JP2004281379A - 有機elパネルおよびその製造方法 - Google Patents

有機elパネルおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 異なる発光色の発光層を平面に繰り返し配置してなる有機ELパネルにおいて、長波長発光層のドーパントの短波長発光層と電荷輸送層との界面への回り込みを防止し、色純度の低下を抑制する。
【解決手段】 陽極20、正孔注入層30、正孔輸送層40、発光層50、電子輸送層60、陰極70が順次積層されてなるとともに、発光層50は、異なる発光色を持つ複数個の発光層51、52、53が平面上に繰り返し配置されてなるものとした有機ELパネルS1において、各発光色の領域毎に、発光層50と、正孔輸送層40および電子輸送層60の両電荷輸送層の少なくとも一方の電荷輸送層とを含む2層以上の層が、分離して成膜されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、異なる発光色の発光層を平面に繰り返し配置し、多色発光を可能とした有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネルおよびその製造方法に関する。
有機EL素子は、自己発光のため、視認性に優れ、かつ数V〜数十Vの低電圧駆動が可能なため駆動回路を含めた軽量化が可能である。
このような有機EL素子を用いた有機ELパネルとしては、異なる発光色の発光層を平面に繰り返し配置し、多色発光を可能としたものが提案されている。このものを、以下、複数発光層平面配置パネルという。
この複数発光層平面配置パネルは、少なくとも陽極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、陰極が順次積層されてなるとともに、発光層については、異なる発光色を持つ複数個の発光層を分離して成膜することで平面上に繰り返し配置したものである。例えば、従来では、フルカラー化のために、異なる3色(R:赤、G:緑、B:青)の発光色の発光層を平面的に配置したものがある。
このような複数発光層平面配置パネルの製造方法としては、同一の発光色の発光層毎に開口部を有する成膜マスクを用いて、順に各発光層毎に材料を蒸着して成膜する方法が採用されている。
しかし、この場合、成膜マスクと基板との間に隙間ができるために、蒸着材料がマスクの開口部からマスクの直下に回り込む。その回り込み度合が狙いの成膜領域以上になると、回り込んだ蒸着材料が隣り合う発光層の領域へ混入し、混入が生じた発光層における発光色の色純度が低下するという問題があった。
この蒸着材料の回り込みの問題に対して、従来では、磁石を用いて成膜マスクと基板との距離を小さくし、隣り合う発光層領域への蒸着材料の回り込みを防止する方法(特許文献1参照)が提案されている。
また、一方、回り込む幅以上に水平方向のマージンを確保する、すなわち隣り合う発光層の間隔を広く確保する方法(特許文献2参照)が提案されている。
また、複数発光層平面配置パネルにおいて、実施例レベルにて発光層および電子輸送層を発光領域毎に分離して成膜したものが提案されている(たとえば、特許文献3、特許文献4参照)。
特開平10−41069号公報 特開2000−227771号公報 特開2001−23772号公報 特開平11−214157号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されている方法では、成膜マスクと基板との距離を0、すなわち完全に密着させることはできない。
これは、成膜マスクによって、基板上の有機膜を傷つけて表示欠陥に至るのを防止するためである。そのため、マスクと基板の間にはミクロンオーダでの隙間は残り、蒸着材料の回り込みを完全に防止することは不可能である。
また、上記特許文献2に記載の方法では、回りこみ領域を画素領域から除外することは可能であるが、その場合、基板上に発光しない領域の面積が増えるために、パネル全体としては開口率が低下する。低い開口率のものにおいて、パネルの必要輝度を実現するためには、画素ごとの発光輝度を高くする必要がある。その結果、耐久時の輝度の低下が促進されることになる。
そこで、本発明者らは、複数発光層平面配置パネルにおいて、異なる発光層の材料の回り込みの問題について鋭意検討を行った。
図11は、従来の一般的な複数発光層平面配置パネルとして2色の異なる発光層51、53を平面に繰り返し配置したパネルの概略断面図である。なお、2色の発光層51と53とでは、識別のためハッチングを異ならせている。
ガラス等からなる基板10の上に、陽極20、正孔注入層30、正孔輸送層40、発光層51、53、電子輸送層60、陰極70が順次積層されている。ここで、発光層は、赤色発光層51および青色発光層53の2色の発光層51、53が分離成膜されて繰り返し平面配置されたものとなっている。
これは、基板10の上に正孔輸送層40までを順次成膜した後、赤色発光層51、青色発光層53をそれぞれ、マスクを用いて選択的に成膜し、続いて、その上に電子輸送層60、陰極70の成膜を順次行うことで製造できる。
ここで、図11のものでは、発光層51、53の成膜順序は2つある。1つは、まず長波長発光層である赤色発光層51を形成し、次にマスクをずらして短波長である青色発光層53を形成する方法である。もう1つは、その逆に、まず短波長である青色発光層53を形成し、次にマスクをずらして長波長である赤色発光層51を形成する方法である。
前者の長波長発光層→短波長発光層の成膜順序とした場合、長波長発光層である赤色発光層51のホストおよびドーパントが、隣り合う短波長発光層である青色発光層53の形成予定領域に位置する正孔輸送層40の上面に回り込む。
その後、青色発光層53を形成する結果、最終的には、青色発光層53とその下の正孔輸送層40との界面に赤色発光層51のドーパントが回り込んだ形となる。
一方、後者の短波長発光層→長波長発光層の成膜順序とした場合、長波長発光層である赤色発光層51のホストおよびドーパントが、隣り合って先に形成されている短波長発光層である青色発光層53の上面に回り込む。
その結果、最終的には、青色発光層53とその上の電子輸送層60との界面に赤色発光層51のドーパントが回り込んだ形となる。
ここで、ドーパントは発光色を決定するものであるが、長波長のドーパントの方が、短波長のドーパントよりもエネルギーギャップが小さいため、比較的小さいエネルギーで発光しやすい。
つまり、長波長発光層→短波長発光層の成膜順序の場合、青色発光層53と正孔輸送層40との界面に回り込んだ赤色発光層51のドーパントが、短波長である青色のドーパントよりも発光しやすい。そのため、回り込みが生じた青色発光層53では、赤と青との混色の発光となり、その結果、青色発光層53の色純度の低下が生じる。
また、短波長発光層→長波長発光層の成膜順序の場合、青色発光層53と電子輸送層60との界面に回り込んだ赤色発光層51のドーパントが、短波長である青色のドーパントよりも発光しやすい。そのため、回り込みが生じた青色発光層53では、赤と青との混色の発光となり、その結果、青色発光層53の色純度の低下が生じる。
いずれにせよ、本発明者らは、複数発光層平面配置パネルにおいては、短波長発光層と正孔輸送層との界面あるいは短波長発光層と電子輸送層との界面に、長波長発光層のドーパントが回り込んできた場合に、色純度が低下することを見出したのである。
本発明者らは、ちなみに、図12のように、赤色発光層51、緑色発光層52、青色発光層53の3色の異なる発光層51、52、53を平面に繰り返し配置してなる有機ELパネルを試作した。
この図12においては、R→G→Bの順すなわち長波長発光層→短波長発光層の成膜順序にて成膜し、R、G、Bの発光層51、52、53の繰り返しとした。このとき、図12中の領域K1に示すように、青色発光層53に対して隣接する赤色発光層51のドーパントが回り込み、この領域K1の部分の色純度が低下した。
具体的には、回り込みが起こらなかった青色発光層53における発光色の色度座標は、(0.16、0.14)となり、純青色であったが、上記領域K1のように回り込みが起こった青色発光層53における発光色の色度座標は、上記領域K1を含む青色発光層53の全体として(0.19、0.19)となり、白みを帯びた青色となった。
ちなみに、従来では、上記特許文献3や特許文献4等に記載されているように、発光層および電子輸送層を発光領域毎に分離して成膜したものがあるが、このものでは、電子輸送層を分離した場合において、長波長発光層→短波長発光層の成膜順序にて成膜を行っている。
そのため、長波長発光層のドーパントが、隣り合う短波長発光層と正孔輸送層との間へ回り込み、当該短波長発光層における主発光領域である正孔輸送層との界面近傍部に、長波長発光層のドーパントが存在する。このことから、上記特許文献3や特許文献4等に記載されている手法では、色純度の低下の抑制は難しいと考えられる。
また、本発明者らは、さらに上記回り込みの問題について検討を進めた。通常の有機ELパネルにおいては、発光層のホスト材料は電子輸送性材料を主としたものが一般的である。
