JP2004279908A - プロジェクタ - Google Patents

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Chihiro Tsukinokisawa
千裕 槻木澤
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Abstract

【課題】電源異常遮断の旨を報知して電源を正常に遮断させる。
【解決手段】光学系OPを冷却するファン43と、作動停止の際に光学系OPが所定の条件を満たす状態までファン43によって冷却されたときにファン43を作動停止制御する主制御部13およびファン制御部7とを備え、光源ランプ41から射出された光を光変調手段42によって光変調させてスクリーン8に投射することによって表示画面を表示可能に構成され、ファン43に対する主制御部13およびファン制御部7による作動停止制御に先立って電源異常遮断に起因してファン43が作動停止したときにその異常作動停止情報を記憶する記憶部8と、電源投入時において異常作動停止情報が記憶部8に記憶されていたときに電源異常遮断を報知する報知手段(主制御部13、画像信号処理部5、プロジェクタユニット4など)とを備えている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源ランプから射出された光を光変調してスクリーンに表示画面を表示可能に構成されたプロジェクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のプロジェクタの一例として、出願人は、特開2002−139794号公報に背面投射型表示装置(10)を開示している。この背面投射型表示装置は、高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる光源ランプ(21)を有して赤色光、緑色光および青色光を射出する光発生手段(20)と、光発生手段によって射出された光を光変調する光変調手段(光変調装置:30R,30G,30B)と、光変調手段によって光変調された光を拡大するためのレンズ等からなる投写光学系(40R,40G,40B)と、投写光学系によって拡大された光を反射する反射ミラー(51,52)と、反射ミラーによって反射された光を受光して各種の表示画面を投射表示可能に構成された背面投射型のスクリーン(60)とを備えている。この背面投射型表示装置では、利用者によって電源スイッチが操作されて電源が投入された際に、光発生手段に対する通電が開始されて光源ランプが点灯させられる。次に、光発生手段によって射出された光が光変調手段によって光変調されて、投写光学系および反射ミラーを経てスクリーンに背面側から投射される。これにより、光変調手段による光変調に応じた表示画面がスクリーンに投射表示される。この際に、光源ランプや光変調手段などの光学系は、発熱によって非常に高温となる。このため、一般的には、送風ファンで送風することで光学系を冷却している。一方、プロジェクタの使用終了の際には、電源スイッチがオフに操作される。その際に、この種のプロジェクタでは、光源ランプを消灯した後に、直ちに送風ファンを停止することなく、光学系の温度が予め設定された温度以下まで低下した時点で送風ファンの作動を停止させている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−139794号公報(第4−6頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このプロジェクタには、以下の改善すべき課題がある。すなわち、このプロジェクタでは、電源スイッチがオフ操作された際に、装置全体の電源を遮断することなく、送風ファンを作動させて光学系を冷却している。しかしながら、利用者によっては、電源スイッチをオフ操作することなく商用電源のコンセントから電源接続用プラグを引き抜いたり、電源スイッチをオフ操作して直ちに商用電源のコンセントから電源接続用プラグを引き抜いたりして電源を異常に遮断することがある。このような電源異常遮断が生じた場合、余熱によって光源ランプや光変調手段の寿命が短くなったり、光源ランプなどの破損を招いたりするおそれもある。その一方、電源が遮断される結果、電源異常遮断を報知することができないため、利用者に対して、その操作が異常であって電源を正常に遮断させるべきであることを認識させるのは困難である。
【0005】
