JP2004278353A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】すべての気筒に対応した空燃比検出手段を設けることなく、コスト高を招かず、各気筒毎に空燃比を検出できるようにして最適な制御を行うことのできる内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】内燃機関内に流入する温水の影響により、複数の気筒のうち上流側の気筒の温度の方が下流側の気筒の温度に比べて高いという特性に基づくとともに、1番気筒20aと4番気筒20dとの排気側にそれぞれ連通している排気枝管32a,32dに設けた1番気筒空燃比センサ35a,4番気筒空燃比センサ35bによって1番気筒20aと4番気筒20dとの空燃比を検出することによって、2番気筒20bと3番気筒20cとの空燃比を推定する。さらに、検出・推定した空燃比に基づいて、各気筒毎に内燃機関の運転制御を行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等に搭載される内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等に搭載される、複数の気筒を備えた多気筒内燃機関においては、排気管の各分岐管に設けられて各気筒毎に空燃比を検出する複数の空燃比センサを設け、その検出値に基づき、各気筒毎にリーン制御を行うことが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
空燃比に気筒差が出ると燃焼変動が発生してしまうため、このように各気筒毎に空燃比センサを設けて、各気筒毎の空燃比のバラツキをなくすことにより、排気エミッションの悪化やドライバビリティの悪化を防止して、内燃機関の安定度を向上させることができる。
【0004】
しかしながら、各気筒全てに対して空燃比センサを取り付ける場合には、コスト高は避けられない、空燃比センサの搭載スペースが必要である、組立工程が増えるため、組立効率が下がる、またメンテナンス時の作業性が低下する、空燃比センサにはセンサヒータが設けられているため消費電力が増える、等といった問題が生じる。
【0005】
【特許文献1】
特開平2−233867号公報
【特許文献2】
特開2002−38992号公報
【特許文献3】
特開2001−271731号公報
【特許文献4】
特開2001−271687号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、液冷却式の内燃機関であって、その冷却液(熱媒体)の熱を蓄熱すべく内燃機関に併設して蓄熱装置を備えた内燃機関が知られている。
【0007】
蓄熱装置には、機関運転時など、冷却液が高温となるときに、その蓄熱装置本体内に熱媒体たる高温の冷却液が取り込まれ、機関始動時、特に冷間始動時などのように機関本体が冷えているときに、蓄熱装置本体内に保温貯蔵されていた高温の冷却液を、機関本体内に流入させる。高温の冷却液が機関本体に流入すると、冷却液の熱が機関本体へ伝達され、機関本体の温度上昇が実現され、機関本体の始動性向上や暖機促進が図られる。
【0008】
ところが、機関本体に流入した高温の冷却液によって機関本体が温められるため、機関本体の温度は均等に上昇するとは限らず、不均一となる場合が多い。このような場合、複数の気筒全てにおいて適正な運転制御が行われているとは限らず、機関本体に設けられた複数の気筒において、空燃比に気筒差が出ると燃焼変動が発生してしまう。
【0009】
そこで、各気筒につき、それぞれ空燃比を検出する必要が生ずるが、その全ての気筒につき空燃比を検出するための手段を設けることは、コスト高になるし、装置も複雑となる。
【0010】
本発明の目的は、すべての気筒に対応した空燃比検出手段を設けることなく、コスト高を招かず、各気筒毎に空燃比を検出できるようにして最適な制御を行うことのできる内燃機関の制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は以下の手段を採用した。
【0012】
これは、蓄熱状態にある熱媒体により内燃機関の複数の気筒が順次温められた場合、該複数の気筒には、温められた順に、温度の偏り(温度分布、温度勾配)が生じるが、このときの各気筒の温度の偏りと空燃比との間の関係に着目したことによるものである。蓄熱状態にある熱媒体により内燃機関の複数の気筒が順次温められた場合、熱媒体の温度は、熱媒体に温められる順に従って下流(下位)に行くにしたがい低下する。これにより、上流(上位)側の気筒の温度の方が下流側の気筒の温度よりも高くなり、気筒間に温度の偏りが生じる。この気筒間の温度の偏りによって(熱媒体の熱の影響を受けて)、各気筒の空燃比にもばらつきが生じる。このときの各気筒間の空燃比の関係に基づいて、上流側の位置と下流側の位置に設けられた少なくとも2以上で、かつ、気筒数より少ない数の空燃比検出手段により特定気筒の空燃比を検出することで、全ての気筒の空燃比を推定または検出することができる。
【0013】
すなわち、気筒の排気側に設けられて該気筒の空燃比を検出する空燃比検出手段を上流側及び下流側に設け、各気筒の前記熱媒体による加温順に従った温度勾配に基づいて、空燃比検出手段により検出された特定気筒の空燃比から、空燃比検出手段が設けられていない気筒の空燃比を推定する。
【0014】
ここで、空燃比検出手段が設けられる位置としては、例えば、複数の気筒にそれぞれ対応して設けられた複数の排気枝管のうち、最上流の気筒と、最下流の気筒とに対応する排気枝管に設けるとよい。この場合、最上流及び最下流の気筒以外の気筒の空燃比を推定することとなる。また、複数の気筒のうちの1つの気筒に対応して設けられた排気枝管と、複数の排気枝管が集合する集合部とに設けてもよい。この場合には、前記複数の気筒のうちの1つの気筒以外の気筒の空燃比を推定することとなる。また、複数の排気枝管を例えば2つに分けて、2つに分けたうちの一方の排気枝管が集合する集合部と、他方の排気枝管が集合する集合部とに設けてもよい。この場合には、全ての気筒の空燃比を推定することとなる。
【0015】
また、蓄熱状態にある熱媒体とは、機関始動時、特に冷間始動時などのように機関本体が冷えているときに、内燃機関に併設された蓄熱装置から機関本体内に供給(流入)される冷却液であって、蓄熱装置本体内に保温貯蔵されていた高温の冷却液(例えば、冷却水、潤滑油)を意味するものである。
【0016】
また、本発明に係る内燃機関の制御装置は、熱媒体により順次温められる複数の気筒を有する内燃機関に適用されるものであり、これには、気筒が直列に並べられた内燃機関であることが好ましい。しかし、これに限らず、気筒の配置に関係なく、内燃機関において蓄熱状態にある熱媒体によって複数の気筒が順次温められるような構成とする、例えば、機関内において冷却液が複数の気筒を一気筒ずつ順に流れるように流路を構成することにより、本発明を好適に適用することができる。
【0017】
なお、蓄熱状態にある熱媒体により内燃機関の複数の気筒が順次温められた場合に、複数の気筒に生じる温度勾配や、気筒の温度から推定される空燃比の勾配が決まれば、空燃比を一箇所検出することによって、各気筒の空燃比を推定することも考えられる。しかしながら、燃料の蒸発性(気化のしやすさ)は温度によって異なるものであり、また、温度の変化から燃料の蒸発性を推定することは困難である。さらに、外乱の影響等も考慮すると、複数の気筒に生じる温度勾配に基づいて一箇所の空燃比を検出することにより各気筒の空燃比を推定することは困難であり、また、気筒の温度を検出することにより空燃比の勾配を推定することも困難である。また、気筒の温度を検出することによって、より正確な制御を求めるのであれば、燃焼室の温度を検出することが望ましいが、燃焼室の温度検出のためにシリンダヘッドに温度センサを取り付けることは困難である。