たとえば、上記図11において、赤色発光層51を先に成膜した場合、この赤色発光層51のホストである電子輸送性材料が、隣り合う青色発光層53の形成予定領域に位置する正孔輸送層40の上面に回り込む。その後、青色発光層53を形成する結果、最終的には、青色発光層53とその下の正孔輸送層40との間に電子輸送性材料が介在した形となる。
この場合、正孔輸送層40から青色発光層53へ導入されるべき正孔が、介在する電子輸送性材料によって再結合を起こしてしまい、十分に青色発光層53へ供給されないという問題が生じる。その結果、青色発光層53における発光効率が低下する。
そして、このことは、上記図11において、青色発光層53を先に成膜した場合も同様である。この場合、赤色発光層51とその下の正孔輸送層40との界面に、青色発光層53のホストである電子輸送性材料が介在した形となり、その結果、赤発光層51における発光効率が低下する。
つまり、このホスト材料の回り込みによる発光効率低下の問題は、発光層の成膜順序に依存せず、あくまで、有機ELパネルにおける発光層のホストは電子輸送性材料であることが一般的であるという事実に基づくものである。
本発明は上述した本発明者らの行った検討結果に基づいて抽出された問題に鑑みてなされたものであり、複数発光層平面配置パネルにおいて、長波長発光層のドーパントの短波長発光層と電荷輸送層(正孔輸送層、電子輸送層)との界面への回り込みを防止し、色純度の低下を抑制することを第1の目的とする。
また、複数発光層平面配置パネルにおいて、互いに異なる発光色を持つ隣接発光層間にて、一方の発光層のホストが他方の発光層と正孔輸送層との界面へ付着することで発光効率が低下するのを防止することを第2の目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、陽極(20)、正孔輸送層(40)、発光層(50)、電子輸送層(60)、陰極(70)が順次積層されてなるとともに、発光層は、異なる発光色を持つ複数個の発光層(51、52、53)が平面上に繰り返し配置されてなるものとした有機ELパネルにおいて、各発光色の領域毎に、前記発光層と少なくとも前記正孔輸送層とを含む2層以上の層が、分離して成膜されていることを特徴とする。
それによれば、各発光色の領域毎に、正孔輸送層と発光層との連続した成膜が可能となる。または、本発明によれば、電子輸送層までも分離することによって、正孔輸送層と発光層と電子輸送層との連続した成膜が可能となる。
まず、各発光色の領域毎に正孔輸送層と発光層との連続した成膜を行えば、長波長発光層のドーパントが、隣り合う短波長発光層と正孔輸送層との間に回り込む余地は、なくなる。
つまり、この場合、短波長発光層の成膜前に長波長発光層の成膜を行うと、長波長発光層のドーパントは、隣り合う短波長発光層の形成予定領域に位置する陽極の上に回り込むことはあるが、その後、当該隣り合う領域に正孔輸送層、短波長発光層が連続して成膜される。
そのため、回り込んだ長波長発光層のドーパントは、隣り合う領域において陽極と正孔輸送層との間には介在するが、隣り合う短波長発光層と正孔輸送層との間に介在することはなくなる。
また、各発光色の領域毎に正孔輸送層と発光層と電子輸送層との連続した成膜を行えば、長波長発光層のドーパントが、隣り合う短波長発光層と正孔輸送層との間および当該隣り合う短波長発光層と電子輸送層との間に回り込む余地はなくなる。
よって、本発明によれば、複数発光層平面配置パネルにおいて、長波長発光層のドーパントの短波長発光層と電荷輸送層(正孔輸送層、電子輸送層)との界面への回り込みを防止し、色純度の低下を抑制することができる。
ここで、請求項2に記載の発明のように、請求項1に記載の有機ELパネルにおいては、陽極(20)と正孔輸送層(40)との間に、正孔注入層(30)が配置されたものにできる。
また、請求項3に記載の発明のように、請求項1または請求項2に記載の有機ELパネルにおいては、複数個の発光層(51、52、53)は、それぞれ赤、緑、青の波長の発光色を発生させるものにできる。
請求項4に記載の発明では、陽極(20)、正孔輸送層(40)、発光層(50)、電子輸送層(60)、陰極(70)を順次積層するとともに、発光層は、異なる発光色を持つ複数個の発光層(51、52、53)を平面上に繰り返し配置するようにした有機ELパネルの製造方法において、各発光色の領域毎に、前記発光層と少なくとも前記正孔輸送層とを含む2層以上の層を、分離して成膜するとともに、前記分離して成膜すべき前記正孔輸送層および前記発光層を連続して成膜することを特徴とする。
それによれば、請求項1に記載の発明の作用効果を適切に発揮しうる有機ELパネルを製造することができる。
もう少し、詳細に述べると、本製造方法では、各発光色の領域毎に、正孔輸送層と発光層との連続した成膜を行うことになる。または、本製造方法では、電子輸送層までも分離することによって、正孔輸送層と発光層と電子輸送層との連続した成膜を行うようにしてもよい。
まず、各発光色の領域毎に正孔輸送層と発光層との連続した成膜を行う場合、陽極を形成した後、その上に、ある発光色領域に正孔輸送層、発光層を順に成膜し、次に、他の発光色領域に正孔輸送層、発光層を順に成膜し、次に、もう一つの他の発光色領域に……、というように成膜する。
その後、全発光色領域において発光層の上に電子輸送層、陰極を順に成膜することで、有機ELパネルが製造される。この場合、長波長発光層のドーパントが、隣り合う短波長発光層と正孔輸送層との間に回り込む余地はなくなる。
また、各発光色の領域毎に正孔輸送層と発光層と電子輸送層との連続した成膜を行う場合、陽極を形成した後、その上に、ある発光色領域に正孔輸送層、発光層、電子輸送層を順に成膜し、次に、他の発光色領域に正孔輸送層、発光層、電子輸送層を順に成膜し、次に、もう一つの他の発光色領域に……、というように成膜する。
その後、全発光色領域において電子輸送層の上に陰極を成膜することで、有機ELパネルが製造される。この場合、長波長発光層のドーパントが、隣り合う短波長発光層と正孔輸送層との間および当該隣り合う短波長発光層と電子輸送層との間に回り込む余地はなくなる。
このように、本製造方法によって製造される有機ELパネルは、上記請求項1の発明と同様の作用効果を奏するものとなる。
つまり、本発明によっても、複数発光層平面配置パネルにおいて、長波長発光層のドーパントの短波長発光層と電荷輸送層(正孔輸送層、電子輸送層)との界面への回り込みを防止し、色純度の低下を抑制することができる。
ここで、請求項5に記載の発明のように、請求項4に記載の有機ELパネルの製造方法においては、正孔輸送層(40)および発光層(51、52、53)を連続して成膜する際に、発光波長の長い発光色の領域から順に成膜していくことが好ましい。
上記請求項4に記載の製造方法において、正孔輸送層(40)および発光層(51、52、53)を連続して成膜する際に、発光波長の短い発光色の領域から順に成膜した場合でも、回り込んだ長波長発光層のドーパントは、隣り合う短波長発光層と正孔輸送層との間に介在することはなくなる。
しかしながら、この場合、長波長発光層のドーパントは、隣り合う短波長発光層と電子輸送層との間には介在する。
一般に、発光層における主発光領域は、正孔輸送層との界面近傍部であるが、発光層における主発光領域ではない電子輸送層との界面近傍部に長波長発光層のドーパントが存在した場合でも、相対的に影響は少ないけれども、多少なりとも色純度の低下は発生することは避けられない。
その点、本発明のように、請求項4に記載の製造方法において、正孔輸送層(40)および発光層(51、52、53)を連続して成膜する際に、発光波長の長い発光色の領域から順に成膜していけば、短波長発光層において電子輸送層との界面近傍部に長波長発光層のドーパントが存在することを回避できる。
そのため、請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明に比較して、より高いレベルにて色純度の低下を抑制することができる。
請求項6に記載の発明では、陽極(20)、正孔輸送層(40)、発光層(50)、電子輸送層(60)、陰極(70)を順次積層するとともに、前記発光層は、異なる発光色を持つ複数個の発光層(51、52、53)を平面上に繰り返し配置するようにした有機ELパネルの製造方法において、各発光色の領域毎に、前記発光層と少なくとも前記電子輸送層とを含む2層以上の層を、分離して成膜するとともに、前記分離して成膜すべき前記発光層および前記電子輸送層を連続して成膜するようにし、前記発光層および前記電子輸送層を分離して成膜する際に、発光波長の短い発光色の領域から順に成膜していくことを特徴とする。
本発明のように、分離して成膜される電荷輸送層が電子輸送層である場合には、各発光色の領域毎に発光層と電子輸送層との連続した成膜を行うことになる。そのため、長波長発光層のドーパントが、隣り合う短波長発光層と電子輸送層との間に回り込む余地はなくなる。
さらに、本発明では、各発光色の領域毎に発光層および電子輸送層を分離して成膜する際に、発光波長の短い発光色の領域から順に成膜していくことで、短波長発光層の方が長波長発光層よりも先に正孔輸送層の上に形成される。そのため、長波長発光層のドーパントが、隣り合う短波長発光層と正孔輸送層との間に回り込む余地はなくなる。