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、利用者に対して電源異常遮断の旨を報知して電源を正常に遮断させ得るプロジェクタを提供することを主目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明に係るプロジェクタは、光源ランプおよび光変調手段を有する光学系と、当該光学系を冷却する冷却部と、作動停止の際に前記光学系が予め設定された所定の条件を満たす状態まで前記冷却部によって冷却されたときに当該冷却部を作動停止制御する冷却制御部とを備え、前記光源ランプから射出された光を前記光変調手段によって光変調させてスクリーンに投射することによって表示画面を表示可能に構成されたプロジェクタであって、前記冷却部に対する前記冷却制御部による前記作動停止制御に先立って電源異常遮断に起因して当該冷却部が作動停止したときにその異常作動停止情報を記憶する不揮発性の記憶部と、電源投入時において前記異常作動停止情報が前記記憶部に記憶されていたときに前記電源異常遮断を報知する報知手段とを備えている。
【0007】
また、本発明に係るプロジェクタは、光源ランプを有する光学系と、当該光学系を冷却する冷却部と、作動停止の際に前記光学系が予め設定された所定の条件を満たす状態まで前記冷却部によって冷却されたときに当該冷却部を作動停止制御する冷却制御部とを備え、前記光源ランプから射出された光を、表示対象画像が描かれた透過性フィルムを透過させてスクリーンに投射することによって表示画面を表示可能に構成されたプロジェクタであって、前記冷却部に対する前記冷却制御部による前記作動停止制御に先立って電源異常遮断に起因して当該冷却部が作動停止したときにその異常作動停止情報を記憶する不揮発性の記憶部と、電源投入時において前記異常作動停止情報が前記記憶部に記憶されていたときに前記電源異常遮断を報知する報知手段とを備えている。
【0008】
これらのプロジェクタでは、例えば、利用者によって誤って電源プラグが商用交流コンセントから引き抜かれたことなどに起因する電源異常遮断が生じた際に、記憶部が、その異常作動停止情報を記憶する。次いで、電源投入時に、異常作動停止情報が記憶部に記憶されていたときには、報知手段が電源異常遮断を報知する。したがって、利用者は、その報知に基づき、前回の使用終了の際に電源を異常に遮断したこと、および今回の使用終了の際には電源スイッチの操作によって電源を正常に遮断すべきであることを認識する。
【0009】
また、本発明に係るプロジェクタは、上記のプロジェクタにおいて、前記報知手段は、前記スクリーンと、前記電源異常遮断を意味する表示を前記スクリーンに投射表示させて当該電源異常遮断を報知する制御部とを備えて構成されている。
【0010】
このプロジェクタでは、電源投入時に、異常作動停止情報が記憶部に記憶されていたときには、報知手段の制御部が、電源異常遮断を意味する表示をスクリーンに投射表示させて電源異常遮断を報知する。したがって、利用者は、その表示を視認して、前回の使用終了の際に電源を異常に遮断したこと、および今回の使用終了の際には電源スイッチの操作によって電源を正常に遮断すべきであることを確実に認識する。
【0011】
さらに、本発明に係るプロジェクタは、上記のプロジェクタにおいて、前記報知手段は、警告音を出力する警告音出力部を備え、当該警告音出力部に対して前記警告音を出力させて前記電源異常遮断を報知する。
【0012】
このプロジェクタでは、電源投入時に、異常作動停止情報が記憶部に記憶されていたときには、報知手段が、警告音出力部に対して警告音を出力させて電源異常遮断を報知する。したがって、利用者は、その警告音に基づいて、前回の使用終了の際に電源を異常に遮断したこと、および今回の使用終了の際には電源スイッチの操作によって電源を正常に遮断すべきであることを認識する。この場合、電源異常遮断を意味する表示をスクリーンに投射表示し、かつ警告音を出力することで、電源異常遮断の発生したことおよび電源を正常に遮断すべきであることを一層確実に認識させることが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るプロジェクタの好適な発明の実施の形態について説明する。
【0014】
図1に示すテレビジョン装置1は、一例として、スクリーンの背面から投射光を投射することによって映像を表示する背面投射型のテレビジョン装置であって、主電源2、電源スイッチ3、プロジェクタユニット4、画像信号処理部5、ランプ駆動部6、ファン制御部7、スクリーン8、音声信号処理部9、アンプ10、スピーカ11、記憶部12および主制御部13を備えて構成されている。また、テレビジョン装置1は、図示しないTVチューナおよび映像信号入力部などを備えている。
