JP2004281642A - エピタキシャル成長装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱処理時における基板のスリップ発生を防止することができる熱処理装置を提供する。
【解決手段】基板支持体24は、本体部30と支持部32とから構成されている。本体部30は炭化珪素製であり、支持部32はシリコン製の板状部材から構成されている。この支持部32の上面に基板38が載置される。支持部32の厚さは、基板38の厚さよりも厚く形成されている。支持部32をシリコン製とすることにより基板38との熱膨張率や硬度の差を起因とするスリップ発生を防止し、支持部32を基板38よりも厚くすることで剛性を高め、支持部32の変形を起因とする基板38へのスリップ発生を防止することができる。
【選択図】 図3
【解決手段】基板支持体24は、本体部30と支持部32とから構成されている。本体部30は炭化珪素製であり、支持部32はシリコン製の板状部材から構成されている。この支持部32の上面に基板38が載置される。支持部32の厚さは、基板38の厚さよりも厚く形成されている。支持部32をシリコン製とすることにより基板38との熱膨張率や硬度の差を起因とするスリップ発生を防止し、支持部32を基板38よりも厚くすることで剛性を高め、支持部32の変形を起因とする基板38へのスリップ発生を防止することができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウェハやガラス基板等を熱処理するための熱処理装置に関し、特にシリコン製基板のエピタキシャル成長に用いるのに適するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の熱処理装置として、基板支持体(サセプタ)に複数のシリコン製の基板を支持し、このシリコン製の基板を支持した状態で基板を加熱すると共に、基板表面に原料ガスを供給してエピタキシャル成長させるものが知られている(例えば特許文献1及び特許文献2)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−035800号公報
【特許文献2】特開2002−334846号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来においては、エピタキシャル成長処理後の基板を観察すると、特に基板の裏面にスリップ発生が見られ、この基板のスリップにより、その後の基板処理に支障を生じるおそれがあった。これは、従来においては、基板支持体が炭化珪素(SiC)から構成され、この炭化珪素製の基板支持体にシリコン製の基板が直接載置される構造であるため、熱膨張率や硬度が異なる基板支持体と基板との間に摩擦が生じ、これにより基板の裏面にスリップが発生することが一つの原因と考えられる。
【0005】そこで、本発明は、熱処理時における基板のスリップ発生を防止することができる熱処理装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の特徴とするところは、基板を基板支持体に支持した状態で熱処理する熱処理装置において、前記基板支持体は、一つの部材からなる本体部と、この本体部に複数設けられ、前記基板と接触する支持部とを有し、この支持部は、前記基板の厚さよりも厚いシリコン製の板状部材から構成されてなる熱処理装置にある。
【0007】したがって、本発明によれば、本体部に設けれた支持部の材質を基板と同じ材質であるシリコン製、即ち、シリコン製の基板と同じ熱膨張率や硬度を持つ材質としたので、温度変化に対する基板と支持部との熱膨張、熱収縮の差をなくすことができ、また、基板と支持部との接触点で応力が発生してもその応力を開放し易くなるので、基板に傷が発生しにくくなる。これにより基板と支持部との熱膨張率の差や硬度の差に起因する基板へのスリップ発生を防止することができる。また、本発明によれば、支持部の厚さを基板の厚さよりも厚い所定の厚さとしたので、支持部の剛性を大きくすることができ、エピタキシャル成長処理時等の熱処理時における温度変化に対する支持部の変形を抑制することができる。これにより支持部の変形に起因する基板へのスリップ発生を防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1乃至図3において、本発明に係る第1の実施形態が示されている。熱処理装置10は、例えばエピタキシャル成長装置であり、例えば石英製ベルジャである気密容器12が底部14に密閉、開放自在に設けられている。この気密容器12内には、加熱ユニット16が配置され、この加熱ユニット16は、高周波コイル18とこの高周波コイル18を覆うコイルカバー20とを有する。高周波コイル18は、図示しない高周波発振装置に接続されており、この高周波コイル18による高周波誘導加熱によって後述する基板支持体(サセプタ)22が加熱される。
