JP2004281014A - 半導体集積回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】不良メモリセルに高電圧が印加されることによって欠陥が拡大するのを防止可能な半導体集積回路を提供する。
【解決手段】複数の第1のメモリブロック(MBLK0〜MBLKk)と、第2のメモリブロック(RBLK)と、欠陥を有する第1のメモリブロックに代えて前記第2のメモリブロックを動作させ、欠陥を有する第1のメモリブロックの動作を抑止する論理回路(MDD0〜MDDk,RDD)とを含む不揮発性メモリを有する。各メモリブロックは電気的に消去及び書き込み可能な不揮発性メモリセル(MC)のアレイを有する。夫々のアレイは不揮発性メモリセルのゲート電極が接続されるゲート制御線(WL<0>〜WK<n−1>,ML,…)を単位とする構成が等しくされる。第1の高圧分離方式として、前記ゲート制御線を前記メモリブロック相互間で分離する。
【選択図】 図5
【解決手段】複数の第1のメモリブロック(MBLK0〜MBLKk)と、第2のメモリブロック(RBLK)と、欠陥を有する第1のメモリブロックに代えて前記第2のメモリブロックを動作させ、欠陥を有する第1のメモリブロックの動作を抑止する論理回路(MDD0〜MDDk,RDD)とを含む不揮発性メモリを有する。各メモリブロックは電気的に消去及び書き込み可能な不揮発性メモリセル(MC)のアレイを有する。夫々のアレイは不揮発性メモリセルのゲート電極が接続されるゲート制御線(WL<0>〜WK<n−1>,ML,…)を単位とする構成が等しくされる。第1の高圧分離方式として、前記ゲート制御線を前記メモリブロック相互間で分離する。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気的に消去及び書き込み可能な不揮発性メモリを有する半導体集積回路における欠陥救済技術に関し、例えばフラッシュメモリモジュールをオンチップで備えたマイクロコンピュータに適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のフラッシュメモリモジュールの欠陥救済方式として、ビット線を入れ換えるビット線救済方式がある。ビット線救済を行なった場合には、ワード線を介して不良メモリセルにも高電圧が印加される。この書き換え時の高電圧印加により不良を生ずることがある。すなわち、書き込みおよび消去動作ではワード線に高電圧を印加する。このため、ビット線救済ではメモリセルの入れ替えを行ってもワード線はそのままであるから、欠陥のあったメモリセルにも高電圧が印加される。これにより、システムに組み込まれた後も書き換え動作で欠陥メモリセルに高電圧が印加されることになり、欠陥メモリセルの破壊が進んで、ワード線がドレイン又はソースにショートしてワード線の電位が固定されることもある。結局、このワード線につながる正常メモリセルも動作せず、メモリ全体で致命的な不良を生ずることになる。
【0003】
特許文献1には、フラッシュメモリのワード線救済を行なう技術として、フラッシュメモリにおける通常メモリセルのウェル領域と救済メモリセルのウェル領域とを分離して、消去時のディスターブを避けるようにする記載がある。冗長ブロックの面積を抑えるために「消去ブロック>冗長ブロック」とする。ビット線階層化によりデータディスターブも避けている。
【0004】
特許文献2には、消去時、非選択ワード線にソース/ウェル電圧に近い電圧を印加するワード救済フラッシュメモリについて記載がある。ワード線とソース/ウェル間の電圧差が小さくなるので非選択メモリは消去されず、過消去が起きない。
【0005】
特許文献3には、過剰消去セルを持つワード線(ビット線)を検出し、それらを冗長ワード線(ビット線)に置き換える技術の記載がある。ベリファイ電圧を変えて過消去不良を検出する。過消去による書き換え不良アドレスは電気的に書換え可能なEEPROM等に書き込まれる。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−339488号公報
【特許文献2】
特開平6−103798号公報
【特許文献3】
特開平8−203295号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、消去時の高電圧印加単位が救済単位より大きいため、不良メモリセルのウェル領域に高電圧が印加される。これによって不良メモリセルの欠陥が広がる虞がある。
【0008】
特許文献2に記載の技術は、消去時に非選択のワード線に正の高電圧を印加するから、そのワード線とソース/ウェル領域間の電位差は小さいが、ワード線及びソース/ウェル領域の夫々には高電圧が印加されている。このため、ワード線とフローティングゲートとの間のショート欠陥に対してワード線救済が行なわれているとすると、救済後の消去又は書込みの高電圧印加でワード線とウェル領域がショートして消去に必要なワード線電圧が得られなくなる可能性がある。要するに、不良メモリセルにも高電圧が印加されることにより不良メモリセルを介して欠陥が拡大する虞がある。
【0009】
特許文献3に記載の技術は、ワード救済方式で、不良ワード線を非選択にするのにアドレス比較方式を用いる。しかしながら、消去時にウェル領域に印加される高電圧が消去範囲を超えてメモリセルにも印加されるため、欠陥メモリセルの破壊が進む虞は依然としてある。更に、読み出し時に入力アドレスを救済アドレスと比較し、一致すれば通常メモリマットのワード線を非選択にするから、アドレス比較のための論理遅延、及び通常メモリマットすべてのワード線を非選択にする信号の伝播遅延により、読み出し速度が劣化する。救済メモリマットの選択は、通常メモリマットに比べて配線負荷およびデコード論理が軽いため、一般的に読み出し速度を律速することは無い。
【0010】
本発明の目的は、不良メモリセルに高電圧が印加されることによって欠陥が拡大するのを防止することができる半導体集積回路を提供することにある。
【0011】
本発明の別の目的は、入力アドレスと救済アドレスの比較動作による読み出し動作速度の劣化を防止することができる半導体集積回路を提供することにある。
【0012】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0014】
〔1〕半導体集積回路は、複数の第1のメモリブロックと、第2のメモリブロックと、欠陥を有する第1のメモリブロックに代えて前記第2のメモリブロックを動作させ、欠陥を有する第1のメモリブロックの動作を抑止する論理回路とを含む不揮発性メモリを有する。前記各メモリブロックは電気的に消去及び書き込み可能な不揮発性メモリセルのアレイを有する。前記夫々のアレイは不揮発性メモリセルのゲート電極が接続されるゲート制御線を単位とする構成が等しくされる。第1の高圧分離方式として、前記ゲート制御線を前記メモリブロック相互間で分離する。
【0015】
上記より、前記夫々のアレイはゲート制御線を単位とする構成が等しくされるから、メモリブロック単位でワード線救済が可能である。そして、ゲート制御線は前記メモリブロック相互間で分離されているから、消去及び書き込みに要するゲート制御線への高電圧印加をメモリブロック単位で抑制可能である。したがって、前記論理回路が欠陥を有する第1のメモリブロックの動作を抑止するとき当該第1のメモリブロックのメモリセルに消去及び書き込み用の高電圧が印加される状態を解消若しくは緩和することができる。これにより、高電圧により欠陥部分の破壊が進行する事態を抑制することができる。
【0016】
消去及び書き込み用の高電圧がビット線等にも印加されるメモリセル構造を考慮した第2の高圧分離方式では、更に、前記メモリブロック相互間において、不揮発性メモリセルが形成されるウェル領域の分離、不揮発性メモリセルの一方のデータ電極が接続されメモリブロック単位で階層化された第1のデータ線の分離、及び不揮発性メモリセルの他方のデータ電極が共通接続される第2のデータ線の分離を採用する。
【0017】
前記不揮発性メモリセルは例えばスプリットゲート構造とスタックドゲート構造に大別される。スプリットゲート構造には消去及び書き込みのビット線への高圧印加を要しないものと要するものがあり、それに応じてメモリブロックの第1の高圧分離手段又は第2の高圧分離手段を採用すればよい。
【0018】
スプリットゲート構造の不揮発性メモリセルは、例えば、第1のデータ線(ビット線)と第2のデータ線(ソース線)との間に配置され、前記第2のデータ線に共通接続され情報記憶に用いる第2のMOS型トランジスタ部(Qm)と、第2のMOS型トランジスタ部を選択的に第1のデータ線に導通可能な第1のMOS型トランジスタ部(Qs)とを有する。前記第1のMOS型トランジスタ部のゲート電極は対応する一本のゲート制御線であるワード線(WL)に接続され、前記第2のMOS型トランジスタ部のゲート電極は他のゲート制御線であるメモリゲート制御線(ML)に共通接続される。前記第2のデータ線及びメモリゲート制御線はメモリブロック間で分離される。
【0019】
MOS型のスタックドゲート構造の不揮発性メモリセルは、例えば、階層化された第1のデータ(ビット線)線と第2のデータ線(ソース線)との間に配置され、チャネル上で相互に絶縁されたフローティングゲート電極とコントロールゲート電極を有する。前記コントロールゲート電極は対応するゲート制御線であるワード線に個別接続され、前記第1のデータ線は分離用スイッチを介してメモリブロック間で共通の主データ線に接続される。
【0020】
本発明の具体的な形態として第1の高圧分離方式を採用する場合、前記論理回路は、欠陥を有する第1のメモリブロックにおける前記ワード線、第2のデータ線及びメモリゲート制御線に動作非選択レベルを供給して当該メモリブロックの動作を抑止するのがよい。
【0021】
第2の高圧分離方式を採用する場合、前記論理回路は、欠陥を有する第1のメモリブロックにおける前記ワード線及び第2のデータ線に動作非選択レベルを供給して当該メモリブロックの動作を抑止するのがよい。
【0022】
〔2〕欠陥を有する第1のメモリブロックの動作を抑止する論理回路による抑止動作のオーバーヘッドを少なくするには前記論理回路は、前記第1のメモリブロック毎に、アドレス信号をデコードして動作すべき不揮発性メモリセルの選択を行なうアドレスデコーダ、及び前記第2のメモリブロックで代替する第1のメモリブロックを特定するための救済情報をデコードして前記アドレスデコーダによる不揮発性メモリセルの選択を抑止するか否かを決定する救済デコーダを有し、且つ、前記第2のメモリブロック毎に、前記救済情報とアドレス信号を比較するアドレス比較器、及び前記アドレス比較器による比較結果が一致であるときアドレス信号をデコードして不揮発性メモリセルの選択を行なうアドレスデコーダとを有するのがよい。
【0023】
上記より、救済デコーダのデコード単位を高電圧印加単位に揃えているから、書込み・消去時の高電圧は不良メモリブロックに印可されず、高電圧印加による破壊の進行を防ぐことができる。また、不良ワード線を常に非選択にすることにより、読み出し時に入力アドレスと比較してワード線を非選択にする判定時間を省くことができ、読み出しの高速化を実現できる。メモリ素子の破壊を防ぐことにより信頼性を向上できる。読み出し高速化によりマイクロコンピュータなどの半導体集積回路の動作を高速化することができる。したがって、救済後の不良メモリブロックに高電圧を印可しない機能と、読み出し時に速度劣化を起こさないようにする機能とを同時に実現することができる。
【0024】
前記救済情報の初期的な格納領域には所定のメモリブロックを利用すればよい。前記格納領域から読み出された救済情報を保持するのにラッチ回路を設け、前記救済デコーダ及びアドレス比較器は前記ラッチ回路にラッチされた救済情報を入力すればよい。
【0025】
前記ラッチ回路への救済情報のイニシャルロードはリセット動作の指示に応答して行なえばよい。
【0026】
半導体集積回路はメモリ単体であってもよいが、前記不揮発性メモリをアクセス可能な中央処理装置を有するようなマイクロコンピュータであってもよい。
【0027】
〔3〕半導体集積回路の出荷後における特性劣化を考慮する。各メモリブロックには書き換えによる劣化度合を示す情報を保持する領域を割当てる。前記中央処理装置は、所定のタイミングで前記劣化度合を示す情報を参照することにより当該メモリブロックの劣化の進行状況を判定し、所定の進行状況であるとき前記格納領域の救済情報を書き換えて、劣化の進行した第1のメモリブロックを第2のメモリブロックに置き換え可能とする。前記劣化度合を示す情報は、例えば当該メモリブロックに対する消去回数を示す情報である。
【0028】
半導体集積回路のテスト動作を考慮すると、半導体集積回路のテストモードにおいてテストプログラムがダウンロードされるRAMを有し、前記中央処理装置が前記RAMのテストプログラムを実行する前に、前記格納領域から救済情報を読み出して前記ラッチ回路に転送すればよい。救済処理が施された多数の半導体集積回路を並列的にテスト動作させることができる。上記テストプログラムは不良メモリを検索して救済アドレスを格納するものでも良い。
【0029】
〔4〕本発明の別の観点による半導体集積回路は、複数のワード線とそれぞれのワード線に接続される複数の不揮発性メモリセルとを有するメモリアレイと制御回路とを有する。前記メモリアレイは外部から入力されるアドレス情報に基づきワード線を選択される複数の第1ブロックと、前記第1ブロックに含まれる不揮発性メモリセルのうち少なくとも1に不良がある場合に該第1ブロックのワード線に代えて選択されるワード線を含む第2ブロックとを備える。前記制御回路は選択回路と、不良の不揮発性メモリセルを含む前記第1ブロックと該第1ブロックに代えて選択される第2ブロックの対応情報を有する。前記選択回路は、前記アドレス情報により選択されるワード線が不良の不揮発性メモリセルを含む前記第1ブロックに含まれない場合は該ワード線を選択し、不良のメモリセルを含む前記第1ブロックに含まれる場合は対応する第2ブロックのワード線を選択するよう前記対応情報により構成される。
【0030】
上記半導体集積回路における具体的な態様として、前記複数の第1ブロックと前記第2ブロックはそれぞれウェル領域を分離されており、それぞれのブロックに含まれるワード線の本数は同じである。
【0031】