このような本発明の製造方法は、有機ELパネルにおける発光層のホスト材料としては電子輸送性のものが一般的であるという上述の事実に鑑みた場合、好ましい手法である。つまり、上述したように、発光層のホストが一般に電子輸送性であるため、発光層のうち電荷が再結合して発光する領域(つまり主発光領域)は、正孔輸送層との界面近傍部が主となることが多くなる。
もし、各発光色の領域毎に発光層と電子輸送層との連続した成膜を行うにあたって、短波長発光層の成膜前に長波長発光層の成膜を行う場合、長波長発光層のドーパントは、隣り合う短波長発光層と電子輸送層との間に回り込む余地はなくなるが、隣り合う短波長発光層の形成予定領域に位置する正孔輸送層の上面に回り込むことはある。
この場合、当該短波長発光層における主発光領域である正孔輸送層との界面近傍部に、長波長発光層のドーパントが存在するため、短波長発光層において混色が生じ、色純度の低下が発生してしまう。
そのため、本発明のように、分離して成膜される電荷輸送層が電子輸送層である場合、長波長発光層のドーパントの短波長発光層と電子輸送層との間への回り込み防止だけでなく、短波長発光層→長波長発光層の成膜順序を採用することにより、長波長発光層のドーパントの短波長発光層と正孔輸送層との間への回り込み防止を行うことは、色純度の低下抑制に有効である。
このように、本発明によっても、複数発光層平面配置パネルにおいて、長波長発光層のドーパントの短波長発光層と電荷輸送層(正孔輸送層、電子輸送層)との界面への回り込みを防止し、色純度の低下を抑制することができる。
ここで、請求項7に記載の発明のように、請求項6に記載の有機ELパネルの製造方法においては、複数個の発光層(51、52、53)は、それぞれ赤、緑、青の波長の発光色を発生させるものにできる。
請求項8に記載の発明では、陽極(20)、正孔輸送層(40)、発光層(50)、電子輸送層(60)、陰極(70)が順次積層されてなるとともに、発光層は、異なる発光色を持つ複数個の発光層(51、52、53)が平面上に繰り返し配置されてなる有機ELパネルにおいて、少なくとも1つの発光層は、当該発光層のホスト材料として、少なくとも1種類以上の正孔輸送性材料を含むものであることを特徴とする。
従来の一般の有機ELパネルでは、発光層のホストは電子輸送性であるが、本発明によれば、発光層のホストを正孔輸送性材料のみ、または正孔輸送性材料と電子輸送性材料との両方からなるものにできる。つまり、少なくとも正孔輸送性を有するホストを持った発光層となる。
そして、本発明によれば、先に成膜した発光層のホストである正孔輸送性材料すなわち正孔輸送性ホスト材料が、隣り合う発光層の形成予定領域に位置する正孔輸送層の上面に回り込み、最終的には、隣り合う発光層とその下の正孔輸送層との間に正孔輸送性ホスト材料が介在した形となる。
それにより、正孔輸送層から発光層へ向かう正孔は、介在する正孔輸送性ホスト材料により、発光層へスムーズに運ばれる。そのため、従来一般の有機ELパネルのように、発光層と正孔輸送層との間に電子輸送性ホスト材料が回り込んでくる場合に比べて、発光効率の向上がなされる。
このように、本発明によれば、複数発光層平面配置パネルにおいて、互いに異なる発光色を持つ隣接発光層間にて、一方の発光層のホストが他方の発光層と正孔輸送層との界面へ付着したとしても、発光効率が低下するのを防止することができる。
ここで、請求項9に記載の発明では、請求項8に記載の有機ELパネルにおいて、複数個の発光層(51、52、53)に接して形成されている電子輸送層(60a)の電子輸送性材料のイオン化ポテンシャルが、発光層中の正孔輸送材料のイオン化ポテンシャルよりも0.2eV以上大きいことを特徴とする。
本発明によれば、発光層に接して形成されている電子輸送層の電子輸送性材料のイオン化ポテンシャルを、発光層中の正孔輸送材料のイオン化ポテンシャルよりも0.2eV以上大きいものとすることで、当該電子輸送層はホールブロック層として機能する。
上記請求項8に記載の有機ELパネルのように、発光層のホストを正孔輸送材料を含むものとした場合、その発光層においては、発光分布の中心が従来の正孔輸送層側でなく、電子輸送層側(上部電極側)になる。
これは、当該発光層において、正孔輸送材料の正孔輸送能力が電子輸送材料の電子輸送能力よりも大きくなるためである。このことは、一般的な材料の関係から明かである。そのため、この影響から、本発明のようなホール(正孔)ブロック層を設けないと、発光効率が低下し、輝度寿命を短くする。
ここで、請求項10に記載の発明のように、請求項9に記載の有機ELパネルにおいては、複数個の発光層(51、52、53)に接して形成されている電子輸送層(60a)は、発光層中のホスト材料として用いられている電子輸送性材料と同一の材料のみからなるものにできる。
それによれば、材料の簡素化を図ることができ、製造プロセスが簡単になるなどの利点が生じ、好ましい。
請求項11に記載の発明では、陽極(20)、正孔輸送層(40)、発光層(50)、電子輸送層(60)、陰極(70)を順次積層するとともに、発光層については、異なる発光色を持つ複数個の発光層(51、52、53)を分離して成膜することにより平面上に繰り返し配置するようにした有機ELパネルの製造方法において、発光層として、正孔輸送性材料を含むホスト材料を有する発光層と正孔輸送性材料を含まないホスト材料を有する発光層とを分離して成膜するようにし、正孔輸送性材料を含むホスト材料を有する発光層の方を、正孔輸送性材料を含まないホスト材料を有する発光層よりも先に成膜することを特徴とする。
それによれば、請求項8に記載の発明の作用効果を適切に発揮しうる有機ELパネルを製造することができる。
つまり、上記請求項8の発明について述べたように、正孔輸送性ホスト材料を有する発光層の方を、正孔輸送性材料を含まないホスト材料を有する発光層よりも先に成膜することにより、最終的には、隣り合う発光層とその下の正孔輸送層との間に正孔輸送性ホスト材料が介在した形となる。
そのため、正孔輸送層から発光層への正孔の輸送がスムーズになり、発光効率の向上がなされる。このように、本製造方法によって製造される有機ELパネルは、上記請求項8の発明と同様の作用効果を奏するものとなる。
請求項12に記載の発明では、発光層(50)を分離して成膜する際に、発光波長の短い発光色の領域から順に成膜していくことを特徴とする。
それによれば、各発光色の領域毎に発光層を分離して成膜する際に、発光波長の短い発光色の領域から順に成膜していくことで、短波長発光層の方が長波長発光層よりも先に正孔輸送層の上に形成されるため、長波長発光層のドーパントが、隣りの短波長発光層と正孔輸送層との間に回り込む余地はなくなる。
本発明は、上記請求項6に記載の発明と同様に、有機ELパネルにおける発光層のホスト材料は電子輸送性のものが一般的であるという上述の事実に鑑みて好ましい手法を提供するものである。
つまり、発光層のホストが一般に電子輸送性であるため、発光層のうち電荷が再結合して発光する領域(つまり主発光領域)は、正孔輸送層との界面近傍部が主となることが多くなる。
そのため、本発明のように、短波長発光層→長波長発光層の成膜順序を採用することにより、長波長発光層のドーパントの短波長発光層と正孔輸送層との間への回り込み防止を行うことは、有効である。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一の部分には図中、同一符号を付してある。また、各図において、異なる発光色の発光層51と52と53とでは、識別のためハッチングを異ならせている。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る複数発光層平面配置パネルとしての有機ELパネルS1の概略断面図である。
この有機ELパネルS1は、基板10の上に、陽極20、正孔注入層30、正孔輸送層40、発光層50、電子輸送層60、陰極70が順次積層されてなるとともに、発光層50は、異なる発光色を持つ複数個の発光層51、52、53が平面上に繰り返し配置されてなるものである。
本実施形態は、このような有機ELパネルS1において、各発光色の領域毎に、発光層50(51〜53)と少なくとも電子輸送層60とを含む2層以上の層を分離して成膜する手法を用いたものである。
本実施形態では、発光層50を、赤色発光を行う赤色発光層51、緑色発光を行う緑色発光層52、青色発光を行う青色発光層53の3色構成としている。つまり、複数個の発光層51、52、53は、それぞれ赤、緑、青の波長の発光色を発生させるものである。そして、R(赤)、G(緑)、B(青)という発光色領域の繰り返しとなるように、各色の発光層51、52、53が平面上に繰り返し配置されている。
そして、電子輸送層60は、各発光色の領域毎に各色発光層51〜53のそれぞれに対応して分離されて成膜されている。ここで、分離された電子輸送層60については、赤色発光層51、緑色発光層52、青色発光層53に対応する個々の電子輸送層60を、それぞれ、電子輸送層61、62、63と符号を区別して示してある。
次に、有機ELパネルS1における各部について、より詳細に述べる。基板10は、ガラスや樹脂等の透明な電気絶縁性を有する基板であり、本例では、ガラス基板を採用している。
基板10の上に形成された陽極20は、インジウム−錫の酸化物(ITO)膜やインジウム−亜鉛の酸化物膜等の透明導電膜からなるものであり、その膜厚は、例えば100nm〜1μm程度である。本例では、陽極20は50nm程度の厚さのITO膜からなる。
