JP4032733B2 - 有機el素子 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、陽極と陰極とに有機EL材料からなる異なるピーク波長の発光を行う複数の発光層を含む有機層を挟持してなる有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子に関し、特に、白色発光を行う有機EL素子に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
有機EL素子は自己発光のため、視認性に優れ、かつ数V〜数十Vの低電圧駆動が可能なため駆動回路を含めた軽量化が可能である。そこで、有機EL素子は、薄膜型ディスプレイ、照明、バックライトとしての活用が期待されている。
【0003】
また、有機EL素子は色バリエーションが豊富であることも特徴である。また、複数の発光色を組み合わせる混色によってさまざまな発光が可能となることも特徴である。
【0004】
発光色の中で、特に白色発光のニーズは高い。白色発光は車載ディスプレイの主流であり、またバックライトとしても活用できる。さらに、カラーフィルタを用いて青、緑、赤の画素に分けることが可能である。
【0005】
このような白色発光を行う有機EL素子としては、特開平7−142169号公報に記載のように、短波長発光である青色発光層と長波長発光である赤色発光層との2層を積層することにより、両発光層の混色として白色の発光を得るようにしたものが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような発色の異なる(異なるピーク波長の)2層の発光層を積層したものにおいては、素子の駆動時間すなわち発光時間や印加電圧の変化に伴って、2つの発光層において膜質が変化したり、ホール(正孔)や電子の輸送性の度合が変化する等により、発光中心が移動し、その結果、色度変化を生じやすい。
【0007】
特に、2つの発光層の混色として白色を得る場合、白色は他の色に比べて色度変化に敏感であるため、問題が顕在化する。
【0008】
そこで、本発明は上記問題に鑑み、異なるピーク波長を有する複数の発光層からの混色発光を行うようにした有機EL素子において、駆動時間や電圧変化に伴う色度変化を極力抑制できるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明者は鋭意検討を行い、図11(a)、(b)、(c)に示すような推定メカニズムを考えた。
【0010】
まず、従来の2層の発光層によって混色を得る場合について図11(a)に示す。図11(a)において、二つの発光層AとBが積層されている場合を考える。ここで、一方の発光層Aを青色側である短波長発光層A、他方の発光層Bを赤色側である長波長発光層Bとする。
【0011】
理想的には発光帯域R1にて発光すれば、両発光層A、Bの混色として所望の色度すなわち白色発光が得られる。しかし、駆動時間や電圧変化に伴う発光中心の移動によって、発光帯域も発光帯域R1からR2へと移動する。
【0012】
この発光帯域の移動に伴い、例えば、図11(a)では、短波長発光層Aにおける発光の割合が増加し、長波長発光層Bにおける発光の割合が減少する。すると、理想である白色に対して、青色がかった発色となってしまう。
【0013】
そこで、このような従来の2層発光層の構成に対して発光層の数を増加させることを考えた。例えば、発光層を、図11(b)に示すように3層構成とした場合には、次のような効果が推測される。
【0014】
図11(b)では、発光層を短波長発光層A、長波長発光層B、短波長発光層Aの3層としている。この場合、理想的な白色発光を実現する発光帯域R1から、発光帯域が移動して発光帯域R2となったとしても、図に示すように、短波長発光層と長波長発光層の発光に占める割合は実質的に変化しないため、色度変化もほとんどないと考えられる。
【0015】
また、図11(c)では、発光層を短波長発光層A、長波長発光層B、短波長発光層A、長波長発光層Bの4層としている。この場合も、図に示すように、理想的な白色発光を実現する発光帯域R1から、発光帯域が移動して発光帯域R2となったとしても、短波長発光層と長波長発光層の発光に占める割合は、従来の2層の発光層の場合に比べて変化が小さいため、色度変化も抑制できると考えられる。
【0016】
そして、このような推定メカニズムに基づいて、実際に、短波長発光層と長波長発光層とが交互に3層以上積層された発光層を有する有機EL素子について試作検討を行った結果、従来の2層発光層のものに比べて、大幅に色度変化が抑制されることがわかった。本発明は、上記した実験検討結果に基づいて創出されたものである。
【0017】
