JP2004283071A - Dnaポリメラーゼスライディングクランプ機能を有する新規耐熱性タンパク質 - Google Patents
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Abstract
【課題】DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有する新規耐熱性タンパク質を提供する。
【解決手段】特定のアミノ酸配列からなるタンパク質は、DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有する。このタンパク質は、超好熱性古細菌であって、好気性thermoacidophilic crenarchaeonの1種であるスルホロブス・トコダイイ(Sulfolobus tokodaii)種7(JCM10545)の遺伝子配列から、DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有するタンパク質をコードすると推定される遺伝子をクローニングし、これを大腸菌を用いて発現させることにより得たものである。図2は、前記タンパク質のSDS−PAGE写真である。
【選択図】 図2
【解決手段】特定のアミノ酸配列からなるタンパク質は、DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有する。このタンパク質は、超好熱性古細菌であって、好気性thermoacidophilic crenarchaeonの1種であるスルホロブス・トコダイイ(Sulfolobus tokodaii)種7(JCM10545)の遺伝子配列から、DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有するタンパク質をコードすると推定される遺伝子をクローニングし、これを大腸菌を用いて発現させることにより得たものである。図2は、前記タンパク質のSDS−PAGE写真である。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有する新規耐熱性タンパク質に関する。
【0002】
【従来の技術】
DNAポリメラーゼス作用促進機能を有するタンパク質は、鋳型DNA鎖に結合したDNAポリメラーゼが鋳型DNA鎖を離れずに連続的にDNAを複製する伸長反応を促進する機能を有する。この機能を有するタンパク質としては、スライディングクランプおよびクランプローダーと呼ばれるタンパク質があり、スライディングクランプはクランプローダーによって開環し、鋳型DNAにはまり込むリング状タンパク質であることが知られている(非特許文献1参照)。このようなタンパク質としては、大腸菌(Escherichia coli)由来のものなどがすでに公知である(非特許文献2参照)。しかしながら、DANポリメラーゼ作用促進活性を有するタンパク質であって、耐熱性を有するものは知られていない。この機能を有する耐熱性タンパク質は、工業的用途など幅広い用途に利用することが期待される。
【0003】
他方、超好熱性古細菌(非特許文献3参照)についての研究があり、スルホロブス属細菌の1種であるスルホロブス・トコダイイ(Sulfolobus tokodaii)(JCM10545)(非特許文献4参照)は、その遺伝子が既に解析されている(非特許文献5参照)。したがって、この超好熱古細菌が、DNAポリメラーゼ作用促進活性を有するタンパク質を産生するとすれば、それは優れた耐熱性を有すると予想される。
【0004】
【非特許文献1】
Curr. Opin. Struct. Biol. 2002 Apr;12(2):217−24
【非特許文献2】
J. Biol. Chem. 2003 Jan 8
【非特許文献3】
Advances in Protetin Chemistry, Volume 48, Enzymes and Proteins from Hyperthermophilic Microorganisms (M.Adams ed.), Academic Press (1996)
【非特許文献4】
Suzuki T. et al., Extremophiles, 2002 Feb;6(1):39−44
【非特許文献5】
Kawarabayashi,Y. et al., “Complete genome sequence of an aerobic thermoacidophilic crenarchaeon, Sulfolobus tokodaii strain7”, DNA Res. 8 (4), 123−140 (2001)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を持つ新規耐熱性タンパク質の提供を、その目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、超好熱性古細菌であるスルホロブス・トコダイイ(Sulfolobus tokodaii)(JCM10545)のゲノム情報について調べたところ、この細菌が、DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有するタンパク質を産生する可能性があることを突き止めた。この知見に基づき、さらに研究を重ねたところ、この細菌の遺伝子から、DANポリメラーゼスライディングクランプ機能を持つ新規耐熱性タンパク質を発現させることに成功し、本発明に到達した。なお、スルホロブス・トコダイイ(Sulfolobustokodaii)(JCM10545)は、理化学研究所生物基盤研究部微生物系統保存施設に保存されており、第三者の要求により分譲可能である。スルホロブス・トコダイイ(Sulfolobustokodaii)(JCM10545)の生育温度は80℃であり、生育限界温度が87℃であるから、本発明のタンパク質は、80〜87℃の高温であっても活性がある。
