JP2004278366A - 内燃機関のクランクケース - Google Patents

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一紀 菊池
Masashi Nakamura
正志 中村
Makoto Kubota
良 久保田
Yoshihiro Tezuka
義博 手塚
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Abstract

【課題】分割クランクケースの結合を、該ケース軸受部の鋳込みブッシュのボス部を利用して行うことで、該結合における剛性の強化を図る。
【解決手段】左右2分割として形成されたクランクケースC,Cのそれぞれの軸受部にブッシュA1,A2が鋳込まれており、該ブッシュA1,A2にはそれぞれ前記分割クランクケースC,Cを互いに結合するためのボス部A1,A1,A2,A2が設けられており、該ボス部のボルト孔B を介して両分割クランクケースC,CはボルトBにより互いに結合される。また、前記ブッシュA1,A2には、それぞれ分割クランクケースC,CとシリンダブロックCとを結合するためのスタッドボルト締付ボスA1,A1,A2,A2も一体に設けられている。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニュウム合金製で左右分割型の内燃機関のクランクケースに関し、該クランクケースのクランクシャフト軸受構造部として鋳込まれる鋳鉄製のブッシュを利用して前記左右分割型クランクケースの結合を強固に行う構造に視点をおいた前記クランクケースの改良構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の分割型のアルミニュウム合金製のクランクケースにおいては、通常スタッドボルトを締付けるボスが該アルミニュウム合金製のクランクケースに直接設けられており、また、クランクシャフト軸受のブッシュはその全周が該クランクケース構成材のアルミニュウム合金内に鋳込まれるものとして構成されている。また、シリンダヘッドとシリンダブロックさらにクランクケースとの結合剛性の強化向上を図ることでエンジン騒音の低減を図る構造を具備した内燃機関のシリンダブロックも知られており、該シリンダブロックは、鋳鉄製のシリンダライナにシリンダヘッドを締付けるためのボスとシリンダブロック側のクランクシャフト軸受を一体化した構造を備えている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、クランクケースとシリンダブロックとの結合剛性の強化を図るために、クランクケースのクランクシャフト支持部に鋳込まれた補強部材にシリンダブロック締結用ボルトの螺子穴を形成して、該螺子穴を利用して締結用ボルトによりクランクケースとシリンダブロックを互いに強固に結合する構造も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−21299号公報(第2−3頁、第2図,第5図)
【特許文献2】
実開昭63−25251号公報(第1頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1に記載の従来のシリンダブロック0Cは、図8,9に図示されるように、アルミニュウム合金製のシリンダブロック本体0Cの内部に、該シリンダブロック本体0Cよりも低膨張率の鋳鉄製材料で形成したシリンダライナ0Cが鋳込まれており、該鋳鉄製のシリンダライナ0Cは、シリンダヘッド0Cを締付けるボス0C とシリンダライナブロック側のクランクシャフト軸受0C が一体化された構造を備えている。
【0005】
また、前記特許文献2に記載のクランクケース0Cは、図10に図示されるように、クランクケース0Cとシリンダブロックとの結合剛性の強化を図るために、クランクケース0Cのクランクシャフト01支持部に鋳込まれた補強部材0Aにシリンダブロック締結用ボルト螺子穴0Bを形成し、該ボルト螺子穴0Bを利用して締結用ボルト0Bによりクランクケース0Cとシリンダブロックとを互いに強固に連結する構造を備えている。
【0006】
ところで、上記特許文献1に記載の構造を具備するシリンダブロックは、上述のように、シリンダライナとシリンダヘッド締付けのためのボスと、さらにはクランクシャフト軸受が一体化された構造を具備して、その結合時の剛性が強化されてこれによりエンジン騒音の低減を図るというものである。
【0007】