すなわち、請求項1に記載の発明では、陽極(20)と陰極(80)とに有機EL材料からなる発光層(51〜56)を含む有機層(90)を挟持してなる有機EL素子において、発光層は、異なるピーク波長の発光を行う発光層(比較的短波長の発光を行う短波長発光層(52、54、56)と比較的長波長の発光を行う長波長発光層(51、53、55)と)が交互に3層以上積層されたものであることを特徴とする。
【0018】
それによれば、従来に比べて、発光中心が移動したときでも、3層以上の発光層の発光分布変化すなわち発光帯域変化に対する色度変化を小さくすることができるため、駆動時間や電圧変化に伴う色度変化を極力抑制することができる。
【0019】
ここで、請求項2に記載の発明では、3層以上の発光層(51〜56)の少なくとも中央部の発光層(52、55)は、正孔と電子の両キャリアをほぼ等しく輸送可能なホスト材料からなることを特徴とする。具体的には、3層の場合は、中央の発光層であり、4層以上の場合は、両側の発光層(51、53)を除く発光層である。
【0020】
中央部の発光層が正孔と電子の両キャリアをほぼ等しく輸送可能なホスト材料を使用することにより、両側の発光層(51、53)はバランス良く発光するとともに、低電圧で駆動可能となる。
【0021】
また、請求項に記載の発明では、発光層(51〜53)の陰極(80)側と電子輸送層(60)との間に、発光層よりもイオン化ポテンシャルエネルギーの絶対値が0.5以上大きい有機材料からなホールブロック層(100)設けられていることを特徴とする。
【0022】
発光層と陰極との間には、通常、陰極からの電子を発光層へ輸送する電子輸送層が存在するが、発光層からのホール(正孔)が電子輸送層まで注入されてしまうと、発光層による発光以外に、電子輸送層が発光してしまい、色度変化を起こしてしまう。
【0023】
その点、本発明によれば、上記のホールブロック層を設けているので、発光層からのホールの電子輸送層への注入を適切に防止でき。そのため、色度変化を抑制するとい効果をより高レベルにて実現でき、好ましい。
【0024】
また、請求項に記載の発明では、3層以上の発光層(51〜56)の発光の混色として白色の発光を行うものであることを特徴とする。
【0025】
本発明は、白色発光有機EL素子を提供するものであり、請求項1請求項の有機EL素子における色度変化の抑制効果は、本発明のような色度変化に敏感な白色発光有機EL素子に適用して好ましい。
【0026】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態において互いに同一の部分には図中、同一符号を付し、説明の簡略化を図ることとする。
【0028】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る有機EL素子S1の概略断面構成を示す図である。
【0029】
この有機EL素子S1は、ガラス等の可視光に対して透明性を有する基板10を備えている。この基板10の一面上には、スパッタ法等にて成膜された透明性を有する導電膜からなる陽極20が形成されている。
【0030】
この陽極20は、インジウム−スズの酸化物(ITO)やインジウム−亜鉛の酸化物の膜からなり、その膜厚は100nm〜1μm程度とすることができる。本例では、陽極20は、膜厚が150nm程度のITO膜からなる。この陽極20の上には、有機EL材料からなる発光層51、52、53を含む有機層90が形成されている。
【0031】
まず、陽極20の上には、真空蒸着法により成膜された膜厚20nmの銅フタロシアニンからなる正孔注入層30が形成されている。正孔注入層30の上には、真空蒸着法により成膜された膜厚40nmのトリフェニルアミン4量体からなる正孔輸送層40が形成されている。
【0032】
この正孔輸送層40の上には、比較的短波長の発光を行う短波長発光層52と比較的長波長の発光を行う長波長発光層51、53とが交互に3層積層された発光層51〜53が形成されている。
【0033】
具体的には、正孔輸送層40の上には、長波長発光層51として、蛍光色素としてのドーパントであるルブレンをホストであるトリフェニルアミン4量体に5wt%添加した膜が、真空蒸着法により膜厚5nmにて形成されている。この長波長発光層51においてはルブレンによる黄色発光が行われる。
【0034】
この長波長発光層51の上には短波長発光層52として、蛍光色素としてのドーパントであるペリレンをホストであるアダマンタン誘導体に1wt%添加した膜が、真空蒸着法により膜厚20nmにて形成されている。この短波長発光層52においてはペリレンによる青色発光が行われる。
【0035】
この短波長発光層52の上には長波長発光層53として、蛍光色素としてのドーパントであるルブレンをホストであるアルミニウムキノレート(Alq3)に5wt%添加された膜が、真空蒸着法により膜厚0.5nmにて形成されている。この長波長発光層53においてはルブレンによる黄色発光が行われる。
【0036】