【0009】また、気密容器12の中心には、中空の回転軸24が底部14及び加熱ユニット16を貫通するように配置されている。この回転軸24の気密容器12内の先端には基板支持体22が支持固定されている。また、回転軸24には、ガス供給管26が配置され、このガス供給管26は、基板支持体22を貫通し、その貫通した部分にガスノズルが形成され、このガスノズルから放射状に原料ガスが気密容器12内に供給されるようになっている。また、気密容器12には、ガス排気管28が接続され、気密容器12内の原料ガス等を排気するようになっている。
【0010】基板支持体22は、一つの板状部材である円板状の部材からなる本体部30と、この本体部30に複数設けられた支持部32とを有する。本体部30は、例えば炭化珪素(SiC)からなり、この本体部30の中心に前述したガス供給管26が貫通する貫通孔34が形成されている。この本体部30の上面には、例えば6個の支持部嵌合溝36が形成されている。これら支持部嵌合溝36は円形であり、この支持部嵌合溝36のそれぞれに板状部材である円板状の支持部32が嵌合されている。支持部嵌合溝36と支持部32との間には、熱膨張率の差を考慮して若干の隙間を形成してもよい。
【0011】支持部32はシリコン製であり、この支持部32に例えばΦ300mmのシリコン製の基板38がこの支持部32の上面(基板載置面)に接触載置される。6個の支持部32の基板載置面は略同一平面上に配置され、これにより基板38も略同一平面上に配置される。支持部32の上面を平らにし、その上に基板38を載置してもよく、また、図3に示すように、支持部32の上面に基板嵌合溝40を形成し、この基板嵌合溝40に基板38を嵌合するように載置してもよい。支持部32の基板38を載置した部分の厚さは、基板38の厚さよりも厚く形成されている。基板38の厚さは、例えば700μmであり、したがって、支持部32の厚さは、700μmを越えており、10mmまでは可能であり、少なくとも基板38の厚さの2倍以上、例えば3mm〜10mmが好ましく、更に3mm〜6mmが好ましく、更には4mm〜5mmが好ましい。支持部32の厚さをこのような厚さとするのは、支持部32自体の剛性を増し、支持部32の熱処理時の変形を抑制するためである。
【0012】次に上述したように構成された熱処理装置10をエピタキシャル成長装置として用いた場合の工程について説明する。
【0013】まず、搬入工程においては、気密容器12を開放して気密容器12内の基板支持体22に基板38を支持する。基板38の支持は、図示しない移載機により行われ、一つの基板38を一つの支持部32に載置すると、回転軸24により基板支持体22を回転させ、次の基板38を次の支持部32に載置するというように、6つの基板38を6つの支持部32に載置する。これにより、一つの基板支持体22に同時に6つの基板38が支持される。その後、気密容器12を閉じて搬入工程を完了する。
【0014】次の処理工程においては、基板支持体22を回転させながら、ガス供給管26から水素ガスを例えば100リットル/分で供給し、加熱ユニット16により1000°C以上の所定温度まで昇温する。次に、例えばジクロルシラン(SiH2Cl2)を0.5%、エピタキシャル層を一定の抵抗率にするためのドーピングガスを水素ガス中に一定濃度含んだ原料ガスをガス供給管26から気密容器12内に供給する。これにより基板38の上面ではエピタキシャル成長が開始される。原料ガスを所定時間供給して所望のエピタキシャル層厚みが得られると、原料ガスの供給を停止し、水素ガスのみを供給しながら基板支持体22を降温させる。基板支持体22の温度を水素の着火点(約400°C)まで冷却した後、水素ガスを窒素ガスに換えて供給し、気密容器内12内を窒素ガスに置換する。