しかしながら、この開示技術は、シリンダブロックにおける構造の改良技術であり、シリンダライナとシリンダヘッド締付用のボス部およびクランクシャフト軸受部を一体化してその結合剛性の強化を図るという技術的視点を有するものではあるが、該シリンダブロックにおける前記結合剛性強化のための改良技術が、直ちにクランクケースの改良技術に適用できるものでもなく、ましてや、左右分割型クランクケースにおけるエンジン騒音の低減を目的とした具体的な該ケース構造の改良に言及した技術においては何らの適用性を示すものではない。
【0008】
そして、前記開示技術における鋳鉄製のシリンダライナは、その結合時の剛性が強化され、クランクケースやクランクシャフトの変形が抑制され、エンジン騒音の低減効果においては明りょうなものであるが、該鋳鉄製のシリンダライナがシリンダブロックにおける構造の主体をなし該ブロックにおける体積のその占有比率が高いことから、該シリンダブロックの重量増加は避けられず、軽量化という技術的視点からは評価されるものではなく、その意味においては多くの改善の余地を残すものである。
【0009】
また、上記特許文献2に記載のクランクケースは、該クランクケースにおけるクランクシャフト支持部に補強部材が鋳込まれ、該補強部材に設けられた締結用螺子穴を利用してクランクケースにシリンダブロックを結合するものであり、クランクケースとシリンダブロック両者の結合剛性の強化を図るという技術の開示がなされるものであるが、該技術の開示に止まるものであり、その意味においては分割クランクケース相互の結合剛性強化の改良技術については何らの適用性も技術的示唆も与えるものではない。
【0010】
また、上述した従来公知のアルミニュウム合金製の左右分割型クランクケースは、通常スタッドボルトの締付ボス部がアルミニュウム合金製の該ケース部と一体に設けられて該部分には特別の補強策が採られていないことから、該締付ボス部を介したシリンダブロックとの結合や左右分割クランクケース部同士の結合において、その結合剛性の強化を図ることができず、充分な結合時における剛性の確保ができない。
【0011】
さらに、クランクシャフト軸受支持の軸受ブッシュはその全周がクランクケース構成材であるアルミニュウム合金に直接鋳込まれる構造であるが、該ブッシュの周辺構造部がアルミニュウム合金製であるので、クランクケースの軽量化という視点においては何ら問題のないところであるが、クランクシャフト軸受支持の軸受部における剛性の強化を図ることができない。
【0012】
そして、分割クランクケースの結合部の充分な剛性強化が図れないという視点からも、クランクシャフト軸受支持の軸受部における充分な剛性確保が困難であり、クランクシャフト軸受部の剛性不足によるその耐荷重性の低下は否めず、クランクケースやクランクシャフトが変形を来たし、該変形に起因する振動によるエンジン騒音が発生し易く、多くの改善の余地を残すものである。
【0013】
このような状況のなかで、アルミニュウム合金製の左右分割型のクランクケースにおいて、充分な結合剛性が確保されるとともにその重量の増加が抑制された、エンジン騒音の低減効果に優れた前記クランクケースの開発が望まれるところである。
【0014】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明は、前記課題を解決するための左右分割型クランクケースの改良構造を提供するものであり、アルミニュウム合金製で左右分割型クランクケースのクランクシャフト軸受構造部として鉄製ブッシュが該左右分割クランクケースのそれぞれに鋳込まれた内燃機関のクランクケースにおいて、前記クランクシャフト軸受構造部に鋳込まれる鉄製ブッシュにシリンダブロック取付用のスタッドボルト締付ボス部が一体に形成されるとともに、該鉄製ブッシュにクランクシャフトの軸方向に延伸された左右分割クランクケース結合のためのボルト締付ボス部が一体に形成されたことを特徴とする。
【0015】
請求項1に係る発明は、前記内燃機関のクランクケースにおいて、前記クランクシャフト軸受構造部に鋳込まれる鉄製ブッシュにシリンダブロック取付用のスタッドボルト締付ボス部が一体に形成されるとともに、前記鉄製ブッシュにクランクシャフトの軸方向に延伸された左右分割クランクケース結合のためのボルト締付ボス部が一体に形成されているので、クランクケースの軽量化を維持しながら、前記ブッシュに一体のスタッドボルト締付ボス部によるクランクケースとシリンダブロックとの強固な結合が図られ、その結合剛性が大幅に向上される。
