JP2004279567A - 電気光学装置の駆動方法及び駆動回路、電気光学装置並びに電子機器 - Google Patents
電気光学装置の駆動方法及び駆動回路、電気光学装置並びに電子機器 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】階調レベルの不連続を防止する。
【解決手段】1フレームは、第1サブフィールドSF1〜SF3に分割されており、それらの各々で画素電極に電位が書き込まれる。対向電極電位LCCOMの極性はフレーム毎に反転する。nフレームでは画素電極に選択電位v0a〜v3aのうち選択された電位が印加され、n+1フレームでは、画素電極に選択電位v0b〜v3bのうち選択された電位が印加される。この結果、液晶には電圧V0”〜V3”が印加される。液晶の透過率は等間隔を刻むように電圧V0”〜V3”が設定されている。
【選択図】 図1
【解決手段】1フレームは、第1サブフィールドSF1〜SF3に分割されており、それらの各々で画素電極に電位が書き込まれる。対向電極電位LCCOMの極性はフレーム毎に反転する。nフレームでは画素電極に選択電位v0a〜v3aのうち選択された電位が印加され、n+1フレームでは、画素電極に選択電位v0b〜v3bのうち選択された電位が印加される。この結果、液晶には電圧V0”〜V3”が印加される。液晶の透過率は等間隔を刻むように電圧V0”〜V3”が設定されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気光学装置の駆動方法及び駆動回路、これらを用いた電気光学装置並びに電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気光学装置、例えば、電気光学材料として液晶を用いた液晶表示装置は、陰極線管(CRT)に代わるディスプレイデバイスとして、各種情報処理機器の表示部や液晶テレビなどに広く用いられている。
【0003】
ここで、従来の電気光学装置は、例えば、次のように構成されている。すなわち、従来の電気光学装置は、マトリクス状に配列した画素電極と、この画素電極に接続されたTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)のようなスイッチング素子などが設けられた素子基板と、画素電極に対向する対向電極が形成された対向基板と、これら両基板との間に充填された電気光学材料たる液晶とから構成される。そして、このような構成において、走査線を介してスイッチング素子に走査信号を印加すると、当該スイッチング素子が導通状態となる。この導通状態の際に、データ線を介して画素電極に、階調に応じた電圧の画像信号を印加すると、当該画素電極および対向電極の間の液晶層に画像信号の電圧に応じた電荷が蓄積される。電荷蓄積後、当該スイッチング素子をオフ状態としても、当該液晶層における電荷の蓄積は、液晶層自身の容量性や蓄積容量などによって維持される。このように、各スイッチング素子を駆動させ、蓄積させる電荷量を階調に応じて制御すると、画素毎に液晶の配向状態が変化するので、画素毎に濃度が変化することになる。このため、階調表示することが可能となるのである。
【0004】
液晶の透過率は、印加電圧の平均実効値によって定まる。そこで、階調を液晶への印加電圧及び印加時間によって制御する技術が知られている(例えば、特許文献1及び2)。この技術によれば、1フレームを複数のサブフィールドに分割し、表示すべき階調に応じて、サブフィールド単位で予め定められた複数の電圧の中から選択した電圧を液晶に印加する。但し、複数の電圧は等間隔の値をとるものであった。
【0005】
【特許文献1】
特許2639763号公報
【0006】
【特許文献2】
特許2639764号公報
【0007】
【発明が解決しようする課題】
しかしながら、従来の駆動方法では、表示諧調が不連続になることがあるといった問題があった。この点について具体的に説明する。ここでは、1フレームを第1サブフィールドSF1、第2サブフィールドSF2、及び第3サブフィールドSF3に分割し、各サブフィールドにおいて4つの選択電位V0、V1、V2、及びV3の中から選択した一つの電位を画素電極に印加する一方、対向電極電位LCCOMを1フレーム毎に反転する場合を想定する。なお、第1サブフィールドSF1、第2サブフィールドSF2、及び第3サブフィールドSF3の各時間は、1:4:16となっているものとする。
【0008】
図18に、各サブフィールドSF1〜SF3、各選択電位V0〜V3、及び対向電極電位LCCOMの関係を示す。この図において、V1−V0=V2−V1=V3−V2の関係がある。ここで、第1サブフィールドSF1における被選択電位をVsf1、第2サブフィールドSF2における被選択電位をVsf2、第3サブフィールドSF3における被選択電位をVsf3とし、64階調を表示するものとしたとき、図19に階調レベルと被選択電位Vsf1〜Vsf3との関係を示す。
【0009】
図20は、図18及び図19の設定において階調の測定結果を示すグラフである。この図に示すように階調レベルが15から16へ遷移するとき、階調レベルが31から32へ遷移するとき、及び階調レベルが47から48へ遷移するときに透過率又は反射率が不連続となる。不連続は、各サブフィールドSF1〜SF3のうち、時間が最も長い第3サブフィールドSF3における被選択電位Vsf3の遷移タイミングと対応している。
【0010】
このように、輝度の不連続が発生するのは、電位V0〜V3を等間隔に刻んでもパネルの輝度が等間隔に刻まれないからである。図21は電気光学材料たる液晶のV−T特性を示すグラフである。V−T特性は、液晶の透過、反射率と印加電圧との関係を示すものである。
【0011】
図21においてV0’〜V3’は、画素電極に印加する電位として電位V0〜V3を選択した場合に、液晶に各々印加される電圧値であり、T0’〜T3’は印加電圧値V0’〜V3’に対応する液晶の透過、反射率の値である。図21から、電位V0〜V3を等間隔に刻んでも、透過、反射率は等間隔にならないことが分かる。
【0012】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、電圧変調とサブフィールドとを組み合わせた駆動において、階調レベルの不連続が発生しないような電気光学装置の駆動方法等を提供することを解決課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電気光学装置の駆動方法は、電気光学材料を含む画素がマトリックス状に配設される電気光学装置に用いられ、前記電気光学材料への印加電圧及び印加時間を制御することによって前記各画素に階調を表示させるものであって、1フレームを分割した複数のサブフィールドの各々において、前記各画素の階調を指示する階調データに基づいて、複数の電圧の中から選択した電圧を前記電気光学材料に印加し、前記電気光学材料の電気光学特性を考慮して前記階調データの各データ値に対応する各輝度が等間隔で刻めるように前記複数の電圧を設定することにより、上述した課題を解決する。
【0014】
電気光学材料とは、電気的に透過率や発光量といった光学特性を制御可能な材料を意味し、例えば、液晶が該当する。また、電気光学特性とは、電気的な量と光学的な量の関係を意味し、例えば、液晶における印加電圧と透過率との関係であるV−T特性が該当する。電気光学特性は、電気光学材料の種類にもよるが一般に非線形であることが多い。このため、印加電圧を等間隔で刻んでも輝度は等間隔とならない。この発明によれば、各サブフィールドにおいて、階調データに基づいて選択された電圧が電気光学材料に印加されるが、選択の対象となる複数の電圧は、電気光学材料の電気光学特性を考慮して階調データの各データ値に対応する各輝度が等間隔で刻めるように設定されている。従って、階調データのデータ値を変化させたとき、輝度が不連続になるといったことがなくなり、自然なグラディエーションを表現でき、表示画像の品質を大幅に向上させることが可能となる。なお、この発明は電気光学材料へ所定の選択電圧を印加するには、電気光学材料に2つの電極を設け、一方の電極と他方の電極の間に電位差が生じるように両電極に電位を供給すればよい。この場合、両方の電極の電位を調整してもよいし、あるいは、いずれか一方の電極の電位を調整してもよい。
【0015】
また、前記画素が、対向電極電位が供給される対向電極と、画素電極と、前記対向電極と前記画素電極との間に挟持される前記電気光学材料とを備えるのであれば、前記階調データに応じて各サブフィールド毎に複数の選択電位の中から選択した電位を前記画素電極に供給し、前記複数の電圧は、前記対向電極電位と前記画素電極の電位との電位差として与えられ、前記複数の選択電位は、前記電気光学材料の電気光学特性を考慮して前記電気光学材料の電気光学特性を考慮して前記階調データの各データ値に対応する各輝度が等間隔で刻めるように設定されることが好ましい。
【0016】
電気光学材料への印加電圧は、対向電極電位と画素電極の電位との電位差で定まる。この発明によれば、画素電極に供給する電位を複数の選択電位の中から選択することによって、階調データの各データ値に対応する各輝度が等間隔で刻めるようにしている。
【0017】
ここで、1フレームに含まれるサブフィールド数をM、前記諧調データのビット数をK、1フレームの期間において選択の対象となる前記選択電位の数をJとしたとき、J=2N 但し、Nは自然数、K=N*M、となるように設定してもよい。さらに、前記各サブフィールドの時間を短い順に並べたとき、あるサブフィールドの時間と次のサブフィールドの時間との比率を1:2Nとすることが好ましい。この場合には、各サブフィールドの時間の重み付けと選択電位の重み付けを関係付けることができるので、あるサブフィールドの選択電位の組と他のサブフィールドにおける選択電位の組とを共通化して、選択電位数を削減することが可能となる。
【0018】
さらに、Kビットの前記諧調データを最下位ビットから最上位ビットへ向けてNビットごとに分割すると共に時間の短い前記サブフィールドから時間の長いサブフィールドに対応付けて、M個の選択データを生成し、前記各サブフィールドにおいて、対応する前記選択データに基づいて前記複数の選択電位の中から一つの電位を選択し、選択した選択電位を前記画素電極の電位として供給することが好ましい。
【0019】
階調データに基づいて各画素に階調を表示させるためには、複数の選択電位の中から一つの選択電位を選択する必要がある。このためには、階調データに何等かの処理を施して、どの選択電位を選択するかを指示する選択データを生成する必要がある。この発明によれば、単に、階調データを分割すれば、選択データを生成することができるので、演算処理等が不要となり、選択データを簡易且つ高速に生成できる。
【0020】
また、前記対向電極電位として、所定周期で基準電位を中心として極性を反転した電位を前記対向電極に供給してもよい。この場合には、電気光学材料を容易に交流駆動することができる。
【0021】
さらに、前記対向電極電位の極性が一方の極性である場合と他方の極性である場合とで、選択の対象とする前記複数の選択電位を共通化することが好ましい。これにより、選択電位数を削減することができる。
【0022】
また、前記対向電極電位として、固定電位を供給した場合には、前記複数の選択電位は、前記固定電位を中心として極性が反転された第1の組と第2の組とからなり、前記所定周期で前記第1及び第2の組のうち一方を選択し、選択された組を構成する選択電位の中から、前記階調データに応じて各サブフィールド毎に選択した選択電位を前記画素電極に供給することが好ましい。これによって、電気光学材料を交流駆動することができる。
【0023】
次に、本発明に係る電気光学装置の駆動回路は、複数のデータ線と複数の走査線との各交差に対応して配設され電気光学材料を含む各画素を駆動するものであって、1フレームを分割した複数のサブフィールドの各々において、各画素の電気光学材料への印加電圧を選択するための選択データを階調データに基づいて生成するデータ変換回路と、前記各サブフィールド毎に、前記データ線から前記画素への電圧印加を可能にする走査信号を、前記走査線の各々に順次供給する走査線駆動回路と、前記走査信号が前記走査線に供給される間、前記選択データに基づいて複数の電圧の中から選択した電圧をデータ信号として前記データ線に供給するデータ線駆動回路と、前記電気光学材料の電気光学特性を考慮して前記階調データの各データ値に対応する各輝度が等間隔で刻めるように設定した前記複数の電圧を発生する電源とを備えたことを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、各サブフィールドにおいて、階調データに基づいて選択された電圧が電気光学材料に印加されるが、選択の対象となる複数の電圧は、電気光学材料の電気光学特性を考慮して階調データの各データ値に対応する各輝度が等間隔で刻めるように設定されている。従って、階調データのデータ値を変化させたとき、輝度が不連続になるといったことがなくなり、自然なグラディエーションを表現でき、表示画像の品質を大幅に向上させることが可能となる。
【0025】
また、前記画素は、対向電極電位が供給される対向電極と、前記対向電極に対向した画素電極と、前記画素電極および前記対向電極の間に挟持された前記電気光学材料と、前記走査線を介して前記走査信号が与えられることにより前記データ線を介して供給される前記データ信号を前記画素電極に印加するスイッチング素子とを備え、前記複数の電圧は、前記対向電極電位と前記画素電極の電位との電位差として与えられ、前記電源は、前記複数の電圧として、前記電気光学材料の電気光学特性を考慮して前記階調データの各データ値に対応する各輝度が等間隔で刻めるように設定した複数の選択電位を発生し、前記データ線駆動回路は、前記選択データに基づいて前記複数の選択電位の中から一つ選択電位を選択し、前記データ信号として前記データ線に供給することが好ましい。
【0026】
この発明によれば、画素電極に供給する電位を複数の選択電位の中から選択することによって、階調データの各データ値に対応する各輝度が等間隔で刻めるようにしている。
【0027】
また、1フレームに含まれるサブフィールド数をM、前記諧調データのビット数をK、1フレームの期間において選択の対象となる前記選択電位の数をJとしたとき、J=2N 但し、Nは自然数、K=N*M となるように設定し、前記各サブフィールドの時間を短い順に並べたとき、あるサブフィールドの時間と次のサブフィールドの時間との比率を1:2Nとすることが好ましい。
【0028】
この場合には、各サブフィールドの時間の重み付けと選択電位の重み付けを関係付けることができるので、あるサブフィールドの選択電位の組と他のサブフィールドにおける選択電位の組とを共通化して、選択電位数を削減することが可能となる。
【0029】
また、前記データ変換回路は、Kビットの前記諧調データを最下位ビットから最上位ビットへ向けてNビットごとに分割すると共に時間の短い前記サブフィールドから時間の長いサブフィールドに対応付けて、M個の前記選択データを生成するデコーダと、前記選択データを前記各サブフィールドと対応付けて記憶する記憶手段と、前記各サブフィールドにおいて前記記憶手段から前記選択データを点順次に読み出して前記データ線駆動回路へ出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。この発明によれば、単に、階調データを分割すれば、選択データを生成することができるので、演算処理等が不要となり、選択データを簡易且つ高速に生成できる。
