JP2004281489A - 自冷式電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】筐体内部に収納した電気用品を外気により冷却するように構成された自冷式電力変換装置において、前記変換装置の筐体に設けた吸気口部位及び前記変換装置の屋根に設けた排気口部位に外気の風圧により動作する風圧式シャッタを設けているので、冷却性能の向上により装置の小型化と保守・メンテナンスの必要性を最小限に抑えることができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自冷式電力変換装置に係わり、特に電力用半導体素子、素子冷却用のヒートパイプ式冷却器等の電気用品を備えた自冷式電力変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電力用変換装置は電力用半導体素子の大容量化・高速化に伴い発熱損失が増大する傾向にある。このため電力用半導体素子用冷却装置の冷却効率の向上を図り、発熱損失の増大に対応し、電力用変換装置の大型化を避けることが重要な技術課題となっている。
【0003】
図6に示すように、従来の自冷式電力変換装置1は、通常屋外に設置されており、冷却器、電力用半導体素子、導体などの電気用品2を収納した筐体3と、屋根4から構成されている。ファン等の強制冷却系を持たない自然対流により冷却を行う自冷式電力変換装置の場合、装置の通電により筐体内部の電力用半導体素子等の電気用品2の発熱を図示しない冷却器より放熱し、この放熱により加熱された筐体内部の空気が上昇気流を発生することで、筐体内部に流れが生ずる。この流れにより筐体内外での圧力差が生じることで、筐体面に設けた吸気口5より外気が流入し屋根4の軒下に設けた排気口6より排出されるというサイクルを繰り返すことで電気用品2の冷却が行われる。
【0004】
ところで、ファン等の強制冷却機構を持つ屋外用の電力変換装置の場合は、吸気口にエアフィルタ等を設けることが一般的であるが、ファン等の強制冷却系を持たない電力変換装置の場合は、圧力損失が増加し冷却性能への影響が避けられないため、必ずしもエアフィルタを設けるものではない。
以上のように構成された電力変換装置はインバータや整流器等の用途に多く使われており、電力分野では必要不可欠な装置となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来の自冷式電力変換装置では、吸気の圧力損失の増加に伴い装置の冷却性能の低下が避けられないため、エアフィルタ等を設けることが困難であった。また、エアフィルタを設けた場合、冷却性能を維持するためには換気口面積を拡大する必要があるが、これでは装置の大型化が避けられなかった。
【0006】
また特許文献1に記載のように、箱体本体の上部のカバー側面に吸気口を設け、この吸気口と直角位置に排気口を設け、上記カバーの排気口に逆流防止シャッタを取り付けた箱体の通風装置が提案されているが、この箱体を屋外に設置した場合は、シャッタ開状態で吸排気口より雨水が浸入するという不具合があり、またシャッタの開閉とファンの動作を連動するため、強制冷却式が採られており、装置の大型化が避けられなかった。
【0007】
【特許文献1】
特開平3−175484号公報
【0008】
本発明は、上記情況に対処するためになされたもので、その課題は、エアフィルタを用いることなく、冷却性能を向上させ、装置の小型化を可能とする自冷式電力変換装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、請求項1記載の発明は、筐体内部に収納した電気用品を外気により冷却するように構成された自冷式電力変換装置において、前記変換装置の筐体の側面に設けた吸気口部位及び前記変換装置の屋根の軒下に設けた排気口部位に外気の風圧により動作する風圧式シャッタを設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、筐体内部に収納した電気用品を外気により冷却するように構成された自冷式電力変換装置において、前記変換装置の筐体の側面に設けた吸気口部位及び前記変換装置の屋根の内部に外気の風圧により動作する風圧式ダンパを設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、