陽極の上に形成された正孔注入層20は、通常有機ELパネルに採用可能な正孔注入性材料を採用できる。本例では、正孔注入層20は、厚さが10nmである銅フタロシアニン(CuPc)膜から形成されている。
正孔注入層30の上に形成された正孔輸送層40は、通常有機ELパネルに採用可能な正孔輸送性材料を採用できる。本例では、正孔輸送層40は、厚さが40nmであるαーナフチル・フェニル・ベンゼン(NPD)膜から形成されている。
その上の発光層50については、通常有機ELパネルに採用可能な発光層の材料、すなわちホスト材料と蛍光色素であるドーパント材料を採用できる。そして、主に、ドーパント材料を変更することにより、発光層の発光色を規定することができる。
本例では、赤色発光層51は、ホストであるAlq3(アルミキノリノール)中にドーパントすなわち蛍光色素としてDCM1(4−(ジシアノメチレン)−2−メチル―6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン)が1wt%添加された膜からなり、その厚さは40nm程度である。
また、緑色発光層52は、ホストであるAlq3中にドーパントであるキナクリドンが1wt%添加された膜からなり、その厚さは40nm程度である。また、青色発光層53は、ホストであるBAlqにドーパントであるペリレンが1%添加された膜からなり、その厚さは40nm程度である。
そして、各発光層51、52、53に対応して各発光層51〜53の上に分離して形成された電子輸送層60(61〜63)は、通常有機ELパネルに採用可能な電子輸送性材料を採用できる。本例では、各電子輸送層61〜63は、厚さが20nmであるAlq3膜から形成されている。
電子輸送層60の上に形成された陰極70は、通常有機ELパネルに採用可能な陰極材料を採用できる。本例では、陰極70は、電子輸送層60側から、フッ化リチウム(LiF)を0.5nm成膜し、その上にアルミニウム(Al)を90nm成膜した積層膜としている。
このような複数発光層平面配置パネルとしての有機ELパネルS1においては、陽極20と陰極70とが重なり合う領域が、一つの画素として構成されている。そして、両電極20、70間に電圧を印加することにより、当該画素における発光層50が発光するようになっている。
そして、本実施形態では、赤色発光をする画素、緑色発光をする画素、青色発光をする画素が備えられ、各色の画素を適宜、発光、非発光の状態とすることにより、R、G、Bの各色およびこれらの混色による表示すなわち多色表示が可能となっている。
本有機ELパネルS1の製造方法について上記例の構成に基づいて述べる。本実施形態では、各発光色の領域毎に、分離して成膜すべき発光層51〜53および電荷輸送層61〜63を連続して成膜する。
まず、基板10の上に、スパッタ法によりITO膜を形成し、これをフォトリソグラフ技術を用いてパターニングすることにより、陽極20を形成する。その上に、蒸着法により、正孔注入層30として厚さ10nmのCuPc膜を形成し、続いて、正孔輸送層40として厚さ40nmのNPD膜を形成する。
次に、選択的な領域のみに有機膜を成膜可能なマスクを用いて、各発光色の領域毎に、発光層51〜53、電子輸送層61〜63を順次連続して成膜する。具体的には、膜の形成領域に開口部を有するガラスやステンレス等の金属マスクを用いて、蒸着法による成膜を行う。
本実施形態では、各発光色の領域毎に発光層51〜53と電子輸送層61〜63との連続した成膜を行うが、ここでは、発光波長の短い発光色の領域から発光波長の長い発光色の領域の順に成膜していく。つまり、青色発光領域、緑色発光領域、赤色発光領域の順に成膜していく。
具体的な成膜順序は次の通りである。まず、青色発光領域にマスクの開口部が位置するようにマスクと基板とを位置あわせする。そして、蒸着を行い、青色発光領域において、BAlqにペリレンを1%ドープしてなる厚さ40nmの青色発光層53、Alq3からなる厚さ20nmの電子輸送層63を順次成膜する。
次に、マスクの位置を所定量ずらして、緑色発光領域にマスクの開口部が位置するようにマスクと基板とを位置あわせする。そして、蒸着を行い、緑色発光領域において、Alq3にキナクリドンを1%ドープしてなる厚さ40nmの緑色発光層52、Alq3からなる厚さ20nmの電子輸送層62を順次成膜する。
次に、マスクの位置を所定量ずらして、赤色発光領域にマスクの開口部が位置するようにマスクと基板とを位置あわせする。そして、蒸着を行い、赤色発光領域において、Alq3にDCM1を1%ドープしてなる厚さ40nmの赤色発光層51、Alq3からなる厚さ20nmの電子輸送層61を順次成膜する。
こうして、各発光色の領域毎に分離して成膜された発光層50および電子輸送層60を形成した後、マスクを用いた蒸着法により、陰極70として厚さ0.5nmのLiF膜、厚さ90nmのAl膜を順次成膜する。こうして、上記した有機ELパネルS1が製造される。
ところで、上記有機ELパネルS1においては、各発光色の領域毎に、発光層50(51〜53)と電子輸送層60(61〜63)との2層が分離して成膜されていることを特徴とする。それによれば、上記製造方法に示したように、各発光色の領域毎に、発光層と電子輸送層との連続した成膜が可能となる。
そして、当該成膜された発光層50および電子輸送層60においては、電子輸送層60は複数個の発光層51〜53に対応させて複数個に分割されており、各電子輸送層61〜63と各発光層51〜53とが直接に接触している構成となっている。
赤、緑、青の各発光色の領域毎に発光層51〜53と電子輸送層61〜63との連続した成膜を行えば、長波長発光層である赤色発光層51のドーパントが、隣り合う短波長発光層52、53と電子輸送層62、63との間に回り込む余地はなくなる。
すなわち、本例では、赤色発光層51のドーパントであるDCM1が、隣り合う緑色発光層52と電子輸送層62との間および青色発光層53と電子輸送層63との間に回り込む余地はなくなる。
さらに、上記製造方法においては、発光層50および電子輸送層60の分離連続成膜を、発光波長の短い発光色の領域から長い領域へ順に行うようにしている。つまり、青色発光領域、緑色発光領域、赤色発光領域の順に成膜していく。
それによれば、緑および青の短波長発光層52、53の方が赤の長波長発光層51よりも先に正孔輸送層40の上に形成されるため、長波長発光層51のドーパントが、隣り合う短波長発光層52、53と正孔輸送層40との間に回り込む余地はなくなる。
このような成膜順序とすることは、有機ELパネルにおける発光層のホスト材料としては電子輸送性のものが一般的であるという既成事実に鑑みた場合、好ましい手法である。
つまり、発光層50のホストが一般に電子輸送性であるため、発光層50のうち電荷が再結合して発光する領域は、正孔輸送層40との界面近傍部が主となることが多くなる。すなわち、一般に発光層50の主発光領域は、正孔輸送層40との界面近傍部となるものである。
もし、各発光色の領域毎に発光層51〜53と電子輸送層61〜63との連続した成膜を行うにあたって、短波長発光層52、53の成膜前に長波長発光層51の成膜を行う場合、長波長発光層51のドーパントは、隣り合う短波長発光層52、53と電子輸送層62、63との間に回り込む余地はなくなるが、隣り合う短波長発光層52、53の形成予定領域に位置する正孔輸送層40の上面に回り込むことはある。
この場合、当該短波長発光層52、53における主発光領域である正孔輸送層40との界面近傍部に、長波長発光層51のドーパントが存在するため、短波長発光層52、53において混色が生じ、色純度の低下が発生してしまう。
そのため、本実施形態のように、分離して成膜される電荷輸送層が電子輸送層60である場合、長波長発光層51のドーパントの短波長発光層52、53と電子輸送層62、63との間への回り込み防止だけでなく、短波長発光層→長波長発光層の成膜順序を採用することにより、短波長発光層52、53と正孔輸送層40との間への回り込み防止が行われることになり、色純度の低下抑制に有効である。
よって、本実施形態によれば、複数発光層平面配置パネルとしての有機ELパネルS1において、長波長発光層51のドーパントの短波長発光層52、53と電子輸送層62、63との界面への回り込みを防止し、色純度の低下を抑制することができる。そして、混色のないRGBマルチカラー発光パネルが実現できる。
[モデルによる本実施形態の効果の説明]
次に、本実施形態の効果について、2色発光層パネルをモデルとした図を用いて、より具体的に述べておく。図2は比較例の製造方法、図3は本実施形態の製造方法をモデル的に示す図である。
これら図2および図3では、正孔輸送層を符号40、長波長発光層を符号51、短波長発光層を符号52、各発光層51、52に対応して分割された電子輸送層をそれぞれ符号61、62として示している。
また、長波長発光層のドーパントを符号51d、短波長発光層のドーパントを符号52dとして示している。なお、各ドーパント51d、52dは、本来の形成領域からその周囲の他領域へ回り込んだ有機材料の一部であり、実際には、発光層のホストや電子輸送層の材料とともに回り込むものである。