【0015】
主電源2は、商用交流用コンセントに接続された電源プラグを介して入力される電力を、ランプ駆動部6、ファン制御部7を初めとして各部で使用する電圧に変換して供給する。また、主電源2は、電源スイッチ3のオン/オフ操作に拘わらず、主制御部13に対しては電源を供給して作動を維持させる。電源スイッチ3は、テレビジョン装置1を起動および停止させるためのスイッチであって、図2に示すように、テレビジョン装置1の前面に設けられ、オン操作が行われたときにオン信号を主制御部13に出力する。
【0016】
プロジェクタユニット4は、光源ランプ41、光変調手段42、ファン43および温度センサ44を備えて構成され、光源ランプ41によって射出された白色光を、光変調手段42によって陰影や着色が施された投射光Lに光変調する。光源ランプ41は、一例として高圧水銀ランプで構成され、ランプ駆動部6から電源が供給されることで点灯して白色光を射出する。光変調手段42は、入射側偏光板、液晶ライトバルブおよび射出側偏光板などを備え、光源ランプ41と相俟って光学系OPを構成する。なお、この光学系OPは、ファン43によって冷却される。ファン43は、本発明における冷却部を構成し、送風によって光学系OPを強制空冷する。なお、テレビジョン装置1には、いずれも図示しないが、ファン43の作動時において外気を吸入するための外気吸入口と、排気をするための排気口とが形成されている。温度センサ44は、光学系OPの温度を検出可能に配設され、検出温度に応じた温度信号Stを主制御部13に出力する。画像信号処理部5は、主制御部13の制御に従い、例えば、図2に示す内容の警告画像20を表示させるための警告画像信号や、図示しないTVチューナから出力される受信映像信号を映像信号Svとしてプロジェクタユニット4に出力する。
【0017】
ランプ駆動部6は、主制御部13によって出力される制御信号Slの制御に従い、光源ランプ41に対して電源の供給およびその供給を停止する。ファン制御部7は、主制御部13および温度センサ44と相俟って本発明における冷却部の動作を制御する冷却制御部を構成し、主制御部13によって出力されるファン制御信号Sfの制御に従い、ファン43に対して電源を供給または供給停止することによってファン43の作動および停止を制御する。スクリーン8は、図2に示すように、テレビジョン装置1の前面に配設され、プロジェクタユニット4によって光変調された投射光Lを受光して拡散または平行光に変換することにより、各種の表示画面を表示する。
【0018】
音声信号処理部9は、アンプ10およびスピーカ11と相俟って本発明における警告音出力部を構成し、主制御部13の制御に従い、予め規定された警告音声信号や、図示しないTVチューナから出力された受信音声信号を音声信号Saとしてアンプ10に出力する。具体的には、警告音声としては、「前回、クールダウン処理が正常に終了しませんでした。今回からは正常にクールダウン処理をして下さい。」などの内容の音声が規定されている。アンプ10は、音声信号処理部9から出力された音声信号Saを増幅してスピーカ11に出力する。スピーカ11は、図2に示すように、テレビジョン装置1の前面に設けられて、アンプ10によって増幅された音声信号Saを出力する。
【0019】
記憶部12は、書き換え可能な不揮発性メモリ(一例として、フラッシュメモリ)で構成され、主制御部13によって情報が書き込まれると共に主制御部13によって情報が読み出される。主制御部13は、本発明における制御部を構成すると共に、画像信号処理部5、プロジェクタユニット4およびスクリーン8と相俟って本発明における報知手段を構成する。この場合、主制御部13は、画像信号処理部5および音声信号処理部9を初めとしてテレビジョン装置1全体の動作を統括的に制御すると共に、制御信号Slおよびファン制御信号Sfを出力してランプ駆動部6およびファン制御部7をそれぞれ制御する。また、主制御部13は、温度センサ44によって出力される温度信号Stが予め設定された温度よりも高いときには、ファン制御信号Sfを出力してファン制御部7に対してファン43の作動を開始させる。さらに、主制御部13は、テレビジョン装置1の使用終了時において後述する電源遮断時処理50(図3参照)を開始して、ファン43の送風によって光学系OPを冷却するクールダウン処理を正常に行ったときには、「正常」を意味するクールダウン情報を記憶部12に記憶させる。また、主制御部13は、電源スイッチ3がオン操作されたときには、後述する電源投入時処理60(図4参照)を開始して、記憶部12に記憶されているクールダウン情報の内容に応じて各種の処理を実行する。この場合、主制御部13は、タイマー機能を備え、「異常」を意味するクールダウン情報が記憶されているときには、スクリーン8に警告画像20を表示する際の表示時間を計測して予め設定された時間(例えば1分間)だけ警告画像20を表示させる。