筐体内部に収納した電気用品を外気により冷却するように構成された自冷式電力変換装置において、前記変換装置の筐体の側面に設けた吸気口部位及び前記変換装置の屋根の内部にダクトを形成し、このダクトに外気の風圧により動作する風圧式シャッタを設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、筐体内部に収納した電気用品を外気により冷却するように構成された自冷式電力変換装置において、前記変換装置の筐体の側面に設けた吸気口部位及び前記変換装置の屋根の内部にダクトを形成し、このダクトに外気の風圧により動作する風圧式ダンパを設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項1ないし4記載の発明によると、ダンパ及びシャッタはエアフィルタと同等の性能を有するので、装置の小型化と保守・メンテナンスを最小限に抑えることができる。
【0014】
請求項5記載の発明は、筐体内部に収納した電気用品を外気により冷却するように構成された自冷式電力変換装置において、前記変換装置の筐体の側面に設けた吸気口部位及び前記変換装置の屋根の内部に複数のダクトを設けたことを特徴とする。
請求項5記載の発明によると、複数のダクトによる煙突効果により冷却性能を向上させることができる。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の自冷式電力変換装置において、前記風圧式シャッタ及びダンパは開閉動作の設定値を調節できる調節機構を有することを特徴とする。
請求項6記載の発明によると、シャッタ及びダンパの開閉動作の設定値を調節できるので、適正な風量とすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図を参照して説明する。
図1は本発明の第1実施形態の自冷式電力変換装置の概略図であり、同図(a)は側面図、同図(b)は風圧式シャッタの開状態、同図(c)は風圧式シャッタの閉状態を示す図である。
【0017】
図に示すように、本実施形態は、自冷式電力変換装置1の屋根の軒下に設けた排気口6に外気の風圧により動作する風圧式シャッタ7を設けた構成に特徴がある。
【0018】
屋外に設置される電力変換装置の場合は、吸気口5を筐体3の側面に設け、排気口6を屋根4の軒下に設けた構造とすることが多い。またこれらの吸排気口においては、強制風冷の場合にはエアフィルタを設ける。しかしながら、自然冷却の電力変換装置において、エアフィルタなどを設けると、装置の冷却効率が低下するために換気面積を拡大する必要が生じることから装置の大型化が避けられなかった。
【0019】
そこで、本実施形態では外気の風圧により開閉する風圧式シャッタ7を設けている。外気の流速が排気の流速を上回ると風圧によりシャッタが閉となることで、エアフィルタの役割と代替が可能となる。すなわち、通常風圧式シャッタ7は図1(b)に示すように、シャッタ部7aは開状態となっているが、排気の流速より流入する外気の流速が大きくなった場合は図1(c)に示すようにシャッタ部7aは閉状態となるように構成されている。この風圧式シャッタ7の開閉動作の設定値は限定されるものではなく、また外気が装置全ての面方向から吹きつけることは無いため、風圧式シャッタ7を屋根の軒下部分に複数設置することで、全ての風圧式シャッタ7が閉じることはなく冷却性能への影響を無くすことができる。
【0020】
上述したように、本実施形態によると、換気面積を拡大する必要がないことから、装置の大型化を避けることができる。また、風圧式シャッタ7は外気の風圧により動作する機構であればよく、その形状や構造は本実施形態のように限定するものではない。
【0021】
図2は本発明の第2実施形態の自冷式電力変換装置の概略図であり、同図(a)は側面図、同図(b)は屋根排気口部の側面図、同図(c)は屋根排気口の正面図である。
【0022】
図に示すように、本実施形態は、屋外に設置される自冷式電力変換装置1の屋根4の軒下に設けた排気口8部位に風圧により開閉する風圧式ダンパ11を設けた構成に特徴がある。
【0023】
第1実施形態のように屋外に設置される自冷式電力変換装置1では、冷却性能が低下するためエアフィルタを設けることが困難であるので、外気の風圧により開閉する風圧式シャッタを設けているが、本実施例もこの風圧式シャッタと同等の機能を有する風圧式ダンパ9を設けることで、エアフィルタの役割を代替可能としたものである。
