JP2004280991A - 光ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】追記型光ディスクのデータを完全に読み出し不能にするデータを記録する光ディスク装置を提供する。
【解決手段】光ディスク装置1は、光ピックアップ7から記録パワーのレーザ光を照射させ、フォーカスサーボのみを行い、光ピックアップ7を一定速度で光ディスクDの半径方向に内周側から外周側に移動させて、光ディスクDに記録された元データの螺旋状トラックに対して、所定の間隔で交差する別の螺旋状のトラックを形成する。光ディスク装置1は、消去用データの記録が完了後に、元データを再生することができた場合、完全に消去できていないため、この追記型光ディスクに再度消去用データを記録して、元データが再生できないように消去を行う。一方、光ディスク装置1は、元データを読み出すことができない場合、データを読み出すことができないように消去できているため、処理を終了する。
【選択図】図3
【解決手段】光ディスク装置1は、光ピックアップ7から記録パワーのレーザ光を照射させ、フォーカスサーボのみを行い、光ピックアップ7を一定速度で光ディスクDの半径方向に内周側から外周側に移動させて、光ディスクDに記録された元データの螺旋状トラックに対して、所定の間隔で交差する別の螺旋状のトラックを形成する。光ディスク装置1は、消去用データの記録が完了後に、元データを再生することができた場合、完全に消去できていないため、この追記型光ディスクに再度消去用データを記録して、元データが再生できないように消去を行う。一方、光ディスク装置1は、元データを読み出すことができない場合、データを読み出すことができないように消去できているため、処理を終了する。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、追記型光ディスクに記録されているデータを読み出すことができないように別のデータを記録する光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
データを記録可能な光ディスクには、CD−RW,DVD−RAM,DVD−RW,DVD+RWなどのような書換型光ディスクと、CD−R,DVD−R,DVD+Rなどのような追記型(ライトワンス型)光ディスクと、がある。ユーザは、書換型光ディスクに記録したデータを消去したり別のデータを上書きしたりすることができるが、通常、追記型光ディスクに記録したデータを消去することができない。そのため、ユーザは、追記型光ディスクに記録したデータが不要になると、追記型光ディスクをストレージとして再利用できないため廃棄していた。
【0003】
ユーザは、データを記録した追記型光ディスクをそのままの状態で廃棄すると、他人にその光ディスクを持ち去られて記録データを知られてしまう可能性がある。そのため、従来、ユーザは、他人に知られたくないデータなどを記録した光ディスクを廃棄する際には、廃棄処理装置を使用して追記型光ディスクを細かく裁断したり、追記型光ディスクの記録面をサンドペーパー等で擦って白く曇らせたりしていた。
【0004】
しかし、廃棄処理装置は高価であるため、光ディスクを廃棄する枚数が少ない場合、わざわざ装置を購入するのは躊躇される。また、追記型光ディスクの記録面をサンドペーパー等で摩擦する作業は煩雑である。なお、追記型光ディスクを廃棄する際に、この光ディスクを手で割る方法もあるが、手を怪我したり破片が目に入ったりする危険性があるため好ましくない。
【0005】
そこで、データが記録された追記型光ディスクに二重書き用信号を記録して、データを破壊して、データの読み出しを不可能にする光ディスクのデータを消去する光ディスク装置があった(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の光ディスク装置は、例えば、光ディスクを回転させて、トラッキング制御を行わずに光ピックアップを半径方向に移動させながらレーザ光を照射して二重書き用信号を記録するので、光ディスク全体に二重書き用信号を記録しても元データを読み出すことができなくなり、短時間でデータを読み出すことができないようにすることができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−14681号公報(第3−9頁、第1−18図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の光ディスク装置は、光ディスクがセットされると二重書き用信号の記録を一度しか実施しないため、元データを完全に消去できない場合があるという問題があった。例えば、光ディスクに反りや偏芯があったり光ピックアップの移動速度が大きかったりすると、二重書き用信号を記録できないトラックが発生して、部分的にデータを読み出すことができる場合があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記の問題を解決するために、追記型光ディスクのデータを完全に読み出し不能にするデータを記録する光ディスク装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えている。
【0010】
(1)光ディスクを回転させる回転手段と、
光ディスクに記録パワーのレーザ光または再生パワーのレーザ光を選択的に照射して、データを記録または再生する光ピックアップ手段と、を備えた光ディスク装置において、
前記回転手段に光ディスクの回転を指示し、前記ピックアップ手段にトラッキングサーボを禁止するとともに、記録パワーのレーザ光を光ディスクに照射させる第1の処理と、前記第1の処理完了後にこの光ディスクのデータを再生する第2の処理と、を実行し、前記第2の処理において光ディスクに記録されているデータが再生できると、前記第1の処理及び前記第2の処理を繰り返す制御手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
この構成においては、光ディスク装置は、光ディスクに記録されていたデータを読み出すことができないようにするために記録パワーのレーザ光を照射した後に、光ディスクのデータを再生するので、光ディスクに記録されていたデータを消去できたか否かを確認することができる。また、光ディスク装置は、光ディスクに記録されていたデータを消去できずに再生できた場合、再度記録パワーのレーザ光を照射して光ディスクの再生確認を行うので、この動作を繰り返すことで、確実にデータを消去できる。
【0012】
(2)前記制御手段が前記第2の処理時に再生するのは、前記光ディスクの最内周近傍のデータのみであることを特徴とする。
【0013】