【0018】
本発明は、具体的には、蓄熱状態にある熱媒体により順次温められる複数の気筒を有するとともに、各気筒それぞれの空燃比に基づいて所望の運転制御を行う内燃機関の制御装置において、
前記複数の気筒にそれぞれ対応して設けられた複数の排気枝管及び該複数の排気枝管が集合する集合部のうち、前記熱媒体により温められる順に従って上位の位置と下位の位置に設けられた、少なくとも2以上で、かつ、気筒数より少ない数の空燃比検出手段と、
各気筒の前記熱媒体による加温順に従った温度勾配に基づいて、前記空燃比検出手段により検出された空燃比から、前記空燃比検出手段が設けられていない排気枝管に連通する気筒の空燃比を推定する空燃比推定手段と、
を備えることを特徴とするものである。
【0019】
このように構成することにより、全ての気筒それぞれに空燃比検出手段を設けることなく、全ての気筒の空燃比の検出または推定を、コスト高を招くことなく、製造コストを低く抑えたうえで実現することが可能となる。このように空燃比を検出または推定することで、燃焼変動の発生を防止し、排気エミッションの悪化やドライバビリティの悪化を防止する制御などを行うことができる。したがって、機関始動時に気筒間でばらつく運転状態を安定させることができるようになる。
【0020】
また、本発明によれば、全ての気筒それぞれに空燃比検出手段を設ける必要がなくなるので、空燃比検出手段を搭載するために必要とされるスペースは、空燃比検出手段を全ての気筒に設ける場合に比べて小さくできる。すなわち、内燃機関周りの空間を効率よく使用することができ、内燃機関を構成する部材の設計の自由度を大きくすることができる。また、本発明によれば、空燃比検出手段を全ての気筒に設ける場合に比べて、組立工数を低減することができるので、組立効率を向上することができる。また、メンテナンス時の作業性も向上することができる。また、空燃比検出手段は、一般に、空燃比の検出精度を維持するため活性状態に保たれることが不可欠であって、センサを所定の活性化温度に安定して保つためのヒータが設けられている。本発明により空燃比検出手段の数を減らすことができるので、空燃比検出手段を全ての気筒に設ける場合に比べて、消費電力を低減することができる。
【0021】
また、上記の構成において、前記複数の気筒に対して、蓄熱状態にある熱媒体による熱の影響を推定する熱影響推定手段と、
前記熱影響推定手段により、前記複数の気筒に対して前記熱媒体による熱の影響が収まったと推定される時に、前記少なくとも2以上設けられた空燃比検出手段のうち1つの空燃比検出手段のみを稼働させる制御手段と、
を備えることも好ましい。
【0022】
ここで、熱影響推定手段により推定される、蓄熱状態にある熱媒体による熱の影響とは、蓄熱状態にある熱媒体が各気筒の空燃比に与える影響、すなわち、気筒間で空燃比をばらつかせることを意味するものである。また、複数の気筒に対して、蓄熱状態にある熱媒体による熱の影響が収まったと推定される時とは、内燃機関の暖機がほぼ終わり、内燃機関がほぼ定常運転となった時を意味するものである。そして、熱影響推定手段は、例えば、少なくとも2つの空燃比検出手段により検出されたそれぞれの空燃比の差が、略なくなるか、所定値以下となるか、所定時間において略一定となった時や、蓄熱状態にある熱媒体の複数の気筒への供給が停止されてから所定時間が経過した時や、内燃機関内の冷却液の温度が所定値以上となった時をもって、蓄熱状態にある熱媒体による熱の影響が収まったと推定する。
【0023】
これにより、必要な場合のみ、少なくとも2つの空燃比検出手段を稼働させ、内燃機関の定常運転時には、1つの空燃比検出手段のみ稼働させることができるので、消費電力を抑制することができる。
【0024】
また、上記の構成において、前記複数の気筒に対して、蓄熱状態にある熱媒体による熱の影響を推定する熱影響推定手段と、
前記熱影響推定手段により、前記複数の気筒に対して前記熱媒体による熱の影響が収まったと推定される時に、前記空燃比検出手段により検出された特定気筒の空燃比の差が所定範囲外であった場合、前記空燃比検出手段の異常と判定する異常判定手段と、
を備えることも好ましい。
【0025】
蓄熱状態にある熱媒体による熱の影響が収まったと推定される時には、気筒間の空燃比の差が小さくなるか、略一定となっているはずである。所定範囲とは、このときの空燃比の差に相当するものであり、この空燃比の差に基づいて、差が大きい場合には異常とみなすことができる。
【0026】
そして、目標空燃比(例えば、理論空燃比)を予め設定しておき、異常が判定された場合には、空燃比検出手段により検出された空燃比と目標空燃比とを比べて、目標空燃比との差が大きい方の空燃比検出手段が異常であると判定して、該空燃比検出手段の稼働を停止または禁止するとよい。
【0027】
これにより、簡単な構成で空燃比検出手段の異常判定が可能となる。
【0028】
また、上記の構成において、前記空燃比推定手段により推定された空燃比と、前記空燃比検出手段により検出された空燃比とに基づいて、各気筒毎に内燃機関の運転制御を行うことも好ましい。
【0029】
すなわち、制御装置は、空燃比推定手段により推定した空燃比と、空燃比検出手段により検出した空燃比とが、予め設定された目標空燃比(例えば理論空燃比)に対してどのような状態にあるのかを判断して、運転状態(燃焼状態)を改善するための制御をそれぞれの気筒毎に行うものである。
【0030】
運転状態を改善するための制御としては、例えば、燃料噴射量、点火時期、バルブオーバーラップ量、各気筒内の気流制御、各気筒内への吸入空気量等を補正することが挙げられる。制御装置は、燃料噴射量補正値、点火時期補正値、バルブオーバーラップ量補正値、気流制御補正値、または、吸入空気量補正値を算出することによりこれらの制御を行うことによって、各気筒毎の運転状態を良好に制御することができる。
【0031】
ここで、燃料噴射量、点火時期、バルブオーバーラップ量、各気筒内の気流制御、各気筒内への吸入空気量等の補正は、これらのうちのいずれかが単独で行われてもよいし、可能な限り組み合わせて行われてもよい。また、気筒毎に異なった補正方法をとることもできる。また、点火時期、バルブオーバーラップ量、各気筒内の気流制御、各気筒内への吸入空気量等の補正においては、燃料噴射量を増量することなく、各気筒の運転状態を良好に制御することができるもので、これらによれば、燃料噴射量による補正に比べて、燃料消費量を抑制することができる効果も得られる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施態様について図面に基づいて説明する。
【0033】
(第1の実施の形態)
先ず、本発明の第1の実施の形態に係る制御装置を適用した内燃機関1について説明する。
【0034】
図1は、内燃機関1の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、4つの気筒20a,20b,20c,20d(以下、1番(#1)気筒20a,2番(2#)気筒20b,3番(#3)気筒20c,4番(#4)気筒20dと称す)を有する4サイクルの直列4気筒水冷式ガソリンエンジンであり、また、蓄熱装置が併設されている。
【0035】
内燃機関1には、駆動電力が印加されたときに該内燃機関1の機関出力軸(クランクシャフト)を回転駆動するスターターモータ37と、前記クランクシャフトが所定角度(例えば、10°)回転する度にパルス信号を出力するクランクポジションセンサ38と、機関内の冷却水路内を流れる冷却水の温度に対応した電気信号を出力する機関内水温センサ17が取り付けられている。