【0030】
また、前記データ線駆動回路は、前記データ変換回路から供給される点順次の選択データを、前記データ線に各々対応した線順次の選択データへ変換する変換回路と、前記変換回路から出力される前記選択データに基づいて、前記複数の選択電位の中から選択した電位を前記データ信号として、前記データ線の各々に出力する電位選択回路とを備えることが好ましい。この場合には、データ信号が線順次で生成されることになる。
【0031】
また、前記対向電極電位は、1フレームの自然数倍の周期で基準電位を中心として極性が反転され、前記対向電極電位の極性が一方の極性である場合と他方の極性である場合とで、選択の対象とする前記複数の選択電位を共通化することが好ましい。この共通化によって選択電位数を削減することができる。
【0032】
次に、本発明に係る電気光学装置は、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記複数のデータ線と前記複数の走査線との各交差に対応して配設され電気光学材料を含む各画素とを備えた電気光学装置と、上述した電気光学装置の駆動回路とを備える。さらに、本発明に係る電子機器はこの電気光学装置を備えたことを特徴とし、このような電子機器としては、例えば、ビデオカメラに用いられるビューファインダ、携帯電話機、ノート型コンピュータ等が該当する。
【0033】
【発明の実施の形態】
<1.駆動方法>
本実施形態においては、電気光学材料として液晶を用いる場合を一例として説明する。この例では、6ビットの階調データを用いて64階調を表示するものとする。また、1フレームを第1サブフィールドSF1、第2サブフィールドSF2、及び第3サブフィールドSF3に分割し、各サブフィールドSF1〜SF3において4つの選択電位の中から選択した一つの選択電位を画素電極に印加する一方、対向電極電位を1フレーム毎に反転する場合を想定する。以下の説明では、第1〜第3サブフィールドSF1〜SF3で選択された電位を被選択電位Vsf1〜Vsf3と称する。なお、第1サブフィールドSF1、第2サブフィールドSF2、及び第3サブフィールドSF3の各時間は、1:4:16となっているものとする。
【0034】
図1に、各サブフィールドSF1〜SF3、各選択電位v0a〜v3a、v0b〜v3b、及び対向電極電位LCCOMの関係を示す。この図において、選択電位v0a〜v3aは対向電極電位LCCOMが電位VLとなるnフレームにおいて選択され、選択電位v0b〜v3bは対向電極電位LCCOMが電位VHとなるn+1フレームにおいて選択される。
【0035】
nフレームにおいて選択電位v0aが画素電極に印加されると、液晶には電圧V0”が印加され、選択電位v1aが画素電極に印加されると液晶には電圧V1”が印加され、選択電位v2aが画素電極に印加されると液晶には電圧V2”が印加され、選択電位v3aが画素電極に印加されると液晶には電圧V3”が印加される。また、n+1フレームにおいて選択電位v0bが画素電極に印加されると、液晶には電圧V0”が印加され、選択電位v1bが画素電極に印加されると液晶には電圧V1”が印加され、選択電位v2bが画素電極に印加されると液晶には電圧V2”が印加され、選択電位v3bが画素電極に印加されると液晶には電圧V3”が印加される。
【0036】
図2に、液晶への印加電圧と透過、反射率との関係(V−T特性)を示す。この図に示すように電圧V0”、V1”、V2”、及びV3”は透過、反射率T0’、T1’、T2’、及びT3’に各々対応する。この場合、T0’−T1’=T1’−T2’=T2’−T3’の関係がある。液晶の透過、反射率の刻みは、パネルの輝度の刻みと等しい。即ち、液晶の電気光学特性を考慮して階調データの各データ値に対応する各輝度が等間隔で刻めるように電圧V0”、V1”、V2”、及びV3”が設定されている。また、電圧V0”、V1”、V2”、及びV3”は、選択電位v0a〜v3a、v0b〜v3b、電位VH、及び電位VLによって定まる。従って、透過、反射率の刻みが等しくなるように選択電位v0a〜v3a、v0b〜v3b、電位VH、及び電位VLが設定されている。
【0037】
一般的に説明すれば、1フレームに含まれるサブフィールド数をM、諧調データのビット数をK、1フレームの期間において選択の対象となる選択電位の数をJとしたとき、これらに以下の式が成り立つように設定する。
J=2N 但し、Nは自然数
K=N*M
また、各サブフィールドの時間を短い順に並べたとき、あるサブフィールドの時間と次のサブフィールドの時間との比率を、1:2Nに設定する。上述した例では、J=4、N=2、M=3、K=6となる。
【0038】
液晶の透過率、即ち、輝度は、液晶への印加電圧の平均実効値によって定まり、印加電圧を一定とすれば輝度は印加時間に比例する。本実施形態において画素電極118に印加される電位は、透過率が等間隔になるように設定されているから、輝度を正確に表現する指標に用いることができる。そして、選択電位数Jを2Nとするので、選択電位によってNビットの輝度を表現できる。また、サブフィールド時間の比率を1:2Nに設定しているので、あるサブフィールドの重み付けを1とすると、次に長いサブフィールドの重み付けは2Nとなる。
【0039】
このように、サブフィールド数M、諧調データビット数K、選択電位数Jを関係付けたので、階調データをNビットごとに分割することによって、選択電位を指定する選択データを容易に生成できる。上述した例において、階調データをD0〜D5で表すこととすれば、階調データを2ビットごとに分割すれば、各サブフィールドで選択電位を特定する選択データを得ることが可能となる。
【0040】
また、この例のV−T特性は、電圧(V1”+V2”)/2及び透過率(T1’+T2’)/2の点を中心にほぼ点対象となっているので、電圧V0”及び電圧V1”の差分と、電圧V2”及び電圧V1”の差分とが等しい。この場合には、図1に示す、選択電位v3aと選択電位v0b、選択電位v2aと選択電位v1b、選択電位v1aと選択電位v2b、選択電位v0aと選択電位v3bとが各々等しくなる。但し、点対象とならない場合には、選択電位v2aと選択電位v1b、及び選択電位v1aと選択電位v2bは異なる値となる。
【0041】
nフレームにおける各諧調と被選択電位との関係は、図19に示す電位V0を選択電位v0aに、電位V1を選択電位v1aに、電位V2を選択電位v2aに、電位V3を選択電位v3aに置き換えたものとなる。本実施形態においては、上述したように、透過、反射率の刻みが等しくなるように選択電位v0a〜v3a、v0b〜v3b、電位VH、及び電位VLが設定されているから、階調レベルと透過、反射率との関係は、図3に示すものとなる。
【0042】
また、階調レベルと駆動波形とを図4に示す。従来の駆動方法で階調レベルの不連続が発生したのは、図20に示すように階調レベルが15から16へ移行する場合、階調レベルが31から32へ移行する場合、及び階調レベルが47から48へ移行する場合である。即ち、各サブフィールドの中で最も時間が長い第3サブフィールドSF3の電位が変化するときである。図4に示す例では、第3サブフィールドSF3における被選択電位Vsf3の刻みが等間隔とならず、透過、反射率が等間隔となるように選択電位v0a〜v3a及び選択電位v0b〜v3bが刻まれているから、表示輝度の不連続を解消することができる。
【0043】
ところで、液晶の印加電圧は、液晶容量によって保持される電荷によって定まるが、保持期間が長いとリーク電流によって印加電圧が下がることがある。このため、各サブフィールドSF1〜SF3の長さに応じて、選択電位v0a〜v3a及び選択電位v0b〜v3bを設定するようにしてもよい。また、印加電圧の低下の影響は、期間が最も長い第3サブフィールドSF3で大きくなるので、第3サブフィールドSF3における選択電位v0a〜v3a及び選択電位v0b〜v3bの値を他のサブフィールドと異なるように設定してもよい。これによって、選択電位数を大幅に増やすことなく、正確な階調を刻むことが可能となる。
【0044】
また、上述した例では、第1〜第3サブフィールドSF1〜SF3の各時間は、1:4:16の比率になるように設定されたが、液晶の印加電圧の低下を考慮して、各時間を調整してもよい。この場合には、選択電位数を増やすことなく、正確な階調を刻むことが可能となる。
【0045】
また、上述した例は、所定の基準電位を中心として対向電極電位LCCOMの極性を1フレーム毎に反転させるものであったが、対向電極電位LCCOMの電位を一定としてもよい。図5に、対向電極電位LCCOMの電位を一定とした場合の選択電位v0a〜v3a及びv0b〜v3bを示す。この場合には、nフレームにおいて選択電位v0a〜v3aから選択されたものが画素電極に印加され、n+1フレームにおいて選択電位v0b〜v3bから選択されたものが画素電極に印加される。なお、図5に示す駆動波形は、階調レベル54に対応している。
【0046】
<2.電気光学装置の全体構成>
本実施形態に係る電気光学装置は、電気光学材料として液晶を用いた液晶装置であり、後述するように素子基板と対向基板とが、互いに一定の間隙を保って貼付され、この間隙に電気光学材料たる液晶が挟持される構成となっている。また、本実施形態に係る電気光学装置では、素子基板には、画素を駆動するトランジスタとともに、周辺駆動回路などが形成されたものである。なお、この例の電気光学装置は、図1に示すように1フレームを、第1〜第3サブフィールドSF1〜SF3に分割して液晶を駆動する。
【0047】
図6は、この電気光学装置の電気的な構成を示すブロック図である。この電気光学装置は、電気光学パネルAA、タイミング信号生成回路200、データ変換回路300、及び電源回路400を備える。このうち電源回路400は、各構成部分へ電源を供給すものであり、上述した選択電位v0a〜v3a及びv0b〜v3aを生成して液晶パネルAAに供給する。
【0048】
また、電気光学装置には、6ビットの階調データD0〜D5が供給される。階調データD0〜D5は、各画素に表示すべき階調レベルを表している。なお、最下位ビットはD0、最上位ビットはD5で表すものとする。
【0049】
タイミング信号生成回路200は、図示せぬ上位装置から供給される垂直同期信号Vs、水平同期信号Hsおよびドットクロック信号DCLKにしたがって、次に説明する各種のタイミング信号やクロック信号などを生成するものである。第1に、交流化信号FRは、1フレーム毎にレベル反転する信号である。第2に、対向電極電位LCCOMは、1フレーム毎にレベル反転して、対向基板の対向電極に印加される。なお、対向電極電位LCCOMは交流化信号FRに対してラッチパルスLPの1クロック分位相が遅れている。第3に、スタートパルスDYは、各サブフィールドにおいて最初に出力されるパルス信号である。第4に、クロック信号CLYは、走査側(Y側)の水平走査期間を規定する信号である。第5に、ラッチパルスLPは、水平走査期間の最初に出力されるパルス信号であって、クロック信号CLYのレベル遷移(すなわち、立ち上がりおよび立ち下がり)時に出力されるものである。第6に、クロック信号CLXは、いわゆるドットクロックを規定する信号である。
【0050】
一方、素子基板上における表示領域101aには、複数本の走査線112が、図においてX(行)方向に延在して形成され、また、複数本のデータ線114が、Y(列)方向に沿って延在して形成されている。そして、画素110は、走査線112とデータ線114との各交差に対応して設けられて、マトリクス状に配列している。ここで、説明の便宜上、本実施形態では、走査線112の総本数をm本とし、データ線114の総本数をn本として(m、nはそれぞれ2以上の整数)、m行×n 列のマトリクス型表示装置として説明するが、本発明をこれに限定する趣旨ではない。
【0051】
<3.画素の構成>
画素110の具体的な構成としては、例えば、図7(a)に示されるものが挙げられる。この構成では、トランジスタ(MOS型FET)116のゲートが走査線112に、ソースがデータ線114に、ドレインが画素電極118に、それぞれ接続されるとともに、画素電極118と対向電極108との間に電気光学材料たる液晶105が挟持されて液晶層が形成されている。ここで、対向電極108は、後述するように、実際には画素電極118と対向するように対向基板に一面に形成される透明電極である。なお、対向電極108の電位は、通常の電気光学装置おいては、一定値に保たれるが、本実施形態に係る電気光学装置においては、前述した対向電極電位LCCOMが印加されて、1フレーム毎にレベル反転する構成となっている。また、画素電極118と対向電極108との間においては蓄積容量119が形成されて、液晶層に蓄積される電荷のリークを防止している。なお、この実施例では、蓄積容量119を画素電極118と対向電極108の間に形成したが、画素電極118と接地電位GND間や画素電極118とゲート線間等に形成しても良い。
【0052】
ここで、図7(a)に示される構成では、トランジスタ116として一方のチャネル型のみが用いられているために、オフセット電圧が必要となるが、図7(b)に示されるように、Pチャネル型トランジスタとNチャネル型トランジスタとを相補的に組み合わせた構成とすれば、オフセット電圧の影響をキャンセルすることができる。ただし、この相補型構成では、走査信号として互いに排他的レベルを供給する必要が生じるため、1行の画素110に対して走査線112a、112bの2本が必要となる。なお、これらのトランジスタはTFTによって構成される。
【0053】
<4.スタートパルス生成回路>
上述したように本実施形態においては、1フレームを、第1〜第3サブフィールドSF1〜SF3に分割している。サブフィールドの切り替わりはスタートパルスDYによって制御される。このスタートパルスDYはタイミング信号生成回路200の内部で生成される。タイミング信号生成回路200において、スタートパルスDYを生成するスタートパルス生成回路の構成を説明する。
【0054】
図8は、スタートパルス生成回路の構成例を示すブロック図である。図8に示すように、スタートパルス生成回路210は、カウンタ211、コンパレータ212、マルチプレクサ213、リングカウンタ214、Dフリップフロップ215、およびオア回路216から構成されている。
【0055】
カウンタ211はドットクロックDCLKをカウントするが、オア回路216の出力信号によってカウント値がリセットされるようになっている。また、オア回路216の一方の入力端子には、フィールドの開始において、ドットクロックDCLKの1周期の期間だけHレベルとなるリセット信号RSETが供給されるようになっている。したがって、カウンタ211は、少なくともフレームの開始時点において、カウント値がリセットされる。
【0056】
コンパレータ212は、カウンタ211のカウント値とマルチプレクサ213の出力データ値を比較し、両者が一致する時、Hレベルとなる一致信号を出力する。マルチプレクサ213は、スタートパルスDYの数をカウントするリングカウンタ214のカウント結果に基づいて、データDc1、Dc2、及びDc3を選択出力する。ここで、データDc1、Dc2、及びDc3は、図1に示す各期間SF1、SF2、及びSF3に各々対応するものである。
【0057】