【0007】
すなわち、本発明のタンパク質は、下記の(a)または(b)のタンパク質である。
(a) 配列番号2のアミノ酸配列からなる耐熱性タンパク質。
(b) 配列番号2のアミノ酸配列において、1つ以上のアミノ酸残基が、欠失、置換、付加若しくは挿入されたアミノ酸配列からなり、DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有する耐熱性タンパク質。
【0008】
前述のように、本発明の新規耐熱性タンパク質は、超好熱性古細菌由来であり、具体的には、スルホロブス・トコダイイ(Sulfolobus tokodaii) (JCM10545)由来である。但し、本発明のタンパク質は、この菌が産生するものに限定されず、遺伝子工学的手法により、他の生物が産生するものであってもよい。
【0009】
つぎに、本発明の発現ベクターは、前記本発明のタンパク質をコードするDNAまたは配列番号1に記載のDNAを含むベクターである。
【0010】
つぎに、本発明の形質転換体は、前記本発明のベクターにより形質転換された形質転換体である。なお、宿主は特に制限されず、例えば、大腸菌等がある。
【0011】
つぎに、本発明のタンパク質の製造方法は、前記本発明の形質転換体を培養する工程と、前記培養工程において発現した前記タンパク質を回収する工程とを含む製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。
【0013】
本発明者らは、海洋底から採取された超好熱性古細菌であって、好気性thermoacidophilic crenarchaeonの1種であるスルホロブス・トコダイイ(Sulfolobus tokodaii)種7(JCM10545)の遺伝子配列からDNAポリメラーゼ作用促進活性(スライディングクランプ)を有するタンパク質をコードすると推定される遺伝子(配列番号1)をクローニングし、これを大腸菌を用いて発現させることにより、本発明の新規耐熱性タンパク質を得るに至った。遺伝子のクローニング方法は、後記した実施例1に記載した通り実施した。クローニングされた遺伝子の塩基配列は配列番号1に示す通りとおりであり、また、その推定アミノ酸配列は配列番号2に示す通りである。なお、本発明の耐熱性タンパク質は、DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有していれば、配列番号2のアミノ酸配列において、一つ以上若しくは数個のアミノ酸残基が、欠質、置換、付加若しくは挿入されていてもよい。このアミノ酸配列における「アミノ酸の欠失、置換、付加若しくは挿入」は、当業者に公知の方法(例えば、突然変異誘発法)に従って実施することができる。
【0014】
本発明のタンパク質は、前述の本発明のタンパク質の製造方法により製造可能であるが、これに限定されず、他の製造方法で製造されてもよい。例えば配列番号2に示すように、そのアミノ酸配列が決定されているタンパク質については、その配列を元に当業者に公知の手法、例えば、個々のアミノ酸を化学的に重合してタンパク質を合成する方法に従って調製することができる。
【0015】
本発明のタンパク質をコードする遺伝子の一例としては、配列番号1に示す遺伝子がある。前記遺伝子は、例えば、後記する実施例2に示すように超好熱性古細菌スルホロブス・トコダイイ(Sulfolobus tokodaii)(JCM10545)のゲノムから、例えば配列番号1で示される塩基配列の一部をプライマーとして用いるPCR法あるいは該DNA断片をプローブとして用いるハイブリダイゼーション法により調製することができる。また、その塩基配列をもとに、当業者に公知である核酸化学合成法等に従って前記遺伝子を得ることもできるが、これらに限定されない。
【0016】
本発明の発現ベクターは、前記遺伝子もしくは配列番号1のDNAを適当なベクターに挿入することによって得ることができる。本発明の遺伝子を挿入するためのベクターは、宿主中で複製可能なものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、プラスミドDNA、ファージDNA、AcMNPVなどのバキュロウイルスなどが挙げられる。プラスミドDNAは、大腸菌やアグロバクテリウムからアルカリ抽出法またはその変法などにより調製することができる。また、市販プラスミドとして、例えばpET11a(Novagen社製)あるいはバチルス属の宿主を用いて分泌型のプラスミドなどを用いてもよい。これらのプラスミドは、アンピシリン耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子、クロラムフェニコール耐性遺伝子などが含まれていてもよい。
【0017】