【0020】
次に、テレビジョン装置1の全体的な動作について、図面を参照して説明する。このテレビジョン装置1では、電源スイッチ3がオン操作された際に、主制御部13が、図4に示す電源投入時処理60を開始する。この電源投入時処理60では、主制御部13は、まず、制御信号Slを出力してランプ駆動部6に対して電源の供給を開始させる(ステップ61)。なお、電源投入時処理60におけるステップ62以降の処理内容については、後に詳細に説明する。この際に、光源ランプ41は、ランプ駆動部6によって電源を供給されて点灯して、白色光を射出する。これに応じて、光学系OPの温度が次第に上昇する。この場合、温度センサ44が、光学系OPの温度を検出して、温度信号Stを主制御部13に出力する。次いで、主制御部13は、温度信号Stに基づいて光学系OPの温度が予め設定された温度よりも高くなったと判別したときに、ファン制御信号Sfを出力してファン制御部7に対してファン43への電源の供給を開始させる。したがって、ファン43が、作動を開始して光学系OPに対して送風する。この結果、光学系OPが冷却される。
【0021】
また、電源スイッチ3がオン操作された際には、主制御部13は、後述するように、記憶部12に記憶されているクールダウン情報を読み込むと共にそのクールダウン情報の内容(「正常」または「異常」)に拘わらず「異常」に書き換える。次いで、主制御部13は、通常の映像表示処理と受信音声の出力処理とを実行する。つまり、この処理では、主制御部13は、画像信号処理部5に対して、図示しないTVチューナから出力される受信映像を映像信号Svとしてプロジェクタユニット4に出力させる。これに応じて、プロジェクタユニット4は、映像信号Svに基づいて光変調した投射光Lをスクリーン8に投射して、スクリーン8に受信映像を表示させる。同時に、主制御部13は、音声信号処理部9に対して、TVチューナから出力される受信音声を音声信号Saとしてアンプ10に出力させる。これにより、アンプ10によって増幅された受信音声がスピーカ11から出力される。
【0022】
一方、電源スイッチ3がオフ操作された際には、主制御部13は、図3に示す電源遮断時処理50を開始する。この電源遮断時処理50では、主制御部13は、まず、画像信号処理部5、音声信号処理部9およびアンプ10などのファン43の作動に影響しない各部の作動を停止させると共に(ステップ51)、制御信号Slを出力してランプ駆動部6に対して電源の供給を停止させる(ステップ52)。この結果、光源ランプ41は、ランプ駆動部6による電源の供給が停止されて消灯する。この場合、主制御部13は、温度センサ44によって出力される温度信号Stに基づいて光学系OPの温度を計測して(ステップ53)、その温度が予め設定された温度(例えば60℃)以下に低下するまでファン43の作動を維持させる(ステップ54)。次いで、主制御部13は、その温度が予め設定された温度以下まで低下したと判別した時点で、ファン制御信号Sfをファン制御部7に出力する(ステップ55)。次いで、ファン制御部7がファン43に対する電源の供給を停止することにより(作動停止制御することにより)、ファン43が作動を停止する。続いて、主制御部13は、「正常」を意味するクールダウン情報を記憶部12に記憶させて(ステップ56)、この電源遮断時処理50を終了する。この場合、電源スイッチ3がオフ操作された時点から光学系OPの温度が予め設定された温度以下に低下するまでの間において、電源プラグが商用交流コンセントから引き抜かれたことなどに起因して電源が異常遮断されたときには、主制御部13によって「正常」を意味するクールダウン情報が記憶されないため、その状態では、記憶部12には「異常」を意味するクールダウン情報が記憶されることとなる。
【0023】