【0016】
また、前記ブッシュに一体の左右分割クランクケースを結合するためのボルト締付ボス部による前記分割クランクケースの結合で該ケースは互いに強固に結合され、クランクケースの結合剛性が大幅に向上される。したがって、結果として、クランクケースおよびクランクシャフトの変形が抑制されて、該クランクケースやクランクシャフトの変形に起因する振動の発生が抑えられるので、効果的な機関騒音の低減がなされる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図1ないし図6に基づいて以下に説明する。
本発明の内燃機関Eは、車体に対して略水平状態において搭載される頭上弁式の4サイクルの単気筒内燃機関であり(図2参照)、該内燃機関Eは図1,2に図示されるように、その主要構造部としてクランクケースCと、シリンダブロックCと、シリンダヘッドCとを備えている。
【0018】
そして、クランクケースCにはシリンダブロックCが取付けられ、さらにシリンダブロックCにはシリンダヘッドCが取付けられ、結局、クランクケースC、シリンダブロックCおよびシリンダヘッドCは互いにスタッドボルトBにより強固に一体的に締付け固定されて(図2参照)前記内燃機関Eの基本構造部が構成される。
【0019】
クランクケースCはアルミニュウム合金により形成され、左右分割型の構造であり、図1,3におけるLにて示される分割線に沿って左右の分割クランクケースC、Cに分割形成されており、左右の分割クランクケースC、Cが互いに締結ボルトにより結合されて一つのケース体としてのクランクケースCが形成される。そしてクランクケースCには、該ケースCと一体をなすミッションケース部Mが備えられており、したがって、ミッションケース部MもクランクケースCの分割形成に伴い同様に左右ミッションケース部M,Mに分割形成されている。
【0020】
クランクケースC内には、クランクシャフト1が回転自在に軸受支持されており、該クランクシャフト1は、そのクランクピン1aを挟んだ該クランクピン1aに隣接した対称的な2つの位置においてその一方はボールベアリング1bを介して、また、他方はローラベアリング1cを介してそれぞれクランクケースCの軸受支持のための張出構造部Ca,Caに支持されており、該2つの軸受部の一方の軸受部は前記分割クランクケースの一方のケース部Cに設けられ、また、他方の軸受部は前記分割クランクケースの他方のケース部Cにそれぞれ設けられている。
【0021】
クランクシャフト1の一端部(図1における右方端側)には遠心クラッチである発進クラッチ1dが装着され、また、その他端部(図における左方端側)には、発電機1eが装着され、さらに右方の軸受支持部外側近傍の位置に発進クラッチ1dと連接されるプライマリドライブギア1fが遊嵌されている。また、左方の軸受支持部外側の位置には、吸排気バルブの開閉作動のためのカムシャフト駆動用のタイミングチエーンTcが掛けられたスプロケット1gが固定されている。
【0022】
クランクケースCに一体形成されたミッションケース部M内には、メインシャフト2とカウンタシャフト3がそれぞれボールベアリング2b、2cおよび3b、3cを介して該ミッションケース部Mに回転自在に軸受支持されており、メインシャフト2には、その一端部に通常接続状態にあり、変速作動時に接続が開放される開閉クラッチ2dが装着されており、またその他端部寄りの位置には変速用の複数の歯車からなる歯車郡2eが装着されている。
【0023】
そして、カウンタシャフト3には、メインシャフト2に装着された変速用の歯車郡2eと適宜選択的に噛合う複数の歯車からなる変速用歯車郡3aが装着されており、また、該カウンタシャフト3の軸端(図1における左方端側)には、図示されない車両走行用の駆動輪を駆動するための無端駆動チエーンが掛けられるスプロケット3dが固定されている。
【0024】
また、シリンダブロック部Cは、アルミニュウム合金からなり、該ブロックC内にはシリンダ孔C が開孔しており、該開孔C 内には周知のようにピストンPが摺動可能に嵌入され、該ピストンPはピストンピンPによりコンロッドCの小端部C に揺動自在に取付けられ、前記コンロッドCの大端部C がクランクシャフト1のクランクピン1aに回動自在に連接されることでピストンPとクランクシャフト1は互いに連動される。
【0025】
そして、シリンダヘッド部Cには、燃焼室C1、図示されない点火プラグ、吸・排気管、吸排気バルブと、吸排気バルブ開閉用カムC3、さらにはタイミングチエーンT用のスプロケットC が固定されたカムシャフトC 等が設けられ、その頭上にはヘッドカバーHが取付けられる。
