JP2004282487A - アンテナ素子及びその製造方法 - Google Patents

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Yoshito Fujii
誉人 藤井
Hideo Tanaka
秀夫 田中
Nobuo Komatsu
信夫 小松
Kiyoe Nagai
清恵 永井
Toshio Soga
俊夫 曽我
Hiroshi Hasegawa
洋 長谷川
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Abstract

【課題】モールドタイプのチップアンテナやセラミックアンテナ等と遜色のない特性を有するアンテナ素子を生産性良く低コストで製造可能とする。
【解決手段】アンテナパターンが形成されたプリント基板をコアとし、その両面にそれぞれ少なくとも1層の高誘電率層が積層されるとともに、高誘電率層の表面に前記アンテナパターンと電気的に接続されるアンテナ端子が形成されている。プリント基板プロセスを用いてアンテナパターンが形成可能であり、高い生産性及び低いコストで信頼性の高いアンテナパターンの形成が実現される。また、高誘電率樹脂シートのような高誘電率層を積層することで高誘電率を確保するようにしているので、モールドタイプのチップアンテナやセラミックアンテナ等と遜色のない特性が実現される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高誘電率材料で表面を覆ったアンテナ素子及びその製造方法に関するものであり、特に、いわゆる基板アンテナをコアに用いた新規なアンテナ素子及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば携帯電話等の移動体通信機や、いわゆるIEEE(Institute of Electronic and Electronics Engineers)802.11規格の無線LAN(Local Area Network)等、各種無線技術の開発が進められている。そして、これに伴い、無線通信を行うためのアンテナ素子に関する技術も開発されており、例えば機器本体内に設けられたプリント配線基板等に表面実装し得るチップ状のアンテナ素子(いわゆるチップアンテナ)が提案されている。
【0003】
チップアンテナとしては、アンテナパターンを高誘電率樹脂でモールドしたモールドタイプのチップアンテナや、セラミックス基板上にアンテナパターンを形成したセラミックアンテナ、プリント基板上にアンテナパターンを形成した基板アンテナ等が知られているが、これらの中で、モールドタイプのチップアンテナやセラミックアンテナは、大部分が高誘電率材料で占められ波長短縮効果が大きいことから、比較的周波数の低い用途、例えば携帯電話等の周波数帯域での用途に適している。かかる用途には基板の誘電率が低い基板アンテナでは対応が難しい。
【0004】
ところで、これらモールドタイプのチップアンテナやセラミックアンテナの製造方法は、プリント基板技術を応用した基板アンテナの製造方法とは大きく異なり、例えばモールドタイプのチップアンテナを作製するには、先ず、リードフレームをアンテナ形状に打ち抜き加工し、成型加工を行う。成型加工は、アンテナパターンを打ち抜き形成したリードフレームを金型にセットし、高誘電率樹脂を射出成型することにより行い、これによりアンテナパターンに樹脂モールドが施される。その後、高誘電率樹脂でモールドされたチップアンテナを個別に切断し、リードフレームの一部が端子として突出したモールドタイプのチップアンテナを得る。
【0005】
一方、セラミックアンテナを作製するには、例えば特許文献1に記載されるように、誘電材料からなるシート層の表面に印刷や蒸着等によってアンテナパターン(ミアンダ状の導体)を形成した後、シート層を積層する。シート層上の導体の一端に厚み方向にビアホールを設け、複数のシート層に形成される導体間を接続するとともに、導体の端部を基体の表面に引き出し、給電用端子に接続される給電部を形成する。
【0006】
【特許文献1】