更に具体的な態様では、前記不揮発性メモリはしきい値電圧を有し、消去動作又は書込動作により前記しきい値電圧を変化される。前記消去動作又は書込動作において、前記アドレス情報により選択される第1ブロックに含まれるワード線若しくは対応する第2ブロックのワード線は、該ワード線の含まれるブロックのウェル領域との間で高電位差となるように該ワード線と該ウェル領域の一方又は両方に電圧が印可される。
【0032】
【発明の実施の形態】
《半導体集積回路》
図1には本発明に係る半導体集積回路の一例であるデータプロセッサ若しくはマイクロプロセッサなどとも称されるシングルチップのマイクロコンピュータが例示される。
【0033】
同図に示されるマイクロコンピュータは、特に制限されないが、公知の半導体集積回路製造技術により、単結晶シリコンのような1個の半導体基板(チップ)に形成される。
【0034】
マイクロコンピュータ1は、中央処理装置(CPUとも記す)2、前記CPU2のワーク領域などに利用されるランダム・アクセス・メモリ(RAMとも記す)3、動作基準クロック信号などを生成するフェーズ・ロックド・ループ回路(PLLとも記す)4、フラッシュメモリモジュール5、ダイレクト・メモリ・アクセス・コントローラ(DMACとも記す)6、タイマ7及び入出力ポート8,9を有する。フラッシュメモリモジュール5は、特に制限されないが、CPU2の動作プログラムもしくはデータを格納する。それら回路は内部バス10で接続される。特に制限されないが、内部バス10及び外部バスに対するバスマスタはCPU2又はDMAC6とされる。マイクロコンピュータ1がシステムに実装された状態ではCPU2がフラッシュメモリモジュール5に対する消去及び書き込みを行なう。デバイステスト又は製造段階では外部の書き込み装置がポート8,9を介して直接フラッシュメモリモジュール5に対する消去及び書き込みを制御可能になっている。マイクロコンピュータ1の外部電源は電源電圧Vddと回路の接地電圧Vssとされる。外部端子XTAL、EXTALには発振子等が接続され、それによって生成される原発振信号はPLL4で分周され、内部基準クロック信号にされる。スタンバイ信号RTBY、リセット信号RES及びモード信号MD等が外部制御信号として入力される。電源投入後、リセット信号RESのローレベル期間にマイクロコンピュータ1の内部が初期化される。リセット信号RESのハイレベルによりリセットが解除されると、CPU2はアドレス0番地のベクタ等によって指定されるプログラム領域のプログラムの実行を開始する。
【0035】
図2にはフラッシュメモリモジュール5のブロックダイアグラムが例示される。フラッシュメモリモジュール5は、多数の不揮発性メモリセルがマトリクス配置されたメモリマット11を有する。不揮発性メモリセルの選択端子はワード線WL等に接続され、不揮発性メモリセルのデータ端子はビット線BLやソース線SLなどに接続される。ビット線BLにはワード線WL単位のデータ書き込みに利用される書き込みラッチ回路12が接続される。列セレクタ回路13はデータの外部入出力単位に従ってビット線の選択を行なう。列セレクタ回路13で選択されたビット線BLからの読み出しデータはセンスアンプ回路14で増幅され、入出力回路15から外部に出力される。外部からの書き込みデータは列セレクタ回路13で選択されたビット線BLを介して書き込みラッチ回路12にラッチされ、ワード線単位で不揮発性メモリセルへの書き込みが行なわれる。消去は例えばワード線の所定複数本単位で行なわれる。電源回路16は書き込み及び消去に必要な高電圧を生成する。制御回路17はクロックCLKに同期して書き込み、消去、及び読み出し動作を制御する。処理の指示は、特に制限されないが、CPU2より内部データバス10Dを介してコマンドで与えられる。制御回路17はそのコマンドを解釈して、各部に動作制御信号を与える。論理回路としてのデコーダ・ドライバ回路18は読み出し、消去又は書き込みの動作に応じてワード線WLなどの選択及び駆動、列セレクタ回路13の選択動作を制御する。それらの選択動作において、どのワード線WLなどを選択するかは内部アドレスバス10Aから供給されるアドレス信号で指示される。尚、アドレスバス10A及びデータバス10Dは前記内部バス10に含まれている。
【0036】
その詳細は後述するが、メモリマット11には冗長メモリブロックが配置され、ブロック単位でワード線救済が可能にされ、そのためのデコード論理がデコーダ・ドライバ回路18の一部として設けられている。制御回路17は救済情報Rdataを保持するラッチ回路19を有する。デコーダ・ドライバ回路18は制御回路17から与えられる救済情報Rdataによって救済されている状態を判定し、救済された部分が有るときは不良部分の動作禁止、不良に対する代替部分の動作許可を制御する。前記救済情報Rdataは、例えばマイクロコンピュータのリセット動作においてメモリマット11の所定記憶領域からレジスタ19にイニシャルロードされればよい。
【0037】
《第1の高圧分離構造》
図3には不揮発性メモリセルの一例としてスプリットゲート構造が例示される。同図に示される不揮発性メモリセルMCは、ソース線(第2のデータ線)SLとビット線(第1のデータ線)BLとの間に配置され、前記ソース線SLに接続されて情報記憶に利用されるメモリトランジスタ部(第2のMOS型トランジスタ部)Qmと、前記メモリトランジスタ部Qmを選択的にビット線BLに導通可能な選択トランジスタ部(第1のMOS型トランジスタ部)Qsとが、p型半導体基板に形成される。即ち、前記p型半導体基板にソース領域及びドレイン領域とされるn+不純物領域21,22が設けられ、その間の領域がチャネル領域とされる。MOSトランジスタにおけるソースとドレインはその導電型もしくは印加電圧に応じて決まる相対的な概念であり、ここでは、読み出し動作において高電位側とされる電極をドレインと称し、その反対側をソースと称する。したがって、図3では21がソース領域、22がドレイン領域である。ソース領域21寄りのチャネル領域上にはゲート絶縁膜を介して電荷トラップ膜例えばシリコン窒化膜23が形成され、その上に酸化膜を介してメモリゲート電極24が形成される。メモリゲート電極24はポリシリコン配線などによって構成され、メモリゲート制御線MLになる。ドレイン領域22寄りのチャネル領域上にはゲート絶縁膜を介してゲート電極25が形成される。ゲート電極25はポリシリコン配線などによって構成され、ワード線WLの一部になる。
【0038】
図4には図3のスプリットゲート構造の不揮発性メモリセルに対する読み出し(リード)、書き込み及び消去の各処理に必要な電圧関係が例示される。書き込みは、ソース領域21からドレイン領域22への電流径路を形成し、ソース領域21からシリコン窒化膜23へのホットキャリア注入によって行なう。書き込み選択のメモリセルに対してメモリゲート制御線MLは高電圧にされ、且つワード線WLは選択レベル(Vdd:電源電圧)にされる。消去はシリコン窒化膜23の電子をメモリゲート電極に引き抜くことによって行なう。
【0039】
図3のスプリットゲート構造はメモリトランジスタ部Qmと選択トランジスタ部Qsが前記n+不純物領域21,22のような不純物領域(例えば不純物拡散領域)によって接続されていない。従って、書き込み処理においてメモリゲート電圧Vmは高電圧にされてもその電圧は選択トランジスタ部Qsのチャネルに伝達されない。したがって、メモリトランジスタ部Qmは高耐圧構造でなければならないが選択トランジスタ部Qsはその必要はなく、論理回路を構成するMOSトランジスタと同様に比較的薄いゲート絶縁膜で済む。このことは、選択トランジスタ部Qsを介して流れる読み出し電流を多くすること、要するに選択トランジスタ部Qsの相互コンダクタンスを大きくし、読み出し動作の高速化に寄与する。そしてワード線WLには高電圧を印加することを要しない。
【0040】
図4において、冗長メモリセルブロックにより置き換えられた救済後の不良メモリセル、及び救済に用いられていない未使用の冗長メモリセルブロックに対しては、「救済後」の欄に示されるように、メモリセルのどこにも高電圧は印加されない。これを実現するメモリマットの構成について次に説明する。
【0041】
図5にはメモリマット11とデコーダ・ドライバ回路18の詳細が例示される。
【0042】
前記メモリマット11は、第1のメモリブロックである通常メモリブロックMBLK0〜MBLKkと第2のメモリブロックである冗長メモリブロックRBLKに分けられる。前記各メモリブロックMBLK0〜MBLKk、RBLKは電気的に消去及び書き込み可能な不揮発性メモリセルMCのアレイを有し、前記夫々のアレイは不揮発性メモリセルMCのゲート電極(ゲート電極25、メモリゲート電極24)が接続されるゲート制御線(ワード線WL、メモリゲート制御線ML)を単位とする構成が等しくされ、前記ゲート制御線は前記メモリブロック相互間で分離される。即ち、代表的に示されたビット線BL0,BL1は各メモリブロックMBLK0〜MBLKk、RBLKに共通化されている。これに対し、例えば、メモリブロックMBLK0にはワード線WL<0>〜WL<n−1>、メモリゲート制御線ML<0>、ソース線SL<0>が割当てられ、メモリブロックMBLKkにはワード線WL<k・n>〜WL<(k+1)・n−1>、メモリゲート制御線ML<k>、ソース線SL<k>が割当てられ、冗長メモリブロックRBLKにはワード線WLr<0>〜WLr<n−1>、メモリゲート制御線MLr、ソース線SLrが割当てられる。
【0043】
デコーダ・ドライバ回路18は、各メモリブロックMBLK0〜MBLKk、RBLK毎にデコーダ・ドライバ論理MDD0〜MDDk、RDDに分けられる。前記デコーダ・ドライバ論理MDD0〜MDDkは、アドレス信号をデコードして動作すべき不揮発性メモリセルの選択を行なうアドレスデコーダADEC0〜ADECkと、前記冗長メモリブロックRBLKで代替するメモリブロックMBLK0〜MBLKkの中から一つを特定するための救済情報Rdataをデコードして前記アドレスデコーダADEC0〜ADECkによる不揮発性メモリセルの選択を抑止するか否かを決定する救済デコーダRDEC0〜RDECkと、ワード線などを個別に駆動するドライバDRVとを有する。ドライバDRVは、ここでは便宜上2入力アンドゲートとして図示され、一方の入力にはアドレスデコーダ(ADEC0〜ADECk)の対応する出力が供給され、他方の入力には対応する救済デコーダ(RDEC0〜RDECk)の出力が共通に入力される。前記デコーダ・ドライバ論理RDDは、前記救済情報Rdataとアドレス信号を比較するアドレス比較器ACMPと、前記アドレス比較器ACMPによる比較結果が一致であるときアドレス信号をデコードして不揮発性メモリセルの選択を行なうアドレスデコーダADECrと、ドライバDRVrを有する。ドライバDRVrは、ここでは便宜上2入力アンドゲートとして図示され、一方の入力にはアドレスデコーダADECrの対応する出力が供給され、他方の入力にはアドレス比較器ACMPの出力が入力される。
【0044】
図6には前記救済デコーダRDEC0〜RDECkの真理値が示される。ここではk=7とした場合を一例とする。救済情報は3ビットであり、8個の前記救済デコーダRDEC0〜RDECkの中から一つを選択する情報とされ、その値に応じて対応する救済デコーダ(RDEC0〜RDECk)の出力がローレベル(論理値“0”)にされる。要するに救済情報Rdataはメモリアクセスアドレス信号の上位3ビットに対応される。前記アドレス比較器ACMPはそのメモリアクセスアドレス信号の上位3ビットと救済情報Rdataとを比較する。
【0045】
これにより、メモリブロックMBLK0〜MBLKkのデコーダ・ドライバ論理MDD0〜MDDkのうち、救済情報Rdataで指定される一つのデコーダドライバ論理は、アクセスアドレス信号による指定とは無関係に、常時対応するワード線、メモリゲート制御線、ソース線を動作非選択の状態にする。即ち図4の「救済後」の欄に記載されるように接地電圧Vss、電源電圧Vdd並びに高出力インピーダンス状態に固定される。動作抑止のためにアクセスアドレス信号を毎回デコードすることは必要とされない。
【0046】
冗長メモリブロックRDDのデコーダ・ドライバ論理RDDは、アクセスアドレス信号の上位3ビットが救済情報Rdataに一致する比較結果を得る事により、動作可能にされる。不一致であれば、冗長デコーダ・ドライバ論理RDDは、ワード線WLr<0>〜WLr<n−1>、メモリゲート制御線MLr、ソース線SLrを動作非選択の状態にする。即ち図4の「救済後」の欄に記載されるように接地電圧Vss、電源電圧Vdd並びに高出力インピーダンス状態に固定する。
【0047】
特に図示はしないが、冗長メモリブロックを用いた救済が行なわれていない場合、図示を省略する救済イネーブル信号がディスエーブルレベルにされることにより、前記救済デコーダRDEC0〜RDECkの出力は論理値“1”(ハイレベル)固定、アドレス比較器ACMPの出力は論理値“0”(ローレベル)固定にされる。
【0048】
図7には図4のスプリットゲート構造のメモリセルに対する書き込みシーケンスのタイミングが例示される。図8には図4のスプリットゲート構造のメモリセルに対する消去シーケンスのタイミングが例示される。図4の「救済後」の欄に示す電圧状態は、図7,図8に示される非選択(書き込み非選択、消去非選択)の状態に等しい状態とされる。
【0049】
このように、前記夫々のメモリブロックはワード線及びメモリゲート制御線を単位とする構成が等しくされるから、メモリブロック単位でワード線救済が可能である。そして、ワード線及びメモリゲート制御線は前記メモリブロック相互間で分離されているから、消去及び書き込みに要する高電圧印加をメモリブロック単位で抑制可能である。したがって、冗長メモリブロックRBLKにより置き換えられた不良のメモリブロック、及び救済に用いられていない未使用の冗長メモリブロックRBLKには、当該メモリブロックのメモリセルに消去及び書き込み用の高電圧が印加される状態を解消することができる。これにより、高電圧により欠陥部分の破壊が進行する事態を抑制することができる。
【0050】