次に、上記した電源投入時処理60について説明する。電源スイッチ3がオン操作された際には、主制御部13は、前述したように、制御信号Slを出力してランプ駆動部6に対して電源の供給を開始させると共に(ステップ61)、記憶部12からクールダウン情報を読み込む(ステップ62)。次に、主制御部13は、読み込んだクールダウン情報が「正常」を意味する情報か否かを判別する(ステップ63)。この際に、「正常」のときには、記憶部12に記憶されているクールダウン情報を「異常」に書き換えて(ステップ64)、この電源投入時処理60を終了し、上記した通常の映像表示処理と受信音声の出力処理とを実行する。逆に、「異常」のときには、主制御部13は、一例として図2に示すように、「前回、クールダウン処理が正常に終了しませんでした。今回からは正常にクールダウン処理をして下さい。」との警告を意味する警告画像20をスクリーン8に表示させる映像信号Svを画像信号処理部5に対して出力させる(ステップ65)。これに応じて、プロジェクタユニット4は、映像信号Svに基づいて光変調した投射光Lをスクリーン8に投射して、スクリーン8に警告画像20を表示させる。
【0024】
また、主制御部13は、警告画像20をスクリーン8に表示させた時点において、音声信号処理部9に対して「前回、クールダウン処理が正常に終了しませんでした。今回からは正常にクールダウン処理をして下さい。」との警告を意味する音声信号Saをアンプ10に出力させることで、アンプ10によって増幅された警告音声をスピーカ11から出力させる(ステップ66)。この結果、利用者に対して、警告画像20の表示と警告音声の出力の双方に基づいて、前回の使用終了の際に電源を異常に遮断したことを確実に認識させることができる。同時に、今回の使用終了に際しては、電源スイッチ3をオフ操作してクールダウン処理が正常に行われた後に商用交流コンセントから電源プラグを引き抜くなどの正常な電源遮断を行うべきである旨の注意を喚起することができる。また、主制御部13は、警告画像20をスクリーン8に表示させる映像信号Svを画像信号処理部5に出力した時点からの経過時間を計測し(ステップ67)、1分間を経過した時点で、画像信号処理部5に対して警告画像20の表示を停止させる(ステップ68)。次いで、主制御部13は、記憶部12に記憶されているクールダウン情報を「異常」に書き換えて(ステップ64)、この電源投入時処理60を終了し、上記した通常の映像表示処理と受信音声の出力処理とを実行する。
【0025】
以上のように、このテレビジョン装置1によれば、例えば、利用者によって誤って電源プラグが商用交流コンセントから引き抜かれたことなどに起因する電源異常遮断が生じた際に、記憶部12が「異常」のクールダウン情報(異常作動停止情報)を記憶し、電源スイッチ3のオン操作時(電源投入時)において「異常」のクールダウン情報が記憶部12に記憶されていたときに、主制御部13、画像信号処理部5およびプロジェクタユニット4が電源異常遮断を報知することにより、利用者に対して、前回の使用終了の際に電源を異常に遮断したこと、および今回の使用終了の際には電源スイッチの操作によって電源を正常に遮断すべきであることを認識させることができる。この場合、警告画像20をスクリーン8に投射表示させて電源異常遮断を視認させることにより、利用者に対して、前回の使用終了の際に電源を異常に遮断したこと、および今回の使用終了の際には電源スイッチの操作によって電源を正常に遮断すべきであることを確実に認識させることができる。また、電源異常遮断を警告する内容の警告音声をスピーカ11から出力することにより、利用者に対して、電源異常遮断の発生したことおよび電源を正常に遮断すべきであることを一層確実に認識させることができる。
【0026】
なお、本発明は、上記した本発明の実施の形態に限定されない。例えば、本発明の実施の形態では、テレビジョン装置1が警告画像20と警告音声との双方で利用者に警告する例について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、警告画像20のみ、または警告音声のみで警告(報知)する構成を採用することができる。この場合にも、利用者は、警告画像20を見ること、または警告音声を聴くことで、前回の使用終了の際に電源を異常に遮断したこと、および今回の使用終了の際には電源スイッチの操作によって電源を正常に遮断すべきであることを確実に認識する。また、本発明の実施の形態では、光学系OPが予め設定された温度以下となる状態を本発明における「予め設定された所定の条件」として、ファン43が光学系OPを冷却する例について説明したが、予め設定した所定時間を所定の条件として、主制御部13がファン43に対して冷却させる構成を採用することもできる。
【0027】