光ディスク装置は、光ディスクに記録されているデータに対して記録領域のどの位置においても同じ割合で交差するように記録パワーのレーザ光を照射した場合、光ディスクの最内周近傍のデータを読み出すことができないと、光ディスク全体のデータが消去されていると判断することができる。また、光ディスクの最内周近傍のデータであるプログラムメモリ領域やリードイン領域を読み出すことができないと、光ディスクの目次情報を読み出すことができないので、データの書き込まれたトラックの位置を特定できず、データを読み出せなくなる。したがって、もしプログラム領域のデータを一部読み出すことができた場合でも、何のデータかを判断するのが難しくなり、データの隠匿性を向上させることができる。
【0014】
(3)前記制御手段が前記第2の処理時に再生するのは、前記光ディスクの最内周近傍及び最外周近傍のデータのみであることを特徴とする。
【0015】
この構成においては、光ディスクに記録パワーのレーザ光を照射後に、最内周近傍のデータだけでなく最外周近傍のデータを再生して、光ディスクに記録されていたデータが再生できないように消去できたかどうかを確認するので、確実にデータを消去できる。
【0016】
(4)前記制御手段は、データの終端まで前記消去用データを記録させることを特徴とする。
【0017】
この構成においては、追記型光ディスクに記録された元データの終端までしか消去用データを記録しないので、データが記録されていない未記録領域に消去用データを記録するという無駄な処理を防止して、処理時間を短縮することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本実施の実施形態に係る光ディスク再生装置の概略構成図である。光ディスク装置1は、ドライブ部21、表示部22、記憶部23、操作部24、及び制御部25を備えている。ドライブ部21は、光ディスクの再生を行う。表示部22は、ユーザに伝達する内容などを表示する。記憶部23は、制御部25が行う動作などのプログラムを記憶する。操作部24は、ユーザが光ディスク装置1に対して各種の操作を行うためのものである。制御部25は、光ディスク装置1の各部を制御する。
【0019】
また、ドライブ部21は、スピンドルモータ2、周波数発生器(FG)3、スピンドルモータ制御回路4、ガイドレール5、フィードモータ6、光ピックアップ(OPU)7、サーボ回路8、レーザパワー制御回路(ALPC)9、トレイ10、チャッキング機構11、トレイ駆動モータ12、トレイ駆動モータ制御回路13、メモリ14、及び制御回路15を備えている。
【0020】
スピンドルモータ2は、光ディスクDを回転駆動するモータである。また、スピンドルモータ2の回転軸先端部には、光ディスクDを保持(チャッキング)するためのチャッキング機構11の一部であるターンテーブル11aが設けられている。また、光ディスクDは、クランパ11bによってターンテーブル11a上にセットされる。
【0021】
周波数発生器3は、スピンドルモータ2の回転軸の位置(角度)や回転数を検出するための信号をスピンドルモータ制御回路4へ出力する。周波数発生器3は、スピンドルモータ2が一定速度で1回転する間に、パルス信号を等間隔に一定回数出力する。スピンドルモータ制御回路4は、このパルス信号を検出することで、スピンドルモータ2の回転軸に取り付けた光ディスクの相対位置(角度)や回転数を検出できる。
【0022】
スピンドルモータ制御回路4は、周波数発生器3から出力されたパルス信号に基づいて、スピンドルモータ2の回転制御を行う。
【0023】
ガイドレール5は、光ピックアップ7が光ディスクDに対向して、光ディスクDの半径方向に移動するように、光ピックアップ7を支持する。
【0024】
フィードモータ6は、光ピックアップ7を光ディスクDの半径方向に移動させるための駆動力を供給するモータである。
【0025】
光ピックアップ7は、レーザダイオード、レンズやミラーなどの光学系、戻り光受光素子、フォーカスサーボ機構、及びトラッキングサーボ機構などを備えている(図示は省略する。)。また、データの記録及び再生時には、レーザダイオードから光ディスクDに対してレーザ光を照射し、光ディスクDからの戻り光を受光して受光信号に応じたトラッキング誤差信号、フォーカス誤差信号をサーボ回路8に出力する。なお、フォーカスサーボ機構は、光ピックアップ7のレンズと光ディスクDのデータ記録面との距離を一定に保つためのサーボ機構である。また、トラッキングサーボ機構は、光ディスクの記録層やレーベル面側に形成されたプリグルーブ(記録トラック)上に、レーザ光を常に照射するためのサーボ機構である。さらに、光ピックアップ7は、レーザパワーモニタ用のフォトダイオードを備えており、このフォトダイオードは、レーザダイオードが出射したレーザ光の一部を受光すると、受光したレーザ光のパワーに応じた電流を出力し、この電流がレーザパワー制御回路9へ供給されるようになっている。
【0026】
サーボ回路8は、光ピックアップ7のフォーカス制御、トラッキング制御、並びにフィードモータ6による光ピックアップ7の送り制御(スレッド制御)を行い、光ピックアップ7が常に適正な位置になるように制御する。また、サーボ回路8は、光ピックアップ7でフォーカスサーボを行った際に、フォーカス駆動電圧の値を制御回路15へ出力する。
【0027】
レーザパワー制御回路9は、光ピックアップ7のレーザダイオードから照射するレーザ光のパワーを制御する。具体的には、レーザパワー制御回路9は、光ピックアップ7のフォトダイオードが出力する電流の値と、制御回路15から送信されるレーザパワーの最適目標値を示す情報と、に基づいて、最適なレーザパワーのレーザ光を光ピックアップ7のレーザダイオードが出射するように制御する。
【0028】
トレイ10は、光ディスク装置1の内部に光ディスクを搬入したり、光ディスク装置1の内部から光ディスクを搬出したりする。
【0029】
チャッキング機構11は、光ディスクを安定して高速回転させるために、光ディスクを保持するための機構であり、ターンテーブル11aとクランパ11bとで光ディスクDを挟み込んで保持する。チャッキング機構11は、トレイ10の動作と連動しており、光ディスクDをセットしたトレイ10が装置内に収納されることで光ディスクDをチャッキングする構造である。そのため、チャッキング機構11は、トレイ10を所定の位置まで搬出しないと、光ディスクのチャッキングを解除できない構造である。
【0030】
なお、チャッキング機構11は、上記の構成に限るものではなく、他の構成であっても良い。例えば、ターンテーブル11aは、光ディスク保持用の複数の爪で光ディスクを保持する構成などであっても良い。また、チャッキング機構11は、トレイ10を所定の位置まで搬出しないでも、光ディスクのチャッキングを解除できる構造であっても良い。
【0031】
トレイ駆動モータ12は、ドライブ部21からトレイ10を搬出したり、ドライブ部21内にトレイ10を搬入したりするため駆動力を供給するモータである。
【0032】
トレイ駆動モータ制御回路13は、制御回路15からの信号に基づいて、トレイ駆動モータ12の回転制御を行う。なお、トレイ駆動モータ制御回路13には、トレイを搬入、または搬出させる操作を行うためのイジェクトボタン13aが接続されている。
【0033】
メモリ14は、フォーカス駆動電圧の基準値や測定値などを記憶させるためのものである。