【0026】
本実施形態における内燃機関Eの作動状況を以下に簡単に説明する。
クランクシャフト1に固定されたスプロケット1gとカムシャフトC に固定されたスプロケットC 間に掛けられたタイミングチエーンTにより、カムシャフトC がクランクシャフト1の1/2回転で駆動回転され、このカムシャフトC の回転により該カムシャフトC に設けられたカムC が作動し、該カムC の作動により図示されない吸・排気バルブが開閉作動される。
【0027】
そして、前記カム作動による吸・排気バルブの閉鎖状態において、燃焼室C 内で圧縮状態とされた混合気に点火され、該混合気が燃焼室C 内において燃焼されると、該燃焼による圧力を受けたピストンPが下降し、ピストンPの下降運動はコンロッドCを介してクランクシャフト1のクランクピン1aに伝達され、クランクシャフト1が回転駆動される。
【0028】
クランクシャフト1の回転駆動力は、遠心クラッチである発進クラッチ1dを介してクランクシャフト1に遊嵌されたプラマリドライブギア1fに伝達され、該プライマリドライブギア1fとミッションケースM内のメインシャフト2に遊嵌されたプライマリドリブンギア2aとの噛合い、さらには通常接合状態にあり、変速ギアの切換時にその接合が開放される開閉クラッチ2dを介して該メインシャフト2に伝達される。
【0029】
メインシャフト2に伝達された回転駆動力は、その後メインシャフト2に装着された変速歯車郡2eの歯車とカウンタシャフト3に装着された変速歯車郡3aとの適宜選択的な歯車の噛合いを介して所望の変速比をもってカウンタシャフト3に伝達される。
【0030】
そして、前記カウンタシャフト3に伝達され変速された回転駆動力は、さらに、該カウンタシャフト3の軸端(左方端部側)に取付けられたスプロケット3dにより駆動チエーン等の駆動手段を介して、図示されない車両走行用の駆動輪に伝達される。
【0031】
本発明の内燃機関の構造とその作動状況は概ね上述のようなものである。
【0032】
ところで、本発明の主要な構成部であるクランクケースCにおけるクランクシャフト1の軸受支持は、該クランクケースCが左右分割型であることから、前述したように左右の分割クランクケースC、Cにおいてなされ、図1,3には、分割クランクケースC,Cにおけるクランクシャフト1の軸受支持部が図示されている。
【0033】
クランクシャフト1の前記ボールベアリング1bおよびローラベアリング1cを介した分割クランクケースC,Cによる軸受支持は、ボールベアリング1bおよびローラベアリング1cのそれぞれのインナレース部1b,1cがクランクシャフト1に強固に嵌合固定され、また、そのそれぞれのアウタレース部1b,1cが分割クランクケースC,Cの前記軸受支持のために張出された環状突出部Ca,Caに鋳込まれた鋳鉄からなる環状ブッシュA1,A2の環状開口内周部A1,A2に強固に嵌合固定されることでなされている(図3参照)。
【0034】
鋳鉄製の環状ブッシュA1,A2は、アルミニュウム合金製の分割クランクケースC,Cの前記軸受支持のために張出された環状突出部Ca,Caに該突出部の前記環状内周部に沿って所定の厚さをもって鋳込まれており、鋳鉄製環状ブッシュA1とA2はその形状を一部異にしている。
【0035】
すなわち、図4,5に図示されるようにブッシュA1は、そのベアリング保持のための環状開口内周部A1がボールベアリング1bのアウタレース部1b嵌合保持のためにやや大きめに形成されており、これに対して、ブッシュA2は、そのベアリング保持のための環状開口内周部A2がローラベアリング1cのアウタレース部1c嵌合保持のためにやや小さめに形成されている。
【0036】
そして、前記分割クランクケースC,Cに鋳込まれた鋳鉄製ブッシュA1,A2は鋳込まれた状態において、その環状開口内周部A1,A2がその全周に亘り実質的に前記分割クランクケースC,Cの内周部から露出されており、他の部分は分割クランクケースC,Cの内部に実質的に埋入されている。
【0037】
したがって、結果として、鋳鉄製環状ブッシュA1,A2の前記露出した環状開口内周部A1,A2にボールベアリング1bおよびローラベアリング1cのアウタレース部1b,1cがそれぞれ嵌合固定されることになる。
【0038】