例えば図9に例示されるように、メモリセルMCのコントロールゲート電極25とメモリゲート電極24の間(BRKの位置)がショートしたワード線不良のある一つのメモリブロックが冗長メモリブロックにより救済されているとする。仮に、この欠陥メモリブロックにおいて書き込み時にメモリゲート電極24に10Vの高圧電圧が印加されると、コントロールゲート電極25も高圧になり、コントロールゲート電極25のチャネル側のゲート酸化膜が破壊され、ビット線不良になる。ビット線はメモリブロック間で共通であるから、他のメモリブロックにも欠陥が波及するという意味で致命的な欠陥へと進んでしまう。上記フラッシュメモリモジュール5の場合には不良メモリブロックのワード線及びメモリゲート制御線には高電圧の印加が抑止されるから、そのように欠陥が致命的に拡大することはない。
【0051】
図5の構成では冗長メモリブロックを1個設けた。その個数は図10の2個に例示されるように複数個であってもよい。図10では2個の冗長メモリブロックRBLK0,RBLK1と、2個のデコーダ・ドライバ論理RDD0,RDD1を有する。
【0052】
《第2の高圧分離構造》
図11には不揮発性メモリセルの一例としてスタックドゲート構造が例示される。同図に示される不揮発性メモリセルMCaは、ソース線(第2のデータ線)SLに接続されるソース領域31とビット線(第1のデータ線)BLに接続するドレイン領域32の間にチャネル領域が形成され、このチャネル領域の上に、ゲート絶縁膜を介してフローティングゲート電極33が形成され、その上に酸化膜を介してコントロールゲート電極34が形成される。フローティングゲート電極33はポリシリコン層によって構成される。コントロールゲート電極34はポリシリコン配線などによって構成され、ワード線WLの一部になる。
【0053】
図12には図11のスタックドゲート構造の不揮発性メモリセルMCaに対する読み出し(リード)、ホットキャリア書き込み及び消去の各処理に必要な電圧関係が例示される。書き込みは、ワード線電圧Vgを高圧(10V)とし、ドレイン領域22からフローティングゲート33へのホットキャリア注入によって行なう。消去はワード線電圧Vgを負の高圧(−10V)、ウェル電位Vwを高圧(10V)とし、フローティングゲート33から電子をウェル領域に引き抜くことによって行なう。このようにスタックドゲート構造の場合には前記スプリットゲート構造とは異なり、消去及び書き込み処理では、ワード線WL及びウェル領域に高圧を印加することが必要になる。
【0054】
図13には図11のスタックドゲート構造の不揮発性メモリセルMCaに対する読み出し(リード)、FNトンネル書き込み及び消去の各処理に必要な電圧関係が例示される。書き込みは、ワード線電圧Vgを負の高圧(−10V)とし、ビット線電圧Vdを高圧(10V)として、ドレインからFNトンネルによりフローティングゲート33に電子を注入することによって行なう。消去はワード線電圧Vgを高圧(10V)、ウェル電位Vwを負の高圧(−10V)、ソース電圧Vsを負の高圧(−10V)とし、フローティングゲート33から電子をウェル領域に引き抜くことによって行なう。この場合には消去及び書き込み処理では、ワード線WL、ビット線BL及びウェル領域に高圧を印加することが必要になる。
【0055】
図12及び図13において、冗長メモリブロックにより置き換えられた救済後の不良メモリセル、及び救済に用いられていない未使用の冗長メモリブロックに対しては、その「救済後」の欄に示されるように、メモリセルのどこにも高電圧は印加されない。これを実現するメモリマットの構成について次に説明する。
【0056】
図14には第2の高圧分離構図を実現するメモリマット11とデコーダ・ドライバ回路18の詳細が例示される。
【0057】
前記メモリマット11は、図5と同様に第1のメモリブロックである通常メモリブロックMBLK0〜MBLKkと第2のメモリブロックである冗長メモリブロックRBLKに分けられる。前記各メモリブロックMBLK0〜MBLKk、RBLKは電気的に消去及び書き込み可能な不揮発性メモリセルMCのアレイを有し、前記夫々のアレイは不揮発性メモリセルMCのゲート電極(コントロールゲート電極34)が接続されるゲート制御線(ワード線WL)を単位とする構成が等しくされ、前記ゲート制御線は前記メモリブロック相互間で分離され、更に、前記メモリブロック相互間において、不揮発性メモリセルが形成されるウェル領域の分離、不揮発性メモリセルの一方のデータ電極(ドレイン電極32)が接続されメモリブロック単位で階層化された第1のデータ線(サブビット線)の分離、及び不揮発性メモリセルの他方のデータ電極(ソース電極31)が共通接続される第2のデータ線(ソース線SL)の分離が行なわれている。即ち、代表的に示された主ビット線BL0,BL1は各メモリブロックMBLK0〜MBLKk、RBLKに共通化されている。主ビット線は各メモリブロックMBLK0〜MBLKk、RBLK内で、分離スイッチSWを介してサブビット線BLsに分岐されて、階層化されている。不揮発性メモリセルMCaのドレイン電極は対応するサブビット線BLsに結合する。メモリブロックMBLK0にはサブビット線選択信号線ZL<0>、ワード線WL<0>〜WL<n−1>、ウェル電位制御線WC<0>、ソース線SL<0>が割当てられ、メモリブロックMBLKkにはサブビット線選択信号線ZL<k>、ワード線WL<k・n>〜WL<(k+1)・n−1>、ウェル電位制御線WC<k>、ソース線SL<k>が割当てられ、冗長メモリブロックRBLKにはサブビット線選択信号線ZLr、ワード線WLr<0>〜WLr<n−1>、ウェル電位制御線WCr、ソース線SLrが割当てられる。
【0058】
デコーダ・ドライバ回路18は、各メモリブロックMBLK0〜MBLKk、RBLK毎にデコーダ・ドライバ論理MDD0〜MDDk、RDDに分けられる。前記デコーダ・ドライバ論理MDD0〜MDDkは図5と同様にアドレスデコーダADEC0〜ADECkと、救済デコーダRDEC0〜RDECkと、ドライバDRVとを有する。前記デコーダ・ドライバ論理RDDも図5と同様にアドレス比較器ACMPと、アドレスデコーダADECrと、ドライバDRVrを有する。
【0059】
図14の構成においても、メモリブロックMBLK0〜MBLKkのデコーダ・ドライバ論理MDD0〜MDDkのうち、救済情報Rdataで指定される一つのデコーダドライバ論理は、アクセスアドレス信号による指定とは無関係に、常時対応するサブビット線選択信号線、ワード線、ウェル制御線、及びソース線を動作非選択の状態にする。即ち図12、図13の「救済後」の欄に記載されるように接地電圧Vss又は高出力インピーダンス状態に固定される。動作抑止のためにアクセスアドレス信号をデコードすることは必要とされない。そして、冗長メモリブロックRDDのデコーダ・ドライバ論理RDDは、アクセスアドレス信号の上位3ビットが救済情報Rdataに一致する比較結果を得る事により、動作可能にされる。不一致であれば、冗長デコーダ・ドライバ論理RDDは、対応するサブビット線選択信号線、ワード線、ウェル制御線、及びソース線を動作非選択の状態にする。即ち図12、図13の「救済後」の欄に記載されるように接地電圧Vss又は高出力インピーダンス状態に固定する。
【0060】
尚、冗長メモリブロックを用いた救済が行なわれていない場合、図示を省略する救済イネーブル信号がディスエーブルレベルにされることにより、前記救済デコーダRDEC0〜RDECkの出力は論理値“1”(ハイレベル)固定、アドレス比較器ACMPの出力は論理値“0”(ローレベル)固定にされる。
【0061】
図15には図11のスタックドゲート構造のメモリセルに対する図12の場合の消去シーケンスのタイミングが例示される。図16には図11のスタックドゲート構造のメモリセルに対する図13の場合の消去シーケンスのタイミングが例示される。図12の「救済後」の欄に示す電圧状態は図15に示される非選択(消去非選択)の状態に等しい状態とされる。図13の「救済後」の欄に示す電圧状態は図16に示される非選択(消去非選択)の状態に等しい状態とされる。
【0062】
このように、メモリブロック相互間で、ウェル領域分離、階層化ビット線による分離、ソース線分離を行なう第2の高圧分離方式によっても、メモリブロック単位のワード線救済が可能であり、消去及び書き込みに要する高電圧印加をメモリブロック単位で抑制可能である。したがって、冗長メモリセルブロックRBLKにより置き換えられた不良のメモリブロック、及び救済に用いられていない未使用の冗長メモリセルブロックRBLKには、当該メモリブロックのメモリセルに消去及び書き込み用の高電圧が印加される状態を解消することができる。これにより、高電圧により欠陥部分の破壊が進行する事態を抑制することができる。
【0063】
図17には図14の分離方式を採用していない場合の比較例が示される。図17では冗長ブロックサイズに等しい単位で通常ブロックを置き換える構成とはされていない。したがって、通常ブロックにおいて、冗長ブロックで救済された欠陥メモリセルは、正常なメモリセルに対する書き込み又は消去時に高電圧が印加されることになる。本発明の場合は欠陥ワード線を含む救済対象にされた通常メモリブロックは、常にワード線等が非選択であるため、書込み及び消去時に高電圧は印加されない。
【0064】
また、図17では、通常メモリブックに対する動作選択又は非選択を判定するのに、冗長選択と同じようにアドレス比較を行なわなければならない。このアドレス比較動作は図18のタイミングチャートにおける比較例の欄に記載の如く、アドレス比較に少なからず時間を要し、比較動作を完了して始めて通常メモリブロックをアクセスすべきか冗長メモリブロックをアクセスすべきかが決まり、その後に正規のリード動作を開始することができる。本発明では、不良ワード線は常に非選択であるためアドレス比較期間を省くことができ、読み出しスピードを劣化させることがない。詳しく説明すると、図5、図14のアドレス比較器ACMPは3ビットの救済情報Rdataとアドレス信号の上位3ビットとを比較すればよい。これに対し、図17のアドレス比較器は分離されていない通常メモリブロック全体に対応するビット数のアクセスアドレス信号と救済情報とを比較しなければならない。しかも、出力が伝播される信号配線の寄生容量やゲート入力容量も図17のアドレス比較器の出力側の方がはるかに大きい。これにより、読み出しスピードを劣化させることがない。図5、図14の方がデータの高速読み出しに好都合である。
【0065】
《救済情報の書き込み》
前記救済情報Rdataの初期的な格納領域として、図19に例示されるように、所定のメモリブロックMBLKiを利用すればよい。図19において所定の1本ワード線WLjにゲート電極が接続する複数の不揮発性メモリセルMCbが前記救済情報Rdataの初期的な格納領域40とされる。不揮発性メモリセルMCbのソース線やメモリゲート制御線の図示は省略しているが、他の不揮発性メモリセルと同様である。ワード線WLjの選択は前述のデコーダ・ドライバMDDiの通常動作によっても選択可能であるが、更にリセットに応答して選択可能にされる。即ち、ワード線WLjは論理和ゲート41を介してリセット信号RESのハイレベルで選択可能にされる。
【0066】
図20には救済情報の読み出し動作のフローチャートが示される。リセット信号RESがハイレベル(RES=1)にされると(S1)、マイクロコンピュータ1の内部はリセット処理が開始され、その一つとして、論理和ゲート41を介してワード線WLjが選択され、選択されたワード線WLjのデータがセンスアンプ回路14を介してレジスタ19に内部転送される(S2)。所定期間経過後、リセット信号RESはネゲート(RES=0)される(S3)。
【0067】
図21には格納領域40に救済情報Rdataを初期的に格納する動作のフローチャートが示される。この動作はマイクロコンピュータ1の製造におけるフラッシュメモリモジュール5のテストの一貫として行なわれる。先に、デバイステストによって不良メモリセルが存在するメモリブロックが把握され、それに応ずる救済情報が求められる。救済情報の書き込み処理が指定されると、例えばマイクロコンピュータ1にテストモードが設定され、外部の書き込み装置などによってフラッシュメモリモジュール5に対する消去及び書き込み処理が可能にされる。先ず、フラッシュメモリモジュール5に、前記格納領域40のアドレスが与えられ(S4)、書き込むべき救済情報が与えられる(S5)。次に書き込み用高電圧の印加を指示して前記格納領域40に対する救済情報の書き込み処理を実行させる(S6)。その後、前記格納領域40のデータを読み出し(S7)、読み出しデータに基づいて再書込みデータの演算を行なう(S8)。要するに、書き込み処理により所定の閾値に到達した書き込み対象ビットは論理値“0”、到達していなければそのまま論理値“1”とする演算を行なう。最下位込みデータに基づいて書き込み完了か否かを判定する。再書込みデータが全ビット論理値“0”であれば書き込み完了と判定する。書き込み未完であれば再書込みデータを用いて再度ステップS6から書き込み処理を繰返し、完了であれば書き込み処理を終了する。
【0068】
格納領域40は選択可能であることが望ましい。格納領域が欠陥メモリブロックに含まれないようにするためである。格納領域をどのメモリブロックに割当てたかは例えばヒューズなどを用いて指示すればよい。
【0069】
《並列テスト》
図22にはテスト用ホスト装置に被テストデバイスである複数のマイクロコンピュータ(マイコンとも記す)が並列接続された状態が例示される。マイクロコンピュータ1全体に対する最終的な機能テストを行なう場合にはフラッシュメモリモジュール5に対する救済処理を行なった後であることが望ましい。この場合には救済情報Rdataは既にフラッシュメモリモジュール5に書き込まれている。機能テストにおいて、複数のマイクロコンピュータ1<1>〜1<i>がテスト用ホスト装置45に並列接続される。テストプログラムは各マイクロコンピュータ1<1>〜1<i>のRAM3にダウンロードされる。前記中央処理装置2が前記RAM3のテストプログラムを実行するとき、前記格納領域40から救済情報を読み出して前記ラッチ回路19に転送する。救済処理が施された多数のマイクロコンピュータ1<1>〜1<i>を並列的にテスト動作させることができる。
【0070】
