JP2004279343A - 核磁気共鳴装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】強磁場下に物質を晒した際に、RF領域の電磁波パルスの照射によって引起される原子核の磁気モーメントの共鳴歳差運動に伴う誘導起電力の減衰信号により物質の原子配置及び分子構造を解明するための核磁気共鳴手段2と、振動を抑制するための除振機構3とを備えた核磁気共鳴装置1Aにおいて、除振機構3が、電空変換器25を介して加圧空気源34に接続され、核磁気共鳴手段2に除振のための力を作用させる空気ばね11をアクチュエータとして有し、アクティブ除振可能に形成され、かつ電空変換器25が核磁気共鳴手段2で生じる磁場による影響で誤作動、作動不良を起こすことのない距離だけ核磁気共鳴手段2から離して配置されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、除振機構を備えた核磁気共鳴装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、強磁場下に物質を晒した際に、RF領域の電磁波パルスの照射によって引起される原子核の磁気モーメントの共鳴歳差運動に伴う誘導起電力の減衰信号により物質の原子配置及び分子構造を解明するための核磁気共鳴手段と、この核磁気共鳴手段の振動を抑制するための除振機構とを備えた核磁気共鳴装置は公知である。(例えば、特許文献1参照)。
また、空気ばねを用いたアクティブタイプの除振機構自体も公知である(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−145611号公報(段落[0011]、図1)
【非特許文献1】
田川泰敬 他4名、“空気アクチュエータを用いた6自由度微振動制御装置に関する研究(振動絶縁・制振性能の実験的検討)”、日本機械学会Dynamics and Design Conference’94講演論文集、No.940−26 (II)、pp.544,1994.07
【0004】
ばね−質点系(定盤及び搭載機器)により構成される除振機構、即ちパッシブタイプの除振機構は、ばね−質点系における固有周波数で共振により振動が増幅されてしまう。これに対して、除振が行われるべき機器、即ち制御対象の振動状態、変位状態を検出する手段、これによる検出信号に基づき、上記制御対象の振動を打消すための信号を出力する制御手段、この制御手段から信号を受けて上記制御対象に上記振動を打消すための力を作用させるアクチュエータ(例:空気ばね、ピエゾ積層体)等を設けてフィードバック制御を行うことにより、上記固有周波数での共振を回避し、上記増幅を抑制するようにした除振機構が上記アクティブタイプの除振機構である。このアクティブタイプの除振機構は、特に、微振動であっても悪影響を受け易い精密機器には不可欠なものとなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に記載の装置の場合、除振機構としてパッシブタイプの除振機構が用いられており、上述したように固有振動数付近で、振動が増幅されるため、精密測定機器である核磁気共鳴手段の除振には不適当である。即ち、このパッシブタイプの除振機構を用いた核磁気共鳴装置では、装置の振動に伴い、核磁気共鳴スペクトルに振動の周波数に応じたサイドバンドノイズが生じるために精密測定ができないという問題がある。
【0006】
一方、上述したアクティブタイプの除振機構には、例えばサーボバルブやサーボ型加速度センサのように外部の強磁場の影響を受けて誤作動や動作不良を起こす構成要素が用いられている。このため、このアクティブタイプの除振機構を従来同様の形態で強磁場発生源でもある核磁気共鳴手段に適用して核磁気共鳴装置を形成しても、除振機構が正常に作動せず、上記同様、この核磁気共鳴装置の場合も精密測定ができないという問題がある。
【0007】
本発明は、斯る従来の問題点をなくすことを課題としてなされたもので、強磁場の環境下でも除振機構本来の性能を十分に発揮させ、振動を抑制し、精密測定を可能とした核磁気共鳴装置