コンパレータ212は、カウンタ211のカウント値が、サブフィールドの区切りに達すると一致信号を出力することになる。この一致信号は、オア回路216を介してカウンタ211のリセット端子にフィードバックされるから、カウンタ211はサブフィールドの区切りから再びカウントを開始することになる。また、Dフリップフロップ215は、オア回路216の出力信号を、Yクロック信号YCLKによってラッチして、スタートパルスDYを生成する。
【0058】
<5.データ変換回路>
第1〜第3サブフィールドSF1〜SF3毎に、階調に応じた電位を画素電極118に書き込むためには、画素に対応する階調データD0〜D5を何らかの形で変換する必要がある。
【0059】
図9に示すデータ変換回路300はこのために設けられたものである。データ変換回路300は、書き込みアドレス制御部310、デコーダ320、複数のメモリブロック321〜323、表示アドレス制御部330、及びバッファ341を備える。
【0060】
デコーダ320は、階調データD0〜D5をサブフィールドデータSD1〜SD3に変換する。サブフィールドデータSD1は第1サブフィールドSF1における選択すべき電位を指示し、サブフィールドデータSD2は第2サフィールドSF2における選択すべき電位を指示し、サブフィールドデータSD3は第3サブフィールドSF3における選択すべき電位を指示する。サブフィールドデータSD1〜SD3は、2ビットのデータである。この例では、第1〜第3サブフィールドSF1〜SF3の各期間が、1:4:16に重み付けされている。このため、サブフィールドデータSD1は階調データD0及びD1からなり、サブフィールドデータSD2は階調データD2及びD3からなり、サブフィールドデータSD3は階調データD4及びD5からなる。デコーダ320は、階調データD0〜D5を下位2ビット、中位2ビット、及び上位2ビットに分離するだけ良いので構成を簡易にできる。
【0061】
メモリブロック321〜323は、第1〜第3サブフィールドSF1〜SF3に各々対応して設けられている。また、メモリブロック321〜323は、素子基板の表示領域101aに形成される各画素(m行×n列)に対応したm×n×2ビットのメモリ空間を有する。メモリブロック321〜323は、書き込み及び読み出しを非同期、且つ独立に実行する。
【0062】
書き込みアドレス制御部310は、垂直同期信号Vs、水平同期信号Hs及びドットクロック信号DCLKに同期して、ライトイネーブル信号WE及び書き込みアドレスWADを各メモリブロック321〜323に供給する。すなわち、書き込みアドレス制御部310は、ドットクロック信号DCLKをカウントアップし、このカウント結果を書き込みアドレス信号WADとして出力するとともに、書き込みアドレス信号WADの値が確定する毎にライトイネーブル信号WEをアクティブにする。また、書き込みアドレス制御部310のカウント結果は、垂直同期信号Vsがアクティブとなる毎にリセットされる。これにより、各メモリブロック321〜323には、m×n個のメモリ領域を順次アクセスする書き込みアドレスWADが供給され、サブフィールドデータSD1〜SD3は対応するメモリブロック321〜323内の表示位置に応じたメモリ領域に順次格納される。
【0063】
表示アドレス制御部330は、第1〜第3サブフィールド期間が開始されると、対応する表示行のメモリ領域をアクセスするアドレス信号RADを出力する。アドレス信号RADは、クロック信号CLXに同期し表示列数に応じて「n−1」回インクリメントされる。これにより、対応する表示行に対して第1列〜第n列のメモリ領域を順次指定するアドレス信号RADが生成される。
【0064】
リードイネーブル信号RE1は第1サブフィールドSF1でのみアクティブとなり、リードイネーブル信号RE2は第2サブフィールドSF2でのみアクティブとなり、リードイネーブル信号RE3は第3サブフィールドSF3でのみアクティブとなる。各メモリブロック321〜323は、それらに供給されるリードイネーブル信号RE1〜RE3が非アクティブの期間、各データ出力端子をハイインピーダンス状態にする。各データ出力端子は、バッファ341の入力端子に接続されている。バッファ341は、2ビットの選択データDsを出力する。
【0065】
<6.走査線駆動回路>
図6に示す走査線駆動回路130は、いわゆるYシフトレジスタと呼ばれるものであり、各サブフィールドの最初に供給されるスタートパルスDYをクロック信号CLYにしたがって転送し、走査線112の各々に走査信号G1、G2、G3、…、Gmとして順次排他的に供給する。
【0066】
<7.データ線駆動回路>
図10は、データ線駆動回路140の構成を示すブロック図である。データ線駆動回路140は、Xシフトレジスタ1410、第1のラッチ回路1420、第2のラッチ回路1430、及び電位選択回路1440を備える。このうち、Xシフトレジスタ1410は、水平走査期間の最初に供給されるラッチパルスLPをクロック信号CLXにしたがって転送し、ラッチ信号S1、S2、S3、…、Snとして順次排他的に供給するものである。次に、第1のラッチ回路1420は、2ビットのラッチをn個備え、選択データDsをラッチ信号S1、S2、S3、…、Snの立ち下がりにおいて順次ラッチするものである。そして、第2のラッチ回路1430は、第1のラッチ回路1420によりラッチされた選択データDsの各々をラッチパルスLPの立ち下がりにおいて一斉にラッチして、選択信号ds1、ds2、ds3、…、dsnを生成する。
【0067】
これにより、点順次の選択データDsが線順次の選択信号ds1〜dsnに変換される。電位選択回路1440は、交流化信号FRに基づいて、選択電位v0a〜v3aの組と選択電位v0b〜v3bの組のうち一方を選択し、さらに、選択信号ds1〜dsnに基づいて組を構成する選択電位の中から一つを選択して、データ線114の各々にデータ信号d1、d2、d3、…、dnとして供給するものである。
【0068】
図11に電位選択回路1440の詳細な構成を示す。電位選択回路1440は、スイッチSW1〜SW4、選択回路U1〜Un、及び電位供給線L1〜L4を備える。スイッチSW1〜SW4の一方の入力端子には、選択電位v0a〜v3aの組が各々供給され、それらの他方の入力端子には選択電位v0b〜v3bの組が各々供給される。スイッチSW1〜SW4は、交流化信号FRがローレベルのとき選択電位v0a〜v3aの組を選択して電位供給線L1〜L4に各々出力する一方、交流化信号FRがハイレベルのとき選択電位v0b〜v3bの組を選択して電位供給線L1〜L4に各々出力する。
【0069】
各選択回路U1〜Unは4個の入力端子を備え、各入力端子は電位供給線L1〜L4に接続される。そして、各選択回路U1〜Unは、選択信号ds1〜dsnに基づいて、電位供給線L1〜L4を介して供給される電位を選択し、選択した電位(被選択電位)をデータ信号d1〜dnとして各データ線114に供給する。
【0070】
このようにスイッチSW1〜SW4を設けて、選択電位v0b〜v3bの組と選択電位v0a〜v3aの組を選択することによって、電位供給線の本数を減らすことができる。この場合、素子基板上に、スイッチSW1〜SW4を形成する必要があるが、電位供給線は、走査線112と平行に延設され占有面積が大きいので、電位供給線の本数を低減することによって、電位選択回路1440の占有面積を縮小することができ、ひいてはデータ線駆動回路140の占有面積を縮小することができる。
【0071】
また、第2のラッチ回路1430の各出力端子と選択回路U1〜Unの各制御入力端子とは配線を介して各々接続されるが、これらの配線は複数の電位供給線を跨ぐ。配線と電位供給線との交差部分には寄生容量が発生する。そして、電位供給線の本数が多いほど、寄生容量の容量値は増大し、第2のラッチ回路1430から見た負荷が重くなる。本実施形態においては、スイッチSW1〜SW4を設けることにより、電位供給線の本数を半分に削減したので、寄生容量値を約半分にして負荷が大幅に軽減される。これにより、電位選択回路1440、ひいてはデータ線駆動回路140の消費電流を削減することが可能となる。なお、選択電位v0a〜v3aと、選択電位v0b〜v3bとが各々等しい場合には、スイッチSW1〜SW4を適宜省略してもよい。
【0072】
<8.電気光学装置の動作>
図12は、この電気光学装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。まず、交流化信号FRは、1フレーム(1f)毎にレベル反転する信号である。一方、スタートパルスDYは、各サブフィールドの開始時に供給される。
【0073】
ここで、交流化信号FRがLレベルとなる1フレーム(1F)において、スタートパルスDYが供給されると、走査線駆動回路130(図6参照)におけるクロック信号CLYにしたがった転送によって、走査信号G1、G2、G3、…、Gmが期間(t)に順次排他的に出力される。なお、期間(t)は、最も短い第1サブフィールドSF1よりもさらに短い期間に設定されている。
【0074】
さて、走査信号G1、G2、G3、…、Gmは、それぞれクロック信号CLYの半周期に相当するパルス幅を有し、また、上から数えて1本目の走査線112に対応する走査信号G1は、スタートパルスDYが供給された後、クロック信号CLYが最初に立ち上がってから、少なくともクロック信号CLYの半周期だけ遅延して出力される構成となっている。したがって、スタートパルスDYが供給されてから、走査信号G1が出力されるまでに、ラッチパルスLPの1ショット(G0)がデータ線駆動回路140に供給されることになる。
【0075】
そこで、このラッチパルスLPの1ショット(G0)が供給された場合について検討してみる。まず、このラッチパルスLPの1ショット(G0)がデータ線駆動回路140に供給されると、データ線駆動回路140(図10参照)におけるクロック信号CLXにしたがった転送によって、ラッチ信号S1、S2、S3、…、Snが水平走査期間(1H)に順次排他的に出力される。なお、ラッチ号S1、S2、S3、…、Snは、それぞれクロック信号CLXの半周期に相当するパルス幅を有している。
【0076】
この際、図10における第1のラッチ回路1420は、ラッチ信号S1の立ち下がりにおいて、上から数えて1本目の走査線112と、左から数えて1本目のデータ線114との交差に対応する画素110への選択データDsをラッチし、次に、ラッチ信号S2の立ち下がりにおいて、上から数えて1本目の走査線112と、左から数えて2本目のデータ線114との交差に対応する画素110への選択データDsをラッチし、以下、同様に、上から数えて1本目の走査線112と、左から数えてn本目のデータ線114との交差に対応する画素110への選択データDsをラッチする。
【0077】
これにより、まず、図6において上から1本目の走査線112との交差に対応する画素1行分の選択データDsが、第1のラッチ回路1420により点順次的にラッチされることになる。なお、データ変換回路300は、第1のラッチ回路1420によるラッチのタイミングに合わせて、各画素の階調データD0〜D5を選択データDsに変換して出力することはいうまでもない。ここでは、第1フィールドSF1に相当する選択データDsが、階調データD0〜D5に応じて出力されることになる。
【0078】
次に、クロック信号CLYが立ち下がって、走査信号G1が出力されると、図6において上から数えて1本目の走査線112が選択される結果、当該走査線112との交差に対応する画素110のトランジスタ116がすべてオンとなる。一方、当該クロック信号CLYの立ち下がりによってラッチパルスLPが出力される。そして、このラッチパルスLPの立ち下がりタイミングにおいて、第2のラッチ回路1430は、第1のラッチ回路1420によって点順次的にラッチされた選択データDsを線順次の選択信号ds1〜dsnに変換して、電位選択回路1440に供給する。この例では、交流化信号FRがローレベルであるので、図11に示す電位供給線L1〜L4には選択電位v0a〜v3aが供給され、各選択回路U1〜Unは、選択信号ds1〜dsnの基づいて選択電位v0a〜v3aの中から一つを選択し、選択した電位を対応するデータ線114の各々にデータ信号d1、d2、d3、…、dnとして一斉に供給する。このため、上から数えて1行目の画素110においては、データ信号d1、d2、d3、…、dnの書き込みが同時に行われることとなる。
【0079】
この書き込みと並行して、図6において上から2本目の走査線112との交差に対応する画素1行分の選択データDsが、第1のラッチ回路1420により点順次的にラッチされる。
【0080】
そして、以降同様な動作が、m本目の走査線112対応する走査信号Gmが出力されるまで繰り返される。すなわち、ある走査信号Gi(iは、1≦i≦mを満たす整数)が出力される1水平走査期間(1H)においては、i本目の走査線112に対応する画素110の1行分に対するデータ信号d1〜dnの書込と、(i+1)本目の走査線112に対応する画素110の1行分に対する選択データDsの点順次的なラッチとが並行して行われることになる。なお、画素110に書き込まれたデータ信号は、次の第2サブフィールドSF2における書き込みまで保持される。
【0081】
以下同様な動作が、各サブフィールドの開始を規定するスタートパルスDYが供給される毎に繰り返される。さらに、1フレーム経過後、交流化信号FRがHレベルに反転した場合においても、各サブフィールドにおいて同様な動作が繰り返される。
【0082】
このような実施形態に係る電気光学装置によれば、1フレーム(1F)を、第1サブフィールドSF1〜SF3に分割し、各サブフィールド毎に、画素に選択された電位が各画素に書き込まれ、1フレームにおける電圧実効値が制御される。データ線114に供給されるデータ信号d1〜dnは、本実施形態では、予め定められた離散的な電位を取るため、駆動回路などの周辺回路においては、高精度のD/A変換回路やオペアンプなどのような、アナログ信号を処理するための回路は不要となる。このため、回路構成が大幅に簡略化されるので、装置全体のコストを低く抑えることが可能となる。
【0083】
さらに、選択の対象となる選択電位は、液晶の透過率が等間隔となるように設定されているから、階調の輝度が不連続に変化することはなく、階調の再現性を大幅に向上させることができる。
【0084】
なお、上述した電気光学装置は、対向電極電位LCCOMを1フレームの周期でレベル反転することとしたが、本発明は、これに限られず、例えば、2フレーム以上の周期でレベル反転する構成としても良い。ただし、上述した実施形態において、データ変換回路300は、スタートパルスDYをカウントするとともに、当該カウント結果を交流化信号FRの遷移によってリセットすることで、現状のサブフィールドを認識する構成としたので、交流化信号FRを2フレームの周期でレベル反転する場合には、フレームを規定するための何らの信号を与える必要が生じる。また、対向電極電位LCCOMを一定の電位に固定してもよい。この場合には、選択電位v0a〜v3aの組と選択電位v0b〜v3bの組と図5に示すように設定し、交流化信号FRに基づいて選択電位の組を切替えて電位供給線L1〜L4に供給すればよい。
【0085】
<9.液晶パネルの構成例>
次に、上述した電気的構成に係る液晶パネルの全体構成について図13及び図14を参照して説明する。ここで、図13は、液晶パネルAAの構成を示す斜視図であり、図14は、図13におけるZ−Z’線断面図である。
【0086】