図23には前記並列テストのフローチャートが例示される。先ず、テスト対象のマイクロコンピュータ1<1>〜1<i>をリセットする(S11)。夫々のマイクロコンピュータ1<1>〜1<i>はリセット時に救済情報がレジスタ19にセットされる。夫々のマイクロコンピュータ1<1>〜1<i>のRAM3にテスト用プログラムを転送する(S12)。夫々のマイクロコンピュータ1<1>〜1<i>はRAMのテストプログラムを並列に実行する(S13)。ホスト装置45は夫々のマイクロコンピュータ1<1>〜1<i>からのテスト結果を受取って(S14)、マイクロコンピュータのテスト動作を終了する。
【0071】
このように、各マイコンのリセット期間を利用してレジスタに救済情報をセットすることができるため、多数個のマイコンのテストを同じテストプログラムで並列して同時に行うことができる。
【0072】
また、テストプログラムは欠陥メモリを検索して救済情報Rdataを格納するものであっても良い。夫々のマイクロコンピュータ1<1>〜1<i>毎に欠陥メモリのアドレスは異なっていてもテストプログラムは同じものを使用できるため、並列テストの実行が可能である。このように、各マイコンに救済情報を検索して書き込む場合にも、多数個のマイコンに対し同じテストプログラムで並列して同時に行うことができる。
【0073】
《劣化救済》
図24には劣化救済を行なう場合のメモリアレイの構成が例示される。各メモリブロックには書き換えによる劣化度合を示す情報、例えば消去回数を保持する領域47を割当てる。前記中央処理装置2は、所定のタイミングで前記劣化度合を示す情報を参照することにより当該メモリブロックの劣化の進行状況を判定し、所定の進行状況であるとき前記格納領域40に劣化の進行したメモリブロックを示す救済情報をセットして、劣化の進行した通常メモリブロックを冗長メモリブロックに置き換え可能とする。前記所定のタイミングは、例えばマイクロコンピュータのリセット処理中における所定のタイミングであってよい。この劣化救済が意義を有するのは、未使用の冗長メモリブロックRBLKには高電圧の印加が抑止されているからである。
【0074】
劣化救済が可能であるためには製造不良による欠陥救済の後であっても、未使用の冗長メモリブロックが残っていることである。したがって、マイクロコンピュータ1内部で自動的に劣化救済を行なう場合には、劣化救済に利用可能な冗長メモリブロックが尽きたか否かの情報を所定のメモリブロックに保持し、これも参照して劣化救済を行うか否かを判定することが必要である。
【0075】
図25には劣化救済の別の例を示す。例えば1個の通常メモリブロックMBLKに対してj個の冗長メモリブロックRBLK0〜RBLKjを割当てる。前記救済デコーダRDEC及びアドレス比較器ACMPの代わりに選択デコーダSDECを用いる。選択デコーダSDECは前記救済デコーダRDECと基本的に同じデコード論理を持てばよく、前記救済デコーダRDECが反転出力であるのに対して、非反転出力である点が相違される。選択デコーダSDECには消去回数を計数するカウンタ48の上位側複数ビットが消去回数情報として供給されればよい。これにより、消去回数が所定回数繰返される毎に、カウンタ48の消去回数情報がインクリメントされ、それ毎に、動作が選択されるメモリブロックが順次、通常メモリブロックMBLKを先頭に、冗長メモリブロックRBLKjまで変化可能にされる。これにより、フラッシュメモリモジュール5の書き換え寿命が見掛け上(j+1)倍になる。
【0076】
カウンタ48の値は電源切断時に所定の不揮発性記憶領域に待避される。マイクロコンピュータ1のリセット時に、その不揮発性記憶領域に待避されている回数情報がカウンタ48にプリセットされる。
【0077】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0078】
例えば、スプリットゲート構造は上記に限定されず、メモリトランジスタ部と選択トランジスタ部を双方に共通の拡散領域で行なう形式あってもよい。この場合はビット線階層化構造を採用するか、或はメモリセルの選択トランジスタ部を高耐圧構造にすればよい。また、スプリットゲート構造を有する不揮発性メモリセルのデバイス断面は図4や図9の概略的な断面構造に限定されず適宜変更可能である。また、不揮発性メモリはフラッシュメモリに限定されず高誘電体メモリ等であってもよい。
【0079】
フラッシュメモリは2値に限定されず、4値などの多値情報記憶を行うようにしてもよい。多値情報記憶は、閾値電圧を多段階としたり、キャリア注入位置を左右のソース・ドレイン間で交換する手法等により実現される。
【0080】
本発明はマイクロコンピュータのようなデータ処理用のLSIに限定されず、単体メモリにも適用することができる。
【0081】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0082】
ワード線救済を行なうスプリットゲート型不揮発性メモリにおいて、メモリブロックは高電圧印加単位に揃えられているから、不良のメモリブロックおよび未使用の冗長メモリブロックに消去及び書込みの高電圧は印加されない。
【0083】
ワード線救済を行なうスタックドゲート型フラッシュメモリ等において、ビット線階層化、ウェル分離、ソース分割を行い、救済ブロックはビット線階層、ウェル分離及びソース分割の単位と揃えられるから、不良メモリブロックおよび未使用の冗長メモリブロックに消去及び書込み高電圧は印加されない。
【0084】
したがって、不良メモリセルに高電圧が印加されることによって欠陥が拡大するのを防止することができる。
【0085】
ワード線救済を行なう不揮発性メモリにおいて、不良メモリブロックおよび未使用の冗長メモリブロックに高電圧を印加しないために、予め分かっている救済アドレス(救済情報)をデコードしてワード線を非選択にしておくための救済アドレス用のデコーダ(救済デコーダ)を備える。救済デコーダのデコード単位は高電圧印加単位に揃えておく。これにより、救済デコーダは、あらかじめ分かっている救済アドレスをデコードして不良ワード線を常に非選択にする。救済デコーダのデコード単位を高電圧印加単位に揃えているから、書込み・消去時の高電圧は不良メモリブロックに印可されず、高電圧印加による破壊の進行を防ぐことができる。また、不良ワード線を常に非選択にすることにより、読み出し時に入力アドレスと比較してワード線を非選択にする判定時間を省くことができ、読み出しの高速化を実現できる。メモリ素子の破壊を防ぐことにより信頼性を向上できる。読み出し高速化によりマイクロコンピュータなどの半導体集積回路の動作を高速化することができる。したがって、救済後の不良メモリブロックに高電圧を印可しない機能と、読み出し時に速度劣化を起こさないようにする機能とを同時に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体集積回路の一例であるマイクロコンピュータのブロック図である。
【図2】フラッシュメモリモジュールのブロック図である。
【図3】不揮発性メモリセルの一例であるスプリットゲート構造を例示する概略断面図である。
【図4】図3のスプリットゲート構造の不揮発性メモリセルに対する読み出し、書き込み及び消去の各処理に必要な電圧関係を例示する説明図である。
【図5】第2の高圧分離構図を実現するメモリマットとデコーダ・ドライバ回路の詳細な一例を示す回路図である。
【図6】救済デコーダの真理値を例示する説明図である。
【図7】図4のスプリットゲート構造のメモリセルに対する書き込みシーケンスのタイミングを例示するタイミングチャートである。
【図8】図4のスプリットゲート構造のメモリセルに対する消去シーケンスのタイミングを例示するタイミングチャートである。
【図9】コントロールゲート電極とメモリゲート電極の間がショートしたワード線不良の説明図である。
【図10】図5に対して冗長構成を拡張したときのメモリマットとデコーダ・ドライバ回路の詳細を例示する回路図である。
【図11】不揮発性メモリセルの一例としてスタックドゲート構造を例示する断面図である。
【図12】図11のスタックドゲート構造の不揮発性メモリセルに対する読み出し、ホットキャリア書き込み及び消去の各処理に必要な電圧関係を例示する説明図である。
【図13】図11のスタックドゲート構造の不揮発性メモリセルに対する読み出し、FNトンネル書き込み及び消去の各処理に必要な電圧関係を例示する説明図である。
【図14】第2の高圧分離構図を実現するメモリマットとデコーダ・ドライバ回路の詳細ない一例を示す回路図である。
【図15】図11のスタックドゲート構造のメモリセルに対する図12の場合の消去シーケンスのタイミングを例示するタイミングチャートである。
【図16】図11のスタックドゲート構造のメモリセルに対する図13の場合の消去シーケンスのタイミングを例示するタイミングチャートである。
【図17】図14の分離方式を採用していない比較例に係るメモリマットとデコーダ・ドライバ回路を示す回路図である。
【図18】図14と図17の構成の相違によるデータ読み出し速度の違いを説明するためのタイミングチャートである。
【図19】救済情報の初期的な格納領域とそれを指定するゲート回路の説明図である。
【図20】救済情報の読み出し動作を例示するフローチャートである。
【図21】格納領域に救済情報を初期的に格納する動作のフローチャートである。
【図22】テスト用ホスト装置に被テストデバイスである複数のマイクロコンピュータが並列接続された状態を例示するブロック図である。
【図23】図22による並列テストのフローチャートである。
【図24】劣化救済を行なう場合のメモリアレイの構成を例示するブロック図である。
【図25】別の劣化救済を行なう場合のメモリアレイの構成を例示するブロック図である。
【符号の説明】
1 マイクロコンピュータ
2 CPU
3 RAM
5 フラッシュメモリモジュール
11 メモリマット
14 センスアンプ回路
17 制御回路
18 デコーダ・ドライバ回路
19 レジスタ
Rdata 救済情報
MC スプリットゲート構造の不揮発性メモリセル
Qm メモリトランジスタ部
Qs 選択トランジスタ部
21 ソース領域
22 ドレイン領域
23 シリコン窒化膜
24 メモリゲート電極
25 ゲート電極
SL ソース線
BL ビット線
ML メモリゲート制御線
WL ワード線
MCa スタックドゲート構造の不揮発性メモリセル
31 ソース領域
32 ドレイン領域
33 フローティングゲート電極
34 コントロールゲート電極
MBLK0〜MBLKk 通常メモリブロック
RBLK 冗長メモリブロック
MDD0〜MDDk デコーダ・ドライバ論理
RDEC0〜RDECk 救済デコーダ
ADEC0からADEKk アドレスデコーダ
RDD デコーダ・ドライバ論理
ACMP アドレス比較器
40 救済情報の初期的格納領域
45 テスト用ホスト装置
47 消去回数を保持する領域
48 カウンタ
SDEC 選択デコーダ
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気的に消去及び書き込み可能な不揮発性メモリを有する半導体集積回路における欠陥救済技術に関し、例えばフラッシュメモリモジュールをオンチップで備えたマイクロコンピュータに適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のフラッシュメモリモジュールの欠陥救済方式として、ビット線を入れ換えるビット線救済方式がある。ビット線救済を行なった場合には、ワード線を介して不良メモリセルにも高電圧が印加される。この書き換え時の高電圧印加により不良を生ずることがある。すなわち、書き込みおよび消去動作ではワード線に高電圧を印加する。このため、ビット線救済ではメモリセルの入れ替えを行ってもワード線はそのままであるから、欠陥のあったメモリセルにも高電圧が印加される。これにより、システムに組み込まれた後も書き換え動作で欠陥メモリセルに高電圧が印加されることになり、欠陥メモリセルの破壊が進んで、ワード線がドレイン又はソースにショートしてワード線の電位が固定されることもある。結局、このワード線につながる正常メモリセルも動作せず、メモリ全体で致命的な不良を生ずることになる。
【0003】
特許文献1には、フラッシュメモリのワード線救済を行なう技術として、フラッシュメモリにおける通常メモリセルのウェル領域と救済メモリセルのウェル領域とを分離して、消去時のディスターブを避けるようにする記載がある。冗長ブロックの面積を抑えるために「消去ブロック>冗長ブロック」とする。ビット線階層化によりデータディスターブも避けている。
【0004】
特許文献2には、消去時、非選択ワード線にソース/ウェル電圧に近い電圧を印加するワード救済フラッシュメモリについて記載がある。ワード線とソース/ウェル間の電圧差が小さくなるので非選択メモリは消去されず、過消去が起きない。
【0005】
特許文献3には、過剰消去セルを持つワード線(ビット線)を検出し、それらを冗長ワード線(ビット線)に置き換える技術の記載がある。ベリファイ電圧を変えて過消去不良を検出する。過消去による書き換え不良アドレスは電気的に書換え可能なEEPROM等に書き込まれる。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−339488号公報
【特許文献2】
特開平6−103798号公報
【特許文献3】
特開平8−203295号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、消去時の高電圧印加単位が救済単位より大きいため、不良メモリセルのウェル領域に高電圧が印加される。これによって不良メモリセルの欠陥が広がる虞がある。
【0008】
特許文献2に記載の技術は、消去時に非選択のワード線に正の高電圧を印加するから、そのワード線とソース/ウェル領域間の電位差は小さいが、ワード線及びソース/ウェル領域の夫々には高電圧が印加されている。このため、ワード線とフローティングゲートとの間のショート欠陥に対してワード線救済が行なわれているとすると、救済後の消去又は書込みの高電圧印加でワード線とウェル領域がショートして消去に必要なワード線電圧が得られなくなる可能性がある。要するに、不良メモリセルにも高電圧が印加されることにより不良メモリセルを介して欠陥が拡大する虞がある。
【0009】