特許第3166589号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、これらモールドタイプのチップアンテナやセラミックアンテナの製造方法は、基板アンテナに比べて製造プロセスが煩雑であり、生産性の低下や製造コストの増加を招くという大きな課題を有している。
【0008】
例えば前者の場合、射出成型を採用しているために、生産性が悪く、多大な製造コストを要するという問題がある。また、射出成型の都合上、使用する樹脂が熱可塑性樹脂に限られたり、樹脂に混練する強誘電体粒子の比率が限られる等、製造上の制約が加わる虞れがある。さらに、射出成型機等の新たな設備投資も必要である。
【0009】
後者の場合、セラミックスからなるシート層の取り扱いが難しく、やはり生産性が悪く、多大な製造コストを要するという問題がある。例えば、焼成したシート層を積層した後、所定の大きさに切断することは難しい。また、焼成前に切断したりアンテナパターンを形成すると、寸法精度の問題等が生ずる。さらに、アンテナパターン(導体)とシート層との密着性の点等でも課題を残している。
【0010】
本発明は、このような従来のものの有する欠点を解消するために提案されたものであり、簡単な製造プロセスで生産性良く低コストで製造することができ、しかもモールドタイプのチップアンテナやセラミックアンテナ等と遜色のない特性を有し、例えば携帯電話等のような比較的低い周波数帯域での用途に適したアンテナ素子を提供することを目的とし、さらには、その製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明のアンテナ素子は、アンテナパターンが形成されたプリント基板をコアとし、その両面にそれぞれ少なくとも1層の高誘電率層が積層されるとともに、前記高誘電率層の表面に前記アンテナパターンと電気的に接続されるアンテナ端子が形成されていることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明のアンテナ素子の製造方法は、コアとなるプリント基板の表面にアンテナパターンを形成する工程と、前記プリント基板上に高誘電率層及び金属箔を積層する工程と、スルーホールを形成して前記アンテナパターンと金属箔とを電気的に接続する工程と、前記金属箔をパターニングしてアンテナ端子を形成する工程と、所定の大きさに切断する工程とを有することを特徴とするものである。
【0013】
このような構成を有する本発明のアンテナ素子及びその製造方法では、プリント基板プロセスを用いてアンテナパターンを形成しているので、高い生産性及び低いコストで信頼性の高いアンテナパターンの形成が実現される。また、これをコアとし、この上に高誘電率樹脂シートのような高誘電率層を単に積層することで高誘電率を確保するようにしているので、射出成型機のような新たな設備投資は不要であり、しかも、前記モールドタイプのチップアンテナやセラミックアンテナ等と遜色のない特性が確保される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用したアンテナ素子及びその製造方法について、図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明を適用したアンテナ素子の一例を示すものである。このアンテナ素子1は、いわゆる基板アンテナ2をコアとするものであり、その両面にそれぞれ高誘電率層3,4が積層されている。
【0016】
ここで、コアとなる基板アンテナ2は、ベース基材となる基板5の両面にアンテナパターン6,7が導体パターンとしてパターニング形成されてなるものである。基板5には、プリント配線基板の基材として一般に用いられるものであれば、いずれも使用可能である。具体的には、紙フェノール基板(XXP、XPC等)、紙ポリエステル基板(FR−2)、紙エポキシ基板(FR−3)、ガラス紙コンポジットエポキシ基板(CEM−1)、ガラス不織紙コンポジットエポキシ基板(CHE−3)、ガラス布エポキシ基板(G−10)、ガラス布エポキシ基板(FR−4)等を挙げることができる。なお、括弧内の記号は、米国電気製造業者協会(NEMA)記号である。これらはいずれもリジッド基板であるが、これに限らず、ポリイミド基板等のフレキシブル基板を使用することも可能である。