これらの図に示されるように、液晶パネルAAは、画素電極118等が形成されたガラスや半導体等の素子基板151と、対向電極158等が形成されたガラス等の透明な対向基板152とを、スペーサ153が混入されたシール材154によって一定の間隙を保って、互いに電極形成面が対向するように貼り合わせるとともに、この間隙に電気光学材料としての液晶105を封入した構造となっている。なお、シール材154は、対向基板152の基板周辺に沿って形成されるが、液晶105を封入するために一部が開口している。このため、液晶105の封入後に、その開口部分が封止材156によって封止されている。
【0087】
ここで、素子基板151の対向面であって、シール材154の外側一辺においては、上述したデータ線駆動回路140が形成されて、Y方向に延在するデータ線114を駆動する構成となっている。さらに、この一辺には複数の接続電極157が形成されて、タイミング信号発生回路200からの各種信号や選択データDsを入力する構成となっている。また、この一辺に隣接する一辺には、走査線駆動回路130が形成されて、X方向に延在する走査線112をそれぞれ両側から駆動する構成となっている。
【0088】
一方、対向基板152の対向電極158は、素子基板151との貼合部分における4隅のうち、少なくとも1箇所において設けられた導通材によって、素子基板151との電気的導通が図られている。ほかに、対向基板152には、液晶パネルAAの用途に応じて、例えば、第1に、ストライプ状や、モザイク状、トライアングル状等に配列したカラーフィルタが設けられ、第2に、例えば、クロムやニッケルなどの金属材料や、カーボンやチタンなどをフォトレジストに分散した樹脂ブラックなどのブラックマトリクスが設けられ、第3に、液晶パネルAAに光を照射するバックライトが設けられる。特に色光変調の用途の場合には、カラーフィルタは形成されずにブラックマトリクスが対向基板152に設けられる。
【0089】
くわえて、素子基板151および対向基板152の対向面には、それぞれ所定の方向にラビング処理された配向膜などが設けられる一方、その各背面側には配向方向に応じた偏光板(図示省略)がそれぞれ設けられる。ただし、液晶105として、高分子中に微小粒として分散させた高分子分散型液晶を用いれば、前述の配向膜、偏光板等が不要となる結果、光利用効率が高まるので、高輝度化や低消費電力化などの点において有利である。
【0090】
なお、データ線駆動回路140、走査線駆動回路130等の周辺回路の一部または全部を、素子基板151に形成する替わりに、例えば、TAB(Tape Automated Bonding)技術を用いてフィルムに実装された駆動用ICチップを、素子基板151の所定位置に設けられる異方性導電フィルムを介して電気的および機械的に接続する構成としても良いし、駆動用ICチップ自体を、COG(Chip On Grass)技術を用いて、素子基板151の所定位置に異方性導電フィルムを介して電気的および機械的に接続する構成としても良い。さらに、タイミング信号発生回路200及びデータ変換回路300を素子基板151上に形成してもよい。
【0091】
<10.応用例>
<10−1:サブフィールド>
上述した実施形態においては、1フレームを3つに分割した第1〜第3サブフィールドSF1〜SF3毎に電位を選択したが、サブフィールドの数は任意である。また、選択電位の数も適宜定めてよい。さらに、サブフィールド毎に異なる選択電位を用いてもよい。くわえて、上述した例では、期間の短いものから順にサブフィールドを並べたが、1フレーム内の順序は任意である。例えば、サブフィールド数を3とし、第1〜第3サブフィールドSF1〜SF3の時間の比を1:2:4に設定し、選択電位数を10レベルとしてもよい。また、サブフィールド数をN(Nは2以上の自然数)とし、選択電位数をM(Nは2以上の自然数)レベルとし、各サブフィールド期間が等しくなるように設定してもよい。このよな場合にも各選択電位は、電気光学材料の電気光学特性を考慮して階調データの各データ値に対応する各輝度が等間隔で刻めるように設定される。これにより、階調データのデータ値を変化させたとき、輝度が不連続になるといったことがなくなり、自然なグラディエーションを表現でき、表示画像の品質を大幅に向上させることが可能となる。
【0092】
<10−2:素子基板の構成>
上述した実施形態においては、液晶パネルAAの素子基板151をガラス等の透明な絶縁性基板により構成して、当該基板上にシリコン薄膜を形成するとともに、当該薄膜上にソース、ドレイン、チャネルが形成されたTFTによって、画素のスイッチング素子やデータ線駆動回路140、および走査線駆動回路130の素子を構成するものとして説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
【0093】
例えば、素子基板151を半導体基板により構成して、当該半導体基板の表面にソース、ドレイン、チャネルが形成された絶縁ゲート型電界効果トランジスタによって、画素のスイッチング素子や各種の回路の素子を構成しても良い。このように素子基板151を半導体基板により構成する場合には、透過型の表示パネルとして用いることができないため、画素電極118をアルミニウムなどで形成して、反射型として用いられることとなる。また、単に、素子基板151を透明基板として、画素電極118を反射型にしても良い。
【0094】
さらに、上述した実施の形態にあっては、画素のスイッチング素子を、TFTで代表される3端子素子として説明したが、ダイオード等の2端子素子で構成しても良い。ただし、画素のスイッチング素子として2端子素子を用いる場合には、走査線112を一方の基板に形成し、データ線114を他方の基板に形成するとともに、2端子素子を、走査線112またはデータ線114のいずれか一方と、画素電極との間に形成する必要がある。この場合、画素は、走査線112とデータ線114との間に直列接続された二端子素子と、液晶とから構成されることとなる。
【0095】
また、本発明は、アクティブマトリクス型液晶表示装置として説明したが、これに限られず、STN(Super Twisted Nematic)液晶などを用いたパッシィブ型にも適用可能である。さらに、電気光学材料としては、液晶のほかに、エレクトロルミネッセンス素子などを用いて、その電気光学効果により表示を行う表示装置にも適用可能である。すなわち、本発明は、上述した液晶装置と類似の構成を有するすべての電気光学装置に適用可能である。
【0096】
<10−3:電子機器>
次に、上述した液晶装置を具体的な電子機器に用いた例のいくつかについて説明する。
<10−2−1:プロジェクタ>
まず、この液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。図15は、プロジェクタの構成例を示す平面図である。
【0097】
この図に示されるように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gに入射される。
【0098】
液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gの構成は、上述した液晶パネルAAと同等であり、画像信号処理回路(図示省略)から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、RおよびBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。したがって、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
【0099】
ここで、各液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gによる表示像について着目すると、液晶パネル1110Gによる表示像は、液晶パネル1110R、1110Bによる表示像に対して左右反転することが必要となる。
【0100】
なお、液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルタを設ける必要はない。
【0101】
<10−3−2:モバイル型コンピュータ>
次に、この液晶パネルを、モバイル型のパーソナルコンピュータに適用した例について説明する。図16は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。図において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、液晶表示ユニット1206とから構成されている。この液晶表示ユニット1206は、先に述べた液晶パネル1005の背面にバックライトを付加することにより構成されている。
【0102】
<10−3−3:携帯電話>
さらに、この液晶パネルを、携帯電話に適用した例について説明する。図17は、この携帯電話の構成を示す斜視図である。図において、携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302とともに、反射型の液晶パネル1005を備えるものである。この反射型の液晶パネル1005にあっては、必要に応じてその前面にフロントライトが設けられる。
【0103】
なお、図15〜図17を参照して説明した電子機器の他にも、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における各サブフィールドSF1〜SF3、各選択電位v0a〜v3a、v0b〜v3b、及び対向電極電位LCCOMの関係を示す説明図である。
【図2】液晶への印加電圧と透過、反射率との関係を示すグラフである。
【図3】階調レベルと透過、反射率との関係を示すグラフである。
同電気光学装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図4】階調レベル応じた駆動波形を示す波形図である。
【図5】対向電極電位LCCOMの電位を一定とした場合の選択電位v0a〜v3a及びv0b〜v3bを示す説明図である。
【図6】電気光学装置の構成を示すブロック図である。
【図7】(a)および(b)は、それぞれ同電気光学装置の画素の一態様を示すブロック図である。
【図8】同電気光学装置におけるスタートパルス生成回路の構成を示すブロック図である。
【図9】同電気光学装置におけるデータ変換回路の構成を示すブロック図である。
【図10】同電気光学装置におけるデータ線駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図11】同データ線駆動回路に用いられる電位選択回路の構成を示すブロック図である。
【図12】同電気光学装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図13】同電気光学装置に用いられる液晶パネルの機械的な構成を示す斜視図である。
【図14】図13の電気光学装置をZ−Z’で切断した断面図である。
【図15】同電気光学装置を適用した電子機器の一例たるプロジェクタの構成を示す断面図である。
【図16】同電気光学装置を適用した電子機器の一例たるパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
【図17】同電気光学装置を適用した電子機器の一例たる携帯電話の構成を示す斜視図である。
【図18】従来の駆動方法における各サブフィールドSF1〜SF3、各選択電位V0〜V3、及び対向電極電位LCCOMの関係を示す説明図である。
【図19】階調レベルと被選択電位Vsf1〜Vsf3との関係を示す説明図である。
【図20】図18及び図19の設定において階調の測定結果を示すグラフである。
【図21】電気光学材料たる液晶のV−T特性を示すグラフである。
【符号の説明】
105…液晶(電気光学材料)、108…対向電極、112…走査線、114…データ線、116…トランジスタ(スイッチング素子)、118…画素電極、130…走査線駆動回路、140…データ線駆動回路、1410…Xシフトレジスタ、1420…第1のラッチ回路、1430…第2のラッチ回路、1440…電位選択回路、200……タイミング信号生成回路、210……スタートパルス発生回路、300…データ変換回路、Ds…選択データ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気光学装置の駆動方法及び駆動回路、これらを用いた電気光学装置並びに電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気光学装置、例えば、電気光学材料として液晶を用いた液晶表示装置は、陰極線管(CRT)に代わるディスプレイデバイスとして、各種情報処理機器の表示部や液晶テレビなどに広く用いられている。
【0003】
ここで、従来の電気光学装置は、例えば、次のように構成されている。すなわち、従来の電気光学装置は、マトリクス状に配列した画素電極と、この画素電極に接続されたTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)のようなスイッチング素子などが設けられた素子基板と、画素電極に対向する対向電極が形成された対向基板と、これら両基板との間に充填された電気光学材料たる液晶とから構成される。そして、このような構成において、走査線を介してスイッチング素子に走査信号を印加すると、当該スイッチング素子が導通状態となる。この導通状態の際に、データ線を介して画素電極に、階調に応じた電圧の画像信号を印加すると、当該画素電極および対向電極の間の液晶層に画像信号の電圧に応じた電荷が蓄積される。電荷蓄積後、当該スイッチング素子をオフ状態としても、当該液晶層における電荷の蓄積は、液晶層自身の容量性や蓄積容量などによって維持される。このように、各スイッチング素子を駆動させ、蓄積させる電荷量を階調に応じて制御すると、画素毎に液晶の配向状態が変化するので、画素毎に濃度が変化することになる。このため、階調表示することが可能となるのである。
【0004】
液晶の透過率は、印加電圧の平均実効値によって定まる。そこで、階調を液晶への印加電圧及び印加時間によって制御する技術が知られている(例えば、特許文献1及び2)。この技術によれば、1フレームを複数のサブフィールドに分割し、表示すべき階調に応じて、サブフィールド単位で予め定められた複数の電圧の中から選択した電圧を液晶に印加する。但し、複数の電圧は等間隔の値をとるものであった。
【0005】
【特許文献1】
特許2639763号公報
【0006】
【特許文献2】
特許2639764号公報
【0007】
【発明が解決しようする課題】
しかしながら、従来の駆動方法では、表示諧調が不連続になることがあるといった問題があった。この点について具体的に説明する。ここでは、1フレームを第1サブフィールドSF1、第2サブフィールドSF2、及び第3サブフィールドSF3に分割し、各サブフィールドにおいて4つの選択電位V0、V1、V2、及びV3の中から選択した一つの電位を画素電極に印加する一方、対向電極電位LCCOMを1フレーム毎に反転する場合を想定する。なお、第1サブフィールドSF1、第2サブフィールドSF2、及び第3サブフィールドSF3の各時間は、1:4:16となっているものとする。
【0008】
図18に、各サブフィールドSF1〜SF3、各選択電位V0〜V3、及び対向電極電位LCCOMの関係を示す。この図において、V1−V0=V2−V1=V3−V2の関係がある。ここで、第1サブフィールドSF1における被選択電位をVsf1、第2サブフィールドSF2における被選択電位をVsf2、第3サブフィールドSF3における被選択電位をVsf3とし、64階調を表示するものとしたとき、図19に階調レベルと被選択電位Vsf1〜Vsf3との関係を示す。
