰り、家庭で蒸して食卓に供される。又、コンビニエンスストア等に出荷される場合は、保冷してチルド商品として店頭で蒸し器によって加熱されるか、或いは客が持ち帰って家庭で蒸して食されるケースが多い。
【0004】
蒸しパンがチルド商品として販売される場合、味や食感が比較的よく維持されるため、おいしい蒸しパンを客に提供することができるが、その日の売れ残った商品は廃棄処分されている。この場合、商品のロス率を見込んだ原価が設定されるため、顧客に提供する価格はその分割高となる。
【0005】
一方、冷凍商品を扱う販売店では、商品を長期保存することが可能であるが、顧客が蒸しパンを冷凍食品として持ち帰り家庭で蒸して食べるか、或いは店頭に蒸し器を設置し、冷凍用蒸しパンを25分程度蒸して客に提供する方法が採られている。この場合でも、冷凍用蒸しパンを一度蒸してしまうと、2度と商品にはならないため、やはりロスが発生することになる。
【0006】
従って、冷凍商品として長期保存ができ、かつ電子レンジで簡単に加熱して食べられる冷凍用蒸しパンの開発が、強く望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
冷凍された蒸しパンを直接電子レンジ等で加熱して顧客に提供するようにするためには、蒸した後の製品自体が持つ自由水の確保が最も重要な要素となる。
しかし、常温以下に於ける生地中の自由水の存在は、製品のこし、食感を低下させると同時に、鮮度の低下も早くなることが知られている。一方、冷凍された製品中の自由水は、凍結されて細胞を破壊するため、加熱解凍されても風味を回復することができなくなるなど、技術的に相矛盾する問題を抱えている。
【0008】
過去に小麦粉の生地の改良に関する技術としては、発酵によって製造した酸性調味液をうどんの生地製造用練り水に添加して生地を製造し、ゆで後の麺の良好な食感を長く維持させるようにした技術(特許文献1)や、小麦粉にアスコルビン酸を添加して練り上げ、最終発酵を行っても生地の冷凍、解凍が可能なパン生地の製造方法(特許文献2)、小麦粉に増粘剤又は蛋白質吸収機能のあるカルボキシメチル基を持つセルロースや澱粉を添加し、又は前述のアスコルビン酸と併用して冷凍可能なパン生地を製造するようにした技術(特許文献3)、小麦粉にカラギーナンを添加して冷凍生地を作り、氷結晶を少なくするようにした技術(特許文献4)等が公開されているが、何れも本件の問題点を解決できるものではなかった。
【0009】
【特許文献1】
特公昭57−8704号公報
【特許文献2】
特開昭61−216634号公報
【特許文献3】
特開平6−181676号公報
【特許文献4】
特開平2−119739号公報
【0010】
本発明は、このような問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は、冷凍した蒸しパンを電子レンジで解凍・加熱しても、製造直後の蒸しパンや蒸し器で蒸した蒸しパンの香りや食感、風味と何ら変わらない冷凍用蒸しパン及びその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本件発明者らは、生地中の蛋白質の濃度が、加熱された生地の自由水の生成に関係することに着目し、種々のテストを行った。
その結果、特にグルテン比の低い小麦粉を使用し、この小麦粉に適量の砂糖、塩、油脂、イースト及び酢酸発酵調味液1%前後を加えて練り水約48%で生地を練り、この生地を蒸して仕上げた蒸しパンを一旦冷凍して電子レンジで加熱したところ、蒸し器で蒸したものと同様のしっとりとした風味のある蒸しパンになること発見した。
【0012】
しかし、同様の条件で、酢酸発酵調味料のみを同酸度の合成酢酸調味料に代え、同様な方法で冷凍用蒸しパンを製造して、電子レンジで加熱したものと蒸し器で蒸したものとを比較したところ、蒸し器で調理したものは、従来品と同様においしい蒸しパンになったが、電子レンジで調理したものは、肉質が堅く、特に表面の皮膜が柔らかにならずに、食べることができなかった。
【0013】
このことから、低グルテンの小麦粉と醸造酸性調味料の組み合わせが、本発明が目的とする電子レンジによる加熱のみで食用に供することができる冷凍用蒸しパンの製造に、不可欠な要素であることを見出した。
【0014】