鋳鉄製環状ブッシュA1,A2には、図4,5に図示されるように分割クランクケースC,CをシリンダブロックCに結合するための一対のスタッドボルト締付ボス部A1,A1、A2,A2がそれぞれ設けられており、該ボス部A1,A1およびA2,A2は、それぞれ環状ブッシュA1,A2の外周側から外方へ向けて所定量突出する一対のボス部として形成されている。
【0039】
そして、図2,3に図示されるように、これらの環状ブッシュA1,A2のボス部A1,A1、A2,A2は、該ブッシュA1,A2がそれぞれ分割クランクケースC,Cに鋳込まれた状態においてそれぞれ分割クランクケースC,Cに埋入されており、このボス部A1,A1、A2,A2には、シリンダブロックC、さらにはシリンダヘッドCを該分割クランクケースC,Cに一体的に結合するためのスタッドボルトB,B用ボルト孔(ネジ孔)B がそのネジ部を露出して設けられている(図2,3参照)。
【0040】
また、鋳鉄製環状ブッシュA1,A2にはそれぞれ、シリンダブロックC結合のためのスタッドボルト締付ボス部A1,A1、A2,A2の突出部分とは位置を異にして、例えば、図2,4,5等に図示される該ボス部A1,A1、A2,A2を避けた該ボス部A1,A1、A2,A2から離れた位置において、しかも互いに充分な間隔をもってその外周部から外方へ向けて突出する第2のボス部A1,A1,A1およびA2,A2が設けられている。
【0041】
そして、この第2のボス部A1,A1,A1、A2,A2は前記図2,4,5等から明らかなように、前記ブッシュA1においては都合3箇所、またブッシュA2においては2個所設けられており、前記ブッシュA1における3個所の前記ボス部A1,A1,A1はベアリング押え部材の取付けに供されるボルト孔B をそれぞれ備えており、図2においては該ボルト孔には既にボルトBが挿入されている状態が示されている。
【0042】
なお、図2におけるBoは、左右分割クランクケースC,Cの該ケース接合部における結合部のボルト孔であり、図2においてはこのボルト孔にも前記同様既にボルトBoが挿入された状態が示されている。
【0043】
また、ブッシュA1の3箇所の第2のボス部A1,A1,A1の内2個所のボス部A1,A1は後述する分割クランクケースC,Cの結合のために供されるボス部でもあり、このボス部A1,A1はボス部A1に比べてブッシュA1の外周部からやや大きく突出している(図4参照)。そして、該ボス部A1、A1の前記ボルト孔B は、前記ベアリング押え部材の取付けと分割クランクケースC,Cの結合に供されるボルト孔B を兼ねるものである。
【0044】
また、ブッシュA2における2つの第2のボス部A2,A2はいずれも、分割クランクケースC,Cの結合に供されるボス部であり、前記ブッシュA1におけるボス部A1,A1に分割クランクケースC,C結合時に整合するような位置に配設されるものであり、該ボス部A2,A2はそのためにブッシュA2の外周部からやや大きめに突出されている(図5参照)。そして、該ボス部A2,A2のそれぞれに該分割クランクケースC,C結合のためのボルト孔B が備えられている。
【0045】
環状ブッシュA1,A2における前記分割クランクケースC,Cの結合に供される第2のボス部A1,A1およびA2,A2は、それぞれ環状ブッシュA1,A2の外周部から外方へ向けてやや大きめに突出する前記構造部分に加えて該構造部分からさらにクランクシャフト1の軸方向に沿って延伸する所定長さの突状部分A1,A1およびA2,A2を備えるものである(図3ないし図6参照)。
【0046】
そして、前記第2のボス部A1,A1、A2,A2による分割クランクケースC,Cの結合についての説明は後述するが、該結合は前記突状部分A1,A1、A2,A2の互いの当接によるから、該突状部分A1,A1、A2,A2は上述のようにクランクシャフト1の軸方向に沿って延伸する、つまり、クランクシャフト1のクランク部に向って突出する構造を備えるものである(図3参照)。
【0047】
したがって、前記突状部分A1,A1、A2,A2は、クランクシャフト1のクランク部、とりわけカウンタウエイト等との回転接触が避けられる位置に設けられており、結局、環状ブッシュA1,A2においてその外周部から外方へ向けて突出する前記第2のボス部A1,A1、A2,A2は、前記突状部分A1,A1、A2,A2の前記接触が回避されるための前記ブッシュA1,A2外周部からやや大きめの突出量をもって突出形成される構造とされている(図3ないし図6参照)。
【0048】
