JP2004283026A - 一・二糖類粉末の製造方法 - Google Patents

一・二糖類粉末の製造方法 Download PDF

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Abstract

【目的】保管中に固結(付着凝集)しがたい澱粉一・二糖類粉末を提供すること。
【構成】マルトース・ぶどう糖等の糖化液の白下(マスキット:massecuite)をスプレー乾燥する工程を経て一・二糖類粉末を製造する方法。スプレー乾燥工程後、蜜膜(付着母液)のBX値(Brix:糖濃度):82±2に対応する平衡関係湿度(平衡RH)に雰囲気関係湿度(雰囲気RH)を調節する熟成工程を経て製造する。
【選択図】図4

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、澱粉一・二糖類粉末の製造方法に関する。特に、貯蔵時において固化(吸湿凝集)しがたい澱粉一・二糖類粉末の製造に好適なものである。
【0002】
ここで、澱粉一・二糖類粉末には、結晶性、非晶性を問わない。すなわち、砂糖・ぶどう糖の結晶粉末、又は、糖液より直接製造する非晶性の全糖ぶどう糖、粉末マルトース等を含むものである。
【0003】
本明細書で使用する主たる用語の意味は下記のとおりである。
【0004】
「BX値」とは、特定温度(常温:25℃)において液体比重計で測定して求めた糖類濃度を意味する。ここで、糖類としては、砂糖、ぶどう糖、マルトースなどの一・二糖類を意味する。
【0005】
「純度」とは、全固形分(全糖類)中における特定糖類の含有率(%)を意味する。
【0006】
「水分」とは、特に断らない限り湿量基準含水率(100×kg/kg(wet stock))(%)を意味する。即ち、全重量に対する水分量の比率(%)のことである。
【0007】
「白下」とは、濃縮された糖液より晶析した結晶と母液とが混合したものを意味する。マスキット(massecuite)とも称される。
【0008】
「蜜膜」とは、糖類粉末の本体である結晶相(固相)の表面に形成される自由水を含む半流動状態の薄膜溶液相(糖類の混合水溶液)を意味する。
【0009】
【背景技術】
砂糖、ぶどう糖、マルトース等の澱粉一・二糖類粉末の製造方法としては、下記結晶分離方式▲1▼と全糖方式▲2▼に大別される。
【0010】
▲1▼結晶分離方式(砂糖、結晶ぶどう糖に適用):
砂糖やぶどう糖等の母液(精製した澱粉糖化液)に種晶を添加して、煎糖により結晶を析出させて(育成して)結晶含有率50%前後の白下を調製し、該白下を遠心分離機(ろ過網分離方式)などで分離(分蜜)して、分蜜(結晶と非晶液との分離)後のろ過ケーキをロータリードライア等により熱風(80〜90℃)で乾燥し、粉末とする。
【0011】
▲2▼全糖方式(全糖ぶどう糖、マルトースに適用):
従来は、白下を濃縮したものに種晶を添加してバット(小型容器)中で結晶ぶどう糖(又はマルトース)を析出させて固化(固結)したものを、切削して粉末化するいわゆる固結切削法であった。しかし、この固結切削法は、労力を要し非能率であるため、下記連続的に造粒できる方法、例えば、噴霧乾燥時に結晶化が促進される下記噴霧造粒法が主流となりつつある。
【0012】
ぶどう糖やマルトースの溶液(澱粉糖化液)を蒸発濃縮(真空蒸発)させた白下(固形分純度…ぶどう糖:95%以上、マルトース:85%以上)に種結晶(シード)を入れマスキット(白下)としてから、熱風(80〜90℃)中に噴霧して、分散させた液滴(材料)を熱風と接触させて乾燥(噴霧乾燥)し、粉末とする。
【0013】
そして、上記各方法で得られた、結晶ぶどう糖、全糖ぶどう糖、マルトース等の澱粉一・二糖類粉末は、防湿処理された包装袋に充填して保管する。
【0014】
しかし、製造後、消費に至る倉庫保管中に、固結(付着凝集)して、クレーム(返品)原因となることがあった。
【0015】
なお、本発明の発明性に影響を与えるものではないが、先行公知文献として下記のような特許文献および非特許文献がある。
【0016】
【特許文献1】
特公昭54−3937号公報
【特許文献2】
特公昭54−27325号公報
【特許文献3】
特公平5−79316号公報
【特許文献4】
特開平6−277100号公報