特許文献3に記載の技術は、ワード救済方式で、不良ワード線を非選択にするのにアドレス比較方式を用いる。しかしながら、消去時にウェル領域に印加される高電圧が消去範囲を超えてメモリセルにも印加されるため、欠陥メモリセルの破壊が進む虞は依然としてある。更に、読み出し時に入力アドレスを救済アドレスと比較し、一致すれば通常メモリマットのワード線を非選択にするから、アドレス比較のための論理遅延、及び通常メモリマットすべてのワード線を非選択にする信号の伝播遅延により、読み出し速度が劣化する。救済メモリマットの選択は、通常メモリマットに比べて配線負荷およびデコード論理が軽いため、一般的に読み出し速度を律速することは無い。
【0010】
本発明の目的は、不良メモリセルに高電圧が印加されることによって欠陥が拡大するのを防止することができる半導体集積回路を提供することにある。
【0011】
本発明の別の目的は、入力アドレスと救済アドレスの比較動作による読み出し動作速度の劣化を防止することができる半導体集積回路を提供することにある。
【0012】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0014】
〔1〕半導体集積回路は、複数の第1のメモリブロックと、第2のメモリブロックと、欠陥を有する第1のメモリブロックに代えて前記第2のメモリブロックを動作させ、欠陥を有する第1のメモリブロックの動作を抑止する論理回路とを含む不揮発性メモリを有する。前記各メモリブロックは電気的に消去及び書き込み可能な不揮発性メモリセルのアレイを有する。前記夫々のアレイは不揮発性メモリセルのゲート電極が接続されるゲート制御線を単位とする構成が等しくされる。第1の高圧分離方式として、前記ゲート制御線を前記メモリブロック相互間で分離する。
【0015】
上記より、前記夫々のアレイはゲート制御線を単位とする構成が等しくされるから、メモリブロック単位でワード線救済が可能である。そして、ゲート制御線は前記メモリブロック相互間で分離されているから、消去及び書き込みに要するゲート制御線への高電圧印加をメモリブロック単位で抑制可能である。したがって、前記論理回路が欠陥を有する第1のメモリブロックの動作を抑止するとき当該第1のメモリブロックのメモリセルに消去及び書き込み用の高電圧が印加される状態を解消若しくは緩和することができる。これにより、高電圧により欠陥部分の破壊が進行する事態を抑制することができる。
【0016】
消去及び書き込み用の高電圧がビット線等にも印加されるメモリセル構造を考慮した第2の高圧分離方式では、更に、前記メモリブロック相互間において、不揮発性メモリセルが形成されるウェル領域の分離、不揮発性メモリセルの一方のデータ電極が接続されメモリブロック単位で階層化された第1のデータ線の分離、及び不揮発性メモリセルの他方のデータ電極が共通接続される第2のデータ線の分離を採用する。
【0017】
前記不揮発性メモリセルは例えばスプリットゲート構造とスタックドゲート構造に大別される。スプリットゲート構造には消去及び書き込みのビット線への高圧印加を要しないものと要するものがあり、それに応じてメモリブロックの第1の高圧分離手段又は第2の高圧分離手段を採用すればよい。
【0018】
スプリットゲート構造の不揮発性メモリセルは、例えば、第1のデータ線(ビット線)と第2のデータ線(ソース線)との間に配置され、前記第2のデータ線に共通接続され情報記憶に用いる第2のMOS型トランジスタ部(Qm)と、第2のMOS型トランジスタ部を選択的に第1のデータ線に導通可能な第1のMOS型トランジスタ部(Qs)とを有する。前記第1のMOS型トランジスタ部のゲート電極は対応する一本のゲート制御線であるワード線(WL)に接続され、前記第2のMOS型トランジスタ部のゲート電極は他のゲート制御線であるメモリゲート制御線(ML)に共通接続される。前記第2のデータ線及びメモリゲート制御線はメモリブロック間で分離される。
【0019】
MOS型のスタックドゲート構造の不揮発性メモリセルは、例えば、階層化された第1のデータ(ビット線)線と第2のデータ線(ソース線)との間に配置され、チャネル上で相互に絶縁されたフローティングゲート電極とコントロールゲート電極を有する。前記コントロールゲート電極は対応するゲート制御線であるワード線に個別接続され、前記第1のデータ線は分離用スイッチを介してメモリブロック間で共通の主データ線に接続される。
【0020】
本発明の具体的な形態として第1の高圧分離方式を採用する場合、前記論理回路は、欠陥を有する第1のメモリブロックにおける前記ワード線、第2のデータ線及びメモリゲート制御線に動作非選択レベルを供給して当該メモリブロックの動作を抑止するのがよい。
【0021】
第2の高圧分離方式を採用する場合、前記論理回路は、欠陥を有する第1のメモリブロックにおける前記ワード線及び第2のデータ線に動作非選択レベルを供給して当該メモリブロックの動作を抑止するのがよい。
【0022】
〔2〕欠陥を有する第1のメモリブロックの動作を抑止する論理回路による抑止動作のオーバーヘッドを少なくするには前記論理回路は、前記第1のメモリブロック毎に、アドレス信号をデコードして動作すべき不揮発性メモリセルの選択を行なうアドレスデコーダ、及び前記第2のメモリブロックで代替する第1のメモリブロックを特定するための救済情報をデコードして前記アドレスデコーダによる不揮発性メモリセルの選択を抑止するか否かを決定する救済デコーダを有し、且つ、前記第2のメモリブロック毎に、前記救済情報とアドレス信号を比較するアドレス比較器、及び前記アドレス比較器による比較結果が一致であるときアドレス信号をデコードして不揮発性メモリセルの選択を行なうアドレスデコーダとを有するのがよい。
【0023】
上記より、救済デコーダのデコード単位を高電圧印加単位に揃えているから、書込み・消去時の高電圧は不良メモリブロックに印可されず、高電圧印加による破壊の進行を防ぐことができる。また、不良ワード線を常に非選択にすることにより、読み出し時に入力アドレスと比較してワード線を非選択にする判定時間を省くことができ、読み出しの高速化を実現できる。メモリ素子の破壊を防ぐことにより信頼性を向上できる。読み出し高速化によりマイクロコンピュータなどの半導体集積回路の動作を高速化することができる。したがって、救済後の不良メモリブロックに高電圧を印可しない機能と、読み出し時に速度劣化を起こさないようにする機能とを同時に実現することができる。
【0024】
前記救済情報の初期的な格納領域には所定のメモリブロックを利用すればよい。前記格納領域から読み出された救済情報を保持するのにラッチ回路を設け、前記救済デコーダ及びアドレス比較器は前記ラッチ回路にラッチされた救済情報を入力すればよい。
【0025】
前記ラッチ回路への救済情報のイニシャルロードはリセット動作の指示に応答して行なえばよい。
【0026】
半導体集積回路はメモリ単体であってもよいが、前記不揮発性メモリをアクセス可能な中央処理装置を有するようなマイクロコンピュータであってもよい。
【0027】
〔3〕半導体集積回路の出荷後における特性劣化を考慮する。各メモリブロックには書き換えによる劣化度合を示す情報を保持する領域を割当てる。前記中央処理装置は、所定のタイミングで前記劣化度合を示す情報を参照することにより当該メモリブロックの劣化の進行状況を判定し、所定の進行状況であるとき前記格納領域の救済情報を書き換えて、劣化の進行した第1のメモリブロックを第2のメモリブロックに置き換え可能とする。前記劣化度合を示す情報は、例えば当該メモリブロックに対する消去回数を示す情報である。
【0028】
半導体集積回路のテスト動作を考慮すると、半導体集積回路のテストモードにおいてテストプログラムがダウンロードされるRAMを有し、前記中央処理装置が前記RAMのテストプログラムを実行する前に、前記格納領域から救済情報を読み出して前記ラッチ回路に転送すればよい。救済処理が施された多数の半導体集積回路を並列的にテスト動作させることができる。上記テストプログラムは不良メモリを検索して救済アドレスを格納するものでも良い。
【0029】
〔4〕本発明の別の観点による半導体集積回路は、複数のワード線とそれぞれのワード線に接続される複数の不揮発性メモリセルとを有するメモリアレイと制御回路とを有する。前記メモリアレイは外部から入力されるアドレス情報に基づきワード線を選択される複数の第1ブロックと、前記第1ブロックに含まれる不揮発性メモリセルのうち少なくとも1に不良がある場合に該第1ブロックのワード線に代えて選択されるワード線を含む第2ブロックとを備える。前記制御回路は選択回路と、不良の不揮発性メモリセルを含む前記第1ブロックと該第1ブロックに代えて選択される第2ブロックの対応情報を有する。前記選択回路は、前記アドレス情報により選択されるワード線が不良の不揮発性メモリセルを含む前記第1ブロックに含まれない場合は該ワード線を選択し、不良のメモリセルを含む前記第1ブロックに含まれる場合は対応する第2ブロックのワード線を選択するよう前記対応情報により構成される。
【0030】
上記半導体集積回路における具体的な態様として、前記複数の第1ブロックと前記第2ブロックはそれぞれウェル領域を分離されており、それぞれのブロックに含まれるワード線の本数は同じである。
【0031】
更に具体的な態様では、前記不揮発性メモリはしきい値電圧を有し、消去動作又は書込動作により前記しきい値電圧を変化される。前記消去動作又は書込動作において、前記アドレス情報により選択される第1ブロックに含まれるワード線若しくは対応する第2ブロックのワード線は、該ワード線の含まれるブロックのウェル領域との間で高電位差となるように該ワード線と該ウェル領域の一方又は両方に電圧が印可される。
【0032】
【発明の実施の形態】
《半導体集積回路》
図1には本発明に係る半導体集積回路の一例であるデータプロセッサ若しくはマイクロプロセッサなどとも称されるシングルチップのマイクロコンピュータが例示される。
【0033】
同図に示されるマイクロコンピュータは、特に制限されないが、公知の半導体集積回路製造技術により、単結晶シリコンのような1個の半導体基板(チップ)に形成される。
【0034】
マイクロコンピュータ1は、中央処理装置(CPUとも記す)2、前記CPU2のワーク領域などに利用されるランダム・アクセス・メモリ(RAMとも記す)3、動作基準クロック信号などを生成するフェーズ・ロックド・ループ回路(PLLとも記す)4、フラッシュメモリモジュール5、ダイレクト・メモリ・アクセス・コントローラ(DMACとも記す)6、タイマ7及び入出力ポート8,9を有する。フラッシュメモリモジュール5は、特に制限されないが、CPU2の動作プログラムもしくはデータを格納する。それら回路は内部バス10で接続される。特に制限されないが、内部バス10及び外部バスに対するバスマスタはCPU2又はDMAC6とされる。マイクロコンピュータ1がシステムに実装された状態ではCPU2がフラッシュメモリモジュール5に対する消去及び書き込みを行なう。デバイステスト又は製造段階では外部の書き込み装置がポート8,9を介して直接フラッシュメモリモジュール5に対する消去及び書き込みを制御可能になっている。マイクロコンピュータ1の外部電源は電源電圧Vddと回路の接地電圧Vssとされる。外部端子XTAL、EXTALには発振子等が接続され、それによって生成される原発振信号はPLL4で分周され、内部基準クロック信号にされる。スタンバイ信号RTBY、リセット信号RES及びモード信号MD等が外部制御信号として入力される。電源投入後、リセット信号RESのローレベル期間にマイクロコンピュータ1の内部が初期化される。リセット信号RESのハイレベルによりリセットが解除されると、CPU2はアドレス0番地のベクタ等によって指定されるプログラム領域のプログラムの実行を開始する。
【0035】
図2にはフラッシュメモリモジュール5のブロックダイアグラムが例示される。フラッシュメモリモジュール5は、多数の不揮発性メモリセルがマトリクス配置されたメモリマット11を有する。不揮発性メモリセルの選択端子はワード線WL等に接続され、不揮発性メモリセルのデータ端子はビット線BLやソース線SLなどに接続される。ビット線BLにはワード線WL単位のデータ書き込みに利用される書き込みラッチ回路12が接続される。列セレクタ回路13はデータの外部入出力単位に従ってビット線の選択を行なう。列セレクタ回路13で選択されたビット線BLからの読み出しデータはセンスアンプ回路14で増幅され、入出力回路15から外部に出力される。外部からの書き込みデータは列セレクタ回路13で選択されたビット線BLを介して書き込みラッチ回路12にラッチされ、ワード線単位で不揮発性メモリセルへの書き込みが行なわれる。消去は例えばワード線の所定複数本単位で行なわれる。電源回路16は書き込み及び消去に必要な高電圧を生成する。制御回路17はクロックCLKに同期して書き込み、消去、及び読み出し動作を制御する。処理の指示は、特に制限されないが、CPU2より内部データバス10Dを介してコマンドで与えられる。制御回路17はそのコマンドを解釈して、各部に動作制御信号を与える。論理回路としてのデコーダ・ドライバ回路18は読み出し、消去又は書き込みの動作に応じてワード線WLなどの選択及び駆動、列セレクタ回路13の選択動作を制御する。それらの選択動作において、どのワード線WLなどを選択するかは内部アドレスバス10Aから供給されるアドレス信号で指示される。尚、アドレスバス10A及びデータバス10Dは前記内部バス10に含まれている。
【0036】
その詳細は後述するが、メモリマット11には冗長メモリブロックが配置され、ブロック単位でワード線救済が可能にされ、そのためのデコード論理がデコーダ・ドライバ回路18の一部として設けられている。制御回路17は救済情報Rdataを保持するラッチ回路19を有する。デコーダ・ドライバ回路18は制御回路17から与えられる救済情報Rdataによって救済されている状態を判定し、救済された部分が有るときは不良部分の動作禁止、不良に対する代替部分の動作許可を制御する。前記救済情報Rdataは、例えばマイクロコンピュータのリセット動作においてメモリマット11の所定記憶領域からレジスタ19にイニシャルロードされればよい。
【0037】
《第1の高圧分離構造》