まず、図2に示される比較例では、各発光色の領域毎に、発光層51、52と電子輸送層61、62の2層を、分離して成膜するとともに、分離して成膜すべき発光層51、52および電子輸送層61、62を連続して成膜するようにしている。しかし、この比較例では、短波長発光層52の成膜前に長波長発光層51の成膜を行っている。
そのため、図2(a)に示されるように、長波長発光層51のドーパント51dは、隣り合う短波長発光層52の形成予定領域に位置する正孔輸送層40の上面側に回り込むことになる。
その後、当該隣り合う領域に短波長発光層52、電子輸送層62を連続して成膜すると、図2(b)に示されるように、回り込んだ長波長発光層51のドーパント51dが、隣り合う領域において正孔輸送層40と短波長発光層52との間に介在する。
上述したように、発光層50のホストは一般に電子輸送性であるため、発光層50の主発光領域は、正孔輸送層40との界面近傍部となる。
そのため、長波長発光層51のドーパント51dが、隣り合う領域において正孔輸送層40と短波長発光層52との間に回り込むと、短波長発光層52の発光領域において、短波長のドーパント52dよりも発光しやすい長波長のドーパント51dが発光し、短波長発光層52の色純度の低下を招く。
それに対して、本実施形態の製造方法によれば、発光層51、52および電子輸送層61、62を分離して成膜する際に、発光波長の短い発光色の領域から順に成膜する、すなわち、短波長発光層52の成膜後に長波長発光層51の成膜を行っている。
そのため、図3(a)に示されるように、短波長発光層52のドーパント52dが、隣り合う長波長発光層51の形成予定領域に位置する正孔輸送層40の上面側に回り込むことになる。
その後、当該隣り合う領域に長波長発光層51、電子輸送層61を連続して成膜すると、図3(b)に示されるように、回り込んだ短波長発光層52のドーパント52dが、隣り合う領域において正孔輸送層40と長波長発光層51との間に介在する。
そして、この図3の例では、長波長のドーパント51dよりも発光しにくいしやすい短波長のドーパント52dが、長波長発光層51の主発光領域に存在するだけであるため、短波長発光層52の発光領域において、短波長発光層52の色純度の低下を招くことはない。
以上述べてきたように、本実施形態によれば、基板10上に配置された陽極20、該陽極20上に配置された正孔輸送層40、該正孔輸送層40の上に配置された発光層50、該発光層50の上に配置された電子輸送層60、該電子輸送層60の上に配置された陰極70を包含する有機ELパネルS1において、以下の特徴構成を包含する有機ELパネルS1が提供される。
・発光層50は、互いに異なる波長の発光色を発生させるドーパントが添加された有機材料を含有する複数個の発光層51〜53を包含し、該複数個の発光層51〜53は互いに平面上でかつ隣り合うように配置されてなり、複数個の発光層51〜53は互いに時分割的に基板10上に形成されていること。
・複数個の発光層51〜53における相対的に短波長側の発光色を発生させるドーパントが添加された有機材料を含有する発光層と電子輸送層60との界面には、相対的に長波長側の発光色を発光させるドーパントが添加された有機材料が存在せず、また短波長側の発光色を発生させるドーパントが添加された有機材料を含有する発光層と正孔輸送層40との界面には、相対的に長波長側の発光色を発光させるドーパントが添加された有機材料が存在しないこと。
また、これらの特徴構成に加えて、本実施形態では、電子輸送層60は複数個の発光層51〜53に対応させて複数個に分割されており、各電子輸送層61〜63と各発光層51〜53とが直接に接触している。
さらに、本実施形態では、複数個の発光層51〜53のうち短波長側の発光色を発生する発光層が、長波長側の発光色を発生する発光層に対して時分割的に優先して形成されている。
そして、このような特徴的なパネル構成を有する本実施形態の複数発光層平面配置パネルにおいて、長波長発光層のドーパントの短波長発光層と電荷輸送層(正孔輸送層、電子輸送層)との界面への回り込みを防止し、色純度の低下を抑制することができる。
(第2実施形態)
図4は本発明の第2実施形態に係る複数発光層平面配置パネルとしての有機ELパネルS2の概略断面図である。主として上記実施形態との相違点について述べることとする。
この有機ELパネルS2は、上記実施形態と同様、基板10の上に、陽極20、正孔注入層30、正孔輸送層40、発光層50、電子輸送層60、陰極70が順次積層されてなるとともに、発光層50は、異なる発光色を持つ複数個の発光層51、52、53が平面上に繰り返し配置されてなるものである。
本実施形態は、このような有機ELパネルS2において、各発光色の領域毎に、発光層50(51〜53)と少なくとも正孔輸送層40とを含む2層以上の層を分離して成膜する手法を用いたものである。
本実施形態も、上記同様、発光層50を、赤色発光層51、緑色発光層52、青色発光層53の3色構成とし、R、G、Bという発光色領域の繰り返しとなるように、各色の発光層51、52、53が平面上に繰り返し配置されている。
そして、正孔輸送層40は、各発光色の領域毎に各色発光層51〜53のそれぞれに対応して分離されて成膜されている。ここで、分離された正孔輸送層40については、赤色発光層51、緑色発光層52、青色発光層53に対応する個々の正孔輸送層40を、それぞれ、正孔輸送層41、42、43と符号を区別して示してある。
分離された個々の正孔輸送層41〜43は、上記実施形態と同様であり、本例では厚さ40nmのNPD膜からなる。また、電子輸送層60は各発光色の領域を跨いで連続した膜であり、本例でも厚さ20nmのAlq3膜としている。その他、基板10、陽極20、正孔注入層30、発光層50(51〜53)、陰極70は、上記実施形態の例と同様である。
本有機ELパネルS2の製造方法について上記例の構成に基づいて述べる。本実施形態においては、各発光色の領域毎に、分離して成膜すべき正孔輸送層41〜43および発光層51〜53を連続して成膜する。
まず、上記実施形態と同様、基板10の上に、ITO膜からなる陽極20、厚さ10nmのCuPc膜からなる正孔注入層30を形成する。
次に、選択的な領域のみに有機膜を成膜可能なマスクを用いて、各発光色の領域毎に、正孔輸送層41〜43、発光層51〜53を順次連続して成膜する。具体的には、上記実施形態と同様、膜の形成領域に開口部を有するガラスやステンレス等の金属マスクを用いて、蒸着法による成膜を行う。
本実施形態では、各発光色の領域毎に正孔輸送層41〜43と発光層51〜53との連続した成膜を行うが、ここでは、発光波長の長い発光色の領域から発光波長の短い発光色の領域の順に成膜していく。つまり、赤色発光領域、緑色発光領域、青色発光領域の順に成膜を行っていく。
具体的な成膜順序は次の通りである。まず、赤色発光領域にマスクの開口部が位置するようにマスクと基板とを位置あわせする。そして、蒸着を行い、赤色発光領域において、NPDからなる厚さ40nmの正孔輸送層41、Alq3にDCM1を1%ドープしてなる厚さ40nmの赤色発光層51を順次成膜する。
次に、マスクの位置を所定量ずらして、緑色発光領域にマスクの開口部が位置するようにマスクと基板とを位置あわせする。そして、蒸着を行い、緑色発光領域において、NPDからなる厚さ40nmの正孔輸送層42、Alq3にキナクリドンを1%ドープしてなる厚さ40nmの緑色発光層52を順次成膜する。
次に、マスクの位置を所定量ずらして、青色発光領域にマスクの開口部が位置するようにマスクと基板とを位置あわせする。そして、蒸着を行い、青色発光領域において、NPDからなる厚さ40nmの正孔輸送層43、BAlqにペリレンを1%ドープしてなる厚さ40nmの青色発光層53を順次成膜する。
こうして、各発光色の領域毎に分離して成膜された正孔輸送層40および発光層50を形成した後、電子輸送層60として厚さ20nmのAlq3膜を成膜し、さらにマスクを用いた蒸着法により、陰極70として厚さ0.5nmのLiF膜、厚さ90nmのAl膜を順次成膜する。こうして、上記有機ELパネルS2が製造される。
ところで、上記有機ELパネルS2においては、各発光色の領域毎に、正孔輸送層40(41〜43)と発光層50(51〜53)との2層が分離して成膜されていることを特徴とする。それによれば、上記製造方法に示したように、各発光色の領域毎に、正孔輸送層と発光層との連続した成膜が可能となる。
赤、緑、青の各発光色の領域毎に発光層51〜53と正孔輸送層41〜43との連続した成膜を行えば、長波長発光層である赤色発光層51のドーパントが、隣り合う短波長発光層52、53と正孔輸送層42、43との間に回り込む余地はなくなる。
すなわち、本例では、赤色発光層51のドーパントであるDCM1が、隣り合う緑色発光層52と正孔輸送層42との間および青色発光層53と正孔輸送層43との間に回り込む余地はなくなる。
この場合、短波長発光層である緑色、青色発光層52、53の成膜前に長波長発光層である赤色発光層51の成膜を行うと、長波長発光層51のドーパントは、隣り合う短波長発光層52、53の形成予定領域に位置する陽極20の上面側すなわち本実施形態では正孔注入層30の上面に回り込むことはある。