【0036】
続いて、内燃機関1には、その噴孔が、1番気筒20a,2番気筒20b,3番気筒20c,4番気筒20dの図示しない吸気ポートに臨むよう燃料噴射弁22がそれぞれ取り付けられており、各燃料噴射弁22には、該燃料噴射弁22に駆動電力を供給する駆動回路22aが電気的に接続されている。
【0037】
各燃料噴射弁22は、それぞれに連通する燃料配管23を介してフューエルデリバリーパイプ24と連通しており、フューエルデリバリーパイプ24は、図示しない燃料ポンプと連通している。
【0038】
このように構成された燃料噴射系では、燃料ポンプから吐出された燃料がフューエルデリバリーパイプ24へ供給され、フューエルデリバリーパイプ24から燃料配管23を介して1番気筒20a,2番気筒20b,3番気筒20c,4番気筒20dの燃料噴射弁22へそれぞれ分配される。そして、駆動回路22aから燃料噴射弁22へ駆動電流が印加されると、燃料噴射弁22が開弁し、その結果、燃料噴射弁22から吸気ポートへ燃料が噴射されることになる。
【0039】
また、内燃機関1には、吸気枝管25が接続され、吸気枝管25の各枝管は、図示しない吸気ポートを介して1番気筒20a,2番気筒20b,3番気筒20c,4番気筒20dの燃焼室と連通している。吸気枝管25は、サージタンク26に接続され、サージタンク26は、吸気管27を介してエアクリーナボックス28に接続されている。
【0040】
吸気管27には、該吸気管27内を流れる吸気の流量を調整する吸気絞り弁(スロットル弁)30が設けられている。このスロットル弁30には、ステッパモータ等で構成され印加電力の大きさに応じて吸気絞り弁30を開閉駆動するスロットル用アクチュエータ30aと、スロットル弁30の開度に対応した電気信号を出力するスロットルポジションセンサ31とが取り付けられている。吸気管27において前記スロットル弁30より上流の部位には、吸気管27内を流れる吸気の質量に対応した電気信号を出力するエアフローメータ29が取り付けられている。
【0041】
このように構成された吸気系では、エアクリーナボックス28に流入した吸気は、該エアクリーナボックス28内の図示しないエアクリーナによって吸気中の塵や埃等が除去された後、吸気管27へ流入する。
【0042】
吸気管27に流入した吸気は、スロットル弁30によって流量を調節された後にサージタンク26へ流入し、サージタンク26から吸気枝管25の各枝管へ分配される。
【0043】
吸気枝管25の各枝管に分配された吸気は、内燃機関1の吸気ポートへ導かれ、燃料噴射弁22から噴射された燃料と混ざり合いながら燃焼室へ流入する。燃焼室へ流入した混合気は、点火栓によって着火されて燃焼される。
【0044】
また、内燃機関1には、排気枝管32a,32b,32c,32dが接続されており、図示しない排気ポートを介して1番気筒20a,2番気筒20b,3番気筒20c,4番気筒20dの燃焼室とそれぞれ連通している。排気枝管32a,32b,32c,32dは、排気浄化触媒33と接続され、排気浄化触媒33は、排気管34と接続されている。排気管34は、下流にて図示しないマフラーと接続されている。
【0045】
排気浄化触媒33は、該排気浄化触媒33の触媒床温が所定温度以上のときに活性して、排気中の有害ガス成分、例えば、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)等を浄化する触媒である。このような排気浄化触媒33としては、三元触媒、吸蔵還元型NOx触媒、選択還元型NOx触媒、酸化触媒、又は、それらの触媒を適宜組み合わせてなる触媒を例示することができる。
【0046】
そして、本実施の形態の特徴的な構成として、1番気筒20a,4番気筒20dの排気側にそれぞれ連通している排気枝管32a,32dにおいて、該排気枝管32a,32dをそれぞれ流れる排気の空燃比に対応した電気信号を出力する空燃比検出手段としての1番気筒空燃比センサ35a,4番気筒空燃比センサ35bがそれぞれ取り付けられている。
【0047】
このように構成された排気系では、内燃機関1の1番気筒20a,2番気筒20b,3番気筒20c,4番気筒20dで燃焼された混合気(既燃ガス)は、排気ポートを経て排気枝管32a,32b,32c,32dへそれぞれ排出され、次いで排気枝管32a,32b,32c,32dから排気浄化触媒33へ流入する。排気浄化触媒33に流入した排気は、排気中の有害ガス成分を除去又は浄化された後に、排気浄化触媒33から排気管34へ排出された後にマフラーを介して大気中に放出される。
【0048】
次に、内燃機関1は、2本の冷却水通路4,8を介して冷却水循環機構200と接続されている。ここで、冷却水循環機構200の構成について図2に基づいて説明する。図2は、内燃機関1の内部に形成された冷却水循環経路と冷却水循環機構200の概略構成を示す図である。
【0049】
内燃機関1内の冷却水路として、内燃機関1のシリンダヘッド1aとシリンダブロック1bとには、冷却水を流通させるためのヘッド側冷却水路2aとブロック側冷却水路2bとがそれぞれ形成され、それらヘッド側冷却水路2aとブロック側冷却水路2bとが相互に連通している。
【0050】
ヘッド側冷却水路2aには、冷却水通路4が接続され、その冷却水通路4は、ラジエター5の冷却水流入口に接続されている。続いて、ラジエター5の冷却水流出口は、冷却水路6を介してサーモスタットバルブ7に接続されている。
【0051】
サーモスタットバルブ7には、冷却水路6に加えて、冷却水通路8とバイパス通路9とが接続されている。冷却水通路8は、クランクシャフトの回転トルクを駆動源とする機械式ウォーターポンプ10の吸込口に接続され、その機械式ウォーターポンプ10の吐出口は、ブロック側冷却水路2bに接続されている。一方、バイパス通路9は、ヘッド側冷却水路2aに接続されている。
【0052】
サーモスタットバルブ7は、冷却水の温度に応じて、冷却水路6とバイパス通路9との何れか一方を遮断する流路切換バルブである。具体的には、サーモスタットバルブ7は、該サーモスタットバルブ7を流れる冷却水の温度が所定の開弁温度以下であるときは、冷却水路6を遮断すると同時に冷却水路9を開放して、冷却水通路8と冷却水路9とを導通させる。一方、サーモスタットバルブ7は、該サーモスタットバルブ7を流れる冷却水の温度が前記開弁温度より高いときは、冷却水路6を開放すると同時に冷却水路9を遮断して、冷却水通路8と冷却水路6とを導通させる。
【0053】
次に、冷却水通路4の途中には、ヒータホース11が接続され、そのヒータホース11は、サーモスタットバルブ7と機械式ウォーターポンプ10との間の冷却水通路8に接続されている。
【0054】
ヒータホース11の途中には、冷却水と車室内暖房用空気との間で熱交換を行うヒータコア12が配置されている。このヒータコア12と冷却水通路4との間に位置するヒータホース11の途中には、内燃機関1で発生する熱以外を熱源として冷却水を加熱する冷却水加熱機構19が設けられている。冷却水加熱機構19としては、燃焼式ヒータや電気ヒータ等を例示することができる。
【0055】
ヒータコア12と冷却水通路8との間に位置するヒータホース11の途中には、第1バイパス通路13aが接続されている。この第1バイパス通路13aは、電動ウォーターポンプ14の冷却水吸込口に接続されている。
【0056】
電動ウォーターポンプ14は、電動モータによって駆動されるウォーターポンプであり、前記した冷却水吸込口から吸い込んだ冷却水を冷却水吐出口から所定の圧力で吐出するよう構成されている。
【0057】