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、第1発明は、強磁場下に物質を晒した際に、RF領域の電磁波パルスの照射によって引起される原子核の磁気モーメントの共鳴歳差運動に伴う誘導起電力の減衰信号により物質の原子配置及び分子構造を解明するための核磁気共鳴手段と、この核磁気共鳴手段の振動を抑制するための除振機構とを備えた核磁気共鳴装置において、上記除振機構が、電空変換器を介して加圧空気源に接続され、上記核磁気共鳴手段に除振のための力を作用させる空気ばねをアクチュエータとして有し、アクティブ除振可能に形成され、かつ上記電空変換器が上記核磁気共鳴手段で生じる磁場による影響で誤作動、作動不良を起こすことのない距離だけ上記核磁気共鳴手段から離して配置された構成とした。
【0009】
第2発明は、強磁場下に物質を晒した際に、RF領域の電磁波パルスの照射によって引起される原子核の磁気モーメントの共鳴歳差運動に伴う誘導起電力の減衰信号により物質の原子配置及び分子構造を解明するための核磁気共鳴手段と、この核磁気共鳴手段の振動を抑制するための除振機構とを備えた核磁気共鳴装置において、上記除振機構が、電空変換器を介して加圧空気源に接続され、上記核磁気共鳴手段に除振のための力を作用させる空気ばねをアクチュエータとして有し、アクティブ除振可能に形成され、かつ上記電空変換器が、核磁気共鳴手段から外部に漏洩する磁場を減じる手段を伴い、この漏洩する磁場が減じられる位置に配置された構成とした。
【0010】
第3発明は、強磁場下に物質を晒した際に、RF領域の電磁波パルスの照射によって引起される原子核の磁気モーメントの共鳴歳差運動に伴う誘導起電力の減衰信号により物質の原子配置及び分子構造を解明するための核磁気共鳴手段と、この核磁気共鳴手段の振動を抑制するための除振機構とを備えた核磁気共鳴装置において、上記除振機構が、電空変換器を介して加圧空気源に接続され、上記核磁気共鳴手段に除振のための力を作用させる空気ばねをアクチュエータとして有し、アクティブ除振可能に形成され、かつ上記電空変換器が上記核磁気共鳴手段からの漏洩磁束の向きと直交する駆動磁場を発生するように配置された構成とした。
【0011】
第4発明は、第1から第3発明のいずれかの構成に加えて、上記空気ばね及び配管系を非磁性体で形成した構成とした。
【0012】
第5発明は、第1から第4発明のいずれかの構成に加えて、上記除振機構が有する制御手段において,空気ばねと電空変換器の間で発生する流体共振を抑制するために,上記電空変換器が発生する制御圧力を流体共振周波数の近傍で下げる制御を行う構成とした。
【0013】
第6発明は、第1から第5発明のいずれかの構成に加えて、上記除振機構が、振動検出手段として圧電型加速度センサを備えた構成とした。
【0014】
第7発明は、第1から第5発明のいずれかの構成に加えて、上記除振機構が、振動検出手段としてサーボ型加速度センサを備え,かつこのサーボ型加速度センサが、上記核磁気共鳴手段から外部に漏洩する磁場を減じる手段を伴い、この漏洩する磁場が減じられる位置に配置された構成とした。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1は、本発明に係る核磁気共鳴装置1Aを示し、この核磁気共鳴装置1Aは核磁気共鳴手段2と除振機構3とからなっている。
核磁気共鳴手段2は、強磁場下に物質を晒した際に、RF領域の電磁波パルスの照射によって引起される原子核の磁気モーメントの共鳴歳差運動に伴う誘導起電力の減衰信号により物質の原子配置及び分子構造を解明するためのもので、磁気画像共鳴手段をも含み、周知のものである。
除振機構3は、核磁気共鳴手段2に対するアクティブ除振のために設けられ、アクチュエータとして空気ばね11と、検出手段として振動センサS1,S2、変位センサS3等を含む制御系12とからなっている。
【0016】