図3には不揮発性メモリセルの一例としてスプリットゲート構造が例示される。同図に示される不揮発性メモリセルMCは、ソース線(第2のデータ線)SLとビット線(第1のデータ線)BLとの間に配置され、前記ソース線SLに接続されて情報記憶に利用されるメモリトランジスタ部(第2のMOS型トランジスタ部)Qmと、前記メモリトランジスタ部Qmを選択的にビット線BLに導通可能な選択トランジスタ部(第1のMOS型トランジスタ部)Qsとが、p型半導体基板に形成される。即ち、前記p型半導体基板にソース領域及びドレイン領域とされるn+不純物領域21,22が設けられ、その間の領域がチャネル領域とされる。MOSトランジスタにおけるソースとドレインはその導電型もしくは印加電圧に応じて決まる相対的な概念であり、ここでは、読み出し動作において高電位側とされる電極をドレインと称し、その反対側をソースと称する。したがって、図3では21がソース領域、22がドレイン領域である。ソース領域21寄りのチャネル領域上にはゲート絶縁膜を介して電荷トラップ膜例えばシリコン窒化膜23が形成され、その上に酸化膜を介してメモリゲート電極24が形成される。メモリゲート電極24はポリシリコン配線などによって構成され、メモリゲート制御線MLになる。ドレイン領域22寄りのチャネル領域上にはゲート絶縁膜を介してゲート電極25が形成される。ゲート電極25はポリシリコン配線などによって構成され、ワード線WLの一部になる。
【0038】
図4には図3のスプリットゲート構造の不揮発性メモリセルに対する読み出し(リード)、書き込み及び消去の各処理に必要な電圧関係が例示される。書き込みは、ソース領域21からドレイン領域22への電流径路を形成し、ソース領域21からシリコン窒化膜23へのホットキャリア注入によって行なう。書き込み選択のメモリセルに対してメモリゲート制御線MLは高電圧にされ、且つワード線WLは選択レベル(Vdd:電源電圧)にされる。消去はシリコン窒化膜23の電子をメモリゲート電極に引き抜くことによって行なう。
【0039】
図3のスプリットゲート構造はメモリトランジスタ部Qmと選択トランジスタ部Qsが前記n+不純物領域21,22のような不純物領域(例えば不純物拡散領域)によって接続されていない。従って、書き込み処理においてメモリゲート電圧Vmは高電圧にされてもその電圧は選択トランジスタ部Qsのチャネルに伝達されない。したがって、メモリトランジスタ部Qmは高耐圧構造でなければならないが選択トランジスタ部Qsはその必要はなく、論理回路を構成するMOSトランジスタと同様に比較的薄いゲート絶縁膜で済む。このことは、選択トランジスタ部Qsを介して流れる読み出し電流を多くすること、要するに選択トランジスタ部Qsの相互コンダクタンスを大きくし、読み出し動作の高速化に寄与する。そしてワード線WLには高電圧を印加することを要しない。
【0040】
図4において、冗長メモリセルブロックにより置き換えられた救済後の不良メモリセル、及び救済に用いられていない未使用の冗長メモリセルブロックに対しては、「救済後」の欄に示されるように、メモリセルのどこにも高電圧は印加されない。これを実現するメモリマットの構成について次に説明する。
【0041】
図5にはメモリマット11とデコーダ・ドライバ回路18の詳細が例示される。
【0042】
前記メモリマット11は、第1のメモリブロックである通常メモリブロックMBLK0〜MBLKkと第2のメモリブロックである冗長メモリブロックRBLKに分けられる。前記各メモリブロックMBLK0〜MBLKk、RBLKは電気的に消去及び書き込み可能な不揮発性メモリセルMCのアレイを有し、前記夫々のアレイは不揮発性メモリセルMCのゲート電極(ゲート電極25、メモリゲート電極24)が接続されるゲート制御線(ワード線WL、メモリゲート制御線ML)を単位とする構成が等しくされ、前記ゲート制御線は前記メモリブロック相互間で分離される。即ち、代表的に示されたビット線BL0,BL1は各メモリブロックMBLK0〜MBLKk、RBLKに共通化されている。これに対し、例えば、メモリブロックMBLK0にはワード線WL<0>〜WL<n−1>、メモリゲート制御線ML<0>、ソース線SL<0>が割当てられ、メモリブロックMBLKkにはワード線WL<k・n>〜WL<(k+1)・n−1>、メモリゲート制御線ML<k>、ソース線SL<k>が割当てられ、冗長メモリブロックRBLKにはワード線WLr<0>〜WLr<n−1>、メモリゲート制御線MLr、ソース線SLrが割当てられる。
【0043】
デコーダ・ドライバ回路18は、各メモリブロックMBLK0〜MBLKk、RBLK毎にデコーダ・ドライバ論理MDD0〜MDDk、RDDに分けられる。前記デコーダ・ドライバ論理MDD0〜MDDkは、アドレス信号をデコードして動作すべき不揮発性メモリセルの選択を行なうアドレスデコーダADEC0〜ADECkと、前記冗長メモリブロックRBLKで代替するメモリブロックMBLK0〜MBLKkの中から一つを特定するための救済情報Rdataをデコードして前記アドレスデコーダADEC0〜ADECkによる不揮発性メモリセルの選択を抑止するか否かを決定する救済デコーダRDEC0〜RDECkと、ワード線などを個別に駆動するドライバDRVとを有する。ドライバDRVは、ここでは便宜上2入力アンドゲートとして図示され、一方の入力にはアドレスデコーダ(ADEC0〜ADECk)の対応する出力が供給され、他方の入力には対応する救済デコーダ(RDEC0〜RDECk)の出力が共通に入力される。前記デコーダ・ドライバ論理RDDは、前記救済情報Rdataとアドレス信号を比較するアドレス比較器ACMPと、前記アドレス比較器ACMPによる比較結果が一致であるときアドレス信号をデコードして不揮発性メモリセルの選択を行なうアドレスデコーダADECrと、ドライバDRVrを有する。ドライバDRVrは、ここでは便宜上2入力アンドゲートとして図示され、一方の入力にはアドレスデコーダADECrの対応する出力が供給され、他方の入力にはアドレス比較器ACMPの出力が入力される。
【0044】
図6には前記救済デコーダRDEC0〜RDECkの真理値が示される。ここではk=7とした場合を一例とする。救済情報は3ビットであり、8個の前記救済デコーダRDEC0〜RDECkの中から一つを選択する情報とされ、その値に応じて対応する救済デコーダ(RDEC0〜RDECk)の出力がローレベル(論理値“0”)にされる。要するに救済情報Rdataはメモリアクセスアドレス信号の上位3ビットに対応される。前記アドレス比較器ACMPはそのメモリアクセスアドレス信号の上位3ビットと救済情報Rdataとを比較する。
【0045】
これにより、メモリブロックMBLK0〜MBLKkのデコーダ・ドライバ論理MDD0〜MDDkのうち、救済情報Rdataで指定される一つのデコーダドライバ論理は、アクセスアドレス信号による指定とは無関係に、常時対応するワード線、メモリゲート制御線、ソース線を動作非選択の状態にする。即ち図4の「救済後」の欄に記載されるように接地電圧Vss、電源電圧Vdd並びに高出力インピーダンス状態に固定される。動作抑止のためにアクセスアドレス信号を毎回デコードすることは必要とされない。
【0046】
冗長メモリブロックRDDのデコーダ・ドライバ論理RDDは、アクセスアドレス信号の上位3ビットが救済情報Rdataに一致する比較結果を得る事により、動作可能にされる。不一致であれば、冗長デコーダ・ドライバ論理RDDは、ワード線WLr<0>〜WLr<n−1>、メモリゲート制御線MLr、ソース線SLrを動作非選択の状態にする。即ち図4の「救済後」の欄に記載されるように接地電圧Vss、電源電圧Vdd並びに高出力インピーダンス状態に固定する。
【0047】
特に図示はしないが、冗長メモリブロックを用いた救済が行なわれていない場合、図示を省略する救済イネーブル信号がディスエーブルレベルにされることにより、前記救済デコーダRDEC0〜RDECkの出力は論理値“1”(ハイレベル)固定、アドレス比較器ACMPの出力は論理値“0”(ローレベル)固定にされる。
【0048】
図7には図4のスプリットゲート構造のメモリセルに対する書き込みシーケンスのタイミングが例示される。図8には図4のスプリットゲート構造のメモリセルに対する消去シーケンスのタイミングが例示される。図4の「救済後」の欄に示す電圧状態は、図7,図8に示される非選択(書き込み非選択、消去非選択)の状態に等しい状態とされる。
【0049】
このように、前記夫々のメモリブロックはワード線及びメモリゲート制御線を単位とする構成が等しくされるから、メモリブロック単位でワード線救済が可能である。そして、ワード線及びメモリゲート制御線は前記メモリブロック相互間で分離されているから、消去及び書き込みに要する高電圧印加をメモリブロック単位で抑制可能である。したがって、冗長メモリブロックRBLKにより置き換えられた不良のメモリブロック、及び救済に用いられていない未使用の冗長メモリブロックRBLKには、当該メモリブロックのメモリセルに消去及び書き込み用の高電圧が印加される状態を解消することができる。これにより、高電圧により欠陥部分の破壊が進行する事態を抑制することができる。
【0050】
例えば図9に例示されるように、メモリセルMCのコントロールゲート電極25とメモリゲート電極24の間(BRKの位置)がショートしたワード線不良のある一つのメモリブロックが冗長メモリブロックにより救済されているとする。仮に、この欠陥メモリブロックにおいて書き込み時にメモリゲート電極24に10Vの高圧電圧が印加されると、コントロールゲート電極25も高圧になり、コントロールゲート電極25のチャネル側のゲート酸化膜が破壊され、ビット線不良になる。ビット線はメモリブロック間で共通であるから、他のメモリブロックにも欠陥が波及するという意味で致命的な欠陥へと進んでしまう。上記フラッシュメモリモジュール5の場合には不良メモリブロックのワード線及びメモリゲート制御線には高電圧の印加が抑止されるから、そのように欠陥が致命的に拡大することはない。
【0051】
図5の構成では冗長メモリブロックを1個設けた。その個数は図10の2個に例示されるように複数個であってもよい。図10では2個の冗長メモリブロックRBLK0,RBLK1と、2個のデコーダ・ドライバ論理RDD0,RDD1を有する。
【0052】
《第2の高圧分離構造》
図11には不揮発性メモリセルの一例としてスタックドゲート構造が例示される。同図に示される不揮発性メモリセルMCaは、ソース線(第2のデータ線)SLに接続されるソース領域31とビット線(第1のデータ線)BLに接続するドレイン領域32の間にチャネル領域が形成され、このチャネル領域の上に、ゲート絶縁膜を介してフローティングゲート電極33が形成され、その上に酸化膜を介してコントロールゲート電極34が形成される。フローティングゲート電極33はポリシリコン層によって構成される。コントロールゲート電極34はポリシリコン配線などによって構成され、ワード線WLの一部になる。
【0053】
図12には図11のスタックドゲート構造の不揮発性メモリセルMCaに対する読み出し(リード)、ホットキャリア書き込み及び消去の各処理に必要な電圧関係が例示される。書き込みは、ワード線電圧Vgを高圧(10V)とし、ドレイン領域22からフローティングゲート33へのホットキャリア注入によって行なう。消去はワード線電圧Vgを負の高圧(−10V)、ウェル電位Vwを高圧(10V)とし、フローティングゲート33から電子をウェル領域に引き抜くことによって行なう。このようにスタックドゲート構造の場合には前記スプリットゲート構造とは異なり、消去及び書き込み処理では、ワード線WL及びウェル領域に高圧を印加することが必要になる。
【0054】
図13には図11のスタックドゲート構造の不揮発性メモリセルMCaに対する読み出し(リード)、FNトンネル書き込み及び消去の各処理に必要な電圧関係が例示される。書き込みは、ワード線電圧Vgを負の高圧(−10V)とし、ビット線電圧Vdを高圧(10V)として、ドレインからFNトンネルによりフローティングゲート33に電子を注入することによって行なう。消去はワード線電圧Vgを高圧(10V)、ウェル電位Vwを負の高圧(−10V)、ソース電圧Vsを負の高圧(−10V)とし、フローティングゲート33から電子をウェル領域に引き抜くことによって行なう。この場合には消去及び書き込み処理では、ワード線WL、ビット線BL及びウェル領域に高圧を印加することが必要になる。
【0055】
図12及び図13において、冗長メモリブロックにより置き換えられた救済後の不良メモリセル、及び救済に用いられていない未使用の冗長メモリブロックに対しては、その「救済後」の欄に示されるように、メモリセルのどこにも高電圧は印加されない。これを実現するメモリマットの構成について次に説明する。
【0056】
図14には第2の高圧分離構図を実現するメモリマット11とデコーダ・ドライバ回路18の詳細が例示される。
【0057】
前記メモリマット11は、図5と同様に第1のメモリブロックである通常メモリブロックMBLK0〜MBLKkと第2のメモリブロックである冗長メモリブロックRBLKに分けられる。前記各メモリブロックMBLK0〜MBLKk、RBLKは電気的に消去及び書き込み可能な不揮発性メモリセルMCのアレイを有し、前記夫々のアレイは不揮発性メモリセルMCのゲート電極(コントロールゲート電極34)が接続されるゲート制御線(ワード線WL)を単位とする構成が等しくされ、前記ゲート制御線は前記メモリブロック相互間で分離され、更に、前記メモリブロック相互間において、不揮発性メモリセルが形成されるウェル領域の分離、不揮発性メモリセルの一方のデータ電極(ドレイン電極32)が接続されメモリブロック単位で階層化された第1のデータ線(サブビット線)の分離、及び不揮発性メモリセルの他方のデータ電極(ソース電極31)が共通接続される第2のデータ線(ソース線SL)の分離が行なわれている。即ち、代表的に示された主ビット線BL0,BL1は各メモリブロックMBLK0〜MBLKk、RBLKに共通化されている。主ビット線は各メモリブロックMBLK0〜MBLKk、RBLK内で、分離スイッチSWを介してサブビット線BLsに分岐されて、階層化されている。不揮発性メモリセルMCaのドレイン電極は対応するサブビット線BLsに結合する。メモリブロックMBLK0にはサブビット線選択信号線ZL<0>、ワード線WL<0>〜WL<n−1>、ウェル電位制御線WC<0>、ソース線SL<0>が割当てられ、メモリブロックMBLKkにはサブビット線選択信号線ZL<k>、ワード線WL<k・n>〜WL<(k+1)・n−1>、ウェル電位制御線WC<k>、ソース線SL<k>が割当てられ、冗長メモリブロックRBLKにはサブビット線選択信号線ZLr、ワード線WLr<0>〜WLr<n−1>、ウェル電位制御線WCr、ソース線SLrが割当てられる。
【0058】