【0024】
すなわち、風圧式ダンパ9は図2(b)に示すように、通常開状態となっており、筐体3内より加熱された空気が排気されているが、排気の流速より流入する外気の流速が大きくなった場合、図2(c)の点線で示すように閉状態となるように構成されている。この風圧式ダンパ9の開閉動作の設定値は限定されるものではなく、また外気が装置全ての面方向から吹きつけることは無いため、風圧式ダンパ9を複数設置することで、全ての風圧式ダンパ9が閉じることはなく冷却性能への影響を無くすことができる。
【0025】
したがって、本実施形態によると、換気面積を拡大する必要がないことから、装置の大型化を避けることができる。また風圧式ダンパは外気の風圧により動作する機構であればよく、その形状や構造を本実施形態のように限定するものではない。
【0026】
図3は、本発明の第3実施形態の自冷式電力変換装置の概略図であり、同図(a)は側面図、同図(b)は屋根部の拡大図である。
図に示すように本実施形態は、屋外に設置される電力変換装置1の屋根4の内部に設けたダクト部10に風圧により開閉する風圧式シャッタ7を設けた構成に特徴がある。
【0027】
本実施形態は上記のように、ダクト部10を設けることでダクトによる煙突効果で冷却性能が向上し、且つダクト部10に設けた風圧式シャッタ7により塵埃の侵入を抑制するためエアフィルタを設ける必要が無く、換気面積の拡大の必要も無いので、装置の大型化を避けることができる。更に屋根4内部はダクト部10があるため、屋根内部に空気の断熱層11が形成される。この断熱層11により太陽輻射熱による装置内部の温度上昇を抑制する効果もある。風圧式シャッタ7は通常開放した状態となっているが、排気の流速より流入する外気の流速が大きくなった場合閉じる機構となっている。また風圧式シャッタの開閉動作の設定値は限定されるものではなく、その形状や構造は本実施形態のように限定されるものではない。なお、外気が装置全ての面方向から吹きつけることは無いため、風圧式シャッタ7を複数設置することで、全ての風圧式シャッタ7が閉じることはなく冷却性能への影響を無くすことができる。
【0028】
図4は本発明の第4実施形態の自冷式電力変換装置の概略図であり、同図(a)は側面図、同図(b)は屋根部の拡大図である。
図に示すように、本実施形態は、屋外に設置される自冷式電力変換装置1の屋根4内部に設けたダクト部10に風圧により開閉する風圧式ダンパ12を設けた構成に特徴がある。
【0029】
本実施形態は上記のように、ダクト部10を設けることでダクトによる煙突効果で冷却性能が向上し、且つダクト部に設けた風圧式ダンパ12がエアフィルタの代替となり換気面積の拡大の必要も無いので、装置の大型化を避けることができる。更に屋根4内部はダクト部10があるため、屋根内部に空気の断熱層11が形成されるため、太陽輻射熱による装置内部の温度上昇を抑制する効果もある。風圧式ダンパ12は通常開放した状態となっているが、排気の流速より流入する外気の流速が大きくなった場合閉じる機構となっている。また風圧式ダンパの開閉動作の設定値は限定されるものではなく、その形状や構造は本実施形態のように限定されるものではない。なお、外気が装置全ての面方向から吹きつけることは無いため、風圧式ダンパ12を複数設置することで、全ての風圧式ダンパ12が閉じることはなく冷却性能への影響を無くすことができる。
【0030】
図5は本発明の第5実施形態の自冷式電力変換装置の概略図であり、同図(a)は側面図、同図(b)は屋根内部に設置されるダクトの斜視図である。
図に示すように、本実施形態は、屋外に設置される自冷式電力変換装置1の屋根4内部に複数のダクト13を設けた構造に特徴がある。
【0031】
本実施形態は上記したように、複数のダクト13を設けることでダクトによる煙突効果で上昇気流の流速が増し冷却性能が向上する。これに加えてダクト13の形状はノズルに似た形状となるため逆方向からの外気の流入に対する損失は大きくなり外気の流入を抑制し、かつダクト13による煙突効果で排気の流速が増加することで冷却性能が向上し装置の小型化を図ることができる。また上昇した空気がスムーズに外部に排出するようにダクト13は複数設けかつ各ダクト13間はある間隔を持たせて配置する。なお、本実施形態は装置内部にダクト13を設けることにあり、その形状、構造、数量を限定するものではない。