空気ばね11は、設置部P上に配置された水平レベル調整可能な架台Bと除振機構3による振動制御対象である核磁気共鳴手段2との間に介在させられている。換言すれば、核磁気共鳴手段2は空気ばね11を介して架台B上に水平に支持されている。
【0017】
制御系12には、上述した検出手段(振動センサS1,S2、変位センサS3)の他に、設置部振動制御器21、制御対象振動制御器22、変位制御器23、ドライバ24及び電空変換器25が設けられている。
振動センサS1は、設置部Pの振動状態を検出し、検出した振動状態を示す信号は設置部振動制御器21に入力される。振動センサS2は、核磁気共鳴手段2の振動状態を検出し、検出した振動状態を示す信号は加算器31に入力され、正負逆にして制御対象振動制御器22に入力される。変位センサS3は、設置部Pに対する核磁気共鳴手段2の相対的な変位量を検出し、検出した変位量を示す信号は負の信号として加算器32に入力され。加算器32には、目標値として設置部Pからの核磁気共鳴手段2の所望の浮上量の値が入力されており、この所望の浮上量と上記相対的な変位量との差分を示す信号が加算器32から変位制御器23に入力される。
【0018】
なお、振動センサS1,S2としては、例えば、ピエゾと非磁性の質量体から構成されるサイズモ系を基本としており、磁場の影響を受けない圧電型加速度センサが好適である。一方、振動センサS1,S2としてサーボ型加速度センサを用いるとともに、このサーボ型加速度センサに、核磁気共鳴手段2から外部に漏洩する磁場を減じる手段を伴わせ、この漏洩する磁場が減じられる位置に上記サーボ型加速度センサを配置してもよい。上記サーボ型加速度センサは、ボイスコイル型の電磁駆動部を有しているため磁場の影響を受けるが、微振動分解能は圧電型加速度センサよりも優れた特性を有している。上記磁場を減じる手段については、後述する。
また、変位センサS3としては、例えば、渦電流型変位センサ、レーザー変位計が好適である。
【0019】
設置部振動制御器21、制御対象振動制御器22及び変位制御器23からは、それぞれ入力された信号を打消す制御信号が加算器33に入力され、これら三つの制御信号が加算された制御信号が加算器33からドライバ24に入力される。
空気ばね11は、核磁気共鳴手段2から、ここで発生する磁場による影響で誤作動や作動不良を起こすことのない距離だけ離れた位置、具体的には、磁束密度が約5ガウス以下になる位置にある電空変換器25を介して加圧空気源34に接続しており、上記加算された制御信号が入力されたドライバ24からの駆動信号に基づき電空変換器25が作動する。即ち、電空変換器25が上述した二つの振動状態及び変位量に迅速に応答して、この結果、空気ばね11内の加圧空気量の調整が連続的に続けられ、核磁気共鳴手段2の除振が行われる。
なお、電空変換器25としては、例えば、磁石でフラッパーを動作させる電気空気圧サーボバルブが用いられる。
【0020】
図2は、強磁場を発生する核磁気共鳴手段2に上述したアクティブタイプの除振機構3を適用した本発明に係る核磁気共鳴装置1Aと、核磁気共鳴手段2にばね−質点系からなるパッシブタイプの除振機構を適用した従来の核磁気共鳴装置のそれぞれにおける除振特性を設置部Pの振動状態を基準として示し、横軸が対数目盛で表した振動周波数(Hz)で、F0は一次の固有周波数、縦軸が設置部Pの振動レベルを基準(=0)にした場合における核磁気共鳴手段2の振動の増幅率[dB]、曲線Iがアクティブ除振される核磁気共鳴装置1Aの場合、曲線IIが従来のパッシブ除振される核磁気共鳴装置の場合を示している。この図2から分かるように、固有周波数F0よりも大きい領域では、核磁気共鳴装置1A及び従来の核磁気共鳴装置のいずれの場合も、同様に良好な減衰特性を示しているが、固有振動数F0付近では、従来の核磁気共鳴装置の場合、振動を増幅するのに対して核磁気共鳴装置1Aの場合、良好な減衰特性を示している。
【0021】
本発明は、核磁気共鳴手段2が図1に示す態様で支持されたものに限定するものでなく、この他、例えば図3或いは図4に示す様に核磁気共鳴手段2が支持されたものも含み、図3及び図4において、図1と共通する部分については、同一番号が付されている。