ベクターへの遺伝子等の挿入は、例えば、精製された遺伝子の塩基配列を適当な制限酵素で切断し、適当なベクターDNAの制限酵素部位またはマルチクローニングサイトに挿入してベクターに連結する方法などを用いることができるが、これらに限定されない。また、本発明の遺伝子の機能が発揮されるように、本発明の発現ベクターには本発明の遺伝子のほか、プロモーター、ターミネーター、リボソーム結合配列などを組み込んでいてもよい。さらに、本発明の遺伝子も他のタンパク質のコードする配列を融合したものを挿入してもよい。
【0018】
前記発現ベクターで宿主生物を形質転換すれば、本発明の形質転換体が得られる。宿主生物としては、本発明の遺伝子を発現できるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、大腸菌などの原核生物細胞などが挙げられるが、これらに限定されない。形質転換法としては、既に公知である塩化カルシウム法などを使用することができるが、これらの方法に限定されない。
【0019】
本発明のタンパク質の製造方法は、前記形質転換体を培養する工程と、前記培養工程において発現した前記タンパク質を回収する工程とを含む製造方法である。前記培養する方法は、宿主細胞の培養に用いられる通常の方法に従って行われる。大腸菌等の微生物を宿主とした形質転換体を培養する培地としては、微生物が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類などを含有し、形質転換体の培養を効率的に行えるものであれば、天然培地、合成培地などのいずれを用いてもよい。本発明のタンパク質の回収は、特に制限されない。前記タンパク質が菌体内または細胞内に生産される場合には、菌体または細胞を破砕することによって前記タンパク質を回収する。また、本発明の前記タンパク質が菌体外または細胞外に生産される場合には、培養液をそのまま使用するか、遠心分離などにより菌体または細胞を除去した後、タンパク質の単離精製に用いられる一般的な生化学的方法、例えば、硫酸アンモニウム沈殿、ゲルクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーなどを単独でまたは適宜組み合わせて用いることにより、培養物中から本発明のタンパク質を単離精製することができる。なお、培養液をそのまま使用する場合、熱処理をすることにより、本発明のタンパク質以外のタンパク質が失活するので、実質上、本発明のタンパク質のみの液として使用できる。
【0020】
【実施例】
以下に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されない。
【0021】
実施例1:染色体DNAの調製
スルフォロブス・トコダイイ(Sulfolobus tokodaii(JCM10545))をL培地中で37℃にて一晩培養して集菌したものに、SSC溶液 (0.15M NaCl, 0.015M クエン酸ナトリウム)10mL、0.5M EDTA、100mg/ml ニワトリ卵白リゾチーム 0.1mlおよび10%非イオン性界面活性剤Brij−58を0.5mL加え、0℃で30分間放置した後、プロテイナーゼK(Merck社製)5mgを10%SDS 0.2mLに溶かした溶液を加え、37℃で2、3日間放置した。この溶液に水飽和フェノール、クロロホルム、イソアミルアルコールの混合溶液を加えて、37℃で1時間放置した後、水層を分取し、そこへエタノールを加えてDNAを沈殿濃縮した。このDNAの沈殿をTE溶液(10mM Tris−HCl(pH7.5)、1mM EDTA(pH8.0))10mLに溶解し、リボヌクレアーゼ0.25mL(最終濃度0.25mg/mL)を加えて、37℃で一晩放置した後、エタノールで沈殿させた。次いで、DNAをTE溶液5mLに溶解した後、260nmの吸光度より、DNA濃度を決定した(Clarke,L.& Carbon,J.(1979) Methods Enzymol.68,396−408)。
【0022】
実施例2:発現プラスミドの構築と遺伝子発現
・ 発現プラスミドの構築
耐熱性DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有するタンパク質遺伝子の翻訳領域の前後に、制限酵素NdeIおよびBamHI、NotIサイトを含むDNAを構築する目的で下記のDNAプライマーを合成し、このプライマーを用いたPCRでDNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有するタンパク質遺伝子の翻訳領域の前後に制限酵素サイトを導入した。用いたDNAポリメラーゼはKOD Dash(東洋紡社製)であった。
Forward primer(配列番号3):5’−ATATCATATGATCAAAGCTACCTATTCAAGTGCGAAAGAT−3’
Reverse primer(配列番号4):5’−ATATGGATCCGCGGCCGCTTATTATAGTCTTGGTGCTATCCA−3’
【0023】