【0009】
図20は、図18及び図19の設定において階調の測定結果を示すグラフである。この図に示すように階調レベルが15から16へ遷移するとき、階調レベルが31から32へ遷移するとき、及び階調レベルが47から48へ遷移するときに透過率又は反射率が不連続となる。不連続は、各サブフィールドSF1〜SF3のうち、時間が最も長い第3サブフィールドSF3における被選択電位Vsf3の遷移タイミングと対応している。
【0010】
このように、輝度の不連続が発生するのは、電位V0〜V3を等間隔に刻んでもパネルの輝度が等間隔に刻まれないからである。図21は電気光学材料たる液晶のV−T特性を示すグラフである。V−T特性は、液晶の透過、反射率と印加電圧との関係を示すものである。
【0011】
図21においてV0’〜V3’は、画素電極に印加する電位として電位V0〜V3を選択した場合に、液晶に各々印加される電圧値であり、T0’〜T3’は印加電圧値V0’〜V3’に対応する液晶の透過、反射率の値である。図21から、電位V0〜V3を等間隔に刻んでも、透過、反射率は等間隔にならないことが分かる。
【0012】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、電圧変調とサブフィールドとを組み合わせた駆動において、階調レベルの不連続が発生しないような電気光学装置の駆動方法等を提供することを解決課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電気光学装置の駆動方法は、電気光学材料を含む画素がマトリックス状に配設される電気光学装置に用いられ、前記電気光学材料への印加電圧及び印加時間を制御することによって前記各画素に階調を表示させるものであって、1フレームを分割した複数のサブフィールドの各々において、前記各画素の階調を指示する階調データに基づいて、複数の電圧の中から選択した電圧を前記電気光学材料に印加し、前記電気光学材料の電気光学特性を考慮して前記階調データの各データ値に対応する各輝度が等間隔で刻めるように前記複数の電圧を設定することにより、上述した課題を解決する。
【0014】
電気光学材料とは、電気的に透過率や発光量といった光学特性を制御可能な材料を意味し、例えば、液晶が該当する。また、電気光学特性とは、電気的な量と光学的な量の関係を意味し、例えば、液晶における印加電圧と透過率との関係であるV−T特性が該当する。電気光学特性は、電気光学材料の種類にもよるが一般に非線形であることが多い。このため、印加電圧を等間隔で刻んでも輝度は等間隔とならない。この発明によれば、各サブフィールドにおいて、階調データに基づいて選択された電圧が電気光学材料に印加されるが、選択の対象となる複数の電圧は、電気光学材料の電気光学特性を考慮して階調データの各データ値に対応する各輝度が等間隔で刻めるように設定されている。従って、階調データのデータ値を変化させたとき、輝度が不連続になるといったことがなくなり、自然なグラディエーションを表現でき、表示画像の品質を大幅に向上させることが可能となる。なお、この発明は電気光学材料へ所定の選択電圧を印加するには、電気光学材料に2つの電極を設け、一方の電極と他方の電極の間に電位差が生じるように両電極に電位を供給すればよい。この場合、両方の電極の電位を調整してもよいし、あるいは、いずれか一方の電極の電位を調整してもよい。
【0015】
また、前記画素が、対向電極電位が供給される対向電極と、画素電極と、前記対向電極と前記画素電極との間に挟持される前記電気光学材料とを備えるのであれば、前記階調データに応じて各サブフィールド毎に複数の選択電位の中から選択した電位を前記画素電極に供給し、前記複数の電圧は、前記対向電極電位と前記画素電極の電位との電位差として与えられ、前記複数の選択電位は、前記電気光学材料の電気光学特性を考慮して前記電気光学材料の電気光学特性を考慮して前記階調データの各データ値に対応する各輝度が等間隔で刻めるように設定されることが好ましい。
【0016】
電気光学材料への印加電圧は、対向電極電位と画素電極の電位との電位差で定まる。この発明によれば、画素電極に供給する電位を複数の選択電位の中から選択することによって、階調データの各データ値に対応する各輝度が等間隔で刻めるようにしている。
【0017】
ここで、1フレームに含まれるサブフィールド数をM、前記諧調データのビット数をK、1フレームの期間において選択の対象となる前記選択電位の数をJとしたとき、J=2N 但し、Nは自然数、K=N*M、となるように設定してもよい。さらに、前記各サブフィールドの時間を短い順に並べたとき、あるサブフィールドの時間と次のサブフィールドの時間との比率を1:2Nとすることが好ましい。この場合には、各サブフィールドの時間の重み付けと選択電位の重み付けを関係付けることができるので、あるサブフィールドの選択電位の組と他のサブフィールドにおける選択電位の組とを共通化して、選択電位数を削減することが可能となる。
【0018】
さらに、Kビットの前記諧調データを最下位ビットから最上位ビットへ向けてNビットごとに分割すると共に時間の短い前記サブフィールドから時間の長いサブフィールドに対応付けて、M個の選択データを生成し、前記各サブフィールドにおいて、対応する前記選択データに基づいて前記複数の選択電位の中から一つの電位を選択し、選択した選択電位を前記画素電極の電位として供給することが好ましい。
【0019】
階調データに基づいて各画素に階調を表示させるためには、複数の選択電位の中から一つの選択電位を選択する必要がある。このためには、階調データに何等かの処理を施して、どの選択電位を選択するかを指示する選択データを生成する必要がある。この発明によれば、単に、階調データを分割すれば、選択データを生成することができるので、演算処理等が不要となり、選択データを簡易且つ高速に生成できる。
【0020】
また、前記対向電極電位として、所定周期で基準電位を中心として極性を反転した電位を前記対向電極に供給してもよい。この場合には、電気光学材料を容易に交流駆動することができる。
【0021】
さらに、前記対向電極電位の極性が一方の極性である場合と他方の極性である場合とで、選択の対象とする前記複数の選択電位を共通化することが好ましい。これにより、選択電位数を削減することができる。
【0022】
また、前記対向電極電位として、固定電位を供給した場合には、前記複数の選択電位は、前記固定電位を中心として極性が反転された第1の組と第2の組とからなり、前記所定周期で前記第1及び第2の組のうち一方を選択し、選択された組を構成する選択電位の中から、前記階調データに応じて各サブフィールド毎に選択した選択電位を前記画素電極に供給することが好ましい。これによって、電気光学材料を交流駆動することができる。
【0023】
次に、本発明に係る電気光学装置の駆動回路は、複数のデータ線と複数の走査線との各交差に対応して配設され電気光学材料を含む各画素を駆動するものであって、1フレームを分割した複数のサブフィールドの各々において、各画素の電気光学材料への印加電圧を選択するための選択データを階調データに基づいて生成するデータ変換回路と、前記各サブフィールド毎に、前記データ線から前記画素への電圧印加を可能にする走査信号を、前記走査線の各々に順次供給する走査線駆動回路と、前記走査信号が前記走査線に供給される間、前記選択データに基づいて複数の電圧の中から選択した電圧をデータ信号として前記データ線に供給するデータ線駆動回路と、前記電気光学材料の電気光学特性を考慮して前記階調データの各データ値に対応する各輝度が等間隔で刻めるように設定した前記複数の電圧を発生する電源とを備えたことを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、各サブフィールドにおいて、階調データに基づいて選択された電圧が電気光学材料に印加されるが、選択の対象となる複数の電圧は、電気光学材料の電気光学特性を考慮して階調データの各データ値に対応する各輝度が等間隔で刻めるように設定されている。従って、階調データのデータ値を変化させたとき、輝度が不連続になるといったことがなくなり、自然なグラディエーションを表現でき、表示画像の品質を大幅に向上させることが可能となる。
【0025】
また、前記画素は、対向電極電位が供給される対向電極と、前記対向電極に対向した画素電極と、前記画素電極および前記対向電極の間に挟持された前記電気光学材料と、前記走査線を介して前記走査信号が与えられることにより前記データ線を介して供給される前記データ信号を前記画素電極に印加するスイッチング素子とを備え、前記複数の電圧は、前記対向電極電位と前記画素電極の電位との電位差として与えられ、前記電源は、前記複数の電圧として、前記電気光学材料の電気光学特性を考慮して前記階調データの各データ値に対応する各輝度が等間隔で刻めるように設定した複数の選択電位を発生し、前記データ線駆動回路は、前記選択データに基づいて前記複数の選択電位の中から一つ選択電位を選択し、前記データ信号として前記データ線に供給することが好ましい。
【0026】
この発明によれば、画素電極に供給する電位を複数の選択電位の中から選択することによって、階調データの各データ値に対応する各輝度が等間隔で刻めるようにしている。
【0027】
また、1フレームに含まれるサブフィールド数をM、前記諧調データのビット数をK、1フレームの期間において選択の対象となる前記選択電位の数をJとしたとき、J=2N 但し、Nは自然数、K=N*M となるように設定し、前記各サブフィールドの時間を短い順に並べたとき、あるサブフィールドの時間と次のサブフィールドの時間との比率を1:2Nとすることが好ましい。
【0028】
この場合には、各サブフィールドの時間の重み付けと選択電位の重み付けを関係付けることができるので、あるサブフィールドの選択電位の組と他のサブフィールドにおける選択電位の組とを共通化して、選択電位数を削減することが可能となる。
【0029】
また、前記データ変換回路は、Kビットの前記諧調データを最下位ビットから最上位ビットへ向けてNビットごとに分割すると共に時間の短い前記サブフィールドから時間の長いサブフィールドに対応付けて、M個の前記選択データを生成するデコーダと、前記選択データを前記各サブフィールドと対応付けて記憶する記憶手段と、前記各サブフィールドにおいて前記記憶手段から前記選択データを点順次に読み出して前記データ線駆動回路へ出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。この発明によれば、単に、階調データを分割すれば、選択データを生成することができるので、演算処理等が不要となり、選択データを簡易且つ高速に生成できる。
【0030】
また、前記データ線駆動回路は、前記データ変換回路から供給される点順次の選択データを、前記データ線に各々対応した線順次の選択データへ変換する変換回路と、前記変換回路から出力される前記選択データに基づいて、前記複数の選択電位の中から選択した電位を前記データ信号として、前記データ線の各々に出力する電位選択回路とを備えることが好ましい。この場合には、データ信号が線順次で生成されることになる。
【0031】
また、前記対向電極電位は、1フレームの自然数倍の周期で基準電位を中心として極性が反転され、前記対向電極電位の極性が一方の極性である場合と他方の極性である場合とで、選択の対象とする前記複数の選択電位を共通化することが好ましい。この共通化によって選択電位数を削減することができる。
【0032】
次に、本発明に係る電気光学装置は、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記複数のデータ線と前記複数の走査線との各交差に対応して配設され電気光学材料を含む各画素とを備えた電気光学装置と、上述した電気光学装置の駆動回路とを備える。さらに、本発明に係る電子機器はこの電気光学装置を備えたことを特徴とし、このような電子機器としては、例えば、ビデオカメラに用いられるビューファインダ、携帯電話機、ノート型コンピュータ等が該当する。
【0033】
【発明の実施の形態】
<1.駆動方法>
本実施形態においては、電気光学材料として液晶を用いる場合を一例として説明する。この例では、6ビットの階調データを用いて64階調を表示するものとする。また、1フレームを第1サブフィールドSF1、第2サブフィールドSF2、及び第3サブフィールドSF3に分割し、各サブフィールドSF1〜SF3において4つの選択電位の中から選択した一つの選択電位を画素電極に印加する一方、対向電極電位を1フレーム毎に反転する場合を想定する。以下の説明では、第1〜第3サブフィールドSF1〜SF3で選択された電位を被選択電位Vsf1〜Vsf3と称する。なお、第1サブフィールドSF1、第2サブフィールドSF2、及び第3サブフィールドSF3の各時間は、1:4:16となっているものとする。
【0034】
図1に、各サブフィールドSF1〜SF3、各選択電位v0a〜v3a、v0b〜v3b、及び対向電極電位LCCOMの関係を示す。この図において、選択電位v0a〜v3aは対向電極電位LCCOMが電位VLとなるnフレームにおいて選択され、選択電位v0b〜v3bは対向電極電位LCCOMが電位VHとなるn+1フレームにおいて選択される。
【0035】
nフレームにおいて選択電位v0aが画素電極に印加されると、液晶には電圧V0”が印加され、選択電位v1aが画素電極に印加されると液晶には電圧V1”が印加され、選択電位v2aが画素電極に印加されると液晶には電圧V2”が印加され、選択電位v3aが画素電極に印加されると液晶には電圧V3”が印加される。また、n+1フレームにおいて選択電位v0bが画素電極に印加されると、液晶には電圧V0”が印加され、選択電位v1bが画素電極に印加されると液晶には電圧V1”が印加され、選択電位v2bが画素電極に印加されると液晶には電圧V2”が印加され、選択電位v3bが画素電極に印加されると液晶には電圧V3”が印加される。
【0036】
図2に、液晶への印加電圧と透過、反射率との関係(V−T特性)を示す。この図に示すように電圧V0”、V1”、V2”、及びV3”は透過、反射率T0’、T1’、T2’、及びT3’に各々対応する。この場合、T0’−T1’=T1’−T2’=T2’−T3’の関係がある。液晶の透過、反射率の刻みは、パネルの輝度の刻みと等しい。即ち、液晶の電気光学特性を考慮して階調データの各データ値に対応する各輝度が等間隔で刻めるように電圧V0”、V1”、V2”、及びV3”が設定されている。また、電圧V0”、V1”、V2”、及びV3”は、選択電位v0a〜v3a、v0b〜v3b、電位VH、及び電位VLによって定まる。従って、透過、反射率の刻みが等しくなるように選択電位v0a〜v3a、v0b〜v3b、電位VH、及び電位VLが設定されている。
【0037】
一般的に説明すれば、1フレームに含まれるサブフィールド数をM、諧調データのビット数をK、1フレームの期間において選択の対象となる選択電位の数をJとしたとき、これらに以下の式が成り立つように設定する。
J=2N 但し、Nは自然数
K=N*M
また、各サブフィールドの時間を短い順に並べたとき、あるサブフィールドの時間と次のサブフィールドの時間との比率を、1:2Nに設定する。上述した例では、J=4、N=2、M=3、K=6となる。
【0038】