なお、図3に示す核磁気共鳴手段2は、その上部が空気ばね11を介して架台B上に水平に支持され、図4に示す核磁気共鳴手段2は、その側部が空気ばね11を介して定盤B上に水平に支持されている。
【0022】
図5は、本発明に係る別の核磁気共鳴装置1Bを示し、上述した核磁気共鳴装置1Aとは、除振機構3に代えてアクティブタイプの除振機構4を適用した点を除き、他は実質的に同一であり、互いに共通する部分については、同一番号を付して説明を省略する。
この核磁気共鳴装置1Bでは、電空変換器25は核磁気共鳴装置1Bから外部に漏洩する磁場を減ずる手段の一例である磁気シールドボックス41内に収容されており、必ずしも核磁気共鳴装置1Aの場合におけるように、核磁気共鳴手段2から離して配置される必要はない。
【0023】
そして、この核磁気共鳴装置1Bにおいては、磁気シールドボックス41により電空変換器25に対する外乱としての磁場が遮断され、電空変換器25への外部磁場の影響が除去されることにより、電空変換器25の正常な作動が確保されるようになっている。この磁気シールドボックス41は、例えばパーマロイや純鉄のような透磁率の高い材料により形成されるのが好ましい。
磁場を減ずる手段として、上述した磁気シールドボックスに代えて、或いはこれに加えて、例えば永久磁石或いは磁気発生コイルを用いてもよい。
この場合、永久磁石或いは磁気発生コイルから生じる磁場により、電空変換器25に入射する核磁気共鳴装置1Bからの漏洩磁場を消磁するか、電空変換器25の感応方向における上記漏洩磁場の入射量を減磁するようにする。
なお、この核磁気共鳴装置1Bにおいても、上述したのと同様に、振動センサS1,S2として圧電型加速度センサ或いはサーボ型加速度センサが適用でき、変位センサS3として渦電流型変位センサ、レーザー変位計が適用できることは言うまでもない。
【0024】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、必ずしも電空変換器25を核磁気共鳴装置1Aの場合におけるように、核磁気共鳴手段2から離して配置しなくとも、また核磁気共鳴装置1Bの場合におけるように、必ずしも電空変換器25を磁気シールドボックス41内に配置しなくとも、図6に示すように、電空変換器25を核磁気共鳴手段2からの漏洩磁束の向きと直交する駆動磁場を発生するように配置してもよく、このように構成された核磁気共鳴装置をも本発明は含むものである。なお、図6において、51はフラッパー、52はトルクモータ駆動磁極を示している。
このように、電空変換器25を核磁気共鳴手段2からの漏洩磁束の向きと直交する駆動磁場を発生するように配置することにより、電空変換器25が受ける核磁気共鳴手段2による磁場の影響は弱められる。
【0025】
また、上述した各装置において、空気ばね11及び配管系は非磁性体で形成されるのが好ましく、このようにすることにより、電空変換器25が受ける核磁気共鳴手段2による磁場の影響は一層弱められる。
さらに、上述した各装置において、空気ばね11と電空変換器25との間で発生する流体共振を抑制するために、電空変換器25が発生する制御圧力を流体共振周波数の近傍で下げるようにするのが好ましい。電空変換器25におけるサーボバルブで空気ばね11内の圧力制御を行う際に、加圧流体が加圧空気源34より延びる配管系から容積変化を生じさせられると内部共鳴を起こし、流体が共振し、制御特性の劣化を引起すことになる。しかしながら、電空変換器25が発生する制御圧力を上述したように修正することにより、電空変換器25における制御圧力が上記流体共振周波数の近傍で変動する場合においても、他の周波数の場合と同様にアクティブ除振可能となる。
その他、フィードバックループに、例えば加算器33とドライバ24との間に共鳴除去フィルタを介在させてもよい。
【0026】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、第1発明によれば、除振機構が、電空変換器を介して加圧空気源に接続され、核磁気共鳴手段に除振のための力を作用させる空気ばねをアクチュエータとして有し、アクティブ除振可能に形成され、かつ上記電空変換器が上記核磁気共鳴手段で生じる磁場による影響で誤作動、作動不良を起こすことのない距離だけ上記核磁気共鳴手段から離して配置された構成としてある。