【非特許文献1】
二國監修「澱粉科学ハンドブック」朝倉書店、1977.7.20、p.446−449
【0017】
【発明の開示】
本発明は、上記にかんがみて、保管中に固結(付着凝集)しがたい澱粉一・二糖類粉末を提供することを目的とする。
【0018】
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意開発に努力をする過程で、固結現象の原因が蜜膜であることを知見した。
【0019】
▲1▼たとえば、蜜膜BX値:85で、倉庫等の保管場所における相対湿度(RH:elative umidity)が、蜜膜BX値:85に対応する平衡RH(以下、単に「平衡RH」と称することがある。)より低いとき、蜜膜中の水分が蒸発して、蜜膜BX値が増大する。この状態では、即ち蜜膜BX値が85以上では、蜜膜内での結晶はほとんど成長しない。しかし、下段側にある充填袋(包装袋)内の粉末は大きな荷重を受けているため、粒子相互が圧接状態となり、粒子相互間の蜜膜(溶液相)を介して溶着して、固結化する。この状態では、雨が降ってRHが上記平衡RHより高くなった場合、吸湿して蜜膜BX値が元へ戻る。このため、蜜膜の粘度が低下して粒子相互の溶着強度が低下して、柔らかくなる現象がみられる。
【0020】
▲2▼包装直後、蜜膜BX値:90以上であっても、倉庫内RHが蜜膜BX値:82±2に対応する平衡RHより高いとき(蜜膜BX値が高い程平衡RHは低い。)、吸湿して蜜膜BX値が晶析(結晶化)し易いBX値(82±2)となると、通常、過飽和であるため、蜜膜相に晶析現象が発生する。この結晶は結晶相から成長し、さらに、隣接する蜜膜相互の蜜膜界面を越えて結晶が成長して粒子間に架橋現象が発生して、固結化する。この状態では、蜜膜を貫通して結晶相が連続しているため、雨が降って雰囲気RHが上記平衡RHより高くなっても粒子相互の、固結がゆるくなるようなことはない。
【0021】
そして、本発明者らは、上記知見に基づき、下記製造方法によれば、固結し難い一・二糖類粉末(以下単に「糖類粉末」という。)が低熱量で得られる事を見出して、下記構成の糖類粉末の製造方法に想到した。
【0022】
マルトース・ぶどう糖等の糖化液の白下(マスキット:massecuite)をスプレー乾燥する工程を経て一・二糖類粉末を製造する方法において、
スプレー乾燥工程において、蜜膜のBX値(Brix:糖濃度):82±2に対応するようにスプレー出口製品の水分量を管理する。この管理値は、スプレー原料マスキットの晶出率より算出される。そして、蜜膜(付着母液)のBX値82±2に対応する平衡関係湿度(平衡RH)に雰囲気関係湿度(雰囲気RH)を調節する熟成工程を経ることを特徴とする。
【0023】
上記の如く、雰囲気RHを蜜膜BX値が晶析(結晶化)し易い平衡RHに調節することにより、蜜膜相の晶析が促進される。すなわち、蜜膜中の固形分が結果的に結晶相に移行することになる。結果的にBX値(固形分)が減少して自由含水率が増大することとなる(下記式参照)。
【0024】
自由含水率=全含水率―結晶水含水率
このとき、自由含水率の増大は、相対的に乾燥が促進される。自由水分は雰囲気中に移行し雰囲気RHを上げるため、除湿空気を入れて、常時、蜜膜BX値82±2の平衡RHに保つ。製品においては常時、BX値82±2の蜜膜を有するので結晶化が進むにしたがって結果的に水分が下がる。このため、少量の熱量ないし風量で乾燥が可能となる。
【0025】
また、雰囲気RHは、低下した蜜膜BX値に対応した平衡RHより低いため自由水が蒸発して、再び、結晶化しやすい蜜膜BX値となり、晶析現象が発生する。これを繰り返すことにより、可及的に固結の原因である蜜膜が少なくなる。すなわち、蜜膜中における結晶化可能な一・二糖類の含有率が低くなる。
【0026】
したがって、晶析に伴う固結現象が発生し難くなる。
【0027】
上記スプレー乾燥工程後における構成は、砂糖・ぶどう糖等の糖化液の白下(マスキット:massecuite)を、遠心分離器で分離した分離工程を経た後、該分離ケーキをバット乾燥工程及び粉砕工程を経て一・二糖類粉末を製造する場合にも適用できるものである。
【0028】