電動ウォーターポンプ14の冷却水吐出口は、第2バイパス通路13bを介して蓄熱容器15の冷却水入口に接続されている。蓄熱容器15は、冷却水が持つ熱を蓄熱しつつ冷却水を貯蔵する容器であり、前記冷却水入口から新規の冷却水が流入すると、その代わりに該蓄熱容器15内に貯蔵されていた高温の冷却水を冷却水出口から排出するよう構成されている。また、蓄熱容器15内には、蓄熱容器15内の冷却水の温度に対応した電気信号を出力する蓄熱容器内水温センサ18が取り付けられている。この蓄熱容器15は、本実施の形態に係る内燃機関に併設された蓄熱装置の一実施態様である。
【0058】
尚、蓄熱容器15の冷却水入口と冷却水出口との各々には、冷却水の逆流を防止するワンウェイバルブ15a,15bが取り付けられている。
【0059】
蓄熱容器15の冷却水出口には、第3バイパス通路13cが接続されており、この第3バイパス通路13cは、冷却水加熱機構19と冷却水通路4との間に位置するヒータホース11に接続されている。
【0060】
尚、冷却水加熱機構19と冷却水通路4との間に位置するヒータホース11において、第3バイパス通路13cとの接続部位より冷却水通路4側の部位を第1ヒータホース11aと称するとともに、冷却水加熱機構19側の部位を第2ヒータホース11bと称するものとする。冷却水加熱機構19とヒータコア12との間に位置するヒータホース11を第3ヒータホース11cと称するものとする。更に、ヒータコア12と冷却水通路8との間に位置するヒータホース11において、第1バイパス通路13aとの接続部位よりヒータコア12側の部位を第4ヒータホース11dと称するとともに、冷却水通路8側の部位を第5ヒータホース11eと称するものとする。
【0061】
第4ヒータホース11dと第5ヒータホース11eと第1バイパス通路13aとの接続部には、流路切換弁16が設けられている。この流路切換弁16は、前記した3つの通路の全ての導通と、前記3つの通路の何れか1つの遮断とを選択に切り換えるバルブである。流路切換弁16は、例えば、ステップモータ等からなるアクチュエータによって駆動されるようになっている。
【0062】
上述したように構成された内燃機関1及び冷却水循環機構200には、これら内燃機関1と冷却水循環機構200とを制御するための電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU)39が併設されている。
【0063】
ECU39には、機関内水温センサ17、蓄熱容器内水温センサ18、エアフローメータ29、スロットルポジションセンサ31、1番気筒空燃比センサ35a,4番気筒空燃比センサ35b、クランクポジションセンサ38に加え、図示しないアクセルペダルの操作量(アクセル開度)に対応した電気信号を出力するアクセルポジションセンサ40等の各種センサが電気配線を介して接続され、各種センサの出力信号がECU39に入力されるようになっている。
【0064】
また、ECU39には、電動ウォーターポンプ14、流路切換弁16、冷却水加熱機構19、駆動回路22a、スロットル用アクチュエータ30a、スターターモータ37等を制御することが可能なように、これらと電気配線を介して接続されている。
【0065】
ここで、ECU39は、中央処理装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、バックアップRAM及びタイマーカウンタ等の他、A/D変換器を含む外部入力回路や、外部出力回路等を備えるものである。CPU、ROM、RAM、バックアップRAM及びタイマカウンタ等と、外部入力回路や外部出力回路等とは、双方向性バスにより接続され、全体として論理演算回路を構成する。
【0066】
このように構成されたECU39は、各種センサの検出信号に基づき、燃料噴射弁22の開閉弁動作を通じて各吸気ポートに燃料を噴射供給する制御(燃料噴射制御)や、機関始動時に行う内燃機関1の予熱制御(プレヒート制御)や、機関始動時に気筒毎の運転制御を行うための運転制御等、内燃機関1の運転状態に関する各種制御を実施する。
【0067】
なお、上記のように構成されたECU39は、本実施の形態にかかる内燃機関1の制御装置を構成するものであり、空燃比推定手段、熱影響推定手段、制御手段及び異常判定手段を構成する。
【0068】
以下、本発明の実施の形態に係る内燃機関1の予熱制御について述べる。ここでは、予め蓄熱容器15に高温の冷却水が貯蔵されているものとする。また、図3は、内燃機関1の予熱を行う場合の冷却水の循環回路を示している。
【0069】
予熱制御では、ECU39は、先ず、内燃機関1が始動される際、例えば、車室内に設けられた図示しないイグニションスイッチがオフからオンに切り換えられた際に、スターターモータ37に対する駆動電力の印加、及び、内燃機関1の各気筒毎に設けられた燃料噴射弁に対する駆動電力の印加を禁止しつつ、第4ヒータホース11dを遮断し、且つ第5ヒータホース11eと第1バイパス通路13aとを導通させるべく流路切換弁16を制御し、更に電動ウォーターポンプ14を作動させる。
【0070】
この場合、機械式ウォーターポンプ10が作動せずに電動ウォーターポンプ14のみが作動するため、図3に示されるように、電動ウォーターポンプ14→第2バイパス通路13b→蓄熱容器15→第3バイパス通路13c→第1ヒータホース11a→冷却水通路4→ヘッド側冷却水路2a→ブロック側冷却水路2b→機械式ウォーターポンプ10→冷却水通路8→第5ヒータホース11e→流路切換弁16→第1バイパス通路13a→電動ウォーターポンプ14の順で冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0071】
尚、上記した循環回路において冷却水通路4からヘッド側冷却水路2aに流入した冷却水の一部は、冷却水路9→サーモスタットバルブ7→冷却水通路8を介して第5ヒータホース11eへ流れることになる。
【0072】
このような循環回路が成立すると、電動ウォーターポンプ14から吐出された冷却水が第2バイパス通路13bを介して蓄熱容器15に流入し、それと入れ代わりに蓄熱容器15内に貯蔵されていた高温の冷却水(以下、温水と称する)が該蓄熱容器15から排出される。
【0073】
蓄熱容器15から排出された温水は、第3バイパス通路13c、第1ヒータホース11a、及び冷却水通路4を介して、内燃機関1内のヘッド側冷却水路2aへ流入し、ヘッド側冷却水路2aに流入した一部の温水がブロック側冷却水路2bへ流入するとともに、残りの温水が冷却水路9へ流入する。そして、機関内において、冷却水通路4から流入した温水は、図1に示されるような直列に配置された複数の気筒に対して、4番気筒20d→3番気筒20c→2番気筒20b→1番気筒20aの順に流れることとなる。
【0074】
ヘッド側冷却水路2aからブロック側冷却水路2bへ流入した温水は、ブロック側冷却水路2bを流通した後に機械式ウォーターポンプ10を介して冷却水通路8へ流入する。一方、ヘッド側冷却水路2aから冷却水路9へ流入した温水は、冷却水路9を流通した後にサーモスタットバルブ7を介して冷却水通路8へ流入する。
【0075】
このように蓄熱容器15に貯蔵されていた温水がヘッド側冷却水路2a、ブロック側冷却水路2b、冷却水路9、及び冷却水通路8(以下、これらを総称して機関内冷却水路と称する)へ流入すると、それと入れ代わりに前記機関内冷却水路に滞留していた低温の冷却水が前記機関内冷却水路から第5ヒータホース11eへ押し出されることになる。
【0076】
ECU39は、蓄熱容器15に貯蔵されていた温水が前記機関内冷却水路に充満するとともに、前記機関内冷却水路に滞留していた低温の冷却水が該機関内冷却水路から流出した時点で、電動ウォーターポンプ14の作動を停止させ、次いでスターターモータ37及び燃料噴射弁22に対する駆動電力の印加を許可して内燃機関1を始動させる。
【0077】