PCR反応後、Ex Taq(宝酒造社製)を用いて増幅断片の3’末端側にデオキシアデノシンを付加した後、pGEM−T Easy Vector(Promega社製)と、T4リガーゼで15℃、30分間反応させ連結した。連結したDNAを大腸菌DH5αのコンピテントセルに導入し,形質転換体のコロニーを得た。得られた形質転換体をアンピシリンを含むLB培地(18mL)で24時間培養し、その培養液からプラスミドを改変アルカリSDS法で精製した。プラスミド中に期待される大きさのインサートが存在することを、図1に示すように、アガロース電気泳動で確認した。精製プラスミドのインサートの塩基配列は,BigDye Terminator kit(登録商標:Applied Biosystems社製)とABIPRISM 3700 DNA Analyzer(登録商標:Applied Biosystems社製)を用いて決定し、インサートの塩基配列が、DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有するタンパク質遺伝子の正しい配列であることを確認した。正しい配列を有するプラスミドの一部を制限酵素NdeIとBamHIで完全分解(37℃で2時間)した後、アガロース電気泳動により、DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有するタンパク質の構造遺伝子を精製した。pET−11a(Novagen社製)を制限酵素NdeIとBamHIで切断・精製した後、上記の構造遺伝子とT4リガーゼで反応させ連結した。連結したDNAの一部を大腸菌DH5αのコンピテントセルに導入し、アンピシリンを含むLB寒天プレートに適量まき、37℃で一晩培養し、形質転換体のコロニーを得た。得られた形質転換体をアンピシリンを含むLB培地(18mL)で24時間培養し、その培養液から発現プラスミドを改変アルカリSDS法で精製した。
【0024】
2.組換え遺伝子の発現
大腸菌 Rosetta−gami(DE3)(Novagen社製)のコンピテントセルを融解して、ファルコンチューブに0.1mL移す。その中に上記1.の精製発現プラスミドの溶液0.002mLを加え氷中に20分間放置した後、42℃でヒートショックを90秒間行い、氷中に1分間放置した後、クロラムフェニコールとアンピシリンを含むLB寒天プレートに適量まき、37℃で一晩培養し、形質転換体を得た。得られた形質転換体をアンピシリンを含むLB培地(5mL)で18時間培養し、DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有するタンパク質遺伝子を発現した。培養後、遠心分離(12,000rpm、10分)で集菌した。
集菌した菌体に,破砕液(20mM Tris−HCl、100mM KCl、pH7.5)を0.2mL加え,超音波発生器で細胞を破砕し,その懸濁液を0.1mLずつ2本のサンプルチューブに分けた。一方のサンプルチューブは遠心分離(12,000rpm、10分)して上清と沈殿に分け,沈殿は破砕液 0.1mLで懸濁した。もう一方のサンプルチューブは,熱処理(70℃,10分)を施した後,遠心分離(12,000rpm、10分)して上清と沈殿に分け,沈殿は破砕液0.1mLで懸濁した。これらの試料の一部をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)で分析し,発現を確認できた。この結果を図2のSDS−PAGE写真に示す。
DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有するタンパク質の発現が見られた試料についてSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を行った後、エレクトロブロッティングによってPVDF膜に転写し,染色によって可視化された目的組換えタンパク質であるDNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有するタンパク質のバンドを切り出し,プロテインシーケンサーModel492Procise(Applied Biosystems社製)を用いて,アミノ末端配列を解析した結果、配列番号5に示すように10残基のアミノ末端配列が決定できた。この配列により,発現タンパク質が、DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有するタンパク質であることを確認できた。この発現タンパク質は、248アミノ酸残基より構成されており、その推定分子量は27.5kDであり、SDS−PAGE(図2参照)の結果とほぼ一致していた。
【0025】
【発明の効果】
本発明により、DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有する新規耐熱性タンパク質が提供できる。本発明のタンパク質は、高温下で使用することが可能であり、工業的用途が広がると共に、基質濃度の増加、反応効率の向上、混入微生物の除去、保存期間および耐用期間の延長などの多くの利点がもたらされる。
【0026】
【配列表】
【0027】
【配列表フリーテキスト】
配列番号1:耐熱性DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有するタンパク質遺伝子の塩基配列
配列番号2:耐熱性DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有するタンパク質のアミノ酸配列
配列番号3:耐熱性DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有するタンパク質の構造遺伝子の末端に制限酵素部位NdeIおよびBamHI、NotIを導入するための順方向プライマーを示す。
配列番号4:耐熱性DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有するタンパク質の構造遺伝子の末端に制限酵素部位NdeIおよびBamHI、NotIを導入するための逆方向プライマーを示す。