【0015】次の搬出工程においては、気密容器12を開放し、前述した搬入工程と同様に、回転軸24により基板支持体22を回転させ、図示しない移載機により基板38を搬出する。
【0016】このようなエピタキシャル成長工程においては、基板38は室温から1000°C以上の高温まで温度変化を受ける。しかしながら、上記実施形態においては、支持部32の材質を基板38と同じ材質であるシリコン製、即ち、シリコン製の基板38と同じ熱膨張率や硬度を持つ材質としたので、温度変化に対する基板38と支持部32との熱膨張、熱収縮の差をなくすことができ、また、基板38と支持部32との接触点で応力が発生してもその応力を開放し易くなるので、基板38に傷が発生しにくくなる。これにより基板38と支持部32との熱膨張率の差や硬度の差に起因する基板へのスリップ発生を防止することができる。また、上記実施形態においては、支持部32の厚さを基板38の厚さよりも厚い所定の厚さとしたので、支持部32の剛性を大きくすることができ、温度変化に対する支持部32の変形を抑制することができる。これにより支持部32の変形に起因する基板38へのスリップ発生を防止することができる。
【0017】図4において、本発明に係る第2の実施形態が示されている。
この第2の実施形態においては、支持部32の基板載置面(支持部32の基板嵌合溝40の内面)に接着防止層42が設けられている。この接着防止層42は、例えばシリコン表面を処理することにより、又はCVD等によりシリコン表面上に堆積(deposition)することにより形成したシリコン窒化膜(SiN)、炭化珪素皮膜(SiC)、酸化珪素膜(SiO2)、ガラス状炭素、微結晶ダイヤモンド等、耐熱性及び耐磨耗性に優れた材料からなり、基板38の処理後に支持部32と基板38との接着を防止するようにしてある。接着防止層42を炭化珪素製の膜とした場合、膜の厚さは、0.1μm〜50μmとすることが好ましい。炭化珪素製の膜42を厚くすると、シリコンと炭化珪素との熱膨張率の差により、シリコン製の支持部38が炭化珪素製の膜42に引っ張られて支持部全体の変形量が大きくなり、この大きな変形によって基板38にスリップが発生するおそれがある。これに対して炭化珪素製の膜42を上記のような厚さとすると、シリコン製の支持部32が炭化珪素製の膜42に引っ張られる量が少なくなり、支持部全体の変形量も少なくなる。即ち、炭化珪素製の膜42を薄くすると支持部32と膜42との熱膨張率の差による応力が低減し、支持部全体の変形量が少なくなり、支持部全体の熱膨張率も本来のシリコンの熱膨張率(基板がシリコンの場合は略同等の熱膨張率)に近づき、スリップの発生を防止できるものである。
【0018】なお、接着防止層42は、必ずしも基板載置面全体に形成する必要はなく、基板載置面の一部に形成してもよい。
【0019】以上のように、本発明は、特許請求の範囲に記載した事項を特徴とするが、さらに次のような実施形態が含まれる。
(1)基板を基板支持体に支持した状態で熱処理する熱処理装置において、前記基板支持体は、板状部材からなる本体部と、この本体部上に複数設けられ、前記基板と接触する支持部とを有し、この支持部は、前記基板の厚さよりも厚いシリコン製の板状部材から構成されてなることを特徴とする熱処理装置
(2)請求項1又は(1)記載のエピタキシャル成長装置又は熱処理装置において、前記支持部は、前記基板が載置される基板載置面に、窒化珪素(SiN)、炭化珪素(SiC)、酸化珪素(SiO2)、ガラス状炭素、微結晶ダイヤモンドのうちいずれか一つ又は複数の材料が被覆されてなることを特徴とするエピタキシャル成長装置又は熱処理装置。
(3)請求項1又は(1)記載のエピタキシャル成長装置又は熱処理装置において、前記本体部に支持部嵌合溝を設け、この支持部嵌合溝に支持部を嵌合したことを特徴とするエピタキシャル成長装置又は熱処理装置。
(4)請求項1又は(1)記載のエピタキシャル成長装置又は熱処理装置において、前記支持部は、載置される基板毎に設けられることを特徴とするエピタキシャル成長装置又は熱処理装置。
(5)請求項1又は(1)記載のエピタキシャル成長装置又は熱処理装置において、熱処理は1000°C以上の温度で行うことを特徴とする熱処理装置。
(6)基板を基板支持体に支持した状態でエピタキシャル成長処理を行うエピタキシャル成長装置において、前記基板支持体は、一つの部材からなる本体部と、この本体部に複数設けられ、前記基板と接触する支持部とを有し、この支持部は、前記基板の厚さよりも厚いシリコン製の板状部材から構成されてなることを特徴とするエピタキシャル成長装置。