ブッシュA1における第2のボス部A1,A1の突状部分A1,A1と、ブッシュA2における第2のボス部A2,A2の突状部分A2,A2は、それぞれ分割クランクケースC,Cにおいて逆方向に互いに向き合うように(図3,6参照)、かつ既述のようにクランクシャフトの軸方向に延伸するような関係をもって前記それぞれのブッシュA1,A2の前記第2ボス部A1,A1、A2,A2から延伸されている。
【0049】
そして、前記突状部分A1,A1、A2,A2は、分割クランクケースC,Cの結合においてその長手方向軸線位置が一致するような関係とされ、前記ボス部A1,A1およびA2,A2からそれぞれ上述のように延伸され、該突状部分A1,A1およびA2,A2のそれぞれの延伸部の長さは、分割クランクケースC,Cの結合における合わせ面の位置に整合されている。
【0050】
また、第2のボス部A1,A1およびA2,A2の前記突状部分A1,A1、A2,A2の先端は平坦な面とされており、したがって、この平坦な面は分割クランクケースC,Cの結合における前記合わせ面と実質的に同一面となるように整合されており、突状部分A1,A1、A2,A2先端の平坦な面は、分割クランクケースC、Cの結合時に互いに密接な関係をもって当接せしめられる。
【0051】
そして、次欄において述べる両分割クランクケースC,Cの突状部分A1,A1、A2,A2に開孔されたボルト孔B に通されたボルトBによる締付けがなされ、この締付けにより、両分割クランクケースC,Cの締付けは、とりわけクランクシャフト1の該クランクケースCによる軸受支持部近傍がより強固に締付けられる。勿論、両分割クランクケースC,Cは、その互いの接合他所においては通常のように複数箇所において、すなわち、図2に図示されるボルト孔BoにおいてボルトBoにより締付けられる。
【0052】
上述のように、第2のボス部A1,A1、A2,A2の前記突状部分A1,A1、A2,A2にはボルトBによる締付孔B が設けられ、このボルト孔B は、分割クランクケースC,Cの結合時の位置合わせにおいて互いの中心軸線が一致するようになされるものである。
【0053】
そして、分割クランクケースC,Cのそれぞれに設けられる前記突状部分A1,A1,A2,A2のボルト孔B は、図3に図示されるように、一方の分割クランクケースCにおいてはバカ孔として開孔され、他方の分割クランクケースCにおいては雌ネジが切られた開孔として形成されている。
【0054】
しかしながら、ボルト孔B の形態の選択は適宜なされるものであり、勿論その選択子として両分割クランクケースC,Cにおける前記ボルト孔B を、いずれもボルトBが貫通するバカ孔として、ナットによりボルトBを締付けるようにしてもよい。
【0055】
本発明の図1ないし図6に図示された実施形態は上記構成であるから、分割クランクケースC,Cにそれぞれ鋳込まれた鋳鉄製ブッシュA1,A2に一体に形成されたスタッドボルト締付ボス部A1,A1、A2,A2により、前記クランクケースC,CとシリンダブロックCとが強固に結合される。
【0056】
また、ブッシュA1,A2の分割クランクケースC,C結合のためのボルト締付突状部分A1,A1、A2,A2により、該分割クランクケースC,Cの結合がなされるので、他の分割クランクケース結合部による該ケースの結合と合わせて、非常に強固な該ケースの結合がなされ、クランクケースCの軽量化が維持されつつ、かつその結合剛性が大幅に向上された内燃機関が提供される。
【0057】
前記鋳鉄製ブッシュA1,A2に一体に設けられたボルト締付突状部分A1,A1、A2,A2により分割クランクケースC,Cが互いに結合されるので、該分割クランクケースC,Cは強固に結合され、クランクケースCの結合剛性が向上される。
【0058】
とりわけ、前記ボルト締付突状部分A1,A1,A2,A2はクランクシャフト支持軸受部のきわめて近い位置にあることから、該突状部分A1,A1、A2,A2による分割クランクケースC,Cの結合は前記軸受支持部を強固なものとするので、結果として、クランクケースCおよびクランクシャフト1の変形が抑制され、該クランクケースCやクランクシャフト1の変形に起因する振動の発生が抑えられるので、効果的な機関騒音の低減がなされる。
【0059】
本発明の実施形態に換えて他の実施形態が考えられる。
【0060】
本発明の前記実施形態においては、図6に図示されるように、両分割クランクケースC,Cに鋳込まれるブッシュA1,A2のボス部を利用した互いの結合は、該ボス部クランクシャフト軸方向突状部分A1,A1、A2,A2の互いの当接によるものである。
【0061】