【0034】
制御回路15は、CPU、ROM、及びRAM等から構成されており、ROMに格納されたプログラムに従って光ディスクD記録装置1のスピンドルモータ制御回路4、サーボ回路8、及びレーザパワー制御回路9などに制御信号を送信して、これらに接続された各部を制御する。
【0035】
光ディスク装置1は、このような構成によって、書換型光ディスクや追記型光ディスクにデータを記録したり、再生専用型光ディスク、書換型光ディスク、及び追記型光ディスクに記録されたデータを再生したりすることができる。また、光ディスク装置1は、データが記録された追記型光ディスクのデータを読み出せないようにするデータである消去用データを記録することで、光ディスクに記録されたデータ(元データとも称する。)を読み出すことができないように消去することができる。
【0036】
図2は、追記型光ディスクに記録した元データと消去用データとを示した模式図である。光ディスク装置1は、データが記録された追記型光ディスクDに消去用データを記録する場合、光ピックアップ7のレーザダイオードから記録パワーのレーザ光を照射させる。この時、光ディスク装置1は、スピンドルモータ制御回路4及びスピンドルモータ2によって、CLV(線速度一定)方式またはCAV(各速度一定)方式で光ディスクDを回転させる。また、光ディスク装置1は、光ピックアップ7のトラッキングサーボを行わずに、フォーカスサーボのみを行う。さらに、光ディスク装置1は、サーボ回路8及びフィードモータ6によって、光ピックアップ7を一定速度で追記型光ディスクDの半径方向に内周側(中心側)から外周側に移動させる。これにより、図2に示すように、追記型光ディスクDに記録された元データの螺旋状のトラックに対して、所定の間隔で交差する別の螺旋状のトラックが形成される。このようにして、消去用データを記録した追記型光ディスクDを再生した場合、元データは、消去用データによって所定の間隔で切断された状態になるため、交差間隔が適切であると、一部でデータを読み出すことができたとしても無意味なデータとなる。つまり、光ディスク装置1は、元データを読み出すことができないように消去したことになる。
【0037】
なお、光ディスク装置1において、追記型光ディスクDの回転速度や光ピックアップ7の移動速度の設定が適切な値に設定されていないと、元データと消去用データとの交差間隔が不適切となり、元データが意味のあるデータとして読み出されてしまうことがある。
【0038】
光ディスク装置1が追記型光ディスクDに記録する消去用データとしては、一定の周期で変化するデータや、ランダムに変化するデータなど、データとして意味を成さないものが好適である。
【0039】
次に、本発明の実施形態に係る光ディスク装置の特徴的な動作について説明する。光ディスク装置1は、追記型光ディスクに記録されたデータを消去する場合、まず、この追記型光ディスクの目次情報であるTOC情報を取得する。光ディスク装置1は、追記型光ディスクDがファイナライズされているとリードイン領域のTOC情報を取得する。また、光ディスク装置1は、追記型光ディスクDがファイナライズされていないとPMA(プログラムメモリ領域)の仮TOC情報を取得する。そして、光ディスク装置1は、光ディスクDの記録領域の範囲を把握する。すなわち、記録領域の最外周の位置情報を取得しておく。
【0040】
続いて、光ディスク装置1は、追記型光ディスクDに対して、先に説明した手順で消去用データを記録する。光ディスク装置1は、消去用データの記録が完了すると、光ディスクに記録されていた元データの再生を試みる。光ディスク装置1は、元データを再生することができた場合、データを読み出すことができないように完全に消去できていないため、この追記型光ディスクに再度消去用データを記録して、元データが再生できないように消去を行う。一方、光ディスク装置1は、元データを読み出すことができない場合、データを読み出すことができないように消去できているため、例えばトレイ10を搬出させて光ディスクを排出して、処理を終了する。これにより、ユーザは追記型光ディスクDに記録されていたデータを読み出すことができないように処理することができたことを容易に把握できる。
【0041】
また、光ディスク装置1は、元データの再生ができなくなるまで上記の処理を繰り返すので、追記型光ディスクに記録された元データを完全に再生できないようにすることができる。
【0042】
ここで、光ディスク装置1は、追記型光ディスクDの全域に亘って元データの再生を試みるように設定することができる。しかしながら、その場合、確認に長時間かかってしまう。
【0043】
そこで、光ディスク装置1では、追記型光ディスクDの最内周近傍の領域で元データの再生を試みるように設定できる。すなわち、追記型光ディスクDの最内周の領域にはPMAやリードイン領域が設けられているので、これらの領域に記録されたデータを読み出すことができないと、追記型光ディスクDの目次情報を読み出すことができなくなるので、データの書き込まれたトラックの位置を特定できなくなる。また、光ディスク装置1は、前記のように追記型光ディスクDの全体に亘って同じ割合で元データと消去用データとが交差するように消去用データを記録するので、追記型光ディスクDの最内周近傍の領域での元データを再生できないと、他の領域の元データも再生できないものと判断して差し支えない。さらに、追記型光ディスクDの最内周近傍の領域のみの再生を試みることで、追記型光ディスクD全体の再生を試みる場合に比べて、実施時間を短縮することができる。
【0044】
また、光ディスク装置1では、追記型光ディスクDの最内周近傍の領域と、データの記録領域における最外周近傍の領域と、で元データの再生を試みるように設定できる。例えば、ファイナライズされた追記型光ディスクDの場合、光ディスク装置1は、リードイン領域を含む領域とリードアウト領域を含む領域との再生を試みることになる。光ディスクにおいて反りや歪みが発生している場合、外周側ほど、その影響が大きくなる。そのため、光ディスク装置1が追記型光ディスクDに消去用データを記録した場合、外周側ほど記録位置精度が低下して、一部のデータが読み出し可能になる畏れがある。しかし、消去用データを記録後に、データの記録領域における最外周近傍の領域においても元データの再生を試みることで、元データを完全に消去できたか否かを判定することができる。つまり、最外周近傍の領域において元データが再生できないと、その位置よりも内周側の領域では、当然元データを再生できない状態になっていると判断できる。
【0045】
また、光ディスク装置1は、前記のように、追記型光ディスクDに消去用データを記録する前にTOC情報を取得して追記型光ディスクDの記録領域の範囲を把握するので、消去用データを光ディスクDの記録領域のみに記録させて、未記録領域には記録させないように設定することができる。これにより、処理時間を短縮することができる。
【0046】
次に、光ディスク装置1が追記型光ディスクDのデータを消去する処理を行う場合の具体的な動作について説明する。図3は、本発明の実施形態に係る光ディスク装置のデータ消去動作を説明するためのフローチャートである。