(7)本体部と、この本体部に設けられ基板と接触し基板の厚さよりも厚いシリコン製の板状部材からなる支持部とを有する基板支持体により基板を支持する工程と、前記基板を前記基板支持体により支持した状態で熱処理する(エピタキシャル成長する)工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(8)本体部と、この本体部に設けられ基板と接触し基板の厚さよりも厚いシリコン製の板状部材からなる支持部とを有する一つの基板支持体により複数枚の基板を同時に支持する工程と、前記複数枚の基板を前記基板支持体により支持した状態で熱処理する(エピタキシャル成長する)工程と、を有することを特徴とする基板(エピタキシャルウェハ)の製造方法
(9)本体部と、この本体部に設けられ基板と接触し基板の厚さよりも厚いシリコン製の板状部材からなる支持部とを有する一つの基板支持体により基板を支持する工程と、前記基板を前記基板支持体により支持した状態で熱処理する(エピタキシャル成長する)工程と、を有することを特徴とする基板処理方法。
【0020】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、基板の厚さよりも厚いシリコン製の板状部材から構成された支持部により基板を支持するようにしたので、基板にスリップが発生するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る熱処理装置を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る熱処理装置に用いた基板支持体を示す平面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る熱処理装置に用いた基板支持体の一部を拡大して示す断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る基板支持体の一部を拡大して示す断面図である。
10 熱処理装置
22 基板支持体
30 本体部
32 支持部
38 基板
42 接着防止層
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウェハやガラス基板等を熱処理するための熱処理装置に関し、特にシリコン製基板のエピタキシャル成長に用いるのに適するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の熱処理装置として、基板支持体(サセプタ)に複数のシリコン製の基板を支持し、このシリコン製の基板を支持した状態で基板を加熱すると共に、基板表面に原料ガスを供給してエピタキシャル成長させるものが知られている(例えば特許文献1及び特許文献2)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−035800号公報
【特許文献2】特開2002−334846号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来においては、エピタキシャル成長処理後の基板を観察すると、特に基板の裏面にスリップ発生が見られ、この基板のスリップにより、その後の基板処理に支障を生じるおそれがあった。これは、従来においては、基板支持体が炭化珪素(SiC)から構成され、この炭化珪素製の基板支持体にシリコン製の基板が直接載置される構造であるため、熱膨張率や硬度が異なる基板支持体と基板との間に摩擦が生じ、これにより基板の裏面にスリップが発生することが一つの原因と考えられる。
【0005】そこで、本発明は、熱処理時における基板のスリップ発生を防止することができる熱処理装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の特徴とするところは、基板を基板支持体に支持した状態で熱処理する熱処理装置において、前記基板支持体は、一つの部材からなる本体部と、この本体部に複数設けられ、前記基板と接触する支持部とを有し、この支持部は、前記基板の厚さよりも厚いシリコン製の板状部材から構成されてなる熱処理装置にある。