しかしながら、図7に図示されるように、両分割クランクケースC,Cの鋳込みブッシュによる結合は、前記ブッシュのボス部クランクシャフト軸方向突状部分の互いの当接と、該突状部分と同量該軸方向に突出されしかも該突状部分間に亘り形成されたブッシュ側面の延伸壁部A1,A2における互いの当接とによりなされるものとしてもよく、この場合には、前記分割ケースC,Cの結合がさらに強化される。
【0062】
前記鋳鉄製ブッシュの分割クランクケース結合のためのボス部は、前記実施形態においては2箇所設けられているが、勿論これに限定されるものではなく、そのボス部の数は適宜選択的に設定されるものであり、またボス部の設定位置も適宜選択されるものである。
【0063】
本発明の前記実施形態においては、クランクシャフト支持軸受は、その一方がボールベアリング、他方がローラベアリングとされているが、これに限定されることなく、該支持軸受は、いずれもボールベアリングとしてもよく、いずれもローラベアリングとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の剛性強化構造が付与されたクランクシャフト支持軸受構造が適用される内燃機関の全体構造を示す図である。
【図2】本発明の図1に図示された内燃機関の側面図である。
【図3】本発明の主要構造部を示す拡大図である。
【図4】本発明の一つのベアリング保持ブッシュを示す図であり、(a)は、正面図、(b)は、A−A断面図である。
【図5】本発明の他のベアリング保持ブッシュを示す図であり、(a)は、正面図、(b)は、B−B断面図である。
【図6】本発明のブッシュにおける結合状態を示す斜視図である。
【図7】本発明のブッシュにおける結合状態の他の実施形態を示す斜視図である。
【図8】従来の剛性強化が図られた内燃機関を示す図である。
【図9】図8の斜視図である。
【図10】従来の剛性強化が図られた内燃機関の他の例を示す図である。
【符号の説明】
1・・・クランクシャフト、1a・・・クランクピン、1b・・・ボールベアリング、1b・・・ベアリングのインナレース、1b・・・ベアリングのアウタレース、1c・・・ローラベアリング、1c・・・ベアリングのインナレース、1c・・・ベアリングのアウタレース、1d・・・発進クラッチ、1e・・・発電機、1f・・・プライマリドライブギア、1g・・・スプロケット、2・・・メインシャフト、2a・・・プライマリドリブンギア、2b,2c・・・ボールベアリング、2d・・・開閉クラッチ、2e・・・変速歯車群、3・・・カウンタシャフト、3a・・・変速歯車群、3b,3c・・・ボールベアリング、3d・・・スプロケット、A1,A2・・・ブッシュ、A1,A2・・・ブッシュの環状内周部、A1,A1,A2,A2・・・ボス部、A1,A1,A1,A2,A2・・・第2のボス部、A1,A1,A2,A2・・・突状部分、A1,A2・・・延伸壁部、Bo,B,B,B・・・ボルト、Bo,B ,B ,B ・・・ボルト孔、C・・・クランクケース、C,C2・・・分割クランクケース、C ,C ・・・張出部、C・・・シリンダブロック、C ・・・シリンダ開孔、C・・・シリンダヘッド、C ・・・燃焼室、C ・・・カムシャフト、C ・・・カム、C ・・・スプロケット、C・・・コンロッド、C ・・・コンロッドの小端部、C ・・・コンロッドの大端部、E・・・内燃機関、H・・・ヘッドカバー、L・・・分割線、M・・・ミッションケース、M,M・・・分割ミッションケース、P・・・ピストン、P・・・ピストンピン、T・・・タイミングチエーン。

Claims (1)

  1. アルミニュウム合金製で左右分割型のクランクケースのクランクシャフト軸受構造部として鉄製ブッシュが該左右分割クランクケースのそれぞれに鋳込まれた内燃機関のクランクケースにおいて、
    前記クランクシャフト軸受構造部に鋳込まれる鉄製ブッシュにシリンダブロック取付用のスタッドボルト締付ボス部が一体に形成されるとともに、該鉄製ブッシュにクランクシャフトの軸方向に延伸された左右分割クランクケース結合のためのボルト締付ボス部が一体に形成されたことを特徴とする内燃機関のクランクケース。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN101813036A (zh) * 2009-02-19 2010-08-25 本田技研工业株式会社 内燃机的曲轴箱结构

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