JP2004278751A - スプラインを有する軸 - Google Patents

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Hajime Yoshii
源 吉井
Hideki Amano
秀樹 天野
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Abstract

【課題】凸軸とボスを突き合わすのみで軸心ずれや位相ずれを補正することができ、スプライン嵌合作業を含むトランスミッション組立が容易となるような、スプライン嵌合部材が求められていた。
【解決手段】スプライン嵌合用凸軸12外周上に設けられるスプライン歯12aの軸方向先端部を追い込み加工することにより、円周方向の歯厚を軸方向先端に向けて薄く先細りさせる一方、凸軸12先端のスプライン歯先径Aがボス開口部のスプライン歯先径Xよりも大きい形状とする。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業用車両等のミッションケース等の組立において、伝動軸の連結部を容易に嵌合するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、軸と軸(ボス)、または、軸と歯車等を直列に接続して動力を伝達する場合、スプライン嵌合が利用される。このスプライン嵌合を行う場合において、スプラインボスにスプライン軸を挿入するにあたり、両軸の軸心がずれたり、あるいは両軸のスプライン部どうしの位相がずれたりすることによって、スムーズに嵌合させることが困難であった。
【0003】
そこで、前者の軸心ずれの補正対策として、ボスの開孔端に拡径テーパ面を設けるとともに、凸軸の先端部分にテーパ面を設けるようにし、両テーパ面の調心作用を利用して、軸心ずれがあっても挿入しやすくさせていた。
【0004】
また、後者の位相ずれの補正対策としては、ボスのスプライン歯の先端部分を先細り形状のV字型にすることによって、突き合わせるだけで凸軸あるいはボスを円周方向に回転させる力を得られるようにし、挿入しやすくさせていた(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】
特開2000−87993号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来は、凸軸のスプライン歯の歯厚に関しては、円周方向と半径方向の両方向の歯厚が先端部へ向けて一定であるか、特許文献1のように、該凸軸の円周方向と半径方向の両方向の歯厚が、先端部へ向けて先細る形状としていた。
このため、前者のスプライン歯の歯厚が両方向とも先端部へ向けて一定である場合は、前述のように、位相ずれの補正が上手くいかず、作業者が手作業で一方の軸を所要角度回して位相を合わせてから挿入させるようにしていた。特に、ミッションケース内からスプライン軸を突出してケース同士を連結する場合には、スプライン軸を回転させることが難しい構造となっていた。
【0006】
また、後者の凸軸のスプライン歯の円周方向と半径方向の両方向の歯厚が先端部へ向けて先細る形状とした場合は、挿入時に凸軸とボスの両方のスプライン歯同士が重なり合うことが可能となってしまう。すなわち、ボスのスプライン歯の凹部と凸軸のスプライン歯の凸部が嵌合せず、挿入を進めると両スプライン歯の凸部が噛合ってしまい、挿入方向への力が大きい場合などは、作業者が噛合ったことに気が付いた後に再度引き抜こうとしても、容易に抜けなかったり、一方のスプライン歯が他方のスプライン歯の上面に傷をつけたりする、という不具合があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、軸とボスを相対回転不能に嵌合するために、軸先端部外周上に設けられるスプラインにおいて、スプライン歯の円周方向の歯厚を軸方向先端に向けて薄く先細りさせ、該軸先端のスプライン歯先径はボス開口部のスプライン歯先径より大きくしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本実施例に用いる作業用車両の動力伝動機構を示すスケルトン図であり、図2は連結ロッド等のリンクピン53の抜け止め構造を示す正面図とキャップ54の断面図であり、図3は前部ハウジング1の後半部とミッションケース2の前端部の縦断側面図であり、図4は前部ハウジング1とミッションケース2を嵌合する前の縦断側面図であり、図5はスプライン嵌合用の凸軸(駆動軸12)とボス(駆動歯車10)の斜視図と凸軸(駆動軸12)の断面図であり、図6は別実施例の凸軸(駆動軸12)の平面図と正面図であり、図7はスプライン嵌合用のボス(駆動歯車10)の縦断面図と横断面図と凸軸(駆動軸12)の横断面図である。
【0010】
まず、図1を参照しながら、本実施例に用いる作業用車両の動力伝動機構を、説明する。図示の作業用車両は、前後に直列配置して連結してある前部ハウジング1、ミッションケース2及び後部ハウジング3で構成されている。前部ハウジング1は前後を開放し中間に仕切り壁1aを有するものに形成されており、前部ハウジング1の後端部内には該前部ハウジング1の後端に左右方向に固定した軸受プレート4を配置してある。ミッションケース2は前後を開放し、中間に仕切り壁2aを有するものに形成されている。後部ハウジング3は前壁3aと後端部内で内底面上に立設した支壁3bとを有し、後端の開口を後蓋3cによって閉鎖してあるものに形成されている。
【0011】
同様に図1に示すようにエンジン5は機体の最前部に配置され、このエンジン5によって主クラッチ機構6を介して駆動される走行系原動軸7とPTO系原動軸8とを、前部ハウジング1内に配置してある。走行系原動軸7は仕切り壁1aを貫通して延びており、中空の該原動軸7内をPTO系原動軸8が前後に貫通して延びている。主クラッチ機構6は、各別の操作機構(図示せず)によって操作される走行系主クラッチ6aとPTO系主クラッチ6bとを備える。
【0012】
前部ハウジング1内には仕切り壁1aと軸受プレート4間で、前後進切換装置9を配設してある。この前後進切換装置9は原動軸7と同心配置して軸受プレート4の前面側に設けた回転出力部材としての駆動歯車10、後進歯車39、及び原動軸7の下方に平行に配置した伝動軸11上の従動歯車40・41、及び、図示しないカウンタ軸上の逆転歯車等からなる。
【0013】
ミッションケース2内には軸受プレート4及び仕切り壁2aにそれぞれ支持させた中空駆動軸12と変速軸13を上下に配置してあり、これらの駆動軸12は原動軸7と、変速軸13は伝動軸11とそれぞれ同心延長軸上に配置され、軸受プレート4の前方へと突出させてある。そして駆動歯車10は駆動軸12の前端部に嵌着され、また伝動軸11の後端部は変速軸13の前端部に支承されている。ミッションケース2の前半部内には、駆動軸12と変速軸13間で変速伝動を行う主変速装置14を配置してある。
【0014】
ミッションケース2の後半部内には駆動軸12の延長線上に配した中空の中間軸15と変速軸13の延長線上に配したプロペラ軸16とを設けて、変速軸13とプロペラ軸16間で変速伝動を行う副変速装置17を配置してある。プロペラ軸16は後部ハウジング3内へ突入させた後端に小傘歯車18を装備し、この小傘歯車18を左右後輪用の差動装置(図示せず)の大入力傘歯車19と噛合わせて、左右の後輪の駆動により車両の走行を得ることとされている。
【0015】
PTO系駆動軸8は中空の駆動軸12及び中間軸15を貫通する伝動軸20へと接続され、さらに後部ハウジング3内に配置の2本の伝動軸21、22へと接続されている。支壁3bと後蓋3cに支持させて機体後方へ延出させたPTO軸23が設けられていて、伝動軸22は該PTO軸23に対し歯車24・25減速機構により接続されている。
【0016】
後部ハウジング3の上面には、PTO軸23によって駆動を受ける作業機(図示せず)を昇降させるための、左右リフトアーム56・56を備えたリフト装置51を設置してある。
【0017】