本発明は、上述の如き過程を経て創作されたものであり、本発明の請求項1の発明は、小麦粉に少なくとも適量の砂糖、塩、油脂、イースト及び水を加えて練り加工を行って生地の調整を行った後、この生地を蒸して製造した冷凍用蒸しパンに於いて、前記生地を、グルテン比8.5〜10.5%に調整した小麦粉100に対して、穀類を醸造して酢酸発酵させた総酸度3.7〜4.6%の酸性調味料を0.5〜2重量比で添加して練り上げた生地としたことに特徴がある。
【0015】
又、本発明の請求項2の発明は、小麦粉に少なくとも適量の砂糖、塩、油脂、イースト及び水を加えて練り加工を行って生地の調整を行った後、この生地を蒸して製造した冷凍用蒸しパンの製造方法に於いて、グルテン比8.5〜10.5%に調整した小麦粉を使用し、穀類を醸造して酢酸発酵させた総酸度3.7〜4.6%の酸性調味料を、小麦粉100に対して0.5〜2重量比で前記小麦粉に添加して生地を練り上げるようにしたことに特徴がある。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の冷凍用蒸しパンは、グルテン比8.5〜10.5%に調整した小麦粉に、穀類を醸造して酢酸発酵させた総酸度3.7〜4.6%の酸性調味料を小麦粉100に対して0.5〜2重量比で添加し、これに必要に応じて更に適量の砂糖、油脂、膨張剤、塩、イースト及び水等を加えて練り加工により生地を作った後、生地の発酵、包み、ほいろ、蒸し等の工程を経て製造される。この製造された蒸しパンは、冷凍されて冷凍商品として工場から出荷される。
【0017】
本発明の冷凍用蒸しパンに使用する小麦粉には、グルテン比の低い小麦粉を使用することが望ましい。即ち、小麦粉には、グルテン比8.5〜10.5%に調整した小麦粉を使用することが好ましい。グルテン比が10.5%を越える小麦粉やグルテン比が8.5%未満の小麦粉を使用すると、冷凍した蒸しパンを電子レンジで解凍・加熱した際に蒸しパンの香り、食感、風味が何れも悪くなる。
【0018】
酸性調味料は、冷凍した蒸しパンを電子レンジで解凍・加熱した際にしっとりと風味のある蒸しパンにするために添加するものであり、当該酸性調味料には穀類を醸造して酢酸発酵させた総酸度3.7〜4.6%の酢酸発酵調味液が使用されている。この酢酸発酵調味液は、上記小麦粉100に対して0.5〜2重量比で小麦粉に添加するのが好ましい。酢酸発酵調味液を小麦粉に添加しない場合や酢酸発酵調味液の添加量が小麦粉100に対して重量比で0.5%未満の場合、或いは酢酸発酵調味液の添加量が小麦粉100に対して重量比で2%を越える場合には、冷凍した蒸しパンを電子レンジで解凍・加熱した際に蒸しパンの香り、食感、風味が何れも悪くなる。
【0019】
尚、砂糖には、上白糖やグラニュー糖、白ざら糖、加工糖等が、又、油脂には、乳化油脂や粉末油脂等が、更に、膨張剤には、ベーキングパウダーやイスパタ、重曹等が夫々使用されている。これらの添加量は、他の原料の添加量によって適宜に選定されている。
【0020】
【実施例】
実際の蒸しパン製造の量産工場では、合成調味料の使用はできるだけ避ける場合が多いので、下記の表1に示すように低グルテン比の小麦粉と高グルテン比の小麦粉を夫々使用し、酢酸発酵調味料を使用した場合と使用しなかった場合の組み合わせA,B,C,Dについて試作をした。
【0021】
【表1】
【0022】
表1のA,B,C,Dのように配合された各原料を横型ミキサーで約12分間練り上げ、包あん、ホイロ(30℃、60%、30分)を行って生地を調整した後、18分間蒸して蒸しパンを製造し、この蒸しパンを約2日間冷凍保存した後、冷凍された蒸しパンを取り出して電子レンジ(500W)で3分間加熱してから試食し、各蒸しパンの香り、食感、風味について評価したところ、下記の表2のような結果となった。
【0023】
【表2】
【0024】
表2からも明らかなように、低グルテン比の小麦粉と醸造酸性調味料の組み合わせが良質の蒸しパンの製造に大きく関係することが判る。
それに対して、醸造酸性調味料を使用しない蒸しパン(表2のB)や高いグルテン比の小麦粉を使用した蒸しパン(表2のC,D)は、香り、食感、風味の全てに於いて劣っている。