なお、これら各発光層51、52、53において、ホストであるトリフェニルアミン4量体自身は青色発光が可能な正孔輸送性材料であり、アダマンタン誘導体自身は青色発光が可能な正孔輸送性且つ電子輸送性材料であり、Alq3自身は緑色発光が可能な電子輸送性材料である。
【0037】
正孔と電子の両キャリアをほぼ等しく輸送可能なアダマンタン誘導体をホストとした発光層52を、正孔輸送性発光層51と電子輸送性発光層53との間に設けることにより、正孔輸送性発光層51と電子輸送性発光層53の発光バランスが良くなるとともに低電圧化が図れる。
【0038】
そして、発光層51〜53の上すなわち長波長発光層53の上には、真空蒸着法により成膜された膜厚20nmのAlq3からなる電子輸送層60が形成されている。本例では、これら正孔注入層30、正孔輸送層40、発光層51〜53および電子輸送層60により有機層90が構成されている。
【0039】
さらに、電子輸送層60の上には、膜厚0.5nmのLiF(フッ化リチウム)からなる電子注入層70、膜厚100nmのAl(アルミニウム)からなる陰極80が順次成膜されている。
【0040】
このような有機EL素子S1においては、陽極20と陰極80との間に電界を印加することにより、発光層51〜53にてホール(正孔)と電子とが再結合し、そのときのエネルギーによって各ドーパントが発光する。そして、各発光層51〜53における黄色や青色の混色として白色発光が行われる。
【0041】
ここで、本例の有機EL素子S1におけるエネルギーバンド図を図2に示す。図2において、陽極20としてのITOは、イオン化ポテンシャルエネルギーを示し、電子注入層70としてのLiFおよび陰極80としてのAlは仕事関数を示し、他の有機層90については、図2の上側が電子親和力(以下、Eaという)、下側がイオン化ポテンシャルエネルギー(以下、Ipという)を示している。
【0042】
具体的に、ITOのIpは−5.0eV、銅フタロシアニンのEa、Ipはそれぞれ−3.52eV、−5.17eV、トリフェニルアミン4量体のEa、Ipはそれぞれ−2.40eV、−5.40eV、アダマンタン誘導体のEa、Ipはそれぞれ−2.61eV、−5.73eV、Alq3のEa、Ipはそれぞれ−2.98eV、−5.73eV、LiFおよびAlの仕事関数はそれぞれ−2.9eV、−3.74eVである。
【0043】
また、各発光層51〜53においては、蛍光色素であるドーパントを発光させるために、ドーパントのエネルギーギャップ(IpとEaとの差)がホストのエネルギーギャップと同等以下であること、および、ドーパントの電子親和力がホストの電子親和力よりも大きいことが必須条件となっている。そして、各ドーパントであるルブレンやペリレンは、上記必須条件を満たしていることは勿論である。
【0044】
このような本実施形態の有機EL素子S1においては、発光層51〜53は、短波長発光層52と長波長発光層51、53とが交互に3層積層されたものであることを主たる特徴とする。
【0045】
それによれば、従来に比べて、発光中心が移動したときでも、3層以上の発光層の発光分布変化すなわち発光帯域変化に対する色度変化を小さくすることができるため、駆動時間や電圧変化に伴う色度変化を極力抑制することができる。
【0046】
具体的に、図2に示す本実施形態の例における効果を図3に示す。図3は輝度が初期から相対的に変化していった場合に対する、すなわち相対輝度(%)に対する色度座標(X、Y)におけるX座標の変化(ΔX)、Y座標の変化(ΔY)を示したものである。
【0047】
ここで、相対輝度は素子の駆動時間に伴う輝度の変化や印加電界(駆動電圧)の変化に伴う輝度の変化を表す。また、ΔX、ΔYは、相対輝度が100%すなわち初期の輝度の場合の色度座標の値に対する色度座標の変化分を示している。
【0048】
図3には、比較例として、2層の発光層とした有機EL素子の場合も示しており、後述する第2〜第4実施形態も示している。図3中の比較例1、比較例2の層構造を、その材料構成もあわせて、それぞれ図4(a)、(b)に模式的に示す。
【0049】
すなわち、図4(a)に示す比較例1は、上記図1に示す本第1実施形態の有機EL素子S1において、発光層を長波長発光層51と短波長発光層52との2層としたものであり、図4(b)に示す比較例2は、上記図1に示す本第1実施形態の有機EL素子S1において、発光層を短波長発光層52と長波長発光層53との2層としたものである。
【0050】
図3からわかるように、本第1実施形態の有機EL素子S1は、比較例1、2に代表される従来の2層発光層のものに比べて、輝度劣化すなわち駆動時間や電圧変化に伴う色度変化を大幅に抑制することができている。
【0051】
なお、本実施形態において、長波長発光層にドープする蛍光色素として、ジビニルキノリン系の材料やDCJTB、DCJT等を用いることができる。また、短波長発光層にドープする蛍光色素として、スチリルアミン誘導体やキナクリドン誘導体などを用いることも可能である。
【0052】