配列番号5:N末端アミノ酸配列
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例における精製プラスミドのインサートDNAのアガロース電気泳動写真である。
【図2】図2は、本発明の一実施例における組換えタンパク質のSDS−PAGE写真である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有する新規耐熱性タンパク質に関する。
【0002】
【従来の技術】
DNAポリメラーゼス作用促進機能を有するタンパク質は、鋳型DNA鎖に結合したDNAポリメラーゼが鋳型DNA鎖を離れずに連続的にDNAを複製する伸長反応を促進する機能を有する。この機能を有するタンパク質としては、スライディングクランプおよびクランプローダーと呼ばれるタンパク質があり、スライディングクランプはクランプローダーによって開環し、鋳型DNAにはまり込むリング状タンパク質であることが知られている(非特許文献1参照)。このようなタンパク質としては、大腸菌(Escherichia coli)由来のものなどがすでに公知である(非特許文献2参照)。しかしながら、DANポリメラーゼ作用促進活性を有するタンパク質であって、耐熱性を有するものは知られていない。この機能を有する耐熱性タンパク質は、工業的用途など幅広い用途に利用することが期待される。
【0003】
他方、超好熱性古細菌(非特許文献3参照)についての研究があり、スルホロブス属細菌の1種であるスルホロブス・トコダイイ(Sulfolobus tokodaii)(JCM10545)(非特許文献4参照)は、その遺伝子が既に解析されている(非特許文献5参照)。したがって、この超好熱古細菌が、DNAポリメラーゼ作用促進活性を有するタンパク質を産生するとすれば、それは優れた耐熱性を有すると予想される。
【0004】
【非特許文献1】
Curr. Opin. Struct. Biol. 2002 Apr;12(2):217−24
【非特許文献2】
J. Biol. Chem. 2003 Jan 8
【非特許文献3】
Advances in Protetin Chemistry, Volume 48, Enzymes and Proteins from Hyperthermophilic Microorganisms (M.Adams ed.), Academic Press (1996)
【非特許文献4】
Suzuki T. et al., Extremophiles, 2002 Feb;6(1):39−44
【非特許文献5】
Kawarabayashi,Y. et al., “Complete genome sequence of an aerobic thermoacidophilic crenarchaeon, Sulfolobus tokodaii strain7”, DNA Res. 8 (4), 123−140 (2001)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を持つ新規耐熱性タンパク質の提供を、その目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、超好熱性古細菌であるスルホロブス・トコダイイ(Sulfolobus tokodaii)(JCM10545)のゲノム情報について調べたところ、この細菌が、DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有するタンパク質を産生する可能性があることを突き止めた。この知見に基づき、さらに研究を重ねたところ、この細菌の遺伝子から、DANポリメラーゼスライディングクランプ機能を持つ新規耐熱性タンパク質を発現させることに成功し、本発明に到達した。なお、スルホロブス・トコダイイ(Sulfolobustokodaii)(JCM10545)は、理化学研究所生物基盤研究部微生物系統保存施設に保存されており、第三者の要求により分譲可能である。スルホロブス・トコダイイ(Sulfolobustokodaii)(JCM10545)の生育温度は80℃であり、生育限界温度が87℃であるから、本発明のタンパク質は、80〜87℃の高温であっても活性がある。
【0007】
すなわち、本発明のタンパク質は、下記の(a)または(b)のタンパク質である。
(a) 配列番号2のアミノ酸配列からなる耐熱性タンパク質。
(b) 配列番号2のアミノ酸配列において、1つ以上のアミノ酸残基が、欠失、置換、付加若しくは挿入されたアミノ酸配列からなり、DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有する耐熱性タンパク質。
【0008】
前述のように、本発明の新規耐熱性タンパク質は、超好熱性古細菌由来であり、具体的には、スルホロブス・トコダイイ(Sulfolobus tokodaii) (JCM10545)由来である。但し、本発明のタンパク質は、この菌が産生するものに限定されず、遺伝子工学的手法により、他の生物が産生するものであってもよい。
【0009】
つぎに、本発明の発現ベクターは、前記本発明のタンパク質をコードするDNAまたは配列番号1に記載のDNAを含むベクターである。
【0010】