液晶の透過率、即ち、輝度は、液晶への印加電圧の平均実効値によって定まり、印加電圧を一定とすれば輝度は印加時間に比例する。本実施形態において画素電極118に印加される電位は、透過率が等間隔になるように設定されているから、輝度を正確に表現する指標に用いることができる。そして、選択電位数Jを2Nとするので、選択電位によってNビットの輝度を表現できる。また、サブフィールド時間の比率を1:2Nに設定しているので、あるサブフィールドの重み付けを1とすると、次に長いサブフィールドの重み付けは2Nとなる。
【0039】
このように、サブフィールド数M、諧調データビット数K、選択電位数Jを関係付けたので、階調データをNビットごとに分割することによって、選択電位を指定する選択データを容易に生成できる。上述した例において、階調データをD0〜D5で表すこととすれば、階調データを2ビットごとに分割すれば、各サブフィールドで選択電位を特定する選択データを得ることが可能となる。
【0040】
また、この例のV−T特性は、電圧(V1”+V2”)/2及び透過率(T1’+T2’)/2の点を中心にほぼ点対象となっているので、電圧V0”及び電圧V1”の差分と、電圧V2”及び電圧V1”の差分とが等しい。この場合には、図1に示す、選択電位v3aと選択電位v0b、選択電位v2aと選択電位v1b、選択電位v1aと選択電位v2b、選択電位v0aと選択電位v3bとが各々等しくなる。但し、点対象とならない場合には、選択電位v2aと選択電位v1b、及び選択電位v1aと選択電位v2bは異なる値となる。
【0041】
nフレームにおける各諧調と被選択電位との関係は、図19に示す電位V0を選択電位v0aに、電位V1を選択電位v1aに、電位V2を選択電位v2aに、電位V3を選択電位v3aに置き換えたものとなる。本実施形態においては、上述したように、透過、反射率の刻みが等しくなるように選択電位v0a〜v3a、v0b〜v3b、電位VH、及び電位VLが設定されているから、階調レベルと透過、反射率との関係は、図3に示すものとなる。
【0042】
また、階調レベルと駆動波形とを図4に示す。従来の駆動方法で階調レベルの不連続が発生したのは、図20に示すように階調レベルが15から16へ移行する場合、階調レベルが31から32へ移行する場合、及び階調レベルが47から48へ移行する場合である。即ち、各サブフィールドの中で最も時間が長い第3サブフィールドSF3の電位が変化するときである。図4に示す例では、第3サブフィールドSF3における被選択電位Vsf3の刻みが等間隔とならず、透過、反射率が等間隔となるように選択電位v0a〜v3a及び選択電位v0b〜v3bが刻まれているから、表示輝度の不連続を解消することができる。
【0043】
ところで、液晶の印加電圧は、液晶容量によって保持される電荷によって定まるが、保持期間が長いとリーク電流によって印加電圧が下がることがある。このため、各サブフィールドSF1〜SF3の長さに応じて、選択電位v0a〜v3a及び選択電位v0b〜v3bを設定するようにしてもよい。また、印加電圧の低下の影響は、期間が最も長い第3サブフィールドSF3で大きくなるので、第3サブフィールドSF3における選択電位v0a〜v3a及び選択電位v0b〜v3bの値を他のサブフィールドと異なるように設定してもよい。これによって、選択電位数を大幅に増やすことなく、正確な階調を刻むことが可能となる。
【0044】
また、上述した例では、第1〜第3サブフィールドSF1〜SF3の各時間は、1:4:16の比率になるように設定されたが、液晶の印加電圧の低下を考慮して、各時間を調整してもよい。この場合には、選択電位数を増やすことなく、正確な階調を刻むことが可能となる。
【0045】
また、上述した例は、所定の基準電位を中心として対向電極電位LCCOMの極性を1フレーム毎に反転させるものであったが、対向電極電位LCCOMの電位を一定としてもよい。図5に、対向電極電位LCCOMの電位を一定とした場合の選択電位v0a〜v3a及びv0b〜v3bを示す。この場合には、nフレームにおいて選択電位v0a〜v3aから選択されたものが画素電極に印加され、n+1フレームにおいて選択電位v0b〜v3bから選択されたものが画素電極に印加される。なお、図5に示す駆動波形は、階調レベル54に対応している。
【0046】
<2.電気光学装置の全体構成>
本実施形態に係る電気光学装置は、電気光学材料として液晶を用いた液晶装置であり、後述するように素子基板と対向基板とが、互いに一定の間隙を保って貼付され、この間隙に電気光学材料たる液晶が挟持される構成となっている。また、本実施形態に係る電気光学装置では、素子基板には、画素を駆動するトランジスタとともに、周辺駆動回路などが形成されたものである。なお、この例の電気光学装置は、図1に示すように1フレームを、第1〜第3サブフィールドSF1〜SF3に分割して液晶を駆動する。
【0047】
図6は、この電気光学装置の電気的な構成を示すブロック図である。この電気光学装置は、電気光学パネルAA、タイミング信号生成回路200、データ変換回路300、及び電源回路400を備える。このうち電源回路400は、各構成部分へ電源を供給すものであり、上述した選択電位v0a〜v3a及びv0b〜v3aを生成して液晶パネルAAに供給する。
【0048】
また、電気光学装置には、6ビットの階調データD0〜D5が供給される。階調データD0〜D5は、各画素に表示すべき階調レベルを表している。なお、最下位ビットはD0、最上位ビットはD5で表すものとする。
【0049】
タイミング信号生成回路200は、図示せぬ上位装置から供給される垂直同期信号Vs、水平同期信号Hsおよびドットクロック信号DCLKにしたがって、次に説明する各種のタイミング信号やクロック信号などを生成するものである。第1に、交流化信号FRは、1フレーム毎にレベル反転する信号である。第2に、対向電極電位LCCOMは、1フレーム毎にレベル反転して、対向基板の対向電極に印加される。なお、対向電極電位LCCOMは交流化信号FRに対してラッチパルスLPの1クロック分位相が遅れている。第3に、スタートパルスDYは、各サブフィールドにおいて最初に出力されるパルス信号である。第4に、クロック信号CLYは、走査側(Y側)の水平走査期間を規定する信号である。第5に、ラッチパルスLPは、水平走査期間の最初に出力されるパルス信号であって、クロック信号CLYのレベル遷移(すなわち、立ち上がりおよび立ち下がり)時に出力されるものである。第6に、クロック信号CLXは、いわゆるドットクロックを規定する信号である。
【0050】
一方、素子基板上における表示領域101aには、複数本の走査線112が、図においてX(行)方向に延在して形成され、また、複数本のデータ線114が、Y(列)方向に沿って延在して形成されている。そして、画素110は、走査線112とデータ線114との各交差に対応して設けられて、マトリクス状に配列している。ここで、説明の便宜上、本実施形態では、走査線112の総本数をm本とし、データ線114の総本数をn本として(m、nはそれぞれ2以上の整数)、m行×n 列のマトリクス型表示装置として説明するが、本発明をこれに限定する趣旨ではない。
【0051】
<3.画素の構成>
画素110の具体的な構成としては、例えば、図7(a)に示されるものが挙げられる。この構成では、トランジスタ(MOS型FET)116のゲートが走査線112に、ソースがデータ線114に、ドレインが画素電極118に、それぞれ接続されるとともに、画素電極118と対向電極108との間に電気光学材料たる液晶105が挟持されて液晶層が形成されている。ここで、対向電極108は、後述するように、実際には画素電極118と対向するように対向基板に一面に形成される透明電極である。なお、対向電極108の電位は、通常の電気光学装置おいては、一定値に保たれるが、本実施形態に係る電気光学装置においては、前述した対向電極電位LCCOMが印加されて、1フレーム毎にレベル反転する構成となっている。また、画素電極118と対向電極108との間においては蓄積容量119が形成されて、液晶層に蓄積される電荷のリークを防止している。なお、この実施例では、蓄積容量119を画素電極118と対向電極108の間に形成したが、画素電極118と接地電位GND間や画素電極118とゲート線間等に形成しても良い。
【0052】
ここで、図7(a)に示される構成では、トランジスタ116として一方のチャネル型のみが用いられているために、オフセット電圧が必要となるが、図7(b)に示されるように、Pチャネル型トランジスタとNチャネル型トランジスタとを相補的に組み合わせた構成とすれば、オフセット電圧の影響をキャンセルすることができる。ただし、この相補型構成では、走査信号として互いに排他的レベルを供給する必要が生じるため、1行の画素110に対して走査線112a、112bの2本が必要となる。なお、これらのトランジスタはTFTによって構成される。
【0053】
<4.スタートパルス生成回路>
上述したように本実施形態においては、1フレームを、第1〜第3サブフィールドSF1〜SF3に分割している。サブフィールドの切り替わりはスタートパルスDYによって制御される。このスタートパルスDYはタイミング信号生成回路200の内部で生成される。タイミング信号生成回路200において、スタートパルスDYを生成するスタートパルス生成回路の構成を説明する。
【0054】
図8は、スタートパルス生成回路の構成例を示すブロック図である。図8に示すように、スタートパルス生成回路210は、カウンタ211、コンパレータ212、マルチプレクサ213、リングカウンタ214、Dフリップフロップ215、およびオア回路216から構成されている。
【0055】
カウンタ211はドットクロックDCLKをカウントするが、オア回路216の出力信号によってカウント値がリセットされるようになっている。また、オア回路216の一方の入力端子には、フィールドの開始において、ドットクロックDCLKの1周期の期間だけHレベルとなるリセット信号RSETが供給されるようになっている。したがって、カウンタ211は、少なくともフレームの開始時点において、カウント値がリセットされる。
【0056】
コンパレータ212は、カウンタ211のカウント値とマルチプレクサ213の出力データ値を比較し、両者が一致する時、Hレベルとなる一致信号を出力する。マルチプレクサ213は、スタートパルスDYの数をカウントするリングカウンタ214のカウント結果に基づいて、データDc1、Dc2、及びDc3を選択出力する。ここで、データDc1、Dc2、及びDc3は、図1に示す各期間SF1、SF2、及びSF3に各々対応するものである。
【0057】
コンパレータ212は、カウンタ211のカウント値が、サブフィールドの区切りに達すると一致信号を出力することになる。この一致信号は、オア回路216を介してカウンタ211のリセット端子にフィードバックされるから、カウンタ211はサブフィールドの区切りから再びカウントを開始することになる。また、Dフリップフロップ215は、オア回路216の出力信号を、Yクロック信号YCLKによってラッチして、スタートパルスDYを生成する。
【0058】
<5.データ変換回路>
第1〜第3サブフィールドSF1〜SF3毎に、階調に応じた電位を画素電極118に書き込むためには、画素に対応する階調データD0〜D5を何らかの形で変換する必要がある。
【0059】
図9に示すデータ変換回路300はこのために設けられたものである。データ変換回路300は、書き込みアドレス制御部310、デコーダ320、複数のメモリブロック321〜323、表示アドレス制御部330、及びバッファ341を備える。
【0060】
デコーダ320は、階調データD0〜D5をサブフィールドデータSD1〜SD3に変換する。サブフィールドデータSD1は第1サブフィールドSF1における選択すべき電位を指示し、サブフィールドデータSD2は第2サフィールドSF2における選択すべき電位を指示し、サブフィールドデータSD3は第3サブフィールドSF3における選択すべき電位を指示する。サブフィールドデータSD1〜SD3は、2ビットのデータである。この例では、第1〜第3サブフィールドSF1〜SF3の各期間が、1:4:16に重み付けされている。このため、サブフィールドデータSD1は階調データD0及びD1からなり、サブフィールドデータSD2は階調データD2及びD3からなり、サブフィールドデータSD3は階調データD4及びD5からなる。デコーダ320は、階調データD0〜D5を下位2ビット、中位2ビット、及び上位2ビットに分離するだけ良いので構成を簡易にできる。
【0061】
メモリブロック321〜323は、第1〜第3サブフィールドSF1〜SF3に各々対応して設けられている。また、メモリブロック321〜323は、素子基板の表示領域101aに形成される各画素(m行×n列)に対応したm×n×2ビットのメモリ空間を有する。メモリブロック321〜323は、書き込み及び読み出しを非同期、且つ独立に実行する。
【0062】
書き込みアドレス制御部310は、垂直同期信号Vs、水平同期信号Hs及びドットクロック信号DCLKに同期して、ライトイネーブル信号WE及び書き込みアドレスWADを各メモリブロック321〜323に供給する。すなわち、書き込みアドレス制御部310は、ドットクロック信号DCLKをカウントアップし、このカウント結果を書き込みアドレス信号WADとして出力するとともに、書き込みアドレス信号WADの値が確定する毎にライトイネーブル信号WEをアクティブにする。また、書き込みアドレス制御部310のカウント結果は、垂直同期信号Vsがアクティブとなる毎にリセットされる。これにより、各メモリブロック321〜323には、m×n個のメモリ領域を順次アクセスする書き込みアドレスWADが供給され、サブフィールドデータSD1〜SD3は対応するメモリブロック321〜323内の表示位置に応じたメモリ領域に順次格納される。
【0063】
表示アドレス制御部330は、第1〜第3サブフィールド期間が開始されると、対応する表示行のメモリ領域をアクセスするアドレス信号RADを出力する。アドレス信号RADは、クロック信号CLXに同期し表示列数に応じて「n−1」回インクリメントされる。これにより、対応する表示行に対して第1列〜第n列のメモリ領域を順次指定するアドレス信号RADが生成される。
【0064】
リードイネーブル信号RE1は第1サブフィールドSF1でのみアクティブとなり、リードイネーブル信号RE2は第2サブフィールドSF2でのみアクティブとなり、リードイネーブル信号RE3は第3サブフィールドSF3でのみアクティブとなる。各メモリブロック321〜323は、それらに供給されるリードイネーブル信号RE1〜RE3が非アクティブの期間、各データ出力端子をハイインピーダンス状態にする。各データ出力端子は、バッファ341の入力端子に接続されている。バッファ341は、2ビットの選択データDsを出力する。
【0065】
<6.走査線駆動回路>
図6に示す走査線駆動回路130は、いわゆるYシフトレジスタと呼ばれるものであり、各サブフィールドの最初に供給されるスタートパルスDYをクロック信号CLYにしたがって転送し、走査線112の各々に走査信号G1、G2、G3、…、Gmとして順次排他的に供給する。
【0066】
<7.データ線駆動回路>
図10は、データ線駆動回路140の構成を示すブロック図である。データ線駆動回路140は、Xシフトレジスタ1410、第1のラッチ回路1420、第2のラッチ回路1430、及び電位選択回路1440を備える。このうち、Xシフトレジスタ1410は、水平走査期間の最初に供給されるラッチパルスLPをクロック信号CLXにしたがって転送し、ラッチ信号S1、S2、S3、…、Snとして順次排他的に供給するものである。次に、第1のラッチ回路1420は、2ビットのラッチをn個備え、選択データDsをラッチ信号S1、S2、S3、…、Snの立ち下がりにおいて順次ラッチするものである。そして、第2のラッチ回路1430は、第1のラッチ回路1420によりラッチされた選択データDsの各々をラッチパルスLPの立ち下がりにおいて一斉にラッチして、選択信号ds1、ds2、ds3、…、dsnを生成する。