【0025】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明は、比較的低グルテン比の小麦粉と適量の醸造酸性調味料の組み合わせにより生地の調整を行って冷凍用蒸しパンを製造するようにしているため、製造した蒸しパンを冷凍保存した後、電子レンジで解凍・加熱した場合でも、製造直後の蒸しパンや蒸し器で蒸した蒸しパンと同様に香り、食感、風味の良い蒸しパンとなる。その結果、本発明は、電子レンジによる解凍・加熱のみで簡単に、しかも常においしい蒸しパンにすることを可能とした冷凍用蒸しパンを市場に提供することができる。
Claims (2)
- 小麦粉に少なくとも適量の砂糖、塩、油脂、イースト及び水を加えて練り加工を行って生地の調整を行った後、この生地を蒸して製造した冷凍用蒸しパンに於いて、前記生地を、グルテン比8.5〜10.5%に調整した小麦粉100に対して、穀類を醸造して酢酸発酵させた総酸度3.7〜4.6%の酸性調味料を0.5〜2重量比で添加して練り上げた生地としたことを特徴とする冷凍用蒸しパン。
- 小麦粉に少なくとも適量の砂糖、塩、油脂、イースト及び水を加えて練り加工を行って生地の調整を行った後、この生地を蒸して製造した冷凍用蒸しパンの製造方法に於いて、グルテン比8.5〜10.5%に調整した小麦粉を使用し、穀類を醸造して酢酸発酵させた総酸度3.7〜4.6%の酸性調味料を、小麦粉100に対して0.5〜2重量比で前記小麦粉に添加して生地を練り上げるようにしたことを特徴とする冷凍用蒸しパンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003079450A JP2004283087A (ja) | 2003-03-24 | 2003-03-24 | 冷凍用蒸しパン及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003079450A JP2004283087A (ja) | 2003-03-24 | 2003-03-24 | 冷凍用蒸しパン及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004283087A true JP2004283087A (ja) | 2004-10-14 |
Family
ID=33293562
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JP2003079450A Pending JP2004283087A (ja) | 2003-03-24 | 2003-03-24 | 冷凍用蒸しパン及びその製造方法 |
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---|---|
JP (1) | JP2004283087A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1965659B (zh) * | 2005-11-14 | 2010-12-15 | 李景秀 | 一种速冻发面生馒头的制作方法 |
US8580328B2 (en) | 2006-11-17 | 2013-11-12 | Hubert Ramy | Salt substitute and composition, for example food composition, comprising it |
-
2003
- 2003-03-24 JP JP2003079450A patent/JP2004283087A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1965659B (zh) * | 2005-11-14 | 2010-12-15 | 李景秀 | 一种速冻发面生馒头的制作方法 |
US8580328B2 (en) | 2006-11-17 | 2013-11-12 | Hubert Ramy | Salt substitute and composition, for example food composition, comprising it |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
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