【0047】
なお、以下の説明では、追記型光ディスクDはファイナライズ(ディスククローズ)されているものとする。また、光ディスク装置1は、元データの再生確認を追記型光ディスクDの最内周近傍の領域のみで行うものとする。
【0048】
ユーザは、光ディスク装置1の操作部24を操作して、チャッキング機構11に保持された追記型光ディスクDのデータを消去するための設定を行う。光ディスク装置1の制御部25は、操作部24の操作を検出すると、追記型光ディスクDのデータを消去するように制御回路15へ信号を送る(s1)。制御回路15は、この信号を受信すると、スピンドルモータ制御回路4にスピンドルモータ2の回転を開始させて、追記型光ディスクDを一定の線速度で回転させる。また、制御回路15は、サーボ回路8にフィードモータ6を制御させて、光ピックアップ7を追記型光ディスクDのリードイン領域に対向する位置に移動させる(s2)。そして、制御回路15は、レーザパワー制御回路9に光ピックアップ7から再生パワーのレーザ光を照射させる。制御回路15は、光ピックアップ7で追記型光ディスクDのリードイン領域のTOC情報を読み取ると、メモリ14にTOC情報を格納するとともに、データの最外周の位置を取得しておく(s3)。
【0049】
続いて、制御回路15は、サーボ回路8にフィードモータ6を制御させて光ピックアップ7を追記型光ディスクDのPCA(パワー調整領域)に対向する位置(光ディスクの最内周近傍の領域)に移動させる(s4)。また、制御回路15は、メモリ14から消去用データを読み出し、この消去用データに基づいた信号をレーザパワー制御回路9に送信する。レーザパワー制御回路9は、この信号に基づいて光ピックアップ7から所定の間隔で記録パワーのレーザ光を追記型光ディスクDへ照射する(s5)。
【0050】
また、制御回路15は、サーボ回路8に光ピックアップ7のトラッキング制御を実行させずにフォーカス制御のみを実行させる。また、制御回路15は、フィードモータ6を制御して光ピックアップ7を一定速度で追記型光ディスクDの内周側から外周側へ移動させる(s6)。これにより、制御回路15は、追記型光ディスクDの内周側から外周側へかけて消去用データを記録することができる。制御回路15は、光ピックアップ7が追記型光ディスクdのデータを記録している領域の最外周になると(s7)、消去用データの記録を終了する(s8)。
【0051】
光ディスク装置1の制御回路15は、消去用データの記録が終了すると、サーボ回路8にフィードモータ6を制御させて光ピックアップ7を追記型光ディスクDの最内周近傍の領域であるリードイン領域に対向する位置に移動させる。続いて、制御回路15は、レーザパワー制御回路9に光ピックアップ7から再生時パワーのレーザ光を照射させて、追記型光ディスクDの元データの再生を試みる (s9)。制御回路15は、追記型光ディスクDの元データの再生ができない場合、元データの消去が完了したとして(s10)、処理を終了する。
【0052】
一方、制御回路15は、ステップs8において追記型光ディスクDの元データを再生することができた場合、ステップs4以降の処理を実行する。
【0053】
以上のように、本発明では追記型光ディスクに記録された元データを消去するために、消去用データを記録した後に、元データの再生を試みて、元データが再製できないように消去用データが記録されているか否かを確認するので、元データを絶対に再生できないようにすることできる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0055】
(1)光ディスク装置は、光ディスクに記録されていたデータを読み出すことができないようにするために記録パワーのレーザ光を照射した後に、光ディスクのデータを再生するので、光ディスクに記録されていたデータを消去できたか否かを確認することができる。また、光ディスク装置は、光ディスクに記録されていたデータを消去できずに再生できた場合、再度記録パワーのレーザ光を照射して光ディスクの再生確認を行うので、この動作を繰り返すことで、確実にデータを消去できる。
【0056】
(2) 光ディスク装置は、光ディスクに記録されているデータに対して記録領域のどの位置においても同じ割合で交差するように記録パワーのレーザ光を照射した場合、光ディスクの最内周近傍のデータを読み出すことができないと、光ディスク全体のデータが消去されていると判断できる。また、光ディスクの最内周近傍のデータであるプログラムメモリ領域やリードイン領域を読み出すことができないと、光ディスクの目次情報を読み出すことができないので、データの書き込まれたトラックの位置を特定できず、データを読み出せなくなる。これにより、もしプログラム領域のデータを一部読み出すことができた場合でも、何のデータかを判断するのが難しくなり、データの隠匿性を向上させることができる。
【0057】
(3)光ディスクに記録パワーのレーザ光を照射後に、最内周近傍のデータだけでなく最外周近傍のデータを再生して、光ディスクに記録されていたデータが再生できないように消去できたかどうかを確認するので、確実にデータを消去できる。
【0058】
(4)追記型光ディスクに記録された元データの終端までしか消去用データを記録しないので、データが記録されていない未記録領域に消去用データを記録するという無駄な処理を防止して、処理時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の実施形態に係る光ディスク再生装置の概略構成図である。
【図2】図2は、追記型光ディスクに記録した元データと消去用データとを示した模式図である。
【図3】本発明の実施形態に係る光ディスク装置のデータ消去動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1−光ディスク装置、2−スピンドルモータ、3−周波数発生器、
4−スピンドルモータ制御回路、5−ガイドレール、6−フィードモータ6、
7−光ピックアップ、8−サーボ回路、9−レーザパワー制御回路、
11−チャッキング機構、14−メモリ、15−制御回路、
21−ドライブ部、22−表示部、23−記憶部、24−操作部、25−制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、追記型光ディスクに記録されているデータを読み出すことができないように別のデータを記録する光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
データを記録可能な光ディスクには、CD−RW,DVD−RAM,DVD−RW,DVD+RWなどのような書換型光ディスクと、CD−R,DVD−R,DVD+Rなどのような追記型(ライトワンス型)光ディスクと、がある。ユーザは、書換型光ディスクに記録したデータを消去したり別のデータを上書きしたりすることができるが、通常、追記型光ディスクに記録したデータを消去することができない。そのため、ユーザは、追記型光ディスクに記録したデータが不要になると、追記型光ディスクをストレージとして再利用できないため廃棄していた。