次に、図2を参照しながら、リフトアーム56の先端にリフトロッド55を取り付けて固定する方法について説明する。
図1において、リフト装置51は、後部ハウジング3上面に油圧ケース52が載置され、該油圧ケース52の両側よりリフトアーム56・56が後方に突出されている。該リフトアーム56の先端にリフトロッド55が枢支されている。該リフトアーム56とリフトロッド55の枢結部は図2(a)に示すように、リンクピン53によって枢支されている。即ち、リフトアーム56の後端にピン孔を開口し、リフトロッド55の上端をコ字状に構成して嵌合部55aとし、該嵌合部55aにもピン孔を開口して、該ピン孔と前記リフトアーム56のピン孔の位置を合わせてリンクピン53を挿通して枢支している。
【0018】
該リンクピン53はキャップ54により抜け止めされている。この抜け防止構造は、リフト装置に限らず、他のリンクやロッドやプレート等をピンで枢支または固定し、その抜け止めにも適用できる。前記リンクピン53は従来先端部にピン孔を開口してスナップピン等を挿入したり、環状の溝を形成して止め輪を嵌合したりして抜け止め構成としていたが、スナップピンまたは止め輪と嵌合部55a側面との間には隙間ができるので、ガタが生じていたのである。そこで、本実施例では、リンクピン53の先端に環状の溝部53aを形成して、該環状の溝部53aにキャップ54を嵌め込んで固定し、ガタがないように枢支する構成としている。
【0019】
図2(b)に示すように、キャップ54の構造は、断面図より明らかなように、キャップ54の内周面に内側(中心方向)に向かって環状の突起部分54aが形成されており、リンクピン53をキャップ54に押し込むと、該突起部分54aが、リンクピン53先端部の外周上に形成された溝部53aに嵌合する構造となっている。なお、突起部分54aは溝部53aと略同じ大きさとして嵌合するように形成される。
【0020】
以上により、リンクピン53にキリ穴を設けて、割ピン若しくはスナップピンをキリ穴に差し込む従来の構造に比べ、キャップ54を用いる抜け止め構造は、キリ穴加工の工程が不要であり、溝加工を軸径加工時に同時に行うことができるため、作業を簡素化できる。
またキャップ54をゴムで構成することにより、ゴムの弾性を利用し、リンクピン53の軸方向に締め代を生じさせ、ガタつきをなくすことができる。これは、ビビリ音の防止にもなる。
【0021】
図3は前部ハウジング1の後半部とミッションケース2の前端部の縦断側面を示している。図3に示すように前部ハウジング1とミッションケース2間は、前部ハウジング1の後端外周のフランジをミッションケース2の前端面に衝合させ、該フランジのボルト挿通穴を通しミッションケース2のねじ穴2bに螺合されるボルト27によって、締結されている。締結に先立ち位置決めを行うためには、位置決めピン28が用いられている。
【0022】
また、図3に示すように軸受プレート4は、外周端の取付けフランジ部4aを除くほぼ全面を前方向きに張出させた膨出部4bとしてあるプレート状のものに形成されており、取付けフランジ部4aのボルト挿通穴に挿通させるボルト29を、前部ハウジング1の後端内面に突設したボスのねじ穴30に螺合して、前部ハウジング1の後端面に取付けられている。膨出部4bには、ミッションケース2内から軸受プレート4の前方側まで駆動軸12及び変速軸13を突出させるための2つの穴と該穴の外端に位置する環状軸受部32、33を形成してあり、駆動軸12と変速軸13の各前端部は該軸受部32、33に保持させたボールベアリング34、35を介して軸受プレート4に支持されている。
【0023】
仕切り壁1aを貫通する原動軸7は該仕切り壁1aに、ボールベアリング36を介して支持され、また伝動軸11の前端部はボールベアリング37を介して仕切り壁1aに支持されている。そして前述のように軸受プレート4の前面側で駆動軸12に嵌着するものとされた駆動歯車10は、内周面のスプライン歯10aを駆動軸12前端部外周面のスプライン歯12aに噛合せてスプライン嵌めにより駆動軸12に嵌着して、該駆動軸12を介し軸受プレート4に支持させた関係とされている。また軸受プレート4の前方に突出する変速軸13前端部は径を縮小した軸支承部13aに形成されており、伝動軸11の後端部に形成した穴11a内に該軸支承部13aを突入させニードルベアリング38を介して伝動軸11を支承させることによって該伝動軸11の後端部を、変速軸13を介して軸受プレート4に支持させている。