デコーダ・ドライバ回路18は、各メモリブロックMBLK0〜MBLKk、RBLK毎にデコーダ・ドライバ論理MDD0〜MDDk、RDDに分けられる。前記デコーダ・ドライバ論理MDD0〜MDDkは図5と同様にアドレスデコーダADEC0〜ADECkと、救済デコーダRDEC0〜RDECkと、ドライバDRVとを有する。前記デコーダ・ドライバ論理RDDも図5と同様にアドレス比較器ACMPと、アドレスデコーダADECrと、ドライバDRVrを有する。
【0059】
図14の構成においても、メモリブロックMBLK0〜MBLKkのデコーダ・ドライバ論理MDD0〜MDDkのうち、救済情報Rdataで指定される一つのデコーダドライバ論理は、アクセスアドレス信号による指定とは無関係に、常時対応するサブビット線選択信号線、ワード線、ウェル制御線、及びソース線を動作非選択の状態にする。即ち図12、図13の「救済後」の欄に記載されるように接地電圧Vss又は高出力インピーダンス状態に固定される。動作抑止のためにアクセスアドレス信号をデコードすることは必要とされない。そして、冗長メモリブロックRDDのデコーダ・ドライバ論理RDDは、アクセスアドレス信号の上位3ビットが救済情報Rdataに一致する比較結果を得る事により、動作可能にされる。不一致であれば、冗長デコーダ・ドライバ論理RDDは、対応するサブビット線選択信号線、ワード線、ウェル制御線、及びソース線を動作非選択の状態にする。即ち図12、図13の「救済後」の欄に記載されるように接地電圧Vss又は高出力インピーダンス状態に固定する。
【0060】
尚、冗長メモリブロックを用いた救済が行なわれていない場合、図示を省略する救済イネーブル信号がディスエーブルレベルにされることにより、前記救済デコーダRDEC0〜RDECkの出力は論理値“1”(ハイレベル)固定、アドレス比較器ACMPの出力は論理値“0”(ローレベル)固定にされる。
【0061】
図15には図11のスタックドゲート構造のメモリセルに対する図12の場合の消去シーケンスのタイミングが例示される。図16には図11のスタックドゲート構造のメモリセルに対する図13の場合の消去シーケンスのタイミングが例示される。図12の「救済後」の欄に示す電圧状態は図15に示される非選択(消去非選択)の状態に等しい状態とされる。図13の「救済後」の欄に示す電圧状態は図16に示される非選択(消去非選択)の状態に等しい状態とされる。
【0062】
このように、メモリブロック相互間で、ウェル領域分離、階層化ビット線による分離、ソース線分離を行なう第2の高圧分離方式によっても、メモリブロック単位のワード線救済が可能であり、消去及び書き込みに要する高電圧印加をメモリブロック単位で抑制可能である。したがって、冗長メモリセルブロックRBLKにより置き換えられた不良のメモリブロック、及び救済に用いられていない未使用の冗長メモリセルブロックRBLKには、当該メモリブロックのメモリセルに消去及び書き込み用の高電圧が印加される状態を解消することができる。これにより、高電圧により欠陥部分の破壊が進行する事態を抑制することができる。
【0063】
図17には図14の分離方式を採用していない場合の比較例が示される。図17では冗長ブロックサイズに等しい単位で通常ブロックを置き換える構成とはされていない。したがって、通常ブロックにおいて、冗長ブロックで救済された欠陥メモリセルは、正常なメモリセルに対する書き込み又は消去時に高電圧が印加されることになる。本発明の場合は欠陥ワード線を含む救済対象にされた通常メモリブロックは、常にワード線等が非選択であるため、書込み及び消去時に高電圧は印加されない。
【0064】
また、図17では、通常メモリブックに対する動作選択又は非選択を判定するのに、冗長選択と同じようにアドレス比較を行なわなければならない。このアドレス比較動作は図18のタイミングチャートにおける比較例の欄に記載の如く、アドレス比較に少なからず時間を要し、比較動作を完了して始めて通常メモリブロックをアクセスすべきか冗長メモリブロックをアクセスすべきかが決まり、その後に正規のリード動作を開始することができる。本発明では、不良ワード線は常に非選択であるためアドレス比較期間を省くことができ、読み出しスピードを劣化させることがない。詳しく説明すると、図5、図14のアドレス比較器ACMPは3ビットの救済情報Rdataとアドレス信号の上位3ビットとを比較すればよい。これに対し、図17のアドレス比較器は分離されていない通常メモリブロック全体に対応するビット数のアクセスアドレス信号と救済情報とを比較しなければならない。しかも、出力が伝播される信号配線の寄生容量やゲート入力容量も図17のアドレス比較器の出力側の方がはるかに大きい。これにより、読み出しスピードを劣化させることがない。図5、図14の方がデータの高速読み出しに好都合である。
【0065】
《救済情報の書き込み》
前記救済情報Rdataの初期的な格納領域として、図19に例示されるように、所定のメモリブロックMBLKiを利用すればよい。図19において所定の1本ワード線WLjにゲート電極が接続する複数の不揮発性メモリセルMCbが前記救済情報Rdataの初期的な格納領域40とされる。不揮発性メモリセルMCbのソース線やメモリゲート制御線の図示は省略しているが、他の不揮発性メモリセルと同様である。ワード線WLjの選択は前述のデコーダ・ドライバMDDiの通常動作によっても選択可能であるが、更にリセットに応答して選択可能にされる。即ち、ワード線WLjは論理和ゲート41を介してリセット信号RESのハイレベルで選択可能にされる。
【0066】
図20には救済情報の読み出し動作のフローチャートが示される。リセット信号RESがハイレベル(RES=1)にされると(S1)、マイクロコンピュータ1の内部はリセット処理が開始され、その一つとして、論理和ゲート41を介してワード線WLjが選択され、選択されたワード線WLjのデータがセンスアンプ回路14を介してレジスタ19に内部転送される(S2)。所定期間経過後、リセット信号RESはネゲート(RES=0)される(S3)。
【0067】
図21には格納領域40に救済情報Rdataを初期的に格納する動作のフローチャートが示される。この動作はマイクロコンピュータ1の製造におけるフラッシュメモリモジュール5のテストの一貫として行なわれる。先に、デバイステストによって不良メモリセルが存在するメモリブロックが把握され、それに応ずる救済情報が求められる。救済情報の書き込み処理が指定されると、例えばマイクロコンピュータ1にテストモードが設定され、外部の書き込み装置などによってフラッシュメモリモジュール5に対する消去及び書き込み処理が可能にされる。先ず、フラッシュメモリモジュール5に、前記格納領域40のアドレスが与えられ(S4)、書き込むべき救済情報が与えられる(S5)。次に書き込み用高電圧の印加を指示して前記格納領域40に対する救済情報の書き込み処理を実行させる(S6)。その後、前記格納領域40のデータを読み出し(S7)、読み出しデータに基づいて再書込みデータの演算を行なう(S8)。要するに、書き込み処理により所定の閾値に到達した書き込み対象ビットは論理値“0”、到達していなければそのまま論理値“1”とする演算を行なう。最下位込みデータに基づいて書き込み完了か否かを判定する。再書込みデータが全ビット論理値“0”であれば書き込み完了と判定する。書き込み未完であれば再書込みデータを用いて再度ステップS6から書き込み処理を繰返し、完了であれば書き込み処理を終了する。
【0068】
格納領域40は選択可能であることが望ましい。格納領域が欠陥メモリブロックに含まれないようにするためである。格納領域をどのメモリブロックに割当てたかは例えばヒューズなどを用いて指示すればよい。
【0069】
《並列テスト》
図22にはテスト用ホスト装置に被テストデバイスである複数のマイクロコンピュータ(マイコンとも記す)が並列接続された状態が例示される。マイクロコンピュータ1全体に対する最終的な機能テストを行なう場合にはフラッシュメモリモジュール5に対する救済処理を行なった後であることが望ましい。この場合には救済情報Rdataは既にフラッシュメモリモジュール5に書き込まれている。機能テストにおいて、複数のマイクロコンピュータ1<1>〜1<i>がテスト用ホスト装置45に並列接続される。テストプログラムは各マイクロコンピュータ1<1>〜1<i>のRAM3にダウンロードされる。前記中央処理装置2が前記RAM3のテストプログラムを実行するとき、前記格納領域40から救済情報を読み出して前記ラッチ回路19に転送する。救済処理が施された多数のマイクロコンピュータ1<1>〜1<i>を並列的にテスト動作させることができる。
【0070】
図23には前記並列テストのフローチャートが例示される。先ず、テスト対象のマイクロコンピュータ1<1>〜1<i>をリセットする(S11)。夫々のマイクロコンピュータ1<1>〜1<i>はリセット時に救済情報がレジスタ19にセットされる。夫々のマイクロコンピュータ1<1>〜1<i>のRAM3にテスト用プログラムを転送する(S12)。夫々のマイクロコンピュータ1<1>〜1<i>はRAMのテストプログラムを並列に実行する(S13)。ホスト装置45は夫々のマイクロコンピュータ1<1>〜1<i>からのテスト結果を受取って(S14)、マイクロコンピュータのテスト動作を終了する。
【0071】
このように、各マイコンのリセット期間を利用してレジスタに救済情報をセットすることができるため、多数個のマイコンのテストを同じテストプログラムで並列して同時に行うことができる。
【0072】
また、テストプログラムは欠陥メモリを検索して救済情報Rdataを格納するものであっても良い。夫々のマイクロコンピュータ1<1>〜1<i>毎に欠陥メモリのアドレスは異なっていてもテストプログラムは同じものを使用できるため、並列テストの実行が可能である。このように、各マイコンに救済情報を検索して書き込む場合にも、多数個のマイコンに対し同じテストプログラムで並列して同時に行うことができる。
【0073】
《劣化救済》
図24には劣化救済を行なう場合のメモリアレイの構成が例示される。各メモリブロックには書き換えによる劣化度合を示す情報、例えば消去回数を保持する領域47を割当てる。前記中央処理装置2は、所定のタイミングで前記劣化度合を示す情報を参照することにより当該メモリブロックの劣化の進行状況を判定し、所定の進行状況であるとき前記格納領域40に劣化の進行したメモリブロックを示す救済情報をセットして、劣化の進行した通常メモリブロックを冗長メモリブロックに置き換え可能とする。前記所定のタイミングは、例えばマイクロコンピュータのリセット処理中における所定のタイミングであってよい。この劣化救済が意義を有するのは、未使用の冗長メモリブロックRBLKには高電圧の印加が抑止されているからである。
【0074】
劣化救済が可能であるためには製造不良による欠陥救済の後であっても、未使用の冗長メモリブロックが残っていることである。したがって、マイクロコンピュータ1内部で自動的に劣化救済を行なう場合には、劣化救済に利用可能な冗長メモリブロックが尽きたか否かの情報を所定のメモリブロックに保持し、これも参照して劣化救済を行うか否かを判定することが必要である。
【0075】
図25には劣化救済の別の例を示す。例えば1個の通常メモリブロックMBLKに対してj個の冗長メモリブロックRBLK0〜RBLKjを割当てる。前記救済デコーダRDEC及びアドレス比較器ACMPの代わりに選択デコーダSDECを用いる。選択デコーダSDECは前記救済デコーダRDECと基本的に同じデコード論理を持てばよく、前記救済デコーダRDECが反転出力であるのに対して、非反転出力である点が相違される。選択デコーダSDECには消去回数を計数するカウンタ48の上位側複数ビットが消去回数情報として供給されればよい。これにより、消去回数が所定回数繰返される毎に、カウンタ48の消去回数情報がインクリメントされ、それ毎に、動作が選択されるメモリブロックが順次、通常メモリブロックMBLKを先頭に、冗長メモリブロックRBLKjまで変化可能にされる。これにより、フラッシュメモリモジュール5の書き換え寿命が見掛け上(j+1)倍になる。
【0076】
カウンタ48の値は電源切断時に所定の不揮発性記憶領域に待避される。マイクロコンピュータ1のリセット時に、その不揮発性記憶領域に待避されている回数情報がカウンタ48にプリセットされる。
【0077】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0078】
例えば、スプリットゲート構造は上記に限定されず、メモリトランジスタ部と選択トランジスタ部を双方に共通の拡散領域で行なう形式あってもよい。この場合はビット線階層化構造を採用するか、或はメモリセルの選択トランジスタ部を高耐圧構造にすればよい。また、スプリットゲート構造を有する不揮発性メモリセルのデバイス断面は図4や図9の概略的な断面構造に限定されず適宜変更可能である。また、不揮発性メモリはフラッシュメモリに限定されず高誘電体メモリ等であってもよい。
【0079】
フラッシュメモリは2値に限定されず、4値などの多値情報記憶を行うようにしてもよい。多値情報記憶は、閾値電圧を多段階としたり、キャリア注入位置を左右のソース・ドレイン間で交換する手法等により実現される。
【0080】
本発明はマイクロコンピュータのようなデータ処理用のLSIに限定されず、単体メモリにも適用することができる。
【0081】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0082】
ワード線救済を行なうスプリットゲート型不揮発性メモリにおいて、メモリブロックは高電圧印加単位に揃えられているから、不良のメモリブロックおよび未使用の冗長メモリブロックに消去及び書込みの高電圧は印加されない。
【0083】
ワード線救済を行なうスタックドゲート型フラッシュメモリ等において、ビット線階層化、ウェル分離、ソース分割を行い、救済ブロックはビット線階層、ウェル分離及びソース分割の単位と揃えられるから、不良メモリブロックおよび未使用の冗長メモリブロックに消去及び書込み高電圧は印加されない。
【0084】
したがって、不良メモリセルに高電圧が印加されることによって欠陥が拡大するのを防止することができる。
【0085】