【0003】
ユーザは、データを記録した追記型光ディスクをそのままの状態で廃棄すると、他人にその光ディスクを持ち去られて記録データを知られてしまう可能性がある。そのため、従来、ユーザは、他人に知られたくないデータなどを記録した光ディスクを廃棄する際には、廃棄処理装置を使用して追記型光ディスクを細かく裁断したり、追記型光ディスクの記録面をサンドペーパー等で擦って白く曇らせたりしていた。
【0004】
しかし、廃棄処理装置は高価であるため、光ディスクを廃棄する枚数が少ない場合、わざわざ装置を購入するのは躊躇される。また、追記型光ディスクの記録面をサンドペーパー等で摩擦する作業は煩雑である。なお、追記型光ディスクを廃棄する際に、この光ディスクを手で割る方法もあるが、手を怪我したり破片が目に入ったりする危険性があるため好ましくない。
【0005】
そこで、データが記録された追記型光ディスクに二重書き用信号を記録して、データを破壊して、データの読み出しを不可能にする光ディスクのデータを消去する光ディスク装置があった(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の光ディスク装置は、例えば、光ディスクを回転させて、トラッキング制御を行わずに光ピックアップを半径方向に移動させながらレーザ光を照射して二重書き用信号を記録するので、光ディスク全体に二重書き用信号を記録しても元データを読み出すことができなくなり、短時間でデータを読み出すことができないようにすることができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−14681号公報(第3−9頁、第1−18図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の光ディスク装置は、光ディスクがセットされると二重書き用信号の記録を一度しか実施しないため、元データを完全に消去できない場合があるという問題があった。例えば、光ディスクに反りや偏芯があったり光ピックアップの移動速度が大きかったりすると、二重書き用信号を記録できないトラックが発生して、部分的にデータを読み出すことができる場合があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記の問題を解決するために、追記型光ディスクのデータを完全に読み出し不能にするデータを記録する光ディスク装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えている。
【0010】
(1)光ディスクを回転させる回転手段と、
光ディスクに記録パワーのレーザ光または再生パワーのレーザ光を選択的に照射して、データを記録または再生する光ピックアップ手段と、を備えた光ディスク装置において、
前記回転手段に光ディスクの回転を指示し、前記ピックアップ手段にトラッキングサーボを禁止するとともに、記録パワーのレーザ光を光ディスクに照射させる第1の処理と、前記第1の処理完了後にこの光ディスクのデータを再生する第2の処理と、を実行し、前記第2の処理において光ディスクに記録されているデータが再生できると、前記第1の処理及び前記第2の処理を繰り返す制御手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
この構成においては、光ディスク装置は、光ディスクに記録されていたデータを読み出すことができないようにするために記録パワーのレーザ光を照射した後に、光ディスクのデータを再生するので、光ディスクに記録されていたデータを消去できたか否かを確認することができる。また、光ディスク装置は、光ディスクに記録されていたデータを消去できずに再生できた場合、再度記録パワーのレーザ光を照射して光ディスクの再生確認を行うので、この動作を繰り返すことで、確実にデータを消去できる。
【0012】
(2)前記制御手段が前記第2の処理時に再生するのは、前記光ディスクの最内周近傍のデータのみであることを特徴とする。
【0013】
光ディスク装置は、光ディスクに記録されているデータに対して記録領域のどの位置においても同じ割合で交差するように記録パワーのレーザ光を照射した場合、光ディスクの最内周近傍のデータを読み出すことができないと、光ディスク全体のデータが消去されていると判断することができる。また、光ディスクの最内周近傍のデータであるプログラムメモリ領域やリードイン領域を読み出すことができないと、光ディスクの目次情報を読み出すことができないので、データの書き込まれたトラックの位置を特定できず、データを読み出せなくなる。したがって、もしプログラム領域のデータを一部読み出すことができた場合でも、何のデータかを判断するのが難しくなり、データの隠匿性を向上させることができる。
【0014】
(3)前記制御手段が前記第2の処理時に再生するのは、前記光ディスクの最内周近傍及び最外周近傍のデータのみであることを特徴とする。
【0015】
この構成においては、光ディスクに記録パワーのレーザ光を照射後に、最内周近傍のデータだけでなく最外周近傍のデータを再生して、光ディスクに記録されていたデータが再生できないように消去できたかどうかを確認するので、確実にデータを消去できる。
【0016】
(4)前記制御手段は、データの終端まで前記消去用データを記録させることを特徴とする。
【0017】
この構成においては、追記型光ディスクに記録された元データの終端までしか消去用データを記録しないので、データが記録されていない未記録領域に消去用データを記録するという無駄な処理を防止して、処理時間を短縮することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本実施の実施形態に係る光ディスク再生装置の概略構成図である。光ディスク装置1は、ドライブ部21、表示部22、記憶部23、操作部24、及び制御部25を備えている。ドライブ部21は、光ディスクの再生を行う。表示部22は、ユーザに伝達する内容などを表示する。記憶部23は、制御部25が行う動作などのプログラムを記憶する。操作部24は、ユーザが光ディスク装置1に対して各種の操作を行うためのものである。制御部25は、光ディスク装置1の各部を制御する。
【0019】
また、ドライブ部21は、スピンドルモータ2、周波数発生器(FG)3、スピンドルモータ制御回路4、ガイドレール5、フィードモータ6、光ピックアップ(OPU)7、サーボ回路8、レーザパワー制御回路(ALPC)9、トレイ10、チャッキング機構11、トレイ駆動モータ12、トレイ駆動モータ制御回路13、メモリ14、及び制御回路15を備えている。
【0020】
スピンドルモータ2は、光ディスクDを回転駆動するモータである。また、スピンドルモータ2の回転軸先端部には、光ディスクDを保持(チャッキング)するためのチャッキング機構11の一部であるターンテーブル11aが設けられている。また、光ディスクDは、クランパ11bによってターンテーブル11a上にセットされる。