【0067】
これにより、点順次の選択データDsが線順次の選択信号ds1〜dsnに変換される。電位選択回路1440は、交流化信号FRに基づいて、選択電位v0a〜v3aの組と選択電位v0b〜v3bの組のうち一方を選択し、さらに、選択信号ds1〜dsnに基づいて組を構成する選択電位の中から一つを選択して、データ線114の各々にデータ信号d1、d2、d3、…、dnとして供給するものである。
【0068】
図11に電位選択回路1440の詳細な構成を示す。電位選択回路1440は、スイッチSW1〜SW4、選択回路U1〜Un、及び電位供給線L1〜L4を備える。スイッチSW1〜SW4の一方の入力端子には、選択電位v0a〜v3aの組が各々供給され、それらの他方の入力端子には選択電位v0b〜v3bの組が各々供給される。スイッチSW1〜SW4は、交流化信号FRがローレベルのとき選択電位v0a〜v3aの組を選択して電位供給線L1〜L4に各々出力する一方、交流化信号FRがハイレベルのとき選択電位v0b〜v3bの組を選択して電位供給線L1〜L4に各々出力する。
【0069】
各選択回路U1〜Unは4個の入力端子を備え、各入力端子は電位供給線L1〜L4に接続される。そして、各選択回路U1〜Unは、選択信号ds1〜dsnに基づいて、電位供給線L1〜L4を介して供給される電位を選択し、選択した電位(被選択電位)をデータ信号d1〜dnとして各データ線114に供給する。
【0070】
このようにスイッチSW1〜SW4を設けて、選択電位v0b〜v3bの組と選択電位v0a〜v3aの組を選択することによって、電位供給線の本数を減らすことができる。この場合、素子基板上に、スイッチSW1〜SW4を形成する必要があるが、電位供給線は、走査線112と平行に延設され占有面積が大きいので、電位供給線の本数を低減することによって、電位選択回路1440の占有面積を縮小することができ、ひいてはデータ線駆動回路140の占有面積を縮小することができる。
【0071】
また、第2のラッチ回路1430の各出力端子と選択回路U1〜Unの各制御入力端子とは配線を介して各々接続されるが、これらの配線は複数の電位供給線を跨ぐ。配線と電位供給線との交差部分には寄生容量が発生する。そして、電位供給線の本数が多いほど、寄生容量の容量値は増大し、第2のラッチ回路1430から見た負荷が重くなる。本実施形態においては、スイッチSW1〜SW4を設けることにより、電位供給線の本数を半分に削減したので、寄生容量値を約半分にして負荷が大幅に軽減される。これにより、電位選択回路1440、ひいてはデータ線駆動回路140の消費電流を削減することが可能となる。なお、選択電位v0a〜v3aと、選択電位v0b〜v3bとが各々等しい場合には、スイッチSW1〜SW4を適宜省略してもよい。
【0072】
<8.電気光学装置の動作>
図12は、この電気光学装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。まず、交流化信号FRは、1フレーム(1f)毎にレベル反転する信号である。一方、スタートパルスDYは、各サブフィールドの開始時に供給される。
【0073】
ここで、交流化信号FRがLレベルとなる1フレーム(1F)において、スタートパルスDYが供給されると、走査線駆動回路130(図6参照)におけるクロック信号CLYにしたがった転送によって、走査信号G1、G2、G3、…、Gmが期間(t)に順次排他的に出力される。なお、期間(t)は、最も短い第1サブフィールドSF1よりもさらに短い期間に設定されている。
【0074】
さて、走査信号G1、G2、G3、…、Gmは、それぞれクロック信号CLYの半周期に相当するパルス幅を有し、また、上から数えて1本目の走査線112に対応する走査信号G1は、スタートパルスDYが供給された後、クロック信号CLYが最初に立ち上がってから、少なくともクロック信号CLYの半周期だけ遅延して出力される構成となっている。したがって、スタートパルスDYが供給されてから、走査信号G1が出力されるまでに、ラッチパルスLPの1ショット(G0)がデータ線駆動回路140に供給されることになる。
【0075】
そこで、このラッチパルスLPの1ショット(G0)が供給された場合について検討してみる。まず、このラッチパルスLPの1ショット(G0)がデータ線駆動回路140に供給されると、データ線駆動回路140(図10参照)におけるクロック信号CLXにしたがった転送によって、ラッチ信号S1、S2、S3、…、Snが水平走査期間(1H)に順次排他的に出力される。なお、ラッチ号S1、S2、S3、…、Snは、それぞれクロック信号CLXの半周期に相当するパルス幅を有している。
【0076】
この際、図10における第1のラッチ回路1420は、ラッチ信号S1の立ち下がりにおいて、上から数えて1本目の走査線112と、左から数えて1本目のデータ線114との交差に対応する画素110への選択データDsをラッチし、次に、ラッチ信号S2の立ち下がりにおいて、上から数えて1本目の走査線112と、左から数えて2本目のデータ線114との交差に対応する画素110への選択データDsをラッチし、以下、同様に、上から数えて1本目の走査線112と、左から数えてn本目のデータ線114との交差に対応する画素110への選択データDsをラッチする。
【0077】
これにより、まず、図6において上から1本目の走査線112との交差に対応する画素1行分の選択データDsが、第1のラッチ回路1420により点順次的にラッチされることになる。なお、データ変換回路300は、第1のラッチ回路1420によるラッチのタイミングに合わせて、各画素の階調データD0〜D5を選択データDsに変換して出力することはいうまでもない。ここでは、第1フィールドSF1に相当する選択データDsが、階調データD0〜D5に応じて出力されることになる。
【0078】
次に、クロック信号CLYが立ち下がって、走査信号G1が出力されると、図6において上から数えて1本目の走査線112が選択される結果、当該走査線112との交差に対応する画素110のトランジスタ116がすべてオンとなる。一方、当該クロック信号CLYの立ち下がりによってラッチパルスLPが出力される。そして、このラッチパルスLPの立ち下がりタイミングにおいて、第2のラッチ回路1430は、第1のラッチ回路1420によって点順次的にラッチされた選択データDsを線順次の選択信号ds1〜dsnに変換して、電位選択回路1440に供給する。この例では、交流化信号FRがローレベルであるので、図11に示す電位供給線L1〜L4には選択電位v0a〜v3aが供給され、各選択回路U1〜Unは、選択信号ds1〜dsnの基づいて選択電位v0a〜v3aの中から一つを選択し、選択した電位を対応するデータ線114の各々にデータ信号d1、d2、d3、…、dnとして一斉に供給する。このため、上から数えて1行目の画素110においては、データ信号d1、d2、d3、…、dnの書き込みが同時に行われることとなる。
【0079】
この書き込みと並行して、図6において上から2本目の走査線112との交差に対応する画素1行分の選択データDsが、第1のラッチ回路1420により点順次的にラッチされる。
【0080】
そして、以降同様な動作が、m本目の走査線112対応する走査信号Gmが出力されるまで繰り返される。すなわち、ある走査信号Gi(iは、1≦i≦mを満たす整数)が出力される1水平走査期間(1H)においては、i本目の走査線112に対応する画素110の1行分に対するデータ信号d1〜dnの書込と、(i+1)本目の走査線112に対応する画素110の1行分に対する選択データDsの点順次的なラッチとが並行して行われることになる。なお、画素110に書き込まれたデータ信号は、次の第2サブフィールドSF2における書き込みまで保持される。
【0081】
以下同様な動作が、各サブフィールドの開始を規定するスタートパルスDYが供給される毎に繰り返される。さらに、1フレーム経過後、交流化信号FRがHレベルに反転した場合においても、各サブフィールドにおいて同様な動作が繰り返される。
【0082】
このような実施形態に係る電気光学装置によれば、1フレーム(1F)を、第1サブフィールドSF1〜SF3に分割し、各サブフィールド毎に、画素に選択された電位が各画素に書き込まれ、1フレームにおける電圧実効値が制御される。データ線114に供給されるデータ信号d1〜dnは、本実施形態では、予め定められた離散的な電位を取るため、駆動回路などの周辺回路においては、高精度のD/A変換回路やオペアンプなどのような、アナログ信号を処理するための回路は不要となる。このため、回路構成が大幅に簡略化されるので、装置全体のコストを低く抑えることが可能となる。
【0083】
さらに、選択の対象となる選択電位は、液晶の透過率が等間隔となるように設定されているから、階調の輝度が不連続に変化することはなく、階調の再現性を大幅に向上させることができる。
【0084】
なお、上述した電気光学装置は、対向電極電位LCCOMを1フレームの周期でレベル反転することとしたが、本発明は、これに限られず、例えば、2フレーム以上の周期でレベル反転する構成としても良い。ただし、上述した実施形態において、データ変換回路300は、スタートパルスDYをカウントするとともに、当該カウント結果を交流化信号FRの遷移によってリセットすることで、現状のサブフィールドを認識する構成としたので、交流化信号FRを2フレームの周期でレベル反転する場合には、フレームを規定するための何らの信号を与える必要が生じる。また、対向電極電位LCCOMを一定の電位に固定してもよい。この場合には、選択電位v0a〜v3aの組と選択電位v0b〜v3bの組と図5に示すように設定し、交流化信号FRに基づいて選択電位の組を切替えて電位供給線L1〜L4に供給すればよい。
【0085】
<9.液晶パネルの構成例>
次に、上述した電気的構成に係る液晶パネルの全体構成について図13及び図14を参照して説明する。ここで、図13は、液晶パネルAAの構成を示す斜視図であり、図14は、図13におけるZ−Z’線断面図である。
【0086】
これらの図に示されるように、液晶パネルAAは、画素電極118等が形成されたガラスや半導体等の素子基板151と、対向電極158等が形成されたガラス等の透明な対向基板152とを、スペーサ153が混入されたシール材154によって一定の間隙を保って、互いに電極形成面が対向するように貼り合わせるとともに、この間隙に電気光学材料としての液晶105を封入した構造となっている。なお、シール材154は、対向基板152の基板周辺に沿って形成されるが、液晶105を封入するために一部が開口している。このため、液晶105の封入後に、その開口部分が封止材156によって封止されている。
【0087】
ここで、素子基板151の対向面であって、シール材154の外側一辺においては、上述したデータ線駆動回路140が形成されて、Y方向に延在するデータ線114を駆動する構成となっている。さらに、この一辺には複数の接続電極157が形成されて、タイミング信号発生回路200からの各種信号や選択データDsを入力する構成となっている。また、この一辺に隣接する一辺には、走査線駆動回路130が形成されて、X方向に延在する走査線112をそれぞれ両側から駆動する構成となっている。
【0088】
一方、対向基板152の対向電極158は、素子基板151との貼合部分における4隅のうち、少なくとも1箇所において設けられた導通材によって、素子基板151との電気的導通が図られている。ほかに、対向基板152には、液晶パネルAAの用途に応じて、例えば、第1に、ストライプ状や、モザイク状、トライアングル状等に配列したカラーフィルタが設けられ、第2に、例えば、クロムやニッケルなどの金属材料や、カーボンやチタンなどをフォトレジストに分散した樹脂ブラックなどのブラックマトリクスが設けられ、第3に、液晶パネルAAに光を照射するバックライトが設けられる。特に色光変調の用途の場合には、カラーフィルタは形成されずにブラックマトリクスが対向基板152に設けられる。
【0089】
くわえて、素子基板151および対向基板152の対向面には、それぞれ所定の方向にラビング処理された配向膜などが設けられる一方、その各背面側には配向方向に応じた偏光板(図示省略)がそれぞれ設けられる。ただし、液晶105として、高分子中に微小粒として分散させた高分子分散型液晶を用いれば、前述の配向膜、偏光板等が不要となる結果、光利用効率が高まるので、高輝度化や低消費電力化などの点において有利である。
【0090】
なお、データ線駆動回路140、走査線駆動回路130等の周辺回路の一部または全部を、素子基板151に形成する替わりに、例えば、TAB(Tape Automated Bonding)技術を用いてフィルムに実装された駆動用ICチップを、素子基板151の所定位置に設けられる異方性導電フィルムを介して電気的および機械的に接続する構成としても良いし、駆動用ICチップ自体を、COG(Chip On Grass)技術を用いて、素子基板151の所定位置に異方性導電フィルムを介して電気的および機械的に接続する構成としても良い。さらに、タイミング信号発生回路200及びデータ変換回路300を素子基板151上に形成してもよい。
【0091】
<10.応用例>
<10−1:サブフィールド>
上述した実施形態においては、1フレームを3つに分割した第1〜第3サブフィールドSF1〜SF3毎に電位を選択したが、サブフィールドの数は任意である。また、選択電位の数も適宜定めてよい。さらに、サブフィールド毎に異なる選択電位を用いてもよい。くわえて、上述した例では、期間の短いものから順にサブフィールドを並べたが、1フレーム内の順序は任意である。例えば、サブフィールド数を3とし、第1〜第3サブフィールドSF1〜SF3の時間の比を1:2:4に設定し、選択電位数を10レベルとしてもよい。また、サブフィールド数をN(Nは2以上の自然数)とし、選択電位数をM(Nは2以上の自然数)レベルとし、各サブフィールド期間が等しくなるように設定してもよい。このよな場合にも各選択電位は、電気光学材料の電気光学特性を考慮して階調データの各データ値に対応する各輝度が等間隔で刻めるように設定される。これにより、階調データのデータ値を変化させたとき、輝度が不連続になるといったことがなくなり、自然なグラディエーションを表現でき、表示画像の品質を大幅に向上させることが可能となる。
【0092】
<10−2:素子基板の構成>
上述した実施形態においては、液晶パネルAAの素子基板151をガラス等の透明な絶縁性基板により構成して、当該基板上にシリコン薄膜を形成するとともに、当該薄膜上にソース、ドレイン、チャネルが形成されたTFTによって、画素のスイッチング素子やデータ線駆動回路140、および走査線駆動回路130の素子を構成するものとして説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
【0093】
例えば、素子基板151を半導体基板により構成して、当該半導体基板の表面にソース、ドレイン、チャネルが形成された絶縁ゲート型電界効果トランジスタによって、画素のスイッチング素子や各種の回路の素子を構成しても良い。このように素子基板151を半導体基板により構成する場合には、透過型の表示パネルとして用いることができないため、画素電極118をアルミニウムなどで形成して、反射型として用いられることとなる。また、単に、素子基板151を透明基板として、画素電極118を反射型にしても良い。