つぎに、本発明の形質転換体は、前記本発明のベクターにより形質転換された形質転換体である。なお、宿主は特に制限されず、例えば、大腸菌等がある。
【0011】
つぎに、本発明のタンパク質の製造方法は、前記本発明の形質転換体を培養する工程と、前記培養工程において発現した前記タンパク質を回収する工程とを含む製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。
【0013】
本発明者らは、海洋底から採取された超好熱性古細菌であって、好気性thermoacidophilic crenarchaeonの1種であるスルホロブス・トコダイイ(Sulfolobus tokodaii)種7(JCM10545)の遺伝子配列からDNAポリメラーゼ作用促進活性(スライディングクランプ)を有するタンパク質をコードすると推定される遺伝子(配列番号1)をクローニングし、これを大腸菌を用いて発現させることにより、本発明の新規耐熱性タンパク質を得るに至った。遺伝子のクローニング方法は、後記した実施例1に記載した通り実施した。クローニングされた遺伝子の塩基配列は配列番号1に示す通りとおりであり、また、その推定アミノ酸配列は配列番号2に示す通りである。なお、本発明の耐熱性タンパク質は、DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有していれば、配列番号2のアミノ酸配列において、一つ以上若しくは数個のアミノ酸残基が、欠質、置換、付加若しくは挿入されていてもよい。このアミノ酸配列における「アミノ酸の欠失、置換、付加若しくは挿入」は、当業者に公知の方法(例えば、突然変異誘発法)に従って実施することができる。
【0014】
本発明のタンパク質は、前述の本発明のタンパク質の製造方法により製造可能であるが、これに限定されず、他の製造方法で製造されてもよい。例えば配列番号2に示すように、そのアミノ酸配列が決定されているタンパク質については、その配列を元に当業者に公知の手法、例えば、個々のアミノ酸を化学的に重合してタンパク質を合成する方法に従って調製することができる。
【0015】
本発明のタンパク質をコードする遺伝子の一例としては、配列番号1に示す遺伝子がある。前記遺伝子は、例えば、後記する実施例2に示すように超好熱性古細菌スルホロブス・トコダイイ(Sulfolobus tokodaii)(JCM10545)のゲノムから、例えば配列番号1で示される塩基配列の一部をプライマーとして用いるPCR法あるいは該DNA断片をプローブとして用いるハイブリダイゼーション法により調製することができる。また、その塩基配列をもとに、当業者に公知である核酸化学合成法等に従って前記遺伝子を得ることもできるが、これらに限定されない。
【0016】
本発明の発現ベクターは、前記遺伝子もしくは配列番号1のDNAを適当なベクターに挿入することによって得ることができる。本発明の遺伝子を挿入するためのベクターは、宿主中で複製可能なものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、プラスミドDNA、ファージDNA、AcMNPVなどのバキュロウイルスなどが挙げられる。プラスミドDNAは、大腸菌やアグロバクテリウムからアルカリ抽出法またはその変法などにより調製することができる。また、市販プラスミドとして、例えばpET11a(Novagen社製)あるいはバチルス属の宿主を用いて分泌型のプラスミドなどを用いてもよい。これらのプラスミドは、アンピシリン耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子、クロラムフェニコール耐性遺伝子などが含まれていてもよい。
【0017】
ベクターへの遺伝子等の挿入は、例えば、精製された遺伝子の塩基配列を適当な制限酵素で切断し、適当なベクターDNAの制限酵素部位またはマルチクローニングサイトに挿入してベクターに連結する方法などを用いることができるが、これらに限定されない。また、本発明の遺伝子の機能が発揮されるように、本発明の発現ベクターには本発明の遺伝子のほか、プロモーター、ターミネーター、リボソーム結合配列などを組み込んでいてもよい。さらに、本発明の遺伝子も他のタンパク質のコードする配列を融合したものを挿入してもよい。
【0018】
前記発現ベクターで宿主生物を形質転換すれば、本発明の形質転換体が得られる。宿主生物としては、本発明の遺伝子を発現できるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、大腸菌などの原核生物細胞などが挙げられるが、これらに限定されない。形質転換法としては、既に公知である塩化カルシウム法などを使用することができるが、これらの方法に限定されない。
【0019】