要するに、発光層において、蛍光色素としてのドーパントに用いる材料の条件は、ドーパントのエネルギーギャップがホストのエネルギーギャップと同等以下であること、および、ドーパントの電子親和力がホストの電子親和力よりも大きいことを満たしていれば良い。
【0053】
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態に係る有機EL素子S2の概略断面構成を示す図であり、図6は、本有機EL素子S2のエネルギーバンドの一例を示す図である。
【0054】
本第2実施形態は、上記図1に示す有機EL素子において、発光層51〜53の陰極80側に、発光層51〜53よりもイオン化ポテンシャルエネルギーIpの絶対値が0.5以上大きい有機材料からなるホールブロック層100を設けたものである。
【0055】
このホールブロック層100は、長波長発光層53と電子輸送層60との間に形成されており、本例では、真空蒸着法により成膜された膜厚5nmのバクソプロインからなる膜である。このバクソプロイン自身は青色発光が可能な電子輸送性材料であり、このバクソプロインのEa、Ipはそれぞれ−3.0eV、−6.5eVである。
【0056】
上記図3に示すように、図6に示す本第2実施形態の例においても、比較例1、2に代表される従来の2層発光層のものに比べて、輝度劣化すなわち駆動時間や電圧変化に伴う色度変化を大幅に抑制することができている。また、その抑制効果は、上記第1実施形態と同等以上である。
【0057】
これは、バクソプロインのように、発光層よりもIpの絶対値が0.5以上大きい有機材料からなるホールブロック層100を、発光層51〜53と電子輸送層60との間に介在させることで、発光層からホールブロック層100へのホール移動に対するエネルギー障壁が大きくなり、発光層からのホールが電子輸送層60へ注入されることを適切に防止できるためである。
【0058】
それによって、発光層51〜53による発光以外に電子輸送層60が発光して色度変化を起こしてしまうといったことを適切に防止できる。そのため、本第2実施形態では、色度変化を抑制するという上記第1実施形態の効果をより高レベルにて実現しやすくなる。
【0059】
(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態に係る有機EL素子S3の概略断面構成を示す図であり、図8は、本有機EL素子S3のエネルギーバンドの一例を示す図である。
【0060】
本第3実施形態は、上記図1に示す有機EL素子において、電子輸送層61自身を、発光層51〜53よりもイオン化ポテンシャルエネルギーIpの絶対値が0.5以上大きい有機材料からなる層としたものである。本例では、このような電子輸送層61として真空蒸着法により成膜された膜厚20nmの上記バクソプロインからなる層としている。
【0061】
このように、発光層51〜53の陰極80側に、発光層51〜53よりもイオン化ポテンシャルエネルギーIpの絶対値が0.5以上大きい有機材料からなる電子輸送層61を設けた場合にも、発光層からのホールが電子輸送層61へ注入されることを適切に防止でき、上記第2実施形態と同様の効果を実現することができる。
【0062】
具体的に、上記図3に示すように、図8に示す本第3実施形態の例においても、比較例1、2に代表される従来の2層発光層のものに比べて、輝度劣化すなわち駆動時間や電圧変化に伴う色度変化を大幅に抑制することができている。また、その抑制効果は、上記第1実施形態と同等以上である。
【0063】
(第4実施形態)
図9は、本発明の第4実施形態に係る有機EL素子S4の概略断面構成を示す図であり、図10は、本有機EL素子S4のエネルギーバンドの一例を示す図である。
【0064】
上記第1実施形態では、発光層を陽極20側(正孔輸送層40側)から長波長発光層51、短波長発光層52、長波長発光層53の順に積層したものとしたが、本第4実施形態では、発光層を陽極20側(正孔輸送層40側)から短波長発光層54、長波長発光層55、短波長発光層56の順に積層したものである。
【0065】
本例では、本第4実施形態の発光層における短波長発光層54として、蛍光色素としてのドーパントであるペリレンをホストであるトリフェニルアミン4量体に1wt%添加した膜が、真空蒸着法により膜厚10nmにて形成されている。この短波長発光層54においてはペリレンによる青色発光が行われる。
【0066】
この短波長発光層54の上には長波長発光層55として、蛍光色素としてのドーパントであるルブレンをホストであるアダマンタン誘導体に5wt%添加した膜が、真空蒸着法により膜厚10nmにて形成されている。この長波長発光層55においてはルブレンによる黄色発光が行われる。
【0067】
この長波長発光層55の上には短波長発光層56として、蛍光色素としてのドーパントであるペリレンをホストであるバクソプロインに1wt%添加した膜が、真空蒸着法により膜厚10nmにて形成されている。この短波長発光層56においてはペリレンによる青色発光が行われる。