【0007】したがって、本発明によれば、本体部に設けれた支持部の材質を基板と同じ材質であるシリコン製、即ち、シリコン製の基板と同じ熱膨張率や硬度を持つ材質としたので、温度変化に対する基板と支持部との熱膨張、熱収縮の差をなくすことができ、また、基板と支持部との接触点で応力が発生してもその応力を開放し易くなるので、基板に傷が発生しにくくなる。これにより基板と支持部との熱膨張率の差や硬度の差に起因する基板へのスリップ発生を防止することができる。また、本発明によれば、支持部の厚さを基板の厚さよりも厚い所定の厚さとしたので、支持部の剛性を大きくすることができ、エピタキシャル成長処理時等の熱処理時における温度変化に対する支持部の変形を抑制することができる。これにより支持部の変形に起因する基板へのスリップ発生を防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1乃至図3において、本発明に係る第1の実施形態が示されている。熱処理装置10は、例えばエピタキシャル成長装置であり、例えば石英製ベルジャである気密容器12が底部14に密閉、開放自在に設けられている。この気密容器12内には、加熱ユニット16が配置され、この加熱ユニット16は、高周波コイル18とこの高周波コイル18を覆うコイルカバー20とを有する。高周波コイル18は、図示しない高周波発振装置に接続されており、この高周波コイル18による高周波誘導加熱によって後述する基板支持体(サセプタ)22が加熱される。
【0009】また、気密容器12の中心には、中空の回転軸24が底部14及び加熱ユニット16を貫通するように配置されている。この回転軸24の気密容器12内の先端には基板支持体22が支持固定されている。また、回転軸24には、ガス供給管26が配置され、このガス供給管26は、基板支持体22を貫通し、その貫通した部分にガスノズルが形成され、このガスノズルから放射状に原料ガスが気密容器12内に供給されるようになっている。また、気密容器12には、ガス排気管28が接続され、気密容器12内の原料ガス等を排気するようになっている。
【0010】基板支持体22は、一つの板状部材である円板状の部材からなる本体部30と、この本体部30に複数設けられた支持部32とを有する。本体部30は、例えば炭化珪素(SiC)からなり、この本体部30の中心に前述したガス供給管26が貫通する貫通孔34が形成されている。この本体部30の上面には、例えば6個の支持部嵌合溝36が形成されている。これら支持部嵌合溝36は円形であり、この支持部嵌合溝36のそれぞれに板状部材である円板状の支持部32が嵌合されている。支持部嵌合溝36と支持部32との間には、熱膨張率の差を考慮して若干の隙間を形成してもよい。
【0011】支持部32はシリコン製であり、この支持部32に例えばΦ300mmのシリコン製の基板38がこの支持部32の上面(基板載置面)に接触載置される。6個の支持部32の基板載置面は略同一平面上に配置され、これにより基板38も略同一平面上に配置される。支持部32の上面を平らにし、その上に基板38を載置してもよく、また、図3に示すように、支持部32の上面に基板嵌合溝40を形成し、この基板嵌合溝40に基板38を嵌合するように載置してもよい。支持部32の基板38を載置した部分の厚さは、基板38の厚さよりも厚く形成されている。基板38の厚さは、例えば700μmであり、したがって、支持部32の厚さは、700μmを越えており、10mmまでは可能であり、少なくとも基板38の厚さの2倍以上、例えば3mm〜10mmが好ましく、更に3mm〜6mmが好ましく、更には4mm〜5mmが好ましい。支持部32の厚さをこのような厚さとするのは、支持部32自体の剛性を増し、支持部32の熱処理時の変形を抑制するためである。
【0012】次に上述したように構成された熱処理装置10をエピタキシャル成長装置として用いた場合の工程について説明する。
【0013】まず、搬入工程においては、気密容器12を開放して気密容器12内の基板支持体22に基板38を支持する。基板38の支持は、図示しない移載機により行われ、一つの基板38を一つの支持部32に載置すると、回転軸24により基板支持体22を回転させ、次の基板38を次の支持部32に載置するというように、6つの基板38を6つの支持部32に載置する。これにより、一つの基板支持体22に同時に6つの基板38が支持される。その後、気密容器12を閉じて搬入工程を完了する。