ワード線救済を行なう不揮発性メモリにおいて、不良メモリブロックおよび未使用の冗長メモリブロックに高電圧を印加しないために、予め分かっている救済アドレス(救済情報)をデコードしてワード線を非選択にしておくための救済アドレス用のデコーダ(救済デコーダ)を備える。救済デコーダのデコード単位は高電圧印加単位に揃えておく。これにより、救済デコーダは、あらかじめ分かっている救済アドレスをデコードして不良ワード線を常に非選択にする。救済デコーダのデコード単位を高電圧印加単位に揃えているから、書込み・消去時の高電圧は不良メモリブロックに印可されず、高電圧印加による破壊の進行を防ぐことができる。また、不良ワード線を常に非選択にすることにより、読み出し時に入力アドレスと比較してワード線を非選択にする判定時間を省くことができ、読み出しの高速化を実現できる。メモリ素子の破壊を防ぐことにより信頼性を向上できる。読み出し高速化によりマイクロコンピュータなどの半導体集積回路の動作を高速化することができる。したがって、救済後の不良メモリブロックに高電圧を印可しない機能と、読み出し時に速度劣化を起こさないようにする機能とを同時に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体集積回路の一例であるマイクロコンピュータのブロック図である。
【図2】フラッシュメモリモジュールのブロック図である。
【図3】不揮発性メモリセルの一例であるスプリットゲート構造を例示する概略断面図である。
【図4】図3のスプリットゲート構造の不揮発性メモリセルに対する読み出し、書き込み及び消去の各処理に必要な電圧関係を例示する説明図である。
【図5】第2の高圧分離構図を実現するメモリマットとデコーダ・ドライバ回路の詳細な一例を示す回路図である。
【図6】救済デコーダの真理値を例示する説明図である。
【図7】図4のスプリットゲート構造のメモリセルに対する書き込みシーケンスのタイミングを例示するタイミングチャートである。
【図8】図4のスプリットゲート構造のメモリセルに対する消去シーケンスのタイミングを例示するタイミングチャートである。
【図9】コントロールゲート電極とメモリゲート電極の間がショートしたワード線不良の説明図である。
【図10】図5に対して冗長構成を拡張したときのメモリマットとデコーダ・ドライバ回路の詳細を例示する回路図である。
【図11】不揮発性メモリセルの一例としてスタックドゲート構造を例示する断面図である。
【図12】図11のスタックドゲート構造の不揮発性メモリセルに対する読み出し、ホットキャリア書き込み及び消去の各処理に必要な電圧関係を例示する説明図である。
【図13】図11のスタックドゲート構造の不揮発性メモリセルに対する読み出し、FNトンネル書き込み及び消去の各処理に必要な電圧関係を例示する説明図である。
【図14】第2の高圧分離構図を実現するメモリマットとデコーダ・ドライバ回路の詳細ない一例を示す回路図である。
【図15】図11のスタックドゲート構造のメモリセルに対する図12の場合の消去シーケンスのタイミングを例示するタイミングチャートである。
【図16】図11のスタックドゲート構造のメモリセルに対する図13の場合の消去シーケンスのタイミングを例示するタイミングチャートである。
【図17】図14の分離方式を採用していない比較例に係るメモリマットとデコーダ・ドライバ回路を示す回路図である。
【図18】図14と図17の構成の相違によるデータ読み出し速度の違いを説明するためのタイミングチャートである。
【図19】救済情報の初期的な格納領域とそれを指定するゲート回路の説明図である。
【図20】救済情報の読み出し動作を例示するフローチャートである。
【図21】格納領域に救済情報を初期的に格納する動作のフローチャートである。
【図22】テスト用ホスト装置に被テストデバイスである複数のマイクロコンピュータが並列接続された状態を例示するブロック図である。
【図23】図22による並列テストのフローチャートである。
【図24】劣化救済を行なう場合のメモリアレイの構成を例示するブロック図である。
【図25】別の劣化救済を行なう場合のメモリアレイの構成を例示するブロック図である。
【符号の説明】
1 マイクロコンピュータ
2 CPU
3 RAM
5 フラッシュメモリモジュール
11 メモリマット
14 センスアンプ回路
17 制御回路
18 デコーダ・ドライバ回路
19 レジスタ
Rdata 救済情報
MC スプリットゲート構造の不揮発性メモリセル
Qm メモリトランジスタ部
Qs 選択トランジスタ部
21 ソース領域
22 ドレイン領域
23 シリコン窒化膜
24 メモリゲート電極
25 ゲート電極
SL ソース線
BL ビット線
ML メモリゲート制御線
WL ワード線
MCa スタックドゲート構造の不揮発性メモリセル
31 ソース領域
32 ドレイン領域
33 フローティングゲート電極
34 コントロールゲート電極
MBLK0〜MBLKk 通常メモリブロック
RBLK 冗長メモリブロック
MDD0〜MDDk デコーダ・ドライバ論理
RDEC0〜RDECk 救済デコーダ
ADEC0からADEKk アドレスデコーダ
RDD デコーダ・ドライバ論理
ACMP アドレス比較器
40 救済情報の初期的格納領域
45 テスト用ホスト装置
47 消去回数を保持する領域
48 カウンタ
SDEC 選択デコーダ
Claims (22)
- 複数の第1のメモリブロックと、第2のメモリブロックと、欠陥を有する第1のメモリブロックに代えて前記第2のメモリブロックを動作させ、欠陥を有する第1のメモリブロックの動作を抑止する論理回路とを含む不揮発性メモリを有し、
前記各メモリブロックは電気的に消去及び書き込み可能な不揮発性メモリセルのアレイを有し、
前記夫々のアレイは不揮発性メモリセルのゲート電極が接続されるゲート制御線を複数有し、前記ゲート制御線を単位とする構成が等しくされ、
前記ゲート制御線は前記メモリブロック相互間で分離されることを特徴とする半導体集積回路。 - 前記メモリブロック相互間において、不揮発性メモリセルが形成されるウェル領域の分離、不揮発性メモリセルの一方のデータ電極が接続されメモリブロック単位で階層化された第1のデータ線の分離、及び不揮発性メモリセルの他方のデータ電極が共通接続される第2のデータ線の分離が行なわれていることを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路。
- 前記不揮発性メモリセルは、第1のデータ線と第2のデータ線との間に配置され、前記第2のデータ線に共通接続され情報記憶に用いる第2のMOS型トランジスタ部と、第2のMOS型トランジスタ部を選択的に第1のデータ線に導通可能な第1のMOS型トランジスタ部とを有するスプリットゲート構造を有し、
前記第1のMOS型トランジスタ部のゲート電極は対応する一のゲート制御線であるワード線に接続され、前記第2のMOS型トランジスタ部のゲート電極は他のゲート制御線であるメモリゲート制御線に共通接続され、
前記第2のデータ線とメモリゲート制御線はメモリブロック間で分離される、ことを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路。 - 前記不揮発性メモリセルは、階層化された第1のデータ線と第2のデータ線との間に配置され、チャネル上で相互に絶縁されたフローティングゲート電極とコントロールゲート電極を有するMOS型のスタックドゲート構造を有し、
前記コントロールゲート電極は対応するゲート制御線であるワード線に個別接続され、前記第1のデータ線は分離用のスイッチを介してメモリブロック間で共通の主データ線に接続される、ことを特徴とする請求項2記載の半導体集積回路。 - 前記論理回路は、欠陥を有する第1のメモリブロックにおける前記ゲート制御線であるワード線、第2のデータ線及びメモリゲート制御線に動作非選択レベルを供給して当該メモリブロックの動作を抑止することを特徴とする請求項2記載の半導体集積回路。
- 前記論理回路は、欠陥を有する第1のメモリブロックにおける前記ワード線及び第2のデータ線に動作非選択レベルを供給して当該メモリブロックの動作を抑止することを特徴とする請求項3記載の半導体集積回路。
- 前記論理回路は、
前記第1のメモリブロック毎に、アドレス信号をデコードして動作すべき不揮発性メモリセルの選択を行なうアドレスデコーダと、前記第2のメモリブロックで代替する第1のメモリブロックを特定するための救済情報をデコードして前記アドレスデコーダによる不揮発性メモリセルの選択を抑止するか否かを決定する救済デコーダとを有し、
前記第2のメモリブロック毎に、前記救済情報とアドレス信号を比較するアドレス比較器と、前記アドレス比較器による比較結果が一致であるときアドレス信号をデコードして不揮発性メモリセルの選択を行なうアドレスデコーダとを有する、ことを特徴とする請求項1又は2記載の半導体集積回路。 - 所定のメモリブロックは前記救済情報の格納領域を有し、前記格納領域から読み出された救済情報を保持するラッチ回路を有し、前記救済デコーダ及びアドレス比較器は前記ラッチ回路にラッチされた救済情報を入力することを特徴とする請求項7記載の半導体集積回路。
- リセット動作の指示に応答して前記救済情報の格納領域から救済情報を読み出して前記ラッチ回路に転送することを特徴とする請求項8記載の半導体集積回路。
- 前記不揮発性メモリをアクセス可能な中央処理装置を有することを特徴とする請求項9記載の半導体集積回路。
- 各メモリブロックは書き換えによる劣化度合を示す情報を保持する領域を有し、
前記中央処理装置は、所定のタイミングで前記劣化度合を示す情報を参照することにより当該メモリブロックの劣化の進行状況を判定し、所定の進行状況であるとき前記格納領域の救済情報置を書き換えて劣化の進行した第1のメモリブロックを第2のメモリブロックに置き換え可能とすることを特徴とする請求項10記載の半導体集積回路。 - 前記劣化度合を示す情報は当該メモリブロックに対する消去回数を示す情報であることを特徴とする請求項11記載の半導体集積回路。
- テストモードにおいてテストプログラムがダウンロードされるRAMを有し、前記中央処理装置は前記RAMのテストプログラムを実行する前に、前記救済情報の格納領域から救済情報を読み出して前記ラッチ回路に転送することを特徴とする請求項10記載の半導体集積回路。
- 複数の第1のメモリブロックと、第2のメモリブロックと、欠陥を有する第1のメモリブロックに代えて前記第2のメモリブロックを動作させ、欠陥を有する第1のメモリブロックの動作を抑止する論理回路とを含む不揮発性メモリを有し、
前記各メモリブロックは電気的に消去及び書き込み可能な不揮発性メモリセルのアレイを有し、
前記夫々のアレイは不揮発性メモリセルのゲート電極が接続されるゲート制御線を単位とする構成が等しくされ、
前記論理回路は、前記第1のメモリブロック毎に、アドレス信号をデコードして動作すべき不揮発性メモリセルの選択を行なうアドレスデコーダ、及び前記第2のメモリブロックで代替する第1のメモリブロックを特定するための救済情報をデコードして前記アドレスデコーダによる不揮発性メモリセルの選択を抑止するか否かを決定する救済デコーダを有し、前記第2のメモリブロック毎に、前記救済情報とアドレス信号を比較するアドレス比較器、及び前記アドレス比較器による比較結果が一致であるときアドレス信号をデコードして不揮発性メモリセルの選択を行なうアドレスデコーダを有する、ことを特徴とする半導体集積回路。 - 所定のメモリブロックは前記救済情報の格納領域を有し、前記格納領域から読み出された救済情報を保持するラッチ回路を有し、前記救済デコーダ及びアドレス比較器は前記ラッチ回路にラッチされた救済情報を入力することを特徴とする請求項14記載の半導体集積回路。
- リセット動作の指示に応答して前記救済情報の格納領域から救済情報を読み出して前記ラッチ回路に転送することを特徴とする請求項15記載の半導体集積回路。
- 前記不揮発性メモリをアクセス可能な中央処理装置を有することを特徴とする請求項16記載の半導体集積回路。
- 各メモリブロックは書き換えによる劣化度合を示す情報を保持する領域を有し、
前記中央処理装置は、所定のタイミングで前記劣化度合を示す情報を参照することにより当該メモリブロックの劣化の進行状況を判定し、所定の進行状況であるとき前記格納領域の救済情報を書き換えて劣化の進行した第1のメモリブロックを第2のメモリブロックに置き換え可能とすることを特徴とする請求項17記載の半導体集積回路。 - テストモードにおいてテストプログラムがダウンロードされるRAMを有し、前記中央処理装置は前記RAMのテストプログラムを実行することにより、欠陥メモリを検索して救済情報を前記救済情報の格納領域へ書き込むことを特徴とする請求項10記載の半導体集積回路。
- 複数のワード線とそれぞれのワード線に接続される複数の不揮発性メモリセルとを有するメモリアレイと制御回路とを有し、
前記メモリアレイは外部から入力されるアドレス情報に基づきワード線を選択される複数の第1ブロックと、前記第1ブロックに含まれる不揮発性メモリセルのうち少なくとも1に不良がある場合に該第1ブロックのワード線に代えて選択されるワード線を含む第2ブロックとを有し、
前記制御回路は選択回路と、不良の不揮発性メモリセルを含む前記第1ブロックと該第1ブロックに代えて選択される第2ブロックの対応情報を有し、
前記選択回路は、前記アドレス情報により選択されるワード線が不良の不揮発性メモリセルを含む前記第1ブロックに含まれない場合は該ワード線を選択し、不良のメモリセルを含む前記第1ブロックに含まれる場合は対応する第2ブロックのワード線を選択するよう前記対応情報により構成される事を特徴とする半導体集積回路。 - 前記数の第1ブロックと前記第2ブロックはそれぞれウェル領域を分離されており、それぞれのブロックに含まれるワード線の本数は同じであることを特徴とする請求項20記載の半導体集積回路。
- 前記不揮発性メモリはしきい値電圧を有し、消去動作又は書込動作により前記しきい値電圧を変化され、
前記消去動作又は書込動作において、前記アドレス情報により選択される第1ブロックに含まれるワード線若しくは対応する第2ブロックのワード線は、該ワード線の含まれるブロックのウェル領域との間で高電位差となるように該ワード線と該ウェル領域の一方又は両方に電圧が印可される事を特徴とする請求項21記載の半導体集積回路。
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