【0017】
前記アンテナパターン6,7は、例えば前記基板5上に積層された銅箔をフォトリソ技術によってパターニング(エッチング)することにより形成することができる。アンテナパターン6,7の種類としては、任意の形状のものを採用することができ、例えばミアンダ状アンテナや、導体を逆F字状に形成したいわゆる逆F型アンテナ、導体をコイル状に形成したいわゆるヘリカルアンテナ、線状アンテナ等を挙げることができる。
【0018】
上述のように、例えば両面に銅箔を有するプリント基板を用いてコアとなる基板アンテナ2を形成することによって、アンテナパターン6,7を簡単に形成することができ、製造プロセスの簡略化による生産性の向上や、製造コストの削減に繋がる。また、寸法精度に優れ、剥離等のない信頼性の高いアンテナパターン6,7の形成が可能である。
【0019】
本発明のアンテナ素子1では、このコアとなる基板アンテナ2の両面に、アンテナパターン6,7を覆うように高誘電率層3,4が積層され、アンテナ素子1全体の誘電率が確保されている。高誘電率層3,4は、例えば強誘電体粒子を樹脂に混練した高誘電率樹脂シート等からなり、プレス等の手法によりコアとなる基板アンテナ2上に貼り合わされている。勿論、これに限らず、例えば、強誘電体粒子を樹脂に混練した塗料をコアとなる基板アンテナ2上に塗布することにより、高誘電率層3,4を形成することも可能である。
【0020】
高誘電率層3,4に前述のような高誘電率樹脂シートを用いた場合、樹脂としては熱硬化性樹脂を用いることが好ましく、これにより、いわゆるプリプレグと同様、熱圧着によりラミネートし、硬化することができる。また、熱硬化性樹脂を用いることで、射出成型の都合上、熱可塑性樹脂しか用いることのできないモールドタイプのチップアンテナに比べて、機械的強度も確保することが可能である。
【0021】
前述のように、高誘電率層3,4を積層形成することでアンテナ素子1全体の誘電率が確保されるが、このとき、基板アンテナ2の厚さと高誘電率層3,4の厚さの比率、高誘電率層3,4に混練する強誘電体粒子の充填率、高誘電率層3,4に混練する強誘電体粒子の誘電率等を選定することにより、アンテナ素子1全体の誘電率を調整することができる。これにより、アンテナ素子1の使用周波数帯域等を設定することができ、比較的周波数の低い用途、例えば携帯電話等の周波数帯域での用途に適したものとすることができる。
【0022】
前記高誘電率層3,4上には、さらに金属箔が貼り合わされ、この金属箔をパターニングすることでアンテナ端子8,9が形成されている。これらアンテナ端子8,9は、例えばアンテナパターン6,7の給電用端子として機能する。したがって、前記アンテナ端子8,9とアンテナパターン6,7とは電気的に接続されている必要があり、本例では、多層プリント基板における層間接続と同様、スルーホール10,11を介してアンテナ端子8,9とアンテナパターン6,7とが電気的に接続されている。
【0023】
以上が本発明を適用したアンテナ素子の構成であるが、次に、本発明のアンテナ素子の作製プロセスについて説明する。
【0024】
図2、アンテナ素子の作製プロセスを工程順に示すものである。本作製プロセスでは、先ず、図2(a)に示すように、両面銅張り積層板21を用意する。この両面銅張り積層板21は、内層材である基板22の両面に銅箔23,24を貼り合わせたものであり、各種プリント基板において原反として広く用いられているものである。
【0025】
そして、両面銅張り積層板21に対してプリント回路形成工程と同様の工程により、銅箔23,24をパターニングし、図2(b)に示すように、アンテナパターン25,26を形成する。銅箔23,24のパターニングは、通常のフォトリソ技術によって行えばよい。すなわち、銅箔上にドライフィルム等からなるフォトレジスト層を形成し、これを露光、現像してパターニングすることによりレジストパターンを形成した後、このレジストパターンをマスクとして銅箔23,24をエッチングする。エッチングは、例えばエッチング液を用いたウエットエッチングにより行う。
【0026】