上記各構成において、熟成工程の温度条件は、35〜45℃とすることが望ましい。低すぎると、▲1▼蜜膜の粘性が大きくなり、晶析(晶出)速度が遅くなる、すなわち、熟成時間が長くなる。▲2▼晶析(晶出)してBX値が低くなった蜜膜中の水分が蒸発して晶析が開始するBX値に戻るまでの時間が長くなる。逆に、高過ぎると、▲1▼蜜膜中の過飽和度が下がり晶析し難くなる。▲2▼晶析による水分増加速度より蜜膜中の水分蒸発速度が大となり蜜膜水分が減少する。このため、蜜膜BX値が増大して(84を越える)、蜜膜を減少させることができなくなり、蜜膜の多い糖類粉末となる。
【0029】
また、上記構成において、前記第一・第二糖類粉末がマルトース又は砂糖であるとき、雰囲気RH:73〜78%、ぶどう糖であるとき、雰囲気RH:59〜65%とすることが望ましい。上記範囲外では、蜜膜BX値を、晶析が発生しやすいBX値に制御し難くなる。
【0030】
前記、熟成工程における熱量供給は、蒸発により品温が下がるため、品温を35〜45℃に維持するエネルギー供給のみでよく(ジャケット等の間接加熱とすることが望ましい。)、省エネルギー化に寄与する。
【0031】
【発明の構成の詳細な説明】
以下、本発明の構成について詳細に説明をする。
【0032】
本発明は、▲1▼マルトース・ぶどう糖等の糖化液の白下(マスキット:massecuite)をスプレー乾燥する工程を経て一・二糖類粉末を製造する方法、又は、▲2▼砂糖・ぶどう糖等の糖化液の白下(マスキット:massecuite)を、遠心分離器で分離した分離工程を経た後、該分離ケーキをバット乾燥工程及び粉砕工程を経て一・二糖類粉末を製造する方法に適用するものである。
【0033】
上記▲1▼はいわゆる全糖方式と称されるもので、一・二糖類粉末の粒子中にオリゴ糖を分蜜により分離することなく、微細な結晶粒子の間に保持させたまま粉末化するので、価値の低い蜜(hydrol)を副産物として作ることなく100%製品化できる。(非特許文献1参照)
上記▲2▼は結晶分離方式と称されるものである。(非特許文献1参照)
そして、上記▲1▼におけるスプレー乾燥工程後、又は▲2▼粉砕、蜜膜(付着母液)のBX値(Brix:糖濃度):82±2(望ましくは82±1)に対応する平衡関係湿度(平衡RH)に雰囲気関係湿度(雰囲気RH)を調節する熟成工程を経ることを特徴とするものである。
【0034】
上記熟成工程における、結晶相12・蜜膜相14・雰囲気(空気相)16の関係を図1に示す。
【0035】
雰囲気温度における雰囲気RHでは、蜜膜相/空気相界面18において水分の移動が、蜜膜相14が雰囲気RHに対応する平衡含水率になるまで水分の出入がある。したがって、雰囲気RHをBX値に対応する平衡RHを調節することにより、蜜膜相14のBX値を所定値に収束させることが可能となる。
【0036】
たとえば、BX値:80に対応する平衡RHとは、雰囲気温度における平衡RHに対応する平衡含水率の場合におけるBX値を意味する。
【0037】
例えば、蜜膜のBX値:80においては、マルトース含有率(1〜数%のオリゴ糖を含む。):80%なので、全水分は、20%となる。そして、全水分20%が平衡含水率となる。したがって、蜜膜の平衡含水率20%となるように雰囲気温度における雰囲気RHを調節すればよい。
【0038】
例えば、25〜45℃(望ましくは35〜45℃)では、RH:70〜80%(望ましくは73〜78%)となる。
【0039】
また、結晶相12と蜜膜相14との間では、両相界面20を介して固形分移動が、雰囲気温度に依存するに示す飽和溶液曲線(マルトース:図2(A)、ぶどう糖:図2(B))に従って移動する。
【0040】
例えばマルトースの場合、35〜45℃では、溶解度50〜55%である。このとき、BX値:82±2であるため、過飽和状態にあり晶析し易い。したがって、結晶相が蜜膜に向かって成長する、すなわち、蜜膜相14の固形分(マルトース)が結晶相12に移動する。
【0041】
このため、蜜膜中の含水率が相対的に増大して、蜜膜BX値が下がり、晶析下限BX値(結晶の晶出が遅い場合の限度としての)80より小さくなる。このとき、平衡RHが蜜膜BX値を82±2となるように雰囲気RHが調整されているため、蜜膜中の水分(自由水)が蒸発して(空気相16への水分移動)、蜜膜BX値が上記所定値(82±2)に戻り、再び結晶相が蜜膜に向かって成長する。蜜膜相14内においては常にαとベータとの変旋光が起こり、平衡状態となるように動いている。