本発明のタンパク質の製造方法は、前記形質転換体を培養する工程と、前記培養工程において発現した前記タンパク質を回収する工程とを含む製造方法である。前記培養する方法は、宿主細胞の培養に用いられる通常の方法に従って行われる。大腸菌等の微生物を宿主とした形質転換体を培養する培地としては、微生物が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類などを含有し、形質転換体の培養を効率的に行えるものであれば、天然培地、合成培地などのいずれを用いてもよい。本発明のタンパク質の回収は、特に制限されない。前記タンパク質が菌体内または細胞内に生産される場合には、菌体または細胞を破砕することによって前記タンパク質を回収する。また、本発明の前記タンパク質が菌体外または細胞外に生産される場合には、培養液をそのまま使用するか、遠心分離などにより菌体または細胞を除去した後、タンパク質の単離精製に用いられる一般的な生化学的方法、例えば、硫酸アンモニウム沈殿、ゲルクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーなどを単独でまたは適宜組み合わせて用いることにより、培養物中から本発明のタンパク質を単離精製することができる。なお、培養液をそのまま使用する場合、熱処理をすることにより、本発明のタンパク質以外のタンパク質が失活するので、実質上、本発明のタンパク質のみの液として使用できる。
【0020】
【実施例】
以下に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されない。
【0021】
実施例1:染色体DNAの調製
スルフォロブス・トコダイイ(Sulfolobus tokodaii(JCM10545))をL培地中で37℃にて一晩培養して集菌したものに、SSC溶液 (0.15M NaCl, 0.015M クエン酸ナトリウム)10mL、0.5M EDTA、100mg/ml ニワトリ卵白リゾチーム 0.1mlおよび10%非イオン性界面活性剤Brij−58を0.5mL加え、0℃で30分間放置した後、プロテイナーゼK(Merck社製)5mgを10%SDS 0.2mLに溶かした溶液を加え、37℃で2、3日間放置した。この溶液に水飽和フェノール、クロロホルム、イソアミルアルコールの混合溶液を加えて、37℃で1時間放置した後、水層を分取し、そこへエタノールを加えてDNAを沈殿濃縮した。このDNAの沈殿をTE溶液(10mM Tris−HCl(pH7.5)、1mM EDTA(pH8.0))10mLに溶解し、リボヌクレアーゼ0.25mL(最終濃度0.25mg/mL)を加えて、37℃で一晩放置した後、エタノールで沈殿させた。次いで、DNAをTE溶液5mLに溶解した後、260nmの吸光度より、DNA濃度を決定した(Clarke,L.& Carbon,J.(1979) Methods Enzymol.68,396−408)。
【0022】
実施例2:発現プラスミドの構築と遺伝子発現
・ 発現プラスミドの構築
耐熱性DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有するタンパク質遺伝子の翻訳領域の前後に、制限酵素NdeIおよびBamHI、NotIサイトを含むDNAを構築する目的で下記のDNAプライマーを合成し、このプライマーを用いたPCRでDNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有するタンパク質遺伝子の翻訳領域の前後に制限酵素サイトを導入した。用いたDNAポリメラーゼはKOD Dash(東洋紡社製)であった。
Forward primer(配列番号3):5’−ATATCATATGATCAAAGCTACCTATTCAAGTGCGAAAGAT−3’
Reverse primer(配列番号4):5’−ATATGGATCCGCGGCCGCTTATTATAGTCTTGGTGCTATCCA−3’
【0023】
PCR反応後、Ex Taq(宝酒造社製)を用いて増幅断片の3’末端側にデオキシアデノシンを付加した後、pGEM−T Easy Vector(Promega社製)と、T4リガーゼで15℃、30分間反応させ連結した。連結したDNAを大腸菌DH5αのコンピテントセルに導入し,形質転換体のコロニーを得た。得られた形質転換体をアンピシリンを含むLB培地(18mL)で24時間培養し、その培養液からプラスミドを改変アルカリSDS法で精製した。プラスミド中に期待される大きさのインサートが存在することを、図1に示すように、アガロース電気泳動で確認した。精製プラスミドのインサートの塩基配列は,BigDye Terminator kit(登録商標:Applied Biosystems社製)とABIPRISM 3700 DNA Analyzer(登録商標:Applied Biosystems社製)を用いて決定し、インサートの塩基配列が、DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有するタンパク質遺伝子の正しい配列であることを確認した。正しい配列を有するプラスミドの一部を制限酵素NdeIとBamHIで完全分解(37℃で2時間)した後、アガロース電気泳動により、DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有するタンパク質の構造遺伝子を精製した。pET−11a(Novagen社製)を制限酵素NdeIとBamHIで切断・精製した後、上記の構造遺伝子とT4リガーゼで反応させ連結した。連結したDNAの一部を大腸菌DH5αのコンピテントセルに導入し、アンピシリンを含むLB寒天プレートに適量まき、37℃で一晩培養し、形質転換体のコロニーを得た。得られた形質転換体をアンピシリンを含むLB培地(18mL)で24時間培養し、その培養液から発現プラスミドを改変アルカリSDS法で精製した。
【0024】
2.組換え遺伝子の発現