【0068】
なお、この長波長発光層55においては、ホストとしてバクソプロインを用いているが、これは、ペリレンを発光させるために必要なエネルギーギャップがAlq3では不十分であるためである。
【0069】
そして、発光層54〜56の上すなわち短波長発光層56の上には、真空蒸着法により成膜されたAlq3からなる電子輸送層60が、本例では膜厚10nmにて形成されている。さらに、電子輸送層60の上には、上記第1実施形態の例と同様、膜厚0.5nmのLiFからなる電子注入層70、膜厚100nmのAlからなる陰極80が順次成膜されている。
【0070】
このような本第4実施形態の有機EL素子S4においても、各発光層54〜56の混色として白色発光が得られる。そして、本実施形態によっても、従来に比べて、発光中心が移動したときでも、3層以上の発光層の発光分布変化すなわち発光帯域変化に対する色度変化を小さくすることができるため、駆動時間や電圧変化に伴う色度変化を極力抑制することができる。
【0071】
具体的に、上記図3に示すように、図10に示す本第4実施形態の例においても、比較例1、2に代表される従来の2層発光層のものに比べて、輝度劣化すなわち駆動時間や電圧変化に伴う色度変化を大幅に抑制することができている。
【0072】
(他の実施形態)
なお、本発明の発光層は、短波長発光層と長波長発光層とが交互に積層されたものであれば4層以上でも良い。ただし、この場合においても、最も陽極20側の発光層は正孔輸送性発光層とし、最も陰極80側の発光層は電子輸送性発光層とし、該両側の発光層を除く中央部の発光層は、正孔と電子の両キャリアをほぼ等しく輸送可能なホスト材料を使用することが望ましい。
【0073】
また、各発光層は蛍光色素をドーパントとして含まないものでも良い。つまり、上記した各発光層51〜56においてホスト材料だけからなる構成であっても良い。
【0074】
また、本発明は、発光層を、短波長発光層と長波長発光層とが交互に3層以上積層されたものとしたことを主たる特徴とするものであり、この特徴を満足するならば、基板、陽極、発光層、発光層以外の有機層、陰極等として、有機EL素子に用いられているか、用いられる可能性のある材料を適宜採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る有機EL素子の概略断面図である。
【図2】上記第1実施形態における有機EL素子のエネルギーバンド図である。
【図3】各種の有機EL素子における相対輝度の変化に対する色度変化を示す図である。
【図4】本発明の比較例の模式的構造図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る有機EL素子の概略断面図である。
【図6】上記第2実施形態における有機EL素子のエネルギーバンド図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る有機EL素子の概略断面図である。
【図8】上記第3実施形態における有機EL素子のエネルギーバンド図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係る有機EL素子の概略断面図である。
【図10】上記第4実施形態における有機EL素子のエネルギーバンド図である。
【図11】本発明者の推定メカニズムを示す説明図である。
【符号の説明】
20…陽極、51、53、55…長波長発光層、
52、54、56…短波長発光層、61…電子輸送層、80…陰極、
90…有機層、100…ホールブロック層。

Claims (3)

  1. 陽極(20)と陰極(80)との間に有機EL材料からなる発光層(51〜56)および電子輸送層(60)を含む有機層(90)を挟持してなる有機EL素子において、
    前記発光層は、異なるピーク波長の発光を行う発光層(51、52、53、54、55、56)が交互に3層以上積層されたものであり、
    前記発光層(51〜53)の前記陰極(80)側と前記電子輸送層(60)との間に、前記発光層よりもイオン化ポテンシャルエネルギーの絶対値が0.5以上大きい有機材料からなるホールブロック層(100)が設けられていることを特徴とする有機EL素子。
  2. 前記3層以上の発光層(51〜56)の少なくとも両側の発光層(51、53、54、56)を除く中央部の発光層(52、55)は、正孔と電子の両キャリアをほぼ等しく輸送可能なホスト材料からなるものであることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
  3. 前記3層以上の発光層(51〜56)の発光の混色として白色の発光を行うものであることを特徴とする請求項1または2に記載の有機EL素子。
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