尚、蓄熱容器15に貯蔵されていた温水が前記機関内冷却水路に充満したことを判定する方法としては、(1)電動ウォーターポンプ14の作動が開始された時点から蓄熱容器15内の温水が機関内冷却水路の全体に行き渡るまでの所定の時間(以下、冷却水到達時間と称する)を予め実験的に求めておき、電動ウォーターポンプ14の作動が開始された時点からの経過時間が前記冷却水到達時間以上となった時に機関内冷却水路に温水が充満したと判定する方法、(2)機関内冷却水路内の温水の温度に対応した電気信号を出力する機関内水温センサ17の出力信号値が所定温度以上となった時に機関内冷却水路に温水が充満したと判定する方法、等を例示することができる。
【0078】
機関内冷却水路に温水が充満したことを条件にスターターモータ37に対する駆動電力の印加が許可されると、ECU39は、スターターモータ37へ駆動電力を印加して内燃機関1のクランキングを開始する。
【0079】
内燃機関1のクランキングが開始されると、それに対応して機械式ウォーターポンプ10が作動し、機械式ウォーターポンプ10→ブロック側冷却水路2b→ヘッド側冷却水路2a→冷却水路9→サーモスタットバルブ7→冷却水通路8→機械式ウォーターポンプ10の順で冷却水が流れる循環回路、すなわち機関内冷却水路のみを冷却水が循環する循環回路が成立する。
【0080】
その際、前記した機関内冷却水路には蓄熱容器15から供給された温水が充満しているため、温水のみが前記機関内冷却水路を循環することになり、低温の冷却水が前記機関内冷却水路に流入することがない。
【0081】
この結果、蓄熱容器15に貯蔵されていた温水から内燃機関1へ伝達された熱が低温の冷却水に奪われることがなく、内燃機関1が速やかに予熱されることになる。
【0082】
ここで、蓄熱容器15から冷却水通路4を介して内燃機関1内に流入した温水は、熱をシリンダヘッド1a(およびシリンダブロック1bに)供給しながら流れるため、下流へ流れる程温度が低下していくこととなる。このように下流側で温度が低下した温水からシリンダヘッド1a(およびシリンダブロック1b)に供給される熱量は、上流側で温度が低下する前に供給される熱量よりも小さいため、機関内の温度に偏りが生じることとなる。すなわち、機関内において温水の入口側(上流側)に位置する4番気筒20dと、出口側(下流側)に位置する1番気筒20aとでは、4番気筒20d側の方が温度が高くなり、この温度のばらつきの影響を受けて、空燃比にもばらつきが生じることとなる。
【0083】
図4は、蓄熱容器15に貯蔵されていた温水が内燃機関1内へ流入した場合に、気筒間に生じる空燃比のばらつきを説明するための図であり、同図(a)は内燃機関1に温水が流入し4番気筒20d→3番気筒20c→2番気筒20b→1番気筒20aの順に温水が流れることを示す図、同図(b)は各気筒間の空燃比の関係を示すマップの一例である。
【0084】
図に示すように、本実施の形態では、複数の気筒を直列に配列することにより、4番気筒20d→3番気筒20c→2番気筒20b→1番気筒20aの順に温水が流れる。(また、この順に温水が流れるように機関内冷却水路を設けていると言う事もできる。)そして、蓄熱容器15に貯蔵されていた温水が内燃機関1内を流れる過程において、温水の温度は下流側に行くにしたがい低下することとなる。これにより、各気筒の温度は下流側に行くにしたがい低下する。すなわち、4番気筒20d→3番気筒20c→2番気筒20b→1番気筒20aの順に温度が低下する。そして、この温度の影響を受けて、各気筒の空燃比もばらつきが生じる。このときの各気筒間の空燃比の関係を実験的に求めマップ化したものの一例が図4(b)に示すものである。
【0085】
1番気筒空燃比センサ35a及び4番気筒空燃比センサ35bによりそれぞれ1番気筒20a(#1)及び4番気筒20d(#4)の空燃比を検出し、この1番気筒20a(#1)及び4番気筒20d(#4)の空燃比の検出値を有するマップを用いることにより、これらの空燃比から2番気筒20b(#2)と3番気筒20c(#3)との空燃比を推定することができる。図4(b)においては、1番気筒20a(#1)と4番気筒20d(#4)の空燃比は、それぞれ1番気筒空燃比センサ35a,4番気筒空燃比センサ35bにより検出された値であり、このマップを用いることにより、これらの空燃比から2番気筒20b(#2)と3番気筒20c(#3)との空燃比を推定することができる。
【0086】
そして、本実施の形態においては、このように全ての気筒の空燃比をそれぞれ検出または推定することにより、気筒間の空燃比のばらつきをみて、気筒間で空燃比がばらついていた場合には、全ての気筒の運転制御をそれぞれ独立して行うものである。
【0087】
次に、本実施の形態に係る制御装置による予熱制御(エンジンプレヒート)及び気筒毎の運転制御フローについて説明する。
【0088】
図5に示すフローチャートは、予熱制御及び気筒毎の運転制御のフローを表すフローチャート図であり、ECU39にトリガ信号が入力されたときに、ECU39が実行するルーチンである。本制御実行開始条件となるトリガ信号には、車室内に配置された図示しないイグニッションスイッチがオフからオンへ切り換えられたことをトリガ信号として例示することができる。
【0089】
ステップS101では、ECU39は、蓄熱容器内水温センサ18の出力信号(Tth)を読み込む。
【0090】
ステップS102では、予熱制御の実行条件が成立しているか否かを判定する。本実施の形態では、ここで判定に用いる要素を、機関内水温センサ17の出力信号としている。機関内水温センサ17の出力信号に基づいてECU39は、機関内の冷却水路内の冷却水温度Twを算出し、算出された温度Twが所定温度(例えば45℃)よりも低いか否かを判定する。算出された温度Twが所定温度よりも低いと判定された場合には、内燃機関1へ冷却水を循環させるためにステップS103へ進む。一方、否定判定がなされた場合には本ルーチンを一旦抜ける。
【0091】
ここで、機関内冷却水路内の冷却水温度Twが所定温度(例えば45℃)よりも高いときは、冷却水を循環させても効果が小さく、又、電動ウォーターポンプ14の電力消費を無くすために内燃機関1の昇温は行わないこととする。電動ウォーターポンプ14を駆動する電力は、車両に搭載されたバッテリーから供給されるが、この電力には限りがあるために、このように電力消費量を低減することは重要である。
【0092】
ステップS103では、ECU39は、ステップS101で読み込んだ蓄熱容器内水温センサ18の出力信号に基づいて、電動ウォーターポンプ14を作動させる時間(冷却水到達時間)を決定する。
【0093】
蓄熱容器内水温センサ18の出力信号と電動ウォーターポンプ14を作動させる時間との関係は予めマップ化しておく。ECU39は、読み込んだ蓄熱容器内水温センサ18の出力信号と前記マップとに基づいて電動ウォーターポンプ14を作動させる時間を算出する。
【0094】
ステップS104では、電動ウォーターポンプ14に電力を供給し、該電動ウォーターポンプ14を作動させる(内燃機関1の予熱制御を行う)。このとき、ECU39は、第4ヒータホース11dを遮断し、且つ第5ヒータホース11eと第1バイパス通路13aを導通させるべく流路切換弁16を制御するとともに、電動ウォーターポンプ14に駆動電力を印加することにより、蓄熱容器15と機関内冷却水路とを経由する循環回路を成立させ、蓄熱容器15に貯蔵されていた温水を機関内冷却水路へ供給させる。また、予熱制御実行中であることを運転者に知らせるために警告灯を点灯させるとよい。
【0095】