【0024】
次に、前後進切換装置9の構造を説明する。
図3に示すように仕切り壁1aの後側で原動軸7上には後進歯車39を遊嵌設置してある。また伝動軸11上には前後方向でみて後進歯車39にアイドラ歯車45を介して噛合する歯車40及び駆動歯車10に噛合する歯車41を、それぞれスプライン嵌合により伝動軸11に対して相対回転不能に設置してある。
【0025】
原動軸7の後端部上には、シフトスリーブ49を前後方向に摺動させることにより後進歯車39と駆動歯車10とを択一的に原動軸7に対し結合可能とする複式の摩擦板式同期クラッチ50を設けてある。
摩擦板式同期クラッチ50は、原動軸7上に固定設置したスプラインハブ57に上記シフトスリーブ49をスプライン嵌めし、各歯車10、39に付設のスプラインリング10c、39aと上記スプラインハブ57間にそれぞれ同期リング58を、スプラインハブ57に支持させて介在させ、歯車10、39と各同期リング58とに複数枚の摩擦エレメントを摺動のみ自在に支持させ、さらにスプラインハブ57に支持させた複数のデテントピン59とシフトスリーブ49に支承させた複数のインサート60を設けてある。インサート60がシフトスリーブ49及び同期リング58の動きをコントロールし、摩擦エレメント間の完全な係合による同期回転が得られた上でシフトスリーブ49がスプラインリング10c又は39aに対しスプライン噛合する位置まで変位せしめられる。
【0026】
図1に示すように前記主変速装置14は駆動軸12上に4個の歯車62、63、64、65を遊嵌設置すると共に、これらの歯車にそれぞれ噛合させた4個の歯車66、67、68、69を変速軸13上に固定設置して、4列の変速ギヤ列を設けてあるものとされている。駆動軸12上には歯車62、63間及び歯車64、65間で2組の複式のコーン式同期クラッチ70、71を設けてあり、これらのクラッチ70、71により歯車62―65を択一的に駆動軸12に対し結合して、4段の変速を得るようにされている。そして特に図3に示すように、4列の変速ギヤ列のうちの最前方に位置するギヤ列の歯車62、66は、軸受プレート4の前記膨出部4b内に臨むように、配置されている。
また、プレート状の軸受プレート4はその外周側で仕切り壁1a背後の前部ハウジング1内をミッションケース2内と自在に連通させる寸法のもので、仕切り壁1a背後からミッションケース2内にかけて潤滑油を収容することとされている。
【0027】
前記副変速装置17の構造を図1を参照して説明すると、変速軸13は前記中間軸15に対し、減速歯車76、77列により接続されている。中間軸15上には2個の変速歯車78、79を固定設置してある。ミッションケース2の後端近くで一側壁に設けた開口(図示せず)からミッションケース2内に挿入して該ミッションケース2に装着する支枠体80を設けてあり、この支枠体80に、上記変速歯車78、79のうちの小径側の歯車79の回転を大幅に減速する減速歯車機構81を装備させ、その最終歯車82をクリープ走行用の変速歯車に構成している。プロペラ軸16上には歯車82、79に対し選択的に噛合せ得るシフト歯車83及び変速歯車78に対し選択的に噛合せ得るシフト歯車84を、摺動のみ自在に設置してある。変速軸13とプロペラ軸16間には、シフト歯車84により選択的に係合させ得るクラッチ85を設けてある。
【0028】
以上により副変速装置17は、歯車82、83間の噛合せによりクリープ速を、歯車79、83間の噛合せにより1速を、歯車78、84間の噛合せにより2速を、そしてクラッチ85による軸13、16間の直結により3速を、それぞれプロペラ軸16に対し与えるものとされている。中間軸15上には、前後進切換装置9及び主変速装置14が中立状態とされ副変速装置17が何れかの変速段に入れられている状態で、エンジン側から伝えられ得る若干のトルク或は傾斜地上で車輪側から伝達し得るトルクにより車両が不測発進することを防止するための、弱い制動力のブレーキ機構87を設けてある。プロペラ軸16上には、駐車ブレーキ(図示せず)の制動回転部材88を固定設置してある。