【0021】
周波数発生器3は、スピンドルモータ2の回転軸の位置(角度)や回転数を検出するための信号をスピンドルモータ制御回路4へ出力する。周波数発生器3は、スピンドルモータ2が一定速度で1回転する間に、パルス信号を等間隔に一定回数出力する。スピンドルモータ制御回路4は、このパルス信号を検出することで、スピンドルモータ2の回転軸に取り付けた光ディスクの相対位置(角度)や回転数を検出できる。
【0022】
スピンドルモータ制御回路4は、周波数発生器3から出力されたパルス信号に基づいて、スピンドルモータ2の回転制御を行う。
【0023】
ガイドレール5は、光ピックアップ7が光ディスクDに対向して、光ディスクDの半径方向に移動するように、光ピックアップ7を支持する。
【0024】
フィードモータ6は、光ピックアップ7を光ディスクDの半径方向に移動させるための駆動力を供給するモータである。
【0025】
光ピックアップ7は、レーザダイオード、レンズやミラーなどの光学系、戻り光受光素子、フォーカスサーボ機構、及びトラッキングサーボ機構などを備えている(図示は省略する。)。また、データの記録及び再生時には、レーザダイオードから光ディスクDに対してレーザ光を照射し、光ディスクDからの戻り光を受光して受光信号に応じたトラッキング誤差信号、フォーカス誤差信号をサーボ回路8に出力する。なお、フォーカスサーボ機構は、光ピックアップ7のレンズと光ディスクDのデータ記録面との距離を一定に保つためのサーボ機構である。また、トラッキングサーボ機構は、光ディスクの記録層やレーベル面側に形成されたプリグルーブ(記録トラック)上に、レーザ光を常に照射するためのサーボ機構である。さらに、光ピックアップ7は、レーザパワーモニタ用のフォトダイオードを備えており、このフォトダイオードは、レーザダイオードが出射したレーザ光の一部を受光すると、受光したレーザ光のパワーに応じた電流を出力し、この電流がレーザパワー制御回路9へ供給されるようになっている。
【0026】
サーボ回路8は、光ピックアップ7のフォーカス制御、トラッキング制御、並びにフィードモータ6による光ピックアップ7の送り制御(スレッド制御)を行い、光ピックアップ7が常に適正な位置になるように制御する。また、サーボ回路8は、光ピックアップ7でフォーカスサーボを行った際に、フォーカス駆動電圧の値を制御回路15へ出力する。
【0027】
レーザパワー制御回路9は、光ピックアップ7のレーザダイオードから照射するレーザ光のパワーを制御する。具体的には、レーザパワー制御回路9は、光ピックアップ7のフォトダイオードが出力する電流の値と、制御回路15から送信されるレーザパワーの最適目標値を示す情報と、に基づいて、最適なレーザパワーのレーザ光を光ピックアップ7のレーザダイオードが出射するように制御する。
【0028】
トレイ10は、光ディスク装置1の内部に光ディスクを搬入したり、光ディスク装置1の内部から光ディスクを搬出したりする。
【0029】
チャッキング機構11は、光ディスクを安定して高速回転させるために、光ディスクを保持するための機構であり、ターンテーブル11aとクランパ11bとで光ディスクDを挟み込んで保持する。チャッキング機構11は、トレイ10の動作と連動しており、光ディスクDをセットしたトレイ10が装置内に収納されることで光ディスクDをチャッキングする構造である。そのため、チャッキング機構11は、トレイ10を所定の位置まで搬出しないと、光ディスクのチャッキングを解除できない構造である。
【0030】
なお、チャッキング機構11は、上記の構成に限るものではなく、他の構成であっても良い。例えば、ターンテーブル11aは、光ディスク保持用の複数の爪で光ディスクを保持する構成などであっても良い。また、チャッキング機構11は、トレイ10を所定の位置まで搬出しないでも、光ディスクのチャッキングを解除できる構造であっても良い。
【0031】
トレイ駆動モータ12は、ドライブ部21からトレイ10を搬出したり、ドライブ部21内にトレイ10を搬入したりするため駆動力を供給するモータである。
【0032】
トレイ駆動モータ制御回路13は、制御回路15からの信号に基づいて、トレイ駆動モータ12の回転制御を行う。なお、トレイ駆動モータ制御回路13には、トレイを搬入、または搬出させる操作を行うためのイジェクトボタン13aが接続されている。
【0033】
メモリ14は、フォーカス駆動電圧の基準値や測定値などを記憶させるためのものである。
【0034】
制御回路15は、CPU、ROM、及びRAM等から構成されており、ROMに格納されたプログラムに従って光ディスクD記録装置1のスピンドルモータ制御回路4、サーボ回路8、及びレーザパワー制御回路9などに制御信号を送信して、これらに接続された各部を制御する。
【0035】
光ディスク装置1は、このような構成によって、書換型光ディスクや追記型光ディスクにデータを記録したり、再生専用型光ディスク、書換型光ディスク、及び追記型光ディスクに記録されたデータを再生したりすることができる。また、光ディスク装置1は、データが記録された追記型光ディスクのデータを読み出せないようにするデータである消去用データを記録することで、光ディスクに記録されたデータ(元データとも称する。)を読み出すことができないように消去することができる。
【0036】
図2は、追記型光ディスクに記録した元データと消去用データとを示した模式図である。光ディスク装置1は、データが記録された追記型光ディスクDに消去用データを記録する場合、光ピックアップ7のレーザダイオードから記録パワーのレーザ光を照射させる。この時、光ディスク装置1は、スピンドルモータ制御回路4及びスピンドルモータ2によって、CLV(線速度一定)方式またはCAV(各速度一定)方式で光ディスクDを回転させる。また、光ディスク装置1は、光ピックアップ7のトラッキングサーボを行わずに、フォーカスサーボのみを行う。さらに、光ディスク装置1は、サーボ回路8及びフィードモータ6によって、光ピックアップ7を一定速度で追記型光ディスクDの半径方向に内周側(中心側)から外周側に移動させる。これにより、図2に示すように、追記型光ディスクDに記録された元データの螺旋状のトラックに対して、所定の間隔で交差する別の螺旋状のトラックが形成される。このようにして、消去用データを記録した追記型光ディスクDを再生した場合、元データは、消去用データによって所定の間隔で切断された状態になるため、交差間隔が適切であると、一部でデータを読み出すことができたとしても無意味なデータとなる。つまり、光ディスク装置1は、元データを読み出すことができないように消去したことになる。
【0037】
なお、光ディスク装置1において、追記型光ディスクDの回転速度や光ピックアップ7の移動速度の設定が適切な値に設定されていないと、元データと消去用データとの交差間隔が不適切となり、元データが意味のあるデータとして読み出されてしまうことがある。
【0038】