【0014】次の処理工程においては、基板支持体22を回転させながら、ガス供給管26から水素ガスを例えば100リットル/分で供給し、加熱ユニット16により1000°C以上の所定温度まで昇温する。次に、例えばジクロルシラン(SiH2Cl2)を0.5%、エピタキシャル層を一定の抵抗率にするためのドーピングガスを水素ガス中に一定濃度含んだ原料ガスをガス供給管26から気密容器12内に供給する。これにより基板38の上面ではエピタキシャル成長が開始される。原料ガスを所定時間供給して所望のエピタキシャル層厚みが得られると、原料ガスの供給を停止し、水素ガスのみを供給しながら基板支持体22を降温させる。基板支持体22の温度を水素の着火点(約400°C)まで冷却した後、水素ガスを窒素ガスに換えて供給し、気密容器内12内を窒素ガスに置換する。
【0015】次の搬出工程においては、気密容器12を開放し、前述した搬入工程と同様に、回転軸24により基板支持体22を回転させ、図示しない移載機により基板38を搬出する。
【0016】このようなエピタキシャル成長工程においては、基板38は室温から1000°C以上の高温まで温度変化を受ける。しかしながら、上記実施形態においては、支持部32の材質を基板38と同じ材質であるシリコン製、即ち、シリコン製の基板38と同じ熱膨張率や硬度を持つ材質としたので、温度変化に対する基板38と支持部32との熱膨張、熱収縮の差をなくすことができ、また、基板38と支持部32との接触点で応力が発生してもその応力を開放し易くなるので、基板38に傷が発生しにくくなる。これにより基板38と支持部32との熱膨張率の差や硬度の差に起因する基板へのスリップ発生を防止することができる。また、上記実施形態においては、支持部32の厚さを基板38の厚さよりも厚い所定の厚さとしたので、支持部32の剛性を大きくすることができ、温度変化に対する支持部32の変形を抑制することができる。これにより支持部32の変形に起因する基板38へのスリップ発生を防止することができる。
【0017】図4において、本発明に係る第2の実施形態が示されている。
この第2の実施形態においては、支持部32の基板載置面(支持部32の基板嵌合溝40の内面)に接着防止層42が設けられている。この接着防止層42は、例えばシリコン表面を処理することにより、又はCVD等によりシリコン表面上に堆積(deposition)することにより形成したシリコン窒化膜(SiN)、炭化珪素皮膜(SiC)、酸化珪素膜(SiO2)、ガラス状炭素、微結晶ダイヤモンド等、耐熱性及び耐磨耗性に優れた材料からなり、基板38の処理後に支持部32と基板38との接着を防止するようにしてある。接着防止層42を炭化珪素製の膜とした場合、膜の厚さは、0.1μm〜50μmとすることが好ましい。炭化珪素製の膜42を厚くすると、シリコンと炭化珪素との熱膨張率の差により、シリコン製の支持部38が炭化珪素製の膜42に引っ張られて支持部全体の変形量が大きくなり、この大きな変形によって基板38にスリップが発生するおそれがある。これに対して炭化珪素製の膜42を上記のような厚さとすると、シリコン製の支持部32が炭化珪素製の膜42に引っ張られる量が少なくなり、支持部全体の変形量も少なくなる。即ち、炭化珪素製の膜42を薄くすると支持部32と膜42との熱膨張率の差による応力が低減し、支持部全体の変形量が少なくなり、支持部全体の熱膨張率も本来のシリコンの熱膨張率(基板がシリコンの場合は略同等の熱膨張率)に近づき、スリップの発生を防止できるものである。
【0018】なお、接着防止層42は、必ずしも基板載置面全体に形成する必要はなく、基板載置面の一部に形成してもよい。
【0019】以上のように、本発明は、特許請求の範囲に記載した事項を特徴とするが、さらに次のような実施形態が含まれる。
(1)基板を基板支持体に支持した状態で熱処理する熱処理装置において、前記基板支持体は、板状部材からなる本体部と、この本体部上に複数設けられ、前記基板と接触する支持部とを有し、この支持部は、前記基板の厚さよりも厚いシリコン製の板状部材から構成されてなることを特徴とする熱処理装置
(2)請求項1又は(1)記載のエピタキシャル成長装置又は熱処理装置において、前記支持部は、前記基板が載置される基板載置面に、窒化珪素(SiN)、炭化珪素(SiC)、酸化珪素(SiO2)、ガラス状炭素、微結晶ダイヤモンドのうちいずれか一つ又は複数の材料が被覆されてなることを特徴とするエピタキシャル成長装置又は熱処理装置。