しかし、その後、当該隣り合う領域に正孔輸送層42、43、短波長発光層52、53が連続して成膜される。そのため、回り込んだ長波長発光層51のドーパントは、隣り合う領域において陽極20と正孔輸送層40との間には介在するが、隣り合う短波長発光層52、53と正孔輸送層42、43との間に介在することはなくなる。
よって、本実施形態によれば、複数発光層平面配置パネルとしての有機ELパネルS2において、長波長発光層51のドーパントの短波長発光層52、53と正孔輸送層42、43との界面への回り込みを防止し、色純度の低下を抑制することができる。そして、混色のないRGBマルチカラー発光パネルが実現できる。
そして、本実施形態の製造方法は、各発光色の領域毎に、発光層51〜53と少なくとも正孔輸送層41〜43とを含む2層以上の層を、分離して成膜するとともに、分離して成膜すべき正孔輸送層41〜43および発光層51〜53を連続して成膜するものであり、それによって、上記した効果を奏する本実施形態の有機ELパネルS2を適切に製造できる。
なお、本実施形態においては、分離して成膜される正孔輸送層41〜43および発光層51〜53の、各発光色領域毎の成膜順序は、短波長発光層から長波長発光層という順でも良いし、その逆であっても良い。
ただし、好ましい形態としては、正孔輸送層41〜43および発光層51〜53を連続して成膜する際に、発光波長の長い発光色の領域から順に成膜するようにする。つまり、上述したRGBマルチカラー発光パネルの例では、赤色発光領域、緑色発光領域、青色発光領域の順に成膜を行っていくことが好ましい。
[モデルによる好ましい形態の説明]
このことについて、2色発光層パネルをモデルとした図を用いて、より具体的に述べておく。図5は本実施形態の製造方法において短波長発光層→長波長発光層の順に成膜を行う例、図6は本実施形態の製造方法において長波長発光層→短波長発光層の順に成膜を行う好ましい例をモデル的に示す図である。
これら図5および図6では、正孔注入層を符号30、長波長発光層を符号51、短波長発光層を符号52、各発光層51、52に対応して分割された正孔輸送層をそれぞれ符号41、42として示している。
また、長波長発光層のドーパントを符号51d、短波長発光層のドーパントを符号52dとして示している。なお、各ドーパント51d、52dは、本来の形成領域からその周囲の他領域へ回り込んだ有機材料の一部であり、実際には、発光層のホストや正孔輸送層の材料とともに回り込むものである。
まず、図5に示される例では、各発光色の領域毎に、正孔輸送層41、42と発光層51、52の2層を、分離して成膜するとともに、分離して成膜すべき正孔輸送層41、42および発光層51、52を連続して成膜するようにしている。この例では、長波長発光層51の成膜前に短波長発光層52の成膜を行っている。
この場合、図5(b)に示されるように、長波長発光層51のドーパント51dは、隣り合う短波長発光層52と正孔輸送層42との間に介在することはなくなる。しかしながら、この場合、長波長発光層51のドーパント51dは、隣り合う短波長発光層52とその上の電子輸送層との間には介在することになる。
上述したように、発光層における主発光領域は、正孔輸送層との界面近傍部であるが、図5の例のように、短波長発光層52における主発光領域ではない電子輸送層との界面近傍部に長波長発光層51のドーパント51dが存在した場合でも、相対的に影響は少ないけれども、多少なりとも色純度の低下は発生することは避けられない。
それに対して、図6に示される本実施形態の好ましい製造方法によれば、正孔輸送層41、42および発光層51、52を分離して連続して成膜する際に、発光波長の長い発光色の領域から順に成膜する。すなわち、長波長発光層51の成膜後に短波長発光層52を成膜を行っている。
この場合、図6(b)に示されるように、長波長のドーパント51dよりも発光しにくいしやすい短波長のドーパント52dが、短波長発光層52における電子輸送層との界面近傍部に存在するだけである。
つまり、図6に示される製造方法によれば、短波長発光層52において電子輸送層との界面近傍部に長波長発光層51のドーパント51dが存在することを回避でき、図5に示される例に比べ、より高いレベルにて色純度の低下を抑制することができる。
以上述べてきたように、本第2実施形態によれば、基板10上に配置された陽極20、該陽極20上に配置された正孔輸送層40、該正孔輸送層40の上に配置された発光層50、該発光層50の上に配置された電子輸送層60、該電子輸送層60の上に配置された陰極70を包含する有機ELパネルS2において、以下の構成を包含する有機ELパネルS2が提供される。
・発光層50は、互いに異なる波長の発光色を発生させるドーパントが添加された有機材料を含有する複数個の発光層51〜53を包含し、該複数個の発光層51〜53は互いに平面上でかつ隣り合うように配置されてなり、複数個の発光層51〜53は互いに時分割的に基板10上に形成されていること。
・複数個の発光層51〜53における相対的に短波長側の発光色を発生させるドーパントが添加された有機材料を含有する発光層と正孔輸送層との界面には、相対的に長波長側の発光色を発光させるドーパントが添加された有機材料が存在しないこと。
また、これらの特徴構成に加えて、本実施形態では、正孔輸送層40は複数個の発光層51〜53の形成の直前に、複数個の発光層51〜53の領域と略同じ領域の正孔輸送層41〜43が、時分割的に基板10上に形成される。
さらに、本実施形態では、正孔輸送層40と陽極20との間にはベタ状の正孔注入層30が配置されている。
さらに、本実施形態では、好ましい形態として、複数個の発光層51〜53のうち長波長側の発光色を発生する発光層が、短波長側の発光色を発生する発光層に対して時分割的に優先して形成されている。
ところで、上記第1および第2の両実施形態では、各発光色の領域毎に、発光層51〜53に対応して分離・成膜される電荷輸送層が、電子輸送層60および正孔輸送層40のどちらか一方であったが、両方の電荷輸送層40、60を分離・成膜しても良い。
この場合、特に図示しないが、電子輸送層は上記図1に示す各電子輸送層61〜63からなり、正孔輸送層は上記図4に示す各正孔輸送層41〜43からなるものにできる。そして、各発光色の領域毎に、正孔輸送層40と発光層50と電子輸送層60との連続した成膜が可能となる。
各発光色の領域毎に正孔輸送層40と発光層50と電子輸送層60との連続した成膜を行えば、長波長発光層50のドーパントが、隣り合う短波長発光層52、53と正孔輸送層42、43との間および当該隣り合う短波長発光層52、53と電子輸送層62、63との間に回り込む余地はなくなる。
そして、この場合の製造方法は、陽極20を形成した後、その上にて、例えば赤色の発光色領域に正孔輸送層41、発光層51、電子輸送層61を順に成膜し、次に、緑色の発光色領域に正孔輸送層42、発光層52、電子輸送層62を順に成膜し、次に、青色の発光色領域に正孔輸送層43、発光層53、電子輸送層63を順に成膜する。
その後、全発光色領域において各電子輸送層61〜63の上に陰極70を成膜することで、有機ELパネルが製造される。
このような有機ELパネルにおいては、長波長発光層51のドーパントが、短波長発光層52、53と正孔輸送層42、43との界面および短波長発光層52、53と電子輸送層62、63との界面へ回り込むのを防止し、色純度の低下を抑制することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態は、各発光色の領域において、分離して成膜される電荷輸送層の成膜マスクの開口サイズを、分離して成膜される発光層の成膜マスクの開口サイズよりも大きいものとした製造方法を提供する。
図7は本第3実施形態に係る複数発光層平面配置パネルとしての有機ELパネルS3の概略断面図である。図7に示す有機ELパネルS3は、上記図4のものを一部変形したものであり、本実施形態の製造方法において、正孔輸送層用の成膜マスクと発光層用の成膜マスクとで、正孔輸送層用の方の開口部を大きくしている。
それによれば、図7に示すように、各発光色の領域において、分離・成膜される発光層51〜53および正孔輸送層41〜43のうち正孔輸送層41〜43の方が大きくなっている。
そして、発光層51〜53が存在しない領域においても、可能な限り正孔輸送層41〜43を存在させることで、上下電極(陽極と陰極)20、70間の膜厚を確保し、短絡を防ぎやすくできる。
このことは、例えば、上記図1に示すように、分離・成膜される電荷輸送層が電子輸送層61〜63である場合にも、同様に適用可能なことは明らかである。
(第4実施形態)
図8は本発明の第4実施形態に係る複数発光層平面配置パネルとしての有機ELパネルS4の概略断面図である。
この有機ELパネルS4は、基板10の上に、陽極20、正孔注入層30、正孔輸送層40、発光層50、電子輸送層60、陰極70が順次積層されてなるとともに、発光層50は、異なる発光色を持つ複数個の発光層51、52、53が平面上に繰り返し配置されてなるものである。
本実施形態では、各発光色の領域毎に分離・成膜されている発光層50(51〜53)のうち、少なくとも一つの発光色の発光層が、当該発光層のホスト材料として、少なくとも1種類以上の正孔輸送性材料を含むものであることを特徴としている。