【0032】
本発明の第6実施形態を図1を参照して説明する。
本実施形態は図1(b)および(c)に示す風圧式シャッタ及び風圧式ダンパの調節機構に関するものである。
【0033】
風圧式シャッタ7は図1(b)に示すように通常開状態にあるが、外気の流入によりシャッタ7に生じる風圧が排気による圧力より大きくなると図1(c)に示すように閉状態になる特性を持っている。このシャッタ7の可動する軸部分にバネ等の調節機構を設け、冷却風量が適正になるようにシャッタ7の動作設定値を可変する構成としたものである。
【0034】
一般的に、砂埃が生じる風速は5.5m/s〜8.0m/sと定義されるため、シャッタの動作設定風速は5.0m/s以上に設定すると砂埃等の筐体内への侵入を防ぐことができる。風圧式ダンパにも本実施形態と同様の調節機構を持たせることで、本実施形態と同様の効果が得られる。なお、調節機構についてはその形状・材質を限定するものではない。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、自然対流により冷却を行う自冷式電力変換装置において、エアフィルタと同等の性能を有するダンパ及びシャッタを設けることで、冷却性能の向上が図られ装置の小型化を実現するとともに、保守・メンテナンスの必要性を最小限に抑えられる自冷式電力変換装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の自冷式電力変換装置の概略図。
【図2】本発明の第2実施形態の自冷式電力変換装置の概略図。
【図3】本発明の第3実施形態の自冷式電力変換装置の概略図。
【図4】本発明の第4実施形態の自冷式電力変換装置の概略図。
【図5】本発明の第5実施形態の自冷式電力変換装置の概略図。
【図6】従来の自冷式電力変換装置の概念図。
【符号の説明】
1…自冷式電力変換装置、2…電気用品、3…筐体、4…屋根、5…吸気口、6…排気口、7…風圧式シャッタ、7a…シャッタ部、8…屋根排気口、9…風圧式ダンパ、10…ダクト、11…断熱層、12…風圧式ダンパ、13…ダクト。
Claims (6)
- 筐体内部に収納した電気用品を外気により冷却するように構成された自冷式電力変換装置において、前記変換装置の筐体の側面に設けた吸気口部位及び前記変換装置の屋根の軒下に設けた排気口部位に外気の風圧により動作する風圧式シャッタを設けたことを特徴とする自冷式電力変換装置。
- 筐体内部に収納した電気用品を外気により冷却するように構成された自冷式電力変換装置において、前記変換装置の筐体の側面に設けた吸気口部位及び前記変換装置の屋根の内部に外気の風圧により動作する風圧式ダンパを設けたことを特徴とする自冷式電力変換装置。
- 筐体内部に収納した電気用品を外気により冷却するように構成された自冷式電力変換装置において、前記変換装置の筐体の側面に設けた吸気口部位及び前記変換装置の屋根の内部にダクトを形成し、このダクトに外気の風圧により動作する風圧式シャッタを設けたことを特徴とする自冷式電力変換装置。
- 筐体内部に収納した電気用品を外気により冷却するように構成された自冷式電力変換装置において、前記変換装置の筐体の側面に設けた吸気口部位及び前記変換装置の屋根の内部にダクトを形成し、このダクトに外気の風圧により動作する風圧式ダンパを設けたことを特徴とする自冷式電力変換装置。
- 筐体内部に収納した電気用品を外気により冷却するように構成された自冷式電力変換装置において、前記変換装置の筐体の側面に設けた吸気口部位及び前記変換装置の屋根の内部に複数のダクトを設けたことを特徴とする自冷式電力変換装置。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の自冷式電力変換装置において、前記風圧式シャッタ及びダンパは開閉動作の設定値を調節できる調節機構を有することを特徴とする自冷式電力変換装置。
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2003
- 2003-03-13 JP JP2003067565A patent/JP2004281489A/ja active Pending
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