大腸菌 Rosetta−gami(DE3)(Novagen社製)のコンピテントセルを融解して、ファルコンチューブに0.1mL移す。その中に上記1.の精製発現プラスミドの溶液0.002mLを加え氷中に20分間放置した後、42℃でヒートショックを90秒間行い、氷中に1分間放置した後、クロラムフェニコールとアンピシリンを含むLB寒天プレートに適量まき、37℃で一晩培養し、形質転換体を得た。得られた形質転換体をアンピシリンを含むLB培地(5mL)で18時間培養し、DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有するタンパク質遺伝子を発現した。培養後、遠心分離(12,000rpm、10分)で集菌した。
集菌した菌体に,破砕液(20mM Tris−HCl、100mM KCl、pH7.5)を0.2mL加え,超音波発生器で細胞を破砕し,その懸濁液を0.1mLずつ2本のサンプルチューブに分けた。一方のサンプルチューブは遠心分離(12,000rpm、10分)して上清と沈殿に分け,沈殿は破砕液 0.1mLで懸濁した。もう一方のサンプルチューブは,熱処理(70℃,10分)を施した後,遠心分離(12,000rpm、10分)して上清と沈殿に分け,沈殿は破砕液0.1mLで懸濁した。これらの試料の一部をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)で分析し,発現を確認できた。この結果を図2のSDS−PAGE写真に示す。
DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有するタンパク質の発現が見られた試料についてSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を行った後、エレクトロブロッティングによってPVDF膜に転写し,染色によって可視化された目的組換えタンパク質であるDNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有するタンパク質のバンドを切り出し,プロテインシーケンサーModel492Procise(Applied Biosystems社製)を用いて,アミノ末端配列を解析した結果、配列番号5に示すように10残基のアミノ末端配列が決定できた。この配列により,発現タンパク質が、DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有するタンパク質であることを確認できた。この発現タンパク質は、248アミノ酸残基より構成されており、その推定分子量は27.5kDであり、SDS−PAGE(図2参照)の結果とほぼ一致していた。
【0025】
【発明の効果】
本発明により、DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有する新規耐熱性タンパク質が提供できる。本発明のタンパク質は、高温下で使用することが可能であり、工業的用途が広がると共に、基質濃度の増加、反応効率の向上、混入微生物の除去、保存期間および耐用期間の延長などの多くの利点がもたらされる。
【0026】
【配列表】
【0027】
【配列表フリーテキスト】
配列番号1:耐熱性DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有するタンパク質遺伝子の塩基配列
配列番号2:耐熱性DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有するタンパク質のアミノ酸配列
配列番号3:耐熱性DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有するタンパク質の構造遺伝子の末端に制限酵素部位NdeIおよびBamHI、NotIを導入するための順方向プライマーを示す。
配列番号4:耐熱性DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有するタンパク質の構造遺伝子の末端に制限酵素部位NdeIおよびBamHI、NotIを導入するための逆方向プライマーを示す。
配列番号5:N末端アミノ酸配列
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例における精製プラスミドのインサートDNAのアガロース電気泳動写真である。
【図2】図2は、本発明の一実施例における組換えタンパク質のSDS−PAGE写真である。
Claims (6)
- 下記の(a)または(b)の耐熱性タンパク質
(a) 配列番号2のアミノ酸配列からなる耐熱性タンパク質。
(b) 配列番号2のアミノ酸配列において、1つ以上のアミノ酸残基が、欠失、置換、付加若しくは挿入されたアミノ酸配列からなり、DNAポリメラーゼスライディングクランプ機能を有する耐熱性タンパク質。 - 超好熱性古細菌由来である請求項1記載のタンパク質。
- 超好熱性古細菌が、スルホロブス・トコダイイ(Sulfolobus tokodaii) (JCM10545)である請求項2記載のタンパク質。
- 請求項1から3のいずれかに記載のタンパク質をコードするDNAまたは配列番号1に記載のDNAを含む発現ベクター。
- 請求項4記載のベクターにより形質転換された形質転換体。
- 請求項1から3のいずれかに記載のタンパク質の製造方法であって、請求項5記載の形質転換体を培養する工程と、前記培養工程において発現した前記タンパク質を回収する工程とを含む製造方法。
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