ステップS105では、ECU39は、ステップS105で電動ウォーターポンプ14が作動を開始してから、ステップS103で算出された時間が経過したか否か判定する。ECU39は、電動ウォーターポンプ14が作動を開始してから経過した時間がステップS104で算出された時間よりも長いと判断した場合には、蓄熱容器15に貯蔵されていた温水が機関内冷却水路の全体に行き渡ったとみなし、ステップS106へ進む。一方、否定判定がなされた場合には、引き続き電動ウォーターポンプ14を作動させる。
【0096】
ステップS106では、ECU39は、電動ウォーターポンプ14に対する駆動電力の印加を停止して電動ウォーターポンプ14の作動を停止させ、冷却水の循環を停止させる。このとき、車室内のプレヒートランプを消灯させ、運転者に内燃機関1の予熱が終了したことを通知するとよい。
【0097】
ステップS107では、スタータモータ37の作動を許可することによりエンジンが始動される。
【0098】
ステップS108では、ECU39は、1番気筒空燃比センサ35a及び4番気筒空燃比センサ35bの出力信号を読み込む。なお、空燃比センサにおいても、プレヒートが行われることにより、内燃機関1が始動される時には、活性状態に保たれていることが好ましい。
【0099】
そして、ステップS109では、ECU39は、1番気筒空燃比センサ35aと、4番気筒空燃比センサ35bとの出力信号に基づいて、2番気筒20b及び3番気筒20cの空燃比を推定する。この推定には、上述したように、図4(b)に示すようなマップを用いる。
【0100】
ステップS110では、ECU39は、1番気筒空燃比センサ35aの出力信号と4番気筒空燃比センサ35bの出力信号とを比較する。そして、1番気筒空燃比センサ35aの出力信号と4番気筒空燃比センサ35bの出力信号との差が所定の値(判定値)よりも大きい場合には、ステップS111へ進み、その差が判定値以下の場合には、ステップS112に進む。
【0101】
ステップS111では、ECU39は、1番気筒空燃比センサ35aと4番気筒空燃比センサ35bとの出力信号に基づいて算出した1番気筒20aと4番気筒20dの空燃比と、ステップS109において推定された2番気筒20b及び3番気筒20cの空燃比に基づいて、気筒毎の運転制御を行う。
【0102】
ECU39は、検出または推定されたそれぞれの気筒の空燃比と、予め設定された目標空燃比(例えば理論空燃比)との差に基づいて、それぞれの気筒の運転状態(燃焼状態)を改善するための制御を行う。気筒毎の運転制御としては、燃料噴射量、点火時期、バルブオーバーラップ量、各気筒内の気流(空気の流れ)制御、各気筒内への吸入空気量等をそれぞれ気筒毎に補正することにより行う。燃料噴射量、点火時期、バルブオーバーラップ量、各気筒内の気流制御、各気筒内への吸入空気量等の補正は、いずれかが単独で行われてもよいし、可能な限り組み合わせて行われてもよい。
【0103】
ここで、本実施の形態に係る気筒毎の運転制御について図6を用いて説明する。
【0104】
まず、燃料噴射量を補正する場合について説明する。図6(a)は空燃比と燃料噴射量との関係を示すマップである。
【0105】
ECU39は、それぞれの気筒毎に、検出または推定された空燃比と、予め設定された目標空燃比との差に基づいて、図6(a)に示すマップを用いることにより燃料噴射量を補正して、気筒毎に運転状態を改善させる。すなわち、ECU39は、検出または推定された空燃比が、予め設定された目標空燃比よりリーン側にあると判断した場合は、燃料噴射量を多くし、検出または推定された空燃比が、予め設定された目標空燃比よりリッチ側にあると判断した場合には、燃料噴射量を少なくする補正をそれぞれの気筒毎に行う。
【0106】
次に、点火時期を補正する場合について説明する。図6(b)は空燃比と点火時期との関係を示すマップである。
【0107】
ECU39は、それぞれの気筒毎に、検出または推定された空燃比と、予め設定された目標空燃比との差に基づいて、図6(b)に示すマップを用いることにより点火時期を補正して、気筒毎に運転状態を改善させる。すなわち、ECU39は、検出または推定された空燃比が、予め設定された目標空燃比よりリーン側にあると判断した場合は、点火時期を早め(進角させ)、検出または推定された空燃比が、予め設定された目標空燃比よりリッチ側にあると判断した場合には、点火時期を遅くさせる(遅角させる)補正をそれぞれの気筒毎に行う。
【0108】
次に、バルブオーバーラップ量を補正する場合について説明する。図6(c)は空燃比とバルブオーバーラップ量との関係を示すマップである。
【0109】
ECU39は、それぞれの気筒毎に、検出または推定された空燃比と、予め設定された目標空燃比との差に基づいて、図6(c)に示すマップを用いることによりバルブオーバーラップ量を補正して、気筒毎に運転状態を改善させる。すなわち、ECU39は、検出または推定された空燃比が、予め設定された目標空燃比よりリーン側にあると判断した場合は、バルブオーバーラップ量を大きくし、検出または推定された空燃比が、予め設定された目標空燃比よりリッチ側にあると判断した場合には、バルブオーバーラップ量を小さくする補正をそれぞれの気筒毎に行う。気筒毎のバルブオーバーラップ量の調整は、気筒毎に設けられた、バルブタイミングを調整するバルブタイミング調整手段により行われるもので、これには、電磁力を利用して吸気弁及び排気弁を駆動する電磁駆動式動弁機構を適用するのが好ましい。
【0110】
次に、各気筒内の気流制御を補正する場合について説明する。図6(d)は空燃比と気流の乱れとの関係を示すマップである。
【0111】
ECU39は、それぞれの気筒毎に、検出または推定された空燃比と、予め設定された目標空燃比との差に基づいて、図6(d)に示すマップを用いることにより各気筒内の気流の乱れを補正して、気筒毎に運転状態を改善させる。すなわち、ECU39は、検出または推定された空燃比が、予め設定された目標空燃比よりリーン側にあると判断した場合は、気流の乱れを大きくし、検出または推定された空燃比が、予め設定された目標空燃比よりリッチ側にあると判断した場合には、気流の乱れを小さくする補正をそれぞれの気筒毎に行う。気筒内の気流の乱れを制御する手段としては、例えば気筒内に入る吸気の流れをスワールやタンブル等の渦流にする渦流発生手段が挙げられる。これには、例えば、気筒に設けられかつそれぞれが個別の吸気バルブに導かれる2つのポート、すなわち吸気制御のためのスワールコントロールバルブ(Swirl Control Valve:SCV)を含むストレートポートと、ストレートポートと一部合流し、スワール発生用の小突起を内部に有するヘリカルポートとを備え、スワールコントロールバルブを閉弁することで燃焼室内にスワールを発生させるスワール発生手段を挙げることができる。
【0112】
次に、各気筒内への吸入空気量を補正する場合について説明する。図6(e)は空燃比と吸入空気量との関係を示すマップである。
【0113】
ECU39は、それぞれの気筒毎に、検出または推定された空燃比と、予め設定された目標空燃比との差に基づいて、図6(e)に示すマップを用いることにより各気筒内への吸入空気量を補正して、気筒毎に運転状態を改善させる。すなわち、ECU39は、検出または推定された空燃比が、予め設定された目標空燃比よりリーン側にあると判断した場合は、吸入空気量を小さくし、検出または推定された空燃比が、予め設定された目標空燃比よりリッチ側にあると判断した場合には、吸入空気量を大きくする補正をそれぞれの気筒毎に行う。各気筒内への吸入空気量の調整は、気筒毎に設けられた、吸入空気量を調整する吸入空気量調整手段により行われるもので、これには、例えば、それぞれの気筒に連通するそれぞれの吸気管に、該それぞれの吸気管内を流れる吸気の流量を調整する吸気絞り弁(スロットル弁)を設けるとよい。
【0114】
図5に示すフローチャートに戻って説明を続ける。