【0042】
この繰り返しにより、蜜膜相の結晶相に対する比率が減少する。すなわち、固結の原因となる蜜膜が減少する。
【0043】
そして、この熟成工程は、図3に示すような温水ジャケットにより品温が保たれる熟成機22を使用することが望ましいが、この原理を利用するならば装置は特に限定されない。
【0044】
この熟成機22においては、搬送方向波形断面を有する粉体搬送樋24に対応させて複数の攪拌/移送翼26が回転軸28を介して配設されて粉体を搬送可能とされている。そして、粉体搬送樋24の底面側はジャケット構造とされて温水により加熱(熱量供給)可能とされている。さらに、加熱を均一化するために、回転軸28内も温水を供給可能に、回転軸28が中空とされるとともに回転軸28相互の間は連通管30を介して接続されている。
【0045】
このとき、熟成機22内には湿度調整(BX値:82±2に対応するRH管理)のために、僅かな除湿空気を送りこむ。
【0046】
【実施例】
次に、本発明の効果を確認するために行なった実施例について説明をする。
【0047】
(1)実施例1<全糖マルトース;図4参照>
マルトース純度88%、固形分濃度71.4%に濃縮したマルトース溶液に、種晶(シード)を添加後、クリスター(リボン型攪拌機を有する結晶槽;助晶機ともいう)にて20h晶析(晶出)操作を行ない、マスキット(白下)とする。
【0048】
晶析開始から19h後における結晶率(全量に対する)42.3%であった(粘度:48Pa・s(30℃))。
【0049】
マスキットを噴霧乾燥機(スプレー)にて蜜膜BX値82±2となるように水分を調節する。すなわち、マスキットの結晶量、水分などから、蜜膜BX値82±2となるように、目標水分を計算して、マスキットチャージ量、送風量、送風温度を制御することにより水分調節を行う。
【0050】
すなわち、晶出率より求めた、スプレー直後のマルトース粉末のマルトース粉末の全含水率が13.7%となるようスプレー温度66℃で風量を調節した。
【0051】
目的とするスプレー出口の水分量は、簡略的に、以下のような計算で求める。
【0052】
ここでスプレー直後の結晶率:42.3%、マルトース結晶水率(結晶に対する。):5%であるため、含水結晶と蜜膜固形分の合計を100とすると、
結晶水分=100×0.423×0.05≒2.12(%)となる。
【0053】
一方、蜜膜濃度が例えば82%とすると、
蜜膜水分=((100−42.3)÷0.82))−(100−42.3)
≒12.67%となる。
【0054】
したがって、スプレー直後の粉末水分は、
全水分÷全重量=(2.12+12.67)÷(100+12.67)×100=13.1(%)となるように風量を調節すればよい。
【0055】
そして、得られた含水率13.1%のものを、図3に示すような熟成機を用いて、わずかな除湿空気(露点15℃)と温水ジャケットで雰囲気温度:35℃、雰囲気RH:74%で6h熟成(品温34℃)させたものを、ロータリドライヤ−(エロヒンヒータで送風温度60℃に設定)を用いて20分乾燥させて全水分6.5%のマルトース粉末を調製した。
【0056】
なお、熟成の進み具合は、比旋光度の測定により確認した(なお、製品水分測定でも確認可能である。)。マルトースの比旋光度は、マスキット:約128、スプレー出口:約117、熟成終了時:約110、製品:約109であった。
【0057】
(2)実施例2<全糖ぶどう糖;図5参照>
濃度68%のぶどう糖糖化液をクリスターで晶析させ、結晶率(全量に対する)36.4%のマスキットを得た(粘度:10Pa・s(25℃))。この結晶率をもとに蜜膜BX値:84のときの、スプレー出口水分を計算し、13.7%となるように、噴霧乾燥機の送風温度80℃として風量を調節した。
【0058】
このマスキットを噴霧乾燥機で噴霧(スプレー)乾燥をおこない、蜜膜BX値82±2となるものを得た。
【0059】
そして、図3に示すような熟成機を用いて、わずかな除湿空気(露点15℃)とジャケット水温40℃で雰囲気温度:34℃、雰囲気RH:56%で6h熟成(品温:38℃)させた後、ロータリドライヤー(エロヒンヒータで送風温度60℃に設定)で15分乾燥させて全水分9.1%の全糖ぶどう糖粉末を調製した。