光ディスク装置1が追記型光ディスクDに記録する消去用データとしては、一定の周期で変化するデータや、ランダムに変化するデータなど、データとして意味を成さないものが好適である。
【0039】
次に、本発明の実施形態に係る光ディスク装置の特徴的な動作について説明する。光ディスク装置1は、追記型光ディスクに記録されたデータを消去する場合、まず、この追記型光ディスクの目次情報であるTOC情報を取得する。光ディスク装置1は、追記型光ディスクDがファイナライズされているとリードイン領域のTOC情報を取得する。また、光ディスク装置1は、追記型光ディスクDがファイナライズされていないとPMA(プログラムメモリ領域)の仮TOC情報を取得する。そして、光ディスク装置1は、光ディスクDの記録領域の範囲を把握する。すなわち、記録領域の最外周の位置情報を取得しておく。
【0040】
続いて、光ディスク装置1は、追記型光ディスクDに対して、先に説明した手順で消去用データを記録する。光ディスク装置1は、消去用データの記録が完了すると、光ディスクに記録されていた元データの再生を試みる。光ディスク装置1は、元データを再生することができた場合、データを読み出すことができないように完全に消去できていないため、この追記型光ディスクに再度消去用データを記録して、元データが再生できないように消去を行う。一方、光ディスク装置1は、元データを読み出すことができない場合、データを読み出すことができないように消去できているため、例えばトレイ10を搬出させて光ディスクを排出して、処理を終了する。これにより、ユーザは追記型光ディスクDに記録されていたデータを読み出すことができないように処理することができたことを容易に把握できる。
【0041】
また、光ディスク装置1は、元データの再生ができなくなるまで上記の処理を繰り返すので、追記型光ディスクに記録された元データを完全に再生できないようにすることができる。
【0042】
ここで、光ディスク装置1は、追記型光ディスクDの全域に亘って元データの再生を試みるように設定することができる。しかしながら、その場合、確認に長時間かかってしまう。
【0043】
そこで、光ディスク装置1では、追記型光ディスクDの最内周近傍の領域で元データの再生を試みるように設定できる。すなわち、追記型光ディスクDの最内周の領域にはPMAやリードイン領域が設けられているので、これらの領域に記録されたデータを読み出すことができないと、追記型光ディスクDの目次情報を読み出すことができなくなるので、データの書き込まれたトラックの位置を特定できなくなる。また、光ディスク装置1は、前記のように追記型光ディスクDの全体に亘って同じ割合で元データと消去用データとが交差するように消去用データを記録するので、追記型光ディスクDの最内周近傍の領域での元データを再生できないと、他の領域の元データも再生できないものと判断して差し支えない。さらに、追記型光ディスクDの最内周近傍の領域のみの再生を試みることで、追記型光ディスクD全体の再生を試みる場合に比べて、実施時間を短縮することができる。
【0044】
また、光ディスク装置1では、追記型光ディスクDの最内周近傍の領域と、データの記録領域における最外周近傍の領域と、で元データの再生を試みるように設定できる。例えば、ファイナライズされた追記型光ディスクDの場合、光ディスク装置1は、リードイン領域を含む領域とリードアウト領域を含む領域との再生を試みることになる。光ディスクにおいて反りや歪みが発生している場合、外周側ほど、その影響が大きくなる。そのため、光ディスク装置1が追記型光ディスクDに消去用データを記録した場合、外周側ほど記録位置精度が低下して、一部のデータが読み出し可能になる畏れがある。しかし、消去用データを記録後に、データの記録領域における最外周近傍の領域においても元データの再生を試みることで、元データを完全に消去できたか否かを判定することができる。つまり、最外周近傍の領域において元データが再生できないと、その位置よりも内周側の領域では、当然元データを再生できない状態になっていると判断できる。
【0045】
また、光ディスク装置1は、前記のように、追記型光ディスクDに消去用データを記録する前にTOC情報を取得して追記型光ディスクDの記録領域の範囲を把握するので、消去用データを光ディスクDの記録領域のみに記録させて、未記録領域には記録させないように設定することができる。これにより、処理時間を短縮することができる。
【0046】
次に、光ディスク装置1が追記型光ディスクDのデータを消去する処理を行う場合の具体的な動作について説明する。図3は、本発明の実施形態に係る光ディスク装置のデータ消去動作を説明するためのフローチャートである。
【0047】
なお、以下の説明では、追記型光ディスクDはファイナライズ(ディスククローズ)されているものとする。また、光ディスク装置1は、元データの再生確認を追記型光ディスクDの最内周近傍の領域のみで行うものとする。
【0048】
ユーザは、光ディスク装置1の操作部24を操作して、チャッキング機構11に保持された追記型光ディスクDのデータを消去するための設定を行う。光ディスク装置1の制御部25は、操作部24の操作を検出すると、追記型光ディスクDのデータを消去するように制御回路15へ信号を送る(s1)。制御回路15は、この信号を受信すると、スピンドルモータ制御回路4にスピンドルモータ2の回転を開始させて、追記型光ディスクDを一定の線速度で回転させる。また、制御回路15は、サーボ回路8にフィードモータ6を制御させて、光ピックアップ7を追記型光ディスクDのリードイン領域に対向する位置に移動させる(s2)。そして、制御回路15は、レーザパワー制御回路9に光ピックアップ7から再生パワーのレーザ光を照射させる。制御回路15は、光ピックアップ7で追記型光ディスクDのリードイン領域のTOC情報を読み取ると、メモリ14にTOC情報を格納するとともに、データの最外周の位置を取得しておく(s3)。
【0049】
続いて、制御回路15は、サーボ回路8にフィードモータ6を制御させて光ピックアップ7を追記型光ディスクDのPCA(パワー調整領域)に対向する位置(光ディスクの最内周近傍の領域)に移動させる(s4)。また、制御回路15は、メモリ14から消去用データを読み出し、この消去用データに基づいた信号をレーザパワー制御回路9に送信する。レーザパワー制御回路9は、この信号に基づいて光ピックアップ7から所定の間隔で記録パワーのレーザ光を追記型光ディスクDへ照射する(s5)。
【0050】
また、制御回路15は、サーボ回路8に光ピックアップ7のトラッキング制御を実行させずにフォーカス制御のみを実行させる。また、制御回路15は、フィードモータ6を制御して光ピックアップ7を一定速度で追記型光ディスクDの内周側から外周側へ移動させる(s6)。これにより、制御回路15は、追記型光ディスクDの内周側から外周側へかけて消去用データを記録することができる。制御回路15は、光ピックアップ7が追記型光ディスクdのデータを記録している領域の最外周になると(s7)、消去用データの記録を終了する(s8)。
【0051】