【0115】
ステップS112では、ECU39は、4番気筒空燃比センサ35bへの通電を停止し、1番気筒空燃比センサ35aのみにより制御を行う。気筒間の空燃比の差が小さくなるか、略一定となれば、それぞれの気筒の空燃比は等しいものとみなすことができる。したがって、各気筒の空燃比をそれぞれ検出または推定する必要はなく、1つの空燃比センサのみ作動させればよいこととなる。これにより、消費電力を抑制することができ、また、センサの劣化を抑制することができる。なお、作動させる1つの空燃比センサは1番気筒空燃比センサ35aに限定されるものではなく、また、常に同じセンサでなくてもよい。
【0116】
以上のように、本実施の形態によれば、蓄熱容器15から内燃機関1内に流入する温水の影響により、複数の気筒のうち上流側の気筒の温度の方が下流側の気筒の温度に比べて高いという特性に基づくとともに、1番気筒20aと4番気筒20dとの排気側にそれぞれ連通している排気枝管32a,32dに設けた1番気筒空燃比センサ35a,4番気筒空燃比センサ35bによって1番気筒20aと4番気筒20dとの空燃比を検出することによって、2番気筒20bと3番気筒20cとの空燃比を推定することができる。
【0117】
したがって、全ての気筒それぞれに空燃比センサを設ける必要はなくなり、各気筒毎の最適な制御を、コスト高を招くことなく、製造コストを低く抑えたうえで実現することが可能となり、燃焼変動の発生を防止することが可能となる。したがって、排気エミッションの悪化やドライバビリティの悪化を防止することができる。
【0118】
また、本実施の形態によれば、全ての気筒それぞれに空燃比センサを設ける必要がなくなるので、空燃比センサを搭載するために必要とされるスペースは、空燃比センサを全ての気筒に設ける場合に比べて小さくできる。すなわち、内燃機関1周りの空間を効率よく使用することができ、内燃機関1を構成する部材の設計の自由度を大きくすることができる。
【0119】
また、本実施の形態によれば、空燃比センサを全ての気筒に設ける場合に比べて、組立工数を低減することができるので、組立効率を向上することができる。また、メンテナンス時の作業性も向上することができる。また、本実施の形態により空燃比センサの数を減らすことができるので、空燃比センサを全ての気筒に設ける場合に比べて、センサを所定の活性化温度に安定して保つためのヒータが消費する電力を低減することができる。
【0120】
本実施の形態においては、空燃比センサを1番気筒20a及び4番気筒20dに対して設けている。蓄熱容器15から温水が内燃機関1内に流入した場合、その温水の影響を受けるのが、最も上流側の4番気筒20dであって1〜4番気筒20a〜20dの中で最も温度が高くなり、最も下流側の1番気筒では上流側に比べて温水の温度は低下しているため1〜4番気筒20a〜20dの中で最も温度が低くなる。すなわち、複数の気筒のなかでは、4番気筒20dの空燃比が最もリッチとなり、1番気筒20aの空燃比が最もリーンとなる。また、温度が高いと、燃料の蒸発性(気化のしやすさ)が変わるため、最も温度が高くなる4番気筒20dの空燃比については、推定するよりも検出した方が好ましい。また、最もリーンとなる1番気筒20aに1番気筒空燃比センサ35aを設けて空燃比を検出することにより、リーン失火や着火不良を防止することができ、安定した燃焼を確保することができる。このように、最もリッチ側(4番気筒20d)の空燃比の値と、最もリーン側(1番気筒20a)の空燃比の値とを検出することにより、その間(2番気筒20b及び3番気筒20c)の空燃比の値を推定しているので、2つの空燃比センサを用いる場合においては、より精度の高い推定を行うことができる。
【0121】
なお、本実施の形態においては、ステップS110において2つの気筒の空燃比を比較し、空燃比の気筒間差が判定値よりも大きい場合に、ステップS111に進んで気筒毎の運転制御を行い、空燃比の気筒間差が判定値よりも小さい場合にステップS112に進むこととしているが、これに限るものではない。すなわち、ステップS110において、蓄熱容器15から内燃機関1内に供給される(流入する)温水が各気筒の空燃比に与える影響(気筒間で空燃比をばらつかせること)が収まったか否かを判別し、温水の影響が収まっていないと推定される場合にはステップS111に進んで気筒毎の運転制御を行うこととし、温水の影響が収まったと推定される場合には、ステップS112に進むこととしてもよい。ここで、温水の影響が収まったと推定される場合とは、例えば、温水の供給が停止(ステップS106において、ウォーターポンプ停止)されてから所定時間経過した場合や、内燃機関1内の冷却水の水温を検出する機関内水温センサ17の値が所定値以上となった場合であり、内燃機関1がほぼ暖機されたことに相当するものである。
【0122】
ここで、空燃比センサの配設位置については、図7に示す位置に配設することも好適である。図7は、1番気筒20aの排気枝管32aと、1〜4番気筒20a〜20dに連通している排気枝管32a〜32dが集合する集合部32eとに、それぞれ、1番気筒空燃比センサ35a,集合部空燃比センサ35cを設けた実施態様を示す概略図である。また、図8は、図7に示す構成において、気筒間の空燃比の関係を示すマップであって、1番気筒空燃比センサ35aと集合部空燃比センサ35cとによって検出された1番気筒20aと集合部32eとの空燃比に基づいて、2〜4番気筒20b〜20dの空燃比を推定するためのマップである。
【0123】
この場合においても、最もリーンとなる1番気筒20aに1番気筒空燃比センサ35aを設けて空燃比を検出することにより、リーン失火や着火不良を防止することができ、安定した燃焼を確保することができる。さらに、1〜4番気筒20a〜20dに連通している排気枝管32a〜32dの集合部32eに集合部空燃比センサ35cを設けることにより、排気浄化触媒33に流入する排気の空燃比を検出する空燃比センサを排気浄化触媒33の前に別途設ける必要がなくなり、さらなるコスト低減を図ることができる。
【0124】
なお、空燃比センサは、複数の気筒と、それぞれの気筒に連通する排気枝管のうち少なくとも2つが集合する集合部と、のうち少なくとも二箇所に設けられていればよい。
【0125】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態では、第1の実施の形態で説明した制御に加えて、さらに空燃比センサの異常を検出する異常検出ルーチンを設けたものである。図9は、本実施の形態に係る制御装置による、空燃比センサの異常を検出する異常検出ルーチンを示すフローチャート図である。以下、図9を用いて説明する。
【0126】
この異常検出ルーチンは、蓄熱容器15から内燃機関1内に流入する温水が各気筒の空燃比に与える影響(気筒間で空燃比をばらつかせること)が収まったと推定される場合、例えば、蓄熱容器15から内燃機関1内に流入する温水の供給が停止(ステップS106において、ウォータポンプ停止)されてから所定時間経過した場合や、内燃機関1内の冷却水路の水温を検出する機関内水温センサ17の値が所定値以上となった場合(これらは、すなわち、エンジンがほぼ暖機された場合を意味する)に、ECU39が実行するルーチンである。
【0127】
ステップS201では、ECU39は、1番気筒空燃比センサ35a及び4番気筒空燃比センサ35bの出力信号を読み込む。
【0128】
そして、ステップS202において、ECU39は、空燃比センサの異常の検出を行う。
【0129】