このため、核磁気共鳴手段からの漏洩磁気は電空変換器近傍では弱まり、強磁場の環境下でも十分に除振機構本来の性能が得られ、かつ固有周波数での共振による振動の増幅を起こすことなく振動が抑制され、精密測定が可能になるという効果を奏する。
【0027】
第2発明によれば、除振機構が、電空変換器を介して加圧空気源に接続され、上記核磁気共鳴手段に除振のための力を作用させる空気ばねをアクチュエータとして有し、アクティブ除振可能に形成され、かつ上記電空変換器が、核磁気共鳴手段から外部に漏洩する磁場を減じる手段を伴い、この漏洩する磁場が減じられる位置に配置された構成としてある。
このため、核磁気共鳴手段からの漏洩磁場は上記磁場を減じる手段により弱められ、電空変換器はこの漏洩磁場から守られ、強磁場の環境下でも十分に除振機構本来の性能が得られ、かつ固有周波数での共振による振動の増幅を起こすことなく振動が抑制され、精密測定が可能になるという効果を奏する。
【0028】
第3発明によれば、除振機構が、電空変換器を介して加圧空気源に接続され、核磁気共鳴手段に除振のための力を作用させる空気ばねをアクチュエータとして有し、アクティブ除振可能に形成され、かつ上記電空変換器が上記核磁気共鳴手段からの漏洩磁束の向きと直交する駆動磁場を発生するように配置された構成としてある。
このため、電空変換器内の被駆動部は核磁気共鳴手段による磁場の影響を受けることなく正常に作動し、強磁場の環境下でも十分に除振機構本来の性能が得られ、かつ固有周波数での共振による振動の増幅を起こすことなく振動が抑制され、精密測定が可能になるという効果を奏する。
【0029】
第4発明によれば、第1から第3発明のいずれかの構成に加えて、上記空気ばね及び配管系を非磁性体で形成した構成としある。
このため、第1から第3発明のいずれかによる効果に加えて、電空変換器が受ける核磁気共鳴手段による磁場の影響を一層弱められる、装置の信頼性をさらに向上させることができるという効果を奏する。
【0030】
第5発明によれば、第1から第4発明のいずれかの構成に加えて、上記除振機構が有する制御手段において,空気ばねと電空変換器の間で発生する流体共振を抑制するために,上記電空変換器が発生する制御圧力を流体共振周波数の近傍で下げる制御を行う構成としてある。
このため、第1から第4発明のいずれかによる効果に加えて、電空変換器による制御圧力が流体共振周波数の近傍で変動する場合においても、他の周波数の場合と同様にアクティブ除振可能となり、装置の信頼性をさらに一層向上させることができるという効果を奏する。
【0031】
第6発明によれば、第1から第5発明のいずれかの構成に加えて、上記除振機構が、振動検出手段として圧電型加速度センサを備えた構成としてある。
このため、第1から第5発明のいずれかによる効果に加えて、強磁場の影響を受けることなく核磁気共鳴手段の振動状態の検出が可能になるという効果を奏する。
【0032】
第7発明は、第1から第5発明のいずれかの構成に加えて、上記除振機構が、振動検出手段としてサーボ型加速度センサを備え,かつこのサーボ型加速度センサが、上記核磁気共鳴手段から外部に漏洩する磁場を減じる手段を伴い、この漏洩する磁場が減じられる位置に配置された構成としてある。
このため、第1から第5発明のいずれかによる効果に加えて、微振動計測に最適なサーボ型加速度センサを上記核磁気共鳴手段の振動状態の検出にも適用可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る核磁気共鳴装置の全体構成を示す図である。
【図2】図1に示す核磁気共鳴装置及びパッシブタイプの除振機構を用いた核磁気共鳴装置における除振特性を示す図である。
【図3】図1に示す核磁気共鳴装置における核磁気共鳴手段の別の支持態様を示す図である。
【図4】図1に示す核磁気共鳴装置における核磁気共鳴手段のさらに別の支持態様を示す図である。