(3)請求項1又は(1)記載のエピタキシャル成長装置又は熱処理装置において、前記本体部に支持部嵌合溝を設け、この支持部嵌合溝に支持部を嵌合したことを特徴とするエピタキシャル成長装置又は熱処理装置。
(4)請求項1又は(1)記載のエピタキシャル成長装置又は熱処理装置において、前記支持部は、載置される基板毎に設けられることを特徴とするエピタキシャル成長装置又は熱処理装置。
(5)請求項1又は(1)記載のエピタキシャル成長装置又は熱処理装置において、熱処理は1000°C以上の温度で行うことを特徴とする熱処理装置。
(6)基板を基板支持体に支持した状態でエピタキシャル成長処理を行うエピタキシャル成長装置において、前記基板支持体は、一つの部材からなる本体部と、この本体部に複数設けられ、前記基板と接触する支持部とを有し、この支持部は、前記基板の厚さよりも厚いシリコン製の板状部材から構成されてなることを特徴とするエピタキシャル成長装置。
(7)本体部と、この本体部に設けられ基板と接触し基板の厚さよりも厚いシリコン製の板状部材からなる支持部とを有する基板支持体により基板を支持する工程と、前記基板を前記基板支持体により支持した状態で熱処理する(エピタキシャル成長する)工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(8)本体部と、この本体部に設けられ基板と接触し基板の厚さよりも厚いシリコン製の板状部材からなる支持部とを有する一つの基板支持体により複数枚の基板を同時に支持する工程と、前記複数枚の基板を前記基板支持体により支持した状態で熱処理する(エピタキシャル成長する)工程と、を有することを特徴とする基板(エピタキシャルウェハ)の製造方法
(9)本体部と、この本体部に設けられ基板と接触し基板の厚さよりも厚いシリコン製の板状部材からなる支持部とを有する一つの基板支持体により基板を支持する工程と、前記基板を前記基板支持体により支持した状態で熱処理する(エピタキシャル成長する)工程と、を有することを特徴とする基板処理方法。
【0020】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、基板の厚さよりも厚いシリコン製の板状部材から構成された支持部により基板を支持するようにしたので、基板にスリップが発生するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る熱処理装置を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る熱処理装置に用いた基板支持体を示す平面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る熱処理装置に用いた基板支持体の一部を拡大して示す断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る基板支持体の一部を拡大して示す断面図である。
10 熱処理装置
22 基板支持体
30 本体部
32 支持部
38 基板
42 接着防止層
Claims (1)
- 基板を基板支持体に支持した状態でエピタキシャル成長を行うエピタキシャル成長装置において、前記基板支持体は、本体部と、この本体部に設けられ、前記基板と接触する支持部とを有し、この支持部は、前記基板の厚さよりも厚いシリコン製の板状部材から構成されてなることを特徴とするエピタキシャル成長装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009060770A1 (ja) * | 2007-11-08 | 2009-05-14 | Sumco Corporation | 気相成長用サセプタ |
US8460470B2 (en) | 2006-02-21 | 2013-06-11 | Nuflare Technology, Inc. | Vapor phase deposition apparatus and support table |
-
2003
- 2003-03-14 JP JP2003069888A patent/JP2004281642A/ja active Pending
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