【0029】
図4は組立て方法を説明するためのもので、前後進切換装置9は予め、仕切り壁1aを主たる支持部材とし軸受プレート4を補助的な支持部材として、図示のように完全な組立て状態で前部ハウジング1内に組込まれる。この状態で駆動歯車10はその環状肩部10bで軸受プレート4の環状穴部4cに、所定の位置で位置決めされて保持されている。また主変速装置14は、図1に示すミッションケース2内中途の仕切り壁2aに駆動軸12及び変速軸13の後端を支持させた状態で、予めミッションケース2の前半部内に完全な組立て状態で組込まれる。そして図4に示す前部ハウジング1とミッションケース2の分離状態から該前部ハウジング1とミッションケース2を相対的に近接させ、位置決めピン28により位置決めさせつつ前部ハウジング1及びミッションケース2間を衝合状態とするときは、駆動歯車10内周面のスプライン歯10aが駆動軸12前端部外周面のスプライン歯12aと噛合されて駆動軸12前端部上への駆動歯車10の嵌着状態が得られると共に、伝動軸11後端部の穴11a内に変速軸13前端の軸支承部13aが、その上のニードルベアリング38ごと嵌合し、伝動軸11後端部の支持が得られ、また駆動軸12及び変速軸13上に予め嵌めておくボールベアリング34、35は軸受プレート4の環状軸受部32、33に保持される。
【0030】
図例ではPTO系の原動軸8と伝動軸20間を、中空原動軸7の後端部内でスプライン・カップリング90により連結することとしているが、同カップリング90を図示のように原動軸8の後端部上(又は逆に伝動軸20の前端部上)に予め嵌めておくことにより、軸8、20間の連結も同時に得られる。後はボルト27による締結を行うことで、組立てが完了する。
【0031】
図5を参照しながら、ボスにあたる駆動歯車10と、凸軸にあたる駆動軸12のスプライン嵌合部について説明する。
図5(a)のように、駆動軸12前端部は外周面にスプライン歯12aとスプライン溝12bが形成されている。該スプライン歯12aの先端は楔状に先細りとなる形状とし、更にスプライン歯12a及びスプライン溝12bの先端にテーパ12cを形成している。つまり、スプライン歯12a及びスプライン溝12bの加工時において、NCホブ等で追い込むことにより、先端に向かうほど円周方向の歯厚が薄くなる構造に形成されている。図5(b)に駆動軸12の断面図を示す。
図6(a)は別実施例の駆動軸12を示す平面図であり、図6(b)は同じく正面図である。図6に示すように、スプライン歯12aを円周方向に加工を追込み、スプライン歯12aの先端部12dは歯厚が薄くなるように構成してもよい。この場合スプライン歯12aの左右一側面のみ薄くする。
一方、駆動歯車10の内周面10dにも、スプライン歯10aが形成されている。スプライン歯10aも先端に向かうほど円周方向の歯厚が薄くなるように加工されている。
前記のような、先端部に向けて円周方向の歯厚が薄くなるように形成する方法は、加工に限定するものではなく、鍛造で形成することも可能である。
【0032】
以上により、駆動歯車10に駆動軸12をスプライン嵌合する場合において、位相ずれが生じても、突き合せるだけで駆動歯車10あるいは駆動軸12を円周方向に回転させる力を得られるようにし、挿入しやすくできる。
また、テーパ状に加工を施した場合で、駆動軸12の前端のスプライン歯先径A(図7(c)参照)が駆動歯車10のスプライン歯先径X(図7(b)参照)より大きくなる形状にすることにより、駆動歯車10のスプライン歯10aと駆動軸12のスプライン歯12aが重なり合うことを防ぐことができる。従って、上手くスプライン嵌合せずに挿入中に両スプライン歯10a、12aが噛合ってしまい、挿入方向への力が大きい場合などは、作業者が噛合ったことに気が付いた後に再度引き抜こうとしても、容易に抜けなかったり、一方のスプライン歯が他方のスプライン歯の上面に傷をつけたりすることを防ぐことができる。