このアンテナパターン25,26の形成工程は、プリント基板の分野において実績のあるプロセスであり、精度が高く信頼性に優れたアンテナパターン25,26を生産性良く形成することができる。
【0027】
前記アンテナパターン25,26形成後、図2(c)に示すように、高誘電率樹脂シート27,28及び金属箔、例えば銅箔29,30を両面銅張り積層板21の両面にそれぞれ重ね合わせ、例えばプレス成型により高誘電率樹脂シート27,28に含まれる樹脂成分を硬化する。なお、これら高誘電率樹脂シート27,28や銅箔29,30は、別々に用意したものを重ね合わせてもよいし、予め銅箔29,30を高誘電率樹脂シート27,28にラミネートしておき、これを両面銅張り積層板21上に重ね合わせるようにしてもよい。
【0028】
次いで、図2(d)に示すように、層間接続が必要な部分に例えばドリル等の機械的手段により孔空け加工を施し、さらにスルーホールメッキを施すことで、スルーホール31を形成する。各スルーホール31の内壁面には導電性のメッキ膜が形成されており、このメッキ膜を介して例えばアンテナパターン25,26と銅箔29,30との間の電気的な接続が図られる。
【0029】
最後に、図2(e)に示すように、銅箔29,30をエッチングし、給電用端子等となるアンテナ端子32,33を形成した後、個々のアンテナ素子に切り分けることでアンテナ素子を完成する。
【0030】
以上の作製プロセスでは、いわゆる多層配線基板の作製プロセスをほとんどそのまま流用することができるため、生産性の向上及び製造コストの低減を実現することができる。また、射出成型機のような大がかりな装置が不要であることから、新たな設備投資が不要であり、この点からも製造コストを低減することができる。さらに、設計から生産までを一貫して行うことができ、特殊な技術も不要であることから、効率の良い製造が可能である。
【0031】
上述の作製プロセスにおいては、高誘電率樹脂シート27,28が強誘電体粒子を含み、光やX線を透過しないことから、例えば図2(d)に示すスルーホール形成工程等において、内層となる基板22の表面に形成されたアンテナパターン25,26に対して正確に位置合わせすることが難しい。アンテナパターン25,26に対するスルーホール31の形成位置に位置ずれが生ずると、電気的な接続が取れなくなる等、製品(アンテナ素子)の信頼性を大きく損ない、歩留まりの低下も招く。
【0032】
そこで、正確な位置合わせを目的として、内層となる両面銅張り積層板21にアンテナパターン25,26形成と同時に位置合わせ用マーク(いわゆるX線ポサマーク)を形成し、これを目印として例えばスルーホール形成時の位置合わせを行うようにしてもよい。以下、この場合のアンテナ素子作製プロセスについて説明する。
【0033】
図3は、位置合わせ用マークを形成する場合のアンテナ素子作製プロセスを工程順に示すものである。図3(a)に示すように、両面銅張り積層板21を用意することは、先の図2に示すプロセスと同様である。ただし、このとき高誘電率樹脂シート27,28よりもひと回り大きなサイズの両面銅張り積層板21を用意する。
【0034】
次に、図3(b)に示すように、プリント回路形成工程と同様の工程により銅箔23,24をパターニングし、アンテナパターン25,26を形成するが、このとき、同時に位置合わせ用パターン34も形成する。この位置合わせ用パターン34の形状としては、例えば円形や十字状等を挙げることができるが、これに限らず、任意の形状を採用することが可能である。
【0035】
前記位置合わせ用パターン34は、アンテナパターン25,26と同時にパターニング形成されるため、これらの相対位置関係は、この時点で確実に決まる。したがって、位置合わせ用パターン34に対して位置決めを行えば、アンテナパターン25,26に対しても位置決めを行ったことになる。
【0036】
前記アンテナパターン25,26及び位置合わせ用パターン34を形成した後、図3(c)に示すように、高誘電率樹脂シート27,28及び銅箔29,30を両面銅張り積層板21の両面にそれぞれ積層する。このとき、両面銅張り積層板21の方が高誘電率樹脂シート27,28よりもひと回り大きいことから、周囲に両面銅張り積層板21が突出した形になり、この外部に露呈した部分に前記位置決め用パターン34が配置される。したがって、位置決め用パターン34は、光やX線を透過し難い高誘電率樹脂シート27,28に覆われることがなく、外部から容易に認識することができる。