蓄熱容器15から内燃機関1内に流入する温水が各気筒の空燃比に与える影響(気筒間で空燃比をばらつかせること)が収まったと推定される場合には、気筒間の空燃比の差が小さくなるか、略一定となっているはずである。このときの空燃比を比べることにより、空燃比センサの差が大きい場合には、異常とみなすものである。すなわち、1番気筒空燃比センサ35a及び4番気筒空燃比センサ35bの出力信号、または、その出力信号に基づいて算出された空燃比の差が、所定の判定値よりも大きい場合に、ECU39は空燃比センサが異常であると判断する。空燃比センサに異常があると判断した場合、ECU39は、1番気筒空燃比センサ35a及び4番気筒空燃比センサ35bの値のうち、目標空燃比に対して差が大きい方の空燃比センサに異常があると判断する。そして、ステップS203へ進む。一方、ステップS202において、否定判定がなされた場合には本ルーチンを一旦抜ける。
【0130】
ステップS203では、異常があると判断した空燃比センサの作動を停止する。
【0131】
そして、空燃比センサに異常があると判断された場合には、作動が禁止されていない正常な空燃比センサのみを作動させる。
【0132】
ここで、空燃比センサに異常があると判断された場合に、“1”が記憶されるセンサ作動禁止フラグ記憶領域がECU39に設定されていることも好ましい。そして、上述した第1の実施の形態において、図5に示したフローチャートのステップS107とステップS108との間か、または、ステップS108とステップS109との間において、センサ作動禁止フラグ記憶領域へアクセスして、該センサ作動禁止フラグ記憶領域に“1”が記憶されていないか否かを判断するステップを設けてもよい。この判断で、“1”が記憶されていないと判断されれば、ステップS108またはステップS109に進み、“1”が記憶されていると判断されれば、ステップS112に進んで、作動が禁止されていない正常な空燃比センサのみを作動させることにするとよい。
【0133】
また、第1の実施の形態において説明した予熱制御及び気筒毎の運転制御において、空燃比の検出値や推定値、それに応じて実施した気筒毎の運転制御等の過去の履歴をECU39に記憶させておいてもよい。これにより、空燃比センサに異常があると判断された場合に、正常な空燃比センサと過去の履歴とに基づいて、気筒毎の運転制御を行うこともできる。
【0134】
このように、本実施の形態によれば、簡単な構成で空燃比センサの異常判定が可能となる。
【0135】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、各気筒毎の空燃比の検出を、コスト高を招くことなく、製造コストを低く抑えたうえで実現することが可能となる。さらに、このように空燃比を検出することで、燃焼変動の発生を防止し、排気エミッションの悪化やドライバビリティの悪化を防止する制御などを行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る制御装置を適用した内燃機関の概略構成を示す図。
【図2】内燃機関の内部に形成された冷却水循環経路と冷却水循環機構の概略構成を示す図。
【図3】内燃機関の予熱を行う場合の冷却水の循環回路を示す図。
【図4】蓄熱容器に貯蔵されていた温水が内燃機関内へ流入した場合に、気筒間に生じる空燃比のばらつきを説明するための図。
【図5】予熱制御及び気筒毎の運転制御のフローを表すフローチャート図。
【図6】気筒毎の運転制御について説明するための図。
【図7】1番気筒20aの排気枝管32aと、集合部32eとに、それぞれ空燃比センサを設けた実施態様を示す概略図。
【図8】図7に示す構成において、気筒間の空燃比の関係を示す図。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る制御装置による、空燃比センサの異常を検出する異常検出ルーチンを示すフローチャート図。
【符号の説明】
1 内燃機関
1a シリンダヘッド
1b シリンダブロック
2a ヘッド側冷却水路
2b ブロック側冷却水路
4 冷却水通路
5 ラジエター
7 サーモスタットバルブ
8 冷却水通路
10 機械式ウォーターポンプ
11 ヒータホース
11a 第1ヒータホース
11b 第2ヒータホース
11c 第3ヒータホース
11d 第4ヒータホース
11e 第5ヒータホース
12 ヒータコア
13 バイパス通路
13a 第1バイパス通路
13b 第2バイパス通路
13c 第3バイパス通路
14 電動ウォーターポンプ
15 蓄熱容器
17 機関内水温センサ
18 蓄熱容器内水温センサ
19 冷却水加熱機構
20a 1番気筒
20b 2番気筒
20c 3番気筒
20d 4番気筒
22 燃料噴射弁
22a 駆動回路
23 燃料配管
24 フューエルデリバリーパイプ
25 吸気枝管
26 サージタンク
27 吸気管
28 エアクリーナボックス
29 エアフローメータ
30 スロットル弁
30a スロットル用アクチュエータ
31 スロットルポジションセンサ
32a,32b,32c,32d 排気枝管
32e 集合部
33 排気浄化触媒
35a 1番気筒空燃比センサ
35b 4番気筒空燃比センサ
35c 集合部空燃比センサ
39 ECU
200 冷却水循環機構

Claims (4)

  1. 蓄熱状態にある熱媒体により順次温められる複数の気筒を有するとともに、各気筒それぞれの空燃比に基づいて所望の運転制御を行う内燃機関の制御装置において、
    前記複数の気筒にそれぞれ対応して設けられた複数の排気枝管及び該複数の排気枝管が集合する集合部のうち、前記熱媒体により温められる順に従って上位の位置と下位の位置に設けられた、少なくとも2以上で、かつ、気筒数より少ない数の空燃比検出手段と、
    各気筒の前記熱媒体による加温順に従った温度勾配に基づいて、前記空燃比検出手段により検出された空燃比から、前記空燃比検出手段が設けられていない排気枝管に連通する気筒の空燃比を推定する空燃比推定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記複数の気筒に対して、蓄熱状態にある熱媒体による熱の影響を推定する熱影響推定手段と、
    前記熱影響推定手段により、前記複数の気筒に対して前記熱媒体による熱の影響が収まったと推定される時に、前記少なくとも2以上設けられた空燃比検出手段のうち1つの空燃比検出手段のみを稼働させる制御手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記複数の気筒に対して、蓄熱状態にある熱媒体による熱の影響を推定する熱影響推定手段と、
    前記熱影響推定手段により、前記複数の気筒に対して前記熱媒体による熱の影響が収まったと推定される時に、前記空燃比検出手段により検出された特定気筒の空燃比の差が所定範囲外であった場合、前記空燃比検出手段の異常と判定する異常判定手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記空燃比推定手段により推定された空燃比と、前記空燃比検出手段により検出された空燃比とに基づいて、各気筒毎に内燃機関の運転制御を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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JP2010048164A (ja) * 2008-08-21 2010-03-04 Mazda Motor Corp 車両システムの制御方法および車両システム
JP2014148961A (ja) * 2013-02-04 2014-08-21 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
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