【0033】
また、図7(a)に示すように、ボス部(駆動歯車10)のスプライン歯10aのうち、少なくとも1箇所以上スプライン歯10aの欠落箇所10eを設けている。従来のスプライン歯の形成は、精密鍛造による一体成型を行っていたため、組立時にグリス等を塗布すると、スプライン嵌合時にグリスが抜けず、エンドフロートのチェックができなかったが、歯を欠落させることで、容易に欠落箇所10eから余分なグリスを抜き、軸のエンドフロート確認も容易に行うことができる。加えて、スプライン部の潤滑性を改善し、耐久性を向上させることができる。また、グリスを容易に欠落箇所10eから抜くために、図7(b)に示すように、ボス(駆動歯車10)の奥にはグリス抜き用の溝10fを形成しておく。
【0034】
スプライン歯の欠落箇所については、凸軸(駆動軸12)のスプライン歯12aを少なくとも一つ以上欠落させてもよい。また、図7(b)に示すように、スプライン歯10aの少なくとも1つ以上のスプライン歯底径Z(大径)を他のスプライン歯底径Yより大きくしたり、図7(c)に示すように、凸軸(駆動軸12)のスプライン歯12aの少なくとも1つ以上のスプライン歯先径B(小径)を他のスプライン歯先径Aより小さくする等しても、余分なグリスを抜くことができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0036】
即ち、請求項1に示す如く、軸とボスを相対回転不能に嵌合するために、軸先端部外周上に設けられるスプラインにおいて、スプライン歯の円周方向の歯厚を軸方向先端に向けて薄く先細りさせ、該軸先端のスプライン歯先径はボス開口部のスプライン歯先径より大きくしたことにより、
凸軸のスプライン歯とボスのスプライン歯が重なり合うことを防ぐことができ、上手くスプライン嵌合せずに挿入中に両スプライン歯が噛合ってしまい、挿入方向への力が大きい場合などは、作業者が噛合ったことに気が付いてから再度引き抜こうとしても、容易に抜けなかったり、一方のスプライン歯が他方のスプライン歯の凸部上に傷をつけたり、することを防ぎつつ、凸軸とボスを突き合わすのみで軸心ずれや位相ずれを補正することが可能となり、スプライン嵌合作業を含むトランスミッション組立を容易ならしめる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る作業用車両の動力伝動機構を示すスケルトン図。
【図2】(a)連結ロッド等のリンクピンの抜け止め構造を示す正面図
(b)キャップ54の断面図
【図3】前部ハウジング1の後半部とミッションケース2の前端部の縦断側面図。
【図4】前部ハウジング1とミッションケース2を嵌合する前の縦断側面図。
【図5】(a)スプライン嵌合用の凸軸(駆動軸12)とボス(駆動歯車10)の斜視図。
(b)凸軸(駆動軸12)の平面図
【図6】(a)別実施例の凸軸(駆動軸12)の平面図
(b)同じく正面図
【図7】(a)スプライン嵌合用のボス(駆動歯車10)の縦断面図。
(b)同じく横断面図
(c)凸軸(駆動軸12)の横断面図
【符号の説明】
10 駆動歯車
10a 駆動歯車のスプライン歯
12 駆動軸
12a 駆動軸のスプライン歯
A 駆動軸のスプライン歯先径
X 駆動歯車のスプライン歯先径

Claims (1)

  1. 軸とボスを相対回転不能に嵌合するために、軸先端部外周上に設けられるスプラインにおいて、スプライン歯の円周方向の歯厚を軸方向先端に向けて薄く先細りさせ、該軸先端のスプライン歯先径はボス開口部のスプライン歯先径より大きいことを特徴とするスプラインを有する軸。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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