さらに、本発明の実施の形態では、背面投射型のプロジェクタ方式によるテレビジョン装置1を例に挙げて説明したが、前面投射型のプロジェクタに本発明を適用することもできる。また、本発明の実施の形態では、プロジェクタとしてテレビジョン放送の受信映像および受信音声を表示および出力するテレビジョン装置1を例に挙げて説明したが、外部から入力された画像のみを表示するプロジェクタに本発明を適用することもできる。さらに、本発明の実施の形態では、光源ランプ41および光変調手段42を有する光学系OPを備えて構成されたテレビジョン装置1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、光源ランプから射出された光をフィルム状の透過原稿(本発明における「表示対象画像が描かれた透過性フィルム」の一例)を透過させてスクリーンに投射するOHP(Overhead Projector)や、光源ランプから射出された光を陽画フィルム(本発明における「表示対象画像が描かれた透過性フィルム」の他の一例)を透過させてスクリーンに投射する映写機などの各種プロジェクタに本発明を適用することができる。
【0028】
また、本発明の実施の形態では、テレビジョン装置1が警告画像20を表示した後に警告画像20に代えて一例としてTVチューナによって出力される受信映像を表示する例について説明したが、本発明はこれに限定されず、一例としてTVチューナによって出力された受信映像に警告を意味する文字をスーパーインポーズ表示する構成を採用することができる。また、本発明の実施の形態では、警告画像20を1分間表示させる例について説明したが、本発明はこれに限定されず、時間は任意に設定することができる。また、利用者によってその時間を変更できる構成を採用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】テレビジョン装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】テレビジョン装置1の正面図である。
【図3】電源遮断時処理50のフローチャートである。
【図4】電源投入時処理60のフローチャートである。
【符号の説明】
1 テレビジョン装置、2 主電源、3 電源スイッチ、4 プロジェクタユニット、5 画像信号処理部、6 ランプ駆動部、7 ファン制御部、8 スクリーン、9 音声信号処理部、10 アンプ、11 スピーカ、12 記憶部、13 主制御部、41 光源ランプ、42 光変調手段、43 ファン、44 温度センサ、50 電源遮断時処理、60 電源投入時処理、L 投射光、OP
光学系

Claims (4)

  1. 光源ランプおよび光変調手段を有する光学系と、当該光学系を冷却する冷却部と、作動停止の際に前記光学系が予め設定された所定の条件を満たす状態まで前記冷却部によって冷却されたときに当該冷却部を作動停止制御する冷却制御部とを備え、前記光源ランプから射出された光を前記光変調手段によって光変調させてスクリーンに投射することによって表示画面を表示可能に構成されたプロジェクタであって、
    前記冷却部に対する前記冷却制御部による前記作動停止制御に先立って電源異常遮断に起因して当該冷却部が作動停止したときにその異常作動停止情報を記憶する不揮発性の記憶部と、電源投入時において前記異常作動停止情報が前記記憶部に記憶されていたときに前記電源異常遮断を報知する報知手段とを備えているプロジェクタ。
  2. 光源ランプを有する光学系と、当該光学系を冷却する冷却部と、作動停止の際に前記光学系が予め設定された所定の条件を満たす状態まで前記冷却部によって冷却されたときに当該冷却部を作動停止制御する冷却制御部とを備え、前記光源ランプから射出された光を、表示対象画像が描かれた透過性フィルムを透過させてスクリーンに投射することによって表示画面を表示可能に構成されたプロジェクタであって、
    前記冷却部に対する前記冷却制御部による前記作動停止制御に先立って電源異常遮断に起因して当該冷却部が作動停止したときにその異常作動停止情報を記憶する不揮発性の記憶部と、電源投入時において前記異常作動停止情報が前記記憶部に記憶されていたときに前記電源異常遮断を報知する報知手段とを備えているプロジェクタ。
  3. 前記報知手段は、前記スクリーンと、前記電源異常遮断を意味する表示を前記スクリーンに投射表示させて当該電源異常遮断を報知する制御部とを備えて構成されている請求項1または2記載のプロジェクタ。
  4. 前記報知手段は、警告音を出力する警告音出力部を備え、当該警告音出力部に対して前記警告音を出力させて前記電源異常遮断を報知する請求項1から3のいずれかに記載のプロジェクタ。
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