本実施形態では、発光層50を、赤色発光を行う赤色発光層51、緑色発光を行う緑色発光層52、青色発光を行う青色発光層53の3色構成としている。そして、R(赤)、G(緑)、B(青)という発光色領域の繰り返しとなるように、各色の発光層51、52、53が平面上に繰り返し配置されている。
次に、有機ELパネルS4における各部について、より詳細に述べる。基板10は、ガラスや樹脂等の透明な電気絶縁性を有する基板であり、本例では、ガラス基板を採用している。
基板10の上に形成された陽極20は、インジウム−錫の酸化物(ITO)膜やインジウム−亜鉛の酸化物膜等の透明導電膜からなるものであり、その膜厚は、たとえば100nm〜1μm程度である。本例では、陽極20は、50nm程度の厚さのITO膜からなる。
陽極の上に形成された正孔注入層20は、通常有機ELパネルに採用可能な正孔注入性材料を採用できる。本例では、正孔注入層20は、厚さが10nmである銅フタロシアニン(CuPc)膜から形成されている。
正孔注入層30の上に形成された正孔輸送層40は、通常有機ELパネルに採用可能な正孔輸送性材料を採用できる。本例では、正孔輸送層40は、厚さが40nmであるαーナフチル・フェニル・ベンゼン(NPD)膜から形成されている。
その上の発光層50については、通常有機ELパネルに採用可能な発光層の材料、すなわちホスト材料と蛍光色素であるドーパント材料を採用できる。ここで、ホスト材料は、正孔輸送性材料を含むものである。そして、主に、ドーパント材料を変更することにより、発光層の発光色を規定することができる。
本例では、赤色発光層51は、ホスト材料が電子輸送性材料であるAlq3(アルミキノリノール)と正孔輸送性材料であるNPDとを3:1の比で混合したものであり、このホスト材料に対してドーパントすなわち蛍光色素としてのDCM1が1wt%添加された膜からなる。また、その厚さは40nm程度である。
また、緑色発光層52は、ホスト材料がAlq3とNPDとを3:1の比で混合したものであり、このホスト材料に対してドーパントであるキナクリドンが1wt%添加された膜からなる。その厚さは40nm程度である。
また、青色発光層53は、ホスト材料が電子輸送性材料であるBAlqとNPDとを3:1の比で混合したものであり、このホスト材料に対してドーパントであるペリレンが1%添加された膜からなる。その厚さは40nm程度である。
そして、各発光層51〜53の上に形成された電子輸送層60は、通常有機ELパネルに採用可能な電子輸送性材料を採用できる。本例では、各電子輸送層60は、厚さが20nmであるAlq3膜から形成されている。
電子輸送層60の上に形成された陰極70は、通常有機ELパネルに採用可能な陰極材料を採用できる。本例では、陰極70は、電子輸送層60側から、フッ化リチウム(LiF)を0.5nm成膜し、その上にアルミニウム(Al)を90nm成膜した積層膜としている。
このような複数発光層平面配置パネルとしての有機ELパネルS4においては、陽極20と陰極70とが重なり合う領域が、一つの画素として構成されている。そして、両極20、70間に電圧を印加することにより、当該画素における発光層50が発光するようになっている。
そして、本実施形態では、赤色発光をする画素、緑色発光をする画素、青色発光をする画素が備えられ、各色の画素を適宜、発光、非発光の状態とすることにより、R、G、Bの各色およびこれらの混色による表示すなわち多色表示が可能となっている。
本有機ELパネルS4の製造方法について上記例の構成に基づいて述べる。まず、基板10の上に、スパッタ法によりITO膜を形成し、これをフォトリソグラフ技術を用いてパターニングすることにより、陽極20を形成する。
その上に、蒸着法により、正孔注入層30として厚さ10nmのCuPc膜を形成し、続いて、正孔輸送層40として厚さ40nmのNPD膜を形成する。
次に、選択的な領域のみに有機膜を成膜可能なマスクを用いて、各発光色の領域毎に、発光層51〜53を順次連続して成膜する。具体的には、膜の形成領域に開口部を有するガラスやステンレス等の金属マスクを用いて、蒸着法による成膜を行う。
ここでは、発光波長の短い発光色の領域から発光波長の長い発光色の領域の順に成膜していく。つまり、ここでは、青色発光領域、緑色発光領域、赤色発光領域の順に成膜を行っていく。
具体的な成膜順序は次の通りである。まず、青色発光領域にマスクの開口部が位置するようにマスクと基板とを位置あわせする。そして、蒸着を行い、青色発光領域において、BAlqとNPDとを3:1の比で共蒸着しつつペリレンを1%ドープしてなる厚さ40nmの青色発光層53を成膜する。
次に、マスクの位置を所定量ずらして、緑色発光領域にマスクの開口部が位置するようにマスクと基板とを位置あわせする。そして、蒸着を行い、緑色発光領域において、Alq3とNPDとを3:1の比で共蒸着しつつキナクリドンを1%ドープしてなる厚さ40nmの緑色発光層52を成膜する。
次に、マスクの位置を所定量ずらして、赤色発光領域にマスクの開口部が位置するようにマスクと基板とを位置あわせする。そして、蒸着を行い、赤色発光領域において、Alq3とNPDとを3:1の比で共蒸着しつつDCM1を1%ドープしてなる厚さ40nmの赤色発光層51を成膜する。
こうして、各発光色の領域毎に分離して成膜された発光層50を形成した後、電子輸送層60として厚さ20nmのAlq3膜を蒸着で形成し、その後、マスクを用いた蒸着法により、陰極70として厚さ0.5nmのLiF膜、厚さ90nmのAl膜を順次成膜する。こうして、上記有機ELパネルS4が製造される。
ところで、本実施形態によれば、少なくとも1つの発光層50(51〜53)は、当該発光層のホスト材料として、少なくとも1種類以上の正孔輸送性材料を含むものであることを特徴としている。
従来の一般の有機ELパネルでは、発光層のホストは電子輸送性であるが、本実施形態によれば、発光層51〜53のホストを正孔輸送性材料と電子輸送性材料との両方からなるものにできる。つまり、少なくとも正孔輸送性を有するホストを持った発光層51〜53となる。
そして、本実施形態によれば、先に成膜した発光層のホストである正孔輸送性材料すなわち正孔輸送性ホスト材料が、隣り合う発光層の形成予定領域に位置する正孔輸送層の上面に回り込み、最終的には、隣り合う発光層とその下の正孔輸送層との間に正孔輸送性ホスト材料が介在した形となる。
例えば、上記例では、青色発光層53と緑色発光層52とでは、青色発光層53の方を先に成膜している。
この例について、図9(a)、(b)を参照して述べる。図9は、図8に示される有機ELパネルS4において、青色発光層53、緑色発光層52の順に成膜する工程例をモデル的に示す図である。
この場合、図9(a)に示されるように、先に成膜した青色発光層53のホストであるNPD53hが、隣り合う緑色発光層52の形成予定領域に位置する正孔輸送層40の上面に回り込む。
そして、最終的には、図9(b)に示されるように、緑色発光層52とその下の正孔輸送層40との界面に、正孔輸送性ホスト材料であるNPD53hが存在する。なお、図9(b)において符号52hは、緑色発光層52のホストである。それにより、正孔輸送層40から緑色発光層52へ向かう正孔は、介在する正孔輸送性のNPD53hにより、緑色発光層52へスムーズに運ばれる。
ちなみに、上記図12に示す従来一般の有機ELパネルでは、青色発光層53のホストがAlq3からなり、緑色発光層52と正孔輸送層40との間に電子輸送性のAlq3が回り込んで存在するため、正孔輸送層40から緑色発光層52へ向かう正孔の輸送が阻害される。
それに対して、本実施形態では、正孔輸送層40と発光層51〜53との間に、隣の発光層からのホスト材料が回り込んだとしても、そのホスト材料が正孔輸送性であるため、発光効率の向上がなされる。
このように、本実施形態によれば、複数発光層平面配置パネルとしての有機ELパネルS4において、互いに異なる発光色を持つ隣接発光層51〜53間にて、一方の発光層のホストが他方の発光層と正孔輸送層40との界面へ付着したとしても、発光効率が低下するのを防止することができる。
ちなみに、本実施形態では、各発光層51〜53のホスト材料として正孔輸送性のNPDを含むものにしたことにより、各発光層51〜53のホスト材料として上記例からNPDを除外したものに比べて、13%(2.2cd/A→2.5cd/A)、発光効率を向上させることができた。
なお、本実施形態の変形例として、すべての発光色にて混色を防止する必要がない場合あるいは回り込みの発生しない発光層が存在する場合には、すべての発光色の発光層においてホスト材料に正孔輸送性材料を含ませる必要はない。
例えば、上記例においては、赤色発光層51は最後に成膜するものであるため、赤色発光層51のホスト材料としてはNPDを含まず、Alq3のみからなるものであっても良い。
言い換えれば、発光層51〜53として、正孔輸送性材料を含むホスト材料を有する青色発光層53および緑色発光層52と正孔輸送性材料を含まないホスト材料を有する赤色発光層51とを分離して成膜する場合、正孔輸送性材料を含むホスト材料を有する青色および緑色発光層52、53の方を、正孔輸送性材料を含まないホスト材料を有する赤色発光層51よりも先に成膜することが必要である。
また、本実施形態においても、発光層50を分離して成膜する際に、発光波長の短い発光色の領域から順に成膜していくことが好ましい。