光ディスク装置1の制御回路15は、消去用データの記録が終了すると、サーボ回路8にフィードモータ6を制御させて光ピックアップ7を追記型光ディスクDの最内周近傍の領域であるリードイン領域に対向する位置に移動させる。続いて、制御回路15は、レーザパワー制御回路9に光ピックアップ7から再生時パワーのレーザ光を照射させて、追記型光ディスクDの元データの再生を試みる (s9)。制御回路15は、追記型光ディスクDの元データの再生ができない場合、元データの消去が完了したとして(s10)、処理を終了する。
【0052】
一方、制御回路15は、ステップs8において追記型光ディスクDの元データを再生することができた場合、ステップs4以降の処理を実行する。
【0053】
以上のように、本発明では追記型光ディスクに記録された元データを消去するために、消去用データを記録した後に、元データの再生を試みて、元データが再製できないように消去用データが記録されているか否かを確認するので、元データを絶対に再生できないようにすることできる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0055】
(1)光ディスク装置は、光ディスクに記録されていたデータを読み出すことができないようにするために記録パワーのレーザ光を照射した後に、光ディスクのデータを再生するので、光ディスクに記録されていたデータを消去できたか否かを確認することができる。また、光ディスク装置は、光ディスクに記録されていたデータを消去できずに再生できた場合、再度記録パワーのレーザ光を照射して光ディスクの再生確認を行うので、この動作を繰り返すことで、確実にデータを消去できる。
【0056】
(2) 光ディスク装置は、光ディスクに記録されているデータに対して記録領域のどの位置においても同じ割合で交差するように記録パワーのレーザ光を照射した場合、光ディスクの最内周近傍のデータを読み出すことができないと、光ディスク全体のデータが消去されていると判断できる。また、光ディスクの最内周近傍のデータであるプログラムメモリ領域やリードイン領域を読み出すことができないと、光ディスクの目次情報を読み出すことができないので、データの書き込まれたトラックの位置を特定できず、データを読み出せなくなる。これにより、もしプログラム領域のデータを一部読み出すことができた場合でも、何のデータかを判断するのが難しくなり、データの隠匿性を向上させることができる。
【0057】
(3)光ディスクに記録パワーのレーザ光を照射後に、最内周近傍のデータだけでなく最外周近傍のデータを再生して、光ディスクに記録されていたデータが再生できないように消去できたかどうかを確認するので、確実にデータを消去できる。
【0058】
(4)追記型光ディスクに記録された元データの終端までしか消去用データを記録しないので、データが記録されていない未記録領域に消去用データを記録するという無駄な処理を防止して、処理時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の実施形態に係る光ディスク再生装置の概略構成図である。
【図2】図2は、追記型光ディスクに記録した元データと消去用データとを示した模式図である。
【図3】本発明の実施形態に係る光ディスク装置のデータ消去動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1−光ディスク装置、2−スピンドルモータ、3−周波数発生器、
4−スピンドルモータ制御回路、5−ガイドレール、6−フィードモータ6、
7−光ピックアップ、8−サーボ回路、9−レーザパワー制御回路、
11−チャッキング機構、14−メモリ、15−制御回路、
21−ドライブ部、22−表示部、23−記憶部、24−操作部、25−制御部
Claims (5)
- 光ディスクを回転させる回転手段と、
光ディスクに記録パワーのレーザ光または再生パワーのレーザ光を選択的に照射して、データを記録または再生する光ピックアップ手段と、を備えた光ディスク装置において、
前記回転手段に光ディスクの回転を指示し、前記ピックアップ手段にトラッキングサーボを禁止するとともに、記録パワーのレーザ光を光ディスクに照射させる第1の処理と、前記第1の処理完了後にこの光ディスクのデータを再生する第2の処理と、を実行し、前記第2の処理において光ディスクに記録されているデータが再生できると、前記第1の処理及び前記第2の処理を繰り返す制御手段を備え、
前記制御手段が前記第2の処理時に再生するのは、前記光ディスクの最内周近傍のデータのみであるか、または、前記光ディスクの最内周近傍及び最外周近傍のデータのみであり、
前記制御手段は、データの終端まで前記消去用データを記録させることを特徴とする光ディスク装置。 - 光ディスクを回転させる回転手段と、
光ディスクに記録パワーのレーザ光または再生パワーのレーザ光を選択的に照射して、データを記録または再生する光ピックアップ手段と、を備えた光ディスク装置において、
前記回転手段に光ディスクの回転を指示し、前記ピックアップ手段にトラッキングサーボを禁止するとともに、記録パワーのレーザ光を光ディスクに照射させる第1の処理と、前記第1の処理完了後にこの光ディスクのデータを再生する第2の処理と、を実行し、前記第2の処理において光ディスクに記録されているデータが再生できると、前記第1の処理及び前記第2の処理を繰り返す制御手段を備えたことを特徴とする光ディスク装置。 - 前記制御手段が前記第2の処理時に再生するのは、前記光ディスクの最内周近傍のデータのみである請求項2に記載の光ディスク装置。
- 前記制御手段が前記第2の処理時に再生するのは、前記光ディスクの最内周近傍及び最外周近傍のデータのみである請求項2に記載の光ディスク装置。
- 前記制御手段は、データの終端まで前記消去用データを記録させる請求項2乃至4のいずれかに記載の光ディスク装置。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100982751B1 (ko) | 2008-07-22 | 2010-09-16 | 도시바삼성스토리지테크놀러지코리아 주식회사 | 데이터 재생방지 장치 및 방법 |
US10042582B2 (en) | 2015-08-28 | 2018-08-07 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Data erasing method |
US10268421B2 (en) | 2015-10-02 | 2019-04-23 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Information recording device and information recording method |
-
2003
- 2003-03-18 JP JP2003073430A patent/JP2004280991A/ja active Pending
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