【0094】
さらに、上述した実施の形態にあっては、画素のスイッチング素子を、TFTで代表される3端子素子として説明したが、ダイオード等の2端子素子で構成しても良い。ただし、画素のスイッチング素子として2端子素子を用いる場合には、走査線112を一方の基板に形成し、データ線114を他方の基板に形成するとともに、2端子素子を、走査線112またはデータ線114のいずれか一方と、画素電極との間に形成する必要がある。この場合、画素は、走査線112とデータ線114との間に直列接続された二端子素子と、液晶とから構成されることとなる。
【0095】
また、本発明は、アクティブマトリクス型液晶表示装置として説明したが、これに限られず、STN(Super Twisted Nematic)液晶などを用いたパッシィブ型にも適用可能である。さらに、電気光学材料としては、液晶のほかに、エレクトロルミネッセンス素子などを用いて、その電気光学効果により表示を行う表示装置にも適用可能である。すなわち、本発明は、上述した液晶装置と類似の構成を有するすべての電気光学装置に適用可能である。
【0096】
<10−3:電子機器>
次に、上述した液晶装置を具体的な電子機器に用いた例のいくつかについて説明する。
<10−2−1:プロジェクタ>
まず、この液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。図15は、プロジェクタの構成例を示す平面図である。
【0097】
この図に示されるように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gに入射される。
【0098】
液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gの構成は、上述した液晶パネルAAと同等であり、画像信号処理回路(図示省略)から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、RおよびBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。したがって、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
【0099】
ここで、各液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gによる表示像について着目すると、液晶パネル1110Gによる表示像は、液晶パネル1110R、1110Bによる表示像に対して左右反転することが必要となる。
【0100】
なお、液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルタを設ける必要はない。
【0101】
<10−3−2:モバイル型コンピュータ>
次に、この液晶パネルを、モバイル型のパーソナルコンピュータに適用した例について説明する。図16は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。図において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、液晶表示ユニット1206とから構成されている。この液晶表示ユニット1206は、先に述べた液晶パネル1005の背面にバックライトを付加することにより構成されている。
【0102】
<10−3−3:携帯電話>
さらに、この液晶パネルを、携帯電話に適用した例について説明する。図17は、この携帯電話の構成を示す斜視図である。図において、携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302とともに、反射型の液晶パネル1005を備えるものである。この反射型の液晶パネル1005にあっては、必要に応じてその前面にフロントライトが設けられる。
【0103】
なお、図15〜図17を参照して説明した電子機器の他にも、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における各サブフィールドSF1〜SF3、各選択電位v0a〜v3a、v0b〜v3b、及び対向電極電位LCCOMの関係を示す説明図である。
【図2】液晶への印加電圧と透過、反射率との関係を示すグラフである。
【図3】階調レベルと透過、反射率との関係を示すグラフである。
同電気光学装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図4】階調レベル応じた駆動波形を示す波形図である。
【図5】対向電極電位LCCOMの電位を一定とした場合の選択電位v0a〜v3a及びv0b〜v3bを示す説明図である。
【図6】電気光学装置の構成を示すブロック図である。
【図7】(a)および(b)は、それぞれ同電気光学装置の画素の一態様を示すブロック図である。
【図8】同電気光学装置におけるスタートパルス生成回路の構成を示すブロック図である。
【図9】同電気光学装置におけるデータ変換回路の構成を示すブロック図である。
【図10】同電気光学装置におけるデータ線駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図11】同データ線駆動回路に用いられる電位選択回路の構成を示すブロック図である。
【図12】同電気光学装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図13】同電気光学装置に用いられる液晶パネルの機械的な構成を示す斜視図である。
【図14】図13の電気光学装置をZ−Z’で切断した断面図である。
【図15】同電気光学装置を適用した電子機器の一例たるプロジェクタの構成を示す断面図である。
【図16】同電気光学装置を適用した電子機器の一例たるパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
【図17】同電気光学装置を適用した電子機器の一例たる携帯電話の構成を示す斜視図である。
【図18】従来の駆動方法における各サブフィールドSF1〜SF3、各選択電位V0〜V3、及び対向電極電位LCCOMの関係を示す説明図である。
【図19】階調レベルと被選択電位Vsf1〜Vsf3との関係を示す説明図である。
【図20】図18及び図19の設定において階調の測定結果を示すグラフである。
【図21】電気光学材料たる液晶のV−T特性を示すグラフである。
【符号の説明】
105…液晶(電気光学材料)、108…対向電極、112…走査線、114…データ線、116…トランジスタ(スイッチング素子)、118…画素電極、130…走査線駆動回路、140…データ線駆動回路、1410…Xシフトレジスタ、1420…第1のラッチ回路、1430…第2のラッチ回路、1440…電位選択回路、200……タイミング信号生成回路、210……スタートパルス発生回路、300…データ変換回路、Ds…選択データ。
Claims (16)
- 電気光学材料を含む画素がマトリックス状に配設される電気光学装置に用いられ、前記電気光学材料への印加電圧及び印加時間を制御することによって前記各画素に階調を表示させる電気光学装置の駆動方法であって、 1フレームを分割した複数のサブフィールドの各々において、前記各画素の階調を指示する階調データに基づいて、複数の電圧の中から選択した電圧を前記電気光学材料に印加し、
前記電気光学材料の電気光学特性を考慮して前記階調データの各データ値に対応する各輝度が等間隔で刻めるように前記複数の電圧を設定する
ことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。 - 前記画素は、対向電極電位が供給される対向電極と、画素電極と、前記対向電極と前記画素電極との間に挟持される前記電気光学材料とを備え、
前記階調データに応じて各サブフィールド毎に複数の選択電位の中から選択した電位を前記画素電極に供給し、
前記複数の電圧は、前記対向電極電位と前記画素電極の電位との電位差として与えられ、前記複数の選択電位は、前記電気光学材料の電気光学特性を考慮して前記電気光学材料の電気光学特性を考慮して前記階調データの各データ値に対応する各輝度が等間隔で刻めるように設定される
ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の駆動方法。 - 1フレームに含まれるサブフィールド数をM、前記諧調データのビット数をK、1フレームの期間において選択の対象となる前記選択電位の数をJとしたとき、
J=2N 但し、Nは自然数
K=N*M
となるように設定したことを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置の駆動方法。 - 前記各サブフィールドの時間を短い順に並べたとき、あるサブフィールドの時間と次のサブフィールドの時間との比率を1:2Nとすることを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置の駆動方法。
- Kビットの前記諧調データを最下位ビットから最上位ビットへ向けてNビットごとに分割すると共に時間の短い前記サブフィールドから時間の長いサブフィールドに対応付けて、M個の選択データを生成し、
前記各サブフィールドにおいて、対応する前記選択データに基づいて前記複数の選択電位の中から一つの電位を選択し、
選択した選択電位を前記画素電極の電位として供給する
ことを特徴とする請求項4に記載の電気光学装置の駆動方法。 - 前記対向電極電位として、所定周期で基準電位を中心として極性を反転した電位を前記対向電極に供給することを特徴とする請求項2乃至5のうちいずれか1項に記載の電気光学装置の駆動方法。
- 前記対向電極電位の極性が一方の極性である場合と他方の極性である場合とで、選択の対象とする前記複数の選択電位を共通化することを特徴とする請求項6に記載の電気光学装置の駆動方法。
- 前記対向電極電位として、固定電位を供給し、
前記複数の選択電位は、前記固定電位を中心として極性が反転された第1の組と第2の組とからなり、
前記所定周期で前記第1及び第2の組のうち一方を選択し、
選択された組を構成する選択電位の中から、前記階調データに応じて各サブフィールド毎に選択した選択電位を前記画素電極に供給する
ことを特徴とする請求項2乃至5のうちいずれか1項に記載の電気光学装置の駆動方法。 - 複数のデータ線と複数の走査線との各交差に対応して配設され電気光学材料を含む各画素を駆動する電気光学装置の駆動回路であって、
1フレームを分割した複数のサブフィールドの各々において、各画素の電気光学材料への印加電圧を選択するための選択データを階調データに基づいて生成するデータ変換回路と、
前記各サブフィールド毎に、前記データ線から前記画素への電圧印加を可能にする走査信号を、前記走査線の各々に順次供給する走査線駆動回路と、
前記走査信号が前記走査線に供給される間、前記選択データに基づいて複数の電圧の中から選択した電圧をデータ信号として前記データ線に供給するデータ線駆動回路と、
前記電気光学材料の電気光学特性を考慮して前記階調データの各データ値に対応する各輝度が等間隔で刻めるように設定した前記複数の電圧を発生する電源と
を備えたことを特徴とする電気光学装置の駆動回路。 - 前記画素は、対向電極電位が供給される対向電極と、前記対向電極に対向した画素電極と、前記画素電極および前記対向電極の間に挟持された前記電気光学材料と、前記走査線を介して前記走査信号が与えられることにより前記データ線を介して供給される前記データ信号を前記画素電極に印加するスイッチング素子とを備え、
前記複数の電圧は、前記対向電極電位と前記画素電極の電位との電位差として与えられ、
前記電源は、前記複数の電圧として、前記電気光学材料の電気光学特性を考慮して前記階調データの各データ値に対応する各輝度が等間隔で刻めるように設定した複数の選択電位を発生し、
前記データ線駆動回路は、前記選択データに基づいて前記複数の選択電位の中から一つ選択電位を選択し、前記データ信号として前記データ線に供給する
ことを特徴とする請求項9に記載の電気光学装置の駆動回路。 - 1フレームに含まれるサブフィールド数をM、前記諧調データのビット数をK、1フレームの期間において選択の対象となる前記選択電位の数をJとしたとき、
J=2N 但し、Nは自然数
K=N*M
となるように設定し、
前記各サブフィールドの時間を短い順に並べたとき、あるサブフィールドの時間と次のサブフィールドの時間との比率を1:2Nとする
ことを特徴とする請求項10に記載の電気光学装置の駆動回路。 - 前記データ変換回路は、
Kビットの前記諧調データを最下位ビットから最上位ビットへ向けてNビットごとに分割すると共に時間の短い前記サブフィールドから時間の長いサブフィールドに対応付けて、M個の前記選択データを生成するデコーダと、
前記選択データを前記各サブフィールドと対応付けて記憶する記憶手段と、
前記各サブフィールドにおいて前記記憶手段から前記選択データを点順次に読み出して前記データ線駆動回路へ出力する出力手段と
を備えたことを特徴とする請求項11に記載の電気光学装置の駆動回路。 - 前記データ線駆動回路は、
前記データ変換回路から供給される点順次の選択データを、前記データ線に各々対応した線順次の選択データへ変換する変換回路と、
前記変換回路から出力される前記選択データに基づいて、前記複数の選択電位の中から選択した電位を前記データ信号として、前記データ線の各々に出力する電位選択回路と
を備えたことを特徴とする請求項12に記載の電気光学装置の駆動回路。 - 前記対向電極電位は、1フレームの自然数倍の周期で基準電位を中心として極性が反転され、前記対向電極電位の極性が一方の極性である場合と他方の極性である場合とで、選択の対象とする前記複数の選択電位を共通化したことを特徴とする請求項9乃至13のうちいずれか1項に記載の電気光学装置の駆動回路。
- 複数の走査線と、複数のデータ線と、前記複数のデータ線と前記複数の走査線との各交差に対応して配設され電気光学材料を含む各画素と、
請求項9乃至13のうちいずれか1項に記載の電気光学装置の駆動回路と
を備えたことを特徴とする電気光学装置。 - 請求項15に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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JP2003068341A JP2004279567A (ja) | 2003-03-13 | 2003-03-13 | 電気光学装置の駆動方法及び駆動回路、電気光学装置並びに電子機器 |
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JP2008281827A (ja) * | 2007-05-11 | 2008-11-20 | Seiko Epson Corp | 電気光学装置、その駆動方法および電子機器 |
JP2009128826A (ja) * | 2007-11-27 | 2009-06-11 | Funai Electric Co Ltd | 液晶表示装置、及び液晶装置の駆動方法 |
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