それによれば、各発光色の領域毎に発光層51〜53を分離して成膜する際に、発光波長の短い発光色の領域から順に成膜していくことで、短波長発光層の方が長波長発光層よりも先に正孔輸送層40の上に形成されるため、長波長発光層のドーパントが、隣りの短波長発光層と正孔輸送層との間に回り込む余地はなくなる。
この好ましい製法は、上記実施形態と同様に、有機ELパネルにおける発光層のホスト材料は電子輸送性のものが一般的であるという上述の事実に鑑みたものである。
つまり、発光層のホストが一般に電子輸送性であるため、発光層のうち電荷が再結合して発光する領域は、正孔輸送層との界面近傍部が主となることが多くなる。
そのため、短波長発光層→長波長発光層の成膜順序を採用することにより、短波長発光層と正孔輸送層との間への回り込み防止を行うことは、混色を防止する点で有効である。
なお、可能であるならば、本実施形態において、各発光層51〜53のホスト材料としては、正孔輸送性材料のみからなるものであっても良い。
(第5実施形態)
図10は本発明の第5実施形態に係る複数発光層平面配置パネルとしての有機ELパネルS5の概略断面図である。本実施形態は、上記第4実施形態を変形したものであり、ホールブロック層を付加した構成としたところが相違点である。
つまり、図10に示される本実施形態の有機ELパネルS5は、上記図8に示される有機ELパネルにおいて、複数個の発光層51、52、53に接して形成されている電子輸送層60aの電子輸送性材料のイオン化ポテンシャルが、発光層中の正孔輸送材料のイオン化ポテンシャルよりも0.2eV以上大きいことを特徴とするものである。
具体的に、各発光層51〜53の直上に形成された電子輸送層60aは、正孔をブロックする機能を有した層、すなわちホールブロック層として構成されている。この電子輸送層60aは、青色発光層53のホスト材料であり且つ電子輸送性材料であるBAlqを単独で形成する。その厚さは20nm程度である。
さらに、その上に形成されている電子輸送層60bは、通常有機ELパネルに採用可能な電子輸送性材料を採用できる。本例では、この電子輸送層60bは、厚さが20nmであるAlq3膜から形成されている。
本実施形態によれば、発光層50に接して形成されている電子輸送層60aの電子輸送性材料のイオン化ポテンシャルを、発光層50中の正孔輸送材料のイオン化ポテンシャルよりも0.2eV以上大きいものとすることで、当該電子輸送層60aはホールブロック層として機能する。
上記図8に示される有機ELパネルのように、発光層50のホストを正孔輸送材料を含むものとした場合、その発光層50においては、発光分布の中心が従来の正孔輸送層40側でなく、電子輸送層60側(上部電極側)になる。
これは、当該発光層50において、正孔輸送材料の正孔輸送能力が電子輸送材料の電子輸送能力よりも大きくなるためである。このことは、一般的な材料の関係から明かである。そのため、この影響から、本実施形態のようなホール(正孔)ブロック層60aを設けないと、発光効率が低下し、輝度寿命を短くする。
ここで、上述したように、本実施形態においては、複数個の発光層51、52、53に接して形成されている電子輸送層60aは、発光層50中のホスト材料として用いられている電子輸送性材料と同一の材料のみからなるものにできる。
それによれば、材料の簡素化を図ることができ、製造プロセスが簡単になるなどの利点が生じ、好ましい。
本発明の第1実施形態に係る有機ELパネルの概略断面図である。 上記第1実施形態の効果を説明するための比較例をモデル的に示す図である。 上記第1実施形態に係る製造方法をモデル的に示す図である。 本発明の第2実施形態に係る有機ELパネルの概略断面図である。 上記第2実施形態の製造方法において短波長発光層→長波長発光層の順に成膜を行う例をモデル的に示す図である。 上記第2実施形態の製造方法において長波長発光層→短波長発光層の順に成膜を行う好ましい例をモデル的に示す図である。 本発明の第3実施形態に係る有機ELパネルの概略断面図である。 本発明の第4実施形態に係る有機ELパネルの概略断面図である。 図8に示される有機ELパネルにおいて、青色発光層、緑色発光層の順に成膜する工程例をモデル的に示す図である。 本発明の第5実施形態に係る有機ELパネルの概略断面図である。 従来の2色の異なる発光層を平面に繰り返し配置してなる有機ELパネルの概略断面図である。 3色の異なる発光層を平面に繰り返し配置してなる有機ELパネルの概略断面図である。
符号の説明
20…陽極、30…正孔注入層、40…正孔輸送層、50…発光層、 51…赤色発光層、52…緑色発光層、53…青色発光層、 60…電子輸送層、70…陰極。

Claims (12)

  1. 陽極(20)、正孔輸送層(40)、発光層(50)、電子輸送層(60)、陰極(70)が順次積層されてなるとともに、前記発光層は、異なる発光色を持つ複数個の発光層(51、52、53)が平面上に繰り返し配置されてなるものとした有機ELパネルにおいて、
    各発光色の領域毎に、前記発光層と少なくとも前記正孔輸送層とを含む2層以上の層が、分離して成膜されていることを特徴とする有機ELパネル。
  2. 前記陽極(20)と前記正孔輸送層(40)との間には、正孔注入層(30)が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の有機ELパネル。
  3. 前記複数個の発光層(51、52、53)は、それぞれ赤、緑、青の波長の発光色を発生させるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の有機ELパネル。
  4. 陽極(20)、正孔輸送層(40)、発光層(50)、電子輸送層(60)、陰極(70)を順次積層するとともに、前記発光層は、異なる発光色を持つ複数個の発光層(51、52、53)を平面上に繰り返し配置するようにした有機ELパネルの製造方法において、
    各発光色の領域毎に、前記発光層と少なくとも前記正孔輸送層とを含む2層以上の層を、分離して成膜するとともに、前記分離して成膜すべき前記正孔輸送層および前記発光層を連続して成膜することを特徴とする有機ELパネルの製造方法。
  5. 前記正孔輸送層(40)および前記発光層(51、52、53)を連続して成膜する際に、発光波長の長い発光色の領域から順に成膜していくことを特徴とする請求項4に記載の有機ELパネルの製造方法。
  6. 陽極(20)、正孔輸送層(40)、発光層(50)、電子輸送層(60)、陰極(70)を順次積層するとともに、前記発光層は、異なる発光色を持つ複数個の発光層(51、52、53)を平面上に繰り返し配置するようにした有機ELパネルの製造方法において、
    各発光色の領域毎に、前記発光層と少なくとも前記電子輸送層とを含む2層以上の層を、分離して成膜するとともに、前記分離して成膜すべき前記発光層および前記電子輸送層を連続して成膜するようにし、
    前記発光層および前記電子輸送層を分離して成膜する際に、発光波長の短い発光色の領域から順に成膜していくことを特徴とする有機ELパネルの製造方法。
  7. 前記複数個の発光層(51、52、53)は、それぞれ赤、緑、青の波長の発光色を発生させるものであることを特徴とする請求項6に記載の有機ELパネルの製造方法。
  8. 陽極(20)、正孔輸送層(40)、発光層(50)、電子輸送層(60)、陰極(70)が順次積層されてなるとともに、前記発光層は、異なる発光色を持つ複数個の発光層(51、52、53)が平面上に繰り返し配置されてなる有機ELパネルにおいて、
    少なくとも1つの前記発光層は、当該発光層のホスト材料として、少なくとも1種類以上の正孔輸送性材料を含むものであることを特徴とする有機ELパネル。
  9. 前記複数個の発光層(51、52、53)に接して形成されている前記電子輸送層(60a)の電子輸送性材料のイオン化ポテンシャルが、前記発光層中の正孔輸送材料のイオン化ポテンシャルよりも0.2eV以上大きいことを特徴とする請求項8に記載の有機ELパネル。
  10. 前記複数個の発光層(51、52、53)に接して形成されている前記電子輸送層(60a)は、前記発光層中のホスト材料として用いられている電子輸送性材料と同一の材料のみからなるものであることを特徴とする請求項9に記載の有機ELパネル。
  11. 陽極(20)、正孔輸送層(40)、発光層(50)、電子輸送層(60)、陰極(70)を順次積層するとともに、前記発光層については、異なる発光色を持つ複数個の発光層(51、52、53)を分離して成膜することにより平面上に繰り返し配置するようにした有機ELパネルの製造方法において、
    前記発光層として、正孔輸送性材料を含むホスト材料を有する発光層と正孔輸送性材料を含まないホスト材料を有する発光層とを分離して成膜するようにし、
    前記正孔輸送性材料を含むホスト材料を有する発光層の方を、前記正孔輸送性材料を含まないホスト材料を有する発光層よりも先に成膜することを特徴とする有機ELパネルの製造方法。
  12. 前記発光層(50)を分離して成膜する際に、発光波長の短い発光色の領域から順に成膜していくことを特徴とする請求項11に記載の有機ELパネルの製造方法。
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