【図5】本発明に係る別の核磁気共鳴装置の全体構成及びその適用状態を示す図である。
【図6】核磁気共鳴手段からの漏洩磁束の向きと直交する駆動磁場を発生する電空変換器を示す図である。
【符号の説明】
1A,1B 核磁気共鳴装置
2 核磁気共鳴手段
3,4 除振機構
11 空気ばね
12 制御系
21 設置部振動制御器
22 制御対象振動制御器
23 変位制御器
24 ドライバ
25 電空変換器
31 加算器
32,33 加算器
34 加圧空気源
41 磁気シールドボックス
51 フラッパー
52 トルクモータ駆動磁極
B 架台
P 設置部
S1,S2 振動センサ
S3 変位センサ
Claims (7)
- 強磁場下に物質を晒した際に、RF領域の電磁波パルスの照射によって引起される原子核の磁気モーメントの共鳴歳差運動に伴う誘導起電力の減衰信号により物質の原子配置及び分子構造を解明するための核磁気共鳴手段と、この核磁気共鳴手段の振動を抑制するための除振機構とを備えた核磁気共鳴装置において、上記除振機構が、電空変換器を介して加圧空気源に接続され、上記核磁気共鳴手段に除振のための力を作用させる空気ばねをアクチュエータとして有し、アクティブ除振可能に形成され、かつ上記電空変換器が上記核磁気共鳴手段で生じる磁場による影響で誤作動、作動不良を起こすことのない距離だけ上記核磁気共鳴手段から離して配置されたことを特徴とする核磁気共鳴装置。
- 強磁場下に物質を晒した際に、RF領域の電磁波パルスの照射によって引起される原子核の磁気モーメントの共鳴歳差運動に伴う誘導起電力の減衰信号により物質の原子配置及び分子構造を解明するための核磁気共鳴手段と、この核磁気共鳴手段の振動を抑制するための除振機構とを備えた核磁気共鳴装置において、上記除振機構が、電空変換器を介して加圧空気源に接続され、上記核磁気共鳴手段に除振のための力を作用させる空気ばねをアクチュエータとして有し、アクティブ除振可能に形成され、かつ上記電空変換器が、核磁気共鳴手段から外部に漏洩する磁場を減じる手段を伴い、この漏洩する磁場が減じられる位置に配置されたことを特徴とする核磁気共鳴装置。
- 強磁場下に物質を晒した際に、RF領域の電磁波パルスの照射によって引起される原子核の磁気モーメントの共鳴歳差運動に伴う誘導起電力の減衰信号により物質の原子配置及び分子構造を解明するための核磁気共鳴手段と、この核磁気共鳴手段の振動を抑制するための除振機構とを備えた核磁気共鳴装置において、上記除振機構が、電空変換器を介して加圧空気源に接続され、上記核磁気共鳴手段に除振のための力を作用させる空気ばねをアクチュエータとして有し、アクティブ除振可能に形成され、かつ上記電空変換器が上記核磁気共鳴手段からの漏洩磁束の向きと直交する駆動磁場を発生するように配置されたことを特徴とする核磁気共鳴装置。
- 上記空気ばね及び配管系を非磁性体で形成したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の核磁気共鳴装置。
- 上記除振機構が有する制御手段において,空気ばねと電空変換器の間で発生する流体共振を抑制するために,上記電空変換器が発生する制御圧力を流体共振周波数の近傍で下げる制御を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の核磁気共鳴装置。
- 上記除振機構が、振動検出手段として圧電型加速度センサを備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の核磁気共鳴装置。
- 上記除振機構が、振動検出手段としてサーボ型加速度センサを備え,かつこのサーボ型加速度センサが、上記核磁気共鳴手段から外部に漏洩する磁場を減じる手段を伴い、この漏洩する磁場が減じられる位置に配置されたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の核磁気共鳴装置。
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