【0037】
図4は、両面銅張り積層板21に高誘電率樹脂シート27,28及び銅箔29,30を積層した状態を示す平面図である。高誘電率樹脂シート27,28及び銅箔29,30の周囲に両面銅張り積層板21が露呈した形になっており、この部分に位置合わせ用マーク34が複数カ所、本例では3カ所形成されている。
【0038】
なお、このとき、図5に示すように、高誘電率樹脂シート27,28及び銅箔29,30を囲むようにプリプレグ35を配置し、突出した両面銅張り積層板21にプリプレグ35を積層するようにしてもよい。プリプレグ35を積層することにより、プレス成型の際の樹脂流れを抑えることができる。また、このプリプレグ35は、強誘電体粒子を含まないことから、光やX線を透過し、位置合わせ用マーク34の認識の妨げになることはない。
【0039】
次に、図3(d)に示すように、層間接続が必要な部分に例えばドリル等の機械的手段により孔空け加工を施すが、このとき、前記位置合わせ用マーク34を利用し、内層のアンテナパターン25,26に対して高精度に位置合わせした状態で孔空け加工を施す。
【0040】
さらにスルーホールメッキしスルーホール31を形成した後、図3(e)に示すように、銅箔29,30をエッチングし、給電用端子等となるアンテナ端子32,33を形成する。これらアンテナ端子32,33のエッチングの際にも、前記位置合わせ用マーク34を利用して位置合わせすることで、前記スルーホール31やアンテナパターン25,26に対して高精度に位置合わせされた状態でアンテナ端子32,33が形成される。
【0041】
最後に個々のアンテナ素子に切り分けることでアンテナ素子を完成するが、このとき、図6に示すように、ワークサイズの積層体(図中左側に示す状態)からシートサイズのアンテナ集合体40に切り分け(図中中央に示す状態)、さらにダイサー等で個々のアンテナ素子41に切り分ける。
【0042】
【実施例】
以下、本発明を適用した具体的な実施例について、実験結果に基づいて説明する。
【0043】
高誘電率樹脂シートの作製
チタン酸バリウム(Ba/Ti=0.94、誘電率ε=70/2.5GHz)、ビスフェノールAエポキシ樹脂、硬化剤(Dicy)及び分散剤(商品名ソルスパース41000)を87:11:1:1(重量比)なる割合で配合し、3本ロールミルで均一に分散させ、樹脂コンパウンドを作製した。
【0044】
この樹脂コンパウンドを、剥離フィルム上に厚さ0.3mmとなるようにバーコーターを用いて塗布し、さらに150℃で12分間加熱し、高誘電率樹脂シートを作製した。作製した高誘電率樹脂シートの誘電率εは、ε=25/2.5GHzであった。
【0045】
アンテナ素子の作製
アンテナ素子の作製は、先の図3に示すアンテナ素子作製プロセスに準じて行った。すなわち、先ず、両面銅張り積層板をコアに用い、基板プロセスを用いてアンテナパターンを形成した。アンテナパターンは、両面銅張り積層板にドライフィルムを貼り、アンテナパターンを露光し、現像、エッチングすることにより形成した。
【0046】
次いで、コアとなる両面銅張り積層板の上下に先に作製した高誘電率樹脂シートと銅箔を積層し、プレス成型により高誘電率樹脂シートに含まれる樹脂を硬化させた。この際、高誘電率樹脂シートを囲むようにプリプレグを配置し、積層プレスを行った。これは、樹脂の流れの防止のためと、位置決め用マークをこのプリプレグを介して認識するためである。
【0047】
さらに、NC加工により孔空けを行った後、めっき加工を行いスルーホールを形成した。続いて、外層の銅箔をエッチングしてアンテナ端子を形成した。これらの加工の後、ルーターでワークサイズからシートサイズのチップアンテナ集合体へ切り分けた。最後に、チップアンテナの集合体(シートサイズ)をダイサーでチップアンテナ単体に切り分け、アンテナ素子としてチップアンテナを得た。作製したチップアンテナのサイズは、8mm×3mmであり、厚さは0.7mmである。