【0060】
(3)実施例3<無水結晶ぶどう糖;図6参照>
ぶどう糖純度95.7%の糖化液を濃縮して、固形分濃度80%となったところで種晶(シード)を添加し、65℃で12h煎糖濃縮した。
【0061】
次に、クリスターで温度を65℃から55℃に下げ、結晶率54.2%の結晶ケーキを得た。
【0062】
続いて、この結晶ケーキを遠心分離機で分蜜して結晶ケーキを得、その結晶ケーキを温水洗浄した。この結晶ケーキの水分は2.5%であった。
【0063】
この結晶ケーキを熟成乾燥機(ジャケット水温80℃)に流入させ、除湿空気(50℃、RH15%)を少量送り雰囲気を調整しながら30min熟成乾燥させ後に、水分0.03%の無水結晶ぶどう糖粉末を調製した。なお、熟成乾燥時の品温50℃、雰囲気50℃、RH59%であった。
【0064】
(4)<実施例4:同方式による含水結晶ぶどう糖の製造;図7参照>
ぶどう糖純度95.9%の糖化液を真空濃縮機で濃縮し、種晶を添加したぶどう糖溶液をクリスターを用いて50h晶出させた。このときの、マスキット(白下)濃度は77.4%、温度39.5℃、固形分に対する結晶率は55.3%であった。
【0065】
このマスキットを遠心分離機で分蜜して結晶ケーキを得、その結晶ケーキを温水洗浄した。この結晶ケーキの水分は11.3%であった。
【0066】
当該結晶ケーキを得た、熟成乾燥機(ジャケット水温55℃)で1h熟成乾燥させて、水分8.9%の含水結晶ぶどう糖粉末を調製した。なお、熟成乾燥時の品温40℃、雰囲気45℃、RH59%であった。
【0067】
<固結試験>
上記で得た各実施例の糖類粉末について、20kg紙袋包装でパレット積みの最下段において、4ヶ月放置したものを、市販ぶどう糖製品と対比したとき、いずれの実施例も固結がなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熟成工程における結晶相/蜜膜相/空気相の関係を示す原理図
【図2】(A)は含水マルトースの、(B)はぶどう糖の各溶解度曲線
【図3】本発明の熟成工程に使用する熟成機の一例を示す概略図
【図4】本発明の実施例1(全糖マルトース)の操作条件等を付記した製造フロー図
【図5】同じく実施例2(全糖ぶどう糖)の操作条件等を付記した製造フロー図
【図6】同じく実施例3(無水結晶ぶどう糖)の操作条件等を付記した製造フロー図
【図7】同じく実施例4(含水結晶ぶどう糖)の操作条件等を付記した製造フロー図
【符号の説明】
12 結晶相
14 蜜膜相
16 空気相

Claims (7)

  1. マルトース・ぶどう糖等の糖化液の白下(マスキット:massecuite)をスプレー乾燥する工程を経て一・二糖類粉末を製造する方法において、
    スプレー乾燥工程後、蜜膜(付着母液)のBX値(Brix:糖濃度):82±2に対応する平衡関係湿度(平衡RH)に雰囲気関係湿度(雰囲気RH)を調節する熟成工程を経ることを特徴とする一・二糖類粉末の製造方法。
  2. 砂糖・ぶどう糖等の糖化液の白下(マスキット:massecuite)を、遠心分離器で分離した分離工程を経た後、該分離ケーキを熟成乾燥工程及び粉砕工程を経て一・二糖類粉末を製造する方法において、
    前記粉砕工程後、蜜膜(付着母液)のBX値:82±2に対応する平衡関係湿度(平衡RH)に雰囲気関係湿度(雰囲気RH)を調節する熟成工程を経ることを特徴とする一・二糖類粉末の製造方法。
  3. 前記熟成工程の温度が35〜45℃であることを特徴とする請求項1又は2記載の一・二糖類粉末の製造方法。
  4. 前記一・二糖類粉末がマルトース又は砂糖であるとき、前記雰囲気RH:73〜78%とすることを特徴とする請求項3記載の一・二糖類粉末の製造方法。
  5. 前記一・二糖類粉末がぶどう糖であるとき、前記雰囲気RH:59〜65%とすることを特徴とする請求項3記載の一・二糖類粉末の製造方法。
  6. 前記熟成工程における熱量供給をジャケット等の間接加熱により行うことを特徴とする請求項3記載の一・二糖類粉末の製造方法。
  7. 前記熟成工程において攪拌操作を付加することを特徴とする請求項3又は4記載の澱粉一・二糖類粉末の製造方法。
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