【0048】
評価
作製したチップアンテナ(実施例)について、反射特性及び放射特性を測定した。比較のため、モールドタイプのチップアンテナ(従来品:比較例)についても同様の測定を行った。結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
Figure 2004282487
この表1からも明らかなように、本発明を適用したチップアンテナ(実施例)は、プリント基板技術で作製されたものであるにも拘わらず、作製が煩雑なモールドタイプのチップアンテナと同等の特性を得ることができた。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明によれば、モールドタイプのチップアンテナやセラミックアンテナ等と遜色のない特性を有し、例えば携帯電話等のような比較的低い周波数帯域での用途に適したアンテナ素子を提供することができ、しかも、かかるアンテナ素子を簡単な製造プロセスで生産性良く低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したアンテナ素子の一例を示す断面図である。
【図2】アンテナ素子の作製プロセスの一例を示すものであり、(a)は両面銅張り積層板の断面図、(b)はアンテナパターンエッチング工程を示す断面図、(c)は高誘電率樹脂シート及び銅箔の積層プレス工程を示す断面図、(d)はスルーホール形成工程を示す断面図、(e)はアンテナ端子形成工程を示す断面図である。
【図3】アンテナ素子の作製プロセスの他の例を示すものであり、(a)は両面銅張り積層板の断面図、(b)はアンテナパターン及び位置合わせ用マークエッチング工程を示す断面図、(c)は高誘電率樹脂シート及び銅箔の積層プレス工程を示す断面図、(d)はスルーホール形成工程を示す断面図、(e)はアンテナ端子形成工程を示す断面図である。
【図4】両面銅張り積層板に高誘電率樹脂シート及び銅箔を積層した状態を示す平面図である。
【図5】高誘電率樹脂シートを囲むようにプリプレグを積層した状態を示す断面図である。
【図6】アンテナ素子の切り出し工程を示す概略平面図である。
【符号の説明】
1 アンテナ素子
2 基板アンテナ
3,4 高誘電率層
6,7,25,26 アンテナパターン
8,9,32,33 アンテナ端子
10,11,31 スルーホール
26,27 高誘電率樹脂シート

Claims (7)

  1. アンテナパターンが形成されたプリント基板をコアとし、その両面にそれぞれ少なくとも1層の高誘電率層が積層されるとともに、前記高誘電率層の表面に前記アンテナパターンと電気的に接続されるアンテナ端子が形成されていることを特徴とするアンテナ素子。
  2. 前記アンテナパターンとアンテナ端子は、スルーホールを介して電気的に接続されていることを特徴とする請求項1記載のアンテナ素子。
  3. 前記高誘電率層は、強誘電体粒子を樹脂に混練した高誘電率樹脂シートからなることを特徴とする請求項1記載のアンテナ素子。
  4. 前記コアとなるプリント基板は、リジッド基板又はフレキシブル基板であることを特徴とする請求項1記載のアンテナ素子。
  5. コアとなるプリント基板の表面にアンテナパターンを形成する工程と、
    前記プリント基板上に高誘電率層及び金属箔を積層する工程と、
    スルーホールを形成して前記アンテナパターンと金属箔とを電気的に接続する工程と、
    前記金属箔をパターニングしてアンテナ端子を形成する工程と、
    所定の大きさに切断する工程と
    を有することを特徴とするアンテナ素子の製造方法。
  6. 前記プリント基板を高誘電率層及び金属箔よりも大とし、これら高誘電率層や金属箔が積層されない部分に位置合わせ用のマークを形成しておくことを特徴とする請求項5記載のアンテナ素子の製造方法。
  7. 前記プリント基板の大きさに対応して、前記高誘電率層及び金属箔の周囲にプリプレグを積層することを特徴とする請求項6記載のアンテナ素子の製造方法。
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